(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】高周波電力リターン経路
(51)【国際特許分類】
C23C 16/505 20060101AFI20220926BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20220926BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20220926BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20220926BHJP
【FI】
C23C16/505
C23C16/458
H05H1/46 M
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506138
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020043982
(87)【国際公開番号】W WO2021025913
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボーンカッター, ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ブラニク, デーヴィット
(72)【発明者】
【氏名】グエン, トゥン アイン
(72)【発明者】
【氏名】バンサル, アミット クマール
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084BB07
2G084BB14
2G084BB24
2G084BB27
2G084CC33
2G084FF06
2G084FF15
2G084FF23
4K030EA06
4K030FA01
4K030GA02
4K030GA12
4K030JA01
4K030KA45
4K030KA46
5F045AA08
5F045AE01
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EH04
5F045EH19
(57)【要約】
本明細書で示される実施形態は、処理チャンバにおける高周波(RF)アースを対象としている。一実施形態では、処理チャンバのチャンバ本体とリッドとの間には、誘電体プレートが配置されている。誘電体プレートは、チャンバ本体とリッドとによって画定された空間内へ横方向に延びる。リッドに対向する空間内には、基板支持体が配置される。基板支持体は、ステム上に配置された支持本体を含む。支持本体は、中央領域と周辺領域とを含む。周辺領域は、中央領域の半径方向外向きにある。中央領域は、周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する。周辺領域の底面に隣接して、フランジが配置されている。フランジは、周辺領域の外側エッジから半径方向外向きに延びる。フランジ上にはベローズが配置され、誘電体プレートに密封連結するように構成されている。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
中に空間を画定する、チャンバ本体とリッドと、
前記チャンバ本体と前記リッドとの間に配置された誘電体プレートであって、前記空間内へ横方向に延びる、誘電体プレートと、
前記リッドに対向する前記空間内に配置された基板支持体であって、
ステム上に配置された支持本体であって、前記支持本体が、中央領域と、前記中央領域の半径方向外向きの周辺領域とを含み、前記中央領域が、前記周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する、支持本体と、
前記周辺領域の底面に隣接したフランジであって、前記周辺領域の外側エッジの半径方向外向きに延びる、フランジと
を含む基板支持体と
を含む、装置。
【請求項2】
前記フランジ上に配置され、前記誘電体に密封連結するように構成されたベローズをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ステムを通って延びる導電性ロッドをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記導電性ロッドがアースに連結することができる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記支持本体と前記ステムとの間に配置されたアース用プレートをさらに含み、前記アース用プレートが前記フランジに連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記空間内に位置決めされ、前記チャンバ本体上に配置された、一又は複数のアース用ブロックと、
前記一又は複数のアース用ブロック及び前記アース用プレートに連結された一又は複数のアース用ストラップと
をさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記支持本体の周りに配置された複数の導電性ループを含むアース用配置構成をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
装置であって、
中に空間を画定する、チャンバ本体とリッドと、
前記チャンバ本体と前記リッドとの間に配置された誘電体プレートであって、前記空間内へ横方向に延びる、誘電体プレートと、
