(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(54)【発明の名称】均一性が改善される半導体処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20221019BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511247
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 US2020045409
(87)【国際公開番号】W WO2021041002
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, チエン
(72)【発明者】
【氏名】カルセカール, ヴィレン
(72)【発明者】
【氏名】ブリルハート, ポール
(72)【発明者】
【氏名】ロチャ, フアン カルロス
(72)【発明者】
【氏名】プラバカール, ビネイ ケー.
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD04
5F004CA06
5F045AA08
5F045BB02
5F045DP03
5F045EF05
5F045EH08
5F045EH20
5F045EK07
5F045EM05
5F045EM09
(57)【要約】
本明細書中に説明される1つまたは複数の実施形態は、一般に、均一性を改善するために高い高周波(RF)電力を利用する半導体処理装置に関する。半導体処理装置は、基板支持要素内に配設されているRF給電式一次メッシュおよびRF給電式二次メッシュを含む。二次RFメッシュは、一次RFメッシュの真下に配置される。接続アセンブリは、二次メッシュを一次メッシュに電気的に結合するように構成されている。一次メッシュから流れ出るRF電流は、複数の接続接合部に分配される。したがって、高い合計RF電力/電流でも、RF電流が複数の接続接合部へ拡散されるので、一次メッシュ上のホットスポットが防止される。したがって、処理されている基板上に局所的なホットスポットを引き起こすことなく、基板の温度および膜の不均一性に対する影響があまりなく、はるかに高いRF電力が使用されることを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次メッシュおよび二次メッシュを備えた熱伝導性基板支持体と、
導電性ロッドを備えた熱伝導性シャフトであって、前記導電性ロッドは前記二次メッシュに結合されている、熱伝導性シャフトと、
前記二次メッシュを前記一次メッシュに電気的に結合するように構成されている接続アセンブリと
を備える半導体処理装置。
【請求項2】
前記導電性ロッドに結合されているRFジェネレータをさらに備える、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項3】
前記RFジェネレータによって生成される電流は、前記二次メッシュから前記一次メッシュへ拡散する、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記一次メッシュは、静電チャック電極として働くように構成されている、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項5】
一次メッシュおよび二次メッシュを備えた熱伝導性基板支持体であって、前記二次メッシュは前記一次メッシュの下方で離隔される、熱伝導性基板支持体と、
導電性ロッドを備えた熱伝導性シャフトであって、前記導電性ロッドはろう付けジョイントによって前記二次メッシュに結合されている、熱伝導性シャフトと、
複数の金属ポストを備えた接続アセンブリであって、前記複数の金属ポストの各々は前記二次メッシュを接続接合部を介して前記一次メッシュに電気的に結合するように構成されている、接続アセンブリと
を備える半導体処理装置。
【請求項6】
前記複数の金属ポストの各々の直径は、前記導電性ロッドの直径未満である、請求項5に記載の半導体処理装置。
【請求項7】
前記金属ポストの各々は、前記導電性ロッドの断面積よりも小さい断面積を有する、請求項6に記載の半導体処理装置。
【請求項8】
前記接続接合部は、前記ろう付けジョイントよりも小さい断面積を有する、請求項7に記載の半導体処理装置。
【請求項9】
前記導電性ロッドに結合されているRFジェネレータをさらに備える、請求項5に記載の半導体処理装置。
