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特表2022-535282KHZ RF発生器の動作サイクル内でMHZ RF発生器を調節するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-05
(54)【発明の名称】KHZ RF発生器の動作サイクル内でMHZ RF発生器を調節するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220729BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572384
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 US2020031723
(87)【国際公開番号】W WO2020247138
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】62/858,538
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーバルト・アーサー・エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルコア・ジョン・シー.・ジュニア
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084AA08
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC15
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD24
2G084DD55
2G084HH08
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH24
2G084HH25
2G084HH27
2G084HH29
2G084HH52
5F004AA16
5F004BA09
5F004CA03
5F004CB06
(57)【要約】
【解決手段】キロヘルツ(kHz)RF発生器の動作サイクル内でメガヘルツ無線周波数(RF)発生器を調節するためのシステムおよび方法が説明される。方法の1つでは、所定の周期波形がプロセッサに提供される。プロセッサは、コンピュータベースのモデルを使用して、所定の周期波形についての複数の周波数パラメータを決定する。周波数パラメータは、メガヘルツRF発生器に適用され、キロヘルツRF発生器の動作の1つまたは複数のサイクル中に周波数パラメータを有するRF信号を生成する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節方法であって、
第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの第1のセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることと、
前記複数の反射パラメータ値を無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することであって、前記無線周波数経路は、前記第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間にあることと、
前記第2の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の複数の周波数変調パラメータを受信することと、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の周波数変調パラメータの値を決定することであって、前記複数の周波数変調パラメータの前記値は、前記コンピュータベースのモデルの入力における反射係数パラメータを最小化するように決定されることと
前記第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの第2のセットの間、前記複数の周波数変調パラメータの前記値に従って前記第2の無線周波数発生器を制御することと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の反射パラメータ値に前記アクセスすること、前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記計算すること、前記周波数変調パラメータの前記値を前記決定すること、および前記第2の無線周波数発生器を前記制御することは、前記プラズマチャンバ内の基板の処理中に実行される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の反射パラメータ値は、複数の電圧反射係数値を含み、前記反射係数パラメータは、平均電力反射係数である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記動作の1つまたは複数のサイクルの第2のセットは、前記動作の1つまたは複数のサイクルの第1のセットの後に続く、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のセットは、前記第1の無線周波数発生器の動作の2つ以上のサイクルを含み、前記複数の反射パラメータ値の各々は、前記第1のセットの前記2つ以上のサイクルにわたって計算された複数の反射係数値の平均である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの第3のセットについて、前記複数の反射パラメータ値に前記アクセスすること、前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記計算すること、および前記複数の周波数変調パラメータの前記値を前記決定することを繰り返すことと、
前記第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの第4のセットの間、前記第2の無線周波数発生器を前記制御することを繰り返すことと
をさらに含み、
前記第3のセットは、前記第2のセットの後に続き、前記第4のセットは、前記第3のセットの後に続く、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の反射パラメータ値は、複素電圧および複素電流の複数の値を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記コンピュータベースのモデルは、複数の回路要素を含み、前記複数の回路要素のうちの2つの隣接する回路要素は、接続を介して互いに結合され、前記コンピュータベースのモデルは、前記無線周波数経路のインピーダンスと実質的に同じインピーダンスを有する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記コンピュータベースのモデルは、複数の回路要素を含み、前記複数の回路要素のうちの2つの隣接する回路要素は、接続を介して互いに結合され、前記複数の回路要素は、前記無線周波数経路の複数の回路構成要素を表し、前記無線周波数経路の前記複数の回路構成要素と同じ方式で接続される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記無線周波数経路は、
前記第2の無線周波数発生器をマッチネットワークの分岐部と結合する無線周波数ケーブルと、
前記分岐部と、
前記マッチネットワークと前記プラズマチャンバを結合する無線周波数伝送ラインと、
前記プラズマチャンバの電極と
を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに適用することによって、マッチネットワークに対する静電容量を決定することをさらに含み、前記マッチネットワークは、前記第2の無線周波数発生器と前記プラズマチャンバとの間、および前記第1の無線周波数発生器と前記プラズマチャンバとの間に結合される、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに前記適用することは、
前記コンピュータベースのモデルの出力から前記コンピュータベースのモデルを介して前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を逆伝播し、前記コンピュータベースのモデルの前記入力での第1の複数の反射パラメータ入力値の計算を容易にすることであって、前記第1の複数の反射パラメータ入力値は、前記複数の周波数変調パラメータの量が前記コンピュータベースのモデルに利用可能であるときに決定されることと、
前記第1の複数の反射パラメータ入力値の第1の平均を計算することと、
前記コンピュータベースのモデルの前記出力から前記コンピュータベースのモデルを介して前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を逆伝播し、前記コンピュータベースのモデルの前記入力での第2の複数の反射パラメータ入力値の計算を容易にすることであって、前記第2の複数の反射パラメータ入力値は、前記複数の周波数変調パラメータの前記値が前記コンピュータベースのモデルに利用可能であるときに決定されることと、
前記第2の複数の反射パラメータ入力値の第2の平均を計算することと、
前記第2の平均が前記第1の平均よりも低いかどうかを決定することと
を含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
受信される前記複数の周波数変調パラメータは、前記第1の無線周波数発生器の動作の前記1つまたは複数のサイクルのうちの1つに関連する周期関数を表す、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記周期関数は、台形関数、正弦関数、パルス関数、および鋸歯状関数のうちの1つである、方法。
【請求項15】
調節方法であって、
レシピ開発中、
第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることと、
前記複数の反射パラメータ値を無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することであって、前記無線周波数経路は、前記第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間にあることと、
前記第2の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の複数の周波数変調パラメータを受信することと、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の周波数変調パラメータの値を決定することであって、前記複数の周波数変調パラメータの前記値は、前記コンピュータベースのモデルの入力における1つまたは複数の反射係数パラメータを最小化するように決定されることと、
別のプラズマチャンバ内での基板の処理中、
前記レシピ開発中に決定された前記複数の周波数変調パラメータの前記値に従って第3の無線周波数発生器を制御することであって、前記第3の無線周波数発生器を前記制御することは、第4の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットの間に実施されることと
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記レシピ開発中に最小化される前記1つまたは複数の反射係数パラメータは、平均電力反射係数を含み、前記複数の反射パラメータ値は、電圧反射係数の複数の値を含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記第3の無線周波数発生器は、前記第2の無線周波数発生器と同じ動作周波数を有するように指定され、前記第4の無線周波数発生器は、前記第1の無線周波数発生器と同じ動作周波数を有するように指定される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記第1の無線周波数発生器の動作の前記1つまたは複数のサイクルのセットは、前記第1の無線周波数発生器の動作の2つ以上のサイクルを含み、前記複数の反射パラメータ値の各々は、前記第1の無線周波数発生器の動作の前記2つ以上のサイクルにわたって決定される複数の反射係数値の平均である、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、
前記複数の反射パラメータ値は、複素電圧および複素電流の複数の値を含む、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、
前記複数の周波数変調パラメータは、台形関数、または正弦関数、または矩形関数、または三角形関数を定義する、方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに適用することによって、マッチネットワークに対する静電容量を決定することをさらに含み、前記マッチネットワークは、前記第3の無線周波数発生器と前記他のプラズマチャンバとの間、および前記第4の無線周波数発生器と前記他のプラズマチャンバとの間に結合される、方法。
【請求項22】
請求項15に記載の方法であって、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに前記適用することは、
前記コンピュータベースのモデルの出力から前記コンピュータベースのモデルを介して前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を逆伝播し、前記コンピュータベースのモデルの前記入力での第1の複数の反射パラメータ入力値を計算することであって、前記第1の複数の反射パラメータ入力値は、前記複数の周波数変調パラメータの量が前記コンピュータベースのモデルに利用可能であるときに決定されることと、
前記第1の複数の反射パラメータ入力値の第1の平均を計算することと、
前記コンピュータベースのモデルの前記出力から前記コンピュータベースのモデルを介して前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を逆伝播し、前記コンピュータベースのモデルの前記入力での第2の複数の反射パラメータ入力値を計算することであって、前記第2の複数の反射パラメータ入力値は、前記複数の周波数変調パラメータの前記値が前記コンピュータベースのモデルに利用可能であるときに決定されることと、
前記第2の複数のパラメータ入力値の第2の平均を計算することと、
前記第2の平均が前記第1の平均よりも低いと決定することと
を含む、方法。
【請求項23】
調節方法であって、
レシピ開発中、
第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることと、
前記複数の反射パラメータ値を前記第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間の無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することと、
前記第2の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の複数の周波数変調パラメータを受信することであって、前記複数の周波数変調パラメータは、前記無線周波数信号の周波数変動を含むことと、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の周波数変調パラメータの値を決定することであって、前記複数の周波数変調パラメータの前記値は、前記コンピュータベースのモデルの入力における1つまたは複数の反射係数パラメータを最小化するように決定されることと、
別のプラズマチャンバ内での基板の処理中、
前記レシピ開発中に決定された前記複数の周波数変調パラメータの前記値に従って第3の無線周波数発生器を制御することであって、前記第3の無線周波数発生器を前記制御することは、前記複数の周波数変調パラメータの前記値を前記第3の無線周波数発生器の動作のベースライン周波数に適用することを含むことと
を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記複数の周波数変調パラメータは、台形関数、または正弦関数、または矩形関数、または三角形関数を定義する、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
前記レシピ開発中に最小化される前記1つまたは複数の反射係数パラメータは、平均電力反射係数を含み、前記複数の反射パラメータ値は、電圧反射係数の複数の値を含む、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、
前記ベースライン周波数は、前記第3の無線周波数発生器に関連する電力ベースのパラメータを最小化するために使用される、方法。
【請求項27】
調節方法であって、
レシピ開発中、
第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることであって、前記複数の反射パラメータ値の各々は、前記第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの各々のビンに対応することと、
前記複数の反射パラメータ値を無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、前記複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することであって、前記無線周波数経路は、前記第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間にあることと、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の周波数変調パラメータの値を決定することであって、前記複数の周波数変調パラメータの前記値は、前記ビンの各々について前記コンピュータベースのモデルの入力における反射係数パラメータの複数の値を最小化するように決定されることと、
別のプラズマチャンバ内での基板の処理中、
前記レシピ開発中に決定された前記複数の周波数変調パラメータの前記値に従って第3の無線周波数発生器を制御することであって、前記第3の周波数発生器を前記制御することは、第4の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットの間に実施されることと
を含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
前記反射係数パラメータは、電力反射係数パラメータを含む、方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法であって、
前記第1の無線周波数発生器の動作の前記1つまたは複数のサイクルのセットは、前記第1の無線周波数発生器の動作の2つ以上のサイクルを含み、前記複数の反射パラメータ値の各々は、前記第1の無線周波数発生器の動作の前記2つ以上のサイクルにわたって決定される複数の反射係数値の平均である、方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法であって、
前記複数の周波数変調パラメータは、前記第3の無線周波数発生器によって出力される無線周波数信号の平均周波数と、前記第3の無線周波数発生器によって出力される前記無線周波数信号の周波数変動とを含み、前記周波数変動は、前記第4の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の各ビンに対するものである、方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法であって、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値は、前記コンピュータベースのモデルに適用されてマッチネットワークに対する静電容量を決定し、前記マッチネットワークは、前記第3の無線周波数発生器と前記他のプラズマチャンバとの間、および前記第4の無線周波数発生器と前記他のプラズマチャンバとの間に結合される、方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法であって、
前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値を前記コンピュータベースのモデルに前記適用することは、
