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特表2022-544902コンテナ内の燃料の量を判定するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(54)【発明の名称】コンテナ内の燃料の量を判定するための装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20221017BHJP
   G01G 17/04 20060101ALI20221017BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G01G17/04 A
H05G2/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506170
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2020070236
(87)【国際公開番号】W WO2021037435
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】19193373.8
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】メリソルゴス,ゲオルギオス
(72)【発明者】
【氏名】デ グラーフ,ウベルトゥス,ペトラス,アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】リプマ,アルベルト,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】シャウト,トゥヴァン,ヤコブス
【テーマコード(参考)】
2H197
4C092
【Fターム(参考)】
2H197AA10
2H197CA10
2H197DC01
2H197DC12
2H197GA01
2H197GA04
2H197GA05
2H197GA06
2H197GA24
2H197HA03
4C092AA06
4C092AA15
4C092AC09
4C092BD20
(57)【要約】
コンテナ内に収集された燃料の量を判定するように構成された装置であって、燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられる。装置は力測定デバイスを備え、力測定デバイスは、コンテナ内に収集された燃料の質量を判定するためにコンテナに関連する力を測定するように構成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内に収集された燃料の量を判定するように構成された装置であって、前記燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられるものであり、
前記装置は力測定デバイスを備え、
前記力測定デバイスは前記コンテナ内に収集された前記燃料の質量を判定するために前記コンテナに関連する力を測定するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記装置は更に、前記コンテナに関連する前記測定された力に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量を判定するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項3】
前記装置は更に、前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料のレベルを判定するように構成されている、請求項2の装置。
【請求項4】
前記力測定デバイスは圧縮測定デバイスである、請求項1から3のいずれかの装置。
【請求項5】
前記圧縮測定デバイスは前記コンテナの下に位置している、請求項4の装置。
【請求項6】
前記力測定デバイスは張力又はトルク測定デバイスである、請求項1~3の装置。
【請求項7】
前記力測定デバイスはロードセルである、請求項1から6のいずれかの装置。
【請求項8】
前記装置は少なくとも1つのヒンジを備え、前記少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つの方向での前記コンテナの運動を制約しつつ少なくとも1つの別の方向での運動を比較的制約されないままにするための留め具として構成されている、請求項1から7のいずれかの装置。
【請求項9】
前記装置はロードセルヒンジを備え、前記ロードセルヒンジは前記力測定デバイスと前記コンテナとの間に位置している、請求項1から8のいずれかの装置。
【請求項10】
前記力測定デバイスは前記コンテナと直接接触しない、請求項1から9のいずれかの装置。
【請求項11】
前記装置は更に、前記力測定デバイスを熱負荷から保護するための伝熱バイパスシステムを備える、請求項1から10のいずれかの装置。
【請求項12】
前記伝熱バイパスシステムは前記力測定デバイスの一方側から前記力測定デバイスの反対側に延伸する力測定デバイスハウジングを備える、請求項11の装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の装置を備えるEUV放射源。
【請求項14】
請求項13に記載のEUV放射源を備えるリソグラフィシステム。
【請求項15】
コンテナ内に収集された燃料の量を判定する方法であって、前記燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられ、
力測定デバイスを備える装置を提供することと、
前記コンテナ内に収集された前記燃料の質量を判定するために前記力測定デバイスを用いて前記コンテナに関連する力を測定することと、
を備える方法。
【請求項16】
前記コンテナに関連する前記測定された力に基づいて前記燃料の前記質量を判定することを更に備える、請求項15の方法。
【請求項17】
