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特表2022-541128コーティングされた電極活物質の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】コーティングされた電極活物質の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/525 20100101AFI20220914BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20220914BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20220914BHJP
   C01G 53/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/36 C
C01G53/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021577640
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2020066098
(87)【国際公開番号】W WO2020260022
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】19182242.8
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】カロ,ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】ガレラ,ドミニク
【テーマコード(参考)】
4G048
5H050
【Fターム(参考)】
4G048AA04
4G048AB02
4G048AC06
4G048AD03
4G048AE05
5H050AA19
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA08
5H050CB03
5H050FA17
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA10
5H050GA12
5H050GA22
5H050GA27
5H050GA29
5H050GA30
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA14
5H050HA20
(57)【要約】
以下の工程:
(a)一般式Li1+xTM1-x(式中、TMは、Niと、Coと、任意にMnと、任意にMg、Al、Ba、Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属との組み合わせであり、xは0~0.2の範囲であり、TMの遷移金属の少なくとも15モル%はNiである)による粒子状電極活物質を提供する工程と、
(b)前記電極活物質をMの化合物で処理する工程であって、Mが、溶媒の有無にかかわらず、Li、Al、B、Mg、Si、Snから、及び遷移金属、又は前述の少なくとも2種の組み合わせから選択され、前記Mの化合物が、それ自体ではカソード活物質として作用しない、工程と
(c)任意に、前記粒子状電極活物質に堆積されていないMの化合物を除去する工程と、
(d)工程(b)の後、又は該当する場合に(c)の後に得られた物質を、流動床で、250~950℃の温度で加熱することによって後処理する工程と
を含む、コーティングされた電極活物質の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
(a)一般式Li1+xTM1-x(式中、TMは、Niと、Coと、任意にMnと、任意にMg、Al、Ba、Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属との組み合わせであり、xは0~0.2の範囲であり、TMの遷移金属の少なくとも15モル%はNiである)による粒子状電極活物質を提供する工程と、
(b)前記電極活物質をMの化合物で処理する工程であって、Mが、Li、Al、B、Mg、Si、Snから、及び遷移金属、又は前述の少なくとも2種の組み合わせから選択され、前記Mの化合物が、それ自体ではカソード活物質として作用しない、工程と
(d)工程(b)の後に得られた物質を、流動床で、250~950℃の温度で加熱することによって後処理する工程と
を含む、コーティングされた電極活物質の製造方法。
【請求項2】
工程(b)による前記処理が、コーティング、堆積及び含浸から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
TMが、一般式(I)

(NiaCobMnc)1-dMd (I)

(式中、aは、0.6~0.95の範囲であり、
bは、0.025~0.2の範囲であり、
cは、0.025~0.2の範囲であり、
