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特表2022-539227成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用
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  • 特表-成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用 図1
  • 特表-成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用 図2A
  • 特表-成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用 図2B
  • 特表-成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用 図2C
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  • 特表-成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】成形品を製造するためのプロファイルのオーバーモールディング、それから得られた成形品、およびその使用
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20220831BHJP
   B29C 70/50 20060101ALI20220831BHJP
   B29C 69/02 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C70/50
B29C69/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578082
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(85)【翻訳文提出日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 EP2020067466
(87)【国際公開番号】W WO2021001210
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】62/869,187
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19189509.3
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】グルム,キップ
(72)【発明者】
【氏名】シャコール,エリアス ルーダ
【テーマコード(参考)】
4F205
4F206
4F213
【Fターム(参考)】
4F205AA42
4F205AD16
4F205AH17
4F205HA05
4F205HA13
4F205HA33
4F205HA35
4F205HB02
4F205HT29
4F205HW02
4F206AA03
4F206AA23
4F206AA24
4F206AA29
4F206AA31
4F206AA42
4F206AB25
4F206AD16
4F206AH17
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4F206JQ81
4F213AA03
4F213AA23
4F213AA24
4F213AA29
4F213AA31
4F213AA42
4F213AB25
4F213AD16
4F213AG01
4F213AG05
4F213AG26
4F213AH17
4F213WA05
4F213WA06
4F213WA43
4F213WA54
(57)【要約】
本発明は、成形品を製造する方法、それから得られた成形品、ならびに車両ドア嵌入ビーム、ボディインホワイトの構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサートおよびフロントエンドモジュール構造における成形品の使用に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形品(100)を製造するための方法であって、
(A)ダイ内で繊維強化ポリウレタンを引抜成形または押出成形して第1の要素(10)を得るステップであって、前記ダイが、複数の第1の表面特徴を含み、
前記第1の要素(10)が、外面(11)を含み、前記外面(11)が、前記ダイ内の前記複数の第1の表面特徴によって形成される複数の第2の表面特徴(12)を含む、得るステップと、
(B)第2の要素(20)を前記第1の要素(10)上に射出成形して前記成形品(100)を得るステップであって、前記第2の要素(20)が、外面(21)を含み、前記外面(21)が、複数の第3の表面特徴(22)を含み、
前記第1の要素(10)が、前記第2の表面特徴(12)のそれぞれが前記第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なるように前記第2の要素(20)を形状適合的にロックする、得るステップと、を少なくとも含む、方法。
【請求項2】
前記第2の表面特徴(12)および前記第3の表面特徴(22)が、オス部分、メス部分、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の要素(10)の前記外面(11)上の前記第2の表面特徴(12)のそれぞれが、前記ダイ内の前記第1の表面特徴のそれぞれの深さに等しい高さを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の表面特徴(12)が、高さ方向には、前記第1の要素(10)の高さに沿って前記外面(11)から外向きに延び、幅方向には、前記第1の要素(10)の幅に沿って前記外面(11)から延び、長さ方向には、前記第1の要素(10)の長さに少なくとも部分的に沿って前記外面(11)から延びる突起である、請求項1~3のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の要素(20)が、熱可塑性樹脂でできている、請求項1~4のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアセタール樹脂から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の表面特徴(22)が、深さ方向には、前記第2の要素(20)の高さに沿って前記外面(21)で内向きに延び、幅方向には、前記第2の要素(20)の幅に沿って前記外面(21)内に延び、長さ方向には、前記外面(21)内に、前記第2の要素(20)の長さに少なくとも部分的に沿って延びる窪みである、請求項1~6のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の要素(20)が、前記第1の要素(10)の対応する長さ、幅、および高さに等しい長さ、幅、および高さを有する、請求項1~7のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の要素(20)と前記第1の要素(10)との間に、前記形状適合ロック以外の接着剤または締結手段が存在しない、請求項1~8のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のうちの一項以上に記載の方法によって得られる成形品(100)。
【請求項11】
車両ドア嵌入ビーム、ボディインホワイトの構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサート、およびフロントエンドモジュール構造における、請求項10に記載の、または請求項1~9のうちの一項以上に記載の方法によって得られた成形品(100)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品を製造する方法、それから得られた成形品、ならびに車両ドア嵌入ビーム、ボディインホワイトの構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサートおよびフロントエンドモジュール構造における成形品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
連続的で一定の断面積の複合プロファイルを製造するために、引抜成形および押出成形が広く使用されている。これらの技術は、エンジニアリングポリマーを使用して利用される場合、安価で、かつ高い連続または不連続繊維材料であることから高い強度と剛性を備えたプロファイルを提供する。ただし、プロファイルのジオメトリは制限される。すなわち、プロファイルジオメトリは、連続した断面を持っていると言える。
【0003】
自動車は、エンジニアリングポリマー、特にそれから作られた引抜成形または押出成形されたプロファイルを広範囲に使用する。これらのプロファイルは、これらに限定されないが、ボディインホワイト(BIW)の構造インサート、車両ドア嵌入ビーム、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサート、フロントエンドモジュール構造などの分野での用途がある。
【0004】
US2015/129116A1は、自動車の耐衝撃性構造部品であって、自動車の衝突時に衝撃力を受けるためのビーム要素を含む耐衝撃性構造部品を製造する方法を記載している。構造部品は、もっぱら熱可塑性プラスチックから派生しており、これらの熱可塑性材料の接合にはオーバーモールディングが使用される。
【0005】
US6,844,040B2は、木製部材の代わりに使用されるのに十分な強度および剛性を有する強化複合構造部材を開示している。構造部材は、もっぱら熱可塑性プラスチック(例えば、熱可塑性樹脂セルロース繊維)からできている。鳩の尾のような表面の特徴が説明されているが、熱可塑性材料を組み合わせるという文脈のみである。
【0006】
それらの利点にもかかわらず、連続的な断面を有するこれらの引抜成形または押出成形されたプロファイルは、エンジニアリングポリマーの能力の完全な利用を可能にしない。言い換えれば、連続的な引抜成形または押出成形されたプロファイルが製造された場合、エンジニアリングポリマーの優れた機械的特性は利用されないままである。
【0007】
多くの場合、これらのプロファイルは、自動車での用途に好適なものにするために、さらに処理を行う必要がある。ただし、これは、これらのプロファイルの最終的なコストに付加され、それによってそれらを高価にする。また、これらの引抜成形または押出成形されたプロファイルから複雑なプロファイルジオメトリを取得する一方で、追加の製造ステップには、接着剤または締結手段の使用が強制的に含まれる。接着剤および締結手段を使用すると、これらのプロファイルのコストがさらに増加する。
【0008】
さらに、上記のように、最先端技術はまた、熱可塑性材料を熱硬化性材料と組み合わせることについては言及しておらず、それでも許容可能な機械的特性をもたらす。
【0009】
したがって、本請求項に係る発明の目的は、成形品を製造するための方法を提供することであり、それによって、こうして得られた成形品は、引抜成形された熱硬化性材料に射出成形された熱可塑性材料を有し、許容可能なまたは実際に優れた機械的特性を有する複雑なジオメトリを備えており、比較的安価に製造することができる。
【発明の概要】
【0010】
驚くべきことに、上記の目的は、成形品(100)を製造する方法を提供することによって満たされ、それによって、こうして得られた成形品は、以下に記載されるように、引抜成形または押出成形によって得られた第1の要素(10)と射出成形によって得られた第2の要素(20)との間の形状適合ロック(positive lock)によって形成されることが見出された。
【0011】
したがって、一態様では、本請求項に係る発明は、成形品(100)を製造するための方法であって、
(A)ダイ内で繊維強化ポリウレタンを引抜成形または押出成形して第1の要素(10)を得るステップであって、該ダイが、複数の第1の表面特徴を含み、
第1の要素(10)が、外面(11)を含み、該外面(11)が、ダイ内の複数の第1の表面特徴によって形成される複数の第2の表面特徴(12)を含む、得るステップと、
(B)第2の要素(20)を第1の要素(10)上に射出成形して成形品(100)を得るステップであって、第2の要素(20)が、外面(21)を含み、該外面(21)が、複数の第3の表面特徴(22)を含み、