前記誘電体プレートに隣接する前記リッドを通って形成されたチャネルであって、前記空間の少なくとも一部を取り囲む、チャネルと、
前記リッドに対向する前記空間内に配置された基板支持体であって、
ステム上に配置された支持本体であって、前記支持本体が、中央領域と、前記中央領域の半径方向外向きの周辺領域とを含み、前記中央領域が、前記周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する、支持本体と、
前記周辺領域の底面に隣接して配置されたフランジであって、前記周辺領域の外側エッジの半径方向外向きに延びる、フランジと
を含む基板支持体と、
前記フランジ上に配置され、前記フランジを前記誘電体プレートに密封連結するように構成された、ベローズと
を含む、装置。
【請求項9】
前記ステムを通って延びる導電性ロッドをさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記導電性ロッドがアースに連結することができる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記支持本体と前記ステムとの間に配置されたアース用プレートをさらに含み、前記アース用プレートが前記フランジに連結されている、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記空間内に位置決めされ、前記チャンバ本体上に配置された、一又は複数のアース用ブロックと、
前記一又は複数のアース用ブロック及び前記アース用プレートに連結された一又は複数のアース用ストラップと
をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第1の端部と第2の端部を有するアース用ストリップをさらに含み、前記第1の端部が前記ステムに隣接する前記アース用プレートに連結されており、前記第2の端部が前記チャンバ本体に連結されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
複数のアース用ストリップをさらに含み、各アース用ストリップが第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第1の端部のそれぞれが前記ステムに隣接する前記アース用プレートに連結されており、
前記第2の端部のそれぞれが前記チャンバ本体に連結されている、
請求項11に記載の装置。
【請求項15】
装置であって、
中に空間を画定する、チャンバ本体とリッドと、
前記チャンバ本体と前記リッドとの間に配置された誘電体プレートであって、前記空間内へ横方向に延びる、誘電体プレートと、
前記誘電体プレートに隣接する前記リッドを通って形成されたチャネルであって、前記空間の少なくとも一部を取り囲む、チャネルと、
前記リッドに対向する前記空間内に配置された基板支持体であって、
ステム上に配置された支持本体であって、前記支持本体が、中央領域と、前記中央領域の半径方向外向きの周辺領域とを含み、前記中央領域が、前記周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する、支持本体と、
前記周辺領域の底面に隣接して配置されたフランジであって、前記周辺領域の外側エッジの半径方向外向きに延びる、フランジと
を含む基板支持体と、
前記フランジ上に配置され、前記フランジ及び前記誘電体プレートに連結されたベローズと、
前記ベローズを通って形成された開口部であって、前記ベローズが圧縮されるときに密封閉鎖される、開口部とを含む、装置。
【請求項16】
前記ステムを通って延びる導電性ロッドをさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記支持本体と前記ステムとの間に配置されたアース用プレートをさらに含み、前記アース用プレートが前記フランジに連結されている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
第1の端部と第2の端部を有するアース用ストリップをさらに含み、前記第1の端部が前記ステムに隣接する前記アース用プレートに連結されており、前記第2の端部が前記チャンバ本体に連結されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
複数のアース用ストリップをさらに含み、各アース用ストリップが第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第1の端部のそれぞれが前記ステムに隣接する前記アース用プレートに連結されており、
前記第2の端部のそれぞれが前記チャンバ本体に連結されている、
請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記ベローズ内の前記開口部が、前記チャンバ本体を通って形成された開口部と位置合わせされており、前記基板支持体が上昇位置にあるとき、前記ベローズが、前記チャンバ本体を通って形成された前記開口部を密封する、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、装置、より具体的には、基板上への均一な厚さの膜の堆積を容易にするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]化学気相堆積(CVD)及びプラズマCVD(PECVD)は、半導体基板などの基板上に膜を堆積するために使用されるプロセスである。CVDは、概して、中に基板を含む処理チャンバ内に処理ガスを導入することによって達成される。処理ガスは、ガス分布アセンブリを通って、処理チャンバの処理空間内へ向けられる。ガス分布アセンブリは、ペデスタル上に位置決めされた基板に対向する処理空間内に配置される。