dは、0~0.2の範囲であり、
Mは、Mg、Al、Ba、W、Ti又はZr、又は前述の少なくとも2種の組み合わせであり、
a+b+c=1である)
による遷移金属の組み合わせである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
(c)前記粒子状電極活物質に堆積されていないMの化合物を除去する工程を含み、前記工程(c)が工程(b)に続いて行われ、工程(d)が工程(c)の後に行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(b)が、溶媒を使用せずに、プラウシェアミキサー、タンブルミキサー、水平ミキサー、高速ミキサー、高せん断ミキサー、円錐ミキサー、Eirichミキサー又は自由落下ミキサーで行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
が、Al、Ti、B、Mg、Co、Y、Ta、Zr、及び前述の少なくとも2種の組み合わせから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(b)が、前記粒子状電極活物質を水性媒体中でスラリー化し、それを前記水性媒体中でMの化合物と接触させることによって行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程(d)が、10分~180分の範囲の持続時間を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程(d)が、多段式流動床で行われる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程(d)が、少なくとも20体積%の酸素濃度を有する雰囲気中で行われる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程(b)又は(d)の間、又は該当する場合に工程(c)及び(d)の間に、工程(b)で使用された任意の溶媒が0~300℃の温度で除去される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングされた電極活物質の製造方法に関し、ここで、当該方法が、以下の工程:
(a)一般式Li1+xTM1-x(式中、TMは、Niと、Coと、任意にMnと、任意にMg、Ba、Al、Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属との組み合わせであり、xは0~0.2の範囲であり、TMの遷移金属の少なくとも15モル%はNiである)による粒子状電極活物質を提供する工程と、
(b)前記電極活物質をMの化合物で処理する工程であって、Mが、溶媒の有無にかかわらず、Li、Al、B、Mg、Si、Snから、及び遷移金属から、又は前述の少なくとも2種の組み合わせから選択され、前記Mの化合物が、それ自体ではカソード活物質として作用しない、工程と
(c)任意に、前記粒子状電極活物質に堆積されていないMの化合物を除去する工程と、
(d)工程(b)の後、又は該当する場合に(c)の後に得られた物質を、流動床で、250~950℃の温度で加熱することによって後処理する工程と
を含む。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、エネルギーを貯蔵するための最新の装置である。携帯電話及びラップトップコンピュータなどの小型の装置からカーバッテリー及び他のE-モビリティ(e-mobility)用バッテリーまで、多くの応用分野が考えられてきており、そして考えられている。電解質、電極材料及びセパレータなどの様々な電池の構成要素は、電池の性能に関して重要な役割を有する。カソード材料は特に注目されている。いくつかの材料、例えばリチウム鉄ホスフェート、リチウムコバルトオキシド、及びリチウムニッケルコバルトマンガンオキシドが提案されてきた。広範な研究調査が行われてきているが、これまでに見出された解決策は未だに改善の余地がある。
【0003】
リチウムイオン電池の1つの問題は、カソード活物質の表面での望ましくない反応に起因する。このような反応は、電解質又は溶媒又はその両方の分解であり得る。したがって、充電及び放電中のリチウム交換を妨げることなく、表面を保護することが試みられた。例は、例えばアルミニウムオキシド又はカルシウムオキシドでカソード活物質をコーティングする試みである(例えば、US 8,993,051参照)。
【0004】
しかしながら、このような保護されたカソード活物質の製造を保護するための方法の効率は、依然として改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 8,993,051
