(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】プロセスキットのシース及び温度制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220921BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504513
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020043910
(87)【国際公開番号】W WO2021021831
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】ビョン, ダニエル サング
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BC01
5F004CA06
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA04
5F131EB11
5F131EB78
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
プロセスキットの実施形態が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するためのプロセスキットは、上面及び下面を有するセラミックリングであって、セラミックリング内に配置されたチャッキング電極と、セラミックリング内に配置された加熱要素とを含むセラミックリングと、セラミックリング上に配置されたエッジリングとを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバで使用するためのプロセスキットであって、
上面及び下面を有するセラミックリングであって、前記セラミックリング内に配置された1又は複数のチャッキング電極と、前記セラミックリング内に配置された加熱要素とを含む、セラミックリングと、
前記セラミックリング上に配置されたエッジリングと
を備える、プロセスキット。
【請求項2】
前記1又は複数のチャッキング電極は、前記上面と前記加熱要素との間に配置される、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項3】
前記セラミックリングの前記下面から前記上面へ延在するガスチャネルを更に備える、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項4】
前記セラミックリングが窒化アルミニウム(AlN)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)を含む、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項5】
前記セラミックリングは、上部内側エッジにノッチを含む、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項6】
前記セラミックリングに結合された冷却プレートを更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項7】
前記セラミックリングと前記冷却プレートとの間に配置された接合層を更に備える、請求項6に記載のプロセスキット。
【請求項8】
基板処理チャンバで使用するための基板支持体であって、
基板を支持するように構成された第1の側面と、前記第1の側面に対向する第2の側面とを有するセラミックプレートであって、前記セラミックプレート内に埋め込まれた電極を含む、セラミックプレートと、
前記セラミックプレートの前記第2の側面に結合された第1の冷却プレートと、
前記セラミックプレートの周りに配置された請求項1から5のいずれか一項に記載のセラミックリングであって、前記第1の冷却プレートから間隔を空けて配置される、セラミックリングと、
前記セラミックリングの前記第2の側面に結合された第2の冷却プレートであって、前記第1の冷却プレートから熱的に絶縁される、第2の冷却プレートと
を備える、基板支持体。
【請求項9】
前記第1の冷却プレート及び前記第2の冷却プレートは、冷却剤を循環させるように構成された冷却剤チャネルを含む、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項10】
前記1又は複数のチャッキング電極は、負のパルスDC電源に結合される、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項11】
前記第1の冷却プレートは、前記第2の冷却プレート上に、その間に熱絶縁層を設けて配置される、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記第2の冷却プレートは、前記第1の冷却プレートの周りに、その間に間隙を設けて配置されたリングである、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記エッジリングは、角度のついた内面を含む、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項14】
