IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーエルエー−テンカー コーポレイションの特許一覧

特表2022-542195周期的半導体デバイス位置ずれ計量システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】周期的半導体デバイス位置ずれ計量システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20220921BHJP
   G01B 15/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B15/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516757
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 US2019051209
(87)【国際公開番号】W WO2021054928
(87)【国際公開日】2021-03-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミヒェルソン デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】フェラー ヨエル
【テーマコード(参考)】
2F067
4M106
【Fターム(参考)】
2F067AA15
2F067BB16
2F067CC15
2F067HH06
2F067JJ05
2F067LL16
2F067RR24
2F067SS02
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA39
4M106DJ15
4M106DJ17
4M106DJ20
(57)【要約】
多層半導体デバイスの製造に際し役立つ位置ずれ計量方法及びシステムであり、その多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有し自多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている第1周期構造と、第1軸に対し非平行な第2軸に沿い第2ピッチを有し自多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている第2周期構造と、第1軸及び第2軸に対し非平行な第3軸に沿い第3ピッチを有し自多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている第3周期構造とを有し、第3周期構造と第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである位置ずれ計量システム及び方法において、第1、第2及び第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供し、その集合信号から第1周期構造に起因する第1成分を抽出し、その集合信号から第2周期構造に起因する第2成分を抽出し、その集合信号から第3周期構造に起因する第3成分を抽出し、そしてそれら第1、第2及び第3成分を分析することにより第1層・第2層間位置ずれを確認する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測のための位置ずれ計量方法であり、前記多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有する第1周期構造であって前記多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている前記第1周期構造と、第2軸に沿い第2ピッチを有し前記第2軸が前記第1軸に対し平行ではない第2周期構造であって、前記多層半導体デバイスの前記第1層と一体に形成されている前記第2周期構造と、第3軸に沿い第3ピッチを有し前記第3軸が前記第1軸に対し平行ではなく且つ前記第3軸が前記第2軸に対し平行ではない第3周期構造であって、前記多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている前記第3周期構造と、を有し、前記第3周期構造と前記第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである前記位置ずれ計量方法であって、
前記第1周期構造、前記第2周期構造及び前記第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供し、
前記集合信号から第1成分を抽出し、但し前記第1成分が前記第1周期構造に起因するものであり、
前記集合信号から第2成分を抽出し、但し前記第2成分が前記第2周期構造に起因するものであり、
前記集合信号から第3成分を抽出し、但し前記第3成分が前記第3周期構造に起因するものであり、
前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分を分析することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項2】
請求項1に係る位置ずれ計量方法であって、前記単一画像を、ある長さ及びあるエリアを有する視野を用いる走査型電子顕微鏡を用い、生成する位置ずれ計量方法。
【請求項3】
請求項2に係る位置ずれ計量方法であって、前記集合信号が前記エリア全てからの寄与分を含む位置ずれ計量方法。
【請求項4】
請求項1~3のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記集合信号からの前記第1信号の前記抽出に際し、前記集合信号のうち前記第1軸沿いにある部分のみを勘案する位置ずれ計量方法。
【請求項5】
請求項1~4のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記集合信号からの前記第2信号の前記抽出に際し、前記集合信号のうち前記第2軸沿いにある部分のみを勘案する位置ずれ計量方法。
【請求項6】
請求項1~5のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記集合信号からの前記第3信号の前記抽出に際し、前記集合信号のうち前記第3軸沿いにある部分のみを勘案する位置ずれ計量方法。
【請求項7】
請求項1~6のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、更に、
クリーン第1周期構造データを生成し、
クリーン第2周期構造データを生成し、
クリーン第3周期構造データを生成する位置ずれ計量方法。
【請求項8】
請求項7に係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第1周期構造データが前記第1成分及び前記第1ピッチの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項9】
請求項7に係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第1周期構造データが前記第1成分、前記第1ピッチ、並びに前記第1ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項10】
請求項7~9のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第2周期構造データが前記第2成分及び前記第2ピッチの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項11】
請求項7~9のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第2周期構造データが前記第2成分、前記第2ピッチ、並びに前記第2ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項12】
請求項7~11のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第3周期構造データが前記第3成分及び前記第3ピッチの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項13】
