(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(54)【発明の名称】エッチング限界寸法制御のための非共形性の高選択性膜
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20221007BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20221007BHJP
H01L 27/11556 20170101ALI20221007BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221007BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/318 B
H01L27/11556
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508770
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 US2020045699
(87)【国際公開番号】W WO2021030310
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チー, ポー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ホイユアン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ, インリー
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
【テーマコード(参考)】
5F004
5F058
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F004BD04
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA03
5F004EA28
5F004EA37
5F004EB01
5F004FA01
5F004FA08
5F058BA20
5F058BB01
5F058BB02
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5F058BC20
5F058BE04
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5F058BF22
5F058BF26
5F058BF30
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5F058BH12
5F058BJ06
5F083EP02
5F083EP76
5F083GA09
5F083GA10
5F083HA06
5F083JA60
5F083KA01
5F083PR03
5F083PR06
5F083PR07
5F101BA01
5F101BB05
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BD39
5F101BH14
(57)【要約】
半導体デバイスをエッチングする方法のための非共形性の高度に選択的なライナが記載される。方法は、基板上に膜スタックを形成すること;膜スタックをエッチングして開口部を形成すること;開口部に非共形性のライナを堆積すること;開口部の底部から非共形性のライナをエッチングすること;及び、非共形性のライナに対して膜スタックを選択的にエッチングして、ロジックホール又はメモリホールを形成することを含む。非共形性のライナは、ホウ素、炭素、又は窒素のうちの1つ以上を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法において、
基板上に酸化物材料と窒化物材料との複数の交互の層を含む膜スタックを形成することであって、前記膜スタックがスタック厚を有する、膜スタックを形成すること;
前記膜スタックを前記スタック厚未満の第1の深さまでエッチングして、少なくとも1つの側壁と底部とを備えた開口部を形成すること;
前記開口部の前記少なくとも1つの側壁及び前記底部に非共形性のライナを堆積することであって、前記開口部の前記底部にある前記非共形性のライナが前記開口部の前記少なくとも1つの側壁にある前記非共形性のライナの厚さ未満の厚さを有する、堆積すること;
前記開口部の前記底部から前記非共形性のライナをエッチングすること;
前記非共形性のライナに対して前記膜スタックを第2の深さまで選択的にエッチングして、孔を形成すること;及び
前記非共形性のライナを除去すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記スタック厚が約1μMから約10μMの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エッチングする前に、前記膜スタック上にパターン化されたハードマスクを形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パターン化されたハードマスクの開口部が、前記膜スタックのエッチングされる部分を露出する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パターン化されたハードマスクの前記開口部が約1nmから約3000nmの範囲の幅を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記非共形性のライナが、ホウ素、炭素、又は窒素のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記非共形性のライナが化学気相堆積によって堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記非共形性のライナが、前記