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特表2022-545217金属充填プロセス中のラインベンディングの低減
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】金属充填プロセス中のラインベンディングの低減
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/06 20060101AFI20221019BHJP
   C23C 16/34 20060101ALI20221019BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
C23C16/06
C23C16/34
H01L21/285 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510890
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020070429
(87)【国際公開番号】W WO2021035254
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/890,047
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/891,853
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラシェカー・アナンド
(72)【発明者】
【氏名】グオ・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ツン-ハン
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA04
4K030HA01
4K030JA09
4K030JA10
4M104BB04
4M104BB16
4M104BB18
4M104DD43
4M104GG16
4M104HH20
(57)【要約】
【解決手段】フィーチャ充填中のラインベンディングを軽減する方法は、充填中のアモルファス層の堆積および/または阻害処理を含む。
【選択図】 図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)表面を金属含有前駆体および阻害化合物に曝露することによって前記表面を共形的に処理し、
(c)前記表面を処理した後、前記フィーチャにバルク金属層を堆積すること
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
各フィーチャの前記底部の前記幅は、前記フィーチャの前記頂部における前記幅の0nmから90%の間である、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)および(c)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、前記フィーチャに連続膜を堆積することなく実施される、方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、前記金属前駆体および阻害化合物の不均一な吸着を含む、方法。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、不連続膜の堆積を含む、方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)が核形成層表面を処理することを含むように、前記フィーチャに核形成層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、前記バルク金属層の表面粗さを増加させる、方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、非プラズマ熱プロセスである、方法。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、プラズマベースのプロセスである、方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法であって、
前記阻害化学物質は、窒素含有化合物を含む、方法。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法であって、
前記阻害化学物質は、アンモニアである、方法。
【請求項14】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの少なくともいくつかの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)前記フィーチャに共形アモルファス金属ベースの層を堆積し、
(c)前記共形アモルファス金属ベースの層を堆積した後、前記フィーチャにバルク金属層を堆積すること
を備える、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
各フィーチャの前記底部の前記幅は、前記フィーチャの前記頂部における前記幅の0nmから90%の間である、方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法であって、
前記金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される、方法。
【請求項17】
請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)および(c)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項18】
請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の方法であって、
前記共形アモルファス金属ベースの層をアニーリングすることをさらに備える、方法。
【請求項19】
請求項14から請求項18のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャは、隣接するフィーチャ間で約10nm~60nmのピッチで間隔を空けて配置されている、方法。
【請求項20】
請求項14から請求項19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャに金属核形成層を堆積することをさらに含む、方法。
【請求項21】
請求項14から請求項20のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、少なくとも50原子%の金属を含む、方法。
【請求項22】
請求項14から請求項21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)の1つまたは複数をさらに含む、方法。
【請求項23】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)前記フィーチャにバルク金属層を堆積し、
(c)前記フィーチャに前記バルク金属層を堆積した後、前記フィーチャにアモルファス金属ベースの層を堆積すること
を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
各フィーチャの前記底部の前記幅は、前記各フィーチャの前記頂部における前記幅の0nmから90%の間である、方法。
【請求項25】
請求項23または24に記載の方法であって、
前記金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される、方法。
【請求項26】
請求項23から請求項25のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
(c)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項28】
請求項23から請求項27のいずれか一項に記載の方法であって、
前記共形アモルファス金属ベースの層をアニーリングすることをさらに備える、方法。
【請求項29】
請求項23から請求項28のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャは、隣接するフィーチャ間で約10nm~60nmのピッチで間隔を空けて配置されている、方法。
【請求項30】
請求項23から請求項29のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャに金属核形成層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項31】
請求項23から請求項30のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、少なくとも50%の金属を含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)の1つまたは複数をさらに含む、方法。
【請求項33】
方法であって、
間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの少なくともいくつかの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
前記フィーチャに共形金属ベースの層を堆積し、前記金属ベースの層は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびコバルト(Co)から選択される金属を含み、前記金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびそれらの組み合わせから選択される不純物の少なくとも5%(原子)であること
を備える、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャは、窒化チタンおよび窒化タンタルから選択される膜で充填される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。同時に提出されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
導電性材料の堆積は、多くの半導体製作プロセスにおいて不可欠な部分である。これらの材料は、水平相互接続、隣接する金属層間のビア、金属層とケイ素基板上のデバイスとの間の接触、および高アスペクト比のフィーチャに使用することができる。半導体基板に対する堆積プロセスの一例では、基板は真空チャンバ内でプロセス温度に加熱され、シードまたは核形成層として機能する膜の非常に薄い部分が堆積される。その後、膜の残りの部分(バルク層)は、基板を同時に2つの反応物に曝露することによって核形成層上に堆積される。バルク層は、一般に核形成層よりも急速に堆積される。しかし、デバイスが縮小され、業界ではより複雑なパターニングスキームが利用されるようになっていることから、薄膜を堆積してフィーチャを充填することが課題となっている。
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0004】
フィーチャ充填中のラインベンディングを軽減する方法が説明される。この方法は、隣接するフィーチャの充填中のラインベンディングを軽減するために使用することができる。いくつかの実施形態では、方法は、アモルファス金属ベースの層の堆積を含む。いくつかの実施形態では、方法は、不純物を含む金属ベースの層の堆積を含む。様々な実施形態によれば、金属ベースの層は、応力を軽減し、かつ/またはラインベンディングを引き起こす可能性のある金属-金属結合を遮断することができる。いくつかの実施形態では、方法は、阻害化学物質を用いた層の表面処理を含む。様々な実施形態によれば、表面処理は、表面を粗面化し、ラインベンディングを低減することができる。
【0005】
本開示の一態様は、(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、フィーチャの幅は、フィーチャの頂部からフィーチャの底部に向かって狭くなり、(b)表面を金属含有前駆体および阻害化学物質に曝露することによって表面を共形的に処理し、(c)表面を処理した後、フィーチャにバルク金属層を堆積することを備える、方法に関する。
【0006】
いくつかの実施形態では、各フィーチャの底部の幅は、フィーチャの頂部における幅の0nmから90%の間である。いくつかの実施形態では、金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、動作(b)および(c)が1回または複数回繰り返され、フィーチャを充填する。いくつかの実施形態では、(c)で堆積されたバルク金属層は、フィーチャを完全に充填する。いくつかの実施形態では、動作(b)は、フィーチャに連続膜を堆積することなく実施される。いくつかの実施形態では、動作(b)は、金属前駆体および阻害化合物の不均一な吸着を含む。いくつかの実施形態では、動作(b)は、不連続膜の堆積を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(b)が核形成層表面を処理することを含むように、フィーチャに核形成層を堆積することをさらに含む。いくつかの実施形態では、動作(b)は、バルク金属層の表面粗さを増加させる。いくつかの実施形態では、動作(b)は、非プラズマ熱プロセスである。いくつかの実施形態では、動作(b)は、プラズマベースのプロセスである。いくつかの実施形態では、阻害化学物質は、窒素含有化合物を含む。いくつかの実施形態では、阻害化学物質は、アンモニアである。