請求項7~11のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第3周期構造データが前記第3成分、前記第3ピッチ、並びに前記第3ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項14】
請求項7~13のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分の前記分析による前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方が前記第1参照個所の最も近くにくる第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項15】
請求項1~13のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、
前記第2層が、第4軸に沿い第4ピッチを有する第4周期構造をも備え、前記第4軸が前記第1軸、前記第2軸又は前記第3軸に対し平行ではないものであり、
前記集合信号から前記第4周期構造に起因する第4成分を抽出し、
前記第4成分からクリーン第4周期構造データを生成する位置ずれ計量方法であり、
前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第4周期構造データのそれとが交差するところであり前記第1参照個所の最も近くで交差する第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項16】
請求項2~15のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、ウェハ撮像ツールの前記視野の前記長さの1/1000~1/4である位置ずれ計量方法。
【請求項17】
請求項2~15のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、ウェハ撮像ツールの前記視野の前記長さの1/500~1/20である位置ずれ計量方法。
【請求項18】
請求項1~17のうち何れかに係る位置ずれ計量方法であり、前記多層半導体デバイスが、第3層軸に沿い第3層ピッチを有する少なくとも1個の第3層周期構造が一体に形成された少なくとも1個の第3層をも備え、前記第3層軸が前記第1軸に対し平行ではなく、前記第3層軸が前記第2軸に対し平行ではなく且つ前記第3層軸が前記第3軸に対し平行ではないものである前記方法であって、
前記第3層周期構造と前記第1及び第2周期構造との単一画像を生成することにより集合信号を提供し、
前記集合信号から第3層成分を抽出し、但し前記第3層成分が前記第3層周期構造に起因するものであり、
前記第3層成分、前記第1成分及び前記第2成分を分析することにより前記第3層・前記第1層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項19】
多層半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測のための位置ずれ計量システムであり、前記多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有する第1周期構造であって、前記多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている前記第1周期構造と、第2軸に沿い第2ピッチを有し前記第2軸が前記第1軸に対し平行ではない第2周期構造であって、前記多層半導体デバイスの前記第1層と一体に形成されている前記第2周期構造と、第3軸に沿い第3ピッチを有し前記第3軸が前記第1軸に対し平行ではなく且つ前記第3軸が前記第2軸に対し平行ではない第3周期構造であって、前記多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている前記第3周期構造と、を有し、前記第3周期構造と前記第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである前記位置ずれ計量システムであって、
前記第1周期構造、前記第2周期構造及び前記第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供するよう動作させうるウェハ撮像ツールと、
位置ずれアナライザであり、
前記集合信号から第1成分を抽出し、但し前記第1成分が前記第1周期構造に起因するものであり、
前記集合信号から第2成分を抽出し、但し前記第2成分が前記第2周期構造に起因するものであり、
前記集合信号から第3成分を抽出し、但し前記第3周期構造に起因するものであり、
前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分を分析することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認するよう、
動作させうる位置ずれアナライザと、
を備える位置ずれ計量システム。
【請求項20】
請求項19に係る位置ずれ計量システムであって、前記ウェハ撮像ツールが、ある長さ及びあるエリアを有する視野を用いる走査型電子顕微鏡を備える位置ずれ計量システム。
【請求項21】
請求項20に係る位置ずれ計量システムであって、前記集合信号が前記エリア全てからの寄与分を含む位置ずれ計量システム。
【請求項22】
請求項19~21のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記集合信号からの前記第1信号の前記抽出に際し、前記集合信号のうち前記第1軸沿いにある部分のみを勘案する位置ずれ計量システム。
【請求項23】
請求項19~22のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記集合信号からの前記第2信号の前記抽出に際し、前記集合信号のうち前記第2軸沿いにある部分のみを勘案する位置ずれ計量システム。
【請求項24】
請求項19~23のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記集合信号からの前記第3信号の前記抽出に際し、前記集合信号のうち前記第3軸沿いにある部分のみを勘案する位置ずれ計量システム。
【請求項25】
請求項19~24のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記位置ずれアナライザを、更に、
クリーン第1周期構造データを生成し、
クリーン第2周期構造データを生成し、
クリーン第3周期構造データを生成するよう、
動作させうる位置ずれ計量システム。
【請求項26】
請求項25に係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第1周期構造データが前記第1成分及び前記第1ピッチの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項27】
請求項25に係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第1周期構造データが前記第1成分、前記第1ピッチ、並びに前記第1ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項28】
請求項25~27のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第2周期構造データが前記第2成分及び前記第2ピッチの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項29】
請求項25~27のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第2周期構造データが前記第2成分、前記第2ピッチ、並びに前記第2ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項30】
請求項25~29のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第3周期構造データが前記第3成分及び前記第3ピッチの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項31】
