(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(54)【発明の名称】ブロック共重合体、その製造方法、及びそれを含むアスファルト組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 297/04 20060101AFI20221024BHJP
C08F 8/06 20060101ALI20221024BHJP
C08L 95/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
C08F297/04
C08F8/06
C08L95/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511344
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2021006908
(87)【国際公開番号】W WO2021246794
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0067391
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ-チュン
【テーマコード(参考)】
4J002
4J026
4J100
【Fターム(参考)】
4J002AG001
4J002BP012
4J002FD020
4J002FD070
4J002GL00
4J026HA05
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4J026HA26
4J026HA32
4J026HA39
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4J026HB15
4J026HB26
4J026HB32
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4J026HC40
4J026HC44
4J026HC50
4J026HE02
4J100HA01
4J100HA61
4J100HB34
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4J100HB63
4J100HC25
4J100HC34
4J100HC38
4J100HC77
4J100HC78
4J100HD01
4J100HE08
4J100HE14
4J100HE32
4J100JA67
(57)【要約】
本発明は、ブロック共重合体に関するものであって、芳香族ビニル系重合体ブロック、共役ジエン系重合体ブロック及びカップリング剤連結基を含むブロック共重合体において、前記共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体、その製造方法、及びそれを含むアスファルト組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ビニル系重合体ブロック、共役ジエン系重合体ブロック及びカップリング剤連結基を含むブロック共重合体であって、
前記共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体。
【請求項2】
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して1.0モル%~8.0モル%である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項3】
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して1.5モル%~3モル%である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項4】
前記カップリング剤連結基は、ビニル基含有炭化水素系化合物、エステル系化合物、シラン系化合物、ポリシロキサン系化合物、及びポリケトンからなる群から選択された1種以上のカップリング剤連結基である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項5】
有機リチウム化合物の存在下で、芳香族ビニル系単量体を投入し重合して陰イオン活性芳香族ビニル系重合体を製造する段階(S10)と、
前記(S10)段階において製造された陰イオン活性芳香族ビニル系重合体の存在下で、共役ジエン系単量体を投入し重合して陰イオン活性ジブロック共重合体を製造する段階(S20)と、
前記(S20)段階において製造された陰イオン活性ジブロック共重合体の存在下で、カップリング剤を投入し反応させてトリブロック共重合体を製造する段階(S30)と、
前記(S30)段階において製造されたトリブロック共重合体の存在下で、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応を実施してブロック共重合体を製造する段階(S40)と、を含み、
前記(S40)段階において製造されたブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体の製造方法。
【請求項6】
前記(S40)段階において、水素化ホウ素添加反応は、ホウ素源としてボラン又は有機ボラン化合物の存在下で実施される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項7】
前記ホウ素源は、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)である、請求項6に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項8】
