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特表2022-546309代替発泡剤を有し、加工性が改良された難燃性ポリウレタンフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】代替発泡剤を有し、加工性が改良された難燃性ポリウレタンフォーム
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/42 20060101AFI20221027BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20221027BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20221027BHJP
【FI】
C08G18/42 063
C08G18/00 H
C08G101:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511255
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2020072564
(87)【国際公開番号】W WO2021032549
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/101577
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】シュー,チエン,フォン
(72)【発明者】
【氏名】メノン,シンドゥー,イーシュワラ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ホン,ポー
(72)【発明者】
【氏名】ヒルゼマン,ドゥンヤ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,リアン,チヤン
(72)【発明者】
【氏名】ニエ,ツー,パオ
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034BA07
4J034BA08
4J034CA03
4J034CA04
4J034CA05
4J034CA13
4J034CA17
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4J034CB04
4J034CB05
4J034CB08
4J034CC03
4J034CC05
4J034CC08
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4J034DG04
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4J034DG08
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4J034DG14
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4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC65
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA01
4J034JA32
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4J034KB05
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4J034QC01
4J034QD03
4J034RA10
4J034RA12
4J034RA15
(57)【要約】
本発明は、通常のフォームと比較して処理特性が改良され、同等のNCOインデックスで難燃特性が同等であるか又は改良された難燃性能を有する難燃性ポリウレタン(PU)フォームに関する。本発明はまたこれらから製造された難燃性(FR)硬質フォームを開示し及びその製造方法及びこのポリウレタンフォームを含む複合体、及びこの複合体を、ボード又はパネルとして、クリーンルーム冷間保管、冷蔵庫、ルーフパネル、積層及び絶縁ボードに使用するか、又はパイプ絶縁体としてスプレーパイプ用途及び注入パイプの分野に使用する方法を開示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンフォーム系であって、
A.ポリオール組成物;及び
B.イソシアネート成分;
から構成され、
前記ポリオール組成物(A)が、
a)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はこれらの混合物;
b)触媒;
c)少なくとも1種の発泡剤であって、二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含む、発泡剤;
d)難燃剤;
e)添加剤及び/又は補助剤
を含むことを特徴とするポリウレタンフォーム系。
【請求項2】
前記ポリオール組成物(A)が、5~40質量パーセント(質量%)、好ましくは10~30質量%、より好ましくは10~20質量%の、二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含み、前記ポリオール組成物の質量%値は、前記ポリオール組成物の合計質量に基づくことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項3】
前記二塩基酸は、C~C12脂肪族カルボン二酸であり、及びアルコールは、C~Cジオール又はトリオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項4】
前記二塩基酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸から選ばれることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項5】
前記アルコールが、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール及び1,4-ペンタンジオールを含むジオールから選択されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項6】
前記アルコールが、トリエタノールアミン、グリセリン又はトリメチロールプロパンを含むトリオール、又はこれらの成分の、10以下の低級アルコキシル化度で修飾したものから選ばれることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項7】
前記カルボキシル基末端コポリマーの分子量が、200~2000、好ましくは150~1300であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項8】
前記カルボキシル基末端コポリマーの酸価が50~600、好ましくは90~600であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項9】
