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特表2022-544804プラズマプロセス中の表面反応の動力学モデルを調整するシステムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(54)【発明の名称】プラズマプロセス中の表面反応の動力学モデルを調整するシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20221014BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B11/24 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510124
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 US2020047085
(87)【国際公開番号】W WO2021034989
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/889,949
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/872,879
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル アンカー エイ
(72)【発明者】
【氏名】ハード チャド
(72)【発明者】
【氏名】チャン イチング
(72)【発明者】
【氏名】プ ハイフェン
(72)【発明者】
【氏名】リ シン
(72)【発明者】
【氏名】パンネーチルバム プレムクマール
(72)【発明者】
【氏名】ハン フィドル
(72)【発明者】
【氏名】チェン エウルイ
【テーマコード(参考)】
2F065
4M106
【Fターム(参考)】
2F065AA54
2F065BB02
2F065BB17
2F065CC19
2F065DD03
2F065FF41
2F065FF48
2F065FF49
2F065FF52
2F065GG02
2F065GG04
2F065HH04
2F065HH12
2F065JJ01
2F065JJ08
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ41
2F065RR06
2F065UU05
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA04
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB14
4M106DB16
4M106DH34
4M106DJ04
4M106DJ06
4M106DJ18
4M106DJ19
4M106DJ20
(57)【要約】
本開示の1つ以上の実施形態によるシステムは、開示される。システムは計測ツールを含み、計測ツールは標本の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成される。システムは、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含んでいるコントローラを含み、プログラム命令は1つ以上のプロセッサに、表面動力学モデル出力を表面動力学モデルに基づいて生成させ、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答を決定させ、決定された予想される応答を1つ以上の測定値と比較させ、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との比較に基づいて生成させ、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータを調整して、調整された表面動力学モデルを生成させ、調整された表面動力学モデルを適用して、プラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測ツールであって、標本の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成される計測ツールと、
前記計測ツールに通信可能に結合されたコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、前記プログラム命令が前記1つ以上のプロセッサに、
表面動力学モデル出力を表面動力学モデルに基づいて生成させ、ここで前記表面動力学モデルは前記表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行され、
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答を決定させ、
前記決定された予想される応答を、前記計測ツールから受信した前記標本の前記1つ以上の測定値と比較させ、
1つ以上のメトリックを、前記決定された予想される応答と前記標本の前記1つ以上の測定値との前記比較に基づいて生成させ、
前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づき調整させて、調整された表面動力学モデルを生成させ、
前記調整された表面動力学モデルを適用させて、前記標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートさせる、コントローラと、を備える、
システム。
【請求項2】
前記コントローラは、
1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を前記調整された表面動力学モデルに基づき選択的に調整するように構成された1つ以上の制御信号を生成するように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
調整された表面動力学モデルの前記生成は、
調整された表面動力学モデル出力を前記1つ以上の調整されたパラメータに基づいて、収束が達成されるまで生成することを含み、ここで前記収束は閾値の許容値よりも低い前記1つ以上のメトリックに基づいて定義される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記閾値の許容値は1×10-10~5000の間である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記計測ツールは、
光学的臨界寸法(OCD)ツール、臨界寸法走査型電子顕微鏡(CD-SEM)ツール、透過型電子顕微鏡(TEM)ツール、又は断面走査型電子顕微鏡(X-SEM)ツール、
の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記表面動力学モデル出力は、前記標本の特徴の形状を記述するように構成されるプロファイルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記表面動力学モデル出力は、前記標本上の特徴の形状の再構築を可能にするように構成される1つ以上の臨界形状パラメータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記偏光による前記励起は、反射構成又は透過構成の少なくとも一方で構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
フーリエ空間法を実行すること、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
厳密結合波理論を実行すること、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記決定された予想される応答は、利用される前記偏光の波長の関数としての空間高調波の合計として表される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のメトリックは、
前記標本の前記1つ以上の測定値と前記決定された予想される応答との間の正規化された偏差平方和、前記標本の前記1つ以上の測定値と前記決定された予想される応答との間の不一致を説明するための適合度、又は前記標本の前記1つ以上の測定値と前記決定された予想される応答との間の偏差の最小二乗和、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づいて前記調整を行い、調整された表面動力学モデルを生成することは、
前記1つ以上のパラメータを、最適化アルゴリズムを用いて調整すること、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記最適化アルゴリズムは、
最急降下法を含み、ここで前記最急降下法は前記1つ以上のメトリックの最小値を見つけるように構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記最急降下法を、確率的勾配降下法を使用して調整することを更に含み、ここで前記確率的勾配降下法は標本をランダムに選択して勾配を評価するように構成される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記表面動力学モデルは、前記標本全体の1つ以上の部位で同時に実行される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記初期推定の前記1つ以上のパラメータの1つ以上の形状パラメータは、前記標本上の1つ以上の特徴に基づき変化する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
前記決定された予想される応答を前記表面動力学モデルの1つ以上の追加のパラメータを用いて決定すること、
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の追加のパラメータは、分散又は厚さの少なくとも一方を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
1つ以上の小角x線散乱画像を1つ以上の標本回転角で生成すること、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上の小角x線散乱画像は、少なくとも、
斜入射小角x線散乱法、臨界寸法小角x線散乱法、斜入射透過小角X線散乱法、又は軟 X線散乱法、