請求項25~29のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第3周期構造データが前記第3成分、前記第3ピッチ、並びに前記第3ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項32】
請求項25~31のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分の前記分析による前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方が前記第1参照個所の最も近くにくる第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量システム。
【請求項33】
請求項19~31のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、
前記第2層が、第4軸に沿い第4ピッチを有する第4周期構造をも備え、前記第4軸が前記第1軸、前記第2軸又は前記第3軸に対し平行ではないものであり、
前記集合信号から前記第4周期構造に起因する第4成分を抽出し、
前記第4成分からクリーン第4周期構造データを生成する位置ずれ計量システムであり、
前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第4周期構造データのそれとが交差するところであり前記第1参照個所の最も近くで交差する第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量システム。
【請求項34】
請求項20~33のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、前記ウェハ撮像ツールの前記視野の前記長さの1/1000~1/4である位置ずれ計量システム。
【請求項35】
請求項20~33のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、前記ウェハ撮像ツールの前記視野の前記長さの1/500~1/20である位置ずれ計量システム。
【請求項36】
請求項19~35のうち何れかに係る位置ずれ計量システムであって、前記多層半導体デバイスが、第3層軸に沿い第3層ピッチを有する少なくとも1個の第3層周期構造が一体に形成された少なくとも1個の第3層をも備え、前記第3層軸が前記第1軸に対し平行ではなく、前記第3層軸が前記第2軸に対し平行ではなく且つ前記第3層軸が前記第3軸に対し平行ではないものであり、前記ウェハ撮像ツールを、更に、
前記第3層周期構造と前記第1及び第2周期構造との単一画像を生成することにより集合信号を提供するよう、
動作させることができ、前記位置ずれアナライザを、更に、
前記集合信号から第3層成分を抽出し、但し前記第3層成分が前記第3層周期構造に起因するものであり、
前記第3層成分、前記第1成分及び前記第2成分を分析することにより前記第3層・前記第1層間の位置ずれを確認するよう、
動作させうる位置ずれ計量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総じて、半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願への参照]
本願では、本願出願人による後掲の特許及び特許出願であり本願の主題に関連するものを参照し、参照によりその開示内容を本願に繰り入れることにする:
「オーバレイマーク、オーバレイマーク設計方法及びオーバレイ計測方法」(OVERLAY MARKS, METHODS OF OVERLAY MARK DESIGN AND METHODS OF OVERLAY MEASUREMENTS)と題する特許文献1;
「埋込SEM構造オーバレイターゲットによるOVL用デバイス相関計量(DCM)」(DEVICE CORRELATED METROLOGY (DCM) FOR OVL WITH EMBEDDED SEM STRUCTURE OVERLAY TARGETS)と題する特許文献2;
「SEMオーバレイ計量システム及び方法」(SYSTEM AND METHOD OF SEM OVERLAY METROLOGY)と題する特許文献3;
「周期パターン及び二層間誤整列制御技術」(PERIODIC PATTERNS AND TECHNIQUE TO CONTROL MISALIGNMENT BETWEEN TWO LAYERS)と題する特許文献4;並びに
「オーバレイ及びイールドクリティカルパターンを用いた計量」(METROLOGY USING OVERLAY AND YIELD CRITICAL PATTERNS)と題する特許文献5。
【0003】
半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測に関しては、様々な方法及びシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7274814号明細書
【特許文献2】米国特許第9093458号明細書
【特許文献3】米国特許第9214317号明細書
【特許文献4】米国特許第9476698号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2016/0253450号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測に関し、改善された方法及びシステムを提供することを図っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明のある好適実施形態によれば、多層半導体デバイス製造に際する位置ずれ計測用の位置ずれ計量方法であり、その多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有し自多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている第1周期構造と、第1軸に対し非平行な第2軸に沿い第2ピッチを有し自多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている第2周期構造と、第1軸及び第2軸に対し非平行な第3軸に沿い第3ピッチを有し自多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている第3周期構造と、を有し、第3周期構造と第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである位置ずれ計量方法であって、第1、第2及び第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供し、その集合信号から第1周期構造に起因する第1成分を抽出し、その集合信号から第2周期構造に起因する第2成分を抽出し、その集合信号から第3周期構造に起因する第3成分を抽出し、それら第1、第2及び第3成分を分析することにより第1層・第2層間位置ずれを確認するものが、提供される。
【0007】
本発明のある好適実施形態では、その単一画像を、ある長さ及びあるエリアを有する視野を用いる走査型電子顕微鏡を用い、生成する。好ましくは、集合信号を、そのエリア全てからの寄与分を含むものとする。
【0008】
好ましくは、集合信号からの第1信号の抽出に際し、集合信号のうち第1軸沿いにある部分のみを勘案する。好ましくは、集合信号からの第2信号の抽出に際し、集合信号のうち第2軸沿いにある部分のみを勘案する。好ましくは、集合信号からの第3信号の抽出に際し、集合信号のうち第3軸沿いにある部分のみを勘案する。
【0009】
本発明のある好適実施形態に係る方法では、また、クリーン第1周期構造データを生成し、クリーン第2周期構造データを生成し、クリーン第3周期構造データを生成する。
【0010】
本発明のある好適実施形態では、クリーン第1周期構造データを第1成分及び第1ピッチの関数とする。また、本発明のある好適実施形態では、クリーン第1周期構造データを第1成分、第1ピッチ、並びに第1ピッチのハーモニック(調和成分)の関数とする。
【0011】
