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特表2022-539602揮発性有機活性剤が充填された微粒子を製造する方法
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  • 特表-揮発性有機活性剤が充填された微粒子を製造する方法 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-12
(54)【発明の名称】揮発性有機活性剤が充填された微粒子を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 13/16 20060101AFI20220905BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20220905BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20220905BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20220905BHJP
   A61K 8/85 20060101ALI20220905BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20220905BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20220905BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20220905BHJP
   A23L 33/00 20160101ALI20220905BHJP
【FI】
B01J13/16 ZNM
C11B9/00 D
C11B9/00 M
C11D3/50
A61K8/11
A61K8/85
A61Q13/00 102
A23L5/00 D
A23L27/00 A
A23L33/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500822
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020069538
(87)【国際公開番号】W WO2021009040
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】19186110.3
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オッシュマン,ベルント ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ガレッラ,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】フランク,ミイカ
(72)【発明者】
【氏名】クラウゼ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】モーア,トルステン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4B047
4C083
4G005
4H003
4H059
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE03
4B018MD07
4B018MD20
4B018MD33
4B018ME14
4B018MF04
4B018MF08
4B018MF14
4B035LC16
4B035LE01
4B035LG04
4B035LG15
4B035LG20
4B035LK02
4B035LP01
4B035LP25
4B035LP36
4B035LT01
4B047LB09
4B047LE06
4B047LG05
4B047LG18
4B047LG26
4B047LP05
4B047LP09
4B047LP20
4C083AD091
4C083BB41
4C083DD14
4C083KK03
4G005AA01
4G005AA02
4G005AB13
4G005AB14
4G005BA02
4G005BB06
4G005DC12X
4G005DC17X
4G005DC32X
4G005DD12W
4G005DD12Z
4G005DD27Z
4G005DD53Z
4G005DD57W
4G005DD58Z
4G005DD59Z
4G005EA01
4G005EA03
4G005EA05
4G005EA07
4H003CA18
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003DA17
4H003FA26
4H059BA14
4H059BA23
4H059BA30
4H059BC23
4H059CA54
4H059DA09
4H059EA31
4H059EA35
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一種の活性剤が充填された微粒子を製造する方法であって、前記微粒子が熱可塑性有機ポリマー材料から形成され、且つ未充填状態で、それらの内部に、孔を介して前記微粒子の表面に連結した少なくとも一個の空洞を有し、(a)未充填微粒子の組成物に前記活性剤を含む液体を含浸させることにより、内部空洞に前記液体を含有する充填微粒子を得て、(b)担体ガス中の自由流動性充填微粒子流を、前記熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度を少なくとも20K、特に少なくとも40K、例えば20~250K、とりわけ40~200K上回る温度の加熱ゾーンに通すことにより、前記充填微粒子を熱処理に供し、ここで、前記加熱ゾーンにおける前記充填微粒子の平均滞留時間が60秒以下、特に30秒以下、より特に0.5~20秒、とりわけ1~10秒である、方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法により得ることができる、少なくとも一種の活性剤、特に少なくとも揮発性有機活性剤が充填された微粒子の組成物、その使用、とりわけ香水、洗浄及び清浄組成物、化粧品組成物、パーソナルケア組成物、衛生物品、食品、食品サプリメント、フレグランスディスペンサ及びフレグランスから選択される製品における使用に関する。本発明はさらに、本発明の少なくとも一種の活性剤、特に少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された微粒子の組成物を含む製品、その使用、とりわけ低分子量の活性剤の制御された放出、具体的にはアロマケミカルの制御された放出のための使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種の活性剤が充填された微粒子を製造する方法であって、前記微粒子が熱可塑性有機ポリマー材料から形成され、且つ未充填状態で、それらの内部に、孔を介して前記微粒子の表面に連結した少なくとも一個の空洞を有し、
(a)未充填微粒子の組成物に前記活性剤を含む液体を含浸させることにより、内部空洞に前記液体を含有する充填微粒子を得て、
(b)担体ガス中の自由流動性充填微粒子流を、前記熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度を少なくとも20K上回る温度の加熱ゾーンに通すことにより、前記充填微粒子を熱処理に供し、ここで、前記加熱ゾーンにおける前記充填微粒子の平均滞留時間が60秒以下である、
方法。
【請求項2】
前記加熱ゾーンにおける温度が130~350℃の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度が50~160℃の範囲内である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱ゾーンが直管状の幾何形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱ゾーンを通った前記自由流動性充填微粒子流の質量密度が5~500g/mの範囲内である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記自由流動性充填微粒子流が、前記加熱ゾーンを出た直後に急冷される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱可塑性有機ポリマー材料が、45~140℃の範囲内のガラス転移温度又は融点を有する少なくとも一種のポリマーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱可塑性有機ポリマー材料のジクロロメタン中の溶解度が、25℃において少なくとも50g/Lである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記熱可塑性ポリマー材料が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル又は少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルではない少なくとも一種の熱可塑性ポリマーとの組合せを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性有機ポリマー材料が、脂肪族-芳香族ポリエステルに加えて、脂肪族-芳香族ポリエステルとは異なり、特に脂肪族ポリエステル、ポリ無水物、ポリエステルアミド、変性多糖及びタンパク質並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種のさらなるポリマーを追加的に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記活性剤が、22℃及び1013mbarにおいて液体である、又は100℃未満の融点を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記活性剤が、22℃及び1013mbarにおいて液体であるアロマケミカル、又は22℃及び1013mbarにおいて液体であるアロマケミカルの混合物である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる少なくとも一種の活性剤が充填された、微粒子の組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の組成物を、製品の全重量に対して0.01重量%~80重量%の重量割合で含む製品。
【請求項15】
請求項13に記載の組成物の、香水、洗浄及び清浄製品、化粧品、パーソナルケア製品、衛生物品、食品、食品サプリメント、フレグランスディスペンサ及びフレグランスから選択される製品における使用。
【請求項16】
請求項13に記載の組成物の、活性剤の制御された放出のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一種の揮発性有機活性剤、例えばアロマケミカルが充填された微粒子を製造する方法、特に少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された微粒子を閉じる(シールする)方法に関する。本発明はまた、少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された微粒子の組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセルは、活性物質、例えば作物保護剤、医薬剤、フレグランス及びアロマだけでなく、産業上の応用のための反応性物質又は触媒の担体として種々の様々な用途を有する。これらは典型的に、カプセル化される材料を包囲するポリマー材料を含む。
【0003】
この種類の配合物の利点は特に:
- 反応性活性剤の環境上の影響からの保護、
- 毒性又は不安定な活性剤の安全且つ実用的な取扱い、
- 活性剤の制御された放出、
- 物質の早期の混合の防止、
- 固体としての液体活性剤の取扱い
である。
【0004】
活性剤のマイクロカプセル化の方法の概要は、H. Mollet, A. Grubenmann, “Formulation Technology”, chapter 6.4(Microencapsulation), Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim 2001及びその中で引用される文献に見出すことができる。
【0005】
スポンジ様形態の、活性成分を充填することができるポリマー材料からなる多孔質微粒子に関して様々な記載が存在する。
【0006】
欧州特許出願公開第467528号明細書は、250μm以下の平均粒子サイズを有するとともに表面に孔を有する多孔質重合性担体粒子について記載している。多孔質重合性担体粒子は、孔を形成する物質の存在下でスチレンと無水マレイン酸/無水フタル酸/プロピレングリコールのポリエステルとの懸濁重合により製造される。粒子は、酵素、触媒及び細菌のために提案される。
【0007】
欧州特許出願公開第1679065号明細書は、ポリ(エチレングリコール)テレフタレート(PEGT)及びポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)から構築される生分解性ブロックコポリマー並びにインターフェロンの群から選択される活性成分を含む、活性成分の制御された放出のための微粒子について記載している。
【0008】
米国特許出願公開第2016/0168349号は、多峰性の孔サイズ分布を有する微粒子について記載している。微粒子は、多孔質ネットワーク構造を達成するようにある程度変形された、熱可塑性組成物から形成される多孔質材料を含有する。微粒子は、活性薬剤を含有してもよい。
【0009】
欧州特許出願公開第2431411号明細書は、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分(A)と混錬可能である、オリゴ糖を可塑化するための水溶性可塑化成分及びオリゴ糖を含む補助成分(B)を使用することによって形成される分散組成物について記載している。補助成分(B)は、共連続相又は海島構造における連続相を形成してもよい。混錬組成物を成形して予備成形物品を調製し、これを溶媒に浸漬させて、補助成分を溶出又は洗い落として、成形多孔質物品を得ることができる。多孔質材料は、液体用分離膜、フィルター、吸湿剤、吸着剤、保湿剤、若しくは記録用シートの受像層に、又は日用品(例えば、化粧調製物)のための添加剤として利用されてもよい。
【0010】
欧州特許出願公開第2233557号明細書は、洗濯洗剤組成物に使用するための香料カプセル剤を調製する方法について記載している。方法は、疎水性香料-コポリマー複合体を水中で乳化して水中油エマルションを形成すること、カプセル化材料を少なくとも部分的に水中に溶解すること、疎水性香料-ポリマー複合体及びカプセル化材料を含む水中油エマルションから少なくともある程度の水分を除去して、カプセル剤を形成することを含む。カプセル剤は、良好な溶解プロファイルを有すると同時に、良好な熱安定性プロファイルを保持するとされる。
【0011】
国際公開第2011/088229号及び米国特許出願公開第2019/0183802号は、活性剤に結合することができるイオン性種、例えば多価イオンの無機塩を孔の中に含む生分解性ポリマー、例えばポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)から構成される多孔質微粒子について記載している。一般的には生物活性ポリマーである活性剤、例えばタンパク質、リポタンパク質、プロテオグリカン又は核酸の充填後、加熱によって孔を閉じる。
【0012】
国際公開第2015/070172号は、孔が活性剤として生物活性ポリマー、例えばタンパク質、リポタンパク質、プロテオグリカン又は核酸及びイオン性バイオポリマー、特にイオン性多糖及びpH調整剤、例えば炭酸マグネシウム又は炭酸亜鉛を含む生分解性ポリマーから構成される、多孔質微粒子について記載している。イオン性バイオポリマーは、生物活性ポリマーとイオン性複合体を形成する。生物活性ポリマー、例えばタンパク質、リポタンパク質、プロテオグリカン又は核酸を微粒子に充填した後、加熱によって孔を閉じる。
【0013】
前述の先行技術文献に記載される方法は、使用部位で急速に放出される生物活性ポリマーによる多孔質微粒子の充填について教示している。長期間にわたる揮発性有機活性剤の持続的な放出は、ここでは重要ではない。実際、そのような放出は望まれない。さらに、生物活性ポリマーは極めて親水性である。揮発性有機物質、又はさらには疎水性有機物質、例えばアロマケミカルによる多孔質微粒子の充填に関する記載は存在しない。全ての方法において、充填後に、一般的には数時間から数日までの長期間にわたって充填微粒子を加熱し、孔を閉じて活性剤の早期の流出を防止する。これは、規則的に活性成分に対する応力をもたらし、活性剤の望まれない分解をもたらす場合があり、さらに充填微粒子の凝集、又はさらには完全な破壊をもたらし得る。
【0014】
国際公開第2018/065481号は、微粒子を液体アロマケミカル又はアロマケミカルの溶液に懸濁させることにより、多孔質微粒子にアロマケミカルを充填する方法について記載している。ここでも、閉鎖(シーリング)は長期にわたる加熱によって行われるため、活性剤の分解及び充填微粒子の所望されない凝集、又はさらには破壊がもたらされる可能性がある。さらに、放出特性は常に良好ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】欧州特許出願公開第467528号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1679065号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/0168349号
【特許文献4】欧州特許出願公開第2431411号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2233557号明細書
【特許文献6】国際公開第2011/088229号
【特許文献7】米国特許出願公開第2019/0183802号
【特許文献8】国際公開第2015/070172号
【特許文献9】国際公開第2018/065481号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】H. Mollet, A. Grubenmann, “Formulation Technology”, chapter 6.4(Microencapsulation), Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、少なくとも一種の活性剤、特に少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された微粒子の調製方法を提供することである。微粒子は、良好な放出特性を有する。特に、微粒子は、潜在期間後に初めて活性剤を放出する。より詳細には、活性剤の制御された放出を達成することが望ましい。例えば、放出速度が長期にわたり極めて実質的に一定であることが望ましい場合がある。充填微粒子は、簡単な方法で、高収率ではあるが、充填微粒子の著しい凝集、又はさらには破壊を生じることなく、製造可能である。
【0018】
驚くべきことに、これら及びさらなる目的は、以下に記載される方法、及びそれにより得ることができる活性剤充填微粒子によって達成されることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明は、少なくとも一種の活性剤が充填された微粒子を製造する方法であって、微粒子が、熱可塑性有機ポリマー材料から形成され、且つ未充填状態で、それらの内部に、孔を介して微粒子の表面に連結した少なくとも一個の空洞を有し、
(a)未充填微粒子の組成物に活性剤を含む液体を含浸させることにより、内部空洞に液体を含有する充填微粒子を得、
(b)担体ガス中の自由流動性充填微粒子流を、熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度を少なくとも20K、特に少なくとも40K、例えば20~300K又は20~250K、特に30~250K又は30~200K、特に40~220K又は40~200K上回る温度の加熱ゾーンに通すことにより、充填微粒子を熱処理に供し、ここで、加熱ゾーンにおける充填微粒子の平均滞留時間が60秒以下、特に30秒以下、とりわけ20秒以下、又は10秒以下、例えば0.1~60秒の範囲、特に0.1~30秒の範囲、より詳細には0.5~20秒の範囲、とりわけ1~10秒の範囲である、
方法に関する。
【0020】
本発明はさらに、本発明の方法によって得ることができる、少なくとも一種の活性剤、特に少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された微粒子の組成物、並びにそれらの使用、特に香水、洗浄(washing)及び清浄(cleaning)組成物、化粧組成物、パーソナルケア組成物、衛生物品、食品、食品サプリメント、フレグランスディスペンサ及びフレグランスから選択される製品におけるそれらの使用に関する。
【0021】
本発明はさらに、少なくとも一種の活性剤、特に少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された本発明の微粒子の組成物を含む製品、及びそれらの使用、特に低分子量の活性剤の制御された放出、詳細にはアロマケミカルの制御された放出のためのそれらの使用に関する。
【0022】
本発明は、多数の利点に関連付けられる:
- 本発明の方法により、揮発性有機物が充填された微粒子の孔は、充填微粒子の顕著な破壊又は凝集を生じることなく緊密に閉じられる。
- 高温にもかかわらず、加熱ゾーンでの滞留時間が短いことにより、ステップb)の間の活性剤の損失は低く保たれる。この利益は、特に微粒子への揮発性有機活性剤の包含を可能にする。
- 充填微粒子の孔が緊密に閉じられるため、微粒子は、活性剤の顕著な損失を伴うことなく長期間にわたって保管可能であり、これは敏感な又は揮発性の有機活性剤の場合に特に重要である。
- 本発明の方法により、充填微粒子が容易に組み込み可能な自由流動性粉末として得られる。
- 活性剤の放出を簡単な方法で制御することができ、例えば、充填微粒子に機械力を加えることによって自発的放出を達成することができる。
- 出発材料として使用される微粒子は、容易且つ高価ではない方法で製造可能である。
- 充填する方法は、使用される原材料に関して非常に多用途であり、多数の揮発性有機活性剤に特に適している。
【0023】
本発明は、より詳細には、以下の実施形態1~30に関する。
【0024】
1.少なくとも一種の揮発性有機活性剤が充填された微粒子を製造する方法であって、微粒子が、熱可塑性有機ポリマー材料から形成され、且つ未充填状態で、それらの内部に、孔を介して微粒子の表面に連結した少なくとも一個の空洞を有し、上述のステップ(a)及び(b)がとられる方法。
【0025】
2.加熱ゾーンの温度が130~350℃の範囲、特に140~300℃の範囲、とりわけ140~250℃の範囲である、実施形態1に記載の方法。
【0026】
3.熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度が50~160℃の範囲、特に55~150℃の範囲である、実施形態1~2のいずれか1つに記載の方法。
【0027】
4.加熱ゾーンが直管状の幾何形状を有する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0028】
5.加熱ゾーンが立ち下げ管(ダウンパイプ)に配置される、実施形態4に記載の方法。
【0029】
6.加熱ゾーンを通った自由流動性充填微粒子流の質量密度が5~500g/mの範囲、特に10~200g/mの範囲、とりわけ20~200g/mの範囲である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0030】
7.自由流動性充填微粒子流が、加熱ゾーンを通ったときに実質的に層状の流れ(層流)を示す、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0031】
8.自由流動性充填微粒子流が、加熱ゾーンを出た直後に急冷される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0032】
9.含浸前の未充填微粒子の組成物が、光散乱によって測定して5~600μmの平均粒子径D[4,3]を有する、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0033】
10.組成物中の微粒子の平均粒子径との差異が20%以内である粒子径を有する微粒子の少なくとも80%が、それぞれ少なくとも20nm且つ平均粒子径の最大1/5の直径を有する孔を平均少なくとも10個有する、実施形態9に記載の方法。
【0034】
11.前記熱可塑性有機ポリマー材料が、45~140℃の範囲内のガラス転移温度(ガラス転移点)又は融点を有する少なくとも一種のポリマーを含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0035】
12.前記熱可塑性有機ポリマー材料のジクロロメタン中の溶解度が、25℃において少なくとも50g/Lである、実施形態1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0036】
13.前記熱可塑性有機ポリマー材料が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルを含む、実施形態1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0037】
14.前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸の組成物でエステル化した脂肪族ジヒドロキシ化合物のエステルである、実施形態13に記載の方法。
【0038】
15.前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)、及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)から選択される、実施形態14に記載の方法。
【0039】
16.前記熱可塑性有機ポリマー材料が、前記脂肪族-芳香族ポリエステルに加えて、脂肪族-芳香族ポリエステルとは異なり、特に脂肪族ポリエステル、ポリ無水物、ポリエステルアミド、変性多糖及びタンパク質及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種のさらなるポリマーを追加的に含む、実施形態13~15のいずれか一項に記載の方法。
【0040】
17.前記さらなるポリマーが、重合ヒドロキシカルボン酸、脂肪族-脂肪族コポリエステル、ポリラクトン、ポリ(p-ジオキサノン)、ポリ無水物及び脂肪族ポリエステルアミドからなる群から選択される、実施形態16に記載の方法。
【0041】
18.前記さらなるポリマーが、ポリ乳酸、脂肪族-脂肪族コポリエステル、脂肪族ポリ-C-C12-ラクトン、及びポリヒドロキシ脂肪酸から選択される、実施形態16又は17のいずれか一項に記載の方法。
【0042】
19.前記脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルとは異なる前記少なくとも一種のさらなるポリマーとの質量比が30:70~99:1の範囲、又は30:70~80:20の範囲、特に35:65~75:25の範囲、とりわけ40:60~70:30の範囲である、実施形態16又は17のいずれか一項に記載の方法。
【0043】
