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特表2022-544026エッチングプロファイル制御のために超薄ルテニウム金属ハードマスクを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】エッチングプロファイル制御のために超薄ルテニウム金属ハードマスクを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221007BHJP
   H01L 21/3213 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/88 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505216
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020042322
(87)【国際公開番号】W WO2021021456
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】62/878,900
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/880,256
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/582,297
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ル,イェン-ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,カイ-フン
(72)【発明者】
【氏名】ラリー,アンジェリーク
【テーマコード(参考)】
5F004
5F033
【Fターム(参考)】
5F004DA04
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA26
5F004EA05
5F004EA06
5F004EA07
5F004EB01
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ13
5F033QQ26
5F033QQ48
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR08
(57)【要約】
一例では超小型電子ワークピースである、基板を処理する方法が開示され、この方法は多層金属ハードマスク(MHM)層を形成することを含み、多層MHMのうちの少なくとも1層の下層がルテニウム(Ru)で構成されている。Ru MHM層は、基板上の1層以上の下地層の上に形成された原子層堆積(ALD)Ru MHM層であり得る。ALD Ru MHM層がエッチングされて、パターニングされたALD Ru MHM層が提供されてもよく、次いで、1層以上の下地層を、少なくとも部分的に、パターニングされたALD Ru MHM層をマスクとして使用してエッチングして、1層以上の下地層の一部分を保護してもよい。一実施形態では、下地層のうちの少なくとも1層がハードマスク層である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、前記方法は、
少なくとも第1の金属ハードマスク層と、前記第1の金属ハードマスク層の下にある第2の金属ハードマスク層とを含む多層ハードマスクスタックを形成することであって、前記第2の金属ハードマスク層は、ルテニウムを含むルテニウム金属ハードマスク層であり、形成された前記多層ハードマスクスタックは、前記基板上の1層以上の下地層の上に重なっている、ことと、
前記多層ハードマスクスタックをエッチングして、パターニングされたルテニウム金属ハードマスク層を提供して、前記1層以上の下地層の一部分を露出させることと、
前記1層以上の下地層の露出されていない一部分を保護するためのマスクとして、パターニングされた前記ルテニウム金属ハードマスク層を使用して、前記1層以上の下地層の前記露出された一部分をエッチングすることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は95%以上のルテニウムを含む材料である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は70パーセント以上のルテニウムを含む材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積により形成され、20nm以下の厚さを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は10nm以下の厚さを有する、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は20nm以下の厚さを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1層以上の下地層は誘電体ハードマスク層を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸素を含むプラズマを用いるプラズマエッチングプロセスで前記ルテニウム金属ハードマスク層をエッチングすることを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記1層以上の下地層の前記エッチングはビアを形成することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は10nm以下の厚さを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1層以上の下地層は誘電体ハードマスク層を含み、前記ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積プロセスを利用することにより前記誘電体ハードマスク層の上に形成され、前記方法は、酸素を含むプラズマを使用するプラズマエッチングプロセスを用いて前記ルテニウム金属ハードマスク層をエッチングすることを更に含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1層以上の下地層は誘電体ハードマスク層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は前記誘電体ハードマスク層の上に形成される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の金属ハードマスク層は窒化チタン層である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記誘電体ハードマスク層は、SiN、SiO2、又はSiONのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積により形成され、20nm以下の厚さを有し、