のうちの1つを用いて生成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラは、
機械学習モデルを生成し、
機械学習モデルを訓練し、ここで前記訓練された機械学習モデルを利用して、前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づき調整し、調整された表面動力学モデルを生成する、
ように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
表面動力学モデル出力を表面動力学モデルに基づいて生成し、ここで前記表面動力学モデルは前記表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行されること、
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答を決定すること、
前記決定された予想される応答を、計測ツールから受信した標本の1つ以上の測定値と比較すること、
1つ以上のメトリックを、前記決定された予想される応答と前記標本の前記1つ以上の測定値との前記比較に基づいて生成すること、
前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づき調整して、調整された表面動力学モデルを生成すること、及び、
前記調整された表面動力学モデルを適用して、前記標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートすること、を含む、
方法。
【請求項24】
調整された表面動力学モデルの前記生成は、
調整された表面動力学モデル出力を前記1つ以上の調整されたパラメータに基づいて、収束が達成されるまで生成することを含み、ここで前記収束は閾値の許容値よりも低い前記1つ以上のメトリックに基づいて定義されること、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記閾値の許容値は1×10-10~5000の間である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記表面動力学モデル出力は、前記標本の特徴の形状を記述するように構成されるプロファイルを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記表面動力学モデル出力は、前記標本上の特徴の形状の再構築を可能にするように構成された1つ以上の臨界形状パラメータを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記偏光による前記励起は、反射構成又は透過構成の少なくとも一方で構成される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
フーリエ空間法を実行すること、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
厳密結合波理論を実行すること、
を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記決定された予想される応答は、利用される前記偏光の波長の関数としての空間高調波の合計として表される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上のメトリックは、
前記標本の前記1つ以上の測定値と前記決定された予想される応答との間の正規化された偏差平方和、前記標本の前記1つ以上の測定値と前記決定された予想される応答との間の不一致を説明するための適合度、又は前記標本の前記1つ以上の測定値と前記決定された予想される応答との間の偏差の最小二乗和、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づいて前記調整を行い、調整された表面動力学モデルを生成することは、
前記1つ以上のパラメータを、最適化アルゴリズムを用いて調整すること、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記最適化アルゴリズムは、
最急降下法を含み、ここで前記最急降下法は前記1つ以上のメトリックの最小値を見つけるように構成される、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記最急降下法を、確率的勾配降下法を使用して調整することを更に含み、ここで前記確率的勾配降下法は標本をランダムに選択して勾配を評価するように構成される、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記計測ツールは、
光学的臨界寸法(OCD)ツール、臨界寸法走査型電子顕微鏡(CD-SEM)ツール、透過型電子顕微鏡(TEM)ツール、又は断面走査型電子顕微鏡(X-SEM)ツール、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
前記表面動力学モデルは、前記標本全体の1つ以上の部位で同時に実行される、請求項23に記載の方法。
【請求項38】
前記初期推定の前記1つ以上のパラメータの1つ以上の形状パラメータは、前記標本上の1つ以上の特徴に基づき変化する、請求項23に記載の方法。
【請求項39】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
前記予想される応答を前記表面動力学モデルの1つ以上の追加のパラメータを用いて決定すること、
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ以上の追加のパラメータは、分散又は厚さの少なくとも一方を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答の前記決定は、
1つ以上の散乱画像を1つ以上の標本回転角で生成すること、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ以上の散乱画像は、1つ以上の小角x線画像を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記1つ以上の小角x線散乱画像は、
斜入射小角x線散乱法、臨界寸法小角x線散乱法、斜入射透過小角X線散乱法、又は軟X線散乱法、
のうちの少なくとも1つを用いて生成される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
機械学習モデルを生成すること、及び、
前記機械学習モデルを訓練することであって、ここで前記訓練された機械学習モデルを利用して、前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づき調整し、調整された表面動力学モデルを生成すること、
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項45】
計測ツールであって、標本の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成される計測ツールと、
前記計測ツールに通信可能に結合されたコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、前記プログラム命令が前記1つ以上 のプロセッサに、
表面動力学モデル出力を表面動力学モデルに基づいて生成させ、ここで前記表面動力学モデルは前記表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行され、
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答を決定させ、
前記決定された予想される応答を、前記計測ツールから受信した前記標本の前記1つ以 上の測定値と比較させ、
1つ以上のメトリックを、前記決定された予想される応答と前記標本の前記1つ以上の 測定値との前記比較に基づいて生成させ、
機械学習モデルを生成させ、
前記機械学習モデルを訓練させ、
前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づき前記機械学習モデルを用いて調整させて、調整された表面動力学モデルを生成させ、
前記調整された表面動力学モデルを適用させて、前記標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートさせる、コントローラと、を備える、
システム。
【請求項46】
表面動力学モデル出力を、表面動力学モデルを用いて生成し、ここで前記表面動力学モデルは前記表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行されること、
偏光による励起に対する前記表面動力学モデル出力の予想される応答を決定すること、
前記決定された予想される応答を、計測ツールからの標本の前記1つ以上の測定値と比較すること、
1つ以上のメトリックを、前記決定された予想される応答と前記標本の前記1つ以上の測定値との前記比較に基づいて生成すること、
機械学習モデルを生成すること、
前記機械学習モデルを訓練すること、
前記表面動力学モデルの前記1つ以上のパラメータを前記1つ以上のメトリックに基づき、前記機械学習モデルを用いて調整して、調整された表面動力学モデルを生成すること、及び、
前記調整された表面動力学モデルを適用して、前記標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートすること、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プラズマプロセスの分野に関連し、特に、表面動力学モデルを調整してプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年8月21日に出願され、「METHOD TO OPTIMIZE MODEL OF KINETICS OF SURFACE REACTIONS DURING PLASMA PROCESSING」と題され、Ankur Agarwal、Chad Huard、Yiting Zhang、Haifeng Pu、Xin Li、Premkumar Panneerchelvam、及びFiddle Hanを発明者とする、米国仮出願番号第62/889,949号の利益を主張するものであり、それらの開示の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
