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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】曲げツールおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220824BHJP
   B21F 1/00 20060101ALI20220824BHJP
   A61B 17/062 20060101ALI20220824BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
A61B17/34
B21F1/00 Z
A61B17/062
A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574259
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 US2020035675
(87)【国際公開番号】W WO2020256922
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/862,804
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フー、リック
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム、マシュー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シュタウファー、アリソン マリー
(72)【発明者】
【氏名】カラシック、ジェフリー イアン
(72)【発明者】
【氏名】ミラビレ、ブラン
【テーマコード(参考)】
4C160
4E070
【Fターム(参考)】
4C160FF47
4E070AA00
4E070AB00
4E070AC02
4E070BC11
(57)【要約】
【解決手段】 単一患者使用の使い捨てツールは、鞘内に摺動可能に配設された針を曲げるための所定の曲げ半径を有する曲面上面を有する、モールド成形された一片の本体を備える。曲面の遠位端は、針の先端の挿入のためのスロットを有するが、一方、曲面の近位端は、鞘を摺動可能に受容するためのガイド部材を有する。2つの指ループまたは同様の人間工学的特徴は、ユーザが、曲げツールを鞘に対して回転させて、所定の曲げ半径を中心に針を曲げることを可能にする。曲げが完了した後、ツールは、針から取り外されて廃棄される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞘内に摺動可能に装着された針用の曲げツールであって、前記針が、シャフトおよび先端を有し、前記曲げツールが、
近位端と遠位端との間に延在する曲面を含む本体と、
針の先端を受容するための、前記曲面の前記遠位端にあるスロットと、
ガイド部分であって、そこを通る前記針の鞘を受容するための、ガイド部分と、を備え、
前記針の前記先端が前記スロット内に挿入されるとき、前記ガイド部分は、前記本体が前記針のシャフトに向かって回転するとき、前記本体の前記曲面に沿って前記針の前記シャフトの曲げを可能にする、曲げツール。
【請求項2】
前記本体が、単一の部品としてモールド成形されている、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項3】
前記針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限するための、前記曲面に隣接する角度リミッタをさらに備える、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項4】
前記曲面が、所定の曲げ半径または曲げ角度を有する、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項5】
前記曲面の前記所定の曲げ半径または曲げ角度を示すための、前記本体上のマーキングをさらに備える、請求項4に記載の曲げツール。
【請求項6】
前記本体が、テクスチャ付き把持表面をさらに備える、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項7】
前記本体の前記曲面の幅が、前記鞘の幅と実質的に等しいように選択されている、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項8】
前記本体が、射出成形プラスチックから構成されている、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項9】
前記ツールが、前記針の前記先端に予め組み立てられている、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項10】