前記多層ハードマスクスタックの前記エッチングは、前記第1の金属ハードマスク層をエッチングする第1のエッチングプロセスと、前記ルテニウム金属ハードマスク層をエッチングする第2のエッチングプロセスとを含み、前記第1のエッチングプロセスと前記第2のエッチングプロセスとは異なり、前記第1のエッチングプロセスを実行した後と前記第2のエッチングプロセスを実行する前との間に、追加のパターニングされた層が前記多層ハードマスクスタック上に形成されない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のエッチングプロセスは、酸素ベースのプラズマエッチングを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1層以上の下地層の前記エッチングはビアを形成することを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積により形成され、20nm以下の厚さを有し、
前記多層ハードマスクスタックの前記エッチングは、前記第1の金属ハードマスク層をエッチングする第1のエッチングプロセスと、前記ルテニウム金属ハードマスク層をエッチングする第2のエッチングプロセスとを含み、前記第1のエッチングプロセスと前記第2のエッチングプロセスとは異なり、前記第1のエッチングプロセスを実行した後に、かつ前記第2のエッチングプロセスを実行する前に、追加のパターニングされた層が前記多層ハードマスクスタック上に形成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のエッチングプロセスは、酸素ベースのプラズマエッチングを含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年7月26日に出願された「Method and System For Developer Drain Monitoring」と題する米国仮特許出願第62/878,900号、2019年7月30日に出願された「Method For Using Ultra Thin Ruthenium Metal Hard Mask For Etching Profile Control」と題する米国仮特許出願第62/880,256号、及び、2019年9月25日に出願された「Method For Using Ultra Thin Ruthenium Metal Hard Mask For Etching Profile Control」と題する米国非仮特許出願第16/582,297号の優先権を主張し、その開示は全体が本明細書に明示的に参照援用される。
【背景技術】
【0002】
本開示は、例えば超小型電子ワークピースなどの基板の処理に関する。具体的には、本開示は基板にパターニングする方法を提供する。一実施形態では、本方法は、半導体基板を処理するためのものであり得る。
【0003】
超小型電子ワークピース内のデバイス形成は通常、基板上の多くの材料層の形成、パターニング、及び除去に関係する一連の製造技術に関連する。現在の及び次世代のデバイスの物理的及び電気的仕様を満足するために、処理フローは、様々なパターニング処理に対する構造的完全性を維持する一方で、形体の寸法を低減させている。
【0004】
超小型電子ワークピース上に形成される一部のデバイスでは、パターニングされた導電層により形成された導電性インターコネクトに到達するために1つ以上の層にビアが形成される。例えばバックエンドオブライン(BEOL)エッチングプロセスを使用する、このビア形成に対する限界寸法(CD)は、典型的には、電子デバイスを適切に機能させるために正確に制御される必要がある。ビアCDがターゲットのビアCDよりも小さいと、メタライゼーションプロセス工程中にビアを金属又は導電性材料で充填することは困難になるであろう。更に、これらの小さなビア内に形成された金属インターコネクトの抵抗は、金属の断面積が小さくそれが電気的特性に影響を与えるために増加することになる。ビアCDがターゲットのビアCDよりも大きい場合、メタライゼーション後に2つの隣接する金属インターコネクト間で短絡が生じる可能性があり、この短絡は電子デバイスの故障につながる可能性がある。
【0005】
超小型電子ワークピースのパターニングされた構造内でのビアの形成を容易にするために、以前のプロセスソリューションは、エッチングされるべきでない下地層の一部分をカバーするパターニングされたマスクとして金属ハードマスク(MHM)層及びハードマスク(HM)層を使用してきた。例えば、窒化チタン(TiN)は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO2)、酸窒化ケイ素(SiON)、又は他の類似した材料などの、HM層に使用される典型的な材料と比較してエッチングに対する耐性が高いので、MHM層の材料として使用されてきた。これらの従来のプロセスソリューションでは、パターニングされた構造を形成するエッチングプロセス(例えば、デュアルダマシン構造を形成するBEOLエッチング)中にビアCDをより良好に制御するために、MHM層はHM層の上に形成される。しかしながら、TiN MHM層は、ビア形成を含むパターニングされた構造の形成のためにHM層に開口するエッチングプロセス中に依然としてエッチングに曝される。TiN MHM層のこの望ましくないエッチングにより、ビアCDがターゲットビアCDよりも大きくなる可能性があり、限界寸法の局所的な均一性(LCDU)が低下する可能性がある。
【0006】
従来のソリューションは、典型的には、MHM層として、SiN HM層上に形成されたTiNを使用する。従来のソリューションは、TiN上に追加のHM層を含む場合もある。しかしながら、TiN MHM層がビア開口工程で開口されて、下にあるSiN HM層においてもビアが開口され得る場合、このエッチングに使用される一般的な化学物質(例えば、塩素(Cl2)及びアルゴン(Ar)を含むエッチング化学物質)はまた、図1A図1B(従来技術)に示すように、下にあるSiN HM層もエッチングし、下にあるSiN HM層内にガウジング(gouging)を形成することになる。更に、ガウジングのレベルは、典型的には、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)ラグの変動などのエッチングプロセスの変動により、基板全体にわたって様々な場所で異なる。密度がより高いパターンは通常、ガウジングのレベルがより低く、密度がより低いパターンは通常、ガウジングのレベルがより高い。ガウジングのレベルが異なることより、下地のHM層、超低誘電率(ULK)層、バリア低k(Blok)層、及び/又は他の層に対するエッチング工程など、下地層をエッチングするために使用されるエッチング工程の後に、異なるビアCDが形成されることになる。結局は、金属(M)層など、下にある導電層へのコンタクトビアの最終的なビアCDは互いに大幅に異なることになる。