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、表面での望ましくない反応に対して十分な安定性を有する粒子状電極活物質を製造する方法を提供することであった。このような改善された方法は、実行が容易であり、均一な生成物をもたらすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、以下に本発明の方法又は(本)発明による方法とも称される、冒頭で定義された方法が見出された。本発明の方法は、コーティングされたカソード活物質の製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施態様において、粒子状材料の電極活物質は、2~20μm、好ましくは3~16μmの範囲の平均粒径(D50)を有する。平均粒径は、例えば光散乱又はレーザー回折又は電気音響分光法(electroacoustic spectroscopy)によって決定することができる。粒子は通常、一次粒子からの凝集体から構成され、上記の粒径は二次粒子の粒径を指す。
【0009】
本発明の文脈において使用される「コーティングされた」という用語は、粒子状材料のバッチの粒子の少なくとも80%がコーティングされていること、及び各粒子の表面の少なくとも75%、例えば75~99.99%、好ましくは80~95%がコーティングされていることを指す。
【0010】
このようなコーティングの厚さは、非常に薄く、例えば0.1nm~2μmである。いくつかの実施態様において、厚さは6~150nmの範囲であってもよい。さらなる実施態様において、このようなコーティングの厚さは16~50nmの範囲である。この文脈における厚さとは、mでの粒子表面あたりのMの化合物の量を計算し、100%の変換を仮定することによって数学的に決定された平均厚さを指す。
【0011】
好ましくは、コーティングの平均厚さは、そのような粒子状材料の電極活物質の平均粒径(D50)の最大10%に達する。
【0012】
本発明の方法は、本発明の文脈においてそれぞれ工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d)とも称される工程(a)、(b)、(c)及び(d)を含む。
【0013】
工程(a)は、一般式Li1+xTM1-x(式中、TMは、Niと、Coと、任意にMnと、任意にMg、Al、Ba、Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属との組み合わせであり、xは0~0.2の範囲であり、TMの遷移金属の少なくとも15モル%、好ましくは少なくとも33モル%、さらにより好ましくは少なくとも50モル%はNiである)による粒子状電極活物質を提供することを含む。前記電極活物質は、リチウム化されたニッケル-コバルトアルミニウムオキシド、及びリチウム化されたコバルト-マンガンオキシドから選択される。
【0014】
本発明の一実施態様において、粒子状電極活物質は、0.1~10m/g、好ましくは0.1~1.5m/gの範囲の比表面積(「BET表面積」)を有する。BET表面積は、DIN ISO 9277:2010に従って、200℃で30分以上、及びこれを超えてサンプルをガス放出した後の窒素吸着によって決定することができる。
【0015】
層状ニッケル-コバルト-マンガンオキシドの例は、一般式(I)

(NiaCobMnc)1-dMd (I)

(式中、aは、0.6~0.95の範囲であり、
bは、0.025~0.2の範囲であり、
cは、0.025~0.2の範囲であり、
dは、0~0.2の範囲であり、
Mは、Mg、Al、Ba、W、Ti又はZr、又は前述の少なくとも2種の組み合わせであり、
a+b+c=1である)
による化合物である。
【0016】
好ましいリチウム化されたニッケル-コバルトアルミニウムオキシドの例は、一般式Li[NiCoAl]O2+rの化合物である。r、h、i及びjの典型的な値は以下である:
hは、0.75~0.95の範囲であり、
iは、0.04~0.20の範囲であり、
jは、0.01~0.05の範囲であり、
rは、0~0.4の範囲である。
【0017】
Li(1+x)[Ni0.2Co0.1Mn0.7(1-x)、Li(1+x)[Ni0.33Co0.33Mn0.33(1-x)、Li(1+x)[Ni0.5Co0.2Mn0.3(1-x)、Li(1+x)[Ni0.6Co0.2Mn0.2(1-x)、Li(1+x)[Ni0.7Co0.2Mn0.1(1-x)、及びLi(1+x)[Ni0.8Co0.1Mn0.1(1-x)、Li(1+x)[Ni0.85Co0.1Mn0.05(1-x)(それぞれのxは上記で定義された通りである)、及びLi[Ni0.9Co05Al0.05]Oが特に好ましい。
【0018】
前記粒子状電極活物質は、好ましくは、導電性炭素又はバインダーなどの添加剤を含まずに提供される。
【0019】
工程(a)では、粒子状電極活物質は、自由流動性の粉末として、又は有機溶媒中又は水中のスラリーとして提供されてもよい。自由流動性の粉末が好ましい。
【0020】
