IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】出力光ビーム形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20220824BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
G03F7/20 502
H01S3/10 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568771
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 US2020034057
(87)【国際公開番号】W WO2020256885
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/863,980
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/916,462
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユダ
(72)【発明者】
【氏名】ロキツキー,ロスティスラフ
【テーマコード(参考)】
2H197
5F172
【Fターム(参考)】
2H197BA02
2H197BA07
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA12
2H197CA17
5F172AD02
5F172AD07
5F172EE22
5F172NN28
5F172NN29
5F172NR13
5F172ZZ02
(57)【要約】
装置は、ビーム経路上のビームスプリッタであって深紫外線(DUV)光源から光を受け取るように構成されたビームスプリッタと、ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を含む。ビームスプリッタは、DUV光源から受け取った光の一部を第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために光の一部の発散を回転させるように構成され、ビームスプリッタは、回転された光とDUV光源から受け取った光の一部を、出力ビーム経路上に誘導するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム経路上のビームスプリッタであって深紫外線(DUV)光源から光を受け取るように構成されたビームスプリッタと、
前記ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を備え、
前記ビームスプリッタは、前記DUV光源から受け取った前記光の一部を前記第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、
前記第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために前記光の一部の発散を回転させるように構成され、
前記ビームスプリッタは、前記回転された光と前記DUV光源から受け取った前記光の一部を、出力ビーム経路上に誘導するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記ビーム経路上に偏光要素を更に備え、
前記偏光要素は、前記出力ビーム経路上で、前記回転された光が前記DUV光源から受け取った光と同じ偏光状態を有するように、前記回転された光の偏光状態を変更するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の複数の光学要素と前記偏光要素との間の前記ビーム経路上に、第2の複数の反射光学要素を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の複数の反射光学要素は、4つのミラーを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数の反射光学要素は、前記光の前記一部の前記発散を90度回転させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記DUV光源から受け取った前記光は、初期の垂直発散値を有する垂直発散と、初期の水平発散値を有する水平発散と、を有し、
前記出力ビーム経路上で、前記回転された光は、前記初期の垂直発散値に等しい水平発散と、前記初期の水平発散値に等しい垂直発散と、を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記回転された光と前記DUV光源からの光の別の部分は、前記出力ビーム経路上を伝搬する出力ビームを形成するために、前記ビームスプリッタにおいて組み合わせられ、
前記出力ビームは、前記回転された光の前記垂直発散及び前記DUV光源からの光の前記他の部分の前記垂直発散に基づく垂直発散値と、前記回転された光の前記水平発散及び前記DUV光源からの前記光の前記他の部分の前記垂直発散に基づく水平発散値と、を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記出力ビームの前記水平発散値は、前記初期の水平発散値よりも大きく、
前記出力ビームの前記垂直発散値は、前記初期の垂直発散値よりも小さい、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記DUV光源からの前記光は、少なくとも第1の光のパルスを備え、
前記回転された光は、前記第1の光のパルスの第1の部分の反射から形成される回転された光のパルスを備え、
前記DUV光源からの前記光の他の部分は、前記第1の光のパルスの伝送された第2の部分を備え、
前記出力ビームは、前記回転された光のパルス及び前記他の部分の反射に基づく、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の複数の反射光学要素は、2つ以上のミラーを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記偏光要素は、半波長板又は位相減速ミラーを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記ビーム経路は、前記ビームスプリッタ、前記第1の複数の反射光学要素、前記第2の複数の反射光学要素、及び偏光要素によって定義される閉経路である、請求項2に記載の装置。
【請求項13】
深紫外線(DUV)光源であって、
ガス利得媒質を保持するように及びDUV光ビームを生成するように構成された、少なくとも1つの放電チャンバを備える光発生装置と、
出力ビーム形成装置と、を備え、
前記出力ビーム形成装置は、
ビーム経路上のビームスプリッタであって前記DUV光ビームを受け取るように構成されたビームスプリッタと、
前記ビーム経路上の偏光要素と、
前記ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を備え、
前記ビームスプリッタは、前記DUV光ビームの一部を前記第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、
前記第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために前記光の一部の発散を回転させるように構成され、
前記波長板は、前記出力ビーム経路上で、前記回転された光が前記DUV光ビームと同じ偏光状態を有するように、前記回転された光の偏光状態を変更するように構成され、
前記ビームスプリッタは、前記回転された光及び前記DUV光ビームの一部に基づいて出力ビームを形成するように構成される、深紫外線(DUV)光源。
【請求項14】
前記光発生装置は、
第1のガス利得媒質を保持するように及びDUVシード光ビームを生成するように構成された第1の放電チャンバと、
第2のガス利得媒質を保持するように及びシード光ビームを増幅して増幅されたDUV光ビームを形成するように構成された第2の放電チャンバと、
を備える、請求項13に記載のDUV光源。
【請求項15】
前記出力ビーム形成装置は、前記第1の放電チャンバと前記第2の放電チャンバとの間に位置決めされるように構成され、
前記DUV光は、DUVシード光ビームを備える、請求項14に記載のDUV光源。
【請求項16】
前記出力ビームを受け取るように構成されたビーム伸張装置を更に備える、請求項13に記載のDUV光源。
【請求項17】
前記出力ビーム形成装置は、前記光発生装置と前記ビーム伸張装置との間にある、請求項16に記載のDUV光源。
【請求項18】
前記偏光要素は、第2の複数の反射光学要素と前記ビームスプリッタとの間にある、請求項13に記載のDUV光源。
【請求項19】
深紫外線(DUV)光源のための方法であって、
DUV光ビームの一部を受け取ることであって、前記DUV光ビームの前記一部は、偏光状態、初期垂直発散値の垂直発散及び初期水平発散値の水平発散を有することと、
回転された光ビームを形成するために前記DUV光ビームの前記一部を回転することであって、前記回転された光ビームは、前記初期水平発散値の垂直発散及び前記初期垂直発散値の水平発散を有することと、
光学遅延を介して前記回転された光ビームを渡すことと、
前記回転された光ビーム及び前記DUV光ビームの別の部分に基づいて、出力ビーム経路上を伝搬する出力光ビームを形成することと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記回転された光ビーム及び前記DUV光ビームの別の部分を組み合わせる前に、前記回転された光ビームを、前記回転された光ビーム及び前記DUV光ビームの前記他の部分が前記出力ビーム経路上で前記同じ偏光状態を有するように、偏光要素を介して渡すことを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記DUV光ビームは、パルスDUV光ビームを備え、
