(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】チップパッケージ構造、およびチップパッケージ構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220907BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
H01L25/08 E
H01L25/08 Z
H01L23/12 501P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502145
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2019121821
(87)【国際公開番号】W WO2021102876
(87)【国際公開日】2021-06-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シンル・ゼン
(72)【発明者】
【氏名】ペン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ホウデ・ジョウ
(57)【要約】
第1のチップスタックと、再配線層とを含むチップパッケージ構造が、提供される。第1のチップスタックは、複数の第1のチップと、第1のモールディング層と、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素とを含む。複数の第1のチップは、順次に積み重ねられ、複数の第1のチップのそれぞれは、少なくとも1つの第1の接合パッドを含み、第1の接合パッドは、その複数の第1のチップによって覆われない。第1のモールディング層は、複数の第1のチップをカプセル化する。少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素は、第1のモールディング層を貫通し、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素は、第1の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に配置され、その少なくとも1つに電気的に接続される。再配線層は、第1のチップスタック上に配置され、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次に積み重ねられた複数の第1のチップであって、前記複数の第1のチップのそれぞれが、少なくとも1つの第1の接合パッドを備え、前記第1の接合パッドが、前記複数の第1のチップによって覆われない、複数の第1のチップと、
前記複数の第1のチップをカプセル化する第1のモールディング層と、
前記第1のモールディング層を貫通する少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素であって、前記第1の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に配置され、前記第1の接合パッドのうちの前記少なくとも1つに電気的に接続された少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素とを備える第1のチップスタックと、
前記第1のチップスタック上に配置され、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続された再配線層と
を備えるチップパッケージ構造。
【請求項2】
前記第1のチップスタックと前記再配線層との間に配置された第2のチップスタックをさらに備えるチップパッケージ構造であって、
前記第2のチップスタックが、
順次に積み重ねられた複数の第2のチップであって、前記複数の第2のチップのそれぞれが、少なくとも1つの第2の接合パッドを備え、前記第2の接合パッドが、前記複数の第2のチップによって覆われない、複数の第2のチップと、
前記複数の第2のチップをカプセル化する第2のモールディング層と、
前記第2のモールディング層を貫通する少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素であって、前記第2の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に配置され、前記第2の接合パッドのうちの前記少なくとも1つに電気的に接続され、かつ前記再配線層に電気的に接続された少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素と
を備える、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項3】
第3のモールディング層と、少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素とをさらに備えるチップパッケージ構造であって、
前記第3のモールディング層が、前記第1のチップスタックおよび前記第2のチップスタックをカプセル化し、前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素が、前記第3のモールディング層を貫通し、前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素が、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素上に配置され、かつ前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続され、前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素が、前記再配線層に電気的に接続された、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素の延在方向が、前記第1のチップスタックの法線方向と実質的に平行である、請求項3に記載のチップパッケージ構造。
【請求項5】
前記第1のチップスタックが、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素と前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素との間に配置された部分再配線層をさらに備える、請求項3に記載のチップパッケージ構造。
【請求項6】
前記第2のチップスタックが、階段の形状で前記第1のチップスタック上に積み重ねられる、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素の延在方向が、前記第1のチップスタックの法線方向と実質的に平行である、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項8】
前記複数の第1のチップが、階段の形状で積み重ねられる、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項9】
前記再配線層とは反対の前記第1のチップスタックの側の上に配置された保護層をさらに備える、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項10】
前記第1のチップスタックが、前記複数の第1のチップのうちの2つにそれぞれ属する前記第1の接合パッドのうちの2つの間で電気的に接続された接続配線をさらに備える、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項11】
チップパッケージ構造の製造方法であって、
キャリアボード上に複数の第1のチップを積み重ねるステップであって、前記複数の第1のチップのそれぞれが、少なくとも1つの第1の接合パッドを有し、前記第1の接合パッドが、前記複数の第1のチップによって覆われない、積み重ねるステップと、
前記第1の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に、前記第1の接合パッドのうちの前記少なくとも1つに電気的に接続されることになる少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素を形成するステップと、
前記複数の第1のチップをカプセル化して第1のチップスタックを形成するように第1のモールディング層を形成するステップであって、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素が、前記第1のモールディング層を貫通し、前記第1のチップスタックが、前記複数の第1のチップと、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素と、前記第1のモールディング層とを備える、形成するステップと、
前記第1のチップスタックの上に、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続されることになる再配線層を形成するステップと
を含むチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項12】
前記再配線層を形成する前記ステップの前に、前記第1のチップスタック上に第2のチップスタックを積み重ねるステップをさらに含むチップパッケージ構造の製造方法であって、
前記第2のチップスタックが、
順次に積み重ねられた複数の第2のチップであって、前記複数の第2のチップのそれぞれが、少なくとも1つの第2の接合パッドを備え、前記第2の接合パッドが、前記複数の第2のチップによって覆われない、複数の第2のチップと、
前記複数の第2のチップをカプセル化する第2のモールディング層と、
前記第2のモールディング層を貫通する少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素であって、前記第2の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に配置され、前記第2の接合パッドのうちの前記少なくとも1つに電気的に接続された少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素とを備え、