本発明の一実施態様において、工程(a)で提供された電極活物質は、さらなる準備工程なしで使用される。本発明の別の実施態様において、前記電極活物質を工程(b)に供する前に、準備工程(p)が行われる。
【0021】
任意の工程(p)において、前記粒子状物質は水性媒体で処理される。前記水性媒体は、2~14、好ましくは少なくとも5、より好ましくは7~12.5、さらにより好ましくは8~12.5の範囲のpH値を有し得る。pH値は、工程(p)の開始時に測定される。工程(p)の過程で、pH値が少なくとも10に上昇することが観察される。
【0022】
水性媒体、特に工程(p)に使用される水の硬度、特にカルシウムが少なくとも部分的に除去されることが好ましい。脱塩水の使用が好ましい。
【0023】
本発明の一実施態様において、工程(p)は、か焼した粒子状材料を水中でスラリー化し、続いて固液分離法によって水を除去し、50~450℃の範囲の最高温度で乾燥することによって行われる。
【0024】
工程(p)の代替の実施態様において、工程(p)で使用される水性媒体は、アンモニア又は少なくとも1種の遷移金属塩、例えばニッケル塩又はコバルト塩を含有してもよい。このような遷移金属塩は、好ましくは、電極活物質に有害ではない対イオンを有する。硫酸塩及び硝酸塩は使用可能である。塩化物は好ましくない。
【0025】
本発明の一実施態様において、工程(p)は、5~85℃の範囲の温度で行われ、10~60℃が好ましい。
【0026】
本発明の一実施態様において、工程(p)は常圧で行われる。しかしながら、高圧下で、例えば常圧より10ミリバール~10バール高い圧力で、又は吸引で、例えば常圧より50~250ミリバール低い圧力、好ましくは常圧より100~200ミリバール低い圧力で、工程(p)を行うことが好ましい。
【0027】
例えば、工程(p)は、例えば、フィルター装置の上の位置のために、容易に排出することができる容器内で行われてもよい。そのような容器は出発物質で充填され、続いて水性媒体が導入されてもよい。他の実施態様において、そのような容器は水性媒体で充填され、続いて出発物質が導入される。他の実施態様において、出発物質と水性媒体は同時に導入される。
【0028】
本発明の一実施態様において、工程(p)における出発物質と水性媒体の全体との体積比は、2:1~1:5、好ましくは2:1~1:2の範囲である。
【0029】
工程(p)は、混合操作、例えば振とう、又は特に攪拌又は剪断によってサポートされる(以下を参照)。
【0030】
本発明の一実施態様において、工程(p)は、1分~30分、好ましくは1分から5分未満の範囲の持続時間を有する。工程(p)において、水処理及び水除去が重ねて又は同時に行われる実施態様では、5分以上の持続時間が可能である。
【0031】
工程(p)の一実施態様において、水処理及び水除去は連続的に行われる。工程(p)に従って水性媒体で処理した後、あらゆるタイプの濾過によって、例えばバンドフィルター又はフィルタープレスで、水を除去することができる。
【0032】
本発明の一実施態様において、工程(p)の開始から遅くとも3分後に、水除去が開始される。水除去は、固液分離によって、例えばデカンテーションによって、又は好ましくは濾過によって、処理された粒子状物質から前記水性媒体を除去することを含む。
【0033】
本発明の一実施態様において、工程(p)で得られたスラリーは、遠心分離機、例えばデカンター遠心分離機又はフィルター遠心分離機中に、又はフィルター装置、例えば吸引フィルターに、又は好ましくは工程(p)が行われる容器の真下に配置されたベルトフィルターに直接排出される。その後、濾過を開始する。
【0034】
本発明の特に好ましい実施態様において、工程(p)は、攪拌機を備えたフィルター装置、例えば攪拌機を備えた圧力フィルター又は攪拌機を備えた吸引フィルターで行われる。工程(p)に従って出発物質と水性媒体を組み合わせた後最大3分後、又はその直後でさえ、水性媒体の除去は、濾過を開始することによって開始される。実験室規模では、工程(p)はブフナー漏斗で行われ、工程(p)は手動で攪拌することによってサポートされる。
【0035】
好ましい実施態様において、工程(p)は、フィルター装置、例えば、フィルター中のスラリー又はフィルターケーキの攪拌を可能にする攪拌フィルター装置で行われる。工程(p)の開始後最大3分の時間の後、濾過、例えば圧力濾過又は吸引濾過の開始により、水除去が開始される。
【0036】
本発明の一実施態様において、水除去は、1分~1時間の範囲の持続時間を有する。
【0037】
本発明の一実施態様において、工程(p)における撹拌は、1分当たり1~50回転(「rpm」)の範囲の速度で行われ、5~20rpmが好ましい。
【0038】
本発明の一実施態様において、濾材は、セラミック、焼結ガラス、焼結金属、有機ポリマーフィルム、不織布、及び織物から選択することができる。
【0039】