前記回転された光ビームは、前記パルスDUV光ビーム内の前記パルスのうちの第1のパルスの反射を備え、
前記DUV光ビームの前記他の部分は、前記パルスのうちの前記第1のパルスの一部を備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2019年6月20日出願の「OUTPUT LIGHT BEAM FORMATION APPARATUS」という名称の米国出願第62/863,980号、及び、2019年10月17日出願の「OUTPUT LIGHT BEAM FORMATION APPARATUS」という名称の米国出願第62/916,462号の優先権を主張し、それら両方の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、出力光ビーム形成装置に関する。出力光ビーム形成装置は、例えば深紫外線(DUV)源と共に使用され得る。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィは、半導体回路要素がシリコンウェーハなどの基板上にパターン付与される際に用いるプロセスである。フォトリソグラフィ光源は、ウェーハ上にフォトレジストを露光するために使用される深紫外線(DUV)光を提供する。フォトリソグラフィで使用される1つのタイプのガス放電光源は、エキシマ光源又はレーザとして知られる。エキシマ光源は、典型的には、アルゴン、クリプトン、又はキセノンなどの1つ以上の希ガスと、フッ素又は塩素などの反応種との組み合わせである、ガス混合物を使用する。エキシマ光源という名前は、電気刺激(供給されるエネルギー)及び(ガス混合物の)高圧の適切な条件の下で、励起された状態にのみ存在し、紫外線領域内に増幅光を生じさせる、エキシマと呼ばれる疑似分子が生み出される、という事実に由来する。エキシマ光源は、深紫外線(DUV)領域内の波長を有する光ビームを生成し、この光ビームは、フォトリソグラフィ装置内の半導体基板(又はウェーハ)にパターン付与するために使用される。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバを使用して、又は複数のガス放電チャンバを使用して、構築可能である。ガス放電チャンバ内のガス混合物は、ガス放電チャンバから使い尽くされる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一般的な一態様において、装置は、ビーム経路上のビームスプリッタであって、深紫外線(DUV)光源から光を受け取るように構成された、ビームスプリッタと、ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を含む。ビームスプリッタは、DUV光源から受け取った光の一部を第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために光の一部の発散を回転させるように構成され、ビームスプリッタは、回転された光とDUV光源から受け取った光の一部を、出力ビーム経路上に誘導するように構成される。
【0005】
[0005] 実施例は、下記の特徴の1つ以上を含むことができる。装置は、ビーム経路上に偏光要素を含むこともできる。偏光要素は、出力ビーム経路上で、回転された光がDUV光源から受け取った光と同じ偏光状態を有するように、回転された光の偏光状態を変更するように構成され得る。装置は、第1の複数の光学要素と偏光要素との間のビーム経路上に、第2の複数の反射光学要素を含むこともできる。第1の複数の反射光学要素は、4つのミラーを含むことができる。第1の複数の反射光学要素は、光の一部の発散を90度回転させるように構成され得る。
【0006】
[0006] DUV光源から受け取った光は、初期の垂直発散値を有する垂直発散と、初期の水平発散値を有する水平発散と、を有することができ、また、出力ビーム経路上で、回転された光は、初期の垂直発散値に等しい水平発散と、初期の水平発散値に等しい垂直発散と、を有することができる。回転された光とDUV光源からの光の別の部分は、出力ビーム経路上を伝搬する出力ビームを形成するために、ビームスプリッタにおいて組み合わせることができ、出力ビームは、回転された光の垂直発散及びDUV光源からの光の他の部分の垂直発散に基づく垂直発散値と、回転された光の水平発散及びDUV光源からの光の他の部分の垂直発散に基づく水平発散値と、を有することができる。出力ビームの水平発散値は初期の水平発散値よりも大きくてよく、また出力ビームの垂直発散値は初期の垂直発散値よりも小さくてよい。DUV光源からの光は、少なくとも第1の光のパルスを含み得、回転された光は、第1の光のパルスの第1の部分の反射から形成される回転された光のパルスを備え、DUV光源からの光の他の部分は、第1の光のパルスの伝送された第2の部分を備え、出力ビームは、回転された光のパルス及び他の部分の反射に基づいてよい。
【0007】
[0007] 第2の複数の反射光学要素は、2つ以上のミラーを含むことができる。偏光要素は、半波長板又は位相減速ミラーを含むことができる。ビーム経路は、ビームスプリッタ、第1の複数の反射光学要素、第2の複数の反射光学要素、及び偏光要素によって定義される閉経路であってよい。
【0008】
[0008] 別の態様において、深紫外線(DUV)光源は、ガス利得媒質を保持するように及びDUV光ビームを生成するように構成された、少なくとも1つの放電チャンバを備える光発生装置と、ビーム経路上のビームスプリッタであってDUV光ビームを受け取るように構成されたビームスプリッタ、ビーム経路上の偏光要素、及び、ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素を含む出力ビーム形成装置と、を含む。ビームスプリッタは、DUV光ビームの一部を第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために光の一部の発散を回転させるように構成され、波長板は、出力ビーム経路上で、回転された光がDUV光ビームと同じ偏光状態を有するように、回転された光の偏光状態を変更するように構成され、ビームスプリッタは、回転された光及びDUV光ビームの一部に基づいて出力ビームを形成するように構成される。
【0009】
[0009] 実施例は、下記の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。光発生装置は、第1のガス利得媒質を保持するように及びDUVシード光ビームを生成するように構成された第1の放電チャンバと、第2のガス利得媒質を保持するように及びシード光ビームを増幅して増幅されたDUV光ビームを形成するように構成された第2の放電チャンバと、を含むことができる。出力ビーム形成装置は、第1の放電チャンバと第2の放電チャンバとの間に位置決めされるように構成され得、DUV光は、DUVシード光ビームであってよい。
【0010】
[0010] DUV光源は、出力ビームを受け取るように構成されたビーム伸張装置を含むこともできる。出力ビーム形成装置は、光発生装置とビーム伸張装置との間にあってよい。
【0011】
[0011] 偏光要素は、第2の複数の反射光学要素とビームスプリッタとの間にあってよい。
【0012】
[0012] 別の態様において、深紫外線(DUV)光源のための方法は、DUV光ビームの一部を受け取ることであって、DUV光ビームの一部は、偏光状態、初期垂直発散値の垂直発散、及び初期水平発散値の水平発散を有することと、回転された光ビームを形成するためにDUV光ビームの一部を回転することであって、回転された光ビームは、初期水平発散値の垂直発散及び初期垂直発散値の水平発散を有することと、光学遅延を介して回転された光ビームを渡すことと、回転された光ビーム及びDUV光ビームの別の部分に基づいて出力ビーム経路上を伝搬する出力光ビームを形成することと、を含む。
【0013】
[0013] 実施例は、下記の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施例において、回転された光ビーム及びDUV光ビームの別の部分を組み合わせる前に、回転された光ビームは、回転された光ビーム及びDUV光ビームの他の部分が出力ビーム経路上で同じ偏光状態を有するように、偏光要素を介して渡される。
【0014】
[0014] DUV光ビームは、パルスDUV光ビームを含むことができ、回転された光ビームは、パルスDUV光ビーム内のパルスのうちの第1のパルスの反射を含み、DUV光ビームの他の部分は、パルスのうちの第1のパルスの一部を含むことができる。
【0015】
[0015] 上記及び本明細書で説明する技法のいずれの実施例も、プロセス、装置、システム、及び/又は方法を含むことができる。1つ以上の実施例の詳細は、下記の添付の図面及び説明に記載されている。他の特徴は、説明及び図面から及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】[0016] 出力形成装置を含むシステムを示すブロック図である。
図1B】[0017] 入力光ビームの様々な図を示す。
図1C】[0017] 入力光ビームの様々な図を示す。
図1D】[0017] 入力光ビームの様々な図を示す。
図2】[0018] 出力ビーム形成装置を示すブロック図である。
図3A】[0019] 別の出力ビーム形成装置を示すブロック図である。
図3B】[0020] 光学要素を示すブロック図である。
図4A】[0021] フォトリソグラフィシステムを示すブロック図である。
図4B】[0022] 図4Aのフォトリソグラフィシステムで使用され得る投影光学システムを示すブロック図である。