前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料のレベルを判定することを更に備える、請求項16の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は2019年8月23日に提出された欧州出願第19193373.8号の優先権を主張するものであり、同出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、コンテナ内の燃料の量を判定するための装置に関する。特に、本発明は、コンテナ内の燃料の量を判定するための装置に係り、その燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられる。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は例えば、パターニングデバイス(例えばマスク)でのパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する、極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置を使用して、例えば、193nmの波長を伴う放射を使用するリソグラフィ装置より基板上に小さなフィーチャを形成することができる。
【0005】
[0005] EUV放射の生成においてはスズ(Sn)などの燃料が用いられ得るものであり、その燃料は、EUV放射の生成に用いられた後、コンテナ又はバケツに収集され得る。例えばコンテナが溢れないように、コンテナ内のスズの充填レベルがわかるのが望ましい。コンテナ全体の温度勾配を測定するために、温度センサが用いられてもよい。熱勾配の変化は、充填レベルの変化及び対応するコンテナ内のスズの体積に変換することができる。
【0006】
[0006] 従来技術に関連する1つ以上の課題を克服又は緩和する、コンテナ内の燃料の量を判定するための装置及び方法を提供するのが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明の第1の態様によれば、コンテナ内に収集された燃料の量を判定するように構成された装置が提供され、燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられ、装置は力測定デバイスを備え、力測定デバイスは、コンテナ内に収集された燃料の質量を判定するためにコンテナに関連する力を測定するように構成されている。
【0008】
[0008] これには、コンテナ内に取集された燃料の質量を判定することの精度の向上を提供するという利点があり得る。この精度の向上は、燃料のために使用可能なコンテナの容量の増大をもたらし得る。更なる利点は、放射源の効果的な燃料流出の表示の精度の向上を提供することにあり得る。
【0009】
[0009] 装置は更に、測定された力に基づいてコンテナ内に収集された燃料の質量を判定するように構成され得る。
【0010】
[00010] 装置は更に、コンテナ内に収集された燃料の質量に基づいてコンテナ内に収集された燃料のレベルを判定するように構成され得る。これには、コンテナ内に取集された燃料のレベルを判定することの精度の向上を提供するという利点があり得る。
【0011】
[00011] 装置は1つの力測定デバイスを備え得る。これには、部品の数の削減(例えばセンサの数の削減)及びひいては費用の削減という利点があり得る。
【0012】
[00012] 力測定デバイスは圧縮測定デバイスであってもよい。
【0013】
[00013] 圧縮測定デバイスはコンテナの下に位置し得る。
【0014】
[00014] 力測定デバイスは張力又はトルク測定デバイスであってもよい。
【0015】
[00015] 力測定デバイスはロードセルであってもよい。
【0016】
[00016] ロードセルはひずみゲージを備え得る。
【0017】
[00017] 装置は少なくとも1つのヒンジを備えていてもよく、その少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つの方向でのコンテナの運動を制約しつつ少なくとも1つの別の方向での運動を比較的制約されないままにするための留め具として構成され得る。これには、留め具が結果に実質的に影響を及ぼすことなしに正確な力の読み取りを提供するのに役立つという利点があり得る。
【0018】
[00018] 装置はロードセルヒンジを備えていてもよく、そのロードセルヒンジは力測定デバイスとコンテナとの間に位置し得る。これには、コンテナ重量の力を力測定デバイスに均等に分配するという利点があり得る。
【0019】
[00019] 装置は複数のヒンジを備え得る。複数のヒンジのうち少なくとも1つが力測定デバイスとコンテナとの間に位置していてもよい。複数のヒンジのうち少なくとも1つは、少なくとも1つの方向でのコンテナの運動を制約しつつ少なくとも1つの別の方向での運動を比較的制約されないままにするための留め具として構成され得る。複数のヒンジのうち少なくとも2つが力測定デバイスとコンテナとの間に位置していてもよい。複数のヒンジのうち少なくとも2つは、少なくとも1つの方向でのコンテナの運動を制約しつつ少なくとも1つの別の方向での運動を比較的制約されないままにするための留め具として構成され得る。2つのヒンジを用いることの利点は、コンテナが空から充満するまで、重心が2つのヒンジと第3の接点(例えばロードセルヒンジ)との間に留まるということであり得る。
【0020】
[00020] 力測定デバイスはコンテナと直接接触していなくてもよい。これは、コンテナを交換するのにかかる時間の短縮という利点を有し得ると共に、多くの切断手順に起因する力測定デバイスの摩耗又は故障の可能性が小さくなることも意味し得る。
【0021】
[00021] 燃料はスズであり得る。
【0022】
[00022] 装置は更に、力測定デバイスを熱負荷から保護するための伝熱バイパスシステムを備え得る。これには、力測定デバイスを高温から保護するという利点があり得る。
【0023】
[00023] 伝熱バイパスシステムは、力測定デバイスの一方側から力測定デバイスの反対側に延伸する力測定デバイスハウジングを備え得る。
