IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特表2022-543453マルチステーション処理モジュールにおけるウエハ搬送のためのスピンドルアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】マルチステーション処理モジュールにおけるウエハ搬送のためのスピンドルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20221004BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/316 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507577
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 US2020045359
(87)【国際公開番号】W WO2021026430
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/884,635
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボース・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】プール・ジェレミー
【テーマコード(参考)】
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
5F045AA08
5F045DP15
5F045DP28
5F045DQ11
5F045DQ17
5F045EF05
5F045EM10
5F045EN04
5F058BF07
5F058BG04
(57)【要約】
【解決手段】マルチステーション処理モジュール内でウエハを搬送するためのスピンドルアセンブリが提供される。このスピンドルアセンブリは、中心軸の周りを回転するように構成されたハブ本体と、複数のエンドエフェクタであって、各エンドエフェクタは、ハブ本体に結合するように構成された第1の端、および、ウエハを支持するように構成された第2の端を有する、複数のエンドエフェクタと、複数のカバーと、複数のファスナアセンブリと、を備え、各エンドエフェクタの第1の端は、それぞれのファスナアセンブリによって、それぞれのカバーとハブ本体のそれぞれの外部との間に挟持され、それぞれのファスナアセンブリは、安定した締付力を提供するウェーブスプリングを備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステーション処理モジュール内でウエハを搬送するためのスピンドルアセンブリであって、
中心軸の周りで回転するように構成されたハブ本体と、
複数のエンドエフェクタであって、各エンドエフェクタは、前記ハブ本体に結合するように構成された第1の端、および、ウエハを支持するように構成された第2の端を有する、複数のエンドエフェクタと、
複数のカバーと、
複数のファスナアセンブリと、を備え、
各エンドエフェクタの前記第1の端は、それぞれのファスナアセンブリによって、それぞれのカバーと前記ハブ本体のそれぞれの外部との間に挟持され、前記それぞれのファスナアセンブリは、安定した締付力を提供するウェーブスプリングを備える、スピンドルアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記それぞれのファスナアセンブリは、前記それぞれのカバーおよび前記ハブ本体の前記それぞれの外部を通って延びるバレルナット、ならびに、前記バレルナットに結合するねじを備える、スピンドルアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ウェーブスプリングは、前記バレルナットを取り囲む、スピンドルアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ウェーブスプリングは、前記ファスナアセンブリによって前記それぞれのカバーおよび前記ハブ本体の前記それぞれの外部に印加された締付力から、前記ねじに印加されたトルクを分離する、スピンドルアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記それぞれのカバーのリップは、前記ハブ本体のアンダーカット部に収まるように構成されている、スピンドルアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記複数のファスナアセンブリは、インコネル材から成る、スピンドルアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ハブ本体は、回転スピンドル軸アセンブリへの前記ハブ本体の結合を容易にする複数のスロット状の穴を備える、スピンドルアセンブリ。