図5】[0023]別のフォトリソグラフィシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0024] 図1Aを参照すると、システム100のブロック図が示されている。システム100は、入力光ビーム102を生成する光源101、出力光ビーム111を生成する出力ビーム形成装置110、及び出力光ビーム111を受け取る光学アセンブリ190を含む。入力光ビーム102は入力経路105上を伝搬する。出力ビームは出力経路112上を伝搬する。出力ビーム形成装置110は、入力光ビーム102の発散を変調することによって、入力光ビーム102の空間コヒーレンスを減少させる。発散を変調することは、最少、最小限、又は最小の発散が延在するときに沿う軸、及び/又は、入力光ビーム102を曲げる、折り畳む、及び/又は方向転換することによって最大、最高、又は最大限の発散が延在するときに沿う軸、を回転するか又は他の方法で変化させることを意味する。いくつかの実施例において、出力ビーム形成装置110は、出力光ビーム111が入力光ビーム102と同じ偏光状態を有するように、入力光ビーム102の偏光状態の維持も行う。
【0018】
[0025] 光学アセンブリ190は、電子フィーチャを形成するために出力光ビーム111でウェーハを露光する深紫外線(DUV)スキャナ装置(図4Aに示されるリソグラフィ露光装置469)であるか、又は、光学アセンブリ190は、出力光ビーム111がDUVスキャナ装置に達する前に出力光ビーム111を誘導及び/又は修正する中間光学要素である。例えば、光学アセンブリ190は、光学発振器(図5に示される放電チャンバ565_2など)、ミラー、レンズ、又は出力ビーム形成装置110とDUVスキャナ装置との間のパルスストレッチャであってよい。入力光ビーム102及び出力光ビーム111は、空間及び/又は時間コヒーレンスを示し得る電磁場である。電磁場の位相が波面に沿った異なるロケーションで同じである場合、電磁場は空間コヒーレンスを有する。単一のロケーションにおける電磁場の位相が異なる時点で周期的に同じである場合、ビーム102は空間コヒーレンスを有する。光ビームが空間及び/又は時間コヒーレンスを有するとき、ビーム内の波面は互いにランダムに干渉してスペックルを生成する可能性がある。スペックルは光ビーム内に空間及び/又は時間ノイズを生じさせ、またスペックルは、光ビームを受け取る装置(この例では光学アセンブリ190)においてX-Y面内に不均一な強度プロファイルを有するスペックルパターンを生じさせる可能性がある。スペックルの存在は、光学アセンブリ190においてX-Y面内に不均一な強度を有する光を生じさせる可能性がある。この不均一性は、結果としてウェーハの不均等な露光を生じさせる可能性がある。例えばスペックルは、マイクロ電子フィーチャの形成を定義するフォトレジストの露光領域のサイズにばらつきを生じさせ、フィーチャを不適切に形成し、欠陥を生じさせる可能性がある。したがって、いくつかの適用例の場合、空間コヒーレンスを減少させることが望ましい。
【0019】
[0026] 下記でより詳細に考察するように、出力ビーム形成装置110は、入力光ビーム102の発散を変調することによって、入力光ビーム102の空間コヒーレンスを減少させる。発散(又はビーム発散)は、ビームウエストから、或いはビームを放出するアパーチャ又はソースからの距離の関数としての、ビーム直径の増加の角度測度である。入力光ビーム102は、Z方向に伝搬する。入力光ビーム102の発散は、伝搬の方向Zに対して直角な平面であるX-Y面内の2本の直交軸に沿って異なる。図1Bから図1Dは、入力光ビーム102の例の様々な図を示す。2つの直交面内の入力光ビーム102の発散は、図1B及び図1Cに示される。図1Bは、X-Z面内の入力光ビーム102の断面図である。図1Cは、Y-Z面内の入力光ビーム102の断面図である。X-Z面内の入力光ビーム102の発散は垂直発散とも呼ばれ、また図1BではDvと標示される。Y-Z面内の入力光ビーム102の発散は水平発散とも呼ばれ、また図1CではDhと標示される。図1Dは、X-Y面内の入力光ビーム102を示す。入力光ビーム102の空間コヒーレンスは、入力光ビーム102の発散を増加させることによって減少させることができる。例えば、Y軸に沿った入力光ビーム102の発散を増加させることで、水平空間コヒーレンス(Y軸に沿った空間コヒーレンス)を減少させる。
【0020】
[0027] 図1Bから図1Dの例では、入力光ビーム102の垂直発散(Dv)は水平発散(Dh)よりも大きく、入力光ビーム102はX-Y面内に楕円の形状又はプロファイルを有する。入力光ビーム102はX-Y面内に他のプロファイルを有してよい。例えば入力光ビーム102は、X-Y面内に矩形形状を有してよい。
【0021】
[0028] 出力ビーム形成装置110は、入力光ビーム102を回転させることによって、最小限及び最大限の発散が延在するときに沿う軸が変調されるように、入力光ビーム102の発散を変調する。例えば、出力ビーム形成装置110は、入力光ビーム102の複数の連続反射部分の各々の最小限及び最大限の発散の軸を90°回転させることによって、入力光ビーム102の発散を変調することができる。
【0022】
[0029] 光ビームは、伝搬の方向に対して直角な面内のすべての方向に発散を有する。入力光ビーム102の発散は、1本の軸に沿って最大又は最大限の範囲を有し、別の軸に沿って最小又は最少の範囲を有する。図1Dを参照すると、X-Y面内の入力光ビーム102の発散の最大限の範囲又は最大限の発散は、X軸に沿っている。入力光ビーム102の最小限、最少、又は最小の発散は、Y軸に沿っている。出力ビーム形成装置110は、伝搬に対して垂直な平面内で最小限及び最大限の発散の軸を回転させることによって、入力光ビーム102の発散を回転させる。例えば、出力ビーム形成装置102が入力光ビーム102の発散を90°回転させるように構成された実施例では、出力ビーム形成装置110は、光ビーム102の発散が90°回転されるように、入力光ビーム102の方向を折り畳んで変化させる。この例では、出力光ビーム111はX-Y面内に楕円形状を有するが、Y軸に沿って最大限発散及びX軸に沿って最小限発散を有する(したがって、入力ビームの発散に比べて90°回転される)。このようにして、光学アセンブリ190における出力光ビーム111の発散は、入力ビーム102内の発散に比べて変調される。発散を変調することによって、空間コヒーレンスは少なくとも1方向で減少される。
【0023】
[0030] 入力光ビーム102は、任意の偏光状態を有し得るか、又は偏光されない場合がある。偏光は、光ビームの電場の発振方向を記述するパラメータである。偏光のタイプ及び偏光の方向が、偏光状態を定義する。偏光のタイプは、線形、円形、楕円形、又はランダムであり得るか、又は光ビームは偏光されない場合がある。線形に偏光される光ビームは、経時的に一定の単一平面内で発振する電場を有し、偏光状態は発振の面を示す。線形偏光の場合、発振は単一面に限定される。円形偏光は、異なる直交状態を有し得る。例えば、円形偏光は右回り偏光であり得、電場は(光を受け取る地点から見て)時計回りに回転するか、又は左回り偏光であり得、電場は(光を受け取る地点から見て)反時計回りに回転する。下記で考察する例では、入力光ビーム102はY軸に沿って線形に偏光される。
【0024】
[0031] 図2を参照すると、出力ビーム形成装置210のブロック図が示されている。出力ビーム形成装置210は、装置110(図1)の実施例である。出力ビーム形成装置210は、出力光ビーム211を生成するために入力光ビーム202の発散を変調する。出力光ビーム211は、光学アセンブリ190(図1)などの光学アセンブリに提供され得る。入力光ビーム202及び出力光ビーム211は、パルス光ビームである。
【0025】
[0032] 出力ビーム形成装置210は、ビーム分割装置213、ビーム回転装置215、及びビーム遅延装置217を含む。ビーム分割装置213、ビーム回転装置215、及びビーム遅延装置217は、ビーム経路216上にある。ビーム経路216は閉経路である。光は、ビーム分割装置213において経路216に入出する。ビーム経路216に入る光は、ビーム経路216を複数回横断することができる。
【0026】
[0033] ビーム分割装置213は、入力光ビーム202を分割するか又は割ることができる、任意の光学要素である。ビーム分割装置213は、例えばビームスプリッタであってよい。ビーム分割装置213は、入力光ビーム202の一部を出力ビーム経路212上に反射し、残りをビーム経路216上に伝送する、インターフェース214を含む。ビーム分割装置213は、入力光ビーム202を第1の部分203及び第2の部分204に分ける。第1の部分203は入力光ビーム202の伝送部分であり、第2の部分204は入力光ビーム202の反射部分である。この例では、入力光ビーム202は光のパルスである。第1の部分203及び第2の部分204も光のパルスであり、各々がビーム分割装置213によって決定される強度を有する。例えば、ビーム分割装置213が入射光の半分を反射し、残りの入射光を伝送する実施例において、第1の部分203及び第2の部分204は等しいパルスエネルギーを有する。
【0027】
[0034] ビーム分割装置213は、インターフェース214において互いに接合される2つのプリズムで構成され得る。反射される入力光ビーム202の量は、ビーム分割装置213の材料特性及び構造に依存する。例えば、ビーム分割装置213は、入射光の半分を出力ビーム経路212上に反射し、残りをビーム経路216上に伝送するように、構成され得る。無視できる量の光がビーム分割装置213によって吸収又は散乱されるが、所与の時点でビーム分割装置213によって伝送及び反射される光の組み合わせられた強度は、その時点でビーム分割装置213上に入射する光の強度にほぼ等しい。
【0028】