前記再配線層が、前記少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素に電気的に接続される、請求項11に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項13】
前記第2のチップスタックの形成方法が、
前記複数の第2のチップを積み重ねるステップと、
前記第2の接合パッドのうちの前記少なくとも1つの上に前記少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素を形成するステップと、
前記複数の第2のチップをカプセル化するように前記第2のモールディング層を形成するステップとを含む、請求項12に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項14】
チップパッケージ構造の製造方法であって、
前記再配線層を形成する前記ステップの前に、
前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素上に、前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続されることになる少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素を形成するステップと、
前記第1のチップスタックおよび前記第2のチップスタックをカプセル化するように第3のモールディング層を形成するステップであって、前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素が、前記第3のモールディング層を貫通する、形成するステップとをさらに含み、
前記再配線層が、前記少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素に電気的に接続される、請求項12に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項15】
前記第1のチップスタックと前記第2のチップスタックが、同一のキャリアボード上に形成される、請求項12に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項16】
前記第2のチップスタックが、階段の形状で前記第1のチップスタック上に積み重ねられる、請求項12に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項17】
前記第1のモールディング層を形成する前記ステップが、
前記少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素の端部を露出させるように前記第1のモールディング層の表面を薄くするステップを含む、請求項11に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項18】
前記複数の第1のチップが、階段の形状で積み重ねられる、請求項11に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項19】
前記キャリアボードを除去するステップをさらに含む、請求項11に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【請求項20】
前記チップパッケージ構造の製造方法であって、
前記キャリアボードを除去する前記ステップの後、前記再配線層とは反対の前記第1のチップスタックの側の上に保護層を形成するステップを含む、請求項19に記載のチップパッケージ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップパッケージ構造、およびチップパッケージ構造の製造方法に関し、より詳細には、順次に積み重ねられた複数のチップを有するチップパッケージ構造、およびそのようなチップパッケージ構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程において、パッケージング工程は、半導体構成要素を保護するように半導体パッケージ構造を形成するために、1つまたは複数のチップなどの半導体構成要素をカプセル化することができる。今日、業界は、優れた特性を有するパッケージ構造を開発するために多大な労力を払っている。例えば、3D半導体デバイス(3Dメモリデバイスなどの)において、低費用、小さいサイズ、短い設計時間、強力な保護、および/または好ましい電気特性(例えば、短い電気接続距離)などの特性を有するパッケージ構造が開発されている。しかし、従来のパッケージ構造は、前述の優れた特性を同時に満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、順次に積み重ねられた複数のチップを有するチップパッケージ構造、およびそのようなチップパッケージ構造の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態において、チップパッケージ構造が、第1のチップスタックと、再配線層とを含む。第1のチップスタックは、複数の第1のチップと、第1のモールディング層と、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素とを含む。複数の第1のチップは、順次に積み重ねられ、複数の第1のチップのそれぞれは、少なくとも1つの第1の接合パッドを含み、第1の接合パッドは、複数の第1のチップによって覆われない。第1のモールディング層は、複数の第1のチップをカプセル化する。少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素は、第1のモールディング層を貫通し、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素は、第1の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に配置され、その少なくとも1つに電気的に接続される。再配線層は、第1のチップスタック上に配置され、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続される。
【0005】
別の実施形態において、チップパッケージ構造の製造方法が提供される。製造方法は、キャリアボード上に複数の第1のチップを積み重ねることであって、複数の第1のチップのそれぞれが、少なくとも1つの第1の接合パッドを有し、第1の接合パッドが、複数の第1のチップによって覆われない、積み重ねること、第1の接合パッドのうちの少なくとも1つの上に、第1の接合パッドのうちのその少なくとも1つに電気的に接続されることになる少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素を形成すること、複数の第1のチップをカプセル化し第1のチップスタックを形成するように第1のモールディング層を形成することであって、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素が、第1のモールディング層を貫通し、第1のチップスタックが、複数の第1のチップと、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素と、第1のモールディング層とを含む、形成すること、ならびに第1のモールディング層上で、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素に電気的に接続されることになる再配線層を形成することを含む。
【0006】
本発明のチップパッケージ構造の設計に起因して、チップパッケージ構造は、より小さい横方向サイズを有し、チップパッケージ構造のチップと外部デバイスとの間の信号伝送パスが、小さくされてよい。さらに、チップパッケージ構造の設計時間および費用が、低減されることが可能である。他方、製造工程において、チップのオフセットが存在する場合、チップパッケージ構造の信頼性を向上させることが可能である。
【0007】
本発明の以上、およびその他の目的は、様々な図および図面において例示される好ましい実施形態の後段の詳細な説明を読んだ後、当業者には、間違いなく明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
【
図5】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法を示すフローチャートである。
【
図6A】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6B】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6C】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6D】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6E】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6F】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6G】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6H】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6I】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6J】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図6K】本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを例示する概略図である。
