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特表2022-535222基板処理システムの静電チャックの温度を監視するためのRF免疫センサプローブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】基板処理システムの静電チャックの温度を監視するためのRF免疫センサプローブ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
H01L21/68 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570747
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020035041
(87)【国際公開番号】W WO2020243377
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/854,476
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティアン・シュアン
(72)【発明者】
【氏名】オオクラ・ジュニア・ユウマ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・チャンギョウ
(72)【発明者】
【氏名】クラウセン・マシュー
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA15
5F131BA19
5F131CA03
5F131EA03
5F131EB14
5F131EB78
5F131KA23
5F131KA54
5F131KA63
5F131KA72
5F131KA73
(57)【要約】
【解決手段】センサプローブは、内径を有する内部空洞を規定する伸長体を備える。プリント回路基板は、内部空洞に収まるように構成されている。第1の温度感知集積回路は、プリント回路基板の第1の端に取り付けられている。キャップは、第1の温度感知集積回路に隣接する伸長体の第1の端に取り付けられている。ハウジングは、伸長体の第2の端を受け入れるように構成され、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサプローブであって、
内径を有する内部空洞を規定する伸長体と、
前記内部空洞に収まるように構成されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板の第1の端に取り付けられた第1の温度感知集積回路と、
前記第1の温度感知集積回路に隣接する前記伸長体の第1の端に取り付けられたキャップと、
前記伸長体の第2の端を受け入れるように構成されたハウジングであって、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されたハウジングと、
を備える、センサプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記プリント回路基板は、前記内径よりも小さい幅と、前記伸長体よりも長い長さとを有する、センサプローブ。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記内径は、3mm以下であり、前記第1の温度感知集積回路の3つの直交寸法のうちの少なくとも2つは、3mm未満である、センサプローブ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記キャップと前記第1の温度感知集積回路とをつなぐポッティング材を備える、センサプローブ。
【請求項5】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記プリント回路基板は柔軟性があり、前記第1の温度感知集積回路に隣接する角度で曲がる、センサプローブ。
【請求項6】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記キャップは、前記キャップの片側から伸び、前記伸長体の前記内部空洞に受け入れられた第1の脚および第2の脚を備える、センサプローブ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、前記ハウジングに相互に受け入れられる、センサプローブ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は突出部を備え、さらに、前記伸長体の周囲に位置して前記ハウジングの内部空洞と前記突出部との間で付勢されるバネを備える、センサプローブ。
【請求項9】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記第1の温度感知集積回路は、前記キャップと接触する表面の温度を感知する、センサプローブ。
【請求項10】
請求項9に記載のセンサプローブであって、
前記表面は、静電チャック内の層である、センサプローブ。
【請求項11】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、前記ベースプレートの空洞内で前記伸長体を中心に置くための径方向突出部を備える、センサプローブ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、スロットを備える、センサプローブ。
【請求項13】
