(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-18
(54)【発明の名称】アミノシリコーン、着色化合物および有機炭酸エステルを用いる、ケラチン性物質を着色するための剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/898 20060101AFI20221111BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20221111BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20221111BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/46
A61K8/49
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518333
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2020069765
(87)【国際公開番号】W WO2021058159
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】102019214462.4
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100172605
【氏名又は名称】岩木 郁子
(72)【発明者】
【氏名】クルック,コンスタンツェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒルビヒ,ザンドラ
(72)【発明者】
【氏名】モッホ,メラニー
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー-ベッカー,ダニエラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB082
4C083AC072
4C083AC182
4C083AC761
4C083AC762
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB53
4C083CC36
4C083DD27
4C083EE26
(57)【要約】
本発明の主題は、
(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、および
(a2)少なくとも1つの着色化合物、および
(a3) 少なくとも1つの有機炭酸エステル
を含むケラチン性物質、特に人毛を着色するための剤を提供することである。第2の主題は、ケラチン物質を染色するための方法であり、該剤はケラチン物質に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、および
(a2)少なくとも1つの着色化合物、および
(a3)少なくとも1つの有機炭酸エステル
を含む、ケラチン性物質、特に人毛を染色するための剤。
【請求項2】
少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
式(Si アミノ):
【化1】
[式中、
ALK1およびALK2は、独立して、直鎖状または分枝状C
1-C
20二価アルキレン基を表す]
の少なくとも1つの構造単位を含む、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の剤。
【請求項4】
式(Si-I)の構造単位および式(Si-II)の構造単位:
【化2】
を含む、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の剤。
【請求項5】
組成物の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、非常に特に好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1つまたはそれより多くのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の剤。
【請求項6】
顔料、直接染料、フォトクロミック染料、およびサーモクロミック染料からなる群から選択される、少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の剤。
【請求項7】
着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアニド、金属硫酸塩、ブロンズ顔料の群から好ましくは選択される、および/または、少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物でコーティングされた着色雲母または雲母系顔料から好ましくは選択される、無機顔料の群から選ばれる少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の剤。
【請求項8】
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI61565、CI61570、CI74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI11725、CI15510、CI45370、CI71105を有するオレンジ顔料、カラーインデックス番号CI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915、および/またはCI75470を有する赤色顔料からなる群から好ましくは選択される、有機顔料の群から選ばれる少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の剤。
【請求項9】
組成物(a)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、非常に特に好ましくは0.25~1.5重量%の総量で1つまたはそれより多くの顔料(a2)を含有することを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の剤。
【請求項10】
(a3)一般式(KSE-I):
【化3】
[ここで、
R1、R2は、それらが結合している2個の酸素原子と、カルボニル基と共に、C
1-C
12アルキル基、ヒドロキシ-C
1-C
6アルキル基、ヒドロキシ基、またはC
1-C
6アルコキシ基で場合により置換されていてよい、5員環、6員環、または7員環を形成するか、または、R1およびR2は、独立に、C
1-C
12アルキル基、ヒドロキシ-C
1-C
12アルキル基、または場合により置換されたアリール基を表す]
の少なくとも1つの有機炭酸エステル
を含有することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の剤。
【請求項11】
(a3)置換または非置換1,3-ジオキソラン-2-オンの群から好ましくは選択される、少なくとも1つの環状有機炭酸エステル
を含有することを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の剤。
【請求項12】
(a3)一般式(KSE-II):
【化4】
[ここで、
R3は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、ヒドロキシメチル基、またはヒドロキシエチル基を表す]
の少なくとも1つの有機炭酸エステル
を含有することを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の剤。
【請求項13】