基板をホウ素含有前駆体及び反応物質に曝露することによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記孔が、メモリホール又はワード線スリットのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の深さが約1μMから約10μMの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記孔が約50nmの縮小された反り限界寸法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記非共形性のライナが約1nmから約50nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記非共形性のライナが、酸化性雰囲気でのアニーリングを含むプロセスによって除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記アニーリングが約500℃以上の温度で実施される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
方法において、
基板上に酸化物材料と窒化物材料との複数の交互の層を含む膜スタックを形成することであって、前記膜スタックがスタック厚を有する、膜スタックを形成すること;
前記膜スタック上にパターン化されたハードマスクを形成すること;
前記膜スタックを、前記ハードマスクによって前記スタック厚未満の第1の深さまでエッチングして、少なくとも1つの側壁と底面とを備えた開口部を形成すること;
前記開口部の前記少なくとも1つの側壁及び前記底面に原子層堆積によって非共形性のライナを堆積することであって、前記開口部の前記底面における前記非共形性のライナが前記開口部の前記少なくとも1つの側壁における前記非共形性のライナの厚さ未満の厚さを有し、前記非共形性のライナがホウ素、窒素、又は炭素のうちの1つ以上を含む、非共形性のライナを堆積すること;
前記開口部の前記底面から前記非共形性のライナをエッチングすること;
前記非共形性のライナに対して前記膜スタックを第2の深さまで選択的にエッチングして、孔を形成すること;並びに
前記基板のアニーリングを実施して前記非共形性のライナを除去すること
を含む、方法。
【請求項16】
前記非共形性のライナが、前記基板をホウ素含有前駆体及び反応物質に曝露することによって形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記非共形性のライナが約1nmから約50nmの範囲の厚さを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アニーリングが酸化性雰囲気で実施される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記アニーリングが約400℃以上の温度で実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
電子デバイスにおいて、
基板上の膜スタックであって、酸化物材料と窒化物材料との複数の交互の層を含み、スタック厚を有する、膜スタック;
前記膜スタック上のパターン化されたハードマスク;
前記膜スタックに形成された第1の深さの開口部であって、前記開口部が少なくとも1つの側壁と底部とを有し、前記第1の深さが前記第1の厚さ未満である、開口部;及び
前記開口部の前記少なくとも1つの側壁及び前記底面に形成された非共形性のライナであって、ホウ素、窒素、又は炭素のうちの1つ以上を含む、非共形性のライナ
を含む、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、半導体デバイスにおけるエッチングプロセス中に保護層を形成するための堆積方法に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、半導体デバイスにおけるエッチングプロセスのための非共形性の高度に選択的なライナに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術は急速に進歩しており、デバイスの寸法は技術の進歩とともに縮小し、単位空間あたりの処理及びストレージの高速化をもたらしている。半導体技術が進歩するにつれて、市場は、より小さいチップの増加を要求し、単位面積あたりの構造物は、ますます多くなっている。小型化において多くの進歩が見られるデバイスの1種は、メモリデバイスである。
【0003】
メモリセグメントの主力の2つは、NANDフラッシュとDRAMである。DRAMは動的で揮発性があり、かつ非常に高速であることから、短期システムメモリに適している。逆に、NANDフラッシュは不揮発性(良好な保持力を有し、長期保存用にうまく機能することができることを意味する)である。需要が増加し続けるにつれて、高速、高密度、及びビットコストの低減が、これらのメモリタイプの両方の主な目標となっている。
【0004】
DRAMは、より小さいセル設計へのスケーリングの道を歩み続けてきた。この寸法の縮小は、複数のパターニング技術の導入を推進してきた。平面NANDもスケーリングの制限に直面し、最終的には垂直方向に移動するようにコース変更した。この垂直型集積により、3D NANDデバイスのリソグラフィ要件が緩和され、代わりに最も複雑なプロセスの課題が堆積及びエッチングへと移行した。さらなる高密度に対する需要が増加するにつれて、NANDデバイスの典型的なアプローチは、より多くの層をスタックすることであった。さらに層を追加すると、結果的にスタックがより厚くなり、アスペクト比の増加に起因してエッチングがますます困難になる。
【0005】
一次構造は、膜の堆積を交互に行い、次にスタック全体を通じて高アスペクト比のエッチングを完了することによって生成される。3D NANDの新しいノードはそれぞれ、プロセスをさらに高い垂直スタックへと推進する。高アスペクト比の構造は、チャネルの深さがミクロン単位であり、精度がオングストロームレベルであることから、独自のプロセス制御要件を有している。