【
図7】本発明の別の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の別の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の構成および配置について説明されるものの、このことは、例示の目的で行われるに過ぎないことを理解されたい。他の構成および配置が、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく使用され得ることが、当業者には認識されよう。本開示は、様々な他の応用例において使用されることも可能であることが、当業者には明白となろう。
【0010】
いくつかの用語が、特定の構成要素を参照するために説明および添付の特許請求の範囲の全体にわたって使用される。当業者には理解されるとおり、電子機器製造業者は、異なる名称によって構成要素を参照することがある。本文書は、名称が異なるが、機能は異ならない構成要素の間で区別することは意図していない。後段の説明、および特許請求の範囲において、「含む」、「備える」、および「有する」という用語は、限定なしの様態で使用され、それ故、「~を含むが、それには限定されない」を意味するように解釈されるべきである。それ故、「含む」、「備える」、および/または「有する」という用語が、本開示の説明において使用される場合、対応する特徴、区域、ステップ、動作、および/または構成要素が存在することが示されるが、対応する特徴、区域、ステップ、動作、および/または構成要素のうちの1つの存在にも、複数の存在にも限定されない。
【0011】
本明細書において、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」、「一部の実施形態」その他について述べることは、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含んでよいが、すべての実施形態が、その特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含まなくてもよいことを示すことに留意されたい。さらに、そのような句は、必ずしも同一の実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されるか否かにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態に関連して実施することは、当業者の知識の範囲内にある。
【0012】
一般に、用語法は、少なくとも部分的に、文脈における用法から理解されてよい。例えば、本明細書において使用される「1つまたは複数の」という用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、任意の特徴、構造、または特性を単数の意味で説明するために使用されることがあり、あるいは特徴、構造、または特性の組合せを複数の意味で説明するために使用されることがある。同様に、「或る」または「その」などの用語もまた、少なくとも部分的に文脈に応じて、単数形の用法を伝えるように、または複数形の用法を伝えるように理解されてよい。
【0013】
本開示における「上」、「上側」、および「上方」の意味は、「上」が何かの「直に上」だけを意味するのではなく、その間に介在する特徴もしくは層が存在して何かの「上」の意味も含むように、さらに「上側」または「上方」が何かの「上側」または「上方」の意味だけを意味するのではなく、その間に介在する特徴も層も存在せずに何かの「上側」または「上方」(すなわち、何かの直に上)の意味を含むことも可能であるように最も広い様態で解釈されるべきことが、容易に理解されよう。
【0014】
さらに、「下」、「下方」、「より低い」、「上側」、「上部の」およびそれに類するような空間的に相対的な用語は、図において例示される1つの要素もしくは特徴の、別の要素もしくは特徴に対する関係を説明するための説明を容易にするために本明細書において使用される。空間的に相対的な用語は、図において示される向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含するように意図される。装置は、別様に(90度回転されて、または他の向きで)配向されてよく、本明細書において使用される空間的に相対的な記述子も同様に、相応するように解釈されてよい。
【0015】
本明細書において使用される「基板」という用語は、それに続く材料層が上に追加される材料を指す。基板自体が、パターン形成されることが可能である。基板の上に追加された材料は、パターン形成されることが可能であり、またはパターン形成されないままであることが可能である。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ化、リン化インジウム、その他などの幅広い数多くの半導体材料を含むことが可能である。代替として、基板は、ガラスウェーハ、プラスチックウェーハ、またはサファイアウェーハなどの非導電性材料から作られることが可能である。
【0016】
本明細書において使用される「層」という用語は、厚さを有する領域を含む材料部分を指す。層は、基礎をなす構造、または上に覆い被さる構造の全体にわたって広がることが可能であり、または基礎をなす構造、または上に覆い被さる構造の広がりより小さい広がりを有してよい。さらに、層は、連続的な構造の厚さ未満の厚さを有する均質な、または均質でない連続的な構造の領域であることが可能である。例えば、層は、連続的な構造の上面と下面の間の、または上面と下面における水平平面の任意のペアの間に位置付けられることが可能である。層は、水平に広がること、垂直に広がること、および/またはテーパ面に沿って広がることが可能である。基板は、層であることが可能であり、そこに1つまたは複数の層を含むことが可能であり、ならびに/あるいはその上に、その上側に、および/またはその下側に1つまたは複数の層を有することが可能である。層は、多数の層を含むことが可能である。例えば、相互接続層が、1つまたは複数の導体層および接触層(そこに接点、相互接続線、および/またはビアが形成される)、ならびに1つまたは複数の誘電体層を含むことが可能である。
【0017】
本明細書において使用される「公称の/公称では」という用語は、所望の値を上回る値および/または下回る値の範囲と一緒に、製品または工程の設計段階中に設定される、構成要素動作または工程動作に関する特性またはパラメータの所望される、または目標の値を指す。値の範囲は、製造工程または製造許容差におけるわずかなばらつきに起因することが可能である。本明細書において使用される「約」という用語は、当該の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、例えば、値の10~30%の範囲内(例えば、値の±10%、±20%、または±30%)で変化する所与の量の値を示すことが可能である。
【0018】
第1の、第2の、第3の、その他などの用語は、様々な構成要素について説明するのに使用されることがあるが、そのような構成要素は、それらの用語によって限定されない。それらの用語は、本明細書において構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるに過ぎない。これらの用語は、構成要素の順序、および/または構成要素の製造工程の順序を並べ替えることを意図してはいない。特許請求の範囲は、同一の用語を使用しないことがあり、代わりに、第1の、第2の、第3の、その他などの用語を、要素が請求される順序に関して使用することがある。したがって、後段の説明において、第1の構成要素は、請求項において第2の構成要素であることがある。
【0019】
図1を参照すると、
図1は、本発明の第1の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
図1に示されるとおり、チップパッケージ構造100は、第1のチップスタックCS1と、再配線層140とを含む。この実施形態において、第1のチップスタックCS1は、複数の第1のチップ110と、第1のモールディング層130と、少なくとも1つの第1の垂直伝導性要素120とを含むが、これらには限定されない。他の任意の適切な構成要素が、任意選択で、第1のチップスタックCS1に含められてよい。
【0020】
第1のチップ110は、半導体製造工程によって形成されてよく、第1のチップ110は、同一であっても、異なっていてもよい。例えば、一部の実施形態において、第1のチップ110は、同一であってよく、メモリ機能を有してよく、一部の実施形態において、第1のチップ110は、異なっていてよく、第1のチップ110は、同一の機能または異なる機能を有するが、以上には限定されない。任意の種類のチップが、要件に基づいて第1のチップ110の役割をするために選択されてよい。さらに、一部の実施形態において、第1のチップ110は、基板と、基板上に配置された電子構成要素とを有してよい。電子構成要素は、2Dメモリユニット、3Dメモリユニット、および/または他の適切な構成要素を含んでよい。例えば、電子構成要素は、第1のチップ110が、メモリ機能を有してよく、チップパッケージ構造100が、3Dメモリデバイスであってよいが、以上には限定されないように3Dメモリユニットであってよい。「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延在するように、横方向に向けられた基板上にメモリセルトランジスタの垂直方向に向けられたストリング(すなわち、本明細書では「メモリストリング」)を有する半導体デバイスを指すことに留意されたい。
【0021】
