(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】フォトレジスト乾式蒸着のための装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20220906BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20220906BHJP
G03F 7/16 20060101ALI20220906BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H01L21/30 564Z
G03F7/26 521
G03F7/16 501
C23C16/455
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576792
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020038968
(87)【国際公開番号】W WO2020263750
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーニー・ブッチ
(72)【発明者】
【氏名】ショエップ・アラン・エム.
(72)【発明者】
【氏名】ワイドマン・ティモシー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】グ・ケヴィン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ナルディ・ケイティ・リン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォロスキー・ボリス
(72)【発明者】
【氏名】トマス・クリント・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ニコルソン・サド
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
4K030
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA13
2H196CA17
2H196EA07
2H196GA37
2H225AB03
2H225AP08P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CD14
4K030AA11
4K030AA14
4K030BA04
4K030BA15
4K030BA16
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030EA06
4K030FA01
4K030FA10
4K030GA02
4K030HA01
4K030JA10
4K030KA25
4K030KA41
4K030LA15
5F146JA20
(57)【要約】
【解決手段】極紫外線感光性(EUV感光性)フォトレジスト層の乾式蒸着のためのシステムおよび技術が開示されている。いくつかのかかるシステムにおいて、気化した有機金属前駆体を1つのプレナムに受け入れ、その前駆体の気化した反応相手を別のプレナムに受け入れるよう構成されたマルチプレナムシャワーヘッドを特徴とする処理チャンバが提供されてよい。2つの気化した反応物は、処理チャンバ内で、基板を支持するウエハ支持体の上の反応空間に供給されてよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジスト膜を提供するための装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置されたウエハ支持体と、
前記ウエハ支持体の上方に配置され、中を流れるガスを前記ウエハ支持体にわたって分配するよう構成されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、前記ウエハ支持体と前記シャワーヘッドとの間の反応空間につながる複数の第1ガス分配ポートに流体接続された第1プレナムを備える、シャワーヘッドと、
全体として、1または複数のバルブを有する1または複数のバルブマニホルドと、
1または複数のプロセッサと、1または複数のメモリデバイスとを有するコントローラと、
を備え、
前記1または複数のプロセッサおよび前記1または複数のメモリデバイスは、動作可能に接続されており、
前記1または複数のメモリデバイスは、
a)前記シャワーヘッドの前記第1プレナムを通し、前記第1ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第1バルブを作動させ、
b)前記シャワーヘッドの前記第2プレナムを通し、前記第2ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第2バルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記フォトレジスト膜は、極紫外線フォトレジスト膜である、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1有機金属前駆体は、化学式M
aR
bL
cを有し、ここで、Mは、高EUV吸収断面積を有する金属であり、Rは、アルキルであり、Lは、前記第1反応相手と反応するリガンド、イオン、または、その他の部分であり、a、b、および、cは各々、1以上であり、
前記第1反応相手は、前記第1有機金属前駆体の2以上の金属原子を化学結合で結合させるように、前記第1有機金属前駆体と反応する、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記第1有機金属前駆体の前記金属は、1・10
7cm
2/mol以上のEUV吸収断面積吸収断面積を有する、装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置であって、前記第1有機金属前駆体は、スズ、ビスマス、アンチモン、および、テルル、からなる群より選択された金属を含む、装置。
【請求項6】
請求項3に記載の装置であって、さらに、
前記第1バルブに流体接続された第1気化器と、
前記第1気化器内に配置された或る量の前記第1有機金属前駆体と、
を備える、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、さらに、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記反応相手と、
を備え、
前記第1反応相手は、水、過酸化物、二価アルコール、多価アルコール、フッ素化二価アルコール、フッ素化多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、1または複数のヒドロキシル部分を含む物質、からなる群より選択された物質を含む、装置。
【請求項8】
請求項3に記載の装置であって、前記第1反応相手は、水、過酸化物、二価アルコール、多価アルコール、フッ素化二価アルコール、フッ素化多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、1または複数のヒドロキシル部分を含む物質、からなる群より選択された物質を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、さらに、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記反応相手と、
を備える、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)を同時に実行するように前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、1または複数サイクルの(a)および(b)について(a)および(b)を交互に実行するように前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
c)前記シャワーヘッドの前記第1プレナムを通し、前記第1ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第2有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第3バルブを作動させ、
d)前記シャワーヘッドの前記第2プレナムを通し、前記第2ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第第4バルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納しており、
前記第1有機金属前駆体および前記第2有機金属前駆体は異なっている、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、さらに、
前記第1バルブに流体接続された第1気化器と、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第3バルブに流体接続された第3気化器と、
前記第2バルブに流体接続された第4気化器と、
前記第1気化器内に配置された或る量の前記第1有機金属前駆体と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記第1反応相手と、
前記第3気化器内に配置された或る量の前記第2有機金属前駆体と、
前記第4気化器内に配置された或る量の前記第2反応相手と、
を備える、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
e)前記ウエハ支持体によって支持されている基板上に第1サブ層を形成するために、(a)および(b)を実行し、
f)前記第1サブ層の上部に第2サブ層を形成するために、(e)の後に、(c)および(d)を実行するよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納しており、
前記第1サブ層は、第1EUV吸収断面積を有する第1金属酸化物であり、
前記第2サブ層は、第2EUV吸収断面積を有する第2金属酸化物であり、
前記第2EUV吸収断面積は、前記第1EUV吸収断面積よりも小さい、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
e)前記ウエハ支持体によって支持されている基板上に第1サブ層を形成するために、複数回、交互に、(a)および(b)を実行し、
f)前記第1サブ層の上部に第2サブ層を形成するために、(e)の後に、(c)および(d)を同時に実行するよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記シャワーヘッドを加熱するための第1ヒータシステムと、
前記処理チャンバを加熱するための第2ヒータシステムと、
前記ウエハ支持体の一部であり、第3ヒータシステムを内部に埋め込まれている上部プレートと、
を備え、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、前記処理チャンバの内壁表面が(a)および(b)の間に前記上部プレートの平均温度よりも少なくとも95℃高くなるように、前記第1ヒータシステム、前記第2ヒータシステム、および、前記第3ヒータシステムを制御するよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)の間に、前記処理チャンバの内壁表面が少なくとも95℃になり、前記上部プレートの平均温度が100℃以下になるように、前記第1ヒータシステム、前記第2ヒータシステム、および、前記第3ヒータシステムを制御するよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、
前記上部プレートは、その上面に、ウエハ支持領域から突出した複数のメサを備え、
前記メサは、それらの上に配置された基板を、前記上面と前記基板との間に背面ギャップが存在するように、支持するよう構成され、
前記ウエハ支持体は、前記上面と流体接続された複数のガスポートを前記ウエハ支持領域内に備え、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)の間に背面冷却ガスを前記ガスポートを通して方向付けるよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項19】
請求項16に記載の装置であって、
前記第3ヒータシステムは、複数の同心ゾーンを備え、