【0003】
[0003]高周波(RF)電力は、処理チャンバ内の処理ガスを活性化するために使用され得る。RF電力は、電源に戻る傾向がある。いくつかの場合では、アーク放電は、処理チャンバ内のRF電力から発生する可能性があり、チャンバとその部品に損傷を与える可能性がある。アース経路は、RF電力を処理チャンバの部品から遠くに向けて、処理チャンバへの損傷を防ぎ、処理チャンバ内でのアーク放電の発生を低減しようとする。しかしながら、現在のアース経路設計は複雑であり、処理チャンバ内でアーク放電する可能性がある。
【0004】
[0004]よって、改善されたRFリターン経路設計が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一実施形態では、チャンバ本体と、中に空間を画定するリッドとを含む装置が提供される。チャンバ本体とリッドとの間には、誘電体プレートが配置される。誘電体プレートは、空間内へ横方向に延びる。リッドに対向する空間内には、基板支持体が配置される。基板支持体は、ステム上に配置された支持本体を含む。支持本体は、中央領域と、中央領域の半径方向外向きの周辺領域とを含む。中央領域は、周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する。基板支持体は、周辺領域の底面に隣接するフランジも含む。フランジは、周辺領域の外側エッジの半径方向外向きに延びる。フランジ上にはベローズが配置され、誘電体プレートに密封連結するように構成されている。
【0006】
[0006]別の実施形態では、チャンバ本体と、中に空間を画定するリッドとを含む装置が提供される。チャンバ本体とリッドとの間には、誘電体プレートが配置される。誘電体プレートは、空間内へ横方向に延びる。誘電体プレートに隣接するリッドを通って、チャネルが形成される。チャネルは、空間の少なくとも一部を取り囲む。リッドに対向する空間内には、基板支持体が配置される。基板支持体は、ステム上に配置された支持本体を含む。支持本体は、中央領域と、中央領域の半径方向外向きの周辺領域とを含む。中央領域は、周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する。周辺領域の底面に隣接して、フランジが配置されている。フランジは、周辺領域の外側エッジの半径方向外向きに延びる。フランジ上にはベローズが配置され、フランジを誘電体プレートに密封連結するように構成されている。
【0007】
[0007]さらに別の実施形態では、チャンバ本体と、中に空間を画定するリッドとを含む装置が提供される。チャンバ本体とリッドとの間には、誘電体プレートが配置される。誘電体プレートは、空間内へ横方向に延びる。誘電体プレートに隣接するリッドを通って、チャネルが形成される。チャネルは、空間の少なくとも一部を取り囲む。リッドに対向する空間内には、基板支持体が配置される。基板支持体は、ステム上に配置された支持本体を含む。支持本体は、中央領域と、中央領域の半径方向外向きの周辺領域とを含む。中央領域は、周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する。周辺領域の底面に隣接して、フランジが配置されている。フランジは、周辺領域の外側エッジの半径方向外向きに延びる。フランジ上にベローズが配置される。ベローズは、フランジとプレートとに連結されている。ベローズを通って開口部が形成される。ベローズが圧縮されるとき、開口部は密封閉鎖される。
【0008】
[0008]本開示の上述の特徴が詳しく理解され得るように、上記では簡単に要約した本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られる。一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得るので、付随する図面は例示的な実施形態のみを示しており、したがって、実施形態の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]一実施形態による処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2A】[0010]一実施形態によるアース用配置構成の概略上面図を示す。
【
図2B】[0011]一実施形態によるアース用配置構成の概略側面図を示す。
【
図3A】[0012]一実施形態によるベローズの概略断面図を示す。
【
図3B】[0013]一実施形態によるベローズ配置の概略断面図を示す。
【
図4】[0014]一実施形態による処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5A】[0015]一実施形態による処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図5B】[0016]一実施形態によるアース用ストリップの概略上面図を示す。
【
図5C】[0017]一実施形態によるアース用ストリップの概略上面図を示す。
【
図6】[0018]一実施形態による処理チャンバの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると、想定される。