前記(S40)段階において、ホウ素源は、共役ジエン系重合体ブロック100モルに対して0.1モル~20.0モルで投入される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項9】
前記(S40)段階において、ホウ素源は、トリブロック共重合体100重量部に対して0.5重量部~13.0重量部で投入される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項10】
前記(S40)段階において、酸化反応は、アルカリヒドロキシド及び過酸化水素の存在下で実施される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか一項に記載のブロック共重合体及びアスファルトを含むアスファルト組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、2020年6月4日に出願された韓国特許出願第10-2020-0067391号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ブロック共重合体に関するものであって、ヒドロキシル基を含んで高温物性及びアスファルトとの相溶性に優れ、アスファルト改質剤として利用可能なブロック共重合体、その製造方法、及びそれを含むアスファルト組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
アスファルト(asphalt)は、石油の原油成分中において、揮発性油分が殆ど蒸発した後の残留物であって、高温では、粘性の高い液体又は半固体状態を維持するが、常温以下の温度では、硬く固まる物性を有している。また、アスファルトは、可塑性が豊富であり、防水性、電気絶縁性、接着性などが高く、かつ化学的に安定した特徴を有していることから、道路の舗装材料や防水材などの建築材料に広く適用されている。しかし、このようなアスファルトは、使用中に高温に長期間にわたって露出される場合、塑性変形が発生し、低温では、外部衝撃によりクラックが生じる問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、最近、様々な高分子を添加してアスファルト物性を改善するための研究が進められている。例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロック共重合体のような芳香族ビニル炭化水素-共役ジエンブロック共重合体をアスファルト組成物の物性を向上させる改質剤又は衝撃補強剤などとして使用する方法がある。
【0005】
一般的にSBSブロック共重合体をアスファルト組成物に使用するためには、アスファルトとの相溶性が最も基本的かつ必須的に求められる。SBSブロック共重合体がアスファルトとの相溶性に優れている場合、加工時間が短縮し、アスファルト物性に対する改善効果も大きい。
【0006】
しかしながら、最近、石油の原油価格の上昇と、省エネルギー政策により、精油施設の高度化が持続的に行われることにより、精油残留物であるアスファルト中の副産物であるアスファルテン(asphaltene)の含量が高くなっている。前記アスファルテンは、芳香族炭化水素の集合体であって、末端に多くの極性官能基を含んでいるため、極性官能基のないSBSブロック共重合体との相溶性が非常に低い。そのため、アスファルト組成物の加工時間が大きく増加するだけでなく、改質されたアスファルト組成物の弾性が低下するなど、アスファルトの品質低下を引き起こしている。
【0007】
このような問題を解決するために、SBSブロック共重合体の分子量を調節するか、カップリング効果を付加できるように、前記ブロック共重合体の分子微細構造を変更する方法、又は、加工補助剤としてオイルなどの添加剤を投入する方法などが提案されているが、様々な品質偏差を有するアスファルトのそれぞれに対して個別的な対策が行われなければならないため、窮極的な解決方法にはなっていない。
【0008】
したがって、アスファルトとの相溶性に優れたアスファルト改質剤としてのSBSブロック共重合体の開発が急務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、アスファルトとの相溶性に優れながらも高温物性に優れ、アスファルト改質剤として利用可能なブロック共重合体の提供を目的とする。
【0011】
また、本発明は、前記ブロック共重合体を製造するために、ブロック共重合体にヒドロキシル基を導入し得るブロック共重合体の製造方法の提供を目的とする。
【0012】
また、本発明は、前記ブロック共重合体をアスファルト改質剤として含むことにより、ブロック共重合体とアスファルトの相溶性に優れ、ブロック共重合体の溶解時間が短く、高温物性に優れたアスファルト組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は、芳香族ビニル系重合体ブロック、共役ジエン系重合体ブロック及びカップリング剤連結基を含むブロック共重合体において、前記共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体を提供する。
【0014】
