(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(54)【発明の名称】基板処理システム用の可動エッジリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221012BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20221012BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20221012BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H05H1/46 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508752
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 US2020045389
(87)【国際公開番号】W WO2021030184
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ・ロヒニ
(72)【発明者】
【氏名】スリラマン・サラヴァナプリヤン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB05
2G084BB13
2G084BB30
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD37
2G084DD67
2G084HH02
2G084HH15
2G084HH29
2G084HH30
5F004AA01
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB23
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131CA04
5F131EA03
5F131EB35
5F131EB72
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【解決手段】基板支持体は、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して上下するように構成されている外側エッジリングを含む。外側エッジリングは、基板支持体の中間リングから上方に延びるガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている。内側エッジリングは、外側エッジリングの半径方向内側に位置し、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して外側エッジリングとは独立して上下するように構成されている。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体であって、
1つまたは複数のリフトピンを介して前記基板支持体に対して上下するように構成されている外側エッジリングであって、前記基板支持体の中間リングから上方に延びるガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている外側エッジリングと、
前記外側エッジリングの半径方向内側に位置する内側エッジリングであって、1つまたは複数のリフトピンを介して前記基板支持体に対して前記外側エッジリングとは独立して上下するように構成されている内側エッジリングと
を備える、基板支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記内側エッジリングの半径方向内側に位置する固定内側リングをさらに備える、基板支持体。
【請求項3】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記ガイドフィーチャを含む前記中間リングをさらに備える、基板支持体。
【請求項4】
請求項3に記載の基板支持体であって、
前記ガイドフィーチャは、隆起した環状リムに対応する、基板支持体。
【請求項5】
請求項4に記載の基板支持体であって、
前記外側エッジリングは、前記隆起した環状リムを受け入れるように配置されている環状溝を含む、基板支持体。
【請求項6】
請求項1に記載の基板支持体を備え、さらに、(i)プラズマシースの変曲点を調整するために前記外側エッジリングの位置を調整するように構成され、前記変曲点は前記プラズマシースの調節可能な半径方向範囲を決定し、(ii)前記調節可能な半径方向範囲内で前記プラズマシースを調整するために前記内側エッジリングの位置を調整するように構成されているコントローラを備える、システム。
【請求項7】
基板支持体であって、
内側エッジリングと、
前記内側エッジリングの半径方向外側に位置する外側エッジリングと、
底部リングと、を備え、前記外側エッジリングは、前記底部リング上に配置され、前記底部リングは、1つまたは複数のリフトピンを介して前記基板支持体に対して上下するように構成され、前記底部リングを上下させることは、それに応じて前記基板支持体に対して前記外側エッジリングを上下させる、基板支持体。
【請求項8】
請求項7に記載の基板支持体であって、
前記外側エッジリングの半径方向内側に位置する固定内側エッジリングをさらに備える、基板支持体。
【請求項9】
請求項7に記載の基板支持体であって、
隔離リングをさらに備え、前記底部リングは、前記隔離リング上に配置され、前記隔離リングは、前記1つまたは複数のリフトピンを受け入れるように配置されているビアを含む、基板支持体。
【請求項10】
請求項9に記載の基板支持体であって、
前記1つまたは複数のリフトピンは、前記基板支持体のベースプレートの半径方向外側に前記ビアを通過する、基板支持体。
【請求項11】
請求項7に記載の基板支持体を備え、前記外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに備える、システム。
【請求項12】
基板支持体であって、
1つまたは複数のリフトピンを介して前記基板支持体に対して上下するように構成されている外側エッジリングであって、前記基板支持体の中間リングから上方に延びるガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている外側エッジリングと、
前記外側エッジリングの半径方向内側に位置する内側エッジリングと、
段差状の外側部分を含む底部リングとを備え、前記外側エッジリングは、前記底部リングの前記段差状の外側部分上に配置され、前記段差状の外側部分は、前記1つまたは複数のリフトピンを受け入れるように配置されているビアを含む、基板支持体。
【請求項13】
請求項12に記載の基板支持体であって、
前記ガイドフィーチャを含む前記中間リングをさらに備える、基板支持体。
【請求項14】
請求項13に記載の基板支持体であって、
前記ガイドフィーチャは、隆起した環状リムに対応する、基板支持体。
【請求項15】
請求項14に記載の基板支持体であって、
前記外側エッジリングは、前記隆起した環状リムを受け入れるように配置されている環状溝を含む、基板支持体。
【請求項16】
請求項15に記載の基板支持体を備え、前記外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに備える、システム。
【請求項17】
請求項12に記載の基板支持体であって、
前記1つまたは複数のリフトピンの少なくとも1つのリフトピンは、導電性である、基板支持体。
【請求項18】
請求項17に記載の基板支持体であって、
前記少なくとも1つのリフトピンは、前記基板支持体に提供される電力を受け取るように構成されている、基板支持体。
【請求項19】
請求項18に記載の基板支持体であって、
前記外側エッジリングは、前記少なくとも1つのリフトピンから前記電力を受け取るように構成されている、基板支持体。
【請求項20】
請求項19に記載の基板支持体であって、
前記外側エッジリングは、前記少なくとも1つのリフトピンに接触するように配置されている埋め込み金属メッシュを含む、基板支持体。