マイクロエレクトロニクス製造は、様々なプラズマプロセスステップを含む。例えば、標本は、製造中に数百のプラズマプロセス(例えば、エッチング、堆積、イオン注入など)を受ける場合がある。これらのプロセスの間、標本は、様々な技術を使用して定期的に測定されて、標本の特徴、均一性、及び仕様を特徴付けられる。このようなパラメータの特徴付けは、各プラズマプロセスの変化する条件(例えば、温度、電力、及びガス組成)のために困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0049937号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マイクロエレクトロニクス製造における特徴の臨界寸法が減少し続けるにつれて、特徴の臨界寸法の連続的な縮小を可能にするプロセスの開発における課題は増大する。例えば、大規模に製造可能なプロセスを開発する時間は、関連する研究開発費とともに増加している。
【0006】
したがって、上記で特定された以前のアプローチの不足に対処するシステムと方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態によるシステムが、開示される。1つの実施形態では、システムは計測ツールを含み、計測ツールは標本の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成される。別の実施形態では、システムは、計測ツールに通信可能に結合されたコントローラを含み、コントローラは、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、プログラム命令は1つ以上のプロセッサに、表面動力学モデル出力を表面動力学モデルに基づいて生成させ、表面動力学モデルは表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行され、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答を決定させ、決定された予想される応答を、計測ツールから受信した標本の1つ以上の測定値と比較させ、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との比較に基づいて生成させ、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータを1つ以上のメトリックに基づき調整して、調整された表面動力学モデルを生成させ、調整された表面動力学モデルを適用して、標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートさせる。
【0008】
本開示の1つ以上の実施形態による方法が、開示される。1つの実施形態では、方法は、表面動力学モデル出力を、表面動力学モデルを使用して生成することを含み、表面動力学モデルは表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づいて実行される。別の実施形態では、方法は、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答を決定することを含む。別の実施形態では、方法は、決定された予想される応答を、計測ツールから受信した標本の1つ以上の測定値と比較することを含む。別の実施形態では、方法は、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との間の比較に基づき生成することを含む。別の実施形態では、方法は、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータを1つ以上のメトリックに基づき調整して、調整された表面動力学モデルを生成することを含む。別の実施形態では、方法は、調整された表面動力学モデルを適用して、標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートすることを含む。
【0009】
本開示の1つ以上の実施形態によるシステムが、開示される。1つの実施形態では、システムは計測ツールを含み、計測ツールは標本の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成される。別の実施形態では、システムは、計測ツールに通信可能に結合されたコントローラを含み、コントローラは、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、プロセッサ命令は1つ以上のプロセッサに、表面動力学モデル出力を表面動力学モデルに基づいて生成させ、表面動力学モデルは表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行され、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答を決定させ、決定された予想される応答を、計測ツールから受信した標本の1つ以上の測定値と比較させ、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との比較に基づいて生成させ、機械学習モデルを生成させ、機械学習モデルを訓練させ、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータを、機械学習モデルを用いて1つ以上のメトリックに基づき調整して、調整された表面動力学モデルを生成させ、調整された表面動力学モデルを適用して、標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートさせる。
【0010】
本開示の1つ以上の実施形態による方法が、開示される。1つの実施形態では、方法は、表面動力学モデル出力を、表面動力学モデルを使用して生成することを含み、表面動力学モデルは表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づいて実行される。別の実施形態では、方法は、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答を決定することを含む。別の実施形態では、方法は、決定された予想される応答を、計測ツールから受信した標本の1つ以上の測定値と比較することを含む。別の実施形態では、方法は、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との間の比較に基づき生成することを含む。別の実施形態では、方法は、機械学習モデルを生成することを含む。別の実施形態では、方法は、機械学習モデルを訓練することを含む。別の実施形態では、方法は、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータを、機械学習モデルを用いて1つ以上のメトリックに基づき調整して、調整された表面動力学モデルを生成することを含む。別の実施形態では、方法は、調整された表面動力学モデルを適用して、標本のプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートすることを含む。
【0011】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、一般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の多くの利点は、以下の添付図面を参照することにより、当業者によってよりよく理解され得る。
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するためのシステムの簡略化されたブロック図を示す。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するためのシステムの簡略化された概略図を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整する方法を表示するフローチャートを示す。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルの出力例を示す。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルの出力例を示す。
図3C】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデのル出力例を示す。
図3D】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルの出力例を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、厳密結合波理論(RCWA)の反復結果を示すプロットである。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、測定された応答と決定された予想される応答との比較を示すプロットである。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するための方法を表示するフローチャートを示す。
図7】本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するための方法を表示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、特定の実施形態及びその特定の特徴に関して特に示されて説明されている。本明細書に記載の実施形態は、例示的であり、限定するものではないと解釈される。形態及び詳細の様々な変更と修正が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には容易に明らかである。
【0014】
ここで、開示された主題を詳細に参照し、それは添付の図面に示される。
【0015】