前記コンピュータベースのモデルの出力から前記コンピュータベースのモデルを介して前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値の第1の値を逆伝播し、前記コンピュータベースのモデルの前記入力での第1の反射パラメータ入力値の計算を容易にすることであって、前記第1の反射パラメータ入力値は、前記複数の周波数変調パラメータの量が前記コンピュータベースのモデルに利用可能であるときに決定されることと、
前記コンピュータベースのモデルの前記出力から前記コンピュータベースのモデルを介して前記複数の負荷インピーダンスパラメータ値の前記第1の値を逆伝播し、前記コンピュータベースのモデルの前記入力での第2の反射パラメータ入力値を計算することであって、前記第2の反射パラメータ入力値は、前記複数の周波数変調パラメータの前記値が前記コンピュータベースのモデルに利用可能であるときに決定されることと、
前記第2の反射パラメータ入力値が前記第1の反射パラメータ入力値よりも低いかどうかを決定することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、キロヘルツ(kHz)RF発生器の動作サイクル中にメガヘルツ(MHz)無線周波数(RF)発生器を調節するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0003】
プラズマツールでは、1つまたは複数の無線周波数(RF)発生器がインピーダンス整合回路に結合される。インピーダンス整合回路は、プラズマチャンバに結合される。RF信号は、RF発生器からインピーダンス整合回路に供給される。インピーダンス整合回路は、RF信号を受信するとRF信号を出力する。RF信号は、プラズマチャンバ内でウエハを処理するために、インピーダンス整合回路からプラズマチャンバに供給される。ウエハの処理中、ある量の電力がプラズマチャンバのプラズマから、インピーダンス整合回路を介して1つまたは複数のRF発生器に向かって反射される。反射電力は、ウエハの処理効率を低下させ、1つまたは複数のRF発生器に対する損傷も引き起こす。
【0004】
本開示に記載される実施形態は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、キロヘルツ(kHz)無線周波数(RF)発生器の動作サイクル中にメガヘルツ(MHz)RF発生器を調節するための装置、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。本実施形態は、多くの方法、例えば、プロセス、装置、システム、ハードウェアの一部、またはコンピュータ可読媒体上の方法で実施することができることを理解されたい。いくつかの実施形態を、以下に説明する。
【0006】
いくつかのプラズマエッチングシステムは2つの異なるRF周波数で動作し、1つは400キロヘルツ(kHz)などの低い周波数であり、もう1つは、例えば、60メガヘルツ(MHz)などの100倍以上高い周波数である。より高いRF周波数に対する負荷インピーダンスは、より低いRF周波数によって強く変調され得る。各RF周波数に対する整合ネットワークは、1つの可変コンデンサと可変RF周波数を使用して調節される。例えば、より高いRF周波数は、57MHz~63MHzの範囲の値に調節される。負荷インピーダンスの単一の値は、電圧反射係数Γがゼロに近くなるように調節することができるが、より高いRF周波数のインピーダンスは、より低い周波数RFの位相によって変化するため、可変コンデンサと、より低いRF周波数のサイクルのすべての部分で機能するより高いRF周波数の単一の組み合わせを決定することは困難である。単一の組み合わせがない場合、時間-平均電力反射係数Γ2は、50%にもなる可能性がある。
【0007】
一実施形態では、より高いRF周波数が平均値に加えて平均値の周りの変動を有する方法が提供される。変動は、RF周波数が低いほど周期的であり、所定の関数形式を有する。例えば、変動は、より低いRF周波数に相対的な振幅および位相を有する方形波である。別の例として、変動は、正弦関数または矩形関数である。さらに別の例として、変動は、周波数ランプによって接続された高周波数セグメントおよび低周波数セグメントを有する台形関数である。
【0008】
第1の実施形態では、より高い周波数のRF発生器を制御するために、周波数パラメータおよびマッチネットワークパラメータを決定するための方法が提供される。第1の実施形態では、以下の動作が実施される:
1.プラズマツールは、より低い周波数の波形の周波数および位相を検出する。
一例として、より低い周波数は、より低い周波数のRF発生器に問い合わせることによって検出され、より低い周波数の位相は、より低い周波数の電圧ゼロ交点を検出することから推定される。
2.プラズマツールは、センサおよび高速データ取得を使用して、より低い周波数の1サイクルまたは数サイクルの期間にわたってより高い周波数のRF発生器と整合ネットワークとの間で測定されたより高い周波数の波形を保存する。一例として、センサは、複素電圧および複素電流を測定する。
3.コンピュータは、例えば、約0.1マイクロ秒の短い時間間隔で瞬間的な複素電圧反射係数Γを計算する。
コンピュータはまた、より低い周波数の期間にわたるより高い周波数のRF発生器に関連する平均電力反射係数Γ2を計算する。
4.コンピュータは、最適なパラメータのセットを計算し、平均電力反射係数の予測値を最小化する。例えば、コンピュータは、:
a.より低い周波数の測定された電圧波形を各々約0.1マイクロ秒の短いセグメントに分割し、より低い周波数の周期ごとに約25個の短いセグメントを生成する。
b.各セグメントに対するより高い周波数の複素電圧反射係数Γを計算する。
c.プラズマツールのRF経路のコンピュータベースのモデルを適用し、複素電圧反射係数Γから各セグメントに対する負荷インピーダンスを計算する。
計算への入力は、既知のRF周波数および可変コンデンサ値を含む。
d.より高い周波数の所定の関数形式について、より高い周波数のRF発生器に関連する周期平均反射係数を最小化する周波数パラメータのセットを計算する。
一例として、周波数パラメータは、以下を含む:
i.より高い周波数のRF発生器の一定の平均周波数。
ii.台形周波数変動の振幅。
iii. 台形周波数変動の高セクションおよび低セクションの持続時間、ならびに
iv.より低い周波数の位相に対する台形周波数変動の位相、
5.平均電力反射係数を最小化するための最適化は、可変コンデンサの値ならびにより高い周波数を含む。
6.コンピュータは、周波数変動を適用する。
7.コンピュータは、動作2~5を繰り返す。
この方法を適用した後、より高い周波数のRF発生器における電力反射係数は、約35%から約3%に減少する。
【0009】
第2の実施形態では、コンピュータベースのモデルの入力における電圧反射係数および電力反射係数を低減する方法が提供される。方法は、レシピ開発中に実行されて動作パラメータを決定し、動作パラメータは、基板の処理中に適用される。方法では、以下の動作が実施される:
1.高速データ取得デバイスおよびセンサはレシピ開発中に設置され、処理中に生産ツールで使用されないため、高速データ取得デバイスおよびセンサの使用に関連する問題および時間を削減する。高速データ取得デバイスの一例には、オシロスコープが挙げられる。
2.レシピ開発中、2つの動作が実施される:
a.より高い周波数のRF発生器に適用される平均周波数の値を決定する、調節動作。
b.平均周波数における周波数変動を決定する、高速データ検知、取得、およびコンピュータ分析動作。一例として、2つの動作は、正と負の値が平均してゼロになり得る平均電圧反射係数を最小化するために実行される。これは、平均電力反射係数が大きくなる場合であっても、平均電圧反射係数がゼロになり得ることを意味する。さらに例示すると、周波数変動を選択する動作は、平均周波数を決定するための動作と一致する。平均周波数周辺の周波数変動は、平均周波数を決定するための動作と同時に決定される。複数のRF発生器の場合、平均周波数は、基本周波数での反射電力の一部を最小化し、反射電力の1つまたは複数の変調された側波帯周波数での反射電力の残りの部分を無視することによって決定される。これは、基本周波数での反射電力のフーリエピークを最小化すること、または正と負の部分が互いに打ち消し合う複素数である平均電圧反射係数を最小化することと等価である。
3.レシピ開発中、平均周波数および周波数変動は、平均電圧反射係数が同時に最小化されるという追加の制約を加えて、第1の実施形態で上述したのと同じ方式で決定される。
4.コンピュータは、周波数パラメータを記憶する。
5.処理中、特定のレシピでは、ツール間の変動またはウエハ間の変動は、より高い周波数の平均値になる。レシピ開発中に決定された平均周波数は、処理中に適用されて平均電圧反射係数を最小化する。次に、平均周波数に加えて、そのレシピに対して以前に決定された周波数変動が、ツール間またはウエハ間で適用される。周波数変動のタイミングおよび持続時間は、より低い周波数のRF発生器のゼロ交点および周期と同期される。第2の実施形態では、処理中に高速データ取得デバイスおよび/またはセンサを使用することはない。
【0010】
一実施形態では、より高いRF周波数が2つの部分で調節される方法が提供される。
第1の部分は、より高いRF周波数の平均値を決定し、これは、より低いRF周波数の多くのサイクルで一定のままである。第2の部分は、より低いRF周波数のサイクル内で適用される平均値の周りの高速変動を決定する。
【0011】
第3の実施形態では、より低いRF周波数のサイクル内で各ビンに対する電力反射係数を低減する方法が説明される。より低いRF周波数は、複数のビンに分割される。第3の実施形態で使用される所定の関数形式は、存在しない。以下の動作が、第3の実施形態で実施される:
1.レシピ開発中、コンピュータは、より低いRF周波数の周期またはサイクルをいくつかの短い時間ビンに細分することによって、高速周波数変動動作を実行する。例えば、より低いRF周波数の周期は、16個のビンに分割される。各ビンの長さまたは期間は、より低いRF周波数の値に依存する。より低いRF周波数の一例は、340kHz~440kHzの範囲の周波数である。
2.レシピ開発中、コンピュータは、コンピュータベースのモデルを適用し、以下を変更することによってビンに対する平均電力反射係数を最小化する:
a.静電容量を決定する可変コンデンサ、
b.より高いRF周波数の平均周波数、
c.平均周波数からの周波数変動、および
d.平均電圧反射係数も最小化されるという制約の対象
3.基板が処理されるツール動作中、特定のレシピについて、ツール間またはウエハ間の変動は、より高いRF周波数の平均値にあると想定される。
4.また、ツール動作中、より高いRF周波数の平均周波数に加えて、そのレシピに対して以前に決定された周波数変動が、コンピュータによってビンからビンへと適用される。周波数変動のタイミングおよび持続時間は、より低いRF周波数のゼロ交点および周期とコンピュータによって同期される。また、ツール動作中、レシピ開発中に決定された静電容量は、より低いRF周波数のすべてのビンに適用される。
【0012】
一実施形態では、調節方法が説明される。調節方法は、第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの第1のセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることを含む。調節方法は、複数の反射パラメータ値を無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することをさらに含む。無線周波数経路は、第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間にある。調節方法はまた、第2の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の複数の周波数変調パラメータを受信することを含む。調節方法は、複数の負荷インピーダンスパラメータ値をコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の周波数変調パラメータの値を決定することをさらに含む。複数の周波数変調パラメータの値は、コンピュータベースのモデルの入力における反射係数パラメータを最小化するように決定される。調節方法は、第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの第2のセットの間、複数の周波数変調パラメータの値に従って第2の無線周波数発生器を制御することを含む。
【0013】
一実施形態では、調節方法が説明される。調節方法の一部は、レシピ開発中に実行され、調節方法の別の部分は、処理中に実行される。レシピ開発中に実行される部分は、第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることを含む。さらに、レシピ開発中に実行される部分は、複数の反射パラメータ値を無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することをさらに含む。無線周波数経路は、第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間にある。レシピ開発中に実行される部分はまた、第2の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の複数の周波数変調パラメータを受信することを含む。レシピ開発中に実行される部分は、複数の負荷インピーダンスパラメータ値をコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の周波数変調パラメータの値を決定することをさらに含む。複数の周波数変調パラメータの値は、コンピュータベースのモデルの入力における1つまたは複数の反射係数パラメータを最小化するように決定される。方法の他の部分は、別のプラズマチャンバ内での基板の処理中に実行される。方法の他の部分は、レシピ開発中に決定された複数の周波数変調パラメータの値に従って第3の無線周波数発生器を制御することを含む。第3の無線周波数発生器を制御する動作は、第4の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットの間に実施される。
【0014】
一実施形態では、調節方法が説明される。調節方法の一部は、レシピ開発中に実行され、調節方法の別の部分は、処理中に実行される。レシピ開発中に実行される部分は、第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることを含む。レシピ開発中に実行される部分は、複数の反射パラメータ値を第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間の無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することをさらに含む。レシピ開発中に実行される部分はまた、第2の無線周波数発生器によって生成される無線周波数信号の複数の周波数変調パラメータを受信することを含み、複数の周波数変調パラメータは、無線周波数信号の周波数変動を含む。レシピ開発中に実行される部分は、複数の負荷インピーダンスパラメータ値をコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の周波数変調パラメータの値を決定することをさらに含む。複数の周波数変調パラメータの値は、コンピュータベースのモデルの入力における1つまたは複数の反射係数パラメータを最小化するように決定される。方法の他の部分は、別のプラズマチャンバ内での基板の処理中に実行される。方法の他の部分は、レシピ開発中に決定された複数の周波数変調パラメータの値に従って第3の無線周波数発生器を制御することを含む。第3の無線周波数発生器を制御する動作は、複数の周波数変調パラメータの値を第3の無線周波数発生器の動作のベースライン周波数に適用することを含む。
【0015】
一実施形態では、調節方法が説明される。調節方法の一部は、レシピ開発中に実行され、調節方法の別の部分は、処理中に実行される。レシピ開発中に実行される部分は、第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットについて、第2の無線周波数発生器に関連する複数の反射パラメータ値にアクセスすることを含む。複数の反射パラメータ値の各々は、第1の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの各々のビンに対応する。レシピ開発中に実行される部分は、複数の反射パラメータ値を無線周波数経路の少なくとも一部のコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の反射パラメータ値から複数の負荷インピーダンスパラメータ値を計算することをさらに含む。無線周波数経路は、第2の無線周波数発生器とプラズマチャンバの電極との間にある。レシピ開発中に実行される部分はまた、複数の負荷インピーダンスパラメータ値をコンピュータベースのモデルに適用することによって、複数の周波数変調パラメータの値を決定することを含む。複数の周波数変調パラメータの値は、ビンの各々についてコンピュータベースのモデルの入力における反射係数パラメータの複数の値を最小化するように決定される。方法の他の部分は、別のプラズマチャンバ内での基板の処理中に実行される。方法の他の部分は、レシピ開発中に決定された複数の周波数変調パラメータの値に従って第3の無線周波数発生器を制御することを含む。第3の周波数発生器を制御する動作は、第4の無線周波数発生器の動作の1つまたは複数のサイクルのセットの間に実施される。
【0016】
本明細書で説明するシステムおよび方法のいくつかの利点は、キロヘルツRF発生器の動作の各サイクル中にメガヘルツRF発生器に向かって反射される電力および/または電圧を低減する、より高いRF周波数および可変コンデンサの値を見つけることを含む。追加の利点は、基板の処理中にセンサおよび高速データ取得デバイスの数を低減することを含む。例えば、第2および第3の実施形態では、レシピ開発後に高速データ取得デバイスおよびセンサを使用する必要はない。より高いRF周波数および可変コンデンサの値を有するレシピが決定されると、そのレシピは、基板の処理中に適用される。基板の処理中に複素電圧および複素電流を再度測定する必要はない。
【0017】
さらなる利点は、所定の関数形式を適用することを含む。所定の関数形式の適用は、周波数パラメータの決定および動作パラメータの適用を単純化する。より高い周波数のRF発生器を、所定の関数形式に従うように制御することが容易である。
【0018】
さらに、コンピュータベースのモデルを使用するとき、RF経路でセンサを使用する必要はない。例えば、センサは、RF伝送ラインまたはインピーダンス整合ネットワークの出力に結合されない。むしろ、複素電圧および複素電流は、メガヘルツRF発生器の出力に結合されたセンサによって測定され、コンピュータベースのモデルを介して伝播され、より高い周波数および可変コンデンサの値の決定を容易にする。コンピュータベースのモデルを使用するよりも、RF経路でセンサを使用する方が困難かつ時間がかかる。
【0019】
他の態様は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【0021】
図1A図1Aは、Xキロヘルツ無線周波数(RF)発生器の動作の1つまたは複数のサイクルにわたる電圧反射係数の値の決定を例示するシステムの一実施形態の図である。
【0022】
図1B-1】図1B-1は、電圧反射係数の値が、XキロヘルツRF発生器の動作のサイクルにわたって周期的な時間間隔で得られる複素電圧および複素電流に基づいて決定されることを例示する表の一実施形態を示す図である。
【0023】
図1B-2】図1B-2は、XキロヘルツRF発生器によって生成されたRF信号のサイクル中の電圧反射係数の値と時間間隔との間の対応を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0024】
図1C図1Cは、電圧反射係数の値からの負荷インピーダンス値の計算を例示するRF経路モデルの一実施形態の図である。
【0025】
図1D-1】図1D-1は、RF経路モデルの入力における平均電力反射係数を最小化するRF経路モデルの出力における負荷インピーダンス値の適用に基づいた、周波数パラメータおよびマッチネットワークパラメータを含む動作パラメータの決定を例示するRF経路モデルの一実施形態の図である。
【0026】
図1D-2】図1D-2は、XキロヘルツRF発生器によって生成されるRF信号の複数のサイクルを例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0027】
図1D-3】図1D-3は、基板の処理中に図1のXキロヘルツRF発生器の動作のサイクルのセット中に動作パラメータの値を適用するシステムの一実施形態の図である。
【0028】