【0024】
[00024] 力測定デバイスハウジングの少なくとも一部は、比較的高熱伝導性の材料を備え得る。比較的高熱伝導性の材料は、アンプコロイなど、Cu合金であり得る。
【0025】
[00025] 本発明の第2の態様によれば、上述した装置を備えるEUV放射源が提供される。
【0026】
[00026] 本発明の第3の態様によれば、上述したEUV放射源を備えるリソグラフィシステムが提供される。
【0027】
[00027] 本発明の第4の態様によれば、コンテナ内に収集された燃料の量を判定する方法が提供され、燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられ、方法は、力測定デバイスを備える装置を提供することと、コンテナ内に収集された燃料の質量を判定するために力測定デバイスを用いてコンテナに関連する力を測定することと、を備えている。
【0028】
[00028] 方法は更に、測定された力に基づいて燃料の質量を判定することを備え得る。
【0029】
[00029] 方法は更に、コンテナ内に収集された燃料の質量に基づいてコンテナ内に収集された燃料のレベルを判定することを備え得る。
【0030】
[00030] 本発明の第5の態様によれば、上述した方法をプロセッサに実行させるように構成されたコンピュータ可読命令を備えるコンピュータプログラムが提供される。
【0031】
[00031] 本発明の第6の態様によれば、上述したコンピュータプログラムを保持するコンピュータ可読媒体が提供される。
【0032】
[00032] 本発明の第7の態様によれば、プロセッサ可読命令を記憶するメモリと、そのメモリに記憶された命令を読み出して実行するように構成されたプロセッサと、を備える、コンテナ内に収集された燃料の量を判定するためのコンピュータ装置が提供され、そのプロセッサ可読命令は、上述した方法を実行するようにコンピュータを制御するように構成された命令を備える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
[00033] 本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0034】
図1】本発明の一実施形態による、リソグラフィ装置及び放射源を備えるリソグラフィシステムを示す。
図2】本発明の一実施形態による、コンテナに関連する力を測定するための装置とコンテナとの概略図を示す。
図3】本発明の一実施形態による、コンテナに関連する力を測定するための装置の拡大図の概略図を示す。
図4】本発明の一実施形態による、コンテナに関連する力を測定するための装置のヒンジの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[00034] 図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、EUV放射ビームBを発生させるように、及び、EUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように、構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS、及び基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。
【0036】
[00035] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMA上に入射する前にEUV放射ビームBを調節するように構成される。それに加えて、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を含むことができる。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、所望の断面形状及び所望の強度分布を伴うEUV放射ビームBを提供する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、又はそれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを含むことができる。
【0037】
[00036] このように調節された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果として、パターン付きEUV放射ビームB’が発生する。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板W上に投影するように構成される。そのために、投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を、基板テーブルWTによって保持される基板W上に投影するように構成された、複数のミラー13、14を備えることができる。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’に縮小係数を適用することが可能であり、したがって、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さなフィーチャを伴うイメージを形成する。例えば、4又は8の縮小係数が適用可能である。投影システムPSは、図1では2つのミラー13、14のみを有するように示されているが、投影システムPSは異なる数のミラー(例えば、6つ又は8つのミラー)を含むことができる。
【0038】
[00037] 基板Wは、以前に形成されたパターンを含むことができる。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV放射ビームB’によって形成されたイメージを、基板W上に以前に形成されたパターンと位置合わせする。
【0039】
[00038] 相対的真空、すなわち、大気圧をはるかに下回る圧力での少量のガス(例えば、水素)を、放射源SO内、照明システムIL内、及び/又は投影システムPS内に提供することが可能である。
【0040】