図1において、第1のチップスタックCS1は、順次に積み重ねられた4つの第1のチップ110(すなわち、それぞれ、110a、110b、110c、および110d)を含むが、これには限定されない。この実施形態において、第1のチップ110は、複数のダイアタッチフィルム(DAF)114によって互いに付着されてよく、ダイアタッチフィルム114は、第1のチップ110b、110c、および110dのうちの3つのチップの下面上にそれぞれ配置されてよいが、これには限定されない。さらに、第1のチップ110のそれぞれは、対応する第1のチップ110と外部デバイス(信号源または電源、その他などの)の間の信号伝送パスの構成要素であるように構成された少なくとも1つの第1の接合パッド112を含む。
図1を簡明にするために、
図1は、第1のチップ110のそれぞれが1つの第1の接合パッド112を有することだけを示すが、実際には、第1のチップ110のそれぞれは、1つの第1の接合パッド112を有しても、複数の第1の接合パッド112を有してもよい。第1の接合パッド112は、金属伝導性材料および/または透明の伝導性材料などの、ただし、これには限定されない少なくとも1つの伝導性材料を含んでよい。第1の接合パッド112は、いくつかの伝導性要素(後段で説明される垂直伝導性要素および/または接続配線などの)が第1の接合パッド112上に配置されてよく、パッド112に電気的に接続されてよいように、第1のチップ110によって覆われることはない。この実施形態において、
図1に示される第1のチップ110は、第1の接合パッド112を露出させるように階段の形状に積み重ねられるが、これには限定されない。
【0022】
第1のモールディング層130は、第1のチップ110を保護し、第1のチップ110に対する物理的損傷および/または化学的損傷(酸化、湿気によってもたらされる損傷などの)を低減するように、第1のチップ110をカプセル化して、覆ってよい。第1のモールディング層130は、エポキシ樹脂および/または他の任意の適切なモールディングコンパウンドを含んでよい。
【0023】
各第1の垂直伝導性要素120は、第1の接合パッド112のうちの少なくとも1つの上に配置されてよく、それに電気的に接続されてよい。
図1において、第1のチップスタックCS1は、複数の第1の垂直伝導性要素120を含み、第1の垂直伝導性要素120のそれぞれは、第1の接合パッド112のうちの1つの上に配置されてよいが、これには限定されない。また、この実施形態において、第1の垂直伝導性要素120のそれぞれは、対応する第1の接合パッド112と接触していてよいが、これには限定されない。
【0024】
さらに、第1の垂直伝導性要素120は、第1のチップ110が第1のモールディング層130上に配置された構成要素に電気的に接続されてよいように、第1のモールディング層130を貫通してよい。
図1において、第1の垂直伝導性要素120の延在方向は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dn(すなわち、第1のチップスタックCS1の表面の垂直方向)と実質的に平行であってよいが、これには限定されない。さらに、第1の垂直伝導性要素120は、金、銅、アルミニウム、銀、および/または他の適切な金属などの、ただし、これらには限定されない少なくとも1つの伝導性材料を含んでよい。
【0025】
再配線層140は、第1のチップスタックCS1上に配置され、再配線層140は、第1の垂直伝導性要素120に電気的に接続される。詳細には、再配線層140は、少なくとも1つの伝導性層142と、少なくとも1つの絶縁層144とを含んでよく、伝導性層142は、第1の垂直伝導性要素120に電気的に接続されてよい。伝導性層142は、金属材料、他の任意の適切な伝導性材料、またはその組合せを含んでよく、絶縁層144は、有機材料または無機材料(二酸化ケイ素材料、窒化ケイ素材料、酸化窒化ケイ素材料、他の任意の適切な絶縁材料、またはその組合せ)を含んでよい。一部の実施形態において、
図1に示されるとおり、再配線層140は、1つの伝導性層142と、1つの絶縁層144とを含んでよい。一部の実施形態(図示されない)において、再配線層140は、複数の伝導性層142と、複数の絶縁層144とを含んでよい。
【0026】
図1の再配線層140において、絶縁層144は、伝導性層142の複数の部分を露出させるように複数の開口146を有してよい。さらに、
図1に示されるとおり、チップパッケージ構造100は、伝導性層142の露出部分と接触している複数のはんだボール150をさらに含んでよい。すなわち、はんだボール150のそれぞれは、開口146のうちの1つに対応する。この事例において、はんだボール150のそれぞれは、信号入出力端子の役割をしてよい。はんだボール150(すなわち、信号入出力端子)を介して、外部デバイスからの信号が、チップパッケージ構造100に入力されてよく、さらに/またはチップパッケージ構造100からの信号が、外部デバイスに出力されてよい。はんだボール150のそれぞれは、第1の垂直伝導性要素120のうちの少なくとも1つに電気的に接続されてよいことに留意されたい。
【0027】
詳細には、はんだボール150は、再配線層140を設計することによって配置されてよい。したがって、チップパッケージ構造100は、外部デバイスに電気的に接続されるために回路基板により容易に接合されてよい。一部の実施形態において、はんだボール150のうちの隣接する2つの間の距離は、これらのはんだボール150に対応する第1の垂直伝導性要素120のうちの隣接する2つの間の距離より大きくてよいが、これには限定されない。一部の実施形態において、チップパッケージ構造100は、ファンアウト型パッケージであってよいが、これには限定されない。
【0028】
第1のチップ110は、一緒に積み重ねられるので、チップパッケージ構造100の横方向サイズは、低減されることが可能である。チップパッケージ構造100は、従来の配線接合技術(すなわち、パッドと接合基板の間で接合された曲がった配線)の代わりに、第1の垂直伝導性要素120および再配線層140を使用するので、チップパッケージ構造100の横方向サイズが、さらに低減されることが可能であり(曲がった配線の2つの端部が近すぎることが不可能であるため)、第1のチップ110と外部デバイスの間の信号伝送パスが、小さくされてよい。また、従来の配線接合技術において使用される接合基板は、チップパッケージ構造100において存在せず、したがって、接合基板の設計時間および費用が、節約されることが可能である。他方、チップパッケージ構造100の製造工程において、第1のチップ110のオフセットが存在する場合、第1の垂直伝導性要素120および再配線層140の形成の信頼性は、従来の配線接合技術の信頼性より高い。
【0029】
チップパッケージ構造100は、任意選択で、他の任意の適切な構成要素または構造を含んでよい。例えば、
図1において、チップパッケージ構造100は、再配線層140とは反対の第1のチップスタックCS1の側の上に配置された保護層160をさらに含んでよい。保護層160は、パッケージ反り現象を低減するためにチップパッケージ構造100に応力補償をもたらすように構成される。
【0030】
本発明のチップパッケージ構造は、前述の実施形態に限定されない。本発明のさらなる実施形態が、後段において説明される。比較を容易にするため、同一の構成要素には、後段において同一の記号でラベルが付けられる。後段の説明は、実施形態のそれぞれの間の違いに関し、繰り返される部分について冗長に説明されることはない。
【0031】
図2を参照すると、
図2は、本発明の第2の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
図2を簡明にするために、
図2は、第1のチップ110のそれぞれが1つの第1の接合パッド112を有することだけを示すが、実際には、第1のチップ110のそれぞれは、1つの第1の接合パッド112を有しても、複数の第1の接合パッド112を有してもよい。
図2に示されるとおり、この実施形態と第1の実施形態の間の違いは、この実施形態におけるチップパッケージ構造200が、少なくとも1つの接続配線210をさらに含み、各接続配線210が、第1のチップ110のうちの2つにそれぞれが属する第1の接合パッド112のうちの2つの間に電気的に接続されて、第1の垂直伝導性要素120のうちの1つが、第1のチップ110のうちの少なくとも2つに電気的に接続されてよいようになることである。例えば、
図2は、2つの第1のチップ110cおよび110dにそれぞれ属する第1の接合パッド112のうちの2つの間で電気的に接続された1つの接続配線210を示し、最上の第1の垂直伝導性要素120が、これら2つの第1のチップ110cおよび110dに電気的に接続されるが、これには限定されない。接続配線210は、他の任意の適切な位置上に配置されてよく、任意の適切な数の接続配線210が、要件に基づいて使用されてよい。実施例として、一部の実施形態において、1つの接続配線210が、2つの第1のチップ110cおよび110dにそれぞれ属する第1の接合パッド112のうちの2つの間で電気的に接続され、別の接続配線210が、2つの第1のチップ110bおよび110cにそれぞれ属する第1の接合パッド112のうちの2つの間で電気的に接続されて、最上の第1の垂直伝導性要素120(または別の第1の垂直伝導性要素120)が、これら3つの第1のチップ110b、110cおよび110dに電気的に接続されるようになるが、これには限定されない。別の実施例として、一部の実施形態において、1つの接続配線210が、2つの第1のチップ110cおよび110dにそれぞれ属する第1の接合パッド112のうちの2つの間で電気的に接続され、別の接続配線210が、2つの第1のチップ110bおよび110cにそれぞれ属する第1の接合パッド112のうちの2つの間で電気的に接続され、さらに別の接続配線210が、2つの第1のチップ110aおよび110bにそれぞれ属する第1の接合パッド112のうちの2つの間で電気的に接続されて、最上の第1の垂直伝導性要素120(または別の第1の垂直伝導性要素120)が、これら4つの第1のチップ110a~110dに電気的に接続されるようになるが、これには限定されない。
【0032】
