(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】情報の暗号化のための新しい擬似乱数生成方法
(51)【国際特許分類】
H04L 9/08 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
H04L9/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577847
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2020066628
(87)【国際公開番号】W WO2021001147
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ザイデマン,ロタール
(72)【発明者】
【氏名】ペテルゼン,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】フリーメルト,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ピカード,オリファー
(72)【発明者】
【氏名】イェリヒ,ホルガー カイ ペーター
(57)【要約】
データ(142)を暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法、少なくとも2個の通信システム(136、138)間のデータ伝送方法、データ(142)を暗号化する方法、および暗号化されたデータ(144)を復号化する方法が開示される。暗号化鍵生成デバイス(110)、システム(134)、データ暗号化システム(148)、およびデータ復号化システム(150)がさらに開示される。具体的には安全でないチャネルを介したデータ伝送のためのデータ(142)を暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法は、i.混成デバイス(112)を使用することによって、少なくとも1個の混成情報項目に従って少なくとも2種の材料(114)を混成し、それによって少なくとも1個の混成物(120)を生成することと、ii.少なくとも1個の検出器(126)を使用することによって、混成物(120)の少なくとも1個の材料特性(124)を検出することと、iii.少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性(124)に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイス(132)を使用することによって、材料特性(124)を暗号化鍵(130)に変換することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具体的には安全でないチャネルを介したデータ伝送のためのデータ(142)を暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法であって、
i.混成デバイス(112)を使用することによって、少なくとも1個の混成情報項目に従って少なくとも2種の材料(114)を混成し、それによって少なくとも1個の混成物(120)を生成することと、
ii.少なくとも1個の検出器(126)を使用することによって、前記混成物(120)の少なくとも1個の材料特性(124)を検出することと、
iii.少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性(124)に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイス(132)を使用することによって、前記材料特性(124)を前記暗号化鍵(130)に変換することとを含む方法。
【請求項2】
工程iii.が、完全または部分的にコンピュータ実施式に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データ(142)が、デジタルデータ、2進データ、誤り補正データ、ペイロードデータ、および制御データのうちの1個または複数を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記データ(142)がデータパッケージに細分される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1個の混成情報項目がn個の混成変数を含み、nが正の整数であり、工程ii.で、前記混成物(120)のm個の材料特性(124)が検出され、mが正の整数である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2種の材料(114)が、
- 粉末、具体的には
○ 無機粉末、具体的には鉱物から作られた無機粉末、
○ 有機粉末、具体的には高分子から作られた有機粉末、
○ 顔料からなる群から選択される粉末、
- 液体、具体的には純粋な液体、懸濁液、乳濁液、または溶液からなる群から選択される液体、より具体的には液体染料およびインクのうちの1種または複数からなる群から選択される少なくとも2種の材料(114)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1個の混成情報項目が、混成されるべき前記少なくとも2種の材料に対する数量、混成されるべき前記少なくとも2種の材料に対する重量、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の体積、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の混成体積比、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の混成重量比、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の2個以上の連続または非連続ストリームを混合するための混合命令のうちの少なくとも1個を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記基材が、前記混成物を受け取るための受取り面を有するドラム、具体的には前記混成物が一時的に静電によって固定されたドラムを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ドラムが回転ドラムであり、前記方法が、少なくとも1回の洗浄工程をさらに含み、前記少なくとも1回の洗浄工程では、前記少なくとも1個の材料特性を検出した後、前記ドラムの前記受取り面から前記混成物が除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1個の材料特性(124)が、前記混成物(120)の物理特性および前記混成物(120)の化学特性のうちの少なくとも1個を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記材料特性(124)を前記暗号化鍵(130)に変換することが、前記少なくとも1個の材料特性(124)を少なくとも1回の試験にかけることを含み、前記暗号化鍵(130)が、前記試験の結果に従って生成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
具体的には安全でないチャネルを介したデータ伝送のための少なくとも2個の通信システム(136、138)間のデータ伝送方法であって、
I.前記通信システム(136、138)のうちの少なくとも1個に伝送システム(141)の役割を割り当てることと、
II.前記通信システム(136、138)のうちの少なくとも別の1個に受信システム(145)の役割を割り当てることと、
III.前記伝送システム(141)および前記受信システム(145)の両方に少なくとも1個の混成情報項目を提供することと、
IV.前記伝送システム(141)によって、前記少なくとも1個の混成情報項目、および少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成することと、
V.前記伝送システム(141)によって、前記暗号化鍵(130)を使用することによって、伝送されるべき前記データ(142)を暗号化し、それによって暗号化されたデータ(144)を生成することと、
VI.前記伝送システム(141)によって、前記暗号化されたデータ(144)を前記受信システム(145)へ伝送することと、
VII.前記受信システム(145)によって、前記暗号化されたデータ(144)を受信することと、
VIII.前記受信システム(145)によって、前記少なくとも1個の混成情報項目、および少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、前記少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成することと、
IX.前記受信システム(145)によって、前記暗号化鍵(130)を使用することによって、前記暗号化されたデータ(144)を復号化することとを含む方法。
【請求項13】
前記方法が反復して実行され、前記反復において、前記伝送システム(141)および前記受信システム(145)の役割が再び割り当てられる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記反復のうちの少なくとも1回において、工程III.で、少なくとも1回の後の反復のために、少なくとも1個の混成情報項目が提供される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
データ(142)を暗号化する方法であって、
a.暗号化鍵(130)を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成することと、
b.前記暗号化鍵(130)を使用することによって、前記データ(142)を暗号化し、それによって暗号化されたデータ(144)を生成することとを含む方法。
【請求項16】
暗号化されたデータ(144)を復号化する方法であって、
A.暗号化鍵(130)を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の鍵(130)を生成することと、
B.前記暗号化鍵(130)を使用することによって、前記暗号化されたデータ(144)を復号化し、それによって復号化されたデータ(152)を生成することとを含む方法。
【請求項17】
データ(142)を暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する暗号化鍵生成デバイス(110)であって、
- 少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも2種の材料(114)を混成し、それによって少なくとも1個の混成物(120)を生成するための少なくとも1個の混成デバイス(112)と、
- 前記混成物(120)の少なくとも1個の材料特性(124)を検出するように構成され、少なくとも1個の検出器(126)を有する少なくとも1個の検出デバイス(122)と、
- 前記材料特性(124)を前記暗号化鍵(130)に変換するように構成され、少なくとも1個の変換アルゴリズムを前記材料特性(124)に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイス(132)を有する少なくとも1個の変換デバイス(128)とを備える暗号化鍵生成デバイス(110)。
【請求項18】
前記暗号化鍵生成デバイス(110)が、少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1個の暗号化鍵(130)を生成する方法を実行するように構成される、請求項17に記載の前記暗号化鍵生成デバイス(110)。
【請求項19】
暗号化鍵生成デバイスを参照する請求項17または18に記載の前記暗号化鍵生成デバイス内で混成デバイスとして使用されるように構成されたプリンタであって、前記少なくとも1個の混成情報項目を受信し、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載のデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程i.を実行するように構成されるプリンタ。
【請求項20】
前記プリンタが、イメージドラムなどのドラム、レーザ、少なくとも1個の鏡、たとえば回転可能な鏡を備えるレンズシステムなどのレンズシステム、洗浄、たとえば前記ドラムを洗浄するためのロール、スクレーパ、または類似の手段などの洗浄要素、紙カセットなど、たとえば前記基材のうちの1個または複数を貯蔵するためのカセット、たとえば前記基材、具体的には前記紙を前記プリンタ内へ供給し、前記プリンタ内で伝達し、かつ/または前記プリンタから排出するためのローラおよび/またはコンベアなどの少なくとも1個の輸送要素、前記プリンタを制御するように構成されたプリンタ制御ユニットのうちの1個または複数を備える、請求項19に記載のプリンタ。
【請求項21】
前記プリンタが、前記少なくとも1個の混成情報項目に従って、前記混成物を受け取るための基材などの少なくとも1個の基材上へ前記少なくとも2種の材料を混成するように構成される、プリンタを参照する請求項19または20に記載のプリンタ。
【請求項22】
前記基材が、少なくとも1個のキャリア媒体である、請求項21に記載のプリンタ。
【請求項23】
前記プリンタが、前記基材、たとえば前記キャリア媒体をさらに備え、前記基材が、洗浄可能な表面を有する媒体などの再利用可能なキャリア媒体、たとえば前記プリンタのドラム、たとえば回転ドラムである、請求項21または22に記載のプリンタ。
【請求項24】
前記プリンタが、少なくとも1個のパターン、具体的には少なくとも1個の干渉パターンが生成されるように、前記少なくとも2種の材料を混成するように構成される、請求項21から23のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項25】
前記プリンタによって混成されるべき前記少なくとも2種の材料が、異なる材料、具体的には少なくとも1個の特性に関して異なる材料である、プリンタを参照する請求項21から24のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項26】
前記プリンタによって混成されるべき前記少なくとも2種の材料のうちの少なくとも1種が、無機粉末、有機粉末、または顔料などの粉末を含む、請求項21から25のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項27】
前記プリンタによって混成されるべき前記少なくとも2種の材料のうちの少なくとも1種が、純粋な液体、懸濁液、乳濁液、または溶液などの液体を含む、請求項21から26のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項28】
前記プリンタが前記少なくとも2種の材料を混成するように構成された前記少なくとも1個の混成情報項目が、混成されるべき前記少なくとも2種の材料に対する数量、混成されるべき前記少なくとも2種の材料に対する重量、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の体積、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の混成体積比、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の混成重量比、混成されるべき前記少なくとも2種の材料の2個以上の連続または非連続ストリームを混合するための混合命令、異なる傾斜のラスタイメージ、たとえば前記プリンタのラスタイメージプロセッサ(RIP)によって生成されるラスタイメージを使用して、混成されるべき前記少なくとも2種の材料を混成するための傾斜情報など、混成されるべき前記少なくとも2種の材料を混成するための印刷命令のうちの少なくとも1個を含む、プリンタを参照する請求項19から27のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項29】
前記プリンタが、前記プリンタの少なくとも1個の印刷動作を制御するように構成された少なくとも1個のプロセッサをさらに備える、プリンタを参照する請求項19から28のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項30】
前記プリンタが、混成されるべき前記少なくとも2種の材料に対する少なくとも2個のリザーバを備える、プリンタを参照する請求項19から29のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項31】
前記プリンタが、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、静電プリンタ、たとえば液体インク静電プリンタからなる群から選択される、プリンタを参照する請求項19から30のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項32】
前記プリンタが、少なくとも1個の光学スキャナなどの少なくとも1個の走査デバイスをさらに備える、プリンタを参照する請求項19から31のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項33】
暗号化鍵生成デバイスを参照する請求項17または18に記載の前記暗号化鍵生成デバイス内で検出デバイスとして使用されるように構成された走査デバイスであって、前記走査デバイスが、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載のデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程ii.を実行するように構成される、走査デバイス。
【請求項34】
前記走査デバイスが、具体的には前記混成物の前記少なくとも1個の材料特性を検出するとき、前記材料特性に関する少なくとも1個の測定情報項目を生成するように構成される、請求項33に記載の走査デバイス。
【請求項35】
前記走査デバイスが、前記暗号化鍵生成デバイス内で変換デバイスとして使用されるようにさらに構成され、前記走査デバイスが、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する請求項1から11のいずれか一項に記載のデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程iii.を実行するように構成される、走査デバイスを参照する請求項33または34に記載の走査デバイス。
【請求項36】
前記走査デバイスが、前記少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験、具体的には少なくとも1回の所定の試験にかけるように構成され、前記暗号化鍵が、具体的には前記材料特性を前記暗号化鍵に変換するとき、前記試験の結果に従って生成される、請求項35に記載の走査デバイス。
【請求項37】
前記走査デバイスが、具体的には前記材料特性を前記暗号化鍵に変換するとき、前記少なくとも1個の材料特性を少なくとも1個の閾値と比較し、前記比較の結果に従って数を割り当てるように構成される、請求項35または36に記載の走査デバイス。
【請求項38】
前記走査デバイスが、前記プリンタ、具体的にはプリンタを参照する請求項19から32のいずれか一項に記載のプリンタが前記少なくとも2種の材料を混成した前記基材、たとえば前記キャリア媒体を走査し、具体的には光学的に走査することによって、前記方法の工程ii.および/またはiii.を実行するように構成される、請求項35から37のいずれか一項に記載の走査デバイス。
【請求項39】
前記走査デバイスが、少なくとも1個の光検出システムを備え、前記少なくとも1個の光検出システムが、具体的には、光検出器、イメージセンサ、たとえば光電子増倍管(PMT)、たとえば入射する光子を電気信号に変換する真空管、シリコン光電子増倍管(SiPM)、たとえば入射する光子を電気信号に変換する固体状態デバイスのうちの1個または複数を備える、請求項38に記載の走査デバイス。
【請求項40】
前記走査デバイスが、前記走査デバイスの少なくとも1回の走査動作を制御するように構成された少なくとも1個のプロセッサをさらに備える、走査デバイスを参照する請求項33から39のいずれか一項に記載の走査デバイス。
【請求項41】
