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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】オリゴマーの製造装置
(51)【国際特許分類】
   C07C 2/04 20060101AFI20221014BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
C07C2/04
C07C11/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507502
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 KR2021095071
(87)【国際公開番号】W WO2022019734
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0092456
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ソク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ムン・スブ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ホ・スン
(72)【発明者】
【氏名】キュン・ソグ・ユク
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC21
4H006BD84
(57)【要約】
本発明は、オリゴマーの製造装置に関し、単量体ストリームおよび溶媒ストリームが供給されてオリゴマー化反応を実施する反応器と、前記反応器の下部側面に備えられた生成物排出ラインと、前記生成物排出ラインの第1地点に連結される洗浄液供給ラインと、前記生成物排出ラインの第2地点から延びる洗浄液排出ラインとを含み、前記生成物排出ラインは、二つ以上のラインに分岐される分岐地点および前記分岐されたそれぞれのラインが合流する合流地点を含み、前記生成物排出ラインは、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに圧力調節装置が備えられているオリゴマーの製造装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単量体ストリームおよび溶媒ストリームが供給されてオリゴマー化反応を実施する反応器と、
前記反応器の下部側面に備えられた生成物排出ラインと、
前記生成物排出ラインの第1地点に連結される洗浄液供給ラインと、
前記生成物排出ラインの第2地点から延びる洗浄液排出ラインとを含み、
前記生成物排出ラインは、二つ以上のラインに分岐される分岐地点および前記分岐されたそれぞれのラインが合流する合流地点を含み、
前記生成物排出ラインは、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに圧力調節装置が備えられている、オリゴマーの製造装置。
【請求項2】
前記生成物排出ラインにおいて、前記分岐地点は、合流地点よりも反応器と隣接した領域に形成されている、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項3】
前記分岐地点で生成物排出ラインはn個のラインに分岐され、前記nは、2~5である、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項4】
前記二つ以上に分岐されたそれぞれのラインのいずれか一つのラインを開放する時に、残りのラインは遮断する、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項5】
前記生成物排出ラインは、分岐地点から第1ラインおよび第2ラインに分岐され、前記分岐されたそれぞれのラインは、合流地点で合流する、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項6】
前記圧力調節装置を通過したストリームの圧力は、反応器の運転圧力とは0bar~10bar内の差を有するように維持される、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項7】
前記洗浄液供給ラインにより供給される洗浄液を用いて、前記二つ以上に分岐されたそれぞれのラインのいずれか一つ以上のラインを洗浄し、洗浄液排出ラインを介して排出させる、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項8】
前記生成物排出ラインにおいて、前記第1地点は、分岐地点よりも反応器と隣接した領域に形成され、第2地点は、合流地点よりも反応器から離れた領域に形成される、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項9】
前記生成物排出ラインは、第1地点よりも反応器と隣接した領域に形成された第1遮断弁および第2地点よりも反応器から離れた領域に形成された第2遮断弁を含み、
前記洗浄液供給ラインは、任意の領域に形成された第3遮断弁を含み、
前記洗浄液排出ラインは、任意の領域に形成された第4遮断弁を含む、請求項8に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項10】
前記生成物排出ラインを介して生成物を移送する時に、第1遮断弁および第2遮断弁を開放し、前記第3遮断弁および第4遮断弁を遮断し、
前記生成物排出ラインの洗浄時に、第1遮断弁および第2遮断弁を遮断し、前記第3遮断弁および第4遮断弁を開放する、請求項9に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項11】
前記第1地点および第2地点のそれぞれは、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに形成され、
前記第1地点は、分岐地点と圧力調節装置が備えられた地点との間の領域に形成され、
前記第2地点は、圧力調節装置が備えられた地点と合流地点との間の領域に形成される、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項12】
前記二つ以上に分岐されたそれぞれのラインにおいて、圧力調節装置を中心に両側にそれぞれ形成された第n-1遮断弁を含み、
前記それぞれの第n-1遮断弁と圧力調節装置との間には、それぞれ、第1地点と第2地点が形成されており、
