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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】3D NANDのための改質スタック
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20221005BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20221005BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20221005BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20221005BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L21/316 M
H01L21/318 M
H01L29/78 371
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506760
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020045087
(87)【国際公開番号】W WO2021026283
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/884,034
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハン, シンハイ
(72)【発明者】
【氏名】ユイ, ハン
(72)【発明者】
【氏名】フー, ケソン
(72)【発明者】
【氏名】エンスロー, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】尾方 正樹
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェンジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チョアン イン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, チョアンシー
(72)【発明者】
【氏名】マヘル, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】レオン, ファイク リン
(72)【発明者】
【氏名】テオング, チー エン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン, アロック
(72)【発明者】
【氏名】ラージャゴーパーラン, ナーガラージャン
(72)【発明者】
【氏名】パディ, ディーネッシュ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ソヨン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F058
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F004AA09
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA03
5F004EA37
5F004EB01
5F058BD02
5F058BD04
5F058BD10
5F058BF23
5F058BF24
5F058BF29
5F058BF30
5F058BH02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA10
5F083JA32
5F083PR03
5F083PR04
5F083PR23
5F083PR33
5F101BA45
5F101BB02
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
(57)【要約】
半導体構造を形成する例示的な方法は、ケイ素含有前駆体及び酸素含有前駆体から酸化ケイ素層を形成することを含みうる。該方法は、ケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、及び酸素含有前駆体から窒化ケイ素層を形成することを含みうる。窒化ケイ素層は、約5原子%以上の酸素濃度によって特徴付けることができる。該方法はまた、酸化ケイ素層の形成と窒化ケイ素層の形成を繰り返して、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層のスタックを生成することも含みうる。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成する方法であって、
ケイ素含有前駆体及び酸素含有前駆体から酸化ケイ素層を形成すること、
ケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、及び酸素含有前駆体から窒化ケイ素層を形成することであって、前記窒化ケイ素層が約5原子%以上の酸素濃度を特徴とする、窒化ケイ素を形成すること、並びに
前記酸化ケイ素層を形成すること及び前記窒化ケイ素層を形成することを繰り返して、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層のスタックを生成すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記酸化ケイ素層の形成における前記酸素含有前駆体と前記窒化ケイ素層の形成における前記酸素含有前駆体とが同じ前駆体である、請求項1に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項3】
前記交互の層のスタックが、前記酸化ケイ素層及び前記窒化ケイ素層を含む前記スタックの第1の部分と、前記スタックの前記第1の部分を覆う前記スタックの第2の部分とを含み、前記スタックの前記第2の部分を生成することが、
前記ケイ素含有前駆体及び前記窒素含有前駆体、並びに酸素含有前駆体から窒化ケイ素層を形成することを含み、前記窒化ケイ素層が、前記スタックの前記第1の部分における前記窒化ケイ素層の酸素濃度とは異なる酸素濃度を特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項4】
前記窒化ケイ素層の前記酸素濃度が約10原子%から約30原子%の間であり、窒素の原子百分率が約30原子%以上である、請求項1に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項5】
前記窒化ケイ素層を形成することが、
前記ケイ素含有前駆体及び前記窒素含有前駆体を基板処理領域内へと流すこと、
ある量の窒化ケイ素を形成すること、及び
窒化ケイ素を形成し続けつつ、前記酸素含有前駆体を添加すること
を含む、請求項1に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項6】
前記酸素含有前駆体が一定の流量で流され、形成された前記窒化ケイ素層が、酸素を実質的に含まない窒化ケイ素と約5原子%以上の酸素濃度を特徴とする窒化ケイ素との二重層を含む、請求項5に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項7】
前記酸素含有前駆体が、前記酸素含有前駆体の前記添加中に増加した流量で流され、形成された前記窒化ケイ素層が、前記窒化ケイ素層を通じた酸素濃度の勾配を含む、請求項5に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項8】
酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層の前記スタックを通じて1つ以上の特徴部を形成することをさらに含み、前記窒化ケイ素層とその上を覆う酸化ケイ素層との界面における前記窒化ケイ素層の横方向の除去が、前記窒化ケイ素層の厚さに対応する距離の約50%以下の距離で延びる、請求項1に記載の半導体構造を形成する方法。
【請求項9】