請求項12に記載のセンサプローブであって、
前記スロットは、細長い楕円形を有し、前記伸長体の軸方向に配列される、センサプローブ。
【請求項14】
請求項1に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記プリント回路基板の少なくとも1つの表面に配置された遮蔽層を備える、センサプローブ。
【請求項15】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記ハウジングは傾斜面を規定し、さらに、前記ハウジングと前記ベースプレートの空洞との間に前記傾斜面に対して配置されたOリングを備える、センサプローブ。
【請求項16】
請求項1に記載のセンサプローブであって、
前記プリント回路基板は、柔軟性がある、センサプローブ。
【請求項17】
請求項16に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記プリント回路基板の第2の端に接続されたコネクタと、
前記コネクタによって前記プリント回路基板上のトレースに接続された複数の配線と、
を備える、センサプローブ。
【請求項18】
請求項1に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記第1の温度感知集積回路と前記プリント回路基板の第2の端との間に、前記プリント回路基板に取り付けられた第2の温度感知集積回路を備える、センサプローブ。
【請求項19】
センサプローブであって、
内径を有する内部空洞を規定する伸長体と、
前記内部空洞に収まるように構成された第1のプリント回路基板と、
前記第1のプリント回路基板に取り付けられた温度感知集積回路と、
前記伸長体の一端を受け入れるように構成され、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置された第2のプリント回路基板と、
前記第1のプリント回路基板を前記第2のプリント回路基板に接続する複数の第1の導体と、
前記第2のプリント回路基板を外部装置に接続するように構成された複数の第2の導体と、
を備える、センサプローブ。
【請求項20】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記第1のプリント回路基板は、前記内径よりも小さい幅と、前記伸長体の長さよりも短い長さとを有する、センサプローブ。
【請求項21】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記第2のプリント回路基板は、前記ハウジングの長さよりも短い長さを有する、センサプローブ。
【請求項22】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記内径は、3mm以下であり、前記温度感知集積回路の3つの直交寸法のうちの少なくとも2つは、3mm未満である、センサプローブ。
【請求項23】
請求項19に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記伸長体の内部に位置するポッティング材を備える、センサプローブ。
【請求項24】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記第1のプリント回路基板および前記温度感知集積回路は、前記伸長体の長さに平行に取り付けられている、センサプローブ。
【請求項25】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記温度感知集積回路は、これに接触する表面の温度を感知する、センサプローブ。
【請求項26】
請求項25に記載のセンサプローブであって、
前記表面は、静電チャック内の層である、センサプローブ。
【請求項27】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、前記ベースプレートの空洞内で前記伸長体を中心に置くための径方向突出部を備える、センサプローブ。
【請求項28】
請求項19に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、スロットを備える、センサプローブ。
【請求項29】
請求項28に記載のセンサプローブであって、
前記スロットは、細長い楕円形を有し、前記伸長体の軸方向に配列されている、センサプローブ。
【請求項30】
請求項19に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記第1のプリント回路基板に接続されたコンデンサを備える、センサプローブ。
【請求項31】
請求項19に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記第2のプリント回路基板に接続された抵抗器を備える、センサプローブ。
【請求項32】
請求項19に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記第1のプリント回路基板の表面に配置された遮蔽層を備える、センサプローブ。
【請求項33】
センサプローブであって、
内径を有する内部空洞を規定する伸長体と、
前記内部空洞に収まるように構成された温度感知集積回路と、
前記伸長体の一端を受け入れるように構成され、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されたハウジングと、