前記それぞれの第1地点および第2地点に連結される洗浄液供給ラインおよび洗浄液排出ラインの任意の領域に形成された第n-2遮断弁を含む、請求項11に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項13】
前記反応器は、n個のモードで交互運転され、
第nモードで運転する時に、前記二つ以上に分岐されたそれぞれのラインにおいて、第nラインの第n-1遮断弁が開放される場合、前記第n-1遮断弁が開放されているラインの第1地点および第2地点と連結される洗浄液供給ラインおよび洗浄液排出ラインの任意の領域に形成された第n-2遮断弁は遮断され、
残りのラインの第n-1遮断弁が遮断され、前記第n-1遮断弁が遮断されているラインの第1地点および第2地点と連結される洗浄液供給ラインおよび洗浄液排出ラインの任意の領域に形成された第n-2遮断弁は開放される、請求項11に記載のオリゴマーの製造装置。
【請求項14】
前記単量体は、エチレンを含み、オリゴマーは、アルファオレフィンを含む、請求項1に記載のオリゴマーの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月24日付けの韓国特許出願第10-2020-0092456号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、オリゴマーの製造装置に関し、より詳細には、オリゴマーの製造時に、生成物が排出されるライン(配管)におけるプラッギング現象を防止するためのオリゴマーの製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
アルファオレフィン(alpha-olefin)は、共単量体、洗浄剤、潤滑剤、可塑剤などに使用される重要な物質として商業的に広く使用されており、特に、1-ヘキセンと1-オクテンは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の製造時に、ポリエチレンの密度を調節するための共単量体として頻繁に使用されている。
【0004】
前記1-ヘキセンおよび1-オクテンのようなアルファオレフィンは、代表的に、エチレンのオリゴマー化反応により製造されている。前記エチレンオリゴマー化反応は、エチレンを反応物として使用して、触媒の存在下でエチレンのオリゴマー化反応(三量体化反応または四量体化反応)により行われることであり、前記反応により生成された生成物は、目的とする1-ヘキセンおよび1-オクテンを含む多成分炭化水素混合物だけでなく、触媒反応中にワックス(wax)および高分子物質が少量生成され、このような物質が生成物が排出されるラインに付着されて配管が詰まるプラッギング(plugging)現象が発生する問題がある。
【0005】
前記反応器の生成物排出ラインにプラッギングが発生する場合、これを洗浄するために、反応器の運転を中断(shut down)しなければならないため、運転時間の減少に伴う生産量の減少だけでなく、洗浄過程で必要となる費用が増加する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記発明の背景技術で言及した問題を解決するために、反応器で生成物が排出されるライン内にプラッギングが発生することを防止し、また、前記生成物排出ライン内のプラッギングの発生時に洗浄のためのラインをさらに備え、さらには、運転を停止することなく連続的に運転することができ、生産量減少の問題を解決し、洗浄過程で必要となる費用を削減することができるオリゴマーの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の一実施形態によると、本発明は、単量体ストリームおよび溶媒ストリームが供給されてオリゴマー化反応を実施する反応器と、前記反応器の下部側面に備えられた生成物排出ラインと、前記生成物排出ラインの第1地点に連結される洗浄液供給ラインと、前記生成物排出ラインの第2地点から延びる洗浄液排出ラインとを含み、前記生成物排出ラインは、二つ以上のラインに分岐される分岐地点および前記分岐されたそれぞれのラインが合流する合流地点を含み、前記生成物排出ラインは、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに圧力調節装置が備えられているオリゴマーの製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のオリゴマーの製造装置によると、生成物排出ラインにおいて、二つ以上のラインに分岐し、前記分岐されたそれぞれのラインに圧力調節装置を備えて、生成物排出ストリームから高分子物質が析出されることを防止し、前記分岐されたそれぞれのラインを交互に使用することで、運転周期を延長することができる。
【0009】
また、本発明は、前記分岐されたそれぞれのラインに洗浄液を供給し、排出させるための洗浄液供給ラインおよび洗浄液排出ラインを備えることで、前記分岐されたそれぞれのラインに備えられた圧力調節装置にファウリングされた高分子物質を容易に洗浄することができる。
【0010】
また、本発明は、反応器の運転を停止することなく連続運転しながら、前記分岐されたそれぞれのラインを洗浄するためのラインを提供することで、生産量減少の問題を解決し、洗浄過程で必要となる費用を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるオリゴマーの製造装置の工程の流れを示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるオリゴマーの製造装置の工程の流れを示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるオリゴマーの製造装置を洗浄するための工程の流れを示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるオリゴマーの製造および圧力調節装置の洗浄を同時に行うオリゴマーの製造装置の工程の流れを示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるオリゴマーの製造および圧力調節装置の洗浄を同時に行うオリゴマーの製造装置の工程の流れを示す図である。
図6】比較例によるオリゴマーの製造装置の工程の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の説明および請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0013】