【0007】
本開示の別の態様は、(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、フィーチャの少なくともいくつかの幅は、フィーチャの頂部からフィーチャの底部に向かって狭くなり、(b)フィーチャに共形アモルファス金属ベースの層を堆積し、(c)共形アモルファス金属ベースの層を堆積した後、フィーチャにバルク金属層を堆積することを備える、方法に関する。いくつかの実施形態では、各フィーチャの底部の幅は、フィーチャの頂部における幅の0nmから90%の間である。いくつかの実施形態では、金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、動作(b)および(c)が1回または複数回繰り返され、フィーチャを充填する。いくつかの実施形態では、方法は、共形アモルファス金属ベースの層をアニーリングすることをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、フィーチャは、隣接するフィーチャ間で約10nm~60nmのピッチで間隔を空けて配置されている。いくつかの実施形態では、方法は、フィーチャに金属核形成層を堆積することをさらに含む。いくつかの実施形態では、金属ベースの層は、少なくとも50原子%の金属を含む。いくつかの実施形態では、金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)の1つまたは複数をさらに含む。
【0009】
本開示の別の態様は、(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、フィーチャの幅は、フィーチャの頂部からフィーチャの底部に向かって狭くなり、(b)フィーチャにバルク金属層を堆積し、(c)フィーチャにバルク金属層を堆積した後、フィーチャにアモルファス金属ベースの層を堆積することを含む、方法に関する。
【0010】
いくつかの実施形態では、各フィーチャの底部の幅は、各フィーチャの頂部における幅の0nmから90%の間である。いくつかの実施形態では、金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、(b)を1回または複数回繰り返してフィーチャを充填することをさらに含む。いくつかのそのような実施形態では、方法は、(c)を1回または複数回繰り返してフィーチャを充填することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、共形アモルファス金属ベースの層をアニーリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、フィーチャは、隣接するフィーチャ間で約10nm~60nmのピッチで間隔を空けて配置されている。いくつかの実施形態では、方法は、フィーチャに金属核形成層を堆積することをさらに含む。いくつかの実施形態では、金属ベースの層は、少なくとも50%の金属を含む。いくつかの実施形態では、金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)の1つまたは複数をさらに含む。
【0011】
本開示の別の態様は、間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、フィーチャの少なくともいくつかの幅は、フィーチャの頂部からフィーチャの底部に向かって狭くなり、フィーチャに共形金属ベースの層を堆積し、金属ベースの層は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびコバルト(Co)から選択される金属を含み、金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびそれらの組み合わせから選択される不純物の少なくとも5%(原子)であることとを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、複数のフィーチャは、窒化チタンおよび窒化タンタルから選択される膜で充填される。
【0012】
本開示のこれらおよび他の態様は、図面を参照して以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、基板上の例示的な膜の概略図である。
【0014】
図2A図2Aは、ケイ素基板内に埋め込みワードライン(bWL)を含むダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)アーキテクチャの一例の概略図である。
【0015】
図2B図2Bは、ラインベンディングの概略図である。
【0016】
図2C図2Cは、ジッピング現象の概略図である。
【0017】
図2D図2Dは、タングステン-タングステン結合半径の関数としての原子間力を示すグラフである。
【0018】
図3A図3Aは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3B図3Bは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3C図3Cは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3D図3Dは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3E図3Eは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3F図3Fは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3G図3Gは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3H図3Hは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
図3I図3Iは、特定の開示されている実施形態による、タングステンなどの金属を堆積させることができる様々な構造の概略例である。
【0019】
図4A図4Aは、特定の開示されている実施形態による、実施される方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
図4B図4Bは、特定の開示されている実施形態による、実施される方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
図4C図4Cは、特定の開示されている実施形態による、実施される方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
【0020】
図5A図5Aは、特定の実施形態による、フィーチャ充填中の様々な動作の概略図である。
図5B図5Bは、特定の実施形態による、フィーチャ充填中の様々な動作の概略図である。
図5C図5Cは、特定の実施形態による、フィーチャ充填中の様々な動作の概略図である。
【0021】
図6図6は、特定の開示されている実施形態による、様々な方法における例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図である。
図7図7は、特定の開示されている実施形態による、様々な方法における例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図である。
図8図8は、特定の開示されている実施形態による、様々な方法における例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図である。
図9図9は、特定の開示されている実施形態による、様々な方法における例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図である。
図10図10は、特定の開示されている実施形態による、様々な方法における例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図である。
【0022】
図11図11は、開示されている実施形態を実施するための例示的なプロセスツールの概略図である。
【0023】
図12図12は、開示されている実施形態を実施するための例示的なステーションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、提示された実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載されている。開示されている実施形態は、これらの特定の詳細の一部またはすべてがなくても実施され得る。他の例では、開示されている実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。開示されている実施形態は特定の実施形態と併せて説明されるが、開示されている実施形態を限定することを意図するものではないことが理解される。
【0025】
フィーチャに対するタングステン(W)充填などの金属充填は、半導体デバイス製作において電気接点を形成するために頻繁に使用される。デバイスがより小さなテクノロジーノードにスケーリングされ、より複雑なパターニング構造が使用されるため、タングステン充填には様々な課題が存在する。課題の1つは、堆積したタングステン膜中のフッ素濃度または含有量を低減することである。より大きなフィーチャと比較して、より大きなフィーチャと同じタングステン膜中のフッ素濃度を有するより小さなフィーチャは、より実質的にデバイスの性能に影響を及ぼす。例えば、フィーチャが小さいほど、膜の堆積は薄くなる。その結果、堆積したタングステン膜中のフッ素は、薄い膜を通って拡散する可能性が高くなり、それによってデバイスの故障を引き起こす可能性がある。
【0026】
フッ素拡散を防止する方法の1つは、タングステンを堆積する前に1つまたは複数のバリア層を堆積し、フッ素がタングステンから酸化物層などの基板の他の層に拡散するのを防止することを含む。例えば、図1は、基板190上に堆積された層の例示的なスタックを示す。基板190は、ケイ素層192、酸化物層194(例えば、酸化チタン(TiOx)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)酸化物など)、バリア層196(例えば、窒化チタン(TiN))、タングステン核形成層198、およびバルクタングステン層199を含む。バリア層196は、バルクタングステン層199およびタングステン核形成層198から酸化物層194へのフッ素の拡散を防止するために堆積される。しかし、デバイスが縮小するにつれてバリア層が薄くなり、フッ素が堆積したタングステン層から依然として拡散する可能性がある。高温で実施されるバルクタングステンの化学気相堆積(CVD)はフッ素含有量を低減するが、そのような膜はステップカバレッジが不十分である。
【0027】
もう1つの課題は、堆積したタングステン膜の抵抗を低減することである。薄い膜は、厚い膜よりも高い抵抗を有する傾向がある。フィーチャが小さくなると、より薄いタングステン膜での散乱効果により、タングステンの接触抵抗またはライン抵抗が増加する。低抵抗率のタングステン膜は、集積回路設計における電力損失および過熱を最小限に抑える。タングステン核形成層は、典型的には、上にあるバルク層よりも高い電気抵抗率を有する。接点、ビア、および他のフィーチャに堆積されたバリア層もまた、高い抵抗率を有し得る。さらに、薄いバリアおよびタングステン核形成膜は、より小さなフィーチャのより大きなパーセンテージを占め、フィーチャの全体的な抵抗を増加させる。タングステン膜の抵抗率は、堆積される膜の厚さに依存するため、境界効果により厚さが減少すると抵抗率が増加する。
【0028】
もう1つの課題は、堆積した膜に対する応力を低減することである。薄いタングステン膜は、増加した引張応力を有する傾向がある。化学気相堆積によってバルクタングステン膜を堆積するための従来の技法は、200Åの膜に対して2.5GPaを超える引張応力を有する。高い熱引張応力により、基板がカールし、その後の処理が困難になる。例えば、その後のプロセスは、化学機械的平坦化、材料の堆積、および/または基板ホルダへの基板のクランプを含み得、チャンバ内でプロセスを実施する。しかし、これらのプロセスは平坦な基板に依存することが多く、カールした基板は不均一な処理または基板を処理することができないという結果をもたらす。アニーリングなどの他の材料の膜における応力を低減するための既存の方法が存在するが、タングステンは融点が高いため、一度堆積されると粒子の移動または変更を可能にする表面移動度を有さない。
【0029】
もう1つの課題は、例えば、狭いピッチを有する複数のフィーチャを有する基板、または互いに隣接する複数の高アスペクト比のフィーチャを有する基板に見られる現象である、ラインベンディングを低減することである。タングステン充填中のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)埋め込みワードライン構造(bWL)におけるラインベンディングは、粒界融合(「ジッピング」メカニズムと呼ばれることもある)によって引き起こされると考えられている。粒界が形成されると、隣接するタングステン表面間の金属-金属結合(フィーチャの側壁上に成長するタングステン膜など)が歪みを引き起こし、bWLを分離するケイ素フィン(ライン)が曲がってしまう。原子層堆積(ALD)およびCVDタングステン充填技法は、bWL構造の激しい曲げをもたらす可能性がある。このラインベンディングは、下流のプロセスにおいてタングステンの凹部の不均一性およびコンタクトランディングの問題を引き起こし、DRAMの歩留まり損失をもたらす。