前記ハウジングおよび前記伸長体を貫通し、前記温度感知集積回路を外部装置に接続するように構成された複数の導体と、
を備える、センサプローブ。
【請求項34】
請求項33に記載のセンサプローブであって、
前記内径は、3mm以下であり、前記温度感知集積回路の3つの直交寸法のうちの少なくとも2つは、3mm未満である、センサプローブ。
【請求項35】
請求項33に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記伸長体の内部に位置するポッティング材を備える、センサプローブ。
【請求項36】
請求項33に記載のセンサプローブであって、
前記温度感知集積回路は、前記伸長体の長さに平行に取り付けられている、センサプローブ。
【請求項37】
請求項33に記載のセンサプローブであって、
前記温度感知集積回路は、前記伸長体の長さに垂直に取り付けられている、センサプローブ。
【請求項38】
請求項33に記載のセンサプローブであって、
前記温度感知集積回路は、これに接触する表面の温度を感知する、センサプローブ。
【請求項39】
請求項38に記載のセンサプローブであって、
前記表面は、静電チャック内の層である、センサプローブ。
【請求項40】
請求項33に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、前記ベースプレートの空洞内で前記伸長体を中心に置くための径方向突出部を備える、センサプローブ。
【請求項41】
請求項33に記載のセンサプローブであって、
前記伸長体は、スロットを備える、センサプローブ。
【請求項42】
請求項41に記載のセンサプローブであって、
前記スロットは、細長い楕円形を有し、前記伸長体の軸方向に配列されている、センサプローブ。
【請求項43】
請求項33に記載のセンサプローブであって、さらに、
前記温度感知集積回路に取り付けられた複数のはんだボールを備え、前記複数の第1の導体は、前記複数のはんだボールに取り付けられている、センサプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本開示は、2019年5月30日出願の米国特許出願第62/854,476号のPCT国際出願である。上記出願の全ての開示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般に基板処理システムに関し、特に、基板処理システムにおける静電チャックの温度を監視するためのセンサプローブに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄だけでなく、出願時に先行技術に該当しない説明の態様に記載される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板上で処理を実施する。基板処理の例は、堆積、アッシング、エッチング、洗浄、および/または、他のプロセスを含む。基板処理のために、処理チャンバにプロセスガス混合物が供給されてよい。プラズマは、化学反応を促進するためにガスを点火するのに用いられてよい。
【0005】
基板は、処理の間に処理チャンバ内の基板支持体上に配置される。基板支持体の温度変化は、処理に影響を与える可能性がある。例えば、堆積速度またはエッチング速度は、基板の異なる位置における異なる温度によって影響を受けるかもしれない。その結果、堆積またはエッチングは、異なる位置において異なるだろう。いくつかの基板支持体は、複数のゾーンにおける温度を感知するために埋設された温度センサを備える。いくつかの例では、複数ゾーンの各ゾーンは、そのゾーンの温度センサが故障したときの予備として用いられる1つ以上の余剰温度センサを備える。複数ゾーンの1つのゾーンにおける全ての温度センサが故障したときは、基板支持体の交換が必要で、費用がかかることがある。
【発明の概要】
【0006】
センサプローブは、内径を有する内部空洞を規定する伸長体を備える。プリント回路基板は、この内部空洞に収まるように構成されている。第1の温度感知集積回路は、プリント回路基板の第1の端に取り付けられる。第1の温度感知集積回路に隣接した伸長体の第1の端に、キャップが取り付けられている。ハウジングは、伸長体の第2の端を受け入れるように構成されている。ハウジングは、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されている。
【0007】
他の特徴では、プリント回路基板は、内径よりも小さい幅と、伸長体よりも長い長さとを有する。内径は3mm以下であり、第1の温度感知集積回路の3つの直交寸法のうちの少なくとも2つは3mm未満である。
【0008】
他の特徴では、ポッティング材がキャップと第1の温度感知集積回路とをつなぐ。プリント回路基板は柔軟性があり、第1の温度感知集積回路に隣接する角度で曲げられる。キャップは、その片側から伸びて伸長体の内部空洞に受け入れられる第1の脚および第2の脚を備える。伸長体は、ハウジングに相互に受け入れられる。伸長体は突起を備え、さらに、伸長体の周りに位置してハウジングの内部空洞と突起との間を付勢するバネを備える。
【0009】
他の特徴では、第1の温度感知集積回路は、キャップと接触する表面の温度を感知する。この表面は、静電チャック内の層である。
【0010】
他の特徴では、伸長体は、ベースプレートの空洞の中央に伸長体を位置決めする径方向の突起を備える。伸長体は、スロットを備える。スロットは細長い楕円形を有し、伸長体の軸方向に配列されている。
【0011】