標本処理は、様々なプラズマプロセスステップを含む。例えば、標本は、製造中に数百のプラズマプロセス(例えば、エッチング、堆積、イオン注入など)を受ける場合がある。表面動力学モデルを利用して、そのようなプラズマプロセス中に標本上の性能をシミュレートし得る。しかし、表面動力学モデルは、モデルのパラメータを調整しない限り、予測可能ではない。パラメータの調整は、製造中に必要とされる多数のプラズマプロセスの変化する条件(例えば、温度、電力、ガス組成など)のために困難である。表面動力学モデルのパラメータの決定には、プラズマプロセスの標本上の性能の断面画像を使用してパラメータを手動で調整する必要があり得る。加えて、パラメータはプログラム的な方法で決定され得る。これらの従来の方法は、標本を断面化する計測技術を必要とし、それは標本の廃物につながる。したがって、得られたパラメータは予測的ではない。
【0016】
更に、マイクロエレクトロニクス製造における特徴の臨界寸法が減少し続けるにつれて、特徴の臨界寸法の連続的な縮小を可能にするプロセスの開発における課題は増大する。例えば、大規模に製造可能なプロセスを開発する時間は、関連する研究開発費とともに増加している。
【0017】
したがって、本開示の実施形態は、表面動力学モデルを調整するためのシステムと方法に関する。特に、本開示の実施形態は、計測サブシステムから取得された1つ以上の測定値に基づき、表面動力学モデルを調整するためのシステムと方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、物理的モデリングの力と標本上の特徴の非破壊測定を組み合わせて、開発時間を短縮し、プロセスの調整に関連する研究開発費を削減するシステムと方法に関する。更に、本開示の実施形態は、物理的モデルを使用して、(純粋に統計的アプローチと比較して)光学的限界寸法モデルの開発をガイドするためのシステムと方法に関する。
【0018】
本明細書では、本開示の1つ以上の実施形態は、従来の方法と比べて多くの利点を有し得ることに留意する。例えば、本開示の1つ以上の実施形態は、標本の再利用を可能にし、同じ標本を使用し、複数の層を処理することによって統合モデルを構築することを可能にする。別の例として、本開示の1つ以上の実施形態は、通常、長い時間をかけてスペクトルを適合させる光学的限界寸法モデルを構築する必要性を防ぐ。更に、本開示の1つ以上の実施形態は、調整された表面動力学モデルの高速かつ自動生成を提供する。更に、本開示の1つ以上の実施形態は、正確で予測可能な表面動力学モデルの生成を可能にする。更に、本開示の1つ以上の実施形態は、プラズマプロセスの加速された研究開発を可能にする。
【0019】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するためのシステムの簡略化されたブロック図を示す。1つの実施形態では、システム100は、計測サブシステム102を含む。別の実施形態では、システム100は、コントローラ104を含み、コントローラ104は1つ以上のプロセッサ106とメモリ108とを含んでいる。コントローラ104は、ユーザインターフェース110を含み得るか、又はユーザインターフェース110に通信可能に結合され得る。
【0020】
本明細書では、計測サブシステム102は、当技術分野で周知の任意の計測サブシステム102を含み得て、限定するものではないが、光計測システム、荷電粒子ベースの計測システムなどが挙げられることに留意する。例えば、計測サブシステムは、限定するものではないが、光学的臨界寸法(OCD)ツール、臨界寸法走査型電子顕微鏡(CD-SEM)ツール、透過型電子顕微鏡(TEM)ツール、断面走査型電子顕微鏡(X-SEM)ツールなどを含み得る。
【0021】
別の実施形態では、コントローラ104は、計測サブシステム102に通信可能に結合される。これに関して、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、1つ以上の測定信号132を計測サブシステム102から受信するように構成され得る。この収集されたデータ132を用いて、表面動力学モデルを調整してもよく、これについては、本明細書で更に説明する。加えて、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、1つ以上の制御信号を生成して、計測サブシステム102の1つ以上の特性/パラメータを調整するように構成され得る。
【0022】
別の実施形態では、システム100は、コントローラ104に通信可能に結合された1つ以上のプロセスツールを更に含み得る。1つ以上のプロセスツールは、当技術分野で周知の任意のプロセスツールを含み得て、限定するものではないが、リソグラフィツール、エッチングツール、堆積ツール、研磨ツール、スキャナなどが挙げられる。例えば、コントローラ104は、1つ以上の制御信号を生成するように構成され得て、制御信号は、フィードフォワード又はフィードバックループ内の1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を、調整された表面動力学モデルに基づき調整するように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、下流のプロセスツールへの1つ以上の制御信号を生成するように構成され得る。別の例では、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、上流のプロセスツールへの1つ以上の制御信号を生成するように構成され得る。
【0023】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、リフレクトメトリ及び/又はエリプソメトリ構成に配置された計測サブシステム102の簡略化された概略図を示す。
【0024】
1つの実施形態では、計測サブシステム102は、照明源112、照明アーム114、収集アーム116、及び検出器アセンブリ118を含む。照明源112からの照明101は、照明アーム114を介して標本120に向けられてもよい。
【0025】
計測サブシステム102は、標本から発する照明を、収集アーム116を介して収集するように構成され得る。照明アーム114の経路は、照明101を修正及び/又は調整するのに適した1つ以上の光素子122を含み得る。例えば、1つ以上の光素子122は、限定するものではないが、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、1つ以上のレンズ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0026】
照明アーム114は、第1の集束素子124を利用して、照明101(例えば、ビーム)を標本120に集束及び/又は向けることができる。いくつかの実施形態では、標本120は、ステージアセンブリ126上に配置されて、標本120の移動を容易にする。いくつかの実施形態では、ステージアセンブリ126は作動可能なステージである。例えば、ステージアセンブリ126は、限定するものではないが、標本120を1つ以上の直線方向(例えば、x方向、y方向、及び/又はz方向)に沿って選択的に並進させるのに適した1つ以上の並進ステージを含み得る。別の例として、ステージアセンブリ126は、限定するものではないが、標本120を回転方向に沿って選択的に回転させるのに適した1つ以上の回転ステージを含み得る。別の例として、ステージアセンブリ126は、限定するものではないが、選択的に、標本120を直線方向に沿って並進させる、及び/又は標本120を回転方向に沿って回転させるのに適した回転ステージ及び並進ステージを含み得る。本明細書では、システム100は、当技術分野で周知の任意の走査モードで動作し得ることに留意する。
【0027】
収集アーム116は、第2の集束素子128を含み、標本120から照明を収集し得る。別の実施形態では、検出器アセンブリ118は、標本120から発する照明を、収集アーム116を介してキャプチャするように構成される。例えば、検出器アセンブリ118は、標本120から反射又は散乱された(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介して)照明を受け取ることができる。別の例として、検出器アセンブリ118は、標本120によって生成された照明(例えば、照明101の吸収に関連する発光など)を受け取ることができる。検出器アセンブリ118は、当技術分野で周知の任意のセンサ及び検出器アセンブリを含み得ることに留意する。センサは、限定するものではないが、電荷結合デバイス(CCD検出器)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、時間遅延積分(TDI)検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得る。
【0028】
別の実施形態では、コントローラ104は、標本120の1つ以上の測定値を取得してもよい。例えば、コントローラ104は、標本120の計測測定値を収集するように構成され得る。
【0029】
収集アーム116は、第2の集束素子128によって収集される照明を方向付け及び/又は修正するための収集光学系130を更に含むことができ、限定するものではないが、1つ以上のレンズ、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子、又は1つ以上のフェーズプレートが挙げられる。
【0030】
本開示を通して使用されるように、「標本」という用語は、一般に、半導体又は非半導体材料(例えば、ウェハ、レチクルなど)で形成された基板を指す。例えば、半導体又は非半導体材料は、限定するものではないが、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、及びリン化インジウムを含み得る。標本は、1つ以上の層を含んでもよい。例えば、そのような層は、限定するものではないが、レジスト、誘電体材料、導電性材料、及び半導電性材料を含み得る。そのような層の多くの異なるタイプは当技術分野で周知であり、本明細書で使用される標本という用語は、すべてのタイプのそのような層が形成され得る標本を包含することを意図している。標本上に形成された1つ以上の層は、パターン化される場合とパターン化されていない場合がある。例えば、標本は、複数のダイを含み得て、それぞれは繰り返し可能なパターン化された特徴を有している。そのような材料の層の形成と処理は、最終的に完成したデバイスをもたらし得る。多くの異なるタイプのデバイスは標本上に形成され得て、本明細書で使用される標本という用語は、当技術分野で周知の任意のタイプのデバイスが製造されている標本を包含することを意図している。更に、本開示の目的のために、標本とウェハという用語は交換可能であると解釈されるべきである。