[00039] 図1に示される放射源SOは、例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれることのあるタイプである。例えばCOレーザを含むことが可能なレーザシステム1は、例えば燃料放出器3から提供されるスズ(Sn)などの燃料内に、レーザビーム2を介してエネルギーを堆積させるように配置される。下記の記述ではスズに言及しているが、任意の適切な燃料が使用可能である。燃料は、例えば液体の形であってよいが、例えば金属又は合金とすることができる。燃料放出器3は、プラズマ形成領域4に向けた軌道に沿って、例えば液滴の形でスズを誘導するように構成された、ノズルを備えることができる。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4においてスズ上に入射する。レーザエネルギーのスズ内への蓄積は、プラズマ形成領域4においてスズプラズマ7を作成する。EUV放射を含む放射は、電子の脱励起及びプラズマイオンとの再結合の間に、プラズマ7から放出される。
【0041】
[00040] プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって収集及び合焦される。コレクタ5は、例えば近法線入射放射コレクタ5(時折、より一般的には、法線入射放射コレクタと呼ばれる)を備える。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置された、多層ミラー構造を有することができる。コレクタ5は、2つの焦点を有する楕円構成を有することができる。下記で考察するように、焦点のうちの第1はプラズマ形成領域4にあり、焦点のうちの第2は中間焦点6にあるものとすることができる。
【0042】
[00041] レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離することができる。このような場合、レーザビーム2は、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ、及び/又は他の光学系を備える、ビームデリバリシステム(図示せず)の助けによって、レーザシステム1から放射源SOへと渡すことができる。レーザシステム1、放射源SO、及びビームデリバリシステムは、共に、放射システムであるとみなすことができる。
【0043】
[00042] コレクタ5によって反射された放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6においてイメージを形成するために、中間焦点6において合焦される。中間焦点6におけるイメージは、照明システムILのための仮想放射源として作用する。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの閉鎖構造9内の開口8に、又は開口8の近くに位置するように配置される。
【0044】
[00043] スズプラズマ7がEUV放射を生成するために用いられた後、液体スズは、バケツとも称され得るコンテナ20に流出する。コンテナ20は鋼であり得る。装置22が提供され、コンテナ20に流出され収集されたスズの量(例えば質量)を判定するために用いられる。これは後でより詳細に説明される。いくつかの実施形態においては、装置22(及び/又はコンテナ20)は、放射源SOに位置するか又は放射源SOの一部であると考えられてもよく、他の実施形態においては、装置22(及び/又はコンテナ20)は、少なくとも部分的に放射源SOの外部に位置するか又は少なくとも部分的に放射源SOの一部を形成しないと考えられてもよい。コンテナが放射源SOの容器の外部に位置している実施形態においては、コンテナが放射源SOの容器の内部に位置している実施形態といくつかの相違があり得るが、全体的な概念は同じままであろう。例えば、容器の外部に位置しているコンテナは、水平に対して、後で説明されるのと同じ角度ではないかもしれない。
【0045】
[00044] 図1は、放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)源として示しているが、放電生成プラズマ(DPP)源又は自由電子レーザ(FEL)などの任意の適切な放射源を使用してEUV放射を発生させることができる。
【0046】
[00045] 図2は、液体スズを収集するためのコンテナ20と、コンテナ20内のスズの質量を測定するための装置22とを、より詳細に示す。コンテナ20は、実質的に矩形(すなわち開いた頂部を有する直方体形状)であり、底部20Aと、底部20Aを包囲して底部20Aから上方に延伸する側壁20Bとを有するが、他の実施形態においては異なる形状を有し得ることは理解されるであろう。コンテナ20はヒータプレート24上にあり、ヒータプレート24によって定位置に保持されている。ヒータプレート24は、ヒータプレート基部24Aと、コンテナ20の下端部20Dにおいてコンテナ20の上端部20Cにおけるよりも更に上方に延伸するヒータプレート側壁24Bとを有する。ヒータプレート側壁24Bはコンテナ20を定位置に保持する。ヒータプレート24は、コンテナ20を加熱してコンテナ20内のスズ液体を維持するために用いられる。これは、スズがコンテナ20全体により均一に分配され、それによってコンテナ20の容量がより効果的に使われるようにするためである。
【0047】
[00046] コンテナ20は水平、すなわちy方向(地面)に対して、ある角度で配向されている。これは、(EUV)放射源SOも水平に対して角度が付けられているからである。本実施形態においてコンテナ20が上端部20C及び下端部20Dを有すると考えられるのは、このためである。他の実施形態においては、コンテナは水平に配向されてもよく(すなわち、コンテナの底部はy方向、すなわち地面と平行に配向されてもよく)、コンテナの端部は同じ高さにあってもよい。
【0048】