前記セラミックプレートの前記第1の側面から前記第2の側面へ延在するガスチャネルを更に備える、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記セラミックリングと前記第2の冷却プレートとの間に配置された接合層を更に備える、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項16】
プロセスチャンバであって、
チャンバ本体の内部領域内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体であって、前記基板支持体は、
冷却プレートと、
前記冷却プレートの上方に配置されたセラミックプレートと、前記セラミックプレートの底面から上面へ延在するガスチャネルと、
前記冷却プレートの上方の前記セラミックプレートの周りに、その間に間隙を設けて配置された、請求項1から5のいずれか一項に記載のセラミックリングと、
前記セラミックプレートの温度とは独立して前記セラミックリングの温度を制御するために、前記加熱要素に結合された電源と
を含む、チャンバ本体を備える、プロセスチャンバ。
【請求項17】
前記1又は複数のチャッキング電極は、負のパルスDC電源に結合される、請求項16に記載のプロセスチャンバ。
【請求項18】
前記冷却プレートは、前記セラミックプレートの下方に配置された第1の冷却プレートと、前記セラミックリングの下方に配置された第2の冷却プレートとを含む、請求項16に記載のプロセスチャンバ。
【請求項19】
前記第1の冷却プレート及び前記第2の冷却プレートは、絶縁体上に配置される、請求項18に記載のプロセスチャンバ。
【請求項20】
前記第1の冷却プレートは、前記第2の冷却プレート上に、その間に熱絶縁層を設けて配置される、請求項18に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システムで使用するためのプロセスキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]高周波(RF)電力は、例えば、コンタクトを作製するための非常に高いアスペクト比の孔や、電気経路のインフラストラクチャを敷設するための深いトレンチを必要とするエッチングプロセスによく使用される。RF電力は、プラズマの生成、及び/又はバルクプラズマからイオンを引き寄せるために処理中の基板にバイアス電圧を発生させるために使用され得る。処理中の基板温度を制御するために、静電チャックを使用して、基板が静電的に保持される。静電チャックは、通常、誘電体プレートに埋め込まれた電極と、誘電体プレートの下方に配置された冷却プレートとを含む。プロセスキットは、しばしば、冷却プレートの上方の誘電体プレートの周りに配置され、基板を案内するエッジリングを含み得る。
【0003】
[0003]しかしながら、長いアイドル時間の後に基板を処理チャンバに入れると、2つの異なるRF電力で基板が処理されるため、エッジリングの温度が上昇する。エッジリングと誘電体プレートとの間の温度差により、誘電体プレートとプロセスガスとに比較して、エッジリングとプロセスガスとの間の化学反応が不均一になり、プロセスドリフトが引き起こされ得る。
【0004】
[0004]バイアスを発生させるためのRF電源が、冷却プレートに印加される。本発明者らは、基板処理中のイオン衝撃によりエッジリングの高さが下がると、バイアス高周波電源によって生じたシース内の等電位線がエッジリング近傍で傾き、プロセスドリフトを引き起こすことを確認した。
【0005】
[0005]そこで、本発明者らは、改善されたプロセスキットの実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0006】
[0006]基板処理チャンバで使用するためのプロセスキットの実施形態が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するためのプロセスキットは、上面及び下面を有するセラミックリングであって、セラミックリング内に配置されたチャッキング電極と、セラミックリング内に配置された加熱要素とを含む、セラミックリングと、セラミックリング上に配置されたエッジリングとを含む。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体は、基板を支持するように構成された第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有するセラミックプレートであって、セラミックプレート内に埋め込まれた電極を含む、セラミックプレートと、セラミックプレートの第2の側面に結合された第1の冷却プレートと、セラミックプレートの周りに配置され、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有するセラミックリングであって、セラミックリング内に配置された1又は複数のチャッキング電極と加熱要素とを含み、第1の冷却プレートから間隔を空けて配置された、セラミックリングと、セラミックリング上に配置されたエッジリングと、セラミックリングの第2の側面に結合された第2の冷却プレートであって、第1の冷却プレートから熱的に絶縁される、第2の冷却プレートとを含む。