【請求項21】
基板支持体であって、
中間リングであって、内側部分、および前記中間リングから上方に延びるガイドフィーチャを含む中間リングと、
前記中間リングの前記内側部分の半径方向外側に位置し、1つまたは複数のリフトピンを介して前記基板支持体に対して上下するように構成されている外側エッジリングであって、前記ガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている外側エッジリングと
を備え、
前記中間リングの前記内側部分および前記外側エッジリングのそれぞれの上側表面の少なくとも1つは、面取りされている、
基板支持体。
【請求項22】
請求項21に記載の基板支持体であって、
段差状の内側部分を含むサイドリングをさらに備え、前記外側エッジリングは、前記サイドリングの前記段差状の内側部分上に配置され、前記段差状の内側部分は、前記1つまたは複数のリフトピンを受け入れるように配置されているビアを含む、基板支持体。
【請求項23】
請求項21に記載の基板支持体であって、
前記ガイドフィーチャは、隆起した環状リムに対応する、基板支持体。
【請求項24】
請求項23に記載の基板支持体であって、
前記外側エッジリングは、前記隆起した環状リムを受け入れるように配置されている環状溝を含む、基板支持体。
【請求項25】
請求項21に記載の基板支持体を備え、前記外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに備える、システム。
【請求項26】
請求項21に記載の基板支持体であって、
前記中間リングの前記内側部分および前記外側エッジリングの前記それぞれの上側表面の各々は、面取りされている、基板支持体。
【請求項27】
請求項21に記載の基板支持体であって、
前記中間リングの前記内側部分および前記外側エッジリングの前記それぞれの上側表面の前記少なくとも1つは、半径方向距離が増加するにつれて上方に傾斜する、基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月14日に出願された米国仮出願第62/886,692号の利益を主張する。上記で参照された出願の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムにおける可動エッジリングに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するために使用することができる。基板上で実施することができる例示的なプロセスには、限定されないが、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、導体エッチング、および/もしくは他のエッチング、堆積、または洗浄プロセスが挙げられる。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置することができる。エッチング中、1つまたは複数の前駆体を含むガス混合物を処理チャンバに導入することができ、プラズマを使用して化学反応を開始することができる。
【0005】
基板支持体は、ウエハを支持するように配置されているセラミック層を含むことができる。例えば、ウエハは、処理中にセラミック層にクランプされ得る。基板支持体は、基板支持体の外側部分(例えば、周囲の外側および/または周囲に隣接する)の周りに配置されているエッジリングを含むことができる。エッジリングは、プラズマを基板の上の容積に閉じ込め、プラズマによって引き起こされる侵食から基板支持体を保護するためなどに設けられ得る。
【発明の概要】
【0006】
基板支持体は、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して上下するように構成されている外側エッジリングを含む。外側エッジリングは、基板支持体の中間リングから上方に延びるガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている。内側エッジリングは、外側エッジリングの半径方向内側に位置し、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して外側エッジリングとは独立して上下するように構成されている。
【0007】
他の特徴において、基板支持体は、内側エッジリングの半径方向内側に位置する固定内側リングを含む。基板支持体は、ガイドフィーチャを含む中間リングを含む。ガイドフィーチャは、隆起した環状リムに対応する。外側エッジリングは、隆起した環状リムを受け入れるように配置されている環状溝を含む。システムは、基板支持体を含み、外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースの調節可能な半径方向範囲を決定するプラズマシースの変曲点を調整し、内側エッジリングの位置を調整して調節可能な半径方向範囲内でプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに含む。
【0008】
基板支持体は、内側エッジリングと、内側エッジリングの半径方向外側に位置する外側エッジリングと、底部リングとを含む。外側エッジリングは、底部リング上に配置され、底部リングは、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して上下するように構成され、底部リングを上下させることは、それに応じて基板支持体に対して外側エッジリングを上下させる。
【0009】
他の特徴において、基板支持体は、外側エッジリングの半径方向内側に位置する固定内側エッジリングをさらに含む。基板支持体は、隔離リングをさらに含み、底部リングは、隔離リング上に配置され、隔離リングは、1つまたは複数のリフトピンを受け入れるように配置されているビアを含む。1つまたは複数のリフトピンは、基板支持体のベースプレートの半径方向外側にビアを通過する。システムは、基板支持体を含み、外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに含む。
【0010】
基板支持体は、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して上下するように構成され、基板支持体の中間リングから上方に延びるガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている外側エッジリングと、外側エッジリングの半径方向内側に位置する内側エッジリングと、段差状の外側部分を含む底部リングとを含む。外側エッジリングは、底部リングの段差状の外側部分上に配置され、段差状の外側部分は、1つまたは複数のリフトピンを受け入れるように配置されているビアを含む。
【0011】
他の特徴において、基板支持体は、ガイドフィーチャを含む中間リングをさらに含む。ガイドフィーチャは、隆起した環状リムに対応する。外側エッジリングは、隆起した環状リムを受け入れるように配置されている環状溝を含む。システムは、基板支持体を含み、外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに含む。
【0012】
他の特徴において、1つまたは複数のリフトピンの少なくとも1つのリフトピンは、導電性である。少なくとも1つのリフトピンは、基板支持体に提供される電力を受け取るように構成されている。外側エッジリングは、少なくとも1つのリフトピンから電力を受け取るように構成されている。外側エッジリングは、少なくとも1つのリフトピンに接触するように配置されている埋め込み金属メッシュを含む。
【0013】
基板支持体は、中間リングであって、内側部分、および中間リングから上方に延びるガイドフィーチャを含む中間リングと、中間リングの内側部分の半径方向外側に位置し、1つまたは複数のリフトピンを介して基板支持体に対して上下するように構成されている外側エッジリングとを含む。外側エッジリングは、ガイドフィーチャと連動するようにさらに構成されている。中間リングの内側部分および外側エッジリングのそれぞれの上側表面の少なくとも1つは、面取りされている。