【0006】
V-NAND又は3D-NANDの構造は、フラッシュメモリ用途で用いられる。V-NANDデバイスは、多数のセルがブロックで構成されている、垂直に積み重ねられたNAND構造である。ワード線を形成する前は、基板は層状の酸化物のスタックである。層状の酸化物と窒化物とのスタック(ON)を垂直に通る間隙又はスリットに、メモリストリングが形成される。
【0007】
大容量を実現するために、ON対及び階層の数が増加すると、例えばメモリホール又はスリットなどの特徴部のアスペクト比が大幅に増加する(>20)。結果として、これらの高アスペクト比の構造のエッチングはますます困難になっている。反り限界寸法(CD)及びデルタ限界寸法(CD)はしばしば、設計仕様から外れる。エッチングツールのハードウェアとプロセスの進歩は、これらの問題に対処するのに十分な速さではないかもしれない。
【0008】
したがって、反り限界寸法(CD)が大幅に縮小するように半導体デバイスの側壁を保護するエッチング方法が、当技術分野において必要とされている。現在のプロセスは、共形原子層堆積/分子層堆積/加熱炉(ALD/MLD/加熱炉)プロセスを使用して、炭素/ホウ素/酸化アルミニウム(C/BN/Al2O3)、又は炭素(C)ライナを堆積するプロセスか、あるいは化学気相堆積(CVD)を使用して、炭素/炭化タングステン(C/WC)ライナを堆積するプロセスのいずれかである。
【発明の概要】
【0009】
本開示の1つ以上の実施形態は、膜スタックをエッチングする方法を対象とする。該方法は、基板上に酸化物材料と窒化物材料との複数の交互の層を含む膜スタックを形成することであって、該膜スタックがスタック厚を有する、膜スタックを形成すること;膜スタックをスタック厚未満の第1の深さまでエッチングして、少なくとも1つの側壁と底部とを備えた開口部を形成すること;開口部の少なくとも1つの側壁及び底部に非共形性のライナを堆積することであって、開口部の底部における非共形性のライナが開口部の少なくとも1つの側壁における非共形性のライナの厚さ未満の厚さを有する、非共形性のライナを堆積すること;開口部の底部から非共形性のライナをエッチングすること;非共形性のライナに対して膜スタックを第2の深さまで選択的にエッチングして、孔を形成すること;並びに、非共形性のライナを除去することを含む。
【0010】
本開示の追加の実施形態は、膜スタックをエッチングする方法も対象とする。方法は、基板上に酸化物材料と窒化物材料との複数の交互の層を含む膜スタックを形成することであって、スタック厚を有する、膜スタックを形成すること;膜スタック上にパターン化されたハードマスクを形成すること;ハードマスクによって膜スタックを第1の厚さ未満の第1の深さまでエッチングして、少なくとも1つの側壁と底面とを備えた開口部を形成すること;開口部の少なくとも1つの側壁及び底面に化学気相堆積によって非共形性のライナを堆積することであって、開口部の底面における非共形性のライナが開口部の少なくとも1つの側壁における非共形性のライナの厚さ未満の厚さを有し、非共形性のライナがホウ素、窒素、又は炭素のうちの1つ以上を含む、堆積すること;開口部の底面から非共形性のライナをエッチングすること;非共形性のライナに対して膜スタックを第2の深さまで選択的にエッチングして、孔を形成すること;並びに、基板のアニーリングを実施して非共形性のライナを除去することを含む。
【0011】
本開示のさらなる実施形態は電子デバイスを対象とする。電子デバイスは、酸化物材料と窒化物材料との複数の交互の層を含み、スタック厚を有する、基板上の膜スタック;膜スタック上のパターン化されたハードマスク;膜スタックに形成された第1の深さの開口部であって、該開口部が少なくとも1つの側壁と底部とを有し、第1の深さが第1の厚さ未満である、開口部;並びに、開口部の少なくとも1つの側壁及び底面に形成された非共形性のライナであって、ホウ素、窒素、又は炭素のうちの1つ以上を含む、非共形性のライナを含む。
【0012】
本開示の上記特徴部を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しているのであり、したがって、本開示は他の同等に有効な実施形態も許容しうることから、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、例として示されているのであって、同様の参照が同様の要素を示す添付の図面の図に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による電子デバイスを形成する方法のフローチャート
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図4】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図5A】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図5B】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図6】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図7】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図8】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【
図9】本開示の1つ以上の実施形態による例示的な電子デバイス
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態も可能であり、さまざまな方法で実施又は実行することができる。
【0015】