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、プロセスチャンバは、チャンバ本体の内部領域内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体を含み、基板支持体は、冷却プレートと、冷却プレートの上方に配置されたセラミックプレート及びセラミックプレートの底面から上面へ延在するガスチャネルと、冷却プレートの上方のセラミックプレートの周りに、その間に間隙を設けて配置されたセラミックリングであって、セラミックリング内に配置された1又は複数のチャッキング電極と加熱要素とを有する、セラミックリングと、セラミックリング上に配置されたエッジリングと、セラミックプレートの温度とは独立してセラミックリングの温度を制御するために、加熱要素に結合された電源とを含む。
【0009】
[0009]本開示の他の及びさらなる実施形態について以下に説明する。
【0010】
[0010]添付の図面に示す本開示の例示の実施形態を参照することで、上記に要約し、以下により詳細に説明する本開示の実施形態を理解することができる。ただし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を有するプロセスチャンバを示す概略側面図である。
【
図2】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略的な部分側面図である。
【
図3】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略的な部分側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0014]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。図面は縮尺どおりに描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0013】
[0015]基板処理チャンバで使用するための基板支持体及びプロセスキットの実施形態が本明細書で提供される。基板支持体は、基板を支持するための支持面を有するセラミックプレートを含む。基板支持体は、セラミックプレートの周りに配置されたセラミックリングを有するプロセスキットを含む。プロセスキットは、基板を案内するためにセラミックリング上に配置されたエッジリングを更に含む。セラミックリング及びセラミックプレートは、独立した温度制御を有利に提供するために、互いに熱的に絶縁される。
【0014】
[0016]
図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、基板支持体を有するプロセスチャンバ(例えば、プラズマ処理チャンバ)を示す概略側面図である。幾つかの実施形態では、プラズマ処理チャンバは、エッチング処理チャンバである。しかしながら、異なるプロセス用に構成された他の種類の処理チャンバも使用することができる、又は本明細書に記載の静電チャックの実施形態と共に使用するために変更を加えることが可能である。
【0015】
[0017]チャンバ100は、基板処理中にチャンバ内部領域120内に低大気圧を維持するように好適に適合された真空チャンバである。チャンバ100は、チャンバ内部領域120の上半分に位置する処理領域119を封入するリッド104でカバーされたチャンバ本体106を含む。チャンバ100はまた、様々なチャンバ構成要素とイオン化されたプロセス材料との間の不要な反応を防止するために、かかる構成要素を囲む1又は複数のシールド105を含み得る。チャンバ本体106及びリッド104は、アルミニウム等の金属でできていてよい。チャンバ本体106は、グラウンド115への結合を介して接地され得る。
【0016】
[0018]基板支持体124は、例えば半導体ウエハ等の基板122、又は静電的に保持され得る他のそのような基板を支持し保持するために、チャンバ内部領域120内に配置される。基板支持体124は、概して、静電チャック150(
図2~3に関して以下に更に詳述する)と、静電チャック150を支持するための中空支持シャフト112とを備え得る。静電チャック150は、その中に配置された1又は複数の電極154を有するセラミックプレート152と、冷却プレート136とを含む。中空支持シャフト112は、例えば、裏側ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力等を静電チャック150に供給するための導管を提供する。基板支持体124は、セラミックプレート152の周りに配置されたセラミックリング187(
図2~3に関して以下でより詳細に説明する)を含む。
【0017】
[0019]幾つかの実施形態では、中空支持シャフト112は、アクチュエータ又はモータ等のリフト機構113に結合され、このリフト機構は、上部の処理位置(