【0030】
ALDは、低応力、低フッ素、および低抵抗率を示すタングステン膜を形成するために使用することができるが、そのような成長を可能にする表面上にのみ膜を形成する。デバイスが縮小し、フィーチャが狭くなると、引張応力、フッ素の高い取り込み、抵抗率に対する影響を引き起こし、粗い形態をもたらす可能性のあるジッピングメカニズムが存在する可能性がある。
【0031】
特定の実施形態は、メモリデバイスにおいてタングステンワードラインを形成するための方法および関連する装置に関する。図2Aは、ケイ素基板9内に埋め込みワードライン(bWL)11を含むDRAMアーキテクチャの概略例を図示する。bWL11は、ケイ素基板9にエッチングされたトレンチ内に形成される。bWL11は、ケイ素基板9に堆積されたタングステンであり、SiN不動態化5によってキャップされる。トレンチを裏打ちするのは、共形バリア層12と、共形バリア層12とケイ素基板9との間に配置されている絶縁層13である。図2Aの例では、絶縁層13は、酸化ケイ素などの材料から形成されたゲート酸化物層であり得る。共形バリア層の例には、TiNおよびタングステン含有バリア層が挙げられる。タングステン含有共形バリア層は、WBx、WSix、WGex、WCx、WNxなどの二元化合物、およびWBxy、WSixy、WGexy、WSixy、WBxy、WGexy、WCxyなどの三元化合物、およびWBxGeyz、WGexyzなどの四元化合物などを含むことができ、x、y、およびzは、ゼロよりも大きい数である。
【0032】
DRAM bWLトレンチに対する充填プロセスはトレンチを歪ませる可能性があり、それにより最終的なトレンチ幅および抵抗Rsが大幅に不均一になる。図2Bは、充填後にラインベンディングを示す、充填されていない(201)および充填された(205)狭い非対称トレンチ構造DRAM bWLを示す。示すように、複数のフィーチャが基板上に図示されている。これらのフィーチャは間隔を空けて配置され、いくつかの実施形態では、隣接するフィーチャは、約5nm~約60nm、または約20nm~約60nm、または約10nm~30nm、または約10nm~40nm、または約20nm~40nmのピッチを有する。ピッチは、1つのフィーチャの中央軸から隣接するフィーチャの中央軸までの距離として定義される。充填されていないフィーチャは、フィーチャ203に示すように概してV字形であり、フィーチャの幅がフィーチャの頂部からフィーチャの底部に向かって狭くなる傾斜した側壁を有する。フィーチャは、フィーチャの底部213bからフィーチャの頂部213aに向かって広がる。タングステン充填後、激しいラインベンディングが基板205で観察される。特定の理論によって拘束されるものではないが、矢印207によって図示されるように、トレンチの対向する表面間の凝集力がトレンチの側面を共に引っ張ると考えられている。この現象は図2Cに示されており、フィーチャを「ジップアップ」するものとして特徴付けることができる。フィーチャ203が充填されると、より多くの力がフィーチャ203の中心軸299から加えられ、ラインベンディングを引き起こす。したがってフィーチャ203の側壁上に堆積したタングステン243aおよび243bが近接して相互作用し、タングステン-タングステン結合半径rは小さいため、タングステンの滑らかに成長する表面間に凝集性の原子間力が発生して側壁が共に引き寄せられ、それによってラインベンディングを引き起こす。図2Dは、タングステン-タングステン結合半径rの関数としての原子間力を示している。見てわかるように、凝集力は、rの特定の値に存在する。ALDプロセスによって堆積された低応力のタングステン膜であっても、充填中に激しいラインベンディングを引き起こす可能性がある。V字形のフィーチャが本明細書で説明されているが、方法は、フィーチャ充填中にラインベンディングを受ける任意のプロファイルのフィーチャにも有利に適用することができる。
【0033】
本明細書では、金属でフィーチャを充填する方法、ならびにラインベンディングを低減する関連するシステムおよび装置が説明。本明細書の様々な例および実施形態がタングステンに関して説明されているが、開示されている実施形態は、限定はしないが、ルテニウム、モリブデン、コバルトなどを含む様々な金属を堆積するのに適していることが理解される。用途の例には、ロジックおよびメモリのコンタクト充填、DRAM埋め込みワードライン充填、垂直集積メモリゲート/ワードライン充填、およびケイ素貫通ビア(TSV)との3D集積が挙げられる。本明細書に記載の方法は、タングステンビアなどの垂直フィーチャ、および3D-NANDワードラインなどの水平フィーチャを充填するために使用することができる。方法は、共形充填およびボトムアップまたはインサイドアウト充填に使用されてもよい。
【0034】
本明細書に記載の方法は、チャンバ内に収容され得る基板上で実施される。基板は、ケイ素ウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、または450mmウエハであり得、誘電性材料、導電性材料、または半導電性材料などの材料の1つまたは複数の層がその上に堆積されたウエハを含む。基板は、V字形の側壁、狭いおよび/またはリエントラント型の開口部、フィーチャ内の狭窄部、および高アスペクト比の1つまたは複数によって特徴付けられ得るビアホールまたはコンタクトホールなどのフィーチャを有する。フィーチャは、上述の層の1つまたは複数に形成され得る。例えば、フィーチャは、誘電体層に少なくとも部分的に形成され得る。いくつかの実施形態では、フィーチャは、少なくとも約2:1、少なくとも約4:1、少なくとも約6:1、少なくとも約10:1、またはそれ以上のアスペクト比を有してもよい。フィーチャの一例は、半導体基板または基板上の層における穴またはビアである。フィーチャは、約20nm~約40nmの隣接するフィーチャ間のピッチによって、基板上に間隔を空けて配置され得る。
【0035】
図3A図3Gは、開示されている実施形態による、タングステンを堆積させることができる様々な構造の概略例である。図3Aは、タングステンで充填される垂直フィーチャ301の断面図の一例を示す。フィーチャ301は、基板303にフィーチャ穴305を含むことができる。穴305または他のフィーチャは、開口部に近い寸法、例えば、約10nm~500nm、例えば約25nm~約300nmの開口部直径またはライン幅を有し得る。フィーチャ穴305は、充填されていないフィーチャまたは単にフィーチャと呼ぶことができる。フィーチャ301、および任意のフィーチャは、部分的に、穴305の中心を通ってフィーチャの長さにわたって延びる軸318によって特徴付けられ得、垂直方向のフィーチャは垂直軸を有し、水平方向のフィーチャは水平軸を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、フィーチャは、3D NAND構造のトレンチである。例えば、基板は、少なくとも60個のライン、18~48個の層または数百の層、そして少なくとも200Åの深さまたは数ミクロンの深さのトレンチを有するワードライン構造を含み得る。別の例は、基板または層のトレンチである。フィーチャは、任意の深さであってもよい。様々な実施形態において、フィーチャは、バリア層または接着層などの下層を有することができる。下層の非限定的な例には、誘電体層および導電層、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、および金属層が挙げられる。
【0037】
図3Bは、リエントラント型のプロファイルを有するフィーチャ301の一例を示す。リエントラント型のプロファイルは、フィーチャの底部、閉鎖端部、または内部からフィーチャ開口部まで狭くなるプロファイルである。様々な実施態様によれば、プロファイルは徐々に狭くなり、かつ/またはフィーチャ開口部においてオーバーハングを含む場合がある。図3Bは、後者の一例を示し、下層313がフィーチャ301のフィーチャ穴305の側壁または内面を裏打ちしている。下層313は、例えば、拡散バリア層、接着層、核形成層、それらの組み合わせ、または任意の他の適用可能な材料であり得る。下層の非限定的な例には、誘電体層および導電層、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、および金属層が挙げられ得る。特定の実施態様では、下層は、Ti、TiN、WN、TiAl、およびWの1つまたは複数であり得る。下層313はオーバーハング315を形成し、それにより下層313がフィーチャ301の内側よりもフィーチャ301の開口部の近くでより厚くなる。
【0038】
いくつかの実施態様では、フィーチャ内に1つまたは複数の狭窄部を有するフィーチャが充填される場合がある。図3Cは、狭窄部を有する様々な充填されたフィーチャの図の例を示す。図3Cの例(a)、(b)、および(c)の各々は、フィーチャ内の中点に狭窄部309を含む。狭窄部309は、例えば、約15nm~20nmの幅であり得る。狭窄部は、従来の技法を使用してフィーチャにタングステンを堆積する際にピンチオフを引き起こす可能性があり、堆積したタングステンは、フィーチャのその部分が充填される前に狭窄部を通過するさらなる堆積をブロックし、フィーチャにボイドをもたらす。例(b)は、フィーチャ開口部においてライナ/バリアオーバーハング315をさらに含む。このようなオーバーハングは、潜在的なピンチオフポイントになる可能性もある。例(c)は、例(b)のオーバーハング315よりもフィールド領域から離れた狭窄部312を含む。
【0039】
3Dメモリ構造などの水平フィーチャもまた、充填することができる。図3Dは、狭窄部351を含む水平フィーチャ350の一例を示す。例えば、水平フィーチャ350は、3D NAND構造のワードラインであり得る。
【0040】
いくつかの実施態様では、3D NANDまたは他の構造にピラーが存在することにより狭窄部が発生する場合がある。例えば、図3Eは、3D NANDまたは垂直集積メモリ(VIM)構造348内のピラー325の平面図を示し、図3Fは、ピラー325の断面図の簡略概略図を示す。図3Eの矢印は、堆積材料を表す。ピラー325がエリア327とガス入口または他の堆積源との間に配置されているので、隣接するピラーは、エリア327におけるボイドフリー充填に課題を提示する狭窄部351をもたらし得る。
【0041】
構造348は、例えば、基板300上に交互の層間誘電体層329および犠牲層(図示せず)のスタックを堆積し、犠牲層を選択的にエッチングすることによって形成することができる。層間誘電体層は、例えば、酸化ケイ素および/または窒化ケイ素層であり得、犠牲層は、エッチャントで選択的にエッチング可能な材料である。これに続いてエッチングおよび堆積プロセスが行われ、完成したメモリデバイスのチャネル領域を含み得るピラー325を形成することができる。
【0042】
基板300の主表面は、xおよびy方向に延びることができ、ピラー325は、z方向に向けられている。図3Eおよび図3Fの例では、ピラー325は、x方向に直接隣接するピラー325がy方向に互いにオフセットされ、逆もまた同様であるように、オフセット様式で配置されている。様々な実施形態によれば、ピラー(および隣接するピラーによって形成されている対応する狭窄部)は、任意の数の方式で配置することができる。さらに、ピラー325は、円形、正方形などを含む任意の形状であり得る。ピラー325は、環状の半導電性材料、または円形(または正方形)の半導電性材料を含むことができる。ゲート誘電体が、半導電性材料を囲む場合がある。各層間誘電体層329間のエリアは、タングステンで充填することができる。したがって、構造348は、充填されるxおよび/またはy方向に延びる複数の積み重ねられた水平方向のフィーチャを有する。
【0043】
図3Gは、水平フィーチャ、例えば、ピラー狭窄部351を含む3D NANDまたは他の構造の図の別の例を提供する。図3Gの例はオープンエンドであり、矢印によって示されるように、堆積される材料が2つの両側から水平に入ることができる。(図3Gの例は構造の2Dレンダリング3Dフィーチャとして見ることができ、図3Gは充填されるエリアの断面図であり、図に示すピラー狭窄部は断面図ではなく平面図で見られる狭窄部を表していることに留意されたい。)いくつかの実施態様では、3D構造は、2次元または3次元に沿って(例えば、図3Fの例ではxおよびy方向、またはx、y、およびz方向に)延びる充填されるエリアで特徴付けることができ、1次元または2次元に沿って延びる穴またはトレンチを充填するよりも、充填に対して多くの課題を提示し得る。例えば、堆積ガスが複数の次元からフィーチャに入る可能性があるため、3D構造の充填を制御することは困難な場合がある。
【0044】
図3Hは、V字形のフィーチャの断面図の一例を提供する。図3Hは、基板303にフィーチャ穴305を含む、タングステンで充填されるフィーチャ301を含む。穴は、開口部に近い寸法を有する(例えば、開口部直径またはライン幅wであり、これは約10nm~約20nm、または約15nmであり得る)。幅は、フィーチャの側壁間の距離によって測定される。幅は、フィーチャ開口部におけるフィーチャの頂部(開口部直径またはライン幅w)からフィーチャの底部まで変化する場合がある。フィーチャ穴305は、軸318によって部分的に特徴付けられる。V字形のフィーチャ301は、約80nm~約120nm、または約100nmであり得る深さ350を含む。様々な実施形態において、側壁は、フィーチャの底部における、またはいくつかの実施形態では、フィーチャの底部が平坦な底面にある点395で交わり、これは、一方の側壁から他方の側壁までの距離が約0.1w~約0.9wであり得るか、または開口部におけるライン幅wのパーセンテージが幅wの約10%~幅wの約90%であり得る。フィーチャは、2:1~約10:1、または約6:1~約8:1、または約6:1、または約8:1のアスペクト比を有し得る。ラインのピッチは、約20nm~約40nmであり得る。フィーチャの深さの底部の50%~70%における領域として特徴付けられるフィーチャの底部は、0nm~約20nmである側壁間の幅を有し得る。