本発明において、用語「ストリーム(stream)」は、工程内の流体(fluid)の流れを意味し得、また、移動ライン(配管)内で流れる流体自体を意味し得る。具体的には、前記「ストリーム」は、各装置を連結する配管内で流れる流体自体および流体の流れを同時に意味し得る。また、前記流体は、気体(gas)、液体(liquid)および固体(solid)のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0014】
以下、本発明に関する理解を容易にするために、下記図1図5を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0015】
本発明によると、オリゴマーの製造装置が提供される。前記オリゴマーの製造装置として、単量体ストリームおよび溶媒ストリームが供給されてオリゴマー化反応を実施する反応器100と、前記反応器の下部側面に備えられた生成物排出ライン200と、前記生成物排出ライン200の第1地点410に連結される洗浄液供給ライン400と、前記生成物排出ライン200の第2地点510から延びる洗浄液排出ライン500とを含み、前記生成物排出ライン200は、二つ以上のラインに分岐される分岐地点210および前記分岐されたそれぞれのラインが合流する合流地点220を含み、前記生成物排出ラインは、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに圧力調節装置300が備えられているオリゴマーの製造装置を提供する。
【0016】
本発明の一実施形態によると、前記反応器100は、触媒および溶媒の存在下で、単量体をオリゴマー化反応させてオリゴマーを製造するためのものであることができる。
【0017】
本発明の一実施形態によると、前記反応器100は、連続工程に適する反応器100であることができる。例えば、前記反応器100は、連続流完全混合反応器(continuous stirred-tank reactor)、管流反応器(plug flow reactor)および気泡塔反応器(bubble column reactor)からなる群から選択される1種以上の反応器を含むことができる。これにより、連続的にオリゴマー生成物を製造することができる。
【0018】
本発明の一実施形態によると、前記単量体は、エチレンを含むことができる。具体的には、エチレン単量体を含む単量体ストリームが反応器100に供給されオリゴマー化反応を経て、目的とするアルファオレフィン生成物を製造することができる。この際、前記オリゴマー化反応は、反応器100の下部もしくは中部の領域で行われ、触媒および助触媒の存在下で溶媒に溶解された液体状態で単量体のオリゴマー化反応が行われることができる。前記オリゴマー化反応は、単量体が小重合される反応を意味し得る。重合される単量体の個数に応じて、三量体化(trimerization)、四量体化(tetramerization)と称し、これをまとめて多量体化(multimerization)と言う。
【0019】
前記アルファオレフィンは、共単量体、洗浄剤、潤滑剤、可塑剤などに使用される重要な物質として商業的に広く使用され、特に、1-ヘキセンと1-オクテンは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の製造時に、ポリエチレンの密度を調節するための共単量体として頻繁に使用される。前記1-ヘキセンおよび1-オクテンのようなアルファオレフィンは、例えば、エチレンの三量体化反応または四量体化反応により製造することができる。
【0020】
本発明の一実施形態によると、前記単量体のオリゴマー化反応は、前記反応システムと通常の接触技術を応用して、溶媒の存在または不在の下で、均質液相反応、触媒が一部溶解されていないか全部溶解されていない形態であるスラリー反応、二相液体/液体反応、または生成物が主媒質として作用するバルク相反応または気相反応により行われることができる。
【0021】
前記触媒は、遷移金属供給源を含むことができる。前記遷移金属供給源は、例えば、クロム(III)アセチルアセトネート、クロム(III)クロライドテトラヒドロフラン、クロム(III)2-エチルヘキサノエート、クロム(III)トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート)、クロム(III)ベンゾイルアセトネート、クロム(III)ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオネート、クロム(III)アセテートヒドロキシド、クロム(III)アセテート、クロム(III)ブチレート、クロム(III)ペンタノエート、クロム(III)ラウレートおよびクロム(III)ステアレートからなる群から選択される1種以上を含む化合物であることができる。
【0022】
前記助触媒は、例えば、トリメチルアルミニウム(trimethyl aluminium)、トリエチルアルミニウム(triethyl aluminium)、トリイソプロピルアルミニウム(triisopropyl aluminium)、トリイソブチルアルミニウム(triisobutyl aluminum)、エチルアルミニウムセスキクロライド(ethylaluminum sesquichloride)、ジエチルアルミニウムクロライド(diethylaluminum chloride)、エチルアルミニウムジクロライド(ethyl aluminium dichloride)、メチルアルミノキサン(methylaluminoxane)、修飾メチルアルミノキサン(modified methylaluminoxane)およびボレート(Borate)からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
【0023】
このように、触媒および溶媒の存在下で単量体をオリゴマー化させる過程では、オリゴマー生成物の他に、ワックス、高分子などの副生成物が生成される。このような副生成物がオリゴマー生成物とともに配管を介して排出される場合、前記高分子の粘着性によって配管の内壁およびバルブの内部に付着されて配管およびバルブを詰まらせる問題がある。
【0024】