前記イソシアネート成分(B)が、脂肪族、脂環式、アラリファティック及び/又は芳香族イソシアネート、例えばトリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2-エチルブチレン1,4-ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ブチレン1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナート-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナートメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-及び/又は1,3-ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、1-メチルシクロヘキサン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート及び/又はジシクロヘキシルメタン4,4’-、2,4’-及び2,2’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2‘-、2,4‘-及び/又は4,4‘-ジイソシアネート(MDI)、ポリマー性MDI、ナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、3,3‘-ジメチルジフェニルジイソシアネート、1,2-ジフェニルエタンジイソシアネート及び/又はフェニレンジイソシアネートから成る群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項10】
前記触媒(b)が、アミンに基づく触媒及び有機金属化合物に基づく触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項11】
前記発泡剤(c)が更に、他の化学的発泡剤及び/又は物理的発泡剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項12】
前記化学的発泡剤が、水、ギ酸を含み、及び前記物理的発泡剤が、ペンタン、HFCを含むことを特徴とする請求項11に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項13】
前記難燃剤(d)が、少なくとも1種のリン含有難燃剤を含み、該少なくとも1種のリン含有難燃剤は、リン酸、ホスホン酸及び/又はホスフィン酸の誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項14】
成分(e)が有機シリコーン界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム系。
【請求項15】
請求項1~14の何れか1項に記載のポリウレタンフォーム系からポリウレタンフォームを製造するための方法であって、
-ポリオール組成物(A)を提供する工程;
-イソシアネート成分(B)を提供する工程;及び
-ポリオール組成物(A)及びイソシアネート成分(B)を、イソシアネート(NCO)インデックスが200~400、好ましくは220~330、より好ましくは230~300になる質量比で反応させる工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
製造が、不連続系又は連続系であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の方法に従い製造された難燃性硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項18】
前記フォームがISO4589-2:1996に従って測定して、少なくとも26%、好ましくは26%~35%、より好ましくは27%~31%のLOI値を有することを特徴とする請求項17に記載の難燃性硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項19】
前記フォームが、少なくとも0.4cm/g、好ましくは少なくとも0.5cm/gの流動値(cm/g)を有することを特徴とする請求項17に記載の難燃性硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項20】
請求項17~19の何れか1項に記載の難燃性硬質ポリウレタンフォームを含む複合体。
【請求項21】
請求項20に記載の複合体を、ボード又はパネルとして、クリーンルーム冷間保管、冷蔵庫、ルーフパネル、積層及び絶縁ボードに使用するか、又はパイプ絶縁体としてスプレーパイプ用途及び注入パイプの分野に使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された加工特性を有するポリウレタン(PU)フォーム系、これから製造された難燃性(FR)硬質フォーム、及びその製造方法、及びこのポリウレタンフォームを含む複合体、及び該複合体を、ボード又はパネルとして、クリーンルーム冷間保管、冷蔵庫、ルーフパネル、積層及び絶縁ボードに使用するか、又はパイプ絶縁体としてスプレーパイプ用途及び注入パイプの分野に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン(PU)フォームは、多くの用途、例えばクッション材料、断熱材料、パッキング、自動車ダッシュボード、又は構造材料にとって適切である。
【0003】
PUフォーム材料の発泡工程の間、フォームの指定の材料密度を達成するために、物理的及び科学的発泡剤が使用される。物理的発泡剤と化学的発泡剤の差異は、物理的発泡剤は、非常に高い蒸気圧を有し、及びA成分(C-A)に存在するポリオール及びB成分(C-B)に存在するポリイソシアネートのポリウレタン反応の間に蒸発することである。
【0004】
ほとんどの場合、物理的発泡剤は、C-A中に溶解するか、又は顧客側で別個に加えられる。多くの物理的発泡剤は、非常に高い蒸気圧を有し、及び更に可燃性であるという理由で、C-A又はC-B中への発泡剤のより大量の事前配合は、安全面で危険性をもたらす。一方、ある顧客はそのラインで、工程において可燃性材料を別個に安全に加えることの体制が整っていない。従って、ただ限られた数の顧客が、例えばシクロ-ペンタン(cP)又はn-ペンタン(nP)を取り扱うことが可能である。
【0005】
更に、現在マーケットで広く使用されている通常の発泡剤は、環境にとって親切なものでない。多くの発泡剤は、クロロ-フルオロ-カーボン(CFC)又はヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)を含んでおり、及びこれらの物質は、オゾン減少への寄与のために、既に禁止されているか、又は近い将来において禁止され得るものである。従ってCFC/HCHC不使用の溶液が高度に好ましいものである。
【0006】
HFC(ヒドロフルオロカーボン)及び特にHFO(ヒドロフルオロオレフィン)は、環境に対してより親切な物理的発泡剤である。従って、これらは市場から禁止されていない。しかし、LBA(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)又は245fa(1,1,1,3,3ペンタフルオロプロパン)は、その価格のために市場では広く受け入れられておらず、従って例えば、価格に動かされるパネルマーケットではその市場における受け入れ性は高くない。
【0007】