さらに、接続配線210は、配線接合工程から形成されてよく、接続配線210は、金、銅、アルミニウム、銀、および/または他の適切な金属などの、ただし、これらには限定されない少なくとも1つの伝導性材料を含んでよい。
【0033】
図3を参照すると、
図3は、本発明の第3の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
図3を簡明にするために、
図3は、第1のチップ110のそれぞれが1つの第1の接合パッド112を有することだけを示すが、実際には、第1のチップ110のそれぞれは、1つの第1の接合パッド112を有しても、複数の第1の接合パッド112を有してもよい。
図3に示されるとおり、この実施形態と第1の実施形態の間の違いは、この実施形態におけるチップパッケージ構造300が、第1のチップスタックCS1と再配線層140の間に配置された第2のチップスタックCS2をさらに含むことである。第2のチップスタックCS2は、複数の第2のチップ310と、第2のモールディング層330と、少なくとも1つの第2の垂直伝導性要素320とを含んでよいが、これには限定されない。他の任意の適切な構成要素が、任意選択で、第2のチップスタックCS2に含められてよい。
【0034】
第2のチップ310は、半導体製造工程によって製造されてよく、第2のチップ310は、同一であっても、異なっていてもよい。例えば、一部の実施形態において、第2のチップ310は、同一であってよく、メモリ機能を有してよく、一部の実施形態において、第2のチップ310は、異なっていてよく、第2のチップ310は、同一の機能または異なる機能を有するが、以上には限定されない。任意の種類のチップが、要件に基づいて第2のチップ310の役割をするために選択されてよい。さらに、一部の実施形態において、第2のチップ310は、基板と、基板上に配置された電子構成要素とを有してよい。電子構成要素は、2Dメモリユニット、3Dメモリユニット、および/または他の適切な構成要素を含んでよい。
【0035】
一部の実施形態において、第2のチップ310のうちの少なくとも1つは、第1のチップ110のうちの少なくとも1つと同一であってよいが、これには限定されない。一部の実施形態において、第2のチップ310のすべてが、第1のチップ110のすべてと異なっていてよい。
【0036】
図3において、第2のチップスタックCS2は、順次に積み重ねられた4つの第2のチップ310(すなわち、それぞれ、310a、310b、310c、および310d)を含むが、これには限定されない。この実施形態において、第2のチップ310は、複数のダイアタッチフィルム314によって互いに付着されてよく、ダイアタッチフィルム314は、第2のチップ310b、310c、および310dのうちの3つのチップの下面上にそれぞれ配置されてよいが、これには限定されない。さらに、第2のチップ310のそれぞれは、対応する第2のチップ310と外部デバイスの間の信号伝送パスの構成要素の役割をする少なくとも1つの第2の接合パッド312を含む。
図3を簡明にするために、
図3は、第2のチップ310のそれぞれが1つの第2の接合パッド312を有することだけを示すが、実際には、第2のチップ310のそれぞれは、1つの第2の接合パッド312を有しても、複数の第2の接合パッド312を有してもよい。第2の接合パッド312は、金属伝導性材料および/または透明の伝導性材料などの、ただし、これには限定されない少なくとも1つの伝導性材料を含んでよい。第2の接合パッド312は、いくつかの伝導性要素(後段で説明される)が第2の接合パッド312上に配置されてよく、パッド312に電気的に接続されてよいように、第2のチップ310によって覆われることはない。この実施形態において、
図3に示される第2のチップ310は、第2の接合パッド312を露出させるように階段の形状に積み重ねられるが、これには限定されない。
【0037】
第2のモールディング層330は、第2のチップ310を保護し、第2のチップ310に対する物理的損傷および/または化学的損傷(酸化、湿気によってもたらされる損傷などの)を低減するように、第2のチップ310をカプセル化して、覆ってよい。第2のモールディング層330は、エポキシ樹脂および/または他の任意の適切なモールディングコンパウンドを含んでよい。一部の実施形態において、第2のモールディング層330の材料は、第1のモールディング層130の材料と同一であってよいが、これには限定されない。
【0038】
各第2の垂直伝導性要素320は、第2の接合パッド312のうちの少なくとも1つの上に配置されてよく、それに電気的に接続されてよい。
図3において、第2のチップスタックCS2は、複数の第2の垂直伝導性要素320を含み、第2の垂直伝導性要素320のそれぞれは、第2の接合パッド312のうちの1つの上に配置されてよいが、これには限定されない。また、この実施形態において、第2の垂直伝導性要素320のそれぞれは、対応する第2の接合パッド312と接触していてよいが、これには限定されない。
【0039】
さらに、第2の垂直伝導性要素320は、第2のチップ310が第2のモールディング層330上に配置された構成要素に電気的に接続されてよいように、第2のモールディング層330を貫通してよい。
図3において、第2の垂直伝導性要素320の延在方向は、第2のチップスタックCS2の法線方向(すなわち、第2のチップスタックCS2の表面の垂直方向)と実質的に平行であってよいが、これには限定されない。一部の実施形態において、第2の垂直伝導性要素320の延在方向は、第1の垂直伝導性要素120の延在方向と実質的に平行でよい(すなわち、第2の垂直伝導性要素320の延在方向は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dnと実質的に平行である)が、これには限定されない。さらに、第2の垂直伝導性要素320は、金、銅、アルミニウム、銀、および/または他の適切な金属などの、ただし、これらには限定されない少なくとも1つの伝導性材料を含んでよい。一部の実施形態において、第2の垂直伝導性要素320の材料は、第1の垂直伝導性要素120の材料と同一であってよいが、これには限定されない。
【0040】
図3において、再配線層140は、第2の垂直伝導性要素320に電気的に接続される。同様に、再配線層140において、絶縁層144は、伝導体層142のさらなる部分を露出させるようにさらなる開口146をさらに有してよく、開口146のうちの1つに対応するはんだボール150のそれぞれは、第1の垂直伝導性要素120のうちの少なくとも1つ、および/または第2の垂直伝導性要素320のうちの少なくとも1つに電気的に接続されてよい。
【0041】
詳細には、第1のチップスタックCS1の機能は、第2のチップスタックCS2の機能と同一であっても、異なっていてもよい。また、第1のチップ110の数が、第2のチップ310と同一であっても、異なっていてもよい。
【0042】
さらに、チップパッケージ構造300は、第2のチップスタックCS2がダイアタッチフィルム340によって第1のチップスタックCS1に付着されてよいように、第2のチップスタックCS2の下面上に配置されたダイアタッチフィルム340をさらに含んでよい。
図3において、第2のチップスタックCS2は、階段の形状で第1のチップスタックCS1上に積み重ねられるが、これには限定されない。さらに、一部の実施形態において、第1の垂直伝導性要素120と第2の垂直伝導性要素320は、チップパッケージ構造300の中心に対して異なる位置に位置付けられてよい。例えば、
図3において、第1の垂直伝導性要素120は、チップパッケージ構造300の中心に対して左部分に位置付けられてよく、第2の垂直伝導性要素320は、チップパッケージ構造300の中心に対して右部分に位置付けられてよいが、これには限定されない。一部の実施形態において、第1の垂直伝導性要素120と第2の垂直伝導性要素320は、チップパッケージ構造300の中心に対して同一部分に位置付けられてよい。例えば、第1の垂直伝導性要素120と第2の垂直伝導性要素320は、チップパッケージ構造300の中心に対して左部分に位置付けられてよい。さらに、
図3に示される第2のチップスタックCS2は、第1の接合パッド112および第1の垂直伝導性要素120を覆わないが、これには限定されない。
【0043】
詳細には、チップパッケージ構造300は、第3のモールディング層360と、少なくとも1つの第3の垂直伝導性要素350とをさらに含んでよい。第3のモールディング層360は、第1のチップスタックCS1および第2のチップスタックCS2をカプセル化してよい。
図3において、第3のモールディング層360は、第1のチップスタックCS1と再配線層140の間の間隙、および第2のチップスタックCS2と保護層160の間の間隙を埋めるようにされてよい。第3のモールディング層360は、エポキシ樹脂および/または他の任意の適切なモールディングコンパウンドを含んでよい。一部の実施形態において、第3のモールディング層360の材料は、第1のモールディング層130の材料、および/または第2のモールディング層330の材料と同一であってよいが、これには限定されない。
【0044】
各第3の垂直伝導性要素350は、第1の垂直伝導性要素120のうちの1つの上に配置されてよく、それに電気的に接続されてよく、さらに各第3の垂直伝導性要素350は、再配線層140に電気的に接続されてよい。すなわち、第1のチップ110の第1の接合パッド112は、第1の垂直伝導性要素120および第3の垂直伝導性要素350を介して再配線層140に電気的に接続されてよい。
図3において、チップパッケージ構造300は、複数の第3の垂直伝導性要素350を含み、第3の垂直伝導性要素350のそれぞれは、対応する第1の垂直伝導性要素120と接触していてよいが、これには限定されない。
【0045】
さらに、第3の垂直伝導性要素350は、第3のモールディング層360を貫通してよい。