図2A図2Aは、RF信号のサイクルを例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0029】
図2B図2Bは、Yメガヘルツ(MHz)RF発生器によって供給されるRF信号の順方向電圧波形を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0030】
図2C図2Cは、Y MHz RF発生器によって供給されるRF信号の逆方向電圧波形を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0031】
図2D図2Dは、1つのグラフに順方向電圧波形および逆方向電圧波形を例示するグラフの一実施形態の図である。
【0032】
図2E図2Eは、本明細書に記載の方法を適用する前のY MHz RF発生器の出力における電圧反射係数の値を例示するスミスチャートの一実施形態を示す図である。
【0033】
図3A図3Aは、本明細書に記載の方法を適用した後にYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の周波数と、方法を適用する前にYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号との間の比較を例示するグラフの一実施形態の図である。
【0034】
図3B図3Bは、本明細書に記載の方法を適用した後のY MHz RF発生器の出力における電圧反射係数の値を例示するスミスチャートの一実施形態を示す図である。
【0035】
図4A図4Aは、図1Aに関して上述された方法が、基板の処理中ではなく、レシピ開発中に図4Aのシステムに適用可能であることを例示するシステムの一実施形態の図である。
【0036】
図4B図4Bは、図1B-1の表が基板の処理中にプロセッサによって生成されるのと同じ方式でレシピ開発中にプロセッサによって生成される表の一実施形態の図である。
【0037】
図4C図4Cは、レシピ開発のためのまたはレシピ開発中の電圧反射係数の値からの負荷インピーダンス値の生成を例示するRF経路モデルの一実施形態の図である。
【0038】
図4D図4Dは、レシピ開発のためのまたはレシピ開発中の動作パラメータの値の決定を例示する一実施形態の図である。
【0039】
図4E図4Eは、処理の間における、レシピ開発中に決定される動作パラメータの値の適用を例示するシステムの一実施形態の図である。
【0040】
図5A図5Aは、XキロヘルツRF発生器の動作サイクルの各ビンに対するレシピ開発中のプロセッサによる電圧反射係数の値の生成を例示するシステムの一実施形態の図である。
【0041】
図5B図5Bは、XキロヘルツRF発生器の動作の1つまたは複数のサイクルの各ビンに対するレシピ開発のためにプロセッサによって生成される表の一実施形態の図である。
【0042】
図5C図5Cは、レシピ開発中の電圧反射係数の値からのXキロヘルツRF発生器の動作サイクルの各ビンに対する負荷インピーダンス値の生成を例示するRF経路モデルの一実施形態の図である。
【0043】
図5D図5Dは、XキロヘルツRF発生器の動作サイクルのビンに対する電力反射係数の値がレシピ開発中に最小化される動作パラメータの値の決定を例示するRF経路モデルの一実施形態の図である。
【0044】
図5E図5Eは、基板の処理中の各ビンに対する動作パラメータの使用を例示するシステムの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の実施形態は、キロヘルツ(kHz)RF発生器の動作サイクル中にメガヘルツ(MHz)無線周波数(RF)発生器を調節するためのシステムおよび方法を説明する。本実施形態は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくても実践することができることは明らかであろう。他の例では、本実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。
【0046】
図1Aは、XキロヘルツRF発生器112の動作の1つまたは複数のサイクルにわたる電圧反射係数の値の決定を例示する、プラズマツールなどのシステム100の一実施形態の図である。システム100は、XキロヘルツRF発生器112と、YメガヘルツRF発生器114と、コンピュータ118と、プラズマチャンバ108とを含む。システム100はまた、インピーダンス整合ネットワーク110と、センサ120と、高速データ取得デバイス121とを含む。センサ120の一例は電圧センサであり、高速データ取得デバイスの一例はデジタル記憶オシロスコープである。高速データ取得デバイスの別の例は、高速データ取得回路基板である。センサ120および高速データ取得デバイス121は、共に順方向電圧および逆方向電圧を測定する。例示すると、センサ120および高速データ取得デバイス121は、順方向電圧振幅、逆方向電圧振幅、および順方向電圧振幅と逆方向電圧振幅との間の位相を測定する。逆方向電圧および反射電圧という用語は、本明細書では互換的に使用されることに留意されたい。
【0047】
本明細書で説明されるようなXキロヘルツRF発生器の一例には、キロヘルツ周波数で動作する400kHz RF発生器または別のRF発生器が挙げられる。本明細書で説明されるようなYメガヘルツRF発生器の一例には、2MHz RF発生器または13.56MHz RF発生器または27MHz RF発生器または60MHz RF発生器が挙げられる。本明細書で説明されるコンピュータの例には、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、およびタブレットが挙げられる。
【0048】
コンピュータ118は、プロセッサ126と、メモリデバイス128とを含む。プロセッサ126は、メモリデバイス128に結合され、RF電源122および124にも結合される。本明細書で使用される場合、プロセッサの代わりに、中央処理装置(CPU)、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラマブル論理デバイス(PLD)が使用され、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。メモリデバイスの例には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ストレージディスクの冗長アレイ、フラッシュメモリなどが挙げられる。プロセッサ126は、シリアル転送ケーブル、パラレル転送ケーブル、またはユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどのケーブルを介して、センサ120に結合された高速データ取得デバイス121に結合される。
【0049】
本明細書で説明される高速データ取得デバイスの一例には、RF発生器の出力端子で出力されるRF信号の電圧または電力の振動または振動の周波数に関するデータを取得するためのデバイスが挙げられる。センサ120は、方向性結合器を介してXメガヘルツRF発生器112の出力O1に結合される。YメガヘルツRF発生器114は、複素電圧および複素電流プローブまたは複素電圧センサなどのセンサ131を含む。センサ131は、YメガヘルツRF発生器114の出力端子O2に結合される。センサ131はまた、ケーブルを介してプロセッサ126に結合された高速データ取得デバイス123に結合される。ケーブルの例は、上記の通りである。
【0050】
インピーダンス整合ネットワーク106は、互いに結合された1つまたは複数の回路構成要素、例えば、1つまたは複数のインダクタ、または1つまたは複数のコンデンサ、または1つまたは複数のレジスタ、またはそれらの組み合わせもしくは2つ以上などを含む。例えば、インピーダンス整合ネットワーク106は、2つの分岐部を含む。2つの分岐部の各々は、直列または並列に互いに結合された複数の回路構成要素を含む。2つの分岐部のうちの1つは、XキロヘルツRF発生器112に結合され、2つの分岐部のうちの他方は、YメガヘルツRF発生器114に結合され、分岐部は、インピーダンス整合ネットワーク106の出力に結合される。インピーダンス整合ネットワーク、マッチ、インピーダンス整合回路、マッチ回路、およびマッチネットワークという用語は、本明細書では互換的に使用されることに留意されたい。
【0051】
プラズマチャンバ108の一例は、容量結合プラズマ(CCP)チャンバであり、プラズマ励起電極104の上部電極106および底部電極は、互いに容量結合されるように載置される。例えば、上部電極106は、プラズマ励起電極104の上に載置され、上部電極106とプラズマ励起電極104との間にギャップを形成する。上部電極106は、接地電位に結合される。無線周波数電力は、ギャップを介して上部電極106とプラズマ励起電極104との間で容量結合される。下部電極および上部電極106の各々は、金属、例えば、陽極酸化アルミニウム、アルミニウム合金などで作製される。
【0052】
XキロヘルツRF発生器112の出力端子O1は、RFケーブルRFC1を介してインピーダンス整合ネットワーク110の入力端子I1に結合され、YメガヘルツRF発生器114の出力端子O2は、別のRFケーブルRFC2を介してインピーダンス整合ネットワーク110の別の入力端子I2に結合される。また、インピーダンス整合ネットワーク110の出力は、RF伝送ラインRFT1を介してプラズマ励起電極104の底部電極に結合される。
【0053】
XキロヘルツRF発生器112は、RF発振器であるRF電源122を含む。同様に、YキロヘルツRF発生器114は、RF発振器でもあるRF電源124を含む。RF発振器122は出力端子O1に結合され、RF発振器124は出力端子O2に結合される。RFケーブルRFC2、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力との間に結合されたインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部、RF伝送ラインRFT1、およびプラズマ励起電極104の組み合わせは、本明細書ではRF経路102と呼ばれる。インピーダンス整合ネットワーク110の別の分岐部は、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I1と出力との間に結合される。
【0054】
半導体ウエハなどの基板Sは、処理されるためにプラズマ励起電極104の上面に載置され、処理は、基板Sの層のエッチング、または基板S上への材料の堆積、または基板Sのスパッタリング、または基板Sの洗浄、またはそれらの組み合わせを含み得る。基板Sの処理中、プロセッサ126は、1つまたは複数の電力値および1つまたは複数の周波数値をXキロヘルツRF発生器112のRF電源122に提供し、1つまたは複数の電力値および1つまたは複数の周波数値をYメガヘルツRF発生器114のRF電源124に提供する。
【0055】
電力値および周波数値を受信すると、RF電源122は、電力値および周波数値を有するRF信号130を生成し、RF信号130を、出力O1およびRFケーブルRFC1を介してインピーダンス整合ネットワーク110の入力I1に供給する。同様に、電力値および周波数値を受信すると、RF電源124は、電力値および周波数値を有するRF信号132を生成し、RF信号132を、出力O2およびRFケーブルRFC2を介してインピーダンス整合ネットワーク110の入力I2に供給する。
【0056】
インピーダンス整合ネットワーク110は、RF信号130および132を受信し、インピーダンス整合ネットワーク110の出力に結合された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I1およびI2に結合されたソースのインピーダンスと整合させ、RF信号130および132を組み合わせてインピーダンス整合ネットワーク110の出力で修正されたRF信号134を出力する。インピーダンス整合ネットワーク110の出力に結合された負荷の一例には、プラズマチャンバ108およびRF伝送ラインRFT1が挙げられる。入力I11およびI21に結合されたソースの一例には、XキロヘルツRF発生器112、YメガヘルツRF発生器114、ならびにRFケーブルRFC1およびRFC2が挙げられる。修正されたRF信号134は、RF伝送ラインRFT1を介してプラズマ励起電極104の下部電極に供給され、プラズマ励起電極104とプラズマチャンバ108の上部電極106との間に形成されたギャップにプラズマを衝突させるかまたは維持する。プラズマチャンバ108のプラズマは、基板Sを処理するRF電力を有する。
【0057】
基板Sの処理中、センサ120および高速データ取得デバイス121は、XキロヘルツRF発生器112から出力されるRF信号130の電圧または電力を測定し、電圧波形または電力波形などの波形を出力する。センサ120および高速データ取得デバイス121によって測定される波形は、RF信号130の位相φを有する。RF信号130の位相φは、RF信号130の波形が電圧または電力のゼロ値と交差する交点または時間を提供する。RF信号130の波形は、正弦波または実質的に正弦波であり、周期的な時間間隔で電圧または電力のゼロ値と交差する。
【0058】
プロセッサ126は、ケーブルを介してセンサ120および高速データ取得デバイス121によって測定された波形の値を受信し、RF信号130の波形の位相φを決定する。例えば、プロセッサ126は、RF信号130の波形が正の交点でゼロになる時間を決定し、その時間は、位相φを定義する。正の交点において、RF信号130の波形は、負の値から正の値に遷移する。
【0059】
また、基板Sの処理中、センサ131および高速データ取得デバイスは、YメガヘルツRF発生器114の出力O2で順方向電圧振幅、逆方向電圧振幅、および順方向電圧振幅と逆方向電圧振幅との間の位相を測定し、振幅および位相をケーブルを介してプロセッサ126に提供する。プロセッサ126は、順方向電圧振幅、逆方向電圧振幅、および位相に基づいて、RF信号130の1サイクル(例えば、1期間)にわたる電圧反射係数の複数の値Γ11、Γ21~Γn1を決定し、nは、2よりも大きい整数である。例えば、プロセッサ126は、出力O2でYメガヘルツRF発生器114に向かって反射される電圧と、出力O2でYメガヘルツRF発生器114から供給される電圧の比として電圧反射係数の値を決定する。反射電圧は、振幅および位相を有する複素数であり、供給電圧もまた、振幅および位相を有する複素数である。供給電圧および順方向電圧という用語は、本明細書では互換的に使用される。YメガヘルツRF発生器114に向かって反射される電圧は、RF経路102を介してプラズマチャンバ108から反射される。反射される電圧および出力O2で供給される電圧は、順方向電圧振幅、逆方向電圧振幅、およびセンサ131によって測定された振幅と高速データ取得デバイス123との間の位相から、プロセッサ126によって識別される。プロセッサ126は、メモリデバイス128に電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1を記憶し、メモリデバイス128から値Γ11、Γ21~Γn1にアクセスする(例えば、取得または読み取りのために)。電圧反射係数は、反射パラメータまたは反射係数パラメータの一例である。反射パラメータの別の例は、複素電圧および複素電流、または複素値を有する別のパラメータである。
【0060】
一実施形態では、プロセッサ126は、RF発生器のデジタル信号プロセッサ、およびRF発生器の1つまたは複数の電力コントローラ、およびRF発生器の1つまたは複数の周波数チューナを介して、RF発生器のRF電源に結合される。デジタル信号プロセッサは、プロセッサ126、1つまたは複数の電力コントローラ、および1つまたは複数の周波数チューナに結合される。電力コントローラは、高論理状態および低論理状態などの異なる状態の間にRF発生器のRF電源から出力される電力値を制御し、周波数チューナは、異なる状態の間にRF発生器のRF電源から出力される周波数値を制御するコントローラである。
【0061】
一実施形態では、センサ120および高速データ取得デバイス121は、出力O1でRF信号130の電圧を測定する。測定された電圧は、電圧センサをプロセッサ126に結合するケーブルを介して、電圧センサからプロセッサ126に提供される。プロセッサ126は、正の交点と交差している間に測定された電圧がゼロである時間を決定し、RF信号130の電圧の位相φを決定する。
【0062】
一実施形態では、センサ120は、XキロヘルツRF発生器112またはRF信号130の所定の数の初期動作サイクルのために、XキロヘルツRF発生器112の出力O1に結合される。所定の数の初期サイクルの後、センサ120は出力O1から切断される。プロセッサ126は、RF信号130の位相が、センサ120から受信されたRF信号130の電圧の測定値で決定されたものと同じであり続けることを決定する。
【0063】
一実施形態では、センサ131は、YメガヘルツRF発生器114の外側に位置し、YメガヘルツRF発生器114の出力O2に結合される。一実施形態では、センサ120は、XキロヘルツRF発生器112内に位置する。
【0064】
一実施形態では、修正されたRF信号134をプラズマ励起電極104の下部電極に適用し、上部電極106を接地電位に結合する代わりに、修正されたRF信号134は、上部電極106に適用され、プラズマ励起電極104の下部電極は、接地電位に結合されることに留意されたい。
【0065】
一実施形態では、上部電極106を接地電位に結合する代わりに、上部電極は、インピーダンス整合ネットワークを介して1つまたは複数のRF発生器に結合される。
【0066】
一実施形態では、センサ120の代わりに、複素電圧および複素電流を測定する電圧および電流プローブ(VIプローブ)が使用される。複素電圧および複素電流は、電流振幅、電圧振幅、および電流振幅と電圧振幅との間の位相を含む。
【0067】
一実施形態では、RF信号のサイクルを生成するために、RF発生器の動作サイクルが発生する。例えば、本明細書で説明されるRF発生器の動作の1サイクルの間、RF信号の1周期がRF発生器によって生成される。
【0068】
一実施形態では、センサ131および高速データ取得デバイス123は、電圧振幅、電流振幅、および電圧振幅と電流振幅との間の位相を含む、複素電圧および複素電流を測定する。センサ131および高速データ取得デバイス123は、振幅および位相をケーブルを介してプロセッサ126に提供する。プロセッサ126は、電圧振幅、電流振幅、および位相に基づいて、RF信号130の1サイクルにわたる電圧反射係数の複数の値Γ11、Γ21~Γn1を決定する。
【0069】
一実施形態では、センサ120および131の両方が、同じ高速データ取得デバイス121または123に結合される。
【0070】
一実施形態では、値および量という用語は、本明細書では互換的に使用される。例えば、周波数変調パラメータの値および周波数変調パラメータの量という用語は、本明細書では互換的に使用される。例示すると、量は、周波数変調パラメータの量を表し、値は、周波数変調パラメータの別の量を表す。
【0071】
図1B-1は、電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1が、XキロヘルツRF発生器112(図1)の動作サイクルにわたって、0.1マイクロ秒(μs)ごとまたは0.2μsごとなどの周期的な時間間隔で得られる複素電圧および複素電流に基づいて決定されることを例示する表130の一実施形態である。例えば、値Γ11は、RF信号130(図1)のサイクル中の正の交点から0.1μs後に測定された複素電圧および複素電流からプロセッサ126(図1)によって計算され、値Γ12は、RF信号130のサイクル中の正の交点から0.2μs後に測定された複素電圧および複素電流からプロセッサ126(図1)によって計算される。同様に、値Γn1は、RF信号130のサイクルの正の交点から0.nマイクロ秒後に測定された複素電圧および複素電流に対応する。
【0072】
一実施形態では、値Γ11、Γ21~Γn1の各々は、RF信号130の複数のサイクルのセットにわたってプロセッサ126によって計算された平均である。例えば、プロセッサ126は、値Γ11、Γ21~Γn1が計算されるのと同じ方式で、出力O2で測定された複素電圧および複素電流から電圧反射係数の複数の値Γ11A、Γ21A~Γn1Aを計算する。値Γn1Aが計算されるまで、値Γ11Aは、RF信号130の第1のサイクルが開始した時点から0.1μsで測定された複素電圧および複素電流から計算され、値Γ21Aは、RF信号130の第2のサイクルが開始した時点から0.1μsで測定された複素電圧および複素電流から計算され、以下同様である。RF信号130の第2のサイクルは、RF信号130の第1のサイクルに連続している。プロセッサ126は、値Γ11A、Γ21A~Γn1Aの平均として値Γ11を計算する。同様に、値Γn1は、電圧反射係数の複数の値の平均であり、電圧反射係数の値は、RF信号130の各対応するサイクルが開始した時点から0.n μsで測定された複素電圧および複素電流から計算される。