物理的発泡剤に加え、化学的発泡剤がPUポリウレタンフォーム材料に使用される。例えばギ酸(FA)及び水(HO)が、最も一般的な化学的発泡剤である。FA及びHOは、イソシアネート基と反応し、アミン基を形成する。この反応の間、二酸化炭素(CO)が形成され、これが実際の発泡剤として作用する。新しく形成されたアミン基は更に、他のイソシアネート基と重合してウレア構造を形成する。発泡の間、連鎖停止は発生しない。
【0008】
【化1】
【0009】
酸性基は、イソシアネート基と反応して無水中間物を形成し得、及び更に反応してアミド構造を形成し、COを分離する。この場合でも、COは実際の発泡剤として作用する。
【0010】
【化2】
【0011】
一塩基酸(mono-acid)が、ポリマー鎖を停止させ、この一方で、二塩基酸(diacid)が、鎖を伸ばす。ポリ酸(poly-acid)は、PU構造の更なる架橋をもたらす。
【0012】
酸ベースの化学的発泡剤は、C-Aに加えることが可能であり、又は粘度が適切であれば、これはラインで別個に加えることが可能である。市場には、幾つかの二塩基酸及びポリ酸が存在するが、しかしながら、これらは従来の発泡剤を超える更なる利益をもたらさず、コスト競争力もなく、その受け入れ性は高くない。追加的に、二塩基酸及びポリ酸の幾つかは、C-Aとの適合性が良好ではなく、このために安定性に問題を有する。
【0013】
それでもなお、高い蒸気圧を有する可燃性の発泡剤の事前配合が安全性に関わるものである。供給元にも、及びまた可燃性発泡剤を取り扱うことができない、又はラインで別個に発泡剤を加えることのない使用者にも、より柔軟にC-Aに配合可能な、代替の発泡剤を使用するニーズが有る。
従って、C-Aに可溶性であり、及びC-A中で相分離の傾向を何ら有さない代替の発泡剤が高度に有利である。良好なC-A適合性に加え、開発された代替の発泡剤は、得られるフォーム特性に追加的な利益、例えばより良好な対火性能(fire performance)をもたらし、及び加工性に追加的な利益、例えば液体フォームの流動をもたらす。
【0014】
特許文献1(US5527876)には、第3級アミン、より特定的にはヘテロ芳香族アミンの存在下でのポリ官能性イソシアネート、カルボン酸及び任意に、アルコールの反応によるCOの放出を伴うアミド基含有プラスチックの製造方法が記載されている。この技術的解決手段を使用して、第3級アミンの存在下に低密度フォームを低い加工温度(RT)で製造することが可能である。
【0015】
特許文献2(EP0711799A2)には、セル状のコア及び基本的に孔を有さない統合スキンを有する、クロロフルオロカーボン非含有の、ウレタン含有成形品が記載されており、すなわち、ポリウレタン(PU)統合フォームが、通常の出発成分を、発泡剤、触媒、及び部分的又は完全に中和された(1)モノエチレン不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸、又はその内部無水物(internal anhydrides)、(2)(2i)モノエチレン不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸、又はその内部無水物、及び(2ii)(2i)と共重合可能なカルボキシル基非含有のモノエチレン不飽和モノマーのコポリマー、及び(3)(3i)モノエチレン不飽和モノカルボン酸、及び/又はその塩、(3ii)モノエチレン不飽和ジカルボン酸、その塩、及び/又はその内部無水物及び(3iii)必要であれば、(3i)及び(3ii)と共重合可能な、カルボキシル基非含有のモノエチレン不飽和モノマーのコポリマー又はグラフトコポリマー、から成る群から選択される少なくとも1種の添加剤の存在下に閉鎖型中で圧縮して反応させることによって、製造されている。
【0016】
しかしながら、これらの文献は、フォームの加工性及び他の特性に関しての利益を何ら示しておらず、この一方で、本革新は、最終的なフォーム特性、例えば対火性能及び加工特性、例えば流動性に、改良を明確に示すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】US5527876
【特許文献2】EP0711799A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を克服し、及び通常のフォームと比較して、より良好な加工性(液体フォームの流れ)を示し、及び通常のものに類似する難燃特性、又はより良好な難燃特性を、類似するNCOインデックスで有する難燃性ポリウレタンフォーム系を提供することにある。難燃性ポリウレタン硬質フォームは、ISO4589-2:1996に従い測定して、LOIインデックスが、少なくとも26%、好ましくは26%~35%、より好ましくは27%~31%のものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
驚くべきことに、発明者は、上述した目的が、ポリウレタンフォーム系であって、
A.ポリオール組成物;及び
B.イソシアネート成分;
から構成され、
ポリオール組成物(A)が、
a)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はこれらの混合物;
b)触媒;
c)少なくとも1種の発泡剤であって、二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含む、発泡剤;
d)難燃剤;
e)添加剤及び/又は補助剤
を含むポリウレタンフォーム系、によって達成されることを見出した。
【0020】
実施形態において、ポリオール組成物(B)は、5~40質量パーセント(質量%)、好ましくは10~30質量%、より好ましくは10~20質量%の、二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含み、ポリオール組成物の質量%値は、ポリオール組成物の合計質量に基づく。
【0021】
更に、カルボキシル基末端コポリマーを形成する二塩基酸成分は、C~C12脂肪族カルボン二酸から選ばれ、そして好ましい実施形態では、二塩基酸成分は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸又はセバシン酸であるカルボキシル基末端を形成する。
【0022】
加えて、カルボキシル基末端コポリマーを形成するアルコール成分は、C~Cジオール又はトリオールから選ばれ、及び好ましい実施形態では、カルボキシル基末端を形成するジオール成分は、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール又は1,4-ペンタンジオールであり、他の好ましい実施形態では、カルボキシル基末端を形成するトリオール成分は、トリエタノールアミン、グリセリン、又はトリメチロールプロパン又は上述した成分の10以下の低級アルコキシル化度での修飾物である。
【0023】
本開示は、ポリウレタンフォームを、本発明に従うポリウレタンフォーム系から製造するための方法にも関する。この方法は、ポリオール組成物(A)を提供する工程、イソシアネート成分(B)を提供する工程、及びポリオール組成物(A)及びイソシアネート成分(B)を、イソシアネート(NCO)インデックスが、200~400、好ましくは220~330、より好ましくは230~300になる質量比で反応させる工程、を含む。
【0024】
好ましい一実施形態では、製造は不連続な系であり、及び他の好ましい一実施形態では、製造は連続系である。
【0025】
更なる一局面では、本開示は、本発明に従い製造された、難燃性硬質ポリウレタンフォームを提供する。
【0026】