図3において、第3の垂直伝導性要素350の延在方向は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dnと実質的に平行であってよいが、これには限定されない。一部の実施形態において、第3の垂直伝導性要素350の延在方向は、第1の垂直伝導性要素120の延在方向、および/または第2の垂直伝導性要素320の延在方向と実質的に平行であってよいが、これには限定されない。さらに、第2の垂直伝導性要素320は、金、銅、アルミニウム、銀、および/または他の適切な金属などの、ただし、これらには限定されない少なくとも1つの伝導性材料を含んでよい。一部の実施形態において、第3の垂直伝導性要素350の材料は、第1の垂直伝導性要素120の材料、および/または第2の垂直伝導性要素320の材料と同一であってよいが、これには限定されない。
【0046】
一部の実施形態において、チップパッケージ構造300は、第2のチップスタックCS2と再配線層140の間に配置された他のチップスタックをさらに含んでよい。この事例において、第3のモールディング層360は、第2のチップスタックCS2と再配線層140の間に配置されたこのチップスタックもカプセル化してよい。
【0047】
その結果、チップスタックは、積み重ねられるので、チップパッケージ構造300の横方向サイズが、低減されることが可能である。また、チップパッケージ構造300の横方向サイズは、垂直伝導性要素の使用に起因して、さらに低減されることが可能である。他方、製造工程において、チップのオフセットが存在する場合、垂直伝導性要素および再配線層140の形成の信頼性は、従来の配線接合技術の信頼性より高い。
【0048】
図4を参照すると、
図4は、本発明の第4の実施形態によるチップパッケージ構造の横断面図を示す概略図である。
図4を簡明にするために、
図4は、第1のチップ110のそれぞれが1つの第1の接合パッド112を有し、第2のチップ310のそれぞれが1つの第2の接合パッド312を有することだけを示すが、実際には、第1のチップ110のそれぞれは、1つの第1の接合パッド112を有しても、複数の第1の接合パッド112を有してもよく、第2のチップ310のそれぞれは、1つの第2の接合パッド312を有しても、複数の第2の接合パッド312を有してもよい。
図4に示されるとおり、この実施形態と第3の実施形態の間の違いは、この実施形態におけるチップパッケージ構造400の第1のチップスタックCS1が、部分再配線層440をさらに含むことであり、部分再配線層440は、第1の垂直伝導性要素120と第3の垂直伝導性要素350の間に配置される。言い換えると、部分再配線層440は、第1のモールディング層130上にある。
【0049】
部分再配線層440の構造は、再配線層140と類似する。詳細には、部分再配線層440は、少なくとも1つの伝導性層442と、少なくとも1つの絶縁層444とを含んでよく、伝導性層442は、第1の垂直伝導性要素120と第3の垂直伝導性要素350の間で電気的に接続されてよい。伝導性層442は、金属材料、他の任意の適切な伝導性材料、またはその組合せを含んでよく、絶縁層444は、有機材料または無機材料を含んでよい。一部の実施形態において、
図3に示されるとおり、部分再配線層440は、1つの伝導性層442と、1つの絶縁層444とを含んでよい。一部の実施形態(図示されない)において、部分再配線層440は、複数の伝導性層442と、複数の絶縁層444とを含んでよい。
【0050】
図4において、部分再配線層440に起因して、第3の垂直伝導性要素350は、対応する第1の垂直伝導性要素120上に直に配置されなくてよいことがある。すなわち、互いに対応する第3の垂直伝導性要素350と第1の垂直伝導性要素120は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dnで互い違いに配置されてよい。それ故、第3の垂直伝導性要素350は、他の任意の適切な位置に配置されてよい。さらに、この事例において、
図4に示される第2のチップスタックCS2は、第1のチップ110dの第1の接合パッド112、および最上の第1の垂直伝導性要素120と重なり合ってよいが、これには限定されない。その結果、第1のチップスタックCS1と第2のチップスタックCS2の重なり合う区域が、チップパッケージ構造400の横方向サイズを小さくするように増大される。
【0051】
前述のチップパッケージ構造を製造するための例示的な方法が、後段で開示される。
【0052】
図5を参照すると、
図5は、本発明の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法を示すフローチャートである。
図5に示されるフローチャートは、例示的であることを認識されたい。一部の実施形態において、ステップのうちのいくつかは、同時に実行されてよく、または
図5に示されるのとは異なる順序で実行されてよい。一部の実施形態において、他の任意の適切なステップが、方法500の既存のステップのうちの1つの前または後に方法500において追加されてよい。後段の内容に関して、方法500は、
図5を参照して説明されるものとする。しかし、方法500は、それらの例示的な実施形態に限定されない。
【0053】
方法500をより明確に説明するために、
図6Aから
図6K、および
図3が、さらに参照される。
図6Aから
図6Kは、本発明の実施形態によるチップパッケージ構造300の製造方法におけるステータスをそれぞれ例示する概略図である。
図6Aから
図6K、および
図3は、
図3に示されるチップパッケージ構造300(すなわち、第3の実施形態のチップパッケージ構造300)の製造工程を示すためにさらに参照されることに留意されたい。
【0054】
図5のステップ510aにおいて、第1のチップ100は、キャリアボードCB1上に積み重ねられる(
図6Aに示されるとおり)。例えば、
図6Aにおいて、第1のチップ110は、第1の接合パッド112が第1のチップ110によって覆われないように、階段の形状で積み重ねられる。さらに、ダイアタッチフィルム114が、第1のチップ110が互いに付着されてよいように、いくつかの第1のチップ110b、110c、および110dの下面上に配置されてよい。
【0055】
図5のステップ520aにおいて、第1の垂直伝導性要素120が、第1の接合パッド112に電気的に接続されることになる第1の接合パッド112上に形成される(
図6Bに示されるとおり)。一部の実施形態において、第1の垂直伝導性要素120は、接合工程によって形成されてよく、第1の垂直伝導性要素120の端部が、第1の接合パッド112上に接合され、第1の垂直伝導性要素120の別の端部は何も接触しない。それ故、第1の垂直伝導性要素120の延在方向は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dnと実質的に平行であってよい。
【0056】
任意選択で、一部の実施形態において、第1のチップ110のうちの2つにそれぞれが属する第1の接合パッド112のうちの2つの間に電気的に接続された接続配線210(
図2を参照する)が、形成されてよいが、これには限定されない。
【0057】
図5のステップ530aにおいて、第1のモールディング層130が、第1のチップスタックCS1を形成するために第1のチップ110をカプセル化するように形成され(
図6Cおよび
図6Dに示されるとおり)、第1のチップスタックCS1は、第1のチップ110と、第1の垂直伝導性要素120と、第1のモールディング層130とを含む。
【0058】
詳細には、
図6Cに示されるとおり、第1のモールディング層130が、第1のチップ110および第1の垂直伝導性要素120を覆うように形成される。次に、
図6Dに示されるとおり、第1のモールディング層130の表面が、各第1の垂直伝導性要素120の端部を露出させるように薄くされる。言い換えると、第1のモールディング層130を形成するステップは、各第1の垂直伝導性要素120の端部を露出させるように第1のモールディング層130の表面を薄くすることを含んでよい。したがって、第1の垂直伝導性要素120は、後続の製造工程において第1のモールディング層130上に形成される構成要素に電気的に接続されてよい。さらに、この薄くするステップは、化学機械研磨(CMP)工程または他の任意の適切な工程を使用する。さらに、第1のモールディング層130が形成された後、第1の垂直伝導性要素120が、第1のモールディング層130を貫通してよい。
【0059】
任意選択で、一部の実施形態において、部分再配線層440(
図4を参照する)は、第1のモールディング層130が形成された後に第1のモールディング層130上に形成されてよいが、これには限定されない。
【0060】
図5のステップ510bにおいて、第2のチップ310が、キャリアボードCB1上に積み重ねられる(
図6Aに示されるとおり)。例えば、
図6Aにおいて、第2のチップ310は、第2の接合パッド312が第2のチップ310によって覆われないように、階段の形状で積み重ねられる。さらに、ダイアタッチフィルム314が、第2のチップ310が互いに付着されてよいように、いくつかの第1のチップ310b、310c、および310dの下面上に配置されてよい。
【0061】
図5のステップ520bにおいて、第2の垂直伝導性要素320が、第2の接合パッド312に電気的に接続されることになる第2の接合パッド312上に形成される(
図6Bに示されるとおり)。一部の実施形態において、第2の垂直伝導性要素320は、接合工程によって形成されてよく、第2の垂直伝導性要素320の端部が、第2の接合パッド312上に接合され、第2の垂直伝導性要素320の別の端部は何も接触しない。それ故、第2の垂直伝導性要素320の延在方向は、第2のチップスタックCS2の法線方向と実質的に平行であってよい(例えば、一部の実施形態において、第2の垂直伝導性要素320は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dnと実質的に平行であってよい)。
【0062】
図5のステップ530bにおいて、第2のモールディング層330が、第2のチップスタックCS2を形成するために第2のチップ310をカプセル化するように形成され(
図6Cおよび
図6Dに示されるとおり)、第2のチップスタックCS2は、第2のチップ310と、第2の垂直伝導性要素320と、第2のモールディング層330とを含む。