[0035] ビーム回転装置215は、第1の部分203のビーム発散を回転させるように配置された、複数の光学要素である。例えば、ビーム回転装置215は、回転された部分203’を形成するために、第1の部分203を折り畳む、及び/又は方向転換する、3つ又は4つの反射光学要素(ミラーなど)を含むことができる。回転された部分203’の発散の最大及び最少(又は最小)量は、第1の部分203のそれらに関して回転される。例えば、ビーム回転装置215が第1の部分203を90°回転させるように構成される場合、回転された第1の部分203’は、第1の部分203の垂直発散に等しい水平発散を有し、回転された第1の部分203’は、第1の部分203の水平発散に等しい垂直発散を有する。ビーム回転装置215は、回転された部分203’を形成するために部分203を複数の方向に誘導することができる。例えば、ビーム回転装置215は、第1の部分203をページの面の外へ誘導することができる。ビーム回転装置215の実施例が図3Aに示されている。
【0029】
[0036] 出力ビーム形成装置210は、ビーム遅延装置217も含む。ビーム遅延装置217は、ビーム経路216の長さを決定し、したがって回転された部分203’がビーム分割装置213に達する時点を決定する。ビーム遅延装置217は、ビーム経路216上の1つ以上の光学要素である。例えば、ビーム遅延装置217は、ミラーなどの複数の反射光学要素を含むことができる。ビーム経路216を定義する光学要素(ビーム遅延装置217を含む)のすべてによって導入された遅延が、入力ビームパルス202の時間持続期間より少ない場合、回転された部分203’は入力ビームパルス202と部分的に時間が重なることになる。ビーム遅延装置217は、回転された部分203’のビーム分割装置215に向けてのステアリングも行う。
【0030】
[0037] ビーム遅延装置217を介して渡した後、回転された部分203’は、ビーム分割装置213上に入射する。回転された部分203’内の光の一部は、ビーム分割装置213を介して、及び出力ビーム経路212上に伝送される。回転された部分203’の残りは部分203_1としてビーム経路216上に反射される。部分203_1は、ビーム分割装置213に戻される別の回転された部分203_1’を生成するために、ビーム回転装置215及びビーム遅延装置217と再度相互作用する。
【0031】
[0038] 回転された部分203_1’の一部は出力ビーム経路212上に伝送される。回転された部分203_1’は回転された部分203’の反射に基づき、また回転された部分203’は入力光ビーム202に基づくため、回転された部分203’の発散と回転された部分203_1’の発散とは同じではない。例えば、回転された部分203’の最大発散の方向が入力光ビーム202の最大発散の方向と90°異なる場合、回転された部分203_1’の最大発散の方向は入力光ビーム202の最大発散の方向と同じである、という具合である。各後続の部分の強度は、ビーム分割装置213の反射及び伝送特徴に依存して減少する。出力光ビーム211は、インターフェース214によって反射又は伝送される光から形成される。したがって、出力光ビーム211は、第2の部分204、及び回転された部分203’、203_1’、...203_n’の伝送された部分を含む。これらのコンポーネントの発散(及び強度)は変動し、また効果は、出力ビーム経路212上のアセンブリ(例えば、光学アセンブリ190など)が、変調された発散を伴う出力光ビーム211を受け取ることである。変調された発散は、結果として、少なくとも1つの方向に沿ってより低い空間コヒーレンスを有する出力光ビーム211を生じさせる。
【0032】
[0039] 出力ビーム形成装置210の他の実施例が可能である。例えば、ビーム遅延装置217は、ビーム分割装置213とビーム回転装置215との間にあり得る。いくつかの実施例において、出力ビーム形成装置210は、回転された部分203’の偏光が入力パルス205と同じであることを保証する、ビーム経路216上の偏光要素を含む。別の例では、ビーム分割装置213は、図2に示される構成以外の構成を有することができる。例えばビーム分割装置214は、部分203が入力光ビーム202の一部を反射するビーム分割装置213によって形成されるように、また第2の部分204が入力光ビーム202の一部を伝送するビーム分割装置213によって形成されるように、配置され得る。
【0033】
[0040] 図3Aを参照すると、別の出力ビーム形成装置310のブロック図が示される。出力ビーム形成装置310は、出力ビーム形成装置110(図1)の実施例の別の例である。出力ビーム形成装置310は、光学経路316を定義する、ビーム分割装置313、ビーム回転装置315、ビーム遅延装置317、及び波長板318を含む。波長板318は、例えば半波長板又は位相減速ミラーであってよい。波長板318は、入射光の偏光状態を直交偏光状態に変化させるように構成される。例えば、波長板318上の入射光が水平に線形に偏光される場合、波長板318を出る光は垂直に線形に偏光される。光は、ビーム分割装置313において光学経路316を入出する。光学経路316は閉経路であり、光は光学経路316を複数回横断することができる。出力ビーム形成装置310は、入力光ビーム302に基づいて出力光ビーム311を形成する。
【0034】
[0041] 図3Aの例の場合、X、Y、及びZ軸は座標系391によって定義される。様々なコンポーネント及び要素の配向について考察するとき、軸という用語は、起点から離れる方向及び起点に向かう方向を包含する。例えば、X軸に沿って延在する要素は、+X及び-Xの方向に延在し得る。下記で考察する例において、入力光ビーム302は、水平線形発散状態(偏光ベクトルがX軸に沿っていない)と、Y軸よりもX軸に沿ってより大きなビーム発散とを有する。図3Aにおいて、両矢印は偏光状態を示す。
【0035】
[0042] 入力光ビーム302が+Z方向に伝搬し、ビーム分割装置313上に入射する。ビーム分割装置313は、ビーム分割装置313内で使用される材料の光学特性に基づいて、インターフェース314で光を反射及び伝送する。ビーム分割装置313は、入射光を反射部分及び伝送部分に分割することが可能な、任意のデバイスである。ビーム分割装置313は、インターフェース314において、入射光の50%を伝送し入射光の50%を伝送するように構成される。ビーム分割装置313は、例えば、互いに接合された2つの三角プリズムを含む、非偏光キューブビームスプリッタであり得る。この例では、2つの三角プリズムが接合される面がインターフェース314である。
【0036】
[0043] ビーム分割装置313と、ビーム回転装置315及びビーム遅延装置317を構成する光学要素と、は全てが同じ入射角を有することはなく、X、Y、又はZ軸の周りを回転され得る。下記の考察において、光学要素の公称面は、その光学要素のアクティブ表面近くであるが、そこから光学要素のアクティブ表面が回転される、面である。図3Bも参照すると、光学要素322のブロック図が示されている。ビーム回転装置315、ビーム遅延装置317、及びビーム分割装置313を構成する光学要素は、光学要素322と同様である。光学要素は、アクティブ表面323及びベース324を含む。アクティブ表面323及びベース324は共に、光学要素322を形成する。光学要素322はベース324無しで実装され得る。アクティブ表面323は、入射光と相互作用する光学要素322の一部である。図3Bの例で、アクティブ表面323は、名目上、X-Z面内にあり、Z軸の周りを半時計回り方向に角度α回転される。図3Bでは、+Z方向はページ内へと向かう。図3B及び下記の考察では、軸の周りの回転は、起点に向かって見る観点から与えられる。
【0037】
[0044] ビーム分割装置313及びインターフェース314は、名目上、X-Z面内にあり、X軸の周りを時計回りに45°回転される。入力ビーム302の部分302’’が、インターフェース314を介して出力ビーム経路312上に伝送される。部分302’’は出力光ビーム311の一部を形成する。部分302’’は、入力光ビーム302の強度の50%の強度を有する。ビーム分割装置313は非偏光である。したがって、部分302’’の偏光状態は、入力光ビーム302の偏光状態と同じである。部分302’’の発散も、入力ビーム302の発散と同じである。インターフェース314はまた、入力光ビームの一部を部分302’として反射する。部分302’はZ軸に沿って偏光され、最大の発散はX軸に沿う。部分302’は+Y方向に沿ってビーム回転装置315へと伝搬する。
【0038】
[0045] ビーム回転装置315は、部分302’の発散を回転させる。ビーム回転装置315は4つの反射光学要素322a、322b、322c、及び322dを含む。図3Bも参照すると、反射光学要素322a、322b、322c、及び322dの各々は、アクティブ表面323と同様の反射表面を含む。各反射光学要素322a~322dは、例えば、入射光と相互作用する平坦反射表面を有する平面ミラーであってよい。反射表面323は、入力ビーム302内の光の波長を反射する材料からなる。反射表面323は、例えば被覆フッ化カルシウム(CaF)又は溶融石英であってよい。簡単にするために、個々の反射表面は、図3Aの光学要素322a、322b、322c、322d上には示されていない。しかしながら、反射表面は、光と相互作用し、またビーム回転装置315を通過するビーム経路316の一部を定義する、光学要素322a、322b、322c、322dの一部である。光学要素322a、322c、及び322d、並びにビーム分割装置313は、同一平面配置内に編成され、光学要素322a、322c、322dは、ビーム分割装置313と同じX-Y面内に反射表面を有する。光学要素322bの反射表面は、そのX-Y面から+Z方向に変位される。光学要素322a~322dの反射表面は、座標系391内の軸のうちの1本に関して回転される。
【0039】