【0007】
ここで、図1A(従来技術)を参照すると、超小型電子ワークピース上に形成された複数層に関する一実施形態100が示され、複数層は、MHM層としてのTiN層104及びHM層としてのSiN層106を含む。酸化物層102(例えば、SiO2)がTiN層104上に形成されパターニングされ、MHM開口プロセスの一部として追加のHMとして機能する。これらの層102/104/106の下にある他の層は、ULK層などの誘電体層108、Blok層110、及び追加の誘電体層112を含む。金属(M)導電性領域などの導電性領域114が、誘電体層112内に形成されている。図1B(従来技術)は、導電性領域114の上方において垂直方向にTiN MHM層104内にビアを開口するために、エッチングプロセスを使用してTiN MHM層104の一部分を除去した後の例示的な実施形態120である。TiN MHM層104内のこのビアは、SiN層106まで下に延びている。しかしながら、このビア形成のためのエッチングプロセスは、上述したように、下にあるSiN層106内にガウジ(gouge)122を残す可能性があり、このガウジ122により、超小型電子ワークピースの基板全体にわたって形成された他のビアよりもSiN層106が薄くなる。更に、ガウジングの量は、例えばRIEラグの変動などのエッチングプロセスの変動に起因して、異なるビア間で変動する可能性がある。
【0008】
従来のソリューションにおけるMHM材料としてのTiNのこの使用に関する別の問題は、TiN MHM層が、以降の、下にあるHM層、ULK層、Blok層、及び/又は他の下地層へのエッチングなどの、下地層へのエッチングプロセス工程中に、多くの場合に侵食されることである。本明細書に記載されるように、これらの層に開口するために使用される化学物質も、TiN MHM層をエッチングする傾向がある。例えば、図2A図2Cに示すように、このような下地層のエッチング中に、TiN MHM層内に横方向のエッチングが発生する可能性があり、TiN MHM層の上部が消費される可能性もある。この望ましくないエッチングが、ビアCDをターゲットCD値よりも大きくすることになる。望ましくないより大きなCD値が、金属(M)コンタクトに対する短絡を生じさせ、及び/又は(ULK層などの)下地層におけるビアのプロファイルをより歪ませる可能性がある。更に、TiN残渣は、典型的には、ビア及びトレンチエッチング工程中にTiN MHM層のこの横方向エッチングから生じることになり、この残渣は、ビア開口プロセスに関連する歩留まりと、超小型電子ワークピース上に形成される、結果として生じる電子デバイスとに悪影響を及ぼし得る。
【0009】
ここで図2A(従来技術)を見ると、超小型電子ワークピース上に形成された複数の層に関する一実施形態200が示される。図1A図1B(従来技術)と同じように、複数の層は、誘電体層102、HM層として機能するSiN層106上に形成されたMHM層としてのTiN層104を含む。他の層は、ULK層などの誘電体層108、Blok層110、及び誘電体層112を含む。加えて、図1B(従来技術)に示される構造上に、保護及び平坦化層としてOPL(有機平坦化層)層146が形成され、OPL層146上にシリコン反射防止コーティング(SiARC)層144及びフォトレジスト(PR)層142が形成されパターニングされている。
【0010】
図2B(従来技術)は、エッチングプロセスを使用して、導電性領域114の上方において垂直方向にSiN層106に至るまでOPL層146内にビアを開口した後の例示的な実施形態220である。このビア形成により、下にあるSiN層106内のガウジ122が露出する。
【0011】
図2C(従来技術)は、更なるエッチングプロセスを使用して、導電性領域114上に形成されたビア内のSiN層106を除去した後の例示的な実施形態240である。MHM層として使用されるTiN層104は、この更なるエッチングプロセスの一部として多くの場合に侵食される。TiN MHM層104におけるこの侵食184、及び酸化物層102における同様の侵食182は、ビアにとって所望のターゲット限界寸法(CD)よりも大きいCD 188をもたらす。更に、SiN層106内のガウジング122により、誘電体層112内にもガウジング186が生じることになる。更に、基板全体にわたる様々なビアに対してSiN層106内のガウジング122のレベルが異なることにより、これらの様々なビアに対して、誘電体層112内に様々なレベルのガウジング186が生じることになる。究極的に、CDの変動とガウジングの変動は、後で導電性領域114に至るまで形成されるビアのCDに望ましくない変動をもたらし、これらの望ましくない変動は、製造される超小型電子ワークピース内に形成される最終的な電子デバイスにおいて欠陥及び性能の問題につながる可能性がある。
【0012】
改善されたパターニングプロセスを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
金属ハードマスク(MHM)層用の追加の材料を使用して、下にあるパターニングされた導電層などの下地層へのビア形成を含む、パターニングされた構造の形成において、限界寸法(CD)をより良好に制御する実施形態が本明細書に記載される。この追加の材料は、Ruを使用して、及び/又は本明細書に記載されるプロセス工程に関してRuと類似の特性を有するRu含有材料を使用して実現される、Ru MHM層などのルテニウム(Ru)層として提供される。更に、本明細書に記載されるプロセス工程に関してRuと類似の特性を有する他の金属又は金属含有材料もまた使用できる。一実施形態では、Ru MHM層をTiN MHM層の下に配置してパターニングされたマスク層として利用して、超小型電子ワークピースの製造用のエッチングプロセス中に、例えば下地層を通してビアを形成するためのエッチングプロセス中に、下地層の一部分を保護することができる。TiN MHM層の下にRu MHM層を追加することにより、最終構造のエッチングプロファイルをより適切に制御しRIEラグを排除できる。なぜなら、RuはTiNエッチングに対して高いエッチング耐性を有し、更に他の多くのBEOLエッチングレシピに対してTiNよりも高いエッチング耐性を有するからである。このように、少なくとも部分的にRuの下地層で構成されるMHMが、改善された基板処理フローを提供する。Ruは他のエッチングに対して高いエッチング耐性を示すので、Ruは薄いRu層であってもよい。したがって、パターニングの目的を更に複雑にし得る厚いプロセス層を追加する必要なく、上述した利益を得ることができる。一実施形態では、Ru層は、原子層堆積(ALD)により堆積される層であり得る。いくつかの実施形態では、Ru層は厚さが2~5nmでありさえすればよい。異なる又は追加の特徴、変形形態、材料及び実施形態も実施することができ、関連システム及び方法も利用することができる。
【0014】