【0014】
他の特徴において、基板支持体は、段差状の内側部分を含むサイドリングをさらに含み、外側エッジリングは、サイドリングの段差状の内側部分上に配置され、段差状の内側部分は、1つまたは複数のリフトピンを受け入れるように配置されているビアを含む。ガイドフィーチャは、隆起した環状リムに対応する。外側エッジリングは、隆起した環状リムを受け入れるように配置されている環状溝を含む。システムは、基板支持体を含み、外側エッジリングの位置を調整してプラズマシースを調整するように構成されているコントローラをさらに含む。
【0015】
他の特徴において、中間リングの内側部分および外側エッジリングのそれぞれの上側表面の各々は、面取りされている。中間リングの内側部分および外側エッジリングのそれぞれの上側表面の少なくとも1つは、半径方向距離が増加するにつれて上方に傾斜する。
【0016】
本開示を適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0018】
【
図1】
図1は、本開示による例示的な基板処理システムの機能ブロック図である。
【0019】
【
図2A】
図2Aは、本開示による、下降位置にある例示的な可動エッジリングを示す図である。
【0020】
【
図2B】
図2Bは、本開示による、上昇位置にある例示的な可動エッジリングを示す図である。
【0021】
【
図3A】
図3Aは、本開示による可動エッジリングを含む第1の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示による可動エッジリングを含む第1の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、本開示による可動エッジリングを含む第1の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図3D】
図3Dは、本開示による可動エッジリングを含む第1の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図3E】
図3Eは、本開示による可動エッジリングを含む第1の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図3F】
図3Fは、本開示による可動エッジリングを含む第1の例示的な基板支持体を示す図である。
【0022】
【
図3G】
図3Gは、本開示による基板の半径に対する基板のエッチング速度の調節可能性を示すグラフである。
【0023】
【
図4A】
図4Aは、本開示による可動エッジリングを含む第2の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示による可動エッジリングを含む第2の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示による可動エッジリングを含む第2の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図4D】
図4Dは、本開示による可動エッジリングを含む第2の例示的な基板支持体を示す図である。
【0024】
【
図5A】
図5Aは、本開示による可動エッジリングを含む第3の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示による可動エッジリングを含む第3の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、本開示による可動エッジリングを含む第3の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図5D】
図5Dは、本開示による可動エッジリングを含む第3の例示的な基板支持体を示す図である。
【0025】
【
図6A】
図6Aは、本開示による可動エッジリングを含む第4の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示による可動エッジリングを含む第4の例示的な基板支持体を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本開示による可動エッジリングを含む第4の例示的な基板支持体を示す図である。
【0026】
これらの図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
基板処理システムにおける基板支持体は、エッジリングを含み得る。エッジリングの上側表面は、基板支持体の上側表面よりも上に延びることができ、基板支持体の上側表面(およびいくつかの例では、基板支持体上に配置されている基板の上側表面)をエッジリングに対して凹ませる。この凹部は、ポケットと呼ぶことができる。エッジリングの上側表面と基板の上側表面との間の距離は、「ポケット深さ」と呼ぶことができる。一般に、ポケット深さは、基板の上側表面に対するエッジリングの高さに応じて固定される。
【0028】
エッチング処理のいくつかの側面は、基板処理システム、基板、ガス混合物などの特性によって異なる場合がある。例えば、流れパターン、したがってエッチング速度およびエッチング均一性は、エッジリングのポケット深さ、エッジリングの幾何学的形状(すなわち、形状)、ならびに限定はしないが、ガス流量、ガス種、注入角度、注入位置などを含む他の変数に応じて異なる場合がある。したがって、エッジリング構成(例えば、エッジリングの高さおよび/または幾何学的形状を含む)を変えることにより、基板の表面全体のガス速度プロファイルを変更することができる。
【0029】
いくつかの基板処理システムは、可動(例えば、調節可能な)エッジリングおよび/または交換可能なエッジリングを実装してもよい。一例では、可動エッジの高さを処理中に調整し、エッチング均一性を制御することができる。エッジリングは、コントローラ、ユーザインターフェースなどに応答してエッジリングを上下させるように構成されているアクチュエータに結合することが可能である。一例では、基板処理システムのコントローラは、実施されている特定のレシピおよび関連するガス注入パラメータに従って、プロセス中、プロセスステップ間などでエッジリングの高さを制御する。さらに、エッジリングおよび他の構成要素は、時間と共に摩耗/侵食する消耗材料を含み得る。したがって、エッジリングの高さを調整して侵食を補償することができる。
【0030】
他の例では、エッジリングは、取り外し可能かつ交換可能であり得る(例えば、侵食または損傷したエッジリングを交換するために、エッジリングを異なる幾何学的形状を有するエッジリングと交換するためになど)。可動および交換可能なエッジリングを実装する基板処理システムの例は、2015年5月6日に出願された米国特許出願第14/705,430号に見出すことができ、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。可動エッジリングを含む基板支持体についての例示的な構成は、2017年7月24日に出願された特許協力条約出願第US2017/043527号および2017年11月21日に出願された特許協力条約出願第US2017/062769号に見出すことができ、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
いくつかの構成およびプロセス条件では、可動エッジリングの位置(例えば、高さ)が、限定はしないが、プラズマシースの厚さ、エッジリングフィーチャの周りのプラズマシースの適合性、エッジリングに結合されている電圧などのプラズマシースの特性を含む、エッチング速度の均一性に関するプロセス特性に影響を及ぼし得る。例えば、エッジリングの位置は、基板の縁部近くのイオン軌道に影響を及ぼす可能性がある。エッジリングの位置によって引き起こされるプロセス特性への変化は、エッジリングと基板の縁部との間の距離によっても影響を受ける可能性がある(例えば、増加または減少)。したがって、エッジリング構成(例えば、形状、幾何学的形状など)および位置は、プラズマシースの調節可能性に制約を課す場合がある。プロセス特性および調節可能性は、エッジリングの侵食によってさらに影響を受け、エッジリング構成により、侵食によってエッジリングが交換される頻度が決定され得る。