図1に示す)と下部の移送位置(図示せず)との間の静電チャック150の垂直移動を提供する。ベローズアセンブリ110は、中空支持シャフト112の周りに配置され、静電チャック150とチャンバ100の底面126との間に結合されて、チャンバ100内からの真空の損失を防止しながら静電チャック150の垂直運動を可能にする可撓性シールを提供する。ベローズアセンブリ110はまた、チャンバ真空の損失防止を助けるために底面126に接触するOリング165又は他の適切なシール要素と接触する下部ベローズフランジ164を含む。
【0018】
[0020]中空支持シャフト112は、裏側ガス供給部141、チャッキング電源140、及びRF源(例えば、RFプラズマ電源170及びバイアス電源117)を静電チャック150に結合するための導管を提供する。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170によって供給されるRFエネルギーは、約40MHz以上の周波数を有し得る。裏側ガス供給部141は、チャンバ本体106の外側に配置され、静電チャック150に伝熱ガスを供給する。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170及びバイアス電源117は、それぞれのRF整合ネットワーク(RF整合ネットワーク116のみ図示)を介して静電チャック150に結合される。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、代替的に、AC、DC、又はRFバイアス電力を含み得る。
【0019】
[0021]基板リフト130は、基板122を静電チャック150に配置する、又は静電チャック150から取り外しすることができるように、基板リフト130を昇降させるための第2のリフト機構132に結合されたシャフト111に接続されたプラットフォーム108に取り付けられたリフトピン109を含み得る。静電チャック150は、リフトピン109を受け入れるための貫通孔を含み得る。ベローズアセンブリ131は、基板リフト130と底面126との間に結合され、基板リフト130の垂直運動の間、チャンバ真空を維持する可撓性シールを提供する。
【0020】
[0022]幾つかの実施形態では、静電チャック150は、静電チャック150の下面(例えば、冷却プレート136の底面)から静電チャック150の上面の様々な開口部へ延在するガス分配チャネル138を含む。ガス分配チャネル138は、伝熱媒体として作用するように、窒素(N)又はヘリウム(He)等の裏側ガスを静電チャック150の上面に供給するように構成される。ガス分配チャネル138は、使用中に静電チャック150の温度及び/又は温度プロファイルを制御するために、ガス導管142を介して裏側ガス供給部141と流体連結している。
【0021】
[0023]チャンバ100は、チャンバ100を排気するために使用されるスロットルバルブ(図示せず)及び真空ポンプ(図示せず)を含む真空システム114に結合され、これと流体連結している。チャンバ100内の圧力は、スロットルバルブ及び/又は真空ポンプを調整することによって調節され得る。チャンバ100はまた、そこに配置された基板を処理するために1又は複数のプロセスガスをチャンバ100に供給し得るプロセスガス供給部118に結合され、これと流体連結している。
【0022】
[0024]工程において、例えば、プラズマ102が、1又は複数のプロセスを実行するために、チャンバ内部領域120内に生成され得る。プラズマ102は、プラズマ電源(例えば、RFプラズマ電源170)からの電力を、チャンバ内部領域120の近く又は内部の1又は複数の電極を介してプロセスガスに結合させ、プロセスガスに点火してプラズマ102を生成することによって生成され得る。バイアス電源(例えば、バイアス電源117)から静電チャック150内の1又は複数の電極154にバイアス電力を供給して、プラズマから基板122に向かってイオンを引きつけることができる。
【0023】
[0025]
図2は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略的な部分側面図である。セラミックプレート152は、基板122を支持するように構成された第1の側面216と、第1の側面216に対向する第2の側面224とを含む。セラミックプレート152は、その中に埋め込まれた1又は複数の電極154を含む。幾つかの実施形態では、1又は複数の電極154は、上部電極と、下部電極と、上部電極及び下部電極に電気的に結合された複数のポストとを含む。幾つかの実施形態では、セラミックプレート152は、窒化アルミニウム(AlN)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)でできている。幾つかの実施形態では、セラミックプレート152は、セラミックプレート152の外側側壁232から半径方向外側へ延在する環状リング286を含む。
【0024】