前記針が、カニューレ挿入針である、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項11】
前記ガイド部分が、前記針の直視のための窓をさらに含む、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項12】
前記ガイド部分が、曲面を含み、前記針の前記先端が前記スロット内に挿入されるとき、前記ガイド部分は、前記本体が前記針の前記シャフトから離れるように回転するとき、前記ガイド部分の前記曲面に沿って前記針の前記シャフトの曲げをさらに可能にする、請求項1に記載の曲げツール。
【請求項13】
鞘内に摺動可能に装着された針を曲げる方法であって、前記針が、シャフトおよび先端を有し、前記方法が、
曲げツールのスロット内に針の先端を挿入することであって、前記曲げツールが、
近位端と遠位端との間に延在する曲面を含む本体であって、前記スロットが、前記曲面の前記遠位端に位置する、本体と、
ガイド部分であって、そこを通る前記針の鞘を受容するための、ガイド部分と、をさらに備える、挿入することと、
前記針の前記シャフトが前記本体の前記曲面に沿って曲げられるように、前記本体を前記針のシャフトに向かって回転させることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記針が、カニューレ挿入針である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記曲面に隣接する角度リミッタを用いて前記針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記針の前記シャフトを曲げた後に前記ツールを廃棄することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
針のシャフト用の曲げツールであって、
近位端、遠位端、およびその間に延在する長手方向軸を有する本体を備え、前記本体が、前記長手方向軸に対して横方向に前記本体を通って延在するスロットを備え、前記スロットが、針のシャフトを受容するように構成され、前記スロットが、前記長手方向軸からある角度で延在する少なくとも1つの曲面を含み、
前記針の前記シャフトが前記スロット内に挿入されるとき、前記ツールが、前記曲面に沿って前記シャフトの曲げを可能にする、曲げツール。
【請求項18】
前記スロットは、前記針が前記スロット内に挿入されるときに、前記針の前記シャフト上に3つの接触点を提供するように構成されている、請求項17に記載の曲げツール。
【請求項19】
シャフトおよび先端を有する針用の曲げツールであって、前記曲げツールが、
近位端、遠位端、およびその間に延在する長手方向軸を有する本体と、
前記長手方向軸に沿って前記本体を通って延在する第1のスロットであって、前記第1のスロットの近位端が、前記長手方向軸からある角度で延在する第1の曲面を有し、前記第1のスロットの遠位端が、針の先端を受容するように構成されている、第1のスロットと、
前記長手方向軸に対して横方向に前記本体を通って延在する第2のスロットであって、前記第2のスロットが、前記長手方向軸からある角度で延在する第2の曲面を含み、前記第2のスロットが、前記針のシャフトを受容するように構成されている、第2のスロットと、を備え、
前記針の前記先端が前記第1のスロットの前記遠位端内に挿入されるとき、前記スロットが、前記第1の曲面に沿って前記針の前記先端の曲げを可能にし、
前記針の前記シャフトが前記第2のスロット内に挿入されるとき、前記第2のスロットが、前記第2の曲面に沿って前記シャフトの曲げを可能にする、曲げツール。
【請求項20】
前記第1のスロットが、前記針の前記先端内に配設された1つ以上のインプラントおよび/または縫合糸のためのクリアランスを提供するように構成されたリリーフチャネルを含む、請求項19に記載の曲げツール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、曲げツールに関し、より具体的には、外科用針を曲げるための曲げツールに関する。
【背景技術】
【0002】
カニューレ挿入針がハンドルに取り付けられた保護鞘内に摺動可能に装着されている、外科用デバイスが開発されている。1つ以上のアンカーが、針内に配設されて、軟部組織の創傷または裂傷を閉じるために針の遠位端から排出され得る。直線針および湾曲針の両方が当該技術分野で既知であるが、いくつかの場合、現在利用可能であるものを越えて針をユーザが曲げる必要性が存在する。例えば、針の遠位端における増加した曲げは、半月板の1/3領域の後方の裂傷へのより良好なアクセスを付与し得るが、一方、針の近位部分の曲げは、脛骨プラトーの顆間隆起の周りの操作を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの外科用針は、可撓性遠位端、および針を所定の方向に曲げるための手段が提供されている。しかしながら、そのような外科用針は、過度に高価で複雑であることが見出されている。柔軟性ではない外科用針では、ユーザは、手によって、または鉗子を使用して「適応外に」針を曲げる場合があり得、これは、ユーザを危険にさらすのみならず、使用を越えて針を損傷するリスクもある。例えば、適応外の曲げは、針にキンクを生じさせるか、または針先端を破砕し得、針内に挿入されるアンカーの配備を妨げ得る。