本明細書で用いられる「約」という用語は、おおよそ又はほぼを意味し、記載された数値又は範囲の文脈では、数値の±15%以下の変動を意味する。例えば、±14%、±10%、±5%、±2%、又は±1%だけ異なる値は、約の定義を満たすであろう。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、「基板」又は「ウエハ」という用語は、処理が行われる表面又は表面の一部を指す。基板に対しての言及は、文脈上他のことが明示されない限り、基板の一部分のみを指すこともありうることもまた、当業者に理解されよう。さらには、基板上への堆積についての言及は、むき出しの基板と、1つ以上の膜又は特徴部がその上に堆積又は形成されている基板の両方を意味しうる。
【0017】
本明細書で用いられる「基板」とは、その上で製造処理中に膜処理が行われる、任意の基板表面又は基板上に形成された材料表面を指す。例えば、処理が実施されうる基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素をドープした酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープしたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及び他の導電材料などの他の任意の材料を含む。基板には半導体ウエハが含まれるが、これに限定されない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化(又は他の方法で化学官能性を付与するために目的化学部分を生成又はグラフト)、アニーリング、及び/又はベイクするために、前処理プロセスに晒されてもよい。基板自体の表面に直接処理することに加えて、本開示では、開示された膜処理工程のいずれかを、以下により詳細に開示されるように、基板上に形成された下層にも実施することができ、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、このような下層を含むことが意図されている。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合には、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。所与の基板表面が何を含むかは、どの材料が堆積されるか、並びに用いられる特定の化学物質に応じて決まる。
【0018】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、「前駆体」、「反応物質」、「反応性ガス」などの用語は、基板表面と反応することができる任意のガス種を指すために、交換可能に用いられる。
【0019】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、データの各ビットを集積回路内の個別の小さいキャパシタに格納するランダムアクセス半導体メモリの一種である。NANDデバイス及びV-NANDデバイスはいずれも、電流の不存在下でもデータを保持する不揮発性メモリの一種である、フラッシュメモリの一種である。フラッシュメモリは非常に携帯に便利であり、耐久性及び速度の他の特性と組み合わされる。V-NANDデバイスは、多数のセルがブロックで構成されている、垂直に積み重ねられたNAND構造である。
【0020】
図1を参照すると、これは、先行技術による電子デバイス10(例えば、メモリデバイス)の断面図である。ワード線の形成前は、基板は、厚さTを有する層状の窒化物/酸化物スタック15である。層状の酸化物4と窒化物6と(ON)のスタック15を垂直に通る間隙又はスリット20にメモリストリングが形成される。大容量を実現するために、ON対及び階層の数が増加すると、特徴部20(例えば、メモリホール、又はスリット)のアスペクト比が大幅に増加する(>20)。結果として、これらの構造のエッチングはますます困難になっている。反り限界寸法(CD)22及びデルタ限界寸法(CD)は、設計仕様から外れ、そのため、デバイスは設計ルールに従って機能しない。
【0021】
本開示の実施形態は、有利には、エッチングプロセス中に保護層を形成するための堆積方法を提供し、これは、側壁及び底部膜の限界プロファイル制御を可能にし、エッチングプロセス中の反り限界寸法(CD)を大幅に縮小させる。理論に縛られはしないが、1つ以上の実施形態の高度に選択的な側壁ライナは、半導体特徴部の側壁を保護するように堆積され、その結果、反りCDは、ライナを備えていない半導体特徴部と比較して大幅に縮小されると考えられる。加えて、特徴部の底部に膜プロファイルが実質的にないか、又は膜プロファイルが非常に薄いことにより、エッチングのブレークスルーが容易になる。
【0022】
図2~9を参照すると、本開示の幾つかの実施形態は、電子デバイス、例えばメモリデバイスを形成するための方法に関する。プロセスフロー図である
図2を参照すると、電子デバイスを形成する方法50は、膜スタックを形成することによる動作55から開始する。動作60では、任意選択的に、パターン化されたハードマスクが膜スタック上に形成される。動作65では、膜スタックがエッチングされる。動作70では、非共形性のライナが堆積される。動作75では、非共形性のライナがエッチングされる。動作80では、膜スタックが選択的にエッチングされる。動作85では、非共形性のライナが除去される。
【0023】
図3は、本開示の実施形態による例示的なデバイス100の断面図を示している。1つ以上の実施形態では、膜スタック150は、基板102上に堆積された窒化物材料104と酸化物材料106との複数の交互の層を含む。
【0024】
1つ以上の実施形態では、膜スタック150は、スタック厚T1を有する。幾つかの実施形態では、スタック厚T1は、約500Åから約3000Åの範囲にあり、約600Å、約750Å、約900Å、約1000Å、約1250Å、約1500Å、約1750Å、約2000Å、約2250Å、約2500Å、約2750Å、又は約2900Åを含むがこれらに限定されない。
