IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特表2022-543811基板処理システムのためのエッジリングシステム
<>
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図1
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図2
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図3
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図4
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図5
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図6
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図7
  • 特表-基板処理システムのためのエッジリングシステム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】基板処理システムのためのエッジリングシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507326
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 US2020044168
(87)【国際公開番号】W WO2021025934
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/882,901
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン・フイ・リン
(72)【発明者】
【氏名】フアン・シンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】スリラマン・サラヴァナプリヤン
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ジョアンナ
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン・シーサーマン
(72)【発明者】
【氏名】キンブル・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ペレス・アリス
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA03
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB23
5F004BC08
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システムのためのエッジリングシステムは、内径および外径を有する環状体を含む上部エッジリングを備える。上部エッジリングの外径は、基板処理システムの基板ポートの水平開口よりも小さい。上部エッジリングの下方に、内径および外径を有する環状体を含む第1のエッジリングが配置されている。第1のエッジリングの外径は、基板処理システムの基板ポートよりも大きい。第1のエッジリングの内径は、上部エッジリングの内径よりも小さい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのためのエッジリングシステムであって、
内径および外径を有する環状体を備える上部エッジリングであって、前記上部エッジリングの前記外径は、前記基板処理システムの基板ポートの水平開口よりも小さい、上部エッジリングと、
前記上部エッジリングの下方に配置された第1のエッジリングであって、内径および外径を有する環状体を備え、前記第1のエッジリングの前記外径は、前記基板処理システムの前記基板ポートよりも大きく、前記第1のエッジリングの前記内径は、前記上部エッジリングの前記内径よりも小さい、第1のエッジリングと、
を備える、エッジリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のエッジリングシステムであって、
前記上部エッジリングの下面は、前記第1のエッジリングの上面と嵌合する、エッジリングシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記第1のエッジリングの下方で、前記基板処理システムのベースプレートの径方向外側に位置する第2のエッジリングを備える、エッジリングシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のエッジリングシステムであって、
前記第2のエッジリングは、
環状体と、
前記環状体の径方向内部上部から延びる上向き突出脚と、
前記環状体の径方向外部下部から延びる下向き突出脚と、
を備える、エッジリングシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記第1のエッジリングの下方で、前記第2のエッジリングの径方向外側に位置する第3のエッジリングを備える、エッジリングシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のエッジリングシステムであって、
前記第3のエッジリングは、
環状体と、
前記環状体の上部から延びる径方向内向き突出脚と、
前記環状体の径方向外部上面から上向きに延びる突出部と、
を備える、エッジリングシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のエッジリングシステムであって、
前記第1のエッジリングは、その径方向外部下面に環状凹部を有し、
前記第3のエッジリングの前記突出部は、前記環状凹部と嵌合して階段状経路を規定する、エッジリングシステム。
【請求項8】
請求項5に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記第2のエッジリングの下方で、前記第3のエッジリングと前記基板処理システムの前記ベースプレートとの間に配置された環状シールを備える、エッジリングシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のエッジリングシステムであって、
前記環状シールは、環状体、および、前記環状体の下部から径方向内向きに延びる脚を備える、エッジリングシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のエッジリングシステムであって、
