(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】非接触式低基板温度測定法
(51)【国際特許分類】
G01J 5/00 20220101AFI20220804BHJP
G01J 5/48 20220101ALI20220804BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20220804BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220804BHJP
G01J 5/53 20220101ALI20220804BHJP
H01L 21/205 20060101ALN20220804BHJP
【FI】
G01J5/00 101C
G01J5/48 A
H01L21/68 A
H01L21/66 T
G01J5/53 101
H01L21/205
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571871
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2020034852
(87)【国際公開番号】W WO2020247230
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴェールール, キム ランクマー
(72)【発明者】
【氏名】テルティツスキー, レオニート エム.
(72)【発明者】
【氏名】スコットニー-キャッスル, マシュー ディー.
【テーマコード(参考)】
2G066
4M106
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
2G066AA06
2G066AC01
2G066AC02
2G066AC20
2G066BB20
2G066CA02
2G066CA15
4M106AA01
4M106CA25
4M106CA31
4M106DH13
4M106DJ17
5F045DQ17
5F045GB11
5F131AA02
5F131BA04
5F131BB03
5F131KA23
5F131KA55
5F131KA63
(57)【要約】
半導体処理環境に位置する基板の温度を測定する方法及び装置が開示されている。基板は、上面及びエッジ面を有し、半導体処理環境内の所定位置に配置される。基板のエッジ面の一方の側の赤外線画像を得るために、基板のエッジ面の一方の側を見るように配向された赤外線カメラがトリガされる。基板の温度プロファイルを得るために、赤外線画像が処理される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理環境に位置する基板の温度を測定する方法であって、
前記半導体処理環境内の所定位置に上面及びエッジ面を有する前記基板を配置することと、
前記基板のエッジ面の一方の側の赤外線画像を得るために、前記基板のエッジ面の前記一方の側を見るように配向された赤外線カメラをトリガすることと、
前記基板の温度プロファイルを得るために、前記赤外線画像からのデータを処理することと
を含む方法。
【請求項2】
前記赤外線カメラは、前記基板のエッジ面を前記基板の半径方向軸に沿って見るように配向される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記赤外線カメラは第1の赤外線カメラであり、前記赤外線画像は第1の赤外線画像であり、前記方法は更に、
前記基板のエッジ面の第2の側の第2の赤外線画像を得るために、前記第1の赤外線画像に含まれない前記基板のエッジ面の前記第2の側を見るように配向された第2の赤外線カメラをトリガすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記赤外線画像を処理することは、前記基板の前記温度プロファイルを得るために、前記第1の赤外線画像からのデータ及び前記第2の赤外線画像からのデータを処理することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記赤外線カメラは第1の赤外線カメラであり、前記赤外線画像は第1の赤外線画像であり、前記基板は第1の基板であり、第2の赤外線カメラは第2の基板の第2の所定位置に近接して位置し、前記方法は更に、
前記第2の基板のエッジ面の一方の側の第2の赤外線画像を得るために、前記第2の基板のエッジ面の前記一方の側を見るように配向された前記第2の赤外線カメラをトリガすることを含み、
前記赤外線画像を処理することは、前記第1の基板の第1の温度プロファイルを得るために、前記第1の赤外線画像からのデータを処理することと、前記第2の基板の第2の温度プロファイルを得るために、前記第2の赤外線画像からのデータを処理することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記赤外線カメラは第1の赤外線カメラであり、前記赤外線画像は第1の赤外線画像であり、前記所定位置は第1の所定位置であり、前記基板は第1の基板であり、前記方法は更に、
前記第1の基板の上面の第2の赤外線画像を得るために、前記第1の基板の前記第1の所定位置に近接して配置され、前記第1の基板の上面を前記第1の基板の半径方向軸に対して垂直に見るように配向された第2の赤外線カメラをトリガすることと、
半導体製造環境内の第2の所定位置に第2の基板を配置することと、
前記第2の基板のエッジ面の一方の側の第3の赤外線画像を得るために、前記第2の基板の前記第2の所定位置に近接し、前記基板のエッジ面の前記一方の側を見るように配向された第3の赤外線カメラをトリガすることと、
前記第2の基板の上面の第4の赤外線画像を得るために、前記第2の基板の前記第2の所定位置に近接して配置され、前記第2の基板の上面を前記第2の基板の半径方向軸に対して垂直に見るように配向された第4の赤外線カメラをトリガすることと
を含み、
前記赤外線画像を処理することは、前記第1の基板及び前記第2の基板の温度プロファイルを得るために、前記第1、第2、第3、及び第4の赤外線画像からのデータを処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の基板及び/又は前記第2の基板の上面において、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板の酸化温度を上回る1又は複数の位置を識別するために、前記データの第2の処理を行うことを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
反射黒体素子は、前記基板の底面の下に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記黒体素子から反射され、前記基板を通して見ることができる赤外光の量に基づいて前記基板の温度を決定するために、前記赤外線画像からのデータを処理する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記黒体素子は、黒体膜ディスク及び環状膜ホルダを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記黒体素子から反射され、前記基板を通して見ることができる前記赤外光は、前記環状膜ホルダによって遮られていない前記黒体膜ディスクの露出部分のものである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