【0045】
図3Iは、V字形のフィーチャの断面図の別の例を提供する。本明細書で説明されるようなV字形のフィーチャは、基板の頂部フィールドレベルからフィーチャの底部に向かって幅が狭いフィーチャを指す。図3Iは、基板303にフィーチャ穴305を含む、タングステンなどの金属で充填されるフィーチャ301を含む。穴は、開口部に近い寸法を有する(例えば、開口部直径またはライン幅wであり、これは約10nm~約20nm、または約15nmであり得る)。フィーチャ396の底部は、wの幅よりも狭い幅を有する。例えば、フィーチャ396の底部は、幅wの1%~90%、または幅wの1%~50%、または幅wの10%~20%の幅を有し得る。
【0046】
図2Bに示すような様々な開示されている実施形態において、複数のV字形のフィーチャが基板上に存在する。基板上の複数のフィーチャは、互いに20nm~40nm以下の距離を有する隣接するフィーチャとして定義される。様々な実施形態において、そのような複数のフィーチャは、図3Hまたは図3Iに図示されるような形状を有し得るすべてのV字形のフィーチャを含む。
【0047】
水平方向および垂直方向のフィーチャについてのフィーチャ充填の例が、以下に説明される。例は、水平方向または垂直方向の両方のフィーチャに適用可能であることに留意されたい。さらに、以下の説明において、「側方」という用語は、フィーチャ軸に概して直交する方向を指すために使用され得、「垂直」という用語は、フィーチャ軸に概して沿った方向を指すために使用され得ることにも留意されたい。
【0048】
以下の説明はタングステンフィーチャ充填に焦点を当てているが、本開示の態様は、他の材料でフィーチャを充填することでも実施することができる。例えば、本明細書に記載の1つまたは複数の技法を使用したフィーチャ充填を使用して、Mo、Co、およびRuを含む他の材料でフィーチャを充填することができる。さらに、気相堆積プロセスで結晶粒成長を起こす任意の材料でフィーチャを充填するために使用することも可能である。
【0049】
いくつかの実施形態は、隣接するトレンチの充填中にアモルファス層の堆積を伴う。アモルファス層は、特定の実施形態では10Å~1nmの厚さで堆積され得る。様々な実施形態によれば、アモルファス層は、フィーチャに共形的に堆積される。アモルファス層は、上述のジッピングメカニズムを遮断し、フィーチャ内の誘電体への応力伝播を軽減する。
【0050】
アモルファス膜は、金属(例えば、W、Mo、Co、Ruなど)およびいくらかの量の不純物を含む。このような不純物の例には、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)が挙げられる。不純物の存在は、金属膜をアモルファスにし、ジッピングメカニズムを防止し、かつ/またはバルク層から誘電体への応力伝播を防止する。例示的な不純物レベルは、5%~50%の原子を含み、膜の残部は金属である。いくつかの実施形態では、アモルファス層は、少なくとも50原子%の金属、少なくとも60原子%、少なくとも70原子%、少なくとも80原子%、または少なくとも90原子%の金属である。
【0051】
アモルファス膜は、金属と金属化合物の混合物を含み得、例えば、アモルファス層は、タングステン(W)と窒化タングステン(WN)の混合物を有し得、アモルファス層中のWの総量は少なくとも50原子%であり、アモルファス層中のNの総量は5原子%~50原子%である。別の例では、アモルファス膜は、WとBおよび/またはNの混合物であり、膜中のBおよび/またはNの総量は、5原子%~50原子%である。
【0052】
アモルファス層は、異なる実施形態による充填プロセスの様々な段階で堆積され得る。図4Aは、隣接するトレンチを充填するためのプロセスフローの一例を提供する。プロセスは、隣接するトレンチに共形核形成層を堆積することから始まる(402)。次いで、共形アモルファス金属ベースの膜がトレンチに堆積される(404)。この例では、アモルファス層は比較的薄く、例えば、10Å~50Å、10Å~40Å、または10Å~20Åであり得る。次に、バルク金属層がアモルファス層上に堆積される(406)。いくつかの実施形態では、バルク金属層を堆積させ、トレンチを充填することができる。他の実施形態では、動作404および406が1回または複数回繰り返され、トレンチを充填してもよい(408)。共形バルク堆積が実施されるときにジッピングメカニズムが発生する場合、動作404および406を有利に繰り返すことができる。バルク層は、例えば、元素金属の少なくとも97%または99%の原子純度を有する高純度層であり得る。
【0053】
図4Aの例では、1つまたは複数のアニーリング動作を実施し、アモルファス層の抵抗率を低減することができる。様々な実施形態によれば、熱アニーリングは、フィーチャが充填された後(例えば、実施される場合に動作408の後)、任意選択でアモルファス層の堆積後(例えば、動作404と406との間)、または任意選択でバルク層の一部またはすべての堆積後(例えば、動作406中または後)にのみ実施することができる。
【0054】
図4Aに関して説明されたプロセスは、様々な実施形態に従って修正されてもよい。いくつかの実施形態では、動作406は実施されない。例えば、いくつかの実施形態では、動作404のみが実施されるように、アモルファス層を使用してフィーチャ全体を充填する。いくつかの実施形態では、核形成層が堆積され、続いてアモルファス層が堆積され、動作402および404のみが実施されるようにフィーチャを充填する。またさらに、いくつかの実施形態では、核形成層は堆積されず、動作404および406(および任意選択で408)のみが実施される。
【0055】
図4Bは、隣接するトレンチを充填するためのプロセスフローの別の例を提供する。プロセスは、図4Aの例のように、隣接するトレンチに共形核形成層を堆積することから始まる(402)。しかし、この例では、バルク金属層は、下にある層(例えば、核形成層)上に堆積される(414)。これに続いて、アモルファス層が堆積される(416)。動作414および416が1回または複数回繰り返され、トレンチを充填してもよい(418)。バルク層は、例えば、元素金属の少なくとも97%または99%の原子純度を有する高純度層であり得る。いくつかの実施形態では、動作416の最初のインスタンスの後、アモルファス層の堆積が停止され、動作414が繰り返されてトレンチの充填が完了する。
【0056】
図4Bの例では、1つまたは複数のアニーリング動作を実施し、アモルファス層の抵抗率を低減することができる。様々な実施形態によれば、熱アニーリングは、フィーチャが充填された後(例えば、実施される場合に動作418の後)、任意選択でアモルファス層の堆積後(例えば、動作416の後)にのみ実施することができる。
【0057】
図4Bに関して説明されたプロセスは、様々な実施形態に従って修正されてもよい。いくつかの実施形態では、核形成層は堆積されず、動作414および416のみが実施される。アモルファス層の堆積後にバルク金属の堆積が発生するいくつかの実施形態では、バルク堆積の前に、阻害効果を除去または少なくする処理を実施することができる。そのような処理は、還元剤(例えば、ジボランおよび/またはシランおよび/または水素)および金属前駆体の1つまたは複数の浸漬ステップを伴い得る。いくつかの実施形態では、アモルファス層上へのバルク層の堆積は、核形成層の堆積が先行し得る。例えば、1つのシーケンスは、金属核形成/金属バルク/アモルファス層/金属核形成/バルク金属を伴う場合がある。
【0058】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、図4Aおよび図4Bによる方法によって充填された隣接するトレンチの概略例を示す。図5Aでは、トレンチは、バリア層501、例えば、TiNで裏打ちされ、共形核形成層505(例えば、2nmの厚さの核形成層)、共形アモルファス層503(例えば、約10nm)を含み、バルク層507で充填される。
【0059】
図5Bでは、トレンチは、バリア層501、例えば、TiNで裏打ちされ、共形核形成層503(例えば、2nmの厚さの核形成層)、共形バルク層507を含み、アモルファス層505で充填される。図4Bの方法は、縫い目を閉じる際のジッピング効果を軽減するが、図4Aの方法は、バルク層と誘電体との間にアモルファス層を挿入することによって、バルク層から核形成層、バリア層、および誘電体への応力移動を防止すると理解することができる。動作408および418が実施される実施形態において、両方の効果が有利に観察され得る。
【0060】
アモルファス膜の存在はラインベンディングを軽減するが、バルク金属膜よりも抵抗率の高い膜である。ラインベンディングの軽減および抵抗率は、膜の各々の厚さ、ならびにアモルファス膜中の不純物の量を制御することによって適切に調節することができる。図4Bの方法では、アモルファス層は、ジップアップメカニズムが発生するのを防止するために、ジップアップメカニズムが発生するであろう場所またはその点に堆積され得る。これは、実験的に、モデリングによってまたは理論的に決定することができる。図4Aの方法では、抵抗率の増加を軽減するために、中央のアモルファス膜の厚さを制御することができる。
【0061】
アモルファス膜を含む充填プロセスを使用することによるラインベンディングの低減が、隣接するトレンチを充填してラインを形成するために使用された2つのプロセスから観察された。プロセスAは、参照(アモルファス膜なし)プロセスである。
プロセスA:核形成+W-CVD(WF6/H2 CVD)
プロセスB:核形成+WF6およびNH3から堆積されたアモルファス膜。
温度は約300℃、チャンバ圧力は約10Torrであった。
【表1】
【0062】
上述の実施形態では、金属および1つまたは複数の不純物(例えば、窒素、ホウ素など)を含む層は、アモルファスであると説明されている。他の実施形態では、不純物を有するが必ずしもアモルファスではない層が、アモルファス層について上述の方式で使用されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、フィーチャ全体が、不純物を含む層で充填され得る。例えば、窒化タングステン(WN)膜をトレンチ内の主導体として使用することができる。そのような層の他の例には、窒化チタン(TiN)および窒化タンタル(TaN)を含む他の金属窒化物が挙げられる。
【0064】
特定の実施形態では、方法は、バルク層の堆積の前に、金属含有前駆体および阻害化学物質を使用してフィーチャを共形処理することを伴う。図4Cは、隣接するトレンチを充填するためのプロセスフローの一例を提供する。プロセスは、隣接するトレンチに最初の量の金属を堆積することから始まる(452)。これは、いくつかの実施形態では共形核形成層であり得るか、または核形成層およびいくらかの量のバルク層を含み得る。したがって、この段階の後、フィーチャは、フィーチャの側壁および底部を裏打ちする概して共形の金属層を有する。一例では、15nmのフィーチャは2nmの核形成層で裏打ちされる。次に、堆積された層は、金属含有前駆体および阻害化学物質で共形的に処理される(454)。一例では、フィーチャは、タングステン含有前駆体およびアンモニア(NH3)に曝露される。ブロック454での処理は、タングステン含有前駆体および阻害化学物質の膜および/または吸着種の堆積を伴い得る。特定の実施形態では、処理は、共形であるが不連続であるように実施される。例えば、不連続膜が、フィーチャの深さ全体にわたって堆積され得る。別の例では、タングステン含有種および窒素含有種が、フィーチャの深さ全体にわたって不均一に吸着される。これは、フィーチャの深さ全体にわたって不均一な不動態化を提供する効果があり、それにより後続のバルク層プロセスにおいて、膜は共形的であるが粗さが増して堆積され得る。
【0065】
次に、バルク金属層が処理された金属上に堆積される(456)。いくつかの実施形態では、バルク金属層を堆積させ、トレンチを充填することができる。他の実施形態では、動作454および456が1回または複数回繰り返され、トレンチを充填してもよい(458)。共形バルク堆積が実施されるときにジッピングメカニズムが発生する場合、動作454および456を有利に繰り返すことができる。バルク層は、例えば、元素金属の少なくとも97%または99%の原子純度を有する高純度層であり得る。
【0066】
図4Cの例では、1つまたは複数のアニーリング動作を実施し、アモルファス層の抵抗率を低減することができる。様々な実施形態によれば、熱アニーリングは、フィーチャが充填された後(例えば、実施される場合に動作458の後)、任意選択で処理後(例えば、動作454と456との間)、または任意選択でバルク層の一部またはすべての堆積後(例えば、動作456中または後)にのみ実施することができる。
【0067】
図4Cに関して説明されたプロセスは、様々な実施形態に従って修正されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、動作452は実施されず、動作454および456(および任意選択で458)のみが実施される。これは、フィーチャが上述のように処理することができるライナ層(例えば、WCN)を備えている場合、いくつかの実施形態において適切であり得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、処理動作は、フィーチャ全体にわたって不均一に吸着され、かつ/または下にある金属と不均一に反応し、フィーチャの深さ全体にわたって不連続に不動態化された表面を形成する阻害化学物質のみを伴い得る。