前記脚の径方向内面の直径は、前記ベースプレートの外径よりも小さい、エッジリングシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のエッジリングシステムであって、
前記環状シールの前記環状体の径方向内面の直径は、前記ベースプレートの前記外径よりも大きい、エッジリングシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のエッジリングシステムであって、
前記上部エッジリングは、前記上部エッジリングの径方向内脚と径方向外脚との間の前記上部エッジリングの下方内面と、前記第1のエッジリングと、によって規定された空洞を備え、
前記下方内面は、前記上部エッジリングの前記径方向外脚の下面よりも垂直方向で高い位置に配される、エッジリングシステム。
【請求項13】
請求項9に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記ベースプレートと前記環状シールとの間、および、前記ベースプレートと前記第2のエッジリングとの間で、基板支持体のベースプレートの外面に配置されたシール材を備える、エッジリングシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のエッジリングシステムであって、
前記シール材は、前記ベースプレートと前記環状シールの上面部分との間に配置されている、エッジリングシステム。
【請求項15】
請求項3に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記ベースプレートに規定され、上部開口および下部開口を有する垂直穴と、
本体、ねじ部、および頭部を有する留め具であって、前記垂直穴に受け入れられ、前記ベースプレートを下配置面に取り付ける、留め具と、
本体を有するプラグであって、前記プラグの前記本体は、前記留め具の前記頭部上方で前記垂直穴の上部開口に受け入れられる、プラグと、
を備える、エッジリングシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のエッジリングシステムであって、
前記プラグは、さらに、前記本体から径方向外向きに延びるフランジ部を有し、
前記フランジ部は、前記上部開口の径方向外側に延びる、エッジリングシステム。
【請求項17】
請求項15に記載のエッジリングシステムであって、
前記プラグは、セラミック、エラストマ、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群より選択された材料で作られている、エッジリングシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のエッジリングシステムであって、
前記上部エッジリングは、前記第1のエッジリングに対して移動可能である、エッジリングシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記上部エッジリングを前記第1のエッジリングに対して選択的に動かすために、前記第1のエッジリングを通じて垂直穴に受け入れられるリフトピンを備える、エッジリングシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
第2のエッジリングを備え、前記リフトピンは、さらに、前記上部エッジリングを前記第2のエッジリングに対して選択的に動かすように構成されている、エッジリングシステム。
【請求項21】
請求項19に記載のエッジリングシステムであって、さらに、
前記リフトピンを付勢するように構成されたアクチュエータと、
センサの出力、および、前記上部エッジリングがプラズマに曝露される既定期間の少なくともいずれかに応答して、前記アクチュエータに前記リフトピンの位置を調節させるように構成されたコントローラと、
を備える、エッジリングシステム。
【請求項22】
基板処理システムのための基板支持体であって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに既定され、上部開口および下部開口を有する垂直穴と、
第1のフランジ部、および、前記第1のフランジ部から延びて第1の内側穴を規定する第1の円筒部を有する外側ガイドスリーブであって、前記外側ガイドスリーブの前記第1の円筒部は、前記第1のフランジ部が前記垂直穴の前記上部開口に隣接して配置された状態で前記垂直穴の前記上部開口に挿入されている、外側ガイドスリーブと、
第2のフランジ部と、前記第2のフランジ部から延びる第2の円筒部であってリフトピンを受け入れるように構成された第2の内側穴を規定する第2の円筒部と、を有する内側ガイドスリーブであって、前記内側ガイドスリーブは、前記第2のフランジ部が前記垂直穴の前記下部開口に隣接して配置された状態で、前記垂直穴の底部開口および前記外側ガイドスリーブの前記第1の内側穴に挿入されている、内側ガイドスリーブと、
を備える、基板支持体。
【請求項23】
請求項22に記載の基板支持体であって、
前記垂直穴の前記上部開口は、前記第1の円筒部の外径よりも大きく、前記第1のフランジ部の外径よりも小さい第1の直径を有する、基板支持体。
【請求項24】
請求項23に記載の基板支持体であって、
前記垂直穴の前記下部開口は、前記第1の直径よりも小さく、前記第2の円筒部の外径よりも大きく、前記第2のフランジ部の外径よりも小さい第2の直径を有する、基板支持体。
【請求項25】
請求項22に記載の基板支持体であって、
前記上部開口の第1の直径は、前記下部開口の第2の直径よりも小さい、基板支持体。
【請求項26】
請求項22に記載の基板支持体であって、さらに、
前記基板支持体の周囲に配置されたエッジリングと、
前記内側ガイドスリーブの前記第2の内側穴に受け入れられたリフトピンと、
を備える、基板支持体。
【請求項27】
請求項22に記載の基板支持体であって、さらに、
前記ベースプレートの下方に位置し、前記ベースプレートの前記垂直穴と垂直に並ぶ垂直穴を有する下配置面と、
第3のフランジ部と、前記第3のフランジ部から延びる第3の円筒部と、を有するガイドスリーブであって、前記ガイドスリーブは、前記下配置面の前記垂直穴内に位置し、前記第3のフランジ部は、前記第2のフランジ部に隣接する、ガイドスリーブと、
を備える、基板支持体。
【請求項28】
請求項27に記載の基板支持体であって、
前記第3のフランジ部は、溝を有し、さらに、前記溝に配置されたOリングを備える、基板支持体。