【0063】
詳細には、
図6Cに示されるとおり、第2のモールディング層330は、第2のチップ310および第2の垂直伝導性要素320を覆うように形成される。次に、
図6Dに示されるとおり、第2のモールディング層330の表面が、第2の垂直伝導性要素320が、後続の製造工程において第2のモールディング層330上に形成される構成要素に電気的に接続されてよいように、各第2の垂直伝導性要素320の端部を露出させるように薄くされる。さらに、この薄くするステップは、化学機械研磨(CMP)工程または他の任意の適切な工程を使用する。さらに、第2のモールディング層330が形成された後、第2の垂直伝導性要素320が、第2のモールディング層330を貫通してよい。
【0064】
一部の実施形態において、
図5および
図6Aに示されるとおり、ステップ510aにおけるキャリアボードは、ステップ510bにおけるキャリアボードと同一であってよく、すなわち、第1のチップ110と第2のチップ310は、同一のキャリアボードCB1上に積み重ねられてよいが、これには限定されない。したがって、ステップ510aとステップ510bは、同時に実行されてよい。一部の実施形態において(図示されない)、ステップ510aにおけるキャリアボードは、ステップ510bにおけるキャリアボードと異なっていてよく、ステップ510aとステップ510bは、同時に実行されなくてよい。
【0065】
一部の実施形態において、
図5、および
図6Bから
図6Dに示されるとおり、第1のチップスタックCS1と第2のチップスタックCS2が、同一のキャリアボードCB1上に形成され、第1のモールディング層130と第2のモールディング層330が、同一の材料で形成されるように、ステップ520aとステップ520bが、同時に実行されてよく、ステップ530aとステップ530bが、同時に実行されてよいが、これには限定されない。
図6Cおよび
図6Dに示されるとおり、第1のモールディング層130と第2のモールディング層330は、互いに直接に接続されるが、これには限定されない。
【0066】
次に、一部の実施形態において、いくつかのステップが、方法500において追加されてよい。例えば、第1のチップスタックCS1と第2のチップスタックCS2は、
図6Dにおける同一のキャリアボードCB1上に形成されるので、キャリアボードCB1を除去するためのステップ、および第1のチップスタックCS1を第2のチップスタックCS2から分離するためのステップが、実行される。より正確には、
図6Eに示されるとおり、キャリアボードCB1は、第1のチップスタックCS1および第2のチップスタックCS2がキャリアボードCB1から分離されてよいように、除去されてよい。一部の実施形態において、第1のチップスタックCS1および第2のチップスタックCS2をキャリアボードCB1から分離するための剥離工程が、実行されてよいが、これには限定されない。次に、第1のチップスタックCS1と第2のチップスタックCS2が、互いに分離されてよい。一部の実施形態において、第1のチップスタックCS1を第2のチップスタックCS2から分離するための切断工程が、実行されてよいが、これには限定されない。任意選択で、第1のチップスタックCS1を第2のチップスタックCS2から分離した後、ダイアタッチフィルム340が、第2のチップスタックCS2の下面上にさらに形成されてよい。
【0067】
図5のステップ540において、第2のチップスタックCS2が、第1のチップスタックCS1上に積み重ねられる(
図6Fに示されるとおり)。詳細には、第1のチップスタックCS1は、別のキャリアボードCB2上に配置されてよく、次に、第2のチップスタックCS2が、第1のチップスタックCS1上に積み重ねられ、このキャリアボードCB2は、前述したキャリアボードCB1と同一であっても、異なっていてもよい。例えば、
図6Fにおいて、第2のチップスタックCS2は、第1の接合パッド112が第2のチップスタックCS2によって覆われないように、階段の形状で第1のチップスタックCS1上に積み重ねられてよい。さらに、一部の実施形態において、第2のチップスタックCS2と第1のチップスタックCS1は、第2のチップスタックCS2の下面上に形成されたダイアタッチフィルム340を介して互いに付着される。
【0068】
図5のステップ550において、第3の垂直伝導性要素350が、第1の垂直伝導性要素120に電気的に接続されることになる第1の垂直伝導性要素120上に形成される(
図6Gに示されるとおり)。第3の垂直伝導性要素350の形成工程は、第1の垂直伝導性要素120の形成工程と同様である。一部の実施形態において、第3の垂直伝導性要素350は、接合工程によって形成されてよく、第3の垂直伝導性要素350の端部が、第1の垂直伝導性要素120上に接合され、第3の垂直伝導性要素350の別の端部は何も接触しない。それ故、第3の垂直伝導性要素350の延在方向は、第1のチップスタックCS1の法線方向Dnと実質的に平行であってよい。
【0069】
図5のステップ560において、第3のモールディング層360が、第1のチップスタックCS1および第2のチップスタックCS2をカプセル化するように形成される(
図6Hおよび
図6Iに示されるとおり)。詳細には、
図6Hにおいて示されるとおり、第3のモールディング層360は、第1のチップスタックCS1、第2のチップスタックCS2、および第3の垂直伝導性要素350を覆うように形成される。次に、
図6Iに示されるとおり、第3のモールディング層360の表面が、各第3の垂直伝導性要素350の端部、および各第2の垂直伝導性要素320の端部を露出させるように薄くされる。したがって、第3の垂直伝導性要素350および第2の垂直伝導性要素320は、後続の製造工程で形成される構成要素に電気的に接続されてよい。さらに、この薄くするステップは、化学機械研磨工程または他の任意の適切な工程を使用する。さらに、第3のモールディング層360が形成された後、第3の垂直伝導性要素350が、第3のモールディング層360を貫通してよい。
【0070】
図5のステップ570において、再配線層140が、第1の垂直伝導性要素120、第2の垂直伝導性要素320、および第3の垂直伝導性要素350に電気的に接続されることになる第1のチップスタックCS1および第2のチップスタックCS2の上に形成される(
図6Jに示されるとおり)。再配線層140は、少なくとも1つの伝導性層142と、少なくとも1つの絶縁層144とを含んでよく、伝導性層142は、第1の垂直伝導性要素120に電気的に接続されてよい。例えば、
図6Jにおいて、伝導性層142が、第1の垂直伝導性要素120、第2の垂直伝導性要素320、および第3の垂直伝導性要素350に電気的に接続されるように第1のチップスタックCS1および第2のチップスタックCS2の上に形成され、パターン形成されてよく(
図6Jにおいて、伝導性層142は、第1の垂直伝導性要素120、第2の垂直伝導性要素320、および第3の垂直伝導性要素350の端部と接触していてよい)、次に、絶縁層144が、伝導性層142上に形成されてよく、絶縁層144は、伝導性層142の複数の部分を露出させるように開口146を形成するためにパターン形成されてよいが、これには限定されない。さらに、伝導性層142および絶縁層144は、化学堆積(CVD)、物理堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、またはその任意の組合せを含むが、これらには限定されない1つまたは複数の薄膜堆積工程によって形成されてよく、伝導性層142および絶縁層144は、フォトリソグラフィ工程によって、ただし、これに限定されることなく、パターン形成されてよい。
【0071】
さらに、複数のはんだボール150が、再配線層440上に形成されてよい。より正確には、はんだボール150は、再配線層140上に、開口146に対応して形成されてよい。
【0072】
次に、
図6Kにおいて、キャリアボードCB2が、除去されてよい。一部の実施形態において、第1のチップスタックCS1をキャリアボードCB2から分離するための剥離工程が実行されてよいが、これらには限定されない。
【0073】
任意選択で、保護層160が、
図3に示されるチップパッケージ構造300を完成させるように、再配線層140とは反対の第1のチップスタックCS1の側の上に形成されてよい。一部の実施形態において、保護層160は、第1のチップスタックCS1上に付着されてよいが、これらには限定されない。
【0074】
図7を参照すると、
図7は、本発明の別の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法を示すフローチャートである。
図7に示されるフローチャートは、例示的であることを認識されたい。一部の実施形態において、ステップのうちのいくつかは、同時に実行されてよく、または
図7に示されるのとは異なる順序で実行されてよい。一部の実施形態において、他の任意の適切なステップが、方法700の既存のステップのうちの1つの前または後に方法700において追加されてよい。後段の内容に関して、方法700は、
図7を参照して説明されるものとする。しかし、方法700は、それらの例示的な実施形態に限定されない。
【0075】
方法700をより明確に説明するために、
図6Aから
図6D、
図8、および
図1が、さらに参照される。
図8は、本発明の別の実施形態によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステータスを示す概略図である。
図6Aから
図6D、
図8、および
図1は、
図1に示されるチップパッケージ構造100(すなわち、第1の実施形態のチップパッケージ構造100)の製造工程を示すためにさらに参照されることに留意されたい。
【0076】
図7のステップ510a、520a、および530aの説明については、前段の内容、および
図5が参照されてよく、したがって、ステップ510a、520a、および530aについて冗長に説明されることはない。
図6Aから