【請求項10】
前記RFジェネレータによって生成される電流は、前記複数の金属ポストの各々を通って一様に拡散する、請求項9に記載の半導体処理装置。
【請求項11】
前記複数の金属ポストの各々を通る前記電流は、前記RFジェネレータによって生成される前記電流の少なくとも2分の1である、請求項10に記載の半導体処理装置。
【請求項12】
前記複数の金属ポストは、少なくとも2つの金属ポストを含む、請求項5に記載の半導体処理装置。
【請求項13】
前記複数の金属ポストは、Niで作製される、請求項5に記載の半導体処理装置。
【請求項14】
一次メッシュ、二次メッシュ、および加熱要素を備えた熱伝導性基板支持体であって、前記二次メッシュは前記一次メッシュの下方で離隔される、熱伝導性基板支持体と、
導電性ロッドを備えた熱伝導性シャフトであって、前記導電性ロッドはろう付けジョイントによって前記二次メッシュに結合されている、熱伝導性シャフトと、
複数の金属ポストを備えた接続アセンブリであって、前記複数の金属ポストの各々は、前記二次メッシュを前記一次メッシュに電気的に結合するように構成され、接続接合部を介して前記二次メッシュに物理的に結合される、接続アセンブリと、
高周波(RF)電力を前記二次メッシュおよび前記一次メッシュに分配するように構成されたRF電源と、
交流(AC)電力を前記加熱要素に分配するように構成されたAC電源と
を備える半導体処理装置。
【請求項15】
前記導電性ロッドに結合されているRFジェネレータをさらに備える、請求項14に記載の半導体処理装置。
【請求項16】
前記RFジェネレータによって生成される電流は、前記複数の金属ポストの各々を通って一様に拡散する、請求項15に記載の半導体処理装置。
【請求項17】
前記複数の金属ポストの各々を通る前記電流は、前記RFジェネレータによって生成される前記電流の少なくとも2分の1である、請求項16に記載の半導体処理装置。
【請求項18】
前記複数の金属ポストは、少なくとも2つの金属ポストを含む、請求項14に記載の半導体処理装置。
【請求項19】
前記複数の金属ポストは、Moで作製される、請求項14に記載の半導体処理装置。
【請求項20】
前記一次メッシュは、静電チャック電極として働くように構成されている、請求項14に記載の半導体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に説明される1つまたは複数の実施形態は、一般に、半導体処理装置に関し、より詳細には、均一性を改善するために高い高周波(RF)電力を利用する半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
半導体処理装置は、一般に、プロセスチャンバの処理領域内で支持されているウエハまたは基板に対して様々な堆積ステップ、エッチングステップ、または熱処理ステップを実行するようになされているプロセスチャンバを含む。ウエハ上に形成される半導体デバイスのサイズが減少するにつれて、堆積ステップ、エッチングステップ、および/または熱処理ステップ中の熱的な均一性の必要性が大きく増している。処理中のウエハの温度の小さい変動は、ウエハ上で実行されるこれらのしばしば温度に依存するプロセスのウエハ内(WIW)均一性に影響を及ぼし得る。
【0003】
一般に、半導体処理装置は、ウエハ処理チャンバの処理領域内に配設されている温度制御されたウエハ支持体を含む。ウエハ支持体は、温度制御された支持板と、支持板に結合されているシャフトとを含む。ウエハは、プロセスチャンバにおける処理中、支持板上に置かれる。一般に、シャフトが、支持板の中央に備え付けられる。支持板の内部には、RFエネルギーを処理チャンバの処理領域に分配するモリブデン(Mo)などの材料で作製された導電性メッシュがある。導電性メッシュは、一般に、RFマッチおよびRFジェネレータあるいはアースに一般に接続されている金属含有接続要素にろう付けされている。
【0004】
導電性メッシュに供給されるRF電力が高くなるにつれて、接続要素を通過するRF電流も高くなる。金属含有接続要素を導電性メッシュに結合するろう付けされた各ジョイントは、RF電流により熱を生成する有限抵抗を有する。したがって、導電性メッシュが金属含有接続要素にろう付けされる点で、ジュール加熱により、鋭い温度の上昇がある。導電性メッシュと接続要素の間に形成されたジョイントで生成される熱は、このジョイントの近くで支持板内により高い温度領域を作り出し、これにより支持板の支持面にわたって不均一な温度をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