本発明の一実施態様において、工程(p)は、低減されたCO含有量、例えば、0.01~500質量ppmの範囲の二酸化炭素含有量を有する雰囲気下で行われ、0.1~50質量ppmが好ましい。CO含有量は、例えば赤外光を使用する光学的方法によって決定することができる。例えば赤外光に基づく光学的方法での検出限界未満の二酸化炭素含有量を有する雰囲気下で、工程(p)を行うことがさらにより好ましい。
【0040】
工程(b)は、前記電極活物質をMの化合物で処理することを含み、ここで、Mが、溶媒の有無にかかわらず、Al、B、Mgから、及び遷移金属、又は前述の少なくとも2種の組み合わせから選択される。このような処理は、例えば、コーティング、堆積又は含浸、特に機械的固体コーティングによって、又は化学蒸着法によって又は原子層堆積(「ALD」)法によって又は含浸法によって、1つの工程で、又は1以上のサブステップで行うことができる。
【0041】
本発明の方法の工程(b)及び任意の工程(c)は、ミキサー又は容器又は少なくとも2つの容器のカスケードで行われ、前記ミキサー又は容器又はカスケード(該当する場合)は、本発明の文脈において反応器とも呼ばれる。
【0042】
本発明の方法の一実施態様において、工程(b)は、15~1000℃、好ましくは15~500℃、より好ましくは20~350℃、さらにより好ましくは20~50℃の範囲の温度で行われる。工程(b)において、場合によってMの化合物が気相にある温度を選択することが好ましい。
【0043】
本発明の一実施態様において、工程(b)は常圧で行われるが、工程(b)は減圧又は高圧で行われてもよい。例えば、工程(b)は、常圧より5ミリバール~1バール高い範囲の圧力で、好ましくは常圧より10~150ミリバール高い範囲の圧力で行われてもよい。本発明の文脈において、常圧は1atm又は1013ミリバールである。他の実施態様において、工程(b)は、常圧よリ150ミリバール~560ミリバール高い範囲の圧力で行われてもよい。他の実施態様において、工程(b)は、減圧、例えば1~550ミリバールで行われる。
【0044】
本発明の好ましい実施態様において、Mの化合物は、Al、Ti、B、Mg、Co、Y、Ta又はZr、及び前述の少なくとも2種の組み合わせから選択される。前記Mの化合物は、それ自体ではカソード活物質として作用しない。したがって、電極反応に関しては不活性であるが、リチウムイオン伝導体として機能する。
【0045】
本発明の好ましい実施態様において、Mの化合物は、LiOR、LiOH、LiX、M(R、M(R、M(R4-y、M(OR、M(OH)、M(OR、M(OH)、MOOH、M(OR、M[NR、M、M、M及びM、及び対イオンの組み合わせを有するMの化合物、例えばM(R)X、M(RX、M、M(RX、M(R、M、及びメチルアルモキサンから選択され、ここで、変数は以下のように定義される:
は、同一又は異なり、直鎖又は分岐状C~C-アルキルから選択され、
は、同一又は異なり、直鎖又は分岐状C~C-アルキルから選択され、
Xは、同一又は異なり、アセテート、ホルマート、ナイトレート又はハライド、特にナイトレート又はクロリドから選択され、Xの2つのイオンがスルフェート又はオキシドで置き換えることができ、
は、Mg、Zn及びCoから選択され、
は、Al、B、Y及びTiから選択され、
は、Si、Sn、Ti、Zr及びHfから選択され、Sn及びTiが好ましく、
は、Nb及びTaから選択され、
変数yは、0~4、特に0~1から選択される。
【0046】
LiXの例としては、LiNO、LiOH及びLiClが挙げられる。
【0047】
(Rの例としては、n-C-Mg(n-オクチル)、Zn(CH及びZn(Cが挙げられる。M(ORの例としては、Zn(OCH、Zn(OC、Mg(OCH及びMg(OCが挙げられる。
【0048】
の例としては、ZnCl、ZnSO、ZnO、Zn(NO、MgCl、MgSO、MgO、Mg(NO、CoCl、CoO、CoSO及びCo(NOが挙げられる。
【0049】
(OR及びM(ORの好ましい例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(O-n-C、Si(O-イソ-C、Si(O-n-C、Ti[OCH(CH、Ti(OC、Zn(OC、Zr(OC、Zr(OC、B(OCH、B(OC、Al(OCH、Al(OC、Al(O-n-C、Al(O-イソ-C、Al(O-sec.-C及びAl(OC)(O-sec.-Cが挙げられる。
【0050】
アルミニウムアルキル化合物の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム及びメチルアルモキサンが挙げられる。
【0051】
金属アミドは、金属イミドと呼ばれることもある。金属アミドの例としては、Ti[N(CH及びZr[N(CHが挙げられる。
【0052】