前記走査デバイスが、プリンタを参照する請求項19から32のいずれか一項に記載のプリンタを補完して使用されるように構成され、具体的には、前記走査デバイスおよび前記プリンタがともに、前記暗号化鍵生成デバイスとして使用されるように構成される、走査デバイスを参照する請求項33から40のいずれか一項に記載の走査デバイス。
【請求項42】
少なくとも1個の第1の通信システム(136)、少なくとも1個の第2の通信システム(138)を備えるシステム(134)であって、少なくとも2個の通信システム(136、138)間のデータ伝送方法を参照する請求項12から14のいずれか一項に記載の少なくとも2個の通信システム(136、138)間のデータ伝送方法を実行するように構成されたシステム(134)。
【請求項43】
前記通信システム(136、138)のうちの少なくとも1個が、暗号化されたデータ(144)を伝送するための少なくとも1個のデータ伝送システム(141)を備え、前記通信システム(136、138)のうちの少なくとも別の1個が、暗号化されたデータ(144)を受信するための少なくとも1個のデータ受信システム(145)を備える、請求項42に記載のシステム(134)。
【請求項44】
前記通信システム(136、138)の各々が、暗号化鍵生成デバイス(110)を参照する請求項17または18に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイス(110)を備える、請求項42または43に記載のシステム。
【請求項45】
データ暗号化システム(148)であって、
- 暗号化鍵生成デバイス(110)を参照する請求項17または18に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイス(110)と、
- 前記暗号化鍵(130)を使用することによって前記データ(142)を暗号化し、それによって暗号化されたデータ(144)を生成するように構成された少なくとも1個の暗号化デバイス(140)とを備えるシステム。
【請求項46】
データ復号化システム(150)であって、
- 暗号化鍵生成デバイス(110)を参照する請求項17または18に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイス(110)と、
- 前記暗号化鍵(130)を使用することによって、前記データ(144)を復号化し、それによって復号化されたデータ(152)を生成するように構成された少なくとも1個の復号化デバイス(146)とを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法、少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法、データを暗号化する方法、データを復号化する方法、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する暗号化鍵生成デバイス、第1および第2の通信システムを備えるシステム、データ暗号化システム、ならびにデータ復号化システムに関する。本発明による方法、デバイス、およびシステムは、具体的には、たとえばインターネットまたは無線通信のような安全でないチャネルを介したデータ伝送など、少なくとも1個の安全でないチャネルを介した安全な通信のために使用することができる。さらに、本発明の方法およびデバイスの少なくともいくつかはまた、安全なデータ記憶の目的などのために、データ暗号化の分野で使用することができる。したがって、暗号化されたデータはまた、インターネットなどの少なくとも1個の安全でないチャネルを介してアクセス可能な1個または複数のデータ記憶デバイスなどに記憶することができる。他の応用例も可能である。
【背景技術】
【0002】
多くの応用例では、情報または情報を表すデータは、公的にアクセス可能な通信ネットワーク、クラウドなど、安全でない環境内で伝送または記憶されなければならない。データが許可された人物または実体のみにアクセス可能であることを確実にするために、様々な暗号方法が開発されてきた。そこで、メッセージまたは他の情報を表すデータなどのデータは、概して、許可された人だけがそのデータにアクセスすることができ、許可されていない人はアクセスすることができないように、または少なくとも著しい困難もしくは技術的な労力を伴わなければアクセスすることができないように符号化される。典型的に、データは、少なくとも1個の暗号化鍵を使用する少なくとも1個の暗号化アルゴリズムを使用することによって暗号化され、平文とも呼ばれるこのデータは、概して、暗号文とも呼ばれる暗号化されたデータに変換される。暗号化されたデータまたは暗号文を復号化し、元のデータまたは平文を取り出すには、復号化アルゴリズムが使用され、復号化アルゴリズムもまた、典型的に、1個または複数の暗号化鍵を適用する。そこで、復号化に使用される少なくとも1個の暗号化鍵は、暗号化に使用される少なくとも1個の暗号化鍵と同一のものとすることができ、または別法として、暗号化および復号化に対して異なる暗号化鍵を使用することができる。原則的に、暗号化鍵を保有することなくメッセージを復号化することが可能であるが、概して今日使用される暗号化アルゴリズムのほとんどでは、相当な計算資源、技能、および計算時間が必要とされる。しかし、許可された受信者は、典型的に、発信者によって受信者へ提供されるが許可されていないユーザへは提供されない暗号化鍵などの暗号化鍵の使用によって、符号化されたデータ、具体的には符号化されたメッセージを容易に復号化することができる。
【0003】
典型的な暗号方法における1つの技術的な難題は、概して、暗号化プロセスおよび/または復号化プロセスのために少なくとも1個の暗号化鍵を生成することにある。実際的な応用例では、適当な鍵生成アルゴリズムを使用することによって、データを記憶および/または伝送するための満足のいくデータの機密保護を提供する鍵を生成するために、著しい計算の労力が適用されなければならないことがある。さらに、具体的には対称暗号化アルゴリズムでは、具体的には安全でないデータ伝送チャネルを介した暗号化鍵の伝送が依然として難題である。したがって、暗号化鍵が、許可されていない人によってアクセスされることがあり、または許可されていない人によって傍受されて変更されることさえある。したがって、暗号化鍵の生成、データの暗号化および復号化、ならびに暗号化されたデータの簡単かつ安全な伝送のための簡単であるが安全な手段が必要とされている。
【0004】
技術的な難題は、コンピュータ技術の進化によって、また暗号化されたデータを復号化するためにいわゆる「力ずくの手法」が適用される可能性によって、さらに増大している。したがって、コンピュータの能力および資源の利用可能性が増大するにつれて、データを復号化するためのトライアルアンドエラーの手法が可能になる。難題は、近い将来、データ暗号化の任意のアルゴリズム手法を復号化するために、量子計算が利用可能になりうることによって、さらに増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述した技術的な難題に対処する方法およびデバイスを提供することが望ましい。具体的には、データの安全な記憶および/または伝送を確実にしながら、それでもなお省資源で高速な暗号化鍵を生成する方法、ならびに対応するシステムおよびデバイスが提供されるものとする。さらに、具体的には安全でない環境で、かつ/または公的にアクセス可能なデータ伝送チャネルを介して、暗号化鍵を伝送する問題も対処されるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項の特徴を有する、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法、少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法、データを暗号化する方法、データを復号化する方法、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する暗号化鍵生成デバイス、第1および第2の通信システムを備えるシステム、データ暗号化システム、ならびにデータ復号化システムによって対処される。別個にまたは任意の組合せで実現されうる有利な実施形態は、従属請求項に列挙されている。
【0007】
以下で使用するとき、「有する」、「備える」、もしくは「含む」という用語、またはそれらの任意の文法的変形は、非排他的に使用される。したがって、これらの用語は、この文脈で記載される実体内に、これらの用語によって導入される特徴以外のさらなる特徴が存在しない状況も、1個または複数のさらなる特徴が存在する状況も、どちらも指すことができる。一例として、「AがBを有する」、「AがBを備える」、および「AがBを含む」という表現は、A内にB以外の他の要素が存在しない状況(すなわち、Aが単独かつ排他的にBからなる状況)も、実体A内にB以外に要素C、要素CおよびD、またはさらなる要素などの1個または複数のさらなる要素が存在する状況も、どちらも指すことができる。
【0008】
さらに、特徴または要素が1度または2度以上存在しうることを示す「少なくとも1個」、「1個または複数」という用語、または類似の表現は、典型的に、それぞれの特徴または要素を導入するとき、1度のみ使用されることに留意されたい。以下、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を参照するとき、それぞれの特徴または要素が1度または2度以上存在しうるにもかかわらず、「少なくとも1個」または「1個または複数」という表現は繰り返さない。
【0009】
さらに、以下で使用されるとき、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より詳細には」、「具体的には」、「より具体的には」という用語、または類似の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴とともに使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、特許請求の範囲の範囲を何らかの形で制限することを意図したものではない。本発明は、当業者には認識されるように、代替の特徴を使用することによって実行することができる。同様に、「本発明の一実施形態では」または類似の表現によって導入される特徴は、本発明の代替実施形態に関する何らかの制限、本発明の範囲に関する何らかの制限、および本発明の他の任意または任意でない特徴によって導入された特徴を組み合わせる可能性に関する何らかの制限をかけることなく、任意の特徴であることを意図したものである。
【0010】
本発明の第1の態様では、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法が提案される。暗号化鍵は、具体的には、安全でないチャネルを介して伝送されるべきデータの暗号化、および/または安全でないチャネルを介した伝送後のデータの復号化など、安全でないチャネルを介したデータ伝送に使用することができる。この方法は、以下の方法工程を含み、これらの方法工程は、具体的には、所与の順序で実行することができる。それでもなお、異なる順序も可能である。さらに、これらの方法工程のうちの2個以上を完全または部分的に同時に実行することも可能である。さらに、これらの方法工程のうちの1個または複数またはさらにはすべては、1度実行することができ、または1度または複数回繰り返すなどの、繰り返し実行することができる。さらに、この方法は、列挙されていない追加の方法工程を含むこともできる。
【0011】
この方法は、
i.混成デバイスを使用することによって、少なくとも1個の混成情報項目に従って少なくとも2種の材料を混成し、それによって少なくとも1個の混成物を生成する工程と、
ii.少なくとも1個の検出器を使用することによって、混成物の少なくとも1個の材料特性を検出する工程と、
iii.少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイスを使用することによって、材料特性を暗号化鍵に変換する工程とを含む。
【0012】
本明細書では、「生成する」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、物体を提供するプロセスを指すことができ、仮想および/または本当の物体を提供することができる。したがって、一例として、物体は、物品または情報項目とすることができる。生成することは、物体を作製することを示唆することができ、物体は、完全または部分的に作製することができる。物体の作製は、本当の作製プロセスおよび/または1回もしくは複数の仮想の作製工程を示唆することができる。したがって、具体的には物体が仮想の物体、具体的には情報項目を含む場合、物体の作製は、1回または複数の計算工程、具体的にはコンピュータによって実行される1回または複数の工程など、1回または複数の仮想の作製工程を示唆することができる。物体が仮想物体、具体的には情報項目である場合、物体は、一例として、インターフェースを介して、またはデータ記憶デバイス内で、アナログおよび/またはデジタル信号として提供することができる。
【0013】
本明細書では、「データ」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、情報、および/または情報を表す機械可読信号もしくは記号を指すことができる。データは、具体的には、デジタルデータおよびアナログデータの一方もしくは両方とすることができ、またはデジタルデータおよびアナログデータの一方もしくは両方を含むことができる。データは、一例として、少なくとも1個のデータ記憶デバイスを介して記憶および/または提供することができる。
【0014】
本明細書では、「暗号化する」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、暗号化鍵とも呼ばれる少なくとも1個の暗号化手段を使用することによって、許可された人だけがアクセスすることができ、許可されていない人はアクセスすることができないように、メッセージ、情報、またはデータの1個または複数を修正するプロセスを指すことができる。修正されたデータは、暗号化プロセスによって生成されたとき、「暗号化されたデータ」と呼ぶこともできる。具体的には、暗号化は、暗号化鍵とも呼ばれる特有の許可手段を保有する人物だけが、修正されたメッセージ、情報、またはデータを元のまたは可読の形式に変換することができ、それによって元のメッセージ、情報、またはデータを取り出すことができるように、メッセージ、情報、またはデータの1個または複数を修正するプロセスを含むことができる。暗号化または暗号化プロセス、すなわちメッセージ、情報、またはデータを修正するプロセスは、具体的には、メッセージ、情報、またはデータを少なくとも1個の暗号化鍵と組み合わせることによって、暗号化アルゴリズムを伴うことができる。一例として、2進形式では、メッセージ、情報、またはデータの各ビットを、暗号化鍵の対応するビットと組み合わせ、それによって暗号化されたビットを生成することができる。他の暗号化アルゴリズムも概して知られており、本発明の文脈で使用することができる。
【0015】
したがって、本明細書では、「復号化する」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、上述した暗号化プロセスの逆のプロセスを指すことができる。この用語は、具体的には、限定されることなく、暗号化鍵とも呼ばれる少なくとも1個の復号化手段を使用することによって、暗号化されたデータが可読形式に、すなわち可読形式の元のメッセージ、情報、またはデータの1個または複数に変換されるように、暗号化されたデータを再修正するプロセスを指すことができる。暗号化されたデータを修正するプロセスは、具体的には、復号化アルゴリズム、たとえば暗号化されたデータを少なくとも1個の暗号化鍵と組み合わせることを伴うことができる。一例として、2進形式では、暗号化されたデータの各ビットを、暗号化鍵の対応するビットと組み合わせ、それによって復号化されたビットを生成することができる。他の復号化アルゴリズムも概して知られており、本発明の文脈で使用することができる。
【0016】
したがって、本明細書では、「暗号化鍵」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、それぞれ暗号化プロセスまたは復号化プロセスで使用される暗号化手段または復号化手段を指すことができる。この用語は、具体的には、暗号化プロセスおよび/または復号化プロセスなどの暗号アルゴリズムの機能的出力を判定する情報項目を指すことができる。暗号化鍵はまた、デジタル署名方式およびメッセージ認証コードなどの他の暗号アルゴリズムの変換を指定することができる。
【0017】
暗号化プロセスおよび復号化プロセスに対して、同一の鍵を使用することができる。したがって、暗号化プロセスで使用される鍵および復号化プロセスで使用される鍵のどちらに対しても、「暗号化鍵」という用語が典型的に使用される。それでもなお、対称の暗号化および復号化プロセス以外に、非対称プロセス、すなわち暗号化および復号化に使用される鍵が同一でないプロセスも概して可能である。それでもなお、本発明の術語では、「暗号化鍵」という用語は、暗号化で使用される鍵および復号化で使用される鍵の両方に使用される。本発明は、対称暗号化プロセスを指すことができる。それでもなお、非対称暗号化プロセスも可能である。
【0018】
本明細書では、「データ伝送」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1個の伝送チャネルおよび/または少なくとも1個の伝送デバイスなどの少なくとも1個の伝送手段を介して、少なくとも1個の送信実体または伝送器から少なくとも1個の受信実体または受信器へデータを提供するプロセスを指すことができる。伝送は、具体的には、電子的に、すなわち無線波および/または光などの少なくとも1個の電子信号および/または電磁波を伝送することによって行うことができる。一例として、伝送チャネルは、ケーブルまたはインターフェースのうちの少なくとも1個を含むことができる。具体的には、チャネルは、インターネットまたはワールドワイドウェブを含むことができる。追加または別法として、伝送チャネルはまた、少なくとも1つの無線チャネルおよび/または光ビームを含むことができる。しかし、伝送はまた、データが記憶された物理的なデータ記憶デバイスの交換を介して行うこともできる。伝送チャネルは、無線で完全もしくは部分的に実施することができ、かつ/または有線で完全もしくは部分的に実施することができる。伝送は、連続的または非連続的に行うことができる。したがって、本明細書では、「チャネル」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、有線接続、無線接続、またはデータ記憶デバイスの交換のうちの1つまたは複数を介した連続的または非連続的なデータ伝送のための任意の手段を指すことができる。
【0019】
本明細書では、「安全でない」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、伝送実体および受信実体だけでなく第3者にもアクセス可能な伝送のためのチャネルの特性を指すことができる。したがって、具体的には、安全でないチャネルは、上記で概説したように、インターネットとすることができ、またはインターネットを含むことができる。
【0020】
本明細書では、「材料」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、化学元素または化学化合物、具体的には他の化学元素または化学化合物と混合することが可能な化学元素または化学化合物を指すことができる。材料は、具体的には、流し込みに好適なものとすることができる。材料は、概して、固体状態、具体的には粒状の固体状態、液体状態、または気体状態のうちの1つまたは複数とすることができる。具体的には、材料は、粉末もしくは液体のうちの少なくとも1つとすることができ、または粉末もしくは液体のうちの少なくとも1つを含むことができる。材料は、均質な単体の材料とすることができる。別法として、材料はまた、均質または不均質に混合された複数の構成要素を含むことができる。したがって、材料は、単独で混合物または複合物とすることができる。一例として、材料は、液体とすることができ、または液体を含むことができ、液体は、一例として、少なくとも1種の溶媒と、少なくとも1種の溶媒中に溶解、乳化、または分散された少なくとも1種の化学化合物とを含む。溶媒は、材料の一部を形成することができ、または別法として、少なくとも1種の化学化合物を材料と見なすことができ、溶媒は、材料に対する補助剤または添加剤であると簡単に見なすことができる。
【0021】