本発明のある好適実施形態では、クリーン第2周期構造データを第2成分及び第2ピッチの関数とする。また、本発明のある好適実施形態では、クリーン第2周期構造データを第2成分、第2ピッチ、並びに第2ピッチのハーモニックの関数とする。
【0012】
本発明のある好適実施形態では、クリーン第3周期構造データを第3成分及び第3ピッチの関数とする。また、本発明のある好適実施形態では、クリーン第3周期構造データを第3成分、第3ピッチ、並びに第3ピッチのハーモニックの関数とする。
【0013】
好ましくは、第1、第2及び第3成分の分析による第1層・第2層間位置ずれの確認に際し、クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方とクリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方が第1参照個所の最も近くにくる第2参照個所を特定し、それら第1・第2参照個所間の差異を計算することにより第1層・第2層間位置ずれを確認する。
【0014】
本発明のある好適実施形態では、第2層が、第1軸、第2軸又は第3軸に対し非平行な第4軸に沿い第4ピッチを有する第4周期構造をも有するものとされ、集合信号から第4周期構造に起因する第4成分を抽出し、第4成分からクリーン第4周期構造データを生成し、且つ第1層・第2層間位置ずれの確認に際し、クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方とクリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方とクリーン第4周期構造データのそれとが交差するところであり第1参照個所の最も近くで交差する第2参照個所を特定し、それら第1・第2参照個所間の差異を計算することにより第1層・第2層間位置ずれを確認する。
【0015】
本発明のある好適実施形態では、第1、第2及び第3ピッチを、それぞれ、ウェハ撮像ツールの視野の長さの1/1000~1/4とする。また、本発明のある好適実施形態では、第1、第2及び第3ピッチを、それぞれ、ウェハ撮像ツールの視野の長さの1/500~1/20とする。
【0016】
本発明のある好適実施形態では、多層半導体デバイスが、第1軸、第2軸及び第3軸に対し非平行な第3層軸に沿い第3層ピッチを有する少なくとも1個の第3層周期構造が一体に形成された、少なくとも1個の第3層をも有するものとされ、第3層周期構造と第1及び第2周期構造との単一画像を生成することにより集合信号を提供し、集合信号から第3層周期構造に起因する第3層成分を抽出し、第3層成分、第1成分及び第2成分を分析することにより第3層・第1層間位置ずれを確認する。
【0017】
また、本発明のある好適実施形態によれば、多層半導体デバイス製造に際する位置ずれ計測用の位置ずれ計量システムであり、その多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有し自多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている第1周期構造と、第1軸に対し非平行な第2軸に沿い第2ピッチを有し自多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている第2周期構造と、第1軸及び第2軸に対し非平行な第3軸に沿い第3ピッチを有し自多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている第3周期構造と、を有し、第3周期構造と第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである位置ずれ計量システムであって、第1、第2及び第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供するよう動作させうるウェハ撮像ツールと、その集合信号から第1周期構造に起因する第1成分を抽出し、その集合信号から第2周期構造に起因する第2成分を抽出し、その集合信号から第3周期構造に起因する第3成分を抽出し、それら第1、第2及び第3成分を分析することにより第1層・第2層間位置ずれを確認するよう動作させうる位置ずれアナライザと、を有するものが提供される。
【0018】
本発明を、後掲の詳細記述と併せ以下の図面から、より全面的に理解及び明察頂けよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】周期的半導体デバイス位置ずれ計量システム(PSDMMS)の概略模式図である。
図2A図1のPSDMMSを有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイスのある実施形態の概略描写図である。
図2B図1のPSDMMSを有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイスのある実施形態の概略描写図である。
図2C図1のPSDMMSを有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイスのある実施形態の概略描写図である。
図3A図1のPSDMMSを有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイスの別の実施形態の概略描写図である。
図3B図1のPSDMMSを有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイスの別の実施形態の概略描写図である。
図3C図1のPSDMMSを有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイスの別の実施形態の概略描写図である。
図4A図1のPSDMMSと併用しうる周期的半導体デバイス位置ずれ計量方法(PSDMMM)を描出する概略フローチャートである。
図4B図1のPSDMMSと併用しうる周期的半導体デバイス位置ずれ計量方法(PSDMMM)を引き続き描出する概略フローチャートである。
図5図4A及び図4BのPSDMMMのうち一部分を理解するのに役立つ概略描写図である。
図6A図4A図5のPSDMMMのうち一部分のある実施形態を理解するのに役立つ概略描写図である。
図6B図4A図5のPSDMMMのうち一部分の別の実施形態を理解するのに役立つ概略描写図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図6Bを参照し後述するシステム及び方法は半導体デバイス向け製造プロセスの一部分を形成するものであり、図1図6Bを参照し後述するシステム及び方法により計測される位置ずれを用いることで、それら半導体デバイスの製造プロセスを、製造中の半導体デバイスの様々な層をより密に整列させうるよう調整することができる。
【0021】
まず、周期的半導体デバイス位置ずれ計量システム(PSDMMS)100の概略模式図たる図1と、PSDMMS100を有する製造システムを用い製造された多層半導体デバイス102のある実施形態の概略描写図たる図2A図2Cを参照する。
【0022】
図1に見られる通り、PSDMMS100はウェハ撮像ツール110及び位置ずれデータアナライザ120を有している。本発明のある好適実施形態においてはウェハ撮像ツール110が走査型電子顕微鏡とされる。ウェハ撮像ツール110として役立つ典型的な走査型電子顕微鏡は、米国カリフォルニア州ミルピタス所在のKLA Corporationから商業的に入手可能なeDR7380(商標)である。図4A図6Bを参照して後述する通り、位置ずれデータアナライザ120と相俟ちウェハ撮像ツール110を動作させることで、ウェハ130上に形成された諸層、即ちそのウェハ上に形成された少なくとも1個の多層半導体デバイス102の一部分たる諸層間の位置ずれを、計測することができる。ウェハ撮像ツール110は、視野(FOV)がある特徴的な長さ、典型的には0.1μm~20μm、より好ましくは0.25μm~10μmのそれを有することによって、特徴付けられるものとする。
【0023】