【請求項29】
請求項28に記載の基板処理システムであって、
前記Oリングは、前記第3のフランジ部によって前記垂直穴の水平面に対して付勢される、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年8月5日出願の米国仮出願第62/882,901号の利益を主張する。上記出願の全ての開示は、本明細書において参照により援用される。
【0002】
本開示は、一般にプラズマ処理システムに関し、特にエッジリングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板上で処理を実施する。基板処理の例は、堆積、アッシング、エッチング、洗浄、および/または、他のプロセスを含む。基板を処理するために、処理ガス混合物が処理チャンバに供給されてよい。プラズマは、化学反応を促進するためにガスを点火するのに用いられてよい。
【0005】
基板は処理の間、基板支持体の上に配置される。いくつかの基板処理システムでは、基板の径方向外縁に隣接する基板支持体の周囲に環状エッジリングが配置される。エッジリングは、プラズマを基板上で成形する、または集束させるために用いられてよい。動作中に、基板およびエッジリングの露出面は、プラズマによってエッチングされる。その結果、エッジリングは時間とともに摩耗し、プラズマに対するエッジリングの効果は変化する。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムのエッジリングシステムは、内径および外径を有する環状体を含む上部エッジリングを備える。上部エッジリングの外径は、基板処理システムの基板ポートの水平開口よりも小さい。上部エッジリングの下方に、内径および外径を有する環状体を含む第1のエッジリングが配置される。第1のエッジリングの外径は、基板処理システムの基板ポートよりも大きい。第1のエッジリングの内径は、上部エッジリングの内径よりも小さい。
【0007】
他の特徴において、上部エッジリングの下面は、第1のエッジリングの上面と嵌合する。第1のエッジリングの下方には、第2のエッジリングが基板処理システムのベースプレートの径方向外側に位置する。第2のエッジリングは、環状体、環状体の径方向内部上部から延びる上向き突出脚、および、環状体の径方向外部下部から延びる下向き突出脚を備える。
【0008】
他の特徴において、第1のエッジリングの下方には、第3のエッジリングが第2のエッジリングの径方向外側に位置する。第3のエッジリングは、環状体、環状体の上部から延びる径方向内向き突出脚、および、環状体の径方向外部上面から上向きに延びる突出部を備える。
【0009】
他の特徴において、第1のエッジリングは、その径方向外部下面に環状凹部を備える。第3のエッジリングの突出部がその環状凹部に嵌合して、階段状の経路を規定する。
【0010】
他の特徴において、第2のエッジリングの下方には、環状シールが第3のエッジリングと基板処理システムのベースプレートとの間に配置される。環状シールは、環状体、および、環状体の下部から径方向内向きに延びる脚を備える。脚の径方向内面の直径は、ベースプレートの外径よりも小さい。環状シールの環状体の径方向内面の直径は、ベースプレートの外径よりも大きい。
【0011】
他の特徴において、上部エッジリングは、上部エッジリングの径方向内脚と径方向外脚との間の上部エッジリングの下方内面、および第1のエッジリングによって規定された空洞を備える。下方内面は、上部エッジリングの前記径方向外脚の下面よりも垂直方向で高い位置に配される。
【0012】
基板処理システムは、エッジリングシステム、および、ベースプレートを備える基板支持体を含む。シール材は、ベースプレートと環状シールとの間、および、ベースプレートと第2のエッジリングとの間で、ベースプレートの外面に配置されている。シール材は、ベースプレートと環状シールの脚の上面部分との間に配置されている。
【0013】
基板処理システムは、ベースプレートを含む基板支持体を備える。第1のエッジリングは、ベースプレートの径方向外側に位置する。第2のエッジリングは、第1のエッジリングの径方向外側に位置する。環状シールは、環状体、および環状体から径方向内向きに延びる脚を備える。環状シールは、第1のエッジリングの下方で、第2のエッジリングと基板処理システムのベースプレートとの間に配置される。脚の径方向内面の直径は、ベースプレートの外径よりも小さい。環状体の径方向内面の直径は、ベースプレートの外径よりも大きい。シール材は、ベースプレートと環状シールとの間、および、ベースプレートと第1のエッジリングとの間で、ベースプレートの外面に配置される。シール材は、ベースプレートと環状シールの脚の上面部分との間でベースプレート上に配置される。
【0014】
基板処理システムのための基板支持体は、ベースプレート、および、ベースプレートに既定され、上部開口および下部開口を含む垂直穴を備える。留め具は、本体、ねじ部、および頭部を備える。留め具は、垂直穴に受け入れられ、ベースプレートを下配置面に取り付ける。プラグは、留め具の頭部上方で垂直穴の上部開口に受け入れられた本体を備える。
【0015】
他の特徴では、プラグはさらに、本体から径方向外向きに延びるフランジ部を備える。フランジ部は、上部開口の径方向外側に延びる。プラグは、セラミック、エラストマ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群より選択された材料で作られている。
【0016】
基板処理システムのための基板支持体は、ベースプレート、ならびに、ベースプレートに規定され、上部開口および下部開口を含む垂直穴を備える。外側ガイドスリーブは、第1のフランジ部、および、第1のフランジ部から延び、第1の内側孔を規定する第1の円筒部を備える。外側ガイドスリーブの第1の円筒部は、第1のフランジ部が垂直穴の上部開口に隣接して配置される状態で、垂直穴の上部開口に挿入される。内側ガイドスリーブは、第2のフランジ部、および、第2のフランジ部から延び、リフトピンを受け入れるように構成された第2の内側孔を規定する第2の円筒部を備える。内側ガイドスリーブは、第2のフランジ部が垂直穴の下部開口に隣接して配置される状態で、垂直穴の底部開口および外側ガイドスリーブの第1の内側孔に挿入される。
【0017】
他の特徴では、垂直穴の上部開口は、第1の円筒部の外径よりも大きく、第1のフランジ部の外径よりも小さい第1の直径を有する。垂直穴の下部開口は、第1の直径よりも小さく、第2の円筒部の外径よりも大きく、第2のフランジ部の外径よりも小さい第2の直径を有する。
【0018】
他の特徴では、上部開口の第1の直径は、下部開口の第2の直径よりも小さい。