前記第1の要素(10)が、前記第2の表面特徴(12)のそれぞれが前記第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なるように前記第2の要素(20)を形状適合的にロックする、得るステップと、を少なくとも含む、方法を対象とする。
【0012】
別の態様では、本請求項に係る発明は、上記で得られた成形品(100)を対象とする。
【0013】
さらに別の態様では、本請求項に係る発明は、車両ドア嵌入ビーム、ボディインホワイトの構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサート、およびフロントエンドモジュール構造における上記の成形品(100)の使用を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による第1の要素(10)の斜視図を示す。
図2A】第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第1の実施形態を示す。
図2B】第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第2の実施形態を示す。
図2C】第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第3の実施形態を示す。
図2D】第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第4の実施形態を示す。
図3】本発明による第1の要素(10)の別の斜視図を示す。
図4】本発明による成形品(100)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の本組成物および配合物を説明する前に、そのような組成物および配合物が、当然ながら変化し得るため、本発明は、説明された特定の組成物および配合物に限定されないことを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0016】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、および「構成される(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、{含む(includes)」、または「containing(含有する)」、「contains(含有する)」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の、列挙されていない部材、要素、または方法ステップを排除しない。本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、および「構成される(comprised of)」という用語は、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists)」、および「(からなる(consists of)」という用語を含むことが理解されるであろう。
【0017】
さらに、説明および特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」、または「a」、「b」、「c」、「d」などの用語および同様のものは、類似の要素間で区別するために使用され、必ずしも連続的または時系列の順序を説明するものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で互換性があり、本明細書に記載される発明の実施形態は、本明細書に記載または例示される以外の順序で実施可能であることを理解されたい。方法または使用または分析のステップに関連する、「第1の」、「第2の」、「第3の」、または「(A)」、「(B)」、および「(C)」、または「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」などの用語の場合、ステップの間に時間または時間間隔の一貫性はなく、すなわち、ステップは同時に実施されるか、または本明細書の上記もしくは下記に記載されているように用途において特に指示されていない限り、そのようなステップの間には、秒、分、時間、日、週、月、またはさらには年の時間間隔があり得る。
【0018】
以下の節では、本発明の様々な態様が、より詳細に定義される。そのように定義された各側面は、反対のことが明確に示されない限り、任意の他の態様または複数の態様と組み合わせられてもよい。特に、好ましいまたは有利であるとして示された任意の特徴は、好ましいまたは有利であるとして示された任意の他の特徴または複数の特徴と組み合わせられてもよい。
【0019】
本明細書を通して「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体にわたる様々な場所での「一実施形態」、または「実施形態」という句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照するとは限らないが、その可能性もある。さらに、1つ以上の実施形態では、本開示から当業者には明らかであるように、特定の特徴、構造、または特性は、任意の好適な方式で組み合わせられ得る。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴は含まず、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者が理解するように、本発明の範囲内で、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲では、特許請求された実施形態のいずれかを、任意の組み合わせで使用することができる。
【0020】
さらに、仕様全体で定義されている範囲は、最終値も含み、すなわち、1~10の範囲は、1および10の両方が、範囲に含まれることを意味する。誤解を避けるために、出願人は、適用される法律に従って、任意の等価物の権利を有するものとする。
【0021】
本発明の一態様は、成形品(100)を製造するための方法であって、
(A)ダイ内で繊維強化ポリウレタンを引抜成形または押出成形して第1の要素(10)を得るステップであって、該ダイが、複数の第1の表面特徴を含み、
第1の要素(10)が、外面(11)を含み、該外面(11)が、ダイ内の複数の第1の表面特徴によって形成される複数の第2の表面特徴(12)を含む、得るステップと、
(B)第2の要素(20)を第1の要素(10)上に射出成形して成形品(100)を得るステップであって、第2の要素(20)が、外面(21)を含み、該外面(21)が、複数の第3の表面特徴(22)を含み、
前記第1の要素(10)が、前記第2の表面特徴(12)のそれぞれが前記第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なるように前記第2の要素(20)を形状適合的にロックする、得るステップと、を少なくとも含む、方法を対象とする実施形態1である。
【0022】
繊維強化ポリウレタン
実施形態では、実施形態1の繊維強化ポリウレタンは、繊維材料およびポリウレタン樹脂を含む。
【0023】
一実施形態では、繊維材料は、100g/m~1500g/mの面積重量を有する。実施形態1の繊維強化ポリウレタンにとって好適な繊維材料は、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、玄武岩繊維、無機繊維、アラミド繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、麻繊維、セルロース繊維、サイザル繊維、およびコイア繊維から選択される。
【0024】
他の実施形態では、繊維材料は、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、およびセラミック繊維から選択される。さらに他の実施形態では、繊維材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、および玄武岩繊維から選択される。さらに他の実施形態では、繊維材料は、ガラス繊維および炭素繊維から選択される。
【0025】
一実施形態では、繊維材料は、ガラス繊維を含む。好適なガラス繊維は、当業者に良く知られている。例えば、チョップドガラス繊維および連続ガラス繊維をこの目的に使用することができる。
【0026】
別の実施形態では、繊維材料は、チョップドガラス繊維を含む。チョップドガラス繊維は、任意の形状とサイズで入手することができる。例えば、チョップドガラス繊維は、これらに限定されないが、横方向および平面を通る寸法を有するガラス繊維または直径を有する球形粒子の複数のストランドまたはロービングであることができる。本発明は、チョップドガラス繊維の形状およびサイズによって限定されない。当業者は、これらの選択および修正を知っている。しかしながら、実施形態では、チョップドガラス繊維は、10mm~150mmの長さを有することができる。
【0027】
チョップドガラス繊維を結合するために、任意の好適な結合剤を使用することができる。一実施形態では、結合剤は、アクリル結合剤を含む。アクリル結合剤は、硬化した水性系のアクリル樹脂である。結合剤は、例えば、多官能性アルコールのカルボキシル基とヒドロキシル基の結合によって硬化する。
【0028】
アクリル結合剤は、アクリル酸、メタクリル酸、それらのエステルまたは関連する誘導体の単位を含むポリマーまたはコポリマーである。アクリル結合剤は、例えば、(メタ)アクリル酸(従来の(メタ)アクリルはアクリルとメタクリリックの両方を包含することを意図している)、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレートまたはそれらの混合物を使用する水性エマルジョン重合によって形成される。
【0029】
(メタ)アクリルモノマーと、一般に少量で共重合することができる他のモノマーには、スチレン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、t-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチル-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン;ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、および2-エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル;マレイン酸エステル;フマル酸エステル;ならびに類似の化合物が含まれる。
【0030】
多官能性アルコールは、例えば、ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、クレゾール、または2~12個の炭素原子を含有するアルキレンポリオールであり、アルキレンポリオールとしては、エチレングリコール、1,2-もしくは1,3-プロパンジオール、1,2-、1,3-もしくは1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-シクロペンタンジオール、1,2-、1,3-もしくは1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β-ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールおよびソルビトールが挙げられる。
【0031】
別の実施形態では、繊維材料が連続ガラス繊維を含む場合、上記のような結合剤の使用を回避することができる。本発明は、当業者が同じことを認識しているので、連続ガラス繊維の形状およびサイズの選択によって限定されない。連続ガラス繊維は、一方向またはいくつかの方向、例えば、横方向、垂直方向、または横方向と垂直方向の間の任意の角度に配向することができる。連続ガラス繊維を含む繊維マット層は、100g/m~1000g/mの面積重量を有する。
【0032】
別の実施形態では、繊維材料は、チョップドガラス繊維の少なくとも1つの層と連続ガラス繊維の少なくとも1つの層とを含むハイブリッド層であることができる。さらに、それはまた、その表面品質を高めるために薄膜またはスクリムを含むことができる。該薄膜またはスクリムは、ハイブリッド層の上に挿入することができる。
【0033】
実施形態では、実施形態1で繊維強化ポリウレタンを得るために、単層の繊維材料を使用することができる。代替的に、実施形態1で繊維強化ポリウレタンを得るために、各層が同じまたは異なる繊維材料である複数の層を使用することもできる。