20.前記活性剤が、22℃及び1013mbarにおいて液体である、又は100℃未満の融点を有する、実施形態1~19のいずれか一項に記載の方法。
【0044】
21.前記活性剤が、アロマケミカル、有機活性作物保護成分、有機活性医薬成分、化粧用活性剤、及び建設化学物質用途のための活性剤から選択される、実施形態1~20のいずれか一項に記載の方法。
【0045】
22.前記活性剤が、22℃及び1013mbarにおいて液体であるアロマケミカル、又は22℃及び1013mbarにおいて液体であるアロマケミカルの混合物である、実施形態21に記載の方法。
【0046】
23.前記アロマケミカルが、少なくとも一種の揮発性フレグランスを含む、実施形態22に記載の方法。
【0047】
24.実施形態1~23のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる、少なくとも一種の活性剤が充填された微粒子の組成物。
【0048】
25.前記活性剤を、充填微粒子の全重量に対して5重量%~75重量%の全量で含む、実施形態24に記載の組成物。
【0049】
26.粉末の形態の、実施形態24又は25のいずれか一項に記載の組成物。
【0050】
27.実施形態24~26のいずれか一項に記載の組成物を、製品の全重量に対して0.01重量%~80重量%の重量割合で含む製品。
【0051】
28.香水、洗浄製品、清浄製品、化粧品、パーソナルケア製品、衛生物品、食品、食品サプリメント、フレグランスディスペンサ及びフレグランスから選択される、実施形態27に記載の製品。
【0052】
29.実施形態24~26のいずれか一項に記載の組成物の、香水、洗浄及び清浄製品、化粧品、パーソナルケア製品、衛生物品、食品、食品サプリメント、フレグランスディスペンサ及びフレグランスから選択される製品における使用。
【0053】
30.実施形態24~26のいずれか一項に記載の組成物の、活性剤の制御された放出のための使用。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1a】熱処理前の製造例1からの微粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
図1b】250℃での熱処理後の製造例1からの微粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
図1c】300℃での熱処理後の実施例1からの微粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
図2】熱処理前の製造例2からの微粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで、且つ本出願を通して、「軟化温度」という用語は、別段述べられない場合、試料に10Nの点荷重を加えることにより、加熱速度50℃/時でDIN EN ISO 306:2014-03に従って測定されるいわゆるビカット軟化温度(VST)、いわゆるVST/A50温度に関する。
【0056】
ここで、且つ本出願を通して、「熱可塑性有機ポリマー材料」という用語は、熱可塑性の有機ポリマーに基づく材料に関する。熱可塑性又は熱軟化性材料は、特定の高温に加熱した際に軟化し、したがって柔軟又は成型(成形)可能になり、且つ前記特定の温度未満に冷却した際に固化するポリマー材料である。特に、熱可塑性ポリマー材料は、それが軟化し、柔軟又は成型可能になる温度に加熱した際に、化学反応を生じない材料である。
【0057】
ここで、且つ本出願を通して、「活性剤」という用語は、生体及び植物中で生理学的効果を誘発する化学化合物、並びに非動物界において化学的効果を生じる又は化学反応を触媒する物質を意味すると当業者によって理解される。活性剤の例は、アロマケミカル、有機作物保護剤、有機医薬剤、化粧用活性剤、及び建設化学物質と呼ばれる建設分野で使用される活性剤、特に建設分野における生成物のための触媒、例えば架橋又は重合の触媒である。
【0058】
「揮発性有機活性剤」という用語は、101.3kPaで最大250℃の沸騰温度若しくは蒸発温度及び/又は20℃で少なくとも50Paの蒸気圧を有する有機又は有機金属の化学化合物を指す。
【0059】
「低分子量の有機活性剤」という用語は、一般的に1000ダルトン未満且つ典型的に80~<1000ダルトンの範囲、特に100~500ダルトンの範囲の既定の分子量Mnを有する有機又は有機金属の化学化合物を指す。
【0060】
「分子量Mn」又は「モル質量Mn」は、数平均分子量又はモル質量である。「分子量Mw」又は「モル質量Mw」は、質量平均分子量又はモル質量である。「多分散度」は、重量平均と数平均との比、すなわちMw/Mnの商である。
【0061】
別段述べられない限り、「室温」という用語は、22℃の温度を示す。
【0062】
「生分解性の」という用語は、該物質、ここでは未充填の微粒子が、1992年からのOECDガイドライン301Bの試験(鉱物スラリー中での堆肥化におけるCO発生の測定及び理論的な最大可能CO発生との比較)において、28日後、25℃で、少なくとも5%、特に少なくとも10%、特に少なくとも20%の生分解を受けることを意味するものと理解される。
【0063】
本発明によると、含浸が意図される未充填微粒子は、熱可塑性有機ポリマー材料から形成され、粒子の表面に孔と呼ばれる開口を有する。これらの孔は、微粒子の内部において一個以上の空洞に連結しており、各々の活性剤を含有する液体が微粒子の含浸の際に孔を通って空洞に浸透することができるようになっている。このようにして、液体に存在する活性剤が微粒子に充填される。言い換えると、含浸において、微粒子は、未充填微粒子に存在する空洞がほぼ又は完全に各々の液体によって充填され、結果的に活性剤によって充填されるような方法で、各々の液体によって処理される。
【0064】
これらの空洞の壁は、熱可塑性有機ポリマー材料によって形成される。言い換えると、有機ポリマー材料は、微粒子に存在し、孔によって連結される空洞を取り囲むため、ポリマー壁材料又は壁材料とも称される。未充填状態において、これらの空洞は、気体又は気体混合物、典型的に空気、CO又は不活性ガス、例えば窒素若しくはアルゴンを含み、これは、未充填微粒子の含浸の際に活性剤を含有する液体にほぼ又は完全に置換される。微粒子は、それらの内部に一個以上の空洞を有する。複数の空洞の場合、空洞は、ポリマー壁材料によって互いに隔てられていてもよく、又は互いに連結していてもよい。より詳細には、充填が意図される微粒子は、それらの内部に、微粒子の表面の孔によって連結された多数の相互に連結した空洞、すなわち空洞のネットワークを有する。
【0065】
「微粒子」という用語は、粒子がマイクロメートル範囲、すなわち1000μm未満、特に800μm未満、特に600μm未満の寸法を有することを意味する。本明細書で報告される値は、サンプルに存在する粒子の90体積%を超える値であり、これはD[v, 0.9]値とも称される。典型的に、充填が意図される微粒子の少なくとも90体積%が、少なくとも1μm、特に少なくとも2μm、特に少なくとも5μmの寸法を有する(D[v, 0.1]値と呼ばれる)。
【0066】
含浸又は充填が意図される微粒子は、好ましくは5~600μmの範囲、特に7~500μmの範囲、特に10~400μmの範囲の平均粒子径、すなわちD[4,3]値を有する。第1の好ましい実施形態において、平均粒子径D[4,3]は5~<100μmの範囲、特に5~50μmの範囲、特に5~30μmの範囲である。第2の好ましい実施形態において、平均粒子径D[4,3]は30~600μmの範囲、特に50~500μmの範囲、特に100~400μmの範囲である。
【0067】
活性剤による含侵が意図される微粒子は、好ましくは2.5~400μmの範囲、特に3.5~250μmの範囲、特に5~200μmの範囲のSauter径、すなわちD[3,2]値を有する。
【0068】
含浸が意図される微粒子は、好ましくは3~500μmの範囲、特に4~300μmの範囲、特に8~300μmの範囲のD[v, 0.5]値を有する。
【0069】
ここで及び以下において、D[v, 0.1]、D[v, 0.5]、D[v, 0.9]、D[4,3]及びD[3,2]値を含む粒子サイズ、粒子径及び粒子サイズ分布に関する全ての数字は、微粒子のサンプルに対するISO 13320:2009による静的レーザー光散乱によって確認される粒子サイズ分布(粒度分布)に基づく。略称SLSもまた、「ISO 13320:2009による静的レーザー光散乱」を表すために以下で使用される。これに関連して、D[v, 0.1]値は、測定されるサンプルの粒子の10体積%が、D[v, 01]と報告される値未満の粒子径を有することを意味する。したがって、D[v, 0.5]値は、測定されるサンプルの粒子の50体積%がD[v, 0.5]と報告される値未満の粒子径を有することを意味し、D[v, 0.9]値は、測定されるサンプルの粒子の90体積%がD[v, 0.9]と報告される値未満の粒子径を有することを意味する。D[4,3]値は、SLSを用いて測定される体積加重平均であり、これはDe Brouckere平均とも称され、本発明の粒子の質量平均に対応する。D[3,2]値は、SLSを用いて測定される表面加重平均であり、これはSauter径とも称される。
【0070】
含侵が意図される微粒子は、好ましくは規則的な形状をした粒子、特に球の形状をした粒子である。「規則的な形状をした」という用語は、粒子の表面が、孔は別として、壁材料に大きなへこみを有さない、又は壁材料の隆起を有さないことを意味する。「球状」という用語は、粒子が、ほぼ回転楕円体の形状、特に球状の形状を有することを意味し、特に粒子において、粒子の中心を通る最長軸と粒子の中心を通る最短軸との比は値2を超えず、特に1:1~1.5:1の範囲である。
【0071】
含侵が意図される微粒子は、特に好ましくは5~600μm、特に7~500μm、特に10~400μmの範囲の平均粒子径D[4,3]を有する球状微粒子である。第1の好ましい実施形態において、球状微粒子の平均粒子径D[4,3]は5~<100μmの範囲、特に5~50μmの範囲、特に5~30μmの範囲である。第2の好ましい実施形態において、球状微粒子の平均粒子径D[4,3]は30~600μmの範囲、特に50~500μmの範囲、特に100~400μmの範囲である。
【0072】
好ましくは、含侵が意図される微粒子は、少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個の孔を表面に有する。好ましくは、孔の直径は20nm~平均粒子径の1/5の範囲内である。これらの孔の直径は、好ましくは少なくとも50nm、より好ましくは少なくとも100nm、特に少なくとも200nmである。これらの孔の直径は、各々の平均粒子径D[4,3]に応じて一般的に20μm、特に10μmを超えず、好ましくは50nm~20μmの範囲内、特に100nm~20μmの範囲内、特に200nm~10μmの範囲内である。
【0073】
10~600μm、特に30~500μm、特に50~400μmの範囲内の平均粒子径D[4,3]を有する含侵が意図される球状微粒子が特に好ましく、ここで、組成物中の微粒子の平均粒子径との差異が20%以内の粒子径を有する微粒子の少なくとも80%がそれぞれ、20nm~平均粒子径の1/5の範囲内の直径を有する孔を平均少なくとも10個有し、ここで、これらの孔のそれぞれの直径は好ましくは少なくとも50nm、より好ましくは少なくとも100nm、特に少なくとも200nmである。これらの孔の直径は、一般的に20μm、特に10μmを超えず、好ましくは50nm~20μmの範囲内、特に100nm~20μmの範囲内、特に200nm~10μmの範囲内である。
【0074】
ここで与えられる孔径は、走査型電子顕微鏡(Phenom Pro X)を用いて測定されてもよい。この目的のために、様々なクローズアップ画像を撮り、これらをPhenom製ProSuite(FibreMetric)ソフトウェアを使用して遡及的、自動的に測定する。粒子の選択した領域の孔をコントラストの差によって認識し、その面積を自動的に測定する。表面を円形状と仮定し、各表面の直径を計算する(サンプルサイズ:孔100個)。評価では、孔径が少なくとも20nmを有する孔のみを考慮する。粒子サイズに応じて、より大きい粒子の場合は1600~2400倍の倍率で、より小さい粒子の場合は8000倍までの倍率で撮像する。少なくとも10個の孔のサイズを測定するために、微粒子の組成物の平均粒子径との差異が20%を超えない粒子径を有する微粒子のみを考慮する。
【0075】
微粒子の全表面積に基づく孔数を評価するために、以下の仮定をなす:粒子は球状粒子であるため、像は粒子表面の半分しか示さない。微粒子の像が、少なくとも20nmであり、平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内である直径を有する孔を少なくとも5個示す場合、全表面は少なくとも10個の孔を備える。
【0076】
そのようにして得られるデータの評価を以下の通り実施する:
1.微粒子の平均粒子径D[4,3]を、静的光散乱を用いて微粒子分散液において直接測定する。孔を測定するために考慮される微粒子の粒子径の上下限(±20%)がこれにより与えられる。
2.微粒子分散液を乾燥する。
3.サンプルから、各場合において、多数の微粒子を示す像20枚を走査型電子顕微鏡によって撮る。
4.微粒子の平均粒子径の±20%の範囲内の粒子径を有する20個の微粒子を選択する。それらの粒子径をPhenom製ProSuite(FibreMetric)ソフトウェアを用いて測定する。
5.これら20個の微粒子のそれぞれの孔を測定する。この目的のために、目に見える孔の表面積を自動的に測定し、その直径を計算する。
6.孔径の個別の値を、直径が平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内であり、少なくとも20nmであるという条件を満たすかどうかについてチェックする。
7.この条件に適合する孔の数を測定し、2倍する。
8.少なくとも16個の微粒子が、平均少なくとも10個の孔を有するかどうかをチェックする。
【0077】
本発明によると、微粒子は熱可塑性の有機ポリマー材料から形成される。有機ポリマー材料は、原則として多孔質の気体充填微粒子の製造のための公知の方法において使用されるような任意の熱可塑性有機ポリマー、又は熱可塑性有機ポリマーの混合物であってもよい。熱可塑性有機ポリマー材料は、一種以上の熱可塑性有機ポリマーからなってもよいが、少量の非熱可塑性材料、例えばデュロプラスチックポリマーも、これらの成分が有機ポリマー材料の熱可塑性を付与しない限り含有してもよい。特に、非熱可塑性材料の量は、微粒子を形成する熱可塑性有機ポリマー材料の全量の10重量%、特に5重量%を超えない。
【0078】
そのようなポリマー壁材料の例は、特に縮合ポリマー、例えば脂肪族ポリエステル、半芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエステルを含むポリエステル、さらにポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカルボナートだけでなく、付加ポリマー、例えばポリスチレン、ポリアクリラート、ポリオレフィン、ポリ尿素、並びにポリエステルウレタン及びポリエーテルウレタンを含むポリウレタン、並びに前述のポリマーのブレンドである。好ましくは、壁材料は、少なくとも一種の縮合ポリマー、特に少なくとも一種のポリエステルを含む。
【0079】
本発明によると、以下「壁材料」とも称される熱可塑性有機ポリマー材料は、特定の高温、いわゆる軟化温度、正確にはVST、とりわけVST/A50とも称されるビカット軟化温度で軟化する。好ましくは、熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度は、50~160℃の範囲内、特に55~150℃の範囲内である。
【0080】
多数の熱可塑性有機ポリマー及びポリマーブレンドの軟化温度が当技術分野で報告されている。これは、上述のDIN EN ISO 306:2014-03に従って容易に測定することができる。それとは別に、軟化温度は、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度及び/又は融解温度と相関する。ブレンドの場合、軟化温度は、いわゆるGordon-Taylor式、Couchman-Karasz式、Fox式又はKwei式によって推定されてもよい(P.F. Fox, Advanced Dairy Chemistry第3巻,Springer Science and Business Me-dia,1992,316頁;D.R. Heldman, Encyclopedia of Agricultural, Food, and Bio-logical Engineering,CRC Press,2003,760頁;T.G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc.(1956),第1巻,123頁;M.F. Sonnenschein, Polyurethanes, John Wiley & Sons 2014,155頁f.及びその中で引用される参考文献を参照されたい)。
【0081】
好ましくは、壁材料は、45~160℃の範囲内、特に50~150℃の範囲内のガラス転移温度又は融解温度を有する少なくとも一種のポリマーを含む。ポリマーが融点を有する、すなわち半結晶質又は結晶質である場合、ポリマーは、好ましくは45~160℃の範囲内、特に60~150℃の範囲内の融解温度又は結晶化温度を有する。ポリマーが非晶質である場合、ポリマーは、好ましくは45~160℃の範囲内、特に50~150℃の範囲内のガラス転移温度を有する。ここで、ガラス転移温度は、典型的にDIN EN ISO 11357-1:2017-02による動的示差熱量測定(DSC)を用いて測定される。ここで、融解温度は、典型的にDIN EN ISO 11357-3:2018-07による動的示差熱量測定(DSC)を用いて測定される。
【0082】
好ましくは、壁材料のジクロロメタン中の溶解度は、25℃において少なくとも50g/Lである。
【0083】
好ましい壁材料は、主な構成成分として少なくとも一種の半芳香族ポリエステルを含む。半芳香族ポリエステルは、脂肪族-芳香族ポリエステル、すなわち芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジヒドロキシル化合物とをベースとするポリエステル、及び芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸との混合物と、脂肪族ジヒドロキシル化合物とをベースとするポリエステルとも称される。脂肪族-芳香族ポリエステルは、好ましくは脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸との混合物と、脂肪族ジヒドロキシル化合物とをベースとするポリエステルである。これらのポリマーは、個別に又はそれらの混合物で存在してよい。この種類の半芳香族ポリエステルをベースとする壁材料は、典型的に本発明の目的のために生分解性であり、したがってそれらから製造される未充填微粒子も同様である。
【0084】
好ましくは「脂肪族-芳香族ポリエステル」は、例えば国際公開第2012/2013506号に記載されるポリエステル誘導体、例えばポリエーテルエステル、ポリエステルアミド又はポリエーテルエステルアミド及びポリエステルウレタンを意味するものとも理解される。適する脂肪族-芳香族ポリエステルは、例えば国際公開第92/09654号に記載される、線状の鎖延長されていないポリエステルを含む。鎖延長された及び/又は分枝した脂肪族-芳香族ポリエステルが好ましい。後者は、国際公開第96/15173号、国際公開第96/15174号、国際公開第96/15175号、国際公開第96/15176号、国際公開第96/21689号、国際公開第96/21690号、国際公開第96/21691号、国際公開第96/21692号、国際公開第96/25446号、国際公開第96/25448号及び国際公開第98/12242号から既知であり、これらは明示的に参照される。異なる脂肪族-芳香族ポリエステルの混合物も同様に考慮される。興味深い近年の開発は、再生可能原料をベースとしており、とりわけ国際公開第2006/097353号、国際公開第2006/097354号及び国際公開第2010/034710号に記載される。
【0085】
特に好ましい脂肪族-芳香族ポリエステルは、必須成分として以下のものを含むポリエステルを含む:
A)以下のものから形成される酸成分
a1)30~99mol%の少なくとも一種の脂肪族ジカルボン酸若しくはそのエステル形成誘導体又はそれらの混合物、
a2)1~70mol%の少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸若しくはそのエステル形成誘導体又はそれらの混合物、及び
B)C~C12アルカンジオールから選択される少なくとも一種のジオール成分、及びC)任意選択的に、以下のものから選択される成分
c1)エステル形成可能な少なくとも3個の基を有する化合物、
c2)ジイソシアナート又はポリイソシアナート、
c3)ジエポキシド又はポリエポキシド。
【0086】
一般に考慮される脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成誘導体(a1)は、2~18個の炭素原子、好ましくは4~10個の炭素原子を有するものである。それらは、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。しかしながら、原則として、より多くの数の炭素原子、例えば30個までの炭素原子を有するジカルボン酸を使用することもできる。
【0087】
脂肪族ジカルボン酸及びエステル形成誘導体の例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、2-メチルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、α-ケトグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、フマル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、スベリン酸、ジグリコール酸、オキサロ酢酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、イタコン酸及びマレイン酸、これらの無水物並びにこれらのC~Cアルキルエステルが挙げられる。これらのジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体は、個別に又はそれらの2種以上の混合物として用いられてよい。
【0088】
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸若しくはそれら各々のエステル形成誘導体又はそれらの混合物を使用することが好ましい。コハク酸、アジピン酸若しくはセバシン酸若しくは各々のそれらのエステル形成誘導体又はそれらの混合物を使用することが特に好ましい。コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸及びブラシル酸は、さらに、再生可能原料から得ることができるという利点を有する。
【0089】
芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体(a2)は、個別に又はそれらの2種以上の混合物として使用されてよい。テレフタル酸又はそのエステル形成誘導体、例えばジメチルテレフタラートを用いることが特に好ましい。
【0090】
一般に、ジオール(B)は、2~12個の炭素原子、好ましくは4~6の炭素原子を有する分枝若しくは直鎖アルカンジオール、又は5~10個の炭素原子を有するシクロアルカンジオールから選択される。適するアルカンジオールの例は、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,2-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、2,4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-エチル-2-ブチルプロパン-1,3-ジオール、2-エチル-2-イソブチルプロパン-1,3-ジオール、2,2,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジオール、特にエチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、及び2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(ネオペンチルグリコール)である。適するシクロアルカンジオールの例は、シクロペンタンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジメタノール、シクロヘキサン-1,3-ジメタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール及び2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。脂肪族-芳香族ポリエステルは、異なるアルカンジオール又はシクロアルカンジオールの組合せを含んでもよい。特に成分a1)としてのアジピン酸と組み合わせたブタン-1,4-ジオール、及び特に成分a1)としてのセバシン酸と組み合わせたブタン-1,4-ジオール又はプロパン-1,3-ジオールが特に好ましい。プロパン-1,3-ジオールは、再生可能原料として得ることができるという利点もある。
【0091】
より好ましくは、脂肪族-芳香族ポリエステルはポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)から選択される。前記の脂肪族-芳香族ポリエステルは、50~160℃の範囲内、特に55~150℃の範囲内のVST/A50値を有する。
【0092】
好ましい脂肪族-芳香族ポリエステルは、1000~100000g/molの範囲内、特に9000~75000g/molの範囲内、好ましくは10000~50000g/molの範囲内の分子量Mnにより特徴付けられる。
【0093】
好ましくは、壁材料を形成するポリマーの少なくとも一種は、45~160℃の範囲内、特に50~150℃の範囲内のガラス転移温度又は融点を有する。
【0094】
好ましい実施形態の群において、微粒子の壁材料は、脂肪族-芳香族ポリエステルから本質的になる。この実施形態の群において、微粒子の壁材料は、特に壁材料に対して少なくとも95重量%程度まで、特に少なくとも99重量%程度までの脂肪族-芳香族ポリエステルからなる。
【0095】
好ましくは、脂肪族-芳香族ポリエステルは、45~160℃の範囲内、特に50~150℃の範囲内のガラス転移温度又は融点を有する。
【0096】
より好ましい実施形態の群において、微粒子の壁材料は、脂肪族-芳香族ポリエステルの組合せを含む。この実施形態の群において、微粒子の壁材料は、壁材料に対して特に少なくとも95重量%程度まで、とりわけ少なくとも99重量%程度までの、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと少なくとも一種のさらなるポリマーとの組合せからなる。
【0097】
特に、壁材料は、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、さらに脂肪族-芳香族ポリエステルではないポリマーから選択される少なくとも一種のさらなる熱可塑性ポリマーとの組合せを含む。好ましくは、混合物中の脂肪族-芳香族ポリエステルの量は、組合せの少なくとも30%、例えば組合せの50~99%になる。特に、脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルではない少なくとも一種のさらなるポリマーとの質量比は、30:70~99:1の範囲内、又は30:70~80:20の範囲内、特に35:65~75:25の範囲内、とりわけ40:60~70:30の範囲内である。