【0011】
[0020]本明細書で示される実施形態は、処理チャンバにおける高周波(RF)アースを対象としている。一実施形態では、処理チャンバのチャンバ本体とリッドとの間には、誘電体プレートが配置されている。誘電体プレートは、チャンバ本体とリッドとによって画定された空間内へ横方向に延びる。リッドに対向する空間内には、基板支持体が配置される。基板支持体は、ステム上に配置された支持本体を含む。支持本体は、中央領域と周辺領域とを含む。周辺領域は、中央領域の半径方向外向きにある。中央領域は、周辺領域の厚さよりも薄い厚さを有する。周辺領域の底面に隣接して、フランジが配置されている。フランジは、周辺領域の外側エッジから半径方向外向きに延びる。フランジ上にはベローズが配置され、誘電体プレートに密封連結するように構成されている。
【0012】
[0021]
図1は、一実施形態による処理チャンバ100の概略断面図を示している。処理チャンバ100は、チャンバ本体102及びチャンバ本体102上に配置されるリッド104を含む。チャンバ本体102及びリッド104は、内部に空間110を画定する。チャンバ本体102の底部148は、リッド104に面している。
【0013】
[0022]リッド104は面板106を含み、面板106は、それを通って形成された複数の孔134を有する。リッド104にはガス源130が連結されている。ガス源130からのガスは、リッド104と面板106とによって少なくとも部分的に画定されたプレナム132内へ流れる。プレナム132は、複数の孔134を介して空間110と流体連結している。面板106を複数の孔134は、空間110内へのガスの実質的に均一な分布を可能にする。
【0014】
[0023]リッド104に対向する空間110内には、基板支持体105(例えばペデスタル)が配置されている。基板支持体105は、支持本体112及びステム108を含む。ステム108は、チャンバ本体102の底部148を通って横方向に延びる。ステム108は、底部148に対して実質的に垂直である。リッド104には、支持本体112の支持表面150が面している。底部148は、面板106に対して実質的に平行である。
【0015】
[0024]支持本体112は、ステム108上に配置されている。支持本体112は、第1の部分151と第2の部分152とを含む。第1の部分151は、ステム108と実質的に同軸であり、支持表面150を含む。第1の部分151は、面板106及び底部148に対して実質的に平行である。第2の部分152は、第1の部分151に連結しており、第1の部分151から底部148へ向かって横方向に延びる。第2の部分152は、円筒形状であり、ステム108の少なくとも一部を取り囲む第1の部分151に対して実質的に垂直である。
【0016】
[0025]第1の部分151の底面156は、チャンバ本体102の底部148に面している。第2の部分152の内面158は、ステム108に面している。第2の部分152の底面154は、チャンバ本体102の底部148に面している。第2の部分152の底面154は、第1の部分151の底面156よりも、チャンバ本体102の底部148に近い。いくつかの実施形態では、支持本体112は一体型の部材である。
【0017】
[0026]支持本体112の外面144は、支持本体112の半径方向の外面であり、チャンバ本体102に面している。外面144は、ステム108から外方に向き、チャンバ本体102の底部148及び支持表面150に対して実質的に垂直である。第1の部分151の底面156及び第2の部分152の内面158には、アース用プレートが連結されている。つまり、アース用プレート146は、支持本体112とステム108との間に配置されている。アース用プレート146は、導電性材料から製造される。別の例では、アース用プレート146は、それを通ってステム108が配置される中央開口部を含み、ステム108と第1の部分151の底部との間の接触を可能にする。
【0018】
[0027]導電性ロッド114は、ステム108内に配置されるか又はステム108を通って延びる。導電性ロッド114は、アース用プレート146に連結されている。導電性ロッド114はまた、ステム108の外部のアースに結合されている。支持本体112の第2の部分152に沿ったアース用プレート146の底面142は、第2の部分152の底面154に対して実質的に平行であり、それと同一平面にある。
【0019】
[0028]基板支持体105及びアース用プレート146は、中央領域138及び周辺領域140を含む。中央領域138は、第1の部分151の少なくとも一部を含む。周辺領域140は、第2の部分152の少なくとも一部を含む。中央領域138及び周辺領域140のそれぞれは、支持本体112及びアース用プレート146の少なくとも一部を含む。周辺領域140は、中央領域138の半径方向外向きにある。
【0020】
[0029]フランジ118は、周辺領域140内のアース用プレート146の底面142に沿って配置される。フランジ118は、支持表面150に対して実質的に平行である。フランジ118は、アース用プレート146の底面142及び第2の部分152の底面に沿って延びる。フランジ118は、外面144の半径方向外向きに延びる。フランジ118は、アース用プレート146の底面142、第2の部分152の底面154、又はその両方に連結され得る。フランジ118は、金属、例えばアルミニウムなどの導電性材料から製造される。
【0021】