また、本発明は、有機リチウム化合物の存在下で、芳香族ビニル系単量体を投入し重合して陰イオン活性芳香族ビニル系重合体を製造する段階(S10);前記(S10)段階において製造された陰イオン活性芳香族ビニル系重合体の存在下で、共役ジエン系単量体を投入し重合して陰イオン活性ジブロック共重合体を製造する段階(S20);前記(S20)段階において製造された陰イオン活性ジブロック共重合体の存在下で、カップリング剤を投入し反応させてトリブロック共重合体を製造する段階(S30);及び前記(S30)段階において製造されたトリブロック共重合体の存在下で、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応を実施してブロック共重合体を製造する段階(S40)を含み、前記(S40)段階において製造されたブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体の製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記ブロック共重合体及びアスファルトを含むアスファルト組成物を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のブロック共重合体は、アスファルト改質剤として利用する際に、アスファルトとの相溶性に優れながらも高温物性に優れた効果がある。
【0017】
また、本発明のブロック共重合体の製造方法によれば、ブロック共重合体にヒドロキシル基を目的とする水準まで導入可能な効果がある。
【0018】
また、本発明のアスファルト組成物は、前記ブロック共重合体をアスファルト改質剤として含むことにより、ブロック共重合体とアスファルトの相溶性に優れ、ブロック共重合体の溶解時間が短く、高温物性に優れた効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明をさらに詳しく説明する。
【0020】
本発明の説明及び特許請求の範囲に用いられる用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるとの原則に即して、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
【0021】
本発明で用いられる用語「単量体単位」は、単量体から起因した成分、構造又はその物質自体を意味してよく、具体的な例として、重合体の重合時に投入される単量体が重合反応に関与して重合体中で成す繰り返し単位を意味してよい。
【0022】
本発明で用いられる用語「重合体」は、1種の単量体から重合して形成された単独重合体(homo polymer)を意味してよい。
【0023】
本発明で用いられる用語「ブロック」は、共重合体中において同一の単量体のみが重合反応に関与し、同一の単量体由来の繰り返し単位のみから構成された繰り返し単位群を意味してよく、具体的な例として、芳香族ビニル系重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体単位のみから形成されたブロックを意味してよく、共役ジエン系重合体ブロックは、共役ジエン系単量体単位のみから形成されたブロックを意味してよい。
【0024】
本発明で用いられる用語「カップリング剤連結基」は、ブロック共重合体の一部(part)であって、カップリング剤により重合体ブロックがカップリングされて形成されたカップリング剤の残部(remainder part)を意味してよい。
【0025】
本発明で用いられる用語「陰イオン活性重合体」は、陰イオン重合反応により形成された重合体であって、重合体の一側末端が陰イオン状態を維持して追加の重合又は反応が可能な重合体を意味してよく、具体的な例として、リビング陰イオン重合体を意味してよい。
【0026】
本発明で用いられる用語「組成物」は、当該組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物だけでなく、当該組成物を含む材料の混合物を含む。
【0027】
本発明は、アスファルト改質剤として利用可能なブロック共重合体を提供する。
【0028】
従来、アスファルト改質剤としてブロック共重合体を適用する際に、アスファルトに対する相溶性を向上させるための方案として、極性基を含むカップリング剤を使用してアスファルトに対するブロック共重合体の溶解性を向上させる方案が提案されてきた。しかし、このような方案は、カップリング剤として極性基を導入するので、ブロック共重合体内に導入し得る極性基の個数がカップリング剤に依存するので、極性基の個数が足りず、十分な効果を示さない問題があった。
【0029】
そこで、本発明は、アスファルト改質剤として利用可能なブロック共重合体において、ブロック共重合体内に極性基であるヒドロキシル基を直接導入してアスファルトとの相溶性に優れながらも高温物性に優れ、アスファルト改質剤として利用可能なブロック共重合体を提供する。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、前記ブロック共重合体は、芳香族ビニル系重合体ブロック、共役ジエン系重合体ブロック及びカップリング剤連結基を含むブロック共重合体において、前記共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であってよい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記芳香族ビニル系重合体ブロックは、芳香族ビニル系単量体の重合により形成されたブロックであってよく、前記芳香族ビニル系重合体ブロックを形成するための芳香族ビニル系単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、1-ビニルナフタレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-(p-メチルフェニル)スチレン及び1-ビニル-5-ヘキシルナフタレンからなる群から選択された1種以上であってよく、具体的な例として、スチレンであってよい。