【請求項8】
マルチステーション処理モジュール内でウエハを搬送するためのスピンドルアセンブリであって、
中心軸の周りで回転するように構成されたハブ本体と、
複数のエンドエフェクタであって、各エンドエフェクタは、前記ハブ本体に結合するように構成された第1の端を有し、前記ハブ本体は、前記エンドエフェクタの前記第1の端を受け入れるように構成された凹部を有し、各エンドエフェクタは、前記マルチステーション処理モジュールにおける搬送中にウエハを支持するように構成された第2の端を有する、複数のエンドエフェクタと、
複数のカバーであって、各カバーは、前記エンドエフェクタの前記第1の端のうちの1つの上に配置され、各カバーは、各エンドエフェクタの前記第1の端が前記カバーの1つと前記ハブ本体との間に挟持されるように、少なくとも2つのファスナアセンブリによって前記ハブ本体に固定される、複数のカバーと、を備え、
各ファスナアセンブリは、実質的に安定した締付力を提供するウェーブスプリングを備える、スピンドルアセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記各ファスナアセンブリは、前記カバーの1つおよび前記ハブ本体を通って延びるバレルナット、ならびに、前記バレルナットに結合するねじを備える、スピンドルアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ウェーブスプリングは、前記バレルナットを取り囲む、スピンドルアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ウェーブスプリングは、前記ファスナアセンブリによって前記カバーの1つおよび前記ハブ本体に印加された締付力から、前記ねじに印加されたトルクを分離する、スピンドルアセンブリ。
【請求項12】
請求項8に記載のスピンドルアセンブリであって、
各カバーは、前記ハブ本体のアンダーカット部に収まるように構成されたリップを備える、スピンドルアセンブリ。
【請求項13】
請求項8に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ファスナアセンブリは、インコネル材から成る、スピンドルアセンブリ。
【請求項14】
請求項8に記載のスピンドルアセンブリであって、
前記ハブ本体は、回転スピンドル軸アセンブリへの前記ハブ本体の結合を容易にする複数のスロット状の穴を備える、スピンドルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体処理ツールにおいて用いられる構造に関し、特に、マルチステーション処理モジュールにおいて半導体ウエハを支持および搬送するために用いられるスピンドルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハ処理において、処理モジュールは、複数の処理ステーションを有しうる(ラム・リサーチ・コーポレーションによって製造されたクアッドステーションプロセスモジュールなど)。かかるマルチステーション処理モジュールは、ウエハを1つのステーションから別のステーションに搬送するためにスピンドルアセンブリを用いてよい。概して、かかるスピンドルアセンブリは、搬送中にウエハを支持する、中央ハブから延びるいくつかのパドルを備える。
【0003】
本開示に記載の実施形態は、このような背景の下生まれたものである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、マルチステーション処理モジュールにおいて搬送中にウエハを支持するスピンドルアセンブリを用いる、システム、装置、および方法を提供する。
【0005】
セラミックエンドエフェクタをスピンドルハブに取り付けるために用いられる部品の緩みを防ぐスピンドルアセンブリが開示される。
【0006】
既存の設計は、エンドエフェクタを固定するためにファスナのみを使用しており、高い動作温度により緩む可能性がある。しかし、本開示の実施形態により、スピンドルアセンブリは、ファスナトルクを締付力から分離し、熱膨張により大きなコンプライアンスを提供するために、ウェーブスプリングを有するバレルナットを用いて提供される。本明細書では、セラミックエンドエフェクタを固定するためのウェーブスプリングおよび連動する形状の新規使用法が開示され、低メンテナンス間隔(既存の設計では、緩んだファスナを再びねじるために必要)でより高い動作温度が可能になる。
【0007】
本発明の他の態様および利点は、例として本発明の原理を表す添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリの斜視図。
【0009】