【0004】
本明細書では、針の曲げを可能にしつつ、針の最大曲げ角度および曲げ半径を制限および制御する、単一患者使用の使い捨てツールが説明される。ツールは、針に予め設置されてもよく、または別個の部品として提供されてもよい。ツールは、鞘内に摺動可能に配設された針を曲げるための所定の曲げ半径を有する曲面上面を有する、モールド成形された一片の本体を備える。曲面の遠位端は、針先端の挿入のためのスロットを有するが、一方、曲面の近位端は、鞘を摺動可能に受容するためのガイド部材を有する。2つの指ループまたは同様の人間工学的特徴は、ユーザが、曲げツールを鞘に対して回転させて、所定の曲げ半径を中心に針を曲げることを可能にする。曲げが完了した後、ツールは、針から取り外されて廃棄される。
【0005】
本開示の曲げツールの例は、好適な任意の組み合わせで、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0006】
例では、本開示の曲げツールは、近位端と遠位端との間に延在する曲面を有する本体を含む。ツールはまた、針の先端を受容するための、曲面の遠位端にあるスロットを含む。ツールはまた、ガイド部分であって、そこを通る針の鞘を受容するための、ガイド部分を含む。針の先端がスロット内に挿入されるとき、ガイド部分は、本体が針のシャフトに向かって回転するとき、本体の曲面に沿って針のシャフトの曲げを可能にする。
【0007】
さらなる例では、本体は、単一片としてモールド成形される。例では、本体は、針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限するための曲面に隣接する角度リミッタを含む。例では、曲面は、所定の曲げ半径または曲げ角度を有する。例では、本体は、曲面の所定の曲げ半径または曲げ角度を示すためのマーキングを含む。例では、本体は、テクスチャ付き把持表面を備える。例では、本体の曲面の幅が、鞘の幅と実質的に等しいように選択されている。例では、本体は、射出成形プラスチックから作製される。例では、ツールは、針の先端に予め組み立てられる。例では、針は、カニューレ挿入針である。例では、ガイド部分は、針の直視のための窓をさらに含む。例では、ガイド部分は、曲面を含む。針の先端がスロット内に挿入されるとき、ガイド部分は、本体が針のシャフトから離れるように回転するとき、ガイド部分の曲面に沿って針のシャフトの曲げをさらに可能にする。
【0008】
例では、本開示の針を曲げる方法は、針の先端を曲げツールのスロット内に挿入することを含む。曲げツールは、近位端と遠位端との間に延在する曲面を有する本体を含む。スロットは、曲面の遠位端に位置する。ツールはまた、ガイド部分であって、そこを通る針の鞘を受容するための、ガイド部分を含む。方法は、針のシャフトが本体の曲面に沿って曲げられるように、本体を針のシャフトに向かって回転させることをさらに含む。さらなる例では、針は、カニューレ挿入針である。例では、方法は、曲面に隣接する角度リミッタを用いて針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限することをさらに含む。例では、方法は、針のシャフトを曲げた後にツールを廃棄することをさらに含む。
【0009】
例では、本開示の曲げツールは、近位端、遠位端、およびその間に延在する長手方向軸を有する、本体を含む。本体は、長手方向軸に対して横方向に本体を通って延在するスロットを有する。スロットは、針のシャフトを受容するように構成されている。スロットは、長手方向軸からある角度で延在する少なくとも1つの曲面を含む。針のシャフトがスロット内に挿入されるとき、ツールは、曲面に沿ってシャフトの曲げを可能にする。例では、スロットは、針がスロットに挿入されるときに、針のシャフト上に3つの接触点を提供するように構成されている。
【0010】
例では、本開示の曲げツールは、近位端、遠位端、およびその間に延在する長手方向軸を有する、本体を含む。第1のスロットは、長手方向軸に沿って本体を通って延在する。第1のスロットの近位端は、長手方向軸からある角度で延在する第1の曲面を有する。第1のスロットの遠位端は、針の先端を受容するように構成されている。第2のスロットは、長手方向軸に対して横方向に本体を通って延在する。第2のスロットは、長手方向軸からある角度で延在する第2の曲面を含む。第2のスロットは、針のシャフトを受容するように構成されている。針の先端が第1のスロットの遠位端内に挿入されるとき、スロットが、第1の曲面に沿って針の先端の曲げを可能にする。針のシャフトが第2のスロット内に挿入されるとき、第2のスロットが、第2の曲面に沿ってシャフトの曲げを可能にする。例では、第1のスロットが、針の先端内に配設された1つ以上のインプラントおよび/または縫合糸のためのクリアランスを提供するように構成されたリリーフチャネルを含む。