[0030]ベローズ120は、支持本体112の半径方向外向きのフランジ118上に配置される。一例では、ベローズ120は、支持本体112を取り囲む円形を形成する。ベローズ120は、フランジ118の上面160上に位置決めされる。上面160は、チャンバ本体102の底部148に対向しており、リッド104に面している。ベローズ120は、支持本体112の外面144に隣接しており、フランジ118からリッド104へ向かって横方向に延びる。ベローズ120は、支持本体112の第2の部分152の半径方向外向きに位置決めされ、場合によってはそれから離間されている。ベローズ120の上面128は、支持表面150に対して実質的に平行である。
【0022】
[0031]ベローズ120は、上面128とフランジ118との間のリターン経路を含む。リターン経路は、高周波(RF)電力がアースに到達するためのルートを提供する。つまり、ベローズ120は、その上面128からフランジ118への導電性経路を提供する。ベローズ120は、RF電力のためのアースへの効率的な経路を提供する。有利には、ベローズ120は、容易に交換できる単純な設計であり、これにより、メンテナンス時間及び関連するコストを削減することができる。RF電力の流れを容易にするために、ベローズ120は、金属などの導電性材料から形成され得るか又はそれを含み得る。一例では、ベローズ120は、金属シート、金属メッシュ、又は別の材料に埋め込まれた金属導電体を含む。そのような例では、金属はアルミニウムを含み得る。
【0023】
[0032]プレート122は、リッド104とチャンバ本体102との間に配置される。プレート122はリング型であり、空間110の少なくとも一部を取り囲む。プレート122の底面136は、ベローズ120の上面128に対して実質的に平行である。プレート122は、絶縁材料から製造されて、チャンバ本体102及びリッド104を絶縁する。例えば、プレート122は、誘電体又はセラミック含有材料から製造される。
【0024】
[0033]チャネル124は、リッド104を通って形成される。チャネル124は、プレート122に隣接しており、空間110の少なくとも一部を取り囲む。チャネル124は、排気ポンプ(図示せず)と流体連結し得る。チャネル124は、ガス及び粒子が空間110から除去されて、基板上に堆積された膜への損傷及び/又はその汚染を防止することを可能にする。
【0025】
[0034]開口部126は、チャンバ本体102を通って形成される。開口部126は、基板(図示せず)が、プレート122とチャンバ本体102との間の基板支持体105の支持表面150上にロードされることを可能にする。アクチュエータ116は、基板支持体105のステム108に連結されている。アクチュエータ116は、空間110内の下降位置と上昇位置との間で基板支持体105を移動させるように構成されている。
図1に示すように、基板支持体105は、ベローズ120がプレート122と接触しないように、下降位置に配置される。
【0026】
[0035]動作中、基板支持体105は、アクチュエータ116によって下降位置に移動される。基板は、開口部126を通って支持表面150上にロードされる。アクチュエータ116は、基板支持体105を上昇位置へ移動させる。上昇位置では、ベローズ120の上面128は、プレート122の底面136と接触する。ベローズ120の上面128とプレート122の底面136との間には、シールが作成される。シールは、ガスが開孔部126を通って空間110から出るのを実質的に防止する。基板支持体105が上昇位置にあるとき、ベローズ120は、プレート122とフランジ118との間で圧縮され得る。
【0027】
[0036]ガスは、ガス源130から面板106を通って空間110内へ導入される。高周波(RF)電力は、空間110内のガスを活性化するために使用される。活性化されたガスは、基板上に材料を堆積するために使用される。RF電力のRFリターン経路は、ベローズ120からフランジ118、アース用プレート146、及び導電性ロッド114を通ってアース用され得る。有利には、RFリターン経路は、空間110でのRF漏れの発生、寄生プラズマの形成、及びアーク放電を実質的に低減することができる。
【0028】
[0037]
図2は、一実施形態によるアース用配置構成200の概略上面図を示している。アース用配置構成200は、ベローズ120の代わりとして使用することができる(
図1)。アース用配置構成200は、支持本体112の周りに配置された複数の導電性ループ202を含む。複数の導電性ループ202は、ベローズ120の代わりとして支持本体112の周りに配置され得る。
【0029】
[0038]複数の導電性ループ202は、支持本体112の半径方向外向きに配置される。複数の導電性ループ202の各導電性ループは、フランジ118上に配置される。基板支持体105が上昇位置へ移動すると、複数の導電性ループ202は、プレート122の底面136に対して圧縮される。複数の導電性ループ202は、フランジ118、アース用プレート146、及び導電性ロッド114を通ってRFリターン経路を維持する。つまり、RF電流は、複数の導電性ループ202を通って、フランジ118へ、アース用プレート146へ、及び導電性ロッド114へ流れる。
【0030】
[0039]