一実施形態では、多層MHM層を形成することを含む超小型電子ワークピースを処理する方法が開示され、多層MHMのうちの少なくとも1層の下層がRuで構成されている。Ru MHM層は、基板上の1層以上の下地層の上に形成されたALD Ru MHM層であり得る。ALD Ru MHM層がエッチングされて、パターニングされたALD Ru MHM層が提供されてもよく、次いで、1層以上の下地層を、少なくとも部分的に、パターニングされたALD Ru MHM層をマスクとして使用してエッチングして、1層以上の下地層の一部分を保護してもよい。
【0015】
本明細書に開示される技術の一実施形態では、基板を処理する方法が提供される。本方法は、少なくとも第1の金属ハードマスク層と、第1の金属ハードマスク層の下にある第2の金属ハードマスク層とを含む多層ハードマスクスタックを形成することを含んでもよく、第2の金属ハードマスク層は、ルテニウムを含むルテニウム金属ハードマスク層であり、形成された多層ハードマスクスタックは、基板上の1層以上の下地層の上に重なっている。本方法は、多層ハードマスクスタックをエッチングして、パターニングされたルテニウム金属ハードマスク層を提供して、1層以上の下地層の一部分を露出させることと、1層以上の下地層の露出されていない一部分を保護するマスクとして、パターニングされたルテニウム金属ハードマスク層を使用して、1層以上の下地層の露出された一部分をエッチングすることと、を更に含む。
【0016】
本方法の特定の一実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は95%以上のルテニウム(Ru)を含む材料である。別の実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は70%以上のルテニウムを含む材料である。別の実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積により形成され、20nm以下の厚さを有する。本方法の別の実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は10nm以下の厚さを有する。本方法の別の実施形態では、本方法は、ルテニウム金属ハードマスク層を、酸素を含むプラズマを使用するプラズマエッチングプロセスでエッチングすることを更に含む。いくつかの実施形態では、1層以上の下地層のエッチングはビアを形成することを含む。本方法の一実施形態では、1つ以上の下地層は誘電体ハードマスク層を含む。一実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は誘電体ハードマスク層の上に形成される。別の実施形態では、第1の金属ハードマスク層は窒化チタン層である。別の実施形態では、ハードマスク層は、SiN、SiO2、又はSiONのうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
上述した本方法の1つの代替的な実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積により形成され、20nm以下の厚さを有し、多層ハードマスクのエッチングは、第1の金属ハードマスク層をエッチングする第1のエッチングプロセスと、ルテニウム金属ハードマスク層をエッチングする第2のエッチングプロセスとを含み、第1のエッチングプロセスと第2のエッチングプロセスとは異なり、第1のエッチングプロセスの実行と第2のエッチングプロセスの実行との間に、追加のパターニングされた層が多層ハードマスク上に形成されない。上述した本方法の第2の代替的な実施形態では、ルテニウム金属ハードマスク層は、原子層堆積により形成され、20nm以下の厚さを有し、多層ハードマスクのエッチングは、第1の金属ハードマスク層をエッチングする第1のエッチングプロセスと、ルテニウム金属ハードマスク層をエッチングする第2のエッチングプロセスとを含み、第1のエッチングプロセスと第2のエッチングプロセスとは異なり、第1のエッチングプロセスを実行した後であるが第2のエッチングプロセスを実行する前に、追加のパターニングされた層が多層ハードマスク上に形成される。
【0018】
本発明及びその利点のより完全な理解が、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって得ることができ、図面では、同様の参照番号が同様の特徴を示す。しかしながら、添付の図面は開示される概念の例示的な実施形態のみを示しており、したがって範囲を限定するものと見なすべきではなく、開示される概念を他の同等に効果的な実施形態にも適用できることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1A-1Bは、HM層に至る開口部がMHM層内に形成される従来のプロセスフローの例示的な実施形態を示す。
図2図2A-2C(従来技術)は、MHM層及びHM層の下地層内にビアを形成する従来のプロセスフローの例示的な実施形態を提供し、そのときMHM層の横方向侵食が生じている。
図3図3A-3Cは、多層MHMが利用されるプロセスフローの例示的な実施形態を提供し、下にあるHM層に至る開口部を多層MHM内に形成する間に、ルテニウム又はルテニウムを含む材料が下部MHMとして使用される。
図4図4A-4Cは、図3A図3Cのプロセスフローの後に実行され得るプロセスフローの例示的な実施形態を提供する。
図5図5A-5Dは、図3A図3Bのプロセスフローの後に実行され得るプロセスフローの例示的な実施形態を提供する。
図6】本明細書に記載される技術を利用した例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
MHM層用の追加の材料を使用して、下にあるパターニングされた導電層などの下地層へのビア形成を含む、パターニングされた構造の形成において、限界CDをより良好に制御する実施形態が本明細書に記載される。この追加の材料は、Ruを使用して、及び/又は本明細書に記載されるプロセス工程に関してRuと類似の特性を有するRu含有材料を使用して実現される、Ru MHM層などのRu層として提供される。更に、本明細書に記載されるプロセス工程に関してRuと類似の特性を有する他の金属又は金属含有材料もまた使用できる。一実施形態では、Ru MHM層をTiN MHM層の下に配置してパターニングされたマスク層として利用して、エッチングプロセス中に下地層の一部分を保護することができる。一実施形態では、超小型電子ワークピースの製造のために下地層を通してビアを形成するために、エッチングプロセスが使用される。Tin MHM層の下にRu MHM層を追加することにより、最終構造のエッチングプロファイルをより適切に制御しRIEラグを排除できる。なぜなら、RuはTiNエッチングに対して高いエッチング耐性を有し、更に他のBEOLエッチングレシピに対してTiNよりも高いエッチング耐性を有するからである。したがって、エッチングされているパターンのプロファイルをより良好に制御することができ、HM層のガウジングの影響を打ち消すことができる。