【0011】
これらおよびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および関連する図面のレビューから明らかであろう。前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、共に、説明するためのものであり、特許請求の範囲の態様は限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、以下の図に関連して、詳細な説明を参照してより完全に理解されるであろう。
図1A図1Aは、本開示の曲げツールの例の側面図である。
図1B図1Bは、カニューレ挿入針を曲げる際の図1Aの曲げツールの使用を例示する。
図1C図1Cは、カニューレ挿入針を曲げる際の図1Aの曲げツールの使用を例示する。
図1D図1Dは、カニューレ挿入針を曲げる際の図1Aの曲げツールの使用を例示する。
図2A図2Aは、側面図(図2A)および斜視図(図2B)における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図2B図2Bは、側面図(図2A)および斜視図(図2B)における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図2C図2Cは、図2Aおよび2Bの曲げツールの断面図である。
図3A図3Aは、側面図(図3A)および斜視図(図3B)における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図3B図3Bは、側面図(図3A)および斜視図(図3B)における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図4A図4Aは、対向する側面図における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図4B図4Bは、対向する側面図における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図5A図5Aは、様々な図において本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図5B図5Bは、様々な図において本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図5C図5Cは、様々な図において本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図5D図5Dは、様々な図において本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図5E図5Eは、図5A~Dの曲げツールの代替的な例を例示する。
図6A図6Aは、側面図(図6A)および斜視図(図6B)における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図6B図6Bは、側面図(図6A)および斜視図(図6B)における本開示の曲げツールの別の例を例示する。
図7図7は、側面図における本開示の曲げツールの代替的な例を例示する。
図8図8は、本開示の曲げツールと共に使用するための鞘の例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、異なる例で示されているかどうかにかかわらず、同一の構成要素には同一の参照番号が与えられている。明瞭かつ簡潔な方法で例を説明するために、図面は必ずしも縮尺ではない場合があり、ある特定の特徴が何らかの概略的形態で示され得る。一例に関して記述および/または図示された特徴は、1つ以上の他の例、および/または、他の例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに、同一の方法または類似の方法で使用されてもよい。
【0014】
本明細書および請求項において使用される場合、本発明を説明および定義する目的のために、「約」および「実質的に」という用語は、任意の定量的比較、値、測定、またはその他の表現に起因し得る不確実性の固有の程度を表すために使用される。「約」および「実質的に」という用語はまた、本明細書において、問題における主題の基本的機能の変化をもたらすことなく、定量的表現が指定された参照から変化し得る程度を表すのに使用される。「備える」、「含む」、および/またはそれぞれの複数形は非限定であり、列挙された部品を含み、列挙されていないさらなる部品を含み得る。「および/または」は非限定であり、1つ以上の列挙された部品および列挙された部品の組み合わせを含む。用語「上部」、「下部」などの使用は、本開示の明確な説明に役立つことのみを意図するものであり、本開示の構造、位置付け、および/または動作をいかなる様式でも制限することを意図するものではない。