[00047] ヒータプレート24は、コンテナ20の底部20Aの2つの隅部に位置する2つのヒンジ28(図2には1つのヒンジ28のみが示されている)を介して、インターフェイスプレート26に固定されている。これらの2つの隅部は、底部20Aの他の2つの隅部よりも高く位置しており、コンテナ20の底部20Aの上端部20Cにあるものと考えられ得る。ヒンジ28は、ヒータプレート24とインターフェイスプレート26との間の第1及び第2の接点を形成する。ヒンジ28は板バネの形をとる。ヒンジ28をインターフェイスプレート26に結合するために、ねじ29(1つのみが示されている)が用いられてもよい。このコンテナの形状及び配向によって、コンテナがスズで満たされると重心は動く。2つのヒンジ28は、コンテナ20が空から充満するまで(すなわち、コンテナ20が満ちるにつれて)、2つのヒンジ28とコンテナ20の底部20Aの下端部20Dの第3の接点(例えばロードセルヒンジ。後述を参照)との間に重心が留まるように用いられ得る。換言すれば、重心は、2つのヒンジ28と第3の接点(例えばロードセルヒンジ)とによって名目上形成される「三角形」の中になければならない。本実施形態においては、ヒンジ28が2度用いられている。しかしながら、他の実施形態においては1つ以上のヒンジを有する他の構成が用いられてもよいことは理解されるであろう。
【0049】
[00048] コンテナ20の底部20Aの下端部20Dに位置しているのは、ロードセルハウジング30及び力測定デバイスである2つのロードセル32(図2には1つのロードセルのみが示されている)である。本実施形態においては2つのロードセル32があるが、他の実施形態においては単一のロードセル又は2つよりも多くのロードセルがあってもよい。明瞭にするため、以下では1つのロードセルを参照するが、特徴及び機能が両方(又はより多く)のロードセルに当てはまることは理解されるであろう。
【0050】
[00049] ロードセル32は、コンテナ20がヒータプレート24上に位置決めされるときにコンテナ20に関連する力を測定するためのものである。力は、重力であり得、すなわちコンテナ20の重量に関連し得る。コンテナ20の重量の力がロードセル32に向かうこと及びコンテナ20が適切に支持されることが重要である。「コンテナ20の重量」は、コンテナ20の構造自体(例えば底部20A及び側壁20B)とコンテナ20の内部のスズとの重量を含むと考えられ得る。ロードセル32は、円盤状であってもよく、およそ1~2cmの直径を有し得ると共に、5~10mmの高さを有し得る。ロードセル32は圧縮測定デバイスであるが、他の実施形態においては、力測定デバイスは、異なる位置にある張力又はトルク測定デバイスであってもよいことは理解されるであろう。例えば、コンテナは、コンテナに関連する力を測定するために、張力測定デバイスから懸架されてもよい。
【0051】
[00050] ロードセルは一種の力計である。測定されている力(すなわち、内部に液体スズを含むコンテナ20に関連する力)に大きさが比例する電気信号を作り出すために用いられるトランスデューサを備えている。ロードセル32は1つ以上のひずみゲージ(図示しない)を備えるが、ロードセルの正確な種類が極めて重要なのではないことは理解されるであろう。むしろ、コンテナに関連する力を測定できることが重要である。力測定デバイスは、異なる種類のロードセル又は異なる種類の力測定センサであってもよい。例えば、力測定デバイスは、圧電抵抗センサ、誘導性で磁気抵抗ベースのロードセル、磁気弾性ロードセル、圧電ロードセル、光ファイバロードセル、共振ワイヤロードセル、容量ロードセルなどであり得る。
【0052】
[00051] ロードセル32は、ヒータプレート24と、コンテナ20と、コンテナ20の内容物(すなわち液体スズ)とに関連する力を測定し得る。より具体的には、ロードセル32は、ヒータプレート24と、コンテナと、コンテナ20の内容物とによってロードセル32に加えられる力を測定する。ロードセル32はこの力を経時的に連続して測定することができる。より多くのスズがコンテナ20内へと流出するにつれ、ロードセル32は、力の増加、すなわち重量の増加を連続して測定するであろう。スズの質量の計算においては、ヒータプレート24及びコンテナ20自体による力が考慮される必要があることは理解されるであろう。
【0053】
[00052] ロードセル32によって測定される力は、コンテナ20の重量に換算され得る(そして、いくつかの実施形態においては、ロードセル32に力を加えているヒータプレート24又は他の構成要素による力を考慮する)。装置22は、コンテナ20内に収集されるスズの質量を、コンテナ20による重量に基づいて(そして、いくつかの実施形態においては、ロードセル32に力を加えているヒータプレート24又は他の構成要素による力を考慮して)判定し得る。ロードセル32によって測定される力は、コンテナ20内に収集済みのスズの質量を計算するために用いられ得る。これは、コンテナ20を既知の質量と置換すること、及びその後、その既知の質量を用いてロードセル32の応答を測定することによって行われてもよい。
【0054】
[00053] ロードセル32によって測定される力は、コンテナ20におけるスズのレベルを計算するために用いられ得る。つまり、コンテナ20におけるスズの判定された質量は、コンテナ20におけるスズのレベルを判定するために用いられ得る。コンテナ20におけるスズの質量がわかるということは、スズによって占められるコンテナ20の容積を算定することができ、したがってコンテナ20におけるスズのレベルを判定することができることを意味する。スズのレベルは、充填レベル、又はコンテナ20がどの程度充満しているか、又はスズがコンテナ20の側壁20Bで到達する高さと考えられてもよい。コンテナ20が充満されるにつれ、スズのレベルはそれに応じて増大するであろう。
【0055】