【0025】
半導体基板102は任意の適切な基板材料でありうる。1つ以上の実施形態では、半導体基板102は、半導体材料、例えば、ケイ素(Si)、炭素(C)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン酸インジウム(InP)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、ヒ化インジウムアルミニウム(InAlAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、他の半導体材料、又はそれらの任意の組合せを含む。1つ以上の実施形態では、半導体基板102は、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、インジウム(In)、リン(P)、銅(Cu)、又はセレン(Se)のうちの1つ以上を含む。基板102を形成することができる材料の幾つかの例が本明細書に記載されているが、受動的及び能動的電子デバイス(例えば、トランジスタ、メモリ、キャパシタ、インダクタ、抵抗、スイッチ、集積回路、増幅器、光電子デバイス、又は任意の他の電子デバイス)を構築することができる基礎として機能することができる任意の材料が、本開示の趣旨及び範囲内にある。
【0026】
図4は、本開示の実施形態による例示的なデバイス100の断面図を示している。
図4を参照すると、1つ以上の実施形態では、パターン化されたハードマスク108が膜スタック150の上面に形成されている。1つ以上の実施形態では、パターン化されたハードマスク108は、任意の適切なプロセスによって形成することができる。幾つかの実施形態では、パターン化されたハードマスク108は、ブランケットハードマスクとして形成され、その後、エッチングされて、パターン化されたハードマスク108を形成する。幾つかの実施形態では、パターン化されたハードマスク108は、パターンを備えたハードマスク(例えば、パターン化された印刷)として堆積される。
【0027】
図5Aを参照すると、1つ以上の実施形態では、パターン化されたハードマスク108は、膜スタック150の一部を露出させて膜スタック150をエッチング可能にする開口部116を有する。
図5Aを参照すると、1つ以上の実施形態では、開口部116は、最初に、パターン化されたハードマスク108に形成され、膜スタック150の表面を露出させる。幾つかの実施形態では、開口部116は、約1nmから約100nm、約2nmから約80nm、約3nmから約75nm、約4nmから約50nm、又は約5nmから約50nmの範囲の幅を有する。
【0028】
図5Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、膜スタック150は、第1の深さD
1の深さまでエッチングされて、少なくとも1つの側壁112及び底面114を備えた開口部110を形成し、第1の深さD
1はスタック厚T
1未満である。1つ以上の実施形態では、エッチングプロセスは実質的に方向性がある。
【0029】
本明細書で用いられる場合、「実質的に方向性のある」エッチングプロセスとは、ある量の材料を、別の方向に対して、ある方向で除去する(例えば、トレンチの側壁をエッチングせずに、膜スタックから垂直トレンチを除去する)プロセスを指す。実質的に方向性のあるプロセスは、第1の方向に直交する第2の方向に除去される材料よりも10、20、50、又は100倍速い速度で第1の方向に材料を優先的に除去する。
【0030】
1つ以上の実施形態では、膜スタック150は、第1の深さD1の深さまでエッチングされる。第1の深さD1は、スタック厚T1未満である。別の言い方をすれば、エッチングプロセスは、膜スタック150全体をエッチングするわけではない。エッチングプロセスにより開口部110が形成される。開口部110は少なくとも1つの側壁112と底面114とを有する。1つ以上の実施形態では、第1の深さD1は、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、又は約10μMを含むがこれらに限定されない、約0.5μMから約10μM、又は約1μmから約10μMの範囲である。
【0031】
図6を参照すると、非共形性のライナ118が、開口部110の少なくとも1つの側壁112及び底面114に堆積されている。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118はホウ素(B)を含む。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、窒素(N)又は炭素(C)をさらに含む。他の実施形態では、非共形性のライナ118は、ホウ素(B)、炭素(C)、又は窒素(N)のうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、ホウ素、窒化ホウ素(BN)、炭化ホウ素(BC)、又は炭窒化ホウ素(BCN)のうちの1つ以上を含む。
【0032】
1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118は実質的に酸素を含まない。1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118は実質的にケイ素を含まない。本明細書で用いられる場合、「実質的に含まない」という用語は、非共形性のライナ118に存在する酸素又はケイ素の5%未満(4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、及び0.5%未満を含む)で存在することを意味する。理論に縛られることは意図しないが、ケイ素を実質的に含まない及び/又は酸素を実質的に含まない非共形性のライナは、ケイ素及び/又は窒素を含む非共形性のライナよりも大きい安定性を有すると考えられている。例えば、1つ以上の実施形態では、ホウ素、炭素、又は窒素のうちの1つ以上を含み、かつケイ素及び酸素を実質的に含まない非共形性のライナは、ケイ素及び酸素を含む非共形性のライナよりも大きい原子安定性を有する。