各ゾーンは、その中に配置された1または複数の抵抗ヒータトレースを有し、
各ゾーンの前記1または複数の抵抗ヒータトレースは、前記コントローラによって独立制御可能であるように構成されている、装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記処理チャンバに流体接続された真空フォアラインであって、前記ウエハ支持体が、前記真空フォアラインと前記シャワーヘッドとの間に流体的に挿入されている、真空フォアラインと、
第1バイパスラインと、
第2バイパスラインと、
を備え、
前記第1バイパスラインは、前記真空フォアラインと、前記1または複数のバルブの内の第1バイパスバルブと、に流体接続され、
前記第2バイパスラインは、前記真空フォアラインと、前記1または複数のバルブの内の第2バイパスバルブと、に流体接続され、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
(a)を実行する前に、前記第1バイパスラインを通して前記真空フォアラインへ前記第1有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブを作動させ、
(b)を実行する前に、前記第2バイパスラインを通して前記真空フォアラインへ前記第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
PCT要求フォームが、本願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されるPCT要求フォームで特定されるように本願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によって本明細書にそれらの全体が全ての目的で組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、半導体処理の分野に関する。特定の態様において、本開示は、例えば、EUVまたはその他の波長でのパターニングにおける利用に適したパターニングマスクを形成するための、EUVフォトレジスト(例えば、EUV感光性の金属フォトレジストおよび/または金属酸化物含有フォトレジスト)の乾式蒸着用のハードウエアを対象としたものである。以下の議論では、EUVフォトレジストに重点を置く場合があるが、本明細書で論じるフォトレジストは、その他の波長の放射線での利用にも適しうることは明らかであり、本明細書で論じる技術および装置は、EUVフォトレジスト製造のみに限定されない。
【0003】
本明細書では、本開示の具体的な実施形態を詳細に参照する。具体的な実施形態の例が、添付の図面に図示されている。本開示は、これらの具体的な実施形態に関連して記載されているが、かかる具体的な実施形態に本開示を限定する意図はないことを理解されたい。逆に、本開示の精神および範囲内に含まれうる代替物、変形物、および、等価物を網羅することを意図している。以下の説明では、本開示の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。本開示は、これらの具体的な詳細事項の一部またはすべてがなくとも実施可能である。また、本開示が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略した。
【0004】
半導体処理における薄膜のパターニングは、しばしば、半導体製造時の重要な工程である。パターニングは、リソグラフィを含む。従来のフォトリソグラフィ(193nmリソグラフィなど)では、光子源からマスク上に光子を放射して感光性のフォトレジスト上にパターンをプリントすることによってパターンがプリントされ、それにより、現像後にフォトレジストの特定の部分を除去してパターンを形成する化学反応をフォトレジストにおいて引き起こす。
【0005】
(国際半導体技術ロードマップによって規定された)先進技術ノードは、22nm、16nm、および、それを超えるノードを含む。例えば、16nmノードでは、ダマシン構造における典型的なビアまたはラインの幅が、通例は、約30nm以下である。先進的な半導体集積回路(IC)およびその他のデバイスにおけるフィーチャのスケーリングが、リソグラフィの分解能の改善を促している。
【0006】
極紫外線(EUV)リソグラフィは、従来のフォトリソグラフィ方法で達成できるよりも短い結像源波長へ移行することによってリソグラフィ技術を拡張できる。約10~20nmまたは11~14nm波長(例えば、13.5nm波長)のEUV光源は、124nm~10nmの極紫外線スペクトルの下端にあり、最先端のリソグラフィツール(スキャナとも呼ばれる)に利用可能である。EUV放射線は、石英および水蒸気を含む幅広い固体および流体の材料に強く吸収されるため、真空で印加される。
【発明の概要】
【0007】
添付の図面および以下の説明において、本明細書に記載された主題の1または複数の実施例の詳細について説明する。他の特徴、態様、および、利点については、説明、図面、および、特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
後述の説明において、以下の図面が参照されるが、図面は、範囲の限定を意図されておらず、単に、後述の説明を容易にするために提供されている。
【0009】
【
図1】EUV感光性フォトレジスト層を生成するための乾式蒸着装置の例を示す概略断面図。
【0010】
【
図2】上部プレート、基板、および、エッジリングの一部を示す詳細な平面断面図。
【0011】
【
図3】乾式蒸着処理を含む処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
EUVリソグラフィは、下層のエッチングに利用するマスクを形成するためにパターニングされたEUVレジストを利用する。EUVレジストは、液体ベースのスピンオン技術によって生成されたポリマ系の化学増幅レジスト(CAR)であってよい。CARに対する代替物は、直接的にフォトパターニングできる金属酸化物含有膜(オレゴン州コーバリスのInpria社製のものなど)であり、例えば、米国特許公開第2017/0102612号、米国特許公開第2016/021660号、および、米国特許公開第2016/0116839号に記載されており、これらは、少なくともフォトパターニング可能な金属酸化物含有膜に関するそれらの開示について、参照によって本明細書に組み込まれる。かかる膜は、スピンオン技術によって形成されるか、または、乾式蒸着されてよい。
【0013】
スピンオン技術は、「湿式」膜形成技術の一形態であり、非常に均一な厚さの膜を生成するために、ターンテーブル上に平坦な基板を配置し、或る量の液体膜成分を基板の中心に置いた後に、一般に高速で(例えば、20~80回転毎秒で30~60秒間)基板を回転させることを含む。ディップコーティングは、別のタイプの湿式膜形成技術であり、その技術において、基板は、その主面が垂直方向と平行になるように方向付けられ、次いで、液体膜成分の槽に浸漬された後に、引き出される。しかしながら、液体成分の利用により、「湿式」膜形成技術は、非平坦な基板(例えば、露出した上面にエッチングされた既存のフィーチャパターンを有する基板のコーティングにはうまく適合しない場合がある。例えば、基板が平坦でない場合、例えば、コーティングされる表面にパターニングされた既存のフィーチャを有する場合、液体成分は、それらのフィーチャを満たして、基板のフィーチャ無しの部分と、基板のフィーチャ有りの部分との間で異なる膜厚を生み出す傾向がある(蒸着膜の最上面は、名目上は平坦かつ均一でありうるが、蒸着膜の深さは、下層にあるフィーチャの存在によって変化しうる)。
【0014】
乾式蒸着技術(蒸着技術とも呼ばれる)およびその他の同様な技術は、対照的に、膜成分を気相反応物として基板に供給し、そこで、反応物は、基板の露出面上で略共形で均一な厚さの層に凝結または吸着する。結果として、蒸着膜層の厚さは、基板のフィーチャ有り領域であるかまたはフィーチャ無し領域であるかに関わらず、一般に、基板にわたって均一なままでありうる。かかる蒸着技術は、一部の場合において、標的基板上に膜成分の凝結があったとしても、「湿式」技術とは見なされないことを理解されたい。本明細書に論じるような乾式蒸着処理の別の重要な利点は、かかる処理が、様々な異なる温度および圧力の環境で実行されてよく、しばしば、準大気条件で実行されることである。これにより、所与のフォトレジスト膜を生成するのに用いられる反応物の量が、湿式蒸着処理を用いて等価の膜を生成するのに必要とされるよりも、はるかに少なくて済む。したがって、湿式蒸着技術を用いて等価の膜を提供するよりも、かかる膜を提供する方が材料コストが削減される。また、乾式蒸着処理は、フォトレジスト層を塗布した後に基板を乾燥する必要がほとんどまたは全くないことから、生産された基板がより高速で後続の処理段階に向けて準備されうるので、スループット損失が小さくなる。
【0015】
金属酸化物含有膜は、例えば、2018年6月12日発行の米国特許第9,996,004号「EUV PHOTOPATTERNING OF VAPOR-DEPOSITED METAL OXIDE-CONTAINING HARDMASKS」、および/または、2019年5月9日出願の国際特許出願第PCT/US19/31618号「METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKS」に記載されているように、真空雰囲気内でEUV露光によって直接的に(すなわち、別個のフォトレジストを利用することなしに)パターニングされて、30nm未満のパターニング分解能を提供することが可能であり、少なくとも、EUVレジストマスクを形成するための直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成、蒸着、および、パターニングに関するそれらの開示が、参照によって本明細書に組み込まれる。一般に、パターニングは、レジストにフォトパターンを形成するためにEUV放射線でEUVレジストを露光した後に、フォトパターンに従ってレジストの一部を除去してマスクを形成するために現像することを含む。次いで、マスクは、後続の処理動作(例えば、エッチング処理)で利用されうる。
【0016】
直接フォトパターニング可能なEUVレジストが、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成され、または、それらを含んでよい。金属/金属酸化物含有材料は、EUV光子吸着を促進し、二次電子を発生させ、および/または、下層の膜スタックおよびデバイス層に対する高いエッチング選択比を示しうる点で、非常に有望である。
【0017】
EUV感光性の金属または金属酸化物含有膜は、基板上に乾式蒸着されてよい。本開示に従った適切な組成、材料、および、乾式蒸着処理動作のいくつかの特徴が、2019年5月9日出願の国際特許出願第PCT/US19/31618号に記載されており、その出願は、本開示に適用可能なこれらの方法および材料の開示について、参照によって本明細書に組み込まれる。かかる方法は、重合された有機金属材料が蒸気中で生成されて基板上に蒸着される方法を含む。特に、半導体基板の表面上にEUVパターニング可能な薄膜を形成するための方法は、重合有機金属材料を形成するために有機金属前駆体の蒸気流を反応相手(counter-reactant)の蒸気流と混合する工程と、半導体基板の表面上に有機金属ポリマ様材料を蒸着させる工程と、を備えてよい。いくつかの実施形態において、2以上の有機金属前駆体が、蒸気流に含まれる。いくつかの実施形態において、2以上の反応相手が蒸気流に含まれる。いくつかの実施形態において、混合動作および蒸着動作は、連続的な化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)処理、または、CVD要素を備えたALD(金属前駆体および反応相手が時間的または時間かつ空間的に分離される不連続なALD様処理など)で実行され、例えば、いくつかのALDタイプの処理では、1または複数の有機金属前駆体が、基板上に流されてよく、次いで、基板は、別の処理ステーションまたは別の処理チャンバに移動されてよく、そこで、1または複数の反応相手が基板上に流されてよい。本明細書で単に「反応物」と言及する場合、有機金属前駆体および反応相手の両方を指すことを意図しており、例えば、「反応物の同時流」とは、有機金属前駆体および反応相手の同時流のことであることが理解される。
【0018】