基板の温度を測定するように構成されたファクトリインターフェースであって、
本体と、
前記本体に配置され、1又は複数のロードロックチャンバとファクトリインターフェースとの間で前記基板を移送するためのエンドエフェクタを有するファクトリインターフェースロボットであって、前記ファクトリインターフェースの所定位置に前記基板を配置するように構成された、ファクトリインターフェースロボットと、
前記ファクトリインターフェースに配置され、前記所定位置と半径方向に位置合わせされた赤外線カメラと、
コントローラであって、
前記基板の第1の赤外線画像を得るために、前記基板のエッジ面の一方の側を見るように配向された前記赤外線カメラをトリガし、
前記基板の絶対温度プロファイルのために、前記第1の赤外線画像からのデータを処理する
ように構成されたコントローラと
を備えるファクトリインターフェース。
【請求項13】
前記基板が前記ファクトリインターフェースに入ることに応答して前記赤外線カメラをトリガするように構成されたトリガとを更に備える、請求項12に記載のファクトリインターフェース。
【請求項14】
前記コントローラは、近接センサからの信号に応答して前記赤外線カメラをトリガするように構成される、請求項12に記載のファクトリインターフェース。
【請求項15】
前記ファクトリインターフェースロボットは、前記ファクトリインターフェース内の中央にある、請求項12に記載のファクトリインターフェース。
【請求項16】
前記赤外線カメラは第1の赤外線カメラであり、前記赤外線画像は第1の赤外線画像であり、前記コントローラが更に、
前記基板のエッジ面の第2の側の第2の赤外線画像を得るために、前記第1の赤外線画像に含まれない前記基板のエッジ面の前記第2の側を見るように配向された第2の赤外線カメラをトリガする
ように構成され、
前記基板の絶対温度プロファイルを得ることは、前記第1の赤外線画像からのデータを処理することと、前記第2の赤外線画像からのデータを処理することとを含む、請求項12に記載のファクトリインターフェース。
【請求項17】
基板の温度を測定するように構成されたファクトリインターフェースであって、
本体と、
前記本体に配置され、前記ファクトリインターフェースを通して前記基板を移送するためのエンドエフェクタを有し、前記ファクトリインターフェースの所定位置に前記基板を配置するように構成されたファクトリインターフェースロボットであって、
前記ファクトリインターフェースの所定位置に前記基板を配置し、
前記基板のエッジに近接して配置され、前記基板と半径方向に位置合わせされた赤外線カメラの視野に前記基板の上面を置くように前記基板を配置し、
前記基板の底面の下に反射黒体素子を配置する
ように構成され、前記黒体素子は前記基板に覆い隠される、ファクトリインターフェースロボットと、
コントローラであって、
前記赤外線カメラが前記基板を通して見ることができる前記黒体素子を含む前記基板の上面の画像を得るために、前記赤外線カメラをトリガし、
前記黒体素子から反射され、前記基板を通して見ることができる赤外光の量に基づいて前記基板の温度を決定するために、前記画像を解析する
ように構成されたコントローラと
を備えるファクトリインターフェース。
【請求項18】
前記黒体素子は、黒体膜ディスク及び環状膜ホルダを含む、請求項17に記載のファクトリインターフェース。
【請求項19】
前記黒体素子から反射され、前記基板を通して見ることができる前記赤外光は、前記環状膜ホルダによって遮られていない前記黒体膜ディスクの露出部分のものである、請求項18に記載のファクトリインターフェース。
【請求項20】
所定位置は、前記黒体素子から垂直に離間している、請求項17に記載のファクトリインターフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体デバイス製造に関し、より具体的には、1又は複数の赤外線(IR)カメラを用いて基板の温度を測定する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]超大規模集積回路(ULSI)は、シリコン(Si)基板等の半導体基板上に形成され、デバイス内で様々な機能を実行するために協働する100万個を超える電子デバイス(例えば、トランジスタ)を含み得る。処理中に、基板表面で多くの熱処理工程が実行されることがある。熱処理では、通常、プロセス制御のために正確な基板温度測定が行われる。基板温度制御が正確でないと、プロセス結果が悪くなる可能性があり、デバイスの性能に悪影響を及ぼし得る、及び/又は基板膜材料にダメージを与え得る。
【0003】
[0003]熱処理中の基板温度を測定するために、様々なタイプの温度測定ツールが使用され得る。例えば、熱電対は、基板表面の所定位置で基板に物理的に接触することによって基板温度を測定するためにしばしば用いられる。しかし、直径の大きな基板では、測定位置間の距離が大きくなるため、基板表面全体の温度変化を決定することは困難である。更に、熱電対の基板表面への熱的物理的接触の信頼性を制御することは難しく、汚染の懸念もある。
【0004】
[0004]光学的温度測定技法を使用して、処理中の基板の温度をリアルタイムで監視することができる。温度を監視する技法の1つは、加熱された基板の表面から放射される赤外線(IR)エネルギーを測定し、この測定されたエネルギーを温度の測定値に変換することである。
【0005】
[0005]走査型モノクロメータ及びロックイン増幅器が、基板から反射されるIRエネルギーを測定するのに使用されてきた。反射されたIRエネルギーは、基板の温度によってスペクトルが変化するため、この測定値から基板の温度が決定され得る。モノクロメータが反射波長範囲を正確に走査できるようにするために、モノクロメータ内で一連のフィルタを回転させる。この装置は大きく、高価で、時間もかかる。
【0006】
[0006]更に、基板を形成するために使用される材料、例えば結晶シリコンは、温度測定が所望される基板温度の範囲にわたってIR波長に対して透明であり得る。このため、反射されたIRエネルギーを測定するために光検出器が基板の上に位置する場合、基板に向けられたIRエネルギーは、検出器に向かって反射される代わりにそこを通り抜けて、測定の精度に悪影響を及ぼす。また、赤外線(IR)カメラは、基板の上部又は底部を見るように配向され、基板の温度を測定するために使用されてきた。ブランク基板は、400℃を下回る温度ではIR波長に対して透明である。あらゆる種類の基板、特にブランク基板において、400℃を下回る基板温度を測定できる非接触式測定技法は知られていない。
【0007】
[0007]したがって、基板の低温度測定のための改良された方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