したがって、本明細書では、「混成する」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも2種の材料を定義された形で混合し、それによって混成物を生じさせるプロセスを指すことができる。混合は、少なくとも2種の材料の性質に従って、様々な方法で行われる。一例として、少なくとも2種の材料が粉末を含む場合、混合は、共通のレセプタクル内へ粉末を同時分注し、または後に分注することを伴うことができ、混合物を攪拌する選択肢を含むことができる。追加または別法として、少なくとも2種の材料が液体を含む場合、混合はまた、共通のレセプタクル内へ液体を同時分注し、または後に分注することを伴うことができ、混合物を攪拌する選択肢を含むことができる。追加または別法として、以下にさらに詳細に概説するように、混合はまた、印刷プロセス、たとえば共通の基材上へのたとえば少なくとも2種の材料のインクジェット印刷を含むことができる。追加または別法として、混成は、少なくとも1個の共通の基材上への少なくとも2種の材料の混合など、少なくとも2種の材料の他のタイプの混合プロセスを含むことができる。一例として、混成は、少なくとも2種の材料のたとえば共通の基材上、たとえば静電的に帯電した表面上への電気集塵など、1個または複数の電気集塵プロセスを含むことができる。したがって、具体的には、混成および/または混合は、印刷プロセスにおける電気集塵を含むことができる。たとえば、混成および/または混合は、静電的に中性化された面上への少なくとも2個の静電的に帯電した材料の印刷プロセスにおける電気集塵を含むことができる。したがって、材料を混合することができ、それによって電荷を少なくとも一時的に変化させることができる。具体的には、混成および/または混合は、典型的にレーザプリンタで実行されるプロセスなど、レーザ印刷プロセスにおける電気集塵を含むことができる。特に、特有の領域が静電的に中性化されている等しく帯電されたイメージロール上に、たとえばレーザおよび/またはLEDを使用することによって、少なくとも2種の材料、たとえば顔料を、たとえばまず静電的に充電および堆積させることができる。次いで、一例として、逆に帯電した紙などの逆に充電した基材によって、これらの堆積させた材料をイメージロールから取り除きかつ/または除去することができる。
【0022】
混成は、材料をそのままにすることができ、または材料の性質を完全もしくは部分的に変化させることもできる。したがって、一例として、材料は、いかなる化学変化もなく、簡単に混合することができる。追加または別法として、材料を混合し、それによって化学的性質を変化させることもできる。後者は、具体的には、材料が溶媒を含む場合に行うことができ、そのような溶媒は、混成中またはその後、完全または部分的に蒸発することができる。この場合も、追加または別法として、材料はまた、互いに完全または部分的に反応し、それによって少なくとも1種の反応生成物を生成することができる。
【0023】
さらに、したがって、本明細書では、「混成する」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも2種の材料の混合物を指すことができる。混合物は、具体的には、少なくとも1個のレセプタクル内および/または少なくとも1個の基材上に存在することができる。混合物は、概して、固体状態、具体的には粒状の固体状態、液体状態、または気体状態のうちの1つまたは複数とすることができる。具体的には、混合物は、粉末もしくは液体のうちの少なくとも1つとすることができ、または粉末もしくは液体のうちの少なくとも1つを含むことができる。混合物は、材料と同じ状態とすることができ、または異なる状態とすることができる。一例として、これらの材料のうちの少なくとも1種を液体状態にすることができ、混合物はまた、固体状態とすることができ、これは、たとえば乾燥プロセス後の場合とすることができる。したがって、一例として、混成プロセスにおいて、少なくとも2種の材料を液体状態で混合することができ、その後、乾燥を行うことができ、それによって少なくとも1種の溶媒を蒸発させ、かつ/またはそれによって混合された材料の化学的性質を変化させることができる。一例として、混合プロセスは、液体状態にある少なくとも2種の材料を少なくとも1個の基材上へ印刷し、それに続いて乾燥または凝固プロセスを行うことを示唆することができ、したがって、混成物は、乾燥または固体状態とすることができる。他の例は、混合後の材料の硬化または固体化などの相変化プロセスを示唆することができる。
【0024】
本明細書では、「混成情報項目」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、定義された混成プロセスを記述する少なくとも1個の情報項目を指すことができる。少なくとも1個の混成情報項目は、以下にさらに詳細に概説するように、たとえば混合プロセスのパラメータを処理するために、少なくとも2種の材料が混合される方法など、混成プロセス自体を指すことができる。追加または別法として、少なくとも1個の混成情報項目は、やはり以下にさらに詳細に概説するように、混成プロセスにおいて混合されるべき数量、たとえば材料の質量または体積など、混成のための材料を指すこともできる。
【0025】
本明細書では、「混成デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、上述した混成プロセスを実行するように構成されたデバイスを指すことができる。具体的には、やはり以下にさらに詳細に概説するように、混成デバイスは、材料の各々に対してフィードまたはリザーバの少なくとも1個を備えることができる。混成デバイスはまた、ノズル、攪拌デバイス、プリンタ、混合器などの少なくとも1個など、少なくとも1個の混成要素を備えることができる。
【0026】
したがって、本明細書では、「混成する」という用語もまた広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも2種の材料の混合物を指すことができる。混成物は、具体的には、基材上またはレセプタクル内に存在することができる。混成物は、具体的には、有限の量の材料を含むことができる。
【0027】
本明細書では、「材料特性」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、混成物などの材料の任意の特性を指すことができる。特性は、具体的には、物理的特性、化学的特性、または生物学的特性のうちの1個または複数を指すことができる。具体的には、材料特性は、材料の機械特性または光学特性のうちの少なくとも1個を含むことができる。材料特性は、具体的には、それぞれの材料の測定可能な特性を指すことができる。材料特性の例は、以下にさらに詳細に与えられる。
【0028】
本明細書では、「検出する」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、特性または測定可能な変数についての情報を生成するプロセスを指すことができ、定性的および/または定量的な情報を取り出すことができる。この用語は、具体的には、物体の少なくとも1個の測定可能な変数を測定するプロセスを指すことができる。したがって、本明細書では、「検出器」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、物体の少なくとも1個の測定可能な変数を測定するための少なくとも1個のセンサを有するデバイスなど、検出プロセスを実行するように構成された任意のデバイスを指すことができる。一例として、センサは、重量センサ、具体的には重量計、体積センサ、密度センサ、色センサ、粒子サイズ分布センサのうちの1個または複数を含むことができる。追加または別法として、他のセンサを使用することもできる。
【0029】
少なくとも1個の暗号化鍵への少なくとも1個の材料特性の変換は、コンピュータ実施式で行うことができる。したがって、上記で概説したように、少なくとも1個の暗号化鍵への少なくとも1個の材料特性の変換は、少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイスを使用することによって行われる。本明細書では、「データ処理デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1個のプロセッサを有し、任意で少なくとも1個のデータ記憶デバイスを有するコンピュータまたはコンピュータシステムを指すことができる。そこで、プロセッサは、一例として、コンピュータ可読命令を実行するように構成された少なくとも1個の集積回路を備えることができる。追加または別法として、プロセッサはまた、少なくとも1個の特定用途向け集積回路および/もしくは少なくとも1個のフィールドプログラマブルゲートアレイとすることができ、または少なくとも1個の特定用途向け集積回路および/もしくは少なくとも1個のフィールドプログラマブルゲートアレイを備えることができる。一例として、少なくとも1個の変換アルゴリズムを適用するデータ処理デバイスの構成は、たとえば少なくとも1個のデータ記憶デバイスおよび/または少なくとも1個のインターフェースを介して、複数のコンピュータ可読命令をデータ処理デバイスに提供することによって実行することができる。
【0030】
本明細書では、「プロセッサ」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、電子デバイスまたはシステムの基本動作を実行するように構成された任意の論理回路、および/または概して、計算もしくは論理動作を実行するように構成されたデバイスを指すことができる。特に、プロセッサは、コンピュータなどのデバイスまたはシステムを駆動する基本命令を処理するように構成することができる。一例として、プロセッサは、少なくとも1個の算術論理ユニット(ALU)、数学コプロセッサまたは数値コプロセッサなどの少なくとも1個の浮動小数点ユニット(FPU)、複数のレジスタ、具体的にはALUへオペランドを供給して動作結果を記憶するように構成されたレジスタ、ならびにL1およびL2キャッシュメモリなどのメモリを備えることができる。
【0031】
本明細書では、「アルゴリズム」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、後におよび/または並行して実行されるべき複数のプロセス工程を指すことができる。アルゴリズムは、具体的には、少なくとも1個の入力変数に適用されるべき1個または複数の数学的な動作を含むことができる。したがって、「変換アルゴリズム」という用語は、具体的には、少なくとも1個の入力変数に適用されるべき1個または複数の数学的な動作を使用することによって材料特性を暗号化鍵に変換するための変換プロセスを実行するアルゴリズムを指すことができる。
【0032】
暗号化鍵への材料特性の変換は、単一の工程または複数の工程で行うことができる。したがって、以下にさらに詳細に概説するように、混成工程および検出工程は各々、1度だけ実行することができ、検出工程の結果は、最終暗号化鍵に直接変換される。しかし、別法として、たとえば1個または複数の中間暗号化鍵を生成することによって、混成、検出、および変換の方法工程のうちの1個または複数またはさらにはすべてを繰り返し実行することもでき、中間暗号化鍵は、この場合も、最終的に最終暗号化鍵が生成されるまで、追加の混成および検出工程に使用される。例示的な実施形態は、以下にさらに詳細に与えられる。
【0033】
一例として、暗号化鍵への材料特性の変換は、少なくとも1個の材料特性を表すデジタル情報などの少なくとも1個の電子信号を、さらなる処理のために少なくとも1個のデータ処理デバイスへ提供することによって行うことができる。したがって、一例として、検出器は、データ処理デバイスと直接もしくは間接的に通信することができ、またはさらにはデータ処理デバイスの一部とすることができる。したがって、少なくとも1個の材料特性は、さらなる処理のために、直接または前処理後に少なくとも1個の変換アルゴリズムを適用するために、データ処理デバイスへ直接または間接的に提供することができる。
【0034】
変換プロセスの結果は、暗号化鍵とすることができ、暗号化鍵は、一例として、電子的に提供することができる。一例として、暗号化鍵は、デジタルもしくはアナログ形式の電子情報とすることができ、またはデジタルもしくはアナログ形式の電子情報を含むことができる。一例として、暗号化鍵は、データ記憶デバイス、およびインターフェース、第3者などのうちの1個または複数へ提供することができる。
【0035】
以下にさらに詳細に概説するように、この方法は、具体的には、完全または部分的にコンピュータ実施式とすることができる。したがって、具体的には、工程iii.は、完全または部分的にコンピュータ実施式に自動化および/または実行することができる。
【0036】
上記で論じたように、データは、概して、様々な形式で提供することができる。具体的には、データは、デジタル形式で提供することができ、および/またはデータは、デジタルデータを含むことができる。データは、具体的には、2進データを含むことができる。しかし、他のデータ形式も可能である。データは、具体的には、データパッケージに細分することができる。したがって、一例として、データは、複数のデータパッケージを含むことができ、各データパッケージは、データヘッダ、制御データ、およびペイロード部分のうちの少なくとも1個を含む。データはまた、概して、誤り補正データを含むことができる。したがって、一例として、誤り補正データは、少なくとも1個のパリティビットなどを含むことができる。他のデータ補正アルゴリズムを使用することもできる。
【0037】
少なくとも1個の混成情報項目は、具体的には、n個の混成変数を含むことができ、nは正の整数を示す。本明細書では、「混成変数」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、混成の少なくとも1個の態様またはパラメータを定量的または定性的に記述する変数を指すことができる。一例として、混成変数は、混合物などに対する数量または材料ストリームなど、混成プロセスの検出するべき少なくとも2種の材料を指すことができる。さらに、工程ii.では、混成物のm個の材料特性を検出することができ、mは正の整数である。具体的には、工程ii.で検出される材料特性の数mは、混成変数の数nと同じまたはそれより大きくすることができる。言い換えれば、好ましくはm≧nである。さらに言い換えれば、具体的には、検出工程ii.で生成される情報は、少なくとも混成工程に使用される情報と同じ大きさとすることができ、「情報」という用語は、それぞれ数nおよびmを指すことができ、かつ/または概して、それぞれlog nもしくはlog mなどの自由度数および/もしくは自由度の対数を指すことができる。
【0038】
工程i.で混成される少なくとも2種の材料は、具体的には、異なる材料、具体的には化学特性、具体的には化学組成、光学特性、具体的には色、透過性、輝度のうちの1個または複数などの光学的な外観、機械特性、具体的には粒度、粒径、密度、粘性、または流動性のうちの1個または複数、静電帯電性、圧縮性、結晶性、粒子形状からなる群から選択される少なくとも1個の特性に関して異なる材料とすることができる。それでもなお、追加または別法として、他の特性を使用することもできる。
【0039】
少なくとも2種の材料は、具体的には、塊状材料および/またはばら材料を含むことができる。少なくとも2種の材料は各々、独立して、固体材料、気体材料、および液体材料からなる群から選択することができる。より具体的には、少なくとも2種の材料は、独立して、
- 粉末、具体的には
○ 無機粉末、具体的には鉱物から作られた無機粉末、
○ 有機粉末、具体的には高分子から作られた有機粉末、
○ 顔料からなる群から選択される粉末、
- 液体、具体的には純粋な液体、懸濁液、乳濁液、または溶液からなる群から選択される液体、より具体的には液体染料およびインクのうちの1種または複数からなる群から選択される少なくとも2種の材料からなる群から選択することができ、かつ/またはそのような少なくとも2種の材料を含むことができる。
【0040】
上記で概説したように、工程i.は、少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも2種の材料を混成することを含む。少なくとも1個の混成情報項目は、具体的には、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する数量、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する重量、混成されるべき少なくとも2種の材料の体積、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成体積比、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成重量比、混成されるべき少なくとも2種の材料の2個以上の連続または非連続ストリームを混合するための混合命令、異なる傾斜のラスタイメージ、たとえばプリンタのラスタイメージプロセッサ(RIP)によって生成されるラスタイメージを使用して、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための傾斜情報など、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための印刷命令のうちの少なくとも1個を含むことができる。それでもなお、追加または別法として、他のタイプの混成情報を使用することもできる。
【0041】
少なくとも2種の材料は、混成デバイス内へ連続的または非連続的に供給することができる。したがって、一例として、混成デバイスは、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する少なくとも2個のリザーバを備えることができる。しかし、追加または別法として、少なくとも1個の混成デバイス内へ材料を供給する他の手段も可能である。したがって、一例として、材料のうちの少なくとも1個に少なくとも1個のリザーバを使用することに対する追加または別法として、連続供給も可能である。
【0042】
混成デバイスは、混成物を受け取るための少なくとも1個の受取り要素をさらに備えることができる。本明細書では、「受取り要素」という用語は、概して、混成物を受け取るように構成された任意の要素を指すことができる。受取り要素は、具体的には、混成物を受け取るための少なくとも1個の受取り面および/または少なくとも1個の受取り材料を有することができる。したがって、一例として、少なくとも1個の受取り要素は、具体的には、混成物を受け取るための受取り容器、混成物を受け取るための基材からなる群から選択される少なくとも1個の要素を含むことができる。少なくとも1個の受取り要素は、静止した受取り要素とすることができ、かつ/または回転可能な受取り要素などの可動の受取り要素とすることができる。一例として、受取り要素は、少なくとも1個の基材面を有する基材などの少なくとも1個の基材を備えることができる、少なくとも1個の基材面は、平面の基材面とすることができ、もしくは平面の基材面を含むことができ、かつ/または湾曲した基材面とすることができ、もしくは湾曲した基材面を含むことができる。一例として、受取り要素は、回転ドラムなど、混成物を受け取るための受取り面を有する少なくとも1個のドラムを備えることができる。混成物は、混成デバイスを使用することによって、具体的には、回転ドラム上へ直接または間接的に堆積させることができる。一例として、静電などによって、混成物が一時的に固定されたドラムを使用することができる。これらの静電ドラムは、概して、レーザ印刷などの印刷の技術分野で知られている。
【0043】
受取り要素が少なくとも1個のドラムを備える場合、ドラムは、具体的には、回転ドラムとすることができる。そこで、この方法は、少なくとも1回の洗浄工程をさらに含むことができ、少なくとも1回の洗浄工程では、少なくとも1個の材料特性を検出した後、具体的には、ドラムの受取り面から混成物を除去することができる。一例として、回転ドラム上へ粉末および/または顔料を分注することができ、一例として、静電力によって回転ドラムの表面に一時的に固定することができる。回転ドラムの表面に混成物を固定している間に、たとえば光学式の読取りによって、表面上の混成物の少なくとも1個の材料特性を検出することができる。一例として、以下にさらに詳細に概説するように、色を検出することができ、一例として、後に数の2進行などの2進情報に変換することができる。後に、ドラムは、洗浄位置へ回転することなどによって、たとえばドラムを90°回転させることによって、洗浄することができる。
【0044】