【0098】
さらなるポリマーは、通常熱可塑性ポリマーである。好ましくは、脂肪族-芳香族ポリエステルではないさらなるポリマーは、45~160℃の範囲内、特に50~150℃の範囲内のガラス転移温度又は融点を有する。
【0099】
脂肪族-芳香族ポリエステルではなく、且つ熱可塑性である前記さらなるポリマーの例として、以下に限定されないが:ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族ポリエステル、特に脂肪族-脂肪族コポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ポリラクトン、芳香族/芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素、ポリウレタン、変性多糖及びタンパク質が挙げられる。
【0100】
さらなるポリマーは、好ましくは脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリ無水物、脂肪族ポリエーテルエステル、脂肪族ポリエステルアミド、変性多糖及びタンパク質並びにこれらの混合物からなる群から選択される。特に、さらなるポリマーは、ヒドロキシカルボン酸のポリエステル、脂肪族-脂肪族ポリエステル、ポリラクトン、ポリ(p-ジオキサノン)、ポリ無水物及び脂肪族ポリエステルアミドからなる群から選択される。少なくとも一種のさらなるポリマーは、とりわけ脂肪族ポリエステル、とりわけポリ乳酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、脂肪族-脂肪族ポリエステル、ポリヒドロキシ酢酸及びポリ-C-C12-ラクトン並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0101】
特定の実施形態の群において、さらなるポリマーは、ポリヒドロキシ酢酸及びポリ乳酸からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族ポリエステル、並びにこれらのコポリマーを含む。これらの中でも、ポリラクチドとも称される(PLAとも称される)ポリ乳酸、及び乳酸のコポリマー(PLAコポリマー)、特に乳酸とグリコール酸のコポリマー、すなわちポリラクチド-co-グリコリド(PLGAとも称される)である。PLA及びPLAコポリマーの中でも、PLAが好ましい。30000~120000ダルトンの分子量及び50~65℃の範囲内のガラス転移温度(Tg)を有するポリ乳酸が特に適している。最も好ましくは、D-乳酸の割合が9%を超える非晶質ポリ乳酸が用いられる。
【0102】
少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルとの混合物で好ましい成分は、ポリヒドロキシ酢酸、PLAコポリマー(ポリラクチドとポリ乳酸のコポリマー)及びPLGAコポリマー、並びに本明細書ではとりわけポリラクチドコポリマーである。30000~120000ダルトンの分子量及び50~65℃の範囲内のガラス転移温度(Tg)を有するポリ乳酸が特に適している。最も好ましくは、D-乳酸の割合が9%を超える非晶質ポリ乳酸が用いられる。ポリヒドロキシアルカノアートは、主にポリ-4-ヒドロキシブチラート及びポリ-3-ヒドロキシブチラートを意味すると理解され、前述のヒドロキシブチラートと3-ヒドロキシバレラート(P(3HB)-co-P(3HV))又は3-ヒドロキシヘキサノアートとのコポリエステルも含む。
【0103】
さらなる好ましい実施形態の群によると、さらなるポリマーは、ポリヒドロキシ脂肪酸の群の脂肪族ポリエステルを含む。ポリヒドロキシ脂肪酸は、OH基を有する炭素原子とカルボキシル基の炭素原子の間に1~18個、特に1~6個の炭素原子を有するヒドロキシ脂肪酸をベースとするポリエステルである。ポリヒドロキシ脂肪酸は、2-ヒドロキシ酪酸のポリエステル、特にそのホモポリマーも含む。したがって、ポリ乳酸及びポリヒドロキシ酢酸はポリヒドロキシ脂肪酸ではない。典型的に、ポリヒドロキシ脂肪酸は、式(1b)
(1a)[-O-CHR-(CH-CO-]
(1b)[-O-CHR’-CO-]
(式中、Rは水素、又は1~20個、好ましくは1~16個の炭素原子、特に1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基であり、R’は2~20個、好ましくは2~16個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基であり、m=1~18、好ましくは1、2、3、4、5及び6からの数である)
の繰り返しモノマー単位を含む。
【0104】
ポリヒドロキシ脂肪酸は、ホモポリマー(ホモポリエステルとも称される)、すなわち同一種のヒドロキシ脂肪酸モノマーのポリヒドロキシ脂肪酸、及びコポリエステル、すなわち異なる種類のヒドロキシ脂肪酸モノマーのポリヒドロキシ脂肪酸を含む。ポリヒドロキシ脂肪酸は、ポリヒドロキシ脂肪酸の任意の混合物で使用されてよい。
【0105】
ポリヒドロキシ脂肪酸は、通常5000~1000000の範囲内、特に30000~1000000の範囲内、若しくは70000~1000000の範囲内、好ましくは100000~1000000の範囲内、若しくは300000~600000の範囲内の重量平均分子量M及び/又は100~180℃の範囲内の融解温度を有する。
【0106】
本発明の一実施形態において、少なくとも一種のポリヒドロキシ脂肪酸は、
- ポリ-3-ヒドロキシプロピオナート(P3HP)、
- ポリヒドロキシブチラート(PHB)、
- ポリヒドロキシバレラート(PHV)、
- ポリヒドロキシヘキサノアート(PHHx)、
- ポリヒドロキシオクタノアート(PHO)、
- ポリヒドロキシオクタデカノアート(PHOD)、
- ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、
- ヒドロキシ吉草酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、
- ヒドロキシヘキサン酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、
- ポリ-C-C12-ラクトン、特にポリカプロラクトン
からなる群から選択される。
【0107】
適するポリヒドロキシブチラート(PHB)は、ポリ(2-ヒドロキシブチラート)(P2HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチラート)(P3HB)、ポリ(4-ヒドロキシブチラート)(P4HB)、並びに2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸及び4-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシ酪酸のコポリマーからなる群から選択されてよい。さらに適するものは、3-ヒドロキシ酪酸と4-ヒドロキシ酪酸のコポリマーである。これらコポリマーは、以下の略記:[P(3HB-co-4HB)](式中、3HBは3-ヒドロキシブチラートであり、4HBは4-ヒドロキシブチラートである)により特徴付けられる。
【0108】
ポリ(3-ヒドロキシブチラート)は、例えばPHB IndustrialによりBiocycle(登録商標)のブランド名で、及びTiananによりEnmat(登録商標)の名称で販売されている。ポリ-3-ヒドロキシブチラート-co-4-ヒドロキシブチラートは、Metabolixから特に既知である。これらは、Mirel(登録商標)の商標名で販売されている。
【0109】
適するポリヒドロキシバレラート(PHV)は、3-ヒドロキシ吉草酸のホモポリマー[=ポリ(3-ヒドロキシバレラート)(P3HV)]、4-ヒドロキシ吉草酸のホモポリマー[=ポリ(4-ヒドロキシバレラート)(P4HV)]、5-ヒドロキシ吉草酸のホモポリマー[=ポリ(5-ヒドロキシバレラート)(P5HV)]、3-ヒドロキシメチル吉草酸のホモポリマー[=ポリ(3-ヒドロキシメチルバレラート)(P3MHV)];3-ヒドロキシ吉草酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸及び3-ヒドロキシメチル吉草酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシ吉草酸のコポリマーからなる群から選択されてよい。
【0110】
適するポリヒドロキシヘキサノアート(PHHx)は、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノアート)(P3HHx);ポリ(4-ヒドロキシヘキサノアート)(P4HHx);ポリ(6-ヒドロキシヘキサノアート)(P6HHx)、並びに3-ヒドロキシヘキサン酸、4-ヒドロキシヘキサン酸及び6-ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシヘキサン酸のコポリマーからなる群から選択されてよい。
【0111】
適するポリヒドロキシオクタノアート(PHO)は、ポリ(3-ヒドロキシオクタノアート)(P3HO)、ポリ(4-ヒドロキシオクタノアート)(P4HO)、ポリ(6-ヒドロキシオクタノアート)(P6HO)、並びに3-ヒドロキシオクタン酸、4-ヒドロキシオクタン酸及び6-ヒドロキオクタン酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシオクタン酸のコポリマーからなる群から選択されてよい。
【0112】
ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとの適するコポリエステルは、
- 4-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシ吉草酸とのコポリエステル[P(4HB-co-3HV)]、
- 3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシ吉草酸とのコポリエステル[P(3HB-co-3HV)]、
- 4-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸とのコポリエステル[P(4HB-co-3HHx)]、
- 3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸とのコポリエステル[P(3HB-co-3HHx)]、
- 4-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタン酸とのコポリエステル[P(4HB-co-3HO)]、及び
- 3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタン酸とのコポリエステル[P(3HB-co-3HO)]、
- 4-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタデカン酸とのコポリエステル[P(4HB-co-3HOD)]及び
- 3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタデカン酸とのコポリエステル[P(3HB-co-3HOD)]
からなる群から選択されてもよい。
【0113】
ポリヒドロキシ脂肪酸の全量に対して1~20mol%、好ましくは3~15mol%の3-ヒドロキシヘキサノアート部分を有するポリ-3-ヒドロキシブチラート-co-3-ヒドロキシヘキサノアートを使用することが好ましい。このようなポリ-3-ヒドロキシブチラート-co-3-ヒドロキシヘキサノアート[P(3HB-co-3HHx)]は、Kanekaから既知であり、Aonilex(商標)X131A及びAonilex(商標)X151Aの商標名で市販されている。
【0114】
適するヒドロキシ吉草酸のコポリエステルは、好ましくは4-ヒドロキシ吉草酸及び/又は3-ヒドロキシ吉草酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸、特に3-ヒドロキシオクタン酸、及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステルである。
【0115】
適するヒドロキシヘキサン酸のコポリエステルは、好ましくは3-ヒドロキシヘキサン酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、及びヒドロキシオクタン酸、好ましくは3-ヒドロキシオクタン酸、及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステルである。
【0116】
特に好ましい実施形態の群によれば、さらなるポリマーは、ポリラクトンの群、特にポリ-C-C12-ラクトン、特にポリカプロラクトン(PCL)の群からの脂肪族ポリエステルを含む。ポリラクトンは、ラクトン、特にC-C12-ラクトン、特にイプシロン-カプロラクトン(ε-カプロラクトン)の開環重合により得ることができるポリエステルを指す。したがって、ポリカプロラクトンは、一般式(1)[-O-CHR-(CH-CO-](式中、mは4~10であり、カプロラクトンの場合m=4であり、Rは水素である)の繰り返しモノマー単位を有するポリヒドロキシ脂肪酸である。本発明との関連では、「ポリカプロラクトン」という用語は、イプシロン-カプロラクトンのホモポリマーとイプシロン-カプロラクトンのコポリマーの両方を意味するものと理解される。適するコポリマーは、例えば、イプシロン-カプロラクトンと乳酸、ラクチド、ヒドロキシ酢酸及びグリコリドからなる群から選択されるモノマーとのコポリマーである。ポリカプロラクトンは、例えば、PerstorpによりCapa(商標)のブランド名で、又はDaicelによりCelgreen(商標)のブランド名で販売されている。
【0117】
好ましい実施形態において、少なくとも一種のポリヒドロキシ脂肪酸は、ポリカプロラクトンである。
【0118】
本発明の実施形態の一群において、少なくとも一種のポリヒドロキシ脂肪酸は、
- ポリ(3-ヒドロキシプロピオナート)(P3HP)、
- ポリヒドロキシブチラート(PHB)、
- ポリヒドロキシバレラート(PHV)、
- ポリヒドロキシヘキサノアート(PHHx)、
- ポリヒドロキシオクタノアート(PHO)、
- ポリヒドロキシオクタデカノアート(PHOD)、
- ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、
- ヒドロキシ吉草酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、
- ヒドロキシヘキサン酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、
- ポリカプロラクトン
ポリ(4-ヒドロキシブチラート)及びポリ(3-ヒドロキシブチラート)、さらに前述のヒドロキシブチラートと3-ヒドロキシバレラート(P(3HB)-co-P(3HV))又は3-ヒドロキシヘキサノアートとのコポリエステルを除く
からなる群から選択される。
【0119】
本発明の一実施形態の群において、少なくとも一種のポリヒドロキシ脂肪酸は、ポリ(3-ヒドロキシプロピオナート)(P3HP)、ポリ(2-ヒドロキシブチラート)(P2HB)、2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸及び4-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシ酪酸のコポリマー、3-ヒドロキシ酪酸と4-ヒドロキシ酪酸のコポリマー、ポリ(3-ヒドロキシバレラート)(P3HV)、ポリ(4-ヒドロキシバレラート)(P4HV)、ポリ(5-ヒドロキシバレラート)(P5HV)、ポリ(3-ヒドロキシメチルバレラート)(P3MHV)、3-ヒドロキシ吉草酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸及び3-ヒドロキシメチル吉草酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシ吉草酸のコポリマー、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノアート)(P3HHx)、ポリ(4-ヒドロキシヘキサノアート)(P4HHx)、ポリ(6-ヒドロキシヘキサノアート)(P6HHx)、3-ヒドロキシヘキサン酸、4-ヒドロキシヘキサン酸及び6-ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシヘキサン酸のコポリマー、ポリ(3-ヒドロキシオクタノアート)(P3HO)、ポリ(4-ヒドロキシオクタノアート)(P4HO)、ポリ(6-ヒドロキシオクタノアート)(P6HO)、3-ヒドロキシオクタン酸、4-ヒドロキシオクタン酸及び6-ヒドロキシオクタン酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシオクタン酸のコポリマー、ポリ(3-ヒドロキシオクタノアート)(P3HO)、ポリ(4-ヒドロキシオクタノアート)(P4HO)、ポリ(6-ヒドロキシオクタノアート)(P6HO)、3-ヒドロキシオクタン酸、4-ヒドロキシオクタン酸及び6-ヒドロキシオクタン酸からなる群から選択される少なくとも二種のヒドロキシオクタン酸のコポリマー、2-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、4-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタン酸とのコポリエステル[P(4HB-co-3HO)]、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタン酸とのコポリエステル[P(3HB-co-3HO)]、4-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタデカン酸とのコポリエステル[P(4HB-co-3HOD)]、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシオクタデカン酸とのコポリエステル[P(3HB-co-3HOD)]、ヒドロキシ吉草酸、特に3-ヒドロキシ吉草酸又は4-ヒドロキシ吉草酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシオクタン酸及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、3-ヒドロキシヘキサン酸と3-ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシオクタン酸、好ましくは3-ヒドロキシオクタン酸、及びヒドロキシオクタデカン酸からなる群から選択される少なくとも一種のモノマーとのコポリエステル、並びにポリカプロラクトンからなる群から選択される。
【0120】
さらなる実施形態の群によれば、壁材料のさらなるポリマーは、ポリヒドロキシアルカノアートからなる群から選択される少なくとも一種のポリヒドロキシ脂肪酸を含む。ポリヒドロキシアルカノアートは、主にポリ-4-ヒドロキシブチラート及びポリ-3-ヒドロキシブチラート、並びに前述のヒドロキシブチラートと3-ヒドロキシバレラート(P(3HB)-co-P(3HV))又は3-ヒドロキシヘキサノアートとのコポリエステルを指す。ポリヒドロキシアルカノアートは、一般的に30000~1000000g/molの範囲内、特に100000~600000g/molの範囲内の重量平均分子量Mwを有する。
【0121】
さらなる実施形態の群によれば、壁材料のさらなるポリマーは、少なくとも一種の脂肪族-脂肪族ポリエステルを含む。脂肪族-脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジヒドロキシル化合物をベースとするポリエステル、並びに脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸との混合物及び脂肪族ジヒドロキシル化合物をベースとするポリエステルを意味するものと理解される。
【0122】
脂肪族-脂肪族ポリエステルの調製に適する脂肪族カルボン酸の例は、(a1)の下で言及された脂肪族ジカルボン酸、特に2~18個の炭素原子、好ましくは4~10個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸である。脂肪族ジカルボン酸がコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸及びそれらの混合物から選択される、脂肪族-脂肪族ポリエステルが好ましい。コハク酸、アジピン酸及びセバシン酸、並びにそれらの混合物が、特に好ましい。脂肪族-脂肪族ポリエステルを調製するために、ジカルボン酸の代わりに、それら各々のエステル形成誘導体又はそれらの混合物をジカルボン酸と共に使用してもよい。
【0123】
脂肪族-脂肪族ポリエステルの調製に適する脂肪族ジオールの例は、成分(B)として言及されたジオール、例えば、2~12個の炭素原子、好ましくは4~6個の炭素原子を有する分枝若しくは直鎖アルカンジオール、又は5~10個の炭素原子を有するシクロアルカンジオールである。適するアルカンジオールの例は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、特にエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール及び2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)である。シクロアルカンジオールの例は、シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールである。脂肪族-脂肪族ポリエステルは、縮合された異なるアルカンジオールの混合物をも含んでよい。特に成分a1)としてのコハク酸、アジピン酸及びセバシン酸から選択される一種又は二種の脂肪族ジカルボン酸と組み合わせた1,4-ブタンジオールが特に好ましい。
【0124】
特に好ましい脂肪族-脂肪族ポリエステルの例は、ポリブチレンスクシナートアジパート、ポリブチレンスクシナート、ポリブチレンセバカート、及びポリブチレンスクシナートセバカートである。
【0125】
好ましい脂肪族-脂肪族ポリエステルは、1000~100000g/molの範囲内、特に2000~75000g/molの範囲内、特に5000~50000g/molの範囲内の分子量Mnをしばしば有する。
【0126】
さらなる実施形態の群によれば、壁材料のさらなるポリマーは、少なくとも一種のポリ-p-ジオキサノン(ポリ-1,4-ジオキサン-2-オン)を含む。ポリ-p-ジオキサノン(ポリ-1,4-ジオキサン-2-オン)は、1,4-ジオキサン-2-オンの開環重合により得ることができるポリ(エーテル-エステル)を指す。本発明との関連では、ポリ(p-ジオキサノン)という用語は、一般構造単位[-O-CH-CH-O-CH-CO-]を有する1,4-ジオキサン-2-オンのホモポリマーを意味するものと理解される。本発明との関連では、ポリ(p-ジオキサノン)という用語は、1,4-ジオキサン-2-オンとラクトンモノマーとのコポリマーを意味するものとも理解される。1,4-ジオキサン-2-オンとグリコリド、ラクチド及びイプシロン-カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも一種のさらなるモノマーとのコポリマーが特に適する。
【0127】
さらなる実施形態の群によれば、壁材料のさらなるポリマーは少なくとも一種のポリ無水物を含む。ポリ無水物は、主鎖の特徴的基本単位として、以下の一般構造単位
【0128】
【化1】
を有するポリマーを指す。R及びRは、同一の又は異なる脂肪族基又は芳香族基であってよい。適するポリ無水物は、KumarらのAdv.Drug Delivery Reviews 54(2002),第889-910頁において記載されている。特に適するものは、KumarらのAdv.Drug Delivery Reviews 54(2002),第897頁に記載されているポリ無水物であり、ここに完全に参照される。本発明の一実施形態において、ポリ無水物は、脂肪族ポリ無水物の群から、特にポリセバシン酸及びポリアジピン酸からなる群から選択される。
【0129】
脂肪族-芳香族ポリエステルとの組合せで壁材料として使用されてもよいさらなるポリマーの群は、ポリエステルアミド、特に脂肪族ポリエステルアミドである。脂肪族ポリエステルアミドは、アミド官能基及びエステル官能基の両方を有するコポリマーである。適する脂肪族ポリエステルアミドは特に、ε-カプロラクタム、アジピン酸、1,4-ブタンジオール及びヘキサメチレンジアミンの重縮合によって得られるポリエステルアミド、並びにアジピン酸、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール及びヘキサメチレンジアミンの重縮合によって得られるポリエステルアミドである。ポリエステルアミドは、例えば、BayerによりBAK(商標)の商標名で、例えばBAK(商標)1095又はBAK(商標)2195が販売されている。
【0130】
脂肪族-芳香族ポリエステルとの組合せで壁材料として使用されてもよいさらなるポリマーの群は、多糖である。多糖は、比較的多数の糖残基が互いにグリコシド結合している高分子である。本発明に従う適する多糖は、25℃においてジクロロメタン中で少なくとも50g/Lの溶解度を有する多糖である。本発明との関連では、多糖は、それらの誘導体をも含み、但し、それらの誘導体は25℃においてジクロロメタン中で少なくとも50g/Lの溶解度を有する。
【0131】
本発明に従う適する多糖は、好ましくは変性でんぷん、例えば、特にデンプンエーテル及びデンプンエステル、セルロース誘導体、例えば特に、セルロースエステル及びセルロースエーテル、キチン誘導体、及びキトサン誘導体からなる群から選択される。
【0132】
セルロース誘導体は一般に、ポリマー類似反応により化学的に変性されたセルロースを指す。セルロース誘導体は、専らセルロースのグルコース単位のヒドロキシル水素原子が有機又は無機の基により置き換えられている生成物及び形式的に全ヒドロキシル基の交換が達成されている生成物(例えば、デオキシセルロース(desoxycellulose))の両方を含む。水の分子内脱離により得られる生成物(無水セルロース)、酸化反応により得られる生成物(アルデヒド-、ケト-及びカルボキシセルロース)又はグルコース単位のC、C-炭素結合の開裂により得られる生成物(ジアルデヒド-及びジカルボキシセルロース)もセルロース誘導体とみなされる。最後に、セルロース誘導体は、反応、例えば架橋又はグラフト共重合反応によっても得ることができる。これらの反応全てに関してある程度、多数の試薬を使用することができ、加えて、得られたセルロース誘導体の置換度及び重合度は様々であり得るため、幅広く異なる特性を有する広範な可溶性及び不溶性のセルロース誘導体が知られている。
【0133】
適するセルロースエーテルは、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0134】
適するセルロースエーテルは、メチルヒドロキシ-(C-C)-アルキルセルロースである。メチルヒドロキシ-(C-C)-アルキルセルロースは、多種多様なメチル化度及びアルコキシル化度のメチルヒドロキシ-(C-C)-アルキルセルロースを意味するものと理解される。