[0008]一実施形態では、半導体処理環境に位置する基板の温度を測定する方法が開示される。基板は、上面及びエッジ面を有し、半導体処理環境内の所定位置に配置される。基板のエッジ面の一方の側の赤外線画像を得るために、基板のエッジ面の一方の側を見るように配向された赤外線カメラがトリガされる。基板の温度プロファイルを得るために、赤外線画像が処理される。
【0009】
[0009]一実施形態では、基板の温度を測定するように構成されたファクトリインターフェースが開示される。ファクトリインターフェースは、本体を含む。ファクトリインターフェースは、本体に配置され、1又は複数のロードロックチャンバとファクトリインターフェースとの間で基板を移送するためのエンドエフェクタを有するロボットを更に含む。ファクトリインターフェースロボットは、ファクトリインターフェースの所定位置に基板を配置するように構成される。赤外線カメラは、ファクトリインターフェースに配置され、所定位置と半径方向に位置合わせされる。ファクトリインターフェースは、基板の第1の赤外線画像を得るために、基板のエッジ面の一方の側を見る赤外線カメラをトリガするように構成されたコントローラを更に含む。基板の絶対温度プロファイルを決定するために、第1の赤外線画像からのデータが処理される。
【0010】
[0010]一実施形態では、基板の温度を測定するように構成されたファクトリインターフェースが開示される。ファクトリインターフェースは、本体を含む。ファクトリインターフェースは、本体に配置され、ファクトリインターフェースを通して基板を移送するためのエンドエフェクタを有するロボットを更に含む。ファクトリインターフェースロボットは、ファクトリインターフェースの所定位置に基板を配置するように構成される。ファクトリインターフェースロボットは更に、基板のエッジに近接して配置され、基板と半径方向に位置合わせされた赤外線カメラの視野に基板の上面を置くように基板を配置するように構成される。ファクトリインターフェースロボットは更に、基板の底面の下に反射黒体素子を配置するように構成される。黒体素子は、基板に覆い隠される。ファクトリインターフェースは、赤外線カメラが基板を通して見ることができる黒体素子を含む基板の上面の画像を得るために、赤外線カメラをトリガするように構成されたコントローラを更に含む。コントローラは更に、黒体素子から反射され、基板を通して見ることができる赤外光の量に基づいて基板の温度を決定するために、画像を解析するように構成される。
【0011】
[0011]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】基板のエッジの絶対温度プロファイルを取り込むために1台の赤外線カメラを使用するように構成された統合プラットフォームを示す図である。
【
図2】別の実施形態に係るファクトリインターフェースを示す図である。
【
図3】別の実施形態に係るファクトリインターフェースを示す図である。
【
図4】別の実施形態に係るファクトリインターフェースを示す図である。
【
図5】A及びBは、基板が傾いていることを識別するための第1の温度プロファイル及び第2の温度プロファイルの一例を示す図である。
【
図6】A及びBは、既知の熱源を使用して基板の温度を測定するように構成された
図1の統合プラットフォームのファクトリインターフェースの実施形態を示す図である。
【
図7A】本開示の一実施形態に係る、ロボットのエンドエフェクタのための黒体素子を示す図である。
【
図7B-C】ロボットのエンドエフェクタに結合された黒体素子を示す図である。
【
図8】半導体処理環境のファクトリインターフェースに位置する基板の温度を測定する方法を示すフロー図であり、
図1に対応する図である。
【
図9】半導体処理環境のファクトリインターフェースに位置する基板の温度を測定する方法を示すフロー図であり、
図2に対応する図である。
【
図10】半導体処理環境のファクトリインターフェースに位置する基板の温度を測定する方法を示すフロー図であり、
図3に対応する図である。
【
図11】半導体処理環境のファクトリインターフェースに位置する基板の温度を測定する方法を示すフロー図であり、
図4に対応する図である。
【
図12】半導体処理環境のファクトリインターフェースにおいて、基板が傾いているか否かを決定する方法を示すフロー図であり、
図5に対応する図である。
【
図13】半導体処理環境における基板の種類を決定する方法を示すフロー図であり、
図6A及び
図6Bに対応する図である。
【
図14】半導体処理環境のファクトリインターフェースに位置する基板の温度を測定する方法を示すフロー図であり、
図7A~7Cに対応する図である。
【0013】
[0027]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態に開示された要素は、それに対する具体的な詳述なしに他の実施形態に有益に用いられ得ると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0028]約400℃を下回る基板の低温度測定は、基板上面を撮像する既存の赤外線撮像技法では問題がある。400℃を下回ると、基板は透明に見える。特に半導体基板製造のアニールプロセス中に低温度測定が必要である。以下の開示では、基板のエッジを撮像する1又は複数の赤外線カメラを使用して基板の低温度を測定するための改良された技法について説明する。基板の上面ではなく、基板のエッジの温度を測定することで、赤外線カメラに対して透明でない測定されている基板のより大きな有効距離又は厚さが得られる。基板のエッジ温度を測定することは、ベア、ドープされた基板、又は回路がその上に製造された基板等のあらゆる種類の基板に有効である。アニールプロセス終了時の低温度を測定することで、基板の酸化温度を下回る温度を測定することが可能になる。
【0015】
[0029]
図1は、1又は複数の実施形態に係る、基板106のエッジの絶対温度プロファイルを取り込むために1台の赤外線カメラを使用するように構成された統合プラットフォーム100を示す図である。例えば、統合プラットフォーム100は、基板106に1又は複数の金属層、半導体層、及び/又は有機材料を堆積させて又はエッチングして、半導体デバイスを作製することができる。複数の処理チャンバを含む統合プラットフォームの例には、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から市販されているものが含まれる。代替的に、他の基板処理プラットフォームを、本開示に従って変更してもよい。
【0016】
[0030]統合プラットフォーム100は、真空気密処理プラットフォーム160、ファクトリインターフェース162、及びコントローラ150を含み得る。更に、統合プラットフォーム100は、クラスタツール又はマルチチャンバ処理システムとも呼ばれ得る。
【0017】
[0031]処理プラットフォーム160は、1又は複数のプロセスチャンバを含む。例えば、処理プラットフォーム160は、プロセスチャンバ112、114、116、118、132、134、138、136、及び140を含み得る。更に、処理プラットフォーム160は、1又は複数の移送チャンバを含む。例えば、