図1B】本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリ100の一部の径方向断面図。
【0010】
図2A】本開示の実施形態による、ハブ本体102、カバー106a、さらにファスナアセンブリを示す斜視図。
【0011】
図2B】本開示の実施形態による、搭載されたファスナアセンブリ108aを示す近接断面図。
【0012】
図2C】本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリの一部の横断面図。
【0013】
図2D】本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリの一部の横断面図。
【0014】
図3】本開示の実施形態によるハブ本体102の斜視図。
【0015】
図4A】本開示の実施形態によるカバー106aの上面図。
【0016】
図4B】本開示の実施形態によるカバー106aの側面図。
【0017】
図4C】本開示の実施形態によるカバー106aの底面図。
【0018】
図5】本開示の実施形態によるバレルナットの斜視図。
【0019】
図6A】本開示の実施形態によるウェーブスプリングの斜視図。
【0020】
図6B】本開示の実施形態によるウェーブスプリングの上面図。
【0021】
図6C】本開示の実施形態によるウェーブスプリングの側面図。
【0022】
図7A】本開示の実施形態によるフェンダワッシャの斜視図。
【0023】
図7B】本開示の実施形態によるフェンダワッシャの上面図。
【0024】
図7C】本開示の実施形態によるフェンダワッシャの側面図。
【0025】
図8A】本開示の実施形態によるハブ本体の断面斜視図。
【0026】
図8B】本開示の実施形態によるスピンドルファスナアセンブリの構成部品の拡大斜視図。
【0027】
図9A】本開示の実施形態によるハブ本体102の上面図。
【0028】
図9B】本開示の実施形態によるスルーホール900aの拡大上面図。
【0029】
図9C】本開示の実施形態によるハブ本体102の底面図。
【0030】
図9D】本開示の実施形態によるハブ本体102の中央部分の拡大底面図。
【0031】
図10】本開示の実施形態による、複数のステーションを係合する基板処理システム1100’の断面図。
【0032】
図11A】本開示の実施形態による、処理チャンバに4つの処理ステーションが設けられたマルチステーション基板処理システム1100’の上面図。
【0033】
図11B】本開示の実施形態による、搬入ロードロックおよび搬出ロードロックを有するマルチステーション基板処理システムの実施形態の概略図。
【0034】
図12】本開示の実施形態による、本開示のシステムを制御するための制御モジュール1600。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の実施形態は、処理チャンバで用いられるスピンドルアセンブリの様々な詳細を提供する。スピンドルアセンブリは、複数の台座またはチャックを含む、処理用の複数のステーションを備える処理チャンバで用いられてよい。一構成において、処理チャンバが一式の台座を備える場合は、システムが全てのウエハを同時に搬送できるように(例えば、回転アセンブリによって)、スピンドルアセンブリは同等数のエンドエフェクタを有するだろう。このように、全てのウエハは異なる台座に搬送されて、さらなる処理が処理チャンバで可能になる。本実施形態は、プロセス、装置、システム、デバイス、または方法などのいくつかの手段で実施されうることを理解されたい。以下に、いくつかの実施形態が説明される。
【0036】
ウエハ処理システムは、ウエハ処理に適した1つ以上のチャンバまたは「リアクタ」を備える。各チャンバは、処理のために1つ以上のウエハを収容するための複数のステーションを備えてよい。1つ以上のチャンバは、ウエハを定位置に(その位置における動き(例えば回転、振動、または他の動き)を伴って、または伴わずに)維持する。処理(例えば、堆積、エッチング、洗浄)中のウエハは、リアクタチャンバに対して搬入出され、処理の間にリアクタチャンバ内の1つのステーションから別のステーションに搬送されてよい。当然のことながら、処理は全て1つのステーションで生じてよい、または、処理の一部は任意の数のステーションで実施されてよい。
【0037】