【0069】
図5Cは、V字形のフィーチャ553を有する基板の一例を示し、フィーチャ553の側壁に沿って堆積されたタングステン580の表面上の種570は、タングステン-タングステン結合を防止し、それによってラインベンディングを低減する。種は、フィーチャ全体にわたって不連続に吸着される。
【0070】
開示されている実施形態は、ラインベンディングを低減するのに適している。ラインベンディング分析は、タングステンまたは他の金属で充填されたトレンチのライン幅および粗さを測定することによって実施することができる。ラインベンディング分析は、平面顕微鏡を使用してデバイス開口部の頂部にある金属を撮像し、複数のライン上の複数の点で金属幅を測定することを伴う。各ラインについて、ライン幅は、100個の点にわたって測定される。次に各ラインから、平均ライン幅およびライン幅の変動を計算し、これは粗さとしても定義することができる。「ライン幅平均」は、分析中に測定されたすべての個々のラインの平均ライン幅の平均である。
【0071】
ラインベンディングの場合、2つの主要なメトリックが次のように定義される:(i)ライン間(LTL)変動は、平均ライン幅の標準偏差であり、それによって画像上の様々なラインにわたるライン幅の変化の変動をキャプチャする、(ii)ライン幅粗さ(LWR)は、すべての測定されたラインからのライン粗さ(各ライン内のライン幅の変動)の平均であり、それによって単一のライン内の平均ライン幅変動をキャプチャする。これらの2つのメトリック、LTLおよびLWRは、σ=(σ1 2+σ2 21/2によって決定されるような、単一の変動メトリックσtotalに結合される。さらに、LTLおよびσtotalは、ライン幅平均に関して正規化され、LTL%およびσtotal%として記述される。
【0072】
様々な実施形態において、方法は、全分散が約5nm未満、または約1.5nm未満、またはパーセンテージで約7.2%未満である基板をもたらし、全分散パーセンテージは、平均ライン幅によって全分散を正規化することによって計算される。
【0073】
本明細書に記載の充填プロセスのいずれにおいても、充填の改善を促進するために、阻害処理をフィーチャの頂部に優先的に適用することができる。そのような阻害処理は、阻害化学物質を使用する熱処理またはプラズマ処理を伴い得る。例えば、N2プラズマまたはNH3熱処理を使用して、充填プロセス中の任意の時点でフィーチャの頂部での核形成を阻害することができる。
【0074】
阻害化学物質は、表面と相互作用して金属のその後の核形成を阻害する原子、化合物、または他の種を指す。窒素は、例えば、タングステン核形成を阻害することができ、熱的に(例えば、アンモニア中で)またはプラズマ中で(例えば、N2プラズマ中で)送給することができる。
【0075】
アモルファス層の堆積
図4Aおよび図4Bに関して上述のようなアモルファス層の堆積は、CVDまたはALD技法を使用して実施することができる。図6および図7は、タングステン含有前駆体WF6および還元剤NH3からアモルファスWベースの層を堆積する例示的なサイクルを図示すタイミングシーケンス図を提供する。図6では、反応物は、連続した投与の間にパージを伴う投与で並流される。図7では、反応物は、各反応物間でパージと交互になっている。
【0076】
アモルファス層の堆積中の反応条件は、不純物が膜に取り込まれるようなものである。これは、高純度の金属膜が堆積され得る核形成層およびバルク層の堆積とは異なる。図6および図7などのいくつかの実施形態では、不純物は、還元剤によって供給される。これらの例では、窒素は、NH3から取り込まれる。同様に、ホウ素は、ジボラン還元剤から取り込まれ得る。
【0077】
他の例では、不純物は、金属含有前駆体中に存在するか、または金属含有前駆体および還元剤とは別に供給され得る。例えば、N2は、WF6/H2反応において窒素を供給してアモルファス膜を形成するために使用され得る。
【0078】
そのような還元剤の例には、ホウ素含有還元剤、ケイ素含有還元剤、およびゲルマニウム含有還元剤が挙げられる。ホウ素含有還元剤の例には、Bnn+4、Bnn+6、Bnn+8、Bnmなどのボランが挙げられ、nは、1~10の整数であり、mは、mとは異なる整数である。特定の例では、ジボランを用いることができる。他のホウ素含有化合物、例えば、アルキルボラン、アルキルホウ素、アミノボラン(CH32NB(CH22、およびC2nn+2などのカルボランも使用することができる。ケイ素含有化合物の例には、SiH4およびSi26などのシランが挙げられる。ゲルマニウム含有化合物の例には、Genn+4、Genn+6、Genn+8、およびGenmなどのゲルマンが挙げられ、nは、1~10の整数であり、nは、mとは異なる整数である。他のゲルマニウム含有化合物、例えば、アルキルゲルマン、アルキルゲルマニウム、アミノゲルマン、およびカルボゲルマンも使用することができる。窒素含有還元剤の例は、NH3およびN24。炭素含有反応物の例には、CH4およびC22が挙げられる。
【0079】
反応物によっては、不純物の取り込みを可能にするために温度が比較的高くなる場合がある。取り込みをもたらすために、還元剤または他の不純物担体の量が多くなってもよい。
【0080】
アモルファス膜堆積プロセスは、基板を金属含有反応物よりも多くの不純物含有反応物に曝露し、膜への不純物の取り込みを可能にすることを伴い得る。いくつかの実施形態では、ALDプロセスは、不純物含有反応物パルスの数と金属含有反応物パルスの比率が少なくとも2:1であることを伴う。この比率は、様々な実施形態によれば、少なくとも3:1、4:1またはそれ以上であり得る。本明細書に記載のプロセスでは、パルスは、ガスの単一の注入またはいくつかの短い連続した注入であり得る。いくつかの実施形態では、プロセスは、不純物含有反応物注入の数と金属含有反応物注入の数の比率が少なくとも2:1、3:1またはそれ以上であることを伴う。
【0081】
いくつかの実施形態では、反応物の相対流量はまた、金属および不純物の濃度を調節するために変化され得る。例示的な流量は、300mmウエハの場合に約60sccm~約300sccmの範囲であり得、流量は面積に対して直線的にスケーリングする。投与時間も変化させることができ、不純物含有反応物の短いパルスの数が多いほど、より少ない、より長いパルスよりも効率的な取り込みが提供される。さらに、いくつかの実施形態では、比較的長いパージ時間が少なくとも不純物含有反応物のパルスに続く。
【0082】
いくつかの実施形態では、不純物の量は、抵抗率を改善するために制限され得る。例えば、これは、不純物含有反応物パルスの数と金属含有反応物パルスの数の比率が2:1未満、または1:1未満でさえあることを伴い得る。流量比は、曝露時間と同様に調節することができる。総曝露時間は、金属含有ガスの曝露時間が不純物含有反応物ガスよりも長くなるようなものであり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、不純物の量は、アモルファス膜の堆積を通して変化し得る。例えば、NH3の量は、ジップアップメカニズムが観察された時点で増加し、その後減少する可能性がある。このようにして、不純物の量を変化させることができる。流量および/または曝露時間は、変化されてもよい。
【0084】
金属含有前駆体および阻害化学物質を使用した処理
いくつかの実施形態では、方法は、少なくともフィーチャの側壁に沿った部位で金属核形成を阻害する処理を含む。いくつかの実施態様では、阻害は、阻害種と金属含有前駆体またはフィーチャ表面との間の化学反応を伴い、窒化タングステン(WN)または炭化タングステン(WC)などの化合物材料の小さな島を形成することができる。いくつかの実施態様では、阻害は、化合物材料の層を形成することなく表面を不動態化する吸着などの表面効果を伴う可能性がある。金属含有前駆体は、その後の堆積動作でシード金属核形成を提供し得る部位に吸着する。
【0085】
阻害化学物質は、N2またはNH3などの窒素含有化合物であり得る。タングステンおよび他の金属表面の阻害に使用することができる他の化学物質は、酸素ベースおよび炭化水素ベースの化学物質を含む。例えば、分子状酸素またはメタンをプラズマ発生器に導入することができる。アルゴン、キセノン、またはクリプトンなどの不活性成分を、キャリアガスとして使用することができる。いくつかの実施態様では、微量を除いて、プラズマが生成されるガスに他の非不活性成分が存在しない。いくつかの実施態様では、阻害化学物質は、窒素含有、水素含有、酸素含有、および/または炭素含有であり得、プラズマ中に存在する1つまたは複数の追加の反応種を伴う。
【0086】
図4Cの動作454は、熱またはプラズマ支援プロセスであり得る。熱的である場合、金属含有前駆体は、阻害化学物質で流され得るか、または連続してフィーチャに導入され得る。プラズマ支援の場合、プラズマは、阻害化学物質がチャンバ内にある間に点火される場合がある。金属含有前駆体(例えば、H2)に対する共反応物は、流れる場合もあれば、流れない場合もある。
【0087】
図8図10は、タングステン含有前駆体WF6および還元剤NH3を使用して表面を処理する例示的なサイクルを図示するタイミングシーケンス図を提供する。これらの図では、WF6は金属含有前駆体として示され、NH3またはN2は阻害化学物質として示され、H2は共反応物として示されている。しかし、例は、使用され得る他の金属含有前駆体(例えば、WClx、MoCl4など)、他の阻害化学物質、および他の共反応物に適用可能であることが理解される。
【0088】
図8では、金属含有前駆体および阻害化学物質が、連続した投与の間にパージを伴う投与で並流される。あるいは、処理が完了するまで、化合物をパージせずに1回の投与で並流させることができる。図9では、金属含有前駆体および阻害化学物質は、各反応物間のパージと交互になっている。図8図10では、キャリアガスが示されている。これは、例えばアルゴン(Ar)または任意の他の不活性ガスであり得る。いくつかの実施形態では、キャリアガスは使用されない場合があり、かつ/または特定の流れに対してのみ使用され得る。処理サイクルは、阻害化学物質または金属含有前駆体のいずれかで始まることができる。金属含有前駆体または阻害化学物質は、還元剤などの化合物で導入することができる。図8および図9の例では、追加の還元剤は使用されていないが、アンモニア中の水素がその1つとして作用する場合がある。図8および図9の例は、熱プロセスである。図10は、プラズマ支援プロセスの一例を示す。ここで、金属含有前駆体は、N2ガスから生成されたプラズマと交互に投与される。遠隔またはin-situプラズマ発生器のいずれかが、使用されてもよい。他の実施形態では、金属含有前駆体および阻害化学物質は、プラズマなしで共にまたは連続して導入され得、その後、不活性ガス(例えば、Ar)から生成されたプラズマが適用される。
【0089】
上に示したように、処理は不連続であるが共形である。これを達成するために調整することができるプロセスパラメータは、曝露時間、サイクル数、反応物濃度、およびチャンバ圧力を含む。温度は、共形性および不連続性を達成するためにも使用することができる。より低い温度は、化合物が(頂部で反応するのではなく)フィーチャの底部に拡散することを可能にし、また、膜および/または吸着種が不連続に堆積および/または吸着される間、処理を停止することを可能にし得る。
【0090】
プラズマベースのプロセスの場合、阻害プロファイルの調節は、阻害化学物質、基板バイアス電力、プラズマ電力、プロセス圧力、曝露時間、および他のプロセスパラメータを適切に制御することを伴い得る。in-situプラズマプロセス(またはイオン種が存在する他のプロセス)の場合、バイアスを基板に適用することができる。基板バイアスは、いくつかの実施態様では、阻害プロファイルに大きな影響を及ぼす可能性があり、バイアス電力が増加すると、垂直方向のフィーチャ内で活性種がより深くなる。阻害化学物質は、使用される活性阻害種の異なる比率で、阻害プロファイルを調節するために使用することも可能である。例えば、Wおよび他の金属表面を阻害する場合、窒素は水素よりも強い阻害効果を有することができ、形成ガスベースのプラズマ中のN2ガスとH2ガスの比率を調整することで、プロファイルを調節することができる。プラズマ電力はまた、プラズマ電力によって調節された活性種の異なる比率で、阻害プロファイルを調節するために使用することも可能である。
【0091】
プロセス圧力を使用してプロファイルを調節することができるが、これは圧力によりより多くの再結合(活性種の不活性化)が発生するだけでなく、活性種がフィーチャにさらに押し込まれ得るためである。プロセス時間は阻害プロファイルを調節するために使用することもでき、処理時間を長くすると、フィーチャ中のより深くに阻害を引き起こす。
【0092】
いくつかの実施態様では、阻害率は、フィーチャ内の異なる場所における様々な成分の濃度に依存する。共形処理の場合、フィーチャ開口部での種の消費を回避するために、大量の阻害種を供給することができる(例えば、サイクル数、投与時間、流量、および濃度を増加させることによって)。フィーチャ内の全体的な阻害濃度の変動に加えて、阻害は、フィーチャ全体にわたる異なる阻害種の相対濃度によって影響を受ける可能性がある。これらの相対濃度は、次に、阻害種の解離および再結合プロセスの相対的なダイナミクスに依存し得る。分子状窒素などの初期阻害材料は、遠隔プラズマ発生器を通過させ、かつ/またはin-situプラズマに供して活性化種(例えば、原子状窒素、窒素イオン)を生成することができる。しかし、活性化種は、より活性の低い再結合種(例えば、窒素分子)に再結合し、かつ/またはそれらの拡散経路に沿ってW、WN、TiN、または他のフィーチャ表面と反応し得る。したがって、フィーチャの異なる部分は、異なる濃度の異なる阻害材料、例えば、初期阻害ガス、活性化阻害種、および再結合阻害種に曝露され得る。活性化種は、一般に、初期阻害ガスおよび再結合阻害種よりも反応性が高い。さらに、場合によっては、活性化種は、再結合種よりも温度変化に対する感受性が低い可能性がある。プロセス条件は、阻害が主に非活性化種に起因するように制御することができる(例えば、非プラズマ熱プロセスの場合など)。