【0034】
別の実施形態では、繊維材料は、任意の好適な形状およびサイズを有することができる。したがって、繊維材料は、ストランド、編組ストランド、織布または不織布マット構造、束、およびそれらの組み合わせから選択することができる。例えば、繊維材料は、50mm~150mmの長さおよび1μm~50μmの直径を有することができる。
【0035】
一実施形態では、繊維材料は、表面処理剤を施すことができる。表面処理剤は、サイジングと呼ばれる。好適なサイジングは、当業者に良く知られている。一実施形態では、表面処理剤は、カップリング剤であり、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびアルミン酸塩カップリング剤から選択される。この目的のために、表面処理に好適な任意の技術を使用することができる。例えば、ディップコーティングおよびスプレーコーティングを利用することができる。
【0036】
実施形態では、繊維材料は、シランカップリング剤を使用して表面処理が施される。好適なシランカップリング剤は、アミノシラン、エポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、およびビニルトリメトキシシランから選択される。別の実施形態では、シランカップリング剤は、エポキシシランまたはアミノシランを含む。
【0037】
一実施形態では、繊維材料は、シランカップリング剤が施されるガラス繊維を含む。
【0038】
繊維材料の好適な量は、当業者に良く知られている。しかしながら、一実施形態では、繊維材料は、繊維強化ポリウレタンの総重量に基づいて、10重量%~60重量%の量で存在することができる。
【0039】
別の実施形態では、ポリウレタン樹脂は、
(a)イソシアネート、および
(b)イソシアネートに対して反応性のある化合物、を反応させることによって得られる。
【0040】
一実施形態では、ポリウレタン樹脂は、熱硬化性材料である。別の言い方をすれば、ポリウレタン樹脂は、架橋構造を有する。
【0041】
本発明にとって好適なイソシアネートは、少なくとも2.0または2.0~3.0の平均官能基を有する。これらのイソシアネートは、脂肪族イソシアネートまたは芳香族イソシアネートを含む。イソシアネートは、脂肪族または芳香族イソシアネートのモノマーの形態およびポリマーの形態の両方を含むことを理解されたい。「ポリマーの」という用語は、互いに独立して、異なるオリゴマーおよびホモログを含む脂肪族ならびに/または芳香族イソシアネートのポリマーグレードを指す。一実施形態では、芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されるようにポリウレタン樹脂を得るために使用される。
【0042】
一実施形態では、イソシアネートは、5重量%~50重量%、または8重量%~40重量%、または9重量%~35重量%の範囲の遊離イソシアネート基の含有量(NCO含有量)を有する。
【0043】
実施形態では、脂肪族イソシアネートは、テトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、1,2-、1,3-および1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、2,4-および2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-および2,4’-ジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート、イソシアネートメチルシクロヘキサンイソシアネート、イソシアネートエチルシクロヘキサンイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートならびにそれらの混合物から選択される。
【0044】
別の実施形態では、芳香族イソシアネートは、トルエンジイソシアネート;ポリマーのトルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート;ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネート;m-フェニレンジイソシアネート;1,5-ナフタレンジイソシアネート;4-クロロ-1,3-フェニレンジイソシアネート;2,4,6-トルイレントリイソシアネート;1,3-ジイソプロピルフェニレン-2,4-ジイソシアネート;1-メチル-3,5-ジエチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート;1,3,5-トリエチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート;1,3,5-トリイソプロプリ-フェニレン-2,4-ジイソシアネート;3,3’-ジエチル-ビスフェニル-4,4’-ジイソシアネート;3,5,3’,5’-テトラエチル-ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;3,5,3’,5’-テトライソプロピルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;1-エチル-4-エトキシ-フェニル-2,5-ジイソシアネート;1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート;1-エチル-3,5-ジイソプロピルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,3,5-トリイソプロピルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、およびそれらの混合物から選択される。
【0045】
別の実施形態では、芳香族イソシアネートには、トルエンジイソシアネート;ポリマーのトルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート;ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート;1,5-ナフタレンジイソシアネート;4-クロロ-1,3-フェニレンジイソシアネート;2,4,6-トルイレントリイソシアネート、1,3-ジイソプロピルフェニレン-2,4-ジイソシアネート、および1-メチル-3,5-ジエチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート、またはそれらの組み合わせが含まれる。さらに他の実施形態では、芳香族イソシアネートには、トルエンジイソシアネート;ポリマーのトルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート;ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、および1,5-ナフタレンジイソシアネート、またはそれらの組み合わせが含まれる。さらに他の実施形態では、芳香族イソシアネートには、トルエンジイソシアネート;ポリマーのトルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、およびポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネート、またはそれらの組み合わせが含まれる。さらなる実施形態では、イソシアネートには、メチレンジフェニルジイソシアネートおよび/またはポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートが含まれる。
【0046】
メチレンジフェニルジイソシアネートは、3つの異なる異性体、すなわち、2,2’-メチレンジフェニルジイソシアネート(2,2’-MDI)、2,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’-MDI)および4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(4,4’-MDI)として入手可能である。メチレンジフェニルジイソシアネートは、モノマーのメチレンジフェニルジイソシアネートと、工業用メチレンジフェニルジイソシアネートと呼ばれるポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートとに分類することができる。ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートには、オリゴマー種およびメチレンジフェニルジイソシアネート異性体が含まれる。したがって、ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートは、単一のメチレンジフェニルジイソシアネート異性体または2つもしくは3つのメチレンジフェニルジイソシアネート異性体の異性体混合物を含有し得、残部はオリゴマー種である。ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートは、2.0を超えるイソシアネート官能価を有する傾向がある。異性体比およびオリゴマー種の量は、これらの生成物において広範囲に変えることができる。例えば、ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートは、典型的には、30重量%~80重量%のメチレンジフェニルジイソシアネート異性体を含有し得、残部は該オリゴマー種である。メチレンジフェニルジイソシアネート異性体は、多くの場合、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’-メチレンジフェニルジイソシアネートおよび非常に少ないレベルの2,2’-メチレンジフェニルジイソシアネートの混合物である。
【0047】
別の実施形態では、ポリイソシアネートと多価ポリオールとの反応生成物、およびそれらと他のジイソシアネートおよびポリイソシアネートとの混合物も使用することができる。
【0048】
さらに別の実施形態では、イソシアネートには、修飾イソシアネート、例えば、カルボジイミド修飾イソシアネート、ウレタン修飾イソシアネート、アロファネート修飾イソシアネート、イソシアヌレート修飾イソシアネート、尿素修飾イソシアネート、およびビウレット含有イソシアネートが含まれる。
【0049】
さらに別の実施形態では、イソシアネートには、上記のように、カルボジイミド修飾メチレンジフェニルジイソシアネートが含まれる。カルボジイミド修飾イソシアネートは、残りの二官能性モノマーMDI内に三官能性ウレトニミン種を持ち、室温で安定して透明な液体である。「モノマーMDI」とは、純粋な4,4’-MDIまたは2,4’-MDIと4,4’-MDIのブレンドを指す。例えば、限定されるものではないが、BASFによるLupranat(登録商標)などの商標名で入手可能な市販のイソシアネートもまた、本発明の目的のために使用することができる。
【0050】
イソシアネートの好適な量は、イソシアネート指数が、70~350、または80~300、または90~200、または100~150であるようなものである。100のイソシアネート指数は、1つのイソシアネート反応性基あたり1つのイソシアネート基に対応する。
【0051】
別の実施形態では、イソシアネートに対して反応性のある化合物には、400g/mol以上の分子量を有する化合物および49g/mol~399g/molの分子量を有する鎖延長剤が含まれる。
【0052】
イソシアネートに対して反応性があり、分子量が400g/mol以上である好適な化合物は、ポリオールとも呼ばれるヒドロキシル基を有する化合物である。好適なポリオールは、2.0~8.0、または2.0~6.5、または2.5~6.5の平均官能基を有し、15mg KOH/g~1800mg KOH/g、または15mg KOH/g~1500mg KOH/g、またはさらには100mg KOH/g~1500mg KOH/gのヒドロキシル価を有する。イソシアネートに対して反応性のある化合物は、ポリウレタン樹脂の総重量に基づいて、1重量%~99重量%の量で存在することができる。
【0053】
一実施形態では、ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールまたはそれらの混合物から選択される。
【0054】
本発明によるポリエーテルポリオールは、2.0~8.0、または2.0~6.5、または2.0~5.5、または2.0~4.0の平均官能基を有し、15mg KOH/g~1500mg KOH/g、または20mg KOH/g~1500mg KOH/g、またはさらには20mg KOH/g~1000mg KOH/g、または50mg KOH/g~400mg KOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0055】