、M及びM、及び対イオンの組み合わせを有するMの化合物の例としては、Al(NO、AlONO、Al(SO、AlOOH、Al、Al(OH)、B、B(OH)、TiCl、TiOCl、TiO(NO、Ti(SO、TiO、TiO(OH)、TiOSO、ZrCl、ZrOCl、ZrO、ZrO(OH)、Zr(SO、ZrOSO、ZrO(NO、HfO、HfO(OH)、HfCl、HfOCl、Hf(SO、HfOSO、HfO(NO、SiCl、(CHSiCl、SiO、CHSiCl、SnCl、SnO及びSnOが挙げられる。
【0053】
メチルアルモキサンの例としては、一般的な化学量論の化合物Al(CHOH及びAl(CH)(OH)を含む部分的に加水分解されたトリメチルアルミニウムタイプが挙げられる。
【0054】
本発明の一実施態様において、工程(b)は、溶媒、例えば有機溶媒又は好ましくは水中で行われる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、n-ヘプタン、n-デカン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキサン、トルエン、エチルベンゼン、オルト-、メタ-及びパラ-キシレン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,1-ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びシクロヘキサノンが挙げられる。
【0055】
好ましい実施態様において、工程(b)は、前記粒子状電極活物質を水性媒体中でスラリー化し、それを前記水性媒体中でMの化合物と接触させることによって行われる。
【0056】
溶媒が適用される実施態様において、溶媒と粒子状電極活物質との体積比が9:1~1:50の範囲である場合が好ましい。水が溶媒として適用される実施態様において、溶媒と粒子状電極活物質との体積比が5:1~1:50の範囲である場合が好ましい。
【0057】
一実施態様において、粒子状電極活物質に対して0.1~20質量%のMの化合物を適用することが好ましく、10~20質量%がより好ましい。
【0058】
このような溶媒又は水をベースとする工程(b)を達成するために、粒子状電極活物質は、有機溶媒又は水中でスラリー化される。このようなスラリー化は、10~100℃、好ましくは20~60℃の範囲の温度で行われてもよい。
【0059】
次に、前記有機溶媒又は水に可溶であるMの化合物の、それぞれ前記有機溶媒又は好ましくは水中の溶液が提供される。次に、前記溶液を、工程(a)からの粒子状電極活物質と接触させる。このような接触は、粒子状電極活物質をMの化合物の溶液に添加することによって、又はMの化合物の溶液を粒子状電極活物質に添加することによって達成することができる。
【0060】
このような接触により、Mの化合物は、粒子状電極活物質と相互作用することができる。例えば、Mの化合物は、粒子状電極活物質の細孔中に移動し、そのまま、又は好ましくは対イオンを放出しながら表面に堆積される。ハライドなどの対イオンは、できるだけ完全に除去される場合が有利である。
【0061】
工程(b)は、1分~10時間、好ましくは2分~2時間、より好ましくは5分~1時間の範囲の持続時間を有する。塊のないスラリーが得られるまで粒子状電極活物質をスラリー化することが好ましい。
【0062】
本発明の一実施態様において、工程(b)は、化学蒸気分解反応の形態で行われる。これには、粒子状電極活物質が蒸発したMの化合物又はMの化合物のエアロゲルで処理されることが含まれる。
【0063】
本発明のさらに別の実施態様において、工程(b)は、溶媒をほとんど使用せず、又は使用せずに行われ、Mの粒子状化合物、例えば、酸化物、水酸化物又はオキシ水酸化物が、例えば、プラウシェアミキサー、タンブルミキサー、水平ミキサー、高速ミキサー、高せん断ミキサー、円錐ミキサー、Eirichミキサー又は自由落下ミキサーで、一般式Li1+xTM1-xによる化合物と混合される。
【0064】
乾式混合は、溶媒を使用せずに、又は非常に少量の溶媒で行うことができ、例えば、Mの粒子状化合物が10~100体積%の溶媒で希釈される。希釈されていない、又は希釈された所望の量のMの化合物が、それぞれの粒子状電極活物質に添加され、両方が混合される。
【0065】
混合は、攪拌容器で、プラウシェアミキサー、パドルミキサー及びショベルミキサーで行われてもよい。好ましくは、本発明の方法は、ショベル混合ツール、パドル混合ツール、ベッカーブレード混合ツールで、最も好ましくは、高せん断ミキサー又は高速ミキサー又はプラウシェアミキサーで行われる。好ましいプラウシェアミキサーは水平に設置され、水平という用語は、混合要素が回転する軸を意味する。
【0066】
好ましい実施態様において、工程(b)は、その水平軸の周りを回転するドラム又はパイプ状の容器で行われる。より好ましい実施態様において、工程(b)は、バッフルを備える回転容器で行われる。
【0067】
任意の工程(c)は、前記粒子状電極活物質に堆積されていないMの化合物を除去することを含む。このような任意の工程(c)は、溶媒又は水をベースとする実施態様において、処理された粒子状電極活物質を濾過して行うことができる。場合により、未反応のMの化合物は、溶媒又は水と共に除去される。