他の更なる一局面では、本開示は、本発明に従い製造された難燃性硬質ポリウレタンフォームを含む複合材料を提供する。
【0027】
難燃性複合材料は、ボード又はパネルとして、クリーンルーム冷間保管、冷蔵庫、ルーフパネル、積層及び絶縁ボードに使用するか、又はパイプ絶縁体としてスプレーパイプ用途及び注入パイプの分野に使用しても良い。
【0028】
本願では驚くべきことに、二塩基酸とアルコールのカルボキシル基末端コポリマーを、特定の量でポリウレタンフォーム系に加えることによって、ポリウレタンフォーム系が良好な加工性及び、これと同時に、良好な難燃性及び機械的特性を示すことが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(本発明の詳細な説明)
他に定義していなければ、ここに使用される全ての技術的、及び特定の用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有している。ここに使用される、以下の用語は、他に特定されていなければ、以下のものに属する意味を有する。
【0030】
ここに使用される冠詞「a」及び「an」は、項目の文法的な対象の1又は1を超えるもの(すなわち少なくとも1)を表す。例えば、「要素(an element)」は、1つの要素、又は1を超える要素を意味する。
【0031】
他に定義されていなければ、全ての百分率(%)は、「質量パーセント」である。
【0032】
他に定義されていなければ、温度は室温を表し、及び圧力は周囲圧力を表す。
【0033】
他に定義されていなければ、溶媒は、この技術分野の当業者にとって公知の、全ての有機及び無機溶媒を表し、及び如何なるタイプのモノマー分子をも含まない。
【0034】
種々の実施形態では、ポリウレタンフォーム系が提供される。通常、この系は、ポリオール組成物(A)及びイソシアネート成分(B)で構成され、及びポリオール組成物は、
a)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はこれらの混合物;
b)触媒;
c)少なくとも1種の発泡剤であって、二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含む、発泡剤;
d)難燃剤;
e)添加剤及び/又は補助剤
を含む。
【0035】
ポリウレタンフォームの製造は、他に記載されているが、しかし基本的に、ポリエーテル又はポリエステルポリオール及びイソシアネートとの促進触媒(promoting catalyst)の適切な発泡剤の存在下における反応を含むものである。
【0036】
ポリオール組成物は、少なくとも2つのイソシアネート反応性水素を有する化合物、ウレタン促進触媒、及び二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含む少なくとも1種の発泡剤を少なくとも含む。好ましくは、官能価が2~8、より好ましくは3~6、及びヒドロキシル価が150~850、より好ましくは200~600のポリヒドロキシル化合物が、少なくとも2つの反応性水素原子を有する高分子量化合物の例である。
【0037】
例えば、ポリチオエーテルポリオール、ポリエステルアミド、ヒドロキシル基を含むポリアセタール、ヒドロキシル基を含む脂肪族ポリカーボネート、及び好ましくはポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールである。更に、上述したポリヒドロキシル化合物の少なくとも2種の混合物も、これらが平均ヒドロキシル価を上述した範囲内に有する限り、使用可能である。
【0038】
適切なポリエステルポリオールは例えば、2~12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは4~6個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、及び多価アルコール、好ましくは2~12個、好ましくは2~6個の炭素を有するジオールから製造可能である。ジカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸を含む。ジカルボン酸は個々に、又は混合物に使用可能である。遊離ジカルボン酸の代わりに、対応するジカルボン酸誘導体、例えば1~4個の炭素を有するアルコールのジカルボン酸モノ-又はジ-エステル、又は無水ジカルボン酸も使用しても良い。コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸の、20~35:35~50:20~32質量部の量割合でのジカルボン酸混合物が好ましく、特にアジピン酸が好ましい。二価及び多価アルコール、特にジオールの例は、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、グリセリン、及びトリメチロールプロパンを含む。エタンジオール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はこれらのジオールの少なくとも2種の混合物が好ましく、特に、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールの混合物が好ましい。
【0039】
ポリエステルポリオールは、有機ポリカルボン酸、例えば芳香族又は好ましくは脂肪族ポリカルボン酸及び/又はこれらの誘導体、及び多価アルコールの、触媒不存在下における、好ましくはエステル化触媒の存在下における、好ましくは不活性ガス雰囲気下、例えば窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等の雰囲気下での、150℃~250℃の温度、好ましくは180℃~220℃の温度での溶融状態での、任意に、減圧下での、所望の重合度までの、好ましくは10未満、特に5未満の重合度での重縮合によって製造することが可能である。好ましい実施形態では、エステル化混合物は、上述した温度で、80~30、好ましくは40~30の酸価まで、標準圧力下で、及び次いで500ミリバール未満の圧力、好ましくは50~150ミリバールの圧力下に重縮合にかけられる。適切なエステル化触媒の例は、鉄、カドミウム、コバルト、鉛、亜鉛、アンチモン、マグネシウム、チタニウム及びスズ触媒を、金属、金属酸化物、又は金属塩の状態で含む。しかしながら、重縮合は、液相中で、希釈剤及び/又はエントレイン剤、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、又はクロロベンゼン(縮合水の共沸蒸留用のもの)の存在下に行われても良い。
【0040】
ポリエステルポリオールを製造するために、有機ポリカルボン酸及び/又はその誘導体及び多価アルコールは好ましくは、1:1~1.8、好ましくは1:1.05~1.2のモル割合で重縮合される。
【0041】
得られるポリエステルポリオールは好ましくは、官能価が2~3であり、及びヒドロキシル価が150~500、及び特に200~400である。しかしながら、公知の方法で得られるポリエーテルポリオールが、ポリヒドロキシル化合物として使用するために特に好ましい。例えば、ポリエーテルポリオールは、触媒として、アルカリ性水酸化物、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、又はアルカリアルコラート、例えばナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、又はカリウムエチラート、又はカリウムイソプロピラートを使用し、及び2~8個、好ましくは3~8個の反応性水素を含有する少なくとも1種の開始剤分子を使用することによるアニオン重合によって製造することが可能であり、又は触媒として、ルイス酸、例えば五塩化アンチモン、ホウ素トリフルオリドエテラート等、又は漂白土を使用し、2~4個の炭素をアルキレン基に有する1種以上のアルキレンオキシドから、カチオン重合によって製造することが可能である。