別の実施形態では、ポリエーテルポリオールは、既知の方法、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、またはアルカリ金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドもしくはカリウムイソプロポキシドを触媒として用い、少なくとも1つのアミン含有スターター分子を添加するアニオン重合によってか、または、五塩化アンチモン、フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸、またはフラー土を触媒として、アルキレン部分に2~4個の炭素原子を有する1つ以上のアルキレンオキシドによるカチオン重合によって得ることができる。
【0056】
スターター分子は一般に、それらの平均官能基が2.0~8.0、または3.0~8.0になるように選択される。任意選択的に、好適なスターター分子の混合物を使用する。
【0057】
ポリエーテルポリオールのスターター分子には、アミン含有スターター分子およびヒドロキシル含有スターター分子が含まれる。好適なアミン含有スターター分子としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタンおよびそれらの異性体などの脂肪族および芳香族ジアミンが挙げられる。
【0058】
他の好適なスターター分子には、アルカノールアミン、例えば、エタノールアミン、N-メチルエタノールアミンおよびN-エチルエタノールアミン、ジアルカノールアミン、例えば、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミンおよびN-エチルジエタノールアミン、ならびにトリアルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン、およびアンモニアがさらに含まれる。
【0059】
一実施形態では、アミン含有スターター分子には、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、トルエンジアミンまたはそれらの異性体が含まれる。他の実施形態では、アミン含有スターター分子は、エチレンジアミンを含む。
【0060】
ヒドロキシル含有スターター分子には、糖、糖アルコール、例えば、グルコース、マンニトール、スクロース、ペンタエリスリトール、ソルビトール;多価フェノール、レゾール、例えば、フェノールおよびホルムアルデヒドから形成されるオリゴマー縮合生成物、トリメチロールプロパン、グリセロール、グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、ならびにそれらの縮合生成物(ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなど)、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ならびに水またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0061】
一実施形態では、ヒドロキシル含有スターター分子には、糖、ならびにスクロース、ソルビトール、グリセロール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンおよびそれらの混合物などの糖アルコールが含まれる。他の実施形態では、ヒドロキシル含有スターター分子には、スクロース、グリセロール、ペンタエリスリトールおよびトリメチロールプロパンが含まれる。
【0062】
2~4個の炭素原子を有する好適なアルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシドおよびスチレンオキシドである。アルキレンオキシドは、単独で、連続して交互に、または混合物として使用することができる。一実施形態では、アルキレンオキシドは、プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドである。他の実施形態では、アルキレンオキシドは、50重量%を超えるプロピレンオキシドを含むエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物である。
【0063】
ポリエーテルポリオールの好適な量は、ポリウレタン樹脂の総重量に基づいて、1重量%~99重量%、または20重量%~99重量%、またはさらには40重量%~99重量%にある。
【0064】
好適なポリエステルポリオールは、2.0~6.0、または2.0~5.0、または2.0~4.0の平均官能基を有し、30mg KOH/g~250mg KOH/g、または100mg KOH/g~200mg KOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0065】
本発明によるポリエステルポリオールは、カルボン酸または無水物とヒドロキシル基含有化合物との反応生成物に基づく。好適なカルボン酸または無水物は、2~20個の炭素原子か、または4~18個の炭素原子、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オレイン酸、無水フタル酸を有する。特に、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オレイン酸および無水フタル酸またはそれらの組み合わせを含む。
【0066】
好適なヒドロキシル含有化合物には、エタノール、エチレングリコール、プロピレン-1,2-グリコール、プロピレン-1,3-グリコール、ブチレン-1,4-グリコール、ブチレン-2,3-グリコール、ヘキサン-1,6-ジオール、オクタン-1,8-ジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール(1,4-ビス-ヒドロキシ-メチルシクロヘキサン)、2-メチル-プロパン-1,3-ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサン-1,2,6-トリオール、ブタン-1,2,4-トリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコールが含まれる。好ましくは、ヒドロキシル含有化合物には、エチレングリコール、プロピレン-1,2-グリコール、プロピレン-1,3-グリコール、ブチレン-1,4-グリコール、ブチレン-2,3-グリコール、ヘキサン-1,6-ジオール、オクタン-1,8-ジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール(1,4-ビス-ヒドロキシ-メチルシクロヘキサン)、2-メチル-プロパン-1,3-ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサン-1,2,6-トリオール、ブタン-1,2,4-トリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシドおよびジエチレングリコールまたはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル含有化合物には、エチレングリコール、プロピレン-1,2-グリコール、プロピレン-1,3-グリコール、ブチレン-1,4-グリコール、ブチレン-2,3-グリコール、ヘキサン-1,6-ジオール、オクタン-1,8-ジオール、ネオペンチルグリコールおよびジエチレングリコールまたはそれらの組み合わせが含まれる。他の実施形態では、ヒドロキシル含有化合物は、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコールおよびジエチレングリコールまたはそれらの組み合わせから選択される。
【0067】
好適なポリエーテルエステルポリオールは、100mg KOH/g~460mg KOH/g、または150mg KOH/g~450mg KOH/g、またはさらには250mg KOH/g~430mg KOH/gのヒドロキシル価を有し、これらの実施形態のいずれかでは、2.3~5.0、またはさらには3.5~4.7の平均官能基を有し得る。
【0068】
好適なポリエーテルエステルポリオールは、i)少なくとも1つのヒドロキシル含有スターター分子、ii)1つ以上の脂肪酸、脂肪酸モノエステルまたはそれらの混合物、iii)2~4個の炭素原子を有する1つ以上のアルキレンオキシドの反応生成物として入手可能である。
【0069】
成分i)のスターター分子は、一般に、成分i)の平均官能基が3.8~4.8、または4.0~4.7、またはさらには4.2~4.6であるように選択される。任意選択的に、好適なスターター分子の混合物を使用する。
【0070】
一実施形態では、成分i)のヒドロキシル含有スターター分子は、糖、糖アルコール(グルコース、マンニトール、スクロース、ペンタエリスリトール、ソルビトール)、多価フェノール、レゾール、例えば、フェノールおよびホルムアルデヒドから形成されるオリゴマー縮合生成物、トリメチロールプロパン、グリセロール、グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、ならびにそれらの縮合生成物(ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなど)、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ならびに水またはそれらの組み合わせから選択される。
【0071】
他の実施形態では、成分i)のヒドロキシル含有スターター分子は、糖および糖アルコール、例えば、スクロースおよびソルビトール、グリセロール、ならびに該糖および/または糖アルコールとグリセロール、水および/またはグリコールとの混合物、例えば、ジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールから選択される。さらに他の実施形態では、成分i)は、グリセロール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールから選択される。別の実施形態では、成分i)は、スクロースとグリセロールの混合物を含む。
【0072】
該脂肪酸または脂肪酸モノエステルii)は、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、バクセン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、a-およびg-リノレン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、チムノドン酸、クルパノドン酸、セルボン酸ならびにそれらの混合物をベースにした、ポリヒドロキシ脂肪酸、リシノール酸、ヒドロキシル変性油、ヒドロキシル変性脂肪酸、および脂肪酸エステルから選択される。脂肪酸メチルエステルは、好ましい脂肪酸モノエステルである。一実施形態では、脂肪酸ii)は、ステアリン酸、パルミチン酸、リノレン酸、特にオレイン酸、それらのモノエステルから選択される。他の実施形態では、脂肪酸ii)には、メチルエステルおよびそれらの混合物が含まれる。脂肪酸は、純粋な脂肪酸として使用される。この点に関して、例えば、バイオディーゼルまたはメチルオレエートなどの脂肪酸メチルエステルを使用することが好ましい。
【0073】
バイオディーゼルは、2010年のEN14214規格の意味の範囲内で脂肪酸メチルエステルを意味するものとして理解されるべきである。菜種油、大豆油またはパーム油から一般的に製造されるバイオディーゼルの主成分は、飽和C16-C18脂肪酸のメチルエステルならびにオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸などのモノ不飽和もしくは多価不飽和C18脂肪酸のメチルエステルである。
【0074】
2~4個の炭素原子を有する好適なアルキレンオキシドiii)は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシドおよび/またはスチレンオキシドである。アルキレンオキシドは、単独で、連続して交互に、または混合物として使用することができる。
【0075】