【0032】
エッジリングの材料は、プラズマシースの調節可能性にさらなる制約を課す可能性がある。例えば、エッジリングが完全に誘電体であり(例えば、石英、セラミックなどで構成されている)、低い無線周波数(RF)のバイアス周波数が使用されている(例えば、1MHz以下)場合、プラズマシースの調節可能性が制限される場合がある。いくつかの例では、エッジリングと、エッジリングの異なる位置に対する基板支持体の他の構成要素との間の空気および真空ギャップが、インピーダンスの調節可能性に制約を課す可能性がある。他の例では、エッジリングを上下させるために設けられるリフトピンは、エッジリングが上昇位置にあるときにプラズマのアーク放電およびドロップアウトの可能性を高める場合がある。
【0033】
本開示の原理によるエッジリングは、可動内側および外側エッジリングを有する構成を含む、様々な可動エッジリング構成を含む。例えば、複数の可動エッジリングおよび固定(すなわち、非可動)エッジリングの様々な構成を使用して、イオン流束および傾斜挙動の制御を改善し、基板のより広い半径方向範囲にわたってエッチング速度を制御することができる。
【0034】
一例では、エッジリングは、固定内側エッジリング、可動内側エッジリング、および可動外側エッジリングを含む。エッジリングは、インターロッキング構成(噛み合わせ構成:interlocking configuration)を有することができる。エッジリングの寸法(例えば、内径と外径との間の距離または幅)および材料は、可動エッジリングのそれぞれの高さの調整に対する応答を最適化するように選択され、これは本明細書では「基板応答」と呼ぶことができる。言い換えれば、エッジリングの移動に応じたプロセス特性に対する調整の速度、大きさ、および半径方向距離(基板の縁部に対する)は、エッジリングの寸法に従って決定することができる。
【0035】
例えば、可動外側エッジリングの移動は、基板の半径に対する、調節可能な特性(例えば、プラズマシース、エッチング速度など)の制御点または変曲点を決定し得、一方、可動内側エッジリングの移動は、変曲点と基板の縁部との間の調節可能な特性を調整する。一例では、可動内側エッジリングの位置は、基板の外側縁部(例えば、最も外側の0~5mm)での基板応答を制御し得、一方、可動外側エッジリングの位置は、外側縁部の半径方向内側に(例えば、基板の縁部から5mmを超える領域において)基板応答を制御し得る。
【0036】
エッジリングの材料は、調節可能性をさらに制御するために選択することができる。例えば、導電性または部分的に導電性の可動エッジリングを使用することによって、不要な静電容量を最小限に抑えるか排除することができる。例えば、固定および可動エッジリングは、RF結合を提供する隣接する誘電体リングおよび導電性リングの組み合わせを備え得る。
【0037】
別の例では、可動外側エッジリングは、基板支持体の半径方向外側に位置する可動底部リング上に支持される。したがって、リフトピンを使用して底部リングを上下させ、それに応じて可動外側エッジリングを上下させる。外側エッジリングおよび底部リングは互いに接触したまま(すなわち、「スタック」内)であるため、上昇される際のスタックのインピーダンスが増加する。リフトピンもまた、基板支持体の外側に位置する。言い換えれば、リフトピンは、基板支持体のベースプレートまたは内側リングを通過しない。さらに、外側エッジリングが上昇したとき、外側エッジリングと底部リングとの間にギャップ(例えば、空気または真空ギャップ)が形成されない。むしろ、ギャップは底部リングの下に形成される。この例では、内側エッジリングおよび可動外側エッジリングは、相互係止構成を有することができない。
【0038】
別の例では、基板支持体は、固定内側リングおよび可動外側エッジリングを含む。可動外側エッジリングは、中間リングとの相互係止構成を有し、さらに底部リング上で支持される。リフトピンは基板支持体の外側に位置し、底部リングを通過して可動外側エッジリングを上下させる。この構成のいくつかの例では、可動外側エッジリングは、導電性リフトピンを介して電力を供給され得る。例えば、リフトピンは、基板支持体を通してRF電力に能動的または受動的に(例えば、容量的に)、導電的に結合されてもよい。可動外側エッジリングは、リフトピンと導電接触する埋め込み金属メッシュを含み得る。
【0039】
別の例では、内側および外側エッジリング(可動式または非可動式のいずれか)の一方または両方が、面取りされている上側表面を有し得る。例えば、エッジリングの1つまたは複数のそれぞれの上側表面は、基板からの距離が増加するにつれて上方に傾斜し得る。
【0040】
ここで
図1を参照すると、本開示による基板処理システム100の一例が示されている。特定の基板処理システム100が一例として示されているが、本開示の原理は、(例えば、プラズマ管、マイクロ波管を使用して)遠隔プラズマ生成および送給などを実施する、その場でプラズマを生成する基板処理システムなどの他のタイプの基板処理システムおよびチャンバに適用することができる。
【0041】
基板処理システム100は、コイル駆動回路104を含む。パルス回路108を使用して、RF電力をオンおよびオフにパルスするか、またはRF電力の振幅もしくはレベルを変化させることができる。調節回路112は、1つまたは複数の誘導コイル116に直接接続することができる。調節回路112は、RF源120の出力を所望の周波数および/または所望の位相に調節し、コイル116のインピーダンスを一致させ、コイル116の間で電力を分割する。いくつかの例では、コイル駆動回路104は、RFバイアスの制御に関連して、以下でさらに説明されるように駆動回路によって置き換えられてもよい。
【0042】
いくつかの例では、プレナム122をコイル116と誘電体窓124との間に配置し、高温および/または低温の空気流で誘電体窓124の温度を制御することができる。誘電体窓124は、処理チャンバ128の片側に沿って配置される。処理チャンバ128は、基板支持体(または台座)132をさらに備える。基板支持体132は、静電チャック(ESC)、または機械的チャックまたは他のタイプのチャックを含み得る。プロセスガスは処理チャンバ128に供給され、プラズマ140は処理チャンバ128の内側で生成される。プラズマ140は、基板144の露出表面をエッチングする。駆動回路152(以下で説明されるものの1つなど)を使用して、動作中にRFバイアスを基板支持体132内の電極に提供することができる。
【0043】
ガス送給システム156を使用して、プロセスガス混合物を処理チャンバ128に供給することができる。ガス送給システム156は、プロセスおよび不活性ガス源160と、弁およびマスフローコントローラなどのガス計量システム162と、マニホールド164とを含み得る。ガス送給システム168を使用して、弁172を介してガス170をプレナム122に送給することができる。ガスは、コイル116および誘電体窓124を冷却するために使用される冷却ガス(空気)を含み得る。ヒータ/クーラ176を使用して、基板支持体132を所定の温度に加熱/冷却することができる。排気システム180は、パージまたは排出によって処理チャンバ128から反応剤を除去する弁182およびポンプ184を含む。
【0044】
コントローラ188を使用して、エッチングプロセスを制御することができる。コントローラ188は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の送給、プラズマの打撃、維持、および消滅、反応剤の除去、冷却ガスの供給などを制御する。加えて、以下で詳細に説明するように、コントローラ188は、コイル駆動回路104および駆動回路152の様々な態様を制御することができる。エッジリング192は、プラズマ処理中に基板134の半径方向外側に位置し得る。高さ調整システム196を使用して、以下でより詳細に説明される1つまたは複数のパラメータに基づいて、基板144に対するエッジリング192の高さを調整することができる(すなわち、エッジリング192は調節可能であり得る)。コントローラ188は、高さ調整システム196を制御するために使用され得る。