【0073】
一実施形態では、電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1を計算する代わりに、RF信号130の1サイクルにわたる複素電圧および複素電流の測定値は、プロセッサ126によって使用される。
【0074】
図1B-2は、RF信号130(図1)のサイクル1中の値Γ11、Γ21~Γn1と時間間隔との間の対応を例示するグラフ140の一実施形態である。グラフ140は、時間tに対するRF信号130の電圧波形142をプロットしている。電圧波形142は、正弦波または実質的に正弦波であり、サイクル1およびサイクル2などの複数のサイクルにわたって振動する。サイクル2は、サイクル1に連続している。例えば、サイクル1と2との間に、RF信号130の他のサイクルは存在しない。
【0075】
値Γ11は、0μs~0.1μsの間の時間間隔に対応する。0.1μsの時点で、電圧波形142は、正の交点を有する。同様に、値Γn1が(n-1)μs~0.n μsの間の時間間隔に対応するまで、値Γ21は、0.1~0.2μsの間の時間間隔に対応し、以下同様である。
【0076】
図1Cは、電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1からの負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1の計算を例示するRF経路モデル150の一実施形態の図である。RF経路モデル150は、コンピュータベースのモデルであり、RF経路102の少なくとも一部からプロセッサ126によって生成または実行されるか、あるいは生成および実行される。例えば、RF経路モデル150は、RF経路102の一部またはRF経路102の回路構成要素と同じ方式で接続される複数の回路要素を含む。回路要素の例には、コンデンサ、インダクタ、およびレジスタが挙げられる。RF経路モデル102の任意の2つの隣接する回路要素は、RF経路102の一部の対応する2つの隣接する回路構成要素が互いに結合されるのと同じ方式で、接続を介して互いに結合される。例示すると、RF経路102の2つのコンデンサが互いに直列に結合されるとき、RF経路モデル150の2つのコンデンサもまた、互いに直列に結合される。RF経路モデル150の2つのコンデンサの各々は、RF経路102の2つのコンデンサのうちの対応する1つのものと同じ静電容量を有するか、またはRF経路モデル150の2つのコンデンサは、RF経路102の2つのコンデンサの合計または組み合わされた静電容量と同じ合計または組み合わされた静電容量を有する。別の例示として、RF経路102の2つのコンデンサが互いに並列に結合されるとき、RF経路モデル150の2つのコンデンサも互いに並列に結合され、RF経路モデル150の2つのコンデンサは、RF経路102の2つのコンデンサの合計または組み合わされた静電容量と同じ合計または組み合わされた静電容量を有する。
【0077】
さらに別の例示として、RF経路モデル150は、RF経路102の一部またはRF経路102の回路構成要素の組み合わされたインピーダンスと同じインピーダンスまたは実質的に同じインピーダンスを有する。RF経路モデル150は、RF経路モデル150のインピーダンスが組み合わされたインピーダンスから所定の範囲内にあるとき、RF経路102の一部の回路構成要素の組み合わされたインピーダンスと実質的に同じインピーダンスを有する。所定の範囲は、メモリデバイス128に記憶され、プロセッサ126によってアクセスされる。一例として、RF経路モデル150は、プロセッサ126によって入力デバイスを介して受信され、プロセッサ126によって実行される。RF経路モデル150は、入力デバイス150を動作するユーザによって生成される。RF経路モデル150は、プロセッサ126によって実行されるコンピュータプログラムを使用することによって、ユーザによって生成される。別の例として、RF経路モデル150は、プロセッサ126によって生成され、プロセッサ126によって実行される。別の例として、RF経路モデル150は、いくつかのモジュールを含み、各モジュールは、1つまたは複数のレジスタ、または1つまたは複数のコンデンサ、または1つまたは複数のインダクタ、またはそれらの組み合わせを含む。例示として、各モジュールは、抵抗およびリアクタンスを含む方程式として表される。
【0078】
RF経路102の一部の例には、RFケーブルRFC2(図1)、またはインピーダンス整合ネットワーク110の入力I2(図1)とインピーダンス整合ネットワーク110の出力との間に結合されたインピーダンス整合ネットワーク110(図1)の分岐部、またはRF伝送ラインRFT1(図1)、またはプラズマ励起電極104(図1)が挙げられる。RF経路102の一部の追加の例には、RFケーブルRFC2と、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2とインピーダンス整合ネットワーク110の出力との間に結合されたインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部の組み合わせ、またはRFケーブルRFC2と、インピーダンス整合ネットワーク110の分岐部およびRF伝送ラインRFT1の組み合わせ、またはRFケーブルRFC2と、インピーダンス整合ネットワーク110の分岐部ならびにRF伝送ラインRFT1およびプラズマ励起電極104の組み合わせが挙げられる。
【0079】
プロセッサ126は、値Γ11、Γ21~Γn1をRF経路モデル150の入力Inに提供し、RF経路モデル150の出力Outで負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1を生成する。例えば、プロセッサ126は、値Γ11を入力InからRF経路モデル150の回路要素を介して順方向に伝播し、出力Outで負荷インピーダンス値ZL11を生成する。順方向伝播の前および最中、RF経路モデル150は、静電容量Cknown1および無線周波数RFknownを有するように初期化される。静電容量Cknown1は、基板S(図1A)の処理中のインピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力との間のインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部のコンデンサの静電容量であり、無線周波数RFknownは、YメガヘルツRF発生器114(図1A)の動作周波数である。例示すると、無線周波数RFknownは、YメガヘルツRF発生器114の動作周波数である。YメガヘルツRF発生器114は、一例として、57MHz~63MHzで動作する。さらに例示すると、周波数RFknownは、0~0.1μsの間の時間間隔、0.1μs~0.2μsの間の時間間隔など、時間間隔ごとに異なる。値Cknown1およびRFknownは、入力/出力インターフェース、例えば、シリアルインターフェース、パラレルインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースなどを介してプロセッサ126に接続された入力デバイスを介して、ユーザによってプロセッサ134への入力として提供される。入力デバイスの例には、マウス、キーボード、スタイラス、キーパッド、ボタン、およびタッチスクリーンが挙げられる。
【0080】
例を続けると、プロセッサ126は、値Γ11、Γ21~Γn1から、RF経路モデル150の入力Inでのインピーダンス値Z11、Z21~Zn1を決定する。例示すると、プロセッサ126は、メモリデバイス128から、インピーダンス値Z11と値Γ11との間のマッピングまたは1対1の関係などの対応にアクセスし、インピーダンス値Z11を識別する。同様の方式で、RF経路モデル150の入力Inでのインピーダンス値Z21~Zn1は、値Γ21~Γn1からプロセッサ126によって決定される。
【0081】
例をさらに続けると、プロセッサ126は、インピーダンス値Z11をRF経路モデル150の回路要素を介して伝播し、RF経路モデル150の出力Outで値ZL11を計算する。例示すると、プロセッサ126は、値Z11とRF経路モデル150の回路要素のインピーダンスの値の方向和(directional sum)を計算し、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンス値ZL11を計算する。回路要素のインピーダンスの値は、メモリデバイス128に記憶される。同様の方式で、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力Inでのインピーダンス値Z21~Zn1から、RF経路モデル150の出力Outでの負荷インピーダンス値ZL21~ZLn1を決定する。
【0082】
一実施形態では、RF経路モデル150の入力Inでの電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1を受信する代わりに、複素電圧および複素電流の値は、センサ131およびY MHz RF発生器114(図1A)の出力に結合された高速データ取得デバイス123(図1A)からのRF経路モデル150によって入力Inで受信される。この実施形態では、プロセッサ126は、複素電圧および複素電流の値から電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1を計算する必要はない。負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1は、RF経路モデル150を介して、センサ131および高速データ取得デバイス123によって測定された複素電圧および複素電流の値を伝播することによって、プロセッサ126によって計算される。例えば、プロセッサ126は、メモリデバイス128から、RF経路モデル150の回路要素の各々に関連するインピーダンスの値または複素電圧および複素電流の値にアクセスし、入力Inでの複素電圧および複素電流の値の各々と、RF経路モデル150の回路要素に関連するインピーダンスまたは複素電圧および複素電流の値の方向和を計算し、RF経路モデル150の出力Outでの負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1を計算する。
【0083】
図1D-1は、RF経路モデル150の入力における平均電力反射係数Γ1avmin2を最小化するRF経路モデル150の出力における負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1の適用に基づいた、周波数パラメータまたは周波数パラメータおよびマッチネットワークパラメータを含む動作パラメータの決定を例示するRF経路モデル150の一実施形態の図である。例えば、プロセッサ126は、Y MHz RF発生器114(図1A)から出力されるRF信号132の周期波形のタイプを示す入力デバイスを介して入力を提供される。例示すると、プロセッサ126は、入力デバイスを介して入力を提供され、入力は、以下に説明される動作パラメータの初期値を含む。入力は、入力デバイスを動作しているユーザによって提供される。別の例示として、動作パラメータは、入力としてユーザによって提供され、プロセッサ126は、動作パラメータの値を初期化する。周期波形のタイプまたは動作パラメータは、RF信号132のエンベロープの形状を定義する。例えば、周期波形のタイプまたは動作パラメータは、RF信号132のピークツーピーク振幅の形状を提供する。周期波形のタイプまたは周期波形の形状の例には、正弦波形、台形波形、鋸歯状波形、矩形波形、および方形波形が挙げられる。この例では、正弦波、台形、矩形、鋸歯状、および方形は、RF信号132のエンベロープの形状である。場合によっては、周期波形および周期関数という用語は、本明細書では互換的に使用される。電力反射係数は、反射パラメータまたは反射係数パラメータの別の例である。
【0084】
例を続けると、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1は、RF経路モデル150の回路要素を介して逆伝播され、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの複数の値ZL1a~ZLnaを決定する。プロセッサ126は、値ZL11と、RF経路モデルの回路要素のインピーダンスの値の方向和を計算して値ZL1aを決定し、値ZL21と、RF経路モデル150の回路要素のインピーダンスの値の方向和を計算して値ZL2aを決定する。同様の方式で、値ZLnaは、値ZLn1からプロセッサ126によって決定される。
【0085】
例を続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの値ZL1a~ZLnaから、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ1a2~Γna2を決定する。例えば、プロセッサ126は、メモリデバイス126から、電圧反射係数の値Γ1a~Γnaと負荷インピーダンスの値ZL1a~ZLnaとの間のマッピングまたはリンクなどの対応にアクセスし、電圧反射係数の値Γ1a~Γnaを識別または決定する。例示すると、メモリデバイス126は、値Γ1aと値ZL1aとの間の対応を記憶し、値Γnaと値ZLnaとの間の別の対応を記憶する。
【0086】
例をさらに続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ1a~Γnaの各々の二乗を計算し、RF経路モデル150の入力Inでの電力反射係数の値Γ1a2~Γna2を決定する。プロセッサ126は、電力反射係数の値Γ1a2~Γna2の平均をさらに計算し、第1の平均値ΓAavmin2を生成する。プロセッサ126は、第1の平均値ΓAavmin2が計算される動作パラメータのyMHzavfreqA、yMHzfreqvariationA、thighA、tlowA、φrelativeA、およびCAなどの値を決定し、ここで、yMHzavfreqAは、YメガヘルツRF発生器114が動作する平均動作周波数であり、yMHzfreqvariationAは、平均周波数の変動であり、thighAは、YメガヘルツRF発生器114の電力レベルまたは電圧レベルが高レベルに留まる高滞留時間であり、tlowAは、YメガヘルツRF発生器114の電力レベルまたは電圧レベルが低レベルに留まる低滞留時間であり、φrelativeAは、XキロヘルツRF発生器112によって出力されるRF信号130(図1A)の位相と比較した、YメガヘルツRF発生器114によって出力されるRF信号132(図1A)の相対位相であり、CAは、インピーダンス整合ネットワーク110(図1A)の入力I2とインピーダンス整合ネットワーク110の出力との間に結合されたインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部に適用される総静電容量である。低レベルは、高レベルに対応する電圧または電力レベルよりも低い電圧または電力レベルである。高レベルは、本明細書では高状態と呼ばれることがあり、低レベルは、本明細書では低状態と呼ばれることがある。また、低レベルは、RF信号の複数の値の底部エンベロープまたは底部境界であり、高レベルは、RF信号の複数の値の上部エンベロープまたは上部境界である。RF信号は、低レベルと高レベルとの間で振動する。
【0087】
動作パラメータのyMHzavfreqA、yMHzfreqvariationA、thighA、tlowA、φrelativeA、およびCAなどの値の決定を例示すると、プロセッサ126は、動作パラメータの値をRF経路モデル150に提供する。値をRF経路モデル150に提供することによって、プロセッサ126は、値をRF経路モデル150に利用可能にする。RF経路モデル150がプロセッサ126から動作パラメータの値を受信し、その値によって特徴付けられると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1を逆伝播し、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ1a~Γnaを決定する。プロセッサ126は、メモリデバイス126から動作パラメータの値にアクセスして値を利用可能にし、例えば、電圧反射係数の値Γ1a~Γnaが決定されるRF経路モデル150にその値を提供する。
【0088】
例を続けると、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1は、RF経路モデル150の回路要素を介して逆伝播され、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの複数の値ZL1x~ZLnxを決定する。プロセッサ126は、値ZL11と、RF経路モデル150の回路要素のインピーダンスの値の方向和を計算して値ZL1xを決定し、値ZL21と、RF経路モデル150の回路要素のインピーダンスの値の方向和を計算して値ZL2xを決定する。同様の方式で、値ZLnxは、値ZLn1からプロセッサ126によって決定される。
【0089】
例を続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの値ZL1x~ZLnxから、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ112~Γn12を計算する。例えば、プロセッサ126は、メモリデバイス126から、電圧反射係数の値Γ11~Γn1と負荷インピーダンスの値ZL1x~ZLnxとの間のマッピングまたはリンクなどの対応にアクセスし、電圧反射係数の値Γ11~Γn1を識別または決定する。例示すると、メモリデバイス126は、値Γ11と値ZL1xとの間の対応を記憶し、値Γn1と値ZLnxとの間の別の対応を記憶する。
【0090】
例をさらに続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ11~Γn1の各々の二乗を計算し、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ112~Γn12を決定する。プロセッサ126は、電力反射係数の値Γ112~Γn12の平均をさらに計算し、第2の平均値Γ1avmin2を生成する。
【0091】
プロセッサ126は、第1の平均値Γ1avmin2が計算される動作パラメータのyMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1などの値を決定し、ここで、yMHzavfreq1は、YメガヘルツRF発生器114が動作する平均動作周波数であり、yMHzfreqvariation1は、平均周波数の変動であり、thigh1は、YメガヘルツRF発生器114の電力レベルまたは電圧レベルが高レベルに留まる高滞留時間であり、tlow1は、YメガヘルツRF発生器114の電力レベルまたは電圧レベルが低レベルに留まる低滞留時間であり、φrelative1は、XキロヘルツRF発生器112によって出力されるRF信号130(図1A)の位相と比較した、YメガヘルツRF発生器114によって出力されるRF信号132(図1A)の相対位相であり、C1は、インピーダンス整合ネットワーク110(図1A)の入力I2(図1A)とインピーダンス整合ネットワーク110の出力との間のインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部の総(組み合わされた)静電容量である。動作パラメータのyMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1などの値の決定を例示すると、プロセッサ126は、動作パラメータの値をRF経路モデル150に提供する。値をRF経路モデル150に提供することによって、プロセッサ126は、値をRF経路モデル150に利用可能にする。RF経路モデル150がプロセッサ126から動作パラメータの値を受信し、その値によって特徴付けられると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1を逆伝播し、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ11~Γn1を決定する。プロセッサ126は、メモリデバイス126から動作パラメータの値にアクセスして値を利用可能にし、例えば、電圧反射係数の値Γ11~Γn1が決定されるRF経路モデル150にその値を提供する。
【0092】
プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の第2の平均値Γ1avmin2が、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の第1の平均値ΓAavmin2よりも小さいまたは低いと決定する。決定に応じて、プロセッサ126は、yMHzavfreqA、yMHzfreqvariationA、thighA、tlowA、φrelativeAをYメガヘルツRF発生器114に適用する代わりに、周波数パラメータyMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1を適用することを決定し、マッチネットワークパラメータCAをインピーダンス整合ネットワーク110に適用する代わりに、マッチネットワークパラメータC1を適用することを決定する。プロセッサ126が値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1を決定すると、プロセッサ126は、動作パラメータの初期値を、動作パラメータの決定された値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1で更新する。
【0093】
動作パラメータの決定された値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1は、XキロヘルツRF発生器112の動作の1つまたは複数のサイクルの次のセットの間に適用され、次のセットは、以下のように、適用される動作パラメータがプロセッサ126によって決定されるXキロヘルツRF発生器112の動作の1つまたは複数のサイクルのセットの後に続く。例えば、プロセッサ126は、XキロヘルツRF発生器112の動作の10サイクルについて、YメガヘルツRF発生器114の出力O2(図1A)で測定された複素電圧および複素電流を受け取り、複素電圧および複素電流から動作パラメータを決定し、後続のXキロヘルツRF発生器112の動作の10サイクルの間に動作パラメータをY MHz RF発生器114に適用する。後続の10サイクルは、プロセッサ126が動作パラメータを決定するのに要した時間量の後に発生する。時間量の例には、XキロヘルツRF発生器112の動作の10サイクルの一部、およびXキロヘルツRF発生器112の動作の10サイクルに連続している1つまたは複数のサイクルが挙げられる。1つまたは複数の連続するサイクルは、XキロヘルツRF発生器112の動作である。プロセッサ126は、メモリデバイス128に動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1などの値を記憶する。
【0094】
一実施形態では、プロセッサ126は、動作パラメータの値が所定の範囲内に収束するまで、動作または動作パラメータを決定する方法を繰り返す。例えば、動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1が決定される10サイクルの後に続く10サイクル中、プロセッサ126は、YメガヘルツRF発生器114を制御して値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、および値を適用し、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2(図1A)と出力との間のインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部の1つまたは複数の可変コンデンサを制御して値C1を適用する。動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1が適用される10サイクルの後に続く10サイクル中、または動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1が適用される同じ10サイクル中、プロセッサ126は、値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1が、プロセッサ126がRF経路モデル150を開始して値yMHzavfreq1およびyMHzfreqvariation1の方向和である無線周波数を有し、静電容量C1を有することを除いて決定されるのと同じ方式で、動作パラメータの値yMHzavfreqVAL1、yMHzfreqvariationVAL1、thighVAL1、tlowVAL1、φrelativeVAL1、およびCVAL1を決定する。プロセッサ126は、残りの値thighVAL1、tlowVAL1、φrelativeVAL1、およびCVAL1とthigh1、tlow1、φrelative1、およびC1について、値yMHzavfreqVAL1が値yMHzavfreq1から所定の範囲内にあるか、または値yMHzfreqvariationVAL1が値yMHzfreqvariation1から所定の範囲内にあるかなどを決定する。残りの値thighVAL1、tlowVAL1、φrelativeVAL1、およびCVAL1とthigh1、tlow1、φrelative1、およびC1について、値yMHzavfreqVAL1が値yMHzavfreq1から所定の範囲内にあり、値yMHzfreqvariationVAL1が値yMHzfreqvariation1から所定の範囲内にあることなどを決定すると、プロセッサ126は、動作パラメータの値の収束を決定し、動作パラメータの値をさらに決定しない。
【0095】
一方、実施形態を続けると、残りの値thighVAL1、tlowVAL1、φrelativeVAL1、およびCVAL1とthigh1、tlow1、φrelative1、およびC1について、値yMHzavfreqVAL1が値yMHzavfreq1から所定の範囲内にないこと、または値yMHzfreqvariationVAL1が値yMHzfreqvariation1から所定の範囲内にないことなどを決定すると、プロセッサ126は、XキロヘルツRF発生器112のさらなる動作サイクルの間、動作および方法を適用し、動作パラメータのさらなる値を決定し続ける。プロセッサ126は、プロセッサ126が図1D-3を参照して以下に説明するように動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1を適用するのと同じ方式で、値yMHzavfreqVAL1、yMHzfreqvariationVAL1、thighVAL1、tlowVAL1、φrelativeVAL1、およびCVAL1が決定される10サイクルの後に続く次の10サイクル中、値yMHzavfreqVAL1、yMHzfreqvariationVAL1、thighVAL1、tlowVAL1、φrelativeVAL1、およびCVAL1を適用する。
【0096】
動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1は、台形波形用であることに留意されたい。一実施形態では、本明細書に記載の方法を適用した後、本明細書に記載のYメガヘルツRF発生器によって出力される別のタイプの波形について、異なるタイプの値が計算される。例えば、波形のタイプが正弦波であるとき、動作パラメータは、平均周波数、平均周波数からの周波数振幅などの周波数変動、本明細書で説明されるX kHz RF発生器によって生成されるRF信号の周期と同じ周期、およびX kHz RF発生器によって生成されるRF信号の位相に対する位相を含む。別の例として、波形のタイプが矩形であるとき、動作パラメータは、高周波数値、高周波数値が維持される高周波時間、低周波数値、低周波数値が維持される低周波数時間、本明細書で説明されるX kHz RF発生器によって生成されるRF信号の周期と同じ周期、およびX kHz RF発生器によって生成されるRF信号の位相に対する位相を含む。高周波数値は、低周波数値よりも大きい。さらに別の例として、波形のタイプが三角形であるとき、動作パラメータは、高周波数値、低周波数値、高周波数値と低周波数値との間の第1のランプ速度または第1のランプ時間、低周波数値と高周波数値との間の第2のランプ速度または第2のランプ時間、本明細書で説明されるX kHz RF発生器によって生成されるRF信号の周期と同じ周期、およびX kHz RF発生器によって生成されるRF信号の位相に対する位相を含む。高周波数値は、低周波数値よりも大きい。第1のランプ速度は、第2の速度よりも低いか、同じか、または大きい。
【0097】
一実施形態では、マッチネットワークパラメータC1は、プロセッサ126によって決定されず、マッチネットワークパラメータC1の決定は、任意である。
【0098】
一実施形態では、周波数パラメータおよび周波数変調パラメータという用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0099】
図1D-2は、本明細書で説明されるXキロヘルツRF発生器によって生成されるRF信号172の複数のサイクルを例示するグラフ170の一実施形態である。例えば、RF信号172は、図1AのRF信号130の一例である。グラフ170は、時間tに対するRF信号172の電圧をプロットしている。RF信号172は、XキロヘルツRF発生器によって出力される電圧を表す電圧波形である。RF信号172は、正弦波または実質的に正弦波であり、周期的に電圧の正の値と負の値との間で振動する。例えば、RF信号172は、電圧波形の値が負から正になる時間である正の交点PC1を有する。同様に、ある期間の後、RF信号172は、電圧波形の値が負から正になる別の時間である別の正の交点PC2を有する。
【0100】
RF信号172のサイクル1は、電圧波形の発生期間を表す。RF信号172の別のサイクル2は、電圧波形の発生期間の別の例を表す。サイクル2は、サイクル1に連続している。例えば、サイクル1と2との間にサイクルは存在しない。また、RF信号172の追加のサイクル3~(m-1)は、サイクル2に連続している。サイクル3は、サイクル2に連続している。サイクル1~(m-1)は、RF信号172のサイクルのセット1を形成し、mは、2よりも大きい整数である。
【0101】
さらに、(m+q)がRF信号172のサイクルのセット2を形成するまで、サイクルm、(m+1)、以下同様であり、qは、1よりも大きい整数である。セット2は、セット1に連続している。例えば、セット1と2との間にサイクルのセットは存在しない。セット1の1~(m-1)のサイクル数と同じm~(m+q)のサイクル数。一例として、動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1を決定するために、複素電圧および複素電流がYメガヘルツRF発生器114(図1A)の出力O2で測定される上述の10サイクルは、セット1のサイクル1~(m-1)の一例である。また、動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1が適用される上述の10サイクルは、セット2のサイクルm~(m+q)の一例である。
【0102】
一実施形態では、電圧波形の代わりに、RF信号172の電力波形が使用される。
【0103】
図1D-3は、基板Sの処理中にXキロヘルツRF発生器112の動作のサイクルのセット2中に動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1を適用する、プラズマツールなどのシステム180の一実施形態の図である。システム180は、システム180が高速データ取得デバイス123、センサ131、および高速データ取得デバイス121を除外し、電圧センサ182、コンパレータ184、モータシステム186、およびドライバシステム188を含むことを除いて、構造および機能がシステム100と同じである。コンパレータ184の一例には、プロセッサまたは特定用途向け集積回路またはプログラマブル論理デバイスが挙げられる。モータシステム186の一例には、1つまたは複数の電気モータが挙げられ、各電気モータは、固定子および回転子を有する。ドライバシステム188の一例には、モータシステム186から1つまたは複数の信号を受信すると、1つまたは複数の電流信号を出力するために互いに結合された1つまたは複数のトランジスタが挙げられる。コンパレータ184は、電圧センサ182に結合され、プロセッサ126にも結合される。電圧センサ182は、XキロヘルツRF発生器112の出力O1に結合される。
【0104】
ドライバシステム188はプロセッサ126に結合され、モータシステム186はドライバシステム188に結合される。モータシステム186は、対応する1つまたは複数の接続構成要素を介して、インピーダンス整合ネットワーク110の1つまたは複数の回路構成要素に結合される。各接続構成要素の一例には、1つまたは複数のロッド、または1つまたは複数のロッドと1つまたは複数のギアの組み合わせが挙げられる。
【0105】
RF信号130は、図1Aを参照して上述したのと同様の方式でXキロヘルツRF発生器112によって生成され、XキロヘルツRF発生器112の出力O1およびRFケーブルRFC1を介して、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I1に送信される。例えば、RF信号130のサイクルのセット2は、XキロヘルツのRF発生器112から出力される。電圧センサ182は、XキロヘルツRF発生器112の出力O1でRF信号130の電圧を測定する。コンパレータ184は、電圧センサ182によって測定された電圧をゼロの値と比較して比較結果を出力し、比較結果をプロセッサ126に提供する。比較結果は、電圧がゼロよりも上か下か、またはゼロかどうか、例えば、電圧が正か負かゼロかを提供する。プロセッサ126は、比較結果から、電圧がゼロであり、負から正になりそうな複数の時間または複数のインスタンスを決定する。プロセッサ126によって決定される複数の時間または複数のインスタンスに基づいて、RF信号130の位相は、プロセッサ126によって決定される。
【0106】
さらに、プロセッサ126は、メモリデバイス128からの周波数パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1にアクセスし、その値をRF電源124に提供する。相対位相φrelative1は、基板Sの処理中に決定されるRF信号130の位相からプロセッサ126によって決定される。周波数パラメータを受信すると、RF電源124は、値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、およびφrelative1を有するRF信号190を生成する。例えば、RF信号190は、台形形状またはパルス形状または方形波形状または正弦波形状であるエンベロープまたはピークツーピーク振幅を有する。RF信号190の相対位相φrelative1は、遅れなど、電圧センサ182、コンパレータ184、およびプロセッサ126を使用して決定されるRF信号130の位相に相対的である。RF信号190は、それ自体が正弦波信号または実質的に正弦波信号である。RF信号190は、RF電源124によって、出力O2およびRFケーブルRFC2を介して、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2に供給される。
【0107】
さらに、プロセッサ126は、メモリデバイス128から値C1にアクセスし、命令信号を生成し、命令信号をドライバシステム188に送信する。命令信号の一例は、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力との間のインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部の組み合わされた静電容量を達成するようにモータシステム186を制御するために、ドライバシステム188によって出力される1つまたは複数の量の電流を含むものである。命令信号を受信すると、ドライバシステム186は、1つまたは複数の電流信号を生成し、電流信号をモータシステム186に送信する。
【0108】
モータシステム186は、1つまたは複数の電流信号に従って動作し、インピーダンス整合ネットワーク110の分岐部の静電容量C1を達成するために、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力との間の分岐部の1つまたは複数の可変コンデンサを制御する。例えば、モータシステム186のモータは、インピーダンス整合ネットワーク110内の可変コンデンサのプレートを直線方向に回転または移動させ、コンデンサのプレートと別のプレートとの間の距離または面積を変更してコンデンサの静電容量を変更し、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力との間の分岐部の静電容量C1を達成するように動作する。
【0109】
静電容量C1を有するインピーダンス整合ネットワーク110は、RF信号130および190を受信し、RF信号130および132(図1A)に関して上述の方式でRF信号130および190を処理して修正されたRF信号192を出力する。例えば、インピーダンス整合ネットワーク110は、インピーダンス整合ネットワーク110の出力に結合された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I1およびI2に結合されたソースのインピーダンスと整合させ、修正されたRF信号192を出力する。1つまたは複数のプロセスガスがプラズマ励起電極104の上部電極106と下部電極との間のギャップに供給され、プラズマ励起電極104の下部電極がインピーダンス整合ネットワーク110の出力からRF伝送ラインRFT1を介して修正されたRF信号192を受信するとき、プラズマは、プラズマチャンバ108内で衝突または維持され、XキロヘルツRF発生器112の動作のセット2のサイクル中に基板Sを処理する。プロセスガスの一例には、O2などの酸素含有ガスが挙げられる。プロセスガスの他の例には、フッ素含有ガス、例えば、テトラフルオロメタン(CF4)、六フッ化硫黄(SF6)、ヘキサフルオロエタン(C26)などが挙げられる。
【0110】
一実施形態では、コンパレータ184は、プロセッサ126の一部であり、コンパレータ184によって実施されるものとして本明細書に記載されている機能は、プロセッサ126によって実施される。
【0111】
静電容量C1が決定されない実施形態では、プロセッサ126は、静電容量C1を達成するためにインピーダンス整合ネットワーク110を制御しない。
【0112】
一実施形態では、センサ120(図1A)は、動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1が決定された後、またはプロセッサ126による収束後に決定された後、XキロヘルツRF発生器112の出力O1から切り離される。また、センサ131は、YメガヘルツRF発生器114の出力O2から切り離される。
【0113】
図2Aは、RF信号202の動作サイクルを例示するグラフ200の一実施形態である。RF信号202は、図1AのRF信号130の一例である。グラフ200は、マイクロ秒単位の時間tに対するRF信号130の電圧をプロットしている。
【0114】
図2Bは、本明細書で説明されるY MHz RF発生器によって供給されるRF信号の順方向電圧波形208を例示するグラフ206の一実施形態である。例えば、順方向電圧波形208は、図1AのRF信号132の順方向電圧の一例である。グラフ206は、RF信号202(図2A)の1サイクル中のマイクロ秒単位の時間tに対するY MHz RF発生器の出力で供給される順方向電圧または電圧をプロットしている。順方向電圧波形208は、図2Aを参照して上述した、XキロヘルツRF発生器によって供給されるRF信号202の1サイクル中に複数のサイクルを有することに留意されたい。
【0115】
図2Cは、本明細書で説明されるY MHz RF発生器によって供給されるRF信号の逆方向電圧波形212を例示するグラフ210の一実施形態である。例えば、逆方向電圧波形212は、図1AのRF信号132の逆方向電圧の一例である。グラフ210は、RF信号202(図2A)の1サイクル中のマイクロ秒単位の時間tに対するRF発生器の出力に向かって反射された逆方向電圧または電圧をプロットしている。逆方向電圧波形212は、図2Aを参照して上述した、XキロヘルツRF発生器によって供給されるRF信号202の1サイクル中に複数のサイクルを有することに留意されたい。
【0116】
図2Bの順方向電圧波形208および図2Cの逆方向電圧波形212から、電圧反射係数は、振幅および位相を有する複素数であることが示されている。順方向電圧は、同様のピークツーピーク振幅または実質的に一定のエンベロープを有する。逆方向電圧のピークツーピーク振幅またはエンベロープは、周期的に低くなり、かつ周期的に高くなる。順方向電圧および逆方向電圧は、共に複素数の電圧反射係数を生成する。複素数は、振幅および位相を含む。
【0117】