図1に示すように、処理プラットフォーム160は、移送チャンバ110及び130を含む。処理プラットフォーム160は、基板106を移送チャンバ110、130の間で移送できるようにする1又は複数のパススルーチャンバも含み得る。例えば、パススルーチャンバ122、124は、基板106を移送チャンバ110、130の間で移送できるようにする。
【0018】
[0032]処理プラットフォーム160は、1又は複数のロードロックチャンバも含み得る。例えば、
図1に示すように、処理プラットフォーム160は、ロードロックチャンバ102、104を含む。ロードロックチャンバ102、104は、ファクトリインターフェース162及び移送チャンバ110から基板106を移送する前に、真空下で動作するようにポンプダウンされ得る。
【0019】
[0033]ファクトリインターフェース162は、本体183と、1又は複数のファクトリインターフェースロボット185と、1又は複数の前方開口型統一ポッド(FOUPS)187A~187Dを係合するためのインターフェースとを含む。ファクトリインターフェースロボット185は、矢印182で示すように、基板106の移送を容易にするために、直線運動及び回転運動が可能である。更に、ファクトリインターフェースロボット185は、FOUPS187A~Dと、ロードロックチャンバ102、104との間で、ロボット185のエンドエフェクタ188上に静止している基板106を移送する。基板106は、ロードロックチャンバ102、104から移送され、ファクトリインターフェースロボット185によってFOUPS187A~Dのうちの1つに移送され得る。基板106がロードロックチャンバ102、104の一方又は両方から出るとすぐに、ファクトリインターフェースロボット185は、基板106を基板支持体(図示せず)に置く、又はファクトリインターフェース162内の1又は複数の所定位置(例えば、エンドエフェクタ188)に基板106を保持するように構成され得る。所定位置において、本明細書に記載の1又は複数の実施形態に従って、基板106の撮像が行われる。その後、基板106は、ファクトリインターフェースロボット185によって、基板支持体/所定位置からロードロックチャンバ102、104のうちの1又は複数、又はFOUPS187A~Dに移送される。
【0020】
[0034]移送チャンバ110は、移送ロボット111を含む。移送ロボット111は、ロードロックチャンバ102、104へ及びロードロックチャンバ102、104から、プロセスチャンバ112、114、116、118へ及びプロセスチャンバ112、114、116、及び118から、並びに、パススルーチャンバ122、124へ及びパススルーチャンバ122、124から基板106を移送する。パススルーチャンバ122及び124は、基板106が統合プラットフォーム100内の移送チャンバ110と130との間で移送されるのを可能にしながら、真空条件を維持するために用いられ得る。移送ロボット131は、パススルーチャンバ122、124とプロセスチャンバ132、134、136、138、及び140との間、及びプロセスチャンバ132、134、136、138、及び140の間で基板106を移送する。
【0021】
[0035]プロセスチャンバ112、114、116、118、132、134、138、136、及び140は、基板106を処理するのに適した任意の方法で構成される。例えば、プロセスチャンバ112、114、116、118、132、134、138、136、及び140は、光検出デバイス等の半導体デバイスを作製するために、基板106に1又は複数の金属層、1又は複数の半導体層、1又は複数の有機膜を堆積させ、1又は複数の洗浄プロセスを適用するように構成され得る。プロセスチャンバ112、114、116、118、132、134、138、136、及び140は、追加的又は代替的に、エッチング、アニーリング、硬化、ガス放出、計測、又は他の工程用に構成され得る。
【0022】
[0036]第1のプロセスチャンバの1又は複数、例えばプロセスチャンバ116、118は、別のプロセスチャンバに移送する前に、基板106から汚染物質を除去する及び/又は揮発性ガスをガス抜きするための前洗浄プロセスを実行するように構成される。プロセスチャンバ114及び112は、基板106に1又は複数の金属層を堆積させるように構成され得る。プロセスチャンバ138は、基板106に1又は複数の層の半導体材料を堆積させるように構成され得る。プロセスチャンバ116、118、132、134、138、136、及び140は、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、有機金属化学気相堆積(MOCVD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、及び物理的気相堆積(PVD)等の化学堆積プロセスを使って材料(例えば金属層又は有機膜)を堆積させるように構成され得る。
【0023】
[0037]コントローラ150は、統合プラットフォーム100の構成要素を制御するように構成される。コントローラ150は、プロセスチャンバ、移送チャンバ、パススルーチャンバ、及びファクトリインターフェースのうちの1又は複数の工程を制御するための任意の適切なコントローラであってよい。例えば、コントローラ150は、移送ロボット111及び/又は移送ロボット131、並びにオプションとしてファクトリインターフェースロボット185の動作を制御するように構成され得る。コントローラ150は、中央処理装置(CPU)152と、メモリ154と、支援回路156とを含む。CPU152は、産業環境で用いられ得る任意の汎用コンピュータプロセッサであってよい。支援回路156は、CPU152に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等を含み得る。ソフトウェアルーチンは、メモリ154内に記憶され得る。ソフトウェアルーチンは、CPU152によって実行され得る。代替的に、又は追加的に、ソフトウェアルーチンの1又は複数が、図示していない第2のCPUによって実行され得る。第2のCPUは、コントローラ150の一部であってよい、又はコントローラ150から遠隔であってよい。
【0024】
[0038]1又は複数の赤外線(IR)カメラ166、1又は複数のカメラトリガ168、及び/又はファクトリインターフェース162は、専用のコントローラ164又はコントローラ150に統合された又はコントローラ150と共に統合されたコントローラを有し得る。コントローラ164は、半導体処理環境(例えば、統合プラットフォーム100)に位置する基板106の温度の測定を制御するように構成される。一実施形態では、コントローラ164は、ファクトリインターフェースロボット185に、ロードロックチャンバ102、104のうちの1つから基板106を取り出し、ファクトリインターフェース162に位置する基板支持体190に基板106を置くように構成される。ファクトリインターフェースロボット185は、ロボット185のエンドエフェクタ188上に保持された基板106を移動させて、上面及びエッジ面を有する基板106を半導体処理環境内の1又は複数の所定位置に置くことができる(例えば、基板支持体190上に置かれる、又は基板106がロードロックチャンバ102、104のうちの1つを離れて近接しているので、基板106はロボットのエンドエフェクタ188上に直接保持される)。