図1Aは、本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリ100の斜視図を表す。スピンドルアセンブリ100は、いくつかのエンドエフェクタ104a、104b、104c、および104dが取り付けられたハブ本体102を備える。エンドエフェクタは、取り付けられたときは、ハブ本体102から外向きに放射状に延びる。エンドエフェクタは、マルチステーション処理モジュール内でウエハを支持し、ウエハを持ち上げて1つのステーションから別のステーションに搬送するために用いられる。図のスピンドルアセンブリの実施形態では、具体的に4つのエンドエフェクタがあるが、他の実施形態では、1つまたは2つまたはそれ以上のエンドエフェクタがあってよいことが分かるだろう。本開示を通して説明を簡単にするために、構成部品はスピンドルアセンブリの特定部分またはエンドエフェクタに関して説明され、それがスピンドルアセンブリの対応する他の部分またはエンドエフェクタにも当てはまることが分かるだろう。よって、要素/構成は、所定数のエンドエフェクタを有するスピンドルアセンブリの構成を可能にするために重複して提供されるが、簡潔にするために、かかる重複する要素/構成の全てが具体的に説明されなくてよい、または示されなくてよいことが分かるだろう。
【0038】
エンドエフェクタ104a、104b、104c、および104dはそれぞれ、カバー106a、106b、106c、および106dがハブ本体102に締められているときは、カバーによってハブ本体に固定されている。つまり、各エンドエフェクタは、カバーがファスナアセンブリによってハブ本体に締められているときは、ハブ本体102と対応するカバーとの間に挟持される。例えば図の実施形態では、カバー106aは、ファスナアセンブリ108aおよび108bによってハブ本体102に固定され、それによりエンドエフェクタ104aがハブ本体102とカバー106aとの間に挟持されている。
【0039】
図1Bは、本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリ100の一部の径方向断面図を表す。図の実施形態には、カバー106aおよびエンドエフェクタ104を含む径方向断面部分が示されている。図のように、エンドエフェクタ104aの内端は、カバー106aとハブ本体102の下部との間に挟持されている。また、カバー106aのリップ112が収まる溝または凹部またはスロットを形成する、ハブ本体のアンダーカット部110も示されている。さねはぎ状機構に類似するこの装備は、カバー106aの内端をハブ本体102に垂直に固定し、それによりエンドエフェクタ104aの締め付けを可能にする。
【0040】
図2Aは、本開示の実施形態による、ハブ本体102、カバー106a、さらにファスナアセンブリを示す斜視図を表す。ファスナアセンブリ108aおよび108bが示されており、各々は、カバー106aをハブ本体102に固定するように機能するいくつかの部品を含む。ファスナアセンブリ108aは、バレルナット200a、ウェーブスプリング202a、フェンダワッシャ204a、皿ばね206a、およびバレルナット200aに螺合するねじ208aを備える。ファスナアセンブリ108bは、バレルナット200b、ウェーブスプリング202b、フェンダワッシャ204b、皿ばね206b、およびバレルナット200bに螺合するねじ208bを備える。
【0041】
バレルナット200aは、カバー106aのスルーホール210a、および、ハブ本体102の対応するスルーホール212aを通って延びる。バレルナット200bは、カバー106aのスルーホール210b、および、ハブ本体102の対応するスルーホール212bを通って延びる。
【0042】
カバー106aおよびその付随するファスナアセンブリが詳細に示されているが、他のカバーも類似の方法でそれぞれのファスナアセンブリによって固定されることが分かるだろう。例えば、カバー106bは、バレルナット200cおよび200dを含むファスナアセンブリによってハブ本体102に固定される。
【0043】
図2Bは、本開示の実施形態により設置されたファスナアセンブリ108aを示す近接横断面図を表す。図のように、ウェーブスプリング202aは、バレルナット200aの軸の下方端周りに嵌合されている。ウェーブスプリング202aは、フェンダワッシャ204aに対して力を加え、バレルナット200aを効率的に下向きに引っ張り、カバー106aを固定する。当然のことながら、ファスナアセンブリ108bに対しても類似の機構が提供される。
【0044】
このように、カバー106aはハブ本体102に入り、ウェーブスプリングによって締められる。これにより、エンドエフェクタ(パドル)への締付力がファスナトルクから分離される。
【0045】
さらに、いくつかの実施形態では、バレルナット、ウェーブスプリング、フェンダワッシャ、および皿ばねは各々、インコネル(例えば、いくつかの実施形態ではインコネル625)などの同じ材料で作られる。これにより、ファスナスタックにおけるCTE(熱膨張係数)差が解消される。
【0046】
本アセンブリは、ファスナの完全なトルキングを可能にする(例えば、インコネル625について約35in/lbf(約4nm))。
【0047】