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、前記芳香族ビニル系重合体ブロックの含量は、ブロック共重合体の総含量に対して5重量%~50重量%、10重量%~40重量%、又は20重量%~40重量%であってよく、この範囲内でブロック共重合体の軟化点及び粘度の低下を防止する効果がある。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、前記共役ジエン系重合体ブロックは、共役ジエン系単量体の重合により形成されたブロックであってよく、前記共役ジエン系重合体ブロックを形成するための共役ジエン系単量体は、1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、ピペリレン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、イソプレン、2-フェニル-1,3-ブタジエン及び2-ハロ-1,3-ブタジエン(ハロは、ハロゲン原子を意味する)からなる群から選択された1種以上であってよく、具体的な例として、1,3-ブタジエンであってよい。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、前記共役ジエン系重合体ブロックの含量は、ブロック共重合体の総含量に対して50重量%~95重量%、60重量%~90重量%、又は60重量%~80重量%であってよく、この範囲内で前記ブロック共重合体をアスファルト改質剤として含むアスファルト組成物の機械的物性に優れた効果がある。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、カップリング剤連結基は、ジブロック共重合体とカップリング剤のカップリング反応により形成された連結基であってよく、前記カップリング剤連結基を形成するためのカップリング剤は、多官能性カップリング剤であって、ジビニルベンゼンなどのようなビニル基含有炭化水素系化合物;ジエチルアジペート、グリシジルメタクリレートなどのようなエステル系化合物;ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、メトキシシラン、グリシドキシトリメトキシシラン、オキシジプロピルビス(トリメトキシシラン)などのようなシラン系化合物;α,ω-ビス(2-トリクロロシリルエチル)ポリジメチルシロキサンなどのようなポリシロキサン系化合物;及びポリケトンなどからなる群から選択された1種以上であってよい。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、前記ブロック共重合体は、前記共役ジエン系重合体ブロックにヒドロキシル基を含むことにより、極性基であるヒドロキシル基がブロック共重合体内に直接導入されてアスファルトとの相溶性に優れながらも高温物性に優れた効果がある。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%、1.0モル%~10.0モル%、1.0モル%~8.0モル%、1.0モル%~5.0モル%、1.5モル%~4.0モル%、1.5モル%~3.0モル%又は1.5モル%~2.5モル%であってよい。ここで、前記共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量は、共役ジエン系単量体を重合する際に、1,3-ブタジエン単量体に基づいて、1,2-添加反応により形成されたビニル結合単位と、1,4-添加反応により形成されたシス及びトランス結合単位に含まれる全ての二重結合の総含量を意味するものであってよい。また、前記ヒドロキシル基は、前記共役ジエン系単量体単位の二重結合に添加された形態で導入されるので、前記ヒドロキシル基の含量は、前記共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量から由来するものであってよい。前記ヒドロキシル基の含量が0.5モル%未満の場合、ブロック共重合体内に極性基であるヒドロキシル基が十分に導入されず、アスファルトに対する溶解性を十分に上昇させ得ない問題がある。また、前記ヒドロキシル基の含量が12.0モル%超過の場合、ブロック共重合体内に極性基であるヒドロキシル基が過量に存在するようになり、アスファルトに対する溶解性は上昇され得るが、このような極性基によりアスファルト組成物の粘度もともに増加して、加工性を低下させる原因となる。
【0038】
本発明は、前記ブロック共重合体を製造するために、ブロック共重合体にヒドロキシル基を導入し得るブロック共重合体の製造方法を提供する。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、前記ブロック共重合体の製造方法は、有機リチウム化合物の存在下で、芳香族ビニル系単量体を投入し重合して陰イオン活性芳香族ビニル系重合体を製造する段階(S10);前記(S10)段階において製造された陰イオン活性芳香族ビニル系重合体の存在下で、共役ジエン系単量体を投入し重合して陰イオン活性ジブロック共重合体を製造する段階(S20);前記(S20)段階において製造された陰イオン活性ジブロック共重合体の存在下で、カップリング剤を投入し反応させてトリブロック共重合体を製造する段階(S30);及び前記(S30)段階において製造されたトリブロック共重合体の存在下で、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応を実施してブロック共重合体を製造する段階(S40)を含み、前記(S40)段階において製造されたブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であってよい。