半導体構造において、
半導体基板を覆う層のスタックであって
酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層を含む層の第1の部分、
前記層の第1の部分を覆う層の第2の部分であって、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層を含む、層の第2の部分、
前記層の第2の部分を覆う層の第3の部分であって、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層を含む、層の第3の部分
を含む、層のスタック、並びに
前記層のスタックを通じて前記基板に形成された1つ以上の開孔であって、窒化ケイ素材料の個々の層と酸化ケイ素材料の上層との界面における窒化ケイ素材料の個々の層の横方向のノッチが、窒化ケイ素材料の前記個々の層の厚さに対応する距離の約100%以下の距離で延びる、1つ以上の開孔
を含む、半導体構造。
【請求項10】
前記層の第1の部分、前記層の第2の部分、又は前記層の第3の部分のうちの少なくとも1つの前記窒化ケイ素材料が、少なくとも約5原子%の酸素濃度を含み、ここで、前記層の第1の部分、前記層の第2の部分、又は前記層の第3の部分のうちの少なくとも1つの前記窒化ケイ素材料を通じた酸素濃度が、前記窒化ケイ素材料の個々の層と前記酸化ケイ素材料の上層との前記界面に向かう方向に、前記窒化ケイ素材料の層の各々の厚さを通じて増加する、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記層の第2の部分の前記窒化ケイ素の屈折率が、前記層の第1の部分の前記窒化ケイ素及び前記層の第3の部分の前記窒化ケイ素の屈折率より高い、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項12】
前記層の第1の部分の前記窒化ケイ素が、前記層の第2の部分及び前記層の第3の部分の前記窒化ケイ素よりも大きいドーパント濃度を特徴とする、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記層の第2の部分の前記窒化ケイ素又は前記層の第3の部分の前記窒化ケイ素が、前記層の第1の部分の前記窒化ケイ素より大きい炭素濃度を特徴とする、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項14】
前記層の第1の部分の前記窒化ケイ素又は前記層の第2の部分の前記窒化ケイ素が、前記層の第3の部分の前記窒化ケイ素よりも大きい、窒素のケイ素に対する比を特徴とする、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項15】
半導体構造を形成する方法であって、
酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層の第1のスタックを形成すること、
前記酸化ケイ素材料及び前記窒化ケイ素材料の前記交互の層の第1のスタックをアニーリングすることであって、前記アニーリングが前記窒化ケイ素材料の水素濃度を低減させる、アニーリングすること、並びに
酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層の第2のスタックを形成することであって、前記窒化ケイ素材料が約5原子%以上の酸素濃度を特徴とする、第2のスタックを形成すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体があらゆる目的で参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年8月7日出願の米国仮出願第62/884,034号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明にかかる技術は半導体プロセス及び材料に関する。より詳細には、本発明にかかる技術は、交互の層の膜スタックの形成に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面上に複雑にパターン化された材料層を製造するプロセスによって可能となる。基板上にパターン化された材料を製造するには、露出した材料の形成及び除去の制御された方法が必要である。垂直又は3D NANDなどのスタックメモリは、複数のメモリホール又は開孔をエッチングすることができる、誘電体材料の一連の交互の層の形成を含みうる。材料の層の材料特性、並びにエッチングのためのプロセス条件及び材料は、形成された構造の均一性に影響を与えうる。材料の欠陥は、形成された構造の均一性にさらに影響を及ぼしうる、一貫性のないパターン形成を生じさせる可能性がある。
【0004】
したがって、高品質のデバイスと構造を製造するために使用することができる改善されたシステム及び方法が必要とされている。本技術は、これら及び他の必要性に対処するものである。
【発明の概要】
【0005】
半導体構造を形成する例示的な方法は、ケイ素含有前駆体及び酸素含有前駆体から酸化ケイ素層を形成することを含みうる。該方法は、ケイ素含有前駆体、窒素含有前駆体、及び酸素含有前駆体から窒化ケイ素層を形成することを含みうる。窒化ケイ素層は、約5原子%以上の酸素濃度によって特徴付けることができる。該方法はまた、酸化ケイ素層を形成すること及び窒化ケイ素層を形成することを繰り返して、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層のスタックを生成することも含みうる。
【0006】
幾つかの実施形態では、酸化ケイ素層の形成における酸素含有前駆体と窒化ケイ素層の形成における酸素含有前駆体とは、同じ又は同様の前駆体でありうる。交互の層のスタックは、酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層を含むスタックの第1の部分と、該スタックの第1の部分の上を覆うスタックの第2の部分とを含みうる。スタックの第2の部分を生成することは、ケイ素含有前駆体及び窒素含有前駆体並びに酸素含有前駆体から窒化ケイ素層を形成することを含みうる。窒化ケイ素層は、スタックの第1の部分における窒化ケイ素層の酸素濃度とは異なる酸素濃度によって特徴付けることができる。窒化ケイ素層の酸素濃度は約10原子%から約30原子%の間であってよく、窒素の原子百分率は約30原子%以上でありうる。
【0007】
窒化ケイ素層を形成することは、ケイ素含有前駆体及び窒素含有前駆体を基板処理領域内へと流すことを含みうる。窒化ケイ素層を形成することは、ある量の窒化ケイ素を形成することを含みうる。窒化ケイ素層を形成することは、窒化ケイ素を形成し続けつつ、酸素含有前駆体を添加することを含みうる。酸素含有前駆体は一定の流量で流すことができ、形成された窒化ケイ素層は、酸素を実質的に含まない窒化ケイ素と約5原子%以上の酸素濃度を特徴とする窒化ケイ素との二重層でありうる、又はそれを含みうる。酸素含有前駆体は、さまざまな流量で流すことができ、形成された窒化ケイ素層は、該窒化ケイ素層を通じた酸素濃度の勾配を含みうる。酸素含有前駆体の流量は、酸素含有前駆体の添加中に増加させることができる。該方法は、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層のスタックを通じて1つ以上の特徴部を形成することを含みうる。窒化ケイ素層とその上を覆う酸化ケイ素層との界面における窒化ケイ素層の横方向の除去は、窒化ケイ素層の厚さに対応する距離の約50%以下の距離で延びうる。
【0008】
本技術の幾つかの実施形態は、半導体構造を包含しうる。該構造は、半導体基板を覆う層のスタックを含みうる。層のスタックは、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層を含む層の第1の部分を含みうる。層のスタックは、層の第1の部分を覆う層の第2の部分を含んでよく、この層の第2の部分は、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層を含みうる。層のスタックは、層の第2の部分を覆う層の第3の部分を含んでよく、この層の第3の部分は、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層を含みうる。該構造は、層のスタックを通じて基板に形成された1つ以上の開孔を含みうる。窒化ケイ素材料の個々の層と酸化ケイ素材料の上層との界面における窒化ケイ素材料の個々の層の横方向のノッチは、窒化ケイ素材料の個々の層の厚さに対応する距離の約100%以下の距離で延びうる。