これに対して、本発明では、前記反応器100から生成物が排出される生成物排出ライン200に二つ以上のラインに分岐される分岐地点210および前記分岐されたそれぞれのラインが合流する合流地点220を形成し、前記分岐されたそれぞれのラインに圧力調節装置300を備えることで、生成物排出ストリーム内のポリマーの析出を防止することで、生成物排出ライン200のプラッギング現象を防止することができ、前記分岐されたそれぞれのラインを交互に使用することで、運転周期を延長することができる。これとともに、洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500を備えることで、前記分岐されたそれぞれのラインに形成された圧力調節装置300の入口におけるファウリングを容易に洗浄することができ、さらに、反応器100の運転を停止することなく、前記分岐されたそれぞれのラインに形成された配管および圧力調節装置300を洗浄することができる。
【0025】
本発明の一実施形態によると、反応器100では、前記単量体ストリームおよび溶媒ストリームが供給されてオリゴマー化反応を実施することができる。
【0026】
前記単量体ストリームは、反応器100の下部に備えられた単量体ストリーム供給ラインを介して反応器100に供給されることができる。この際、前記単量体は、気体状態で反応器100に供給されることができる。具体的には、気相の単量体を含む単量体ストリームは、反応器100に供給されることができ、前記気相の単量体は、反応器100に供給される溶媒に溶解されて液相でオリゴマー化反応が行われることができる。
【0027】
前記単量体ストリームは、ナフサ熱分解工程(Naphtha Cracking Center、NCC)で供給されることができる。前記ナフサ熱分解工程は、ナフサ、C2およびC3炭化水素化合物およびプロパンなどをそれぞれ供給原料として投入し、それぞれの熱分解炉で熱分解を実施するステップと、それぞれの熱分解炉で熱分解されて水素、C1、C2およびC3以上の炭化水素化合物を含む熱分解ガスを冷却するステップと、冷却した熱分解ガスを圧縮するステップと、水素、C1、C2およびC3以上の炭化水素化合物を含む熱分解圧縮ストリームを精製するステップとを含んで実施されることができる。この際、前記単量体ストリームは、ナフサ熱分解から分離するエチレン(C2)を含むストリームであることができる。
【0028】
前記溶媒ストリームは、反応器100の下部側面に備えられた溶媒ストリーム供給ラインを介して反応器100に供給されることができる。前記溶媒は、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、シクロオクタン、デカン、ドデカン、ベンゼン、キシレン、1,3,5-トリメチルベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよび卜リクロロベンゼンからなる群から選択される1種以上を含むことができる。前記溶媒は、場合に応じて、2種を混合して使用することができる。これにより、より高い温度で気相のエチレン単量体を液化することができ、気相のエチレン単量体が溶媒に溶解される溶解率を向上させることができる。
【0029】
本発明の一実施形態によると、前記溶媒に溶解されず、オリゴマー化反応に参加できなかった未反応の単量体を含むストリームを排出させるための未反応単量体排出ラインを反応器100の上部にさらに含むことができる。前記未反応の単量体を含むストリームは、気体状態であることができる。前記未反応単量体排出ラインを介して排出される気相の未反応の単量体を含むストリームから前記未反応の単量体は、以降分離回収し、反応器100に再供給することで、オリゴマー化反応に再使用することができる。
【0030】
前記反応器100に供給された単量体ストリームおよび溶媒ストリームが供給されて行われるオリゴマー化反応は、10℃~180℃、30℃~150℃または50℃~120℃の温度下で行われることができる。また、前記オリゴマー化反応は、10bar~70barの圧力下で行われることができる。例えば、前記オリゴマー化反応は、10bar~70bar、20bar~65barまたは30bar~60barの圧力下で行われることができる。前記温度範囲および圧力範囲内でエチレンをオリゴマー化反応させる時に、所望のアルファオレフィンに対して優れた選択度を示すことができ、副生成物の量が低減することができ、連続工程の運用上、効率を上昇させ、費用を削減することができる。
【0031】
前記オリゴマー化反応によるオリゴマー生成物を含む液相のストリームは、反応器100の下部側面、例えば、前記溶媒供給ラインが形成される反応器100の下部側面と対向する方向に離隔して備えられた生成物排出ライン200を介して排出されることができる。例えば、前記生成物排出ライン200は、溶媒供給ラインと同じ高さに形成されることができる。また、前記生成物排出ライン200は、別の保管タンク(tank)や精製部のような後続工程に連結され、前記反応器100から排出される生成物排出ストリームを後続工程に移送することができる。
【0032】
前記反応器100内の触媒反応を一定に維持するためには、液相の水位を調節しなければならない。このために、前記生成物排出ライン200において、反応器100と隣接した領域には、水位調整弁が形成されることができる。前記生成物排出ライン200に排出される高圧の生成物排出ストリームは、水位調整弁を通過しながら圧力が減少し、この際、気相と液相が分離されながら接着性が高い高分子物質が析出されて配管にプラッギングが発生し得る。これに対して、本発明では、圧力調節装置300を備えて、生成物排出ストリームの圧力を反応器100の運転圧力と同様に維持することで、前記の問題を解決した。
【0033】
前記生成物排出ライン200は、二つ以上のラインに分岐される分岐地点210および前記分岐されたそれぞれのラインが合流する合流地点220を含むことができる。具体的には、前記生成物排出ライン200は、前記分岐地点210以降に二つ以上のラインに分岐され、前記分岐されたそれぞれのラインは、前記合流地点220で一つのラインとして合流することができる。例えば、生成物排出ライン200は、前記分岐地点210以降に、n個のラインに分離されることができる。この際、前記nは、2~5、2~3または2であることができる。具体的な例として、前記生成物排出ライン200は、前記分岐地点210以降に、2個のライン、すなわち、第1ラインL1および第2ラインL2として分岐されることができ、前記分岐された第1ラインL1および第2ラインL2は、合流地点220で一つのラインとして合流されることができる。この際、前記生成物排出ライン200において、分岐地点210は、合流地点220よりも反応器100と隣接した領域に形成されることができる。
【0034】