【0021】
このように、少なくとも部分的にRuの下地層で構成される多層MHMが、改善された基板処理フローを提供する。Ruは他のエッチングに対して高いエッチング耐性を示すので、Ruは薄いRu層であってもよい。したがって、パターニングの目的を更に複雑にし得る厚いプロセス層を追加する必要なく、上記の利益を得ることができる。一実施形態では、Ru層は、原子層堆積(ALD)により堆積される層であり得る。いくつかの実施形態では、Ru層は厚さが2~5nmでありさえすればよい。異なる又は追加の特徴、変形形態、材料及び実施形態も実施することができ、関連システム及び方法も利用することができる。
【0022】
一実施形態では、多層MHM層を形成することを含む超小型電子ワークピースを処理する方法が開示され、多層MHMのうちの少なくとも1層の下層がRuで構成されている。Ru MHM層は、基板上の1層以上の下地層の上に形成されたALD Ru MHM層であり得る。ALD Ru MHM層をエッチングして、パターニングされたALD Ru MHM層を提供することができる。次いで、1層以上の下地層を、少なくとも部分的に、パターニングされたALD Ru MHM層をマスクとして使用してエッチングして、1層以上の下地層の一部分を保護してもよい。
【0023】
図3A図5Dは、本明細書に記載される概念の使用を示す例示的なプロセスフローを示す。当業者は十分に理解するように、これらプロセスフローは単なる例示であり、本明細書に記載される概念は、多くの他のプロセスフローで利用され得ることが理解されるであろう。
【0024】
したがって、例えば図示するように、一実施形態では、下地層(例えば、超低誘電率(ULK)層)におけるビアCDをより良好に制御するために、本明細書に開示される実施形態はMHM層の下地層としてRuを導入し、Ru層は基板の1層以上の下地層上に堆積される。一実施形態では、下地層は、SiN、SiO2、SiON、それらの組み合わせ、及び/又は類似の材料を含む従来のハードマスク層であり得る。Ru MHM層は、Ruを使用して、及び/又は本明細書に記載されるプロセス工程に関してRuと類似の特性を有するRu含有材料を使用して実現され得る。例えばTiNなどのMHM層をエッチングするために使用される典型的なMHMエッチングは、Ru含有層に対して高いエッチング選択性を有し得る。更に、Ru MHM層をエッチングするために使用されるエッチングは、Ru層の下地層に対して(従来のMHMエッチングプロセスと比較して)高いエッチング選択性を有し得る。なぜなら、Ruは、典型的なTiN層、HM層、及びHM層の下にある層のエッチングのために使用される典型的なエッチング化学物質(例えば、Cl2、N2、Ar、及びCプラズマ化学物質)によりエッチングされないか又は殆どエッチングされないからである。例えば、HM層の下にある他の典型的な層は、ULK層及びBlok層を含む。Ruは典型的には、例えば酸素(O2)ベースの化学物質を使用して、効果的にエッチングされてRuO4が形成される。エッチングに添加され得る他のガスには、N2、Cl2、及び/又はArが含まれる。したがって、Ruは、標準のBEOLエッチングプロセスなどの標準のエッチングプロセス中に侵食されることはなく、Ru MHM層は元のプロファイル及び厚さを維持することになる。Ru MHM層を使用すると、このような侵食が生じないことにより、ビアなどのパターニングされた構造を形成する際に、CDをより良好に制御することが可能になる。
【0025】
その上、エッチング選択性が高いことに起因して、MHM層の下にある(例えば、TiN MHM層の下にある)Ru層の厚さは非常に薄い可能性がある。一実施形態では、Ru含有層は20nm以下であり得る。別の実施形態では、Ru含有層は10nm以下であり得る。更に別の実施形態では、Ru含有層は2~5nmであり得る。Ru層は、そのような薄い厚さレベルで本明細書に記載される所望の目的を達成できるので、Ru層を追加することがプロセスフローの他のプロセス変数に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
【0026】
本明細書に記載されるRu MHM層技術は、例えば典型的なBEOLプロセス統合フローなどの、現在のエッチングプロセスに適用できる。開示された実施形態はまた、エッチングのみのソリューションの代わりに堆積-エッチングを組み合わせたソリューションが使用される場合に経験されるビアCDの歪み及びRIEラグの問題に効果的に対処する。Ru MHM層は、ウェットクリーニングにより、又は表面エッチングとクリーニングにより、エクスサイチュ(ex-situ)で除去できる。更に、Ru層はまた、Ruエッチング化学物質を用いて、ビア形成に使用されるのと同じエッチングチャンバ内でインサイチュで除去できる。更に、Ru層の薄い性質に起因して、Ru層は化学機械平坦化(CMP)プロセスにより容易に除去できる。
【0027】
従来のソリューションとは対照的に、MHM層の下にあるRu MHM層を使用する本明細書に記載される実施形態は、従来のMHMソリューションに優る重要な利点を提供する。第1に、上部MHM層(例えば、TiN MHM層)は、Ru含有層に対してTiNエッチングが有する選択的性質に起因して、Ru MHM層にガウジングを生じることなく効果的にエッチングされ得る。そのとき、Ru MHM層はO2ベースの化学物質により効果的にエッチングされ、これらの化学物質は、HM層に対する典型的なハードマスク層(例えば、SiN、SiO2、SiON、又は類似の材料を使用するハードマスク層)に対してより高い選択性を有し得るので、Ru MHM層内にビアを開口するために使用されるエッチングプロセス工程は、この下にあるHM層にガウジングを生じることなく、下にあるHM層でより良好に停止できる。したがって、HM層内へと生じるガウジングは、たとえ生じたとしても非常に僅かになり、エッチング工程を実行する際に従来のソリューションにおいて経験したRIEラグの問題はより効果的に抑制できる。更に、Ru MHM層の高いエッチング耐性により、追加の下地層(例えば、ULK層、Blok層、及び/又は他の下地層)に対する以降のエッチング工程中にRu MHM層が侵食されないことが可能になる。例えば、Ru MHM層は、(1)フッ化炭化水素ベースのエッチング(一例では、四フッ化炭素及びアルゴンエッチング)などの典型的なHMエッチング、(2)典型的な低k誘電体層エッチング及びBlokエッチング(一例では、CHxFy/N2/Arエッチング)、並びに(2)N2/H2又はCO2アッシングプロセスで使用されるような特定のアッシング工程、によって侵食されることはないであろう。
【0028】
したがって、開示された実施形態で理解されるように、Ruは、ビアCDを所望の又は標的パラメータに維持するための、典型的なMHM層の下にある追加の層として使用するのに有利な材料を提供する。ビア形成及びトレンチエッチングプロセス中にビア内にRu不純物が生成されないので、ビア開口プロセスの歩留まりもより安定することになる。