紙の基材などのドラム表面上および/または可動基材上へ直接インクジェット印刷を使用することによって、任意で静電力による固定なく、類似の手順を実行することもできる。ドラムは、少なくとも1個の特性を検出した後、再利用のために洗浄することができる。したがって、一例として、混成デバイスは、少なくとも1個のインクジェットプリンタを備えることができる。材料は、少なくとも1個の回転ドラム上および/または少なくとも1個の基材上などの少なくとも1個の受取り要素上への材料のインクジェット印刷とすることができ、またはそのようなインクジェット印刷を含むことができ、材料は、液体材料とすることができ、または液体材料を含むことができる。後に、たとえば光学式の読取りによって、少なくとも1個の光学特性などの少なくとも1個の材料特性の検出を行うことができる。一例として、この場合も、色を検出することができ、一例として、後に数の2進行などの2進情報に変換することができる。後に、ドラムは、洗浄位置へ回転することなどによって、たとえばドラムを90°回転させることによって、洗浄することができる。追加または別法として、少なくとも1個の受取り要素を洗浄することに加えて、さらなる印刷ならびに混成および検出の繰返しなど、さらなる工程のために、新しい受取り要素または受取り要素の新しい部分を使用することができる。
【0045】
混成デバイスは、具体的には、混成物を生成するための少なくとも1個の混成要素を備えることができる。本明細書では、「混成要素」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、たとえば少なくとも1個の任意の受取り要素上への堆積前、堆積中、または堆積後に、具体的には少なくとも2種の材料を混合することによって、少なくとも2種の材料を混成するように構成された任意の要素、デバイス、または要素の組合せを指すことができる。一例として、少なくとも1個の混成要素は、2種の材料のうちの少なくとも1個を連続的または非連続的に分注するためのディスペンサ、少なくとも1個の受取り要素上へ、具体的には少なくとも1個の基材上へ少なくとも2種の材料を印刷するためのプリンタ、具体的にはインクジェットプリンタ、レーザプリンタからなる群から選択される少なくとも1個のプリンタからなる群から選択される少なくとも1個の要素とすることができ、またはそのような少なくとも1個の要素を含むことができる。それでもなお、追加または別法として、他のタイプの混成要素を使用することもできる。したがって、一例として、混成要素は、攪拌要素、ディスペンサ、ノズル、押出器のうちの少なくとも1個とすることができ、または攪拌要素、ディスペンサ、ノズル、押出器のうちの少なくとも1個を含むことができる。
【0046】
工程ii.で検出される少なくとも1個の材料特性は、混成物の多種多様な検出可能な特性を含むことができる。具体的には、材料特性は、たとえば混成中の無秩序のプロセス、非線形の挙動、または他の予測不能なプロセスによって、材料特性が少なくとも2種の材料の材料特性の組合せから直接導出可能でなく、混成物の材料特性がほとんど予測可能でないように選択することができる。具体的には、粉末などの非晶質材料は、混成されているとき、混成物中の元の材料の密度または分布など、予測不能な特性を有する混合物をもたらすことが多い。具体的には、工程ii.で検出される少なくとも1個の材料特性は、混成物の物理特性および混成物の化学特性のうちの少なくとも1個とすることができ、または混成物の物理特性および混成物の化学特性のうちの少なくとも1個を含むことができる。より具体的には、少なくとも1個の材料特性は、混成物の比重、混成物の体積、混成物の重量、混成物の光学特性、混成物の色、混成物のスペクトル組成、具体的には混成物の色スペクトル、混成物の色強度、混成物の粘性からなる群から選択される少なくとも1個の特性とすることができ、またはそのような少なくとも1個の特性を含むことができる。別法または追加として、他の材料特性を使用することもできる。
【0047】
混成物の少なくとも1個の材料特性を検出する工程、すなわち工程ii.は、具体的には、材料特性に関する少なくとも1個の測定情報項目を生成することを含むことができる。したがって、少なくとも1個の測定情報項目は、概して、混成物の少なくとも1個の材料特性を示し、または混成物の少なくとも1個の材料特性の特性である、少なくとも1個の数値測定値など、少なくとも1個の材料特性の測定の結果を指すことができる。したがって、一例として、少なくとも1個の測定情報項目は、一例として、混成物の比重測定値、混成物の体積測定値、混成物の重量測定値、混成物の光学特性測定値、混成物の色測定値、混成物のスペクトル組成測定値、具体的には混成物の色スペクトル測定値、混成物の色強度測定値、混成物の粘性測定値という情報項目のうちの少なくとも1個を含むことができる。これらの測定値は各々、一例として、分布、スペクトルなどの単一の数もしくは複数の数とすることができ、または分布、スペクトルなどの単一の数もしくは複数の数を含むことができる。具体的には、少なくとも1個の測定情報項目は、デジタル値などの少なくとも1個の数値とすることができ、またはデジタル値などの少なくとも1個の数値を含むことができる。
【0048】
暗号化鍵への材料特性の変換、すなわち工程iii.は、具体的には、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験、具体的には少なくとも1回の所定の試験にかけることを含むことができる。一例として、以下にさらに詳細に概説するように、少なくとも1回の試験は、少なくとも1個の測定情報項目を使用することなどによって、少なくとも1個の材料特性を、直接もしくは間接的に、少なくとも1個の比較値、少なくとも1個の比較値範囲などと比較することとすることができ、またはそのように比較することを含むことができる。他の数学的な試験も、概して実行可能であり、適用することもできる。少なくとも1回の試験の結果に従って、暗号化鍵または少なくともその一部分を生成することができる。暗号化鍵への材料特性の変換は、具体的には、材料特性を表す少なくとも1個の測定情報項目を使用する選択肢を含めて、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1個の閾値と比較することを含むことができる。この比較の結果に従って、少なくとも1個の数を材料特性に割り当てることができる。この数は、具体的には、2進数とすることができる。この数は、暗号化鍵を直接形成することができ、または暗号化鍵の一部を形成することができる。したがって、一例として、暗号化鍵は、複数の値を含むことができ、少なくとも1個の閾値との材料特性の比較の結果に従って、ビット値のうちの少なくとも1個が割り当てられる。一例として、以下にさらに詳細に概説するように、色の分布などの混成物の少なくとも1個の材料特性のスペクトルまたは分布を測定することができる。たとえば、混成物の特有の色の統計的出現または別の特有の特徴もしくは特性統計的出現に従って、特有のビット値を選択することができる。したがって、たとえば混成物の特性の他の特有の特徴に従って、他のビット値を選択することもできる。それによって、完全な暗号化鍵または少なくともその一部分を生成することができる。
【0049】
暗号化鍵は、単一の工程または複数の工程で生成することができることを概説するものとする。したがって、暗号化鍵はまた、たとえば混成および検出、ならびに任意で変換の工程を繰り返すことによって、反復して生成することができ、たとえば、混成および検出の各工程では、さらなる混成工程のために、暗号化鍵の一部分が生成され、かつ/またはさらなる混成情報が生成される。それによって、単一の混成物の材料特性の数が制限されうる場合でも、複雑で大きい暗号化鍵を反復して生成することができる。
【0050】
本発明のさらなる態様では、少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法が開示される。本明細書では、「通信システム」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、データを伝送するように構成されかつ/またはデータを受信するように構成されたデバイスまたはデバイスの組合せを指すことができる。そこで、以下にさらに詳細に概説するように、通信システムには、伝送システム、すなわちデータ伝送のために構成されたシステムの役割、または受信システム、すなわち伝送されたデータを受信するように構成されたシステムの役割を固定して割り当てることができる。しかし、別法として、伝送または受信システムとしての役割の割当ては、柔軟または可変とすることもでき、一例として再び割り当てることができる。したがって、通信システムは、伝送システムとしても受信システムとしても作用することができる。上記で論じたように、データ伝送方法は、具体的には、安全でないチャネルを介したデータ伝送に専用のものとすることができ、または安全でないチャネルを介したデータ伝送のために使用することができる。
【0051】
データ伝送方法は、以下の方法工程を含み、具体的には所与の順序で実行することができる。それでもなお、異なる順序も可能である。さらに、これらの方法工程のうちの2回以上を完全または部分的に同時に実行することも可能である。さらに、これらの方法工程のうちの1回または複数またはさらにはすべては、1度実行することができ、または1度または複数回繰り返すなどの、繰り返し実行することができる。さらに、この方法は、列挙されていない追加の方法工程を含むこともできる。
【0052】
この方法は、
I.通信システムのうちの少なくとも1個に伝送システムの役割を割り当てる工程と、
II.通信システムのうちの少なくとも別の1個に受信システムの役割を割り当てる工程と、
III.伝送システムおよび受信システムの両方に少なくとも1個の混成情報項目を提供する工程と、
IV.伝送システムによって、少なくとも1個の混成情報項目、ならびに上述した実施形態のいずれか一項および/または以下にさらに詳細に説明する実施形態のいずれか一項など、本発明によるデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵を生成する工程と、
V.伝送システムによって、暗号化鍵を使用することによって、伝送されるべきデータを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成する工程と、
VI.伝送システムによって、暗号化されたデータを受信システムへ伝送する工程と、
VII.受信システムによって、暗号化されたデータを受信する工程と、
VIII.受信システムによって、少なくとも1個の混成情報項目、ならびに上述した実施形態のいずれか一項および/または以下にさらに詳細に説明する実施形態のいずれか一項など、本発明によるデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵を生成する工程と、
IX.受信システムによって、暗号化鍵を使用することによって、暗号化されたデータを復号化する工程とを含む。
【0053】
さらなる任意の詳細および本明細書に使用される用語の可能な定義は、上述した説明を参照されたい。上記でさらに概説したように、この方法は、具体的には、反復して実行することができる。したがって、少なくとも2個の通信システム間で、単方向または双方向にデータを伝送することができる。したがって、具体的には双方向通信が可能である場合、具体的にはこれらの方法工程の繰返し間で、伝送システムおよび受信システムの役割を再び割り当てることができる。
【0054】
具体的には、伝送システムおよび受信システムは、同一の混成命令セットなど、同じ少なくとも1個の混成情報項目を使用することができる。したがって、少なくとも2個の通信システム間で少なくとも1個の混成情報項目または少なくとも1個の初期混成情報項目を交換すること、および/または少なくとも1個の混成情報項目をすべての通信システムへ提供することなどによって、少なくとも1度、データ伝送とは独立して、少なくとも1個の混成情報項目を伝送することができる。データ伝送の後の工程で、前に伝送されたデータから、混成情報を生成することができる。したがって、方法が反復してまたは繰り返し実行される場合、少なくとも1回の反復において、前に伝送されたデータから、反復のための少なくとも1個の混成情報項目を導出することができる。追加または別法として、少なくとも1個の混成情報項目の最初の提供は、これらの工程の様々な繰返しのために、少なくとも1個の混成情報項目を提供すること、すなわちデータ伝送の少なくとも2回の異なる繰返しのために、少なくとも1個の混成情報項目を提供することを含むことができる。
【0055】
したがって、概して、この方法は、完全または部分的に繰り返し実行することができる。これらの反復のうちの少なくとも1回において、工程III.で、少なくとも1回の後の反復のために、少なくとも1個の混成情報項目を提供することができる。一例として、少なくとも1個の混成情報項目は、暗号化鍵自体および/またはデータ内の一方または両方に完全または部分的に含むことができる。したがって、1回の反復で伝送されるデータの一部は、少なくとも1個の後のデータ伝送のための少なくとも1個の混成情報項目を含むことができる。それによって、伝送システムおよび/または受信システムによって、暗号化鍵を反復して生成することができる。
【0056】
特に、暗号化鍵は、後のデータ伝送のための混成情報項目を含むことができる。したがって、後のデータ伝送のための暗号化鍵を生成するために、たとえば後の暗号化鍵を生成するために、暗号化鍵自体を使用することができる。したがって、一例として、暗号化鍵自体は、プロセスパラメータ、たとえば少なくとも2種の材料を混合することができる数量および/または方法などの混成プロセスの情報を含むことができる。一例として、混成情報項目は、暗号化鍵内の事前定義された位置に含むことができる。具体的には、混成情報項目は、暗号化鍵内で、事前定義された量のデータ後に含むことができる。たとえば、暗号化鍵は、事前定義されたビット数またはその後など、事前定義された量のデータの伝送後に、混成情報項目を含むことができる。追加または別法として、混成情報項目は、暗号化鍵内で、事前定義された時間に、または事前定義された期間後に含むことができる。具体的には、混成情報項目は、暗号化鍵内で、事前定義された期間が経過した後に含むことができる。
【0057】
暗号化鍵は、通信システム、たとえば伝送システムおよび受信システムの同期を検証するためにさらに使用することができる。特に、暗号化鍵の生成を少なくとも1度検証するために、通信システム間で、たとえば伝送システムと受信システムとの間で、暗号化鍵の少なくとも一部を交換することができる。具体的には、通信システム間で暗号化鍵を少なくとも部分的に交換することによって、暗号化鍵の正確な生成を少なくとも1度検証または確認することができる。
【0058】
少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法は、具体的には、たとえば工程I.を実行する前に、少なくとも2個の通信システムを分散させることをさらに含むことができる。したがって、一例として、少なくとも2個の通信システムは、少なくとも2個の場所にわたって分散させることができる。具体的には、分散された通信システムは、混成デバイスおよび検出器に関して同一のものとすることができる。
【0059】
この方法は、具体的には工程I.を実行する前に、通信システムの各々に同じ少なくとも2種の材料を提供することをさらに含むことができる。したがって、一例として、この方法は、少なくとも2種の材料を含む第1のセットを第1の通信システムへ分散させ、少なくとも2種の材料を含む第2のセットを第2の通信システムへ分散させることを含むことができ、第1のセットおよび第2のセットは各々、少なくとも1個の第1の同一の材料を含み、少なくとも1個の第2の同一の材料を含む。
【0060】
本発明のさらなる態様では、データを暗号化する方法および暗号化されたデータを復号化する方法が開示される。これらの方法は、以下の方法工程を含み、これらの方法工程は、以下にさらに詳細にそれぞれ概説する。これらの方法工程は、具体的には、所与の順序で実行することができる。それでもなお、異なる順序も可能である。さらに、これらの方法工程のうちの2回以上を完全または部分的に同時に実行することも可能である。さらに、これらの方法工程のうちの1回または複数またはさらにはすべては、1度実行することができ、または1度または複数回繰り返すなどの、繰り返し実行することができる。さらに、これらの方法は、列挙されていない追加の方法工程を含むことができる。
【0061】
データを暗号化する方法は、
a.暗号化鍵を生成する方法を参照する前述の請求項のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵を生成する工程と、
b.暗号化鍵を使用することによって、データを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成する工程とを含む。
【0062】
暗号化されたデータを復号化する方法は、
A.暗号化鍵を生成する方法を参照する前述の請求項のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の鍵を生成する工程と、
B.暗号化鍵を使用することによって、暗号化されたデータを復号化し、それによって復号化されたデータを生成する工程とを含む。
【0063】
可能な定義、選択肢、または実施形態は、上述した説明を参照されたい。
【0064】
本発明のさらなる態様では、暗号化鍵生成デバイスが開示される。本明細書では、「暗号化鍵生成デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成するように構成されたコンピュータ化デバイスなどの任意のデバイスを指すことができる。暗号化鍵生成デバイスは、
- 少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも2種の材料を混成し、それによって少なくとも1個の混成物を生成するための少なくとも1個の混成デバイスと、
- 混成物の少なくとも1個の材料特性を検出するように構成され、少なくとも1個の検出器を有する少なくとも1個の検出デバイスと、
- 材料特性を暗号化鍵に変換するように構成され、少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイスを有する少なくとも1個の変換デバイスとを備える。
【0065】
用語、定義、および可能な実施形態のほとんどは、上述した方法の説明を参照されたい。本明細書では、「検出デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1個の検出器を有する任意のデバイスを指すことができ、このデバイスは、上記で概説したように、少なくとも1個の材料特性を検出するように構成される。少なくとも1個の検出器は、検出デバイスの一部とすることができ、または別法として、検出デバイスは、少なくとも1個の検出器と同一のものとすることができる。しかし、概して、ほとんどの場合、検出デバイスは、少なくとも1個の検出器を備え、加えて1個または複数のコンピュータデバイスなどの他の構成要素も備える。
【0066】
本明細書では、「変換デバイス」という用語もまた広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1個のデータ処理デバイスを使用することによって、材料特性を暗号化鍵に変換するように構成された任意のデバイスを指すことができる。この場合も、少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性に適用するように構成されたデータ処理デバイスは、変換デバイスの一部を形成することができ、変換デバイスは、1個または複数の追加の構成要素を備えることができる。しかし、別法として、変換デバイスおよびデータ処理デバイスは、完全または部分的に同一のものとすることができる。概して、変換デバイスは、完全または部分的にハードウェアデバイスとして実施することができる。しかし、別法として、変換デバイスはまた、完全または部分的にソフトウェアで実施することもできる。
【0067】
暗号化鍵生成デバイスは、具体的には、上記で開示した実施形態のいずれか一項および/または以下にさらに詳細に開示する実施形態のいずれか一項など、本発明による少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を実行するように構成することができる。したがって、具体的には、混成デバイスは、工程i.を実行するように構成することができ、検出デバイスは、工程ii.を実行するように構成することができ、データ処理デバイスは、方法工程iii.を実行するように構成された少なくとも1個のプロセッサを備えることができる。