蒸着後、EUVパターニング可能な薄膜は、典型的には比較的高い真空下で、ウエハ上にパターニングされるフィーチャを有する光学マスクを通されたEUV光のビームへ、薄膜を有するウエハを露光させた後に、真空からウエハを取り出し、任意選択的に、周囲空気中で露光後ベークを実行することによって、パターニングされる。露光は、膜が、EUV光に露光されていない1または複数の非露光領域を含むように、1または複数の露光領域をもたらす。コーティングされた基板のさらなる処理は、露光領域および非露光領域の化学的および物理的差異を利用してよい。
【0019】
基板は、フォトリソグラフィ処理に適した(特に、集積回路およびその他の半導体ベースのデバイスの製造に対して適した)任意の材料構成を含んでよい。いくつかの実施形態において、かかる基板は、シリコンウエハであってよい。フィーチャ(「下層のフィーチャ」)が形成された基板は、不規則な表面トポグラフィを有しうる(本明細書で言及されているように、「表面」は、処理中に本開示の膜が蒸着される表面またはEUVに露光される表面である)。かかる下層のフィーチャは、本開示の方法を実施する前に、処理中に材料が(例えば、エッチングによって)除去された領域または材料が(例えば、蒸着によって)追加された領域を含みうる。かかる前処理は、2以上のフィーチャ層が基板上に形成される反復プロセスに、本開示の方法またはその他の処理方法を含んでよい。
【0020】
上述のように、EUV感光性の薄膜が、マスク層を形成するために基板上に蒸着されてよい。かかるEUV感光性の膜は、後続のEUVリソグラフィおよび処理のためのレジストとして動作可能でありえ、EUVに露光されると、低密度のM-OHリッチ材料内で金属原子に結合したかさ高いペンダント置換基の喪失などの変化を受けて、より密度の高いM-O-M結合した金属酸化物材料への架橋が可能になる材料を含んでよく、ここで、Mは、高EUV吸収断面積を有する金属である。EUVパターニングにより、露光されていない領域と比較して物理的特性または化学的特性が変化した膜の領域が形成される。これらの特性は、非露光領域または露光領域のいずれかを溶解するため、もしくは、露光領域または非露光領域のいずれかに材料を選択的に蒸着させるためなど、後続の処理で利用されうる。いくつかの実施形態において、非露光膜は、かかる後続の処理が実行される条件下で、露光膜よりも疎水性の表面を有する。例えば、材料の除去は、膜の化学組成、密度、および、架橋結合の差を利用して実行されてよい。除去は、後にさらに説明するように、湿式処理または乾式処理による除去であってよい。
【0021】
薄膜は、様々な実施形態において、有機金属材料(例えば、SnOxを含む有機スズ材料)またはその他の金属酸化物材料/部分である。有機金属化合物は、有機金属前駆体と反応相手との気相反応で形成されてよい。様々な実施形態において、有機金属化合物は、かさ高いアルキル基またはフルオロアルキルを有する有機金属前駆体と反応相手との特定の組みあわせを混合し、気相の混合物を重合させて、基板上に蒸着する低密度かつEUV感光性の材料を生成することによって、形成される。
【0022】
様々な実施形態において、有機金属前駆体は、気相反応後に残りうる少なくとも1つのアルキル基を各金属原子上に含みうるが、金属原子に配位された他の配位子またはイオンが、反応相手によって置換されうる。有機金属前駆体は、化学式MaRbLcのものを含み、ここで、Mは、高EUV吸収断面積を有する金属であり、Rは、CnH2n+1などのアルキルであり、好ましくはn≧3であり、Lは、反応相手と反応するリガンド、イオン、または、その他の部分であり、a≧1、b≧1、c≧1である。
【0023】
様々な実施形態において、Mは、1・107cm2/mol以上の原子吸収断面積を有する。Mは、例えば、スズ、ビスマス、アンチモン、テルル、または、それらの2以上の組みあわせなどの材料であってよい。いくつかの実施形態において、Mはスズである。Rは、フッ素化されてよく、例えば、化学式CnFxH2n+1を有する。様々な実施形態において、Rは、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を有する。例えば、Rは、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、または、それらの2以上の混合物、であってよい。Lは、アミン(ジアルキルアミノまたはモノアルキルアミノ基など)、アルコキシ基、カルボキシレート、ハロゲン、もしくは、それらの2以上の混合物である部分など、M-OH部分を生成するために、反応相手によって容易に置換される任意の部分であってよい。
【0024】
有機金属前駆体は、様々な有機金属前駆体候補の内のいずれであってもよい。例えば、Mがスズである場合、かかる前駆体は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、および、類似のアルキル(トリス)(t-ブトキシ)スズ化合物(t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズなど)、を含む。いくつかの実施形態において、有機金属前駆体は、部分的にフッ素化されていてもよい。
【0025】
反応相手は、少なくとも2つの金属原子を化学結合で結合させるために、反応性のある部分、配位子、または、イオン(例えば、上記の化学式1の中のL)と置き換わることができるように選択されてよい。反応相手は、水、過酸化物(例えば、過酸化水素)、二価アルコールまたは多価アルコール、フッ素化二価アルコールまたは多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、その他のヒドロキシル部分の供給源、を含みうる。様々な実施形態において、反応相手は、隣接する金属原子の間に酸素架橋を形成することによって、有機金属前駆体と反応する。その他の潜在的な反応相手は、硫化水素および二硫化水素を含み、それらは、硫黄架橋を介して金属原子を架橋できる。
【0026】
薄膜は、EUVに対する膜の感度を変更する、または、エッチング耐性を高めるなどの目的で、膜の化学的特性または物理的特性を変えるために、有機金属前駆体および反応相手に加えて、任意選択的な材料を含んでもよい。かかる任意選択的な材料は、例えば、基板への膜の蒸着前、膜の蒸着後、または、その両方の気相形成時にドーピングすることによって、導入されてよい。いくつかの実施形態において、穏やかな遠隔H2プラズマが、いくつかのSn-L結合をSn-Hで置換するために導入されてよく、それにより、EUV下でのレジストの反応性を高めることができる。
【0027】
様々な実施形態において、EUVパターニング可能な膜は、当業者に周知の蒸着装置および処理を用いて、基板上に蒸着されてよい。かかる処理において、重合有機金属材料は、気相中で形成されてもよいし、基板の表面上でその場形成されてもよい。基板上にかかる重合有機金属材料を形成するのに適した処理は、例えば、化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)、もしくは、CVD要素を備えたALD(金属前駆体および反応相手が時間的または時間かつ空間的に分離される不連続なALD様処理など)を用いて、その材料を蒸着させる工程を備える。
【0028】
一般に、方法は、重合有機金属材料を形成するために、有機金属前駆体の蒸気流を反応相手の蒸気流と混合する工程と、その後に半導体基板の表面上に有機金属材料を蒸着させる工程と、を備えてよい。当業者によって理解されるように、その処理の混合および蒸着の側面は、実質的に連続的な処理において並列に実行されてよい。
【0029】
連続CVD処理の例において、有機金属前駆体および反応相手源の2以上のガス流が、別個の流入路で、CVD装置の蒸着チャンバに導入され、そこで、それらのガスは、気相内で混合および反応して、(例えば、金属-酸素-金属結合の形成によって)凝集したポリマ材料を形成しうる。ガス流は、例えば、別個の注入口を用いて、または、デュアルプレナムシャワーヘッドを介して、蒸着チャンバ内へ別個に導入されてよい。装置は、有機金属前駆体および反応相手の流れが蒸着チャンバ内で混合されるように構成されてよく、それにより、有機金属前駆体および反応相手が反応して重合有機金属材料を形成することを可能にする。本技術の機序、機能、または、有用性を限定することなく、かかる気相反応による生成物は、金属原子が、反応相手によってクロスリンクされた後に、基板上に凝結または他の方法で蒸着されるので、分子量が大きくなると考えられる。様々な実施形態において、かさ高いアルキル基の立体障害が、高密度に詰まったネットワークの形成を阻害し、多孔質かつ低密度の膜を生成する。
【0030】
CVD処理は、一般に、10mTorr~10Torrなどの減圧で実行される。いくつかの実施形態において、処理は、0.5~2Torrで実行される。基板の温度は、好ましくは、反応物流の温度以下に維持されてよい。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または、周囲温度(例えば、23℃)~150℃、であってよい。様々な処理において、基板上への重合有機金属材料の蒸着は、表面温度に反比例する速度で起きうる。
【0031】
基板の表面上に形成されるEUVパターニング可能な膜の厚さは、表面の特徴、利用されている材料、蒸着期間、および、処理条件に従って変わりうる。様々な実施形態において、膜の厚さは、0.5nm~100nmの範囲であってよく、レジスト膜の全吸収率は、レジスト膜の底部のレジスト材料が十分に露光されるように、30%以下(例えば、10%以下または5%以下)であってよい。いくつかの実施形態において、膜の厚さは、10~20nmである。本開示の機序、機能、または、有用性を限定することなく、当該技術分野の湿式スピンコーティング処理とは異なり、本開示の処理は、基板の表面接着性への制限が少ないため、より多様な基板に適用可能であると考えられる。さらに、上述のように、蒸着された膜は、表面フィーチャに厳密に一致しうるため、かかるフィーチャを「埋める」こともその他の方法で平坦化することもなしに、基板(下にあるフィーチャを有する基板など)上にマスクを形成する際に利点を提供する。
【0032】
蒸着膜は、例えば、スキャナまたはその他のリソグラフィフォトパターニング転写ツールを用いて、膜の1または複数の領域をEUVライトに露光させることによってパターニングされてよい。本明細書で有用なものの中でEUV装置および結像方法は、当業者に周知の方法を含む。特に、上述のように、EUVパターニングを通して生成された膜の露光領域は、膜の非露光領域に対して変化した物理的特性または化学的特性を有しうる。例えば、露光領域において、金属-炭素結合の開裂が、ベータ水素脱離によって発生し、水酸化物と、金属-酸素架橋を介して架橋された金属酸化物部分とに変換されうる反応性かつアクセス可能な水素化物官能基を残しうるが、これは、ネガティブトーンレジストとして、または、ハードマスクのテンプレートとして、化学的なコントラストを生み出すために利用可能である。一般に、アルキル基における多数のベータ-Hが、より感光性の高い膜につながる。露光後に、膜は、金属酸化物膜のさらなる架橋を引き起こすために、例えば、150~250℃の温度で、ベークされてよい。露光領域と非露光領域との間の特性の差異は、非露光領域の溶解または露光領域への材料の蒸着などのために、後続の処理で利用されてよい。例えば、パターンは、金属酸化物含有マスクを形成するために、乾式方法を用いて現像されうる。かかる処理に有用な方法および装置が、2018年12月20日出願の米国特許出願第62/782,578号に記載されており、その出願は、方法および装置の開示について、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0033】
かかる乾式現像処理は、穏やかないプラズマ(高圧、低電力)または熱処理のいずれかを用いることによってなされることができ、そのいずれかが、HBrまたはHClなどのハロゲン化水素乾式現像剤を流しつつ実行されてよい。いくつかの実施形態において、ハロゲン化水素は、非露光材料を速やかに除去して、プラズマベースのエッチング処理(例えば、従来のエッチング処理)を後に適用することによって下層の基板層に転写されうる露光膜のパターンを残すことができる。
【0034】