ウェーブスプリングは、CTE差(例えば、約0.005インチ(約0.013cm))および公差スタックについて大きなコンプライアンス(例えば、約0.050インチ(約0.13cm))を提供する。
【0048】
全てのインコネルファスナスタックは、(異なる材料が原因の)CTE差による全ての相対軸移動を解消する。これにより、材料膨張からのねじ山剪断によるファスナ緩み問題が対処される。
【0049】
ハブ本体のファスナスタック周りの隙間により、(本体のカバーと締め具との温度差が原因の)熱膨張によるカバー/締め具の横移動への順応が可能になる。これにより、関節横移動によるファスナ緩み問題が対処される。
【0050】
設けられたウェーブスプリングは、ファスナの締付力から分離された安定した締付力を提供する。これにより、ファスナ締付力からのねじ山剪断によるファスナ緩み問題が対処される。
【0051】
図2Cは、本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリの一部の横断面図を表す。図の断面は、ファスナアセンブリ108aおよび108bを垂直に横切り、さらにカバー106a、エンドエフェクタ104a、およびハブ本体102を示す。具体的には、座面は図のように示されている。
【0052】
図2Dは、本開示の実施形態によるスピンドルアセンブリの一部の横断面図を表す。図の断面は、ファスナアセンブリ108aおよび108bを垂直に横切り、さらにカバー106a、エンドエフェクタ104a、およびハブ本体102を示す。具体的には、バレルナット200aおよび200bの周囲の熱膨張代が図のように示されている。これらは、熱膨張(カバー106aの熱膨張など)の公差を提供する。
【0053】
図3は、本開示の実施形態によるハブ本体102の斜視図を表す。図のように、ハブ本体102は、エンドエフェクタ104aの内端を受け入れるように構成されたポケット300aを備える。同様に、各エンドエフェクタ用にポケットが設けられる(エンドエフェクタ104bの内端を受け入れるように構成されたポケット300bなど)。各ポケットは、ハブ本体の上面に沿った凹状カットアウトであり、エンドエフェクタの内端/近位端の形状に適合するように形成されている。
【0054】
ポケットは、冷却後のエンドエフェクタ近位端のハブ本体102への付着を低減するために、レリーフ(例えば、レリーフ302a、302b、および302c)を備える。図のように、レリーフは、エンドエフェクタに接触するポケットの周囲面積を減らし、それにより付着を低減する。
【0055】
図には、アンダーカット110も示されており、上記したように、カバー106aが係止するための溝を提供する。
【0056】
図4Aは、本開示の実施形態によるカバー106aの上面図を表す。図のように、ハブ本体のアンダーカット110に嵌まるリップ112が含まれる。
【0057】
図4Bは、本開示の実施形態によるカバー106aの側面図を表す。図のように、リップ112の裏面は、カバー106aをハブ本体のアンダーカット110に嵌めやすくするように斜めになっている。
【0058】
図4Cは、本開示の実施形態によるカバー106aの底面図を表す。
【0059】
図5は、本開示の実施形態によるバレルナットの斜視図を表す。インコネルバレルナットは、CTE差を解消するために全てのインコネルファスナアセンブリを作るのに用いられる。いくつかの実施形態では、バレルナットは、インコネル625から成る。
【0060】
図6Aは、本開示の実施形態によるウェーブスプリングの斜視図を表す。ウェーブスプリングは、エンドエフェクタに締付力を提供し、システムにコンプライアンスを提供して、CTEおよび公差スタックを軽減するために用いられる。いくつかの実施形態では、ウェーブスプリングは、インコネルX-750(スプリングテンパ)から成る。
【0061】
図6Bは、本開示の実施形態によるウェーブスプリングの上面図を表す。
【0062】
図6Cは、本開示の実施形態によるウェーブスプリングの側面図を表す。
【0063】
図7Aは、本開示の実施形態によるフェンダワッシャの斜視図を表す。フェンダワッシャは、CTE差を解消するために全てのインコネルファスナアセンブリを作るのに用いられる。いくつかの実施形態では、フェンダワッシャは、インコネル625から成る。
【0064】
図7Bは、本開示の実施形態によるフェンダワッシャの上面図を表す。
【0065】
図7Cは、本開示の実施形態によるフェンダワッシャの側面図を表す。
【0066】
図8Aは、本開示の実施形態によるハブ本体102の断面斜視図を表す。断面に示されているのは、スピンドルファスナアセンブリ800aおよび800bであり、ハブ本体102を下にあるスピンドル軸アセンブリに締め付けるように構成されている。スピンドル軸アセンブリは、スピンドルアセンブリ100を上下させる、および回転させるように動作可能である。様々な実施形態では、2つ以上のスピンドルファスナアセンブリが存在することができる。図の実施形態には、合計4つのスピンドルファスナアセンブリがある。