【0045】
エッジリング192は、上部エッジリングに対応することができ、これは、底部リングまたは中間リング(
図1には図示せず)によって支持され得る。いくつかの例では、エッジリング192は、以下でより詳細に説明されるセラミック層198の段差状の部分によってさらに支持され得る。いくつかの例では、エッジリング192は取り外し可能であってもよい(例えば、処理チャンバ128が真空下にある間、エアロックを介してロボットを使用して)。さらに他の例では、エッジリング192は、調節可能かつ取り外し可能の両方であり得る。
【0046】
ここで
図2Aおよび
図2Bを参照すると、その上に配置されている基板204を有する例示的な基板支持体200が示されている。基板支持体200は、内側部分(例えば、ESC、導電性ベースプレートなどに対応する)208および外側部分212を有するベースまたは台座を含むことができる。例では、外側部分212は、内側部分208から独立しており、内側部分208に対して移動可能であり得る。例えば、外側部分212は、底部リング216および上部エッジリング220を含み得る。基板204は、処理のために内側部分208上(例えば、セラミック層224上)に配置される。コントローラ228は、1つまたは複数のアクチュエータ232と通信し、エッジリング220を選択的に上下させる。例えば、エッジリング220は、処理中に基板支持体200のポケット深さを調整するために上昇および/または下降され得る。別の例では、エッジリング220を上昇させ、エッジリング220の取り外しおよび交換を容易にすることができる。
【0047】
ほんの一例として、エッジリング220は、
図2Aでは完全に下降した位置に、
図2Bでは完全に上昇した位置に示されている。示すように、アクチュエータ232は、垂直方向にピン236を選択的に延長および後退させるように構成されているピンアクチュエータに対応する。他の適切なタイプのアクチュエータが、他の例で使用されてもよい。ほんの一例として、エッジリング220は、セラミックまたは石英エッジリングに対応するが、他の適切な材料(例えば、炭化ケイ素、イットリアなど)を使用することもできる。いくつかの例では、エッジリング220は、導電性であり得る。
図2Aでは、コントローラ228は、アクチュエータ232と通信し、ピン236を介してエッジリング220を直接上下させる。いくつかの例では、内側部分208は、外側部分212に対して移動可能である。
【0048】
本開示による例示的な基板支持体300のエッジリング構成は、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3E、および
図3Fにより詳細に示されている。基板支持体300は、(例えば、ESCの)ベースプレート304上に配置されているセラミック層304を含む。セラミック層304は、処理のためにその上に配置されている基板312を支持するように構成されている。
図3Aおよび
図3Bでは、セラミック層304は、段差状でない構成を有する。
図3Cおよび
図3Dでは、セラミック層304は、段差状の構成を有する。基板支持体300は、可動外側エッジリング324を支持するサイドまたは底部リング316および中間リング320を含む。基板支持体300は、可動内側エッジリング328および固定内側リング332をさらに含む。外側エッジリング324および内側エッジリング328は、共にエッジリングと呼ぶことができる。いくつかの例では、リング324、328、および332は、上部リングまたは上側リングと呼ぶことができる。
図3Aおよび
図3Cでは、外側エッジリング324および内側エッジリング328が下降位置に示されている。逆に、
図3Bおよび
図3Dでは、外側エッジリング324および内側エッジリング328が上昇位置に示されている。一例では、内側エッジリング328および固定内側リング332は導電性であり、外側エッジリング324は誘電体である。別の例では、内側エッジリング328および固定内側リング332は誘電体であり、外側エッジリング324は導電性である。
【0049】
1つまたは複数のビアまたはガイドチャネル336は、ベースプレート308および/またはサイドリング316を通して形成され、外側エッジリング324および内側エッジリング328のそれぞれを選択的に上下させるように配置されているリフトピン340および344を収容する。例えば、ガイドチャネル336は、リフトピン340および344のそれぞれに対するピン位置合わせ穴として機能する。リフトピン340および344は、耐侵食性材料(例えば、サファイア)を含み得る。リフトピン340および344の外側表面は、リフトピン340および344と、ベースプレート308およびサイドリング316の構造的特徴との間の摩擦を低減するために滑らかに研磨されており、移動を容易にし得る。リフトピン340および344の上側端部は、ピン340および344とエッジリング324および328のそれぞれとの間の接触面積を最小限に抑えるために丸くすることができる。
【0050】
中間リング320は、ガイドフィーチャ348を含み得る。例えば、ガイドフィーチャ348は、中間リング320から上方に延びる隆起した環状リムに対応する。外側エッジリング324は、ガイドフィーチャ348を受け入れるように配置されている環状底部溝352を含む。例えば、外側エッジリング324のプロファイル(すなわち、断面)形状は、一般に、ガイドフィーチャ348を受け入れるように構成されている「U」形状に対応し得るが、他の適切な形状が使用されてもよい。中間リング320のプロファイル形状は、一般に、ガイドフィーチャ348を含む「L」形状に対応し得る。したがって、外側エッジリング324の底部表面は、中間リング320の上側表面と相補的である(すなわち、相互係止する)ように構成され、外側エッジリング324のそれぞれの垂直部分は、中間リング320およびサイドリング316の段差状の部分上で支持される。内側エッジリング328は、概して柱状のプロファイル形状を有し得、外側エッジリング324と中間リング320の段差状の部分の両方の半径方向内側に隣接して位置する。
【0051】
さらに、外側エッジリング324、内側エッジリング328、中間リング320、およびサイドリング316の間の界面356は、迷路状である。言い換えれば、外側エッジリング324の下側表面、および対応して界面356は、基板支持体300の内部構造に対して外側エッジリング324および内側エッジリング328、中間リング320、ならびにサイドリング316の間に直接(例えば、視線)経路を提供するのではなく、方向の複数の変化(例えば、方向の90度の変化、上方および下方の段差、交互の水平および垂直直交経路など)を含む。典型的には、プラズマおよびプロセス材料の漏れの可能性は、複数の界面リングを含む基板支持体で増加する場合がある。この可能性は、可動外側エッジリング324および/または内側エッジリング328が処理中に上昇されるときにさらに増加し得る。したがって、界面356(および特に、外側エッジリング324のプロファイル)は、プロセス材料、プラズマなどが基板支持体300の内部構造に達するのを防止するように構成されている。
【0052】
外側エッジリング324および内側エッジリング328は、互いに独立して、基板支持体300に対して異なる高さまで上下させることができる。例えば、外側エッジリング324の移動は、内側エッジリング328の移動に応答して達成可能である、基板312の半径に対する、プラズマシースへの変化(および対応して、エッチング速度への変化)の変曲点を決定することができる。逆に、内側エッジリング328の移動は、変曲点と基板312の縁部との間のプラズマシースを調整する。したがって、コントローラ(例えば、コントローラ228)は、外側エッジリング324および内側エッジリング328のそれぞれの位置を選択的に調整し、以下でより詳細に説明されるように、変曲点および変曲点によって定義される領域におけるエッチング速度を調整するように構成されている。
【0053】
基板支持体300は、
図3Eおよび