したがって、当業界において、プロセスチャンバ中で基板支持体内に配設された電導性電極にRF電力を供給するプロセスを改善することによってプロセスチャンバ内で支持板にわたる温度変動を減少させることが求められている。
【0006】
概要
本明細書中に説明される1つまたは複数の実施形態は、一般に、均一性を改善するために高い高周波(RF)電力を利用する半導体処理装置に関する。
【0007】
一実施形態では、半導体処理装置は、一次メッシュおよび二次メッシュを備えた熱伝導性基板支持体と、導電性ロッドを備えた熱伝導性シャフトであって、導電性ロッドは二次メッシュに結合されている、熱伝導性シャフトと、二次メッシュを一次メッシュに電気的に結合するように構成されている接続アセンブリとを含む。
【0008】
別の実施形態では、半導体処理装置は、一次メッシュおよび二次メッシュを備えた熱伝導性基板支持体であって、二次メッシュは一次メッシュの下方で離隔される、熱伝導性基板支持体と、導電性ロッドを備えた熱伝導性シャフトであって、導電性ロッドはろう付けジョイントによって二次メッシュに結合されている、熱伝導性シャフトと、複数の金属ポストを備えた接続アセンブリであって、複数の金属ポストの各々は二次メッシュを接続接合部を介して一次メッシュに電気的に結合するように構成されている、接続アセンブリとを含む。
【0009】
別の実施形態では、半導体処理装置は、一次メッシュ、二次メッシュ、および加熱要素を備えた熱伝導性基板支持体であって、二次メッシュは一次メッシュの下方で離隔される、熱伝導性基板支持体と、導電性ロッドを備えた熱伝導性シャフトであって、導電性ロッドはろう付けジョイントによって二次メッシュに結合されている、熱伝導性シャフトと、複数の金属ポストを備えた接続アセンブリであって、複数の金属ポストの各々は、二次メッシュを一次メッシュに電気的に結合するように構成され、接続接合部を介して二次メッシュの各端部に物理的に結合される、接続アセンブリと、高周波(RF)電力を二次メッシュおよび一次メッシュに分配するように構成されたRF電源と、交流(AC)電力を加熱要素に分配するように構成されたAC電源とを含む。
【0010】
図面の簡単な説明
本開示の上記特徴がより詳細に理解できるように、上で簡潔に要約された本開示のより詳細な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、その一部は添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態を示すものにすぎず、したがって、本開示の範囲の限定とみなされるべきではなく、本開示について、他の等しく有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態による処理チャンバの垂直断面図である。
【
図2A】
図1の半導体処理装置の垂直断面図である。
【
図2B】先行技術における基板の表面に沿って測定された温度プロファイルの概略図である。
【
図2C】本開示の実施形態による基板の表面に沿って測定された温度プロファイルの概略図である。
【
図2D】
図1に示されるような半導体処理装置の透過図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本開示の実施形態のより十分な理解を与えるために、以下の説明において、多数の特定の詳細が説明される。しかしながら、本開示の実施形態の1つまたは複数は、これらの特定の詳細の1つまたは複数なしで実施することができることは当業者に明らかであろう。他の例では、よく知られた特徴は、本開示の実施形態の1つまたは複数を曖昧にするのを避けるために、説明されていない。
【0013】
本明細書中に説明される1つまたは複数の実施形態は、一般に、均一性を改善するために高い高周波(RF)電力を利用する半導体処理装置に関する。これらの実施形態において、半導体処理装置は、基板支持要素内に配設されているRF給電式一次メッシュおよびRF給電式二次メッシュを含む。二次RFメッシュは、ある一定の距離で一次RFメッシュの真下に置かれている。接続アセンブリは、二次メッシュを一次メッシュに電気的に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、接続アセンブリは、複数の金属ポストを含む。一次メッシュから流れ出るRF電流は、複数の接続接合部に分配される。したがって、高い合計RF電力/電流でも、RF電流が複数の接続接合部へ拡散されるので、一次メッシュ上のホットスポットが防止される。