【0015】
ここで図1Aを参照すると、本開示の曲げツール100の例が側面図で示されている。曲げツール100は、カニューレ挿入針の鞘とほぼ等しい幅を有する上部曲面116を含む、実質的に平坦な本体102から構成されている。例では、本体102は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)またはポリカーボネートなどの射出成形プラスチックから作製される。本体102の下部分は、ユーザが曲げツール100を操作することを可能にするために、2つの指ループ114または同様の人間工学的特徴を含む。曲面116は、曲面116の近位端120と遠位端118との間に延在する。曲面116の近位端120にあるガイド部分122は、それを通して針の鞘を受容するように構成されている。曲面116の遠位端118にある保持スロット124は、針の先端を受容するように構成されている。曲げツール100が針に予め組み立てられている例では、スロット124はまた、針先端用の鋭利物安全保護キャップとして機能する。保持スロット124は、指ループ114から離間されて、鋭利な針先端から手を離して位置付けることによって、ユーザリスクを低減させる。曲面116の半径は、以下でさらに説明されるように、針の曲げの程度を制御するための最大の所定の曲げ半径を有するように選択される。本体102はまた、曲げツール100の所定の曲げ半径(例えば、示されるように、1インチ)を示すためのマーカまたは印126を備え得る。角度リミッタ128が、曲面116の下にさらに配設されて、針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。
【0016】
曲げツール100の動作および使用は、ここで、参照により本明細書に組み込まれる、Smith&Nephew,Inc.(Memphis、TN)の米国特許第7,153,312号、同第7,887,551号、同第8,512,375号および同第7,651,509号に記載される針などの、外科用針140の曲げにおいて、図1Bおよび1Cに関して説明されることになる。図1Bは、斜視図における曲げツール100の使用を例示し、一方、図1Cは、断面図における曲げツール100の使用を例示する。例では、曲げツール100は、針140の鋭利な傾斜端144がスロット124内に配置され、鞘142がガイド部分122を通って延在するように、針140に予め取り付けられている。針140が鞘142の長手方向軸Lに対してある角度で配向されることが望まれる、修復部位へのアクセスをユーザが望んでいると仮定する。したがって、針140のシャフト146に曲げを配置することが望ましい。これは、ユーザが一方の手で針140のハンドル(図示せず)を保持し、他方の手で曲げツール100の指ループ114を把持することによって達成され得る。
【0017】
図1Dに示されるように、針140を静止位置に保持しながら、曲げツール100は、針140のシャフト146に向かう方向に回転させられ得る。ガイド部分122は、針140のシャフト146が曲面116に沿って曲がるように、鞘142が曲面116に向かって移動することを可能にするように構成されている。ユーザは、所望の量の曲げが針140のシャフト146内に配置されるまで、曲げツール100を回転させ続ける。鞘142が薄いプラスチックで作製される例では、鞘142は、針140が所望の形状に曲げられるにつれて針140と共に屈曲し得る。角度リミッタ128は、針140の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。シャフト146の曲げは、曲面116によって決定される所定の曲げ半径を有し、それによって、過度の応力が針140にかからないことを確保する。曲面116に所定の曲げ半径を提供することによって、所定の制限内で針140のシャフト146を曲げることが可能であるが、一方、同時に針140の崩壊もしくはねじれ、または針先端144の破砕を防止する。所望の量の曲げが針140のシャフト146に配置された後、曲げツール100が、針140から取り外されて廃棄され得る。次いで、針140は、使用準備が整う。
【0018】