【0009】
幾つかの実施形態では、層の第1の部分、層の第2の部分、又は層の第3の部分のうちの少なくとも1つの窒化ケイ素材料は、少なくとも約5原子%の酸素濃度を含みうる。層の第1の部分、層の第2の部分、又は層の第3の部分のうちの少なくとも1つの窒化ケイ素材料を通じた酸素濃度は、窒化ケイ素材料の個々の層及びその上を覆う酸化ケイ素材料層との界面に向かう方向に、窒化ケイ素材料の各層の厚さを通じて増加しうる。層の第1の部分、層の第2の部分、又は層の第3の部分のうちの少なくとも1つの窒化ケイ素材料の屈折率は、層の他の2つの部分の屈折率よりも高くなりうる。層の第2の部分の窒化ケイ素の屈折率は、層の第1の部分の窒化ケイ素及び層の第3の部分の窒化ケイ素の屈折率よりも高くなりうる。層の第1の部分の窒化ケイ素は、層の第2の部分及び層の第3の部分の窒化ケイ素よりも大きいドーパント濃度によって特徴付けることができる。層の第2の部分の窒化ケイ素又は層の第3の部分の窒化ケイ素は、層の第1の部分の窒化ケイ素より大きい炭素濃度によって特徴付けることができる。層の第1の部分の窒化ケイ素又は層の第2の部分の窒化ケイ素は、層の第3の部分の窒化ケイ素より大きい窒素のケイ素に対する比によって特徴付けることができる。
【0010】
本技術の幾つかの実施形態は、半導体構造を形成する方法を包含しうる。該方法は、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層の第1のスタックを形成することを含みうる。該方法は、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層の第1のスタックをアニーリングすることを含みうる。アニーリングは、窒化ケイ素材料の水素濃度を低下させうる。該方法は、酸化ケイ素材料と窒化ケイ素材料との交互の層の第2のスタックを形成することを含みうる。窒化ケイ素材料は、約5原子%以上の酸素濃度によって特徴付けることができる。
【0011】
このような技術は、従来のシステム及び技法と比べて多くの利点を提供することができる。例えば、プロセス及び構造は、エッチング動作中の欠陥形成から保護することができる。さらに、本技術の実施形態の動作は、スタックを介したメモリホール形成を改善することができる。これら及び他の実施形態は、それらの多くの利点及び特徴と共に、後述の記載及び添付の図面と併せてより詳細に説明される。
【0012】
開示される技術の性質及び利点は、明細書の残りの部分及び図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理チャンバの概略的な断面図
図2A-2D】本技術の幾つかの実施形態による基板材料の概略的な断面図
図3】本技術の幾つかの実施形態による形成方法の選択された動作を示す図
図4A-4B】本技術の幾つかの実施形態に従い、選択された動作を実施している基板材料の概略的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
幾つかの図が概略図として含まれている。図面は例示を目的とするものであり、特に縮尺が明確に述べられていない限り、縮尺が考慮されるべきではないことが理解されるべきである。さらには、概略図として、図面は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含まない場合があり、説明目的のために不要な素材又は誇張された素材を含む場合がある。
【0015】
添付の図面において、類似の構成要素及び/又は特徴部は、同一の参照符号を有しうる。さらには、同種のさまざまな構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが用いられる場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0016】
3D NAND構造は、形成されるセルの数に応じて成長するにつれて、メモリホール及び他の構造のアスペクト比が、時には劇的に増加する。3D NAND処理中、プレースホルダ層と誘電体材料とのスタックが電極間誘電体又はポリ誘電体(「IPD」)層を形成する場合がある。これらのプレースホルダ層は、材料を完全に除去して金属で置き換える前に構造を配置するために実施される、さまざまな動作を有しうる。IPD層は、例えば、ポリシリコンなどの導体層の上を覆って形成されることが多い。メモリホールが形成されると、開孔が、ポリシリコン又は他の材料基板にアクセスする前に材料の交互の層のすべてを貫通して延びうる。その後の処理は、接点用の階段状の構造を形成する場合があり、また、プレースホルダ材料を横方向に掘り起こす場合もある。
【0017】
反応性イオンエッチング(「RIE」)動作を実施して、高アスペクト比のメモリホールを生成することができる。RIEプロセスは、しばしば、交互の層の化学的除去と物理的除去との組合せを含み、これは、エッチング中に側壁上に炭素ポリマー層を形成することができ、さらなるエッチングから層を保護することができる。1つの非限定的な例として、交互の層が酸化ケイ素と窒化ケイ素とを含みうる場合、酸化ケイ素は、RIE中の層の物理的衝撃によって、より多く除去される場合があり、窒化ケイ素は、RIE前駆体と窒化物材料との化学反応によってより多く除去される場合がある。
【0018】
従来技術は、2つの層タイプ間の材料の違い、並びにRIEプロセスと材料に起因して、メモリホール形成中の均一性及び制御に苦労する可能性がある。本技術は、RIEプロセスの前に材料特性を調整することによってこれらの問題を克服し、これにより、他の方法では発生する可能性のある1つ以上の課題に適応することができ、又は課題を制限することができる。残りの開示は、開示された技術を利用する特定の材料及び半導体構造を規定どおりに特定するが、システム、方法、及び材料は、本技術の態様から利益を得ることができる他の多くの構造に等しく適用可能であることが容易に理解されよう。したがって、この技術は、3D NANDプロセス又は材料のみでの使用に限定されると見なされるべきではない。さらには、本技術の基礎を提供するために例示的なチャンバが記載されているが、本技術は、記載された動作を可能にしうる、いかなる半導体処理チャンバにも適用することができるものと理解されたい。
【0019】
図1は、本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理チャンバシステム100の断面図を示している。チャンバ100は、本技術の幾つかの実施形態に従って膜層を形成するために利用することができるが、該方法は、膜形成を行うことができる任意のチャンバにおいて同様に実施することができるものと理解されたい。処理チャンバ100は、チャンバ本体102、該チャンバ本体102の内部に配置された基板支持体104、及びチャンバ本体102に結合され、処理容積120内の基板支持体104を囲むリッドアセンブリ106を含みうる。基板103は、スリットバルブ又はドアを使用して処理のために従来通りに密封することができる開口部126を介して処理容積120に提供されうる。基板103は、処理中に基板支持体の表面105に着座させることができる。基板支持体104は、矢印145によって示されるように、基板支持体104のシャフト144が位置しうる軸147に沿って回転可能でありうる。あるいは、基板支持体104は、堆積プロセス中に必要に応じて回転するように持ち上げることができる。
【0020】