【0067】
図8Bは、本開示の実施形態によるスピンドルファスナアセンブリ800aの構成部品の拡大斜視図を表す。図のように、スピンドルファスナアセンブリ800aは、ねじ802、平ワッシャ804、皿ばね806、皿ばね808、および平ワッシャ810を備える。これらの構成部品は各々、インコネル(例えば、インコネル625)から成ることができる。提供されたスピンドルファスナアセンブリの構成は、コンプライアンスを加えて異なるCTEによる相対移動を可能にする。
【0068】
図9Aは、本開示によるハブ本体102の上面図を表す。図の実施形態には、上記のスピンドルファスナアセンブリがそれぞれ挿入されるいくつかのスルーホール900a、900b、900c、および900dが示されている。例えば、スピンドルファスナアセンブリ800aおよび800bは、それぞれスルーホール900aおよび900bに挿入され、それらを通って延びてよい。
【0069】
図9Bは、本開示の実施形態によるスルーホール900aの拡大上面図を表す。スルーホール900aは、(ねじ802のねじ部分が通る)スピンドル切りくず穴902aを備える。スピンドル切りくず穴902aは、ハブ本体102の中心に対して径方向に伸びるスロットとして構成されている。つまり、スピンドル切りくず穴902aは、完全な円形の断面形状を有しないが、径方向にハブ本体102の中心から離れて(または、そこに向かって)延び、楕円状またはスロット状の断面形状を有する。他のスルーホールの各々も同様に、スロットとして構成されたスピンドル切りくず穴が構成されている。このスロットとしてのスピンドル切りくず穴構成は、CTE差による径方向移動に対処する。
【0070】
図9Cは、本開示の実施形態によるハブ本体102の底面図を表す。図の実施形態で見られるのは、ハブ本体102の裏面から見たスルーホール900a、900b、900c、および900dである。
【0071】
図9Dは、スルーホールを備え、径方向スロット形状のスピンドル切りくず穴を示す、ハブ本体102の中心部分の拡大底面図を表す。スピンドルねじ(例えば、ねじ802)の周囲の領域から材料が除去されている。例えば、参照番号910で示された領域では、スピンドル切りくず穴902aの内部に沿って材料が除去されている。残りのスピンドル切りくず穴についても、同様の構成が示されている。
【0072】
この材料の除去は、スピンドルに対するハブの変形および続くスウェージングを防ぐ。
【0073】
図10は、本開示の実施形態による、複数のステーションを係合する基板処理システム1100’の断面図を表す。処理チャンバ1102’は、複数のシャワーヘッド1150を収容する上方チャンバ部1102a’、および、複数のステーションを収容する下方チャンバ部1102b’を備える。上方チャンバ部1102a’のシャワーヘッド1150の数は、下方チャンバ部1102b’に配置されたステーションの数に等しい。上方チャンバ部1102a’は、シャワーヘッド1150が各ステーションの台座1140の上で実質的に並ぶようにシャワーヘッド1150を降ろすよう構成されている。下方チャンバ部1102b’は、支持構造1103によって支持されるように構成されている。支持構造1103は、マルチステーション処理チャンバ1102’だけでなく、ガス、RF電力、圧力制御、温度制御、タイミング、および関連するコントローラおよび電子機器を提供するのに用いられる設備も支持できる、任意の適した構造によって規定されてよい。一実施形態では、支持構造1103は、基板処理システム1100’の処理チャンバ1102’が設置された表面(例えば、クリーンルームの床)の上方に処理チャンバ1102’を支持する、金属管構造で規定される。真空ポンプ1160aおよび1160bは、下方チャンバ部1102b’と接続して提供される。真空ポンプ1160aおよび1160bは、十分なガス流を提供し、処理ガスを除去し、および/または、処理チャンバ1102’内の圧力制御を提供するように構成されている。処理ガスは通常、基板1101の上を流れ、台座1140の縁の上から真空ポンプ1160aおよび1160bに向かって流れることができ、それによりガス流路1402が規定される。
【0074】
図11Aは、4つの処理ステーションが処理チャンバ1102’に設けられたマルチステーション基板処理システム1100’の上面図を表す。この上面図は、(例えば、説明のために上方チャンバ部1102a’が取り除かれた)処理チャンバ1102’の下方チャンバ部1102b’である。4つのステーションは、エンドエフェクタ1226’を係合する昇降機構によって利用される。エンドエフェクタは、回転機構1220に結合されている。エンドエフェクタは、係合されたときはウエハの下を移動し、ウエハをステーションから同時に持ち上げ、それぞれのウエハ上でさらなるプラズマ処理、処置、および/または成膜が行われるように、ウエハを次の位置に降ろす前に少なくとも1つ以上のステーションで回転するように構成されている。