【0019】
基板処理システムは、基板支持体を備える。エッジリングは、基板支持体の周囲に配置される。リフトピンは、内側ガイドスリーブの第2の内側孔に受け入れられる。
【0020】
他の特徴では、下配置面は、ベースプレートの下方に位置し、ベースプレートの垂直穴と垂直に並ぶ垂直穴を備える。ガイドスリーブは、第3のフランジ部、および、第3のフランジ部から延びる第3の円筒部を備える。ガイドスリーブは、下配置面の垂直穴内に位置する。第3のフランジ部は、第2のフランジ部に隣接する。
【0021】
他の特徴では、第3のフランジ部は溝を備え、溝に配置されたOリングをさらに備える。Oリングは、第3のフランジ部によって垂直穴の水平面に対して付勢される。
【0022】
基板処理システムの基板支持体は、ベースプレートを備える。垂直穴は、ベースプレートに規定され、上部開口および下部開口を備える。支持面は、ベースプレートの下方に位置し、上部開口および下部開口を有する垂直穴を備える。垂直穴は、ベースプレートの垂直穴と垂直に並んでいる。ガイドスリーブは、フランジ部、および、内側穴を有する円筒部を備える。円筒部は、支持面の垂直穴内に位置する。フランジ部は、支持面の垂直穴の上部開口に隣接する。
【0023】
他の特徴では、フランジ部は、その下面に溝を備える。Oリングは溝に配置され、フランジ部によって支持面の垂直穴の水平面に対して付勢される。
【0024】
基板処理システムは、基板支持体、および、基板支持体の周囲に配置されたエッジリングを備える。リフトピンは、ベースプレートの垂直穴およびガイドスリーブの垂直穴に受け入れられる。
【0025】
基板処理システムのための可動エッジリングシステムは、環状体を含む上部エッジリングを備える。上部エッジリングの下方には、垂直穴を有する環状体を含む第1のエッジリングが配置されている。第2のエッジリングは、第1のエッジリングの下方に位置し、第1の直径を有する上部と、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する下部とを含む垂直穴を有する環状体を備える。ガイドスリーブは、垂直穴を有する細長い環状体を備え、第1の直径よりも小さく、第2の直径よりも大きい外径を有する。ガイドスリーブの垂直穴は、第1のエッジリングの垂直穴と並んでいる。
【0026】
他の特徴では、第1のエッジリングおよび第2のエッジリングに対して上部エッジリングを選択的に動かすために、リフトピンが垂直穴に受け入れられる。
【0027】
基板処理システムは、可動エッジリングシステムを備える。基板支持体は、第2のエッジリングの垂直穴および第1のエッジリングの垂直穴と並ぶ垂直穴を有するベースプレートを備える。リフトピン用のガイドスリーブは、基板支持体の垂直穴内に位置する。
【0028】
他の特徴では、基板支持体はさらに、ベースプレートの上方に配置された加熱プレートを備える。第2のエッジリングの環状体は、加熱プレート上方で第1のエッジリング下方の第2のエッジリングの環状体の上面から径方向内向きに突出する脚を備える。
【0029】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみの目的を意図し、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0031】
図1】本開示による例示的基板処理システムの機能ブロック図。
【0032】
図2】本開示による別の例示的基板処理システムの機能ブロック図。
【0033】
図3】本開示による例示的エッジリングシステムの断面側面図。
【0034】
図4】本開示による別の例示的エッジリングシステムの断面側面図。
【0035】
図5】本開示による別の例示的エッジリングシステムの断面側面図。
【0036】
図6】本開示によるエッジリングシステムのリフトピンを案内するデュアルガイドスリーブの断面側面図。
【0037】
図7】本開示によるリフトピン用の下部ガイドスリーブを備えるエッジリングシステムの断面側面図。
【0038】
図8】本開示によるリフトピン用の上部ガイドスリーブを備えるエッジリングシステムの断面側面図。
【0039】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照番号は繰り返し用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0040】
基板処理の間、基板は静電チャック(ESC)などの台座上に配置され、処理ガスが供給され、処理チャンバ内でプラズマが点火される。処理チャンバ内の構成部品の露出面は、プラズマによる摩耗を受ける。
【0041】
例えば、環状エッジリングは、プラズマを成形するために基板の径方向外縁に配置される。複数の基板の処理後に、エッジリングの露出面は摩耗し、基板に対して異なる高さになる。その結果、プラズマに対するエッジリングの効果が変化し、基板の処理が変更する。真空を破壊せずにエッジリングの摩耗によるプロセス変化を低減するため、いくつかの処理チャンバは、摩耗を補償するためにin situでエッジリングの高さを増やす。多くのこれらのシステムでは、エッジリングの高さは、サイクル数および/または全プラズマ処理曝露期間に基づいて、自動的に調節される。他のシステムは、エッジリングの高さを測定し、測定した高さに基づいてエッジリングの高さを調節する。
【0042】
ここで図1および図2を参照すると、可動エッジリングを用いるプラズマ処理チャンバの例が示されている。認識されうるように、他の種類のプラズマ処理チャンバも用いられうる。図1には、本開示による例示的な基板処理システム110が示されている。基板処理システム110は、容量結合プラズマ(CCP)を用いるエッチングを実施するために用いられてよい。基板処理システム110は、基板処理システム110の他の構成部品を取り囲み、(用いられる場合は)RFプラズマを含む処理チャンバ122を備える。
【0043】
プラズマ処理チャンバ122がツールに配置されたときは、プラズマ処理チャンバは、真空を破壊することなく真空搬送モジュールに開かれうる基板ポート123を備えてよい。一般に、基板ポート123は、処理される基板の直径よりもわずかに大きい水平開口寸法と、水平開口寸法よりも大幅に小さい垂直開口寸法とを有する。いくつかの例では、基板ポート123は、上部エッジリングを供給および交換するのに十分な幅を有する。一般に、垂直開口寸法は、ロボットエンドエフェクタが基板支持体のリフトピン上に基板を設置できるほど十分な幅を有する。基板処理システム110は、上部電極124および静電チャック(ESC)などの基板支持体126を備える。動作中は、基板128は基板支持体126の上に配置される。