【0068】
さらなる任意の工程は、もしあれば、溶媒の除去を含んでもよい。前記溶媒の除去は、例えば、濾過、抽出洗浄、前記溶媒を留去することによる溶媒の除去、乾燥及び蒸発によって達成されてもよい。好ましい実施態様において、全て又はほぼ全て、例えば99質量%以上の溶媒が蒸発により除去される。
【0069】
溶媒の蒸発除去(「蒸発」)の実施態様において、このような任意の除去工程は、0~300℃の範囲の温度で行われてもよい。濾過又は抽出洗浄の実施態様において、このような任意の除去工程は、0~100℃、好ましくは15~90℃の範囲の温度で行われてもよい。
【0070】
このような任意の除去工程が、溶媒の蒸留又は蒸発による除去として行われる実施態様において、1~500ミリバールの範囲の圧力が適用されてもよい。濾過又は抽出洗浄の実施態様において、このような任意の除去工程は、常圧で行われてもよい。
【0071】
このような除去(該当する場合)は、工程(d)の前、特に工程(d)の直前に行うのが最適である。
【0072】
工程(d)は、工程(b)又は(c)(該当する場合)の後に得られた物質を、流動床において、250~950℃、好ましくは300~800℃、より好ましくは405~800℃、さらにより好ましくは450~750℃の温度で加熱することによって後処理を行うことを含む。前記流動床は、単段又は多段であってもよい。前記流動床は、噴流床であってもよい。
【0073】
工程(d)において少なくとも部分的にコーティングされた粒子状電極活物質と接触する流動床反応器の材料は、金属、金属合金、セラミック、強化セラミック、又は前述のいずれかから作られたライニング(lining)であってもよい。一実施態様において、合金は、ステンレス鋼、及びニッケルをベースとする合金から選択される。別の実施態様において、セラミックは酸化物セラミックであり、Al、Mg、Si、Zr、Yの酸化物及びそれらの混合物が好ましい。一実施態様において、セラミックは、非酸化物セラミック、例えば炭化物セラミック又は窒化物セラミック、例えばSiC、Si、又は炭化タングステン、WCである。一実施態様において、強化セラミックはセラミックマトリックス複合体であり、アルミナ繊維強化アルミナ及び炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素が好ましい。一実施態様において、ライニングは、アルミナセラミックタイルライニングである。一実施態様において、ライニングは、炭化タングステンコーティングである。他の実施態様において、キルン材料は、アルミ化合金(alumized alloys)、チタン化合金、及び純ニッケルから選択される。
【0074】
一実施態様において、流動床反応器はノッカーを有する。ノッカーを使用することにより、粒子状電極活物質が管壁に付着することが防止され、流動性が保たれる。
【0075】
本発明の文脈における多段式流動床反応器は、定常状態において、流動床に少なくとも2段階、好ましくは少なくとも3段階、最も好ましくは3~20の範囲の段階が存在する反応器又は反応器の組み合わせを含む。前記段階は、ゾーンとも呼ばれる。段階は水平又は垂直に配置されてもよいが、水平が好ましい。異なる段階は、物理的な限定、特に少なくとも1つの構造的な手段によって互いに分離される。段階が水平に配置された流動床反応器の場合の構造的手段の例としては、堰が挙げられる。段階が垂直に配置された流動床反応器の場合の構造的手段の例としては、多孔プレート、多孔ボード、及びバブルトレイ(ドイツ語:Glockenboeden)が挙げられる。
【0076】
本発明の一実施態様において、前記多段式流動床反応器は水平多段式流動床反応器から選択され、ここで、段階が堰によって互いに分離されている。オーバーフロー堰又は特定の通路開口部を有する堰、又は垂直方向の粒子輸送のための断面開口部の形状及び配置が異なる堰の組み合わせが好ましい。流動化された粒子は、適用される堰のタイプに応じて、既定の領域でこれらの物理的な限定を通過することができる。オーバーフロー堰の場合、1つの段階における粒子のレベルが堰の高さを超えたとき、固体粒子は次の段階に通過することができる。流動床ガス分配器の設計により、粒子の全体的な移動方向を調整することができ、水平多段式流動床反応器の各段階における粒子の滞留時間及び全体の滞留時間を調整することができる。
【0077】
水平多段式噴流床反応器では、少なくとも1つの段階から全ての段階が噴流床運転用に設計されている。この場合、水平多段式噴流床反応器における個々の段階は、角柱状(prismatic)である。
【0078】