(a3)4-メチル-1,3-ジオキソラン、4-ヒドロキシメチル-1-3-ジオキソラン、ジ(n-オクチルカーボネート)、ジ(n-ヘキシルカーボネート)、ジ(n-プロピルカーボネート)、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびジフェニルカーボネートからなる群から選択される、少なくとも1つの有機炭酸エステル
を特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の剤。
【請求項14】
剤の総重量に基づいて、0.1~20.0重量%、好ましくは0.5~15.0重量%、より好ましくは1.0~10.0重量%、非常に好ましくは4.0~8.0重量%の総量で、1つまたはそれより多くの有機炭酸エステル(a3)を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の剤。
【請求項15】
ドデカン-1-オール、テトラデカン-1-オール、ヘキサデカン-1-オール、オクタデカン-1-オール、アラキルアルコール、ヘンイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-オール、(9E)-オクタデカ-9-エン-1-オール、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール、(9Z)-エイコサ-9-エン-1-オール、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール、(13Z)-ドコサ-13-エン-1-オール、(13E)-ドコセン-1-オール、2-オクチル-ドデカノール、2-ヘキシル-ドデカノール、および/または2-ブチル-ドデカノール
からなる群から好ましくは選択される、少なくとも1つのC
12-C
24脂肪アルコールを含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の剤。
【請求項16】
式(T-I):
【化5】
[ここで、
Rbは、飽和または不飽和、非分枝状または分枝状C
8-C
24アルキル基、好ましくは飽和、非分枝状C
16-C
18アルキル基を表し、
mは、10~40の整数、好ましくは20~35の整数、特に好ましくは数30である]
の非イオン性界面活性剤から好ましくは選択される、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1~15のいずれかに記載の剤。
【請求項17】
水を含有し、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~10.5のpHを有することを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の剤。
【請求項18】
以下のステップ:
(1)請求項1~17のいずれかに記載の着色剤をケラチン性物質に適用するステップ、
(2)ケラチン性物質に着色剤を暴露するステップ、および
(3)水で染料を洗い流すステップ
を含む、ケラチン性物質、特に人毛を染色するための方法。
【請求項19】
(2)30秒~15分、好ましくは30秒~10分、特に好ましくは1~5分の範囲の期間で、ケラチン性物質に着色剤(a)を曝露すること
を特徴とする、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)、少なくとも1つの着色化合物(a2)および少なくとも1つの有機炭酸エステル(a3)を含有する、ケラチン性物質、特に人毛を着色するための剤である。
【0002】
本出願の第2の主題は、ケラチン性物質、特に人毛を染色するための方法であり、ここで、本発明の第1の主題の剤がケラチン性物質に適用され、作用させられ、次いで、水で再び洗い流される。
【背景技術】
【0003】
ケラチン性物質、特に人毛の形状および色を変化させることは現代の化粧料の鍵となる領域である。毛髪の色を変えるために、専門家は、カラーリング要件に応じた種々の着色システムを知っている。酸化染料は通常、パーマや、しっかりとした染色のために使用され、良好な堅牢特性を有し、良好に白髪がカバーされる。かかる着色剤は通常、過酸化水素などの酸化剤の影響下で、互いの間で実際の染料を形成する、酸化染料前駆体、いわゆるデベロッパー成分とカプラー成分を含有している。酸化染料は非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
【0004】
直接染料を使用する場合、既製の染料は着色料から毛髪繊維内へと拡散する。酸化的な毛染めと比べて、直接染料で得られる染色は色持ちが短く、すぐに洗い流される。直接染料での染色が毛髪上に残存する期間は、通常、洗髪5回~20回までである。
【0005】
着色顔料の使用は、毛髪および/または皮膚に対して短期間の色変化をもたらすことが知られている。着色顔料は不溶性のカラーリング物質であると理解される。これは、小粒子の形態で染料配合物中に未溶解の状態で存在し、毛髪繊維および/または皮膚表面の外面に堆積されているにすぎない。したがって、これは通常、界面活性剤を含有する洗浄剤で数回洗い流すことによって、残存することなく除去できる。このタイプの種々の製品が、ヘアマスカラという名称で市場において入手可能である。
【0006】
ユーザが特に長持ちする着色を望む場合、これまでは酸化的染料の使用が唯一の選択肢であった。しかし、数多くの最適化の試みにもかかわらず、酸化的毛染めにおける不快なアンモニア臭やアミン臭は完全には回避することができない。また、酸化的染料の使用に依然として伴う毛髪へのダメージもユーザの毛髪に対してマイナス効果を有する。したがって、継続的な課題は、代替となる高性能の染色プロセスについての研究である。特に、顔料の使用に基づく染色の色強度および洗浄堅牢性はなお向上が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、可能な限り酸化的染色に匹敵する色強度を有する染色システムを提供することであった。しかしながら、この目的のために通常使用される酸化染料前駆体は使用すべきではない。従来から既知の着色化合物(特に顔料など)を、毛髪に、非常に耐久性のある方法で固定することを可能にする技術が求められていた。染色プロセスにおいて剤を使用する際、良好な堅牢性を有する特に強い染色結果が達成されるべきである。さらに、該剤は、改善された白髪被覆性も有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、ケラチン性物質、特に毛髪が、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)、少なくとも1つの着色化合物(a2)および少なくとも1つのエステル油(a3)を含有する剤で着色される場合、該課題を優れて解決できることが分かった。
【0009】
本発明の第1の主題は、以下を含む、ケラチン性物質、特に人毛を着色するための剤である:
(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、および
(a2)少なくとも1つの着色化合物、および
(a3)少なくとも1つの有機炭酸エステル。
【発明の効果】
【0010】
本発明で実施された研究の過程において、驚くべきことに、アミノシリコーン(a1)ならびに着色化合物(a2)を含有する剤中で有機炭酸エステル(a3)を使用することで、染色方法においてケラチン性物質、特に人毛に該剤を適用する際に、色強度の改善がもたらされることがわかった。これらの正の効果は、着色化合物(a2)が顔料である場合に観察された。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔ケラチン性物質〕
ケラチン性物質としては、毛髪、皮膚、爪(例えば手の指の爪および/または足の指の爪)が挙げられる。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン性物質の定義に入る。