図2Dは、1つのグラフに順方向電圧波形208および逆方向電圧波形212を例示するグラフ214の一実施形態の図である。この場合も、順方向電圧波形208および逆方向電圧波形212のピークツーピーク振幅の変化は、複素数の電圧反射係数を生成する。
【0118】
図2Eは、本明細書で説明されるY MHz RF発生器の出力における電圧反射係数の値を例示するスミスチャート220の一実施形態である。例えば、スミスチャート220は、本明細書に記載の方法がXキロヘルツRF発生器112(図1A)の動作の1サイクルに適用されない場合のY MHz RF発生器114(図1A)の出力O2での電圧反射係数の値を例示する。例えば、図2Eに示すように、電圧反射係数のほとんどの値は、スミスチャート220の中心に近くない。したがって、本明細書に記載の方法を適用せずに、大量の電圧がYメガヘルツRF発生器に向かって反射される。
【0119】
図3Aは、本明細書に記載の方法を適用した後に本明細書で説明されるYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の周波数と、方法を適用する前にYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号との間の比較を例示するグラフ300の一実施形態の図である。グラフ300は、マイクロ秒単位の時間tに対するRF信号の周波数302および別のRF信号の別の周波数304をプロットしている。周波数302は、本明細書に記載の方法を適用する前にYメガヘルツRF発生器によって出力されるRF信号のものであり、周波数304は、方法を適用した後にYメガヘルツRF発生器によって出力されるRF信号のものである。
【0120】
周波数304は、本明細書に記載の方法を適用した後のRF信号190(図1D-3)の周波数の一例であり、周波数302は、方法を適用する前のRF信号132の周波数である。周波数302は、YメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号のエンベロープの周波数またはピークツーピーク振幅であり、周波数304は、YメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の別のエンベロープの周波数またはピークツーピーク振幅である。示されるように、周波数302によって示されるRF信号のエンベロープは、実質的に一定であるか、または実質的に同じである。他方、周波数304によって示されるRF信号のエンベロープは、台形形状を有する。
【0121】
グラフ300はまた、本明細書に記載の方法を適用した後のYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の周波数パラメータを示している。例えば、周波数パラメータ306は、値yMHzavfreq1の一例である。例示すると、周波数パラメータ306は、X MHz RF発生器112のサイクルまたはサイクルのセットの間のRF信号190の平均周波数である。別の例として、周波数パラメータ308は、値yMHzfreqvariation1の一例である。例示すると、周波数パラメータ308は、本明細書に記載の方法を適用した後のYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の平均周波数からの正方向または負方向の変動の値である。正方向は、YメガヘルツRF発生器から出力されたRF信号の電圧値が平均周波数yMHzavfreq1と比較して正である方向であり、負方向は、YメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の電圧値が平均周波数yMHzavfreq1と比較して負である方向である。さらに別の例として、周波数パラメータ310は、値thigh1の一例である。例示すると、周波数パラメータ310は、本明細書に記載の方法を適用した後にYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の周波数が、例えば、所定の高周波数範囲内で高い期間である。さらに別の例として、周波数パラメータ312は、値tlow1の一例である。例示すると、周波数パラメータ312は、本明細書に記載の方法を適用した後にYメガヘルツRF発生器から出力されるRF信号の周波数が、例えば、所定の低周波数範囲内で低い期間である。
【0122】
図3Bは、本明細書に記載の方法を適用した後の本明細書で説明されるYメガヘルツRF発生器の出力における電圧反射係数の値を例示するスミスチャート350の一実施形態の図である。例えば、スミスチャート350は、RF信号190(図1D-3)がYメガヘルツRF発生器114によって生成されたときの、図1D-3のYメガヘルツRF発生器114の出力O2での電圧反射係数の値を示している。スミスチャート350は、本明細書で説明されるXキロヘルツRF発生器112(図1A)などのXキロヘルツRF発生器の動作の1サイクルについてプロットされている。図3Bに示されるように、電圧反射係数の値のほとんどは、図2Eのスミスチャート220に示される電圧反射係数の値と比較して、スミスチャート350の中心に近い。
【0123】
図4Aは、図1Aに関して上述された方法が、基板S(図1A)の処理中ではなく、レシピ開発中にシステム400に適用可能であることを例示する、プラズマツールなどのシステム400の一実施形態の図である。システム400は、システム400において、基板Sを処理する代わりに、ダミー基板402がレシピ開発に使用されることを除いて、図1Aのシステム100と構造および機能が同じである。例えば、ダミー基板402は、プラズマチャンバ108内のプラズマ励起電極104の上面に載置される。XキロヘルツRF発生器112は、RF信号130を生成し、YメガヘルツRF発生器114は、RF信号132を生成する。RF信号130および132は、上述の方式でインピーダンス整合ネットワーク110によって修正され、修正されたRF信号134を生成する。修正されたRF信号134は、プラズマ励起電極104に埋め込まれた下部電極に供給されてプラズマチャンバ108内にプラズマを生成するが、ダミー基板402の処理はない。例えば、1つまたは複数のプロセスガスは、レシピ開発中にプラズマチャンバ108に供給されない。
【0124】
センサ120および高速データ取得デバイス121は、出力O1で電圧を測定して電圧波形を生成し、これは、図1Aを参照して上述した方式でプロセッサ126によって分析され、XキロヘルツRF発生器112によって供給されるRF信号130の位相を決定する。また、センサ131および高速データ取得デバイス123は、出力O2で複素電圧および複素電流を測定し、これは、プロセッサ126によって分析され、図1Aを参照して上述した方式で、XキロヘルツRF発生器112の動作の1サイクルに対する電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1を決定する。
【0125】
図4Bは、図1B-1の表130が基板S(図1A)の処理中にプロセッサ126によって生成されるのと同じ方式でレシピ開発中にプロセッサ126(図4A)によって生成される表130の一実施形態の図である。プロセッサ126は、レシピ開発中のXキロヘルツRF発生器112(図4A)の動作の1サイクルに対する電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1を決定する。
【0126】
上述のように、一実施形態では、XキロヘルツRF発生器112の1サイクルの動作について、各値Γ11、Γ21~Γn1を決定する代わりに、電圧反射係数の各値Γ11、Γ21~Γn1は、レシピ開発中のXキロヘルツRF発生器112の動作のサイクルのセット中に出力O2で測定された複素電圧および複素電流からプロセッサ126によって決定される電圧反射係数の値の平均である。
【0127】
図4Cは、レシピ開発のためのまたはレシピ開発中の電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1からの負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1の生成を例示するRF経路モデル150の一実施形態の図である。負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1は、負荷インピーダンス値が基板S(図1A)の処理中ではなくレシピ開発中に生成されることを除いて、値Γ11、Γ21~Γn1から、図1Cに関して上述したのと同じ方式でプロセッサ126(図4A)によって生成される。
【0128】
図4Dは、レシピ開発のためのまたはレシピ開発中の動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1の決定を例示する一実施形態の図である。レシピ開発のためのまたはレシピ開発中の動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1は、平均電力反射係数が最小化される図1D-1を参照して上述したのと同じ方式で決定される。
【0129】
一実施形態では、プロセッサ126は、レシピ開発のためのまたはレシピ開発中の動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1を決定し、平均電力反射係数と平均電圧反射係数の両方を最小化する。例えば、プロセッサ126は、図1D-1を参照して上述したのと同じ方式で、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1のRF経路モデル150の入力における電圧反射係数の値Γ1a~Γnaおよび電力反射係数の値Γ1a2~Γna2を決定する。電圧反射係数の値Γ1a~Γnaおよび電力反射係数の値Γ1a2~Γna2を決定する前に、RF経路モデル150は、プロセッサ126によって初期化され、静電容量Cknown1および無線周波数RFknownを有する。静電容量Cknown1は、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2とインピーダンス整合ネットワーク110の出力との間のインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部のコンデンサの静電容量であり、無線周波数RFknownは、レシピ開発中にYメガヘルツRF発生器114が動作している値である。
【0130】
プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力における電力反射係数の値Γ1a2~Γna2の平均をさらに計算し、電力反射係数の第1の平均値ΓAavmin2を生成する。また、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力における電圧反射係数の値Γ1a~Γnaの平均を計算し、電圧反射係数の第1の平均値ΓAavminを生成する。プロセッサ126は、第1の平均値ΓAavmin2およびΓAavminが計算される動作パラメータのyMHzavfreqA、yMHzfreqvariationA、thighA、tlowA、φrelativeA、およびCAなどの値を決定し、ここで、yMHzavfreqAは、基板の処理中にYメガヘルツRF発生器(図4E)が動作する平均動作周波数であり、yMHzfreqvariationAは、平均周波数の変動であり、thighAは、YメガヘルツRF発生器の電力レベルまたは電圧レベルが高レベルに留まる高滞留時間であり、tlowAは、YメガヘルツRF発生器の電力レベルまたは電圧レベルが低レベルに留まる低滞留時間であり、φrelativeAは、基板の処理に使用されるXキロヘルツRF発生器によって出力されるRF信号の位相と比較した、YメガヘルツRF発生器によって出力されるRF信号の相対位相であり、CAは、基板の処理に使用されるインピーダンス整合ネットワークの分岐部に適用される総静電容量である。インピーダンス整合ネットワークの分岐部は、YメガヘルツRF発生器に結合されたインピーダンス整合ネットワークの入力とインピーダンス整合ネットワークの出力との間にある。
【0131】
さらに、プロセッサ126は、図1D-1を参照して上述したのと同じ方式で、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11~ZLn1のRF経路モデル150の入力における電力反射係数の値Γ112~Γn12および電圧反射係数の値Γ11~Γn1を決定する。電力反射係数の値Γ112~Γn12および電圧反射係数の値Γ11~Γn1を決定する前に、RF経路モデル150は、プロセッサ126によって初期化され、静電容量Cknown1および無線周波数RFknownを有する。
【0132】
プロセッサ126は、電力反射係数の値Γ112~Γn12の平均をさらに計算して第2の平均値Γ1avmin2を生成し、また、電圧反射係数の値Γ11~Γn1の平均を計算してRF経路モデル150の入力での電圧反射係数の第2の平均値Γ1avminを生成する。プロセッサ126は、第2の平均値Γ1avmin2およびΓ1avminが計算される動作パラメータのyMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1などの値を決定し、ここで、yMHzavfreq1は、YメガヘルツRF発生器が基板を処理するために動作する平均動作周波数であり、yMHzfreqvariation1は、平均周波数の変動であり、thigh1は、YメガヘルツRF発生器の電力レベルまたは電圧レベルが高レベルに留まる高滞留時間であり、tlow1は、YメガヘルツRF発生器の電力レベルまたは電圧レベルが低レベルに留まる低滞留時間であり、φrelative1は、基板を処理するためにXキロヘルツRF発生器によって出力されるRF信号の位相と比較した、YメガヘルツRF発生器によって出力されるRF信号の相対位相であり、C1は、基板の処理に使用されるインピーダンス整合ネットワークの分岐部に適用される総静電容量である。
【0133】
プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の第2の平均値Γ1avmin2がRF経路モデル150の入力での電力反射係数の第1の平均値ΓAavmin2よりも小さいまたは低いと決定し、また、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の第2の平均値Γ1avminがRF経路モデル150の入力での電圧反射係数の第1の平均値ΓAavminよりも小さいまたは低いと決定する。決定に応じて、プロセッサ126は、yMHzavfreqA、yMHzfreqvariationA、thighA、tlowA、φrelativeAをYメガヘルツRF発生器に適用する代わりに、周波数パラメータyMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1を適用することを決定し、マッチネットワークパラメータCAを基板の処理に使用されるインピーダンス整合ネットワークに適用する代わりに、マッチネットワークパラメータC1を適用することを決定する。プロセッサ126は、別のメモリデバイス468(図4E)からプロセッサ464(図4E)によって後でアクセスするために、メモリデバイス128に動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1などの値を記憶する。
【0134】
図4Eは、レシピ開発中に決定される動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1の適用を例示する、プラズマツールなどのシステム450の一実施形態の図である。動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1は、プラズマチャンバ458での基板SUの処理中に適用される。一例として、基板SUの処理は、レシピ開発を実施するエンティティによって行われ、レシピ開発の後に実施される。システム450は、XキロヘルツRF発生器452、YメガヘルツRF発生器454、プラズマチャンバ458、インピーダンス整合ネットワーク456、コンピュータ463、ドライバシステム470、モータシステム472、コンパレータ480、および電圧センサ482を含む。
【0135】
XキロヘルツRF発生器452は、XキロヘルツRF発生器112(図4A)のものと構造および機能が同様であり、RF電源474を含む。例えば、XキロヘルツRF発生器452は、400kHz RF発生器である。RF電源474もまた、XキロヘルツRF発生器112のRF電源122(図4A)と同様の構造および機能である。例示すると、RF電源474は、RF発振器である。
【0136】
同様に、YメガヘルツRF発生器454は、YメガヘルツRF発生器114(図4A)のものと構造および機能が同様であり、RF電源476を含む。例えば、YメガヘルツRF発生器454は、60MHz RF発生器である。RF電源476もまた、YメガヘルツRF発生器114のRF電源124(図4A)と同様の構造および機能である。例示すると、RF電源476は、RF発振器である。
【0137】
コンパレータ480は、図1D-3のコンパレータ184のものと構造および機能が同様である。例えば、コンパレータ480は、コンピュータ463のプロセッサ464の一部として実装され得る。
【0138】
インピーダンス整合ネットワーク456はまた、図4Aのインピーダンス整合ネットワーク110のものと構造および機能が同様である。例えば、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I21とインピーダンス整合ネットワーク456の出力との間のインピーダンス整合ネットワーク456の分岐部は、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力との間の分岐部の組み合わされたインピーダンスから所定の範囲内にある組み合わされたインピーダンスを有する。一例として、本明細書で説明するように、インピーダンス整合ネットワークの分岐部の組み合わされたインピーダンスは、インピーダンス整合ネットワークの分岐部のすべての電気構成要素のインピーダンスの組み合わせまたは合計である。
【0139】
モータシステム472は、モータシステム186(図1D-3)のものと構造および機能が同様であり、ドライバシステム470もまた、ドライバシステム188(図1D-3)のものと構造および機能が同様である。例えば、72のモータシステムは、1つまたは複数の電気モータを含み、70のドライバシステムは、トランジスタのネットワークを含む。
【0140】
コンピュータ463などのコンピュータの例は、上に提供されている。コンピュータ463は、プロセッサ464と、メモリデバイス468とを含む。プロセッサ464などのプロセッサの例は、上に提供されている。メモリデバイス468などのメモリデバイスの例は、上に提供されている。プロセッサ464は、メモリデバイス468に結合され、RF電源474および476にも結合される。
【0141】
プラズマチャンバ458は、プラズマ励起電極462と、接地電位に結合された上部電極460とを含む。プラズマ励起電極462は、プラズマチャンバ108(図4A)のプラズマ励起電極104のものと構造および機能が同様である。例えば、プラズマ励起電極462の下部電極は、アルミニウムまたはアルミニウムの合金から製作される。また、上部電極460は、図4Aの上部電極106のものと構造および機能が同様であり、プラズマ励起電極462の上に載置され、上部電極460とプラズマ励起電極462との間にギャップを形成する。例えば、上部電極460は、アルミニウムまたはアルミニウムの合金から製作される。
【0142】
XキロヘルツRF発生器452のRF電源474は、XキロヘルツRF発生器452の出力O11およびRFケーブルRFC11を介して、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I11に結合される。同様の方式で、YメガヘルツRF発生器454のRF電源476は、YメガヘルツRF発生器454の出力O21およびRFケーブルRFC21を介して、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I21に結合される。
【0143】
インピーダンス整合ネットワーク456の出力は、RF伝送ラインRFT11を介して、プラズマ励起電極462の下部電極に結合される。プロセッサ464は、ドライバシステム470およびコンパレータ480に結合される。駆動システム470は、モータシステム472に結合され、モータシステム472は、1つまたは複数の接続構成要素を介してインピーダンス整合ネットワーク456に接続され、その例は上に提供されている。電圧センサ482は、XキロヘルツRF発生器452の出力O11に結合され、コンパレータ480に結合される。
【0144】