図2Bは、一実施形態によるアース用配置構成200の概略側面図を示す。導電性ループ202のそれぞれは、第1のファスナ208を介してプレート204へ連結されている。各プレート204は、第2のファスナ206を介してフランジ118へ連結されている。つまり、導電性ループ202の端部は、プレート204とフランジ118との間に配置され、それらと接触している。一実施形態では、第1のファスナ208及び第2のファスナ206は、鋼又は別の合金などの導電性材料から製造される。複数の導電性ループ202は、支持本体112の周りに対称に配置されて、処理チャンバ100内に対称のRFリターン経路を提供する。例えば、複数の導電性ループ202のそれぞれの間の角度間隔は、約20度から約60度の間、例えば、約30度である。
【0031】
[0040]
図3Aは、一実施形態によるベローズ120の概略断面図を示している。ベローズ120は、フランジ118に接着されている。ベローズ120の内側304は、支持本体112の外面144に隣接している。ベローズ120の外側306は、内側304に対向している。外側306は、フランジ118の外側エッジと実質的に整列している。
【0032】
[0041]基板支持体105が上昇位置に移動すると、ベローズ120は、その上面128からフランジ118への方向において圧縮される。つまり、ベローズ120が圧縮されると、ベローズ120の高さ302は減少する。基板支持体105が下降位置に移動すると、ベローズ120の高さ302は増加し、元の高さに戻る。
【0033】
[0042]
図3Bは、一実施形態によるベローズ配置300の概略断面図を示している。ベローズ配置300は、
図1及び3Aに関して上で検討されたベローズ120と同様である。しかしながら、
図3Bのベローズ配置は、ベローズ120の上面128に沿って配置された導電性Oリング312を含む。
【0034】
[0043]ベローズ120の上面128内には、チャネル310が形成される。導電性Oリング312は、チャネル310内に配置されている。導電性Oリング312の少なくとも一部は、チャネル310内へ延びる。導電性Oリング312の少なくとも一部は、ベローズ120の上面128の上方へ延びる。
【0035】
[0044]導電性Oリング312は、RF電流がRFリターン経路を通過するベローズ120上に導電性点を提供する。導電性Oリング312は、RFリターン経路(例えば、ベローズ120及び/又は300)への、及びRFリターン経路を通るRF電流の増加した流れを可能にする。よって、導電性Oリング312は、RFアースをさらに改善し、処理チャンバ100内での寄生プラズマ及びアーク放電の発生をさらに低減する。一例では、導電性Oリング312は、支持本体112を完全に囲んでいる。
【0036】
[0045]
図4は、一実施形態による処理チャンバ400の概略断面図を示している。処理チャンバ400は、多くの点において
図1に関して検討された処理チャンバ100と同様である。しかしながら、処理チャンバ400のベローズ402は、処理チャンバ100のベローズ120とは異なる。
【0037】
[0046]ベローズ402は、支持本体112に隣接するフランジ118上に配置される。しかしながら、ベローズ402は、プレート122の底面136に接着されている。つまり、ベローズ402は、フランジ118及びプレート122の底面136に接着されている。ベローズ402は、一又は複数のファスナ、接着剤、又は別の適切なやり方を介して底面136に接着され得る。
【0038】
[0047]ベローズ402を通って、スリット404が形成される。スリット404は、基板(図示せず)がスリット404を通って支持表面150にロードされることを可能にする角距離を延ばす。基板支持体105が上昇位置に移動すると、ベローズ402は、プレート122とフランジ118の間で圧縮する。スリット404は、ベローズ402内でも圧縮する。よって、基板支持体105が上昇位置にあるとき、スリット404は密封される。
【0039】
[0048]
図5Aは、一実施形態による処理チャンバ500の概略断面図を示している。処理チャンバ500は、多くの点において
図1に関して検討された処理チャンバ100と同様である。しかしながら、処理チャンバ500は、空間110内に配置されたアース用ストリップ502を含む。アース用ストリップ502は、第1の端部504と、第1の端部504の半径方向外向きの第2の端部506とを含む。
【0040】
[0049]アース用ストリップ502は、ステム108の周りに配置される。アース用ストリップ502は、ステム108に隣接するアース用プレート146と接触している。上に記載される一又は複数の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、アース用ストリップ502は、アース用プレート146に物理的及び電気的に連結されている。つまり、アース用ストリップ502の第1の端部504は、アース用プレート146に接着されている。アース用ストリップ502の第2の端部506は、チャンバ本体102に物理的及び電気的に連結されている。上に記載される一又は複数の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、アース用ストリップ502の第2の端部506は、チャンバ本体102の底部148に連結されている。アース用ストリップ502の第2の端部506は、アースに連結されて、空間110内のRF電力のアース経路を提供する。基板支持体105が下降位置にあるとき、アース用ストリップ502は、コイルなどの同心リングを形成する。
【0041】