適切なプラズマベース乾式現像処理は、トランス結合プラズマ(TCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、または、容量結合プラズマ(CCP)処理の利用を含んでよく、当業者に周知のものに含まれる装置および技術を用いて実施されてよい。例えば、プラズマベース現像処理は、>5mT(例えば、>15mT)の圧力で、<1000W(例えば、<500W)の電力レベルで実行されてよい。温度は、1~3000秒(例えば、10~600秒)の間、100~1000標準立方センチメートル毎分(sccm)(例えば、約500sccm)の流量で、0°C~300°C(例えば、30°C~120°C)であってよい。
【0035】
熱現像処理において、基板は、乾式現像剤に暴露されてよい。かかる熱現像処理を実行するのに適切なチャンバは、真空ラインと、乾式現像剤ガスをチャンバに供給するための1または複数の乾式現像剤ガスラインと、チャンバの温度制御を可能にするためのヒータと、を備えてよい。いくつかの実施形態において、チャンバ内部は、耐食性の膜(有機ポリマまたは無機コーティングなど)でコーティングされていてよい。1つのかかるコーティングは、ポリテトラフルオロエテン((PTFE)、例えば、Teflon(商標))である。かかる材料は、本開示の熱処理に利用できるが、かかるコーティングは、プラズマ暴露による除去のリスクにより、プラズマベース処理に適していない場合がある。
【0036】
現在のEUVレジストコーティング技術は、典型的には、大気環境で(例えば、典型的な大気圧で)塗布されるスピンオンフォトレジストを利用する。この技術は、一般に、雰囲気制御または影響を可能にするものではなく、単一の化学混合物のみが膜スタック全体に対して塗布されることを可能にするのみである。また、スピンオン技術は、膜が形成される非平坦な表面を有する基板に対しては、均一なフォトレジスト層の厚さを提供しない。
【0037】
先述したように、乾式蒸着技術は、既存のフィーチャを備えた基板に関して湿式蒸着技術が抱える厚さの不均一性の問題の起きないフォトレジスト層を生成するために用いられてよい。かかる乾式蒸着技術は、フォトレジスト膜蒸着チャンバを用いて実行されてよい。フォトレジスト膜蒸着チャンバの一例を、
図1に示す。
【0038】
図1には、蓋108を備えた処理チャンバ102を有する装置100が図示されている。処理チャンバ102は、基板122がそれを通して処理チャンバ102の内部に入れられることを可能にするようなサイズのウエハ移送通路104を処理チャンバ102の壁の1つを貫通して備えてよく、そこで、基板122は、ウエハ支持体124上に配置されてよい。ウエハ移送通路104は、ウエハ移送通路を開閉するよう動作可能なゲートバルブ106または同様のドアメカニズムを有してよく、それにより、処理チャンバ102内の環境を、ゲートバルブ106の反対側の環境から隔離することが可能になる。例えば、処理チャンバ102は、隣接する移送チャンバに配置されているウエハハンドリングロボットを介して基板122を提供されてよい。かかる移送チャンバは、例えば、その周囲に複数の処理チャンバ102を配列されてよく、各かかる処理チャンバ102は、対応するゲートバルブ106を介して移送チャンバと接続される。
【0039】
ウエハ支持体124は、例えば、静電チャック(ESC)126を備えてよく、ESC126は、基板122を支持するためのウエハ支持面を提供するために用いられてよい。ESC126は、例えば、ベースプレート134を備えてよく、ベースプレート134は、ベースプレート134の上部に配置された上部プレート128に結合されている。上部プレート128は、例えば、セラミック材料で形成されてよく、いくつかの他の構成要素をその中に埋め込まれていてよい。図の例において、上部プレート128は、その中に埋め込まれた2つの別個の電気システムを有する。一方のかかるシステムは、静電クランプ電極システムであり、そのシステムは、基板122が上部プレート128のウエハ支持面に対して引き寄せられるようにする電荷を基板122内に生成するために利用されうる1または複数のクランプ電極132を有してよい。
図1の実施例では、双極の静電クランプシステムを提供する2つのクランプ電極が存在するが、いくつかの実施例が、単一のクランプ電極132のみを用いて、単極の静電クランプシステムを提供してもよい。
【0040】
他方のシステムは、処理条件下で基板122の温度を制御するために利用されうる熱制御システムである。
図1において、熱制御システムは、クランプ電極132の下に配置された互いに同心の4つの環状抵抗ヒータトレース130a、130b、130c、および、130dを特徴とするマルチゾーン熱制御システムである。中央抵抗ヒータトレース130aは、いくつかの実施例において、略円形の領域を占めてよく、各抵抗ヒータトレース130a/b/c/dは、対応する環状領域内で、略蛇行経路またはその他の曲がりくねった経路に従ってよい。各抵抗ヒータトレース130a/b/c/dは、上部プレート128において様々な半径方向加熱プロファイルを提供するように個別に制御されてよく、かかる4ゾーン加熱システムは、例えば、一部の例において、±0.5℃の温度均一性を有するように基板122を維持するよう制御されてよい。
図1の装置100は、ESC126における4ゾーン加熱システムを特徴とするが、他の実施例は、シングルゾーン加熱システム、もしくは、4つのゾーンより多いかまたは少ないゾーンを有するマルチゾーン加熱システムを用いてもよい。
【0041】
例えば、上述した温度制御メカニズムのいくつかの実施例において、ヒートポンプが、抵抗加熱トレースの代わりに用いられてもよい。例えば、いくつかの実施例において、抵抗ヒータトレースは、一方の側からもう一方の側へ熱を「ポンプ」するように制御されうるペルチェ接合またはその他の同様の装置と置き換えられてもよいし、それによって増強されてもよい。かかるメカニズムは、例えば、上部プレート128から(ひいては基板122から)熱を引き出し、ベースプレート134および熱交換路136へ熱を送るために用いられてよく、それにより、必要に応じて、基板122をより迅速かつより効果的に冷却することが可能になる。
【0042】
ESC126は、例えば、上部プレート128の下側に構造支持を提供するために用いられてよく散熱システムとしても機能しうるベースプレート134を備えてもよい。例えば、ベースプレート134は、ベースプレート134にわたって略分散的に配置された1または複数の熱交換路136を備えてよく、例えば、熱交換路136は、ベースプレート134の中心の周りで、蛇行パターン、循環スイッチバックパターン、または、らせんパターンに従ってよい。熱交換媒体(例えば、水または不活性フッ素化液)が、利用中に熱交換路136を通して循環されてよい。熱交換媒体の流量および温度は、ベースプレート134における特定の加熱または冷却挙動につながるように外部制御されてよい。
【0043】
ESC126は、例えば、ウエハ支柱144と接続されてそれによって支持されているウエハ支持ハウジング142によって支持されてよい。ウエハ支柱144は、例えば、ベースプレート134および/または上部プレート128の下側に、配線、流体流導管、および、その他の設備をルーティングするためのルーティング通路148その他のパススルーを有してよい。例えば、
図1には示されていないが、抵抗ヒータトレース130a/b/c/dへ電力を供給するための配線が、クランプ電極132へ電力を供給するための配線と同様に、ルーティング通路148を通してルーティングされてよい。その他の配線(例えば、温度センサ用の配線)が、ルーティング通路148を通して、ウエハ支持体124の内部の複数の位置へルーティングされてもよい。温度制御可能なベースプレート134を備えた実施例において、熱交換媒体をベースプレート134との間で運ぶための導管が、ルーティング通路148を通してルーティングされてもよい。過度に乱雑になるのを避けるために、かかる配線および導管は、
図1に図示されていないが、それでも存在していることを理解されたい。
【0044】
図1の装置100は、さらに、ウエハ支柱144に移動可能な支持を提供しうるウエハ支持zアクチュエータ146を備える。ウエハ支持zアクチュエータ146は、ウエハ支柱144およびそれによって支持されているウエハ支持体124を、処理チャンバ102の反応空間120内で、例えば、最大数インチだけ、垂直方向に上下動させるように作動されてよい。そうすることで、基板122とシャワーヘッド110の下側との間のギャップ距離Xが、様々な処理条件に応じて調整されてよい。
【0045】
ウエハ支持体124は、さらに、いくつかの実施形態において、様々な処理条件を制御および/または微調整するために利用されうる1または複数のエッジリングを備えてよい。
図1において、例えば下側エッジリング140aおよび140bの上部にある上側エッジリング138が提供されており、下側エッジリング140aおよび140bは、ウエハ支持ハウジング142および第3下側エッジリング140cによって支持されている。上側エッジリング138は、例えば、一般に、基板122と同じ処理環境に曝されてよいが、下側エッジリング140a/b/cは、一般に、処理環境から保護されてよい。上側エッジリング138の暴露が多いことから、上側エッジリング138は、寿命が限られる可能性があり、下側エッジリング140a/b/cと比較して、より頻繁に交換または洗浄を必要としうる。
【0046】
装置100は、さらに、処理中および処理完了後に、処理チャンバ102から処理ガスを除去するためのシステムを含んでよい。例えば、処理チャンバ102は、ウエハ支柱144を取り囲む環状プレナム156を備えてよい。そして、環状プレナム156は、真空ポンプと接続されうる真空フォアライン152(例えば、装置100の下のサブフロアの下方に配置されてよい)と流体接続していてよい。調整バルブ154が、真空フォアライン152とび処理チャンバ102との間に提供され、真空フォアライン152への流れを制御するよう作動されてよい。いくつかの実施例において、バッフル150(例えば、ウエハ支柱144の周囲に均等に分散された流れを環状プレナム156へ送るよう機能しうる環状プレートまたはその他の構造)が、基板122にわたって流された反応物質で流れの不均一性が生じる可能性を低減するために提供されてよい。
【0047】
シャワーヘッド110は、図に示すように、デュアルプレナムシャワーヘッド110であり、第1流入口116を介して処理ガスを供給される第1プレナム112と、第2流入口118を介して処理ガスを供給される第2プレナム114と、を備える。シャワーヘッド110は、いくつかの実施例において、3以上のプレナムを有してもよいが、2つのプレナムは、一般に、処理チャンバ102の反応空間120に有機金属前駆体および反応相手を放出する前に有機金属前駆体と反応相手との間の分離を維持するのに必要な最小限である。各プレナムは、シャワーヘッド110のフェースプレートを通してそれぞれのプレナムを反応空間120に流体接続している対応するセットのガス分配ポートを有してよい(フェースプレートは、最下のプレナムと反応空間120との間に挟まれているシャワーヘッド110の部分である)。
【0048】
シャワーヘッド110の第1流入口116および第2流入口118は、ガス供給システムを介して処理ガスを供給されてよく、ガス供給システムは、本明細書で上述したように、1または複数の有機金属前駆体と1または複数の反応相手とを供給するよう構成されていてよい。
【0049】
しかしながら、図の装置100は、複数の有機金属前駆体および複数の反応相手を供給するよう構成される。例えば、第1バルブマニホルド168aが、有機金属前駆体を第1流入口116に供給するよう構成されていてよく、一方、第2バルブマニホルド168bが、反応相手を第2流入口118に供給するよう構成されていてよい。
【0050】
この例において、第1バルブマニホルド168aは、例えば、複数のバルブA1~A5を備える。バルブA2は、例えば、第1気化器172aと流体接続されている1つのポートと、バイパスライン170aと流体接続されている別のポートと、別の三方バルブA3のポートと流体接続されている第3ポートとを有する三方バルブであってよい。同様に、バルブA4は、例えば、第2気化器172bと流体接続されている1つのポートと、バイパスライン170aと流体接続されている別のポートと、別の三方バルブA5のポートと流体接続されている第3ポートとを有する三方バルブであってよい。バルブA5の他のポートの内の一方は、第1流入口116と流体接続されていてよく、一方、バルブA5の残りのポートは、バルブA3の残りのポートの内の一方と流体接続されていてよい。そして、バルブA3の残りのポートは、バルブA3とパージガス源174(例えば、窒素、アルゴン、もしくは、(有機金属前駆体および/または反応相手に対して)適切な不活性を有するその他のガス)との間に流体的に挿入されうるバルブA1と流体接続されていてよい。