【0042】
適切な環式エーテル及びアルキレンオキシドは、例えば、テトラヒドロフラン、1,3-プロピレンオキシド、1,2-及び2,3-ブチレンオキシド、スチレンオキシドを含み、及び好ましくはエチレンオキシド及び1,2-プロピレンオキシドを含む。アルキレン環式エーテル及びオキシドは、個別に、交互に、次々に、又は混合物として使用しても良い。適切な開始剤分子の例は、水、有機ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、脂肪族及び芳香族の、任意にN-モノ-、N,N-及びN,N’-ジアルキル置換された、アルキル基に1~4個の炭素を有するジアミン、例えば任意にモノ-、及びジアルキル-置換された、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,3-及び1,4-ブチレンジアミン、1,2-、1,3-、1,4-,1,5-及び1,6-ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、2,3-、2,4-及び2,6-トルエンジアミン、及び4,4’-、2,4’-及び2,2’-ジアミノジフェニルメタンを含む。
【0043】
適切な開始剤分子はまた、アルカノールアミン、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチル-及びN-エチルエタノールアミン、N-メチル-及びN-エチルジアタノールアミン及びトリエタノールアミン、更にアンモニアをも含む。
【0044】
好ましくは多価アルコール、特に二価及び/又は三価アルコールであり、例えばエタンジオール、1,2-プロパンジオール及び1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリチリトール、ソルビトール及びスクロース等である。
ポリエーテルポリオールは、官能価が好ましくは3~8であり、及び特に3~6であり、及びヒドロキシル価が300~850、好ましくは350~800である。
【0045】
適切なポリエーテルポリオールはまた、US特許No.4293657に従うメラミンポリエーテルポリオール分散物;US特許No.4305861に従うポリエーテルポリオールの存在下でのポリエポキシド及びエポキシド樹脂硬化剤から調製されたポリマーポリエーテルポリオール分散物;US特許No.4435537に従うポリヒドロキシル化合物中の芳香族ポリエステルの分散物;US特許No.4243755に従うポリヒドロキシル化合物中の有機及び/又は無機充填材の分散物;DEA312402に従うポリウレアポリエーテルポリオール分散物、US特許No.4514526に従うトリス-(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートポリエーテルポリオール分散物、及びUS特許No.4560708に従う結晶性懸濁物であり、上述の特許文献の詳細は、本開示の一部と考えられるべきもので、及び参照によりここに導入される。
【0046】
ポリエステルポリオールと同様に、ポリエーテルポリオールは、個々にでも、又は混合物の状態ででも使用して良い。更に、これらは上述した分散物、懸濁物と混合可能であり、又はポリエステルポリオール及びヒキドロキシル基含有ポリエステルアミド、ポリアセタール及び/又はポリカーボネートと混合可能である。
【0047】
使用可能なヒドロキシル基含有ポリアセタールの例は、グリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4,4’-ジヒドロキシエトキシジフェニルジメチルメタン、ヘキサンジオール及びホルムアルデヒドから製造可能な化合物を含む。適切なポリアセタールはまた、環式アセタールの重合によって製造することも可能である。
【0048】
適切なヒドロキシル基含有ポリカーボネートは、公知のタイプのもの、例えばジオール、例えば1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び/又は1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、又はテトラエチレングリコール、及びジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネート、又はホスゲンの反応によって得られたものを含む。
【0049】
ポリエステルアミドは、多価飽和及び/又は不飽和カルボン酸及びその無水物及びアミノアルコール、又は多価アルコール及びアミノアルコール及び/又はポリアミンの混合物から得られた、主として直鎖状の凝縮物を含む。
【0050】
ポリウレタンフォームは、鎖延長剤及び/又は架橋剤を使用して、又は使用せずに製造することが可能である。適切な鎖延長剤及び/又は架橋剤は、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはジオール及び/又はトリオールを含む。典型的な例は、アルカノールアミン、例えばエタノールアミン及び/又はイソプロパノールアミン;ジアルカノールアミン、例えばジエタノールアミン、N-メチル-、N-エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン;トリアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン;及びエチレンオキシド、又は1,2-プロピレンオキシド、及びアルキレンラジカルに2~6個の炭素原子を有するアルキレンジアミン、例えばN,N’-テトラ(2-ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン、及びN,N’-テトラ(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、2~14個、好ましくは4~10個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、及び/又はアラリファティックジオール、例えばエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,10-デカンジオール、o-、m-、p-ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及び好ましくは1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及びビス(2-ヒドロキシエチル)ヒドロキノンからの付加生成物;トリオール、例えば1,2,4-及び1,3,5-トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセリン及びトリメチロールプロパン;及び低分子量ヒドロキシル基含有ポリアルキレンオキシド、エチレンオキシド及び/又は1,2-プロピレンオキシド及び芳香族ジアミン、例えばトルエンジアミン及び/又はジアミノジフェニルメタン及び上述したアルカノールアミン、ジオール、及び又はトリオール(開始剤分子としてのもの)である。