【0093】
タイミングシーケンス図は、説明した堆積の場合と同様である。しかし、上述のように、最大でも不連続層のみが堆積される。それに応じて処理を制限するために、温度、投与時間、および総曝露時間の1つまたは複数を制御することができる。
【0094】
核形成層の堆積
核形成層は、金属含有前駆体と、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、トリシラン(Si38)、ゲルマン(GeH4)、またはジボラン(B26)などの還元剤を交互に繰り返すことによって、特定の開示されている実施形態に従って堆積される。いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をタングステン含有前駆体とシランの交互パルスに曝露することによって堆積される。いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をタングステン含有前駆体とジボランの交互パルスに曝露することによって堆積される。いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をタングステン含有前駆体とシランの交互パルスに曝露し、次に基板をタングステン含有前駆体とジボランの交互パルスに曝露することによって堆積される。いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をタングステン含有前駆体とジボランの交互パルスに曝露し、次に基板をタングステン含有前駆体とシランの交互パルスに曝露することによって堆積される。いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をタングステン含有前駆体とシランの交互パルスに曝露し、次に基板をタングステン含有前駆体とジボランの交互パルスに曝露し、次に基板をタングステン含有前駆体とシランの交互パルスに曝露することによって堆積される。いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をタングステン含有前駆体とジボランの交互パルスに曝露し、次に基板をタングステン含有前駆体とシランの交互パルスに曝露し、次に基板をタングステン含有前駆体とジボランの交互パルスに曝露することによって堆積される。開示されている実施形態のいずれかにおいて、基板を収容するチャンバは、核形成層を堆積するための1つまたは複数の投与動作の間にパージされ得る。パージは、アルゴンなどの不活性ガスをチャンバに流すことによって実施することができる。任意の適切な不活性ガスが、パージに使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基板はタングステン含有前駆体のパルスに曝露され得、次にチャンバをパージすることができ、続いて基板がシランのパルスに曝露され得、チャンバを再びパージすることができ、そしてそのような動作をサイクルで繰り返すことができる。
【0095】
上述の実施態様のいずれかで使用することができる核形成層堆積は、核形成堆積プロセス全体の間、またはシラン投与中、またはジボラン投与中、またはWF6投与などのタングステン含有前駆体投与中、または任意のパージ時間中に水素(H2)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、またはそれらの組み合わせのいずれか1つを並流させることを含み得る。いくつかの実施形態では、表面処理動作は、基板をシラン、ジシラン、トリシラン、ゲルマン、ジボラン、水素、六フッ化タングステン、窒素、アルゴン、およびそれらの組み合わせのいずれかに曝露することによって、核形成成長中または後に実施され得る。例えば、核形成層の堆積中、基板はシランとWF6の交互パルスに曝露され得、次に基板はシラン浸漬に曝露され得、続いて基板はシランとWF6の交互パルスに曝露され始め得る。このような動作は、サイクルで実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、以下のサイクルが1回または複数回繰り返され、核形成層を堆積してもよい:SiH4とWF6の交互パルスおよび表面処理への曝露。
【0096】
いくつかの実施形態では、核形成層は、基板を、タングステン含有前駆体と、任意のシーケンスおよび順序で以下のガス:ジボラン、シラン、ジシラン、トリシラン、水素、窒素、およびゲルマン(GeH4)のいずれか1つまたは複数の任意の組み合わせに1つまたは複数のサイクルで曝露することによって堆積させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をジボランに曝露し、基板を六フッ化タングステンに曝露し、基板をシランに曝露し、そして基板を水素に曝露することによって堆積させることができる。このような動作は、1つまたは複数のサイクルで繰り返すことができる。別の例では、いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をシランに曝露し、基板を六フッ化タングステンに曝露し、そして基板を水素に曝露することによって堆積させることができる。このような動作は、1つまたは複数のサイクルで繰り返すことができる。別の例では、いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をジボランに曝露し、基板を水素に曝露し、そして基板を六フッ化タングステンに曝露することによって堆積させることができる。このような動作は、1つまたは複数のサイクルで繰り返すことができる。別の例では、いくつかの実施形態では、核形成層は、基板を窒素に曝露し、基板をジボランに曝露し、そして基板を六フッ化タングステンに曝露することによって堆積させることができる。このような動作は、1つまたは複数のサイクルで繰り返すことができる。別の例では、いくつかの実施形態では、核形成層は、基板をシランに曝露し、基板を窒素に曝露し、そして基板を六フッ化タングステンに曝露することによって堆積させることができる。このような動作は、1つまたは複数のサイクルで繰り返すことができる。説明された実施形態のいずれかにおいて、基板は、任意の利用可能なガスを使用する核形成サイクルの堆積の前、間、または後に、表面処理および/または浸漬動作に曝露され得る。いくつかの実施形態では、核形成堆積プロセスの1つまたは複数の曝露中、追加のガスを上述のガスのいずれかと並流させることができる。開示されている実施形態のいずれかにおいて、基板を収容するチャンバは、核形成層を堆積するための1つまたは複数の投与動作の間にパージされ得る。パージは、アルゴンなどの不活性ガスをチャンバに流すことによって実施することができる。任意の適切な不活性ガスが、パージに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、基板は、タングステン核形成層の堆積中に窒素に定期的に曝露され得ることが理解される。
【0097】
上述の曝露のいずれかの間、ガスは連続的にパルス化または流され得る。例えば、いくつかの実施形態では、連続したCVD動作のWF6投与中、WF6は、単一の投与中に1回または複数回パルス化され得る。同様に、いくつかの実施形態では、パージ中、不活性ガスは、単一のパージ動作中に1回または複数回パルス化され得る。そのようなパルス動作は、核形成堆積の任意の動作またはバルク堆積の任意の動作またはそれらの任意の組み合わせの間に実施することができる。いくつかの実施形態では、圧力、流量、および温度などの1つまたは複数のパラメータに対する1つまたは複数の変更を使用することができる。いくつかの実施形態では、台座は、核形成堆積もしくはバルク堆積、またはその両方の任意の動作中に移動され得、それにより台座の上の基板とシャワーヘッドとの間のギャップが調節され得る。台座の移動は、圧力、温度、または流量などの1つまたは複数のパラメータを変更することと組み合わせて使用することができる。基板とシャワーヘッドとの間のギャップを調節することは、特定の開示されている実施形態に従って使用され得る圧力、温度、または流量に影響を及ぼし得る。本明細書に記載のプロセスのいずれも、ALDを伴う技法に適用可能であり得ることが理解される。
【0098】
バルク層の堆積
本明細書に記載のバルク堆積は、2つの反応物の同時曝露を実施し、両方の反応物が堆積中に同時に流れるようにすることができる。例えば、バルクタングステンは、基板を水素(H2)および六フッ化タングステン(WF6)に同時に、フィーチャを充填するのに十分な期間曝露することによって堆積させることができる。水素とWF6は曝露中に反応し、タングステンをフィーチャに堆積する。パルスCVDプロセスでは、一方の反応物が連続的に流れ、もう一方の反応物がパルス化されるが、基板が堆積中に両方の反応物に曝露され、各パルス中に材料が堆積する。例えば、WF6がパルス化されている間、基板はH2の連続的な流れに曝露され得、WF6とH2はパルス中に反応してタングステンを堆積する。
【0099】
いくつかの実施形態では、バルク堆積は、反応物が堆積中に同時にチャンバに流れ込まないように、各反応物への別々の曝露を伴い得る。むしろ、各反応物の流れは、順番に時間的に分離されたパルスで基板を収容するチャンバに導入され、サイクルで1回または複数回繰り返される。
【0100】
金属含有前駆体
上記の説明は主にタングステン層について説明しているが、方法は、モリブデン、コバルト、およびルテニウムを含む他の金属を使用してフィーチャを充填するために実施することができる。
【0101】
モリブデン材料のALDについてのMo前駆体の例には、MoF6およびMoCl6などのハロゲン化モリブデン、二塩化二酸化モリブデン(MoO2Cl2)および四塩化酸化モリブデン(MoOCl4)などのオキシハロゲン化モリブデン、ならびにヘキサカルボニルモリブデン(Mo(CO)6)が挙げられる。式MoxOyHalyの他のMoオキシハロゲン化物、Halは、ハロゲン(フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I))であり、x、y、およびzは、安定した分子を形成することができるゼロよりも大きい任意の数である。これらは、四フッ化酸化モリブデン(MoOF4)、二臭化二酸化モリブデン(MoO2Br2)、ならびに酸ヨウ化モリブデンMoO2IおよびMo411Iを含む。
【0102】
特定の実施形態では、有機金属前駆体はまた、シクロペンタジエニル配位子を有するMo前駆体を含む例と共に使用され得る。さらなる例は、式Mo2Lnの前駆体を含み、各Lは、アミデート配位子、アミジネート配位子、およびグアニジネート配位子から独立して選択され、nは、2~5である。Mo2Ln前駆体は、多重モリブデン-モリブデン結合(二重結合または結合次数が2~5の任意の多重結合など)を含む。さらなる例は、ハロゲン化物含有ヘテロレプティックモリブデン化合物(すなわち、異なるタイプの配位子を有する化合物)を含む。そのような前駆体の特定の例は、モリブデン、モリブデンと結合を形成する少なくとも1つのハロゲン化物、ならびにN、O、およびS元素のいずれかを有する少なくとも1つの有機配位子を含む化合物であり、これらの元素のいずれかの原子は、モリブデンと結合を形成する。窒素または酸素結合を提供する適切な有機配位子の例には、アミジネート、アミデート、イミノピロリジネート、ジアザジエン、ベータイミノアミド、アルファイミノアルコキシド、ベータアミノアルコキシド、ベータジケチミネート、ベータケトイミネート、ベータジケトネート、アミン、およびピラゾレートが挙げられる。硫黄結合を提供する適切な有機配位子の例には、チオエーテル、チオレート、ジチオレン、ジチオレート、およびα-イミノチオレンが挙げられる。これらの配位子は、置換または非置換であり得る。いくつかの実施形態では、これらの配位子は、H、アルキル、フルオロアルキル、アルキルシリル、アルキルアミノ、およびアルコキシ置換基からなる群から独立して選択される1つまたは複数の置換基を含む。有機配位子は、中性またはアニオン性(例えば、モノアニオン性またはジアニオン性)であり得、モリブデンは、+1、+2、+3、+4、+5、および+6などの様々な酸化状態にあり得る。
【0103】
ルテニウム(Ru)を堆積するために、Ru前駆体を使用することができる。酸化反応に使用することができるルテニウム前駆体の例には、(エチルベンジル)(1-エチル-1,4-シクロヘキサジエニル)Ru(0)、(1-イソプロピル-4-メチルベンジル)(1,3-シクロヘキサジエニル)Ru(0)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエニル)Ru(0)トリカルボニル、(1,3-シクロヘキサジエニル)Ru(0)トリカルボニル、および(シクロペンタジエニル)(エチル)Ru(II)ジカルボニルが挙げられる。非酸化反応物と反応するルテニウム前駆体の例は、ビス(5-メチル-2,4-ヘキサンジケトナト)Ru(II)ジカルボニル、およびビス(エチルシクロペンタジエニル)Ru(II)である。
【0104】