他の特徴では、プリント回路基板の少なくとも1つの面に遮蔽層が配置されている。ハウジングは、傾斜面を規定する。Oリングは、ハウジングとベースプレートの空洞との間に傾斜面に対して配置されている。
【0012】
他の特徴では、プリント回路基板は柔軟性がある。コネクタは、プリント回路基板の第2の端に接続されている。複数のワイヤは、コネクタによってプリント回路基板上のトレースに接続されている。第2の温度感知集積回路は、第1の温度感知集積回路とプリント回路基板の第2の端との間のプリント回路基板に取り付けられている。
【0013】
センサプローブは、内径を有する内部空洞を規定する伸長体を備える。第1のプリント回路基板は、この内部空洞に収まるように構成されている。第1のプリント回路基板には、温度感知集積回路が取り付けられている。ハウジングは、伸長体の一端を受け入れるように構成され、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されている。第2のプリント回路基板は、ハウジング内に配置されている。複数の第1の導体は、第1のプリント回路基板を第2のプリント回路基板に接続する。複数の第2の導体は、第2のプリント回路基板を外部装置に接続するように構成されている。
【0014】
他の特徴では、第1のプリント回路基板は、内径よりも小さい幅と、伸長体の長さよりも短い長さとを有する。第2のプリント回路基板は、ハウジングの長さよりも短い長さを有する。内径は3mm以下であり、温度感知集積回路の3つの直交寸法のうちの少なくとも2つは3mm未満である。
【0015】
他の特徴では、ポッティング材は伸長体の内部に位置する。第1のプリント回路基板および温度感知集積回路は、伸長体の長さに平行に取り付けられる。温度感知集積回路は、これに接触する表面の温度を感知する。この表面は、静電チャック内の層である。伸長体は、ベースプレートの空洞の中央に伸長体を位置決めする径方向の突起を備える。
【0016】
他の特徴では、伸長体はスロットを備える。スロットは細長い楕円形を有し、伸長体の軸方向に配列されている。コンデンサは、第1のプリント回路基板に接続されている。抵抗器は、第2のプリント回路基板に接続されている。遮蔽層は、第1のプリント回路基板の表面に配置されている。
【0017】
センサプローブは、内径を有する内部空洞を規定する伸長体を備える。温度感知集積回路は、この内部空洞に収まるように構成されている。ハウジングは、伸長体の一端を受け入れるように構成され、基板支持体のベースプレートに取り付けられるように構成されている。複数の導体は、ハウジングおよび伸長体を貫通し、温度感知集積回路を外部装置に接続するように構成されている。
【0018】
他の特徴では、内径は3mm以下であり、温度感知集積回路の3つの直交寸法のうちの少なくとも2つは3mm未満である。ポッティング材は、伸長体の内部に位置する。温度感知集積回路は、伸長体の長さに平行に取り付けられる。温度感知集積回路は、伸長体の長さに垂直に取り付けられる。
【0019】
他の特徴では、温度感知集積回路は、これに接触する表面の温度を感知する。この表面は、静電チャック内の層である。伸長体は、ベースプレートの空洞の中央に伸長体を位置決めする径方向の突起を備える。
【0020】
他の特徴では、伸長体はスロットを備える。スロットは細長い楕円形を有し、伸長体の軸方向に配列されている。複数のはんだボールは、温度感知集積回路に取り付けされている。複数の第1の導体は、複数のはんだボールに取り付けられている。
【0021】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示の目的のみを意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0023】
図1】本開示によるセンサプローブを備える例示的な容量結合プラズマ(CCP)基板処理システムの機能ブロック図。
【0024】
図2】本開示によるセンサプローブを備える例示的な誘導結合プラズマ(ICP)基板処理システムの機能ブロック図。
【0025】
図3】本開示によるセンサプローブを備える例示的な基板支持体の側断面図。
【0026】
図4A】本開示による例示的なセンサプローブの側面図。
【0027】
図4B】本開示による例示的なセンサプローブの側断面図。
【0028】
図5】本開示による例示的なプリント回路基板の平面図。
【0029】
図6】本開示による例示的なセンサプローブ本体の拡大部分側面図。
【0030】
図7】本開示による、温度感知集積回路、抵抗器、およびコンデンサを含む例示的な制御回路の電気回路機能ブロック図。
【0031】
図8】本開示による、プリント回路基板への温度感知集積回路の取り付け例を示す側面図。
【0032】
図9A】本開示による、金属キャップへの温度感知集積回路およびプリント回路基板の取り付け例を示す側面図。
図9B】本開示による、金属キャップへの温度感知集積回路およびプリント回路基板の取り付け例を示す側面図。
【0033】
図10A】本開示による、キャップへの温度感知集積回路のポッティング例を示す側面図。
図10B】本開示による、キャップへの温度感知集積回路のポッティング例を示す側面図。
【0034】
図11A】本開示による、プリント回路基板、温度感知集積回路、およびキャップのセンサプローブ本体への挿入例を示す側面図。
図11B】本開示による、プリント回路基板、温度感知集積回路、およびキャップのセンサプローブ本体への挿入例を示す側面図。
【0035】