前記分岐地点210と合流地点との間に分岐された二つ以上のラインそれぞれには、圧力調節装置300が備えられることができる。前記圧力調節装置300は、例えば、背圧調節器(Back Pressure Regulator、BPR)および圧力調整弁(Pressure control valve)を含むことができる。
【0035】
前記圧力調節装置300は、前記圧力調節装置300に供給されるストリームの圧力を調節するか、前記圧力調節装置300から排出されるストリームの圧力を調節することができる。具体的な例として、前記圧力調節装置300は、前記圧力調節装置300に供給されるストリームの圧力を調節するものであり、背圧調節器を使用することができる。この場合、前記圧力調節装置300は、後続工程と隣接した領域に設置されることができる。
【0036】
前記圧力調節装置300は、前記反応器100から排出される生成物排出ストリームの圧力を反応器100の運転圧力と同様の水準に維持するようにすることができる。例えば、前記圧力調節装置300を通過した圧力は、反応器100の運転圧力と、0bar~10bar、0bar~5barまたは1bar~3bar内の差を有するように維持することができる。具体的には、前記圧力調節装置300を用いて、後続工程まで生成物排出ストリームを移送する際に、前記高圧の生成物排出ストリームの水位調整弁を通過する時に圧力が減少し、気相と液相の分離が行われて、粘着性が高い高分子物質が析出されることを防止することができる。
【0037】
前記生成物排出ライン200において、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインのいずれか一つのラインを開放する時に、残りのラインは遮断することができる。例えば、前記生成物排出ライン200を分岐地点210で第1ラインおよび第2ラインに分岐し、前記分岐されたそれぞれのラインを合流地点220で合流させる場合、前記第1ラインが開放されている時に、第2ラインは遮断することができ、前記第1ラインが遮断されている時に、第2ラインは開放することができる。このように、生成物排出ライン200を複数のラインに分岐して交互に使用することで、前記圧力調節装置300のファウリングを洗浄するための運転停止周期が延長されることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、前記生成物排出ライン200において、分岐地点210と合流地点220との間に形成された複数個のラインにそれぞれ備えられた圧力調節装置300のファウリングを洗浄するための洗浄配管が備えられることができる。具体的には、前記生成物排出ライン200に洗浄液を供給するための洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500が備えられることができる。前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500を備えることで、前記洗浄液供給ラインにより供給される洗浄液を用いて、前記二つ以上に分岐されたそれぞれのラインのいずれか一つ以上のラインを洗浄し、洗浄液排出ラインを介して排出させる方法により、配管および圧力調節装置300のファウリングを洗浄することができる。
【0039】
具体的には、前記洗浄液供給ライン400は、前記生成物排出ライン200の第1地点410に連結されるように備えられ、前記洗浄液排出ライン500は、前記生成物排出ライン200の第2地点510から延びるように備えられることができる。
【0040】
一つの例として、下記図1図3のように、前記生成物排出ライン200において、第1地点410は、分岐地点210よりも反応器100と隣接した領域に形成されることができる。具体的には、前記第1地点410を介して洗浄液が生成物排出ライン200に供給される時に、前記分岐地点210よりも反応器100と隣接した領域に洗浄液を供給することで、圧力調節装置300の入口から出口方向に洗浄液の供給が可能であることから、配管とともに圧力調節装置300入口のファウリング洗浄が容易であることができる。
【0041】
この際、前記生成物排出ライン200において、第2地点510は、合流地点220よりも反応器100から離れた領域に形成されることができる。これにより、第1地点410と第2地点510との間の配管および圧力調節装置300を洗浄した洗浄液を容易に排出させることができる。
【0042】
上述のように、生成物排出ライン200を洗浄するために、第1地点410、第2地点510およびバルブの形成位置を制御することができる。具体的には、前記生成物排出ライン200は、第1地点410よりも反応器100と隣接した領域に形成された第1遮断弁BV1および第2地点510より反応器から離れた領域に形成された第2遮断弁BV2を含み、前記洗浄液供給ライン400は、任意の領域に形成された第3遮断弁BV3を含み、前記洗浄液排出ライン500は、任意の領域に形成された第4遮断弁BV4を含むことができ、前記バルブを制御することで、生成物排出ライン200を洗浄することができる。
【0043】
例えば、下記図1または図2のように、前記反応器100の運転時に、第1遮断弁BV1および第2遮断弁BV2を開放して、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を生成物排出ライン200を介して移送し、前記第3遮断弁BV3および第4遮断弁BV4を遮断して、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500から洗浄液(点線)が流入されるか、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500に生成物排出ストリームが流出されることを防止することができる。
【0044】
また、前記生成物排出ライン200の分岐されたそれぞれのラインに備えられた圧力調節装置300の両側に遮断弁をさらに含むことができる。前記圧力調節装置300の両側に備えられた遮断弁は、ライン別に同様に開放または遮断されることができる。例えば、反応器100の運転時に、前記生成物排出ライン200を介して生成物を移送させるために、下記図1のように、前記生成物排出ライン200の分岐された第1ラインL1の圧力調節装置300の両側に備えられた遮断弁を開放し、残りのライン、すなわち、第2ラインL2の圧力調節装置300の両側に備えられた遮断弁を遮断することで、第1ラインL1を選択して生成物排出ストリーム(太い実線)を移送させることができる。また、下記図2のように、前記生成物排出ライン200の分岐された第2ラインL2の圧力調節装置300の両側に備えられた遮断弁を開放し、残りのライン、すなわち、第1ラインL1の圧力調節装置300の両側に備えられた遮断弁を遮断させることで、第2ラインL2を選択して生成物排出ストリーム(太い実線)を移送させることができる。