とりわけ図2A図2Cに見られる通り、多層半導体デバイス102は、第1層144に付形成されており第1軸146沿い第1ピッチPにより特徴付けられる少なくとも1個の第1周期構造142を有している。図2A及び図2Bに描かれている本発明の実施形態においては、第1層144が、第2軸149沿い第2ピッチQにより特徴付けられる第2周期構造148をも有している。本発明の際立った特徴の一つは、第1軸146と第2軸149とが互いに平行でないことである。多層半導体デバイス102は、更に、第2層154に付形成されており第3軸156沿い第3ピッチRにより特徴付けられる少なくとも1個の第3周期構造152を有している。本発明の際立った特徴の一つは、第3軸156が第1軸146に対しても第2軸149に対しても平行でないことである。第3周期構造152は、少なくとも部分的に、第1周期構造142及び第2周期構造148の上方又は下方に位置している。察せられる通り、図2Aに示すものでは第3周期構造152が第1周期構造142及び第2周期構造148の上方に位置しているが、別の実施形態にあっては第1周期構造142及び第2周期構造148が第3周期構造152の上方に位置することもある。第1層144及び第2層154は隣接層とすることができるが、そうである必要はない。
【0024】
先に注記した通り、本発明の際立った特徴の一つは、第1軸146、第2軸149及び第3軸156の何れも互いに平行でないことである。加えて、第1層144及び第2層154の一方又は双方が、更に別の軸(図示せず)に沿いあるピッチを呈する付加的な周期フィーチャ(図示せず)を有していてもよい。
【0025】
本発明のある好適実施形態においてはピッチP、Q及びRが皆、互いに異なるものとされる。本発明の別の実施形態にあってはピッチP、Q及びRのうち何れか又は全てが同じ値とされうる。好ましくは、第1周期構造142、第2周期構造148及び第3周期構造152それぞれを、ウェハ撮像ツール110のFOVと少なくとも同等な大きさのエリアを有するものとする。好ましくは、ピッチP、Q及びRそれぞれを、ウェハ撮像ツール110のFOVの長さの1/1000~1/4とする。より好ましくは、ピッチP、Q及びRそれぞれを、ウェハ撮像ツール110のFOVの長さの1/500~1/20とする。即ち、ピッチP、Q及びRそれぞれを、好ましくは1nm~2500nm、より好ましくは2nm~500nmとする。
【0026】
図3A図3Cに見られる通り、本発明の別の好適実施形態においては、多層半導体デバイス102が、第1層144に付形成されており第1軸146沿い第1ピッチPにより特徴付けられる少なくとも1個の第1周期構造142を有している。図3A及び図3Bに描かれている本発明の実施形態においては、第1層144が、第2軸149沿いピッチQにより特徴付けられる第2周期構造148をも有している。本発明の際立った特徴の一つは、第1軸146と第2軸149とが互いに平行でないことである。
【0027】
図3A図3Cに示す実施形態においては、多層半導体デバイス102が更に、第2層154に付形成されており第3軸156沿い第3ピッチRにより特徴付けられる少なくとも1個の第3周期構造152を有している。図3A及び図3Cに描かれている本発明の実施形態においては、第2層154が、第4軸159沿いピッチSにより特徴付けられる第4周期構造158をも有している。本発明の際立った特徴の一つは、軸146、149、156及び159の何れも互いに平行でないことである。第3周期構造152及び第4周期構造158は、少なくとも部分的に、第1周期構造142及び第2周期構造148の上方又は下方に位置している。察せられる通り、図3Aに示すものでは第3周期構造152及び第4周期構造158が第1周期構造142及び第2周期構造148の上方に位置しているが、別の実施形態にあっては第1周期構造142及び第2周期構造148が第3周期構造152及び第4周期構造158の上方に位置することもある。第1層144及び第2層154は隣接層とすることができるが、そうである必要はない。
【0028】
先に注記した通り、本発明の際立った特徴の一つは、第1軸146、第2軸149、第3軸156及び第4軸159の何れも互いに平行でないことである。加えて、第1層144及び第2層154の一方又は双方が、更に別の軸(図示せず)に沿いあるピッチを呈する付加的な周期フィーチャ(図示せず)を有していてもよい。
【0029】
本発明のある好適実施形態においてはピッチP、Q、R及びSが皆、互いに異なるものとされる。本発明の別の実施形態にあってはピッチP、Q、R及びSのうち何れか又は全てが同じ値とされうる。好ましくは、第1周期構造142、第2周期構造148、第3周期構造152及び第4周期構造158それぞれを、ウェハ撮像ツール110のFOVと少なくとも同等な大きさのエリアを有するものとする。好ましくは、ピッチP、Q、R及びSそれぞれを、ウェハ撮像ツール110のFOVの長さの1/1000~1/4とする。より好ましくは、ピッチP、Q、R及びSそれぞれを、ウェハ撮像ツール110のFOVの長さの1/500~1/20とする。即ち、ピッチP、Q、R及びSそれぞれを、好ましくは1nm~2500nm、より好ましくは2nm~500nmとする。
【0030】
図1図3Cを参照して上述した多層半導体デバイス102を、3個以上の層を有するものとしてもよく、それらの間の位置ずれを、図4A図6Bを参照して後述する方法を用い計測してもよい。多層半導体デバイス102が3個以上の位置ずれ計測層を有している場合、各位置ずれ計測層を、少なくとも1個の周期構造を有するものとし、位置ずれ計測層のうち少なくとも1個を、少なくとも2個の周期構造を有するものとする。各周期構造は、その位置ずれが計測されるべき半導体デバイスウェハの対応層と一体に形成され、軸沿いピッチにより特徴付けられる。本発明のある好適実施形態においては、位置ずれが計測されるべき層に付形成される何れか2個の周期構造の軸が、平行軸でないものとされる。注記されることに、好ましくは、各周期構造を、ウェハ撮像ツール110のFOVと少なくとも同等な大きさのエリアを有するものとする。更に注記されることに、各周期構造を、好ましくはウェハ撮像ツール110のFOVの長さの1/1000~1/4、より好ましくはウェハ撮像ツール110のFOVの長さの1/500~1/20である、少なくとも一通りのピッチを有するものとする。即ち、各周期構造を、好ましくは1nm~2500nm、より好ましくは2nm~500nmである、少なくとも一通りのピッチを有するものとする。察せられる通り、そうした多層半導体デバイス102のどの二層の位置ずれも、図4A図6Bを参照し後述する通り、それら二層上の周期構造の位置ずれを比較することで、システム100により計測することができる。
【0031】
次に、PSDMMS100により用いうる周期的半導体デバイス位置ずれ計量方法(PSDMMM)200を共に描出する概略フローチャートたる図4A及び図4Bと、PSDMMM200のうち一部分の概略描写図たる図5とを参照する。
【0032】
図4Aに見られる通り、冒頭のステップ202では、少なくとも1個の多層半導体デバイス102がその上に形成されているウェハを準備する。ウェハ撮像ツール110がそのウェハを撮像し、単一画像を生成することにより、集合信号204を提供する。集合信号204は、第1周期構造142、第2周期構造148及び第3周期構造152それぞれに起因する成分を含んでいる。察せられる通り、図4に描かれている集合信号204は、ウェハ撮像ツール110により撮影された半導体デバイス102の像に関し、グレーレベル対位置の概略表現を示している。本発明のある好適実施形態においては、集合信号204が、ウェハ撮像ツール110のFOVのエリア全てからの寄与分を含むものとなる。
【0033】
図4A及び図5に見られる通り、次のステップ212では、位置ずれデータアナライザ120が、ステップ202にて生成された集合信号204から、第1周期構造142に起因する生データ214を抽出する。察せられる通り、生データ214は、集合信号204のうち軸146沿いにある成分のみを勘案することにより、集合信号204から抽出される。
【0034】
次のステップ222では、位置ずれデータアナライザ120が生データ214をクリーニングし、クリーン第1周期構造データ224を生成する。クリーン第1周期構造データ224は、好ましくは一組の周期関数例えば正弦関数の線形結合、好ましくは勘案対象ハーモニック毎に1個の周期関数を、オフセットと併せ含むものとする。ハーモニック毎の周期関数は、ピッチPに関する情報、並びに荷重因子及び位相シフトを含むものとする。これらオフセット、荷重因子及び位相シフトを、好ましくは最小二乗誤差最小化法を用い生データ214に当て嵌める。