[00054] いくつかの実施形態においては、コンテナ20の重量、スズの重量、スズの質量、スズの体積、及び/又はコンテナ20におけるスズのレベル等が、例えば装置22のソフトウェア(コンピュータプログラム)を用いて判定(すなわち計算)されてもよく、他の実施形態においては、コンテナ20の重量、スズの重量、スズの質量、スズの体積、及び/又はコンテナ20におけるスズのレベル等の判定(計算)は、例えば別個の外部システム(図示しない)のソフトウェア(コンピュータプログラム)を用いて実行されてもよい。つまり、例えばコンテナ内のスズの質量を判定するために用いられるソフトウェアは、装置22の一部を形成すると考えらえてもよいし、又は装置22と別個であると考えられてもよい。コンテナ20の重量、スズの重量、スズの質量、スズの体積、及び/又はコンテナ20におけるスズのレベルは、装置の又は別個のシステムのソフトウェア(コンピュータプログラム)を用いて、ロードセル32からの読み出し(すなわちコンテナ20に関連する力)に基づいて、計算されてもよい。
【0056】
[00055] ロードセル32を用いることは、6%以下の総質量測定誤差を提供し得る。液体スズのレベルを判定するべくコンテナの熱勾配を測定するために以前用いられていた温度センサを用いての13%以下の測定誤差と比較が行われてもよい。このように、ロードセル32を用いることは、コンテナ20における収集されたスズの質量(又は充填レベル)の測定の精度の向上を提供し得る。この精度の向上は、液体スズのために使用可能なコンテナの容量の増大をもたらし得る。これは、コンテナの溢れを回避するためには安全マージンが維持される必要があり、より正確な測定によれば低減された安全マージンが使用され得るからである。センサ(例えばロードセル32)の全体性能は、センサの精度/ドリフト及び種々の設計詳細に依存し得る。
【0057】
[00056] また、ロードセル32からの経時的な(例えば充満するにつれての)連続した読み出しは、生産サイクルの1つ以上の最適な時刻にコンテナ20を交換することを可能にし得る。例えば、格納容器20が充満に近づいているかもしれないし、生産スケジュールの中断があるかもしれず、その中断は、格納容器20が充満するのを待って交換を実行するために生産を一時停止しなくてはならないよりもむしろ、その時に略充満した格納容器20を空のものと交換する機会を与える。このように、コンテナ20におけるスズの質量測定を利用することによって、生産スケジュールの時間が節約され得る。これは、コンテナが充満したことを示すセンサが1つしかない場合には、可能ではないであろう。
【0058】
[00057] ロードセル32のもう1つの機能は、放射源SOの効果的なスズ流出の表示を提供することである。コンテナ20内には最終的にある量の液体スズが残ることが予期され、(ロードセル32によって測定される)この量が予期されるよりも少ないときには、放射源SOの排出機能が故障していると結論付けることができる。これは、排出不良の原因が何であり得るかを理解するために対処が取られることを可能にすると共に、適時的にその不良を修正すること、例えば(固化し得る)スズを保持するように設計されていない領域の汚染を限定すること及び清掃の時間を最小化することを可能にする。
【0059】
[00058] 1つよりも多くのロードセル32を有していると、両方のロードセルが良好に機能しているかどうかの点検が実行されることが可能になる(例えば、ロードセル32の一方が他方とは実質的に異なる読み出しを示しているのであれば、それは、問題があることを意味し得る)。これは冗長性も提供する。すなわち、ロードセル32の一方が動作を停止する場合に、他方のロードセル32は依然として測定を提供することができ、装置22は分解される必要がない。もっとも、先に言及したように、いくつかの実施形態においては、力測定を提供するために単一のロードセルが用いられてもよい。
【0060】
[00059] また、ロードセル32をセンサとして使用してスズの質量を判定することは、(例えば、充填レベルを判定するために光センサが用いられた場合の)光学部品の汚染又は(例えば、充填レベルを判定するためにコンテナの内部で液中センサが用いられた場合の)センサの腐食の危険がないことを意味する。
【0061】
[00060] ヒンジ28は、コンテナ20が水平に対して角度を付けられることによってコンテナ20及びヒータプレート24がインターフェイスプレート26から滑り落ちるのを止めるために提供される。つまり、ヒンジ28は、インターフェイスプレート26とヒータプレート24(及びひいてはコンテナ20)との間の留め具として機能する。ヒンジ28は、(コンテナ20を保持するヒータプレート24の一端を支持することによって)コンテナ20の一端を支持していると考えられ得る。ヒンジ28はコンテナ20を一方向又は二方向、すなわちx及び/又はy方向で実質的に制約するが、z方向(すなわち重力が作用する方向)では実質的に制約しない。これは、留め具が結果に実質的に影響を及ぼすことなくロードセル32が正確な力の読み出し(すなわちz方向の力)を提供できるようにするためである。ヒンジ28は、いくつかの方向での運動を制約しつつ少なくとも一次元(方向)での運動を比較的制約されないままにすることができる任意の構成要素(板バネなど)であり得る。
【0062】
[00061] ヒンジ28と、コンテナ20の角度及び重心移動とによって、力測定は安定した線形応答を提供しない(すなわち、コンテナ20内のスズの質量の1キロ増加毎に、ロードセルによって測定される1キロの力(ニュートンで測定される)の対応する増加はないであろう)。しかしながら、この非線形応答は設定毎に校正され得るので、コンテナ20内のスズの質量(及びしたがってコンテナ充填レベル)は、特定の時刻の対応する力測定から知ることができる。
【0063】
[00062] 他の実施形態においては、コンテナは水平に配向されてもよく(すなわち、コンテナの底部は地面と平行に配向されてもよく)、したがって留め具としてのヒンジの必要はないであろう。この場合、コンテナは、この種の留め具を要さずに1つ以上(好適には2つ又は3つ)のロードセル上にある。
【0064】
[00063] ロードセル32はヒータプレート24の下方に取り付けられるので、コンテナ20は、ロードセル32を移動させること又はロードセル32をその付随する電子機器及び配線等から切断することなしに、ヒータプレート24上の位置から取り外す(すなわち放射源SOから取り外す)ことができる。つまり、ロードセル32はコンテナ20に直接的には接続されず、又は直接接触しない。換言すれば、ロードセル32とコンテナ20との間には空間又は他の構成要素があると考えられ得る。