【0068】
上記で概説したように、様々な混成手段を使用することができる。具体的には、上記で開示した混成デバイスのうちの1個または複数を適用することができる。より具体的には、混成デバイスは、インクジェットプリンタおよび/またはレーザプリンタなどの少なくとも1個のプリンタを備えることができる。しかし、他のタイプの混成デバイスおよび/またはプリンタを使用することもできる。
【0069】
上記でさらに概説したように、様々なタイプの検出器を検出デバイス内で使用することができ、単一の検出器または複数の検出器を使用することができる。検出器のタイプは、具体的には、検出されるべき少なくとも1個の材料特性に適合させることができる。しかし、具体的には、検出デバイスは、混成物の少なくとも1個の光学特性を検出するように構成された光検出器、たとえば少なくとも1個の走査デバイス、たとえば少なくとも1個の光学スキャナなど、少なくとも1個の光検出器を備えることができる。少なくとも1個の光検出器および/または光学スキャナは、一例として、色検出器、明度検出器、もしくは分光計のうちの少なくとも1個とすることができ、または色検出器、明度検出器、もしくは分光計のうちの少なくとも1個を含むことができる。少なくとも1個の光検出器および/または光学スキャナは、単一の光検出器、または光検出器のアレイなどの複数の光検出器を備えることができる。
【0070】
本発明のさらなる態様では、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、暗号化鍵生成デバイス内で混成デバイスとして使用されるように構成されたプリンタが開示される。プリンタは、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、少なくとも1個の混成情報項目を受信し、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程i.を実行するように構成される。したがって、用語、定義、および可能な実施形態のほとんどは、上述した方法およびデバイスの説明を参照されたい。
【0071】
本明細書では、「プリンタ」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1個のプリンタ制御情報に従って、少なくとも1種の材料を、少なくとも1個の印刷面または基材上へ、具体的にはパターン化された形で適用、たとえば印刷するように構成されたデバイスを指すことができる。したがって、典型的に、プリンタは、たとえば少なくとも1個のプリンタ制御言語で提供される文字列、ビットマップイメージ、ベクトルイメージ、コンピュータプログラムのうちの1個または複数など、少なくとも1個のプリンタ制御情報に従って、少なくとも1個の印刷面上にテキストおよび/またはイメージを生成するように構成することができる。特に、プリンタ、具体的にはプリンタの少なくとも1個の機能は、1個または複数のページ記述言語(PDL)、プリンタコマンド言語(PCL)、PostScript、XML Paper Specificationなどの少なくとも1個のプリンタ制御言語を介して制御可能とすることができる。
【0072】
特に、プリンタは、イメージドラムなどのドラム、レーザ、少なくとも1個の鏡、たとえば回転可能な鏡を備えるレンズシステムなどのレンズシステム、洗浄、たとえばドラムを洗浄するためのロール、スクレーパ、または類似の手段などの洗浄要素、紙カセットなど、たとえば基材のうちの1個または複数を貯蔵するためのカセット、たとえば基材、具体的には紙を、プリンタ内へ供給し、プリンタ内で伝達し、かつ/またはプリンタから排出するためのローラおよび/またはコンベアなどの少なくとも1個の輸送要素、プリンタを制御するように構成されたプリンタ制御ユニットのうちの1個または複数を備えることができる。
【0073】
プリンタは、具体的には、少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも1個の基材上へ少なくとも2種の材料を混成するように構成することができる。特に、プリンタは、混成情報項目に従って、混成物を受け取るための基材上へ少なくとも2種の材料を混成し、それによってたとえば混成物を生成するように構成することができる。
【0074】
基材は、具体的には、ガラス板またはガラスシートなどのガラスキャリア、プラスチック板またはプラスチックシートなどのプラスチックキャリア、紙シートなどの紙キャリア、キャンバスからなる群から選択されるキャリア媒体などの少なくとも1個のキャリア媒体とすることができ、またはそのような少なくとも1個のキャリア媒体を含むことができる。他の基材も実行可能とすることができる。
【0075】
さらに、プリンタは、基材、たとえばキャリア媒体を含むことができる。したがって、一例として、基材は、プリンタ自体の一部分とすることができ、またはプリンタ内に埋め込むことができる。特に、プリンタによって含まれる基材は、洗浄可能な表面を有する媒体などの再利用可能なキャリア媒体、たとえばプリンタのドラム、たとえば回転ドラムとすることができる。
【0076】
プリンタは、少なくとも1個のパターン、具体的には少なくとも1個の干渉パターンが生成されるように、少なくとも2種の材料を混成するようにさらに構成することができる。プリンタによって混成されるべき少なくとも2種の材料は、特に異なる材料、具体的には少なくとも1個の特性に関して異なる材料とすることができる。一例として、プリンタによって混成されるべき少なくとも2種の材料は、化学特性、具体的には化学組成、光学特性、具体的には色、透過性、輝度のうちの1個または複数などの光学的な外観、機械特性、具体的には粒度、粒径、密度、粘性、または流動性のうちの1個または複数、静電帯電性、圧縮性、結晶性、粒子形状からなる群から選択される少なくとも1個の特性に関して異なることができる。
【0077】
特に、プリンタによって混成されるべき少なくとも2種の材料は、
- 粉末、具体的には
○ 無機粉末、具体的には鉱物から作られた無機粉末、
○ 有機粉末、具体的には高分子から作られた有機粉末、
○ 顔料からなる群から選択される粉末、
- 液体、具体的には純粋な液体、懸濁液、乳濁液、または溶液からなる群から選択される液体、より具体的には液体染料およびインクのうちの1個または複数からなる群から選択される少なくとも2種の材料を含むことができる。
【0078】
具体的には、それに従って少なくとも2種の材料を混成するようにプリンタを構成することができる少なくとも1個の混成情報項目は、たとえば、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する数量、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する重量、混成されるべき少なくとも2種の材料の体積、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成体積比、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成重量比、混成されるべき少なくとも2種の材料の2個以上の連続または非連続ストリームを混合するための混合命令、異なる傾斜のラスタイメージ、たとえばプリンタのラスタイメージプロセッサ(RIP)によって生成されるラスタイメージを使用して、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための傾斜情報など、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための印刷命令のうちの少なくとも1個を含む。
【0079】
プリンタは、具体的には、少なくとも1個のプロセッサを備えることができ、プロセッサは、プリンタの少なくとも1個の印刷動作を制御するように構成することができる。したがって、一例として、プリンタは、具体的にはデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の工程iを実行するとき.少なくとも1個のプロセッサを介して制御することができる。
【0080】
さらに、プリンタは、具体的には、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する少なくとも2個のリザーバを備えることができる。しかし、複数、たとえば3種以上の材料、たとえば異なる色の粉末および/またはインクのためのリザーバなど、さらなるリザーバを、プリンタによって備えることもできる。したがって、一例として、プリンタは、複数のリザーバを備えることができ、各リザーバは、異なる色を有する材料などの少なくとも1種の材料を収容することができる。特に、各リザーバは、黒色、黄色、シアン、およびマゼンタなどの特有の色の材料を収容することができる。他の材料色も実行可能とすることができる。具体的には、追加または代替の材料の色。
【0081】
特に、プリンタは、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、静電プリンタ、たとえば液体インク静電プリンタからなる群から選択されるプリンタとすることができ、またはそのようなプリンタを含むことができる。さらに、プリンタは、少なくとも1個の光学スキャナなどの少なくとも1個の走査デバイスを備えることができる。
【0082】
本発明のさらなる態様では、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、暗号化鍵生成デバイス内で検出デバイスとして使用されるように構成された走査デバイスが開示される。さらに、走査デバイスは、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程ii.を実行するように構成される。したがって、用語、定義、および可能な実施形態のほとんどは、上述した方法およびデバイスの説明を参照されたい。
【0083】
本明細書では、「走査デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、たとえば混成物の少なくとも1個の物体および/または要素の少なくとも1個の特性を検出するように構成されたデバイスを指すことができる。特に、走査デバイスは、混成物の少なくとも1個の材料特性を検査および/または検出するように構成することができる。一例として、走査デバイスは、混成物に関する空間的に分解された1次元、2次元、またはさらには3次元の光学情報を光学的に記録および/または捕捉するように構成された少なくとも1個の走査要素を有することができる。したがって、たとえば光検出のために、走査デバイスは、たとえば、光センサなどの少なくとも1個のセンサ、具体的にはイメージセンサ、たとえば少なくとも1個の感光キャパシタ、少なくとも1個の電荷結合デバイス(CCD)を備えることができる。走査デバイスは、たとえば、少なくとも1個のCCDチップおよび/または少なくとも1個のCMOSチップを備えることができる。具体的には、走査デバイスは、光学系などを使用することによって、混成物、たとえば混成されかつ/または溶け込まされた粉末成分の光信号を検出するように構成することができる。特に、走査システムは、たとえばプリズムを使用することによって、混成物の光信号を赤色、緑色、および青色などの原色に変換、たとえば分解するように構成することができる。走査デバイスは、具体的には、たとえば複数の感光キャパシタを備えるセンサなどの少なくとも1個のセンサを使用することによって、原色に変換された光信号などの光信号を少なくとも1個のデジタルイメージに変換するように構成することができる。さらに、走査デバイスは、混成物に照明するように構成された要素などの少なくとも1個の照明要素を備えることができ、走査デバイスは、混成物の反射を使用することによって、混成物の少なくとも1個の特性を検出するように構成することができる。本明細書では、走査デバイスをスキャナと呼ぶこともある。走査デバイスは、具体的には、CCDスキャナ、CISスキャナ、カメラ、フィルムからなる群から選択されるデバイスとすることができ、またはそのようなデバイスを備えることができる。
【0084】
特に、走査デバイスは、少なくとも1個の光検出システムを備えることができ、光検出システムは、具体的には、光検出器、イメージセンサ、たとえば光電子増倍管(PMT)、たとえば入射する光子を電気信号に変換する真空管、シリコン光電子増倍管(SiPM)、たとえば入射する光子を電気信号に変換する固体状態デバイスのうちの1個または複数を備える。
【0085】
走査デバイスは、具体的には、少なくとも1個のプロセッサを備えることができ、プロセッサは、走査デバイスの少なくとも1回の走査動作を制御するように構成することができる。したがって、一例として、走査デバイスは、具体的にはデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の工程ii.および任意で工程iii.を実行するとき、少なくとも1個のプロセッサを介して制御することができる。
【0086】
走査デバイスは、具体的には、材料特性に関する少なくとも1個の測定情報項目を生成するように構成することができる。特に、走査デバイスは、走査デバイスが方法の工程ii.を実行するために使用されるときなど、混成物の少なくとも1個の材料特性を検出するとき、混成物の材料特性に関する少なくとも1個の測定情報項目を生成することができる。特に、走査デバイスを使用することによって得られるデジタルイメージなどのイメージは、少なくとも1個の2進コードを含むことができ、2進コードの少なくとも一部は、暗号化鍵の少なくとも一部を生成するために使用することができる。
【0087】
さらに、走査デバイスは、暗号化鍵生成デバイス内で変換デバイスとして使用されるように構成することができる。したがって、走査デバイスは、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程iii.を実行するように構成することができる。特に、たとえば方法の工程iii.を実行するとき、走査デバイスは、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験にかけるように構成することができる。試験は、具体的には、少なくとも1回の所定の試験とすることができ、または少なくとも1回の所定の試験を含むことができる。したがって、走査デバイスは、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の所定の試験にかけるように構成することができる。少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験にかけることによって、試験の結果に従って、暗号化鍵を生成することができる。特に、走査デバイスは、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験にかけるとき、少なくとも1回の試験の結果に従って、少なくとも1個の暗号化鍵を生成することができる。
【0088】
走査デバイスは、具体的には、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1個の閾値と比較し、比較の結果に従って数を割り当てるように構成することができる。特に、走査デバイスは、方法の工程iii.を実行するとき、したがって材料特性を暗号化鍵に変換するとき、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1個の閾値と比較し、比較の結果に従って数を割り当てるように構成することができる。
【0089】
さらに、走査デバイスは、プリンタ、具体的には上述したまたは以下にさらに詳細に説明するプリンタが少なくとも2種の材料を混成した基材、たとえばキャリア媒体を走査し、具体的には光学的に走査することによって、方法の工程ii)および/またはiii)を実行するように構成することができる。
【0090】
走査デバイスは、プリンタを補完して、具体的には上述したまたは以下にさらに詳細に説明するプリンタを補完して使用されるようにさらに構成することができる。特に、走査デバイスおよびプリンタはともに、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、暗号化鍵生成デバイスとして使用されるように構成することができる。
【0091】
本発明のさらなる態様では、概して少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送のために構成することができるシステムが開示される。システムは、少なくとも1個の第1の通信システムおよび少なくとも1個の第2の通信システムを備える。上記で概説したように、少なくとも1個の第1の通信システムおよび少なくとも1個の第2の通信システムは各々、一例として、少なくとも1個のコンピュータを備えることができる。システム、第1の通信システム、および第2の通信システムの可能な定義は、上述した説明を参照されたい。システムは、上記で開示した実施形態のいずれか一項および/または以下にさらに詳細に開示する実施形態のいずれか一項など、本発明による少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法を実行するように構成される。
【0092】
具体的には、通信システムのうちの少なくとも1個は、暗号化されたデータを伝送するための少なくとも1個のデータ伝送システムを備えることができ、通信システムのうちの少なくとも別の1個は、暗号化されたデータを受信するための少なくとも1個のデータ受信システムを備える。したがって、本明細書では、「データ伝送システム」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、無線伝送器、ネットワーク伝送器、モデム、IR伝送器、Bluetooth伝送器などへデータを伝送するように構成された任意のデバイスまたはデバイスの組合せを指すことができる。同様に、本明細書では、「データ受信システム」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、無線受信器、ネットワーク受信器、モデム、IR受信器、Bluetooth受信など、データを受信するように構成された任意のデバイスまたはデバイスの組合せを指すことができる。この場合も、上記で論じたように、伝送システムの役割を第1および第2の通信システムのうちの一方に割り当て、受信システムの役割を第1および第2の通信システムのうちの他方に割り当てることによって、少なくとも2個の通信システム内の役割を固定して割り当てることができる。しかし、別法として、たとえばデータ伝送の反復間で、役割を変更することもできる。後者の場合、第1および第2の通信システムの各々が、少なくとも1個のデータ伝送システムおよび少なくとも1個のデータ受信システムを備えることができる。
【0093】
通信システムの各々、すなわち少なくとも1個の第1の通信システムおよび少なくとも1個の第2の通信システムの両方が各々、本発明による、すなわち暗号化鍵生成デバイスを参照する前述の実施形態のいずれか一項および/または後述の実施形態のいずれか一項による、少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイスを備えることができる。
【0094】
通信システムのうちの少なくとも1個、すなわち少なくとも1個の第1の通信システムおよび/または少なくとも1個の第2の通信システムは、暗号化鍵を使用することによって、伝送されるべきデータを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成するように構成された少なくとも1個の暗号化デバイスをさらに備えることができる。本明細書では、「暗号化デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、データを暗号化するように構成された任意のデバイスを指すことができる。暗号化デバイスは、具体的には、上記で概説したように、暗号化を実行するように構成された少なくとも1個のプロセッサを備えることができる。したがって、暗号化デバイスは、少なくとも1個のコンピュータ上で実行されるソフトウェアで完全または部分的に実施することができる。
【0095】
さらに、通信システムのうちの少なくとも別の1個は、暗号化鍵を使用することによって、暗号化されたデータを復号化するように構成された少なくとも1個の復号化デバイスをさらに備えることができる。本明細書では、「復号化デバイス」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、データを復号化する工程を実行するように構成された任意のデバイスを指すことができる。復号化デバイスは、具体的には、上記で概説したように、復号化を実行するように構成された少なくとも1個のプロセッサを備えることができる。復号化デバイスは、少なくとも1個のコンピュータ上で実行されるソフトウェアで完全または部分的に実施することができる。