【0033】
1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118は、任意の適切なプロセスによって堆積させることができる。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、化学気相堆積(CVD)によって堆積される。
【0034】
化学気相堆積(CVD)は、基板上に層を堆積するために用いられるプロセスである。CVDは、フラックス依存性の堆積技法であり、均一な厚さの所望の層を生成するために、基板温度と処理チャンバに導入される前駆体との正確な制御を必要とする。
【0035】
1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118は、基板102をホウ素含有前駆体及び反応物質に曝露することによって形成される。1つ以上の実施形態では、ホウ素含有前駆体は、当業者に知られている任意のホウ素含有前駆体である。
【0036】
1つ以上の実施形態では、ホウ素含有前駆体は、一般式BxCyNzHvを有し、ここで、xは0超から1未満までであり、yは0から1未満までであり、zは0から1未満までであり、vは0から1未満までである。幾つかの実施形態では、ホウ素含有前駆体は、限定はしないが、例えば(BR1R2R3)mなどのホウ素(B)源の反応から得られ、ここで、R1、R2、及びR3は、水素(H)、メチル(CH3)、エチル(C2H5)、プロピル(C3H7)、CnH2n+2、CnH2n
2
-2、又はCnH2nから独立して選択され、mは8未満であり、nは8未満である。1つ以上の実施形態では、ホウ素源は、ボラン(BH3)、ジボラン(B2H6)、トリボラン(B3H5)、テトラボラン(B4H10)、ペンタボラン9(B5H9)、ペンタボラン11(B5H11)、アルキルボラン(テトラメチルジボラン((CH3)2BH)、メチルジボラン(CH3B2H5)などを含むがこれらに限定されない)のうちの1つ以上から選択される。
【0037】
1つ以上の実施形態では、炭化水素ベースの炭素源ガスは、CaH2a+2、CbH2b、CbH2b-2のうちの1つ以上から選択され、ここで、aは1以上の数であり、bは2以上の数である。1つ以上の実施形態では、炭化水素ベースの炭素源ガスは、ベンゼン(C6H6)、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)、イソブタン(C4H10)、ペンタン(C5H12)、イソペンタン(C5H12)、ネオペンタン(C5H12)、エチレン(C2H4)、プロピレン(C3H6)、イソプロピレン(C3H6)、ブチレン(C4H8)、イソブチレン(C4H8)、ペンテン(C5H10)、イソペンテン(C5H10)、ネオペンテン(C5H10)、アセチレン(C2H2)、プロピン(C3H4)、イソプロピン(C3H4)、ブタジエン(C4H6)、イソブタジエン(C4H6)、イソプレン(C5H8)などのうちの1つ以上から選択される。
【0038】
1つ以上の実施形態では、窒素源ガスは、アンモニア(NH3)、R1NH2、R1R2NH、又はR1R2R3Nのうちの1つ以上から選択され、ここで、R1、R2、及びR3は、水素(H)、メチル(CH3)、エチル(C2H5)、プロピル(C3H7)、CnH2n+2、CnH2n
2
-2、又はCnH2nから独立して選択され、nは8未満である。
【0039】
1つ以上の実施形態では、ホウ素含有前駆体は、一般式(R1R2R3)NB(R1R2R3)を有し、ここで、R1、R2、R3は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘプチル、t-ヘルプチル(t-helptyl)、n-オクチル、イソオクチル、t-オクチル、イソオクチル、t-オクチル、ベンジル、フェニルなどから独立して選択される。
【0040】
1つ以上の実施形態では、ホウ素含有前駆体はアルキルアミンボランから選択される。理論に縛られることは意図していないが、ホウ素含有前駆体の特定の選択は、ライナ118の共形性の調整を可能にすると考えられている。
【0041】
幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は連続的である。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、開口部110の底面114よりも開口部110の少なくとも1つの側壁112において、より厚くなっている。幾つかの実施形態では、開口部110の少なくとも1つの側壁112の厚さは、開口部110の底面114における非共形性のライナの厚さの約100パーセント以上、約110パーセント以上、約120パーセント以上、約125パーセント以上、約150パーセント以上、又は約200パーセント以上である。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、約1nmから約50nmの範囲の1つの側壁の厚さを有する。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、開口部110の対向する側壁112上に、開口部の全幅の約50%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、又は約10%以下を構成する厚さを有する。
【0042】
1つ以上の実施形態では、開口部110の底面における非共形性のライナの量は、開口部110の少なくとも1つの側壁における非共形性のライナの厚さ未満の厚さを有する。本明細書で用いられる場合、「実質的にない」又は「非常に薄い」膜プロファイルとは、特徴部の底面に堆積された非共形性のライナの量のことを指す。したがって、1つ以上の実施形態では、特徴部の底面に堆積される非共形性のライナの量は、開口部110の少なくとも1つの側面に堆積される非共形性のライナの量よりも約90%、95%、98%、99%、又は99.5%少なくなる。