【0051】
鎖延長剤、架橋剤、又はこれらの混合物が、ポリウレタンフォームの製造に使用される場合、これらはポリオール組成物の質量に基づいて、20質量%以下、より好ましくは2~10質量%の量で使用されることが有利である。
【0052】
適切な触媒(b)は特に、成分のヒドロキシル基含有化合物の、任意にポリイソシアネートとの反応を大きく加速する化合物を含む。例は、有機金属化合物、好ましくは有機スズ化合物、例えば有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えばスズ(II)アセテート、スズ(II)オクタノエート、スズ(II)エチルヘキサノエート及びスズ(II)ラウレート、及び有機カルボン酸のジアルキルチン(IV)塩、例えばジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマーレート、及びジオクチルチンジアセテートを含む。他の好ましい金属化合物、例えばカリウム化合物が、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムビカーボネート、カリウムベンゾエート、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、カリウムプロピオネート、カリウムブチラート、カリウムヴァレラート、カリウムカプロエート、カリウムカプリレート、カリウム2-エチルヘキサノエート、カリウムネオデカノエート、カリウムカプレート、カリウムサリシレート、カリウムラウレート、カリウムオーレート、カリウムマーレート、カリウムシトレート、カリウムオキサレート、カリウムメトキシド、カリウムセルロース、カリウムカルボキシメチルセルロース、カリウムヒアルロネート、カリウムアルギネート、カリウムグルコネート、及びこれらの任意の組合せから成る群から選ばれる。
【0053】
金属化合物は、単体で又は好ましくは強塩基性アミンと組合せて使用される。例は、アミン、例えば2,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、第3級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルブタンジアミン、又は-ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアミノエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、ジメチルピペラジン、1,2-ジメチルイミダゾール、1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン、及び好ましくは1,4-ジアザ-ビシクロ[2.2.-2]オクタン、及びアルカノールアミン化合物、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチル-及びN-エチルジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンを含む。
【0054】
適切な触媒は、トリス-(ジアルキルアミノ-s-ヘキサヒドロトリアジン)、特にトリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)-s-ヘキサヒドロトリアジン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アルキルヒドロキシド、例えばナトリウムヒドロキシド、及びアルカリアルコレート、例えばナトリウムメチラート、及びカリウムイソプロピラート及び10~20個の炭素及び任意にOH従属基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ塩を含む。粒子状触媒又は触媒の組合せが、この技術分野の当業者によって選択されていても良い。
【0055】
本発明に開示されている発泡剤(c)は、二塩基酸とアルコールとのカルボキシル基末端コポリマーを含み、二塩基酸は好ましくは、C~C12脂肪族カルボン二酸(carboxylic diacid)から選ばれ、及びアルコールは、好ましくはC~Cジオール又はトリオールから選ばれる。
【0056】
適切な二塩基酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸を含み、この中で好ましい二塩基酸はアジピン酸である。
【0057】
適切なジオールは、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール及び1,4-ペンタンジオールを含み;及び、適切なトリオールは、トリエタノールアミン、グリセリン又はトリメチロールプロパン、又は上述した成分の、10以下の低級アルコキシル化度で修飾したものを含む。好ましくは、アルコールは、ジエチレングリコール及びトリエチロールプロパンから選択される。
【0058】
種々の実施形態では、カルボキシル基末端コポリマーの分子量が、200~2000、好ましくは150~1300であり;及び酸価が50~600、好ましくは90~600である。
酸価(acid number)は、滴定によって測定され、及び以下の式によって計算される。
【0059】
【数1】
は、官能性として定義され、
は、分子量の数平均として定義される。
【0060】
重合工程は通常の、過剰の二塩基酸モノマー中でのエステル化である。
【0061】
更なる実施形態では、カルボキシル基末端コポリマーは、単独で、又は他の発泡剤と組合せて使用することが可能である。他の発泡剤は、物理的発泡剤、例えばアルカン(例えばペンタン)、フルオロカーボン、ヒドロフルオロ-カーボン、クロロカーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン及び化学的発泡剤、例えば水を含む。
【0062】
本発明の目的のために適切な難燃剤(d)は、好ましくは液体有機リン化合物、例えばハロゲン非含有の有機リン酸塩、例えばトリエチルホスフェート(TEP)、ハロゲン化ホスフェート、例えばトリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)及びトリス(2-クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、及び有機ホスフェート、例えばジメチルメチルホスホナート(DMMP)、ジメチルプロパン(DMPP)、又は固体、例えばアンモニウムポリホスフェート(APP)及び赤リン(red phosphorus)である。更に、難燃剤として、ハロゲン化化合物、例えばハロゲン化ポリオール、及び固体、例えば膨張黒鉛、及びメラミンが適切である。
【0063】
任意に、ポリウレタンフォームを製造するために、他の添加剤及び/又は補助剤(e)が反応混合物中に組み込まれても良い。例は、界面活性剤物質、フォーム安定剤、セル調製剤、フィラー、染料、顔料、加水分解防止剤、静真菌性及び静菌性剤を含む。
【0064】