【0031】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整する方法200を表示するフローチャートを示す。特に、図2は、表面動力学モデルを、計測ツール(例えば、図1A図1Bに示される計測サブシステム102)からの1つ以上の測定値を使用して調整するためのフローチャート200を示す。これに関して、フローチャート200は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって/1つ以上のプロセッサ106の内部で実行されるステップを示す概念的なフローチャートと見なされてもよい。
【0032】
ステップ202では、システム100は、1つ以上のパラメータ(p)の初期推定に基づき表面動力学モデルを実行するように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、表面動力学モデルを実行するように構成され得る。1つの実施形態では、システム100は、1つ以上の特徴(i)の各特徴に対する表面動力学モデル出力(CDn、i)を、ステップ202で使用される1つ以上のパラメータに基づき生成するように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、表面動力学モデル出力を生成するように構成され得る。
【0033】
1つの実施形態では、図3A図3Dに示されるように、ステップ202で実行される表面動力学モデルは、1つ以上のプラズマプロセス中に作成される特徴の形状を記述するプロファイルを生成し得る。別の実施形態では、ステップ202で実行される表面動力学モデルは、標本上の特徴の形状の再構築を可能にするように構成された1つ以上の臨界形状パラメータを生成し得る。図3A図3Dは1次元プロファイルを示すが、本明細書では、特徴の形状は2次元又は3次元の形状であり得ることに留意する。したがって、上記の説明は、本開示の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単なる例示と見なされるべきである。
【0034】
ステップ204では、システム100は、表面動力学モデル出力(CDn、i)を利用して、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答を決定するように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、予想される応答を決定するように構成される。1つの実施形態では、決定された予想される応答は、フーリエ空間法を使用して決定され得る。例えば、決定された予想される応答は、厳密結合波理論(RCWA)を使用して決定され得る。これに関して、フーリエ空間法(例えば、RCWA)の決定された予想される応答は、利用される光の波長の関数としての空間高調波の合計として表され得る。別の実施形態では、決定された予想される応答は、有限要素法を使用して決定され得る。別の実施形態では、決定された予想される応答は、境界要素法を使用して決定され得る。
【0035】
別の実施形態では、決定された予想される応答は、小角X線散乱法を使用して決定され得る。例えば、決定された予想される応答は、1つ以上の散乱画像を1つ以上の標本回転角で生成することによって決定され得る。例えば、1つ以上の散乱画像はx線を使用して生成され得て、その結果、1つ以上の小角x線散乱画像が生成され得る。1つ以上の小角x線散乱画像は、当技術分野で周知の任意の方法を使用して生成され得て、限定するものではないが、斜入射小角x線散乱法、臨界寸法小角x線散乱法、斜入射透過小角x線散乱法、軟x線散乱法などが挙げられる。本明細書では、1つ以上の散乱画像は、当技術分野で周知の任意の標本回転角で生成され得ることに留意する。
【0036】
本明細書では、偏光による励起に対する表面動力学モデルの決定された予想される応答は、反射構成又は透過構成で構成され得ることに留意する。
【0037】
別の実施形態では、システム100は、計測ツールの照明源(例えば、図1Bに示される計測サブシステム102の照明源112)を使用し、偏光を用いて標本を励起するように構成される。別の実施形態では、システム100は、偏光による励起に対する標本の測定された応答を収集するように構成される。例えば、コントローラ104は、計測サブシステム102によって取得された標本の測定された応答を収集するように構成され得る。
【0038】
ステップ206では、システム100は、ステップ204で決定された、決定された予想される応答を、計測ツールから受信された標本の測定された応答と比較するように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、決定された予想される応答を計測ツールから取得された測定された応答と比較するように構成され得る。
【0039】
別の実施形態では、システム100は、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と測定された応答との間の比較に基づき生成するように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、1つ以上のメトリックを、決定された予想される応答と測定された応答との間の比較に基づき生成するように構成され得る。別の実施形態では、1つ以上のメトリックは、測定された応答からの決定された予想される応答の逸脱を説明するように構成される。例えば、1つ以上のメトリックは、測定された応答と決定された予想される応答との間の正規化された偏差平方和を含み得る。例えば、1つ以上のメトリックは、適合度を含み得て、測定された応答と決定された予想される応答との間の不一致を説明する。別の例では、1つ以上のメトリックは、測定された応答と決定された予想される応答との間の偏差の最小二乗和(least squares sum of the deviations)を含み得る。測定された応答と決定された予想される応答との間の不一致は、当技術分野で周知の任意の統計的メトリックを利用して説明され得て、したがって、上記の議論は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0040】
ステップ208では、システム100は、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータ(P)を1つ以上のメトリックに基づき調整し、調整された表面動力学モデルを生成するように構成される。例えば、システム100は、表面動力学モデルの第1のパラメータPを、1つ以上のメトリックに基づき調整するように構成され得る。別の例として、システム100は、表面動力学モデルの第2のパラメータPを、1つ以上のメトリックに基づき調整するように構成され得る。本明細書では、システム100は、最大N個のパラメータPを調整するように構成され得ることに留意する。例えば、調整されるパラメータの数は1~1000の範囲であってもよい。したがって、上記の説明は、本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0041】
別の実施形態では、システム100は、調整された表面動力学モデルを1つ以上の調整されたパラメータに基づいて生成するように構成される。例えば、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータは、収束が達成されるまで調整され得る。例えば、収束は、閾値の許容値よりも低い1つ以上のメトリックに基づいて定義されてもよい。この点で、閾値の許容値は1×10-10~5000の間であり得る。この例では、表面動力学モデルは、1つ以上のメトリックが閾値(例えば、1×10-10~5000)より低くなるまで調整され得る。本明細書では、閾値の許容レベルは、特徴付けられるプロセスの複雑さに基づいて調整され得ることに留意する。
【0042】
ステップ210では、システム100は、調整された表面動力学モデルを適用して、標本のプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするように構成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、調整された表面動力学モデルを適用して、標本120のプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするように構成され得る。
【0043】
図3A図3Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルの出力例を示す。図3Aは、出力300を示す。図3Bは、出力310を示す。図3Cは、出力320を示す。図3Dは、出力330を示す。
【0044】
1つ以上の出力300、310、320、330は、1つ以上の形状記述パラメータ(CDn、i)を含み得る。例えば、1つ以上の出力300、310、320、330は、第1の形状記述パラメータCD1、iを含み得る。別の例として、1つ以上の出力300、310、320、330は、第2の形状記述パラメータCD2、iを含み得る。1つ以上の出力300、310、320、330は、最大N個の形状記述パラメータCDn、iを含み得る。
【0045】
更に、本明細書では、表面動力学モデルの出力は、プロファイル自体ではなくてもよく、再構成を可能にする形状記述パラメータのリストであってもよく、したがって、図3A図3Dに示される出力300、310、320、330は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、例示の目的で提供されることに留意する。
【0046】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、厳密結合波理論(RCWA)の反復結果を示すプロット400である。特に、図4は、計測ツール(例えば、図1A図1Bに示されるような計測サブシステム102)から受信された標本の測定された応答402と比較した、ステップ202のRCWA応答の反復結果を含むプロット400を示す。モデルパラメータPが変化すると、RCWA応答は、反復1 404でのモデル化(モデル化された応答404)から反復n406でのモデル化(モデル化された応答406)に展開し、そこでモデルは、測定された応答402とモデル化された応答406との比較に基づいて収束したと見なされる。