【0096】
上記でさらに概説したように、通信システムのうちの少なくとも1個は、暗号化デバイスを備えることができ、通信システムのうちの少なくとも別の1個は、復号化デバイスを備えることができる。それでもなお、通信システムの一方または両方は、少なくとも1個の暗号化デバイスおよび少なくとも1個の復号化デバイスの両方を備えることができる。したがって、少なくとも1個の第1の通信システムおよび少なくとも1個の第2の通信システムの両方は各々、少なくとも1個の暗号化デバイスおよび少なくとも1個の復号化デバイスを備えることができる。後者は、具体的には、双方向の通信および/またはデータ伝達に有用である。
【0097】
さらなる態様では、データ暗号化システムが開示される。本明細書では、「データ暗号化システム」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、データを暗号化するように構成されたデバイス、デバイスの組合せ、または構成要素、もしくは構成要素の組合せを指すことができる。データ暗号化システムは、コンピュータもしくはコンピュータシステムとして完全もしくは部分的に実施することができ、またはコンピュータもしくはコンピュータシステム内に含むことができる。データ暗号化システムは、
- 暗号化鍵生成デバイスを参照する上記で開示したまたは以下にさらに詳細に開示する実施形態のいずれか一項など、本発明による少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイスと、
- 暗号化鍵を使用することによってデータを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成するように構成された少なくとも1個の暗号化デバイスとを備える。
【0098】
さらなる態様では、データ復号化システムが開示される。本明細書では、「データ復号化システム」という用語は広範な用語であり、当業者には一般的な慣例の意味が与えられるべきであり、特別なまたは特化された意味に限定されるものではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、データを復号化するように構成されたデバイス、デバイスの組合せ、または構成要素、もしくは構成要素の組合せを指すことができる。データ復号化システムは、コンピュータもしくはコンピュータシステムとして完全もしくは部分的に実施することができ、またはコンピュータもしくはコンピュータシステム内に含むことができる。データ復号化システムは、
- 暗号化鍵生成デバイスを参照する前述の請求項のいずれか一項に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイスと、
- 暗号化鍵を使用することによってデータを復号化し、それによって復号化されたデータを生成するように構成された少なくとも1個の復号化デバイスとを備える。
【0099】
上記で概説したように、本明細書に開示する方法は、少なくとも1個のコンピュータまたはコンピュータネットワークによって、完全または部分的にコンピュータ実施式とすることができる。したがって、具体的には、工程iii.は、完全または部分的にコンピュータ実施式とすることができる。さらに、工程i.およびii.の一方または両方もまた、部分的にコンピュータ実施式またはコンピュータ支援式とすることができる。同様に、工程IV.、V.、VIII.、およびIX.のうちの1個または複数またはさらにはすべては、完全または部分的にコンピュータ実施式、または少なくともコンピュータ支援式とすることができる。残りの工程のうちの1個または複数またはさらにはすべても、少なくともコンピュータ支援式とすることができる。したがって、本発明はまた、コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるとき、本明細書に包含される実施形態のうちの1個または複数において、本発明による方法のうちの1個または複数を完全または部分的に実行または支援するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品を開示する。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリア上および/またはコンピュータ可読記憶媒体上に記憶することができる。本明細書では、「コンピュータ可読データキャリア」および「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、具体的には、コンピュータ実行可能命令が記憶されたハードウェア記憶媒体などの非一時的データ記憶手段を指すことができる。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/もしくは読取り専用メモリ(ROM)などの記憶媒体とすることができ、またはそのような記憶媒体を含むことができる。
【0100】
本発明による方法、デバイス、およびシステムは、類似のタイプまたは目的の周知の方法、デバイス、およびシステムに比べて、多数の利点を提供する。具体的には、本発明は、暗号化技法を必要とする機密情報の保護のために適用することができる。暗号化されたデータへの許可されていないアクセスを防止することができ、または少なくとも大幅に妨害することができる。
【0101】
方法、デバイス、およびシステムは、具体的には、暗号化鍵を生成するための資源および時間の上述した問題に対処する。上記で概説したように、今日、暗号化鍵は典型的にアルゴリズム方法を使用することによって導出されるため、計算能力は、情報機密保護の競争において最も重要な要因になることが多い。この文脈で、本発明はまた、新しいコンピュータ世代が現れるたびに、典型的には暗号化鍵の複雑さを増大させる必要があり、再び典型的に計算能力の増大を必要とするという問題にも対処する。しかし、一例として、暗号化鍵のビット数の拡張は、単に測定されるべき材料特性の拡張および/または方法の反復数の増大を必要とするため、本明細書に提案する方法は、計算能力の著しい増大を必要とすることなく容易に拡張可能である。
【0102】
本発明は、具体的には、固体粒子粉末の混成物またはインクなどの液体材料の混成物などの材料混成物の特性の複雑さを利用することによって、暗号化鍵を作製する方法を提供することができる。一例として、固体粒子粉末混成物などの材料混成物では、粒子の数が多く、物理作用が異なる影響を及ぼすため、その成分の特性から粉末混合物の特性を導出することは、再現可能であっても非常に困難である。したがって、混成物の材料特性は、概して、質量則の方向、静電、結束性などの様々な影響の相互作用によって影響される。したがって、混成物の材料特性は、正確な混成情報項目を適用して混成物の特性を検出することによって再現可能であっても、シミュレートまたは予測することは非常に困難である。ほとんどの場合、一例として、粒子粉末混合物の特性は、測定によってのみ識別することができ、シミュレーションから導出することはできない。
【0103】
最も簡単な場合、一例として、2種以上の粉末成分を暗号化に使用することができる。なぜなら、これらの少なくとも2種の粉末成分の混成物が、密度、流速、色などのような混成物の新しい材料特性などの新しい情報を提供するからである。しかし、再現性は概して、定義された混合または混成工程を適用することを必要とし、これは少なくとも1個の混成情報項目を提供することによって確実にされる。新しい混成物または混合物の新しい粉末特性は、暗号化鍵として働くことができる2進コード数に変形することができる。
【0104】
本発明による方法、デバイス、およびシステムはまた、概して、具体的には混成されるべき材料が明確に特徴付けられかつ明確に定義される場合、非常に再現生の高い暗号化および復号化をもたらす。さらに、混成および検出の工程もまた重要であり、明確に定義されるべきである。混成の場合、再現性は、典型的に、少なくとも1個の混成情報項目を提供するによって確実にされる。さらに、少なくとも1個の材料特性の検出もまた、暗号化および復号化のどちらの場合も、明確に定義された手順に従って実行されるべきである。したがって、一例として、少なくとも1個の材料特性を検出するための同一または少なくとも同等の手順が、伝送システムおよび受信システムならびに暗号化方法および復号化方法の両方で使用されるべきである。
【0105】
概して、本発明の方法、デバイス、およびシステムは、暗号化鍵を生成するために使用することができる擬似乱数の生成をもたらすことができる。暗号化鍵の生成は、同じ暗号化鍵および/または暗号化もしくは復号化されたデータを生成するために、異なる場所で同一の混成および検出プロセスを単に適用することなどによって、基本的にどの場所でも、複合的に使用することができる。それによって、具体的には安全なデータ伝送、安全な通信、または安全なデータ記憶のために、暗号化鍵を生成するための擬似ランダム化非アルゴリズム方法を提供することができる。混成のための材料は、具体的には、暗号化方法が適用されるすべての場所における再現性を確実にするために、1人の同じ提供者または製造者によって提供することができる。材料は、在庫の材料とすることができ、またはさらには、修正された材料とすることができ、もしくは修正された材料を含むことができ、そのような材料は、具体的には、暗号化鍵を生成する方法のために特別の注文に従って変更することができる。
【0106】
従来の対称暗号化アルゴリズムと比較すると、本発明の方法、デバイス、およびシステムは、具体的には安全でない環境で、暗号化鍵を交換する問題にさらに対処する。したがって、少なくとも1個の混成情報項目に加えて、混成プロセスに関する追加の知識を必要とすることができる。したがって、データにアクセスすることが許可されていないがデータに干渉しようとする人は、混成プロセスの知識に関する追加の背景情報をさらに取得しなければならないはずである。一例として、許可されていない人は、混成デバイスのタイプ、使用されるべき材料に関する追加の知識、または少なくとも1個の混成情報項目の一部ではない可能性のある他の追加の知識を取得しなければならないことがある。したがって、少なくとも1個の混成情報項目は、混成プロセスを完全または部分的に記述することができる。少なくとも1個の混成情報項目が混成プロセスを部分的にのみ記述する場合、すべての許可された人に対して、追加の背景情報を必要とすることができる。したがって、典型的に単一のユニット内で交換される従来の対称鍵と比較すると、混成に必要とされ、したがって暗号化鍵を生成するために必要とされる方法は、その人たちだけに知られている混成デバイスのタイプに関する情報などの少なくとも1個の混成情報項目および追加の情報を混成する方法を構成することなどによって、独立して伝送または交換することができるいくつかの部分から構成することができる。それによって、許可されていない人が、少なくとも1個の混成情報項目に干渉し、混成情報項目を保有しうる場合でも、具体的には混成を実行するために追加の情報が必要とされる場合、許可されていない人は、それでもなお、少なくとも1個の暗号化鍵を生成することが可能にならないことがある。したがって、本明細書に提案する暗号化は、暗号化鍵を少なくとも部分的に非分析的に生成し、かつ/または簡単なアルゴリズム以外の手段を暗号化に使用するという選択肢を提供するため、本発明は、力ずくの手法または追加の計算資源もしくはさらには量子計算の適用による望ましくない復号化からの保護をさらに提供することができる。
【0107】
要約すると、さらなる可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態を想定することができる。
【0108】
実施形態1:具体的には安全でないチャネルを介したデータ伝送のためのデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法であって、
i.混成デバイスを使用することによって、少なくとも1個の混成情報項目に従って少なくとも2種の材料を混成し、それによって少なくとも1個の混成物を生成することと、
ii.少なくとも1個の検出器を使用することによって、混成物の少なくとも1個の材料特性を検出することと、
iii.少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイスを使用することによって、材料特性を暗号化鍵に変換することとを含む方法。
【0109】
実施形態2:工程iii.が、完全または部分的にコンピュータ実施式に実行される、実施形態1に記載の方法。
【0110】
実施形態3:データがデジタルデータを含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0111】
実施形態4:データが2進データを含む、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
実施形態5:データがデータパッケージに細分される、実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
実施形態6:データが誤り補正データを含む、実施形態1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
実施形態7:データがペイロードデータおよび制御データを含む、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0115】
実施形態8:少なくとも1個の混成情報項目がn個の混成変数を含み、nが正の整数であり、工程ii.で、混成物のm個の材料特性が検出され、mが正の整数である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
実施形態9:m≧nである、実施形態8に記載の方法。
【0117】
実施形態10:少なくとも2種の材料が、異なる材料、具体的には化学特性、具体的には化学組成、光学特性、具体的には色、透過性、輝度のうちの1個または複数などの光学的な外観、機械特性、具体的には粒度、粒径、密度、粘性、または流動性のうちの1個または複数、静電帯電性、圧縮性、結晶性、粒子形状からなる群から選択される少なくとも1個の特性に関して異なる材料である、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
実施形態11:少なくとも2種の材料が、
- 粉末、具体的には
○ 無機粉末、具体的には鉱物から作られた無機粉末、
○ 有機粉末、具体的には高分子から作られた有機粉末、
○ 顔料からなる群から選択される粉末、
- 液体、具体的には純粋な液体、懸濁液、乳濁液、または溶液からなる群から選択される液体、より具体的には液体染料およびインクのうちの1種または複数からなる群から選択される少なくとも2種の材料を含む、実施形態1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0119】
実施形態12:少なくとも1個の混成情報項目が、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する数量、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する重量、混成されるべき少なくとも2種の材料の体積、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成体積比、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成重量比、混成されるべき少なくとも2種の材料の2個以上の連続または非連続ストリームを混合するための混合命令、異なる傾斜のラスタイメージ、たとえばプリンタのラスタイメージプロセッサ(RIP)によって生成されるラスタイメージを使用して、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための傾斜情報など、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための印刷命令のうちの少なくとも1個を含む、実施形態1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0120】
実施形態13:混成デバイスが、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する少なくとも2個のリザーバを備える、実施形態1から12のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
実施形態14:混成デバイスが、混成物を受け取るための少なくとも1個の受取り要素を備える、実施形態1から13のいずれか一項に記載の方法。
【0122】
実施形態15:受取り要素が、混成物を受け取るための受取り容器、混成物を受け取るための基材からなる群から選択される少なくとも1個の要素を備える、実施形態14に記載の方法。
【0123】
実施形態16:基材が、混成物を受け取るための受取り面を有するドラム、具体的には混成物が一時的に静電によって固定されたドラムを備える、実施形態15に記載の方法。
【0124】
実施形態17:ドラムが回転ドラムであり、方法が、少なくとも1回の洗浄工程をさらに含み、少なくとも1回の洗浄工程では、少なくとも1個の材料特性を検出した後、ドラムの受取り面から混成物が除去される、実施形態16に記載の方法。
【0125】
実施形態18:混成デバイスが、混成物を生成するための少なくとも1個の混成要素、具体的には2種の材料のうちの少なくとも1種を連続的または非連続的に分注するためのディスペンサ、少なくとも1個の受取り要素上へ、具体的には少なくとも1個の基材上へ少なくとも2種の材料を印刷するためのプリンタ、具体的にはインクジェットプリンタ、レーザプリンタからなる群から選択される少なくとも1個のプリンタからなる群から選択される少なくとも1個の混成要素を備える、実施形態1から17のいずれか一項に記載の方法。
【0126】
実施形態19:少なくとも1個の材料特性が、混成物の物理特性および混成物の化学特性のうちの少なくとも1個を含む、実施形態1から18のいずれか一項に記載の方法。
【0127】
実施形態20:少なくとも1個の材料特性が、混成物の比重、混成物の体積、混成物の重量、混成物の光学特性、混成物の色、混成物のスペクトル組成、具体的には混成物の色スペクトル、混成物の色強度、混成物の粘性からなる群から選択される少なくとも1個の特性を含む、実施形態1から19のいずれか一項に記載の方法。
【0128】
実施形態21:混成物の少なくとも1個の材料特性を検出する工程が、材料特性に関する少なくとも1個の測定情報項目を生成することを含む、実施形態1から20のいずれか一項に記載の方法。
【0129】
実施形態22:材料特性を暗号化鍵に変換することが、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験、具体的には少なくとも1回の所定の試験にかけることを含み、暗号化鍵が、試験の結果に従って生成される、実施形態1から21のいずれか一項に記載の方法。
【0130】
実施形態23:材料特性を暗号化鍵に変換することが、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1個の閾値と比較し、比較の結果に従って数を割り当てることを含む、実施形態1から22のいずれか一項に記載の方法。
【0131】
実施形態24:数が2進数である、実施形態23に記載の方法。
【0132】
実施形態25:具体的には安全でないチャネルを介したデータ伝送のための少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法であって、
I.通信システムのうちの少なくとも1個に伝送システムの役割を割り当てることと、
II.通信システムのうちの少なくとも別の1個に受信システムの役割を割り当てることと、
III.伝送システムおよび受信システムの両方に少なくとも1個の混成情報項目を提供することと、
IV.伝送システムによって、少なくとも1個の混成情報項目、および少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵を生成することと、
V.伝送システムによって、暗号化鍵を使用することによって、伝送されるべきデータを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成することと、
VI.伝送システムによって、暗号化されたデータを受信システムへ伝送することと、