XキロヘルツRF発生器452のRF電源474は、1つまたは複数のサイクルのRF信号484を生成し、RF信号484を、出力O11およびRFケーブルRFC11を介して、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I11に供給する。電圧センサ482は、XキロヘルツRF発生器452の出力O11でRF信号484の電圧を測定する。コンパレータ480は、電圧センサ482によって測定された電圧をゼロの値と比較して、比較結果を出力し、比較結果をプロセッサ464に提供する。比較結果は、電圧がゼロよりも上か下か、またはゼロかどうか、例えば、電圧が正か負かゼロかを提供する。プロセッサ464は、比較結果から、電圧がゼロであり、負から正になりそうな複数の時間またはインスタンスを決定する。プロセッサ464によって決定される時間またはインスタンスに基づいて、RF信号484の位相は、プロセッサ464によって決定される。
【0145】
コンピュータ463は、図4Aのコンピュータ118から動作パラメータの値を受信する。例えば、動作パラメータの値は、コンピュータ118のプロセッサ126から、インターネットまたはイントラネットまたはそれらの組み合わせなどのコンピュータネットワークを介して、コンピュータ463のプロセッサ464によって受信される。プロセッサ464は、コンピュータ463のメモリデバイス468に動作パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1、およびC1などの値を記憶する。
【0146】
さらに、プロセッサ464は、周波数パラメータの値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、φrelative1をRF電源476に提供する。相対位相φrelative1は、基板SUの処理中に決定されるRF信号484の位相からプロセッサ464によって決定される。周波数パラメータを受信すると、RF電源476は、値yMHzavfreq1、yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、およびφrelative1を有するRF信号486を生成する。例えば、RF信号486は、台形形状またはパルス形状または方形波形状または正弦波形状であるエンベロープまたはピークツーピーク振幅を有する。RF信号486は、それ自体が正弦波信号または実質的に正弦波信号である。RF信号486は、RF電源476によって、出力O21およびRFケーブルRFC21を介して、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I21に供給される。RF信号486は、RF信号484の1つまたは複数のサイクルの間に生成される。
【0147】
さらに、プロセッサ464は、命令信号を生成し、命令信号をドライバシステム470に送信する。命令信号の一例は、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I21と出力との間の分岐部の組み合わされた静電容量を達成するようにモータシステム472を制御するために、ドライバシステム470によって出力される1つまたは複数の量の電流を含むものである。命令信号を受信すると、ドライバシステム470は、1つまたは複数の電流信号を生成し、電流信号をモータシステム472に送信する。
【0148】
モータシステム472は、1つまたは複数の電流信号に従って動作し、インピーダンス整合ネットワーク456の静電容量C1を達成するために、インピーダンス整合ネットワーク456の1つまたは複数の可変コンデンサを制御する。例えば、モータシステム472のモータは、インピーダンス整合ネットワーク456内のコンデンサのプレートを直線方向に回転または移動させ、コンデンサのプレートと別のプレートとの間の面積または距離を変更してコンデンサの静電容量を変更し、インピーダンス整合ネットワーク456の静電容量C1を達成するように動作する。
【0149】
静電容量C1を有するインピーダンス整合ネットワーク456は、RF信号484および486を受信し、RF信号130および132(図4A)に関して上述の方式でRF信号484および486を処理して修正されたRF信号488を出力する。例えば、インピーダンス整合ネットワーク456は、インピーダンス整合ネットワーク456の出力に結合された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I11およびI21に結合されたソースのインピーダンスと整合させ、修正されたRF信号488を出力する。インピーダンス整合ネットワーク456の出力に結合された負荷の一例には、プラズマチャンバ458およびRF伝送ラインRFT11が挙げられる。入力I11およびI21に結合されたソースの一例には、XキロヘルツRF発生器452、YメガヘルツRF発生器454、ならびにRFケーブルRFC11およびRFC21が挙げられる。
【0150】
プラズマ励起電極462の下部電極は、インピーダンス整合ネットワーク456の出力から、RF伝送ラインRFT11を介して修正されたRF信号488を受信する。修正されたRF信号488を受信することに加えて、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ458によって受信され、プラズマチャンバ458内でプラズマを衝突または維持する。プラズマは、XキロヘルツRF発生器452の動作の1つまたは複数のサイクルの間、基板SUの処理を容易にする。
【0151】
一実施形態では、図4Eを参照して本明細書で説明される方法は、プラズマチャンバ458内で多くの基板を処理するために使用されるか、またはシステム450と構造および機能が同様である異なるシステムに使用される。
【0152】
一実施形態では、YメガヘルツRF発生器の平均周波数の代わりに、ベースライン周波数が使用または決定される。ベースライン周波数の例には、平均周波数および中央値周波数が挙げられる。
【0153】
一実施形態では、基板SUの処理中、プロセッサ126は、レシピ開発中に決定する周波数パラメータを、YメガヘルツRF発生器454のベースライン周波数に適用し続ける。例えば、基板Sの処理中、値yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、およびφrelative1は、プロセッサ126によってYメガヘルツRF発生器454の平均動作周波数に適用される。例示すると、プロセッサ126は、値yMHzfreqvariation1、thigh1、およびtlow1によって基板SUの処理中のY MHz RF発生器454の平均周波数を修正しながら、Y MHz RF発生器454によって生成されたRF信号486とX MHz RF発生器452によって生成されたRF信号484との間でφrelative1の相対位相を達成する。
【0154】
実施形態では、YメガヘルツRF発生器454のベースライン周波数は、多くの方法のうちの1つを適用することによって、プロセッサ464によって決定される。例えば、複素電圧および複素電流センサなどのセンサは、YメガヘルツRF発生器454の出力O21に結合される。センサはまた、プロセッサ464に結合される。プロセッサ464に結合されたセンサは、複素電圧および複素電流を測定し、複素電圧および複素電流をプロセッサ464に提供する。プロセッサ464は、複素電圧および複素電流から、YメガヘルツRF発生器454の基本動作周波数でYメガヘルツRF発生器454に向かって反射される平均電力、側波帯を含む、XキロヘルツRF発生器452およびYメガヘルツRF発生器454の基本周波数でYメガヘルツRF発生器454に向かって反射される平均電力、側波帯のない、XキロヘルツRF発生器452およびYメガヘルツRF発生器454の基本周波数でYメガヘルツRF発生器454に向かって反射される平均電力、平均電力反射係数、ならびに平均電力反射係数および平均電圧反射係数などの電力ベースのパラメータを計算または決定する。側波帯は、例えば、XキロヘルツRF発生器452およびYメガヘルツRF発生器454の基本周波数に関連する、例えば、そこから生成される、それに基づくなどの高調波周波数を含む。一例として、プロセッサ454は、メモリデバイス468に記憶されたルックアップテーブルにアクセスし、プロセッサ454に結合されたセンサによって測定された複素電圧および複素電流から電力ベースのパラメータを決定する。
【0155】
実施形態を続けると、プロセッサ464は、センサから受信された決定された電力ベースのパラメータの1つまたは複数の値が、メモリデバイス468に記憶された電力ベースのパラメータ値から事前設定された範囲内にあるかどうかを決定する。決定された電力ベースのパラメータの1つまたは複数の値が、メモリデバイス468に記憶された電力ベースのパラメータ値からの事前設定された範囲内にないと決定すると、プロセッサ464は、YメガヘルツRF発生器454の動作周波数を変更する。プロセッサ464は、センサから受信された決定された電力ベースのパラメータの1つまたは複数の値が、メモリデバイス468に記憶された電力ベースのパラメータ値から事前設定された範囲内に入るまで、YメガヘルツRF発生器454の動作周波数を変更し続ける。プロセッサ464は、センサから受信された決定された電力ベースのパラメータの1つまたは複数の値が、メモリデバイス468に記憶された電力ベースのパラメータ値から事前設定された範囲内にある、YメガヘルツRF発生器454の動作周波数の値の平均を決定し、ベースライン周波数を決定する。別の例として、YメガヘルツRF発生器454の動作周波数の値の平均の代わりに、YメガヘルツRF発生器454の動作周波数の値の中央値は、ベースライン周波数であるとプロセッサ468によって決定される。電力ベースのパラメータに基づく平均周波数の決定は、あるプラズマツールから別のプラズマツールへの、例えば、あるプラズマツールのRF発生器から別のプラズマツールのRF発生器へのベースライン周波数の変動を可能にする。プラズマツールのRF発生器は、別のプラズマツールのRF発生器とは異なるベースライン周波数で動作する。値yMHzfreqvariation1、thigh1、tlow1、およびφrelative1をプラズマツールのRF発生器の異なるベースライン周波数に適用すると、ベースライン周波数におけるツール間の変動が可能になる。
【0156】
図5Aは、レシピ開発中のプロセッサ126による電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1の生成を例示する、プラズマツールなどのシステム500の一実施形態の図である。システム500は、システム500において、値Γ11、Γ21~Γn1が、XキロヘルツRF発生器112によって出力されるRF信号130のサイクルの期間の各ビンまたはセグメントまたは部分に対して決定されることを除いて、システム100(図1A)またはシステム400(図4A)と同じである。システム500は、システム500において、値Γn1がRF信号130のサイクルの第nのビンの間にセンサ131および高速データ取得デバイス123によって測定された複素電圧および複素電流の値から生成されるまで、値Γ11がRF信号130のサイクルの第1のビンの間にセンサ131および高速データ取得デバイス123によって測定された複素電圧および複素電流の値から生成され、値Γ12がRF信号130のサイクルの第2のビンの間にセンサ131および高速データ取得デバイス123によって測定された複素電圧および複素電流の値から生成され、以下同様であることを除いて、システム100またはシステム400と同じ構造および同じ機能を有する。第nのビンがRF信号130のサイクルの第(n-1)のビンに連続するまで、第2のビンは第1のビンに連続し、RF信号130のサイクルの第3のビンは第2のビンに連続し、以下同様である。一例として、0~0.1マイクロ秒のRF信号142(図1B-2)の時間セグメントは、第1のビンの一例であり、0.1マイクロ秒~0.2マイクロ秒のRF信号142の時間セグメントは、第2のビンの一例であり、0.2マイクロ秒~0.3マイクロ秒のRF信号142の時間セグメントは、第3のビンの一例であり、0.(n-1)マイクロ秒~0.nマイクロ秒のRF信号142の時間セグメントは、第nのビンの一例である。システム500は、システム500において、ダミー基板402が使用され、値Γ11、Γ21~Γn1がRF信号130のサイクルのビンに対して生成されることを除いて、システム100または400と同様に動作する。システム500では、基板Sの処理はない。
【0157】
図5Bは、レシピ開発のためにプロセッサ126(図5A)によって生成される表510の一実施形態の図である。表510は、表において、値Γ11、Γ21~Γn1の各々がRF信号130(図5A)のサイクルの異なるビンに対応することを除いて、図1B-1または図4Bの表130と同じである。例えば、値Γ11は、RF信号130のサイクルのビン1、例えば、第1のビンの間に測定される複素電圧および複素電流の値からプロセッサ126によって決定され、値Γ21は、RF信号130のサイクルのビン2、例えば、第2のビンの間に測定される複素電圧および複素電流の値に基づいてプロセッサ126によって決定される。表510は、プロセッサ126によってメモリデバイス128(図5A)に記憶される。
【0158】
一実施形態では、電圧反射係数の各値Γ11、Γ21~Γn1は、RF信号130の複数のサイクルにわたって対応するビンについてプロセッサ126によって計算される平均である。例えば、値Γ11は、電圧反射係数の複数の値の平均であり、複数の値の各々は、RF信号130の対応する各サイクルのビン1についてプロセッサ126によって決定される。例示すると、値Γ11は、第1の値および第2の値の平均である。第1の値は、RF信号130の第1のサイクルのビン1の間にセンサ131および高速データ取得デバイス123(図5A)によって測定される複素電圧および複素電流の値に基づいて、プロセッサ126によって計算される。同様に、第2の値は、RF信号130の第2のサイクルのビン1の間にセンサ131および高速データ取得デバイス123によって測定される複素電圧および複素電流の値に基づいて、プロセッサ126によって計算される。第2のサイクルは、第1のサイクルに連続している。第1および第2のサイクルの各々は、プロセッサ126によって、1からnまでのn個のビンに分割される。
【0159】
図5Cは、レシピ開発中の電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1からのRF信号130(図5A)のサイクルの各ビンに対する負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1の生成を例示するRF経路モデル150の一実施形態の図である。例えば、ビンnに対する負荷インピーダンス値ZLn1が値Γn1からプロセッサ126によって決定されるまで、ビン1に対する負荷インピーダンス値ZL11は、値Γ11からプロセッサ126によって決定され、ビン2に対する負荷インピーダンス値ZL21は、値Γ21からプロセッサ126によって決定され、以下同様である。RF信号130のサイクルの各ビンに対する負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1は、図1Cに関して上述したのと同じ方式で、電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1から決定されることに留意されたい。
【0160】
一実施形態では、電圧反射係数の値Γ11、Γ21~Γn1の代わりに、複素電圧および複素電流の測定値は、プロセッサ126によって適用され、RF信号130のサイクルの各ビンに対する負荷インピーダンス値ZL11~ZLn1を決定する。
【0161】
図5Dは、RF信号130(図5A)のサイクル130のビンに対する電力反射係数の値がレシピ開発中に最小化される動作パラメータの値の決定を例示するRF経路モデル150の一実施形態の図である。プロセッサ126(図5A)に提供される動作パラメータの所定の波形または初期値は、存在しない。例えば、Y MHz RF発生器114から出力されるRF信号132の周期波形のタイプは、RF経路モデル150に提供されない。
【0162】
各ビンに対する動作パラメータの値は、負荷インピーダンスの値がRF経路モデル150の出力に適用されるときにRF経路モデル150の入力での電力反射係数の値が最小化されるプロセッサ126によって決定される。例えば、RF経路モデル150は、静電容量Cknown1および無線周波数RFknownを有するように初期化される。静電容量Cknown1は、インピーダンス整合ネットワーク110の入力I2と出力の間のインピーダンス整合ネットワーク110の分岐部の回路構成要素のコンデンサの静電容量であり、無線周波数RFknownは、レシピ開発中に動作しているYメガヘルツRF発生器114での値である。RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11は、RF経路モデル150の回路要素を介して逆伝播され、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの値ZL1aを決定する。プロセッサ126は、値ZL11と、RF経路モデル150の回路要素のインピーダンスの値の方向和を計算して値ZL1aを決定する。
【0163】
例を続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの値ZL1aから、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ1a2を計算する。例えば、プロセッサ126は、メモリデバイス126から、電圧反射係数の値Γ1aと負荷インピーダンスの値ZL1aとの間のマッピングまたはリンクなどの対応にアクセスし、電圧反射係数の値Γ1aを識別または決定する。
【0164】
例をさらに続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ1aの二乗を計算し、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ1a2を決定する。プロセッサ126は、yMHzavfreq1AおよびyMHzfreqvariation1Aなどの値、ならびに電力反射係数の値Γ1a2が計算される動作パラメータのC1Aを決定し、ここで、yMHzavfreq1Aは、X KHz RF発生器452(図5E)から出力されるRF信号のサイクルのビン1の間にYメガヘルツRF発生器454(図5E)が動作する平均動作周波数であり、yMHzfreqvariation1Aは、ビン1の間の平均周波数yMHzavfreq1Aの変動であり、C1Aは、インピーダンス整合ネットワーク456(図5E)の入力I21と出力との間の分岐部に適用される総静電容量である。
【0165】
動作パラメータのyMHzavfreq1A、yMHzfreqvariation1A、およびC1Aなどの値の決定を例示すると、プロセッサ126は、動作パラメータの値をRF経路モデル150に提供する。値をRF経路モデル150に提供することによって、プロセッサ126は、値をRF経路モデル150に利用可能にする。RF経路モデル150がプロセッサ126から動作パラメータの値を受信し、その値によって特徴付けられると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11を逆伝播し、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ1aを決定する。プロセッサ126は、メモリデバイス126から動作パラメータの値にアクセスして値を利用可能にし、例えば、電圧反射係数の値Γ1aが決定されるRF経路モデル150にその値を提供する。
【0166】
例を続けると、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11は、RF経路モデル150の回路要素を介してプロセッサ126によって逆伝播され、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの値ZL1xを決定する。プロセッサ126は、値ZL11と、RF経路モデルの回路要素のインピーダンスの値の方向和を計算し、値ZL1xを決定する。
【0167】
例を続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での負荷インピーダンスの値ZL1xから、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ112を計算する。例えば、プロセッサ126は、メモリデバイス126から、電圧反射係数の値Γ11と負荷インピーダンスの値ZL1xとの間のマッピングまたはリンクなどの対応にアクセスし、電圧反射係数の値Γ11を識別または決定する。