【0051】
本開示では、用語「流体接続されている」は、流体的な接続を形成するために互いに接続されうる空間、プレナム、穴などに関して用いられており、これは、電気的な接続を形成するために互いに接続される構成要素に関して用語「電気接続」が用いられるのと同様である。用語「流体的に挿入されている」は、少なくとも2つの他の構成要素、空間、プレナム、または、穴と流体接続されている構成要素、空間、プレナム、または、穴に関して、それらの他の構成要素、空間、プレナム、または、穴の内の1つから、それらの他の構成要素、空間、プレナム、または、穴の内の他方または別の1つへ流れる流体が、それらの構成要素、空間、プレナム、または、穴の他方または別の1つに到達する前に、「流体的に挿入されている」構成要素を先に通過するようになっていることに言及するために用いられる。例えば、リザーバと流出口との間にポンプが流体的に挿入されている場合、リザーバから流出口に流される流体は、流出口に到達する前にポンプを先に通過することになる。
【0052】
第1バルブマニホルド168aは、気化器172aおよび172bの一方または両方からの蒸気を、処理チャンバ102へ、または、第1バイパスライン170aを通して真空フォアライン152へ、流させるように制御可能であってよい。第1バルブマニホルド168aは、さらに、パージガス源174から第1流入口116へパージガスを流させるように制御可能であってよい。
【0053】
例えば、第1気化器172aから反応空間120へ蒸気を流すために、バルブA2は、蒸気を第1気化器172aから第1バイパスライン170aへ最初に流させるように作動されてよい。この流れは、蒸気の流れが定常流動状態に到達するのを可能にするのに十分な期間にわたって維持されてよい。十分な時間が経過した後(または、流量計が利用される場合、それにより、流量が安定したことが示された後)、バルブA2、A3、および、A5は、第1気化器172aからの蒸気流を第1流入口に方向付けさせるよう作動されてよい。バルブA4およびA5による同様の動作が、第2気化器172bから第1流入口116へ蒸気を供給するために実行されてよい。いくつかの例において、パージガス源174からのパージガスを第1流入口116に流させるために、バルブA1、A3、および、A5を作動させることによって、第1プレナム112から蒸気の1つをパージすることが望ましい場合がある。いくつかのさらなる実施例において、パージガスから第1流入口116へガスを流すのと並行して、気化器172aまたは172bの一方から蒸気を同時に流すことが望ましい場合がある。かかる実施例は、かかる蒸気に含まれる反応物の濃度を希釈するために用いられてよい。
【0054】
第2バルブマニホルド168bは、気化器172cおよび172dから第2流入口118または第2バイパスライン170bへ蒸気を供給するために、例えば、バルブB1~B5を制御することによって、同様に制御されてよいことが理解される。さらに、第1流入口116および第2流入口118への有機金属前駆体および反応相手の両方の流れを制御するためのバルブを備えた単一の一体型マニホルドなど、異なるマニホルドの構成が利用されてもよいことが理解される。
【0055】
先述したように、一部の装置100は、より少数の蒸気源(例えば、2つのだけの気化器172)を特徴としてもよく、その場合、バルブマニホルド168は、より少数のバルブ(例えば、バルブA1~A3のみ)を有するように変形されてよい。
【0056】
上述のように、装置100などの装置は、有機金属前駆体および反応相手を用いたフォトレジスト膜の乾式蒸着を提供するために用いられてよく、処理チャンバ102内で特定の温度プロファイルを維持するよう構成されていてよい。特に、かかる装置100は、有機金属前駆体および反応相手と直接的に接触する装置102の設備のほとんどよりも低い温度(例えば、少なくとも25℃~50°低い温度)に基板122を維持するよう構成されていてよい。さらに、有機金属前駆体および反応相手と直接的に接触する装置100の設備の温度は、かかる設備の表面への気化反応物の凝結が抑制されるのに十分な高さのレベルに維持されてよい。同時に、基板122の温度は、基板122への反応物の凝結または少なくとも蒸着を促進するレベルに制御されてよい。
【0057】
かかる温度制御を提供するために、様々な加熱システムが、装置100に備えられてよい。例えば、処理チャンバ102は、カートリッジヒータ158を受け入れるためのレセプタクルを有してよく、例えば、略円筒形の内部空間を有するが正方形または長方形の外部形状を有する処理チャンバ102に対して、カートリッジヒータ158を受け入れるための垂直の穴が、チャンバ102のハウジングの4つ角に開けられていてよい。いくつかの実施例において、シャワーヘッド110は、ヒータブランケット160で覆われていてよく、ヒータブランケット160は、シャワーヘッドの温度を高く維持するために、シャワーヘッド110の露出した上面に熱を加えるために用いられてよい。気化器172からシャワーヘッド110へ蒸発した反応物質を導くために用いられる様々なガスラインを加熱することも有益でありうる。例えば、抵抗ヒータテープが、かかるガスラインの周囲に巻かれ、ガスラインを高い温度に加熱するために用いられてよい。
図1に示すように、バイパスライン170を含め、有機金属前駆体または反応相手のいずれかが潜在的に流されるガスラインすべてが加熱されることが図示されている。バルブマニホルド168から第1流入口116および第2流入口118へのガスラインだけは例外であり、それらは、かなり短くてよいため、シャワーヘッド110によって間接的に加熱されうる。もちろん、これらのガスラインでも、必要に応じて、能動的に加熱されてよい。いくつかの実施例において、ゲートバルブにも熱を提供するために、ヒータが、ゲートバルブ106に近接して提供されてもよい。
【0058】
装置100の様々な動作システムは、コントローラ184によって制御されてよく、コントローラ184は、1または複数のプロセッサ186ならびに1または複数のメモリデバイス188を備えてよく、プロセッサおよびメモリデバイスは、互いに動作可能に接続されており、装置100の様々なシステムおよびサブシステムと通信可能に接続されて、それらのシステムのための制御機能を提供する。例えば、コントローラ184は、バルブA1~A5およびB1~B5、様々なヒータ158、160、気化器172、調整バルブ154、ゲートバルブ106、ウエハ支持zアクチュエータなどを制御するよう構成されていてよい。
【0059】
装置100が含みうる別の特徴が、
図2に示されており、
図2は、
図1の基板122、上部プレート128、および、上側エッジリング138の一部を示す拡大断平面図である。図からわかるように、いくつかの実施例において、基板122は、複数の小さいメサ176によって上部プレート128のほとんどから離れて持ち上げられていてよく、メサ176は、基板122の下側と上部プレート128の大部分との間に背面ギャップ178を提供するように、上部プレート128の公称上面から短い距離だけ突出している薄いボスであってよい。周縁壁フィーチャ177が、上部プレート128の周囲に提供されていてよい。周縁壁フィーチャ177は、上部プレート128の外周全体に伸び、メサ176と公称上同じ高さであってよい。処理動作中、一般的に不活性なガス(ヘリウムなど)が、1または複数のガスポート182を介して背面ギャップ178内に流されてよい。次いで、このガスは、周縁壁フィーチャ177に当たるまで半径方向外向きに流れてよく、次いで、周縁壁フィーチャ177は、かかる半径方向外向きの流れを制限して、ガスのより高圧の領域が基板122と上部プレート128との間に捕捉されるようにしうる。周縁壁177を越えてリークした不活性ガスは、最終的に、基板122の外周エッジと上側エッジリング138の一部との間の半径方向ギャップ180を通して流出しうる。かかるガスは、シャワーヘッド110によって放出されたガスが基板122の下側に到達するのを防ぐように作用することによって、実行されている処理動作によって望ましくない影響を受けることから、基板の下側を保護するのに役立ちうる。同時に、背面ギャップ178の領域に放出されたガスは、さらに、基板122と上部プレート128との間の熱的結合を増大させるように作用することにより、上部プレート128が基板122をより効果的に加熱または冷却することを可能にしうる。周縁壁によって提供されるより高い圧力によって、背面ギャップ178の領域内にあるガスも、チャンバの残り部分のガスよりも高い密度でありうるため、基板122と上部プレート128との間により効果的な熱結合を提供しうる。
【0060】
コントローラ184は、例えば、コンピュータ実行可能な命令の実行により、上記の開示に沿った様々な動作を装置100に実行させるように構成されていてよい。
図3は、装置100の文脈で実行されてよい様々な動作と、装置100で処理された基板に実行されてよい後続の動作とを示すフローチャートである。
【0061】
ブロック302において、例えば、コントローラ184は、基板122を処理チャンバ102へ提供してその中に配置させるように、装置100を制御してよい。例えば、ゲートバルブ106が開状態に作動されるよう制御されている間に、ウエハハンドリングロボットが、ウエハ移送通路104を通して基板を通過させるよう制御されてよい。ウエハ支持体124は、例えば、ウエハ支持zアクチュエータ146によって、基板122を受けるのに適切な高さに配置されるよう制御されてよく、基板122は、ウエハハンドリングロボットによってウエハ支持体124の上方に配置されてよい(そして中心に置かれてよい)。ウエハ支持体124の一部であるリフトピン(図示せず)が、ウエハハンドリングロボットのエンドエフェクタから基板を持ち上げるために、ウエハ支持体124から垂直に伸ばされてよく、それにより、ウエハハンドリングロボットを処理チャンバ102から引き出し、ゲートバルブ106を閉じることで処理チャンバ102を密閉することが可能になる。同時に、リフトピンは、上部プレート128上へ基板122を降ろすために、ウエハ支持体124へ引き込まれてよい。
【0062】
基板122がブロック302でロードされると、抵抗ヒータトレース130a/b/c/dは、ブロック304において基板122を所望の温度に到達させるために、ベースプレート134を通して循環される熱交換媒体の温度および流量と共に制御されてよい。かかる制御は、例えば、上部プレート128への基板122の静電クランピングを提供するためにクランプ電極を作動させること、ならびに、上部プレート128のガスポート182に不活性ガス流を供給して、基板122と上部プレート128との間の背面ギャップ178内にかかるガスを流すことも含んでよい。例えば、コントローラ184は、処理チャンバ102の内壁表面、蓋108、および、シャワーヘッド110の温度を、80℃~120℃(例えば、100℃)に維持するように、装置100の様々なヒータシステムを制御してよい。同時に、コントローラ184は、上部プレート128および基板122を、55℃~75℃(例えば、65℃)の温度に到達させて維持するように、上部プレート128を制御してよい。その他の温度範囲が用いられてもよいが、上部プレート128および基板122の温度は、他のチャンバ構成要素への吸着および/または凝結よりも基板122への蒸気吸着および/または凝結を促進するように、一般に、チャンバの他の部分よりも低いレベルに維持されてよい。
【0063】
ブロック306において、乾式蒸着処理で用いられるガスを供給する気化器172からのガス流が、例えば、これらの気化器172からバイパスライン170そして真空フォアライン152へガス流を迂回させるように、バルブA1~A5およびB1~B5を選択的に作動させることによって、開始されて、定常状態に到達することを許容されてよい。選択された気化器からの流量が定常状態に達すると、技術は、ブロック308またはブロック312へ進んでよい。
【0064】
ブロック308および312は、基板122上にEUV感光性フォトレジストを乾式蒸着する2つの別のアプローチを表している。必要に応じて、いずれかのアプローチを選択的に用いてよいことが理解される。ブロック308のアプローチにおいて、コントローラは、有機金属前駆体および対応する反応相手を、所与の期間にわたって、それぞれの気化器172からシャワーヘッド110のそれぞれのプレナムを通して反応空間120内へ、同時に供給させるよう構成されていてよい。ブロック310において、有機金属前駆体および対応する反応相手の所望の期間が経過したか否か(または、かかる反応物の所望の量が供給されたか否か)の判定がなされてよい。否であれば、技術は、さらなる反応物の供給のために、ブロック308に戻ってよい。そうである場合、技術は、ブロック316に進んでよく、そこで、基板122は、処理チャンバ102から取り出され、例えば、洗浄ステーションまたはその他の装置に移送されてよい乾式蒸着処理は、少なくともブロック308および310において蒸着されるEUV感光性フォトレジスト層に関して、処理チャンバ102から基板122を取り出す前に基本的に完了することが理解される。