VII.受信システムによって、暗号化されたデータを受信することと、
VIII.受信システムによって、少なくとも1個の混成情報項目、および少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵を生成することと、
IX.受信システムによって、暗号化鍵を使用することによって、暗号化されたデータを復号化することとを含む方法。
【0133】
実施形態26:方法が反復して実行される、実施形態25に記載の方法。
【0134】
実施形態27:反復において、伝送システムおよび受信システムの役割が再び割り当てられる、実施形態26に記載の方法。
【0135】
実施形態28:反復のうちの少なくとも1回において、工程III.で、少なくとも1回の後の反復のために、少なくとも1個の混成情報項目が提供される、実施形態26または27に記載の方法。
【0136】
実施形態29:少なくとも1個の混成情報項目が、暗号化鍵およびデータの一方または両方に完全または部分的に含まれる、実施形態28に記載の方法。
【0137】
実施形態30:方法が、具体的には工程I.を実行する前に、少なくとも2個の通信システムを分散させることをさらに含む、少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法を参照する実施形態25から29のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
実施形態31:分散された通信システムが、混成デバイスおよび検出器に関して同一である、実施形態25から30に記載の方法。
【0139】
実施形態32:方法が、具体的には工程I.を実行する前に、通信システムの各々に同じ少なくとも2種の材料を提供することをさらに含む、実施形態30または31に記載の方法。
【0140】
実施形態33:データを暗号化する方法であって、
a.暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵を生成することと、
b.暗号化鍵を使用することによって、データを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成することとを含む方法。
【0141】
実施形態34:暗号化されたデータを復号化する方法であって、
A.暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載の方法を使用することによって、少なくとも1個の鍵を生成することと、
B.暗号化鍵を使用することによって、暗号化されたデータを復号化し、それによって復号化されたデータを生成することとを含む方法。
【0142】
実施形態35:データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する暗号化鍵生成デバイスであって、
- 少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも2種の材料を混成し、それによって少なくとも1個の混成物を生成するための少なくとも1個の混成デバイスと、
- 混成物の少なくとも1個の材料特性を検出するように構成され、少なくとも1個の検出器を有する少なくとも1個の検出デバイスと、
- 材料特性を暗号化鍵に変換するように構成され、少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイスを有する少なくとも1個の変換デバイスとを備える暗号化鍵生成デバイス。
【0143】
実施形態36:暗号化鍵生成デバイスが、少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を実行するように構成される、実施形態35に記載の暗号化鍵生成デバイス。
【0144】
実施形態37:混成デバイスが、少なくとも1個のプリンタを備える、実施形態35または36に記載の暗号化鍵生成デバイス。
【0145】
実施形態38:検出デバイスが、少なくとも1個の光検出器、具体的には少なくとも1個の光学スキャナなどの少なくとも1個の走査デバイスを備える、実施形態35から37のいずれか一項に記載の暗号化鍵生成デバイス。
【0146】
実施形態39:暗号化鍵生成デバイスを参照する実施形態35から38のいずれか一項に記載の暗号化鍵生成デバイス内で混成デバイスとして使用されるように構成されたプリンタであって、少なくとも1個の混成情報項目を受信し、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載のデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程i.を実行するように構成されるプリンタ。
【0147】
実施形態40:プリンタが、イメージドラムなどのドラム、レーザ、少なくとも1個の鏡、たとえば回転可能な鏡を備えるレンズシステムなどのレンズシステム、洗浄、たとえばドラムを洗浄するためのロール、スクレーパ、または類似の手段などの洗浄要素、紙カセットなど、たとえば基材のうちの1個または複数を貯蔵するためのカセット、たとえば基材、具体的には紙を、プリンタ内へ供給し、プリンタ内で伝達し、かつ/またはプリンタから排出するためのローラおよび/またはコンベアなどの少なくとも1個の輸送要素、プリンタを制御するように構成されたプリンタ制御ユニットのうちの1個または複数を備える、実施形態39に記載のプリンタ。
【0148】
実施形態41:プリンタが、少なくとも1個の混成情報項目に従って、混成物を受け取るための基材などの少なくとも1個の基材上へ少なくとも2種の材料を混成するように構成される、プリンタを参照する実施形態39または40に記載のプリンタ。
【0149】
実施形態42:基材が、少なくとも1個のキャリア媒体である、実施形態41に記載のプリンタ。
【0150】
実施形態43:プリンタが、基材、たとえばキャリア媒体をさらに備え、基材が、洗浄可能な表面を有する媒体などの再利用可能なキャリア媒体、たとえばプリンタのドラム、たとえば回転ドラムである、実施形態41または42のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0151】
実施形態44:プリンタが、少なくとも1個のパターン、具体的には少なくとも1個の干渉パターンが生成されるように、少なくとも2種の材料を混成するように構成される、実施形態41から43のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0152】
実施形態45:プリンタによって混成されるべき少なくとも2種の材料が、異なる材料、具体的には少なくとも1個の特性に関して異なる材料である、プリンタを参照する実施形態41から44のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0153】
実施形態46:プリンタによって混成されるべき少なくとも2種の材料のうちの少なくとも1種が、無機粉末、有機粉末、または顔料などの粉末を含む、実施形態41から45のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0154】
実施形態47:プリンタによって混成されるべき少なくとも2種の材料のうちの少なくとも1種が、純粋な液体、懸濁液、乳濁液、または溶液などの液体を含む、実施形態41から46のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0155】
実施形態48:プリンタが少なくとも2種の材料を混成するように構成された少なくとも1個の混成情報項目が、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する数量、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する重量、混成されるべき少なくとも2種の材料の体積、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成体積比、混成されるべき少なくとも2種の材料の混成重量比、混成されるべき少なくとも2種の材料の2個以上の連続または非連続ストリームを混合するための混合命令、異なる傾斜のラスタイメージ、たとえばプリンタのラスタイメージプロセッサ(RIP)によって生成されるラスタイメージを使用して、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための傾斜情報など、混成されるべき少なくとも2種の材料を混成するための印刷命令のうちの少なくとも1個を含む、プリンタを参照する実施形態39から47のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0156】
実施形態49:プリンタが、プリンタの少なくとも1個の印刷動作を制御するように構成された少なくとも1個のプロセッサをさらに備える、プリンタを参照する実施形態39から48のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0157】
実施形態50:プリンタが、混成されるべき少なくとも2種の材料に対する少なくとも2個のリザーバを備える、プリンタを参照する実施形態39から49のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0158】
実施形態51:プリンタが、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、静電プリンタ、たとえば液体インク静電プリンタからなる群から選択される、プリンタを参照する実施形態39から50のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0159】
実施形態52:プリンタが、少なくとも1個の光学スキャナなどの少なくとも1個の走査デバイスをさらに備える、プリンタを参照する実施形態39から51のいずれか一項に記載のプリンタ。
【0160】
実施形態53:暗号化鍵生成デバイスを参照する実施形態35から38のいずれか一項に記載の暗号化鍵生成デバイス内で検出デバイスとして使用されるように構成された走査デバイスであって、走査デバイスが、少なくともデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載のデータを暗号化するための1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程ii.を実行するように構成される、走査デバイス。
【0161】
実施形態54:走査デバイスが、具体的には混成物の少なくとも1個の材料特性を検出するとき、材料特性に関する少なくとも1個の測定情報項目を生成するように構成される、実施形態53に記載の走査デバイス。
【0162】
実施形態55:走査デバイスが、暗号化鍵生成デバイス内で変換デバイスとして使用されるようにさらに構成され、走査デバイスが、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法を参照する実施形態1から24のいずれか一項に記載のデータを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程iii.を実行するように構成される、走査デバイスを参照する実施形態53または54に記載の走査デバイス。
【0163】
実施形態56:走査デバイスが、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1回の試験、具体的には少なくとも1回の所定の試験にかけるように構成され、暗号化鍵が、具体的には材料特性を暗号化鍵に変換するとき、試験の結果に従って生成される、実施形態55に記載の走査デバイス。
【0164】
実施形態57:走査デバイスが、具体的には材料特性を暗号化鍵に変換するとき、少なくとも1個の材料特性を少なくとも1個の閾値と比較し、比較の結果に従って数を割り当てるように構成される、実施形態55または56に記載の走査デバイス。
【0165】
実施形態58:走査デバイスが、プリンタ、具体的にはプリンタを参照する実施形態39から52のいずれか一項に記載のプリンタが少なくとも2種の材料を混成した基材、たとえばキャリア媒体を走査し、具体的には光学的に走査することによって、方法の工程ii.および/またはiii.を実行するように構成される、実施形態55から57のいずれか一項に記載の走査デバイス。
【0166】
実施形態59:走査デバイスが、少なくとも1個の光検出システムを備え、少なくとも1個の光検出システムが、具体的には、光検出器、イメージセンサ、たとえば光電子増倍管(PMT)、たとえば入射する光子を電気信号に変換する真空管、シリコン光電子増倍管(SiPM)、たとえば入射する光子を電気信号に変換する固体状態デバイスのうちの1個または複数を備える、実施形態58に記載の走査デバイス。
【0167】
実施形態60:走査デバイスが、走査デバイスの少なくとも1回の走査動作を制御するように構成された少なくとも1個のプロセッサをさらに備える、走査デバイスを参照する実施形態53から59のいずれか一項に記載の走査デバイス。
【0168】
実施形態61:走査デバイスが、プリンタを参照する実施形態39から52のいずれか一項に記載のプリンタを補完して使用されるように構成され、具体的には走査デバイスおよびプリンタがともに、暗号化鍵生成デバイスとして使用されるように構成される、走査デバイスを参照する実施形態53から60のいずれか一項に記載の走査デバイス。
【0169】
実施形態62:少なくとも1個の第1の通信システム、少なくとも1個の第2の通信システムを備えるシステムであって、少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法を参照する実施形態25から32のいずれか一項に記載の少なくとも2個の通信システム間でデータ伝送方法を実行するように構成されたシステム。
【0170】
実施形態63:通信システムのうちの少なくとも1個が、暗号化されたデータを伝送するための少なくとも1個のデータ伝送システムを備え、通信システムのうちの少なくとも別の1個が、暗号化されたデータを受信するための少なくとも1個のデータ受信システムを備える、実施形態62に記載のシステム。
【0171】
実施形態64:通信システムの各々が、暗号化鍵生成デバイスを参照する実施形態35から38のいずれか一項に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイスを備える、実施形態62または63に記載のシステム。
【0172】
実施形態65:通信システムのうちの少なくとも1個が、暗号化鍵を使用することによって、伝送されるべきデータを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成するように構成された少なくとも1個の暗号化デバイスをさらに備える、実施形態64に記載のシステム。
【0173】
実施形態66:通信システムのうちの少なくとも別の1個が、暗号化鍵を使用することによって、暗号化されたデータを復号化するように構成された少なくとも1個の復号化デバイスをさらに備える、実施形態65に記載のシステム。
【0174】
実施形態67:データ暗号化システムであって、
- 暗号化鍵生成デバイスを参照する実施形態35から38のいずれか一項に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイスと、
- 暗号化鍵を使用することによってデータを暗号化し、それによって暗号化されたデータを生成するように構成された少なくとも1個の暗号化デバイスとを備えるシステム。
【0175】
実施形態68:データ復号化システムであって、
- 暗号化鍵生成デバイスを参照する実施形態35から38のいずれか一項に記載の少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイスと、
- 暗号化鍵を使用することによってデータを復号化し、それによって復号化されたデータを生成するように構成された少なくとも1個の復号化デバイスとを含むシステム。
【0176】
さらなる任意の特徴および実施形態は、後の実施形態の説明に、好ましくは従属請求項とともに、より詳細に開示される。そこで、それぞれの任意の特徴は、当業者には理解されるように、別個にならびに任意の実行可能な組合せで実現することができる。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されるものではない。実施形態は、図に概略的に示されている。そこで、これらの図における同一の参照番号は、同一または機能的に同等の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【
図1】暗号化鍵生成デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【
図2】暗号化鍵生成デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【
図4】データ暗号化システムの一実施形態を示す図である。
【
図5】データ復号化システムの一実施形態を示す図である。
【
図6】データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の一実施形態の流れ図である。
【
図7】少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法の一実施形態の流れ図である。
【
図8】データを暗号化する方法の一実施形態の流れ図である。
【
図9】データを復号化する方法の一実施形態の流れ図である。
【
図10】少なくとも1個のパターンが生成されるように少なくとも2種の材料を混成するプロセスの一実施形態である。
【
図11】暗号化鍵生成デバイスの一実施形態を示す斜視図である。
【
図12】暗号化鍵生成デバイスの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0178】
図1に、暗号化鍵生成デバイス110の一実施形態の概略図が示されている。暗号化鍵生成デバイス110は、少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも2種の材料114、具体的には少なくとも第1の材料116および第2の材料118を混成し、それによって少なくとも1個の混成物120を生成するための1個の混成デバイス112を備える。さらに、暗号化鍵生成デバイス110は、混成物120の少なくとも1個の材料特性124を検出するように構成された検出デバイス122を備える。検出デバイス122は、少なくとも1個の検出器126を有する。加えて、暗号化鍵生成デバイス110は、材料特性124を暗号化鍵130に変換するように構成された少なくとも1個の変換デバイス128を備える。変換デバイス128は、少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性124に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイス132を有する。材料特性124を暗号化鍵130に変換することは、具体的には、少なくとも1個の材料特性124を少なくとも1個の閾値と比較し、比較の結果に従って、数、たとえば2進数を割り当てることを含むことができる。
【0179】
図2は、暗号化鍵生成デバイス110の異なる実施形態を示す。そこでは、混成デバイス112によって、混成情報項目に従って、5種の材料114を混成し、少なくとも1個の混成物120を生成することができる。検出デバイス122および変換デバイス128を一体形成し、混成物120の材料特性124を検出して暗号化鍵130に変換することができる。
【0180】
図3に、システム134の一実施形態が示されている。システム134は、少なくとも1個の第1の通信システム136および少なくとも1個の第2の通信システム138を備える。通信システム136、138の各々は、暗号化鍵生成デバイス110を備えることができる。第1の通信システム136、具体的には伝送システム141は、暗号化鍵130を使用することによって、伝送されるべきデータ142を暗号化し、それによって暗号化されたデータ144を生成するように構成された少なくとも1個の暗号化デバイス140を備えることができる。伝送システム141および伝送システムという用語は、区別なく使用することができ、具体的には同じシステムを指すことができる。第2の通信システム138、具体的には受信システム145は、暗号化鍵130を使用することによって、暗号化されたデータ144を復号化するように構成された少なくとも1個の復号化デバイス146を備えることができる。