コバルト(Co)を堆積するために、ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I)、コバルトカルボニル、様々なコバルトアミジネート前駆体、コバルトジアザジエニル錯体、コバルトアミジネート/グアニジネート前駆体、およびそれらの組み合わせを含むコバルト含有前駆体を使用することができる。
【0105】
WF6がタングステン含有前駆体の一例として使用されているが、他のタングステン含有前駆体が開示されている実施形態を実施するのに適している場合があることを理解されたい。例えば、有機金属タングステン含有前駆体を使用することができる。MDNOW(メチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)およびEDNOW(エチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)などの有機金属前駆体およびフッ素を含まない前駆体もまた、使用することができる。五塩化タングステン(WCl5)および六塩化タングステン(WCl6)などの塩素含有タングステン前駆体(WClx)が、使用されてもよい。
【0106】
金属含有前駆体は、上述のように還元剤と反応させることができる。いくつかの実施形態では、H2は、高純度膜を堆積するバルク層堆積のための還元剤として使用される。
【0107】
いくつかの実施形態では、バルク層は、フィーチャのCVD充填を使用して堆積され、低温で実施される。様々な実施形態によれば、低温(基板温度)は、以下の範囲の1つである:約250~350℃、約250℃~340℃、約250℃~330℃、約250℃~325℃、約250℃~320℃、約250℃~315℃、約250℃~310℃、約250℃~305℃、または約250℃~300℃。また、様々な実施形態によれば、基板温度は、約260~310℃、約270℃~310℃、約280℃~310℃、または約290℃~310℃である。特定の実施形態では、プロセスおよび/または基板温度は、約300℃である。低温CVDを使用して、狭い高アスペクト比のフィーチャで高品質の充填を得ることができる。
【0108】
装置
任意の適切なチャンバを使用して、開示されている実施形態を実施することができる。例示的な堆積装置は、様々なシステム、例えば、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なALTUS(登録商標)およびALTUS(登録商標)Max、または様々な他の市販の処理システムのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、連続した化学気相堆積(CVD)が、単一の堆積チャンバ内に位置決めされた2つ、5つ、またはさらに多くの堆積ステーションの1つである第1のステーションで実施され得る。したがって、例えば、ジボラン(B26)および六フッ化タングステン(WF6)は、核形成層を堆積するために基板表面に局所的な雰囲気を作り出す個々のガス供給システムを使用して、第1のステーションにおいて半導体基板の表面に交互に導入することができる。アモルファス層の堆積のために、別のステーションが使用されてもよい。別のステーションを使用して、低圧でバルク金属層を堆積することもできる。いくつかの実施形態では、温度は、個々に制御される。例えば、不純物の取り込みを増加させるために、アモルファス層ステーションでは温度を高くすることができる。
【0109】
阻害処理が実施される実施態様において、1つのステーションが核形成層の処理のために使用され得る。別のステーションを使用して、バルク金属層を堆積することもできる。いくつかの実施形態では、温度は、個々に制御される。例えば、不連続で共形的な処理を適用可能にするために、処理ステーションでは温度を低くすることができる。
【0110】
2つ以上のステーションを使用して、並列処理でタングステンを堆積することができる。あるいは、ウエハにインデックス付けし、連続して2つ以上のステーションで堆積動作を実施することも可能である。
【0111】
図11は、実施形態によるタングステン薄膜堆積プロセスを実施するのに適した処理システムのブロック図である。システム1000は、移送モジュール1003を含む。移送モジュール1103は、処理中の基板が様々なリアクタモジュール間を移動するときの基板の汚染リスクを最小化するために、清潔な加圧環境を提供する。移送モジュール1103には、実施形態に従ってALDおよびCVDを実施することが可能なマルチステーションリアクタ1109が取り付けられている。リアクタ1109は、開示されている実施形態による動作を連続して実施することができる複数のステーション1111、1113、1115、および1117を含むことができる。例えば、リアクタ1109は、ステーション1111がALDによる核形成層堆積を実施し、ステーション1113がアモルファス層堆積を実施し、ステーション1115および1117がCVDまたはALDによるバルク層堆積を実施するように構成することができる。
【0112】
別の例では、リアクタ1109は、ステーション1111がALDによる核形成層堆積を実施し、ステーション1113が核形成層の処理を実施し、ステーション1115および1117がALDまたはCVDのバルク金属層堆積を実施するように構成することができる。
【0113】
ステーションは、加熱された台座または基板支持体、1つまたは複数のガス入口またはシャワーヘッドまたは分散プレートを含むことができる。基板支持体1202およびシャワーヘッド1203を含む、堆積ステーション1200の一例が図12に図示されている。台座部分1201には、ヒータを設けることができる。
【0114】
また、移送モジュール1103には、プラズマによる前洗浄または化学的(非プラズマ)前洗浄を実施することが可能な、1つまたは複数のシングルまたはマルチステーションモジュール1107が取り付けられてもよい。モジュールはまた、例えば、堆積プロセスのための基板を準備する様々な処理に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール1107は、例えばプラズマ阻害処理のために使用され得る。
【0115】
システム1100はまた、処理前および処理後のウエハを格納する1つまたは複数のウエハソースモジュール1201を含んでいる。大気移送チャンバ1119内の大気ロボット(図示せず)は、最初にウエハをソースモジュール1101から取り出してロードロック1121へ移送することができる。移送モジュール1103内のウエハ移送デバイス(一般的には、ロボットアームユニット)は、ウエハをロードロック1121から移送モジュール1103に取り付けられたモジュールに移動させたり、モジュール間で移動させたりする。
【0116】
様々な実施形態において、システムコントローラ1129を用いて、堆積中のプロセス条件を制御する。コントローラ1129は、典型的には、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含む。プロセッサは、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含むことができる。
【0117】
コントローラ1129は、堆積装置の活動のすべてを制御することができる。システムコントローラ1129は、タイミング、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウエハ温度、無線周波数(RF)電力レベル、ウエハチャック位置または台座位置、および特定のプロセスの他のパラメータを制御するための一連の命令を含むシステム制御ソフトウェアを実行する。いくつかの実施形態では、コントローラ1129に関連するメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムを用いることができる。
【0118】
典型的には、コントローラ1129に関連するユーザインターフェースが存在する。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0119】
システム制御論理は、任意の適切な方法で構成することができる。一般に、論理はハードウェアおよび/またはソフトウェアで設計または構成することができる。駆動回路を制御するための命令は、ハードコードされるか、またはソフトウェアとして提供され得る。命令は、「プログラミング」によって提供されてもよい。そのようなプログラミングは、デジタル信号プロセッサのハードコードされた論理、特定用途向け集積回路、およびハードウェアとして実装された特定のアルゴリズムを有する他のデバイスを含む、あらゆる形式の論理を含むと理解される。プログラミングはまた、汎用プロセッサで実行され得るソフトウェアまたはファームウェア命令も含むと理解される。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0120】
プロセスシーケンスにおけるゲルマニウム含有還元剤パルス、水素フロー、およびタングステン含有前駆体パルス、ならびに他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムコードは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートランなど)で書かれ得る。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムに識別されたタスクを実施するためにプロセッサによって実行される。また、示されているように、プログラムコードはハードコードされてもよい。
【0121】
コントローラパラメータは、例えば、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、冷却ガス圧力、基板温度、ならびにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関連している。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供され、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0122】
プロセスを監視するための信号は、システムコントローラ1129のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、堆積装置1100のアナログおよびデジタル出力接続で出力される。
【0123】
システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成することができる。例えば、様々なチャンバ構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、開示されている実施形態による堆積プロセスを実行するために必要なチャンバ構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例には、基板位置決めコード、プロセスガス制御コード、圧力制御コード、およびヒータ制御コードが挙げられる。
【0124】
いくつかの実施態様では、コントローラ1129はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラ1229は、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、一部のシステムにおける無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0125】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0126】
コントローラ1129は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラ1129は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されているツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0127】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、CVDチャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0128】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0129】
コントローラ1129は、様々なプログラムを含んでもよい。基板位置決めプログラムは、基板を台座またはチャック上にロードし、基板とガス入口および/またはターゲットなどのチャンバの他の部分との間隔を制御するために使用されるチャンバ構成要素を制御するためのプログラムコードを含むことができる。プロセスガス制御プログラムは、チャンバの圧力を安定化するために、ガス組成、流量、パルス時間を制御するためのコード、および任意で堆積前にガスをチャンバに流すためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、例えば、チャンバの排気システムのスロットル弁を調節することによってチャンバの圧力を制御するためのコードを含み得る。ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、ウエハチャックへの熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。
【0130】
堆積中に監視することができるチャンバセンサの例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、および台座またはチャック内に位置する熱電対を含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、所望のプロセス条件を維持することができる。