[0046] 光学要素322aの反射表面は、名目上、X-Z面内で延在し、X軸の周りを時計回りに45°回転される。光学要素322aの反射表面は、ビーム分割装置313のインターフェース314に平行である。光学要素322aの反射表面の中心及びインターフェース314の中心は、同じX-Y面内にある。光学要素322bの反射表面は、名目上、光学要素322a及び322cの反射表面の中心を含む、X-Y面に関して+Z方向に変位されるX-Y面内で延在する。光学要素322bの反射表面は、光学要素322b上に入射する光が、光学要素322cに向けて反射されるように、X軸の周りをわずかに回転される。光学要素322cは、光学要素322aに対して閉である。光学要素322cの反射表面の中心は、光学要素322aの反射表面の中心と同じX-Y面内にある。光学要素322cの反射表面は、名目上、X-Y面内で延在し、Y軸の周りを時計回りに45°回転される。光学要素322dの反射表面の中心は、反射光学要素322a及び322cの中心と同じX-Y面内にある。光学要素322dの反射表面は、名目上、X-Z面内で延在し、Z軸の周りを時計回りに45°回転される。
【0040】
[0047] ビーム回転装置315を介して伝搬する部分302’の一例を次に考察する。この例では、入力ビーム302はY軸に沿って線形に偏光され、Y軸よりもX軸に沿って大きい発散を有する。
【0041】
[0048] 入力ビーム302とインターフェース314との間の相互作用は、入力ビーム302の反射である部分302’を生成する。部分302’は、+Y方向に伝搬する。部分302’はZ軸に沿って線形に偏光される。ビーム回転装置315への入力において、部分302’及び光ビーム302はX軸に沿って同じ発散を有する。Z軸に沿った部分302’の発散は、Y軸に沿った入力ビーム302の発散と同じである。言い換えれば、部分302’の最大発散はX軸に沿う。
【0042】
[0049] ビーム回転装置を構成する光学要素322a~322dのうち、光学要素322aがビーム分割装置313に最も近い。したがって、部分302’は、光学要素322b~322dと相互作用する前に、光学要素322aと相互作用する。光学要素322aは、部分302’を光学要素322bに向けてZ方向に反射する。光学要素322aと相互作用した後、部分302’はY方向に沿って線形に偏光される。部分302’の最大発散は、光学要素322aとの相互作用の直後に、X軸に沿う。光学要素322bは、部分302’を光学要素322cに向けて-Z方向に(又は、Z方向に関して小さな角度で)反射する。部分302’の最大発散は、光学要素322bとの相互作用の直後に、X軸に沿う。光学要素322cは、部分302’を+X方向に沿って光学要素322dに反射する。光学要素322cとの相互作用の後、部分302’の最大発散の方向はZ軸に沿う。したがって、光学要素322cは部分302’の発散を回転させる。部分302’は、-Y方向に沿って光学要素322dから反射される。光学要素322dとの相互作用の後、部分302’の最大発散はZ軸に沿う。
【0043】
[0050] したがって、ビーム回転装置315は、部分302’の発散を90°回転させる。この例では、ビーム回転装置315の入力(光学要素322a)において、部分302’は+Y方向に伝搬しており、最大発散はX軸に沿い、また最少(又は最小)発散はZ軸に沿う。ビーム回転装置315の出力(光学要素322dの直後)において、部分302’は-Y方向に伝搬し、最大発散はZ軸に沿い、また最少(又は最小)発散はX軸に沿う。
【0044】
[0051] 光学要素322a~322dは要素を偏光しておらず、部分302’は、ビーム回転装置315を介して伝搬しながら、依然として線形に偏光される。部分302’の偏光は、部分302’が入射する表面に関して定義される。光学要素322a~322dの反射表面はすべてが同じ入射角を有するものではないため、部分302’の偏光の軸はビーム回転装置315内で回転する。部分302’は、光学要素322aにおいてZ軸に沿って線形に偏光される。光学要素322aとの相互作用は、Y軸への偏光を回転させる。光学要素322bは、部分302’を-Z方向に沿って後方に反射し、部分302’は依然としてY軸に沿って線形に偏光される。光学要素332cは、部分302’の偏光を回転させない。しかしながら光学要素322dは、偏光をY軸に沿って、からX軸に沿って、へと回転させる。したがって、ビーム回転装置315は、部分302’の軸偏光も変化させる。この例では、ビーム回転装置315は、ビーム回転装置315の入力でのZ軸に沿って、からビーム回転装置315の出力でのX軸に沿って、へと偏光を変化させる。
【0045】
[0052] 出力ビーム形成装置310は、遅延装置317も含む。遅延装置317は、部分302’をビーム分割装置313に向けて後方に誘導する。遅延装置317は、光学経路316の長さを決定するためにも使用され、それによって、部分302’がビーム分割装置313に達する時点を制御する。例えば、部分302’(入力光パルスの反射から形成される)が、その同じ光パルスの後で発生する部分と重畳すべきである場合、遅延装置317は、入力光パルスが終わる前に部分302’がビーム分割装置313に達するように構成される。光学アセンブリ190によって受け取られる出力光ビーム311は、ビーム分割装置313と相互作用する光によって形成される光のパルスである。
【0046】
[0053] 遅延装置317は、反射光学要素325a及び反射光学要素325bを含む。反射光学要素325a、325bは、反射光学要素322a~322dと同様である。各反射光学要素325a、325bは、反射表面323(図3B)と同様の反射表面を含む。簡単にするために、光学要素325a、325bの反射表面は図3Bには示されていない。光学要素325aの反射表面は、名目上、X-Z面内で延在し、Z軸の周りを反時計回りに45°回転される。光学要素325bの反射表面は、名目上、X-Z面内で延在し、Z軸の周りを時計回りに45°回転される。光学要素325aの反射表面は、光学要素322dの反射表面と直交する。光学要素325bの反射表面は、光学要素322dの反射表面と並行である。光学要素322d、325a、及び325bの反射表面の中心は、同じX-Y面内にある。光学経路316の長さは、光学要素325aと322dとの間の距離、及び/又は光学要素325aと325bとの間の距離を調整することによって、調整可能である。
【0047】
[0054] 光学要素325aは、光学要素322dと光学要素325bとの間にある。光学要素325aは、光学要素322dに関して-Y方向に変位され、光学要素325bに関して+X方向に変位される。光学要素325aの反射表面は、光学要素322dから部分302’を受け取る。光学要素352aとの相互作用の前に、部分302’はX軸に沿って線形に偏光され、最大発散はZ軸に沿う。光学要素325aは、部分302’を光学要素325bへと-X方向に反射させる。光学要素325aとの相互作用は、部分302’の偏光をY軸に沿うように回転させるが、発散は回転させない。次いで、部分302’は光学要素325bと相互作用する。光学要素325bは、部分302’をビーム分割装置313に向けて+X方向に沿って反射させる。光学要素325bとの相互作用は、部分302’の偏光をX軸に沿うように回転させるが、発散は回転させない。
【0048】
[0055] したがって、部分302’は、Z軸に沿った最大発散及びX軸に沿った偏光と共に、ビーム分割装置313に向けて+Y方向に伝搬する。部分302’がインターフェース314に達したとき、部分302’の50%は+Z方向に、及び出力ビーム経路312上へと反射される。部分302’の反射部分は、311’と標示される。反射部分311’は、Y軸に沿って最大発散を有し、X軸に沿って最少発散を有する。出力部分311’及び部分302’’は、出力光ビーム311を形成する。部分302’’は、X軸に沿って最大発散を有し、Y軸に沿って最少(最小)発散を有する。他方で、出力部分311’は、Y軸に沿って最大発散を有し、X軸に沿って最少(又は最小)発散を有する。出力部分311’は、出力光ビーム311が入力ビーム302よりも、Y軸に沿って大きな発散を有し、X軸に沿って小さな発散を有するように、Y軸に沿って発散を追加する。結果として、出力光ビーム311は、Y軸に沿って入力ビーム302よりも低い空間コヒーレンスを有し、またしたがって、Y軸に沿って入力ビーム302よりも少ないノイズを有する。このようにして、出力ビーム形成装置310はスペックルを減少させ、システム300の性能を向上させる。
【0049】
[0056] 上記の例の考察において、入力光ビーム302は+Z方向に伝搬し、Y軸に沿って線形に偏光され、X軸に沿って最大発散を有し、またY軸に沿って最少発散を有する。他の例において、入力光ビームは、伝搬の方向に対して垂直な何らかの他の軸に沿って線形に偏光され得(或いは、他の偏光を有するか又は偏光がない可能性があり)、伝搬の方向に対して垂直な何らかの他の軸に沿って最大発散を有し得、また、最大発散の軸に対して垂直であるか又は垂直でない可能性がある何らかの他の軸に沿って最少発散を有し得る。
【0050】
[0057] 部分302’における残りの光は、インターフェース314を介して伝送され、ビーム経路316上に残る。光はビーム経路316内での循環を続行し、前述のようにビーム回転装置315及びビーム遅延装置317によって操作され、出力光ビーム311への追加の寄与が行われる。ビーム分割装置が入射光の50%を反射し、入射光の50%を伝送する、図3の例の場合、出力光ビーム311の発散は数式(1)及び(2)によって以下のように表される。
【0051】
【数1】
【0052】
[0058] 数式(1)及び(2)において、HDiは入力ビーム302のラジアン単位の水平ビーム発散であり、VDiは入力ビーム302のラジアン単位の垂直ビーム発散である。垂直ビーム発散は、座標系391におけるX軸に沿ったビーム発散である。水平ビーム発散は、座標系391におけるY軸に沿ったビーム発散である。入力ビーム302がX軸に沿って最大発散を有する実施例では、出力ビーム形成装置310は、X軸に沿って発散を減少させ、Y軸に沿って発散を増加させる。したがって、これらの実施例において、出力ビーム形成装置310は、Y軸に沿って空間コヒーレンスを減少させ、出力光ビーム311は、Y軸に沿って入力ビーム302に比べて低い空間コヒーレンス(及び少ないスペックル)を有する。入力ビーム302がY軸に沿って最大発散を有し、X軸に沿って最少発散を有する実施例では、出力ビーム形成装置310は、Y軸に沿って発散を減少させ、X軸に沿って発散を増加させる。これらの実施例において、出力ビーム形成装置310は、X軸に沿って空間コヒーレンスを減少させる。