【0075】
図11Bは、搬入ロードロック1301および搬出ロードロック1303を備えるマルチステーション基板処理システム1100’の実施形態の概略図を示す。ロボット1305は、大気圧で、ポッド1313を通じて装填されたカセットから、大気口1310を通じて搬入ロードロック1301にウエハを動かすように構成されている。大気口1310が閉じているときは搬入ロードロック1301がポンプダウンされるように、搬入ロードロック1301は真空源(図示せず)に結合されている。搬入ロードロック1301は、処理チャンバ1102’と接続されたチャンバ搬送口1316も備える。そのため、チャンバ搬送口1316が開いているときは、別のロボット(図示せず)が処理のために、ウエハを搬入ロードロック1301から下方チャンバ部1102b’に配置された第1の処理ステーションの台座1140に動かしてよい。
【0076】
図の処理チャンバ1102’は、図2Bに示された実施形態において1から4の番号が付けられた4つの処理ステーションを備える。いくつかの実施形態では、ウエハが真空破壊および/または大気曝露を受けることなく処理ステーション間で搬送されるように、処理チャンバ1102’は低圧環境を維持するように構成されてよい。図11Bに示された各処理ステーションは、ウエハを受け取るための台座1140、および、処理ガス供給ライン入口(図示せず)を備える。
【0077】
図11Aおよび図11Bの構成では、各台座の周囲に接地板は設けられていない。そのため、下方チャンバ本体は露出したままであり、RF接地リターンは通常、チャンバ壁を通じてである。この構成は、RF接地リターンに対称性を提供しない。別の実施形態では、対称的なRF接地リターンを提供するために接地板が備えられてよい。
【0078】
昇降機構は、回転機構1220に取り付けられたエンドエフェクタ1226’を備える。いくつかの実施形態では、回転機構1220は、スピンドルモータ(図示せず)によって操作されるスピンドルである。
【0079】
ウエハが動かされなければならないとき、リフトピンは、リフトピン制御を用いて係合される。リフトピンは、ウエハを台座1140から持ち上げる。エンドエフェクタ(ウエハブレードまたはウエハパドルとしても知られる)は、ウエハの下を移動し、ウエハをリフトピンから持ち上げる。リフトピンはハウジングに収まり、スピンドルおよびエンドエフェクタは、ウエハを次の台座1140に回転させる。リフトピンは再び、エンドエフェクタからウエハを受け取るために係合される。エンドエフェクタおよびスピンドルは回転して退き、ウエハが台座1140に受け取られる。ウエハの搬送は、ウエハのさらなる処理を可能にするためウエハが異なる台座に設置されるように調整される。図の実施形態では、リフトピンが係合されたときにエンドエフェクタの動作を妨げないように、リフトピンは戦略的に台座本体に配置されている。
【0080】
図12は、上記のシステムを制御するための制御モジュール1600を示す。例えば、制御モジュール1600は、プロセッサ、メモリ、および1つ以上のインタフェースを備えてよい。制御モジュール1600は、検知値に部分的に基づいてシステム内のデバイスを制御するために用いられてよい。例えのみで、制御モジュール1600は、検知値および他の制御パラメータに基づいて、値1602、フィルタヒータ1604、ポンプ1606、および他のデバイス1608の1つ以上を制御してよい。制御モジュール1600は、例えのみで、圧力計1610、流量計1612、温度センサ1614、および/または、他のセンサ1616から検知値を受信する。制御モジュール1600は、前駆体供給および成膜の間のプロセス条件を制御するために用いられてもよい。制御モジュール1600は通常、1つ以上の記憶装置および1つ以上のプロセッサを備えるだろう。
【0081】
制御モジュール1600は、前駆体供給システムおよび堆積装置の動作を制御してよい。制御モジュール1600は、プロセスタイミング、供給システムの温度、フィルタ全体の圧力差、値位置、ガスの混合、チャンバ圧、チャンバ温度、ウエハ温度、高周波(RF)電力レベル、ウエハチャックまたは台座の位置、ならびに、特定プロセスの他のパラメータを制御するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール1600は、圧力差を監視し、蒸気前駆体供給を1つ以上の経路から1つ以上の他の経路に自動的に切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、制御モジュール1600に関連付けられた記憶装置に格納された他のコンピュータプログラムが用いられてよい。