適切な界面活性剤の例は、出発材料の均一化をサポートするように作用し、及びプラスチックのセル構造を調整しても良い化合物である。特定の例は、スルホン酸の塩、例えば脂肪酸、例えばオレイン酸又はステアリン酸の、ドデシルベンゼン-又はジナフチルメタンジスルホン酸、及びリシノール酸のアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩;フォーム安定剤、例えばシロキサン-オキシアルキレンコポリマー、及び他のオルガノポリシロキサン、オキシエチル化アルキル-フェノール、オキシエチル化脂肪アルコール、パラフィンオイル、キャスターオイルエステル、リシノール酸エステル、ターキーレッドオイル、及びグランドナッツオイル、及びセル調製剤、例えばパラフィン、脂肪アルコール、及びジメチルポリシロキサンである。界面活性剤は、ポリオール組成物を100質量部として、通常0.01~5質量部の量で使用される。更に、ポリオキシアルキレン及びフルオロアルカン側基を有するオリゴマーアクリレートも、乳化効果、セル構造を改良するために、及び/又はフォームを安定化するために適切である。これらの界面活性物質は、ポリオール組成物の質量に基づいて、通常0.01~5質量%の量で使用される。本発明の目的のために、フィラーは、通常の有機及び無機フィラー及び補強材である。特定の例は、無機フィラー、例えばシリケートミネラル、例えばフィロシリケート、例えばアンチゴライト、蛇紋岩、ホルンブレンド、角閃石、クリソタイル、及びタルク;金属酸化物、例えばカオリン、アルミニウムオキシド、チタニウムオキシド、及び鉄オキシド;金属塩、例えばチョーク、バライト、及び無機顔料、例えばカドミウムスルフィド、亜鉛スルフィド及びガラス、特に;カオリン(陶土)、アルミニウムシリケート、及びバリウムサルフェート及びアルミウムシリケートの共沈物、及び天然及び合成の繊維状鉱物、例えば珪灰石、種々の長さの金属及びガラスファイバーである。適切な有機フィラーの例は、カーボンブラック、メラミン、クロロホニル、シクロペンタジエニル樹脂、セルロースファイバー、ポリアミドファイバー、ポリアクリロニトリルファイバー、ポリウレタンファイバー、及び芳香族及び/又は脂肪族ジカルボン酸エステルに基づくポリエステルファイバー、及び特にカーボンファイバーである。無機及び有機フィラーは、個々に又は混合物として使用されても良く、及び成分(ポリオール及びイソシアネート)の質量に対して、0.5~40質量%の量で、ポリオール組成物又はイソシアネートサイドに導入されても良い。
【0065】
本発明におけるイソシアネート成分(B)は、全ての基本的に公知である脂肪族、脂環式、アラリファティック、及び好ましくは芳香族の多価イソシアネートを含む。特定の例は、アルキレンラジカル中に4~12個の炭素を有するアルキレンジイソシアネート、例えば、1,12-ドデカンジイソシアネート、2-エチル-1,4-テトラメチレンジイソシアネート、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、及び好ましくは1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;脂環式ジイソシアネート、例えば1,3-及び1,4-シクロヘキサンジイソシネート及びこれらの異性体の任意の混合物、1-イソシアナート-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナートメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート及び対応する異性体混合物、4,4’-、2,2’-、及び2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び対応する異性体混合物、及び好ましくは、芳香族ジイソシアネート、及びポリイソシアネート、例えば2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート、及び対応する異性体混合物、4,4’-、2,4’-及び2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、及び対応する異性体混合物、4,4’-、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの混合物(ポリマー性MDI)、及びポリマー性MDI及びトルエンジイソシアネートの混合物を含む。有機ジ及びポリイソシアネートは個々に、又は混合物の形態で使用することができる。
【0066】
本発明のポリウレタンフォームは、プレポリマー工程に従い、又はより好ましくはワンショット工程に従い、通常の混合設備を使用してバッチ式(不連続的)に、又は連続的に調製することが可能である。本方法は、ポリオール組成物(A)を提供する工程;イソシアネート成分(B)を提供する工程;及びポリオール組成物(A)及びイソシアネート成分(B)を、イソシアネート(NCO)インデックスが、200~400、好ましくは220~330、より好ましくは230~300になる質量比で反応させる工程、を含む。
【0067】
本発明において、以下の用語は以下の意味を有する:
1)イソシアネートインデックス又はNCOインデックス又はインデックス:NCO-基の処方物中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対する、百分率として与えられた割合:
[NCO]×100(%)/[活性水素]
【0068】
換言すれば、NCOインデックスは、処方物に使用されるイソシアネートに対して反応性の水素の量と反応するのに理論的に必要とされるイソシアネートの量に関し、処方物に実際に使用されたイソシアネートの百分率を表している。
【0069】
ここで使用されるイソシアネートインデックスは、イソシアネート材料及びイソシアネート反応性材料を含む実際の発泡工程の観点から考慮されることが注意されるべきである。変性したポリイソシアネート(この技術分野ではプレポリマーと称されるイソシアネート誘導体を含む)を製造するための、事前工程で消費された如何なるイソシアネート基、又は事前工程で消費された如何なる活性水素(例えば、変性したポリオール又はポリアミンを製造するために、イソシアネートと反応する)も、イソシアネートインデックスの計算には考慮されない。実際の発泡段階で存在する遊離イソシアネート基及び遊離イソシアネート反応性水素(水のものも含む)のみが、考慮される。
【0070】
更なる局面では、本開示は、上述した方法によって製造された難燃性硬質ポリウレタンフォームを提供する。不連続系が1ポイント又は2ポイントインジェクション法を使用して、不連続工程によって製造され得、及び例えば冷蔵庫コンテナ、ルーフパネル等の用途に使用される。液体フォームはゲル化が開始する前に型を満たす必要がある。従って、長いゲル時間を有する系が必要とされる。連続系は、ダブルコンベアベルトライン上での連続工程で製造され得る。製造されたパネルは、例えば低温貯蔵用途に使用され得る。この連続工程の反応性は、不連続工程と比較して、遥かに速い。この理由は、パネルは短時間で処理されてカットされる必要が有るからである。
【0071】
他の更なる局面では、本開示は、本発明に従い製造された難燃性硬質ポリウレタンフォームを含む複合材料(複合体)を提供する。
【0072】
難燃性複合材料(難燃性複合体)は、ボード又はパネルとして、クリーンルーム冷間保管、冷蔵庫、ルーフパネル、積層及び絶縁ボードに使用するか、又はパイプ絶縁体としてスプレーパイプ用途及び注入パイプの分野に使用しても良い。
【実施例
【0073】
測定及び試験方法
測定及び試験方法を表1に示す。
【0074】
表1 測定及び試験基準
【0075】
【表1】
【0076】