プラズマプロファイル変調器111は、処理チャンバ100内に配置されて、基板支持体104上に配置された基板103全体にわたるプラズマ分布を制御することができる。プラズマプロファイル変調器111は、チャンバ本体102に隣接して配置することができる第1の電極108を含んでよく、また、チャンバ本体102をリッドアセンブリ106の他の構成要素から分離することができる。第1の電極108は、リッドアセンブリ106の一部であってよく、あるいは別個の側壁電極であってもよい。第1の電極108は、環状又はリング状の部材であってよく、リング電極でありうる。第1の電極108は、処理容積120を取り囲む処理チャンバ100の周縁に沿った連続ループであってよく、あるいは必要に応じて選択された位置で不連続であってもよい。第1の電極108はまた、多孔リング又はメッシュ電極などの多孔電極であってよく、あるいは、例えば二次ガス分配器などのプレート電極であってもよい。
【0021】
セラミック又は金属酸化物、例えば酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムなどの誘電体材料でありうる1つ以上のアイソレータ110a、110bは、第1の電極108に接触し、該第1の電極108をガス分配器112及びチャンバ本体102から電気的及び熱的に分離することができる。ガス分配器112は、処理前駆体を処理容積120内に分配するための開孔118を画成しうる。ガス分配器112は、第1の電力源142、例えば、RF発生器、RF電源、DC電源、パルスDC電源、パルスRF電源、又は処理チャンバと結合させることができる任意の他の電源と結合させることができる。幾つかの実施形態では、第1の電力源142はRF電源でありうる。
【0022】
ガス分配器112は、導電性のガス分配器であっても、非導電性のガス分配器であってもよい。ガス分配器112はまた、導電性及び非導電性の構成要素から形成することができる。例えば、ガス分配器112の本体は導電性であってよく、一方、ガス分配器112の面板は非導電性であってもよい。ガス分配器112は、例えば、図1に示されるような第1の電力源142によって電力供給されてよく、あるいは、ガス分配器112は、幾つかの実施形態では、接地と結合されてもよい。
【0023】
第1の電極108は、処理チャンバ100の接地経路を制御することができる第1の同調回路128と結合することができる。第1の同調回路128は、第1の電子センサ130と第1の電子コントローラ134とを含みうる。第1の電子コントローラ134は、可変コンデンサ又は他の回路要素でありうるか、又はそれらを含みうる。第1の同調回路128は、1つ以上のインダクタ132でありうるか、又はそれらを含みうる。第1の同調回路128は、処理中に処理容積120内に存在するプラズマ条件下で、可変の又は制御可能なインピーダンスを可能にする任意の回路でありうる。図示される幾つかの実施形態では、第1の同調回路128は、接地と第1の電子センサ130との間に並列に結合された第1の回路脚及び第2の回路脚を含みうる。第1の回路脚は第1のインダクタ132Aを含みうる。第2の回路脚は、第1の電子コントローラ134と直列に結合された第2のインダクタ132Bを含みうる。第2のインダクタ132Bは、第1の電子コントローラ134と、第1及び第2の回路脚の両方を第1の電子センサ130に接続するノードとの間に配置されうる。第1の電子センサ130は、電圧センサ又は電流センサであってよく、また、第1の電子コントローラ134と結合させることができ、これにより、処理容積120の内部でのプラズマ状態のある程度の閉ループ制御を提供することができる。
【0024】
第2の電極122は基板支持体104と結合させることができる。第2の電極122は、基板支持体104内に埋め込むことができるか、又は基板支持体104の表面と結合させることができる。第2の電極122は、プレート、多孔プレート、メッシュ、ワイヤスクリーン、又は導電性要素の他の任意の分散配置でありうる。第2の電極122は、同調電極であってよく、また、導管146(例えば基板支持体104のシャフト144に配置された、例えば50オームなどの選択された抵抗を有するケーブル)によって、第2の同調回路136と結合させることができる。第2の同調回路136は、第2の電子センサ138と、第2の可変キャパシタでありうる第2の電子コントローラ140とを有しうる。第2の電子センサ138は、電圧センサ又は電流センサであってよく、また、処理容積120内のプラズマ状態に対するさらなる制御を提供するために、第2の電子コントローラ140と結合させることができる。
【0025】
バイアス電極及び/又は静電チャック電極でありうる第3の電極124は、基板支持体104と結合されうる。第3の電極は、フィルタ148を介して第2の電力源150と結合することができ、これはインピーダンス整合回路でありうる。第2の電力源150は、DC電力、パルスDC電力、RFバイアス電力、パルスRF電力、又はバイアス電力、若しくはこれら又は他の電源の組合せでありうる。幾つかの実施形態では、第2の電力源150はRFバイアス電力でありうる。
【0026】
図1のリッドアセンブリ106及び基板支持体104は、プラズマ処理又は熱処理用の任意の処理チャンバと共に使用することができる。動作中、処理チャンバ100は、処理容積120内のプラズマ状態のリアルタイム制御を提供することができる。基板103は基板支持体104上に配置することができ、処理ガスは、任意の所望のフロープランに従い、入口114を使用してリッドアセンブリ106を通って流れうる。ガスは、出口152を通って処理チャンバ100から出ることができる。電力は、ガス分配器112と結合されて、処理容積120内にプラズマを確立することができる。基板は、幾つかの実施形態では、第3の電極124を使用して電気的バイアスに供することができる。
【0027】
処理容積120内のプラズマにエネルギーを与えると、プラズマと第1の電極108との間に電位差が確立されうる。電位差はまた、プラズマと第2の電極122との間にも確立されうる。次に、電子コントローラ134、140を使用して、2つの同調回路128及び136で表される接地経路の流れ特性を調整することができる。設定点は、第1の同調回路128及び第2の同調回路136に供給されて、堆積速度の独立した制御、及び中心からエッジまでのプラズマ密度の均一性の独立した制御を提供することができる。電子コントローラが両方とも可変キャパシタでありうる実施形態では、電子センサは、堆積速度を最大化し、厚さの不均一性を独立して最小化するように可変キャパシタを調整することができる。
【0028】
同調回路128、136の各々は、それぞれの電子コントローラ134、140を使用して調製することができる可変インピーダンスを有しうる。電子コントローラ134、140が可変キャパシタである場合、各可変キャパシタの静電容量範囲、並びに第1のインダクタ132A及び第2のインダクタ132Bのインダクタンスは、あるインピーダンス範囲を提供するように選択されうる。この範囲は、プラズマの周波数及び電圧特性に依存する可能性があり、これは、各可変キャパシタの静電容量範囲の最小値を有しうる。したがって、第1の電子コントローラ134の静電容量が最小又は最大であるとき、第1の同調回路128のインピーダンスは高くなる可能性があり、その結果、基板支持体上に最小の空中又は横方向のカバレッジを有するプラズマ形状が得られる。第1の電子コントローラ134の静電容量が第1の同調回路128のインピーダンスを最小化する値に近づくと、プラズマの空中カバレッジは最大へと増加し、基板支持体104の作業領域全体を効果的に覆うことができる。第1の電子コントローラ134の静電容量が最小インピーダンス設定から逸脱するにつれて、プラズマ形状がチャンバ壁から収縮する可能性があり、基板支持体の空中カバレッジが低下しうる。第2の電子コントローラ140は、該第2の電子コントローラ140の静電容量が変化しうるにつれて、基板支持体上のプラズマの空中カバレッジを増減させる、同様の効果を有しうる。
【0029】
電子センサ130、138は、閉ループのそれぞれの回路128、136を調整するために使用することができる。使用するセンサの種類に応じて、電流又は電圧の設定点を各センサにインストールすることができ、該センサは、設定点からの逸脱を最小限に抑えるために、それぞれの電子コントローラ134、140に対する調整を決定する制御ソフトウェアを備えていてもよい。その結果、プラズマ形状が選択され、処理中に動的に制御することができる。前述の議論は、可変キャパシタでありうる電子コントローラ134、140に基づいているが、調整可能な特性を有する任意の電子部品を使用して、調整可能なインピーダンスを同調回路128及び136に提供することができるものと理解されたい。