図3の技術の後続部分は、必要に応じて、他の装置で実行されてもよく、および/または、他のコントローラによって指示されてもよい。ブロック308および310の技術は、反応物すべてが、CVD処理と同様に、所与の期間または所与の量だけ、反応空間120内へ同時に流されるので、連続CVD技術と呼ばれてもよい。
【0065】
ブロック312の代替アプローチにおいて、装置100のバルブは、有機金属前駆体および対応する反応相手を交互に流すように作動されてよく、例えば、シャワーヘッド110を通して有機金属前駆体を最初に流し、その後、有機金属前駆体の流れを停止し、シャワーヘッド110を通して反応相手の流れを開始する。いくつかの実施例において、パージガスが、各反応物流の合間にシャワーヘッド110を通して流されてもよい。これらの交互流は、必要に応じて、1または複数回、繰り返されてよい。例えば、ブロック314において、所望の回数の交互流サイクルが実行されたか否かの判定がなされてよく、否であれば、技術は、さらなるかかる流れサイクルの実行に向けてブロック312に戻ってよい。実行された場合、技術は、ブロック316に進んでよい。この代替アプローチは、いくぶん原子層蒸着技術に類似しており、その技術では、2つの異なる前駆体が、蒸着チャンバへ交互に流される。前の同時流技術と同様に、交互流技術の終了時に、すなわち、ブロック314の後かつブロック316の前に、乾式蒸着処理は、少なくともブロック312および314において蒸着されるEUV感光性フォトレジスト層に関して、処理チャンバ102から基板122を取り出す前に基本的に完了する。
【0066】
かかる技術の様々な変更例および変形例が実施されてもよいことが理解される。例えば、いくつかの実施例において、異なる有機金属前駆体および/または反応相手が、EUV感光性フォトレジスト層蒸着処理の異なるステージ中に用いられてもよい。1つのかかる例において、EUV感光性の高い第1有機金属前駆体が、最初に、EUV感光性フォトレジスト層の第1サブ層を生成するために基板に流されてよい。次いで、第2有機金属前駆体(第1とは異なる前駆体)が、第1サブ層の上部に第2サブ層を生成するために基板に流されてよい。この処理は、任意の数の異なる有機金属前駆体(および/または反応相手)について繰り返されてよい。かかる構成は、EUV感光性フォトレジスト層が、異なるタイプの材料のハイブリッドになることを可能にしうる。必要に応じて、有機金属前駆体は、異なるEUV感光性を有するサブ層を生成するように選択されてよく、例えば、第1サブ層が、第2サブ層よりもEUV感光性の高いサブ層を生成する有機金属前駆体を用いて形成されてよい。これは、例えば、蒸着されたEUV感光性フォトレジスト膜がEUV露光を受ける時に、潜在的な勾配効果を相殺するのに役立ちうる。例えば、蒸着されたEUV感光性フォトレジスト膜がEUV光に露光されると、かかる光は、露光後処理(例えば、現像剤処理)において後に利用されうるフォトレジスト膜の露光領域に物理的または化学的変化を引き起こしうる。しかしながら、かかる物理的または化学的変化は、EUV放射線の強度に依存しうる。EUV放射線は、フォトレジスト膜の上側サブ層によるエネルギの一部の吸収に起因して増大するフォトレジスト膜への侵入深さの関数として、強度が減少する傾向にあるので、フォトレジスト膜の下側サブ層に対する露光強度は、上側サブ層よりも低くなりうる。結果として、厚さ全体を通して同じ材料で形成されたフォトレジスト膜においては、EUV露光処理で生じる物理的または化学的変化の量は、膜の深さの関数として変化しうる。いくつかのかかる例において、かかる露出の期間も、この変動に影響しうる。
【0067】
しかしながら、異なるサブ層に対して異なる材料を利用するためにフォトレジスト膜を調整することにより、感光膜の厚さにわたって起きる物理的または化学的変化の変動を低減できる。例えば、下側サブ層が上側サブ層よりもEUV露光への感受性の高い材料で形成された場合、これは、下側サブ層が受けるEUV露光強度の低下を補償するのに役立ちうる。
【0068】
かかる調整技術は、スループットおよび品質の両方の観点で、EUV処理の文脈で著しい利点を有しうる。例えば、単一材料のフォトレジスト膜の最も下側の1または複数のサブ層を、それ/それらのサブ層で所望のレベルの化学的または物理的変化を引き起こすのに十分な量のEUVに露光させるためには、上側サブ層で同じレベルの化学的または物理的変化を達成するのに必要とされるよりもかなり長い期間にわたって感光膜を露光し続ける必要がありうる。この追加の露光時間は、例えば、別の基板にEUV露光を実行するために用いることもでき、つまり、スループットの減少につながる。EUV処理装置の極端なコストを考慮すると(EUVスキャナは、例えば、1億ドル以上のオーダーのコストがかかりうる(米国))、EUV走査動作のための処理時間を最短にすることが、EUVスキャナへなされた投資に対する利益を最大化するために非常に望ましい。
【0069】
また、長い露光時間は、EUV露光処理を通して感光膜に転写されるフォトパターンの品質低下にもつながりうる。EUV処理を用いる必要があるナノメートルスケールのフィーチャサイズについては、基板122に対するEUVマスク(基板122上に所望のフォトパターンを生成するようにEUV光を方向付けるためのマスク)の動きが最小であっても、フィーチャサイズの観点では著しくなりうる。例えば、30nm幅のフィーチャについては、露光処理中の基板122に対するEUVマスクの5nmのずれが、最深部のフィーチャ幅の~15%の減少につながりうる。EUVスキャナは、かかる事象の可能性を最小化するように設計されているが、所与の基板122に対して露光処理が長くなるほど、かかる動きに直面するリスクは大きくなる(あるいは、より可能性が高いのは、動きが個別に持つ影響よりも大きい悪影響を全体として有する小さい程度の動きに出会うリスクが大きくなる)。
【0070】
本明細書に記載の技術を用いてかかるフォトレジスト膜の材料構成を調整することは、例えば、スループットを増大させると共により高品質のフォトパターンを得る可能性を高める露光時間の短縮を可能にしうることが容易に明らかになる。乾式蒸着されたフォトレジスト膜の共形の性質も、比較的均一な膜厚であれば、全膜厚の変動の結果としてEUV露光時間の延長が必要になるシナリオを避けられるので、かかるスループット改善の達成に寄与する。
【0071】
上述のように、かかるEUV感光性フォトレジスト膜の湿式蒸着は、湿式蒸着されたEUV感光性フォトレジスト膜の異なるサブ層に対して異なる材料を用いることができないので、調整された膜蒸着には一般に適していない。さらに、湿式蒸着技術は、本質的に共形ではない。このように、本明細書に記載の乾式蒸着技術および装置は、同様の化学物質を用いた湿式蒸着技術および装置と比較して、大幅な改善をもたらす。
【0072】
上述の装置で実施できる乾式蒸着技術の別の例は、異なる乾式蒸着処理を用いて基板122上に異なる有機金属サブ層を蒸着する技術である。例えば、ブロック312および314の技術は、後に塗布される異なる第2EUV感光性フォトレジスト材料のサブ層を生成するために用いられる反応物の吸着または凝結を強化しうる第1EUV感光性フォトレジスト材料の薄いサブ層を基板122上に蒸着させるために利用されてよい。この意味で、第1フォトレジスト材料は、第2フォトレジスト材料の接着を強化するための「シードサブ層」として利用されてよい。かかる実施例において、より薄いサブ層を生成するためにより容易に制御されうるブロック312および314の技術をシードサブ層に利用し、その後、より厚い第2EUV感光性フォトレジストのサブ層を提供するために利用されうるより高いがそれほど細かく制御可能ではない蒸着速度を提供しうるブロック308および310の技術に切り替えることが好ましい場合がある。
【0073】
EUV感光性フォトレジスト膜が基板122上に蒸着されると、基板122は、上述のように、さらなる動作に向けて、1または複数の後続の処理チャンバまたはツールに移送されてよい。
図3の残りのブロックは、1つのかかる実施例について、かかるさらなる動作を要約しているが、他の実施例が、他の動作または他の順序の動作を含んでもよい。
【0074】
例えば、ブロック308/310および/または312/314の乾式蒸着処理の完了に続いて、基板122は、ブロック316において洗浄ステーションに移送されてよく、洗浄ステーションは、ブロック318において基板122に、例えば、背面および/またはベベルの洗浄作業を実行するよう制御されてよい。かかる蒸着後洗浄に続いて、基板は、ブロック320において、EUVスキャナシステムまたは同様のフォトリソグラフィツールに移送されてよい。ブロック322において、EUVスキャナは、基板122の様々な部分をEUV放射線に露光させまたはかかる露光から遮蔽するパターンマスクを用いて、基板にフォトパターンを適用するように制御されてよい。露光処理は、基板122上のフォトレジスト膜の露光領域において所望の程度のEUV露光を達成するのに必要な期間にわたって継続されてよい。
【0075】
EUVスキャナによって基板122に十分なEUV露光が提供された後、基板122は、ブロック324において乾式現像チャンバに移送され、乾式現像処理(熱ベースまたはプラズマベースの現像処理など)を受けてよい。かかる現像処理中に、基板122のEUV露光部分および基板122の非露光部分の一方または他方が、基板122上に所望のフィーチャマスクを生成するために、現像処理(例えば、上述した乾式現像処理)を用いて除去されてよい。
【0076】
フィーチャマスクが基板122上に生成された後、基板122は、乾式現像チャンバから取り出され、ブロック328において処理チャンバ(例えば、蒸着またはエッチングチャンバ)へ提供されてよい。次いで、適切な半導体処理動作(例えば、エッチング処理または蒸着処理)が、パターンEUV感受性フォトレジスト膜を用いて提供されたフィーチャマスクを用いて、ブロック330で実行されてよい。
【0077】
いくつかの実施例において、コントローラは、より大きいシステムの一部であってもよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0078】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0079】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。一部の例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続しまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として、リモートに配置されている、など)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0080】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層蒸着(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0081】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
【0082】
本明細書に記載の乾式蒸着技術の文脈での「膜」、「フォトレジスト膜」、「蒸着層」、「サブ層」などへの言及は、明示されていなくても、EUV感光性フォトレジスト膜を含むことが意図されていることが一般に理解される。
【0083】
また、装置の様々な構成要素は、様々な適した材料で形成されてよいことが理解される。例えば、上述のように、ESCの上部プレートは、セラミック材料で形成されてよく、セラミック材料は、その中に埋め込まれたクランプ電極(および、その中に埋め込まれた抵抗加熱素子)を電気的に絶縁すると共に、その下に配置されたベースプレートを保護するよう機能しうる。上側エッジリグおよび下側エッジリングは、必要に応じて、同様にセラミック材料で形成されてよい。その他の構造(処理チャンバ自体、シャワーヘッド、ESCのベースプレート、および、ウエハ支持ハウジングなど)は、アルミニウム合金などの材料で形成されてよく、いくつかの例においては、陽極酸化されてもよいし、または、そうでなければ保護コーティングで被覆されてもよい。アルミニウムなどの材料は、機械加工が比較的安価であり、適切に被覆されると良好な耐化学性を示し、優れた熱伝導性能を提供するため、所望の動作温度に容易に加熱できる。