ここで図2Aおよび2Bを参照すると、本開示の曲げツール200の別の例が、それぞれ、側面図および斜視図で示されている。曲げツール200は、以下に説明される場合を除いて、曲げツール100と実質的に同様である。曲げツールは、カニューレ挿入針240の鞘242と実質的に等しい幅を有する第1の曲面216(図2B)を含む、実質的に平坦な本体202から構成されている。例では、本体202は、本体202を把持することを支援するために、ワッフルパターン(図示)などのテクスチャ付き表面204を含み得る。本体202はまた、針240の所定の曲げ角度(曲げツール100の所定の曲げ半径とは対照的に)を示すためのマーカまたは印226を備え得る。第1の曲面216は、第1の曲面216の近位端220と遠位端218との間に延在し、インプラント/縫合糸のクリアランスのための曲率の緩和を含む。角度リミッタ228が、第1の曲面216の下にさらに配設されて、針240の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。ガイド部分222が、そこを通る針240の鞘242を受容するために構成されている。ガイド部分222は、ガイド部分222を通る針240を直視するための窓209を含む。
【0019】
図2Cに示されるように、ガイド部分222はまた、本体202の第1の曲面216から離れて延在する第2の曲面208を含む。第1の曲面216の遠位端218にある、ガイド部分222内の保持スロット224は、針240の先端244を受容するように構成されている。先端244がスロット224内に挿入されるとき、ガイド部分222の近位端にある開口部206は、所望に応じて、針240のシャフト246が、針240のシャフト246に向かって本体202を回転させることによって第1の曲面216に沿って、または針240のシャフト246から離れるように本体202を回転させることによって第2の曲面208に沿って、曲がることを可能にするように構成されている。
【0020】
ここで図3Aおよび3Bを参照すると、本開示の曲げツール300の別の例が、それぞれ、側面図および断面図で示されている。曲げツール300は、以下に説明される場合を除いて、曲げツール200と実質的に同様である。曲げツール300は、第1の曲面316および第2の曲面308を含む実質的に平坦な本体302から構成されている。例では、本体302は、本体302を把持することを支援するために、ワッフルパターン(図示)などのテクスチャ付き表面304を含み得る。本体302はまた、針340の所定の曲げ角度を示すためのマーカまたは印326を備え得る。本体302の近位端320にある開口部306は、それを通して針340の鞘342を受容するように構成されている。曲面308、316の遠位端318にある、本体302内の保持スロット324は、針340の先端344を受容するように構成されている。本体302は、保持スロット324内の針340の直視のための窓309を画定し得る。先端344がスロット324内に挿入されるとき、開口部306は、所望に応じて、針340のシャフト346が、針340のシャフト346に向かって本体302を回転させることによって第1の曲面316に沿って、または針340のシャフト346から離れるように本体302を回転させることによって第2の曲面308に沿って、曲がることを可能にする。
【0021】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、本開示の曲げツール400の別の例が、対向する側面図で示されている。曲げツール400は、以下に説明される場合を除いて、曲げツール300と実質的に同様である。しかしながら、曲げツール400は、有利には、針のシャフトの近位曲げ、および針の先端の遠位曲げを可能にするように構成されている。図4Aおよび4Bに示されるように、曲げツール400は、第1の曲面416および第2の曲面408を含む実質的に平坦な本体402から構成されている。例では、本体402は、本体402を把持することを支援するために、テクスチャ付き表面404を含み得る。本体402はまた、針(図示せず)の所定の曲げ角度を示すためのマーカまたは印426を備え得る。本体402内の第1の保持スロット424は、本体402の長手方向軸Aに沿って延在し、針の先端を曲げるように構成されている。例では、本体402は、第1の保持スロット424の針の直視のための窓409を画定し得る。本体402は、針のシャフトを受容するように構成された、長手方向軸Aに対して横方向に本体402を通って延在する第2の保持スロット448をさらに備える。例では、第2の保持スロット448は、示されるように、本体402の遠位端421を通って延在する。
【0022】
依然として図4Aおよび4Bを参照すると、第2の保持スロット448は、長手方向軸Aからある角度で延在する少なくとも第3の曲面450を含む。角度リミッタ456は、第3の曲面450の外側端にさらに配設されて、針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。針のシャフトが第2の保持スロット448内に挿入されるとき、ツール400は、本体402を針に向かっていずれかの方向に回転させることによって、曲面450に沿ったシャフトの曲げを可能にする。特に、例では、本体402は、針上に3つの接触点452a、b、cを提供するように構成されている。接触点452a、bは、第2の保持スロット448の遠位側上に提供され、接触点452cは、第2の保持スロット448の近位側上に提供される。しかしながら、3つより多いか、または少ない接点が、本開示によって意図されている。曲げが開始されると、ユーザの手は、曲げの方向に応じて、接触点452aまたは452bになる。ユーザの好みまで曲げを完了した後、ツール400は、取り外されて、廃棄される。