【0044】
例えのみで、上部電極124は、処理ガスを導入し分配するシャワーヘッドなどの分配装置129を備えてよい。ガス分配装置129は、処理チャンバの上面に接続された一端を含むステム部を備えてよい。基部は、一般に円筒状で、処理チャンバの上面から離れた位置で、ステム部のもう一端から径方向外向きに延びる。シャワーヘッドの基部の基板対向面またはフェースプレートは、前駆体、反応物、エッチングガス、不活性ガス、キャリアガス、他の処理ガス、またはパージガスが流れる複数の孔を備える。あるいは、上部電極124は導電性プレートを備えてよく、処理ガスは別の方法で導入されてよい。
【0045】
基板支持体126は、下部電極として機能するベースプレート130を備える。ベースプレート130は、セラミックマルチゾーン加熱プレートに相当しうる加熱プレート132を支持する。加熱プレート132とベースプレート130との間に、結合層134が配置されてよい。いくつかの例では、結合層134は熱抵抗も提供する。ベースプレート130は、ベースプレート130を通じて冷媒を流すための1つ以上の流路136を備えてよい。
【0046】
RF発生システム140は、RF電圧を生成し、上部電極124および下部電極(例えば、基板支持体126のベースプレート130)のいずれかに出力する。上部電極124およびベースプレート130のもう一方は、DC接地されてよい、AC接地されてよい、または浮遊状態であってよい。例えのみで、RF発生システム140は、整合分配ネットワーク144によって上部電極124またはベースプレート130に供給されるRFプラズマを生成するRF源142を備えてよい。他の例では、プラズマは誘導的にまたは遠隔的に生成されてよい。
【0047】
ガス供給システム150は、1つ以上のガス源152-1、152-2、・・・、および152-N(総称して、ガス源152)を備える(Nは、ゼロよりも大きい整数)。ガス源152は、弁154-1、154-2、・・・、および154-N(総称して、弁154)、ならびに、マスフローコントローラ(MFC)156-1、156-2、・・・、および156-N(総称して、MFC156)によって、マニホールド160に接続されている。MFC156とマニホールド160との間に、2次弁が用いられてよい。いくつかの例では、2次弁(図示せず)は、MFC156とマニホールド160との間に配置される。1つのガス供給システム150が示されているが、2つ以上のガス供給システムが用いられうる。
【0048】
温度制御装置163は、加熱プレート132に配置された複数の熱制御素子(TCE)164に接続されてよい。温度制御装置163は、複数のTCE164を制御して、基板支持体126および基板128の温度を制御するために用いられてよい。温度制御装置163は、流路136を通る冷媒流を制御するために冷媒アセンブリ166と連通してよい。例えば、冷媒アセンブリ166は、冷媒ポンプ、貯留槽、および/または、1つ以上の温度センサを備えてよい。温度制御装置163は、基板支持体126を冷却するために、流路136を通じて冷媒を選択的に流すように冷媒アセンブリ166を操作する。
【0049】
弁170およびポンプ172は、処理チャンバ122から反応物を排気するために用いられてよい。システムコントローラ180は、基板処理システム110の構成部品を制御するために用いられてよい。1つ以上のエッジリングを含むエッジリングシステム182は、プラズマ処理の間、基板128の径方向外側に配置されてよい。エッジリング高さ調節システム184は、以下にさらに説明されるように、エッジリングシステム182の1つ以上のエッジリングの高さを基板128に対して調節するために用いられうる、1つ以上のリフトピン(図5および図7で図示)を備える。いくつかの例では、エッジリングシステム182の1つ以上のエッジリングは、真空を破壊することなく、リフトピンによって持ち上げられ、ロボットエンドエフェクタによって取り出され、別のエッジリングと交換されることもできる。
【0050】
例えば、システムコントローラ180は、エッジリング189の底面を付勢するリフトピン187の垂直位置を制御するアクチュエータ185を制御する。この例では、システムコントローラ180は、センサ191を用いてエッジリング189の高さを感知する。いくつかの例では、センサ191は、光センサ、レーザセンサ、ピエゾセンサ、超音波センサ、または他の種類のセンサを含む。システムコントローラ180は、感知したエッジリング189の高さに基づいてエッジリング189の位置を調節する。
【0051】
図2には、本開示による基板処理システム210の例が示されている。基板処理システム210は、エッチングを実施するために誘導結合プラズマを用いる。基板処理システム210は、コイル駆動回路211を備える。パルス回路214は、RF電力をオンおよびオフにパルス化するため、または、RF電力の振幅もしくはレベルを変更するために用いられてよい。同調回路213は、1つ以上の誘導コイル216に直結されてよい。同調回路213は、RF源212の出力を所望の周波数および/または所望の位相に調節し、コイル216のインピーダンスに合わせ、コイル216の間で電力を分割する。
【0052】
いくつかの例では、コイル216と誘電体窓224の間にプレナム220が配置されて、熱風および/または冷風によって誘電体窓224の温度を制御してよい。誘電体窓224は、処理チャンバ228の一面に沿って配置される。処理チャンバ228はさらに、基板支持体232を備える。処理チャンバの一面に、基板ポート229が配置される。いくつかの例では、基板ポート229は、真空を破壊することなく上部エッジリングが供給および交換されるのに十分な水平幅を有する。
【0053】
基板支持体232は、静電チャック(ESC)、または機械式チャック、または他の種類のチャックを備えてよい。処理チャンバ228に処理ガスが供給され、処理チャンバ228の内部でプラズマ240が生成される。プラズマ240は、基板234の露出面をエッチングし、エッジリングを摩耗させる。動作中に基板支持体232の電極にRFバイアスを提供するために、駆動回路252(例えば、以下に記載されるものの1つ)が用いられてよい。
【0054】
ガス供給システム256は、処理チャンバ228に処理ガス混合物を供給するために用いられてよい。ガス供給システム256は、処理ガス・不活性ガス源257、ガス計測システム258(上記のような弁およびマスフローコントローラ)、ならびにマニホールド259を備えてよい。ガス供給システム260は、弁261を介してプレナム220にガス262を供給するために用いられてよい。このガスは、コイル216および誘電体窓224を冷却するために用いられる冷却ガス(空気)を含んでよい。ヒータ/クーラ264は、基板支持体232を既定温度に加熱/冷却するために用いられてよい。排気システム265は、パージまたは排気によって処理チャンバ228から反応物を除去するために弁266およびポンプ267を備える。