【0053】
[0059] 出力光ビーム311の発散の変調は、経路316上を循環する光の偏光に関わらず発生する。言い換えれば、発散の変調は、経路216上を循環する光の偏光状態に関係なく発生し、偏光されない光を用いて達成され得る。それにもかかわらず、いくつかの適用例では、出力光ビーム311が特定の偏光状態を有することが望ましい。これらの実施例において、出力ビーム形成装置310は、波長板318を含むことができる。
【0054】
[0060] 前述のように、光学要素325bとの相互作用の後、部分302’の偏光はX軸に沿う。入力ビーム302の偏光はY軸に沿う。出力ビーム形成装置310は、たとえ部分302’及び入力ビーム302が同じ偏光を有さない場合であっても、入力ビーム302の発散を変化させる。しかしながら、いくつかの適用例では、出力光ビーム311は入力ビーム302と同じ偏光を有することが重要である。したがって、出力ビーム形成装置310は、部分302’の発散を回転させるか又は他の方法で変化させることなく部分302’の偏光を変化させる、偏光要素を含むことができる。図3Aの例において、出力ビーム形成装置310は、部分302’がビーム分割装置313に達する前に部分302’の偏光を変化させるための波長板318を含む。波長板318は、ビーム経路316上に位置決めされる半波長板である。部分302’は半波長板を通過し、偏光は90°回転される。波長板318を通過した後、部分302’はZ軸に沿って偏光されるが、発散は変化しない。部分302’がビーム分割装置313に達すると、出力部分311’はインターフェース314から反射され、偏光はY軸に沿って回転される。したがって波長板318は、出力部分311’及び入力ビーム302の偏光が同じであり、出力光ビーム311が一定の偏光を有するように、部分302’の偏光を変化させる。
【0055】
[0061] 図4A及び図5は、それぞれ、出力ビーム形成装置110、210、及び/又は310を使用することができる、DUV光源460及び560の例を提供する。出力ビーム形成装置110、210、又は310は、110と表示されるボックス要素によって示されるロケーションのうちのいずれか1つに置かれ得る。
【0056】
[0062] 図4A及び図4Bを参照すると、フォトリソグラフィシステム450は、ウェーハホルダ又はステージ471によって受け取られるウェーハ470を処理する、リソグラフィ露光装置469に光ビーム441を提供する、DUV光源460を含む。DUV光源460は、利得媒質461、カソード462a、及びアノード462bを封入する、放電チャンバ465を含む。利得媒質461は、ガス利得媒質である。放電チャンバ465は、利得媒質461が放電チャンバ465内に残り、放電チャンバ465によって収容されるように、密閉される。図4Aにはガス放電チャンバ465が1つだけ示されている。しかしながら、光源460は、図5に示されるように複数の放電チャンバを含むことができる。
【0057】
[0063] DUV光源460は、ガス管理システム479も含む。ガス管理システム479は、DUV光源460の内部478と流体連結している。ガス管理システム479は、内部478内の圧力及び/又は流体物質を管理するデバイスを含むことができる。例えば、ガス管理システム479は、ガス及びデブリを管理することが可能なポンプ、ファン、フィルタ、及び/又は他のデバイスを含むことができる。ガス管理システム479は、望ましくない化学物質、元素、又は混合物を内部478から除去することができる。例えば、ガス管理システム479は、例えば窒素(N)又はヘリウム(He)などの(ガスの形の)別の化学物質を使用して、内部478から酸素をパージすることができる。望ましくない物質を除去するためにガス管理システム479によって使用されるガスは、パージガス412と呼ばれる。パージガス412は内部478内にあり、放電チャンバ465を取り囲むことができるが、パージガス412は放電チャンバ465に浸透せず、また、利得媒質461の化学組成を妨げるか又は変化させることはない。光ビーム441は内部478内を伝搬し、したがってパージガス412内を伝搬する。
【0058】
[0064] 光ビーム441は、互いに時間的に離れた光のパルスを含むパルス光ビームであってよい。リソグラフィ露光装置469は、光ビーム441がウェーハ470に達する前に通過する投影光学システム475、及びメトロロジシステム472を含む。メトロロジシステム472は、例えば、ウェーハ470においてウェーハ470及び/又は光ビーム441のイメージをキャプチャすることができる、カメラ又は他のデバイス、或いは、x-y面内でウェーハ470における光ビーム441の強度などの光ビーム441の特徴を記述するデータをキャプチャすることができる、光ディテクタを含むことができる。リソグラフィ露光装置469は、液浸システム又はドライシステムであってよい。フォトリソグラフィシステム450は、光源460及び/又はリソグラフィ露光装置469を制御するための制御システム480も含む。
【0059】
[0065] マイクロ電子フィーチャが、例えば、光ビーム441を用いてウェーハ470上の放射線感受性フォトレジスト材料の層を露光することによって、ウェーハ470上に形成される。図4Bも参照すると、投影光学システム475は、スリット476、マスク474、及び、レンズシステム477を含む投影対物系を含む。レンズシステム477は、DUVレンジ内の光と相互作用することができる、1つ以上の反射又は屈折光学要素を含む。光ビーム441は光学システム475に入ってスリット476に衝突し、ビーム441のうちの少なくとも一部はスリット476を通過する。図4A及び図4Bの例では、スリット476は矩形であり、光ビーム441を細長い矩形の光ビームに形作る。マスク474はパターンを含み、このパターンが、形作られた光ビームのどの部分がマスク474によって伝送されるか、及び、マスク474によってブロックされるかを決定する。パターンの設計は、ウェーハ470上に形成されるべき特定のマイクロ電子回路設計によって決定される。
【0060】
[0066] 図4の例において、出力ビーム形成装置110は光源460とリソグラフィ露光装置469との間にある。出力ビーム形成装置110はビーム441を受け取り、ビーム441がリソグラフィ露光装置469に提供される前にビーム441の空間コヒーレンスを減少させる。
【0061】
[0067] 図5を参照すると、フォトリソグラフィシステム550のブロック図が示されている。システム550は、システム450(図4A)の実施例の一例である。例えばフォトリソグラフィシステム550では、光源560が光源460(図4A)として使用される。光源560はパルス光ビーム541を生成し、これがリソグラフィ露光装置469に提供される。フォトリソグラフィシステム550は、図5の例では、システム550の様々な動作を制御するために、光源560のコンポーネント、並びにリソグラフィ露光装置469にも接続される、制御システム580も含む。他の実施例では、制御システム580は、1つは光源560の様々な態様を制御するため、及びもう1つはリソグラフィ露光装置469を制御するための、2つの別々の制御システムとして実装可能である。更に他の実施例では、様々な他の制御システム580が実装可能である。
【0062】
[0068] 図5に示される例では、光源560は、シード光ビーム542をパワー増幅器(PA)568に提供する主発振器(MO)567を含む、2ステージレーザシステムである。MO567及びPA568は、光源560のサブシステム、又は光源560の一部であるシステムとみなすことができる。PA568は、MO567からシード光ビーム542を受け取り、シード光ビーム542を増幅して、リソグラフィ露光装置469で使用するための光ビーム541を発生させる。例えばいくつかの実施例において、MO567は、パルス当たりおよそ1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギーを伴うパルスシード光ビームを放出することができ、これらのシードパルスはPA568によって約10から15mJまで増幅可能である。
【0063】
[0069] MO567は、2つの細長い電極562a_1及び562b_1、ガス混合物である利得媒質561_1、及び、電極562a_1、562b_1の間でガス混合物を循環させるためのファン(図示せず)を有する、放電チャンバ565_1を含む。放電チャンバ565_1の一方の側のライン狭隘化モジュール586と、放電チャンバ565_1の第2の側の出力カップラ581との間に、共振器が形成される。
【0064】
[0070] 放電チャンバ565_1は、第1のチャンバウィンドウ563_1及び第2のチャンバウィンドウ564_1を含む。第1及び第2のチャンバウィンドウ563_1及び564_1は、放電チャンバ565_1の反対側にある。第1及び第2のチャンバウィンドウ563_1及び564_1は、DUVレンジ内の光を伝送し、DUV光が放電チャンバ565_1に入出できるようにする。
【0065】
[0071] ライン狭隘化モジュール586は、放電チャンバ565_1のスペクトル出力を細かく調整する格子などの回折光学系を含むことができる。光源560は、出力カップラ581から出力光ビームを受け取るライン中心分析モジュール584、及びビーム結合光学システム583も含む。ライン中心分析モジュール584は、シード光ビーム542の波長を測定又は監視するために使用可能な測定システムである。ライン中心分析モジュール584は、光源560内の他のロケーションに置くことができるか、又は光源560の出力に置くことができる。
【0066】