【0135】
好ましいメチルヒドロキシ-(C-C)-アルキルセルロースは、1.1~2.5の平均置換度DS及び0.03~0.9のモル置換度MSを有する。
【0136】
適するメチルヒドロキシ-(C-C)-アルキルセルロースは、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース又はメチルヒドロキシプロピルセルロースである。
【0137】
適するセルロースエステルは、例えば、セルロースとC-Cモノカルボン酸とのエステル、例えばセルロースアセタート(Eastmann CA-398-3として市販されている)、セルロースブチラート、セルロースアセトブチラート、セルロースプロピオナート及びセルロースアセトプロピオナートである。セルロースエステルは、多種多様な重合度及び置換度で得ることができる。
【0138】
脂肪族-芳香族ポリエステルとの組合せで壁材料として使用されてもよいさらなるポリマーの群は、タンパク質である。本発明に従って使用されるタンパク質は、ポリペプチド(ペプチド結合により連結されたアミノ酸の酸アミド型縮合生成物)及びそれらの誘導体を含み、25℃においてジクロロメタン中で少なくとも50g/lの溶解度を有する。ポリペプチドは、天然起源であっても合成起源であってもよい。
【0139】
特に好ましい実施形態の群によれば、壁材料は、
i)ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
ii)ポリヒドロキシ脂肪酸、特にポリ-C-C12-ラクトンを含む、ポリヒドロキシ酢酸、ポリ乳酸及び脂肪族-脂肪族ポリエステル及びこれらの混合物からなる群から、特にポリ乳酸、脂肪族-脂肪族ポリエステル、ポリ-C-C12-ラクトン及びこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0140】
特定の好ましい実施形態の群によれば、壁材料は、
i)ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
ii)ポリカプロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチドグリコリド、ポリブチレンスクシナートアジパート、ポリブチレンスクシナート、ポリブチレンセバカート、及びポリブチレンスクシナートセバカートからなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0141】
少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、脂肪族-芳香族ポリエステルではない一種以上のポリマーとの混合物であって、脂肪族-芳香族ポリエステル及び脂肪族-芳香族ポリエステルではないポリマーの全重量に対して、芳香族-脂肪族ポリエステルの重量割合が30重量%~99重量%である混合物が本発明に従い好ましい。好ましくは、脂肪族-芳香族ポリエステルの割合は、脂肪族-芳香族ポリエステル及び脂肪族-芳香族ポリエステルではないさらなるポリマーの全重量に対して、30重量%~80重量%、好ましくは35重量%~75重量%、さらに好ましくは40重量%~70重量%である。
【0142】
特に好ましい実施形態の群によれば、壁材料は、
i)各場合において壁材料の全質量に対して30重量%~80重量%、好ましくは35重量%~75重量%、さらに好ましくは40重量%~70重量%、特に45重量%~70重量%の、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
ii)各場合において壁材料の全質量に対して20重量%~70重量%、好ましくは25重量%~65重量%、さらに好ましくは30重量%~60重量%、特に30重量%~55重量%の、ポリヒドロキシ脂肪酸、特にポリ-C-C12-ラクトンを含む、ポリヒドロキシ酢酸、ポリ乳酸及び脂肪族-脂肪族ポリエステル及びこれらの混合物からなる群から、特にポリ乳酸、脂肪族-脂肪族ポリエステル、ポリ-C-C12-ラクトン及びこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0143】
特定の好ましい実施形態の群によれば、壁材料は、
i)各場合において壁材料の全質量に対して30重量%~80重量%、好ましくは35重量%~75重量%、さらに好ましくは40重量%~70重量%、特に45重量%~70重量%の、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
ii)各場合において壁材料の全質量に対して20重量%~70重量%、好ましくは25重量%~65重量%、さらに好ましくは30重量%~60重量%、特に30重量%~55重量%の、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチドグリコリド、ポリブチレンスクシナートアジパート、ポリブチレンスクシナート、ポリブチレンセバカート、及びポリブチレンスクシナートセバカートからなる群から選択される、少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0144】
脂肪族-芳香族ポリエステルと、脂肪族-芳香族ポリエステルではないさらなるポリマーとの混合物、特に脂肪族-脂肪族ポリエステルとの混合物であって、脂肪族-芳香族ポリエステルの融点が、さらなるポリマーの融点よりも少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃高いか、又は脂肪族-芳香族ポリエステルのガラス転移温度がさらなるポリマーのガラス転移温度よりも少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃高い混合物が好ましい。さらなるポリマーが非晶質化合物である場合、脂肪族-芳香族ポリエステルの融点は、さらなるポリマーのガラス転移温度よりも少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃高い。
【0145】
好ましい実施形態において、好ましい脂肪族-芳香族ポリエステルは、1000~100000g/molの範囲内、さらに好ましくは9000~75000g/molの範囲内、さらに好ましくは10000~50000g/molの範囲内の分子量Mnにより特徴付けられる。
【0146】
特に好ましい充填のための微粒子は、国際公開第2018/065481号及び先行欧州特許出願第18166159.6号に記載される粒子、特にその中の(実施)例に記載されるものである。
【0147】
当業者であれば、それ自体公知の方法に記載される微粒子を、例えば国際公開第2011/088229号又は国際公開第2015/070172号、特に国際公開第2018/065481号又は先行欧州特許出願第18166159.6号に記載される手順によって製造することができる。
【0148】
充填が意図される微粒子は、典型的に
a)不連続相としての水又は孔形成剤の水溶液と、特に少なくとも一種のポリエステル、特に少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルを含む、壁材料として適する少なくとも一種のポリマー又はポリマー混合物の水非混和性溶媒溶液を含む連続相とから、油中水エマルション(w/oエマルション)を調製し、
b)a)で得たw/oエマルションを、水中で分散剤の存在下で乳化して平均サイズが10~600μmの液滴を有する水中油中水エマルション(w/o/wエマルション)を得、水非混和性溶媒を20~80℃、好ましくは20~45℃の範囲内の温度で除去し、
c)方法ステップb)で形成された微粒子を分離し、任意選択的に乾燥する
方法によって製造される。
【0149】
したがって、微粒子は典型的にw/o/wエマルション中の溶媒の除去により製造される。第1ステップにおいて、水滴又は孔形成剤の水溶液の液滴のエマルションをポリエステルの溶液中で形成する。このw/oエマルションを今度は水中で乳化し、w/o/wエマルションを得、そこから水非混和性溶媒を除去する。溶媒を除去することにより、ポリマー又はポリマー混合物が不溶性となり、水滴又は水性孔形成剤液滴の表面において分離する。この壁形成プロセスにおいて、孔が同時に形成され、有利には孔形成剤により形成される。孔形成剤は、例えば、ステップb)のプロセス条件下で気体を放出する化合物である。
【0150】
孔形成剤は、典型的に気体、例えばCOを放出する薬剤であり、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びカルバミン酸ナトリウムから選択される。
【0151】
さらに適する孔形成剤は、浸透圧を生じる水溶性低分子量化合物である。非水溶性溶媒の除去は、孔形成剤を有する内側水滴と外側水性分散相の間に存在する濃度勾配により、濃度勾配を作りだし、この濃度勾配は、内側液滴の方向に水の移動を引き起こし、それゆえに孔の形成を引き起こす。このような孔形成剤は、好ましくは、糖、例えば、単糖、二糖、オリゴ糖及び多糖、尿素、無機アルカリ金属塩、例えば、塩化ナトリウム、無機アルカリ土類金属塩、例えば、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムから選択される。特に好ましいものは、グルコース及びスクロース、並びに尿素である。
【0152】
さらに適する孔形成剤は、両方の相に可溶性のポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)及びポリビニルピロリドン(PVP)である。これらのポリマーは両方の相に可溶性であるため、拡散により水相(水性相)から油相に移動する。
【0153】
球状微粒子を製造するプロセスは、常に微粒子の集合体を生じ、したがって「球状微粒子の組成物」という用語も用いられる。
【0154】
好ましい実施形態において、充填が意図される微粒子の組成物は、ダブルエマルション法によって製造される。これはより好ましくは、本明細書で明記される方法ステップa)、b)及びc)を含む。このようにして、前述の粒子サイズ及び孔含有量を有する球状微粒子が得られる。
【0155】
方法ステップa)
この目的のために、壁材料として適するポリマー又はポリマー混合物を水非混和性溶媒に溶解する。
【0156】
方法ステップa)に関連して、「水非混和性」とは、溶媒が水中で、温度20℃、圧力1barにおいて≦90g/Lの溶解度を有することを意味する。さらに、水非混和性溶媒は、好ましくは少なくとも30℃の沸点を有する。当業者の一般的な知識によれば、溶媒は、溶媒に溶解させる物質に対して化学的に不活性であり、言い換えると、溶媒は単に希釈又は溶解のために働く。フリーラジカル重合可能なモノマーは、本発明との関連においては溶媒ではない。
【0157】
(20℃において)90g/L未満の水への溶解度を有する非プロトン性非極性及び非プロトン性極性溶媒又は溶媒混合物が好ましい。好ましい溶媒は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアセタート、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチル-tert-ブチルエーテル、ペンタン、ジイソプロピルエーテル及びベンゼン、又はこれらの溶媒の2種以上を互いに混合した混合物である。ジクロロメタンが特に好ましい。さらに適する溶媒混合物は、20~80℃の範囲内の沸点を有する共沸混合物を形成するものである。一例は、ヘキサンとメチルエチルケトン(MEK)との重量比72:28の共沸混合物である。
【0158】
一般に、壁材料として適するポリマー又はポリマー混合物は、1重量%~50重量%の水非混和性溶媒溶液として使用される。好ましくは、このように調製されたポリマー溶液は、2重量%~30重量%、特に5重量%~20重量%の水非混和性溶媒溶液である。
【0159】
本発明によれば、少なくとも一種の壁材料として適するポリマー又はポリマー混合物の溶液のエマルションが選択される。少なくとも一種のポリエステル、特に少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、特に少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルではなく、且つ特に脂肪族-脂肪族ポリエステル、例えばポリ乳酸であるさらなるポリマーとの混合物である、壁材料として適するポリマー又はポリマー混合物の溶液のエマルションが好ましい。使用される壁材料がポリマーの混合物である場合、微粒子の調製に用いられる溶液は、個別のポリマー溶液を混合することにより得ることができ、又はポリマー混合物を共溶解することにより調製することができる。壁材料として適するポリマー又はポリマー混合物は、後続の微粒子の壁材料である。微粒子の壁材料は好ましくは、25℃及び1barにおいて、ジクロロメタン中で少なくとも50g/Lの溶解度を有する。
【0160】
好ましい実施形態の群によると、ステップa)で調製された連続相は、脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液から本質的になる。特に、連続相は、連続相の重量に対して少なくとも95重量%まで、特に少なくとも99重量%までの脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液からなる。
【0161】
さらなる好ましい実施形態の群によると、ステップa)で調製された連続相は、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、脂肪族-芳香族ポリエステルではなく、且つ好ましい又は特に好ましいとして言及された前述のさらなるポリマー及びその混合物からなる群から選択されることが好ましい少なくとも一種のさらなるポリマーとの組合せを含み、これらのポリマーの組合せは、水非混和性溶媒中に溶解される。この溶液では、脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルではない少なくとも一種のさらなるポリマーとの質量比は、典型的に30:70~99:1の範囲内又は30:70~80:20の範囲内、特に35:65~75:25の範囲内、特に40:60~70:30の範囲内又は30:70~70:30の範囲内、又は45:55~70:30の範囲内である。
【0162】
特に好ましい実施形態の群によると、連続相の調製に使用されるポリマーは、
iii)ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
iv)ポリヒドロキシ脂肪酸、特にポリ-C-C12-ラクトンを含む、ポリヒドロキシ酢酸、ポリ乳酸及び脂肪族-脂肪族ポリエステル並びにこれらの混合物からなる群、特にポリラクチド、脂肪族-脂肪族ポリエステル、ポリ-C-C12-ラクトン及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0163】
特に好ましい実施形態の群によると、連続相の調製に使用されるポリマーは、
iii)ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
iv)ポリカプロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチドグリコリド、ポリブチレンスクシナートアジパート、ポリブチレンスクシナート、ポリブチレンセバカート及びポリブチレンスクシナートセバカートからなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0164】
特に好ましい実施形態の群によると、連続相の調製に使用されるポリマーは、
iii)各場合において壁材料の全質量に対して30~80重量%、好ましくは35~75重量%、より好ましくは40~70重量%、特に45~70重量%のポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
iv)各場合において壁材料の全質量に対して20~70重量%、好ましくは25~65重量%、より好ましくは30~60重量%、特に30~55重量%の、ポリヒドロキシ脂肪酸、特にポリ-C-C12-ラクトンを含む、ポリヒドロキシ酢酸、ポリ乳酸及び脂肪族-脂肪族ポリエステル並びにこれらの混合物からなる群、特にポリラクチド、脂肪族-脂肪族ポリエステル、ポリ-C-C12-ラクトン及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0165】
特に好ましい実施形態の群によると、連続相の調製に使用されるポリマーは、
iii)各場合において壁材料の全質量に対して30~80重量%、好ましくは35~75重量%、より好ましくは40~70重量%、特に45~70重量%のポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、並びに
iv)各場合において壁材料の全質量に対して20~70重量%、好ましくは25~65重量%、より好ましくは30~60重量%、特に30~55重量%のポリカプロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチドグリコリド、ポリブチレンスクシナートアジパート、ポリブチレンスクシナート、ポリブチレンセバカート及びポリブチレンスクシナートセバカートからなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族ポリエステル
を含む又はからなる組合せを含む。
【0166】
水又は孔形成剤の水溶液は、方法ステップa)においてこのポリマー溶液に乳化される。
【0167】
孔形成剤の水溶液は、好ましくは0.1重量%~10重量%の孔形成剤の、特に炭酸水素アンモニウム及び炭酸アンモニウムから選択される孔形成剤の水溶液である。炭酸アンモニウム、特に0.1重量%~1重量%の炭酸アンモニウム水溶液を孔形成剤溶液として使用することが特に好ましい。
【0168】
壁材料を形成するポリマーの合計100重量部に対して0.1~10重量部の孔形成剤が用いられる。壁材料を形成するポリマーは、好ましくは少なくとも一種のポリエステル若しくは二種以上のポリエステルの混合物、又は少なくとも一種のポリエステル及び少なくとも一種の非ポリエステルのポリマー、特に少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル、少なくとも一種の追加的な脂肪族-芳香族ポリエステル以外のポリマー、例えば脂肪族ポリエステル、及び任意選択的に少なくとも一種のさらなるポリマーからなる。壁材料を形成するポリマーの合計100重量部に対して1~5重量部、特に1.3~3重量部の孔形成剤を使用することが好ましい。
【0169】
方法ステップa)における乳化は、分散機、例えばローター-ステーター若しくはローター-ローター分散機を用いて、又は高圧分散機若しくは高圧ホモジナイザー若しくは超音波ホモジナイザー若しくは歯車(ギア)分散機を用いて通常行われる。より詳細には、前述の均質化機又は分散機は、w/oエマルションの製造に適しており、これはこれらが高せん断エネルギーを系に導入することができ、それゆえ小さな液滴サイズが得られるためである。エマルション液滴の平均液滴サイズ、すなわち[D4,3]値は、一般的に0.2~50μmである。
【0170】
方法ステップa)で製造されたw/oエマルションは、任意選択的に一種以上の分散剤により安定化されてよい。w/oエマルションに適した分散剤は一般に公知であり、例えば、欧州特許出願公開第2794085号中及び欧州特許出願公開第3007815号中で言及されており、この教示は参照により明示的に組み込まれる。
【0171】
ステップa)においてw/oエマルションを製造するため及びそれらの安定化のために、上述の分散剤の代わりに又は上述の分散剤と一緒に、一種以上の乳化剤であって、好ましくは2~10の範囲内、特に3~8の範囲内の、GriffinによるHLB値を有する乳化剤を使用することができる。GriffinによるHLB値(HLB=親水性親油性バランス)(W.C.Griffin:Classification of surface active agents by HLB.In:J.Soc.Cosmet.Chem.1,1949,第311-326頁)は、0~20の無次元数であって、化合物の水及び油への溶解性(溶解度)についての情報を提供している。2~10の範囲内、特に3~8の範囲内のGriffinによるHLB値を有する非イオン性乳化剤が好ましい。しかし、同様に適するものは、2~10の範囲内、特に3~8の範囲内のGriffinによるHLB値を有するアニオン性乳化剤及び両性イオン乳化剤である。
【0172】
このような乳化剤は、一般に、ステップa)で製造されたエマルションの全重量に対して0.1重量%~10重量%、特に0.5重量%~5重量%の量で使用される。一般に、乳化剤(複数可)は、ポリマー(複数可)の水非混和性溶媒溶液に、水又は孔形成剤の水溶液をこの溶液に乳化する前に加える。
【0173】
2~10の範囲内のGriffinによるHLB値を有する、適した乳化剤の例は、
- ソルビタン脂肪酸エステル、特にソルビタンモノ-、ジ-、及びトリ脂肪酸エステル及びそれらの混合物、例えばソルビタンモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノラウラート、ソルビタントリステアラート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタンジオレアート、ソルビタントリオレアート、
- グリセロール又はポリグリセロールの脂肪酸エステル、例えばグリセロールモノステアラート、グリセロールジステアラート、グリセロールモノオレアート、グリセロールジオレアート、グリセロールモノステアラートモノアセタート、グリセロールモノアセタートモノオレアート、ポリグリセロールポリリノレアート(E476)、例えば市販の乳化剤PGPR 90、
- グリセロールの脂肪酸モノエステルのラクチルエステル、
- レシチン、
- 2~20の範囲内のエトキシル化度を有するエトキシル化ヒマシ油、エトキシル化水添ヒマシ油
- 2~10の範囲内のアルコキシル化度を有するエトキシル化及び/又はプロポキシル化C12-C22-アルカノール、例えば2~5の範囲内のエトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシラート、2~8の範囲内のアルコキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシラート-co-プロポキシラート、2~3の範囲内のエトキシル化度を有するイソトリデシルエトキシラート、及び2~5の範囲内のアルコキシル化度を有するイソトリデシルエトキシラート-co-プロポキシラート、
- 2~10の範囲内のアルコキシル化度を有するエトキシル化及び/又はプロポキシル化C-C16-アルキルフェノール、例えば2~5の範囲内のエトキシル化度を有するノニルフェノールエトキシラート、及び2~5の範囲内のエトキシル化度を有するオクチルフェノールエトキシラート
である。
【0174】
方法ステップb)
方法ステップb)におけるw/o/wエマルションを得るための水中でのw/oエマルションの乳化を、分散剤の存在下で撹拌又はせん断することにより行う。ここで、分散剤の水溶液を、w/oエマルションに計量して加えることができる。分散剤は、好ましくは、始めに水溶液の形態で加えられ、w/oエマルションを計量して加える。エネルギー投入量に応じて、液滴サイズを制御することができる。さらに、以下に記載する分散剤は、平衡状態のエマルション液滴のサイズに影響する。
【0175】
水溶液中の分散剤の濃度は、典型的に、分散剤溶液の全重量に対して、0.1重量%~8.0重量%の範囲内、特に0.3重量%~5.0重量%の範囲内、特に0.5重量%~4.0重量%の範囲内である。
【0176】
ステップa)で調製されたw/oエマルションと水との重量比は、好ましくは分散剤水溶液の形態で、典型的に、15:85~55:45の範囲内、特に25:75~50:50の範囲内、特に30:70~45:55の範囲内である。
【0177】
ステップb)において、適用される分散剤の量は、典型的に、w/o/wエマルションの全重量に対して、少なくとも0.1重量%、特に、少なくとも0.2重量%であり、特に、w/o/wエマルションの全重量に対して、0.1重量%~2重量%の範囲内、特に0.2重量%~1重量%の範囲内である。
【0178】
平均液滴サイズD[4,3]が100~600μmの範囲内であるより大きい液滴は、慣用の撹拌機を用いて得られ、一方で100μm未満の平均液滴サイズD[4,3]は、高せん断場を発生させるための装置を用いて達成される。激しく撹拌することにより十分なせん断エネルギーを導入し、1~<100μm、好ましくは5~50μmの範囲内のD[4,3]値による平均液滴サイズを達成することもできる。さらにより高いせん断エネルギー投入量が意図される場合、高せん断場を発生させるための装置を使用することが有利であり得る。
【0179】
適した撹拌機のタイプは、プロペラスターラー、インペラスターラー、ディスクスターラー、パドルスターラー、アンカースターラー、傾斜ブレードスターラー、クロスビームスターラー、ヘリカルスターラー、スクリュースターラーなどを含む。
【0180】
高せん断場を発生させるために適した装置は、ローター-ステーター原理により作動する粉砕機、例えば歯付きリング分散機、さらにコロイド及びコランダムディスクミル、並びに高圧超音波ホモジナイザーである。ローター-ステーター原理により作動する歯付きリング分散機を、せん断場を発生させるために使用することが好ましい。ローター及びステーターの直径は、典型的に装置のサイズ及び分散特性に応じて2~40cmの範囲内である。このような分散機の回転速度は、通常、構造タイプに応じて500~20000rpm(毎分回転数)の範囲内である。当然ながら、ローター径の大きい装置は、回転速度範囲の下限で回転する。一方、ローター径の小さい装置は、通常、回転速度範囲の上限で作動される。分散機の静止部品から回転部品の距離は、通常、0.1~3mmである。
【0181】
好ましい実施形態において、w/o/wエマルションの最終的なエマルション液滴サイズは、100~600μmの(光散乱により測定される)平均径D[4,3]であるべきである。この最終的なサイズは、通常、撹拌のみにより達成される。
【0182】
同様に好ましい実施形態において、w/o/wエマルションの最終的なエマルション液滴サイズは、10~100μm、好ましくは10~30μmの平均径を有するべきである。この最終的なサイズは、典型的に、せん断を用いて達成される。
【0183】
導入されるせん断エネルギーは、熱損失を考慮して、せん断場を発生させるための装置の電力消費から直接的に導き出せる。そのため、w/o/wエマルションへのせん断エネルギー投入量は、好ましくはバッチサイズあたり250~25000W(watt)・h/mである。モーター電流に基づき計算して、バッチサイズあたり500~15000、特に800~10000W・h/mのエネルギー投入量が特に好ましい。
【0184】
w/o/wエマルションは、少なくとも一種の分散剤の存在下で製造される。w/o/wエマルションを、異なる分散剤の組合せにおいて製造することもできるが、同様に、単一の分散剤を使用することもできる。適する分散剤は、例えばセルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、アラビアガム、キサンタン、カゼイン、ポリエチレングリコール、及び部分的又は完全に加水分解されたポリビニルアセタート(ポリビニルアルコール)、さらにメチルヒドロキシプロピルセルロース、並びに上記の混合物である。好ましい分散剤は、部分的又は完全に加水分解されたポリビニルアセタート(ポリビニルアルコール)、及びメチルヒドロキシ(C-C)アルキルセルロース、並びにこれらの混合物である。部分的に加水分解されたポリビニルアルコール(PVA)とも呼ばれる部分的に加水分解されたポリビニルアセタート、特に79%~99.9%の加水分解度を有するものが特に好ましい。さらに、国際公開第2015/165836号に記載されるようなPVAコポリマーもまた適している。