【0055】
コントローラ254は、エッチングプロセスを制御するために用いられてよい。コントローラ254は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の供給、プラズマの点火・維持・および消弧、反応物の除去、冷却ガスの供給などを制御する。
【0056】
プラズマ処理の間、1つ以上のエッジリングを含むエッジリングシステム282は、基板234の径方向外側に設置されてよい。高さ調節システム284は、以下に示される1つ以上のリフトピンを備える。高さ調節システム284は、エッジリングシステム282の1つ以上のエッジリングの高さを調節するために用いられてよい。また、エッジリングは、必要に応じて摩耗したときは取り出され、(例えば、真空搬送モジュールが用いられたときは)真空を破壊することなく交換されてよい。コントローラ254は、高さ調節システム284を制御するために用いられてよい。例えば、コントローラ254は、エッジリング289の底面を付勢するリフトピン287の垂直位置を制御するアクチュエータ285を制御する。この例では、コントローラ254は、RF曝露期間および/またはRFサイクル数に基づいてエッジリング289の位置を調節する。
【0057】
次に図3を参照すると、本開示によるエッジリングシステム300が示されている。エッジリングシステム300は、上部エッジリング310、エッジリング320、エッジリング340、およびエッジリング350を含むエッジリングの組立体を備える。図のように、上部エッジリング310は、逆「U」字形の断面を有する。上部エッジリング310は、径方向内脚313および径方向外脚314につながる環状体312を備える。いくつかの例では、上部エッジリング310は、径方向内縁318および径方向外縁319を備える。上部エッジリング310は、上部エッジリング310の上面から径方向外縁319に斜めに傾斜する傾斜面316を備える。いくつかの例ではこの角度は鋭角であるが、他の角度も用いられうる。
【0058】
上部エッジリング310は、基板の径方向外側に位置する上面を有し、基板に対して隆起している。上部エッジリング310は、プラズマに直接曝露され、他のエッジリングは、上部エッジリング310によって遮蔽されている、または、プラズマの曝露および摩耗がより少ない径方向外側の位置に設置されている。そのため、上部エッジリング310は、他のエッジリングよりも速く摩耗する。いくつかの例では。上部エッジリング310は、既定量が摩耗した後に取り外される。一般に、他のエッジリングは、交換までより長い使用期間が残っている。様々な実施形態において特定数のエッジリングが示されているが、追加のエッジリングまたはより少ないエッジリングが用いられうる。例えば、2つ以上のエッジリングを組み合わせて1つのエッジリングにすることができる、または、1つのエッジリングを2つ以上のエッジリングに分けることができる。追加のエッジリングは、カップリング、摩耗、または構造的支持に対処するため、または他の目的のために追加されうる。
【0059】
エッジリング320は、「E」字形の断面を有し、上部エッジリング310の下方に位置し、環状体322から上向きに延びる径方向内脚324、中間脚326、および外脚328を含む環状体322を備える。中間脚326は、上部エッジリング310の径方向内脚313と径方向外脚314との間に位置する。径方向内脚324は、上部エッジリング310の径方向内脚313の径方向内側で、基板128の下方に位置する。エッジリング320は、径方向内縁332および径方向外縁334を備える。エッジリング320はさらに、エッジリング320の径方向外部下面に位置する環状凹部336を備える。
【0060】
いくつかの例では、上部エッジリング310の径方向外縁319は、処理チャンバへの基板ポート229の直径よりも小さい直径を有する。いくつかの例では、エッジリング320の径方向外縁334は、処理チャンバへの基板ポート229の直径よりも大きい。いくつかの例では、エッジリング320の径方向内縁332の直径は、上部エッジリング310の径方向内縁の直径よりも小さい。上部エッジリング310は、真空を破壊することなく基板ポートを通じて取り出されうるが、エッジリング320は(真空搬送モジュールが用いられた場合は真空を破壊することなく)基板ポートを通じて取り出すことができない。エッジリング320の径方向内縁332の内径がより小さく、径方向外縁334の外径がより大きいことで、粒子を防ぎ、欠陥を低減する傾向がある。
【0061】
エッジリング340は、上部エッジリング310およびエッジリング320の下に位置する。エッジリング340は、環状体342を備える。環状体342の径方向上方内面からは、上向き突出脚346が延びる。環状体342の径方向外部下面からは、下向き突出脚344が延びる。
【0062】
エッジリング350は、エッジリング340の径方向外側でエッジリング320の下方に位置する。エッジリング350は、環状体354を備える。環状体354の上部からは、径方向内向き突出脚352が延びる。その径方向外部上面からは、突出部356が上向きに延びる。エッジリング320の環状凹部336およびエッジリング350の突出部356は嵌合して、蛇行経路または階段状経路358を規定する。
【0063】
エッジリング340下方には、環状シール360がベースプレート130とエッジリング350との間に配置されている。環状シール360は、「L」字形の断面を有する。環状シール360は、環状体362、および、環状体362の下部から径方向内向きに突出する脚364を備える。いくつかの例では、結合層134の端からベースプレート130の下端まで、ベースプレート130の外面にシール材366が取り付けられる。
【0064】
いくつかの例では、シール材366および/または環状シール360は、エラストマ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セラミック材、または別の材料などの材料で作られる。環状シール360の脚364は、保持フィーチャとして機能し、プラズマ処理中の環状シール360の垂直移動を制限する。脚364がないと、環状シール360は、時間とともに上に向かって移動する傾向がある。加えて、環状シール360は、プラズマが基板支持体の末端領域に入るのを防ぐ。いくつかの例では、脚364の径方向内面372は、ベースプレート130の径方向外面373よりも小さい直径を有する。いくつかの例では、環状体362の径方向内面374は、ベースプレート130の径方向外面373よりも大きい。