[0026]幾つかの実施形態では、冷却プレート136は、導電性材料、例えば、アルミニウム(Al)でできている。幾つかの実施形態では、冷却プレート136は、セラミックプレート152の第2の側面224に結合された第1の冷却プレート208を含む。幾つかの実施形態では、第1の冷却プレート208の外面は、セラミックプレート152の外面と同一平面上にある。第1の冷却プレート208は、複数の第1の冷却剤チャネル242を含む。第1の冷却剤チャネル242は、セラミックプレート152を冷却するために、それを通して冷却剤を流すように構成される。
【0025】
[0027]幾つかの実施形態では、結合層230が、セラミックプレート152と第1の冷却プレート208との間に配置される。結合層230は、第1の冷却プレート208とセラミックプレート152との間に改善された熱結合を提供するように構成される。幾つかの実施形態では、結合層230は、シリコーンを含む。幾つかの実施形態では、結合層230は、約0.1mmから約0.4mmの厚さを有する。幾つかの実施形態では、結合層230は、約0.2W/mKから約1.2W/mkの熱伝導率を有する。
【0026】
[0028]セラミックプレート152の周りに、セラミックリング187が配置される。セラミックリング187は、第1の側面244と、第1の側面244に対向する第2の側面226とを含む。幾つかの実施形態では、第1の側面244は上側である。幾つかの実施形態では、セラミックリング187は、その中に埋め込まれた1又は複数のチャッキング電極228を含む。セラミックリング187に、エッジリング210が配置される。幾つかの実施形態では、エッジリング210の外径は、セラミックリング187の外径よりも大きい。エッジリング210は、エッジリング210の最上面と第2の上面214との間に配置された角度のついた内面212を含む。1又は複数のチャッキング電極228がチャッキング電源254に結合され、エッジリング210を保持する。幾つかの実施形態では、セラミックリング187は、窒化アルミニウム(AlN)又は酸化アルミニウム(Al2O3)でできている。
【0027】
[0029]幾つかの実施形態では、バイアス電源117が冷却プレート136に電気的に結合され、基板122及びエッジリング210に同じバイアス電圧を生じさせる。工程において、冷却プレート136に印加されたバイアス電源117により、基板122とプラズマ102との間にシースが形成される。その結果、プラズマ102からのイオンがバイアスされた基板122に引きつけられ、イオンはシース内の等電位線に垂直な方向に加速してシース内を通過する。エッジリング210が処理により経時的に侵食されると、シースの形状が基板122のエッジに近接して曲がり、基板122の処理が不均一になる。
【0028】
[0030]基板122への影響を最小限に抑え、直接電圧制御を行うために、バイアス電源117は、1又は複数のチャッキング電極228に負のパルスDC電源258を供給するように有利には構成される。負のパルスDC電源258は、シースの曲がりを修正するための電力プロファイルを提供し、基板122全体で実質的に平坦なシースプロファイルを維持するように構成される。幾つかの実施形態では、1又は複数のチャッキング電極228は、エッジリング210への負のパルスDC電力の効率的な結合を得るために、エッジリング210の底部から0.3mm未満に配置される。
【0029】
[0031]セラミックリング187は、セラミックリング187に埋め込まれた加熱要素219を含む。加熱要素219は、加熱要素219を加熱するために、電源268(例えば、AC電源)に結合される。幾つかの実施形態では、セラミックリング187の第2の側面226に温度プローブが配置され、電源268によって加熱要素219に印加される電力を制御することによって、セラミックリング187の温度を監視及び制御する。幾つかの実施形態では、第1の側面244と加熱要素219との間に、チャッキング電極が配置される。セラミックリング187は、セラミックプレート152から間隔を空けて配置される。幾つかの実施形態では、セラミックリング187は、第1の冷却プレート208から間隔を空けて配置される。
【0030】
[0032]幾つかの実施形態では、ガス分配チャネル138は、静電チャック150の下面(例えば、冷却プレート136の底面)からセラミックリング187の上面へ延在する第2のガスチャネル(
図2参照)を含む。第2のガスチャネルは、伝熱媒体として作用するように、窒素(N)又はヘリウム(He)等の裏側ガスをセラミックリング187の上面に供給するように構成される。
【0031】
[0033]幾つかの実施形態では、セラミックリング187は、上部内側エッジに第1のノッチを含む。幾つかの実施形態では、第1のノッチ内に環状リング286が配置される。幾つかの実施形態では、セラミックリング187は、上部内側エッジに第2のノッチを含む。幾つかの実施形態では、第2のノッチは、裏側ガスのためのシールを提供するためにOリングを収容するように構成される。
【0032】