【0035】
本発明のある好適実施形態においては、クリーン第1周期構造データ224が等式1により表される:
【数1】
但し、f(x)はクリーン第1周期構造データ224、cはオフセット、kは勘案対象ハーモニックを示す指数、nは勘案対象ハーモニックの総数、a1,kは荷重因子、PはピッチP、xはプロファイル内直線位置、φ1,kは位相シフトである。
【0036】
第1周期構造142の軸146沿いピッチPが既知であることを踏まえ、位置ずれデータアナライザ120は、ピッチPの周期性に対応しない成分、即ちピッチPとその上側ハーモニックのうち少なくとも一通りとに対応しない成分を、生データ214から除去することにより、クリーン第1周期構造データ224を生成する。そうした成分は、例えば、多層半導体デバイス102の他のフィーチャのうち軸146沿いに全面的又は部分的に存するものに、起因するものであることがある。
【0037】
次のステップ232では、位置ずれデータアナライザ120が、ステップ202にて生成された集合信号204から、第2周期構造148に起因する生データを抽出する。察せられる通り、第2周期構造148に起因する生データは、集合信号204のうち軸149沿いにある成分のみを勘案することにより、集合信号204から抽出される。
【0038】
次のステップ242では、位置ずれデータアナライザ120が第2周期構造148に起因する生データをクリーニングし、クリーン第2周期構造データを生成する。クリーン第2周期構造データは、好ましくは一組の周期関数例えば正弦関数の線形結合、好ましくは勘案対象ハーモニック毎に1個の周期関数を、オフセットと併せ含むものとする。ハーモニック毎の周期関数は、ピッチQに関する情報、並びに荷重因子及び位相シフトを含むものとする。これらオフセット、荷重因子及び位相シフトを、好ましくは最小二乗誤差最小化法を用い、第2周期構造148に起因する生データに当て嵌める。
【0039】
本発明のある好適実施形態においては、クリーン第2周期構造データが等式2により表される:
【数2】
但し、f(x)はクリーン第2周期構造データ、cはオフセット、kは勘案対象ハーモニックを示す指数、nは勘案対象ハーモニックの総数、a2,kは荷重因子、Pは第2周期構造148のピッチQ、xはプロファイル内直線位置、φ2,kは位相シフトである。
【0040】
第2周期構造148の軸149沿いピッチQが既知であることを踏まえ、位置ずれデータアナライザ120は、ピッチQの周期性に対応しない成分、即ちピッチQとその上側ハーモニックのうち少なくとも一通りとに対応しない成分を、第2周期構造に起因する生データから除去することにより、クリーン第2周期構造データを生成する。そうした成分は、例えば、多層半導体デバイス102の他のフィーチャのうち軸149沿いに全面的又は部分的に存するものに、起因するものであることがある。
【0041】
次のステップ252では、位置ずれデータアナライザ120が、ステップ202にて生成された集合信号204から、第3周期構造152に起因する生データを抽出する。察せられる通り、第3周期構造152に起因する生データは、集合信号204のうち軸156沿いにある成分のみを勘案することにより、集合信号204から抽出される。
【0042】
次のステップ262では、位置ずれデータアナライザ120が、ステップ252にて生成された生データをクリーニングし、ステップ252にて生成された生データに対応するクリーン第3周期構造データを生成する。ステップ252にて生成された生データに対応するクリーン第3周期構造データは、好ましくは一組の周期関数例えば正弦関数の線形結合、好ましくは勘案対象ハーモニック毎に1個の周期関数を、オフセットと併せ含むものとする。ハーモニック毎の周期関数は、ピッチRに関する情報、並びに荷重因子及び位相シフトを含むものとする。これらオフセット、荷重因子及び位相シフトを、好ましくは最小二乗誤差最小化法を用い、ステップ252にて生成された生データに当て嵌める。
【0043】
本発明のある好適実施形態においては、ステップ252にて生成された生データに対応するクリーン第3周期構造データが等式3により表される:
【数3】
但し、f(x)はステップ252にて生成された生データに対応するクリーン第3周期構造データ、cはオフセット、kは勘案対象ハーモニックを示す指数、nは勘案対象ハーモニックの総数、a3,kは荷重因子、PはピッチR、xはプロファイル内直線位置、φ3,kは位相シフトである。
【0044】
第3周期構造152の軸156沿いピッチRが既知であることを踏まえ、位置ずれデータアナライザ120は、ピッチRの周期性に対応しない成分、即ちピッチRとその上側ハーモニックのうち少なくとも一通りとに対応しない成分を、ステップ252にて生成された生データから除去することにより、ステップ252にて生成された生データに対応するクリーン第3周期構造データを生成する。そうした成分は、例えば、多層半導体デバイス102の他のフィーチャのうち軸156沿いに全面的又は部分的に存するものに、起因するものであることがある。
【0045】
次のステップ272では、ステップ202にて生成された集合信号204から、層144又は154に付形成された1個又は複数個の付加的周期構造に起因する付加的データを抽出するか否かについて、判別を行う。層144又は154に付形成された1個又は複数個の付加的周期構造に起因する付加的データを抽出する場合は、次のステップ282にて、位置ずれデータアナライザ120が、集合信号204の成分のうち、現在勘案中の付加的周期構造が周期性を呈する軸沿いに存するもののみを勘案することにより、集合信号204からの付加的生データの抽出を進める。
【0046】
また、ステップ282では、位置ずれデータアナライザ120がステップ282にて生成された付加的生データをクリーニングし、付加的クリーン周期構造データを生成する。付加的クリーン周期構造データは、好ましくは一組の周期関数例えば正弦関数の線形結合、好ましくは勘案対象ハーモニック毎に1個の周期関数を、オフセットと併せ含むものとする。ハーモニック毎の周期関数は、現在勘案中の付加的周期構造のピッチに関する情報、並びに荷重因子及び位相シフトを含むものとする。これらオフセット、荷重因子及び位相シフトを、好ましくは最小二乗誤差最小化法を用い、ステップ282にて生成された付加的生データに当て嵌める。
【0047】
本発明のある好適実施形態においては、付加的クリーン周期構造データが等式4により表される:
【数4】
但し、f(x)は付加的クリーン周期構造データ、cはオフセット、kは勘案対象ハーモニックを示す指数、nは勘案対象ハーモニックの総数、a4,kは荷重因子、Pは現在勘案中の付加的周期構造のピッチ、xはプロファイル内直線位置、φ4,kは位相シフトである。
【0048】
現在勘案中の付加的周期構造のピッチPが既知であることを踏まえ、位置ずれデータアナライザ120は、現在勘案中の付加的周期構造のピッチの周期性に対応しない成分、即ち現在勘案中の付加的周期構造のピッチとその上側ハーモニックのうち少なくとも一通りとに対応しない成分を、ステップ282にて生成された付加的生データから除去することにより、付加的クリーン周期構造データを生成する。そうした成分は、例えば、多層半導体デバイス102の他のフィーチャのうち、現在勘案中の付加的周期構造が周期性を呈する軸沿いに全面的又は部分的に存するものに、起因するものであることがある。
【0049】
ステップ282の後はPSDMMM200がステップ272に戻り、ステップ202にて生成された集合信号204から、層144又は154と一体に形成された別の周期構造に起因する付加的データを抽出するか否かについて、判別する。別の周期構造に起因する付加的データを抽出しない場合は、次のステップ292にて、図6A及び図6Bを参照して後述する通り、多層半導体デバイス102の層144・層155間位置ずれを計算する。
【0050】
次に、PSDMMM200のうちステップ292の相異なる実施形態の概略描写図たる図6A及び図6Bを参照する。
【0051】