【0014】
さらに、単一のRF導電性ロッドが、二次メッシュ上へろう付けされている。したがって、ろう付けジョイントにホットスポットがあるが、ろう付けジョイントにおけるホットスポットは、従来の設計と比較して基板支持面からはるかに遠く離れている。したがって、本明細書中に説明される実施形態は、有利なことに、処理されている基板上に局所的なホットスポットを引き起こすことなく、基板の温度および膜の不均一性にあまり影響を及ぼさず、はるかに高いRF電力が使用されることを可能にする。
【0015】
図1は、本開示の実施形態による処理チャンバ100の垂直断面図である。一例として、
図1の処理チャンバ100の実施形態は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)システムに関して説明されるが、本明細書中に与えられる本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、他のプラズマ堆積、プラズマエッチング、または同様のプラズマ処理チャンバなどの任意の他のタイプのウエハ処理チャンバが使用されてもよい。処理チャンバ100は、半導体処理装置108および処理領域110を取り囲む壁部102、底部104、およびチャンバリッド106を含み得る。半導体処理装置108は、全体的に、ウエハ処理に使用されるペデスタルヒータを含み得る基板支持要素である。ペデスタルヒータは、セラミック材料(例えば、AlN、BN、またはAl
2O
3材料)などの誘電材料から形成することができる。壁部102および底部104は、アルミニウムまたはステンレス鋼などの電気および熱伝導性材料を含むことができる。
【0016】
処理チャンバ100は、ガス源112をさらに含むことができる。ガス源112は、チャンバリッド106を通過するガス管114を介して処理チャンバ100に結合され得る。ガス管114は、処理ガスがバッキング板116を通過し、バッキング板116とガス分配シャワーヘッド122の間に形成されたプレナム118に入ることを可能にするようにバッキング板116に結合され得る。ガス分配シャワーヘッド122は、サスペンション120によってバッキング板116に隣接した所定の場所に保持することができ、ガス分配シャワーヘッド122、バッキング板116、およびサスペンション120が共に、シャワーヘッドアセンブリと呼ばれる場合もあるアセンブリを形成するようになっている。動作中、ガス源112から処理チャンバ100に導入されるプロセスガスは、プレナム118を満たし、ガス分配シャワーヘッド122を通過して、処理領域110に均一に入ることができる。代替実施形態では、プロセスガスは、ガス分配シャワーヘッド122に加えてまたはガス分配シャワーヘッド122の代わりに、壁部102の1つまたは複数に取り付けられる入り口および/またはノズル(図示せず)を介して処理領域110に導かれてもよい。
【0017】
処理チャンバ100は、半導体処理装置108に結合され得るRFジェネレータ142をさらに含む。本明細書中に説明される実施形態では、半導体処理装置108は、熱伝導性基板支持体130を含む。一次メッシュ132および二次メッシュ133は、熱伝導性基板支持体130内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、二次メッシュ133は、一次メッシュ132の下方においてある距離で離隔されている。基板支持体130は、基板支持体130に結合されている導電性シャフト126の少なくとも一部内に配設された電気伝導性ロッド128も含む。処理中、基板124(またはウエハ)は、基板支持体130の基板支持面130A上に配置することができる。いくつかの実施形態では、RFジェネレータ142は、1つまたは複数の伝送線144(1本が示されている)を介して導電性ロッド128に結合することができる。少なくとも1つの実施形態では、RFジェネレータ142は、約200kHzと約81MHzの間、例えば、約13.56MHzと約40MHzの間の周波数でRF電流を供給することができる。RFジェネレータ142によって生成される電力は、例えば、プラズマ堆積プロセス中に基板124の表面上に層を形成するために、処理領域110内のガスをプラズマ状態に活性化(または「励起」)するように働く。
【0018】