【0030】
前述のように、反応性イオンエッチング(「RIE」)プロセスは、半導体材料のスタックを通じて多くの構造的効果を生み出すことができ、これが制御されない場合には欠陥のあるデバイスを生み出す可能性がある。図2A-2Dは、メモリホールの形成中に起こる可能性のある幾つかの構造上の問題を示している。例えば、図2Aは、ノッチングとして知られるエッチング効果を示しうるが、これは、窒化ケイ素層に傾斜した欠陥を生じさせる可能性がある。この図は、基板215の上に形成された材料の交互の層の複数の部分210を含みうる、スタック205を有する構造200を含んでいる。3つの部分210a、210b、210cが示されているが、スタック205は、本技術に包含される実施形態では、任意の数の部分を含むことができるものと理解されたい。各部分210は、酸化ケイ素材料212と窒化ケイ素材料214との交互の4つの層を示しうる。4つの層が示されているが、スタック全体だけでなく、各部分にも任意の数の層を含めることができるものと理解されたい。さらに、窒化ケイ素を最下層として特定の配向で示しているが、層は逆順であってもよく、酸化ケイ素層から始めることもできるものと理解されたい。
【0031】
上記のように、RIEプロセス中の酸化ケイ素材料のエッチングは、イオン衝撃に起因して大量に生じる可能性があり、一方、窒化ケイ素材料のエッチングは、RIE前駆体と窒化物材料との間の化学反応に起因して大量に生じる可能性がある。したがって、酸化ケイ素のエッチングはRIEビームの制御によって制御することができ、RIEビームから横方向に(実施形態では半径方向を含みうる)外側に配置された酸化物はエッチングされない可能性がある。しかしながら、窒化物材料は、前駆体又はRIEビームの廃水との接触及び化学反応に基づいてエッチングされる可能性がある。窒化ケイ素はまた、幾つかの実施形態では、酸化ケイ素よりもゆっくりとエッチングされうる。窒化ケイ素に関連する水素又は他の材料の理由から、炭素を含みうるRIEの廃水との相互作用は、ある量のポリマー材料を生成する可能性があり、これにより、メモリホールの側壁がパッシベーション又は保護されて、横方向のエッチングが制限される可能性がある。
【0032】
しかしながら、酸化物材料と窒化ケイ素材料の下層との間の界面では、重合の量を最小限に抑えることができる。加えて、窒化ケイ素のエッチング速度は、酸化ケイ素のエッチング速度とは異なる可能性があり、これにより、窒化物層での露出又は廃水の滞留時間の増加を生じさせる可能性がある。酸化物層と窒化物層との間の遷移などで保護重合材料を形成する前に、廃水は露出した窒化物と反応して、材料の横方向のエッチングを増加させる可能性がある。ポリマーの蓄積が起こると、この横方向のエッチングはテーパ状になる可能性があり、エッチングの方向において、窒化ケイ素材料の前縁の周りにノッチ220が形成される可能性がある。このノッチングは、後続の層又は材料の形成を妨害するか、又はそれらに影響を与える可能性があり、幾つかの実施形態では、メモリホールの直径又は限界寸法を増加させる可能性がある。
【0033】
図2Bは、メモリホール形成の制御に影響を及ぼしうる、垂直断面230及び水平断面240の両方におけるストライエーションの例を示しうる。ストライエーションは、ある量の横方向のエッチングが構造を通して層から層へと続く場合に、生じる可能性がある。例えば、ある意味では、各層は、下層のための一種のマスクとして動作する可能性がある。上にある層に横方向の欠陥が形成された場合、これは、そうでなければ維持されていた下層の一部が露出し、これが除去される可能性がある。これらの欠陥は形成され続ける可能性があり、それにより限界寸法が増加し続け、スタック構造の1つ以上の位置でメモリホールがフレアする可能性がある。
【0034】
図2Cは、スタックを通じてメモリホールのミスアライメントを生じる可能性のあるストレス効果の例を示しうる。例えば、この図は、図示された交互の層を覆う後続のスタック構造を形成する前の、スタック構造の単一部分250の詳細図を示しうる。示されている交互の層の数は、説明のみを目的としており、スタックの任意の特定の部分の層の数を制限することを意図したものではない。スタックの上層部分を形成する前に、スタックの各部分を通じてメモリホールを生成することができる。この処理は、ピラーの特性に影響を与える可能性があり、応力の影響を受けやすくなる可能性がある。例えば、後続のプロセスでピラーが高温に晒されると、ある量のガス放出が生じる可能性がある。本技術を制限することを意図していない、この例を続けると、窒化ケイ素は、1つの非限定的な例におけるシランなど、利用される前駆体に応じてある量の水素を含みうる。摂氏数百度を超える温度に晒されると、ガス放出が生じる可能性があり、これにより各ピラー内に応力が発生し、図示されるように構造の変形につながる可能性がある。エッチングされたスタックの上に追加のスタックが形成されている場合、形成プロセスは、ガス放出を引き起こす温度で行われる可能性があり、これは、下にあるメモリホールのオフセットを生成する可能性があり、下にあるメモリホールと接続するために、上にあるメモリホールが形成されるときにミスアライメントを生じる可能性がある。
【0035】
図2Dは、メモリホールを生成するためにRIEを実施することができる構造内の湾曲260、又は限界寸法の拡大の例を示しうる。湾曲は、構造全体にわたるどこでも発生する可能性があり、複数の問題によって引き起こされる可能性がある。例えば、湾曲は、側壁での制限されたパッシベーション又は重合によって引き起こされる可能性があり、これにより、ある量の横方向のエッチングが生じる可能性がある。湾曲はまた、ハードマスクの材質又は他の構造特徴部の変化に起因して発生する場合もある。例えば、ハードマスク265のエッジがRIEプロセス中に侵食されうる場合、イオンは、基板に対して垂直とは異なる方向又は角度で特徴部又はメモリホールに投射される可能性があり、これは、ハードマスクのテーパが除去又はエッチングされるまで、構造の一部の領域内で追加の横方向のエッチングを生じる可能性がある。したがって、RIEプロセス中に多くの問題が発生する可能性があり、これは多くの点でメモリホール構造に影響を与える可能性がある。本技術は、スタックの層の材料特性に対する1つ以上の調整を含むことができ、これにより、記載された1つ以上の課題に対応し、これらを相殺又は防止することができる。
【0036】
本技術は、例示的なスタック内の1つ以上の層又は材料の材料特性を調整することができ、これは、上記の1つ以上の課題をターゲットとしうる。層の半導体材料スタックの1つ以上の部分を形成する方法を一般的に説明した後に、メモリホール形成を改善するために任意の変形又は組合せで組み合わせるか又は実施することができる調整について論じる。前述のチャンバ100は、形成方法を含む例示的な方法を実施する際に使用することができる。図3に目を向けると、本技術の実施形態による半導体構造を形成するための方法300における例示的な動作が示されている。この方法の第1の動作の前に、基板は、1つ以上の方法で処理されてよく、その後、方法300が実行されうるチャンバの処理領域内に配置されうる。動作の一部又はすべては、前述のようにチャンバ又はシステムツールにおいて実施することができ、あるいは、方法300の動作を実施することができるチャンバを含みうる同じシステムツール上の異なるチャンバにおいて実施することができる。
【0037】
方法300は、図示されるように、本技術による方法の幾つかの実施形態に具体的に関連付けられても関連付けられていなくてもよい、幾つかの任意選択的な動作を含みうる。例えば、動作の多くは、より広い範囲の構造形成を提供するために説明されているが、それらは技術にとって重要ではなく、あるいは、以下でさらに論じられる代替的方法論によって実施されてもよい。方法300は、その例示が方法300の動作と併せて説明される、図4A-4Bに概略的に示される動作を説明している。図4は部分的な概略図のみを示しており、基板は図に示されるような態様、並びに本技術の動作から依然として利益を得ることができる代替の構造的態様を有する任意の数の構造セクションを含むことができるものと理解されたい。