【0043】
本明細書で用いられる場合、非共形性であるライナとは、全体にわたって(例えば、開口部110の側壁の上部、中央、及び下部、並びに底面で)厚さが異なるライナを指す。非共形性であるライナは、厚さが、約11%以上、又は約15%、又は約20%、又は約30%、又は約40%、又は約50%、又はそれより多く変動する。
【0044】
図7を参照すると、非共形性のライナ118は、開口部110の底面114からエッチングされて、膜スタック150を露出する。1つ以上の実施形態では、底面114からのこのようなエッチングは、「ボトムパンチ」と呼ばれることがある。1つ以上の実施形態では、エッチングは、当業者に知られている任意のエッチングプロセスで実施することができる。幾つかの実施形態では、エッチングは、反応性イオンエッチング(RIE)を含む。1つ以上の実施形態では、
図7を参照すると、非共形性のライナ118が開口部110の底面114からエッチングされると、実質的にすべての非共形性のライナ118が開口部110の底面114から除去され、開口部110の底面114の膜スタック150が露出する一方で、非共形性のライナ118の一部は、開口部110の少なくとも1つの側壁112上に残る。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118の約50%未満(約40%未満、約30%未満、約20%未満、又は約10%未満を含む)が、開口部110の少なくとも1つの側壁112上に残る。1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118が開口部110の底面114からエッチングされると、非共形性のライナ118の幾らかは底面114に残りうる。他の実施形態では、図示されていないが、非共形性のライナは、開口部110の底面114から完全に除去される。
【0045】
図8を参照すると、膜スタック150は、非共形性のライナ118に対して第2の深さD
2の深さまで選択的にエッチングされ、孔120を形成する。膜スタック150をエッチングすることにより、開口部110の総深さが延びて、少なくとも1つの側壁122及び孔底面124を有する孔120を形成する。1つ以上の実施形態では、孔120は、膜スタック150の長さを通じて基板102内へと延びる。他の実施形態では、第1の深さD
1と第2の深さD
2との合計は、スタック厚T
1よりも小さい。したがって、1つ以上の実施形態では、エッチングプロセスは、
図8に示されるように、膜スタック150全体を基板102までエッチングしない。
【0046】
1つ以上の実施形態では、第2の深さD2は、約0.5μMから約10μMの範囲を有し、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、又は約10μMを含むがこれらに限定されない。
【0047】
1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118の一部は、エッチング中に開口部110の少なくとも1つの側壁112から除去されて、孔120が形成される。1つ以上の実施形態では、孔120は、メモリホール又はワード線スリットを含む。孔120がメモリホール又はワード線スリットを含むこのような実施形態では、電子デバイス100は、メモリデバイス又はロジックデバイス、例えば、NAND、VNAND、DRAMなどを含む。
【0048】
本明細書で用いられる場合、「3D NAND」という用語は、メモリセルが複数の層に積み重ねられている、一種の電子(ソリッドステート)不揮発性コンピュータストレージメモリを指す。3D NANDメモリは、概して、浮遊ゲートトランジスタを含む、複数のメモリセルを含む。従来、3D NANDメモリセルは、ビット線の周りに3次元で配置された複数のNANDメモリ構造を含む。
【0049】
本明細書で用いられる場合、「ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ」又は「DRAM」という用語は、キャパシタに電荷のパケット(すなわち、バイナリ1)又は電荷なし(すなわち、バイナリ0)を格納することによってデータムビットを格納するメモリセルを指す。電荷は、アクセストランジスタを介してキャパシタにゲートされ、また、同じトランジスタをオンにしてトランジスタ出力の相互接続線に電荷パケットをダンプすることによって生成される電圧摂動を調べることによって検出される。したがって、単一のDRAMセルは、1つのトランジスタと1つのキャパシタとで構成される。
【0050】
本明細書で用いられる場合、「選択的にエッチングされる」又は同様の句は、対象材料が他の材料よりも大幅にエッチングされることを意味する。幾つかの実施形態では、「選択的に」とは、対象材料が、選択されていない表面からの除去速度の約10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、又は50倍以上の速度で除去されることを意味する。理論に縛られはしないが、非共形性のライナ118は、エッチング中に開口部110の側壁112を保護し、膜スタック150の選択的エッチングを可能にすると考えられている。
【0051】
1つ以上の実施形態では、
図9に示されるように、非共形性のライナ118は、少なくとも1つの側壁112から除去又は剥離される。
図9に示されるように、1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118が除去されるときに、パターン化されたハードマスク108も除去される。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、酸化性雰囲気でのアニーリングを含むプロセスによって除去される。幾つかの実施形態では、酸化性雰囲気は、O