【0045】
また、前記反応器100の生成物排出ストリームを遮断し、生成物排出ライン200を洗浄する時に、第1遮断弁BV1および第2遮断弁BV2を遮断して、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)の移送を遮断し、前記第3遮断弁BV3および第4遮断弁BV4を開放して洗浄液(点線)を供給することで、前記第1遮断弁BV1と第2遮断弁BV2との間の生成物排出ライン200の配管および圧力調節装置300を洗浄することができる。具体的には、下記図3のように、反応器100の生成物排出ストリームを遮断し、前記生成物排出ライン200の第1ラインL1および第2ラインL2の両方の圧力調節装置300の両側に備えられた遮断弁を開放することで、すべてのラインを同時に洗浄することができる。
【0046】
他の一つの例として、下記図4および図5のように、前記生成物排出ライン200において、第1地点410および第2地点510のそれぞれは、二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに形成されることができる。具体的には、前記第1地点410および第2地点510のそれぞれが二つ以上に分岐されたそれぞれのラインに形成されることで、前記分岐地点210と合流地点220との間に分岐された二つ以上のラインを個別に洗浄することができる。より具体的には、前記分岐された二つ以上のラインのいずれか一つのラインを介して生成物排出ストリームを移送する時に、残りのラインは洗浄することができる。
【0047】
また、前記第1地点410は、分岐地点210と圧力調節装置300が備えられた地点との間の領域に形成されることができる。具体的には、前記洗浄液が供給される第1地点410が分岐地点210と圧力調節装置300が備えられた地点との間の領域に形成されることで、圧力調節装置300の入口から出口方向に洗浄液供給が可能であることから、配管とともに圧力調節装置300入口のファウリングの洗浄が容易であることができる。
【0048】
この際、前記第2地点510は、圧力調節装置300が備えられた地点と合流地点220との間の領域に形成されることができる。これにより、分岐された二つ以上のラインのいずれか一つのラインおよび前記ラインに備えられた圧力調節装置300を洗浄した洗浄液を容易に排出させることができる。
【0049】
上述のように、前記生成物排出ライン200を洗浄するために第1地点410、第2地点510およびバルブの形成位置を制御することができる。具体的には、前記生成物排出ライン200の二つ以上に分岐されたそれぞれのラインにおいて、圧力調節装置300を中心に両側にそれぞれ形成された第n-1遮断弁を含むことができる。前記第n-1遮断弁は、例えば、圧力調節装置300を中心に前端および後端に2機設置されることができ、この際、前端とは、圧力調節装置300を中心に反応器100に隣接した領域を意味し、後端とは、反応器100から離れた領域を意味し得る。また、前記それぞれの第n-1遮断弁と圧力調節装置300との間には、それぞれ、第1地点410と第2地点510が形成されることができる。この際、前記圧力調節装置300と前記圧力調節装置300の前端に設置された第n-1遮断弁との間に第1地点410が形成されることができ、前記圧力調節装置300と前記圧力調節装置300の後端に設置された第n-1遮断弁との間に第2地点510が形成されることができる。また、前記それぞれの第1地点410および第2地点510に連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500の任意の領域に形成された第n-2遮断弁を含むことができ、前記バルブを制御することで、生成物排出ライン200を洗浄することができる。
【0050】
この場合には、前記生成物排出ライン200の分岐された二つ以上のラインを個別に運転するか、洗浄することができることから、n個のモードで交互運転が可能であり、反応器100を運転停止する必要なく連続的に運転することができる。具体的には、第nモードで運転する時に、前記二つ以上に分岐されたそれぞれのラインにおいて、第nラインの第n-1遮断弁が開放される場合、前記第n-1遮断弁が開放されているラインの第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500のそれぞれの任意の領域に形成された第n-2遮断弁は、遮断されることができる。また、残りのラインの第n-1遮断弁が遮断され、前記第n-1遮断弁が遮断されているラインの第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500の任意の領域に形成された第n-2遮断弁は、開放されることができる。この際、前記第nラインは、2~5、2~3または2個のラインに分岐されたラインのいずれか一つのラインを意味し得る。
【0051】
より具体的には、前記生成物排出ライン200が分岐地点210で第1ラインL1および第2ラインL2に分岐された場合を例に挙げて説明すると、前記反応器100は、第1モードまたは第2モードで交互運転されることができる。
【0052】
下記図4のように、第1モードで運転時には、前記第1ラインL1に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第1-1遮断弁BV1-1が開放されて、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を第1ラインL1を用いて移送させることができる。この際、前記第1ラインL1の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第1-2遮断弁BV1-2は遮断されて、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500から洗浄液が第1ラインL1に流入されるか、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500に第1ラインL1の生成物排出ストリームが流出することを防止することができる。同時に、残りのライン、すなわち、第2ラインL2に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第2-1遮断弁BV2-1は遮断され、反応器100から排出される生成物排出ストリームが第2ラインL2に移送されることを遮断することができる。また、前記第2ラインL2の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第2-2遮断弁BV2-2は開放されて、前記第2ラインL2に洗浄液(点線)を循環させて第2ラインL2を選択的に洗浄することができる。