[0034]第2の冷却プレート218は、セラミックリング187の第2の側面226に結合される。幾つかの実施形態では、第2の冷却プレート218は、第1の冷却プレート208に電気的に接続されているが、第1の冷却プレート208から熱的に絶縁されている。第2の冷却プレート218は、複数の第2の冷却剤チャネル252を含む。第2の冷却剤チャネル252は、セラミックリング187を冷却するために、その中を冷却剤が流れるように構成される。幾つかの実施形態では、第2の冷却剤チャネル252は、有利には、エッジリング210及び基板122を独立して冷却するために、第1の冷却剤チャネル242から流体的に独立している。第1の冷却剤チャネル242及び第2の冷却剤チャネル252は、その中を冷却剤が再循環するように構成されたチラー272に結合される。幾つかの実施形態では、セラミックリング187と第2の冷却プレート218との間に結合層262が配置される。幾つかの実施形態では、結合層262は、結合層230と同様である。
【0033】
[0035]幾つかの実施形態では、
図2に示すように、第1の冷却プレート208は、ディスク形状を有し、ディスク形状を有する第2の冷却プレート218上に配置される。幾つかの実施形態では、第2の冷却プレート218は、第2の冷却プレート218の周縁部に隆起したリップ284を有する。幾つかの実施形態では、隆起したリップ284の幅は、セラミックリング187の幅と実質的に同じである。隆起したリップ284は、第1の冷却プレート208から間隔を空けて配置され、第1の冷却プレート208からの熱絶縁を提供する。
【0034】
[0036]幾つかの実施形態では、
図2に示すように、第1の冷却プレート208と第2の冷却プレート218との間に、第1の冷却プレート208を第2の冷却プレート218から熱的に絶縁する熱絶縁層282が配置される。幾つかの実施形態では、熱絶縁層282は、ミシガン州ミッドランドのデュポンエレクトロニクス社によって製造されたCIRLEX(登録商標)でできている。幾つかの実施形態では、熱絶縁層282は、約1.0mmから約2.0mmの厚さを有する。幾つかの実施形態では、熱絶縁層282は、約0.1W/mKから約0.3W/mKの熱伝導率を有する。
【0035】
[0037]幾つかの実施形態では、
図2に示すように、ガス分配チャネル138は、第2の冷却プレート218の底部から、第2の冷却プレート218、第1の冷却プレート208、及びセラミックプレート152を介してセラミックプレート152の第1の側面216又は上面へ延在する第1のガスチャネル238を含む。幾つかの実施形態では、ガス分配チャネル138は、第2の冷却プレート218の底部から第2の冷却プレート218及びセラミックリング187を通ってセラミックリング187の第1の側面244へ延在する第2のガスチャネル256を含む。第1のガスチャネル238及び第2のガスチャネル256は、それぞれ、セラミックプレート152の第1の側面216及びセラミックリング187の第1の側面244に裏側ガスを供給するように構成される。幾つかの実施形態では、第1のガスチャネル238及び第2のガスチャネル256は、基板支持体124内で流体的に独立しており、基板122及びエッジリング210に独立した温度制御を提供する。
【0036】
[0038]
図3は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略的な部分側面図である。幾つかの実施形態では、
図3に示すように、第2の冷却プレート318はリング状であり、第1の冷却プレート308の周りに配置される。幾つかの実施形態では、第1の冷却プレート308は、下部周縁部にノッチ314を含む。幾つかの実施形態では、第2の冷却プレート318は、第2の冷却プレート318の下面342から半径方向内側へ延在する環状タブ312を含む。環状タブ312は、第1の冷却プレート308に接触せずに、ノッチ314の中へ延在する。幾つかの実施形態では、間隙346は、第1の冷却プレート308と第2の冷却プレート318との間に延在し、第1の冷却プレート308を第2の冷却プレート318から熱的に絶縁する。幾つかの実施形態では、第2の冷却プレート318の下面342は、第1の冷却プレート308の下面と同一平面上にある。幾つかの実施形態では、第1の冷却プレート208及び第2の冷却プレート318は、絶縁体304上に配置され、絶縁体304に結合される。幾つかの実施形態では、絶縁体は、プラスチック材料でできている。
【0037】
[0039]幾つかの実施形態では、ノッチ314によって画定される面と環状タブ312との間にOリング316が配置され、間隙346への裏側ガス漏れを低減又は防止するためのシールを提供する。幾つかの実施形態では、ノッチ314によって画定される面と環状タブ312との間に環状ガスケット328が配置され、第1の冷却プレート308及び第2の冷却プレート318を電気的に結合する。幾つかの実施形態では、セラミックリング187とエッジリング210との間に第2のOリング326が配置され、間隙346への裏側ガス漏れを低減又は防止するためのシールを提供する。幾つかの実施形態では、セラミックリング187と第2の冷却プレート218との間に第3のOリング324が配置され、その間の裏側ガス漏れを低減又は防止するためのシールを提供する。
【0038】
[0040]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
【国際調査報告】