[0072] 利得媒質561_1であるガス混合物は、印加に必要な波長及び帯域幅で光ビームを生成することに適した、任意のガスとすることができる。エキシマ源の場合、ガス混合物561_1は、例えばアルゴン又はクリプトンなどのノーブルガス(希ガス)、例えばフッ素又は塩素などのハロゲン、及び、ヘリウムなどの緩衝ガスから離れたキセノンの痕跡を含むことができる。ガス混合物の特定の例は、約193nmの波長で光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長で光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は、約351nmの波長で光を放出する塩化キセノン(XeCl)を含む。したがって、光ビーム541及び542は、この実施例におけるDUVレンジ内の波長を含む。エキシマ利得媒質(ガス混合物)は、細長い電極562a_1、562b_1への電圧の印加によって、高電圧放電において短(例えば、ナノ秒)電流パルスを用いてポンピングされる。
【0067】
[0073] PA568は、MO567からシード光ビーム542を受け取り、シード光ビーム542を、放電チャンバ565_2を介して、及び、シード光ビーム542の方向を放電チャンバ565_2に返送されるように修正又は変更するビーム逆転光学要素582へと誘導する、ビーム結合光学システム583を含む。ビーム逆転光学要素582及びビーム結合光学システム583は、ビーム結合光学システム583において、リング増幅器への入力がリング増幅器の出力と交差する、循環及び閉ループ光学経路を形成する。
【0068】
[0074] 放電チャンバ565_2は、細長い電極562a_2、562b_2のペア、利得媒質561_2、及び、電極562a_2、562b_2の間で利得媒質561_2を循環させるためのファン(図示せず)を含む。利得媒質561_2を形成するガス混合物は、利得媒質561_1を形成するガス混合物と同じであってよい。
【0069】
[0075] 放電チャンバ565_2は、第1のチャンバウィンドウ563_2及び第2のチャンバウィンドウ564_2を含む。第1及び第2のチャンバウィンドウ563_2及び564_2は、放電チャンバ565_2の反対側にある。第1及び第2のチャンバウィンドウ563_2及び564_2は、DUVレンジ内の光を伝送し、DUV光が放電チャンバ565_2に入出できるようにする。
【0070】
[0076] 出力光ビーム541は、リソグラフィ露光装置469に達する前に、ビーム準備システム585を介して誘導され得る。ビーム準備システム585は、ビーム541の様々なパラメータ(帯域幅又は波長など)を測定する、帯域幅分析モジュールを含むことができる。ビーム準備システム585は、出力光ビーム541の各パルスを時間的に伸張する、パルスストレッチャ(図示せず)も含むことができる。ビーム準備システム585は、例えば、反射及び/又は屈折光学要素(例えば、レンズ及びミラーなど)、フィルタ、及び光学アパーチャ(自動化シャッタを含む)などの、ビーム541上で作用可能な他のコンポーネントも含むことができる。
【0071】
[0077] DUV光源560は、DUV光源560の内部578と流体連結しているガス管理システム479も含む。前述のように、ガス管理システム479は内部578にパージガス412を提供する。図5の例では、パージガス412はチャンバ565_1及び565_2を取り囲み、DUV光源560のサブシステムのうちのいくつかの光学コンポーネントも取り囲む。例えばパージガス412は、ライン狭隘化モジュール586、出力カップラ581、ライン中心分析モジュール584、ビーム結合光学システム583、及びビーム逆転光学要素582における、光学コンポーネントを取り囲む。パージガス412は内部578内にあり、放電チャンバ565_1及び565_2並びに様々な他の光学コンポーネントを取り囲むが、パージガス412は放電チャンバ565_1及び565_2に浸透せず、また、利得媒質561_1及び561_2の化学組成を妨げるか又は変化させることはない。
【0072】
[0078] フォトリソグラフィシステム550は、制御システム580も含む。制御システム580は、1つ以上の信号を光源560に送信することによって、光源560が光のパルス又は1つ以上の光のパルスを含む光パルスのバーストをいつ放出するかを、制御することができる。制御システム580は、リソグラフィ露光装置469にも接続される。したがって、制御システム580は、リソグラフィ露光装置469の様々な態様を制御することもできる。例えば制御システム580は、ウェーハ470(図4A)の露光を制御でき、またしたがって、電子フィーチャがウェーハ470上にどのようにプリントされるかを制御するために使用することができる。いくつかの実施例において、制御システム580は、x-y面内のスリット476(図4B)の動きを制御することによって、ウェーハ470のスキャンを制御することができる。更に、制御システム580は、メトロロジシステム472及び/又は光学システム475(図4B)とデータを交換することができる。
【0073】
[0079] リソグラフィ露光装置469は、例えば、様々な電気コンポーネントのための温度制御デバイス(空気調節デバイス及び/又は加熱デバイスなど)及び/又は電源を含むこともできる。制御システム580は、これらのコンポーネントを制御することもできる。いくつかの実施例において、制御システム580は、リソグラフィ露光装置469の態様の制御専用の少なくとも1つのサブ制御システム(リソグラフィコントローラ)を備える、複数のサブ制御システムを含むように実装される。これらの実施例において、制御システム580は、リソグラフィコントローラを使用する代わりに、又は使用することに加えて、リソグラフィ露光装置469の態様を制御するために使用可能である。
【0074】
[0080] 利得媒質561_1又は561_2が、それぞれ、電極562a_1、562b_1又は562a_2、562b_2に電圧を印加することによってポンピングされるとき、利得媒質561_1及び/又は561_2は光を放出する。電圧が規則的な時間間隔で電極に印加されるとき、光ビーム541はパルス化される。したがって、パルス光ビーム541の繰り返し率は、電圧が電極に印加される率によって決定される。パルスの繰り返し率は、様々な適用例について、約500から6,000Hzの間の範囲であり得る。いくつかの実施例において、繰り返し率は6,000Hzより大きくてよく、また、例えば12,000Hz以上であってよいが、他の実施例では他の繰り返し率が使用可能である。
【0075】
[0081] 出力ビーム形成装置110(又は210又は310)は、放電チャンバ565_1と565_2の間、又は放電チャンバ565_2とリソグラフィ装置469との間に、置くことができる。ビーム準備システム585を含む実施例では、出力ビーム形成装置110(又は210又は310)は、放電チャンバ565_2とビーム準備システム585との間に置くことができる。
【0076】
[0082] 本発明の他の態様は、下記の番号付けされた条項に示される。
1.ビーム経路上のビームスプリッタであって、深紫外線(DUV)光源から光を受け取るように構成されたビームスプリッタと、
ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を備え、
ビームスプリッタは、DUV光源から受け取った光の一部を第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、
第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために光の一部の発散を回転させるように構成され、
ビームスプリッタは、回転された光とDUV光源から受け取った光の一部を、出力ビーム経路上に誘導するように構成される、
装置。
2.ビーム経路上に偏光要素を更に備え、
偏光要素は、出力ビーム経路上で、回転された光がDUV光源から受け取った光と同じ偏光状態を有するように、回転された光の偏光状態を変更するように構成される、条項1に記載の装置。
3.第1の複数の光学要素と偏光要素との間のビーム経路上に、第2の複数の反射光学要素を更に備える、条項2に記載の装置。
4.第1の複数の反射光学要素は、4つのミラーを備える、条項3に記載の装置。
5.第1の複数の反射光学要素は、光の一部の発散を90度回転させるように構成される、条項1に記載の装置。
6.DUV光源から受け取った光は、初期の垂直発散値を有する垂直発散と、初期の水平発散値を有する水平発散と、を有し、
出力ビーム経路上で、回転された光は、初期の垂直発散値に等しい水平発散と、初期の水平発散値に等しい垂直発散と、を有する、条項1に記載の装置。
7.回転された光とDUV光源からの光の別の部分は、出力ビーム経路上を伝搬する出力ビームを形成するために、ビームスプリッタにおいて組み合わせられ、
出力ビームは、回転された光の垂直発散及びDUV光源からの光の他の部分の垂直発散に基づく垂直発散値と、回転された光の水平発散及びDUV光源からの光の他の部分の垂直発散に基づく水平発散値と、を有する、条項6に記載の装置。
8.出力ビームの水平発散値は、初期の水平発散値よりも大きく、
出力ビームの垂直発散値は、初期の垂直発散値よりも小さい、条項7に記載の装置。
9.DUV光源からの光は、少なくとも第1の光のパルスを備え、
回転された光は、第1の光のパルスの第1の部分の反射から形成される回転された光のパルスを備え、
DUV光源からの光の他の部分は、第1の光のパルスの伝送された第2の部分を備え、
出力ビームは、回転された光のパルス及び他の部分の反射に基づく、条項8に記載の装置。
10.第2の複数の反射光学要素は、2つ以上のミラーを備える、条項3に記載の装置。
11.偏光要素は、半波長板又は位相減速ミラーを備える、条項2に記載の装置。
12.ビーム経路は、ビームスプリッタ、第1の複数の反射光学要素、第2の複数の反射光学要素、及び偏光要素によって定義される閉経路である、条項2に記載の装置。
13.深紫外線(DUV)光源であって、
ガス利得媒質を保持するように及びDUV光ビームを生成するように構成された、少なくとも1つの放電チャンバを備える光発生装置と、