【0038】
構造400は、幾つかの実施形態では3D NANDメモリ形成に使用することができる、材料の交互の層のスタックの部分図を示しうる。材料の交互の層は、プラズマ化学気相堆積、物理的気相堆積、原子層堆積、熱化学気相堆積、又は任意の他の形成技法を含む、幾つもの方法によって製造することができる。幾つかの実施形態では、プラズマ化学気相堆積は、前述の処理チャンバ100などの処理チャンバ内で実施することができる。残りの開示は、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互層のスタックについて論じるが、本技術の実施形態は、酸化ケイ素とケイ素、窒化ケイ素とケイ素、ケイ素とドープされたケイ素、又は任意の数の他の材料など、材料のさまざまな組合せを使用することができる。方法300は、酸化ケイ素の形成とそれに続く窒化ケイ素の形成について論じるが、本技術に同様に包含される実施形態では、形成の順序を逆にしてもよい。加えて、任意の数の材料の層を、スタックに、又は任意のスタックの任意の部分に生成することができ、スタックの異なる部分は、本技術の実施形態による、スタックの任意の他の部分のより多い、より少ない、又は同様の数の層を含みうる。
【0039】
方法300は、動作305において基板上に酸化ケイ素層を形成することを含みうる。この形成は、ケイ素含有前駆体及び酸素含有前駆体を用いて実施することができる。該方法はまた、動作310において、酸化ケイ素層を覆う窒化ケイ素層を形成することも含みうる。この形成は、ケイ素含有前駆体及び窒素含有前駆体を用いて実施することができる。これらの動作は、層のスタックを構成しうる所定の数の層の対を形成することができるまで、任意の回数繰り返すことができる。図4Aは、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互の層のスタック410を有する基板405を含む構造400を示している。図示されているスタック410は、各々が酸化ケイ素材料417の少なくとも1つの層と窒化ケイ素材料419の少なくとも1つの層とを含むことができる、幾つかの部分415を含みうる。各部分はまた、約2対以上、約10対以上、約50対以上、約100対以上、又はそれより多くの層の対を含む、複数の層の対を含みうる。これらの記載された範囲のいずれかに包含されている特定の数の対は、本明細書に具体的に記載されているかのように理解されるべきである。3つの部分415a、415b、及び415cが示されているが、本技術の幾つかの実施形態によれば、それより多数の部分又はそれより少数の部分が含まれていてもよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、すべての部分を含めた複数の部分が動作305及び310中に形成されうるが、幾つかの実施形態では、部分は複数の動作において生成されてもよい。例えば、以下でさらに説明するように、1つ以上の任意選択的な動作は、スタックの上層部分の形成の間に実施することができ、あるいは、以下に記載するような調整は、異なる部分として示されうる、いずれかの部分の間で行われてもよい。例えば、任意選択的な動作315において、スタックの第2の部分を形成する前に、高温アニーリングを実施することができる。任意選択的な動作315はまた、メモリホールの第1の部分の形成、並びに以下に説明されるような前駆体に対する調整も含みうる。スタックの第2の部分は、任意選択的な動作320における酸化ケイ素材料の少なくとも1つの層の形成、及び任意選択的な動作325における窒化ケイ素材料の少なくとも1つの層の形成によって形成することができ、これを繰り返して、上記の第1の部分と同様の任意の数の層の対を生成することができる。
【0041】
追加の任意選択的な動作330は、追加の高温アニーリング又はメモリホールの第2の部分の形成、並びに前駆体に対するさらなる調整を含みうる。スタックの第3の部分は、任意選択的な動作335における酸化ケイ素材料の少なくとも1つの層の形成、及び任意選択的な動作340における窒化ケイ素材料の少なくとも1つの層の形成によって形成することができ、これを繰り返して、第1の部分又は第2の部分のいずれかの対の数よりも多い又は少ない任意の数の層の対を生成することもできる。以下に記載される酸化ケイ素材料又は窒化ケイ素材料のいずれかが、本技術の幾つかの実施形態におけるスタックの任意の部分の層に含まれるか、又はこれらの層のいずれかでありうる。
【0042】
マスク材料420は、構造を通じてメモリホール又は他の特徴部の一部を形成する前に、スタックの任意の部分の上に形成することができる。本技術による構造は、任意のアスペクト比又は構造の高さ対幅の比によって特徴付けることができるが、幾つかの実施形態では、材料は、より大きいアスペクト比によって特徴付けることができ、これは、前述のように、製造された構造のアスペクトへの影響を増大させる可能性がある。例えば、幾つかの実施形態では、断面直径に対する開孔又はメモリホールなどの例示的な構造のアスペクト比は、約10:1以上、約20:1以上、約30:1以上、約40:1以上、約50:1以上、又はそれより大きくなりうる。これらの高いアスペクト比は、多くの従来のエッチング動作を妨げるか、又は前述の問題のいずれかを引き起こしたり悪化させたりする可能性がある。
【0043】
基板405は、実施形態において、実質的に平坦な表面又は不均一な表面を有しうる。基板は、結晶シリコン、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ、パターン化された又はパターン化されていないウエハ、シリコン・オン・インシュレータ、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、又はサファイアなどの材料でありうる。基板405は、直径200mm又は300mmのウエハ、並びに長方形又は正方形のパネルなど、さまざまな寸法を有することができる。酸化ケイ素の形成中又は窒化ケイ素の形成中に使用することができるケイ素含有前駆体は、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、四フッ化ケイ素(SiF)、四塩化ケイ素(SiCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、並びにケイ素含有膜形成に使用することができる他の任意のケイ素含有前駆体を含みうるが、これらに限定されない。本技術全体を通じて説明されるような任意の動作に用いられる酸素含有前駆体は、O、NO、NO、O、HO、並びに酸化ケイ素の膜形成、酸窒化ケイ素の膜形成、又は他の膜形成に使用することができる任意の他の酸素含有前駆体を含みうる。任意の動作に用いられる窒素含有前駆体は、N、NO、NO、NH、N、並びに窒化ケイ素の膜形成に使用することができる任意の他の窒素含有前駆体を含みうる。形成動作のいずれかにおいて、Ar、He、Xe、Kr、窒素、水素、又は他の前駆体を含みうる不活性前駆体など、1つ以上の追加の前駆体を含めることができる。
【0044】