【0065】
ベースプレート130は、ベースプレート支持体380、382、および384の上方に位置する。ベースプレート支持体384は、環状シール360の脚364を受け入れるために、ベースプレート130の下面下方にギャップを規定する。加熱プレート132の下方およびベースプレート130の上方には、環状シール370が結合層134の径方向外側に配置されている。環状シール370は、結合層134をプラズマ腐食および/または他の汚染から保護する。
【0066】
いくつかの例では、エッジリングシステム300は、エッジリング320、330、340、および350に対して上部エッジリング310を選択的に持ち上げるリフトピン(以下の実施形態に示される)を備える。エッジリング320および340、ならびにベースプレート130は、以下の様々な実施形態で示されるように、リフトピンが垂直に動くことができる垂直穴(例えば、図4に示された穴)を備えてよい。
【0067】
次に図4を参照すると、エッジリングシステム400が示されている。いくつかの例では、ベースプレート130は、本体418、ねじ部420、および頭部422を含む留め具410を受け入れるための垂直穴416を規定する。留め具410は、ベースプレート130の周囲に円周方向に間隔を空け、ベースプレート支持体380、382、および/または384などの下配置面にベースプレート130を取り付ける。いくつかの例では、留め具410は、ベースプレート支持体382のねじ穴に螺入される。
【0068】
プラグ430は、垂直穴416の上部開口433とおおよそ等しい直径を有する円筒体431を備える。留め具410の上面の開口435に配置された、プラグ430の下方円筒部432は、より小さい直径を有する。プラグ430の上面は、円筒体431から径方向外向きに延びるフランジ434を備える。フランジ434は、垂直穴417の上部開口433よりも大きい直径を有する。
【0069】
いくつかの例では、プラグ430は、セラミック、エラストマ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または他の耐プラズマ材料で作られる。認識されうるように、プラグ430は、他の位置でも用いられうる。
【0070】
エッジリング440は、環状体442の径方向外縁から延びる下向き突出脚444を含む環状体442を備える。上向き突出脚446は、環状体442の径方向内縁から上向きに延びる。エッジリング450は、エッジリング440の下向き突出脚444の下方に配置された環状体452を備える。
【0071】
エッジリング440の下向き突出脚444は、その下面に位置する突出部462および環状凹部460を備える。エッジリング450の環状体452は、その上面に位置する突出部466および環状凹部464を備える。エッジリング440の突出部462および環状凹部460は、エッジリング450の突出部466および環状凹部464と嵌合して、アーキングを防ぐまたは大幅に低減するために階段状経路、蛇行経路、またはラビリンス経路を提供する。認識されうるように、同様の階段状配置は、上記の環状シール360およびエッジリング340によって用いられうる。
【0072】
次に図5を参照すると、エッジリングシステム500は、逆「U」字形を有する上部エッジリング510を備える。上部エッジリング510は、径方向内脚513および径方向外脚514につながる環状体512を備える。上部エッジリング510は、径方向内縁518および径方向外縁519を備える。上部エッジリング510は、上部エッジリング510の上面から径方向外縁519まで鋭角に傾斜する傾斜面516を備える。上部エッジリング510の下方内面544(径方向外脚514と径方向内脚513との間に位置する)は、エッジリング320に対して空洞546を規定する。下方内面544は、上部エッジリング570が1つ以上のリフトピンによって持ち上げられたときに、上部エッジリング570を中心に置いて保持するように機能する。
【0073】
いくつかの例では、下方内面544は、基板128を含む平面に平行に延びる(エッジリング320から間隔を空けた、エッジリング320の中間脚326の上面のわずかに下方の位置)。径方向外脚514は、中間脚326と外脚328との間でエッジリング320に近接して延びる。エッジリング320は、リフトピンが通ることができるように垂直穴533を備える。
【0074】
エッジリング520は、環状体522、および、環状体522の径方向内面から延びる上向き突出脚524を備える。下向き突出脚526は、環状体522の径方向外部下面から下向きに延びる。垂直穴528は、リフトピン530が垂直に動くことができるように、エッジリング520の上向き突出脚524内に位置する。いくつかの例では、リフトピン530は、テーパ状の上部532を備える。エッジリング520は、ベースプレート130の垂直穴542に配置されたガイドスリーブ540のための隙間を提供するように突出部534および環状凹部535を規定する。いくつかの例では、リフトピン530は、セラミック材または他の材料で被覆される。垂直穴542は、垂直穴533および528と並んでいる。
【0075】
次に図6を参照すると、エッジリングシステム600は、ベースプレート、エッジリング、または別の種類の支持構造などの構造610を備える。構造610は、垂直穴612を規定する。外側ガイドスリーブ614は、上部開口から垂直穴612に挿入される。外側ガイドスリーブ614は、リフトピン(図示せず)を受け入れるための内側穴616を規定する。外側ガイドスリーブ614は、垂直穴612の上部開口を越えて径方向外向きに延びるフランジ部624を備える。外側ガイドスリーブ614はさらに、垂直穴612の底部開口付近で垂直穴612において下向きに延びる円筒部626を備える。いくつかの例では、内側穴616は、垂直穴612の開口下方の628で径方向に広がる。
【0076】
いくつかの例では、垂直穴612は、垂直穴612の上部の直径よりも小さい直径を有する(外側ガイドスリーブ614の円筒部626の下方に配置された)下部629を備える。内側ガイドスリーブ630は、底部開口から外側ガイドスリーブ650の内側穴616に挿入される。内側ガイドスリーブ630は、垂直穴612の底部開口を越えて径方向に延びるフランジ部634を備える。内側ガイドスリーブ630はさらに、フランジ部634から延び、内側穴638を規定する円筒部636を備える。内側ガイドスリーブ630は、外側ガイドスリーブ614の内側穴616に受け入れられる。