一実施形態では、アルキレンオキシドには、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドが含まれる。他の実施形態では、アルキレンオキシドは、50重量%超のプロピレンオキシドを含むエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物である。別の実施形態では、アルキレンオキシドは、純粋にプロピレンオキシドを含む。
【0076】
別の実施形態では、好適な鎖延長剤は、60g/mol~300g/molの分子量を有する、アルカノールアミン、ジオールおよび/またはトリオールから選択される。これらの鎖延長剤の好適な量は、当業者に知られている。例えば、鎖延長剤は、ポリウレタン樹脂の総重量に基づいて、最大99重量%、または最大20重量%の量で存在することができる。
【0077】
さらに別の実施形態では、イソシアネートに対して反応性のある市販の化合物はまた、例えば、BASFからSovermol(登録商標)、Pluracol(登録商標)、およびQuadrol(登録商標)のために、利用することができる。
【0078】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載のポリウレタン樹脂は、触媒および/または添加剤の存在下で得ることができる。好適な触媒は、当業者に良く知られている。例えば、第三級アミンおよびホスフィン化合物、様々な金属のキレートなどの金属触媒、強酸の酸性金属塩;強塩基、様々な金属のアルコラートおよびフェノラート、様々な金属との有機酸の塩、四価スズの有機金属誘導体、三価および五価のAs、SbおよびBi、ならびに鉄およびコバルトの金属カルボニル、およびそれらの混合物を触媒として使用することができる。
【0079】
一実施形態では、第三級アミンには、これらに限定されないが、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチル-ジエチレントリアミンおよびより高次の同族体(例えば、DE-A2,624,527および2,624,528に記載されているような)、1,4-ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、N-メチル-N’-ジメチル-アミノエチルピペラジン、ビス-(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチル-ベンジルアミン、ビス-(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニルエチルアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2,2-ビス-(ジメチルアミノエチル)エーテルなどのビス-(ジアルキルアミノ)アルキルエーテルを伴う単環式および二環式アミンが含まれる。これに限定されないが、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンなどのトリアジン化合物も使用することができる。
【0080】
他の実施形態では、金属触媒には、これらに限定されないが、金属塩および有機金属が含まれ、有機金属には、スズ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ビスマス、亜鉛、アルミニウム、および鉄の化合物、例えばスズ有機化合物が含まれ、好ましくは、ジメチルスズまたはジエチルスズなどのスズアルキル、または脂肪族カルボン酸をベースにしたスズ有機化合物、好ましくはジ酢酸スズ、ジラウリン酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ビスマス化合物(ビスマスアルキルもしくは関連化合物など)、または鉄化合物、好ましくは鉄化合物鉄-(II)-アセチルアセトナートもしくはカルボン酸の金属塩、例えばスズ-II-イソオクトエート、スズジオクトエート、チタン酸エステルまたはビスマス-(III)-ネオデカノエート、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0081】
上記のように、触媒は、ポリウレタン樹脂の総重量に基づいて、最大20重量%の量で存在することができる。
【0082】
別の実施形態では、添加剤は、アルキレンカーボネート、カーボンアミド、ピロリドン、フィラー、難燃剤、染料、顔料、IR吸収材料、UV安定剤、可塑剤、帯電防止剤、殺菌剤、バクテリオスタット、加水分解制御剤、抗酸化剤、細胞調節剤およびそれらの混合物から選択される。添加剤に関するさらなる詳細は、例えば、Szycher’s Handbook of Polyurethanes,2nd edition,2013に見出すことができる。これらの添加剤の好適な量は、当業者に良く知られている。しかしながら、例えば、添加剤は、ポリウレタン樹脂の総重量に基づいて、最大20重量%の量で存在することができる。
【0083】
熱可塑性樹脂
一実施形態では、実施形態1の第2の要素(20)は、熱可塑性樹脂でできている。好適な熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアセタール樹脂から選択される。
【0084】
実施形態では、熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアセタール樹脂から選択される。他の実施形態では、熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアセタール樹脂から選択される。さらに他の実施形態では、熱可塑性樹脂には、ポリアミド樹脂が含まれる。
【0085】
別の実施形態では、実施形態1の第2の要素(20)は、ポリアミド樹脂でできている。好適なポリアミド樹脂は、90mL/g~350mL/gの粘度数を有する。本文脈では、粘度数は、ISO307に従って、25℃で96重量%の硫酸中のポリアミドの0.5重量%溶液から決定される。
【0086】
一実施形態では、好適なポリアミドは、例えば、7~13個の環員を有するラクタムから誘導されるか、またはジカルボン酸とジアミンとの反応によって得られる。ラクタムから誘導されるポリアミドの例としては、ポリカプロラクタム、ポリカプリロラクタム、および/またはポリラウロラクタムが挙げられる。
【0087】
別の実施形態では、好適なポリアミドには、ナイロン-6をもたらすアミノカプロニトリルなどであるがこれに限定されない、ω-アミノアルキルニトリルから得られるものがさらに含まれる。加えて、ジニトリルは、ジアミンと反応し得る。例えば、アジポニトリルは、ヘキサメチレンジアミンと反応して、ナイロン-6,6が得られ得る。ニトリルの重合は、水の存在下で行われ、直接重合としても既知である。
【0088】
ジカルボン酸およびジアミンから得られるポリアミドが使用される場合、6~36個の炭素原子、または6~12個の炭素原子、または6~10個の炭素原子を有するジカルボキシルアルカン(脂肪族ジカルボン酸)を利用することができる。芳香族ジカルボン酸も好適である。ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、またテレフタル酸および/またはイソフタル酸も挙げられる。
【0089】
好適なジアミンとしては、例えば、4~36個の炭素原子、または6~12個の炭素原子、特に6~8個の炭素原子を有するアルカンジアミン、および芳香族ジアミン、例えば、m-キシリレンジアミン、ジ(4-アミノフェニル)メタン、ジ(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、および1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンが挙げられる。
【0090】
他の実施形態では、ポリアミドには、ポリヘキサメチレンジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、およびポリカプロラクタム、また特に5重量%~95重量%のカプロラクタム単位の割合を有するナイロン-6/6,6が含まれる。
【0091】
以下の非網羅的なリストは、実施形態1における第2の要素(20)の前述のポリアミド樹脂を含む。
【表1】
【表2】
【0092】
一実施形態では、実施形態1の第2の要素(20)は、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6.6、ポリアミド6.9、ポリアミド6.10、およびポリアミド6.12から選択されるポリアミド樹脂でできている。他の実施形態では、ポリアミド樹脂は、ポリアミド6、ポリアミド12およびポリアミド6.6から選択される。
【0093】
さらに他の実施形態では、ポリアミド樹脂は、ポリアミド6を含む。したがって、実施形態では、実施形態1における第2の要素(20)は、ポリアミド6でできている。
【0094】
さらに他の実施形態では、熱可塑性樹脂は、強化繊維をさらに含む。好適な強化繊維は、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、玄武岩繊維、無機繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、麻繊維、セルロース繊維、サイザル繊維、およびコイア繊維から選択される。
【0095】
一実施形態では、強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、玄武岩繊維、ケナフ繊維、およびジュート繊維から選択される。他の実施形態では、強化繊維は、ガラス繊維を含む。
【0096】
したがって、実施形態では、実施形態1における第2の要素(20)の熱可塑性樹脂は、ガラス繊維を含む。
【0097】
繊維材料と同様に、強化繊維にも表面処理剤またはサイジングを施すことができる。例えば、強化繊維に、カップリング剤、例えば、これらに限定されないが、ウレタンカップリング剤およびエポキシカップリング剤を使用して表面処理を施すことができる。この目的のために、表面処理に好適な任意の技術を使用することができる。例えば、ディップコーティングおよびスプレーコーティングを利用することができる。
【0098】
一実施形態では、ウレタンカップリング剤は、少なくとも1つのウレタン基を含む。強化繊維とともに使用するのに好適なウレタンカップリング剤は、当業者に既知であり、例えば、米国特許出願公開第2018/0282496号に記載されている。一実施形態では、ウレタンカップリング剤は、例えば、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)、およびポリエステル系ポリオール、またはポリエーテル系ポリオールなどであるがこれらに限定されないイソシアネートの反応生成物を含む。
【0099】
別の実施形態では、エポキシカップリング剤は、少なくとも1つのエポキシ基を含む。強化繊維とともに使用するのに好適なエポキシカップリング剤は、当業者に既知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0247025号に記載されている。一実施形態では、エポキシカップリング剤は、脂肪族エポキシカップリング剤、芳香族エポキシカップリング剤、またはこれらの混合物から選択される。脂肪族カップリング剤の非限定的な例としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するポリエーテルポリエポキシ化合物、および/または分子内に2つ以上のエポキシ基を有するポリオールポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族カップリング剤として、ビスフェノールAエポキシ化合物またはビスフェノールFエポキシ化合物が使用され得る。
【0100】
本明細書に記載のこれらのカップリング剤の好適な量は、当業者に良く知られている。しかしながら、一実施形態では、カップリング剤は、100質量部の強化繊維に対して、0.1質量部~10.0質量部の量で存在することができる。
【0101】
強化繊維の好適な量は、当業者に良く知られている。しかしながら、一実施形態では、強化繊維は、熱可塑性樹脂の総重量に基づいて、10重量%~90重量%の量で存在することができる。別の実施形態では、強化繊維は、10重量%~80重量%、または10重量%~90重量%、または70重量%~60重量%で存在する。別の実施形態では、それは、20重量%~60重量%、または20重量%~50重量%、または20重量%~40重量%で存在する。
【0102】
方法
一実施形態では、実施形態1における方法は、ステップ(A)において、ダイ内で繊維強化ポリウレタンを引抜成形して、第1の要素(10)を得ることであって、該ダイが、複数の第1の表面特徴を含む、得ること、を含む。