【0023】
ここで図5Aを参照すると、本開示の曲げツール500の別の例が、側面図に示されている。曲げツール500は、以下に説明される場合を除いて、曲げツール400と実質的に同様である。曲げツール500は、有利には、針540のシャフト546の近位曲げ、および針540の先端544の遠位曲げを可能にするように構成されている。図5Bに示されるように、曲げツール500は、第1の曲面516を含む実質的に平坦な本体502から構成されている。例では、本体502は、本体502を把持することを支援するために、ワッフルパターンなどのテクスチャ付き表面504を含み得る。本体502の近位端520にある開口部506は、針540の鞘542を受容するように構成されている。第1の保持スロット524は、第1の曲面516の遠位端518で本体502の長手方向軸Aに沿って延在する。第1の保持スロット524は、本体502の第1の側面502aと第2の側面502bとの間に実質的に等距離に位置し、針540の先端544を受容するように構成されている。例では、本体502は、第1の保持スロット524内の針を直視するための窓509を画定し得る。先端544がスロット524内に挿入されるとき、開口部506は、針540のシャフト546が、針540のシャフト546に向かって本体502を回転させることによって、第1の曲面516に沿って曲がることを可能にする。角度リミッタ528が、第1の曲面516の下にさらに配設されて、針540の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。
【0024】
図5Cに示されるように、第1の保持スロット524はまた、針の先端544(図示せず)内に配設された任意のインプラントおよび/またはそれに取り付けられた任意の縫合糸のためのクリアランスを提供する、リリーフチャネル554を含み得、その結果、インプラントおよび/または縫合糸は、針の先端の曲げ中に生じる応力を受けないことになる。窓509はまた、針の曲げ中に第1の保持スロット524から針が不注意に滑り出し、針刺しの危険を潜在的に生じることを防止するために、1つ以上のブリッジ特徴560を備え得る。ブリッジ特徴560はまた、窓509のための構造的支持を提供する。
【0025】
ここで図5Dを参照すると、本体502は、長手方向軸Aに対して横方向に本体502を通って延在する第2の保持スロット548をさらに備える。第2の保持スロット548は、針540のシャフト542を受容するように構成されている。例では、第2の保持スロット548は、示されるように、本体502の遠位端521を通って延在する。第2の保持スロット548は、長手方向軸Aからある角度で延在する少なくとも第2の曲面550を含む。角度リミッタ556は、第2の曲面550の外側端にさらに配設されて、針540の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。針540の鞘542が第2の保持スロット548内に挿入されるとき、ツール500は、本体502を針540に向かっていずれかの方向に回転させることによって、第2の曲面550に沿った針540のシャフトの曲げを可能にする。特に、例では、本体502は、針540上に3つの接触点552a、b、cを提供するように構成されている。接触点552a、bは、第2の保持スロット548の遠位側上に提供され、接触点552cは、第2の保持スロット548の近位側上に提供される。しかしながら、3つより多いか、または少ない接点が、本開示によって意図されている。曲げが開始されると、ユーザの手は、曲げの方向に応じて、接触点552aまたは552bになる。ユーザの好みまで曲げを完了した後、ツール500は、取り外されて、廃棄される。
【0026】
曲げツール500’の代替的な例が、図5Eに示されている。曲げツール500の本体502と同様に、本体502’は、本体502’を通って延在する第2の保持スロット548’と、第2の曲面550’と、を含む。しかしながら、曲げツール500’では、第2の曲面550’は、第2の曲面550’の端に角度リミッタを含まない。したがって、曲げツール500’は、曲げ半径を制御するが、針が第2の曲面550’に沿って曲げられるとき、針の曲げ角度を制限しない。また、本開示によって、曲げツールが、針の曲げ角度を制御し、針の曲げ半径を制御しなくてもよいことも意図されている。
【0027】