図3Fに別の段差状でない構成で示されている。この例では、内側エッジリング328は「U」字形であり、中間リング320のガイドフィーチャ348を受け入れるように配置されている環状底部溝352を含む。言い換えれば、
図3Eおよび
図3Fの内側エッジリング328は、
図3A~
図3Dの外側エッジリング324と同様の構成を有する。中間リング320の「L」字形のプロファイルは、
図3A~
図3Dに示すように、中間リング320に対して反転され得る(すなわち、水平方向に反転され得る)。逆に、外側エッジリング324は、概して柱状のプロファイル形状を有し得、内側エッジリング328と中間リング320の段差状の部分の両方の半径方向外側に隣接し、サイドリング316の半径方向内側に位置する。言い換えれば、
図3Eおよび
図3Fの外側エッジリング324は、
図3A~
図3Dの内側エッジリング328と同様の構成を有する。
【0054】
図3A~
図3Fに示す例示的な基板支持体300の各々は、2つの可動リング324および328(およびそれぞれのリフトピン340および348)を含むが、他の例では、基板支持体300は、1つの可動リングのみを含んでもよい。例えば、外側エッジリング324および内側エッジリング328の1つは、固定されてもよい。
【0055】
ここで
図3Gを参照し、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3E、および
図3Fを引き続き参照すると、基板312の半径に対するエッチング速度の調整可能性(または調節可能性)が示されている。エッチング速度の調節可能性が説明されているが、外側エッジリング324および内側エッジリング328の調整に対する調節可能性はまた、限定はしないが、プラズマシース、イオン流束、およびイオン入射角などを含む、エッチング速度に関する他のプロセス特性に対応し得る。
【0056】
エッチング速度は、一般に、半径が大きくなるにつれて減少し得る。言い換えれば、エッチング速度は、基板312の外側縁部の近くで減少し得る。したがって、外側および内側エッジリング324および328は、360に示すように、調節可能な範囲内で基板312の外側縁部でのエッチング速度を調整(例えば、減少または増加)するために上下させることができる。本明細書に記載されるように、調節可能な範囲360は、基板312の外側縁部における所与の半径方向領域内のエッチング速度の大きさの調節可能な範囲に対応し得る。
【0057】
エッチング速度曲線364、368、および372は、外側エッジリング324のそれぞれの第1、第2、および第3の位置について示されている。例えば、エッチング速度曲線364および368は、異なる上昇位置に対応し得、一方、エッチング速度曲線372は、下降(例えば、完全に下降した)位置に対応し得る。エッチング速度曲線364、368、および372のそれぞれの変曲点376、380、および384は、外側エッジリングの各位置でのエッチング速度の調節可能な半径方向範囲を示している。調節可能な半径方向範囲は、外側エッジリング324の位置に従って調節可能な半径方向領域の幅に対応する。したがって、変曲点によって示される半径の外側の(すなわち、より大きい)基板312の領域におけるエッチング速度は、内側エッジリング328を移動させることによって調整可能であり得る。逆に、変曲点によって示される半径の内側の(すなわち、より小さい)領域におけるエッチング速度は、内側エッジリング328を移動させることによって調整不可能であり得る。このように、調節可能な半径方向範囲は、外側エッジリング324の位置を調整することによって調整することができる。
【0058】
外側エッジリング324の各位置において、それぞれの調節可能な半径方向範囲内のエッチング速度は、内側エッジリング328の位置に従って調整可能である。言い換えれば、外側エッジリング324の位置を調整しながら調節可能な半径方向範囲の幅を調整する(すなわち、エッチング速度が調整可能な外側縁部からの距離を調整する)一方で、内側エッジリング328の位置を調整しながら調節可能な半径方向範囲内のエッチング速度(すなわち、エッチング速度の大きさ)を調整する。
【0059】
寸法(例えば、内径と外径との間の距離または幅)および外側および内側エッジリング324および328ならびに固定内側リング332の材料は、可動外側および内側エッジリング324および328のそれぞれの高さの調整に対するエッチング速度の応答をさらに最適化するように選択され得る。言い換えれば、外側および内側エッジリング324および328の位置に応じたエッチング速度挙動(例えば、エッチング速度、調節可能な範囲360、調節可能な半径方向範囲などの変化率)は、外側および内側エッジリング324および328ならびに固定内側リング332の寸法によってさらに決定することができる。同様に、外側および内側エッジリング324および328ならびに固定内側リング332のそれぞれの材料は、エッチング速度応答をさらに制御するために選択され得る。材料は、限定はしないが、石英、セラミック、炭化ケイ素(SiC)、および窒化アルミニウム(AlN)を含む。
【0060】
本開示による別の例示的な基板支持体400のエッジリング構成は、
図4A、
図4B、
図4C、および
図4Dにより詳細に示されている。基板支持体400は、(例えば、ESCの)ベースプレート404上に配置されているセラミック層404を含む。セラミック層404は、処理のためにその上に配置されている基板412を支持するように構成されている。
図4Aおよび
図4Bでは、セラミック層304は、段差状でない構成を有する。
図4Cおよび
図4Dでは、セラミック層404は、段差状の構成を有する。
【0061】
基板支持体400は、底部リング416および中間リング420を含む。底部リング416は、可動外側エッジリング424を支持する。基板支持体400は、内側エッジリング428をさらに含む。外側エッジリング424および内側エッジリング428は、共にエッジリングと呼ぶことができる。この例では、内側エッジリング428は固定されている(すなわち、移動不可能である)が、他の例では、内側エッジリング428は移動可能であり得る。いくつかの例では、エッジリング424および428は、上部リングまたは上側リングと呼ぶことができる。
図4Aおよび
図4Cでは、外側エッジリング424が下降位置に示されている。逆に、
図4Bおよび
図4Dでは、外側エッジリング424が上昇位置に示されている。基板支持体は、底部リング416を支持するように配置されている絶縁プレートまたはリング432を含み得る。示すように、外側エッジリング424は、逆「L」プロファイル形状を有する。例えば、外側エッジリング424は、底部リング416の段差状の内側部分上に支持されている内側垂直部分を有する。
【0062】
ビアまたはガイドチャネル436は、隔離リング432を通して形成され、底部リング416および外側エッジリング424を含むスタックを選択的に上下させるように配置されているリフトピン440を収容し得る。言い換えれば、外側エッジリング424は底部リング416上に配置されているので、底部リング416を上下させることは、それに応じて外側エッジリング424を上下させる。したがって、外側エッジリング424および底部リング416は、上昇された際に互いに接触したままであり、外側エッジリング424および底部リング416のインピーダンスは、外側エッジリング424のみのインピーダンスよりも大きい。言い換えれば、この例では、上昇した外側エッジリング424および底部リング416は共に、外側エッジリング424のみが上昇している例よりも大きいインピーダンスを有する。さらに、底部リング416およびリフトピン440はベースプレート408の半径方向外側に位置するので、リフトピン440は、ベースプレート408または基板支持体400の他の内側リングを通過しない。したがって、プラズマの点火、ならびに基板支持体400内の内部ギャップへのプラズマおよびプロセス材料の漏れが最小限に抑えられる。
【0063】