【0103】
引抜成形は当業者に良く知られているが、典型的なステップには、これらに限定されないが、
(P1)含浸ダイを通して繊維材料を引っ張ることと、
(P2)イソシアネートおよびイソシアネートに対して反応性の化合物を触媒ならびに/または添加剤とともに供給して反応混合物を得、反応混合物を含浸ダイに送出することと、
(P3)含浸ダイ内で反応混合物を重合するのに十分な時間および温度で、繊維材料を含浸ダイ内の反応混合物と接触させて、繊維強化ポリウレタンを得ることと、
(P4)複数の第1の表面特徴を含むダイを通して繊維強化ポリウレタンを方向付けて、第1の要素(10)を得ることと、などが含まれる。
【0104】
別の実施形態では、市販のポリウレタン樹脂を利用することもできる。その場合、繊維強化ポリウレタンが直接得られ、ステップ(P2)を省略することができる。そのような代替の配置は、当業者に良く知られており、したがって、本発明はそれによって限定されない。
【0105】
実施形態では、ステップ(P1)の含浸ダイとステップ(P4)のダイは、構造的に異なる。他の実施形態では、ステップ(P1)の含浸ダイとステップ(P4)のダイは、同じである。さらに他の実施形態では、ステップ(P4)のダイと実施形態1のステップ(A)のダイは、同じである。ステップ(P1)の含浸ダイおよびステップ(P4)のダイを構築するための好適な材料は、当業者に良く知られている。
【0106】
一実施形態では、含浸ダイは、反応混合物の適切な混合および繊維材料の適切な含浸を提供する必要がある。含浸ダイは、繊維材料を含浸させる前に反応混合物の混合を提供する静的ミキサーなどの混合装置を取り付けることができる。これらに限定されないが、高圧インピンジメント混合デバイスまたは低圧インピンジメントデバイスまたは回転パドルなどの低圧動的ミキサーなどの他のタイプの任意選択の混合デバイスも使用することができる。他の実施形態では、追加の混合装置なしで、含浸ダイ自体に適切な混合が提供される。
【0107】
ステップ(P2)の反応混合物の引抜成形に、内部離型添加剤を使用することができる。内部離型添加剤は、含浸ダイへの付着または蓄積を防ぐ。好適な内部離型剤には、これらに限定されないが、エルカミドまたはステアラミドなどの脂肪アミド、オレイン酸などの脂肪酸、オレイン酸アミド、脂肪エステル(ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、グリセリンジオレエート、グリセリントリオレエート、および長鎖脂肪族一価アルコールを伴うポリカルボン酸のエステル(ジオクチルセバケートなど)など)、脂肪酸金属カルボキシレート(ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムなど)、ワックス(モンタンワックスなど)、塩素化ワックス、フッ素含有化合物(ポリテトラトフルオロエチレンなど)、脂肪性アルキルホスフェート(酸性および非酸性タイプの両方)、塩素化アルキルホスフェート、炭化水素油およびそれらの組み合わせなどが含まれる。
【0108】
引抜成形で使用するための他の好適な添加剤には、モレキュラーシーブなどの水分スカベンジャー、ポリジメチルシロキサンなどの消泡剤、モノオキシランまたは有機アミン官能性トリアルキルシランなどのカップリング剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。粘土および微細シリカなどの微粒子フィラーは、チキソトロピー添加剤としてよく使用される。
【0109】
ステップ(P1)の含浸ダイおよびステップ(P4)のダイの好適な温度は、当業者に良く知られている。しかしながら、一実施形態では、ステップ(P4)のダイの温度は、ステップ(P1)の含浸ダイの温度よりも高い。
【0110】
他の実施形態では、引抜成形は、引抜成形装置で実施することができる。該引抜成形装置は、任意選択で、複数の硬化ゾーンを含み得る。本文脈において、「硬化ゾーン」は、ステップ(P4)または実施形態1におけるステップ(A)のダイを含むゾーンを指す。
【0111】
一実施形態では、引抜成形装置は、2つ以上の硬化ゾーン、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの硬化ゾーンを有する。必要に応じて、異なる硬化ゾーンを異なる温度に設定してもよいが、すべての硬化ゾーンは、ステップ(P1)の含浸ダイの温度よりも高い温度にする必要がある。他の実施形態では、引抜成形装置は、2つ以上の含浸ダイを含み得る。さらに他の実施形態では、引抜成形装置は、最初の硬化ゾーンの前に配置された1つの含浸ダイを有する。含浸ダイは、繊維材料が含浸される前に、反応混合物中での重合を提供する温度に設定される。本発明は、引抜成形装置に限定されない。そのような装置は、例えば、WO2000/029459に記載されているように、当業者に良く知られている。
【0112】
二成分を超える成分から反応混合物を得ることが本発明のより広い範囲内である。「二成分」とは、主に、反応混合物を得るために引抜成形装置に送出される、A側成分(イソシアネート)ストリームおよびB側成分(イソシアネートに対して反応性の化合物)ストリームを指す。A側成分およびB側成分は、互いに独立しており、好適な量の触媒および/または添加剤をさらに含有し得る。別の言い方をすれば、実施形態1のステップ(A)の引抜成形は、二成分系またはさらには多成分系も処理することができる。「多成分系」とは、2つ以上、例えば3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの個別の成分ストリームを指す。すなわち、A側成分およびB側成分を含むストリームに加えて、イソシアネート、イソシアネートに対して反応性の化合物、触媒および添加剤を含む少なくとも1つの他の別個のストリームが存在し得、該ストリームは、A側成分およびB側成分とは異なるようにしてもよい。
【0113】
二成分系または多成分系の成分間の好適な混合比は、当業者に良く知られている。例えば、二成分系を使用している場合、イソシアネートとイソシアネートに対して反応性のある化合物との混合比は、1.0:3.0~3.0:1.0、または1.0:2.0~2.0:1.0、またはさらには1.0:1.0である。
【0114】
一実施形態では、ステップ(A)または複数の硬化ゾーンにおける好適な温度範囲は、80℃~250℃である。
【0115】
他の実施形態では、反応混合物は、25℃で少なくとも400秒のゲル化時間を有する。他の実施形態では、25℃でのゲル化時間は、4000秒未満である。
【0116】
別の実施形態では、実施形態1のステップ(A)は、上記のステップ(P1)~(P4)で定義されたサブステップを有する。したがって、一実施形態では、実施形態1のステップの時間的順序は、ステップ(P1)→ステップ(P2)→ステップ(P3)→ステップ(P4)→ステップ(B)となる。
【0117】
別の実施形態では、実施形態1の方法は、ステップ(A)において、ダイ内で繊維強化ポリウレタンを押出成形して、第1の要素(10)を得ることであって、該ダイが、複数の第1の表面特徴を含む、得ること、を含む。当業者であれば、実施形態1の第1の要素(10)を得るための好適な押出技術をよく知っている。
【0118】
ステップ(A)のダイは、複数の第1の表面特徴を含む。本明細書において、「表面特徴」という表現は、要素の表面特性を指す。該表現は、例えば、本文脈における第1の要素(10)および第2の要素(20)について、要素の表面で起こり得る物理的変化を定義する。一実施形態では、第1の表面特徴は、繊維強化ポリウレタンにおいて繊維の破損が最小限なものと観察されるか、またはまったく観察されないように選択される。好適な表面特徴には、これらに限定されないが、溝および突起などが含まれる。他の実施形態では、実施形態1のステップ(A)における複数の第1の表面特徴は、複数の溝である。
【0119】
実施形態1のステップ(A)で得られた第1の要素(10)は、外面(11)を含む。第1の要素(10)の表面特性は、ダイの物理的変動または表面特性によって定義される。したがって、外面(11)は、本明細書に記載されるように、ダイ内の複数の第1の表面特徴によって形成される複数の第2の表面特徴(12)を含む。一実施形態では、複数の第1の表面特徴は、複数の溝であり、したがって、複数の第2の表面特徴(12)は、実施形態1では、それから得られた複数のオス部分である。これは、図1に示される。
【0120】
他の実施形態では、外面(11)は、実施形態1のダイの複数の溝によって形成された複数のオス部分を含む。
【0121】
さらに他の実施形態では、実施形態1の複数の第2の表面特徴(12)は、第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)を含む。第1の側面(12a)および第2の側面(12b)は、互いに対向して配置され、底面(12c)は、該第1の側面(12a)と該第2の側面(12b)を接続し、それによって第2の表面特徴(12)を形成する。
【0122】
別の実施形態では、第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)は、均一な表面または不均一な表面である。「均一な表面」とは、滑らかな表面を指すが、そのような表面は、湾曲した表面または平坦な表面であり得る。「不均一な表面」とは、粗い表面を指す。別の言い方をすれば、不均一な表面は、滑らかな表面ではなく、これらに限定されないが、鋸歯状(serrations)、鋸歯状(sawtooth)、鋸歯状(saw-edged)、歯付き(toothed)、ジグザグ、ノッチ付きおよびインデントなどの複数の表面特性を有し得る。
【0123】
一実施形態では、図2Aは、第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第1の実施形態を示しており、第2の表面特徴(12)は、均一な表面、特に蟻継ぎ突起である。
【0124】
他の実施形態では、図2Bは、第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第2の実施形態を示しており、第2の表面特徴(12)は、不均一な表面、特に鋸歯状突起である。
【0125】
別の実施形態では、図2Cは、第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第3の実施形態を示しており、第2の表面特徴(12)は、均一な表面、特にT字形突起である。
【0126】
さらに別の実施形態では、図2Dは、第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)の第4の実施形態を示しており、第2の表面特徴(12)は、均一な表面、特にベル形突起である。
【0127】
別の実施形態では、第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)のそれぞれは、本明細書で説明するように均一な表面であり、蟻継ぎ突起を形成するように配置される。したがって、一実施形態では、実施形態1の複数の第1の表面特徴によって形成される複数の第2の表面特徴(12)は、ダイの複数の溝によって形成される複数の蟻継ぎ突起である。
【0128】
別の実施形態では、第2の表面特徴(12)は、高さ方向には、第1の要素(10)の高さに沿って外面(11)から外向きに延び、幅方向には、第1の要素(10)の幅に沿って外面(11)から延び、長さ方向には、外面(11)から、実施形態1では第1の要素(10)の長さに少なくとも部分的に沿って延びる突起である。一実施形態では、第2の表面特徴(12)は、図2A~2Dに示すように、蟻継ぎ突起、T字形突起、鋸歯状突起およびベル形突起などから選択することができるが、これらに限定されない。
【0129】
第1の要素(10)は、従来の連続した断面を含む、任意の好適な形状を有することができることを理解されたい。例えば、それは、本明細書に記載されるように、厚さおよび第2の表面特徴(12)を有する中空要素とすることができる。好適な形状の選択は、成形品(100)の最終的な用途によって異なる。当業者であれば、所望の成形品(100)を得るための第1の要素(10)における従来の修正についてよく知っている。
【0130】
他の実施形態では、第2の表面特徴(12)および第3の表面特徴(22)は、オス部分、メス部分、およびそれらの組み合わせから選択される。さらに他の実施形態では、第2の表面特徴(12)は、オス部分であり、第3の表面特徴(22)は、メス部分である。
【0131】