【0029】
Ru MHM層を使用する開示された実施形態の利点として以下が挙げられるが、これらに限定されない。(1)RIEラグを効果的に排除する(例えば、TiNエッチングによるRu層のガウジングが殆どない又は全くなく、SiN、SiO2、SiON、又は他の類似の材料を含み得るHM層のガウジングが殆どない又は全くない)、(2)ビアCDのより良好な制御(例えば、ビア及びトレンチエッチング工程中のRu MHM層の侵食がない)、及び(3)ビア開口プロセスの歩留まりを確保するのに役立つ(例えば、ビア形成及びトレンチエッチング工程中にRu残渣が生成されない)。
【0030】
開示された一実施形態では、Ru層は、追加のMHM層として、(1)上部MHM層(例えば、TiN層)の下に、及び(2)例えば、SiN HM層などのHM層の上に形成される。一実施形態では、Ru層は、1つ以上の堆積工程を使用して形成される。Ru層は、当技術分野で周知のような、化学気相堆積、プラズマ堆積などを含む多種多様な堆積プロセスのいずれかにより形成され得る。好ましい一実施形態では、薄いRu層は、これも当技術分野では公知の原子層堆積技術を利用して形成され得る。
【0031】
図3A図3C図4A図4C、及び図5A図5Dを参照すると、ビアの形成のためのプロセス工程が示され、Ru MHM層が上部MHM層の下に使用されて、下地層を保護し、CD制御を改善している。図3A図3C図4A図4D、及び図5A図5Dに示すように、代替プロセスフローが開示される。しかしながら、これらのプロセスフローは、本明細書に開示される技術を組み込むことができるプロセスフローの単なる例であり、他のフローを利用することができる。第1の例示的な実施形態では、プロセスフローは、図3A図3B図3C図4A図4B、及び図4Cに示すプロセス工程を含む。第2の例示的実施形態が、図3A図3B図5A図5B図5C、及び図5Dに示す工程を組み込んでいる。
【0032】
図3Aに示すように、上部MHM層(例えば、上部TiN層104)の下に形成された、及び下にあるHM層(例えば、下にあるSiN層106)の上に形成された追加のMHM層としてRu層301を含む、超小型電子ワークピース上に形成された複数層に関する一実施形態300が示される。複数の層はまた、超低誘電体(k)層などの誘電体層108、Blok層110、及び誘電体層112を含む。金属(M)導電性領域などの導電性領域114が、誘電体層112内に形成されている。酸化物層102が、パターニングプロセスの一部として、例えば既知のリソグラフィ技術を使用して、金属ハードマスク層(TiN層104及びRu層302)上にハードマスク層として形成及びパターニングされている。したがって、図1に見られるような従来技術と比較して、図3Aの実施形態300は、別のMHM層の下に薄い追加のMHM層(この場合、Ru層301)を含む。
【0033】
図3Bは、エッチングプロセスを使用して、導電性領域114の上方においてTiN層104の一部分を除去してTiN層104内にビアを開口した後の例示的な実施形態320である。図3Bに示すように、Ru層301のエッチング耐性に起因して、上部MHM層(TiN層104)のエッチングは、Ru層301のガウジングなく達成され得る。したがって、従来のソリューションとは異なり、TiNエッチングはTiNの下にあるRu MHM層に対して高い選択性を有するので、TiN層104を通るこのビア形成はガウジ生成領域を生じない。また、複数のビアにわたって、領域304におけるガウジングは領域の幅に関係なく同じレベルに維持される。
【0034】
図3Bの処理後、代替プロセスフローに従ってもよい。第1のプロセスフロー(図3C図4A図4B、及び図4C)では、Ru層301は、図3Cに示すようにエッチングされ得る。したがって、このプロセスフローでは、図3Cに示す構造の上に追加の後続プロセス層が形成される前に、Ru層301がエッチングされる。本明細書で述べるように、一実施形態では、Ru層301のエッチングは、O2ベースの化学物質を使用するプラズマエッチングであり得る。O2化学物質は下にあるHM層(例えば、SiN層106)に対して高い選択性を有するので、(従来技術の図1Bで上述したようなプロセスフローとは対照的に)、図3Cに示すように、下にあるHM層へのエッチングなしにRu層301がエッチングされ得る。
【0035】
ここで図4Aを見ると、超小型電子ワークピース上に形成された複数の層に関する一実施形態400が示され、これは、図3Cの実施形態340のプロセス工程の上方に引き続いて形成された追加の層を含む。図4Aに示すように、OPL層146は、図3Cの構造上に平坦化及び保護層として形成されている。更に、SiARC層144及びPR層142がOPL層146上に形成されパターニングされている。図4Aの追加の層は単に例として示され、他の積層及び他のパターニング技術が利用され得る。代替プロセスの1つは、例えば、OPL、SiON、下部反射防止コーティング(BARC)、及びPR層の積層である。
【0036】
図4Bは、エッチングプロセスを使用して、導電性領域114の上方においてSiN層106に至るまでOPL層146内にビアを開口した後の例示的な実施形態420である。図4Bに示すように、このビア形成は、領域304を、下にあるSiN層106に露出させる。しかしながら、OPL層はまた、上部HM層をもエッチングする可能性があり、その場合、OPLエッチングはTiN層104上で停止することが理解されるであろう。また更なる別の実施形態では、OPLエッチングはまた、酸化物層102とTiN層104との組み合わせを(全部又は部分的に)エッチングし、Ru層301で停止し得る。次に、図4Cは、SiN層106を除去するために更なるエッチングプロセスが使用された後の例示的な実施形態440である。従来のソリューションとは対照的に、Ru層301は、この更なるエッチングプロセスの一部として侵食されていない。酸化物層102、更にはTiN層104にはまだ侵食182が存在するが、Ru層301に侵食がないことにより、SiN層106を通して形成されたビアに対する限界寸法(CD)404の制御が改善される。更に、ガウジング402が(SiN層106のエッチングにより、下にある誘電体層108内に)存在する場合、より良好に制御(又は排除)し所望の限界寸法に制限することができ、更に、いかなるガウジング402も、超小型電子ワークピース用の基板全体にわたる様々なビアに関してより一貫性を有することになる。この一貫性は、後で導電性領域114に至るまで形成されるビアに一貫性のあるCDをもたらし、それにより、製造される超小型電子ワークピース内に形成される最終的な電子デバイスの性能が改善する。
【0037】
上述したように、図3Bのプロセス工程の後に代替的プロセスフローが実施され得る。具体的には、プロセスフローは、図3Bの工程から図5A図5Dの工程に進んでもよい。この代替的プロセスフローでは、Ru層301がエッチングされる前に、Ru層301の上に追加の層が形成され得る。したがって、図5Aの実施形態500に示すように、図3Bの処理後、OPL層146が平坦化及び保護層として、この構造上に形成される。更に、SiARC層144及びPR層142がOPL層146上に形成されパターニングされている。