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、前記(S10)段階は、芳香族ビニル系重合体ブロックを形成する芳香族ビニル系重合体を製造するための段階であってよい。具体的な例として、前記(S10)段階は、炭化水素系溶媒中において、有機リチウム化合物の存在下で、芳香族ビニル系単量体を投入して陰イオン重合により実施されてよい。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、前記炭化水素系溶媒は、有機リチウム化合物と反応せず、通常陰イオン重合反応に使用されるものであれば使用可能であり、具体的な例として、ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン又はiso-オクタンなどの線状又は分岐型脂肪族炭化水素化合物;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン又はメチルシクロヘプタンなどのアルキル基で置換又は非置換された環状脂肪族炭化水素化合物;及びベンゼン、トルエン、キシレン又はナフタレンなどのアルキル基で置換又は非置換された芳香族炭化水素化合物であってよく、これらのいずれか一つ、又は二つ以上の混合物を使用してよい。
【0042】
また、本発明の一実施形態によれば、前記有機リチウム化合物は、陰イオン重合反応を開始するための重合開始剤であって、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、シクロヘキシルリチウム、アリルリチウム、ビニルリチウム、フェニルリチウム及びベンジルリチウムからなる群から選択された1種以上であってよい。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、前記(S10)段階は、陰イオン重合反応により実施されるので、(S10)段階において製造された芳香族ビニル系重合体は、陰イオン活性芳香族ビニル系重合体であってよく、具体的には、陰イオン活性芳香族ビニル系重合体を含む溶液相として得られてよい。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、前記(S20)段階は、芳香族ビニル系重合体ブロックに加えて、共役ジエン系重合体ブロックを形成したジブロック共重合体を製造するための段階であってよい。具体的な例として、前記(S20)段階は、前記(S10)段階において得た陰イオン活性芳香族ビニル系重合体を含む溶液相において、陰イオン活性芳香族ビニル系重合体の存在下で、共役ジエン系単量体を投入して陰イオン重合により実施されてよい。ここで、前記共役ジエン系単量体に対する陰イオン重合反応は、陰イオン活性芳香族ビニル系重合体から開始されてよい。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、前記(S20)段階は、陰イオン重合反応により実施されるので、(S20)段階において製造されたジブロック共重合体は、陰イオン活性ジブロック共重合体であってよく、具体的には、陰イオン活性ジブロック共重合体を含む溶液相として得られてよい。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、前記(S30)段階は、前記(S20)段階において得た陰イオン活性ジブロック共重合体を含む溶液相において、陰イオン活性ジブロック共重合体の存在下で、カップリング剤を投入し反応させるカップリング反応により実施されてよい。ここで、前記カップリング剤に対するカップリング反応は、陰イオン活性ジブロック共重合体の陰イオン活性部位から実施されてよい。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、前記(S30)段階は、カップリング反応により実施されるので、(S30)段階において製造されたブロック共重合体は、芳香族ビニル系重合体ブロック及び共役ジエン系重合体ブロックを含むジブロック共重合体がカップリング剤により連結されたトリブロック共重合体であってよく、具体的には、前記トリブロック共重合体は、前記(S20)段階において得た陰イオン活性ジブロック共重合体を含む溶液相において、カップリング剤の投入によるカップリング反応により実施されるので、トリブロック共重合体を含む溶液相として得られてよい。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、前記(S40)段階は、前記(S30)段階において製造されたトリブロック共重合体にヒドロキシル基を導入して、ヒドロキシル基を含むブロック共重合体を製造するための段階であってよい。具体的な例として、前記(S40)段階は、トリブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックに含まれた二重結合にヒドロキシル基を添加するための段階であってよく、前記ヒドロキシル基は、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応により共役ジエン系重合体ブロックに含まれた二重結合に添加されてよい。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、前記(S40)段階において製造されたブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含んでよく、前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%、1.0モル%~10.0モル%、1.0モル%~8.0モル%、1.0モル%~5.0モル%、1.5モル%~4.0モル%、1.5モル%~3.0モル%又は1.5モル%~2.5モル%であってよい。