別の実施形態では、第2の表面特徴(12)は、メス部分であり、第3の表面の特徴(22)は、オス部分である。これは、図3に示されており、第2の表面特徴(12)は、深さ方向には、第1の要素(10)の高さに沿って外面(11)に内向きに延び、幅方向には、第1の要素(10)の幅に沿って外面(11)内に延び、長さ方向には、外面(11)内に、実施形態1では第1の要素(10)の長さに少なくとも部分的に沿って延びる窪みである。一実施形態では、第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)のそれぞれは、均一な表面であり、蟻継ぎ溝を形成するように配置される。
【0132】
別の実施形態では、実施形態1のステップ(B)の第2の要素(20)の外面(21)は、複数のメス部分を含む。
【0133】
別の実施形態では、第2の表面特徴(12)および第3の表面特徴(22)は、混合した表面特性を有することができる。すなわち、第1の要素(10)および/または第2の要素(20)の外面(11、21)は、オス部分およびメス部分の両方を有することができる。
【0134】
一実施形態では、第2の要素(20)は、第1の要素(10)上に射出成形されて、実施形態1のステップ(B)で成形品(100)が得られる。
【0135】
別の実施形態では、実施形態1のステップ(B)の温度は、270℃~300℃である。
【0136】
他の実施形態では、ステップ(B)の射出成形は、実施形態1の射出オーバーモールディングである。本発明に好適なオーバーモールディング技術は、当業者に良く知られている。例えば、オーバーモールディングは、熱可塑性樹脂を顆粒の形で含有するホップに連結されて内部に配置されたスクリューシャフトを備えた加熱された射出バレルを配置することによって実行することができる。熱可塑性樹脂は注入バレルに送出され、そこで加熱され、スクリューシャフトの作用により、溶融状態で送出ポートを介して第1の要素(10)に注入される。これは、外面(21)を含む第2の要素(20)を形成し、該外面(21)は、複数の第3の表面特徴(22)を含む。
【0137】
一実施形態では、実施形態1の複数の第3の表面特徴(22)は、第1の側面(22a)、第2の側面(22b)、および底面(22c)を含む。第1の側面(22a)および第2の側面(22b)は、互いに対向して配置され、底面(22c)は、該第1の側面(22a)と該第2の側面(22b)を接続し、それによって第3の表面特徴(22)を形成する。第2の表面特徴と同様に、第3の表面特徴(22)の第1の側面(22a)、第2の側面(22b)、および底面(22c)は、均一な表面または不均一な表面である。しかしながら、第3の表面特徴の第1の側面(22a)、第2の側面(22b)、および底面(22c)は、第1の要素が第2の要素を形状適合的にロックするように選択される。すなわち、第2の表面特徴(12)は、第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なる。
【0138】
別の実施形態では、第3の表面特徴(22)は、深さ方向には、第2の要素(20)の高さに沿って外面(21)に内向きに延び、幅方向には、第2の要素(20)の幅に沿って外面(21)内に延び、長さ方向には、外面(21)内に、実施形態1では、第2の要素(20)の長さに少なくとも部分的に沿って延びる窪みである。
【0139】
一実施形態では、第2の要素(20)は、実施形態1の第1の要素(10)の対応する長さ、幅および高さに等しい長さ、幅および高さを有する。別の実施形態では、第2の要素(20)は、実施形態1の第1の要素(10)の長さ、幅、および高さとは異なる長さ、幅、および高さを有する。
【0140】
他の実施形態では、第2の要素(20)の第3の表面特徴(22)のそれぞれは、実施形態1の第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)のそれぞれに等しい。
【0141】
第2の要素(20)は、従来の連続した断面を含む、任意の好適な形状を有することができることをさらに理解されたい。例えば、第2の要素(20)は、これらに限定されないが、ブラケット、リブ、ボスなど、様々な複雑な特徴を持つことができる。そのような特徴は、当業者に良く知られており、したがって、本発明はそれによって限定されない。これらの複雑な特徴の存在は、成形品(100)の機械的特性をさらに改善する。
【0142】
実施形態では、第2の要素(20)の外面(21)の表面特性は、主に、第1の要素(10)の外面(21)の表面特性に依存する。第2の要素(20)の外面(21)は、第1の要素(10)の表面特性を補完する表面特性をとる。別の言い方をすれば、第1の要素(10)および第2の要素(20)の表面特性は、第1の要素(10)が第2の要素(20)を形状適合的にロックして成形品(100)を形成するようなものである。「形状適合的にロックする(positively lock)」、「形状適合的にインターロックする(positively interlock)」および「形状適合インターロック(positive interlock)」という表現は、本文脈内で交換可能に使用することができる。一実施形態では、形状適合インターロックは、第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なる第2の表面特徴(12)のそれぞれによって形成される。すなわち、第2の表面特徴(12)のそれぞれは、第3の表面特徴(22)のそれぞれに完全に適合して、実施形態1のインターロックを形成する。
【0143】
第1の要素(10)および第2の要素(20)によって形成される形状適合インターロックは、剥離試験によって決定することができる。剥離試験では、第1の要素(10)は、本明細書に記載されるように、所定の寸法の射出成形ツールキャビティに取り付けられ、射出オーバーモールディングが施される。オーバーモールディング後、各要素にドリルで穴を開けてタップし、要素を分離するために必要な力とたわみを測定しながら、ねじ付きファスナーを両側に適用して要素を引き離し始めることができるようにする。次に、様々な要素、表面処理、および処理条件を比較して、最適な接着性を判断することができる。
【0144】
一実施形態では、本明細書に記載の形状適合ロック以外に、実施形態1の第2の要素(20)と第1の要素(10)との間に接着剤または締結手段は存在しない。接着剤または締結手段を回避することにより、成形品(100)は、接着剤または締結手段を利用する成形品よりも比較的安価となる。それでも接着剤または締結手段がない場合でも、成形品(100)は、許容可能な機械的特性、または実際には従来のものと同じもしくはさらに良好な機械的特性を有する。本文脈において、締結手段は、実施形態1の第2の要素(20)および第1の要素(10)を固定するための追加のデバイスまたは手段を指す。
【0145】
別の実施形態では、実施形態1の第2の要素(20)および第1の要素(10)は、形状適合ロック以外の接着剤または締結手段をさらに含む。この目的に好適な接着剤または締結手段は、当業者に良く知られている。接着剤または締結手段の存在は、わずかに高いコストをもたらすが、成形品(100)の機械的特性をさらに改善する。
【0146】
実施形態の成形品(100)を与えるために熱硬化性引抜成形プロファイル上にオーバーモールディングされた熱可塑性樹脂は、熱可塑性および熱硬化性材料の接合能力を高め、剛性を高めるので特に有利である。さらに、引抜成形された熱硬化性部品に形成された表面特徴は、熱可塑性材料を使用してオーバーモールディングされたときに、より強いインターロックをもたらす。これにより、成形品(100)は、許容可能な、または実際に良好な機械的特性を備えた複雑なジオメトリを有することが可能となり、接着剤または締結手段を製造し、任意選択で必要となることに対して比較的安価となる。第1の要素(10)および第2の要素(20)のそれぞれは、それぞれ異なる表面特性および複雑な特徴を有することができ、それにより、成形品(100)を、これらに限定されないが、車両ドア嵌入ビーム、ボディインホワイト(BIW)の構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサート、フロントエンドモジュール構造などの多くの用途に好適なものにする。
【0147】
上記のような特性を有するそのような成形品(100)の1つが図4に示されている。成形品(100)は、第1の要素(10)が第2の要素(20)を形状適合的にロックし、来の引抜成形および射出成形技術では困難または実際に不可能である複雑な形状を有することによって得られる。したがって、本発明は、成形品(100)を得るための新規で改良された方法を提供する。
【0148】
本発明の別の態様は、本明細書に記載のプロセスによって得られる成形品(100)を対象とする実施形態2である。
【0149】
本発明のさらに別の態様は、車両ドア嵌入ビーム、ボディインホワイトの構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサートおよびフロントエンドモジュール構造における上記の成形品(100)の使用を対象とする実施形態3である。
【表3】
【0150】
本発明は、以下の実施形態ならびに対応する従属関係参照およびリンクから得られる実施形態の組み合わせによってより詳細に例示される。
I.成形品(100)を製造するための方法であって、
(A)ダイ内で繊維強化ポリウレタンを引抜成形または押出成形して第1の要素(10)を得るステップであって、該ダイが、複数の第1の表面特徴を含み、
第1の要素(10)が、外面(11)を含み、該外面(11)が、ダイ内の複数の第1の表面特徴によって形成される複数の第2の表面特徴(12)を含む、得るステップと、
(B)第2の要素(20)を第1の要素(10)上に射出成形して成形品(100)を得るステップであって、第2の要素(20)が、外面(21)を含み、該外面(21)が、複数の第3の表面特徴(22)を含み、
前記第1の要素(10)が、前記第2の表面特徴(12)のそれぞれが前記第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なるように前記第2の要素(20)を形状適合的にロックする、得るステップと、を少なくとも含む、方法。
【0151】
II.第2の表面特徴(12)および第3の表面特徴(22)が、オス部分、メス部分、およびそれらの組み合わせから選択される、実施形態Iに記載の方法。
【0152】
III.繊維強化ポリウレタンが、繊維材料およびポリウレタン樹脂を含む、実施形態IまたはIIに記載の方法。
【0153】
IV.繊維材料が100g/m~1500g/mの面積重量を有する、実施形態IIIに記載の方法。
【0154】
V.繊維材料が、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、玄武岩繊維、無機繊維、アラミド繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、麻繊維、セルロース繊維、サイザル繊維、およびコイア繊維から選択される、実施形態IIIまたはIVに記載の方法。
【0155】
VI.繊維材料が、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、玄武岩繊維から選択される、実施形態III~Vのうちの1つ以上に記載の方法。
【0156】
VII.ポリウレタン樹脂が、
(a)イソシアネート、および
(b)イソシアネートに対して反応性のある化合物、を反応させることによって得られる、実施形態III~VIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0157】
VIII.イソシアネートが、脂肪族イソシアネートまたは芳香族イソシアネートを含む、実施形態VIIに記載の方法。
【0158】
IX.脂肪族イソシアネートが、テトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、1,2-、1,3-および1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、2,4-および2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-および2,4’-ジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート、イソシアネートメチルシクロヘキサンイソシアネート、イソシアネートエチルシクロヘキサンイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートならびにそれらの混合物から選択される、実施形態VIIIに記載の方法。