【0082】
通常、制御モジュール1600に関連付けられたユーザインタフェースがあるだろう。ユーザインタフェースは、表示装置1618(例えば、装置および/またはプロセス条件の表示画面および/または画像ソフトウェアディスプレイ)、ならびに、ユーザ入力装置1620(ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクなど)を含んでよい。
【0083】
前駆体の供給、堆積、およびプロセスシーケンス内の他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の適したコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートラン、またはその他)で作成されうる。コンパイル済みオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムにおいて識別されたタスクを実行するために、プロセッサによって実行される。
【0084】
制御モジュールパラメータは、例えば、フィルタ圧力差、処理ガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RF電力レベルおよび低周波RF周波数など)、冷却ガス圧、ならびにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関する。
【0085】
システムソフトウェアは、多くの異なる手段で設計または構成されてよい。例えば、様々なチャンバ部品のサブルーチンまたは制御オブジェクトは、本発明の堆積プロセスを実行するのに必要なチャンバ部品の動作を制御するように作成されてよい。このためのプログラムまたはプログラムセクションの例は、基板位置決めコード、処理ガス制御コード、圧力制御コード、ヒータ制御コード、およびプラズマ制御コードを含む。
【0086】
基板位置決めプログラムは、基板を台座またはチャックに載せ、基板とチャンバの他の部品(ガス入口および/または目標物)との間の間隔を制御するために用いられるチャンバ部品を制御するためのプログラムコードを含んでよい。処理ガス制御プログラムは、チャンバ内の圧力を安定させるために、ガスの組成および流量を制御し、必要に応じて堆積前にチャンバにガスを流すためのコードを含んでよい。フィルタ監視プログラムは、測定差と既定値とを比較するためのコード、および/または、経路を切り替えるためのコードを含む。圧力制御プログラムは、例えばチャンバの排気システムにおけるスロットル弁を制御することにより、チャンバ内の圧力を制御するためのコードを含んでよい。ヒータ制御プログラムは、前駆体供給システム、基板、および/または、システムの他の部分における構成部品を加熱するための加熱装置への電流を制御するためのコードを含んでよい。あるいは、ヒータ制御プログラムは、ウエハチャックへの伝熱ガス(ヘリウムなど)の供給を制御してよい。
【0087】
堆積中に監視されうるセンサの例は、質量流量制御モジュール、圧力センサ(圧力計1610など)、供給システム内に位置する熱電対、および、台座またはチャック(例えば、温度センサ1614)を含むが、これらに限定されない。所望のプロセス条件を維持するために、これらのセンサからのデータと共に、適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムが用いられてよい。前記は、単一チャンバまたはマルチチャンバの半導体処理ツールにおける本発明の実施形態の実施について説明している。
【0088】
本実施形態の前記の記載は、例示および説明のために提供されており、網羅的であること、または本発明を限定することを意図しない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、該当する場合は取り換え可能であり、特段の記載がなくても選択された実施形態において用いられうる。同じことは、多くの手段で変更されてもよい。かかる変更は、本発明からの逸脱とはみなされず、全てのかかる変更は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0089】
前記の実施形態は、理解の明確さのためにある程度詳細に説明されたが、特定の変更および修正が添付の特許請求の範囲内で実行されうることが明らかだろう。従って、本実施形態は制限的でなく例示的とみなされるべきであり、本明細書に記載の詳細に限定されるべきでないが、本特許請求の範囲またはその同等物の範囲内で修正されてよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図12
【国際調査報告】