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、前記(S40)段階の水素化ホウ素添加反応(hydroboration)は、ホウ素源としてボラン又は有機ボラン化合物の存在下で実施されてよく、具体的な例として、前記ホウ素源は、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)であってよく、この場合、水素化ホウ素添加反応の反応性を向上させ得る効果がある。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、共役ジエン系重合体ブロックの共役ジエン系単量体単位の二重結合に対して、本発明で目的とする水準のヒドロキシル基の含量が、二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%、1.0モル%~10.0モル%、1.0モル%~8.0モル%、1.0モル%~5.0モル%、1.5モル%~4.0モル%、1.5モル%~3.0モル%又は1.5モル%~2.5モル%になるようにヒドロキシル基を導入するためには、前記(S40)段階において、ホウ素源は、共役ジエン系重合体ブロック100モルに対して0.1モル~20.0モル、0.1モル~15.0モル、0.1モル~10.0モル、0.1モル~8.0モル、0.1モル~5.0モル、0.1モル~3.0モル、0.5モル~3.0モル、0.3モル~1.8モル、0.3モル~0.9モル、又は1.2モル~1.8モルで投入されてよい。さらに他の例として、前記(S40)段階において、ホウ素源は、トリブロック共重合体100重量部に対して0.5重量部~13.0重量部、1.0重量部~11.0重量部、1.0重量部~9.0重量部、1.0重量部~7.0重量部、1.5重量部~5.0重量部、1.5重量部~4.2重量部又は1.5重量部~2.5重量部で投入されてよい。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、前記(S40)段階において、酸化反応は、前記水素化ホウ素添加反応により二重結合に添加されたホウ素源をヒドロキシル基で置換するためのものであって、アルカリヒドロキシド及び過酸化水素の存在下で実施されてよい。ここで、前記アルカリヒドロキシドは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであってよい。
【0053】
本発明は、前記ブロック共重合体及びアスファルトを含むアスファルト組成物を提供する。ここで、前記ブロック共重合体は、前記アスファルト100重量部に対して1重量部~10重量部、3重量部~8重量部、又は4重量部~6重量部で含まれてよく、この範囲内で、ブロック共重合体組成物のアスファルトに対する溶解性に優れ、アスファルト組成物の物性に優れた効果がある。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、前記アスファルト組成物は、アスファルト組成物を架橋させるための架橋剤をさらに含んでよい。前記架橋剤は、硫黄又は硫酸鉄を含有する硫黄化合物であってよく、具体的な例として、硫黄元素(粉末)であってよく、前記架橋剤は、前記アスファルト組成物の総含量に対して0.05重量%~3重量%で含まれてよく、この範囲内で、適正な架橋反応を維持して高温物性及び弾性を向上させ、ゲル化を防止する効果がある。
【0055】
また、本発明の一実施形態によれば、前記アスファルトは、アスファルトの総重量に対して、アスファルテンを1重量%~40重量%、又は5重量%~30重量%で含むものであってよい。
【0056】
また、本発明の一実施形態によれば、前記アスファルト組成物は、道路の舗装材料、又は、防水材などの建築材料であってよい。
【0057】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例に対して詳しく説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施例に限定されない。
【実施例】
【0058】
(実施例1)
<トリブロック共重合体の製造>
窒素で置換された10Lの反応器に、精製されたシクロヘキサン4,287g及びスチレン273gを投入し撹拌しながら60℃に昇温した。反応器の温度が60℃に達した時、前記反応器にn-ブチルリチウム1.091gを投入し反応させて、スチレン重合体ブロックを重合した。
【0059】
次に、前記スチレン重合体ブロックの昇温反応が終了し、5分後、1,3-ブタジエン607gを投入し、1,3-ブタジエンが完全に消耗するまで重合して、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体を製造した。
【0060】
前記ジブロック共重合体の昇温反応が終了し、3分後、カップリング剤としてジクロロジメチルシラン1.1gを投入して5分間カップリング反応を実施し、有機酸を投入して反応を終結し、酸化防止剤を投入してトリブロック共重合体を製造し、トリブロック共重合体が含まれた溶液をストリッピング及び乾燥して、トリブロック共重合体を得た。
【0061】
<水素化ホウ素添加反応及び酸化反応>