更に、流れ特性(Flow property)を、以下のように測定した:液体フォームを100cm×15cm×3cmの寸法の流れ型内に与えた。この液体フォームを流れ型の一端部に配置した。反応の間、型内の温度を30分間、常に57℃に維持した。フォームを型内に30分間維持した後、硬化したフォームを型から除去した。フォームの平均長さ膨張及びフォームの質量を測定した。その後、長さと質量の間の比を計算し、各フォーム組成物の流れをcm/gで決定した。従って、計算した比が大きい程、液体フォームの流動性は良好になる。
【0077】
材料
実施例で使用した材料を以下に示す。
【0078】
ポリオール1、開始剤としてグリセリン-EOを有するポリエステルポリオール(POベース)、OHv240
ポリオール2、開始剤としてグリセリンを有するポリエーテルポリオール(POベース)、OHv230
ポリオール3、開始剤としてソルビトールを有するポリエーテルポリオール(POベース)、OHv490
ポリオール4、開始剤としてDEGを有するポリエーテルポリオール(POベース)、OHv215
酸A1、アジピン酸及びジエチレングリコールのカルボキシル-末端コポリマー(エステル化)、酸価 188、Mn896
酸A2、アジピン酸及びトリメチロールプロパン(TMP550)のカルボキシル-末端コポリマー(エステル化)、酸価 240、Mn701
PMDI、高官能性のオリゴマー及び異性体を含む4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、BASFからのLupranat(登録商標)M20S
酸A1の合成(2-官能性)
この化学品を作り出す化学的な経路は、アジピン酸及びジエチレングリコールのコポリマー/エステル化である。両方のモノマーが、アジピン酸:DEGの質量比を2:1として共重合され、全ての鎖端がアジピン酸で末端キャップされることが確保される。この反応は、0.0025質量%のチタニウムブトキシド(TTB)で触媒化された。反応混合物を反応器内で200℃まで、水分離器下にゆっくりと加熱した。この後、温度を200℃に維持し、及び水の分離を続けた。合計で約5時間後(加熱及び温度を200℃に維持)、及び正しい酸価が達成された後、真空状態が解放され、及び反応混合物が室温まで冷却された。
【0079】
酸A2の合成(3-官能性)
この化学品を作り出す化学的な経路は、アジピン酸及びトリメチロールプロパン(TMP550)のコポリマー/エステル化である。両方のモノマーが、1.433部のTMP550の1質量部のアジピン酸に対する質量比で共重合された。この反応は、0.03質量%のTTBで触媒化された。反応器は、Vigreuxカラム及び凝縮生成物を集めるDean-Starkタイプ凝縮器を備えていた。合成の前半の間、セットアップを窒素ガスで連続的にフラッシュし、酸化を限定し、及び水蒸気の輸送を促進した。攪拌の間、加熱マントルを使用して混合物を120℃に加熱した。混合物の温度が120℃に達した時に触媒を加えた。反応温度を段階的に上昇させ、形成した副生成物の蒸留を維持した。8時間後、230℃で、ポリマーを放置して冷却し、及び反応器から排出した。
【0080】
不連続系
不連続系の組成を、発明に従う発泡剤酸A1のエステルバージョンと一緒に、表2においてEx.1及びEx.2の欄に示す。表2のコントロール1の名称の欄では、参照系の組成が示されている。これらの3種の組成は寸法が40cm×40cm×9cmのボックス型フォームを製造するために使用された。反応の間、型内の温度をコントロール1について60℃に制御し、及びEx.1及びEx.2について、55℃に制御した。フォームを型に注入して30分後、硬化したフォームを離型した。
【0081】
表2 不連続系のレシピ及び特性
【0082】
【表2】
【0083】
NCOインデックスは、PUフォームの火炎性能(fire performance)を改良するための、フォーム系のための主たる要因の一つである。コントロール1の組成のために、300のインデックスが選択され、13cmのB2値及び26.6%のLOI値が達成された。表1中のEx.1の組成中で、他の小さな変化に加え、ポリマー酸A1が20部使用された。全体的なインデックスはまた、300であった。従って、B2値は、8cmに低減可能であり、及びLOI値は29.2%にまで増加した。Ex.2中、インデックスは240まで低減した。得られたB2は12cmで、標準系に類似しており、及びLOIは27.4%で僅かに良好であった。しかし、Ex.2について、流れ(flow)は0.528cm/gで、標準系(0.498g/cm)と比較して、大幅に増加した。
【0084】
要約して、酸A1を使用する場合(Ex.1)、同じNCOインデックスで、火炎性能は改良可能であった。更に、Ex.2の結果は、火炎性能が同程度に維持され得るか、又は改良さえされ得、この一方で、上記インデクスが大幅に減少されることを示した。追加的に、上記系(Ex.2)の流動性は、優れた性能を示した。
【0085】
更に、処理温度はフォームの流れ又は硬化の面で何ら不利な点を得ることなく、5℃低下することが可能であった。
【0086】
ポリマー酸がポリオール組成物(A)の合計質量に基づいて0質量%~30質量%の範囲に存在する場合、ポリオール組成物(A)は水の不存在下に安定である。
【0087】
表3では、混合比が調節され、及び追加的に、NCOインデックスが240~300の範囲に維持された。ポリマー酸含量の増加に伴い、上記インデックスはより低くなるように設計されていた。
処方物の組成及び関連する特性を表3に示した。
【0088】
表3 不連続系内の異なる酸A1濃度のレシピ及び特性
【0089】
【表3】
【0090】
Ex.3では、酸A1の5部だけが使用された。それにもかかわらず、火炎性能はすでに改良されていた。更に、流れの改良も見出された。
【0091】
処方物Ex.3、Ex.4及びEx.5のNOインデックスは、コントロール1(300であった)と比較して、273~240へと徐々に低減した。上記インデックスが大幅に低減してでも、火炎性能はなお、大きな改良を示した。更に、流れも改良された。
【0092】
連続系
これらの2つの組成物を、寸法が40cm×40cm×9cmの個々のボックス型内で発泡させた。型の温度は60℃であった。30分後、ブロックフォームを離型し、及び全ての機械的特性を試験するために使用した。連続系の組成及び特性を表4に示した。
【0093】
表4:連続系のレシピ及び特性:代替の発泡剤を有する及び有さない系の比較
【0094】
【表4】
【0095】
不連続系に類似して、連続系内のインデックスは、コントロール2中の380からEx.6中の330にまで低下させることが可能であった。たとえ上記インデックスが低減してでも、ファイヤー特性は同等に維持された。この一方で、参照系の流動性は増加した。
【0096】
全体的に、不連続系の長所はより明確であるが、しかし連続系ででも、流れの改良及びより低いインデックスにおける非常に良好な火炎性能を達成する可能性が見出された。
【0097】
3-官能性発泡剤酸A2
2-官能性発泡剤酸A1を評価した後、3-官能性酸A2も評価した。この組成及び特性を表5に示す。コントロール1の欄は、参照系の組成が示されており、及び3-官能性発泡剤酸A2を有する系は、欄Ex.7に示されている。2つの系の両方を、型温度60℃下で1つのボックス型(40cm×40cm×9cm)内で発泡させ、及び離型時間は30分であった。このブロックを、全ての機械的特性を試験するのに使用した。
【0098】
表5 3-官能性酸A2のレシピ及び特性
【0099】
【表5】
【0100】
酸A1に類似して、3-官能性発泡剤酸A2も火炎性能及び流れに長所を示した。
【国際調査報告】