【0077】
構造610は、内側ガイドスリーブ630の内側穴638と並ぶ垂直穴642を規定する支持面640の上方に配置されている。リフトピン(図示せず)は、垂直穴642および内側穴638に受け入れられる。
【0078】
次に図7を参照すると、リフトピン730を案内するための下部ガイドスリーブ710は、内側穴716を規定する円筒部714から径方向外向きに延びるフランジ部712を備えることが示されている。フランジ部712の下面は、Oリング718の上面に係合するための溝717を備える。Oリング718は、下部ガイドスリーブ710によって、支持面640の上方穴部723の上面722に対して付勢される。下方穴部725は、上方穴部723の下方に位置し、上方穴部723よりも小さい直径を有する。リフトピン730は、下部ガイドスリーブ710の内側穴716、ならびに下部ガイドスリーブおよび上部ガイドスリーブの内部空洞に相互に受け入れられる。下部ガイドスリーブは、端子接合領域におけるアーキングを防ぐ、または大幅に低減する。
【0079】
次に図8を参照すると、リフトピン用の上部ガイドスリーブを備えるエッジリングシステム800が示されている。上部エッジリング810は、逆「U」字形を有し、環状体814、径方向内脚812、および径方向外脚816を備える。エッジリング820は、エッジリング810の下方に配置され、環状体822、環状体822から上向きに突出した径方向内脚824、および環状体822の中間部分から上向きに突出した中間脚826を備える。脚827は、環状体822から径方向外向きに突出し、リフトピンを受け入れるための垂直穴828を規定する。
【0080】
エッジリング830は、環状体832であって、その上面から延びる径方向内向き突出脚834、および、環状体832の径方向外部下面から下向きに延びる下向き突出脚836を備える環状体832を備える。環状体832はさらに、ガイドスリーブ850の上部を受け入れて取り囲む、環状凹部838および突出部841を規定する。突出部841は、エッジリング830の環状体832の径方向下方内面から下向きに突出する。環状体832はさらに、下方穴842と並ぶ上方穴840を備える。下方穴842は、上方穴840よりも大きい直径を有する。
【0081】
エッジリング845は、エッジリング810、820、および830の径方向外側に位置する。エッジリング845は、環状体846の中間部分から突出した径方向内向き突出部848を有する環状体846を備える。環状凹部849は、径方向内向き突出部848の上方に位置し、エッジリング810および820を受け入れるように構成されている。
【0082】
ガイドスリーブ850は、ベースプレート130の垂直穴852に配置されている。ガイドスリーブ850は、垂直穴852の上部開口を越えて径方向に延びるフランジ853を備える。ガイドスリーブ850はさらに、フランジ853から垂直穴852に沿ってその中に下向きに延びる円筒部855を備える。ガイドスリーブ850は、内側穴854を規定する。いくつかの例では、エッジリング830の下方で、ベースプレート130とエッジリング845の環状体846との間に、セラミックバンド872が配置される。
【0083】
上部ガイドスリーブ880は、穴842に受け入れられる。上部ガイドスリーブ880は、細長いドーナツ形状を有し、中央垂直穴882を備える。リフトピン884は、ガイドスリーブ850の内側穴854、エッジリング830の上方穴840および下方穴842、上部ガイドスリーブ880の中央垂直穴882、ならびにエッジリング820の垂直穴828に受け入れられる。上部ガイドスリーブ880は、アーキングを低減する。
【0084】
前述は本質的に単なる説明であり、本開示、その適用、または使用を決して限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、本図面、本明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更形が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきでない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するように上述されているが、本開示の実施形態に関して説明されたそれらの特徴の任意の1つ以上は、他の実施形態において実施されうる、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていない場合でも)実施されうる。つまり、記載の実施形態は互いに排他的でなく、1つ以上の実施形態の相互の並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0085】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記開示において第1の要素と第2の要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、同時に、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いる論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきでない。
【0086】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。これらの電子機器は、システムの様々な構成部品または副部品を制御できる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールおよび/または特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0087】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更してよい、または現行の処理に続く処理工程を設定してよい、または新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のようにコントローラは、例えば互いにネットワーク接続された1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0089】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0090】
上述のように、コントローラは、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】