【0025】
[0039]トリガ(複数可)168は、基板106のエッジ面の一方の側の赤外線画像を得るために、基板106の半径方向軸に沿って基板106のエッジ面の一方の側を見るように配向された1又は複数の赤外線カメラ(複数可)166をトリガするように構成される。1又は複数の赤外線カメラ166は、基板支持体190のエッジに近接して配置され、基板支持体190と半径方向に位置合わせされ得る。トリガ(複数可)168は、例えば、近接センサであり得るハードウェアトリガであってよい、又はソフトウェアトリガであってよい。トリガ(複数可)168は、ファクトリインターフェースロボット185によって基板106がロードロックチャンバ102、104のうちの1つから取り出されたことに応答してトリガされ得る。コントローラ164は、基板106の絶対温度プロファイル又は相対温度プロファイルを得るために、赤外線画像を処理するように構成される。基板106の(絶対)温度プロファイルを決定する場合、プロファイルは、基板の種類(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)に依存しない。赤外線カメラ166は、基板106の側面(例えばプロファイル)画像を取り込むので、基板106が約400℃以下の温度を有したとしても、処理対象となる検出可能な赤外線画像を得ることができる。
【0026】
[0040]
図2は、ロードロックチャンバ102、104が参考のために図示されている、ファクトリインターフェース262の別の実施形態を示す図である。ファクトリインターフェース262は、基板106のエッジの絶対温度プロファイルを取り込むために2つの赤外線カメラ166を使用するように構成される。ファクトリインターフェース262は、
図1の統合プラットフォーム100に用いられ得る。
【0027】
[0041]ファクトリインターフェース262は、コントローラ164(又はそれに結合されている)、赤外線カメラ166a、166b、トリガ(複数可)168、及びファクトリインターフェースロボット185を含む。ファクトリインターフェースロボット185は、基板106を保持するため、又は基板支持体190の赤外線カメラ166a、166bの視野に基板106を配置するためのエンドエフェクタ188を有する。ファクトリインターフェース162は、エンドエフェクタ188上で、又はファクトリインターフェース162の基板支持体190(クールダウンステーション等)で、1又は複数の基板106を個別に保持する。上面及びエッジ面を有する基板106は、ファクトリインターフェースロボット185によって所定位置(例えば、基板支持体190)に配置される。トリガイベントの際に、トリガ(複数可)168は、基板106のエッジ面の一方の側の第1の赤外線画像を得るために、基板106のエッジ面の一方の側を基板106の半径方向軸に沿って見るように配向された第1の赤外線カメラ166aをトリガするように構成される。トリガ(複数可)168は、基板106のエッジ面の第2の側の第2の赤外線画像を得るために、第1の赤外線画像に含まれない(又は第1の赤外線画像に部分的にのみ含まれる)基板106のエッジ面の第2の側を基板106の半径方向軸に沿って見るように配向された第2の赤外線カメラ166bをトリガするように構成される。コントローラ164は、基板106の絶対温度プロファイルを得るために、第1の赤外線画像及び第2の赤外線画像からのデータを処理するように構成される。基板106の(絶対)温度プロファイルを決定する場合、プロファイルは、基板106の種類(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)に依存しない。
【0028】
[0042]
図1では、画像取り込み中に基板106が基板支持体190に配置されているが、基板支持体190は省略され得ると考えられる。そのような例では、基板106は、画像取り込み中にエンドエフェクタ188上に残っていてよい。
【0029】
[0043]
図3は、基板106のエッジ及び上部の絶対温度プロファイルを取り込むために4つの赤外線カメラ166a、166b、170a、170dを使用するように構成されたファクトリインターフェース362の別の実施形態を示す図である。ファクトリインターフェース362は、統合プラットフォーム100で使用されてもよく、参考のためにロードロックチャンバ102、104を示す。
【0030】
[0044]ファクトリインターフェース362は、コントローラ164に結合され、赤外線カメラ166a、166b、170a、及び170b、1又は複数のトリガ168a、168b(2つを示す)、及びファクトリインターフェースロボット185を含む。ファクトリインターフェースロボット185は、基板支持体190のそれぞれの赤外線カメラ166a、170a又は166b、170bの視野に基板106を配置するためのエンドエフェクタ188を有する。ファクトリインターフェース362は、各々がそれぞれのトリガ168及び赤外線カメラ166a、166b(又は166c、166d)を有する2つの基板支持体190を含むことに留意されたい。しかしながら、ファクトリインターフェース362は、それぞれのトリガ168及びカメラ166a、170aを有する単一の基板106のみを含む場合もあると考えられる。単一の基板支持体190のみが含まれる例では、基板支持体190は、ファクトリインターフェース内の中央に位置し得る。別の実施形態では、基板106が基板支持体190に置かれる代わりに、基板106は、基板106としてロボットのエンドエフェクタ188に直接保持され得る。
【0031】
[0045]トリガ168aは、第1の基板106のエッジ面の一方の側を基板106の半径方向軸に沿って見るように配向された第1の赤外線カメラ166aをトリガするように構成される。第1の赤外線カメラ166aは、第1の基板106のエッジ面の一方の側の第1の赤外線画像を得る。トリガ168aはまた、第2の赤外線カメラ170aを(第1の赤外線カメラ166aと同時に又は順次)トリガするように構成される。カメラ170aは、第1の基板106の上面の第2の赤外線画像を得るために、第1の基板106aの上面を第1の基板106の半径方向軸に対して垂直に見るように配向される。明確にするために、図示した赤外線カメラ170aは、基板106から横方向にオフセットしている。しかしながら、画像取り込みを容易にするために、赤外線カメラ170aは、横方向のオフセットなしに、基板106の上に垂直に配置され得ることを理解されたい。
【0032】
[0046]同様に、第2の基板106は、ファクトリインターフェース362の反対側にある第2の基板支持体190に配置される。第3の赤外線カメラ166b(第1の赤外線カメラ166aと同様)及び第4の赤外線カメラ170b(第2の赤外線カメラ170aと同様)は、トリガ168bからの信号に応答して、第2の基板106bのそれぞれの上部及び側面の画像を取り込む。
【0033】
[0047]