図12】本開示による別の例示的なセンサプローブを示す側面図。
【0036】
図13】本開示による別の例示的なセンサプローブを示す側断面図。
【0037】
図14】本開示によるEMIシールドのための金属層を備えるPCBの側断面図。
【0038】
図15】本開示による別の例示的なセンサプローブを示す側断面図。
【0039】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照番号は繰り返し用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示は、処理チャンバにおいて基板の表面温度を感知するセンサプローブに関する。センサプローブは、温度感知集積回路を備える。いくつかの例では、温度感知集積回路は金属製で、基準電位(接地など)に接続された本体の内部に位置する。例えば、本体はベースプレートに接地されてよい。その結果、センサプローブの本体はファラデケージとして機能し、センサプローブは、温度感知環境に存在するRF信号(RFバイアス信号、電極信号など)の影響を受けない。あるいは、本体は金属材料または非金属材料で作られてよく、接地平面または電磁シールドは、電磁障害(EMI)を低減する、またはさらに低減するために用いることができる。
【0041】
いくつかの例では、温度感知集積回路は、3つの直交寸法のうちの少なくとも2つにおいて3mm未満の小さいフォームファクタを有する。いくつかの例では、温度感知集積回路は、全ての3つの直交寸法において2mm未満の小さいフォームファクタを有する。いくつかの例では、センサプローブの本体は、4mm以下の外径および3mm以下の内径を有する。
【0042】
ここで図1および図2を参照すると、センサプローブを用いうる例示的なプラズマ処理チャンバが示されている。理解できるように、センサプローブは、冷却台座、スピンチャック、処理チャンバなど、様々な他の種類の半導体処理装置に用いることができる。図1には、本開示による例示的な基板処理システム110が示されている。基板処理システム110は、基板処理システム110の他の構成部品を取り囲み、(用いられる場合に)RFプラズマを含む処理チャンバ122を備える。基板処理システム110は、上部電極124および基板支持体126(静電チャック(ESC)など)を備える。動作の間、基板128は基板支持体126の上に配置される。
【0043】
例えのみで、上部電極124は、プロセスガスを導入・分配するシャワーヘッドなどのガス分配装置129を備えてよい。ガス分配装置129は、処理チャンバの上面に結合された一端を有するステム部を備えてよい。ベース部は一般に円筒状で、処理チャンバの上面から離れた位置でステム部のもう一端から径方向外向きに伸びる。シャワーヘッドのベース部の基板対向面またはフェースプレートは、前駆体、反応物、エッチングガス、不活性ガス、キャリアガス、他のプロセスガス、またはパージガスが流れる複数の孔を備える。あるいは、上部電極124は導電性プレートを備えてよく、プロセスガスは別の方法で導入されてよい。
【0044】
基板支持体126は、下部電極として機能するベースプレート130を備える。ベースプレート130は、セラミックマルチゾーン加熱プレートに相当しうる加熱プレート132を支持する。加熱プレート132とベースプレート130との間に熱抵抗層134が配置されてよい。ベースプレート130は、そこを通じて冷媒を流すための1つ以上の流路136を備えてよい。
【0045】
RF生成システム140はRF電圧を生成し、上部電極124および下部電極(例えば、基板支持体126のベースプレート130)の一方に出力する。上部電極124およびベースプレート130のもう一方は、DC接地されてよい、AC接地されてよい、または浮遊状態であってよい。例えのみで、RF生成システム140は、整合分配ネットワーク144によって上部電極124またはベースプレート130に供給されるRFプラズマ電力を生成するRF発生器142を備えてよい。他の例では、プラズマは誘導的にまたは間接的に生成されてよい。
【0046】
ガス供給システム150は、1つ以上のガス源152-1、152-2、・・・、および152-N(総称して、ガス源152)を備える(Nはゼロよりも大きい整数)。ガス源152は、弁154-1、154-2、・・・、および154-N(総称して、弁154)、ならびに、MFC156-1、156-2、・・・、および156-N(総称して、MFC156)によってマニホールド160に接続されている。MFC156とマニホールド160との間に2次弁が用いられてよい。単一ガス供給システム150が示されているが、2つ以上のガス供給システムを用いることができる。
【0047】
温度制御装置163は、加熱プレート132に配置された複数の熱制御素子(TCE)164に接続されてよい。温度制御装置163は、基板支持体126および基板128の温度を制御するように複数のTCE164を制御するために用いられてよい。温度制御装置163は、流路136を通る冷媒流を制御するために冷媒アセンブリ166と連通してよい。例えば、冷媒アセンブリ166は、冷媒ポンプ、貯留槽、および/または、1つ以上の温度センサを備えてよい。温度制御装置163は、基板支持体126を冷却するために、流路136を通じて冷媒を選択的に流すように冷媒アセンブリ166を操作する。
【0048】
弁170およびポンプ172は、処理チャンバ122から反応物を排出するために用いられてよい。システムコントローラ180は、基板処理システム110の構成部品を制御するために用いられてよい。表面温度を感知するために、基板支持体に規定された空洞に1つ以上のセンサプローブ190が挿入されてよい。