【0084】
また、本開示は、EUVリソグラフィを例とするリソグラフィパターニング技術および材料に関するが、その他の次世代リソグラフィ技術にも適用可能であることを理解されたい。現在利用および開発されている標準的な13.5nmEUV波長を含むEUVに加えて、かかるリソグラフィに最も適切な放射源は、DUV(深UV)(一般に、248nmまたは193nmエキシマレーザ源の利用を指す)、X線(正式には、X線域の比較的低いエネルギ域のEUVを含む)、および、eビーム(広いエネルギ域を網羅できる)である。具体的な方法は、半導体基板及び最終的な半導体デバイスに利用される特定の材料および用途に依存しうる。したがって、本願に記載の方法は、現行技術で利用されうる方法および材料の例示にすぎない。
【0085】
「1または複数の<アイテム>の内の各<アイテム>に対して」、「1または複数の<アイテム>の内の各<アイテム>」などの表現は、本明細書で用いられている場合、単一アイテムグループおよび複数アイテムグループの両方を含み、つまり、「・・・に対して、各」という表現は、どのアイテム集団の各アイテムに言及するのにもプログラミング言語で用いられる意味で用いられていることを理解されたい。例えば、言及されたアイテム集団が単一アイテムである場合、「各」は、(「各」の辞書の定義が、その用語を「2以上のものの内の一つ一つ」に言及するものであるとしばしば定義するのに関わらず)その単一アイテムのみに言及し、それらのアイテムが少なくとも2つ存在しなければならないことを暗示しない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語は、それ自体、必ずしも複数のアイテムを包含すると見なされるべきではなく、セットまたはサブセットは、(文脈から他に示唆されない限り)1つのみの部材または複数の部材を包含しうると理解される。また、「集合」という用語は、同様に、1つを含むグループおよび複数を含むグループに言及するために利用されうることを理解されたい。したがって、例えば、集合的に、1または複数のサブアイテムを含む1または複数のアイテムがある場合、これは、単一のサブアイテムを含む単一のアイテム、複数のサブアイテムを含む単一のアイテム、単一のサブアイテムを各々が含む複数のアイテム、および、複数のサブアイテムを各々が含む複数のアイテム、ならびに、他の配列および組み合わせ(例えば、かかる例のハイブリッド)、を包含する。
【0086】
本明細書に記載の例および実施形態は、単に例示を目的としたものであり、それらに照らして、様々な変形例または変更例が当業者に想到されることが理解される。様々な詳細事項が簡単のために省略されているが、様々な設計の変更が実施されてよい。したがって、上述した例は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、本開示は、本明細書に示した詳細に限定されず、本開示の範囲内で変形されてよい。
【0087】
上記の開示は、1または複数の特定の実施例に焦点を当てているが、上述の例のみに限定されるものではなく、同様の変形例およびメカニズムにも適用可能であり、かかる同様の変形例およびメカニズムも、本開示の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジスト膜を提供するための装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置されたウエハ支持体と、
前記ウエハ支持体の上方に配置され、中を流れるガスを前記ウエハ支持体にわたって分配するよう構成されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、前記ウエハ支持体と前記シャワーヘッドとの間の反応空間につながる複数の第1ガス分配ポートに流体接続された第1プレナム
と、前記ウエハ支持体と前記シャワーヘッドとの間の前記反応空間につながる複数の第2ガス分配ポートに流体接続された第2プレナムと、を備える、シャワーヘッドと、
全体として、1または複数のバルブを有する1または複数のバルブマニホルドと、
1または複数のプロセッサと、1または複数のメモリデバイスとを有するコントローラと、
を備え、
前記1または複数のプロセッサおよび前記1または複数のメモリデバイスは、動作可能に接続されており、
前記1または複数のメモリデバイスは、
a)前記シャワーヘッドの前記第1プレナムを通し、前記第1ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第1バルブを作動させ、
b)前記シャワーヘッドの前記第2プレナムを通し、前記第2ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第2バルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記フォトレジスト膜は、極紫外線フォトレジスト膜である、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1有機金属前駆体は、化学式M
aR
bL
cを有し、ここで、Mは、高EUV吸収断面積を有する金属であり、Rは、アルキルであり、Lは、前記第1反応相手と反応するリガンド、イオン、または、その他の部分であり、a、b、および、cは各々、1以上であり、
前記第1反応相手は、前記第1有機金属前駆体の2以上の金属原子を化学結合で結合させるように、前記第1有機金属前駆体と反応する、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記第1有機金属前駆体の前記金属は、1・10
7cm
2/mol以上のEUV吸収断面積吸収断面積を有する、装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置であって、前記第1有機金属前駆体は、スズ、ビスマス、アンチモン、および、テルル、からなる群より選択された金属を含む、装置。
【請求項6】
請求項3に記載の装置であって、さらに、
前記第1バルブに流体接続された第1気化器と、
前記第1気化器内に配置された或る量の前記第1有機金属前駆体と、
を備える、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、さらに、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記反応相手と、
を備え、
前記第1反応相手は、水、過酸化物、二価アルコール、多価アルコール、フッ素化二価アルコール、フッ素化多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、1または複数のヒドロキシル部分を含む物質、からなる群より選択された物質を含む、装置。
【請求項8】
請求項3に記載の装置であって、前記第1反応相手は、水、過酸化物、二価アルコール、多価アルコール、フッ素化二価アルコール、フッ素化多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、1または複数のヒドロキシル部分を含む物質、からなる群より選択された物質を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、さらに、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記反応相手と、
を備える、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)を同時に実行するように前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、1または複数サイクルの(a)および(b)について(a)および(b)を交互に実行するように前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
c)前記シャワーヘッドの前記第1プレナムを通し、前記第1ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第2有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第3バルブを作動させ、
d)前記シャワーヘッドの前記第2プレナムを通し、前記第2ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第第4バルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納しており、
前記第1有機金属前駆体および前記第2有機金属前駆体は異なっている、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、さらに、
前記第1バルブに流体接続された第1気化器と、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第3バルブに流体接続された第3気化器と、
前記第2バルブに流体接続された第4気化器と、
前記第1気化器内に配置された或る量の前記第1有機金属前駆体と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記第1反応相手と、
前記第3気化器内に配置された或る量の前記第2有機金属前駆体と、
前記第4気化器内に配置された或る量の前記第2反応相手と、
を備える、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
e)前記ウエハ支持体によって支持されている基板上に第1サブ層を形成するために、(a)および(b)を実行し、
f)前記第1サブ層の上部に第2サブ層を形成するために、(e)の後に、(c)および(d)を実行するよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納しており、
前記第1サブ層は、第1EUV吸収断面積を有する第1金属酸化物であり、
前記第2サブ層は、第2EUV吸収断面積を有する第2金属酸化物であり、
前記第2EUV吸収断面積は、前記第1EUV吸収断面積よりも小さい、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
e)前記ウエハ支持体によって支持されている基板上に第1サブ層を形成するために、複数回、交互に、(a)および(b)を実行し、
f)前記第1サブ層の上部に第2サブ層を形成するために、(e)の後に、(c)および(d)を同時に実行するよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記シャワーヘッドを加熱するための第1ヒータシステムと、
前記処理チャンバを加熱するための第2ヒータシステムと、
前記ウエハ支持体の一部であり、第3ヒータシステムを内部に埋め込まれている上部プレートと、
を備え、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、前記処理チャンバの内壁表面が(a)および(b)の間に前記上部プレートの平均温度よりも少なくとも95℃高くなるように、前記第1ヒータシステム、前記第2ヒータシステム、および、前記第3ヒータシステムを制御するよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)の間に、前記処理チャンバの内壁表面が少なくとも95℃になり、前記上部プレートの平均温度が100℃以下になるように、前記第1ヒータシステム、前記第2ヒータシステム、および、前記第3ヒータシステムを制御するよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、
前記上部プレートは、その上面に、ウエハ支持領域から突出した複数のメサを備え、
前記メサは、それらの上に配置された基板を、前記上面と前記基板との間に背面ギャップが存在するように、支持するよう構成され、
前記ウエハ支持体は、前記上面と流体接続された複数のガスポートを前記ウエハ支持領域内に備え、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)の間に背面冷却ガスを前記ガスポートを通して方向付けるよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【請求項19】