【0053】
また、下記図5のように、前記第2モードで運転時には、前記第2ラインL2に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第2-1遮断弁BV2-1が開放され、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を第2ラインL2を用いて移送させることができる。この際、前記第2ラインL2の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第2-2遮断弁BV2-2は遮断されて、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500から洗浄液が第2ラインL2に流入されるか、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500に第2ラインL2の生成物排出ストリームが流出することを防止することができる。同時に、残りのライン、すなわち、第1ラインL1に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第1-1遮断弁BV1-1は遮断され、反応器100から排出される生成物排出ストリームが第1ラインL1に移送されることを遮断することができる。また、前記第1ラインL1の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第1-2遮断弁BV1-2は開放されて、前記第1ラインL1に洗浄液(点線)を循環させて第1ラインL1を選択的に洗浄することができる。
【0054】
前記第1モードおよび第2モードは、0.1時間~12時間の周期を有して交互運転されることができる。例えば、前記第1モードおよび第2モードは、0.1時間~12時間、0.5時間~6時間または1時間~4時間の周期を有して交互運転されることができる。これにより、反応器100から排出される生成物排出ストリーム内に含まれた粘着性を有する高分子物質によって圧力調節装置300の入口が詰まることを防止することができる。
【0055】
具体的には、反応器100が第1モードで運転される場合には、第1ラインL1を介して生成物排出ストリームを移送し、第2ラインL2は洗浄し、この際、約12時間~72時間運転時に、第1ラインL1の圧力調節装置300の入口に高分子物質が蓄積されることがあり、この場合、第2モードに切り替えて第1ラインL1は洗浄し、第2ラインL2を介して生成物排出ストリームを移送することで、運転停止なしに反応器100を連続的に運転することができる。
【0056】
本発明の一実施形態によると、前記反応器100内部のオリゴマー化反応温度を制御するための冷却管(図示せず)をさらに含むことができる。前記冷却管(図示せず)には冷却水を供給することができる。これにより、反応器100内で行われる反応物のオリゴマー化反応を所定の温度で行うことができるように反応で発生する一部の熱を除去することができ、未反応の単量体とともに飛沫同伴されて未反応の単量体を含むストリームとともに排出される液相の低沸点オレフィンおよび溶媒の量を減少させることができる。
【0057】
本発明の一実施形態によると、オリゴマーの製造装置は、必要に応じて、バルブ、凝縮器、再沸器、ポンプ、分離装置、圧縮機および混合機など、オリゴマーの製造に必要な装置を追加的にさらに設置することができる。
【0058】
以上、本発明によるオリゴマーの製造装置について記載および図面に図示しているが、前記の記載および図面の図示は、本発明を理解するための核心的な構成のみを記載および図示したものであって、前記記載および図面に図示した工程および装置以外に、別に記載および図示していない工程および装置は、本発明によるオリゴマーの製造装置を実施するために適切に応用され用いられることができる。
【0059】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものであって、本発明の範疇および技術思想の範囲内で様々な変更および修正が可能であることは、通常の技術者にとって明白であり、これらのみに本発明の範囲が限定されるものではない。
【0060】
実施例
実施例1
下記図1に図示されている工程の流れを示す図のように、オリゴマーの製造装置を運転した。
【0061】
具体的には、反応器100の下部に気相のエチレン単量体ストリームを供給し、下部側面に溶媒ストリームを供給してエチレン単量体をオリゴマー化反応させ、アルファオレフィンを製造した。
【0062】
この際、第1遮断弁BV1および第2遮断弁BV2を開放して、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を生成物排出ライン200を介して移送する際に、第3遮断弁BV3および第4遮断弁BV4を遮断し、洗浄液(点線)が生成物排出ライン200に供給されることを遮断した。
【0063】
また、前記生成物排出ライン200の分岐された第1ラインL1の圧力調節装置300の両側にそれぞれ備えられた遮断弁を開放し、第2ラインL2の圧力調節装置300の両側にそれぞれ備えられた遮断弁を遮断することで、第1ラインL1を選択して生成物排出ストリーム(太い実線)を移送させた。
【0064】
実施例2
下記図2に図示されている工程の流れを示す図のように、オリゴマーの製造装置を運転した。
【0065】
具体的には、反応器100下部に気相のエチレン単量体ストリームを供給し、下部側面に溶媒ストリームを供給してエチレン単量体をオリゴマー化反応させ、アルファオレフィンを製造した。
【0066】
この際、第1遮断弁BV1および第2遮断弁BV2を開放して反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を生成物排出ライン200を介して移送する際に、第3遮断弁BV3および第4遮断弁BV4を遮断して、洗浄液(点線)が生成物排出ライン200に供給されることを遮断した。
【0067】