図6Aに見られる通り、第1層144が第1周期構造142及び第2周期構造148を有し且つ第2層154が第3周期構造152を有している場合、ステップ292にて、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所314を特定する;これは、ステップ222にて生成されたクリーン第1周期構造データ224の最大値群又は最小値群、即ち参照符号318により示されているそれと、ステップ242にて生成されたクリーン第2周期構造データの最大値群又は最小値群、即ち参照符号320により示されているそれと、の交差点にある。また、ステップ292では、位置ずれデータアナライザ120が第2参照個所334を特定する;これは、ステップ262にて生成されたクリーン第3周期構造データの最大値群又は最小値群、即ち参照符号338により示されるそれが、第1参照個所314の最も近くにくるところである。その上で、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所314・第2参照個所334間距離340を計算し、多層半導体デバイス102の第1層144・第2層154間一次元位置ずれとして距離340を報告する。
【0052】
図6Bに見られる通り、第1層144が第1周期構造142及び第2周期構造148を有し且つ第2層154が第3周期構造152及び第4周期構造158を有している場合、ステップ292にて、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所354を特定する;これは、ステップ222にて生成されたクリーン第1周期構造データ224の最大値群又は最小値群、即ち参照符号358により示されるそれと、ステップ242にて生成されたクリーン第2周期構造データの最大値群又は最小値群、即ち参照符号360により示されているそれと、の交差点にある。また、ステップ292では、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所354に最も近い第2参照個所374を特定する;これは、ステップ262にて生成されたクリーン第3周期構造データの最大値群又は最小値群、即ち参照符号376により示されるそれと、ステップ282にて生成された付加的クリーン周期構造データの最大値群又は最小値群、即ち参照符号378により示されるそれとが交差するところである。その上で、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所354・第2参照個所374間距離380を計算し、多層半導体デバイス102の第1層144・第2層154間二次元位置ずれとして距離380を報告する。
【0053】
同様に、第1層144及び第2層154のうち少なくとも一方が少なくとも3個の周期構造を有している場合、ステップ292にて、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所を特定する;これは、第1層144上の周期構造に起因する全てのクリーン周期構造データの最大値群又は最小値群が交差する交差点にある。また、ステップ292にて、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所に最も近い第2参照個所を特定する;これは、第2層154上の周期構造に起因する全てのクリーン周期構造データの最大値群又は最小値群が交差する交差点にある。その上で、位置ずれデータアナライザ120が第1参照個所・第2参照個所間距離を計算し、多層半導体デバイス102の第1層144・第2層154間二次元位置ずれとしてその距離を報告する。
【0054】
本発明のある実施形態においては、図4A図6Bを参照して上述したPSDMMM200が、多層半導体デバイス102の第1層144及び第2層154のうち少なくとも一方と第3層との間の位置ずれを計測しうるように、修正される。そうした実施形態においては、PSDMMM200が、第1周期構造142、第2周期構造148及び第3周期構造152のうち少なくとも1個、並びに第3層に付形成された少なくとも1個の周期構造の、単一画像を生成することにより、集合信号を提供する。PSDMMM200は、また、第3層に付形成された周期構造に起因する成分をその集合信号から抽出してクリーニングし、第1周期構造142、第2周期構造148及び第3周期構造152のうち少なくとも1個と第3層に付形成された周期構造とに対応するその生成クリーンデータにより、第1層144及び第2層154のうち少なくとも一方と第3層との間の位置ずれを確認する。
【0055】
本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には理解される通り、本発明は、具体的に図示及び上述したものに限定されるものではない。本発明の技術的範囲内には、上述した様々な特徴並びにそれらの修正物のコンビネーション及びサブコンビネーションの双方、但し従来技術に属していないもの全てが包含される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
【手続補正書】
【提出日】2022-09-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測のための位置ずれ計量方法であり、前記多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有する第1周期構造であって前記多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている前記第1周期構造と、第2軸に沿い第2ピッチを有し前記第2軸が前記第1軸に対し平行ではない第2周期構造であって、前記多層半導体デバイスの前記第1層と一体に形成されている前記第2周期構造と、第3軸に沿い第3ピッチを有し前記第3軸が前記第1軸に対し平行ではなく且つ前記第3軸が前記第2軸に対し平行ではない第3周期構造であって、前記多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている前記第3周期構造と、を有し、前記第3周期構造と前記第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである前記位置ずれ計量方法であって、
前記第1周期構造、前記第2周期構造及び前記第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供し、
前記集合信号から第1成分を抽出し、前記第1成分が前記第1周期構造に基づくものであり、
前記集合信号から第2成分を抽出し、前記第2成分が前記第2周期構造に基づくものであり、
前記集合信号から第3成分を抽出し、前記第3成分が前記第3周期構造に基づくものであり、
前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分を分析することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項2】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、更に、
クリーン第1周期構造データを生成し、
クリーン第2周期構造データを生成し、
クリーン第3周期構造データを生成する位置ずれ計量方法。
【請求項3】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第1周期構造データが前記第1成分及び前記第1ピッチ、または前記第1成分、前記第1ピッチ、並びに前記第1ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項4】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第2周期構造データが前記第2成分及び前記第2ピッチ、または前記第2成分、前記第2ピッチ、並びに前記第2ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項5】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、前記クリーン第3周期構造データが前記第3成分及び前記第3ピッチ、または前記第3成分、前記第3ピッチ、並びに前記第3ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量方法。