2、O
3、H
2O、H
2O
2、CO、CO
2、N
2O、NO
2、又はNOのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、アニーリングは、約450℃以上、約500℃以上、約600℃以上、約750℃以上、約1000℃以上、約1100℃以上、又は約1200℃以上の温度で実施される。幾つかの実施形態では、非共形性のライナ118は、酸素プラズマ灰化を含むプロセスによって除去される。幾つかの実施形態では、酸素プラズマ灰化は、約300℃から約400℃の範囲の温度で実施される。
【0052】
理論に縛られはしないが、ホウ素を含む非共形性のライナでは、ホウ素は、蒸気アニーリングプロセスによって除去することができると考えられている。さらには、炭素を含むライナでは、炭素は、酸素プラズマ灰化プロセスによって除去することができる。
【0053】
1つ以上の実施形態では、非共形性のライナ118は、限界寸法のブローアウトが懸念される任意の高アスペクト比(AR)エッチングプロセス中に使用することができる。電子デバイスのメモリ又はワード線スリットのアスペクト比が増加すると(例えば、アスペクト比>20)、エッチングプロセスで反り及びデルタ限界寸法(CD)の縮小に問題が発生する可能性がある。1つ以上の実施形態では、高度に選択的な非共形性のライナ118は、特徴部の少なくとも1つの側壁112、122を保護し、その結果、ライナのない特徴部と比較して、反りCDが大幅に縮小する。特徴部の底部114に膜プロファイルが実質的にないか、又は非常に薄いと、
図8に示すように、2回目のエッチングのブレークスルーが容易になる。
【0054】
本開示の1つ以上の実施形態を実装することができる堆積チャンバは、他のタイプのチャンバの中でもとりわけ、化学気相堆積(CVD)チャンバ、高密度プラズマ化学気相堆積(HDP-CVD)チャンバ、プラズマ化学気相堆積(PECVD)チャンバ、準大気圧化学気相堆積(SACVD)チャンバ、及び熱化学気相堆積チャンバを含みうる。本発明の実施形態を実装することができるCVDシステムの特定の例は、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のApplied Materials,Inc.から入手可能なCENTURA ULTIMA(登録商標)HDP-CVDチャンバ/システム、及びPRODUCER(登録商標)PECVDチャンバ/システムを含む。
【0055】
説明を容易にするために、「真下」、「下」、「下方」、「上」、「上方」などの空間的に相対的な用語を使用して、図面に示されているある要素又は特徴部と別の(一又は複数の)要素又は(一又は複数の)特徴部との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスのさまざまな方向を包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図のデバイスが裏返された場合、他の要素又は特徴部の「下」又は「真下」と説明されている要素は、他の要素又は特徴部の「上」に配向されるであろう。したがって、「下」という例示的な用語は、上と下の両方の配向を包含しうる。デバイスは、別の方向に配向(90度又は他の配向で回転)されてもよく、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0056】
本明細書で論じられる材料及び方法を説明する文脈(とりわけ、以下の請求項の文脈)での「a」及び「an」及び「the」という用語、並びに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方に及ぶと解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内に入る各個別の値を個別に参照する簡単な方法として機能することを単に意図しており、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供される任意及びすべての例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に材料及び方法をより明らかにすることを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲に制限を課すことはない。明細書のいかなる文言も、特許請求されていない要素が開示された材料及び方法の実施に不可欠であることを示していると解釈されるべきではない。
【0057】
この明細書全体を通じての、「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は、「実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、この明細書全体のさまざまな箇所での「1つ以上の実施形態で」、「ある実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態において」などの表現の表出は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。1つ以上の実施形態では、特定の特徴部、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で組み合わされる。
【0058】
本明細書の開示は具体的な実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の単なる例示であるものと理解されたい。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対してさまざまな修正及び変形を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内である修正及び変形を含むことが意図されている。
【国際調査報告】