窒素で置換された10Lの高圧反応器に、テトラヒドロフラン(THF)1,000mlを投入し、前記得たトリブロック共重合体100gを投入して溶解させた。溶解が完了した後、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)2.1gを投入して1時間常温(23±3℃)で反応させた。その後、メタノール10mlを投入して水素化ホウ素添加反応を終結した。次に、酸化反応のために、-10℃の条件下でNaOH/H2O210ml(6N)を5分間ゆっくり反応器内に投入し、50℃に昇温した後、1時間反応させた。その後、H2O2を沈澱させ、メタノールで洗浄した後、ブロック共重合体が含まれた溶液を乾燥して、ブロック共重合体ペレットを製造した。
【0062】
(実施例2)
前記実施例1において、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応の際に、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)を2.1gの代わりに4.2gを投入した以外は、前記実施例1と同一の方法で実施した。
【0063】
(実施例3)
前記実施例1において、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応の際に、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)を2.1gの代わりに8.7gを投入した以外は、前記実施例1と同一の方法で実施した。
【0064】
(比較例1)
前記実施例1において、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応を実施せず、トリブロック共重合体からブロック共重合体ペレットを製造した以外は、前記実施例1と同一の方法で実施した。
【0065】
(比較例2)
前記実施例1において、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応の際に、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)を2.1gの代わりに0.2gを投入した以外は、前記実施例1と同一の方法で実施した。
【0066】
(比較例3)
前記実施例1において、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応の際に、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)を2.1gの代わりに15.0gを投入した以外は、前記実施例1と同一の方法で実施した。
【0067】
(実験例)
(実験例1)
前記実施例1~3及び比較例1~3で製造された各ブロック共重合体に対して、ヒドロキシル基の含量を測定するために、試料を採取してNMR測定のための溶媒であるCDCl3に溶解させ、Varian社の500MHz NMRを用いて1H NMRを測定し、ブロック共重合体内の二重結合の含量に対して生成されたヒドロキシル基の含量を計算して表1に示した。
【0068】
【0069】
(実験例2)
180℃で、アスファルト(SK AP-5)600gを100重量部として、前記実施例1~3及び比較例1~3で製造された各ブロック共重合体ペレットを4.5重量部に計算して投入し、高剪断撹拌機(HSM、High Shear Mixer)を用いて3,000rpmで1時間30分間混合した後、低剪断撹拌機(LSM、Low Shear Mixer)を用いて300rpmで撹拌した。ブロック共重合体ペレットを投入した時点を開始時間として、4時間まで各時間別に軟化点及び相分離確認のためのサンプルをサンプリングしながら非加硫アスファルト組成物を製造し、溶解時間及び4時間の時の伸度を測定して下記表2に示した。
【0070】
また、180℃で、アスファルト(SK AP-5)600gを100重量部として、前記実施例1~3及び比較例1~3で製造された各ブロック共重合体ペレットを4.5重量部に計算して投入し、高剪断撹拌機(HSM、High Shear Mixer)を用いて3,000rpmで30分間混合した後、硫黄粉末0.1重量部を投入し、ブロック共重合体ペレットを投入した時点を開始時間として、1時間30分後に低剪断撹拌機(LSM、Low Shear Mixer)を用いて300rpmで1時間30分間撹拌して加硫アスファルト組成物を製造し、製造された加硫アスファルト組成物の軟化点、粘度及び回復率を測定して下記表2に示した。
【0071】
*溶解時間(hr):各時間別に製造された非加硫アスファルト組成物を、アルミニウムチューブに50gを秤量し、180℃のオーブンで72時間熟成(aging)した後、相分離される温度を測定した。この際、相分離温度の値が低いほど溶解性が増加することを意味し、3℃以下であれば溶解が完了した状態である。これにより、相分離の温度が3℃以下と示されたサンプルの時間を溶解時間とした。
【0072】
*伸度(mm、at15℃):前記製造された非加硫アスファルト組成物を、ASTM D113に基づいて、15℃の温度が維持される恒温槽で5cm/minの速度で延伸し、当該サンプルが切断されるまでの長さを測定した。
【0073】
*軟化点(℃):前記製造された加硫アスファルト組成物から試験片を製造し、製造された試験片をASTM D36に基づいて、1分当り5℃ずつ水又はグリセリンを加熱し、これにより試験片が軟化し始めて、試験片上に位置した直径9.525mm、重量3.5gの玉が1インチほど垂下した時の温度を測定した。軟化点が高いほど、アスファルト組成物の高温物性に優れたことを意味する。
【0074】
*粘度(cps):前記加硫アスファルト組成物を製造する際に、低剪断撹拌後、135℃の粘度をブルックフィールド粘度計(BROOK FIELD VISCOMETER)を用いて測定した。135℃の粘度は、製造されたアスファルト組成物の高温保管時に持続的に上昇する傾向があり、測定された粘度が3,000cps以下であるものが加工性の側面で好ましく、4,000cpsを超過する場合、使用が不可能である。