本発明の一実施態様において、前記多段式流動床反応器は垂直多段式流動床反応器から選択され、ここで、段階がスタンドパイプを介して互いに接続されている。固体粒子は、流動床の異なる段階を互いに分離する物理的な限定を、より高い段階から下の段階へと通過することができる。多段式流動床反応器のある段階での流動床のレベルが、このレベルへの固体供給によってスタンドパイプの高さを超えている場合、流動床のそれぞれの段階のレベルがそれぞれのスタンドパイプの高さを超えている限り、流動化された固体がそれぞれのスタンドパイプ中に落ち、それによって下の段階に移動する。段階の短絡を避けるために、上の段階のスタンドパイプが多段式流動床反応器の別の段階に入る箇所、及び下の段階へのスタンドパイプが位置する箇所は、多段式流動床反応器の別の段階の反対側にあるべきである。
【0079】
本発明の一実施態様において、工程(d)は、10分~180分、好ましくは20~150分、さらにより好ましくは20~90分の範囲の持続時間を有する。
【0080】
好ましくは、工程(d)が垂直多段式流動床反応器で行われる実施態様において、工程(d)における熱は、工程(d)が採用されている反応器の壁(単数又は複数)又は他の要素を加熱することによって、少なくとも部分的に導入される。
【0081】
工程(d)が垂直多段式流動床反応器で行われる本発明の一実施態様において、工程(d)におけるガス出口温度は、室温である。他の実施態様において、工程(d)におけるガス出口温度は、50~100℃の範囲である。
【0082】
ガス入口は、5~50cm/s、好ましくは20~30cm/sの範囲のガス空塔速度を有してもよい。前記速度は、流動床で測定され、空の反応器に関連している。ガスの平均滞留時間は、1つの段階当たり1秒未満から1分の範囲であってよい。
【0083】
好ましい実施態様において、工程(d)において各段階の温度が異なるため、流動床におけるガス空塔速度は段階ごとに変化する。次に、ガス体積流量及び反応器直径は、ガス空塔速度が最小流動化速度未満でも終端速度(ドイツ語:Einzel-Partikel-Austrageschwindigkeit)超でもないように選択される。その結果、安定な流動化を達成することができる。
【0084】
ガスが多段式流動床反応器から出るとき、固体は、例えばサイクロン又はフィルターシリンダー(filter candles)によってガス流から除去されてもよい。
【0085】
本発明の一実施態様において、工程(d)における熱は、特に500℃以上の温度で、熱放射によって少なくとも部分的に伝達される。前記熱放射は、多段式床反応器の壁の中又はその近く、又は2つの段階の間の自由空間の間に設置される加熱装置を介した加熱によって部分的に生じる。前記熱放射は、流動化された粒子間の熱交換によって部分的に生じてもよい。温度が高いほど、熱放射による熱交換の割合が高くなる。
【0086】
本発明の一実施態様において、工程(d)は、3~20の範囲内の段階を有する多段式流動床で行われている。
【0087】
本発明の一実施態様において、工程(d)が行われている装置は、セラミック材料から作られた表面を有する。これは、好ましくは、工程(c)、該当する場合、又は(b)に従って得られた物質と接触する表面を指す。セラミック又はセラミック材料から作られた表面は、表面を指すが、必ずしも壁全体を指すわけではない。したがって、前記装置の壁がセラミック材料でコーティングされたスチール製であることも可能である。また、前記表面は、異なる段階を構成する部分の一部又は全部を含んでもよい。
【0088】
本発明の一実施態様において、工程(d)は、少なくとも20体積%の酸素濃度を有する雰囲気中で、例えば空気中で、又は空気:酸素の体積比が1:1(又は80体積%又は99体積%の酸素)の酸素と空気の混合物中で行われる。工程(d)は、純酸素の雰囲気下で行われてもよい。
【0089】
工程(d)を行った後、コーティングされた電極活物質を室温まで冷却してもよい。これは、特に単段式流動床が使用される実施態様における場合である。
【0090】
本発明の一実施態様において、前記冷却は、冷却回転管で行われる。本発明の一実施態様において、冷却管は、水によって冷却される。本発明の一実施態様において、冷却回転管の外表面は、水で連続的に洗浄される。
【0091】
本発明の一実施態様において、冷却用回転管の外表面は、強制対流によって、ブロワー又は送風機による空気の除去によって連続的に空冷される。また、前記冷却用回転管の外表面は、同様に送風機又はブロワーによって冷却されてもよい。
【0092】
本発明の一実施態様において、冷却回転管の外表面は、強制対流によって連続的に空冷される。
【0093】
冷却後、任意に空気分級機ミルで物質を粉砕してもよい。任意の粉砕の前又は後に、任意にスクリーンを用いて物質を分級してもよい。さらに、物質を磁気分離器で処理し、粉末から磁気不純物を除去してもよい。
【0094】
本発明の方法に従って得られたコーティングされた電極活物質は、優れた電気化学的挙動、例えばインピーダンス成長の低減、ガス発生、レート容量(rate capability)及びサイクル寿命を示す。二次粒子が凝集する傾向は極めて低い。
【国際調査報告】