請求項16に記載の装置であって、
前記第3ヒータシステムは、複数の同心ゾーンを備え、
各ゾーンは、その中に配置された1または複数の抵抗ヒータトレースを有し、
各ゾーンの前記1または複数の抵抗ヒータトレースは、前記コントローラによって独立制御可能であるように構成されている、装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記処理チャンバに流体接続された真空フォアラインであって、前記ウエハ支持体が、前記真空フォアラインと前記シャワーヘッドとの間に流体的に挿入されている、真空フォアラインと、
第1バイパスラインと、
第2バイパスラインと、
を備え、
前記第1バイパスラインは、前記真空フォアラインと、前記1または複数のバルブの内の第1バイパスバルブと、に流体接続され、
前記第2バイパスラインは、前記真空フォアラインと、前記1または複数のバルブの内の第2バイパスバルブと、に流体接続され、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
(a)を実行する前に、前記第1バイパスラインを通して前記真空フォアラインへ前記第1有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブを作動させ、
(b)を実行する前に、前記第2バイパスラインを通して前記真空フォアラインへ前記第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
上記の開示は、1または複数の特定の実施例に焦点を当てているが、上述の例のみに限定されるものではなく、同様の変形例およびメカニズムにも適用可能であり、かかる同様の変形例およびメカニズムも、本開示の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
フォトレジスト膜を提供するための装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置されたウエハ支持体と、
前記ウエハ支持体の上方に配置され、中を流れるガスを前記ウエハ支持体にわたって分配するよう構成されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドは、前記ウエハ支持体と前記シャワーヘッドとの間の反応空間につながる複数の第1ガス分配ポートに流体接続された第1プレナムを備える、シャワーヘッドと、
全体として、1または複数のバルブを有する1または複数のバルブマニホルドと、
1または複数のプロセッサと、1または複数のメモリデバイスとを有するコントローラと、
を備え、
前記1または複数のプロセッサおよび前記1または複数のメモリデバイスは、動作可能に接続されており、
前記1または複数のメモリデバイスは、
a)前記シャワーヘッドの前記第1プレナムを通し、前記第1ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第1バルブを作動させ、
b)前記シャワーヘッドの前記第2プレナムを通し、前記第2ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第2バルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例2:
適用例1の装置であって、前記フォトレジスト膜は、極紫外線フォトレジスト膜である、装置。
適用例3:
適用例1の装置であって、
前記第1有機金属前駆体は、化学式M
a
R
b
L
c
を有し、ここで、Mは、高EUV吸収断面積を有する金属であり、Rは、アルキルであり、Lは、前記第1反応相手と反応するリガンド、イオン、または、その他の部分であり、a、b、および、cは各々、1以上であり、
前記第1反応相手は、前記第1有機金属前駆体の2以上の金属原子を化学結合で結合させるように、前記第1有機金属前駆体と反応する、装置。
適用例4:
適用例1の装置であって、前記第1有機金属前駆体の前記金属は、1・10
7
cm
2
/mol以上のEUV吸収断面積吸収断面積を有する、装置。
適用例5:
適用例3の装置であって、前記第1有機金属前駆体は、スズ、ビスマス、アンチモン、および、テルル、からなる群より選択された金属を含む、装置。
適用例6:
適用例3の装置であって、さらに、
前記第1バルブに流体接続された第1気化器と、
前記第1気化器内に配置された或る量の前記第1有機金属前駆体と、
を備える、装置。
適用例7:
適用例6の装置であって、さらに、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記反応相手と、
を備え、
前記第1反応相手は、水、過酸化物、二価アルコール、多価アルコール、フッ素化二価アルコール、フッ素化多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、1または複数のヒドロキシル部分を含む物質、からなる群より選択された物質を含む、装置。
適用例8:
適用例3の装置であって、前記第1反応相手は、水、過酸化物、二価アルコール、多価アルコール、フッ素化二価アルコール、フッ素化多価アルコール、フッ素化グリコール、ならびに、1または複数のヒドロキシル部分を含む物質、からなる群より選択された物質を含む、装置。
適用例9:
適用例8の装置であって、さらに、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記反応相手と、
を備える、装置。
適用例10:
適用例1の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)を同時に実行するように前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例11:
適用例1の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、1または複数サイクルの(a)および(b)について(a)および(b)を交互に実行するように前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例12:
適用例1の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
c)前記シャワーヘッドの前記第1プレナムを通し、前記第1ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第2有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第3バルブを作動させ、
d)前記シャワーヘッドの前記第2プレナムを通し、前記第2ガス分配ポートを介して前記反応空間内に、気相の第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブの内の少なくとも第第4バルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納しており、
前記第1有機金属前駆体および前記第2有機金属前駆体は異なっている、装置。
適用例13:
適用例12の装置であって、さらに、
前記第1バルブに流体接続された第1気化器と、
前記第2バルブに流体接続された第2気化器と、
前記第3バルブに流体接続された第3気化器と、
前記第2バルブに流体接続された第4気化器と、
前記第1気化器内に配置された或る量の前記第1有機金属前駆体と、
前記第2気化器内に配置された或る量の前記第1反応相手と、
前記第3気化器内に配置された或る量の前記第2有機金属前駆体と、
前記第4気化器内に配置された或る量の前記第2反応相手と、
を備える、装置。
適用例14:
適用例13の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
e)前記ウエハ支持体によって支持されている基板上に第1サブ層を形成するために、(a)および(b)を実行し、
f)前記第1サブ層の上部に第2サブ層を形成するために、(e)の後に、(c)および(d)を実行するよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納しており、
前記第1サブ層は、第1EUV吸収断面積を有する第1金属酸化物であり、
前記第2サブ層は、第2EUV吸収断面積を有する第2金属酸化物であり、
前記第2EUV吸収断面積は、前記第1EUV吸収断面積よりも小さい、装置。
適用例15:
適用例13の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
e)前記ウエハ支持体によって支持されている基板上に第1サブ層を形成するために、複数回、交互に、(a)および(b)を実行し、
f)前記第1サブ層の上部に第2サブ層を形成するために、(e)の後に、(c)および(d)を同時に実行するよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例16:
適用例1の装置であって、さらに、
前記シャワーヘッドを加熱するための第1ヒータシステムと、
前記処理チャンバを加熱するための第2ヒータシステムと、
前記ウエハ支持体の一部であり、第3ヒータシステムを内部に埋め込まれている上部プレートと、
を備え、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、前記処理チャンバの内壁表面が(a)および(b)の間に前記上部プレートの平均温度よりも少なくとも95℃高くなるように、前記第1ヒータシステム、前記第2ヒータシステム、および、前記第3ヒータシステムを制御するよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例17:
適用例16の装置であって、前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)の間に、前記処理チャンバの内壁表面が少なくとも95℃になり、前記上部プレートの平均温度が100℃以下になるように、前記第1ヒータシステム、前記第2ヒータシステム、および、前記第3ヒータシステムを制御するよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例18:
適用例16の装置であって、
前記上部プレートは、その上面に、ウエハ支持領域から突出した複数のメサを備え、
前記メサは、それらの上に配置された基板を、前記上面と前記基板との間に背面ギャップが存在するように、支持するよう構成され、
前記ウエハ支持体は、前記上面と流体接続された複数のガスポートを前記ウエハ支持領域内に備え、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、(a)および(b)の間に背面冷却ガスを前記ガスポートを通して方向付けるよう、前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
適用例19:
適用例16の装置であって、
前記第3ヒータシステムは、複数の同心ゾーンを備え、
各ゾーンは、その中に配置された1または複数の抵抗ヒータトレースを有し、
各ゾーンの前記1または複数の抵抗ヒータトレースは、前記コントローラによって独立制御可能であるように構成されている、装置。
適用例20:
適用例1の装置であって、さらに、
前記処理チャンバに流体接続された真空フォアラインであって、前記ウエハ支持体が、前記真空フォアラインと前記シャワーヘッドとの間に流体的に挿入されている、真空フォアラインと、
第1バイパスラインと、
第2バイパスラインと、
を備え、
前記第1バイパスラインは、前記真空フォアラインと、前記1または複数のバルブの内の第1バイパスバルブと、に流体接続され、
前記第2バイパスラインは、前記真空フォアラインと、前記1または複数のバルブの内の第2バイパスバルブと、に流体接続され、
前記1または複数のメモリデバイスは、さらに、
(a)を実行する前に、前記第1バイパスラインを通して前記真空フォアラインへ前記第1有機金属前駆体を流させるように、前記1または複数のバルブを作動させ、
(b)を実行する前に、前記第2バイパスラインを通して前記真空フォアラインへ前記第1反応相手を流させるように、前記1または複数のバルブを作動させるよう、
前記1または複数のプロセッサをさらに制御するためのさらなるコンピュータ実行可能な命令を格納している、装置。
【国際調査報告】