【0168】
例をさらに続けると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ11の二乗を計算し、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ112を決定する。プロセッサ126は、電力反射係数の値Γ112が計算される動作パラメータのyMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、およびCn1などの値を決定し、ここで、yMHzavfreqn1は、YメガヘルツRF発生器454(図5E)が動作する平均動作周波数であり、yMHzfreqvariationn1は、平均周波数の変動であり、Cn1は、インピーダンス整合ネットワーク456(図5E)の入力I21と出力との間の分岐部に適用される総静電容量である。
【0169】
動作パラメータのyMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、およびCn1などの値の決定を例示すると、プロセッサ126は、動作パラメータの値をRF経路モデル150に提供する。値をRF経路モデル150に提供することによって、プロセッサ126は、値をRF経路モデル150に利用可能にする。RF経路モデル150がプロセッサ126から動作パラメータの値を受信し、その値によって特徴付けられると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の出力での負荷インピーダンスの値ZL11を逆伝播し、RF経路モデル150の入力での電圧反射係数の値Γ11を決定する。プロセッサ126は、メモリデバイス126から動作パラメータの値にアクセスして値を利用可能にし、例えば、電圧反射係数の値Γ11が決定されるRF経路モデル150にその値を提供する。
【0170】
プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ112が、ビン1に対するRF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ1a2よりも小さいまたは低いと決定する。決定に応じて、プロセッサ126は、周波数パラメータyMHzavfreq1AおよびyMHzfreqvariation1AをYメガヘルツRF発生器454(図5E)に適用する代わりに、周波数パラメータyMHzavfreqn1およびyMHzfreqvariationn1を適用することを決定し、マッチネットワークパラメータC1Aをインピーダンス整合ネットワーク456(図5E)に適用する代わりに、マッチネットワークパラメータCn1を適用することを決定する。
【0171】
同様の方式で、動作パラメータの値yMHzfreqvariationn2およびCn1は、ビン2について、プロセッサ126が値yMHzavfreqn2を、ビン1に対して計算された値yMHzavfreqn1と値yMHzfreqvariationn1の方向和であると決定することを除いて、XキロヘルツRF発生器452(図5E)によって生成されるRF信号484(図5E)のビン2に対してプロセッサ126によって決定される。また、ビン2の場合、プロセッサ126は、RF経路モデル150を開始し、値yMHzavfreqn2になるようにする。また、同様に、値yMHzavfreqnn、yMHzfreqvariationnn、およびCn1は、XキロヘルツRF発生器452(図5E)によって生成されるRF信号484のビンnに対してプロセッサ126によって決定される。プロセッサ126は、メモリデバイス128にビン1~nの動作パラメータの値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、yMHzfreqvariationn2、yMHzfreqvariationnn、およびCn1などの値を記憶する。
【0172】
一実施形態では、RF経路モデル150のマッチネットワークパラメータの値Cn1は、ビン1~nについてのRF経路モデル150の周波数パラメータの値を決定した後に決定される。例えば、プロセッサ126は、プロセッサ126が値Cn1およびC1Aを決定しないことを除いて、図5Dを参照して上述したのと同様の方式で、値yMHzfreqvariationnnまで値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、およびyMHzfreqvariationn2などを決定する。値yMHzfreqvariationnnまで値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、yMHzfreqvariationn2などが決定された後、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値の平均が最小になる値Cn1を決定する。例示すると、プロセッサ126は、RF経路モデル150の入力における電力反射係数の値Γ1a2、Γ2a2、およびΓna2の第1の平均を計算してRF経路モデル150が第1の平均を達成するための値C1Aを有すると決定し、RF経路モデル150の入力での電力反射係数の値Γ112、Γ212、およびΓn12の第2の平均値Γ1avmin2を計算してRF経路モデル150が第2の平均値Γ1avmin2を達成するための値Cn1を有すると決定する。プロセッサ126は、第2の平均値Γ1avmin2が第1の平均よりも低いとさらに決定する。第2の平均値Γ1avmin2が第1の平均よりも低いと決定すると、プロセッサ126は、第2の平均値Γ1avmin2が計算されるマッチネットワークパラメータの値Cn1が図5Eのインピーダンス整合ネットワーク456に適用されることを決定する。プロセッサ126は、メモリデバイス128(図5A)に動作パラメータの値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、yMHzfreqvariationn2、およびyMHzfreqvariationnn、ならびに値Cn1を記憶する。
【0173】
図5Eは、基板SUの処理中の値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、yMHzfreqvariationn2、およびyMHzfreqvariationnn、ならびに値Cn1の使用を例示するシステム450の一実施形態の図である。システム450では、コンピュータ463は、図5Aのコンピュータ118から動作パラメータの値を受信する。例えば、動作パラメータの値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、yMHzfreqvariationn2、およびyMHzfreqvariationnn、および値Cn1は、コンピュータネットワークを介してコンピュータ118のプロセッサ126からコンピュータ463のプロセッサ464によって受信される。プロセッサ464は、コンピュータ463のメモリデバイス468に動作パラメータの値yMHzavfreqn1、yMHzfreqvariationn1、yMHzfreqvariationn2、およびyMHzfreqvariationnn、ならびに値Cn1などの値を記憶する。
【0174】
プラズマチャンバ458内で基板SUを処理している間、プロセッサ464は、RF信号484の位相が、RF信号484がゼロ交差を横切って、負の電圧または電力値から正の電圧または電力値を達成するようなものであると決定することに応じて、RF信号484のビン1に対する周波数パラメータの値yMHzavfreqn1およびyMHzfreqvariationn1をRF電源476に送信する。値yMHzavfreqn1およびyMHzfreqvariationn1を受信すると、RF電源476は、RF信号484の第1のサイクルのビン1の期間中、値yMHzavfreqn1およびyMHzfreqvariationn1の方向和である周波数を有するRF信号550を生成する。
【0175】
プロセッサ464は、RF信号484の第1のサイクルのビン2の期間が開始されようとしていると決定する。そのように決定すると、プロセッサ464は、メモリデバイス468から値yMHzfreqvariationn2にアクセスし、値yMHzfreqvariationn2をRF電源476に提供する。RF信号484の第1のサイクルのビン2の期間中、RF電源476は、周波数パラメータの平均値と値yMHzfreqvariationn2の方向和を有するRF信号550を出力する。RF信号484のビン2に対する周波数パラメータの平均値は、値yMHzavfreqn1とyMHzfreqvariationn1の方向和である。同様の方式で、プロセッサ464は、RF信号550を出力するためにXキロヘルツRF発生器452によって生成されたRF信号484の第1のサイクルの残りのビンの間、3~nの残りのビンに対する周波数パラメータの残りの値をRF電源476に提供する。
【0176】
RF信号484の次のサイクルの間、次の各サイクルのビン1~nの周波数パラメータは、第1のサイクルのビン1~nの間の周波数パラメータと同じである。例えば、RF信号550は、RF信号484の第2のサイクルのビン1の間、値yMHzavfreqn1およびyMHzfreqvariationn1を有する。RF信号550は、周波数パラメータの平均値と、RF信号484の第2のサイクルのビン2の間の値yMHzfreqvariationn2の方向和を有する。RF信号484の第2のサイクルのビン2の周波数パラメータの平均値は、値yMHzavfreqn1とyMHzfreqvariationn1の方向和である。
【0177】
さらに、プロセッサ464は、図4Eを参照して上述したのと同じ方式でモータシステム472を制御することによって、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I21と出力との間の分岐部の組み合わされた静電容量を制御する。例えば、プロセッサ464は、ドライバシステム470およびモータシステム472を介してインピーダンス整合ネットワーク456の1つまたは複数のコンデンサを制御し、基板SUの処理中にインピーダンス整合ネットワーク456の入力I21と出力との間の分岐部の静電容量Cn1を達成する。
【0178】
RF電源476は、RF信号550を、YメガヘルツRF発生器454の出力O21およびRFケーブルRFC21を介して、組み合わされた静電容量Cn1を有するインピーダンス整合ネットワーク456の入力I21に供給する。RF信号484および550を受信すると、インピーダンス整合ネットワーク456は、インピーダンス整合ネットワーク456の出力に結合された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合ネットワーク456の入力I11およびI21に結合されたソースのインピーダンスと整合させ、インピーダンス整合ネットワーク456の出力で修正されたRF信号552を出力する。プラズマチャンバ458の下部電極が修正されたRF信号552を受信し、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ458のプラズマ励起電極462の上部電極460と下部電極との間のギャップに供給されると、プラズマは、プラズマチャンバ458内で衝突または維持され、プラズマチャンバ458内の基板SUを処理する。
【0179】
一実施形態では、本明細書で使用される方向和は、ベクトル和である。
【0180】
一実施形態では、図5Eを参照して本明細書で説明される方法は、プラズマチャンバ458内で多くの基板を処理するために使用されるか、またはシステム450と構造および機能が同様である異なるシステムに使用される。
【0181】
一実施形態では、RF信号をプラズマ励起電極462の下部電極に適用し、上部電極460を接地電位に結合する代わりに、RF信号が上部電極460に適用され、プラズマ励起電極462の下部電極が接地電位に結合されることに留意されたい。
【0182】
本明細書に記載の実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実践することができる。本明細書に記載の実施形態は、コンピュータネットワークを介してリンクされたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散コンピューティング環境でも実践することができる。
【0183】
いくつかの実施態様では、コントローラは、上述の例の一部であり得るシステムの一部である。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含む。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化される。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、システムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされる。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、システムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0184】
広義には、様々な実施形態において、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICとして定義されたチップ、PLD、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、プロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に実施するための動作パラメータを定義する。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部である。
【0185】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であり、またはそのようなコンピュータに結合され、またはそれらの組み合わせである。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部である。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。
【0186】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供する。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含む。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、ウエハを処理するための設定の形式で命令を受信する。設定は、ウエハ上で実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラがインターフェースまたは制御するツールのタイプに固有であることを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明される実行プロセスなど)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散される。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられる。
【0187】
様々な実施形態において、システムは、プラズマエッチングチャンバ、堆積チャンバ、スピンリンスチャンバ、金属めっきチャンバ、洗浄チャンバ、ベベルエッジエッチングチャンバ、物理気相堆積(PVD)チャンバ、化学気相堆積(CVD)チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、原子層エッチング(ALE)チャンバ、イオン注入チャンバ、追跡チャンバ、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用される任意の他の半導体処理システムを含むが、これらに限定されない。
【0188】
上述の動作は、平行プレートプラズマチャンバ、例えば、容量結合プラズマチャンバなどを参照して説明されているが、いくつかの実施形態では、上述の動作は、他のタイプのプラズマチャンバ、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタを含むプラズマチャンバ、トランス結合プラズマ(TCP)リアクタ、導体ツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを含むプラズマチャンバなどに適用されることにさらに留意されたい。例えば、X MHz RF発生器、Y MHz RF発生器、およびZ MHz RF発生器は、ICPプラズマチャンバ内のインダクタに結合される。
【0189】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス動作に応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信する。
【0190】
上記の実施形態を念頭に置いて、実施形態のいくつかは、コンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実装動作を用いることを理解されたい。これらのコンピュータ実装動作は、物理量を操作する動作である。
【0191】
実施形態のいくつかはまた、これらの動作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置に関する。装置は、専用コンピュータ用に特別に構築されている。専用コンピュータとして定義されるとき、コンピュータは、その専用の目的のために動作可能でありつつ、専用の目的の一部ではない他の処理、プログラム実行、またはルーチンを実施する。
【0192】
いくつかの実施形態では、上述の動作は、コンピュータメモリに記憶されるかコンピュータネットワークを介して取得される1つもしくは複数のコンピュータプログラムによって、選択的にアクティブ化または構成されるコンピュータによって実施される。コンピュータネットワークを介してデータが取得される場合、そのデータは、コンピュータネットワーク上の他のコンピュータ(例えば、計算資源のクラウド)によって処理されてもよい。
【0193】
上述の1つまたは複数の実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして製作することもできる。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを記憶する任意のデータストレージハードウェアユニット(例えば、メモリデバイスなど)であり、データはその後コンピュータシステムによって読み取られる。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)、磁気テープ、ならびに他の光学および非光学データストレージハードウェアユニットを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶および実行されるように、ネットワーク結合コンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含む。
【0194】
上述のいくつかの方法動作は特定の順序で説明されたが、様々な実施形態において、各方法動作の間に他のハウスキーピング動作が実施されるか、または各方法動作がわずかに異なる時間に発生するように調整されるか、または各方法動作を様々な間隔で発生可能にするシステムに分散されるか、または上述の順序とは異なる順序で実施されることを理解されたい。
【0195】
一実施形態では、本開示で説明される様々な実施形態で説明される範囲から逸脱することなく、上述の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴が他の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わされることにさらに留意されたい。
【0196】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されているが、一定の変更および修正を添付の特許請求の範囲の範囲内で実践できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲および均等物の範囲内で修正されてもよい。
図1A
図1B-1】
図1B-2】
図1C
図1D-1】
図1D-2】
図1D-3】
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
【国際調査報告】