【0159】
X.芳香族イソシアネートが、トルエンジイソシアネート;ポリマーのトルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート;ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネート;m-フェニレンジイソシアネート;1,5-ナフタレンジイソシアネート;4-クロロ-1,3-フェニレンジイソシアネート;2,4,6-トルイレントリイソシアネート;1,3-ジイソプロピルフェニレン-2,4-ジイソシアネート;1-メチル-3,5-ジエチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート;1,3,5-トリエチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート;1,3,5-トリイソプロプリ-フェニレン-2,4-ジイソシアネート;3,3’-ジエチル-ビスフェニル-4,4’-ジイソシアネート;3,5,3’,5’-テトラエチル-ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;3,5,3’,5’-テトライソプロピルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;1-エチル-4-エトキシ-フェニル-2,5-ジイソシアネート;1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート;1-エチル-3,5-ジイソプロピルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,3,5-トリイソプロピルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネート、カルボジイミド修飾イソシアネート、ウレタン修飾イソシアネート、アロファネート修飾イソシアネート、イソシアヌレート修飾イソシアネート、尿素修飾イソシアネートおよびビウレット含有イソシアネート、ならびにそれらの混合物から選択される、実施形態VIIIに記載の方法。
【0160】
XI.イソシアネートに対して反応性のある化合物が、ポリオールおよび任意選択で鎖延長剤を含む、実施形態VII~Xのうちの1つ以上に記載の方法。
【0161】
XII.ポリオールが、2.0~8.0の平均官能基および15mg KOH/g~1800mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、実施形態XIに記載の方法。
【0162】
XIII.ポリオールが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールまたはそれらの混合物から選択される、実施形態XIまたはXIIに記載の方法。
【0163】
XIV.鎖延長剤が、49g/mol~399g/molの分子量を有する、実施形態XI~XIIIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0164】
XV.ポリウレタン樹脂が、触媒および/または添加剤の存在下で得られる、実施形態III~XIVのうちの1つ以上に記載の方法。
【0165】
XVI.添加剤が、アルキレンカーボネート、カーボンアミド、ピロリドン、フィラー、難燃剤、染料、顔料、IR吸収材料、UV安定剤、可塑剤、帯電防止剤、殺菌剤、バクテリオスタット、加水分解制御剤、抗酸化剤、細胞調節剤およびそれらの混合物から選択される、実施形態XVに記載の方法。
【0166】
XVII.ステップ(A)において、複数の第2の表面特徴(12)が、第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)を含む、実施形態I~XVIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0167】
XVIII.第1の側面(12a)および第2の側面(12b)が、互いに対向して配置され、底面(12c)が、該第1の側面(12a)と該第2の側面(12b)を接続し、それによって第1の表面特徴を形成する、実施形態XVIIに記載の方法。
【0168】
XIX.第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)が、均一な表面または不均一な表面である、実施形態XVIIIに記載の方法。
【0169】
XX.第1の側面(12a)、第2の側面(12b)、および底面(12c)のそれぞれが、蟻継ぎ突起を形成するように配置された均一な表面である、実施形態XVII~XIXのうちの1つ以上に記載の方法。
【0170】
XXI.第1の要素(10)の外面(11)上の第2の表面特徴(12)のそれぞれが、ダイ内の第1の表面特徴のそれぞれに等しい、実施形態I~XXのうちの1つ以上に記載の方法。
【0171】
XXII.第1の要素(10)の外面(11)上の第2の表面特徴(12)のそれぞれが、ダイ内の第1の表面特徴のそれぞれの深さに等しい高さを有する、実施形態I~XXIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0172】
XXIII.ステップ(B)における射出成形が、射出オーバーモールディングである、実施形態I~XXIIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0173】
XXIV.第2の表面特徴(12)が、高さ方向には、第1の要素(10)の高さに沿って外面(11)から外向きに延び、幅方向には、第1の要素(10)の幅に沿って外面(11)から延び、長さ方向には、第1の要素(10)の長さに少なくとも部分的に沿って外面(11)から延びる突起である、実施形態I~XXIIIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0174】
XXV.ステップ(B)における温度が、270℃~300℃である、実施形態I~XXIVのうちの1つ以上に記載の方法。
【0175】
XXVI.第2の要素(20)が、熱可塑性樹脂でできている、実施形態I~XXVのうちの1つ以上に記載の方法。
【0176】
XXVII.熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアセタール樹脂から選択される、実施形態XXVIに記載の方法。
【0177】
XXVIII.熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂を含む、実施形態XXVIまたはXXVIIに記載の方法。
【0178】
XXIX.ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6.6、ポリアミド6.9、ポリアミド6.10、およびポリアミド6.12から選択される、実施形態XXVIIまたはXXVIIIに記載の方法。
【0179】
XXX.ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド12、およびポリアミド6.6から選択される、実施形態XXVII~XXIXのうちの1つ以上に記載の方法。
【0180】
XXXI.ポリアミド樹脂が、ポリアミド6を含む、実施形態XXVII~XXXのうちの1つ以上に記載の方法。
【0181】
XXXII.熱可塑性樹脂が、強化繊維をさらに含む、実施形態XXVI~XXXIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0182】
XXXIII.強化繊維が、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、玄武岩繊維、無機繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、麻繊維、セルロース繊維、サイザル繊維、およびコイア繊維から選択される、実施形態XXXIIに記載の方法。
【0183】
XXXIV.強化繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鉱物繊維、玄武岩繊維、ケナフ繊維、およびジュート繊維から選択される、実施形態XXXIIまたはXXXIIIに記載の方法。
【0184】
XXXV.強化繊維が、ガラス繊維を含む、実施形態XXXII~XXXIVのうちの1つ以上に記載の方法。
【0185】
XXXVI.強化繊維に、表面処理剤が施される、実施形態XXXII~XXXVのうちの1つ以上に記載の方法。
【0186】
XXXVII.表面処理剤が、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ウレタンカップリング剤、およびエポキシカップリング剤から選択されるカップリング剤である、実施形態XXXVIに記載の方法。
【0187】
XXXVIII.強化繊維の量が、熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む混合物の総重量に基づいて、10重量%~50重量%である、実施形態XXXII~XXXVIIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0188】
XXXIX.第3の表面特徴(22)が、深さ方向には、第2の要素(20)の高さに沿って外面(21)に内向きに延び、幅方向には、第2の要素(20)の幅に沿って外面(21)内に延び、長さ方向には、外面(21)内に、第2の要素(20)の長さに少なくとも部分的に沿って延びる窪みである、実施形態I~XXXVIIIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0189】
XL.第2の要素(20)が、第1の要素(10)の対応する長さ、幅、および高さに等しい長さ、幅、および高さを有する、実施形態I~XXXIXのうちの1つ以上に記載の方法。
【0190】
XLI.第2の要素(20)の第3の表面特徴(22)のそれぞれが、第1の要素(10)の第2の表面特徴(12)のそれぞれに等しい、実施形態I~XLのうちの1つ以上に記載の方法。
【0191】
XLII.形状適合インターロックが、第3の表面特徴(22)のそれぞれと完全に重なる第2の表面特徴(12)のそれぞれによって形成される、実施形態I~XLIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0192】
XLIII.第2の要素(20)と第1の要素(10)との間に、形状適合ロック以外の接着剤または締結手段が存在しない、実施形態I~XLIIのうちの1つ以上に記載の方法。
【0193】
XLIV.実施形態I~XLIIIのうちの1つ以上に記載の方法によって得られる成形品(100)。
【0194】
XLV.車両ドア嵌入ビーム、BIWの構造インサート、バンパービーム、計器盤クロス部材、座席構造インサート、フロントエンドモジュール構造における、実施形態XLIVに記載の、または実施形態I~XLIIIのうちの1つ以上に記載の方法によって得られた成形品(100)の使用。
【実施例
【0195】
本請求項に係る発明は、以下のような非限定的な実施例によって例示される。
【表4】
【表5】
【0196】
平らな引抜成形されたサンプルを製造し、ミルを使用して蟻継ぎジオメトリ(幅4mm×深さ3mm)で機械加工した。これらのサンプルをポリアミド樹脂でオーバーモールディングし、剥離試験を行った。その結果を、以下の表1および2に要約する。
【0197】
剥離試験
平らな引抜成形サンプルとしての繊維強化ポリウレタン樹脂を、5インチ(長さ)×0.5インチ(幅)×2mm(厚さ)の射出成形ツールキャビティに取り付け、2mmの厚さのポリアミド樹脂の層でオーバーモールディングした。オーバーモールディング後、各材料にドリルで穴を開けてタップし、材料を分離するために必要な力とたわみを測定しながら、ねじ付きファスナーを両側に適用して材料を引き離し始めることができるようにした。次に、異なる材料、表面処理、および加工条件の間で比較を行い、最良の接着性を決定した。
【表6】
【表7】
【0198】
表1および2で明らかなように、蟻継ぎありのサンプルのピーク負荷は、蟻継ぎなしのサンプルよりも大幅に高くなっている。特定のサンプルの場合、蟻継ぎベースの形状適合インターロッキングのピーク負荷は、蟻継ぎなしの対応するサンプルよりも多様性が高くなる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
【国際調査報告】