図6Dに示される第2のチップスタックCS2は、この実施形態においては形成されなくてもよいことに留意されたい。
【0077】
図7のステップ740において、再配線層140が、第1の垂直伝導性要素120に電気的に接続されることになる第1のチップスタックCS1上に形成される(
図8に示されるとおり)。再配線層140の形成方法については、前段の内容が参照されてよく、繰り返される部分について冗長に説明されることはない。さらに、はんだボール150が、再配線層140上に、開口146に対応して形成されてよい。
【0078】
次に、キャリアボードCB1が、除去されてよい。一部の実施形態において、第1のチップスタックCS1をキャリアボードCB1から分離するための剥離工程が、実行されてよいが、これらには限定されない。
【0079】
任意選択で、保護層160が、
図1に示されるチップパッケージ構造100を完成させるように、再配線層140とは反対の第1のチップスタックCS1の側の上に形成されてよい。
【0080】
要約すると、本発明のチップパッケージ構造の設計に起因して、チップパッケージ構造は、より小さい横方向サイズを有し、チップパッケージ構造のチップと外部デバイスとの間の信号伝送パスが、小さくされてよい。さらに、チップパッケージ構造の設計時間および費用が、低減されることが可能である。他方、製造工程において、チップのオフセットが存在する場合、チップパッケージ構造の信頼性を向上させることが可能である。
【0081】
特定の実施形態の前述の説明は、他の人々が、当業者の範囲内の知識を適用することによって、本開示の一般的な概念を逸脱することなく、法外な実験なしに、そのような特定の実施形態を様々な応用のために容易に変形すること、および/または適合させることができるように、本開示の一般的な性質を完全に開示する。したがって、そのような適合および変形は、本明細書において提示される教示および案内に基づいて、開示される実施形態の均等物の趣意および範囲に含まれることが意図される。本明細書における言葉遣いまたは用語法は、本明細書の用語法または言葉遣いが、教示および案内に照らして当業者によって解釈されることになるように、限定ではなく、説明を目的とすることを理解されたい。
【0082】
本開示の実施形態は、明示される機能、およびそれらの機能の関係の実施を例示する機能構築ブロックの助けを借りて前段で説明されてきた。これらの機能構築ブロックの境界は、説明の便宜のために本明細書において恣意的に定義されてきた。明示される機能、およびそれらの機能の関係が適切に実行される限り、代替の境界が定義されることが可能である。
【0083】
概要セクションおよび要約書セクションは、本発明者によって企図される本開示の1つまたは複数の、ただし、すべてではない例示的な実施形態を提示してよく、それ故、本開示、および添付の特許請求の範囲を限定することはまったく意図していない。
【0084】
本開示の幅および範囲は、前述される例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、専ら、添付の特許請求の範囲、およびそれと均等の範囲により定義されるべきである。
【符号の説明】
【0085】
100、200、300、400 チップパッケージ構造
110、110a、110b、110c、110d、310、310a、310b、310c、310d チップ
112、312 接合パッド
114、314 ダイアタッチフィルム
120、320、350 垂直伝導性要素
130、330、360 モールディング層
140 再配線層
142、442 伝導性層
144、444 絶縁層
146 開口
150 はんだボール
160 保護層
210 接続配線
440 部分再配線層
CB1、CB2 キャリアボード
CS1、CS2 チップスタック
Dn 法線方向
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一緒に積み重ねられた多数のチップであって、前記多数のチップのそれぞれが、前記多数のチップによって覆われない
接合パッドを備える、多数のチップと
、前記
多数のチップをカプセル化す
るモールディング層と
、前記モールディング層
の到達範囲の表面から延在し、かつ前記接合パッドに結合された垂直伝導性要素とを備え
るチップスタックと、
前記モールディング層の上側の再配線層であって、前記垂直伝導性要素に結合された伝導性層と、前記伝導性層の上方にあり、かつ前記伝導性層を部分的に露出させる絶縁層とを有する再配線層と
を備えるチップパッケージ構造。
【請求項2】
前記絶縁層の開口を介して前記伝導性層の露出された部分と接触するはんだボールをさらに備える、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項3】
前記はんだボールが、前記絶縁層の上面の下の部分を備える、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項4】
前記はんだボールが、前記垂直伝導性要素に電気的に接続される、請求項
2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項5】
前記絶縁層のそれぞれの開口を介して前記伝導性層のそれぞれの露出された部分とそれぞれが接触する2つ以上のはんだボールをさらに備える、請求項
1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項6】
前記チップスタックが、2つ以上の垂直伝導性要素を備え、隣接する2つの垂直伝導性要素の間の距離が、隣接する2つのはんだボールの間の距離より小さい、請求項
5に記載のチップパッケージ構造。
【請求項7】
前記伝導性層が、単一の層として前記モールディング層の上に広がる、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項8】
前記伝導性層が、前記垂直伝導性要素に電気的に接続される、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項9】
前記再配線層
が、多数の伝導性層と、多数の絶縁層とを備える、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項10】
メモリセルの多数の垂直方向のストリングと、接合パッドとをそれぞれが備える、一緒に積み重ねられた多数のチップと、前記多数のチップをカプセル化するモールディング層と、前記接合パッド上に配置され、かつ前記接合パッドに電気的に接続された、前記モールディング層を貫通する垂直伝導性要素とを備えるチップスタックと、
前記チップスタック上に配置され、かつ前記垂直伝導性要素に電気的に接続された再配線層と
を備えるチップパッケージ構造。
【請求項11】
前記接合パッドが、互いに重ね合わされた2つの層を備える、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項12】
前記多数のチップのそれぞれが、前記接合パッドの反対側の上に基板をさらに備え、メモリセルの前記多数の垂直方向のストリングが、前記基板に対して垂直方向に延在する、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項13】
前記垂直伝導性要素の延在方向が、前記チップスタックの法線方向と実質的に平行である、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項14】
前記多数のチップが、前記接合パッドを露出させるように階段の形状で積み重ねられる、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項15】
前記再配線層とは反対の前記チップスタックの側の上に配置された保護層をさらに備える、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項16】
前記チップスタックが、前記多数のチップのうちの2つにそれぞれ属する2つの接合パッドの間で電気的に接続された接続配線をさらに備える、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項17】
前記垂直伝導性要素が、前記多数のチップのうちの少なくとも2つに電気的に接続される、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項18】
前記多数のチップのうちの少なくとも1つが、前記再配線層の上に配置された構成要素に電気的に接続される、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項19】
前記再配線層が、伝導性層と、前記伝導性層の上に配置された絶縁層とを備え、前記絶縁層が、前記伝導性層の多数の部分を露出させるように多数の開口を有する、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【請求項20】
チップパッケージ構造
を製造する方法であって、
キャリアボード上に多数のチップを積み重ねるステップであって、前記多数のチップのそれぞれが、接合パッドと、メモリセルの多数の垂直方向のストリングとを有し、前記接合パッドが、前記多数のチップによって覆われない、積み重ねるステップと、
前記接合パッド上に、前記接合パッドに電気的に接続された垂直伝導性要素を形成するステップと、
前記多数のチップをカプセル化してチップスタックを形成するようにモールディング層を形成するステップであって、前記垂直伝導性要素が、前記モールディング層を貫通し、前記チップスタックが、前記多数のチップと、前記垂直伝導性要素と、前記モールディング層とを備える、前記モールディング層を形成するステップと、
前記チップスタック上に、前記垂直伝導性要素に電気的に接続された再配線層を形成するステップであって、前記再配線層が、前記垂直伝導性要素に結合された伝導性層と、前記伝導性層の上にあり、かつ前記伝導性層を部分的に露出させる絶縁層とを備える、前記再配線層を形成するステップと
を含む方法。
【国際調査報告】