【0065】
[00064] これは、(例えばコンテナ20が充満している場合に)コンテナ20を交換するのにかかる時間の短縮という利点を有すると共に、多くの切断手順に起因するロードセルの摩耗又は故障の可能性が小さくなることも意味する。これは放射源SOの利用可能性の0.011%の向上(損失)に繋がり得る。すなわち、埋め込まれた充填レベルセンサ(例えばロードセル32)を有するコンテナ20を用いることは、サービス時間の1時間延長をもたらし得る。これは、熱勾配の変化を用いて結果を生成するべく十分に正確な読み出しを得るためにコンテナに結合されるか又は少なくとも直接接触する(すなわちコンテナ上にある)必要のあった温度センサと比べて改良された点である。さらに、実施形態においては、例えば熱測定のためにいくつかの温度センサが必要とされるのではなく、コンテナに関連する力を測定するために1つのロードセルのみが必要とされるので、構成要素の数の削減(例えばセンサの数の削減)、及びひいては費用の削減があり得る。
【0066】
[00065] 図3は、ロードセル32の周辺の領域をより詳細に示す。ピン34(ステンレス鋼であり得る)及びロードセルヒンジ36があり、ロードセル32(1つのロードセルのみが視認できる)の上方に位置している。重力によって下向きに作用するコンテナ20の力は、ヒータプレート24とロードセルヒンジ36及びピン34とを通じて、ロードセル32自体に作用する。したがって、ロードセルヒンジ36はロードセル32とコンテナ20との間に位置している。
【0067】
[00066] ロードセルヒンジ36は取り付けられて中央で旋回することができる(ロードセルヒンジ36の斜視側面図を示す図4を参照)。ピン34は、ロードセルヒンジ36の2つの扁平端部36A,36Bと接触し得る。ロードセルヒンジ36は、ヒンジ中央部37を通じてヒータプレート24の底部(図4には図示しない)に結合される。ヒンジ中央部37は、ヒータプレート24との2つの定義された接点を有するようにヒンジ中央部37の頂部で外向きに突出する2つの面37A,37Bを有している。ヒンジ中央部37は2つの面37A,37Bを介してヒータプレート24と接触するが、2つの面37A,37Bは、ヒンジ中央部37を通じて互いに固く結合されているので、全体として、ヒータプレート24とロードセルヒンジ36との間に事実上単一の接点を形成する。ピボットピン(図示しない)が、旋回軸として作用するように、ロードセルヒンジ36(円形開口36C)及びヒンジ中央部37を通って設置される。
【0068】
[00067] この構成は、ヒータプレート24とロードセルヒンジ36との間に事実上単一の接点があり、それがロードセル32によって行われる測定の機械的精度を提供するのに役立つことを意味している。これは、3つの接点(すなわちヒンジ28及びロードセルヒンジ36)を有することは、例えば接点のうち2つが各ロードセルを直接押圧する4つの接点を有することよりも、機械的精度の観点から言って、良いからである。また、ロードセルヒンジ36は2つのロードセル32上にコンテナの重量の力を均等に分配するので、両方のロードセル32が同じ力を測定する。単一のロードセル32がある実施形態においては、ロードセルヒンジ36は用いられなくてもよい。
【0069】
[00068] ヒータプレート24は、ロードセル32の最大動作温度(例えば120℃)よりも高い動作温度(例えば400℃以下)を有し得る。ロードセル32は最適温度範囲(例えば15~80℃)も有し得る。よって、ロードセル32を高温から保護することは重要であろう。これは、例えば、ロードセル32を熱負荷から保護するためのパスシステムによる伝熱(熱伝達)によって行われ得る。
【0070】
[00069] パスシステムによる伝熱はロードセルハウジング30を含む。ロードセルハウジング30は、ロードセル32がヒータプレート24との近接によって熱くなり過ぎるのを防止するための機械部品である。ロードセルハウジング30(すなわち力測定デバイスハウジング)は、少なくともロードセル32の頂部又はロードセル32の上方からロードセル32の底部又はロードセル32の下方まで(すなわち力測定デバイスの一方の側から力測定デバイスの反対の側まで)延伸すると考えられ得る。いくつかの実施形態においては、ロードセルハウジング30の少なくとも一部は、Cu合金アンプコロイなど、比較的高熱伝導性の材料を備え得る。ロードセル32の頂部の熱負荷は、ロードセルハウジング30を通じてロードセル32の下方のクーラ本体38に伝達され、冷却チャネル40内に流れているであろう冷却水に投入される。ロードセルハウジング30は比較的良好に熱を伝導するので、ロードセルハウジング30はヒータプレート24の高温から保護される。これはロードセルを動作温度の範囲内に維持するのに役立つ。他の実施形態においてはパスシステムによる伝熱は異なる形をとり得ることは理解されるであろう。
【0071】
[00070] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0072】
[00071] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0073】
[00072] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0074】
[00073] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0075】
[00074] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内に収集された燃料の量を判定するように構成された装置であって、前記燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられるものであり、
前記装置は力測定デバイスを備え、