外側エッジリング424が底部リング416とは別に上昇される例では、外側エッジリング424が上昇したとき、外側エッジリング424と底部リング416との間にギャップ(例えば、空気または真空ギャップ)が形成される。逆に、この例では、ギャップ444が底部リング416の下に形成される。言い換えれば、ギャップ444は、基板支持体400および基板412の上側表面に対して低くなっている。したがって、基板支持体400ならびに外側および内側エッジリング424および428の近くの領域におけるプラズマの点火ならびにプラズマおよびプロセス材料の漏れは、最小限に抑えることができる。
【0064】
上述の例と同様に、外側および内側エッジリング424および428の寸法および材料は、可動外側エッジリング424の高さの調整に対するエッチング速度の応答をさらに最適化するように選択され得る。例えば、内側エッジリング428の厚さ(すなわち、高さ)を調整し、応答の調節可能な範囲または半径方向範囲を変更することができる。一例では、外側エッジリング424は、SiC、石英、またはセラミックを含み、内側エッジリング428は、SiC、石英、またはセラミックを含み、中間リング420は、SiC、石英、またはセラミックを含み、底部リング416は、セラミックまたは石英を含む。
【0065】
図4A~
図4Dに示す例示的な基板支持体400は、1つのリフトピン440ならびに底部リング416および外側エッジリング424を含むスタックのみを含むが、他の例では、基板支持体400は、複数の可動リングおよび/またはスタックならびに対応するリフトピンを含み得る。例えば、底部リング416および外側エッジリング424の各々は、対応するリフトピンで独立して上昇させることができる2つの別々のリング(例えば、同心の内側および外側リング部分)に分割することができる。
【0066】
本開示による別の例示的な基板支持体500のエッジリング構成は、
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dにより詳細に示されている。基板支持体500は、(例えば、ESCの)ベースプレート508上に配置されているセラミック層504を含む。セラミック層504は、処理のためにその上に配置されている基板512を支持するように構成されている。示すように、セラミック層504は、段差状でない構成を有する。他の例では、セラミック層504は、段差状の構成を有し得る。
【0067】
基板支持体500は、底部リング516および中間リング520を含む。底部リング516は、可動外側エッジリング524を支持する。基板支持体500は、内側エッジリング528をさらに含む。外側エッジリング524および内側エッジリング528は、共にエッジリングと呼ぶことができる。この例では、内側エッジリング528は固定されている(すなわち、移動不可能である)が、他の例では、内側エッジリング528は移動可能であり得る。いくつかの例では、エッジリング524および528は、上部リングまたは上側リングと呼ぶことができる。
図5Aおよび
図5Cでは、外側エッジリング524が下降位置に示されている。逆に、
図5Bおよび
図5Dでは、外側エッジリング524が上昇位置に示されている。基板支持体は、底部リング516を支持するように配置されている絶縁プレートまたはリング532を含み得る。
【0068】
ビアまたはガイドチャネル536は、隔離リング532および底部リング516を通して形成され、外側エッジリング524を選択的に上下させるように配置されているリフトピン540を収容し得る。底部リング516およびリフトピン540は、ベースプレート508の半径方向外側に位置する。したがって、リフトピン540は、ベースプレート508または基板支持体500の他の内側リングを通過せず、プラズマの点火、ならびに基板支持体500内の内部ギャップへのプラズマおよびプロセス材料の漏れが最小限に抑えられる。さらに、底部リング516の外側部分は段差状になっており、リフトピン540と連動するように配置されている外側エッジリング524の一部は、底部リング516の上側表面の下に延びる。言い換えれば、外側エッジリング524は、底部リング516の段差状の部分上に支持される。したがって、外側エッジリング524が上昇したときの外側エッジリング524と底部リング516との間のギャップ(例えば、空気または真空ギャップ)544は、底部リング516の上側表面の下に形成される。言い換えれば、ギャップ544は、基板支持体500および基板512の上側表面に対して低くなっている。したがって、基板支持体500ならびに外側および内側エッジリング524および528の近くの領域におけるプラズマの点火ならびにプラズマおよびプロセス材料の漏れは、最小限に抑えることができる。
【0069】
中間リング520は、上述のガイドフィーチャ348と同様のガイドフィーチャ548を含み得る。例えば、ガイドフィーチャ548は、中間リング520から上方に延びる隆起した環状リムに対応する。外側エッジリング524は、ガイドフィーチャ548を受け入れるように配置されている環状底部溝552を含む。例えば、外側エッジリング524のプロファイル(すなわち、断面)形状は、一般に、ガイドフィーチャ548を受け入れるように構成されている「U」形状に対応し得るが、他の適切な形状が使用されてもよい。中間リング520のプロファイル形状は、一般に、ガイドフィーチャ548を含む「L」形状に対応し得る。したがって、外側エッジリング524の底部表面は、中間リング520の上側表面と相補的である(すなわち、相互係止する)ように構成され、外側エッジリング524、内側エッジリング528、および中間リング520の間の界面556は、迷路状である。外側エッジリング524のそれぞれの垂直部分は、中間リング520および底部リング516の段差状の部分上に支持される。内側エッジリング528は、概して柱状のプロファイル形状を有し得、外側エッジリング524の半径方向内側に隣接して位置する。内側エッジリング528は、中間リング520の段差状の部分上に支持され得る。
【0070】
上述の例と同様に、外側および内側エッジリング524および528の寸法および材料は、可動外側エッジリング524の高さの調整に対するエッチング速度の応答をさらに最適化するように選択され得る。例えば、外側エッジリング424および内側エッジリング528の相対的な幅を調整し、応答の調節可能な範囲または半径方向範囲を変更することができる。一例では、外側エッジリング524は、SiC、石英、またはセラミックを含み、内側エッジリング528は、SiC、石英、またはセラミックを含み、中間リング520は、SiC、石英、またはセラミックを含み、底部リング516は、セラミックまたは石英を含む。
【0071】
図5Cおよび
図5Dに示すように、リフトピン540は導電性であり、電力を外側エッジリング524に提供する。例えば、リフトピン540は、基板支持体500を通して(例えば、底部リング516を介して)RF電力に能動的または受動的に(例えば、容量的に)、導電的に結合されてもよい。外側エッジリング524は、リフトピン540と導電接触する埋め込み金属メッシュ560を含み得る。したがって、RF電力(例えば、RF電圧)が基板支持体500に提供されると、RF電圧はまた、リフトピン540および金属メッシュ560を介して外側エッジリング524に提供され得る。埋め込み金属メッシュを含むエッジリングの例示的な構成は、2019年8月5日に出願された米国特許出願第62/882,890号に見出すことができ、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
埋め込み金属メッシュ560を含む外側エッジリング524は、様々な方法を使用して形成することができる。一例では、セラミック粉末、結合剤、および液体の混合物を、セラミック層シート(「グリーンシート」と呼ぶことができる)にプレスすることができる。グリーンシートを乾燥させ、グリーンシートに穴を開けてビアを形成する。ビアは、導電性材料(例えば、導電性粉末のスラリー)で充填される。金属メッシュ560の層は、グリーンシートのそれぞれの上に形成される。ほんの一例として、金属メッシュ560の層は、導電性粉末(例えば、W、WC、ドープSiC、MoSi2など)のスラリーをスクリーン印刷すること、プレカットされた金属箔をプレスすること、導電性粉末のスラリーを噴霧すること、および/または他の適切な技術によって、セラミックグリーンシート上に形成される。次に、セラミックグリーンシートは、焼結によって共に位置合わせおよび結合され、外側エッジリング524に対応する隣接構造を形成する。