【0185】
メチルヒドロキシ(C-C)アルキルセルロースは、様々なメチル化度及びアルコキシル化度のメチルヒドロキシ(C-C)アルキルセルロースを意味するものと理解される。
【0186】
好ましいメチルヒドロキシ(C-C)アルキルセルロースは、1.1~2.5の平均置換度DS及び0.03~0.9のモル置換度MSを有する。
【0187】
適するメチルヒドロキシ(C-C)アルキルセルロースは、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース又はメチルヒドロキシプロピルセルロースである。
【0188】
特に好ましい分散剤は、メチルヒドロキシプロピルセルロースである。
【0189】
特に好ましい分散剤は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール、特に79%~99.9%の加水分解度を有するポリビニルアルコールの群から選択される。特に好ましい分散剤は、繰り返し単位の量に基づく、1~6mol%のカルボキシル基、及び85%~90%の加水分解度を有するカルボキシ変性アニオン性PVAである。これらの中でも、4重量%水溶液が20℃において20.0~30.0mPa・sの粘度を有するものが好ましい。
【0190】
w/o/wエマルションを安定化するために、分散剤を水相に加える。水相中の分散剤の濃度は典型的に、水相の全重量に対して、0.1重量%~8.0重量%の範囲内、特に0.3重量%~5.0重量%の範囲内、特に0.5重量%~4.0重量%の範囲内である。ステップa)で調製されたw/oエマルションと分散剤を含む水相との重量比は、典型的に、15:85~55:45の範囲内、特に25:75~50:50の範囲内、特に30:70~45:55の範囲内である。
【0191】
好ましい実施形態において、カルボキシ変性アニオン性PVA(85~90mol%の加水分解度及び1~6mol%のカルボキシル基割合を有し、その4重量%の水溶液が20℃で20.0~30.0mPa・sの粘度を有する)を0.1重量%~5.0重量%の水溶液として使用する。0.3重量%~2.5重量%のPVA含有量を有する水溶液、特に0.5重量%~1.5重量%のPVA含有量を有する溶液が特に好ましい。
【0192】
好ましい方法の変形形態において、方法ステップb)において、w/o/wエマルションを得るための乳化は、撹拌機を用いて撹拌速度5000~15000rpmで1~30分の期間にわたって行う。それにより生成される液滴は、0.2~30μmの平均径を有する。
【0193】
さらなる好ましい方法の変形形態において、エマルションは、撹拌速度100~1000rpmで1~30分の期間にわたって調製される。それにより生成される液滴の平均径は、好ましくは100~600μmである。
【0194】
乳化の間、及び任意選択的に乳化の後、混合物を10~80℃の範囲内の温度に保つ。混合物の温度は好ましくは、壁材料を形成する組成物の最低軟化非晶質ポリマーのガラス転移温度未満、又は壁材料を形成する組成物の最低融解結晶性ポリマーの融点未満となるように選択される。より高い温度とすることができるが、それにより長すぎる期間にわたって孔が部分的に閉じることにつながることがある。混合物は好ましくは20~45℃、特に20℃以上40℃未満の範囲内の温度に保たれる。任意選択的に、真空を付加的に適用してもよい。例えば、600~800mbarの範囲内又は200mbar未満の真空を適用することができる。これらの手段、すなわち撹拌/せん断、温度、及び場合により適用された真空は、水非混和性有機溶媒を蒸発させ、水性分散体の形態の微粒子を残存させることになる。
【0195】
溶媒が20℃において≧450hPaの蒸気圧を有するものである場合には、b)で得られたw/o/wエマルションを室温、20℃で撹拌することで十分である。溶媒の量及び周囲温度に応じて、このような操作を数時間続ける。溶媒に応じて、その温度を80℃までの温度に昇温することにより、及び/又は真空を適用することにより、溶媒の除去を促進することができる。
【0196】
水非混和性溶媒の除去中に、微粒子の壁において孔形成が観察される。
【0197】
水非混和性溶媒の除去により形成された微粒子は、方法ステップc)において取り出され、好ましくは乾燥される。「乾燥される」とは、微粒子が、微粒子に対して5重量%以下、好ましくは1重量%以下の残留水分量を含むことを意味するものと理解される。乾燥は、例えば、空気流中で及び/又は真空を適用することにより、任意選択的に各場合において加熱しながら行われてよい。これは、微粒子のサイズに応じて、対流乾燥機、例えばスプレードライヤー、流動床及びサイクロンドライヤー、接触ドライヤー、例えばパンドライヤー、パドルドライヤー、接触ベルトドライヤー、真空乾燥機(drying cabinet)又は輻射乾燥機、例えば赤外回転チューブドライヤー及びマイクロ波混合乾燥機を用いて行われる。
【0198】
このようにして得られた球状微粒子の1つの特色は、例えばそれらを溶液に懸濁させることにより容易に充填できることである。
【0199】
特に好ましい微粒子を製造する方法は、国際公開第2018/065481号に記載されている。
【0200】
本発明の方法において、微粒子に少なくとも一種の有機活性剤が充填される。
【0201】
好ましくは、低分子量の有機活性剤は、22℃及び1013mbarにおいて液体である、又は100℃未満の融点を有する。22℃及び1013mbarにおいて液体である活性剤が特に好ましい。
【0202】
本発明の方法において、一種の活性剤又は活性剤の混合物のいずれかを使用することができる。これは1つのクラスからの活性剤の混合物であってもよく、異なるクラスからの活性剤の混合物であってもよい。
【0203】
本発明の方法において、微粒子に異なる活性剤の混合物も充填されてもよい。
【0204】
好ましい実施形態の群において、低分子量の有機活性剤は、アロマケミカル、特に22℃及び1013mbarにおいて液体であるアロマケミカル、又は22℃及び1013mbarにおいて液体である二種以上のアロマケミカルの混合物である。好ましいアロマケミカルは疎水性であり、特に25℃において、脱イオン水中で100mg/L以下の水への溶解度を有する。
【0205】
「アロマケミカル」という用語は、「着香剤(odorant)」及び/又は「フレーバリング(flavoring)」として使用し得る有機化合物を意味すると当業者によって理解される。本発明との関連では、「着香剤」は、固有の香り(odor)を有する天然物質又は合成物質を意味するものと理解される。本発明との関連では、「フレーバリング」は、固有のフレーバー(flavor)を有する天然物質又は合成物質を意味するものと理解される。本発明との関連では、「香り」又は「嗅覚(olfactory perception)」は、生物の鼻又は他の嗅覚器官における化学受容体から脳にまで送達される感覚刺激を説明するものである。香りは、吸息時に起こる、鼻の着香剤の感覚認知の結果とすることができる。この場合、空気は、香りの担体として働く。
【0206】
微粒子の充填に好ましいアロマケミカルは、例えば以下の化合物から選択される:
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチラート(Phenirat)、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモナート(好ましくは、cis-異性体の含有量が60重量%超)(Hedione、Hedione HC)、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(Galaxolide)、テトラヒドロリナロール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロール、ベンジルサリチラート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lilial)、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセタート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセタート(Herbaflorat)、シトロネロール、シトロネリルアセタート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセタート、スチレニルアセタート(1-フェニルエチルアセタート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン(Iso E Super)、ヘキシルサリチラート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(Oryclone)、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(Agrumex HC)、α-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、n-α-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセタート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Lyral)、α-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシラート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン(Muscenone)、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド(Globalide)、15-シクロペンタデカノリド(Macrolide)、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(Tonalide10)、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(Florol)、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(Sandolene)、cis-3-ヘキセニルアセタート、trans-3-ヘキセニルアセタート、trans-2-cis-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Vertocitral)、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン(Claritone)、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール(Melonal)、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール(Florhydral)、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール(Helional)、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール(Florazon)、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-2H-ピラン(Dihydrorosenon)、1,4-ビス(エトキシメチル)シクロヘキサン(Vertofruct)、L-イソプレゴール(1R,2S,5R)-2-イソプロペニル-5-メチルシクロヘキサノール、ピラニルアセタート(2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロピラン-4-イルアセタート)、ネロール((Z)-2,6-ジメチル-2,6-オクタジエン-8-オール)、ネリルアセタート、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(Calone19515)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセタート(好ましくは、cis-異性体の含有量が70重量%以上)、及び2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール(AmbrinolS)、テトラヒドロ-4-メチル-2-(2-メチルプロペニル)-2H-ピラン(ローズオキシド)、4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン又は4-メチル-2-(2-メチルプロピル)-2H-ピラン(Dihydrorosan)、プレニルアセタート(=3-メチルブタ-2-エニルアセタート)、イソアミルアセタート、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール)及びメチルヘプテノン(6-メチルヘプタ-5-エン-2-オン)並びにこれらの混合物、さらに一種以上の他のアロマとのこれらの混合物。
【0207】
したがって、本発明との関連では、前述のアロマ又は着香剤は、好ましくは本発明の混合物と組み合わされる。
【0208】
商標名が上で明記されている場合、これらは、以下の製造業者を指す。
Symrise GmbH(ドイツ)の商標名
Givaudan AG(スイス)の商標名
International Flavors & Fragrances Inc.(米国)の商標名
BASF SEの商標名
Danisco Seillans S.A.(フランス)の商標名
Firmenich S.A.(スイス)の商標名
10 PFW Aroma Chemicals B.V.(オランダ)の商標名
【0209】
より詳細には、本発明の利点は、揮発性フレグランス及び少なくとも一種の揮発性フレグランスを含むアロマ混合物から選択されるアロマケミカルの場合に明らかになる。揮発性フレグランスは、室温において高い蒸気圧を有するフレグランスを意味すると理解される。フレグランスは、特に以下の特性を有する場合に揮発性フレグランスとみなされる:揮発性フレグランスの液滴を紙片に付着させ、周囲条件下で室温(22℃)において放置して蒸発させた場合、その香りが付着から2時間以内に熟練の調香師に認知されなくなる。揮発性フレグランスは、特に以下の化合物を含む:ローズオキシド(テトラヒドロ-4-メチル-2-(2-メチルプロペニル)-2H-ピラン)、4-メチル-2-(2-メチルプロピル)オキサン又は4-メチル-2-(2-メチルプロピル)-2H-ピラン(Dihydrorosan(登録商標))、プレニルアセタート(=3-メチルブタ-2-エニルアセタート)、イソアミルアセタート、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール)及びメチルヘプテノン(6-メチルヘプタ-5-エン-2-オン)。少なくとも一種の揮発性フレグランスを含むアロマ混合物が充填に使用される場合、揮発性フレグランスの割合は、充填に使用されるアロマケミカル混合物の全重量に対して一般的に少なくとも1重量%、特に少なくとも5重量%、例えば1重量%~99重量%、特に5重量%~95重量%である。
【0210】
言及された着香剤と組み合わせて着香剤組成物を得ることができるさらなる着香剤又はアロマケミカルは、例えばS.Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、第I巻及び第II巻、Montclair,N.J.、1969、著者版又はK.Bauer、D.Garbe及びH.Surburg、Common Fragrance and Flavor Materials、第4版、Wiley-VCH、Weinheim 2001にみられる。具体的には、以下が言及され得る。
【0211】
例えば以下のような、天然の原料(例えば、精油、コンクリート(concrete)、アブソリュート(absolute)、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ)からの抽出物。
【0212】
アンブラチンキ、アミリスオイル、アンゲリカ種油、アンゲリカルート油、アニス油、吉草根オイル、メボウキ油、ツリーモスアブソリュート、ベイ油、ヨモギ油、ベンゾイン樹脂、ベルガモット油、ビーワックスアブソリュート、バーチタール油、クヘントウ油、セイバリー油、ブッコリーフ油、カブリューバ油、カデ油、ショウブ油、ショウノウ油、カナンガ油、カルダモン油、カスカリラ油、カッシア油、カッシーアブソリュート、カストリュームアブソリュート、シダーリーフ油、シダーウッド油、ゴジアオイ油、シトロネラ油、レモン油、コパイババルサム、コパイババルサム油、コリアンダー油、コスタスルート油、クミン油、シプレス油、ダバナ油、イノンドハーブ油、イノンド種子油、オードブルアブソリュート、オークモスアブソリュート、エレミ油、エストラゴン油、ユーカリプトスシトリオドラ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、トウヒ葉油、ガルバナム油、ガルバナム樹脂、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、グアヤックウッド油、ガージャンバルサム、ガージャンバルサム油、ムギワラギクアブソリュート、ムギワラギク油、ショウガ油、イリス根アブソリュート、イリス根油、ジャスミンアブソリュート、ショウブ油、ブルーツバキ油、ローマツバキ油、ニンジン種子油、カスカリラ油、松葉油、スペアミント油、クミン油、ラブダナム油、ラブダナムアブソリュート、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダーアブソリュート、ラベンダー油、レモングラス油、ロベージ油、蒸留ライム油、圧搾ライム油、リナロール油、リトセアキュベバ油、ベイリーフ油、マシス油(macis oil)、マヨラナ油、マンダリン油、マッソイバーク油、ミモザアブソリュート、ジャコウ種子油、ジャコウチンキ、サルビア油、ナツメグ油、ミルラアブソリュート、ミルラ油、ミルテ油、丁子葉油、丁子花油、ネロリ油、乳香アブソリュート、乳香油、ビャクシコウ油、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジ油、オレガノ油、パルマローザ油、パッチュリ油、エゴマ油、ペルーバルサム油、パセリ葉油、パセリ種子油、プチグレイン油、ハッカ油、胡椒油、オールスパイス油、パイン油、ポレイ油(poley oil)、ローズアブソリュート、ボアドローズ油、バラ油、ローズマリー油、ダルマチアサルビア油、スペインサルビア油、白檀油、セロリ種子油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、エゴ油、センジュギク油、モミ葉油、ティーツリー油、テレビン油、タイム油、トルーバルサム、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート、ベルベナ油、ベチバ油、杜松油、ぶどう酒酵母油、ベルモット油、ウインターグリーン油、イラン油(ylang oil)、ヒソップ油、シベットアブソリュート、肉桂葉油、桂皮油、及びそれらの留分、又はそれらから単離される成分。
【0213】
個々の着香剤は、例えば、以下の群からのものである。
- 炭化水素、例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギホレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタン。
- 脂肪族アルコール、例えば、ヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール。
- 脂肪族アルデヒド及びそれらのアセタール、例えば、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-3-ヘキセン、脂肪族ケトン及びそれらのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン。
- 脂肪族硫黄含有化合物、例えば、3-メチルチオヘキサノール、酢酸3-メチルチオヘキシル、3-メルカプトヘキサノール、酢酸3-メルカプトヘキシル、酪酸3-メルカプトヘキシル、酢酸3-アセチルチオヘキシル、1-メンテン-8-チオール。
- 脂肪族ニトリル、例えば、2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2-トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル。
- 脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、ギ酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル、アセト酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル、酢酸3-メチル-2-ブテニル、酢酸(E)-2-ヘキセニル、酢酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル、酢酸オクチル、酢酸3-オクチル、酢酸1-オクテン-3-イル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、イソ酪酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル、クロトン酸ヘキシル、イソ吉草酸エチル、2-メチルペンタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸エチル、(E/Z)-エチル-2,4-デカジエノアート、2-オクチン酸メチル、2-ノニン酸メチル、アリル2-イソアミルオキシアセタート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸メチル、クロトン酸4-メチル-2-ペンチル。
- 非環式テルペンアルコール、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、及びそれらのギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ペンタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、クロトン酸エステル、チグリン酸エステル及び3-メチル-2ブタン酸エステル。
- 非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタール、環式テルペンアルコール、例えば、メントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピネオール-4、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアジョール、及びそれらのギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ペンタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、クロトン酸エステル、チグリン酸エステル及び3-メチル-2ブタン酸エステル。
- 環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、メントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、ショウノウ、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、δ-ダマスコン、γ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ノオトカトン、ジヒドロノオトカトン、4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン、α-シネンサール、β-シネンサール、アセチル化セダーウッドオイル(メチルセドリルケトン)。
- 環式アルコール、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール。
- 脂環式アルコール、例えば、α-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール。
- 環式及び脂環式エーテル、例えば、シネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、1,4-ビス(エトキシメチル)シクロヘキサン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、α-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキシド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン。
- 環式及びマクロ環式ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、cis-3-メチルペンタ-2-エン-1-イルシクロペンタ-2-エン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノン。
- 脂環式アルデヒド、例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-カルボアルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド。
- 脂環式ケトン、例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトン。
- 環式アルコールのエステル、例えば、酢酸2-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル、酢酸4-tert-ペンチルシクロヘキシル、酢酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、酢酸デカヒドロ-2-ナフチル、クロトン酸2-シクロペンチルシクロペンチル、酢酸3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセタート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセタート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオナート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチラート、4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセタート。
- 脂環式アルコールのエステル、例えば、クロトン酸1-シクロヘキシルエチル。
- 脂環式カルボン酸のエステル、例えば、3-シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモナート、cis-及びtrans-メチルジャスモナート、2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボン酸メチル、2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル、2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル、2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-酢酸エチル。