ここで図6Aおよび6Bを参照すると、本開示の曲げツール600の別の例が、側面図(図6A)および斜視図(図6B)で示されている。曲げツール600は、以下に説明される場合を除いて、曲げツール500と実質的に同様である。曲げツール600は、針のシャフトの近位曲げ、および針の先端の遠位曲げを可能にするように構成されている。曲げツール600は、第1の曲面616を含む実質的に平坦な本体602から構成されている。例では、本体602は、本体602を把持することを支援するために、ワッフルパターンなどのテクスチャ付き表面604を含み得る。本体602の近位端620にある開口部606は、針の鞘を受容するように構成されている。第1の保持スロット624は、第1の曲面616の遠位端618で本体602の長手方向軸Aに沿って延在する。第1の保持スロット624は、本体602の第2の側面602bよりも第1の側面602aの近くに位置し、針の先端を受容するように構成されている。例では、本体602は、第1の保持スロット624内の針を直視するための窓609を画定し得る。針の先端がスロット624内に挿入されるとき、開口部606は、針のシャフトが、針のシャフトに向かって本体602を回転させることによって、第1の曲面616に沿って曲がることを可能にする。角度リミッタ628が、第1の曲面616の下にさらに配設されて、針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。
【0028】
依然として図6Aおよび6Bを参照すると、本体602は、長手方向軸Aに対して横方向に本体602を通って延在する第2の保持スロット648をさらに備える。第2の保持スロット648は、針のシャフトを受容するように構成されている。例では、第2の保持スロット648は、示されるように、本体602の遠位端621を通って延在する。第2の保持スロット648は、長手方向軸Aからある角度で延在する少なくとも第2の曲面650を含む。角度リミッタ656は、第2の曲面650の外側端にさらに配設されて、針の最大曲げ角度または曲げ半径を制限する。針の鞘が第2の保持スロット648内に挿入されるとき、ツール600は、本体602を針640に向かっていずれかの方向に回転させることによって、第2の曲面650に沿った針のシャフトの曲げを可能にする。例では、本体602は、針上に3つの接触点652a、b、cを提供するように構成されている。接触点652a、bは、第2の保持スロット648の遠位側上に提供され、接触点652cは、第2の保持スロット648の近位側上に提供される。しかしながら、3つより多いか、または少ない接点が、本開示によって意図されている。曲げが開始されると、ユーザの手は、曲げの方向に応じて、接触点652aまたは652bになる。例では、本体602の遠位端621はまた、3つの接触点652a、b、cが、「曲げなし」ゾーンを示すために、針上の対応するマーク(図示せず)と一列に並び、印刷された矢印662を含み、それによって、針の最も弱い点における曲げを最小化する。ユーザの好みまで曲げを完了した後、ツール600は、取り外されて、廃棄される。
【0029】
ここで図7を参照すると、本開示の曲げツール700の別の例が示されている。曲げツール700では、本体702は、針の先端(図示せず)の遠位曲げのための、本体702の一端にある第1の曲面716と、針のシャフトの近位曲げのための、本体702の反対側の端にある第2の曲面750と、を含む。シャフトが曲面740に沿って曲げられるとき、ツール700は、針上に1つの接触点752aのみを提供し得る。
【0030】
ここで図8を参照すると、本開示の鞘842の例が示されている。鞘842は、針(図示せず)の上で摺動し、鞘842の壁に切断された複数のスロットまたはノッチ858を介して針の曲げ角度および曲げ半径を制御するように構成されている。より近接した設定のノッチ858(端842aに示される)は、針のより緊密な曲げ角度および曲げ半径を可能にするが、一方、より広い設定のノッチ858(端842bに示される)は、針のより緩やかな曲げ角度および曲げ半径を可能にする。
【0031】
他の例では、図示しないが、曲げツールは、複数の曲げ半径を可能にするように設計され得る。曲げツールが多片設計であり得るか、またはカニューレ非挿入針を含む、他の器具を曲げるために使用され得ることが、本開示によってさらに意図される。例では、曲げツールは、針シャフトの近位曲げおよび針先端の遠位曲げの両方に使用され得る単一の特徴を有し得る。他の例では、曲げツールは、針に曲げを生じさせるための可動部品を備え得る。さらなる例では、曲げツールは、再使用可能であり得る。
【0032】
当業者は、本開示が、その概念または本質的な特徴から逸脱せずに、他の特定の形態で具現化され得ることを理解するであろう。それゆえに、上記の例は、本明細書に説明される開示の制限ではなく、全ての点において例示的に考慮されるべきである。したがって、本開示の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示されており、それゆえに、特許請求の範囲の意味および等価性の範囲内にある全ての変更がその中に包含されることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】