【0047】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、測定された応答と決定されたモデル化された応答との比較を示すプロット500である。特に、図5は、閾値506未満の測定メトリックからのモデル化された応答の偏差を示しているプロット500を示す。モデルパラメータPが変化するにつれて、モデル化された応答404、406と測定された応答402との間の偏差は、偏差502として定量化される。反復n504で、偏差502は閾値506未満であり、反復プロセスは収束したと見なされる。
【0048】
別の実施形態では、反復n504の前に、ステップ208(図2に示される)が実行されてもよい。例えば、システム100は、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータPを調整するように構成され得る。別の実施形態では、反復n504で、ステップ210(図2に示される)が実行され得る。例えば、システム100は、調整された表面動力学モデルを適用して、標本のプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするように構成され得る。
【0049】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するための方法600を表示するフローチャートを示す。システム100の文脈において本明細書で前述した実施形態及び実現技術は、方法600に及ぶものと解釈されるべきであることに留意する。これに関して、方法600のステップは、システム100によって実行され得て、方法600は、システム100のアーキテクチャによって必要とされ、又は暗に含まれる1つ以上のステップを更に含み得る。しかしながら、方法600は、システム100のアーキテクチャに限定されず、方法600の1つ以上のステップ、又はその一部分は、代替のシステム構成要素及び/又はアーキテクチャを用いて実行され得ることが認識される。更に、方法600のステップは、本明細書で別段の指定がない限り、任意の順序で実行され得る。
【0050】
ステップ602において、表面動力学モデル出力は、表面動力学モデルを使用して生成される。例えば、表面動力学モデル出力は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって生成され得る。別の例として、表面動力学モデルは、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行されてもよい。例えば、1つ以上のパラメータの初期推定に基づく表面動力学モデルは、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106上で実行され得る。1つの実施形態では、表面動力学モデル出力は、標本の特徴の形状を記述するように構成されたプロファイルを含む。別の実施形態では、表面動力学モデル出力は、標本の特徴の形状の再構成を可能にするように構成された1つ以上の臨界形状パラメータを含む。
【0051】
本明細書では、表面動力学モデルは、標本全体の1つ以上の部位で同時に実行され得ることに留意する。例えば、表面動力学モデルは、標本上の1つ以上の特徴の各特徴について、標本全体の1つ以上の部位で実行され得る。1つ以上の部位は個別に決定されてもよい。更に、1つ以上の部位は、決定をガイドするように構成されたアルゴリズムを使用して決定され得る。
【0052】
更に、本明細書では、1つ以上の初期推定パラメータは、標本上の1つ以上の特徴に基づき変更され得ることに留意する。例えば、1つ以上のパラメータの1つ以上の形状パラメータは、標本上の1つ以上の特徴に基づいて変更され得る。
【0053】
ステップ604では、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答が決定される。偏光による励起は、反射構成又は透過構成で構成され得る。1つの実施形態では、予想される応答は、フーリエ空間法を使用して決定される。例えば、厳密結合波理論(RCWA)が実行され得て、その結果、決定された予想される応答が空間高調波の合計として表される。
【0054】
別の実施形態では、1つ以上の小角x線散乱画像は、1つ以上の標本回転角で生成される。例えば、1つ以上の小角x線画像は、斜入射小角x線散乱法、臨界寸法小角x線散乱法、斜入射透過小角x線散乱法、軟x線散乱法などを使用して生成される。
【0055】
別の実施形態では、決定された予想される応答は、表面動力学モデルの1つ以上の追加のパラメータを利用することによって決定される。例えば、1つ以上の追加のパラメータは、層の分散(n、k)又は厚さに関連し得る。例えば、層の分散又は厚さは、一次材料及び/又は一次材料の下の材料に関連し得る。更に、1つ以上の追加のパラメータは、追加の形状パラメータであってもよい。本開示の目的のために、「追加のパラメータ」という用語は、表面動力学モデルによって以前に使用されていない(例えば、ステップ602の初期推定中に使用されていない)パラメータを指す。この実施形態では、反復最適化を使用して、光学的臨界寸法(OCD)パラメータの最良の組み合わせを導き出し、決定された予想される応答と測定された応答との間の偏差を最小化し得る。
【0056】
ステップ606では、決定された予想される応答は、計測ツールから受信された標本の1つ以上の測定値と比較される。例えば、計測サブシステム(例えば、図1A図1Bに示される計測サブシステム102)は、標本の1つ以上の測定値を取得するように構成され得る。これに関して、標本の1つ以上の測定値は、システム100のコントローラ104から取得されてもよい。この例では、1つ以上の計測サブシステムは、標本の1つ以上の測定値を取得するように構成され得る。特に、第1の計測サブシステムを使用して第1の測定値を取得することができ、第2の計測サブシステムを使用して第2の測定値を取得し得る。具体的には、OCD計測ツールからの1つ以上の光学的限界寸法測定値を、臨界寸法走査型電子顕微鏡(CD-SEM)ツールからの1つ以上のCD-SEM測定値と組み合わせて使用してもよい。ここで、1つ以上の計測ツールは、当技術分野で周知の任意の計測ツールを含み得て、限定するものではないが、最大N個の測定値を取得するように構成された物光学的臨界寸法(OCD)ツール、臨界寸法走査型電子顕微鏡(CD-SEM)ツール、透過型電子顕微鏡(TEM)ツール、断面走査型電子顕微鏡(X-SEM)ツールなどを含むことに留意する。
【0057】
ステップ608では、1つ以上のメトリックは、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との間の比較に基づき生成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、1つ以上のメトリックを生成するように構成され得る。例えば、標本の1つ以上の測定値と決定された予想される応答との間の正規化された偏差平方和が生成され得る。別の例では、標本の1つ以上の測定値と決定された予想される応答との間の不一致を説明するための適合度が生成され得る。更なる例では、標本の1つ以上の測定値と決定された予想される応答との間の偏差の最小二乗和が生成され得る。
【0058】
ステップ610では、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータは、ステップ608の1つ以上のメトリックに基づき調整されて、調整された表面動力学モデルを生成する。調整された表面動力学モデルは、調整された表面動力学モデル出力を生成するように構成され得る。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、調整された表面動力学モデルを調整された1つ以上のパラメータに基づいて生成するように構成され得る。
【0059】
別の実施形態では、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータは、収束が達成されるまで調整される。例えば、収束は、閾値の許容値よりも低い1つ以上のメトリックに基づいて定義され得る。この点で、閾値の許容値は1×10-10~5000の間であり得る。この例では、表面動力学モデルは、1つ以上のメトリックが閾値(例えば、1×10-10~5000)より低くなるまで調整され得る。本明細書では、閾値の許容レベルは、特徴付けられるプロセスの複雑さに基づいて調整され得ることに留意する。
【0060】
別の実施形態では、反復最適化アルゴリズムを使用して、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータを調整する。例えば、最急降下法は、1つ以上のメトリックの最小値を見つけるように構成され得る。別の実施形態では、確率的勾配降下法を使用して、最急降下法を調整する。確率的勾配降下法は、標本をランダムに選択して勾配を評価するように構成され得る。
【0061】
ステップ612では、調整された表面動力学モデルは、標本のプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするために適用される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、調整された表面動力学モデルを適用して、標本120のプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするように構成される。
【0062】
オプションのステップでは、1つ以上の制御信号は、1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を、調整された表面動力学モデルに基づいて選択的に調整するように構成される。例えば、システム100は、コントローラ104に通信可能に結合された1つ以上のプロセスツールを更に含んでもよい。1つ以上のプロセスツールは、当技術分野で周知の任意のプロセスツールを含んでもよく、限定するものではないが、リソグラフィツール、エッチングツール、堆積ツール、研磨ツール、スキャナなどが挙げられる。同じ例を続けると、コントローラ104は、1つ以上の制御信号を生成するように構成され得て、制御信号は、フィードフォワード又はフィードバックループ内の1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を、調整された表面動力学モデルに基づき調整するように構成される。