- 芳香脂肪族(araliphatic)アルコール、例えば、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール。
- 芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、酢酸2-フェニルエチル、プロピオン酸2-フェニルエチル、イソ酪酸2-フェニルエチル、イソ吉草酸2-フェニルエチル、酢酸1-フェニルエチル、酢酸α-トリクロロメチルベンジル、α,α-ジメチルフェニルエチルアセタート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチラート、酢酸シンナミル、イソ酪酸2-フェノキシエチル、酢酸4-メトキシベンジル。
- 芳香脂肪族エーテル、例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン。
- 芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドロアトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール。
- 芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5’,6’,7’,8’-テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトン。
- 芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸及びそれらのエステル、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸フェニルエチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸フェニルエチル、桂皮酸シンナミル、フェノキシ酢酸アリル、サリチル酸メチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸cis-3-ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸メチル、エチル3-フェニルグリシダート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシダート。
- 窒素含有芳香族化合物、例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、アントラニル酸メチル、メチルN-メチルアントラニラート、アントラニル酸メチルと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールとのシッフ塩基、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン。
- フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えば、エストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、酢酸オイゲニル、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセタート。
- 複素環式化合物、例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン。
- ラクトン、例えば、1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオアート、エチレン1,13-トリデカンジオアート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリン。
【0214】
さらに、適したアロマケミカルは、国際公開第2016/050836号に記載のマクロ環式カルボアルデヒド化合物である。
【0215】
合成脱メントール化油(DMO)と呼ばれるものの類似物又は代替物として需要が非常に高いL-メントール及び/又はDL-メントール、L-メントン、L-メンチルアセタート、若しくはL-イソプレゴールの混合物が特に好ましい。これらミントの香りの組成物の混合物は、好ましくは、L-メントール若しくはDL-メントール20~40重量%、L-メントン20~40%、及びL-メンチルアセタート0~20%の比率、又は20~40重量%、L-メントン20~40%、及びL-イソプレゴール0~20%の比率で用いられる。
【0216】
前述のアロマ及びアロマ混合物は、それら自体で、又はそれ自身はアロマではない溶媒中で使用されてもよい。アロマのための典型的な溶媒は、特に標準圧力において150℃を超える沸点を有し、且つ壁材料を溶解しないもの、例えばジオール、例えばプロパンジオール及びジプロピレングリコール、C-C22脂肪酸C-C10-アルキルエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ジ-C-C10-アルキルエーテル、例えばジカプリルエーテル(BASF SE製Cetiol(登録商標)OE)、脂肪族、芳香族又は脂環式ジ又はトリカルボン酸のジ-C-C10-アルキルエステル、例えばフタル酸ジアルキル、例えばフタル酸ジメチル及びジエチル並びにこれらの混合物、ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、例えばジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシラート、ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシラート及びジイソノニル1,2-シクロヘキサンジカルボキシラート並びにアジピン酸ジアルキル、例えばアジピン酸ジブチル(例えばBASF SE製Cetiol(登録商標)B)、C-C22脂肪酸トリグリセリド、例えば植物性油又は化粧用油、例えばオクタノイル/デカノイルトリグリセリド(例えば、BASF SE製市販製品Myritol(登録商標)318)、ジメチルスルホキシド及びホワイトオイルである。
【0217】
さらなる実施形態の群において、低分子量の有機活性剤は、医薬品有効成分、略してAPIである。医薬品有効成分は、典型的に治療有効成分、診断有効成分及び予防有効成分並びに有効成分の対応する組合せである。医薬品有効成分(複数可)は、非晶質状態、結晶質状態又はこれらの混合物であり得る。医薬品有効成分(複数可)は、検出可能標識、例えば蛍光標識、放射性標識又は酵素若しくはクロマトグラフィーによって検出可能な種によって標識されてもよく、微粒子の充填のためにこの標識との混合物として使用されてもよい。
【0218】
APIは高い水への溶解度、例えば脱イオン水中で25℃において10mg/mLより大きい水への溶解度を有してもよい。低い水への溶解度を有する医薬品有効成分、例えば脱イオン水中で25℃において10mg/mL未満の水への溶解度を有するものを活性剤として使用することもできる。
【0219】
好ましい治療、診断及び予防の有効成分は、非経口投与に適したAPIである。適したAPIの代表例は、API及びこれらのAPIの代替形態、例えば代替塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態及び水和物の以下のカテゴリー及び例である。
【0220】
鎮痛薬/解熱薬、抗喘息薬、抗生物質、抗うつ薬、抗糖尿病薬、消炎薬/炎症抑制薬、降圧薬、炎症抑制薬、抗悪性腫瘍薬、抗不安薬、免疫抑制薬、抗片頭痛薬、精神安定薬/睡眠薬、抗狭心症(antitanginal)薬、抗精神病薬、抗躁薬、抗不整脈薬、抗関節炎薬、抗通風薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、抗線溶薬、ヘモレオロジー薬、抗血小板薬/血小板凝集抑制薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン病薬、抗ヒスタミン薬/鎮痒薬、カルシウム調節薬、抗細菌薬、抗ウイルス薬、抗微生物薬、抗感染薬、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイド薬、ステロイド化合物及びホルモン、血糖降下薬、抗高脂血症(hypolipedemic)薬、タンパク質、核酸、赤血球形成刺激に有用な薬物、抗潰瘍薬/抗逆流薬、制嘔吐薬/制吐薬(antimosis drug)、油溶性ビタミン及び他の薬剤。
【0221】
適した医薬品有効成分は、例えば国際公開第2007/070852号、特に15~19頁に言及される。さらに、適した有効成分及び薬物は、Martindale: The Extra Pharmacopoeia, 30th edition, The Pharmaceutical Press, London 1993に列挙される。
【0222】
さらなる実施形態の群において、低分子量の有機活性剤は、有機作物保護剤である。微粒子の充填のための有機作物保護剤は、例えば、特に殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤及び除草剤からなる群から選択される殺有害生物剤だけでなく、毒性緩和剤及び成長調節剤であり、これらは混合物、例えば二種以上の除草剤の混合物、二種以上の殺菌剤の混合物、二種以上の殺虫剤の混合物、殺虫剤と殺菌剤の混合物、一種以上の除草剤と毒性緩和剤の混合物及び一種以上の殺菌剤と毒性緩和剤の混合物としても微粒子の充填に使用できる。
【0223】
典型的に、殺有害生物剤は、20℃及び1013mbarにおいて液体又は固体であり、通常不揮発性である。蒸気圧は、典型的に20℃において0.1mbar未満、特に0.01mbar未満である。充填に特に適した作物保護剤は疎水性であり、特に25℃において脱イオン水中で10g/L以下、特に1g/L以下の水への溶解度を有する。
【0224】
作物保護剤は、例えばThe Pesticide Manual, 17th edition, The British Crop Protection Council, London, 2015から当業者に公知である。適した作物保護剤は、特に国際公開第2018/019629号の10~15頁に列挙される。
【0225】
適した殺虫剤の例は、カルバマート、オルガノフォスファート、有機塩素系殺虫剤、フェニルピラゾール、ピレスロイド、ネオニコチノイド、スピノシン、アベルメクチン、ミルベマイシン、幼若ホルモン類似物、ハロゲン化アルキル、有機スズ化合物、ネライストキシン類似物、ベンゾイル尿素、ジアシルヒドラジン、METI殺ダニ剤(acaricide)のクラスからの化合物及び未分類の殺虫剤、例えばクロロピクリン、ピメトロジン、フロニカミド、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、ジアフェンチウロン、プロパルギット、テトラジホン、クロルフェナピル(chlorofenapyr)、DNOC、ブプロフェジン、シロマジン、アミトラズ、ヒドラメチルノン、アセキノシル、フルアクリピリム、ロテノン又はその農学的に許容される塩及び誘導体である。
【0226】
適した殺菌剤の例は、ジニトロアニリン、アリルアミン、アニリノピリミジン、抗生物質殺菌剤、芳香族炭化水素、ベンゼンスルホンアミド、ベンズイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾフェノン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアジン、ベンジルカルバマート、カルバマート、カルボキサミド、カルボン酸ジアミド、クロロニトリル、シアノアセトアミドオキシム、シアノイミダゾール、シクロプロパンカルボキサミド、ジカルボキシイミド、ジヒドロジオキサジン、クロトン酸ジニトロフェニル、ジチオカルバマート、ジチオラン、エチルホスホナート、エチルアミノチアゾールカルボキサミド、グアニジン、ヒドロキシ(2-アミノ)ピリミジン、ヒドロキシアニリド、イミダゾール、イミダゾリノン、イソベンゾフラノン、メトキシアクリラート、メトキシカルバマート、モルホリン、N-フェニルカルバマート、オキサゾリジンジオン、オキシミノアセタート、オキシミノアセトアミド、ペプチジルピリミジンヌクレオシド、フェニルアセトアミド、フェニルアミド、フェニルピロール、フェニル尿素、ホスホナート、ホスホロチオアート、フタルアミド酸、フタルイミド、ピペラジン、ピペリジン、プロピオンアミド、ピリダジノン、ピリジン、ピリジニルメチルベンズアミド、ピリミジンアミン、ピリミジン、ピリミジノンヒドラゾン、ピロロキノリノン、キナゾリノン、キノリン、キノン、スルファミド、スルファモイルトリアゾール、チアゾールカルボキサミド、チオカルバマート、チオファナート、チオフェンカルボキサミド、トルアミド、トリフェニルスズ化合物、トリアジン、トリアゾール及びその農学的に許容される塩及び誘導体のクラスからの化合物である。
【0227】
適した殺菌剤の例は、アセトアミド、アミド、アリールオキシフェノキシプロピオナート、ベンズアミド、ベンゾフラン、安息香酸、ベンゾチアジアジノン、ビピリジリウム塩、カルバマート、クロロアセトアミド、クロロカルボン酸、シクロヘキサンジオン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン、イミダゾリノン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジノン、ニトリル、N-フェニルフタルイミド、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキシカルボン酸、フェニルカルバマート、フェニルピラゾール、フェニルピラゾリン、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロアミダート、ホスホロジチオアート、フタラマート、ピラゾール、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボン酸、ピリジンカルボキサミド、ピリミジンジオン、(チオ)安息香酸ピリミジニル、キノリンカルボン酸、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニル尿素、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバマート、トリアジン、トリアジノン、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロカルボキサミド、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、尿素及びその農学的に許容される塩及び誘導体のクラスからの化合物である。
【0228】
この実施形態の特定の部分群において、作物保護剤は、22℃及び1013mbarにおいて液体である作物保護剤、又は22℃及び1013mbarにおいて液体である二種以上の作物保護剤の混合物である。室温で液体の有効成分の例は、ジメテナミド、特にそのエナンチオマーであるジメテナミド-P、クロマゾン、メトラクロール、特にそのエナンチオマーであるS-メトラクロールである。この実施形態のさらなる特定の部分群において、作物保護剤は、水への溶解度が低く110℃以下の融点を有する作物保護剤、又はそのような有効成分の混合物である。これらは、例えばピラクロストロビン(64℃)、プロクロラズ(47℃)、メトラフェノン(100℃)、αシペルメトリン(79℃)、及びペンディメタリン(58℃)を含む。
【0229】
さらなる実施形態の群において、低分子量の有機活性剤は、化粧用途に適した有機活性剤又は前述のアロマ以外の活性剤の混合物である。微粒子の充填のための好ましい化粧用活性剤は、特に植物有効成分及び植物抽出物である。
【0230】
化粧用活性剤の例は、皮膚及び毛髪染色剤、日焼け剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗微生物有効成分、光フィルター有効成分、忌避有効成分、充血性物質、角質溶解及び角質形成物質、抗フケ有効成分、消炎薬、角質化物質、抗酸化有効成分及びフリーラジカルスカベンジャーとして作用する有効成分、皮膚湿潤又は保水物質、リグリース(regreasing)有効成分、脱臭有効成分、皮脂抑制有効成分、植物抽出物、抗紅斑性又は抗アレルギー有効成分及びその混合物である。
【0231】
自然又は人工的な紫外線照射を伴わずに皮膚を日焼けさせるのに適した人工日焼け活性剤は、例えばジヒドロキシアセトン、アロキサン及びクルミ殻抽出物である。適したケラチン硬化物質は、一般的に抗発汗剤においても使用される有効成分、例えば硫酸カリウムアルミニウム、アルミニウムヒドロキシクロリド、乳酸アルミニウムなどである。抗微生物有効成分は、微生物を破壊するために及び/又はそれらの成長を抑制するために使用され、したがって保存剤として、さらに体臭の生成若しくは強さを低減させる脱臭物質の両方として機能する。これらは、例えば、当業者に公知の慣例の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エステル、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸などを含む。そのような脱臭物質は、例えばリシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド、クエン酸トリエチル、クロルヘキシジンなどである。適した光フィルター有効成分は、UV-B及び/又はUV-A領域において紫外線を吸収する物質である。適したUVフィルターは、上記で言及されたものである。さらに、紫外線を阻止するp-アミノ安息香酸エステル、桂皮酸エステル、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体及び顔料、例えば二酸化チタン、タルク及び酸化亜鉛が適している。適した忌避有効成分は、特定の動物、特に昆虫をヒトに寄せ付けないようにするか、又は追い払うことができる化合物である。これらは、例えば2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、N,N-ジエチル-m-トルアミドなどを含む。皮膚を通って血流を刺激する適した充血性物質は、例えば精油、例えば矮性マツ、ラベンダー、ローズマリー、ジュニパーベリー、焼きクリ抽出物、カバノキ葉抽出物、干し草種子抽出物、酢酸エチル、ショウノウ、メントール、ハッカ油、ローズマリー抽出物、ユーカリ油などである。適した角質溶解及び角質形成物質は、例えばサリチル酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸及びその塩、硫黄などである。適した抗フケ有効成分は、例えば硫黄、サルファーポリエチレングリコールソルビタンモノオレアート、サルファーリシノールポリエトキシラート、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオンなどである。皮膚刺激に対抗する適した消炎薬は、例えばアラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール、カミツレ抽出物、パンテノールなどである。
【0232】
さらなる化粧用活性剤は、アスパラチン、グリチルリチン、カフェイン、プロアントシアニジン、ヘスペレチン、ルチン、ルテオリン、ポリフェノール、オレウロペイン、テオブロミン、バイオフラボノイド及びポリフェノールである。
【0233】
植物抽出物の例はまた、アサイー抽出物(ユーテルペ・オレラセア(Euterpe oleracea))、アセロラ抽出物(マルピギア・グラブラ(Malpighia glabra))、スギナ抽出物(エキセタム・アルベンセ(Equisetum arvense))、アガリクス(agarius)抽出物(アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agarius blazei murill))、アロエ抽出物(アロエベラ(Aloe vera)、アロエ・バルバデンシス(Aloe Barbadensis))、リンゴ抽出物(リンゴ属(Malus))、チョウセンアザミ葉抽出物(シナラ・スコリムス(Cynara scolymus))、チョウセンアザミ花抽出物(シナラ・エデュリス(Cynara edulis))、アルニカ抽出物(アルニカ・モンタナ(Arnica Montana))、カキ抽出物(ヨーロッパヒラガキ(Ostrea edulis))、バルドリアン根抽出物(バレリアナ・オフィシナリス(Valeriana officinalis))、クマコケモモ葉抽出物(アルクトスタフィロス・ウバウルシ(Arctostaphylos uva-ursi))、竹抽出物(ダイサンチク(Bambus vulgaris))、ゴーヤ抽出物(モモルディカ・チャランティア(Momordica charantia))、ダイダイ抽出物(シトラス・アウランティウム(Citrus aurantium))、イラクサ葉抽出物(セイヨウイラクサ(Urtica dioica))、イラクサ根抽出物(セイヨウイラクサ)、ブロッコリー抽出物(ヤセイカンラン(Brassica oleracea))、クレソン抽出物(オランダガラシ(Rorippa nasturtium))、コリウス抽出物(コレウス・フォルスコリ(Coleus forskohlii))、トウガラシ抽出物(キダチトウガラシ(Capsicum frutescens))、ツボクサの抽出物(ゴツコーラ(Gotu Kola))、キナノキ抽出物、クランベリー抽出物(コケモモ(Vaccinium vitis-daea))、ターメリック抽出物(ウコン(Curcuma longa))、ダミアナ抽出物(ターネラ・ディフューザ(Tunera diffusa))、ドラゴンフルーツ抽出物(ピタヤ(Pitahaya))、ムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)の抽出物、ウィートプラセンタ抽出物、エーデルワイス抽出物(セイヨウウスユキソウ(Leotopodium alpinum))、ツタ抽出物(セイヨウキヅタ(Hedera helix))、ハマビシ抽出物(トリブルス・テレストリス(Tribulus terrestris))、ガルシニア・カンボジア(Garcinia cambogia)抽出物(ガルシニア・カンボジア)、銀杏抽出物(イチョウ(Ginkgo biloba))、チョウセンニンジン抽出物(オタネニンジン(Panax ginseng))、ザクロ抽出物(プニカ・グラナタム(Punica granatum))、グレープフルーツ抽出物(シトラス・パラジシ(Citrus paradisi))、グリフォニア抽出物(グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia))、緑茶抽出物(チャノキ(Camellia sinensis))、ガラナ抽出物(ポーリニア・クパナ(Paullinia cupana))、キュウリ抽出物(ククミス・サティバス(Cucumis sativus))、野バラ抽出物(イヌバラ(Rosa canina))、ブルーベリー抽出物(セイヨウスノキ(Vaccinium myrtillus))、ハイビスカス抽出物(アオイ科(Malvacea))、ゼニアオイ抽出物、ハチミツ抽出物、ホップ抽出物(カラハナソウ属(Humulus))、ショウガ抽出物(ジンジベル・オフィシナーレ(Zingiber officinale))、アイスランド苔抽出物(エイランタイ(Cetraria islandica))、ホホバ抽出物(シモンジア・チネンシス(Simmondsia chinensis))、セントジョーンズワート抽出物(セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum))、コーヒー濃縮物、カカオ豆抽出物(カカオ(Theobroma cacao))、サボテン花抽出物、カミツレ花抽出物(マトリカリア・レクティタ(Matricaria recutita)、マトリカリア・カモミラ(Matricaria chamomila))、ニンジン抽出物(ノラニンジン(Daucus carota))、キウィ抽出物(アペリギダエ(Aperygidae))、クズ抽出物(プエラリア・ロバタ(Pueraria lobata))、ココナッツミルク抽出物、カボチャ種子抽出物(ペポカボチャ(Curcurbita pepo))、ヤグルマギク抽出物(セントーラ・シアナス(Centaurea cyanus))、ハスの花抽出物、タンポポ抽出物(セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale))、マカ抽出物(レピジウム・ペルビアヌム(Lepidium peruvianum))、モクレン花抽出物、マンゴー抽出物、ミルクシスル抽出物(シリバム・マリアナム(Silybum marianum))、マリーゴールド抽出物(キンセンカ(Calendula officiennalis))、マテ抽出物(イェルバ・マテ(Hex paraguariensis))、ナギイカダ抽出物(ルスクス・アクレアトゥス(Rugcus aculeatus))、海藻抽出物、クランベリー抽出物(オオミノツルコケモモ(Vaccinium macrocarpon))、ワサビノキ(Moringa Oleifera)抽出物、ジャコウアオイ(Moschus Malva)の抽出物(マルバ・モスカータ(Malva moschata))、マツヨイグサ油抽出物(インドセンダン(Azadirachta indica))、イラクサ抽出物(イラクサ科(Urticaceae))、オリーブ葉抽出物(オリーブ(Olea europea))、オレンジ抽出物(ヘスペリジン(hesperidin))、ラン抽出物、パパイア抽出物(パパイア(Carica papaya))、ハッカ抽出物、パパイアの抽出物(ゲイソスペルマム(Geissospermum))、ダイダイ抽出物(シトラス・アウランティウム(Citrus aurantioum))、リンゴンベリー抽出物(コケモモ(Vaccinium vitas-ideea))、アフリカンチェリー抽出物(プルヌス・アフリカナ(Prunus africana))、テンサイ抽出物、レスベラトロール(resveratrole)抽出物(イタドリ(Polygonum cuspidatum))、ルイボス抽出物(アスパラサス・リネアリス(Aspalasthus Linnearis))、バラ花抽出物、セイヨウトチノキ抽出物(アエスクルス・ヒッポカスタヌム(Aesculus hippocastanum))、ローズマリー抽出物(ローズマリナス・オフィシナリス(Rosemarinus Officinalis))、アカツメクサ抽出物(トリフォリウム・プラテンス(Trifolium platense))、赤ブドウ酒抽出物(ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera))、ノコギリヤシ抽出物(ノコギリパルメット(Serenoa repens))、レタス抽出物(ラクツカ・サティバ(Lactuca sativa))、ビャクダン抽出物(サンタルム・ルブルム(Santalum rubrum))、サルビア抽出物(サルビア・オフィシナリス(Salvia officinalis))、トクサ抽出物(トクサ属(Equisetum))、ノコギリソウ抽出物(セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium))、黒コショウ抽出物(コショウ(Piper nigrum))、紅茶抽出物、スイレン抽出物(スイレン属(Nymphaea))、西洋ヤナギ樹皮抽出物(サリックス・アルバ(Salix Alba))、甘草抽出物(カンゾウ属(Glycyrrhiza))、デビルズクロー抽出物(ライオンゴロシ(Harpagophytum procumbens))、タイム抽出物(コモンタイム(Thymus vulgaris))、トマト抽出物(リコペルシカム・エスキュレンタム(Lycopersicum esculentum))、ブドウ種子抽出物(ヴィティス・ヴィニフェラ)、ブドウ皮抽出物(ヴィティス・ヴィニフェラ)、クレソン(サケバミミイヌガラシ(Rorippa amphibia))、ヤナギ樹皮抽出物(サリックス・アルバ)、ヨモギ抽出物(ニガヨモギ(Artemisia absinthium))、白茶抽出物、ヤムイモ根抽出物(ナガイモ(Dioscorea opposita))、ヨヒンベ抽出物(パウシニスタリア・ヨヒンベ(Pausinystalia yohimbe))、アメリカマンサク抽出物(マンサク属(Hamamelis))、シナモン抽出物(シナモン・カッシア・プレスル(Cinnamomum cassia Presl))、レモン抽出物(ミカン属(Citrus)及びタマネギ抽出物(アッリウム・ケパ(Allium cepa))である。