図3では、画像取り込み中に基板106が基板支持体190に配置されているが、基板支持体190は省略され得ると考えられる。そのような例では、基板106は、画像取り込み中にエンドエフェクタ188上に残っていてよい。
【0034】
[0048]
図3に示すように、各ロードロックチャンバ102、104は、それぞれの基板支持体190、トリガセンサ168a又は168b、及びそれぞれの赤外線カメラ166a、170a又は166b、170bと関連し、これによりスループットが向上する。
【0035】
[0049]
図4は、ファクトリインターフェース462の別の実施形態を示す図である。ファクトリインターフェース462は、統合プラットフォーム100で使用され得る。
図1のロードロックチャンバ102、104を、参考のために示す。
【0036】
[0050]ファクトリインターフェース462は、ファクトリインターフェース362と同様であるが、赤外線カメラ170a、170bが省略されている。このような構成では、平面画像(例えば、トップダウン画像)の取り込みが省略され、基板106の温度決定は、側面(例えば、プロファイル)の取り込み画像のみに基づいて行われる。
【0037】
[0051]実施形態では、
図1の統合プラットフォーム100は、基板106が傾いていることを決定するために、1つの赤外線カメラ166を使用するように用いられ得る。基板は、基板106の上面が基板支持面等のシステム内の基準面に対して平行でない場合に、傾いているとみなされる。別の例では、基板106の上面への不均一な堆積(又は他の処理)により、基板106の上面は、基板106の底面に対して非平行であり得る。傾きは、プロセスチャンバ112、114、116、118、132、134、138、136、及び140のうちの1又は複数を含むがこれらに限定されない、統合プラットフォーム100の複数の場所における不均一な処理の結果として生じ得る。
【0038】
[0052]基板が傾いているか否かを決定する場合、基板は基板支持体190に置かれ得る。別の実施形態では、基板106が基板支持体190に置かれる代わりに、基板106はロードロックチャンバ102、104のうちの1つから離れて近接する際に、ロボットのエンドエフェクタ188に直接保持され続け得る。そのような例では、トリガ(複数可)168a、168bは、基板106の上面の第1の赤外線画像を得るために、それぞれの赤外線カメラ166a、166bをトリガするように構成される。コントローラ164は、第1の温度プロファイルを得るために、第1の赤外線画像を処理するように構成される。コントローラ164は、プロファイル間の1又は複数の差に基づいて基板106が傾いていることを識別するために、第1の温度プロファイルを、傾いていないことが分かっている基板のメモリ154に記憶されている温度プロファイルと比較する。実施形態では、コントローラ164が、エッジ温度の差と、既知の傾いていない基板に対する上面中央の高温の位置のシフトとを検出すると、基板106は傾いていると識別される。
【0039】
[0053]図示していないが、基板106の温度決定が、傾き決定に加えて行われ得ると考えられる。そのような例では、1又は複数の追加の赤外線カメラが、基板106のプロファイル画像を取り込むためにファクトリインターフェース462に配置され得る。
【0040】
[0054]
図5Aは、基板106が傾いていることを識別するための、基板106に関連付けられた記憶された温度プロファイル500a及び第2の温度プロファイル500bの一例を示す図である。コントローラ164は(その上のソフトウェアプログラムの実行を通じて)、傾いていないプロファイルに対応する、記憶された温度プロファイル500aにおける基板の最大温度の位置502aを識別する。傾いていない配向では、中心部は、傾いていないことが分かっている基板106の上面の他の位置よりも一般に高温である(位置502a)。コントローラ164は、傾いていないことが分かっている基板のエッジ504aにおける温度を識別する。
【0041】
[0055]第2の温度プロファイル500bを生成するために基板106の画像がファクトリインターフェースで取り込まれると、コントローラ164は、第2の温度プロファイル500bにおける基板106のホットスポット502b及びエッジ504bの位置を識別する。次に、第1の温度プロファイル500aが、第2の温度プロファイル500bと比較される。第1の温度プロファイル500aと第2の温度プロファイル500bとの間の差(又はその欠如)は、ファクトリインターフェースの基板が傾いているか否かを示す。コントローラ164は、閾値を超えるエッジ温度(504a、504b間)の差、及び/又は最大温度の位置(502a)から中心を外れた位置へのシフトを検出することによって、基板106が傾いていると決定する。
【0042】
[0056]
図6A~6Bは、
図1の統合プラットフォーム100で使用するためのファクトリインターフェース662の一実施形態を示す図である。ファクトリインターフェース662は、加熱要素630を使用しながら基板106の温度を測定するように構成される。ファクトリインターフェース662は、ファクトリインターフェース162と同様であり、ファクトリインターフェース162の代わりに使用することができる。ファクトリインターフェース662はまた、明確にするために
図6A~6Bに示されていない場合があるファクトリインターフェース162の1又は複数のハードウェア構成要素も含み得る。
【0043】
[0057]ファクトリインターフェース662において、基板106は、加熱要素606に近接して、及び/又は加熱要素606にまたがって配置される。基板106は、赤外線カメラ170aと加熱要素630との間に配置される。予熱要素630の第1の部分604aは、赤外線カメラ170aの視野に直接入り(基板106に重なっていない)、予熱要素630の第2の部分604bは、基板106に重なっている。トリガ168は、赤外線カメラ170aが直接見ることができる第1の部分604a及び赤外線カメラ170aが基板106を通して見ることができる第2の部分604bを含む基板106の上面の画像を得るために、赤外線カメラ170aをトリガするように構成される。コントローラ164は、第1の部分604aの第1の温度と第2の部分604bの第2の温度との間の差を決定するために、赤外線画像を処理するように構成される。コントローラ164は更に、その差に基づいて基板106の種類を識別するように構成される。(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)。
【0044】
[0058]
図7Aは、本開示の一実施形態に係る、ロボットのエンドエフェクタ用の黒体素子を示す図である。
図7B及び
図7Cは、ロボットのエンドエフェクタに結合された黒体素子を示す図である。
【0045】
[0059]
図7Aは、反射黒体素子742の部品の一実施形態を示す図である。黒体素子742は、黒体膜ディスク746と、軸方向に整列して共に結合された環状膜ホルダ744とを含む。環状膜ホルダ744は、軸方向に貫通するように形成された中央開口部を含み、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製である。しかしながら、他の材料も考えられる。