また、前記生成物排出ライン200の分岐された第2ラインL2の圧力調節装置300の両側にそれぞれ備えられた遮断弁を開放し、第1ラインL1の圧力調節装置300の両側にそれぞれ備えられた遮断弁を遮断することで、第2ラインL2を選択して生成物排出ストリーム(太い実線)を移送させた。
【0068】
実施例3
下記図3に図示されている工程の流れを示す図のように、オリゴマーの製造装置を洗浄した。
【0069】
具体的には、反応器100下部に気相のエチレン単量体ストリームを供給し、下部側面に溶媒ストリームを供給してエチレン単量体をオリゴマー化反応させ、アルファオレフィンを製造した。
【0070】
この際、第1遮断弁BV1および第2遮断弁BV2を遮断し、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)の移送を遮断し、前記第3遮断弁BV3および第4遮断弁BV4を開放して洗浄液(点線)を供給することで、前記第1遮断弁BV1と第2遮断弁BV2との間の生成物排出ライン200の配管および圧力調節装置300を洗浄した。この際、前記生成物排出ライン200の第1ラインL1および第2ラインL2の両方の圧力調節装置300の両側にそれぞれ備えられた遮断弁を開放させることで、すべてのラインを同時に洗浄した。
【0071】
実施例4
下記図4に図示されている工程の流れを示す図のように、オリゴマーの製造装置を第1モードで運転した。
【0072】
具体的には、反応器100下部に気相のエチレン単量体ストリームを供給し、下部側面に溶媒ストリームを供給してエチレン単量体をオリゴマー化反応させ、アルファオレフィンを製造した。
【0073】
この際、第1モードで運転時には、前記第1ラインL1に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第1-1遮断弁BV1-1を開放し、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を第1ラインL1を用いて移送させた。この際、前記第1ラインL1の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第1-2遮断弁BV1-2は遮断されて、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500から洗浄液が第1ラインL1に流入されるか、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500に第1ラインL1の生成物排出ストリームが流出されることを防止した。同時に、前記第2ラインL2に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第2-1遮断弁BV2-1は遮断されて、反応器100から排出される生成物排出ストリームが第2ラインL2に移送されることを遮断した。また、前記第2ラインL2の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第2-2遮断弁BV2-2は開放され、前記第2ラインL2に洗浄液(点線)を循環させて第2ラインL2を選択的に洗浄した。
【0074】
実施例5
下記図5に図示されている工程の流れを示す図のように、オリゴマーの製造装置を第2モードで運転した。
【0075】
具体的には、反応器100下部に気相のエチレン単量体ストリームを供給し、下部側面に溶媒ストリームを供給してエチレン単量体をオリゴマー化反応させ、アルファオレフィンを製造した。
【0076】
この際、第2モードで運転時には、前記第2ラインL2に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第2-1遮断弁BV2-1を開放し、反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を第2ラインL2を用いて移送させた。この際、前記第2ラインL2の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第2-2遮断弁BV2-2は遮断されて、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500から洗浄液が第2ラインL2に流入されるか、前記洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500から第2ラインL2の生成物排出ストリームが流出されることを防止した。同時に、前記第1ラインL1に備えられた圧力調節装置300の両側にそれぞれ形成された第1-1遮断弁BV1-1は遮断され、反応器100から排出される生成物排出ストリームが第1ラインL1に移送されることを遮断した。また、前記第1ラインL1の第1地点410および第2地点510と連結される洗浄液供給ライン400および洗浄液排出ライン500それぞれの任意の領域に形成された第1-2遮断弁BV1-2は開放されて、前記第1ラインL1に洗浄液(点線)を循環させて第1ラインL1を選択的に洗浄した。
【0077】
比較例
比較例1
下記図6に図示されている工程の流れを示す図のように、オリゴマーの製造装置を運転した。具体的には、反応器100下部に気相のエチレン単量体ストリームを供給し、下部側面に溶媒ストリームを供給してエチレン単量体をオリゴマー化反応させ、アルファオレフィンを製造した。
【0078】
この際、前記反応器100から排出される生成物排出ストリーム(太い実線)を生成物排出ライン200を介して排出させた。
【0079】
この場合、生成物排出ライン200を介して高圧の生成物排出ストリームが排出され、前記生成物排出ストリームが水位調整弁を通過して圧力が下がり、反応器よりも低圧で運転される後続工程に移送されながら圧力降下によって気相および液相の分離する問題があり、この際、接着性を有する高分子物質が析出されて、配管にファウリングが発生する問題があった。
【符号の説明】
【0080】
100 反応器
200 生成物排出ライン
210 分岐地点
220 合流地点
300 圧力調節装置
400 洗浄液供給ライン
410 第1地点
500 洗浄液排出ライン
510 第2地点
L1 第1ライン
L2 第2ライン
BV1 第1遮断弁
BV2 第2遮断弁
BV3 第3遮断弁
BV4 第4遮断弁
BV1-1 第1-1遮断弁
BV1-2 第1-2遮断弁
BV2-1 第2-1遮断弁
BV2-2 第2-2遮断弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】