前述のように、十分な重合が形成される前に、構造全体にわたり横方向に拡散する反応種に起因して、メモリホールの形成中に窒化ケイ素層にノッチが発生する可能性がある。しかしながら、幾つかの実施形態では、窒化ケイ素層の形成は、ある量の酸素の取り込みを含みうる。上述したように、RIEプロセスは、酸素との衝撃から、より大きく発生する可能性があり、酸素を制御された量で窒化物層に組み込むことによって、幾つかの実施形態では、ノッチングを低減又は除去することができる。例えば、スタックのいずれかの部分に1つ以上の窒化ケイ素層が形成されている間に、酸素含有前駆体を窒素含有前駆体及び/又はケイ素含有前駆体と共に流して、ある量の酸素を組み込んだ膜を生成することができる。酸素含有前駆体は、上記の酸素含有前駆体のいずれかであってよく、幾つかの実施形態では、酸化ケイ素材料の形成に用いられるものと同じ酸素含有前駆体でありうる。幾つかの実施形態で同じ前駆体を使用することにより、スタックの形成中に行われる変更を低減することができ、これにより、キュータイムを短縮することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の1つ以上の層は、約5原子%以上の酸素を含んでよく、約10原子%以上の酸素、約15原子%以上の酸素、約20原子%以上の酸素、約25原子%以上の酸素、約30原子%以上の酸素、又はそれより多い酸素を含むことができる。酸素の追加の取り込みは、窒化ケイ素層の露出など、下流のプロセスに影響を与える可能性があり、したがって、幾つかの実施形態では、酸素の量は、約30原子%以下の酸素、約25原子%以下の酸素、約20原子%以下の酸素、又はそれより少なく維持されてよく、これにより、酸化ケイ素材料を損なうことなく、その後の動作中の窒化物材料の選択的除去を促進することができる。幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の層は、約20原子%以上など、閾値を上回る量の窒素を維持することができ、約25原子%以上、約30原子%以上、約35原子%以上、約40原子%以上、約45原子%以上、又はそれより高い量の窒素を特徴とする窒化ケイ素材料を生成しうる。
【0046】
上記のように、ノッチングは、基板に向かうエッチング方向で、窒化ケイ素材料の前縁において発生する可能性がある。幾つかの実施形態では、酸素の取り込みは、このノッチング効果に対応するように調整することができる。例えば、幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の形成は、窒化ケイ素の各層での窒化ケイ素と酸窒化ケイ素との二重層の形成を含みうる。例えば、ケイ素含有前駆体及び窒素含有前駆体を流して、ある量の窒化ケイ素を生成することができ、次に、酸素含有前駆体を流れに添加することができ、これは、ケイ素含有前駆体及び/又は窒素含有前駆体の流量を維持又は調整することを含みうる。二重層の各層は、二重層の厚さの約10%から約90%の間の任意のパーセンテージの二重層を構成することができる。
【0047】
酸素含有前駆体が窒化ケイ素材料の形成中に最初に添加することができるかどうか、又は最初の形成後のある時点で添加することができるかどうかにかかわらず、酸素含有前駆体の流量は、層の形成中に一定に保たれるか、減少するか、又は増加しうる。例えば、酸素濃度の勾配は、約0原子%の酸素の取り込みから前述の取り込みのいずれかに至るまで、シリコン窒素材料内で生成されうる。酸素含有前駆体の流量を開始し、次に調整することにより、窒化ケイ素材料は、ある勾配の取り込みを含みうる。例えば、酸素含有前駆体の流量は、窒化ケイ素材料の層、又は二重層の形成中に増加させてもよく、したがって、上を覆う酸化ケイ素材料の界面にある窒化ケイ素材料の部分は、窒化ケイ素材料の下層部分に対する酸素量の増加によって特徴付けることができる。したがって、幾つかの実施形態では膜全体にわたる、より多くの窒化物の取り込みを維持しつつ、ノッチング効果が発生する可能性が最も高い場所においてノッチング効果を減少させることができる。
【0048】
窒化ケイ素材料の1つ以上の層に組み込まれる酸素の量はまた、幾つかの実施形態では、スタックの異なる部分間で調整することができ、任意の部分の任意の層は、上記のように任意の量の酸素の取り込みによって特徴付けことができるか、又は実質的に酸素の取り込みがないままであってもよい。例えば、幾つかのストライエーション効果及び/又はプロファイル変動は、第1の部分415aと第3の部分415cとの間でありうる部分415bなどのスタックの第2の部分に発生する可能性がある。スタックのこの部分における窒化ケイ素への酸素の取り込みを調整することにより、これらの問題を制限又は解決することができる。例えば、窒化ケイ素を横方向にエッチングするRIEプロセスのラジカル廃水に起因して、幾らかの湾曲及びストライエーションが発生する可能性があり、これにより、追加の酸化ケイ素が露出し、それらの材料のエッチング量が増加し、ストライエーション効果が増加する可能性がある。窒化物材料に対するこの効果を制限することにより、酸化物材料に対する効果も低減することができ、これらの問題及びメモリホール形成の均一性を改善することができる。ストライエーション及び/又は湾曲が発生する可能性のある領域の窒化物層への酸素の取り込みを増加させることにより、横方向のエッチングに対する耐性を高めることができ、これらの効果の問題を制限することができる。
【0049】
同様に、メモリホールのアライメントの問題は、スタックの下層部分の窒化物材料の酸素濃度を増加させることなどによって改善することができる。酸化ケイ素は、膜内の水素の量を低減することによって応力効果の制御の改善を可能にするか、さもなければ、前述の変形を制限しうる応力効果のより大きい制御を可能にすることができる。したがって、幾つかの実施形態では、スタックの第1の部分には、窒化物層内の酸素濃度の増加が含まれてよく、これにより、ガス放出に起因する応力効果を低減させることができる。任意選択的なアニーリングもまた前述のように実施することができ、これにより、窒化物材料中の酸素濃度の増加の有無にかかわらず、形成された膜の温度を上昇させ、スタックの追加部分の形成前にガス放出を増加させることができる。アニーリングは、スタックの第1の部分の温度を約500℃以上上昇させるプロセスを含むことができ、これにより、スタックの第1の部分の温度は、約550℃以上、約600℃以上、約650℃以上、約700℃以上、約750℃以上、約800℃以上、約850℃以上、約900℃以上、又はそれより高く上昇しうる。例えば、温度が約650℃を超えると、構造の変形を制限するためにある量のガス放出が生じ、メモリホールの部分間のアライメントの改善を可能にしうる。
【0050】
本技術の幾つかの実施形態では、窒化物材料内にある量の酸素を含めることにより、ノッチングを低減又は除去することができる。図4Bは、そこにノッチ430が形成されうる、窒化ケイ素材料425の下層及び酸化ケイ素材料427の上層部分の拡大図を示している。ノッチは、窒化ケイ素層とその上を覆う酸化ケイ素材料との間の界面における横方向への侵入の距離Aによって特徴付けることができる。窒化ケイ素材料の層はまた、厚さBによっても特徴付けることができる。幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の任意の特定の層は、厚さBに対応する距離の約100%以下でありうる侵入の距離Aを有するノッチを含みうる。幾つかの実施形態では、距離Aは距離Bの約75%以下であってよく、距離Aは距離Bの約50%以下であってよく、距離Aは距離Bの約40%以下であってよく、距離Aは距離Bの約30%以下であってよく、距離Aは距離Bの約20%以下であってよく、距離Aは距離Bの約10%以下であってよく、距離Aは距離Bの約5%以下であってよく、距離Aは距離Bの約1%以下のであってよく、又は距離Aはゼロであってもよく、層にはノッチが形成されなくてもよい。
【0051】
前述の効果に対応するため又は前述の効果を調整するために追加の調整を実施してもよく、これらの調整のいずれかを一緒に、又は他の箇所で論じた他の動作又は組み込みのいずれかと組み合わせることができる。例えば、窒化ケイ素材料は、膜形成材料又は条件を調整することによって調整することができる屈折率によって特徴付けることができる。例えば、幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の屈折率を上げると、横方向のエッチング速度又は全体的なドライエッチング速度が低下しうる。したがって、幾つかの実施形態では、湾曲又はストライエーションが発生しうる領域は、材料の他の層よりも屈折率が高いことを特徴とする窒化ケイ素層を形成することによって改質することができる。例えば、窒化ケイ素材料は、約1.7から約2.3の間の屈折率によって特徴付けることができる。幾つかの実施形態では、部分415aなどの構造の下部にある窒化ケイ素材料は、基板から構造のより遠位の部分にある窒化ケイ素材料よりも低い屈折率によって特徴付けることができる。加えて、部分415bなどの構造の中央部分にある窒化ケイ素材料は、上下にある窒化ケイ素材料よりも高い屈折率によって特徴付けることができる。したがって、1つの非限定的な例では、スタック410などのスタックは、第3の部分415cの窒化ケイ素材料が第1の部分415aの材料よりも高い屈折率によって特徴付けることができる部分を含むことができ、第2の部分415bの窒化ケイ素材料は、第3の部分415c又は第1の部分415aのいずれかの材料よりも高い屈折率によって特徴付けることができる。屈折率を調整するための他の任意の数の改質を同様に実施して、スタックのさまざまな領域のエッチング特性を調整することができる。