【0131】
以上、シングルまたはマルチチャンバの半導体処理ツールにおける開示されている実施形態の実施について説明した。本明細書で説明される装置およびプロセスは、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽光パネルなどの製作または製造のために、リソグラフィパターニングツールまたはプロセスと併せて使用されてもよい。典型的には、必須ではないが、そのようなツール/プロセスは、共通の製作施設で共に使用または実施される。膜のリソグラフィパターニングは、典型的には、以下のステップのいくつかまたはすべてを含み、各ステップが使用可能な多くのツールを用いて可能にされる:(1)スピンオンツールまたはスプレーオンツールを使用して、ワークピース(すなわち、基板)にフォトレジストを塗布するステップ、(2)ホットプレートまたは炉またはUV硬化ツールを使用してフォトレジストを硬化するステップ、(3)ウエハステッパなどのツールを用いて可視光またはUV光またはX線光でフォトレジストを露光するステップ、(4)ウェットベンチなどのツールを使用して、レジストを現像してレジストを選択的に除去し、それによってレジストをパターニングするステップ、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを使用することによって、下層の膜またはワークピースにレジストパターンを転写するステップ、および(6)RFまたはマイクロ波プラズマレジストストリッパなどのツールを使用してレジストを除去するステップ。
【0132】
結論
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実施されてもよいことは明らかであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、それらの実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)前記フィーチャにバルク金属層を堆積し、
(c)前記フィーチャに前記バルク金属層を堆積した後、前記フィーチャにアモルファス金属ベースの層を堆積すること
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
各フィーチャの前記底部の前記幅は、前記各フィーチャの前記頂部における前記幅の0nmから90%の間である、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記バルク金属層の金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
(c)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記アモルファス金属ベースの層をアニーリングすることをさらに備える、方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャは、隣接するフィーチャ間で約10nm~60nmのピッチで間隔を空けて配置されている、方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャに金属核形成層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、少なくとも50%の金属を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)の1つまたは複数をさらに含む、方法。
【請求項11】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)表面を金属含有前駆体および阻害化合物に曝露することによって前記表面を共形的に処理し、
(c)前記表面を処理した後、前記フィーチャにバルク金属層を堆積すること
を備える、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
各フィーチャの前記底部の前記幅は、前記フィーチャの前記頂部における前記幅の0nmから90%の間である、方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の方法であって、
前記金属含有前駆体に含有されている金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される、方法。
【請求項14】
請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)および(c)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項15】
請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、前記フィーチャに連続膜を堆積することなく実施される、方法。
【請求項16】
請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、前記金属含有前駆体および阻害化合物の不均一な吸着を含む、方法。
【請求項17】
請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、不連続膜の堆積を含む、方法。
【請求項18】
請求項11から請求項17のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)が核形成層表面を処理することを含むように、前記フィーチャに核形成層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項19】
請求項11から請求項18のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、前記バルク金属層の表面粗さを増加させる、方法。
【請求項20】
請求項11から請求項19のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、非プラズマ熱プロセスである、方法。
【請求項21】
請求項11から請求項19のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)は、プラズマベースのプロセスである、方法。
【請求項22】
請求項11から請求項21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記阻害化合物は、窒素含有化合物を含む、方法。
【請求項23】
請求項11から請求項21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記阻害化合物は、アンモニアである、方法。
【請求項24】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの少なくともいくつかの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)前記フィーチャに共形アモルファス金属ベースの層を堆積し、
(c)前記共形アモルファス金属ベースの層を堆積した後、前記フィーチャにバルク金属層を堆積すること
を備える、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
各フィーチャの前記底部の前記幅は、前記フィーチャの前記頂部における前記幅の0nmから90%の間である、方法。
【請求項26】
請求項24または25に記載の方法であって、
前記金属含有前駆体に含有されている金属は、タングステン、ルテニウム、モリブデン、およびコバルトからなる群から選択される、方法。
【請求項27】
請求項24から請求項26のいずれか一項に記載の方法であって、
(b)および(c)を1回または複数回繰り返して前記フィーチャを充填することをさらに備える、方法。
【請求項28】
請求項24から請求項27のいずれか一項に記載の方法であって、
前記共形アモルファス金属ベースの層をアニーリングすることをさらに備える、方法。
【請求項29】
請求項24から請求項28のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャは、隣接するフィーチャ間で約10nm~60nmのピッチで間隔を空けて配置されている、方法。
【請求項30】
請求項24から請求項29のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィーチャに金属核形成層を堆積することをさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項24から請求項30のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、少なくとも50原子%の金属を含む、方法。
【請求項32】
請求項24から請求項31のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、およびゲルマニウム(Ge)の1つまたは複数をさらに含む、方法。
【請求項33】
方法であって、
間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの少なくともいくつかの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
前記フィーチャに共形金属ベースの層を堆積し、前記金属ベースの層は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびコバルト(Co)から選択される金属を含み、前記金属ベースの層は、ホウ素(B)、窒素(N)、炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびそれらの組み合わせから選択される不純物の少なくとも5%(原子)であること
を備える、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャは、窒化チタンおよび窒化タンタルから選択される膜で充填される、方法。
【請求項35】
方法であって、
(a)間隔を空けて配置されている複数のフィーチャを有する基板を提供し、各フィーチャは、フィーチャ開口部幅を有し、前記フィーチャの前記幅は、前記フィーチャの頂部から前記フィーチャの底部に向かって狭くなり、
(b)前記フィーチャに共形的な不連続膜を堆積、または、各フィーチャ全体にわたって不均一に金属種を吸着させる処理を実施し、
(c)(b)の後、前記フィーチャにバルク層を堆積すること
を備える、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
そのような還元剤の例には、ホウ素含有還元剤、ケイ素含有還元剤、およびゲルマニウム含有還元剤が挙げられる。ホウ素含有還元剤の例には、Bnn+4、Bnn+6、Bnn+8、Bnmなどのボランが挙げられ、nは、1~10の整数であり、は、mとは異なる整数である。特定の例では、ジボランを用いることができる。他のホウ素含有化合物、例えば、アルキルボラン、アルキルホウ素、アミノボラン(CH32NB(CH22、およびC2nn+2などのカルボランも使用することができる。ケイ素含有化合物の例には、SiH4およびSi26などのシランが挙げられる。ゲルマニウム含有化合物の例には、Genn+4、Genn+6、Genn+8、およびGenmなどのゲルマンが挙げられ、nは、1~10の整数であり、nは、mとは異なる整数である。他のゲルマニウム含有化合物、例えば、アルキルゲルマン、アルキルゲルマニウム、アミノゲルマン、およびカルボゲルマンも使用することができる。窒素含有還元剤の例は、NH3およびN24 を含む。炭素含有反応物の例には、CH4およびC22が挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
図11は、実施形態によるタングステン薄膜堆積プロセスを実施するのに適した処理システムのブロック図である。システム1100は、移送モジュール1103を含む。移送モジュール1103は、処理中の基板が様々なリアクタモジュール間を移動するときの基板の汚染リスクを最小化するために、清潔な加圧環境を提供する。移送モジュール1103には、実施形態に従ってALDおよびCVDを実施することが可能なマルチステーションリアクタ1109が取り付けられている。リアクタ1109は、開示されている実施形態による動作を連続して実施することができる複数のステーション1111、1113、1115、および1117を含むことができる。例えば、リアクタ1109は、ステーション1111がALDによる核形成層堆積を実施し、ステーション1113がアモルファス層堆積を実施し、ステーション1115および1117がCVDまたはALDによるバルク層堆積を実施するように構成することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
いくつかの実施態様では、コントローラ1129はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラ1129は、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、一部のシステムにおける無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4C
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4C
【国際調査報告】