【0049】
図2には、別の例示的な基板処理システム210が示されている。基板処理システム210は、コイル駆動回路211を備える。パルス回路214は、RF電力をオンおよびオフにパルス化するため、または、RF電力の振幅またはレベルを変更するために用いられてよい。同調回路213は、1つ以上の誘導コイル216に直接接続されてよい。同調回路213は、RF源212の出力を所望の周波数および/または所望の位相に同調させ、コイル216のインピーダンスを一致させ、コイル216の間で電力を分離する。いくつかの例では、コイル駆動回路211は、RFバイアスの制御と同時に、以下にさらに説明される駆動回路の1つに置き換えられる。
【0050】
いくつかの例では、熱風流および/または冷風流によって誘電体窓224の温度を制御するために、コイル216と誘電体窓224との間にプレナム220が配置されてよい。誘電体窓224は、処理チャンバ228の片側に沿って配置されている。処理チャンバ228はさらに、基板支持体(または、台座)232を備える。基板支持体232は、静電チャック(ESC)、または機械式チャック、または他の種類のチャックを含んでよい。プロセスガスは処理チャンバ228に供給され、処理チャンバ228の内部でプラズマ240が生成される。プラズマ240は、基板234の露出面をエッチングする。駆動回路252(例えば、以下に説明される駆動回路の1つ)は、動作中に基板支持体232の電極にRFバイアスを提供するために用いられてよい。
【0051】
ガス供給システム256は、処理チャンバ228にプロセスガス混合物を供給するために用いられてよい。ガス供給システム256は、プロセスガス・不活性ガス源257、弁およびマスフローコントローラなどのガス計量システム258、ならびにマニホールド259を備えてよい。ガス供給システム260は、弁261を通じてプレナム220にガス262を供給するために用いられてよい。ガスは、コイル216および誘電体窓224を冷却するために用いられる冷却ガス(冷却風)を含んでよい。基板支持体232を既定温度に加熱/冷却するためにヒータ/クーラ264が用いられてよい。排気システム265は、パージまたは排気によって処理チャンバ228から反応物を除去するための弁266およびポンプ267を備える。
【0052】
制御装置254は、エッチングプロセスを制御するために用いられてよい。制御装置254は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の供給、プラズマの点弧、維持、および消弧、反応物の除去、冷却ガスの供給などを制御する。また、以下に詳細に説明されるように、制御装置254は、コイル駆動回路211および駆動回路252の様々な態様を制御してよい。基板の温度を感知するために、基板支持体の空洞の中に1つ以上のセンサプローブ190が挿入されてよい。
【0053】
次に図3図4A、および図4Bを参照すると、静電チャック(ESC)などの基板支持体300は、ヒータ層314に隣接して配置されたベースプレート310を備える。基板支持体のベースプレートが示されているが、センサプローブは、基板処理装置の他の部品の表面温度を感知するためにも用いられうる。ヒータ層314は、ヒータ316を備える。電極320を含むセラミック層318は、ヒータ層314に隣接して配置されている。センサプローブ190は、円筒状の空洞332に挿入されている。
【0054】
いくつかの例では、センサプローブ190は、第1の端部334を有する伸長体330を備える。センサプローブ190の第1の端部334は、伸長体330の直径よりも大きい直径を有する。伸長体330は、その一端に位置するネジ付きハウジング336に受け入れられる。
【0055】
ネジ付きハウジング336は、第1の部分338、第2の部分340、および第3の部分344を含む。いくつかの例では、第1の部分338、第2の部分340、および第3の部分344は円筒状で、つながった内部空洞を備える。第2の部分340は、第1の部分338の直径よりも大きい直径を有する。第2の部分340は、基板支持体300のベースプレート310のネジ穴348に受け入れられるネジ山346を備える。第3の部分344は、挿入および取り外しを可能にするために、センサプローブ190がベースプレート310に対して回転できるように、ベースプレート310から径方向外向きに突出している。
【0056】
プリント回路基板(PCB)354(フレキシブルPCBなど)は、伸長体330を貫通し、ネジ付きハウジング336の第3の部分344から伸びる。PCB354は、コネクタ356(PCBなど)によって、電力を供給する1つ以上の配線360、接地、および、センサプローブ190内に位置する集積回路との間の1つ以上の信号線に接続されている。
【0057】
図4Aにおいて、センサプローブ190の伸長体330は、伸長体330の直径から第1の端部334のより大きい直径への移行を提供する傾斜面361を備える。スペーサ362は、円筒状空洞332の内部で伸長体330を均等に配置するために伸長体330から径方向に突出している。傾斜面372は、ネジ付きハウジング336の第1の部分338から第2の部分340への移行を提供する。いくつかの例では、Oリング376は傾斜面372に対して配置され、RFガスケットとして機能する。
【0058】