【0038】
図5Bは、エッチングプロセスを使用して、導電性領域114の上方においてRu層301に至るまでOPL層146内にビアを開口した後の例示的な実施形態520である。このビア形成は、領域304を、下にあるRu層301、及びTiN層104の上のHM層(この実施形態では酸化物層102)に露出させる。しかしながら、OPL層はまた、上部HM層をもエッチングする可能性があり、その場合、OPLエッチングはTiN層104上で停止することが理解されるであろう。また更なる別実施形態では、OPLエッチングはまた、酸化物層102とTiN層104との組み合わせを(全部又は部分的に)エッチングし、Ru層301で停止し得る。次いで、図5Cの実施形態540に示すように、Ru層301は、例えば、Ruをエッチングするが下にあるハードマスク層に対して選択的であるエッチングを使用して、領域304においてエッチングされ得る。示される実施例では、Ruエッチングは酸素ベースのプラズマエッチングであり得る。これにより、領域304は下にあるSiN層106に露出される。図5Dは、SiN層106を除去するために更なるエッチングプロセスが使用された後の例示的な実施形態560である。従来のソリューションとは対照的に、Ru層301は、この更なるエッチングプロセスの一部として侵食されていない。酸化物層102、更にはTiN層104にはまだ侵食182が存在し得るが、Ru層301に侵食がないことにより、SiN層106を通して形成されたビアに対する限界寸法(CD)404の制御が改善される。更に、ガウジング402が(SiN層106のエッチングにより、下にある誘電体層108内に)存在する場合、より良好に制御(又は排除)し所望の限界寸法に制限することができ、更に、いかなるガウジング402も、超小型電子ワークピース用の基板全体にわたる様々なビアに関して一貫性を有することになる。この一貫性は、後で導電性領域114に至るまで形成されるビアに一貫性のあるCDをもたらし、それにより、製造される超小型電子ワークピース内に形成される最終的な電子デバイスの性能が改善する。
【0039】
したがって、上述したように、マスキング層を使用して、多層HM及びMHM構造の一部分を開口して露出させることができる。一実施形態では、MHMは少なくとも2つの層、すなわち、上部MHM層とRu層、で構成される。別の実施形態では、多層HM及びMHM構造は、上部ハードマスク及び下部HMを含んでもよく、その間に多層MHM構造が形成され、多層MHMのうちの少なくとも1層は、別のMHM層の下にあるRu層である。Ru層は、図3C及び図5Cに示すように、例えばO2プラズマにより、下部HM層内にガウジングを生じることなくエッチングされ得る。1つ以上のエッチングプロセス工程を使用して、RuをエッチングしてRu MHM層内にパターンを形成した後に、追加の層が堆積され得る。これらの層は、例えばスピンオンコーティングによりHM及びMHM層の上に堆積される、OPL層、SiARC層、及びPR層を含み得る。しかしながら、本明細書に記載の概念を組み込んでいる特定のプロセスフローに応じて、HM及びMHMの上に他の異なる層が利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0040】
従来技術のソリューションとは対照的に、Ru MHM層の使用により、下部HM層にガウジが生成しないように保護することができる。更に、Ruエッチングのエッチング特性により、下にあるHM層にガウジングを生じさせることなくRu層をエッチングすることが可能になる。更に、Ru層の下にある様々な層のエッチング中におけるRu層の侵食の欠如により、図4A図4C及び図5A図5Dにも示すように、Ru MHM層が侵食なしにその所望のビアCDを維持することが可能になる。Ru MHM層におけるこの侵食の欠如により、ビアCDのより正確な制御及び本明細書に記載される他の利点が可能になる。
【0041】
図4C又は図5Dのプロセス工程を経て基板を処理した後、導電性領域114へのビアを開口するための追加のエッチングが実行され得る。例えば、Blok層110などの下地層へのビアを形成するために、誘電体層108(一実施形態では、ULK層)が開口され得る。最終的に、(誘電体層108のエッチングと組み合わせて、又は別個の追加のプロセス工程として)Blok層110をエッチングすることにより、ビア形成は完了し得る。例えば、下にあるBlok層はまた、SiN HM層及びULK層のエッチング中にも完全に開口され得る。代わりに、追加のBlokエッチング工程を使用して、ビアをBlok層を通して下にあるパターニングされた導電層(例えば、金属層)まで完全に開口することもできる。その後、介在するレイヤー(例えば、OPL)が(一例ではアッシング工程を使用して)除去されて、HM層及びMHM層が露出され得る。
【0042】
例示的な一実施形態では、例えば、ビアが金属(M)層又は他の導電層の上に着地する場所においてビア形成がいったん完了すると、ビアの底部及び側壁から残渣を除去するために、ポストエッチング処理(PET)が使用され得る。PETステップの後、HM層及びMHM層の残りの部分は、様々な既知のウェットエッチング、ドライエッチング、又はCMP技術を単独で又は組み合わせて使用して、エクスサイチュ方法又はインサイチュ方法のいずれかにより除去され得る。薄いRu層(例えば、ALD Ru層)を利用する技術は、以降のRu層の除去に関して特に有益である。例えば、薄いRu層はCMPプロセスにより除去され得るが、より厚いRu層をCMPプロセスを使用して除去することは、同様に効果的であるとは言えない。薄いRu層のプラズマエッチングもまた、開示されたRu層が薄いという性質に起因して、より容易に達成され得る。
【0043】
超小型電子ワークピースは、形成されたビア内に後で金属を充填するために、連続的に処理することもできる。したがって、1つ以上のメタライゼーションプロセス工程を使用して、ビア内にこの金属を充填することができる。他の変形形態も実現され得る。
【0044】
Ru MHM層に関しては、この層はRuから、又はRu含有材料から作製できる。例示的な一実施形態では、Ru MHM層は95%以上のRuを含む材料である。別の例示的な実施形態では、Ru MHM層は70パーセント以上のRuを含む材料である。したがって、Ru層として他の材料を含むルテニウム層を利用することが、本明細書に記載されるように、その層を、上にある層に対するエッチングストップとして使用でき、下地層にガウジングを生じさせることなく適切に除去できる限り、可能であることが理解されるであろう。
【0045】