【0234】
さらなる実施形態の群において、低分子量の有機活性剤は、建設化学由来の有機活性剤である。建設化学用途の微粒子の充填のための好ましい活性剤は、特に重合触媒である。
【0235】
有用な重合触媒は、反応性樹脂、特に付加樹脂、縮合樹脂又は酸化硬化樹脂の硬化に適したものを含む。この目的では、重合触媒は、フリーラジカル重合、重縮合及び/又は重付加のための触媒である。フリーラジカル重合に適した触媒は、特に過酸化物分解剤、及び乾燥剤又は吸湿剤として油及びアルキド樹脂を酸化乾燥するための、コーティング技術から公知の触媒を含む。適した重縮合触媒は、シリコーン縮合及び架橋のための触媒である。使用される重付加触媒は、例えばエポキシ樹脂の硬化のための触媒であってもよい。さらに、使用される重付加触媒は、例えばポリウレタン化学に慣例的に使用されるウレタン化触媒であってもよい。これらは、イソシアナート反応性成分の反応性水素原子と有機ポリイソシアナートの反応を促進する化合物である。
【0236】
有用な重合触媒は、特にアミン類、ホスフィン類及び有機金属塩を含む。
【0237】
特に重付加のための重合触媒として有用なアミン類は、特に第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、N-メチルジシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン(BDMA)、N-メチル-モルホリン、N-エチルモルホリン、N-シクロヘキシルモルホリン、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルブチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキシレン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン(PMDPTA)、N,N,N-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル(BDMAEE)、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール並びにその2-エチルヘキサン酸との塩及びその異性体、1,4-ジメチルピペラジン(DMP)、N-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-メチル-4-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-7-エン(DBN)である。
【0238】
特に重付加のためのさらなる有用な重合触媒は、トリス(ジアルキルアミノ)-s-ヘキサヒドロトリアジン、特に1,3,5-トリス(3-[ジメチルアミノ]プロピル)ヘキサヒドロトリアジンを含む。
【0239】
特に重付加のための、イソシアナートに対して反応性の重合触媒を使用することもできる。少なくとも一種の第三級アミノ基の他に、これらは第一級若しくは第二級アミノ基又はヒドロキシル基を含む。その例は、欧州特許出願公開第0629607号に記載されるN,N-ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N-ジメチルアミノプロピル-N’-メチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミノ-2-プロパノール、N,N-ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、N,N,N’-トリメチル-N’-ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N,N-ジメチルアミノプロピル尿素、N-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、N-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、N-(2-アミノプロピル)イミダゾール及び/又はエチルアセトアセタートの反応生成物、ポリエーテルポリオール並びに1-(ジメチルアミノ)-3-アミノプロパンを含む。
【0240】
特に重付加のための重合触媒として有用なホスフィンは、好ましくは第三級ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン又はメチルジフェニルホスフィンである。
【0241】
重合触媒として有用な有機金属塩は、好ましくは一般式
n+ nA
(式中、
配位子Lは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリール及びアシルから選択される有機基又は有機化合物であり、配位子Lは1~20個の炭素原子を有し、m個の配位子Lは同じ又は異なり、
mは0、1、2、3、4、5又は6であり、
Mは金属であり、
nは1、2、3又は4であり、
アニオンAは、カルボキシラートイオン、アルコキシラートイオン又はエノラートイオンである)
を有する。
【0242】
金属Mは、好ましくはリチウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、インジウム、スズ、鉛、ビスマス、セリウム、コバルト、鉄、銅、ランタン、マンガン、水銀、スカンジウム、チタン、亜鉛及びジルコニウムから、より詳細にはリチウム、カリウム、セシウム、スズ、ビスマス、チタン、亜鉛及びジルコニウムから選択される。
【0243】
配位子Lは、好ましくは1~20個の炭素原子を有するアルキルである。より好ましくは、Lは1~10個の炭素原子、特に1~4個の炭素原子を有するアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルである。
【0244】
カルボキシラートイオンは、好ましくは式R-COO(式中、RはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリール及びアシルから選択され、R基は20個までの炭素原子、好ましくは6~20個の炭素原子を有する)を有する。特に好ましいカルボキシラートイオンは、天然及び合成脂肪酸のアニオン、例えばネオデカン酸イオン、イソオクタン酸イオン及びラウリン酸イオン、並びに樹脂酸及びナフテン酸のアニオンから選択される。
【0245】
エノラートイオンは、好ましくは式RCH=CR-O(式中、R及びRは、それぞれH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリール及びアシルから選択され、R及びR基は、それぞれ20個までの炭素原子を有する)を有する。特定の例は、エチルアセトナート、ヘプチルアセトナート又はフェニルアセトナートである。エノラートイオンは、好ましくは5~8個の炭素原子を有する1,3-ジケトンに由来する。可能な例は、アセチルアセトナート、2,4-ヘキサンジオンのエノラート、3,5-ヘプタンジオンのエノラート及び3,5-オクタンジオンのエノラートを含む。
【0246】
アルコキシラートイオンは、好ましくは式R-O(式中、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリール及びアシルから選択され、R基は20個までの炭素原子を有する)を有する。
【0247】
特定の実施形態において、有機金属化合物は、
- アルカリ金属カルボキシラート、例えばエチルヘキサン酸リチウム、ネオデカン酸リチウム、酢酸カリウム、エチルヘキサン酸カリウム、エチルヘキサン酸セシウム、
- アルカリ土類金属カルボキシラート、例えばエチルヘキサン酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、オクタン酸カルシウム(OMG BorchersからOcta-Soligen(登録商標)Calciumとして入手可能)、ステアリン酸マグネシウム、エチルヘキサン酸ストロンチウム、エチルヘキサン酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、
- アルミニウム化合物、例えばアセチルアセトン酸アルミニウム、ジオン酸アルミニウム(例えば、King Industries製K KAT(登録商標)5218)、 - 亜鉛化合物、例えば二酢酸亜鉛(II)、エチルヘキサン酸亜鉛(II)及びオクタン酸亜鉛(II)、ネオデカン酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛、
- スズ化合物、例えばカルボン酸スズ(II)、例として酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)、ネオデカン酸スズ(II)、イソノナン酸スズ(II)、ラウリン酸スズ(II)及び有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例として二酢酸ジメチルスズ、二酢酸ジブチルスズ、二酪酸ジブチルスズ、ジブチルスズビス(2-エチルヘキサノアート)、ジラウリン酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズ及び二酢酸ジオクチルスズ、特にジラウリン酸ジブチルスズ、
- チタン化合物、例えばテトラ(2-エチルヘキシル)チタナート、
- ジルコニウム化合物、例えばエチルヘキサン酸ジルコニウム、ネオデカン酸ジルコニウム、アセチルアセトン酸ジルコニウム(例えば、King Industries製K-KAT(登録商標)4205)、ジオン酸ジルコニウム(例えば、King Industries製K-KAT(登録商標)XC-9213、XC-A 209及びXC-6212)、ジルコニウム2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナート、
- ビスマス化合物、例えばカルボン酸ビスマス、特にオクタン酸ビスマス、エチルヘキサン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス又はピバル酸ビスマス(例えば、King Industries製K-KAT(登録商標)348、XC-B221、XC-C227、XC 8203、TIB Chemicals製TIB KAT 716、716LA、716XLA、718、720、789及びShepherd Lausanne製のもの)、
- マンガン塩、例えばネオデカン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、
- コバルト塩、例えばネオデカン酸コバルト、エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、
- 鉄塩、例えばエチルヘキサン酸鉄、
- 水銀化合物、例えばカルボン酸フェニル水銀
から選択される。
【0248】
好ましい有機金属化合物は、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズ、二酢酸亜鉛(II)、ジオクタン酸亜鉛(II)、アセチルアセトン酸ジルコニウム及びジルコニウム2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナート、ネオデカン酸ビスマス、ジオクタン酸ビスマス及びエチルヘキサン酸ビスマスである。
【0249】
本発明の方法のステップ(a)によると、未充填微粒子の組成物に活性剤を含む液体を含浸させることにより、内部空洞中に液体及びしたがって活性剤を含有する充填微粒子が得られる。このために、微粒子は、未充填微粒子中に存在する空洞がほぼ、すなわち少なくとも50%程度まで、特に少なくとも70%程度まで、若しくは完全に液体によって充填される、又は微粒子中に存在するガスの大部分が液体によって置換されるように液体で処理される。液体は活性剤を含むため、微粒子が液体で処理されるとき、活性剤は孔を通って微粒子の空洞に、及びしたがって微粒子の内部に浸透する。
【0250】
液体による微粒子の含浸では、充填される微粒子は、一般的に各々の活性剤を含有する液体と接触される。接触は、原則として任意の所望の方法で行われてもよいが、ただし接触時間は、液体が、充填される微粒子を少なくとも湿潤させ、したがって孔を介して微粒子の空洞に浸透することができるのに十分である。この目的のために、充填される微粒子及び各々の液体は、典型的に、例えば活性剤を含有する各々の液体を微細に分割された形態で、特に液滴として充填される微粒子に適用することによって、又は微粒子を各々の液体中に懸濁させることによって互いと混合される。
【0251】
実施形態の群によると、未充填微粒子は、充填されることが所望される活性剤を含有する液体中に微粒子を懸濁させることを含む方法によって含浸される。
【0252】
別の実施形態の群によると、微粒子は、活性剤を含有する液体を微細に分割された形態で、特に液滴として未充填微粒子に適用することを含む方法によって含浸される。この目的のために、微粒子は、通常は固体形態、特に粉末の形態で使用される。特に、未充填微粒子は、粉末として、活性物質を含有する各々の液体により滴下されてもよく、又は噴霧されてもよい。驚くべきことに、液体液滴は、未充填微粒子によって急速に吸収される。さらに、この方法では、含浸に使用される液体及びしたがって活性剤は、余分な液体の分離が避けられる又は関連する費用が減少され得るように、正確に加えることができる。
【0253】
典型的には、活性剤を含有する各々の液体を、それ自体公知の方法で、例えば示差走査熱量測定(DSC)を用いて当業者によって測定され得る壁材料の融点若しくは軟化点又はその範囲未満の温度において未充填微粒子に含浸させる。典型的に、処理は、壁材料の融点若しくは軟化点又は範囲を少なくとも5K、特に少なくとも10K下回る温度、例えば80℃以下、特に70℃以下、特に60℃以下、例えば0~80℃の範囲、特に10~70℃の範囲、特に20~60℃の範囲において実行される。処理時間は、典型的に1分~10時間の範囲、特に5分~8時間の範囲、特に0.5~6時間の範囲である。
【0254】
活性剤は、液体中、液体、又は融解形態であってもよく、又は溶媒の同時の存在下で、液体、又は融解形態、乳化又は懸濁形態、又は好ましくは溶解形態であってもよい。活性剤はまた、例えば室温(22℃)において液体の活性剤又は活性剤混合物の場合、含侵が実行される温度において活性剤が液体であることを条件として、それ自体で存在してもよい。
【0255】
活性剤が液体中、液体又は融解形態である場合、全体的に又は部分的に融解してもよい。好ましくは、活性剤は全体的に融解し、特に充填においてその融点を5℃より大きく上回る温度を有する。活性剤が液体中、乳化形態である場合、分散相又は連続相のいずれかであってもよい。活性剤が懸濁形態である場合、好ましくは孔の平均半径より小さい粒子サイズを有する。
【0256】
活性剤が溶解形態である場合、全体的に又は部分的に溶解してもよい。活性剤は、好ましくは全体的に溶解している。活性剤の溶解は、原則として活性剤が可溶性である液体の任意の成分、例えば溶媒若しくは溶媒混合物又は任意選択のさらなる活性剤によってもたらされてもよい。
【0257】
代替的に、有機溶媒又は水又は水と水混和性有機溶媒の混合物を使用することができる。適した有機溶媒は、特に壁材料が不溶性であるものである。適した有機溶媒は、特にC-C-アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール並びに脂肪族及び脂環式炭化水素、例えばn-ペンタン、n-ヘキサン、ヘキサン混合物、n-ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、ホワイトオイル、ジオール、例えばプロパンジオール及びジプロピレングリコール、C-C22脂肪酸C-C10-アルキルエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ジ-C-C10-アルキルエーテル、例えばジカプリルエーテル(BASF SE製Cetiol(登録商標)OE)、脂肪族、芳香族又は脂環式ジ又はトリカルボン酸のジ-C-C10-アルキルエステル、例えばフタル酸ジアルキル、例えばフタル酸ジメチル及びジエチル並びにこれらの混合物、ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、例えばジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシラート、ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシラート及びジイソノニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシラート並びにアジピン酸ジアルキル、例えばアジピン酸ジブチル(例えばBASF SE製Cetiol(登録商標)B)、C-C22脂肪酸トリグリセリド、例えば植物性油又は化粧用油、例えばオクタノイル/デカノイルトリグリセリド(例えば、BASF SE製市販製品Myritol(登録商標)318)及びジメチルスルホキシド及びこれらの混合物である。
【0258】
活性剤が充填される微粒子は、粒子状固体、例えば粉末又は壁材料が不溶性である溶媒中のサスペンション(懸濁物)として使用されてもよい。粉末の形態で処理される微粒子を使用することが好ましい。これは、各々の活性剤を含有する液体中に懸濁されてもよく、好ましくは液体が滴下適用又は噴霧適用される。代替的に、充填される微粒子のサスペンションと活性剤を含有する液体とを混合することができる。
【0259】
サスペンションの製造に適した装置の例は、マグネチックスターラー、ローラー、シェイカー及び様々な緊密クリアランス撹拌ユニット、例えばアンカースターラー、ヘリカルスターラーを含む。混合操作の時間は、充填温度における液体の粘度、したがって微粒子への液体の拡散速度に依存し、一般に5分~12時間である。好ましくは、0.5~5重量部、好ましくは0.8~3重量部の各々の液体に1重量部の微粒子が懸濁される。微粒子を含むサスペンション及び各々の液体は、一般に0~80℃の範囲内の温度において1分~10時間保たれる。サスペンションは、好ましくは10~70℃の範囲、特に20~60℃の範囲内の温度において0.5時間~10時間保たれる。任意選択的に、微粒子は、過剰に添加された液体から分離される。この目的のために適した方法は、例えば濾過、遠心分離、デカンテーション及び乾燥、例えば接触乾燥、流動床乾燥、真空乾燥又はスプレードライである。
【0260】
好ましくは、未充填微粒子に、活性剤成分を含有する液体を、活性剤成分を含有する液体への未充填微粒子の懸濁以外の方法によって含浸させる。特に、未充填微粒子に含浸させるために、活性剤物質を含有する液体は、微細に分割された形態、特に液滴の形態で未充填微粒子に適用される。通常、微粒子は固体形態、特に粉末形態で適用される。特に、粉末としての未充填微粒子は、活性剤物質を含有する各々の液体により滴下又は噴霧される。
【0261】
一般に、この目的のために、未充填微粒子は、始めに固体と液体とを混合するためのミキサーに加えられることになり、そして活性剤を含有する液体は、好ましくは微細に分割された形態、例えば、大きな液滴の形態で又は微細液滴のスプレーミストとして加えられる。特に、液体は、動いている充填微粒子に適用される。
【0262】
例えば、適する方法で充填対象の微粒子を動かすことができ、特に充填対象の微粒子の流動床を作ることができ、例えば噴霧又は滴下により、活性剤物質を含有する液体を微細に分割された形態で、動いている微粒子又は流動床中の微粒子に適用することができる。噴霧又は滴下は、一個以上のノズル、例えば単一物質ノズル若しくは二物質ノズルにより、又は液滴形成(滴下)デバイスにより、それ自体既知の方法で行うことができる。適する混合装置は、ダイナミックミキサー、特に強制ミキサー、又はミキサーシャフトのあるミキサー、例えばシャベルミキサー、パドルミキサー、若しくはプラウシェアミキサー(ploughshare mixer)であるが、この種のフリーフォールミキサー、例えばドラムミキサー、及び流動床ミキサーも適する。混合操作の時間は、ミキサーのタイプ及び充填温度での液体の粘度に依存し、したがって液体の微粒子への拡散速度に依存する。充填に必要な時間は、当業者により、簡単な方法で決定することができる。時間は、一般に、1分~5時間、特に2分~2時間、又は3分~1時間である。好ましくは、各々の活性剤を含有する液体は、1重量部の未充填微粒子に対して、0.2~5重量部、好ましくは0.5~4重量部の量で使用される。噴霧適用又は滴下適用は、一般に、0~80℃の範囲内、特に10~70℃の範囲内、特に20~60℃の範囲内の温度で行う。
【0263】
充填微粒子から存在する残留水を除去することが有利であることがある。これは、例えば、エタノール若しくはアセトンですすぎ、及び/又は不活性ガス、例えば空気、窒素若しくはアルゴンで微粒子を吹いて乾かすことにより行うことができる。任意選択的に、この目的のために、予め乾燥し及び/又は予め加熱した不活性ガスを用いてもよい。好ましくは、充填された微粒子を、続いて、好ましくは、例えば10重量%溶液としてのプロパンジオール水溶液によって洗浄する。
【0264】
一般に公知の乾燥方法を乾燥のために用いてよい。例えば、対流乾燥機、例えばスプレードライヤー、流動床ドライヤー、サイクロンドライヤー、接触ドライヤー、例えばパンドライヤー、接触ベルトドライヤー、真空乾燥機、又は輻射乾燥機、例えば赤外回転チューブドライヤー及びマイクロ波混合乾燥機を用いて、充填微粒子を乾燥させてよい。
【0265】
これにより、所望の活性剤を含有し、本発明の方法のステップb)の熱処理に供された充填微粒子、特に球状微粒子が得られる。充填微粒子中の活性剤の量は、未充填微粒子の内部における空洞の体積に依存し、充填微粒子の全重量に対して通常5~75重量%の範囲内、特に10~60重量%の範囲内である。
【0266】
ステップa)の充填は、粒子サイズ分布並びに孔の量及びサイズを大きく変化させないため、ステップb)の熱処理に供された充填微粒子が、ステップa)で利用される未充填微粒子のものと同様の粒子サイズ(すなわち、D[4,3]、D[3,2]、D[v,0.1]、D[v,0.5]及びD[v,0.9]の値)、孔の量及び孔のサイズを有することは明らかである。好ましくは、充填微粒子は、5~600μm、特に7~500μm、とりわけ10~400μmの範囲内の平均粒子径D[4,3]を有する。好ましくは、充填微粒子は少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個の孔をそれらの表面に有する。好ましくは、孔の直径は、20nm~平均粒子径の1/5の範囲内である。これらの孔の直径は、好ましくは少なくとも50nm、より好ましくは少なくとも100nm、とりわけ少なくとも200nmである。これらの孔の直径は、各々の平均粒子径D[4,3]に応じて、一般的に20μm、とりわけ10μmを超えず、好ましくは50nm~20μmの範囲内、特に100nm~20μmの範囲内、とりわけ200nm~10μmの範囲内である。
【0267】
特許請求される方法のステップb)において、担体ガス中の自由流動性充填微粒子流を加熱ゾーンに通すことにより、ステップa)で得られる充填微粒子が熱処理に供される。言い換えると、充填微粒子は、担体ガス中の自由流動性充填微粒子流として加熱ゾーンに通される。
【0268】
ステップb)の熱処理により、充填微粒子の孔が閉じられる。加熱ゾーンの高温により、充填微粒子の壁材料が特に孔の開口の縁で軟化し、それにより毛管力及び表面張力による孔開口の収縮及び閉口がそれぞれ生じると考えられる。担体ガス中の自由流動性微粒子流を加熱ゾーンに通すことにより、微粒子の均質かつ単離された分布が達成され、それにより加熱ゾーンにおける熱い微粒子の凝集を低減又は回避することができる。これにより、望まれない凝集から生じる粒子サイズの顕著な増大を伴うことなく、孔の急速かつ均一な、したがって効率的な閉口が達成される。
【0269】
加熱ゾーンの温度は、微粒子の熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度を少なくとも20K、特に少なくとも30K、とりわけ少なくとも40K上回り、しばしば微粒子の熱可塑性有機ポリマー材料の軟化温度を20~300Kの範囲内又は20~250Kの範囲内、又は20~220Kの範囲内又は20~220Kの範囲内、特に30~250Kの範囲内又は30~220Kの範囲内、又は30~200Kの範囲内、特に40~250Kの範囲内、又は40~220Kの範囲内又は40~200Kの範囲内、又は40~180Kの範囲内で上回る。本明細書で与えられる値は、未充填微粒子の壁材料を形成する熱可塑性有機ポリマー材料のビカット軟化温度、特にVST/A50を指す。
【0270】
加熱ゾーンの温度は、しばしば130~350℃の範囲内、特に140~300℃の範囲内、とりわけ140~250℃の範囲内である。加熱ゾーンは、ほぼ均一又は均質な温度プロファイルを有してもよく、すなわち加熱ゾーンの異なる点における温度は、10℃より大きく異ならない。加熱ゾーンの入口の温度は、しばしば出口の温度より高い場合がある。
【0271】
加熱ゾーンの温度は、加熱ゾーンの壁を外部ヒーターで、例えば電気ヒーター若しくは熱流によって、又は赤外線放射器で、又は所望の温度に加熱されたガスの流れで、又はこれらの手段の組合せによって加熱することによって設定されてもよい。
【0272】
高温のために、孔の開口の効率的な閉口に要する時間は非常に短く、加熱ゾーンにおける充填粒子の60秒以下の、特に30秒以下の平均滞留時間が孔の開口の完全な又は少なくとも実質的に完全な閉口を達成するのに十分である。したがって、加熱ゾーンにおける充填微粒子の平均滞留時間は、60秒、特に30秒、より詳細には20秒、とりわけ10秒を超えず、例えば0.1~60秒の範囲内、特に0.1~30秒の範囲内、より詳細には0.5~20秒の範囲内、とりわけ1~10秒の範囲内である。
【0273】
微粒子の孔の効率的な、すなわち実質的に完全な閉口を達成するための滞留時間は、加熱ゾーンの温度に相互に依存することは明らかである。同程度の閉口は、例えば、微粒子の短い滞留時間及び高温で達成することができ、一方で、より低温ではより長い滞留時間が必要とされる。揮発性又は感熱活性剤の場合、長い滞留時間及びより低い温度よりも、短い滞留時間及びより高い温度が好ましい場合がある。当然ながら、孔の効率的な閉口の最適条件も、壁材料の種類に依存する。壁材料が高い融点/ガラス転移温度を有する、又は高い割合の非晶質材料を含有する場合、より高い温度及び/若しくはより長い滞留時間が必要とされるが、高度の結晶性及び/又は低い融点は、より短い滞留時間及び/又はより低い温度を可能とする。当業者であれば、効率的な閉口を達成し、活性剤の損失を最小化するための最適条件を日常的に見出すであろう。
【0274】
自由流動性ガス流中の充填微粒子の適正な質量密度を選択することにより、自由流動性ガス流中の充填微粒子の相互接触によって生じる凝集を最小化することができる。加熱ゾーンを通った自由流動性充填微粒子流の質量密度は、好ましくは500g/m、特に200g/m、とりわけ100g/mを超えない。自由流動性充填微粒子流の質量密度は、しばしば5~500g/mの範囲内、特に5~200g/mの範囲内、とりわけ10~100g/mの範囲内である。