【0073】
図5A~
図5Dに示す例示的な基板支持体500は、1つのリフトピン540および可動リング(すなわち、外側エッジリング524)のみを含むが、他の例では、基板支持体500は、複数の可動リングおよび対応するリフトピンを含み得る。例えば、外側エッジリング524は、対応するリフトピンで独立して上昇させることができる2つの別々のリング(例えば、同心の内側および外側リング部分)に分割することができる。
【0074】
本開示による別の例示的な基板支持体600のエッジリング構成は、
図6A、
図6B、および
図6Cにより詳細に示されている。基板支持体600は、(例えば、ESCの)ベースプレート608上に配置されているセラミック層604を含む。セラミック層604は、処理のためにその上に配置されている基板612を支持するように構成されている。示すように、セラミック層604は、段差状の構成を有する。他の例では、セラミック層604は、段差状でない構成を有し得る。
【0075】
基板支持体600は、サイドまたは底部リング616および内側または中間リング620を含む。サイドリング616および中間リング620は、可動外側エッジリング624を支持する。いくつかの例では、外側エッジリング624は、上部リングまたは上側リングと呼ぶことができる。
図6Aでは、外側エッジリング624が下降位置に示されている。逆に、
図6Bでは、外側エッジリング624が上昇位置に示されている。
図6Cでは、中間リング620は、2つの別々のリング620-1および620-2を備え得る。いくつかの例では、中間リング620および外側エッジリング624の各々は、導電性である。他の例では、中間リング620および外側エッジリング624の各々は、誘電体である。
【0076】
ビアまたはガイドチャネル636は、サイドリング616を通して形成され、外側エッジリング624を選択的に上下させるように配置されているリフトピン640を収容し得る。サイドリング616およびリフトピン640は、ベースプレート608の半径方向外側に位置する。したがって、リフトピン640は、ベースプレート608または基板支持体600の他の内側リングを通過せず、プラズマの点火、ならびに基板支持体600内の内部ギャップへのプラズマおよびプロセス材料の漏れが最小限に抑えられる。さらに、サイドリング616の内側部分は段差状になっており、リフトピン640と連動するように配置されている外側エッジリング624の一部は、サイドリング616の段差状の部分上に支持される。したがって、外側エッジリング624が上昇したときの外側エッジリング624とサイドリング616との間のギャップ(例えば、空気または真空ギャップ)644は、プラズマの点火ならびにプラズマおよびプロセス材料の漏れを最小限に抑えるためにサイドリング616によって取り囲まれる。
【0077】
中間リング620は、上述のガイドフィーチャ348および548と同様のガイドフィーチャ648を含み得る。例えば、ガイドフィーチャ648は、中間リング620から上方に延びる隆起した環状リムに対応する。外側エッジリング624は、ガイドフィーチャ648を受け入れるように配置されている環状底部溝652を含む。例えば、外側エッジリング624のプロファイル(すなわち、断面)形状は、一般に、ガイドフィーチャ648を受け入れるように構成されている「U」形状に対応し得るが、他の適切な形状が使用されてもよい。したがって、外側エッジリング624の底部表面は、中間リング620の上側表面と相補的である(すなわち、相互係止する)ように構成され、外側エッジリング624と中間リング620との間の界面656は、迷路状である。
【0078】
中間リング620のプロファイル形状は、一般に、「U」形状に対応し得る。中間リング620の内側部分660およびガイドフィーチャ648は、「U」形状の垂直部分に対応する。外側エッジリング624のそれぞれの垂直部分は、段差状の部分、サイドリング616、および内側部分660とガイドフィーチャ648との間の中間リング620の水平部分上に支持される。
【0079】
上述の例と同様に、外側エッジリング624および中間リング620の寸法および材料は、可動外側エッジリング624の高さの調整に対するエッチング速度の応答をさらに最適化するように選択され得る。例えば、外側エッジリング624および中間リング620の内側部分660の相対的な高さおよび幅を調整し、応答の調節可能な範囲または半径方向範囲を変更することができる。一例では、外側エッジリング624は、SiC、石英、またはセラミックを含み、中間リング620は、SiC、石英、またはセラミックを含み、サイドリング616は、セラミックまたは石英を含む。
【0080】
この例では、中間リング620の内側部分660および外側エッジリング624の一方または両方は、面取りされている上側表面664を有し得る。例えば、中間リング620の内側部分660および外側エッジリング624のそれぞれの上側表面は、基板612からの距離(すなわち、半径方向距離)が増加するにつれて上方に傾斜する。示すように、中間リング620の内側部分660および外側エッジリング624は、同じ傾斜(すなわち、同じ面取り角度)を有するが、他の例では、傾斜は異なる場合がある。傾斜は、エッチング速度の調節可能な範囲および調節可能な半径方向範囲をさらに調整するために選択することができる。
【0081】
図6A~
図6Cに示す例示的な基板支持体600は、1つのリフトピン640および可動リング(すなわち、外側エッジリング624)のみを含むが、他の例では、基板支持体600は、複数の可動リングおよび対応するリフトピンを含み得る。例えば、外側エッジリング624は、対応するリフトピンで独立して上昇させることができる2つの別々のリング(例えば、同心の内側および外側リング部分)に分割することができる。
【0082】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を決して限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲はそのような例に限定されるべきでない。方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていないとしても)可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0083】
要素同士(例えば、モジュール同士、回路要素同士、半導体層同士など)の空間的および機能的関係は、「接続されている」、「係合されている」、「結合されている」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置されている」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性があるが、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0084】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0085】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実施するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0086】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されているツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0087】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0088】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【国際調査報告】