【0063】
オプションのステップでは、1つ以上の制御信号は、計測サブシステム102の1つ以上の特性を、調整された表面動力学モデルに基づき選択的に調整するように構成される。
【0064】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、表面動力学モデルを調整するための方法700のフローチャートを示す。システム100の文脈において本明細書で前述した実施形態及び実現技術は、方法700に及ぶものと解釈されるべきであることに留意する。これに関して、方法700のステップは、システム100によって実行され得て、方法700は、システム100のアーキテクチャによって必要とされ、又は暗に含まれる1つ以上のステップを更に含み得る。しかしながら、方法700は、システム100のアーキテクチャに限定されず、方法700の1つ以上のステップ、又はその一部分は、代替のシステム構成要素及び/又はアーキテクチャを用いて実行され得ることが認識される。更に、方法700のステップは、本明細書で別段の指定がない限り、任意の順序で実行され得る。
【0065】
ステップ702では、表面動力学モデル出力は、表面動力学モデルを使用して生成される。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、表面動力学モデル出力を、表面動力学モデルを用いて生成するように構成され得る。例えば、表面動力学モデルは、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータの初期推定に基づき実行されてもよい。1つの実施形態では、表面動力学モデル出力は、標本の特徴の形状を記述するように構成されたプロファイルを含む。別の実施形態では、表面動力学モデル出力は、標本の特徴の形状の再構成を可能にするように構成された1つ以上の臨界形状パラメータを含む。
【0066】
ステップ704では、偏光による励起に対する表面動力学モデル出力の予想される応答が決定される。偏光による励起は、反射構成又は透過構成で構成され得る。1つの実施形態では、予想される応答は、フーリエ空間法を使用して決定される。例えば、厳密結合波理論(RCWA)が実行され得て、その結果、決定された予想される応答が空間高調波の合計として表される。
【0067】
別の実施形態では、1つ以上の小角x線散乱画像は、1つ以上の標本回転角で生成される。例えば、1つ以上の小角x線画像は、斜入射小角x線散乱法、臨界寸法小角x線散乱法、斜入射透過小角x線散乱法、軟x線散乱法などを使用して生成される。
【0068】
ステップ706では、決定された予想される応答は、計測ツールから受信された標本の1つ以上の測定値と比較される。例えば、計測サブシステム(例えば、図1A図1Bに示される計測サブシステム102)は、標本の1つ以上の測定値を取得するように構成され得る。これに関して、標本の1つ以上の測定値は、システム100のコントローラ104から取得されてもよい。計測ツールは、当技術分野で周知の任意の計測ツールを含み得て、限定するものではないが、光学的臨界寸法(OCD)ツール、臨界寸法走査型電子顕微鏡(CD-SEM)ツール、透過型電子顕微鏡(TEM)ツール、断面走査型電子顕微鏡(X-SEM)ツールなどを含む。
【0069】
ステップ708では、1つ以上のメトリックは、決定された予想される応答と標本の1つ以上の測定値との間の比較に基づき生成される。例えば、標本の1つ以上の測定値と決定された予想される応答との間の正規化された偏差平方和が生成され得る。
【0070】
別の例では、標本の1つ以上の測定値と決定された予想される応答との間の不一致を説明するための適合度が生成され得る。更なる例では、標本の1つ以上の測定値と決定された予想される応答との間の偏差の最小二乗和が生成され得る。
【0071】
ステップ710では、機械学習モデルが生成される。1つの実施形態では、コントローラ104は、機械学習モデルを生成するように構成され得て、機械学習モデルを用いて表面動力学モデルを調整し得る。コントローラ104は、限定するものではないが、教師あり学習、教師なし学習などを含む当技術分野で周知の任意の技術を介して機械学習モデルを生成するように構成されてもよい。
【0072】
本明細書において、ステップ710で生成された機械学習モデルは、当技術分野で周知の任意のタイプの機械学習アルゴリズム及び/又は深層学習技術を含み得て、限定するものではないが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、敵対的生成ネットワーク(GAN)などを含むことに留意する。別の例として、機械学習モデルには、深層畳み込みニューラルネットワークが含まれてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、機械学習は、ALEXNET及び/又はGOOGLENETを含み得る。この点で、機械学習アルゴリズム、分類器、又は予測モデルは、表面動力学モデルを調整するように構成される。
【0073】
ステップ712では、ステップ710で生成された機械学習モデルが訓練される。例えば、機械学習モデルは、表面動力学モデルから事前に生成された合成データと、生成された出力に対するRCWA応答を使用して訓練され得る。事前ラベル付け、特徴抽出などの他の訓練技術も同様に適用できる。
【0074】
ステップ714では、表面動力学モデルの1つ以上のパラメータは、1つ以上のメトリックに基づき機械学習モデルを用いて調整されて、調整された表面動力学モデルを生成する。
【0075】
ステップ716では、調整された表面動力学モデルは、標本のプラズマプロセス中の標本上の性能をシミュレートするために適用される。
【0076】
本明細書において、表面動力学モデルを調整するための機械学習モデルの使用は、調整されたパラメータの生成をより速く可能にし得ることに留意する。
【0077】
更に、本明細書では、機械学習モデルはステップ704で使用され得ることに留意する。例えば、機械学習モデルを使用して、偏光による励起に対する予想される応答を決定し得る。この点で、機械学習モデルは、フーリエ空間法(例えば、RCWA)又はSAXSに置換し、標本の測定された構造を較正し得る。
【0078】
本明細書では、システム100の1つ以上の構成要素は、当技術分野で周知の任意の方法で、システム100の他の様々な構成要素に通信可能に結合され得ることに留意する。例えば、1つ以上のプロセッサ106は、有線(例えば、銅線、光ファイバケーブルなど)又は無線接続(例えば、RF結合、IR結合、WiMax、Bluetooth、3G、4G、4G LTE、5Gなど)を介して、互いに、及び他の構成要素に通信可能に結合され得る。別の例として、コントローラ104は、当技術分野で周知の任意の有線又は無線接続を介して、計測サブシステム102の1つ以上の構成要素に通信可能に結合され得る。
【0079】
1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ106は、当技術分野で周知の任意の1つ以上の処理要素を含み得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ106は、ソフトウェアアルゴリズム及び/又は命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ106は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、又は他のコンピュータシステム(例えば、ネットワーク化されたコンピュータ)からなり得て、それらは、本開示を通して説明されるように、システム100を動作させるように構成されたプログラムを実行するように構成される。本開示を通して説明されるステップは、単一のコンピュータシステム、又は代替的に、複数のコンピュータシステムによって実行され得ることを認識すべきである。更に、本開示を通して説明されるステップは、1つ以上のプロセッサ106のうちの任意の1つ以上で実行され得ることを認識すべきである。一般に、「プロセッサ」という用語は、1つ以上の処理要素を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得て、メモリ108からのプログラム命令を実行する。更に、システム100の異なるサブシステム(例えば、照明源112、検出器アセンブリ118、コントローラ104、ユーザインターフェース110など)は、本開示を通して説明されるステップの少なくとも一部分を実行するのに適したプロセッサ又は論理要素を含み得る。したがって、上記の説明は、本開示の限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0080】
メモリ108は、関連する1つ以上のプロセッサ106によって実行可能なプログラム命令と、計測サブシステム102から受信されたデータを格納するのに適した当技術分野で周知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ108は、非一時的なメモリ媒体を含み得る。例えば、メモリ108は、限定するものではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。更に、メモリ108は、1つ以上のプロセッサ106とともに共通のコントローラハウジングに収容され得ることに留意する。代替の実施形態では、メモリ108は、プロセッサ106、コントローラ104などの物理的位置に関して遠隔に配置され得る。別の実施形態では、メモリ108は、1つ以上のプロセッサ106に、本開示を通じて説明される様々なステップを実行させるためのプログラム命令を維持する。
【0081】
1つの実施形態では、ユーザインターフェース110は、コントローラ104に通信可能に結合される。1つの実施形態では、ユーザインターフェース110は、限定するものではないが、1つ以上のデスクトップ、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチなどを含み得る。別の実施形態では、ユーザインターフェース110は、システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース110のディスプレイは、当技術分野で周知の任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、限定するものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、又はCRTディスプレイを含み得る。当業者は、ユーザインターフェース110と統合することができる任意のディスプレイデバイスが、本開示での実装に適していることを認識すべきである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース110のユーザ入力デバイスを介して、ユーザに表示されるデータに応答する選択及び/又は命令を入力し得る。