【0275】
担体ガスは、加熱ゾーンの温度で充填微粒子に対して化学的に不活性又はほぼ不活性の任意のガスであってもよい。通常、空気は、上記で与えられた温度で充填微粒子に対して十分に不活性であるため、担体ガスとして使用可能である。しかし、敏感な活性剤の場合、空気の代わりに不活性ガス、例えば窒素又はアルゴンが使用されてもよく、又は空気と窒素の混合物を使用することにより、空気中の酸素の分圧が低減されてもよい。
【0276】
微粒子と加熱ゾーンの熱い壁の接触を最小化するために、自由流動性充填微粒子流は、微粒子流が加熱ゾーンを通る際に実質的な層状の流れを示すように加熱ゾーンを通ることが好ましい。流れ特性は、微粒子流の流れ速度及び加熱ゾーンの幾何形状に依存する。当業者であれば、加熱ゾーンを通った自由流動性充填微粒子が実質的な層状の流れをもたらす、加熱ゾーンの所与の幾何形状の適正な流れ速度を日常的に見出すであろう。
【0277】
担体ガス中の自由流動性充填微粒子流を達成するために、充填微粒子は、通常、微粒子流が加熱ゾーンに入る前に担体ガスと混合される。混合は、別個のステップ、例えば流動床乾燥器又は同様の機器が乾燥に使用される場合、乾燥ステップで実行されてもよい。混合は、担体ガスが加熱ゾーンに入る直前に実行されてもよい。例えば、微粒子は、好適な添加機器を用いて担体ガス流に添加されてもよい。そのような添加機器は通常、担体ガス流中の微粒子の均質且つ単離された分布を達成し、加熱ゾーンにおける粒子の凝集を防止するように、及び可能な限り均一な粒子の閉口を達成するように設計される。好適な添加機器として、粉末注入ランス、空気式コンベア及び添加スクリューが挙げられる。乾燥機器、例えば流動床乾燥器又は同様の機器から充填微粒子を含有するガス流を分離し、このガス流とさらなる担体ガスとを混合し、所望の質量密度を調整することもできる。通常、充填微粒子の粉末が担体ガスと混合されるが、揮発性液体、例えば水中の微粒子のサスペンションと担体ガスとを混合することもできる。
【0278】
一般的に、加熱ゾーンの幾何形状は、自由流動性微粒子を含有する担体ガス流が加熱ゾーンを通る際に微粒子と加熱ゾーンの熱い内部壁の壁接触が最小化される又は回避されるようなものである。
【0279】
好ましくは、加熱ゾーンは縦長形状を有し、これは空間曲線の長さ、すなわち加熱ゾーンのすべての断面に垂直な空間曲線に沿った加熱ゾーンの入口と出口の間の距離が、加熱ゾーンの平均的な断面より顕著に長いことを意味する。特に、空間曲線の長さと平均的な断面の比は少なくとも2、特に少なくとも5であり、100以上の高さであってもよく、特に5~100の範囲内、好ましくは7~50の範囲内、とりわけ10~30の範囲内である。
【0280】
好ましくは、加熱ゾーンは、実質的に直線の幾何形状を有する、すなわち入口及び出口における加熱ゾーンの断面に垂直な線からの、加熱ゾーンの入口及び出口を通る空間曲線の角度偏差は20°m-1を超えない、特に10°m-1を超えない、且つ好ましくは0°m-1である、又は0°m-1に近い。
【0281】
直線の幾何形状を有する加熱ゾーンの場合、加熱ゾーンは、好ましくは垂直に配置される、すなわち加熱ゾーンの入口及び出口を通る空間曲線は、好ましくは重力場に平行である又は平行に近い。
【0282】
好ましくは、加熱ゾーンは管状の幾何形状を有する。加熱管の断面領域は任意の形状を有してもよい。一実施形態では、加熱ゾーンの断面領域は、4つの角を有する多角形領域、例えば、加熱ゾーンが矩形の管によって画定されるような矩形領域である。別の実施形態では、断面領域は、少なくとも6つの角を有する多角形領域、又は楕円形若しくは円形の領域である。特に、加熱ゾーンの断面領域は、長円形又はとりわけ円形である。
【0283】
好ましくは、加熱ゾーンの内面は、角度が90°未満である狭い縁部を実質的に有さない。
【0284】
特に、加熱ゾーンは、直管状の幾何形状を有する、すなわち長円形又は円形の断面領域を持つ直線の縦長形状を有する。長円形の断面領域の場合、最長軸と最短軸との比は、好ましくは4:1を超えない。特に、加熱ゾーンの入口及び出口を通る空間曲線に垂直な加熱ゾーンの断面領域は、楕円形又は円形である。
【0285】
しかし、加熱ゾーンは、直線のチャネル型幾何形状を有することもでき、すなわち矩形又はより高次の多角形の断面を持ち、角の角度が≧90°である直線の縦長形状を有することもできる。加熱ゾーンの断面領域が矩形又は多角形である場合、最長軸と最短軸との比は、好ましくは4:1を超えない。
【0286】
特に好ましい実施形態の群において、加熱ゾーンは立ち下げ管に配置される、すなわち、加熱ゾーンは、垂直に配置され、自由流動性充填微粒子流が下方に、すなわち加熱ゾーンの上端から下端へと通る直管状の幾何形状を有する。
【0287】
別の特に好ましい実施形態の群において、加熱ゾーンは立ち上げ管に配置される、すなわち、加熱ゾーンは、垂直に配置され、自由流動性充填微粒子流が上方に、すなわち加熱ゾーンの上端から上端へと通る直管状の幾何形状を有する。
【0288】
加熱ゾーンを出た直後の熱い微粒子を急冷し、溶融した表面を再び固化し、凝集を防止することが有益でありうる。「急冷」という用語は、熱い微粒子を壁材料の軟化温度未満の温度に、特に壁材料の軟化温度を少なくとも10K下回る温度に急速に冷却することと理解される。急冷は、冷ガス流と加熱ゾーンを出る熱い微粒子流とを混合すること、特に冷ガス流を加熱ゾーンを出る熱い微粒子流に注入することによって達成されてもよい。急冷は、加熱ゾーンを出る熱い微粒子流を、既にステップb)に供された微粒子の冷流動床に導入すること、又は加熱ゾーンを出る熱い微粒子流と冷液体とを混合することによって達成されてもよい。代替的に又は急冷と組み合わせて、加熱ゾーンの軸方向温度プロファイルが適用されてもよく、軸方向温度プロファイルは、加熱ゾーンの出口において壁材料の軟化点より顕著に低い温度を有する。特に、そのような軸方向温度プロファイルは、加熱ゾーンの入口において壁材料の軟化点を20Kより大きく上回る温度、及び加熱ゾーンの出口において壁の軟化点を少なくとも10K下回る温度を有する。
【0289】
ステップb)の熱処理は、微粒子の内部の空洞/複数の空洞に捕捉された活性剤を含有する微粒子、特に球状微粒子をもたらす。ステップb)が実行される前に微粒子中に存在した孔は、効率的に閉口される、すなわち、ステップb)が実行された後も依然として存在する孔の平均数は、ステップa)に供された未充填微粒子中に存在する孔の数の20%未満、特に10%未満である。同様に、微粒子の表面中の孔の開口の平均面積は、ステップa)に供された未充填微粒子の表面中の孔の開口の平均面積の少なくとも60%、特に少なくとも80%効率的に低減される。
【0290】
ステップb)が実行された後の微粒子中の活性剤の量は、通常、ステップb)が実行される前の微粒子中の活性剤の量の少なくとも50%、特に少なくとも80%である。ステップb)後の微粒子中の活性剤の量は、通常、ステップb)で得られる微粒子の全重量に対して2~70重量%の範囲内、特に4~55重量%の範囲内である。
【0291】
ステップb)は粒子サイズ分布を大きく変化させないため、ステップb)の熱処理から得ることができる微粒子は、ステップa)で利用される未充填微粒子のものと同様の粒子サイズ(すなわち、D[4,3]、D[3,2]、D[v,0.1]、D[v,0.5]及びD[v,0.9]の値)を有する。典型的に、ステップb)から得ることができる微粒子は、5~600μmの範囲内、特に7~500μmの範囲内、とりわけ10~400μmの範囲内の平均粒子径D[4,3]を有する。典型的に、ステップb)から得ることができる微粒子の粒子サイズ分布のD[v,0.9]値は、1200μm、特に900μm、とりわけ700μmを超えない。典型的に、ステップb)から得ることができる微粒子の粒子サイズ分布のD[v,0.1]値は、少なくとも1μm、特に少なくとも2μm、とりわけ少なくとも5μmである。典型的に、ステップb)から得ることができる微粒子の粒子サイズ分布のD[v,0.5]値は、3~500μmの範囲内、特に4~300μmの範囲内、とりわけ8~300μmの範囲内である。典型的に、ステップb)から得ることができる微粒子は、2.5~400μmの範囲内、特に3.5~250μmの範囲内、とりわけ5~200μmの範囲内のD[3,2]値を有する。
【0292】
本発明は、本発明の方法によって得ることができる少なくとも一種の活性剤が充填された微粒子の組成物をさらに提供する。本発明の組成物は、好ましくは活性剤が充填された微粒子、すなわち溶媒以外の組成物の構成成分の全重量に対して2重量%~70重量%、特に5重量%~60重量%の全量の活性剤を含む。微粒子の構成成分、すなわち溶媒以外の組成物の構成成分は、本質的に、活性剤、及び壁材料を形成するポリマー、並びに微粒子の製造又は微粒子の充填に使用され、除去されない任意の補助物質である。本発明の組成物は、サスペンション又は粉末のいずれかの形態であってもよく、粉末が好ましい。
【0293】
本発明は、本発明の組成物を含む製品をさらに提供する。本発明の組成物を、製品の全重量に対して0.01重量%~80重量%の重量割合で含む製品が好ましい。
【0294】
製品の性質は、活性剤の性質によって必然的に導かれ、典型的にアロマを含む製品、例えば香水、洗浄製品、清浄製品、化粧品、パーソナルケア製品、衛生物品、食品、食品サプリメント又はフレグランスディスペンサであってもよい。製品は代替的に、医薬品、作物保護製品又は建築材料に使用するための添加剤であってもよい。
【0295】
本発明は、前述の製品における本発明の組成物の使用をさらに提供する。香水、洗浄製品、清浄製品、化粧品、パーソナルケア製品、衛生物品、食品、食品サプリメント、フレグランスディスペンサ及びフレグランスから選択される製品における本発明の組成物の使用が好ましい。
【0296】
活性剤としてフレグランスを含む本発明の組成物は、賦香物品の製造において使用することができる。本発明の組成物の嗅覚特性、並びに物理特性及び非毒性は、言及した最終用途への格別の適合性を強調するものである。
【0297】
組成物の使用は、組成物のトップノートと関連して、例えば、ジヒドロローザン、ローズオキシド又はその他の易揮発性フレグランス、例えば、イソアミルアセタート、プレニルアセタート又はメチルヘプテノンを含む香水組成物において、特に有利であることが見出される。この場合、重要な需要の高いトップノートの放出を効果的に遅延させる。フレグランス又はアロマ組成物は、それに応じて、適したポイント(時点)で必要な量を計量添加される。上記のL-メントール、DL-メントール、L-メントン及びL-メンチルアセタートのミント組成物において、アロマ効果の他に、目標とする方法で、例えばチューインガム、菓子類、化粧品、及び、産業上の応用、例えば繊維製品(織物、textile)又は超吸収体において、冷却効果がさらに付与される。さらなる利点は、表面上において二次反応を示し得る反応性成分又は比較的不安定な成分、例えば、アルデヒド、エステル、ピラン/エーテルに対しても本発明の組成物が高い材料適合性を有することである。
【0298】
この肯定的な特性は、本発明の組成物が、香水製品、パーソナルケア製品、衛生物品、繊維製品用洗剤において、及び固体表面向けの洗浄製品において、特に好ましく使用されることの一因である。
【0299】
賦香物品は、例えば、香水製品、パーソナルケア製品、衛生物品、繊維製品用洗剤及び固体表面向けの洗浄製品から選択される。本発明の好ましい賦香物品は、以下の中からも選択される:
【0300】
香水抽出物、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、オーデソリッド、エクストレパルファム、液体形態、ゲル形態又は固体担体に適用される形態のエアフレッシュナー、エアロゾルスプレー、香気入り洗浄剤、及び香気入りオイルから選択される、香水製品;
【0301】
アフターシェーブ、プレシェーブ製品(pre-shave product)、スプラッシュコロン、固体及び液体石鹸、シャワージェル、シャンプー、ひげそり用石鹸、ひげそり用フォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧品用エマルション、例えば、スキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け防止クリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、タンニングクリーム及びローション、ヘアケア製品、例えば、ヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪用ローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、永久及び半永久毛髪着色剤、ヘアシェイピング組成物、例えば、コールドウェーブ及びヘアスムーシング組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション、脱臭剤及び発汗防止剤、例えば、脇の下スプレー、ロールオン(roll-on)、脱臭スティック、脱臭クリーム、装飾化粧品、例えば、アイシャドウ、マニキュア液、メーキャップ、リップスティック、マスカラ、歯磨き粉、デンタルフロスから選択される、パーソナルケア製品;
【0302】
キャンドル、ランプオイル、線香、噴射剤、サビ除去剤、賦香フレッシュニングワイプ、わきの下用パッド、乳児用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧用ワイプ、ポケットティッシュ、食洗機用消臭剤から選択される、衛生物品;
【0303】
酸性、アルカリ性及び中性の賦香洗浄製品、例えば、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、食器洗い用洗剤、浴室及びサニタリー用洗浄剤、スカーリングミルク(scouring milk)、固形及び液体トイレ洗浄剤、粉末及び泡カーペット洗浄剤、ワックス及び光沢剤、例えば、家具用光沢剤、床用ワックス、靴用クリーム、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用洗浄剤、ブレーキ用洗浄剤、パイプ用洗浄剤、水あか除去剤、グリル及びオーブン用洗浄剤、藻及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード洗浄剤から選択される、固体表面用洗浄製品;
【0304】
液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、例えば、漂白剤、浸漬剤及びしみ取り剤、布地用柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤から選択される繊維製品用洗剤。
【0305】
さらなる態様において、本発明の組成物は、界面活性剤含有賦香物品において使用するのに適している。これは、ローズトップノート及び顕著なナチュラルさを有する着香剤及び/又は着香剤組成物が、とりわけ界面活性剤含有配合物、例えば、洗浄製品(特に、食器洗い用組成物及び万能洗浄剤)に賦香するために、求められることが多いからである。
【0306】
さらなる態様において、本発明の組成物は、(a)毛髪又は(b)布地繊維にローズ様香りノートを付与するための製品として使用することができる。
【0307】
したがって、本発明の組成物は、界面活性剤含有賦香物品において使用するのに特によく適する。
【0308】
賦香物品が以下のうちの1つである場合、好ましい:
- 万能洗浄剤、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、食器洗い用洗剤、浴室及びサニタリー用洗浄剤、スカーリングミルク、固形及び液体トイレ洗浄剤、粉末及び泡カーペット洗浄剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、例えば、漂白剤、浸漬剤及びしみ取り剤、布地用柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤、消毒剤、表面消毒剤からなる群から特に選択される酸性、アルカリ性又は中性の洗浄製品、
- 液体形態、ゲル様形態、若しくは固体担体に適用される形態の、又はエアロゾルスプレーとしてのエアフレッシュナー、
- 家具用光沢剤、床用ワックス及び靴用クリームからなる群から特に選択されるワックス又は光沢剤、あるいは、
- シャワージェル及びシャンプー、ひげそり用石鹸、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧用エマルション、例えば、スキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け防止クリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、タンニングクリーム及びローションなど、ヘアケア製品、例えば、ヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪用ローション、ヘアコンディショナー、永久及び半永久毛髪着色剤、ヘアシェイピング組成物、例えば、コールドウェーブ及びヘアスムーシング組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローションなど、脱臭剤及び発汗防止剤、例えば、脇の下スプレー、ロールオン、脱臭スティック、脱臭クリームなど、装飾化粧品からなる群から特に選択される、パーソナルケア製品。
【0309】
本発明により使用される着香剤又は本発明の着香剤組成物と組み合わせ得る慣用的な成分は一般に公知であり、例えば国際公開第2016/050836号に記載され、その教示は参照によりここに明示的に組み込まれる。
【0310】
同様に、本発明の組成物の、活性剤、例えば作物保護剤及び医薬剤の制御された放出のための使用が好ましい。
【実施例
【0311】
材料
別段述べられない限り、以下の材料及び成分を使用した:
- ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT):Ecoflex(商標)FS Blend A1300、融点100~140℃の範囲内、ガラス転移温度-33℃(BASF SE)、VST/A50=91℃;
- 非晶質ポリ乳酸(PLA-a):ガラス転移温度55~60℃、VST/A50=56℃;
- 結晶性ポリ乳酸(PLA-a):融点150℃(BASF SE)、VST/A50=56℃;
- ポリビニルアルコール:加水分解度88mol%、20℃で4重量%の水溶液の粘度25mPas、及びカルボキシル基の割合3mol%;
- アロマケミカル組成物:2.3重量%のL-イソプレゴール、3.1重量%のL-メンチルアセタート、36.4重量%のL-メントン及び58.2重量%のL-メントールからなるミントアロマであり、25℃及び1barで以下の蒸発速度によって特徴付けられる:
【0312】
【表1】
【0313】
方法
光散乱(レーザー回折)による水性サスペンション/エマルション中の平均粒子径の測定
w/o/wエマルション又は粒子サスペンションの粒子径をMalvern Instruments(イギリス)製Malvern Mastersizer 2000、サンプル分散ユニットHydro 2000Sを用いて、文献中に記録された標準の試験方法によって測定した。D[4,3]の値は、体積加重平均(volume-weighted average)である。
【0314】
固体の平均粒子径の測定
微粒子の粒子サイズ分布を、粉末供給ユニットScirocco 2000を含むMalvern Instruments(イギリス)製Malvern Mastersizer 2000を用いて、文献中に記録された標準の試験方法により、粉末として測定した。D[4,3]の値は、体積加重平均である。
【0315】
融点の測定:融解温度は、10K/分の加熱速度を適用し、開放るつぼ中でDIN EN ISO 11357-3:2018-07による動的示差熱量測定(DSC)を用いて測定した。
【0316】
ガラス転移温度の測定:ガラス転移温度は、10K/分の加熱速度を適用し、開放るつぼ中でDIN EN ISO 11357-1:2017-02による動的示差熱量測定(DSC)を用いて測定した。
【0317】
VST/A50の測定:ビカット軟化温度は、DIN EN ISO 306:2014-03のプロトコールに従い、50℃/時の加熱速度及び10Nの力を用いて測定した。
【0318】
走査型電子顕微鏡:微粒子のプローブからクローズアップ画像を撮り、Phenom製ProSuite(FibreMetric)ソフトウェアを使用し、これらを遡及的に自動的に測定した。
【0319】
孔径の測定:
孔径は、上述のように走査型電子顕微鏡を用いて測定した。選択した粒子の領域の孔をコントラストの差を使用して特定し、その表面を自動的に測定した。表面を円形状と仮定し、各表面の直径を計算した(サンプルサイズ:孔100個)。
【0320】
評価の文脈では、孔径が少なくとも20nmである孔のみを考慮した。粒子サイズに応じて、より大きい粒子は1600~2400倍の倍率で、より小さい粒子は8000倍までの倍率で撮像した。
【0321】
少なくとも10個の孔のサイズを測定するために、粒子径が微粒子の組成物の平均粒子径と20%超異ならない微粒子のみを考慮した。
【0322】
微粒子の全表面積に基づく孔数を評価するために、以下の仮定をした:微粒子は球状粒子であるため、像は粒子表面の半分しか示さない。微粒子の像が、直径が少なくとも20nmであり、且つ直径が平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内である孔を少なくとも5個示す場合、全表面は少なくとも10個の孔を備える。
【0323】
以下の手順に従って評価を行った:
1.微粒子の平均粒子径D[4,3]は、光散乱を使用して微粒子分散液において既に測定されていた。孔を測定するために考慮される微粒子の粒子径の上下限(±20%)がこれにより計算可能である。
2.微粒子分散液を乾燥させた。
3.走査型電子顕微鏡を用いて、サンプルから多数の微粒子を示す像を各場合において20枚撮像した。
4.粒子径が微粒子の平均粒子径の±20%の範囲内である20個の微粒子を選択した。これにより、それらの粒子径をPhenom製ProSuite(FibreMetric)ソフトウェアを用いて測定した。
5.これら20個の微粒子のそれぞれの孔を測定した。この目的のために、目に見える孔の表面積を自動的に測定し、その直径を計算した。
6.孔径の個別の値を、直径が平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内であり、少なくとも20nmであるという条件に適合するかどうかについてチェックした。
7.この条件に適合する孔の数を測定し、2倍した。
8.少なくとも16個の微粒子が、平均少なくとも10個の孔を有するかどうかを検証した。
【0324】
製造例1:充填可能な球状微粒子の製造
充填可能な球状微粒子を、国際公開第2018/065481号の実施例8と同様に製造した。使用されたマトリクス形成ポリマーは、70重量%のポリブチレンセバカートテレフタラートと30重量%の非晶質ポリ乳酸(PLA-a)とのポリマーブレンド(PBSeT、BASF SEの製品Ecoflex(商標)FS Blend A1300)であった。このブレンドは、約58.5℃のビカット軟化温度VST/A50を有する。手順は、以下の通りであった:
【0325】
孔形成剤の溶液:0.54kgの炭酸アンモニウムを53.5kgの水に溶解した(孔形成剤)。
【0326】
脂肪族-芳香族ポリエステルの溶液:15.1kgのPBSeT及び6.5kgのPLAを270.0kgのジクロロメタンに撹拌しながら加え、撹拌しながら25℃で溶解させた。
【0327】
孔形成剤の溶液を脂肪族-芳香族ポリエステルの溶液中でツインレベルクロスビームスターラーを用いて170rpmにて15分間乳化することにより、w/oエマルションを製造した。
【0328】
このように得られたw/oエマルションを、423kgの0.8重量%のポリビニルアルコール水溶液中に移し、同様にせん断及びエネルギー投入(インペラスターラーを用いて120rpmにて1分間)により乳化した。
【0329】
次に、このように製造されたw/o/wエマルションの、インペラスターラーを用いた撹拌を、120rpmで継続し、その間、圧力を800mbarに低下させ、ジャケット温度を40℃に徐々に上昇させ、この温度に4時間保った。その後、微粒子サスペンションを室温に冷却し、濾過し、37℃で乾燥した。
【0330】
水性サスペンションから測定された平均粒子径D[v,0.5]は、270μmであった。DIN EN ISO 60:1999によってバルク密度を実行し、0.15g/cmであった。孔サイズは5.6μmであり、水銀ポロシメトリーを用いて測定した。目視による評価を上述の通り行い、210~325μmのサイズ範囲内にある微粒子のそれぞれがそれらの表面に10個より多くの孔を有し、孔の直径は0.1~50μmの範囲内であったことが示された。
【0331】
製造例2:充填可能な球状微粒子の製造
微粒子を製造例1のプロトコールに従って調製し、ここで非晶質ポリ乳酸(PLA-a)を、同量の結晶性ポリ乳酸(PLA-c)で完全に置き換えた。このブレンドは、約57.2℃のビカット軟化温度VST/A50を有する。
【0332】
微粒子の水性サスペンションから測定された平均粒子径D[v,0.5]は、160μmであった。DIN EN ISO 60:1999によってバルク密度を実行し、0.15g/cmであった。孔サイズは5.0μmであり、水銀ポロシメトリーを用いて測定した。目視による評価を上述の通り行い、125~195μmのサイズ範囲内にある微粒子のそれぞれがそれらの表面に10個より多くの孔を有し、孔の直径は0.1~30μmの範囲内であったことが示された。
【0333】
製造例3:アロマケミカルの微粒子への充填
以下のプロトコールに従い、製造例2の微粒子にアロマケミカル組成物を充填した。
【0334】
製造例2の微粒子4.0gを、撹拌子を備えたプラスチックビーカーに入れた。アロマケミカル組成物8.0gを、23℃で10分間撹拌しながら微粒子上に滴下し、充填微粒子MP1を得た。付着した液体をティッシュで除去し、得られた微粒子を秤量した。このように得られた微粒子は、アロマケミカルの約60重量%を含有した。
【0335】
実施例1a、1b、2a及び2b:
加熱ゾーンは、長さ3000mm及び内径55mmの縦置式鋼管であり、これを電気加熱ジャケットを用いて2000mmの長さにわたって加熱した。管の内部の温度(内部温度)を所望の温度に設定し、温度センサによって制御した。管の下側開口を固体分離器に連結し、固体分離器は冷水が充填され、水表面の真上に出口を有するフラスコであり、これを真空ポンプに連結した。固体分離器にわずかな真空を印加することにより、管を通して空気の流れを下向きに吸引した。流速は約30cm/秒であった。漏斗を用い、製造例1及び2の微粒子それぞれ5gを管の上側開口に供給した。この手順によって自由流動性粉末を得た。内部温度250℃での熱処理に供された微粒子は、数個の開放孔しか示さなかった(それぞれ実施例1a及び2a)。内部温度300℃で、孔が完全に閉じた。顕著な凝集は観察されなかった(実施例1b及び2b)。
【0336】
実施例3:
製造例3の微粒子を、200℃(実施例3a)及び220℃(実施例3b)の温度で、実施例1及び2のプロトコールに従って熱処理に供した。内部温度220℃で、粒子の孔の少なくとも80%が閉じた。わずかな凝集しか観察されなかった。
【0337】
製造例3、実施例3a及び実施例3bからの微粒子組成物を、25℃及び50%の相対空気湿度で、環境制御されたキャビネット中で一緒に保管した。サンプルの重量の減少により、アロマケミカル混合物の質量の減少を測定した。結果を表1に要約する。
【0338】
【表2】
図1a
図1b
図1c
図2
【国際調査報告】