図4Bでは、伸長体330は、第1の端部334に沿って位置する径方向突出面408を備える。センサプローブ190は、ネジ付きハウジング336に形成された空洞の内面に隣接する第1の端部334の周囲に位置するバネ410を備える。バネ410は、表面温度を決定するために伸長体330の一端を表面に対して付勢する。
【0059】
第1の集積回路420は、PCB354に取り付けられる。第1の集積回路420は、監視されるべき表面の第1の温度を感知する。いくつかの例では、第2の集積回路422がPCB354に取り付けられる。第2の集積回路422は、第1の集積回路420の監視診断および/または合理性チェックのために、監視されるべき表面から遠隔の温度を感知し、第1の集積回路420によって測定された温度の信頼性を高めるのに用いられる。
【0060】
図5には、センサプローブ190の伸長体330よりも長い距離で伸びる第1の部分508を備えるPCB354が示されている。第1の集積回路420は、第1の部分508の一端に取り付けられている。第2の集積回路422が用いられる場合は、第1の集積回路420から離れた位置に取り付けられる。PCB354の第2の端510は、トレース522(一部図示)に接続された端子526を備える。PCB354は、端子526から第1の集積回路420および/または第2の集積回路422への接続を提供するために、導電性トレース、ビア、接地面などを含む2つ以上の層を備える。
【0061】
次に図6を参照すると、伸長体330は、熱伝達を可能にするために1つ以上のスロット610を備えてよい。いくつかの例では、スロット610は細長い楕円形を有し、伸長体330の軸方向に配列されている。
【0062】
次に図7を参照すると、第1の集積回路420、抵抗器R1および抵抗器R2、ならびにコンデンサC1を有する回路700が示されている。電圧供給ラインV+は、第1の集積回路420のV+端子に接続されている。接地などの第1の基準電位は、第1の集積回路420のGND入力および第2の入力に接続されている。信号ラインS1および信号ラインS2は、第1の集積回路420のSDAラインおよびSGLラインに接続されている。抵抗器R1および抵抗器R2は、電圧供給ラインV+と信号ラインS1および信号ラインS2との間に接続されている。
【0063】
次に図8を参照すると、PCB354への第1の集積回路420の取り付けが示されている。はんだバンプ810は、第1の集積回路420のパッドをPCB354の対応するパッドに結合する。
【0064】
次に図9Aおよび図9Bを参照すると、キャップ820への第1の集積回路420およびPCB354の取り付けが示されている。いくつかの例では、キャップ820は金属製で、その片側から伸びる脚822および脚824を備える。図9Aにおいて、キャップ820は、PCB354の取り付け面に対して直角に伸びる脚822および脚824によって配置される、または取り付けられる。図9Bにおいて、キャップ820は、PCB354の取り付け面に平行に伸びる脚822および脚824によって配置される、または取り付けられる。
【0065】
次に図10Aおよび図10Bを参照すると、キャップ820への第1の集積回路420のポッティングが示されている。ポッティング材1010は、集積回路にキャップ820を取り付けるために注入される。
【0066】
次に図11Aおよび図11Bを参照すると、PCB354、第1の集積回路420、およびキャップ820は、伸長体330の空洞1100に挿入されている。図11Bでは、PCB354は、キャップ820の脚822および脚824が伸長体330の一端に挿入されるように直角に曲げられている。
【0067】
次に図12および図13を参照すると、別の例示的なセンサプローブ1200が示されている。図12では、センサプローブ1200は、ネジ付きハウジング1214に結合された伸長体1210を備える。いくつかの例では、ネジ付きハウジング1214は、ネジ付き表面1216を備える。
【0068】
図13において、第1の集積回路1320は、はんだボール1330によって第1のPCB1326に取り付けられている。コンデンサ1334は、第1のPCB1326に取り付けられている。第2のPCB1350は、ネジ付きハウジング1214に配置され、取り付けられた抵抗器1360を備える。1つ以上の配線1362は、外部接続を提供する。1つ以上の配線またはハードPCBトレース1366は、第1のPCB1326と第2のPCB1350との間の接続を提供する。ポッティング材1370は、伸長体1210の内部に位置する。第1の集積回路1320は、表面1380の温度を感知する。
【0069】
次に図14を参照すると、追加の遮蔽が必要な場合は、PCB1400の上面および/または底面を覆って高い遮蔽を提供するために遮蔽層1410を用いることができる。いくつかの例では、遮蔽層1410は金属層を含む。いくつかの例では、遮蔽層1410は、接地などの基準電位に接続される。他の例では、遮蔽層1410は複数の導体を含む。いくつかの例では、複数の導体は等間隔に位置し、1つ以上の横方向にグリッドを形成する。複数の導体は、接地などの基準電位に接続される。
【0070】