【0075】
*回復率(%):前記製造された加硫アスファルト組成物から試験片を製造し、製造された試験片を25℃の温度で5cm/minの速度で両端を20cmに延伸し、5分間維持して中央を切断した後、25℃の温度で1時間保管し、切断した二つの試験片を連結した時、延伸した長さに対してさらに回復した長さの割合を測定して、回復率を測定した。
【0076】
【0077】
前記表2に示したように、本発明によりブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックにヒドロキシル基が導入した実施例1~3の場合、溶解時間が顕著に低減して、アスファルトに対する相溶性に優れ、軟化点が高く、機械的物性にも優れたことが確認できた。この中でも、ヒドロキシル基が2モル%及び3モル%で導入された実施例1及び2から、ヒドロキシル基を適正含量で導入した時、溶解時間を低減させながらも、粘度の急激な上昇を防止し得ることが確認できた。特に、135℃の粘度が3,000cps以下である実施例1が、適正水準の溶解時間を示して、アスファルトに対する相溶性を十分に確保しながらも、軟化点及び機械的物性に優れることは勿論、加工性に最も優れたことが確認できた。
【0078】
一方、ヒドロキシル基を導入していない比較例1の場合、溶解時間が非常に長くて、アスファルトに対する相溶性が劣悪であることが確認でき、軟化点も低くて、高温物性が劣悪であることが確認できた。
【0079】
また、ヒドロキシル基を導入しても、0.2モル%で導入した比較例2の場合、ヒドロキシル基を導入していない比較例1に対して物性の向上が極めて少ないことが確認でき、14モル%で導入された比較例3の場合、ブロック共重合体内の極性基の含量が高くて、溶解時間が短く、軟化点も向上するが、粘度の急激な増加による加工不可により、アスファルト改質剤としての使用が不可能であることが確認できた。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ビニル系重合体ブロック、共役ジエン系重合体ブロック及びカップリング剤連結基を含むブロック共重合体であって、
前記共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体。
【請求項2】
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して1.0モル%~8.0モル%である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項3】
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して1.5モル%~3
.0モル%である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項4】
前記カップリング剤連結基は、ビニル基含有炭化水素系化合物、エステル系化合物、シラン系化合物、ポリシロキサン系化合物、及びポリケトンからなる群から選択された1種以上のカップリング剤連結基である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項5】
有機リチウム化合物の存在下で、芳香族ビニル系単量体を投入し重合して陰イオン活性芳香族ビニル系重合体を製造する段階(S10)と、
前記(S10)段階において製造された陰イオン活性芳香族ビニル系重合体の存在下で、共役ジエン系単量体を投入し重合して陰イオン活性ジブロック共重合体を製造する段階(S20)と、
前記(S20)段階において製造された陰イオン活性ジブロック共重合体の存在下で、カップリング剤を投入し反応させてトリブロック共重合体を製造する段階(S30)と、
前記(S30)段階において製造されたトリブロック共重合体の存在下で、水素化ホウ素添加反応及び酸化反応を実施してブロック共重合体を製造する段階(S40)と、を含み、
前記(S40)段階において製造されたブロック共重合体の共役ジエン系重合体ブロックは、ヒドロキシル基を含み、
前記ヒドロキシル基の含量は、共役ジエン系単量体単位の二重結合の含量に対して0.5モル%~12.0モル%であるブロック共重合体の製造方法。
【請求項6】
前記(S40)段階において、水素化ホウ素添加反応は、ホウ素源としてボラン又は有機ボラン化合物の存在下で実施される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項7】
前記ホウ素源は、9-BBN(9-borabicyclo[3.3.1]nonate)である、請求項6に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項8】
前記(S40)段階において、ホウ素源は、共役ジエン系重合体ブロック100モルに対して0.1モル~20.0モルで投入される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項9】
前記(S40)段階において、ホウ素源は、トリブロック共重合体100重量部に対して0.5重量部~13.0重量部で投入される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項10】
前記(S40)段階において、酸化反応は、アルカリヒドロキシド及び過酸化水素の存在下で実施される、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか一項に記載のブロック共重合体及びアスファルトを含むアスファルト組成物。
【国際調査報告】