【0046】
[0060]
図7B及び
図7Cは、ロボットのエンドエフェクタ788に結合された黒体素子742を示す図である。
図7Bでは、黒体素子742は、ロボットのエンドエフェクタ788(例えば、ファクトリインターフェースロボット185)の上面の対向する傾斜面770間の中央に配置される。
図7Cでは、黒体素子742は、ロボットのエンドエフェクタ788の上面の対向する傾斜面770間でオフセットされている。対向する傾斜面770は、基板106がその上に配置されたときに、基板106が黒体素子742から間隔を置いて配置されるように、ロボットのエンドエフェクタ788の後のエッジで高くなっている。そのような例では、基板106は、基板106が黒体素子742と赤外線カメラ170aとの間にあるように、黒体素子742の上に垂直に配置される。
【0047】
[0061]工程中、コントローラ164(
図1に示す)は、赤外線カメラ170aが基板106を通して見ることができる黒体素子742を含む基板106の上面の画像を得るために、赤外線カメラ170aをトリガする。コントローラ164は更に、黒体素子702から放射され、基板106を通して見ることができる赤外光の量に基づいて基板106の温度を決定するために、画像を解析するように構成される。温度と放射された放射線との間のこのような相関関係は、実験的に決定され得る。コントローラ164は、コントローラ164のメモリ154に記憶されたルックアップテーブルを参照して、基板106の温度を決定し得る。
【0048】
[0062]
図8は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境のファクトリインターフェース162に位置する基板106の温度を測定する方法800を示すフロー図であり、
図1に対応する図である。工程802において、半導体処理環境内の所定位置に、上面及びエッジ面を有する基板106が配置される。工程804において、基板106のエッジ面の一方の側の赤外線画像を得るために、基板のエッジ面の一方の側を見るように構成された配向を有する赤外線カメラ166がトリガされる。一例では、赤外線カメラ166は、基板106と同一平面上にある。工程806において、基板106の温度プロファイルを得るために、赤外線画像からのデータが処理される。実施形態では、温度プロファイルは、絶対温度プロファイルである。基板106の絶対温度プロファイルは、基板106の種類(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)に依存しない。
【0049】
[0063]実施形態では、赤外線カメラ166は、基板106のエッジ面を基板106の半径方向軸に沿って見るように配向される。画像の取り込まれた赤外線強度と基板の温度との間の相関関係は、コントローラ164のメモリ154に記憶され、絶対温度プロファイルを得るためにアクセスされ得る。相関関係は実験的に決定され得、使用のためにメモリに記憶され得る。
【0050】
[0064]
図9は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境のファクトリインターフェース262に位置する基板106の温度を測定する方法900を示すフロー図であり、
図2に対応する図である。工程902において、半導体処理環境内の所定位置に、上面及びエッジ面を有する基板106が配置される。工程904において、基板106のエッジ面の一方の側の第1の赤外線画像を得るために、基板106のエッジ面の一方の側を見るように構成された配向を有する第1の赤外線カメラ166aがトリガされる。工程906において、基板106のエッジ面の第2の側の第2の赤外線画像を得るために、第1の赤外線画像に含まれない(又は部分的にのみ含まれる)基板106のエッジ面の第2の側を見るように配向された第2の赤外線カメラ166bがトリガされる。工程908において、基板106の温度プロファイルを得るために、第1の赤外線画像からのデータ及び第2の赤外線画像からのデータが処理される。実施形態では、温度プロファイルは、絶対温度プロファイルである。基板106の絶対温度プロファイルは、基板106の種類(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)に依存しない。
【0051】
[0065]
図10は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境のファクトリインターフェース362に位置する基板106の温度を測定する方法1000を示すフロー図であり、
図3に対応する図である。工程1002において、半導体処理環境内の第1の所定位置に、上面及びエッジ面を有する第1の基板106aが配置される。工程1004において、第1の基板106のエッジ面の一方の側の第1の赤外線画像を得るために、第1の基板106のエッジ面の一方の側を見るように構成された配向を有する第1の赤外線カメラ166がトリガされる。工程1006において、第1の基板106の上面の第2の赤外線画像を得るために、第1の基板106の第1の所定位置に近接して配置され、第1の基板106の上面を第1の基板106の半径方向軸に対して垂直に見るように構成された配向を有する第2の赤外線カメラ170aがトリガされる。工程1008において、半導体処理環境内の第2の所定位置に、第2の基板106が配置される。工程1010において、第2の基板106のエッジ面の第2の側の第3の赤外線画像を得るために、第2の基板106bの第2の所定位置に近接し、第2の基板106のエッジ面の第2の側を見るように構成された配向を有する第3の赤外線カメラ166bがトリガされる。工程1012において、第2の基板106の上面の第4の赤外線画像を得るために、第2の基板106の第2の所定位置に近接して配置され、第2の基板106bの上面を第2の基板106の半径方向軸に対して垂直に見るように構成された配向を有する第4の赤外線カメラ170bがトリガされる。工程1014において、第1の基板106の温度プロファイル及び第2の基板106の温度プロファイルを得るために、第1、第2、第3、及び第4の赤外線画像からのデータが処理される。実施形態では、温度プロファイルは絶対温度プロファイルである。基板106の絶対温度プロファイルは、基板106の種類(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)に依存しない。得られた絶対温度プロファイルを更に処理して、基板106の酸化温度を上回る基板106の上面の1又は複数の位置を識別することができる。
【0052】
[0066]
図11は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境のファクトリインターフェース462に位置する基板106の温度を測定する方法1100を示すフロー図であり、