【0052】
ドーパント濃度は、本技術の幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の1つ以上の層において調整することもできる。例えば、窒化ケイ素は、テーパ状になるか又は狭くなりうるスタックの第1の部分などにおいて、エッチングを改善することができる、リン、ホウ素、酸素、又は窒化ケイ素材料のエッチング速度を増加させることができる他の材料を含む材料でドープされてもよい。これらのドーパントは、RIE化学における特定の材料に対して親和性を有してよく、これにより、その部分を通じたエッチングが増加しうる。したがって、これらのドーパントを約0.01%から約5%、又はそれより多く組み込むことにより、材料のエッチングが増加しうる。同様に、窒化ケイ素は、炭素の取り込みを増加させて形成することができ、これにより、一部におけるエッチングが減少しうる。多くのRIEエッチング液は、クロロカーボン、フルオロカーボン、又はクロロフルオロカーボン(chloroflouorcarbons)などのハロカーボンを含むことができ、これらは、より少ない量の炭素を有する膜と比較して、より多くの量の炭素を組み込んだ膜のエッチングを減少させることができる。したがって、1つの非限定的な例として、スタックの1つ以上の層又は1つ以上の部分は、エッチングを制御するために、約1%から約10%の間など、増加した炭素濃度を含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、第2の部分415bの窒化ケイ素材料の層は、第1の部分415aと比較して増加した炭素濃度を有しうる。
【0053】
窒化ケイ素材料の層内の窒素のケイ素に対する比もまた、幾つかの実施形態では、エッチング速度に影響を与えるように調整することができる。例えば、窒素のケイ素に対する比を増加させることにより、材料のエッチング速度を増加させることができ、また、窒素のケイ素に対する比を減少させることにより、材料のエッチング速度を減少させることができる。したがって、幾つかの実施形態では、窒化ケイ素材料の1つ以上の層は、例えば第1の部分など、1つ以上の他の層と比較して、窒素のケイ素に対する増加した比によって特徴付けることができ、及び/又は、窒化ケイ素材料の1つ以上の層は、例えば第2の部分など、1つ以上の他の層と比較して、窒素のケイ素に対する減少した比によって特徴付けることができる。窒素のケイ素に対する増加した比は、約1.3以上であってよく、約1.4以上、約1.5以上、約1.6以上、又はそれより高くなりうる。窒素のケイ素に対する減少した比は、約1.3以下であってよく、約1.2以下、約1.1以下、約1.0以下、又はそれより低くなりうる。
【0054】
幾つかの実施形態では、酸化ケイ素材料の層に対しても調整を行うことができ、これは、スタックを通じたエッチング速度及びプロファイルにも影響を及ぼしうる。例えば、第1の部分のように、他の層又は部分よりもエッチングの増加が促進されうる部分では、ケイ素含有前駆体は、ケイ素との水素結合が増加するように調整されうる。1つの非限定的な例として、酸化ケイ素材料の層の第2の部分及び/又は第3の部分はTEOSを使用して形成することができる一方、酸化ケイ素材料の層の第1の部分は、例えば、より大量のケイ素-水素結合を有する他の前駆体の中でもとりわけ、シラン又はジシランを使用して形成することができる。エッチングの低減が促進されうる部分については、前駆体を用いて反対のことを行うことができ、より少ないケイ素-水素結合を有する前駆体を、スタックの第2の部分などに使用することができる。加えて、RIE処理に用いられるエッチング液に関して前述した理由により、追加の炭素を含む前駆体を使用することができ、あるいは酸化ケイ素膜内の炭素の取り込みを増加させることができる。
【0055】
説明したプロセスの1つ以上を利用することにより、メモリホールの形成の改善を可能にすることができ、これにより、ノッチングなどの効果を制限し、メモリホールを通じたプロファイルの均一性を改善することができる。例えば、幾つかの実施形態では、スタックを通じた層又は部分は、スタックのメモリホールを通じた直径の変動が約200%以下であることによって特徴付けることができ、また、約150%以下、約100%以下、約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、又はそれ未満のメモリホールを通じた直径の変動によって特徴付けることができる。結果として、本技術によって、従来の技術よりも均一なスタック構造を生成することができる、改善された製造をもたらすことができる。
【0056】
前述の記載では、説明を目的として、本技術のさまざまな実施形態の理解をもたらすために、多くの詳細が述べられてきた。しかしながら、これらの詳細の幾つかを含まずに、又はさらなる詳細と共に、ある特定の実施形態を実施しすることができることは、当業者とって明白であろう。
【0057】
幾つかの実施形態を開示してきたが、実施形態の趣旨から逸脱することなく、さまざまな修正、代替構成、及び等価物を使用することができることは、当業者に認識されよう。さらには、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、幾つかのよく知られているプロセス及び要素については説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきではない。加えて、方法又はプロセスは、順次又は段階的に説明されうるが、動作は、同時に、又は記載されたものとは異なる順序で実行されてもよいことが理解されるべきである。
【0058】
値の範囲が提示される場合、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、その範囲の上限と下限の間の下限値の単位の最小部分までの各介入値も具体的に開示されることが理解される。任意の記載値又は記載された範囲内の記載されていない介在値と、その記載範囲内の他の任意の記載値又は介在値との間の任意の狭い範囲も包含される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれるか、又はその範囲から除外される場合があり、より小さい範囲に限界値のいずれかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もこの技術範囲に包含され、指定範囲内の具体的に除外された任意の限界値の対象となる。指定された範囲内に一方又は両方の限界値が含まれる場合、それらの含まれた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0059】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ある前駆体(a precursor)」への言及は、複数のこのような前駆体を含み、「その層(the layer)」への言及は、1つ以上の層及び当業者に知られているその等価物への言及などを含む。
【0060】
また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という語句は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられた場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を特定することが意図されているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成要素、工程、作用、又は群の存在又は追加を除外するものではない。
図1
図2A-2D】
図3
図4A-4B】
【国際調査報告】