【0082】
当業者は、本明細書に記載の構成要素(例えば、操作)、デバイス、物体、及びそれらに付随する説明が、概念を明確にするための例として使用され、様々な構成の修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載された特定の実施例及び付随する説明は、それらのより一般的なクラスを代表することを意図する。一般に、特定の実施例の使用は、そのクラスを表すことを意図しており、特定の構成要素(例えば操作)、デバイス、及び物体を含まないことを制限と見なすべきではない。
【0083】
当業者は、本明細書に記載されるプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術を実施することができる多様な媒体(vehicle)(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)があることと、好ましい媒体が、プロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が展開される文脈に応じて変わることを理解するであろう。例えば、実施者が、速度及び精度が最重要であると判断する場合、実施者は主にハードウェア及び/又はファームウェア媒体を選択でき、代替的に、柔軟性が最重要である場合、実施者は主にソフトウェア実装を選択でき、又は、再度代替的に、実施者は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアのいくつかの組み合わせを選択し得る。したがって、本明細書に記載されるプロセス及び/又はデバイス及び/又は他の技術を実施し得るいくつかの可能な媒体があり、利用される任意の媒体は、媒体が展開される文脈、及び実施者の特定の関心(例えば、速度、柔軟性、又は予測性)に応じた選択肢であり、そのどれもが変更されることがあるという点で、本質的に他の媒体より本質的に優れているものはない。
【0084】
前述の説明は、当業者が特定の用途及びその要件の文脈で提供されるように本発明を作成及び使用することを可能にするために提示される。本明細書で使用されるように、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上に(over)」、「下に(under)」、「上方(upper)」、「上向き(upward)」、「下方(lower)」、「下へ(down)」、及び「下向き(downward)」などの方向用語は、説明の目的で相対位置を提供することを意図しており、絶対的な基準フレームを指定することを意図するものではない。説明された実施形態に対する様々な修正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、別の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、示され説明された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0085】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へ、文脈及び/又は用途に適切なように解釈し得る。様々な単数形/複数形の順列は、分かりやすくするために、本明細書では明示的に記載されていない。
【0086】
本明細書に記載のすべての方法は、方法の実施形態の1つ以上のステップの結果をメモリに格納することを含んでもよい。結果は、本明細書に記載の任意の結果を含み得て、当技術分野で周知の任意の方法に格納し得る。メモリは、本明細書に記載の任意のメモリ、又は当技術分野で周知の任意の他の好適な格納媒体を含めてもよい。結果を格納した後に、結果は、メモリ内にアクセスされ、本明細書に記載の方法又はシステムの実施形態のいずれかによって使用され、ユーザに表示するためにフォーマット化され、別のソフトウェアモジュール、方法、又はシステムなどによって使用され得る。更に、結果は、「永久的に」「半永久的に」「一時的に」、又は一定期間、格納され得る。例えば、メモリはランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は必ずしもメモリ内で無期限に持続しなくてもよい。
【0087】
上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に説明される任意の他の方法(複数可)の任意の他のステップ(複数可)を含んでもよいことが更に企図される。加えて、上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に説明されるシステムのいずれかによって実行されてもよい。
【0088】
本明細書に記載の主題は、他の構成要素内に含有される、又は他の構成要素と接続される異なる構成要素を示す場合がある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際に、同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャが実装され得ることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を実現するための構成要素の任意の配置は、効果的に「関連付け」られて、所望の機能が実現される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、互いに「関連付けられている」と見なすことができ、その結果、所望の機能はアーキテクチャ又は中間構成要素に関係なく実現される。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、互いに「接続」又は「結合」されて所望の機能を実現すると見なし得て、かつそのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素は、互いに「結合可能」であると見なして、所望の機能を実現し得る。結合可能な特定の例には、限定するものではないが、物理的に嵌合可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は無線的に相互作用可能及び/又は無線的に相互作用する構成要素、及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含む。
【0089】
更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定められることが理解されるべきである。一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般的に「開放(open)」用語として意図されていることが当業者によって理解されるであろう(例えば、「含んでいる(including)」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。特定数の導入された請求項の記載(claim recitation)が意図されている場合、そのような意図は請求の範囲に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項には、請求項の記載を導入するため、導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのような句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求の範囲を、そのような記載を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」と不定冠詞「a」又は「an」(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても同様であり、同じことが請求項の記載を導入するために用いられる定冠詞の使用に対しても当てはまる。加えて、導入された請求項の記載の特定数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語がない「2つの記載」のみの記載は、通常、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B及びCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、BとCを一緒に有するシステムを含む、など)。「A、B又はCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、BとCを一緒に有するシステムを含む、など)。2つ以上の代替用語を表す実質的に任意の離接語及び/又は句は、明細書、特許請求の範囲又は図面においても、用語の1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図すると理解すべきであることは、当業者によって更に理解されるであろう。例えば句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0090】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されると考えられ、開示された主題から逸脱することなく、又はその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、及び配置に様々な変更を加え得ることは明らかであろう。説明される形式は単なる説明であり、以下の特許請求の範囲の意図はそのような変更を包含及び含むことである。更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。

図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】