更に、上述したように、Ru層の上にあるMHM層をエッチングするエッチング技術は、Ru層に対して高い選択性を有し得る。例えば、Ru層の上にあるTiN MHM層をエッチングするために利用されるCl2/Arエッチングは、TiNエッチング速度が、一実施形態では、Ruエッチング速度の少なくとも5倍の大きさであり、別の実施形態では、少なくとも10倍の大きであるような、Ruに対する選択性を有し得る。更に、本明細書に記載される実施形態に関する、Ru MHM層をエッチングするために使用されるエッチングは、好ましくは少なくとも10又はそれを超える次の下地層に対する選択性を有する。したがって、選択されたエッチング化学物質及びプロセスについて、Ru MHM層に対するエッチング速度は、次の下地層のエッチング速度の少なくとも10倍又はそれを超えることになる。一例として、Ru MHM層のエッチング速度は、Ru MHM層に隣接して下にあるHM層(例えば、SiN、SiO2、又はSiON)の少なくとも10倍又はそれを超える。他の実施形態では、Ru MHM層は、1層以上の下地層に対して、少なくとも5又はそれを超える選択性を次の下地層に対して有する。更なる一例として、次の隣接する下地層としてSiN HM層が使用され、O2エッチング化学物質が使用される。他の変形形態も実現され得る。
【0046】
本明細書に記載される材料層を形成するために、1つ以上の堆積プロセスを使用できることに留意されたい。例えば、化学気相堆積(CVD)、プラズマ強化CVD(PECVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、スパッタ堆積、及び/又は他の堆積処理を用いて1回以上の堆積を行うことができる。プラズマ堆積処理において、炭化水素、フッ化炭化水素、又は窒素含有炭化水素、を含むがこれらに限定されない前駆体気体混合物を1つ以上の希釈気体(例えば、アルゴン、窒素等)と様々な圧力、電力、流れ及び温度条件で組み合わせて用いることができる。したがって、例えば、Ru層は、ルテニウムを形成するために利用され得る多種多様な技術のいずれかにより形成され得る。例えば、原子層堆積プロセス、スパッタリングプロセス、化学気相堆積プロセス、及び/又はプラズマ堆積プロセスなどを利用してもよい。一例では、ルテニウム層は、ルテニウム含有前駆体又はそれらの誘導体を利用する原子層堆積プロセスの使用により形成される。本明細書に記載される技術は、ルテニウム層を形成するための特定の技術に限定されないので、他のプロセスを利用してもよいことが理解されるであろう。
【0047】
前述したように、一実施形態では、Ru層は、ALDプロセスにより堆積され得る。好ましい実施形態では、Ru層は厚さが20nm未満、又はより好ましくは10nm未満、一実施形態では2~5nmのALD層であり得る。しかしながら、本明細書に記載される概念は、他のRu形成技術と共に利用され得ることが理解されるであろう。このようにして、他のMHM及びHM層の厚さと比べて、比較的薄いRu MHM層が提供される。例えば、上述したRu層の厚さと共に使用する場合、例示的なHM層の厚さの例は、例えば約20~30nmの範囲にあってもよく、他のMHM層(例えば、TiN層104)は、例えば約20~30nmの範囲にあってもよい。
【0048】
PR層に対するリソグラフィ処理は、光リソグラフィ、極紫外線(EUV:extreme ultra-violet)リソグラフィ、及び/又は他のリソグラフィ処理を使用して実施され得る。エッチングプロセスは、プラズマエッチングプロセス、放電エッチングプロセス、及び/又は他の所望エッチングプロセスを使用して実施され得る。例えば、プラズマエッチングプロセスは、フッ化炭化水素、酸素、窒素、水素、アルゴン、及び/又は他のガスを含有するプラズマを使用して実施され得る。加えて、プロセス工程の動作変数は、ビアのCD目標パラメータがビア形成中に実現されることを保証するように制御され得る。動作変数は、例えばチャンバ温度、チャンバ圧力、ガスの流量、プラズマの生成において電極アセンブリへ適用される周波数及び/又は電力、及び/又は処理工程のための他の動作変数を含み得る。本明細書で説明される技術を依然として活用しながら、変形形態も実施することができる。
【0049】
本明細書で開示される技術は、広範な基板の処理中に利用され得る。基板は、基板のパターニングが望ましい任意の基板であり得る。例えば、一実施形態では、基板は、その上に1層以上の半導体処理層(それら全てが一緒に基板を構成し得る)が形成された半導体基板であり得る。したがって、一実施形態では、基板は、多種多様な構造及び層をもたらす複数の半導体処理工程が施された半導体基板であってもよく、それらの全てが基板処理技術において知られており、それらは基板の一部と考えることができる。例えば、一実施形態では、基板は、上に1つ以上の半導体処理層が形成された半導体ウェハーであり得る。本明細書に開示される概念は、基板プロセスフローの任意の段階で、例えば、完成した基板を形成するために利用され得る多数のフォトリソグラフィ工程のいずれかで利用できる。
【0050】
図6は、本明細書に記載される処理技術を使用する例示的な方法を示す。図6の実施形態は単なる例示であり、追加の方法が、本明細書に記載される技術を利用してもよいことが理解されるであろう。更に、記載されたステップは排他的であることを意図していないので、図6に示す方法に、追加の処理ステップを追加することができる。その上、工程の順序は、異なる順序が生じる場合があり、且つ/又は様々な工程が組み合わされて若しくは同時に実施され得るので、図面に示す順序には限定されない。
【0051】
図6は、基板を処理する例示的な方法を示す。本方法は、少なくとも第1の金属ハードマスク層と、第1の金属ハードマスク層の下にある第2の金属ハードマスク層とを備える多層金属ハードマスクを形成する工程605を含み、第2の金属ハードマスク層は、ルテニウムを含むルテニウム金属ハードマスク層であり、形成された多層金属ハードマスクは、基板上の1層以上の下地層の上に重なっている。本方法は、多層金属ハードマスクをエッチングして、パターニングされたルテニウム金属ハードマスク層を提供する工程610を更に含む。本方法は、1層以上の下地層の一部分を保護するためのマスクとして、パターニングされたルテニウム金属ハードマスク層を使用して、1層以上の下地層をエッチングする工程615を更に含む。
【0052】
本発明の更なる修正形態及び代替実施形態が、本明細書の記載を考慮すると当業者には明らかになるであろう。したがって、本明細書の記載は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され且つ記載された本発明の形態及び方法は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書で例示及び記載されたものの代わりに等価な技術を使用することができ、また本発明の特定の特徴は、他の特徴の使用とは無関係に利用することができ、これらは、全て本発明の本明細書の記載の利益を享受した後に当業者に明らかになるであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
【国際調査報告】