前記力測定デバイスは前記コンテナ内に収集された前記燃料の質量を判定するために前記コンテナに関連する力を測定するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記装置は更に、前記コンテナに関連する前記測定された力に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量を判定するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項3】
前記装置は更に、前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料のレベルを判定するように構成されている、請求項2の装置。
【請求項4】
前記力測定デバイスは圧縮測定デバイスである、請求項1から3のいずれかの装置。
【請求項5】
前記圧縮測定デバイスは前記コンテナの下に位置している、請求項4の装置。
【請求項6】
前記力測定デバイスは張力又はトルク測定デバイスである、請求項1~3の装置。
【請求項7】
前記力測定デバイスはロードセルである、請求項1から6のいずれかの装置。
【請求項8】
前記装置は少なくとも1つのヒンジを備え、前記少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つの方向での前記コンテナの運動を制約しつつ少なくとも1つの別の方向での運動を比較的制約されないままにするための留め具として構成されている、請求項1から7のいずれかの装置。
【請求項9】
前記装置はロードセルヒンジを備え、前記ロードセルヒンジは前記力測定デバイスと前記コンテナとの間に位置している、請求項1から8のいずれかの装置。
【請求項10】
前記力測定デバイスは前記コンテナと直接接触しない、請求項1から9のいずれかの装置。
【請求項11】
前記装置は更に、前記力測定デバイスを熱負荷から保護するための伝熱バイパスシステムを備える、請求項1から10のいずれかの装置。
【請求項12】
前記伝熱バイパスシステムは前記力測定デバイスの一方側から前記力測定デバイスの反対側に延伸する力測定デバイスハウジングを備える、請求項11の装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の装置を備えるEUV放射源。
【請求項14】
請求項13に記載のEUV放射源を備えるリソグラフィシステム。
【請求項15】
コンテナ内に収集された燃料の量を判定する方法であって、前記燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられ、
力測定デバイスを備える装置を提供することと、
前記コンテナ内に収集された前記燃料の質量を判定するために前記力測定デバイスを用いて前記コンテナに関連する力を測定することと、
を備える方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
[00074] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。以下、出願当初の請求項を付記する。
[条項1] コンテナ内に収集された燃料の量を判定するように構成された装置であって、前記燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられ、
前記装置は力測定デバイスを備え、
前記力測定デバイスは前記コンテナ内に収集された前記燃料の質量を判定するために前記コンテナに関連する力を測定するように構成されている、装置。
[条項2] 前記装置は更に、前記コンテナに関連する前記測定された力に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量を判定するように構成されている、上記1の装置。
[条項3] 前記装置は更に、前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料のレベルを判定するように構成されている、上記2の装置。
[条項4] 前記力測定デバイスは圧縮測定デバイスである、上記1から3のいずれかの装置。
[条項5] 前記圧縮測定デバイスは前記コンテナの下に位置している、上記4の装置。
[条項6] 前記力測定デバイスは張力又はトルク測定デバイスである、上記1~3の装置。
[条項7] 前記力測定デバイスはロードセルである、上記1から6のいずれかの装置。
[条項8] 前記装置は少なくとも1つのヒンジを備え、前記少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つの方向での前記コンテナの運動を制約しつつ少なくとも1つの別の方向での運動を比較的制約されないままにするための留め具として構成されている、上記1から7のいずれかの装置。
[条項9] 前記装置はロードセルヒンジを備え、前記ロードセルヒンジは前記力測定デバイスと前記コンテナとの間に位置している、上記1から8のいずれかの装置。
[条項10] 前記力測定デバイスは前記コンテナと直接接触しない、上記1から9のいずれかの装置。
[条項11] 前記装置は更に、前記力測定デバイスを熱負荷から保護するための伝熱バイパスシステムを備える、上記1から10のいずれかの装置。
[条項12] 前記伝熱バイパスシステムは前記力測定デバイスの一方側から前記力測定デバイスの反対側に延伸する力測定デバイスハウジングを備える、上記11の装置。
[条項13] 上記1~12のいずれかに記載の装置を備えるEUV放射源。
[条項14] 上記13に記載のEUV放射源を備えるリソグラフィシステム。
[条項15] コンテナ内に収集された燃料の量を判定する方法であって、前記燃料はEUV放射源においてEUV放射ビームを生成するために用いられ、
力測定デバイスを備える装置を提供することと、
前記コンテナ内に収集された前記燃料の質量を判定するために前記力測定デバイスを用いて前記コンテナに関連する力を測定することと、
を備える方法。
[条項16] 前記コンテナに関連する前記測定された力に基づいて前記燃料の前記質量を判定することを更に備える、上記15の方法。
[条項17] 前記コンテナ内に収集された前記燃料の前記質量に基づいて前記コンテナ内に収集された前記燃料のレベルを判定することを更に備える、上記16の方法。
【国際調査報告】