接続アセンブリ141は、二次メッシュ133を一次メッシュ132に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、接続アセンブリ141は、複数の金属ポスト135を含む。複数の金属ポスト135は、ニッケル(Ni)、Ni含有合金、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、または他の同様の材料で作製することができる。一次メッシュ132から流れ出るRF電流は、複数の接続接合部139に分配される。したがって、高い合計RF電力/電流でも、RF電流が複数の接続接合部139へ拡散されるので、一次メッシュ132上のホットスポットが防止される。いくつかの実施形態では、複数の金属ポスト135の各々は、二次メッシュ133を一次メッシュ132に結合するように構成され、二次メッシュ133の端部にまたは周辺部に物理的に結合される。さらに、導電性ロッド128は、ろう付けジョイント137において二次メッシュ133上へろう付けされている。したがって、ろう付けジョイント137にホットスポットがあるが、ろう付けジョイント137におけるホットスポットは、従来の設計と比較して基板支持面130Aからはるかに遠く離れている。したがって、本明細書中に説明される実施形態は、有利なことに、基板124上に局所的なホットスポットを引き起こすことなく、基板124の温度および膜不均一性にあまり影響を及ぼさず、はるかに高いRF電力が使用されることを可能にする。
【0019】
基板支持体130内には、一次メッシュ132、二次メッシュ133、および加熱要素148が埋め込まれている。任意選択で基板支持体130内に形成されるバイアス電極146は、別々のRF接続(図示せず)を通じてRF「バイアス」を基板124および処理領域110に別々に供給するように働くことができる。加熱要素148は、AC電源149によるAC電力の供給によって処理中に基板124に熱を与えるように構成されている1つまたは複数の抵抗加熱要素を含むことができる。バイアス電極146および加熱要素148は、Mo、W、または他の同様の材料などの導電性材料で作製され得る。
【0020】
一次メッシュ132は、処理中に基板支持体130の支持面130Aに対する基板124に適切な保持力を与えるのを助ける静電チャック電極として働くこともできる。上述したように、一次メッシュ132は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、または他の同様の材料などの高融点金属で作製することができる。いくつかの実施形態では、一次メッシュ132は、基板124が位置する、支持面130Aから距離D
T(
図1参照)に埋め込まれている。D
Tは、1mm以下のようにとても小さくてもよい。したがって、一次メッシュ132にわたっての温度の変動は、支持面130Aに配設された基板124の温度の変動に大きく影響を与える。一次メッシュ132から支持面130Aへ伝達される熱は、
図1中のHの矢印によって表される。
【0021】
したがって、二次メッシュ133から一次メッシュ132へ金属ポスト135の各々によって供給されるRF電流の量を分割、分配、および拡散することによって、接続接合部139への金属ポスト135においてもたらされる追加の温度増加が最小にされる。温度増加を最小にすることで、
図2Bと共に以下にさらに述べられる従来の接続技法に対して、一次メッシュ132にわたってより均一な温度が持たされる。本明細書中に説明される接続アセンブリ141の使用による一次メッシュ132にわたってのより均一な温度は、支持面130Aおよび基板124にわたってより均一な温度をもたらす。さらに、導電性ロッド128は、ろう付けジョイント137において二次メッシュ133にろう付けされている。したがって、ろう付けジョイント137にホットスポットがあるが、ろう付けジョイント137におけるホットスポットは、従来の設計と比較して基板支持面130Aからはるかに遠く離れている。したがって、本明細書中に説明される実施形態は、有利なことに、基板124上に局所的なホットスポットを引き起こすことなく、基板124の温度および膜の不均一性にあまり影響を及ぼさず、はるかに高いRF電力が使用されることを可能にする。
【0022】
図2Aは、
図1の半導体処理装置108の垂直断面図である。これらの実施形態では、本明細書中に開示される接続要素141は、
図2AにD
Cによって表される金属ポスト135の直径が
図2AのD