出力ビーム形成装置と、を備え、
出力ビーム形成装置は、
ビーム経路上のビームスプリッタであってDUV光ビームを受け取るように構成されたビームスプリッタと、
ビーム経路上の偏光要素と、
ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を備え、
ビームスプリッタは、DUV光ビームの一部を第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、
第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために光の一部の発散を回転させるように構成され、
波長板は、出力ビーム経路上で、回転された光がDUV光ビームと同じ偏光状態を有するように、回転された光の偏光状態を変更するように構成され、
ビームスプリッタは、回転された光及びDUV光ビームの一部に基づいて出力ビームを形成するように構成される、深紫外線(DUV)光源。
14.光発生装置は、
第1のガス利得媒質を保持するように及びDUVシード光ビームを生成するように構成された第1の放電チャンバと、
第2のガス利得媒質を保持するように及びシード光ビームを増幅して増幅されたDUV光ビームを形成するように構成された第2の放電チャンバと、
を備える、条項13に記載のDUV光源。
15.出力ビーム形成装置は、第1の放電チャンバと第2の放電チャンバとの間に位置決めされるように構成され、
DUV光は、DUVシード光ビームを備える、条項14に記載のDUV光源。
16.出力ビームを受け取るように構成されたビーム伸張装置を更に備える、条項13に記載のDUV光源。
17.出力ビーム形成装置は、光発生装置とビーム伸張装置との間にある、条項16に記載のDUV光源。
18.偏光要素は、第2の複数の反射光学要素とビームスプリッタとの間にある、条項13に記載のDUV光源。
19.深紫外線(DUV)光源のための方法であって、
DUV光ビームの一部を受け取ることであって、DUV光ビームの一部は、偏光状態、初期垂直発散値の垂直発散、及び初期水平発散値の水平発散を有することと、
回転された光ビームを形成するためにDUV光ビームの一部を回転することであって、回転された光ビームは、初期水平発散値の垂直発散及び初期垂直発散値の水平発散を有することと、
光学遅延を介して回転された光ビームを渡すことと、
回転された光ビーム及びDUV光ビームの別の部分に基づいて、出力ビーム経路上を伝搬する出力光ビームを形成することと、
を含む、方法。
20.回転された光ビーム及びDUV光ビームの別の部分を組み合わせる前に、回転された光ビームを、回転された光ビーム及びDUV光ビームの他の部分が出力ビーム経路上で同じ偏光状態を有するように、偏光要素を介して渡すことを更に含む、条項19に記載の方法。
21.DUV光ビームは、パルスDUV光ビームを備え、
回転された光ビームは、パルスDUV光ビーム内のパルスのうちの第1のパルスの反射を備え、
DUV光ビームの他の部分は、パルスのうちの第1のパルスの一部を備える、条項19に記載の方法。
【0077】
[0083] 更に他の実施例が特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム経路上のビームスプリッタであって深紫外線(DUV)光源から光を受け取るように構成されたビームスプリッタと、
前記ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を備え、
前記ビームスプリッタは、前記DUV光源から受け取った前記光の一部を前記第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、
前記第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために前記光の一部の発散を回転させるように構成され、
前記ビームスプリッタは、前記回転された光と前記DUV光源から受け取った前記光の一部を、出力ビーム経路上に誘導するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記ビーム経路上に偏光要素を更に備え、
前記偏光要素は、前記出力ビーム経路上で、前記回転された光が前記DUV光源から受け取った光と同じ偏光状態を有するように、前記回転された光の偏光状態を変更するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の複数の光学要素と前記偏光要素との間の前記ビーム経路上に、第2の複数の反射光学要素を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の複数の反射光学要素は、4つのミラーを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数の反射光学要素は、前記光の前記一部の前記発散を90度回転させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記DUV光源から受け取った前記光は、初期の垂直発散値を有する垂直発散と、初期の水平発散値を有する水平発散と、を有し、
前記出力ビーム経路上で、前記回転された光は、前記初期の垂直発散値に等しい水平発散と、前記初期の水平発散値に等しい垂直発散と、を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記回転された光と前記DUV光源からの光の別の部分は、前記出力ビーム経路上を伝搬する出力ビームを形成するために、前記ビームスプリッタにおいて組み合わせられ、
前記出力ビームは、前記回転された光の前記垂直発散及び前記DUV光源からの光の前記他の部分の前記垂直発散に基づく垂直発散値と、前記回転された光の前記水平発散及び前記DUV光源からの前記光の前記他の部分の前記垂直発散に基づく水平発散値と、を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記出力ビームの前記水平発散値は、前記初期の水平発散値よりも大きく、
前記出力ビームの前記垂直発散値は、前記初期の垂直発散値よりも小さい、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記偏光要素は、半波長板又は位相減速ミラーを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
深紫外線(DUV)光源であって、
ガス利得媒質を保持するように及びDUV光ビームを生成するように構成された、少なくとも1つの放電チャンバを備える光発生装置と、
出力ビーム形成装置と、を備え、
前記出力ビーム形成装置は、
ビーム経路上のビームスプリッタであって前記DUV光ビームを受け取るように構成されたビームスプリッタと、
前記ビーム経路上の偏光要素と、
前記ビーム経路上の第1の複数の反射光学要素と、を備え、
前記ビームスプリッタは、前記DUV光ビームの一部を前記第1の複数の反射光学要素に向けて誘導するように構成され、
前記第1の複数の反射光学要素は、回転された光を生成するために前記光の一部の発散を回転させるように構成され、
長板は、前記出力ビーム経路上で、前記回転された光が前記DUV光ビームと同じ偏光状態を有するように、前記回転された光の偏光状態を変更するように構成され、
前記ビームスプリッタは、前記回転された光及び前記DUV光ビームの一部に基づいて出力ビームを形成するように構成される、深紫外線(DUV)光源。
【請求項11】
前記光発生装置は、
第1のガス利得媒質を保持するように及びDUVシード光ビームを生成するように構成された第1の放電チャンバと、
第2のガス利得媒質を保持するように及びシード光ビームを増幅して増幅されたDUV光ビームを形成するように構成された第2の放電チャンバと、
を備える、請求項10に記載のDUV光源。
【請求項12】
前記出力ビーム形成装置は、前記第1の放電チャンバと前記第2の放電チャンバとの間に位置決めされるように構成され、
前記DUV光は、DUVシード光ビームを備える、請求項11に記載のDUV光源。
【請求項13】
前記出力ビームを受け取るように構成されたビーム伸張装置を更に備え
前記出力ビーム形成装置は、前記光発生装置と前記ビーム伸張装置との間にある、請求項10に記載のDUV光源。
【請求項14】
前記偏光要素は、第2の複数の反射光学要素と前記ビームスプリッタとの間にある、請求項10に記載のDUV光源。
【請求項15】
深紫外線(DUV)光源のための方法であって、
DUV光ビームの一部を受け取ることであって、前記DUV光ビームの前記一部は、偏光状態、初期垂直発散値の垂直発散及び初期水平発散値の水平発散を有することと、
回転された光ビームを形成するために前記DUV光ビームの前記一部を回転することであって、前記回転された光ビームは、前記初期水平発散値の垂直発散及び前記初期垂直発散値の水平発散を有することと、
光学遅延を介して前記回転された光ビームを渡すことと、
前記回転された光ビーム及び前記DUV光ビームの別の部分に基づいて、出力ビーム経路上を伝搬する出力光ビームを形成することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記回転された光ビーム及び前記DUV光ビームの別の部分を組み合わせる前に、前記回転された光ビームを、前記回転された光ビーム及び前記DUV光ビームの前記他の部分が前記出力ビーム経路上で前記同じ偏光状態を有するように、偏光要素を介して渡すことを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記DUV光ビームは、パルスDUV光ビームを備え、
前記回転された光ビームは、前記パルスDUV光ビーム内の前記パルスのうちの第1のパルスの反射を備え、
前記DUV光ビームの前記他の部分は、前記パルスのうちの前記第1のパルスの一部を備える、請求項15に記載の方法。
【国際調査報告】