[0050]基板支持体105が上昇位置に移動すると、アース用ストリップ502の第1の端部504は、アース用プレート146との接触を維持し、基板支持体105とともに移動する。しかしながら、アース用ストリップ502の第2の端部506は、固定され、チャンバ本体102との接触を維持する。つまり、基板支持体105が上昇位置にあるとき、アース用ストリップ502は、ステム108を取り囲む円錐形状を形成する。アース用ストリップ502は、空間110内のRF電力のためのアースへの連続経路を提供する。よって、アース用ストリップ502は、処理チャンバ500内の寄生プラズマ及びアーク放電の発生を実質的に低減することができる。上に記載される一又は複数の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、アース用ストリップ502がRF電力のための十分なリターン経路を提供するため、導電性ロッド114は含まれていない。
【0042】
[0051]
図5Bは、一実施形態によるアース用ストリップ502の概略上面図を示している。アース用ストリップ502は、ステム108の周りにらせん状で配置されている(
図1、4、及び5A)。基板支持体105が上昇位置に移動すると、アース用ストリップ502は、基板支持体105とチャンバ本体102の底部148との間にらせん形状を形成する。
【0043】
[0052]
図5Cは、一実施形態によるアース用ストリップ503の概略図を示している。アース用ストリップ503は、アース用ストリップ502が使用されていると説明されている本開示の任意の部分で使用することができる。アース用ストリップ503は、第1の経路510、第2の経路512、第3の経路514、及び第4の経路516などの複数のアース経路510、512、514、516を含む。複数のアース経路は、中心点534の周りに絡み合っている。中心点534は、ステム108の中心点でもある(
図1、4、及び5A)。
【0044】
[0053]第1、第2、第3、及び第4の経路510、512、514、及び516のそれぞれの第1の端部520、524、528、及び532は、それぞれ、中心点534に隣接している。第1、第2、第3、第4の経路510、512、514、及び516はそれぞれ、中心点534から第2の端部518、522、526、及び530までらせん状に離れている。第1の端部520、524、528、及び532は、アース用プレート146などの、基板支持体上のアース用プレート上に連結されている(
図1、4、及び5A)。第2の端部518、522、526、及び530は、チャンバ本体102に連結されている。一例では、第1の端部520、524、528、及び532のそれぞれは、互いに等しい角距離、離間されている。追加的に又は代替的に、第2の端部518、522、526、及び530はそれぞれ、互いに等しい角距離、離間されている。
【0045】
[0054]アース経路510、512、514、及び516は、アース用ストリップ502よりも短い。よって、アース経路510、512、514、及び516は、空間内にRF電力の改善されたリターン経路を提供し得る。複数のリターン経路がRF電力のために提供されるため、アース経路510、512、514、及び516は、空間110内の寄生プラズマ及びアーク放電の発生もさらに低減することができる。
【0046】
[0055]
図6は、一実施形態による処理チャンバ600の概略断面図を示している。処理チャンバ600は、多くの点において
図1に関して検討された処理チャンバ100と同様である。しかしながら、処理チャンバ600は、一又は複数のアース用ブロック602と、一又は複数のアース用ストラップ604とを含む。
【0047】
[0056]一又は複数のアース用ブロック602は、空間110に面するチャンバ本体102の内面上に配置される。基板支持体105が上昇位置にあるとき、一又は複数のアース用ブロック602は、支持本体112の下方に配置される。一又は複数のアース用ストラップ604は、アース用ブロック603に連結されている。一又は複数のアース用ストラップ604は、基板支持体105のアース用プレート146にも連結されている。チャンバ本体102は、アースに連結されている。
【0048】
[0057]一又は複数のアース用ストラップ604は、アルミニウムストラップなどのフレキシブルな導電性材料から製造される。一又は複数のアース用ストラップ604は、フレキシブルであり、基板支持体105が空間110に移動する間に、アース用プレート146との一定の接触を可能にする。一又は複数のアース用ストラップ604は、導電性であり、空間110内にRF電力のリターン経路を提供する。アース用経路が、アース用プレート146から一又は複数のアース用ストラップ604を通ってアース用ブロック602及び接地されたチャンバ本体102まで移動することを除いて、アース用経路は、
図1の処理チャンバ100のものと同様である。ステム108内の導電性ロッド114は、一実施形態によれば、アース用経路及び/又はRF電力経路には含まれない。有利には、一又は複数のアース用ブロック602及び一又は複数のアース用ストラップ604は、RF電力のための効率的なアース用経路を提供し、処理チャンバ600のメンテナンス中のダウンタイムの低減及びコスト削減をもたらすことができる。
【0049】
[0058]本明細書に記載される態様は、異なる垂直厚さを有する第1の部分と第2の部分とを有する基板支持体について記載されているが、均一な厚さを含む他の寸法を有する基板支持体は本開示の態様から利益を得ることができると考えられる。
【0050】
[0059]上記の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決まる。
【国際調査報告】