【請求項6】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分の前記分析による前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方が前記第1参照個所の最も近くにくる第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項7】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、
前記第2層が、第4軸に沿い第4ピッチを有する第4周期構造をも備え、前記第4軸が前記第1軸、前記第2軸又は前記第3軸に対し平行ではないものであり、
前記集合信号から前記第4周期構造に基づく第4成分を抽出し、
前記第4成分からクリーン第4周期構造データを生成する位置ずれ計量方法であり、
前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第4周期構造データのそれとが交差するところであり前記第1参照個所の最も近くで交差する第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項8】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、ウェハ撮像ツールの視の長さの1/1000~1/4である位置ずれ計量方法。
【請求項9】
請求項に係る位置ずれ計量方法であって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、ウェハ撮像ツールの視の長さの1/500~1/20である位置ずれ計量方法。
【請求項10】
請求項に係る位置ずれ計量方法であり、前記多層半導体デバイスが、第3層軸に沿い第3層ピッチを有する少なくとも1個の第3層周期構造が一体に形成された少なくとも1個の第3層をも備え、前記第3層軸が前記第1軸に対し平行ではなく、前記第3層軸が前記第2軸に対し平行ではなく且つ前記第3層軸が前記第3軸に対し平行ではないものである前記方法であって、
前記第3層周期構造と前記第1及び第2周期構造との単一画像を生成することにより第2集合信号を提供し、
前記第2集合信号から第3層成分を抽出し、前記第3層成分が前記第3層周期構造に基づくものであり、
前記第3層成分、前記第1成分及び前記第2成分を分析することにより前記第3層・前記第1層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量方法。
【請求項11】
多層半導体デバイスの製造に際する位置ずれの計測のための位置ずれ計量システムであり、前記多層半導体デバイスが、第1軸に沿い第1ピッチを有する第1周期構造であって、前記多層半導体デバイスの第1層と一体に形成されている前記第1周期構造と、第2軸に沿い第2ピッチを有し前記第2軸が前記第1軸に対し平行ではない第2周期構造であって、前記多層半導体デバイスの前記第1層と一体に形成されている前記第2周期構造と、第3軸に沿い第3ピッチを有し前記第3軸が前記第1軸に対し平行ではなく且つ前記第3軸が前記第2軸に対し平行ではない第3周期構造であって、前記多層半導体デバイスの第2層と一体に形成されている前記第3周期構造と、を有し、前記第3周期構造と前記第1及び第2周期構造とが互いに重なり合うものである前記位置ずれ計量システムであって、
前記第1周期構造、前記第2周期構造及び前記第3周期構造の単一画像を生成することにより集合信号を提供するよう動作させうるウェハ撮像ツールと、
位置ずれアナライザであり、
前記集合信号から第1成分を抽出し、前記第1成分が前記第1周期構造に基づくものであり、
前記集合信号から第2成分を抽出し、前記第2成分が前記第2周期構造に基づくものであり、
前記集合信号から第3成分を抽出し、前記第3周期構造に基づくものであり、
前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分を分析することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認するよう、
動作させうる位置ずれアナライザと、
を備える位置ずれ計量システム。
【請求項12】
請求項11に係る位置ずれ計量システムであって、前記位置ずれアナライザを、更に、
クリーン第1周期構造データを生成し、
クリーン第2周期構造データを生成し、
クリーン第3周期構造データを生成するよう、
動作させうる位置ずれ計量システム。
【請求項13】
請求項12に係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第1周期構造データが前記第1成分及び前記第1ピッチ、または前記第1成分、前記第1ピッチ、並びに前記第1ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項14】
請求項12に係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第2周期構造データが前記第2成分及び前記第2ピッチ、または前記第2成分、前記第2ピッチ、並びに前記第2ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項15】
請求項12に係る位置ずれ計量システムであって、前記クリーン第3周期構造データが前記第3成分及び前記第3ピッチ、または前記第3成分、前記第3ピッチ、並びに前記第3ピッチのハーモニックの関数である位置ずれ計量システム。
【請求項16】
請求項12に係る位置ずれ計量システムであって、前記第1成分、前記第2成分及び前記第3成分の前記分析による前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方が前記第1参照個所の最も近くにくる第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量システム。
【請求項17】
請求項12に係る位置ずれ計量システムであって、
前記第2層が、第4軸に沿い第4ピッチを有する第4周期構造をも備え、前記第4軸が前記第1軸、前記第2軸又は前記第3軸に対し平行ではないものであり、
前記集合信号から前記第4周期構造に基づく第4成分を抽出し、
前記第4成分からクリーン第4周期構造データを生成する位置ずれ計量システムであり、
前記第1層・前記第2層間の位置ずれの前記確認に際し、
前記クリーン第1周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第2周期構造データのそれとが交差する第1参照個所を特定し、
前記クリーン第3周期構造データの最大値群及び最小値群のうち少なくとも一方と前記クリーン第4周期構造データのそれとが交差するところであり前記第1参照個所の最も近くで交差する第2参照個所を特定し、
前記第1参照個所・前記第2参照個所間の差異を計算することにより前記第1層・前記第2層間の位置ずれを確認する位置ずれ計量システム。
【請求項18】
請求項11に係る位置ずれ計量システムであって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、前記ウェハ撮像ツールの視の長さの1/1000~1/4である位置ずれ計量システム。
【請求項19】
請求項11に係る位置ずれ計量システムであって、前記第1ピッチ、前記第2ピッチ及び前記第3ピッチが、それぞれ、前記ウェハ撮像ツールの視の長さの1/500~1/20である位置ずれ計量システム。
【請求項20】
請求項11に係る位置ずれ計量システムであって、前記多層半導体デバイスが、第3層軸に沿い第3層ピッチを有する少なくとも1個の第3層周期構造が一体に形成された少なくとも1個の第3層をも備え、前記第3層軸が前記第1軸に対し平行ではなく、前記第3層軸が前記第2軸に対し平行ではなく且つ前記第3層軸が前記第3軸に対し平行ではないものであり、前記ウェハ撮像ツールを、更に、
前記第3層周期構造と前記第1及び第2周期構造との単一画像を生成することにより第2集合信号を提供するよう、
動作させることができ、前記位置ずれアナライザを、更に、
前記第2集合信号から第3層成分を抽出し、前記第3層成分が前記第3層周期構造に基づくものであり、
前記第3層成分、前記第1成分及び前記第2成分を分析することにより前記第3層・前記第1層間の位置ずれを確認するよう、
動作させうる位置ずれ計量システム。
【国際調査報告】