次に図15を参照すると、センサプローブは、プリント回路基板を用いることなく実装されてもよい。温度感知集積回路の位置における変化を示すために2つのセンサプローブが示されているが、1つまたは2つ以上のセンサプローブが所定用途で用いられうる。第1のセンサプローブ1510-1および第2のセンサプローブ1510-2は、それぞれ伸長体1210-1および伸長体1210-2の表面対向端に隣接する、それぞれ伸長体1210-1および伸長体1210-2の内部に位置する集積回路1520-1および集積回路1520-2を備える。複数のはんだボール1530-1および複数のはんだボール1530-2は、それぞれ集積回路1520-1および集積回路1520-2への接続を提供する。複数の配線1562-1および複数の配線1562-2は、それぞれネジ付きハウジング1214-1およびネジ付きハウジング1214-2ならびに伸長体1210-1および伸長体1210-2を通じて集積回路1520-1および集積回路1520-2に1つ以上の外部接続を提供するために、複数のはんだボール1530-1および複数のはんだボール1530-2の選択されたはんだボールにはんだ付けされる。いくつかの例では、複数の配線1562-1および複数の配線1562-2は、絶縁導体を含む。
【0071】
ポッティング材1570-1およびポッティング材1570-2は、それぞれ伸長体1210-1および伸長体1210-2の内部に位置する。集積回路1520-1および集積回路1520-2は、表面1580の温度を感知する。集積回路1520-1および集積回路1520-2は、伸長体1210-1および伸長体1210-2に平行に、伸長体1210-1および伸長体1210-2垂直に、またはその間の角度で配置できる。
【0072】
いくつかの例では、はんだボールSの数は、配線Wの数に等しい(SおよびWは、1よりも大きい整数)。他の例では、S>WまたはW>Sである。
【0073】
前述は本質的に単なる説明であり、本開示、その適用または使用を決して限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、本図面、本明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更形が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきでない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するように上述されているが、本開示の実施形態に関して説明されたそれらの特徴の任意の1つ以上は、他の実施形態において実施されうる、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていない場合でも)実施されうる。つまり、記載の実施形態は互いに排他的でなく、1つ以上の実施形態の相互の並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0074】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記開示において第1の要素と第2の要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、同時に第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いる論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきでない。
【0075】
いくつかの実施形態では、制御装置は、上述の例の一部であってよいシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。これらの電子機器は「制御装置」と呼ばれてよく、システムの様々な構成部品または副部品を制御してよい。制御装置は、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールおよび/または特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0076】
概して制御装置は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形で制御装置に伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御装置は、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば制御装置は、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更し、現行の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、制御装置は、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、制御装置が接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のように制御装置は、例えば互いにネットワーク接続する1つ以上の別々の制御装置を含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散された制御装置の例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0078】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0079】
上述のように制御装置は、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別の制御装置、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】