【0181】
図4は、少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイス110を備えるデータ暗号化システム148の一実施形態を示す。さらに、データ暗号化システム148は、暗号化鍵130を使用することによって、伝送されるべきデータ142を暗号化し、それによって暗号化されたデータ144を生成するように構成することができる少なくとも1個の暗号化デバイス140を備える。
【0182】
図5は、少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイス110を備えるデータ復号化システム150の一実施形態を示す。さらに、データ復号化システム150は、暗号化鍵130を使用することによって、データ、具体的には暗号化されたデータ144を復号化し、それによってたとえばデータ142などの復号化されたデータ152を生成するように構成された少なくとも1個の復号化デバイス146を備える。
【0183】
暗号化鍵生成デバイス110は、たとえば
図1および
図2に示すように、少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する方法154を実行するように構成することができる。
図6は、データ142を暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する方法154の一実施形態の流れ図を示す。方法154は、以下の工程を含み、これらの工程は、具体的には、所与の順序でことができる実行する。それでもなお、異なる順序も可能である。これらの方法工程のうちの2個以上を完全または部分的に同時に実行することが可能である。さらに、これらの方法工程のうちの1個、2個以上、またはさらにはすべてを、1度または繰り返し実行することが可能である。この方法は、本明細書に列挙されていない追加の方法工程を含むことができる。データ142を暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する方法154の方法工程は、
i.混成デバイス112を使用することによって、少なくとも1個の混成情報項目に従って、少なくとも2種の材料114を混成し、それによって少なくとも1個の混成物120を生成する工程(参照番号156によって示す)と、
ii.少なくとも1個の検出器126を使用することによって、混成物120の少なくとも1個の材料特性124を検出する工程(参照番号158によって示す)と、
iii.少なくとも1個の変換アルゴリズムを材料特性124に適用するように構成された少なくとも1個のデータ処理デバイス132を使用することによって、材料特性124を暗号化鍵130に変換する工程(参照番号160によって示す)とを含む。
【0184】
システム134は、たとえば
図3に示されているように、少なくとも2個の通信システム136、138間のデータ伝送方法162を実行するように構成される。
図7は、少なくとも2個の通信システム136、138間のデータ伝送方法162の一実施形態の流れ図を示す。方法162は、以下の工程を含み、これらの工程は、具体的には、所与の順序で実行することができる。それでもなお、異なる順序も可能である。これらの方法工程のうちの2個以上を完全または部分的に同時に実行することが可能である。さらに、これらの方法工程のうちの1個、2個以上、またはさらにはすべてを、1度または繰り返し実行することが可能である。この方法は、本明細書に列挙されていない追加の方法工程を含むことができる。少なくとも2個の通信システム136、138間のデータ伝送方法162の方法工程は、
I.通信システム136、138のうちの少なくとも1個に伝送システム141の役割を割り当てる工程(参照番号164によって示す)と、
II.通信システム136、138のうちの少なくとも別の1個に受信システム145の役割を割り当てる工程(参照番号166によって示す)と、
III.伝送システム141および受信システム145の両方に少なくとも1個の混成情報項目を提供する工程(参照番号168によって示す)と、
IV.伝送システム141によって、少なくとも1個の混成情報項目、および少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する方法154を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する工程(参照番号170によって示す)と、
V.伝送システム141によって、暗号化鍵130を使用することによって、伝送されるべきデータ142を暗号化し、それによって暗号化されたデータ144を生成する工程(参照番号172によって示す)と、
VI.伝送システム141によって、暗号化されたデータ144を受信システム145へ伝送する工程(参照番号174によって示す)と、
VII.受信システム145によって、暗号化されたデータ144を受信する工程(参照番号176によって示す)と、
VIII.受信システム145によって、少なくとも1個の混成情報項目、および少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する方法154を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する工程(参照番号178によって示す)と、
IX.受信システム145によって、暗号化鍵130を使用することによって、暗号化されたデータ144を復号化する工程(参照番号180によって示す)とを含む。
【0185】
図8に、データを暗号化する方法182の一実施形態の流れ図が示されている。方法182は、以下の工程を含み、これらの工程は、具体的には、所与の順序で実行することができる。方法工程のうちの1個または複数を1度または繰り返し実行することが可能である。この方法は、本明細書に列挙されていない追加の方法工程を含むことができる。データを暗号化する方法182の方法工程は、
a.少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する方法154を使用することによって、少なくとも1個の暗号化鍵130を生成する工程(参照番号184によって示す)と、
b.暗号化鍵130を使用することによってデータ142を暗号化し、それによって暗号化されたデータ144を生成する工程(参照番号186によって示す)とを含む。
【0186】
図9は、データを復号化する方法188の一実施形態の流れ図を示す。方法188は、以下の工程を含み、これらの工程は、具体的には、所与の順序で実行することができる。方法工程のうちの1個または複数を1度または繰り返し実行することが可能である。この方法は、本明細書に列挙されていない追加の方法工程を含むことができる。データを復号化する方法188の方法工程は、
A.暗号化鍵130を生成する方法154を使用することによって、少なくとも1個の鍵130を生成する工程(参照番号190によって示す)と、
B.暗号化鍵130を使用することによって、暗号化されたデータ144を復号化し、それによって復号化されたデータ152を生成する工程(参照番号192によって示す)とを含む。
【0187】
図10は、少なくとも1個のパターンが生成されるように、少なくとも2種の材料を混成する一実施形態を示す。特に、この図は、第1の材料116および第2の材料118を少なくとも1個の混成物120に混成するとき、干渉パターンなどのパターンを生成する一例を示すことができる。具体的には、たとえば
図11および
図12に例示的に示すように、プリンタ194を使用するとき、第1の材料116は、ドラム198および/または1枚の紙200などの少なくとも1個の基材196上に適用することができる。たとえば、パターンは、具体的には、異なる傾斜のラスタイメージを使用することによって生成することができる。したがって、特に、たとえばプリンタ制御ユニット202によって、第2の材料118によって生成されるラスタイメージを、第1の材料116によって生成されたラスタイメージに対して傾斜させることができる。
図10に例示的に示すように、それぞれ第1の材料116および第2の材料118によって生成されるラスタイメージを重ねるなど、2種の材料を混成する結果、混成物120内にパターンを生じさせることができる。
【0188】
混成物120内のそのようなパターンは、具体的には、
図11に例示的に示すようなプリンタ194を使用することによって生成することができる。特に、
図11は、暗号化鍵生成デバイス110の一実施形態を斜視図に示す。暗号化鍵生成デバイス110は、具体的には、混成デバイス112として使用されるように構成されたプリンタ194を備えることができ、検出デバイス122として使用されるように構成された走査デバイス204をさらに備えることができる。プリンタ194は、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程i.を実行するように構成される。プリンタ194は、レーザプリンタとすることができ、またはレーザプリンタを含むことができ、少なくとも2個のリザーバ210内に収容されている少なくとも2種の材料114をドラム198上へ印刷、たとえば混成するために、少なくとも1個のレーザ206および少なくとも1個の回転鏡208を使用することができる。具体的には、第1の材料116を第1のリザーバ212内に収容することができ、第2の材料118を第2のリザーバ214内に収容することができる。
【0189】
走査デバイス204は、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法の少なくとも工程ii.を実行するように構成される。さらに、走査デバイス204は、たとえばドラム198上へ印刷された混成物120を光学的に走査することによって、混成物120内のパターンを検出するために使用することができる。したがって、走査デバイス204は、たとえばこのパターンから、少なくとも1個の測定情報項目を生成するように構成することができる。加えて、走査デバイス204は、たとえばパターンを暗号化鍵130に変換することによって、方法の少なくとも工程iii.を実行するように構成することができる。さらに、プリンタ194は、たとえば基材196を洗浄するために、具体的には混成物120をドラム198から除去するために、洗浄ロール218などの洗浄要素216を備えることができる。したがって、一例として、洗浄要素216は、次の混成物120を運ぶ準備をするためなど、さらなる印刷のために、ドラム198を準備するように構成することができる。
【0190】
特に、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵を生成するために使用可能になるように、混成物、たとえばイメージを生成するために、ドラム198は、レーザプリンタ内で、少なくとも2個のプリンタ粉末によって被覆することができ、これらの粉末は、パターン、たとえば特有のパターンを生じさせるように混成することができる。パターンは、具体的には、プリンタ194のラスタイメージプロセッサ(RIP)を制御するためにプリンタ制御ユニット202を使用することによって生じさせることができる。特に、プリンタ194のラスタイメージプロセッサは、印刷された物質の明度階調を、各材料114のための小さい点からなる異なる格子に変換し、それによってたとえば、第1の材料116によって生成されたラスタイメージに対して第2の材料118によって生成されたラスタイメージを傾斜させるように制御することができる。具体的には、一例として、RIPは、混成情報項目に従って制御することができる。
【0191】
図12に、暗号化鍵生成デバイス110の一実施形態の概略図が示されている。暗号化鍵生成デバイス110は、具体的には、少なくとも1個の混成デバイス112に対して少なくとも1個のプリンタ194を備えることができる。さらに、暗号化鍵生成デバイス110は、少なくとも1個の検出デバイス122に対して、たとえば加えて少なくとも1個の変換デバイス128に対して、少なくとも1個の走査デバイス204を備えることができる。一例として、プリンタ194は、複数のリザーバ210を備えることができ、各リザーバ210は、少なくとも1種の材料114を含み、各材料114は、すべての他の材料114とは異なるものとすることができる。特に、プリンタ194は、たとえば「CMYK」のトナー色を有する標準的なカラーレーザカートリッジを備えることができる。したがって、一例として、プリンタ194は、5つのリザーバ210を備えることができ、各リザーバ210は、シアン220、マゼンタ222、黄色224、および黒色226の材料などの異なる色を有する材料114、たとえばトナー217を含むことができる。さらに、各リザーバは、少なくとも1個のイメージロール219および少なくとも1個のレーザ227を備えることができる。追加または別法として、プリンタ194は、反射材料、蛍光材料、「CMYK」色の材料のうちの1種または複数などの1種または複数の他の材料との光学的に検出可能な反応を有する材料のうちの1種または複数など、少なくとも1種の作用材料228を含むことができる。特に、複数の材料114を使用することによって、暗号化鍵130の複雑さを増大させることができる。
【0192】
走査デバイス204は、混成物120を照明するように構成された要素などの少なくとも1個の照明要素230をさらに備えることができる。具体的には、走査デバイス204は、混成物120の反射を使用することによって、混成物120の少なくとも1個の特性を検出するように構成することができる。したがって、一例として、照明要素230を有する走査デバイス204を使用して混成物120を走査するとき、特別な反射などの光作用を使用することによって、たとえば作用材料228を使用することによって、暗号化鍵130の複雑さを増大させることができる。
【0193】
さらに、たとえばプリンタ制御ユニット202によってプリンタ194を制御することで、ラスタイメージを変更することができ、たとえば特有のパターンおよび/または色を生じさせることができる。具体的には、たとえば前に使用された材料は維持したまま、プリンタ制御ユニット202内にのみ変更を実施するなど、混成情報項目にわずかな修正を加える結果、新しい色のイメージを得ることができる。したがって、具体的には、たとえば色成分のいくつかに対して定義された距離だけ、材料の堆積の位置を移動させることができ、それによって以前に青色または赤色であった領域を緑色または橙色の領域に修正することができるイメージを得ることができる。
【0194】
図12に示すように、プリンタ194は、たとえば基材196、具体的には紙200をプリンタ194内へ供給し、プリンタ194内で伝達し、かつ/またはプリンタ194から排出するためのローラ232および/またはコンベア234などの少なくとも1個の輸送要素をさらに備えることができる。さらに、コンベア234自体はまた、混成物120、たとえば印刷されたカラーイメージを走査デバイス204へ輸送するために、基材196として使用することもできる。洗浄要素216は、具体的には混成物120が走査デバイスを通過した後、コンベア234を洗浄するためにさらに使用することができる。したがって、一例として、コンベア234は、伝達ベルトとして機能することができる。特に、混成物120は、コンベア234上へ印刷することができ、次いでコンベア234によって走査デバイス204へ輸送することができ、したがって走査デバイス204は、混成物120の少なくとも1個の特性を検出することができる。次いで、コンベア234は、具体的にはスキャナを通過した後、混成物120を洗浄要素216へ動かすように構成することができ、洗浄要素216では、コンベア234を洗浄することができ、たとえば混成物120、たとえばカラーイメージをコンベア234から取り出すことができる。したがって、たとえばプリンタ194が通常のプリンタモードにある場合とは異なり、コンベア234が基材196として使用される場合、紙200は輸送されないことがある。具体的には、この場合、走査デバイス204は、
図12に例示的に示すように、紙排出部の後ろに配置することができる。
【0195】
暗号化鍵生成デバイス110、たとえばプリンタ194は、走査デバイス204とともに、データを暗号化するための少なくとも1個の暗号化鍵130を生成するように構成することができる。一例として、安全でないチャネルを介した、たとえば少なくとも2個の通信システム136、138間のデータ通信、具体的には安全な通信のために、各通信システム136、138は、少なくとも1個の暗号化鍵生成デバイス110を備えることができる。したがって、各通信システム136、138は、たとえば、少なくとも1個のプリンタ194および少なくとも1個の走査デバイス204を備えることができ、各通信システム136、138内で、プリンタ194およびスキャナ204は、データ142を暗号化および/または復号化するために使用されるように同じ暗号化鍵130を生成することができる。特に、各通信システム136、138内で、プリンタ194およびスキャナ204は、同一の材料114、たとえばプリンタ粉末を使用することによって、同じ印刷命令などの混成情報項目に従って、かつ/またはプリンタ制御ユニット202などのプリンタ194、たとえばプリンタ194のRIPを制御するために同一の情報を使用して、暗号化鍵130を生成することができる。
【0196】
特に、データ通信、たとえば安全な通信のために、データを暗号化および復号化するために、関連する通信システム136、138のすべてが、両方のハードウェアで同一のものなどの同一のプリンタ194および同一の走査デバイス204、たとえば同一のレーザプリンタおよび/または同一の光学スキャナ、ならびに同一にプログラムされたプリンタ制御ユニット202、たとえばRIPなど、たとえばプリンタ194および/または走査デバイス204を制御するために使用されるソフトウェアを備えることができる。
【0197】
通信の機密保護は、暗号化鍵130を修正および/または変更することによって増大させることができる。したがって、一例として、混成情報項目は、定期的に変更および/または修正することができる。たとえば、たとえばプリンタ194および/または走査デバイス204を制御するために使用されるソフトウェアは、事前定義された時間間隔で同期調整にかけることができ、混成されるべき材料114は、外部通信を介して伝達される情報に従って交換および/または修正することができる。追加または別法として、ソフトウェアは、アルゴリズムに従って同期的に修正することができ、材料114は、伝達されている暗号化されたデータ144の付録内など、伝達されている暗号化されたデータ144内に含まれる情報によって交換および/または修正することができる。
【0198】
具体的には、データ、たとえば暗号化されるべきデータ142は、画像形式などの画像、たとえばプリンタ194によって印刷可能な画像形式に変形および/または変換することによって、暗号化することができる。特に、たとえばプリンタ194を制御するための印刷命令ならびに適合版、たとえばRIP適合版を含む混成情報項目を、暗号化されたデータ144とともに伝送することができる。
【符号の説明】
【0199】
110 暗号化鍵生成デバイス
112 混成デバイス
114 材料
116 第1の材料
118 第2の材料
120 混成物
122 検出デバイス
124 材料特性
126 検出器
128 変換デバイス
130 暗号化鍵
132 データ処理デバイス
134 システム
136 第1の通信システム
138 第2の通信システム
140 暗号化デバイス
141 伝送システム
142 データ
144 暗号化されたデータ
145 受信システム
146 復号化デバイス
148 データ暗号化システム
150 データ復号化システム
152 復号化されたデータ
154 少なくとも1個の暗号化鍵を生成する方法
156 工程i.
158 工程ii.
160 工程iii.
162 少なくとも2個の通信システム間のデータ伝送方法
164 工程I.
166 工程II.
168 工程III.
170 工程IV.
172 工程V.
174 工程VI.
176 工程VII.
178 工程VIII.
180 工程IX.
182 データを暗号化する方法
184 工程a.
186 工程b.
188 データを復号化する方法
190 工程A.
192 工程B.
194 プリンタ
196 基材
198 ドラム
200 紙
202 プリンタ制御ユニット
204 走査デバイス
206 レーザ
208 回転鏡
210 リザーバ
212 第1のリザーバ
214 第2のリザーバ
216 洗浄要素
217 トナー
218 洗浄ロール
219 イメージロール
220 シアン
222 マゼンタ
224 黄色
226 黒色
227 レーザ
228 作用材料
230 照明要素
232 ローラ
234 コンベア
【国際調査報告】