Rによって表される導電性ロッド128の直径よりも小さいので、従来の設計を上回る利点も与える。D
Cの直径がより小さいことにより、各金属ポスト135は、導電性ロッド128のより大きい断面積およびろう付けジョイント137における接触面積よりも小さい断面積、したがって、接続接合部139ごとにより小さい接触面積を有するが、全て合わせ、全体としては、複数の金属ポスト135の断面積は、導電性ロッド128の断面積以上である。一実施形態では、金属ポスト135の断面積は、複数の金属ポスト135の断面積の総計が導電性ロッド128の断面積よりも大きい限り、導電性ロッド128の断面積以上である。以下にさらに説明されるように、同じRF電流が、複数の金属ポスト135に分割される。したがって、各金属ポスト135を通るRF電流は、合計RF電流のほんの一部にすぎず、金属ポスト135ごとにおよび接続接合部139にそれほど熱を生成しない。それらが同じ材料で作製されるとき、各金属ポスト135の熱伝導性が導電性ロッド128の電導性と同じであるので、複数の金属ポスト135により、金属ポスト135ごとにそれほどの熱が生成されず、金属ポスト135にわたってより等しく拡散される。この配置は、基板支持体130内でより均一に熱を与え、支持面130Aおよび基板124にわたってより均一な温度分布をもたらすのを助ける。
【0023】
本明細書中に開示された電導性アセンブリ構成を使用することの効果を示そうとして、
図2Bは、先行技術における先行技術の基板支持面206Aと先行技術の基板支持体206の基板202とにわたって形成される温度プロファイルの概略図として与えられ、
図2Cは、本開示の1つまたは複数の実施形態による支持面130Aおよび基板124にわたって形成される温度プロファイルの概略図として与えられる。
図2Bに示されるように、RF電流は、先行技術の導電性ロッド208を通って伝達される。このRF電流は、値I
1によって表される。先行技術の導電性ロッド208は、先行技術の導電性シャフト210内に配設され、単一の先行技術の接合212において先行技術のメッシュ204に直接接続されている。したがって、電流は、先行技術の導電性ロッド208から単一の先行技術の接合212へもっぱら流れる。導電性ロッドは、有限の電気的インピーダンスを有し、この有限の電気的インピーダンスが、先行技術の導電性ロッド208を通るRF電流の供給により熱を生成する。したがって、RF電力を伝導することができる表面積の減少により、先行技術の接続接合部212へ与えられる熱の鋭い増加がある。Hの矢印によって示されるように、先行技術の伝導性基板支持体206を通って基板202へ上向きに熱が流れるとき、先行技術の接合212の上方の基板202の位置における温度は、グラフ200によって示されるように中央領域内で急上昇し、不均一な膜層になる。
【0024】
これに対して、
図2Cに示されるように、本明細書中に説明される実施形態は、導電性ロッド128を通って生成される電流I
1を各金属ポスト135に拡散させるという利点をもたらす。各金属ポスト135を通る電流は、I
2によって表される。いくつかの実施形態では、各金属ポスト135を通る電流I
2は、等しくなることができる。したがって、少なくとも1つの実施形態では、金属ポスト135は、(ここに示された)2つの要素を含むことができる。しかしながら、金属ポスト135は、3つ以上を含む任意の個数の複数の要素を含むことができる。金属ポスト135を通る電流I
2は、導電性ロッド128を通る電流I
1の少なくとも2分の1であり得る。したがって、電流I
2は、より低い大きさでおよび一次メッシュ132にわたって複数の分散した点で接続接合部139に流れ込み、基板124にわたって生成された熱量を分散させるのを助け、グラフ214によって示されるように、任意の一点ではるかに少ない熱の増加をもたらす。これは、膜層の均一性を改善するように働く。基板支持体130の一次メッシュ132にわたる金属ポスト135の拡散は、一実施形態の半導体処理装置108の透過図を与える
図2Dに最もよく示されている。図示の通り、各金属ポスト135は、互いから比較的遠く離れるように拡散され、支持面130Aにわたって電流および生成された熱を広く分散させ、基板124にわたって均一な熱の拡散をもたらすことができる。
【0025】
前述したものは本発明の実施に向けられているが、本発明の他のおよびさらなる実施は、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】