図4に対応する図である。工程1102において、半導体処理環境内の第1の所定位置に、上面及びエッジ面を有する第1の基板106が配置される。工程1104において、第1の基板106のエッジ面の一方の側の第1の赤外線画像を得るために、第1の基板106のエッジ面の一方の側を見るように構成された配向を有する第1の赤外線カメラ166aがトリガされる。工程1006において、半導体処理環境内の第2の所定位置に、第2の基板106が配置される。工程1108において、第2の基板106bのエッジ面の第2の側の第2の赤外線画像を得るために、第2の基板106の第2の所定位置に近接し、第2の基板106のエッジ面の第2の側を見る配向を有する第2の赤外線カメラ166bがトリガされる。工程1110において、第1の基板106の相対温度プロファイル及び第2の基板106の相対温度プロファイルを得るために、第1及び第2の赤外線画像からのデータが処理される。相対温度プロファイルは、基板106の種類(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)に依存しない。
【0053】
[0067]
図12は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境のファクトリインターフェースにおいて基板が傾いているか否かを決定する方法1200を示すフロー図であり、
図5に対応する図である。工程1202において、半導体処理環境内の所定位置に、上面及びエッジ面を有する基板106bが配置される。工程1204において、基板106bの上面及びエッジ面の一方の側の第1の赤外線画像を得るために、基板106bの上面及びエッジ面の一方の側を見るように構成された配向を有する赤外線カメラ166がトリガされる。工程1206において、第1の赤外線画像は、基板106bの第1の温度プロファイルを得るためのものである。工程1208において、プロファイル間の1又は複数の差に基づいて第1の基板106aが傾いていることを識別するために、第1の温度プロファイルと、傾いていないことが分かっており且つメモリ154に記憶されている基板106aの第2の温度プロファイルとが比較される。一実施形態では、第1の基板106aが傾いていることを識別するために、コントローラ164が、エッジ温度の変化と、温度プロファイル間の基板106aの上面の中心における高温の位置の、基板106bの上面の第2の位置へのシフトを検出する。
【0054】
[0068]
図13は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境における基板の種類を決定する方法1300を示すフロー図であり、
図6A及び
図6Bに対応する図である。工程1302において、赤外線カメラ170aの視野に基板106の上面を置くように、基板106が配置される。工程1304において、基板106のエッジにまたがって、既知の温度の加熱要素630が配置される。基板106は、赤外線カメラ170aと加熱要素630との間に配置される。加熱要素630の第1の部分604aは赤外線カメラ170aの視野に直接入り、加熱要素630の第2の部分604bは基板106に覆い隠される。工程1306において、赤外線カメラ170aが直接見ることができる第1の部分604a及び基板106を通して赤外線カメラ170aが見ることができる第2の部分604bを含む基板106の上面の画像を得るために、赤外線カメラ170aがトリガされる。工程1308において、第1の部分604aの第1の温度と、第2の部分604bの第2の温度との間の差を決定するために、赤外線画像が処理される。工程1310において、この差に基づいて、基板106の種類が決定される。(例えば、ベア基板、ドープされた基板、その上に製造された半導体デバイスを有する基板等)。
【0055】
[0069]
図14は、1又は複数の実施形態に係る、半導体処理環境の統合プラットフォーム100に位置する基板106の温度を測定する方法1400を示すフロー図であり、
図7A~7Cに対応する図である。工程1402において、赤外線カメラ166の視野に基板106の上面を置くように、基板106が配置される。工程1404において、基板106の底面の下に反射黒体素子702が配置され、黒体素子702は、基板106に覆い隠される。工程1406において、基板106を通して赤外線カメラ166が見ることができる黒体素子702を含む基板106の上面の画像を得るために、赤外線カメラ166がトリガされる。ブロック1408において、黒体素子702から放射され、基板106を通して見ることができる赤外光の量に基づいて基板106の温度を決定するために、赤外線画像が処理される。
【0056】
[0070]本開示の実施形態は更に、以下の項のうちのいずれか1又は複数の項に関する。
【0057】
[0071]1.半導体処理環境に位置する基板の種類を識別する方法であって、赤外線カメラの視野に基板の上面を置くように基板を配置することと、基板のエッジの隣に既知の温度に予熱された要素を配置することであって、基板は赤外線カメラと予熱要素との間に位置し、予熱要素の第1の部分は赤外線カメラの視野に直接入り、予熱要素の第2の部分は基板に覆い隠される、基板のエッジの隣に既知の温度に予熱された要素を配置することと、赤外線カメラが直接見ることができる第1の部分と、赤外線カメラが基板を通して見ることができる第2の部分とを含む基板の上面の赤外線画像を得るために、赤外線カメラをトリガすることと、第1の部分の第1の温度と第2の部分の第2の温度との間の差を決定するために、赤外線画像からのデータを処理することと、この差に基づいて基板の種類を識別することとを含む。
【0058】
[0072]2.基板が傾いているか否かを決定する方法であって、赤外線カメラの視野に第1の基板の上面を配置することと、第1の基板の上面の第1の赤外線画像を得るために、赤外線カメラをトリガすることと、第1の温度プロファイルを得るために、第1の赤外線画像からのデータを処理することと、プロファイル間の1又は複数の差に基づいて第1の基板が傾いていることを識別するために、第1の温度プロファイルを、傾いていないことが分かっている第2の基板の記憶された温度プロファイルと比較することとを含む。
【0059】
[0073]3.基板が傾いているか否かを決定する方法であって、赤外線カメラの視野に第1の基板の上面を配置することと、第1の基板の上面の第1の赤外線画像を得るために、赤外線カメラをトリガすることと、第1の温度プロファイルを得るために、第1の赤外線画像からのデータを処理することと、プロファイル間の1又は複数の差に基づいて第1の基板が傾いていることを識別するために、第1の温度プロファイルを、傾いていないことがわかっている第2の基板の記憶された温度プロファイルと比較することとを含み、第1の基板が傾いていることを識別することは、第1の基板と第2の基板との間のエッジ温度の第1の閾値を上回る変化を検出することと、第2の基板の上面の中心における高温の位置の、第2の基板の上面の第2の位置への第2の閾値を上回るシフトを検出することとを含む。
【0060】
[0074]本明細書では、実施形態を説明したが、本開示の利益を有する当業者は、本願の発明範囲から逸脱しない他の実施形態が想定されることを理解するものと思われる。したがって、本請求項又は後続の関連するいかなる請求項の範囲も、本明細書に記載の実施形態の説明によって不当に限定されるべきではない。
【国際調査報告】