【0012】
好ましくは、ケラチン性物質は、人毛、ヒト皮膚およびヒト爪、特に手の指の爪および足の指の爪を意味すると理解される。ケラチン性物質は、人毛であると理解される。
【0013】
〔着色剤〕
本発明に関連して、用語「着色剤」は、着色化合物、特に顔料を用いて引き起こされる、ケラチン物質の着色、毛髪の着色のために使用される。この着色プロセスにおいて、顔料は、ケラチン物質の表面に特に均質、均一かつ滑らかなフィルムで着色化合物として堆積される。
【0014】
〔アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)〕
本発明に必須の第1成分(a1)として、剤は少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含有する。アミノ官能化シリコーンポリマーは、あるいは、アミノシリコーンまたはアモジメチコンとも称され得る。
【0015】
シリコーンポリマーは、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1000g/mol、より好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量有するマクロ分子であり、繰り返し有機単位を含む。
【0016】
シリコーンポリマーの最大分子量は重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、一部において重合方法によって決定される。本発明の目的のためには、シリコーンポリマーの最大分子量が107g/mol以下、好ましくは106g/mol以下、特に好ましくは105g/mol以下である場合が好ましい。
【0017】
シリコーンポリマーは多くのSi-O繰り返し単位を含み、Si原子は、有機残基、例えばアルキル基または置換アルキル基を有していてもよい。したがって、あるいはシリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンとも称される。
【0018】
シリコーンポリマーは、高い分子量に対応して、10個より多くのSi-O繰り返し単位、好ましくは50個より多くのSi-O繰り返し単位、より好ましくは100個より多くのSi-O繰り返し単位、最も好ましくは500個より多くのSi-O繰り返し単位に基づくものである。
【0019】
アミノ官能化シリコーンポリマーは、アミノ基を有する少なくとも1つの構造単位を有する官能化シリコーンを意味すると理解される。好ましくは、アミノ官能化シリコーンポリマーは、それぞれが少なくとも1個のアミノ基を有する複数の構造単位を有する。アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を意味すると理解される。全ての該アミノ基は酸性環境下でプロトン化されていることができ、そのカチオン性形態で存在する。
【0020】
原則として、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)が少なくとも1つの第一級、少なくとも1つの第二級および/または少なくとも1つの第三級アミノ基を有する場合、該アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を用いて有利な効果が得られ得る。しかし、最も高い洗浄堅牢性を有する染色は、剤において、少なくとも1つの第二級アミノ基を含むアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を使用する際に見られた。
【0021】
非常に特に好ましい一実施形態において、本発明の剤は、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0022】
第二級アミノ基は、アミノ官能化シリコーンポリマーの種々の部分に配置されていてよい。少なくとも1つの、好ましくは複数の式(Si アミノ):
【化1】
の構造単位を有するアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を使用する際、特に有利な効果が見られた。
【0023】
式(Si-アミノ)の構造単位において、略語ALK1およびALK2は、独立して、直鎖状または分枝状の二価C1-C20アルキレン基を表す。
【0024】
別の非常に特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、該剤が、式(Siアミノ):
【化2】
[式中、
ALK1およびALK2は、独立して、直鎖状または分枝状C
1-C
20二価アルキレン基を表す]
の少なくとも1つの構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0025】
アスタリスク(*)を付した位置は、シリコーンポリマーのさらなる構造単位との結合を示す。例えば、アスタリスクに隣接するケイ素原子は、別の酸素原子に結合していてもよく、アスタリスクに隣接する酸素原子は、別のケイ素原子またはさらにはC1-C6アルキル基に結合していてもよい。
【0026】
二価C1-C20アルキレン基は、代替的に、二価または二価C1-C20アルキレン基と呼ぶことができ、これは、各ALK1またはAK2基が2つの結合を形成することができることを意味する。
【0027】
ALK1の場合、ケイ素原子からALK1基に1つの結合が生じ、第2の結合はALK1と第二級アミノ基との間にある。
【0028】
ALK2の場合、1つの結合は第二級アミノ基からALK2基までであり、第2の結合はALK2と第一級アミノ基との間にある。
【0029】
直鎖状の二価C1-C20アルキレン基の例としては、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)、およびブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)が挙げられる。プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)が特に好ましい。3個のC原子の鎖長から、二価アルキレン基も分枝し得る。分枝状の二価の、二価C3-C20アルキレン基の例は、(-CH2-CH(CH3)-)および(-CH2-CH(CH3)-CH2-)である。
【0030】
別の特に好ましい実施形態では、式(Siアミノ)の構造単位は、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)中の繰り返し単位を表すので、シリコーンポリマーは式(Siアミノ)の複数の構造単位を含む。
【0031】
少なくとも1つの第二級アミノ基を有する特によく適したアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を以下に列挙する。
【0032】
本発明の剤が、式(Si-I)および式(Si-II):
【化3】
の構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有する際、最良の洗浄堅牢度を有する染色を得ることができた。
【0033】
さらに明確に極めて特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、該剤が、式(Si-I)および式(Si-II):
【化4】
の構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有することを特徴とする。
【0034】
構造単位(Si-I)および(Si-II)を有する対応するアミノ官能化シリコーンポリマーは、例えば、市販品DC 2-8566またはDowsil 2-8566 Amino Fluidであり、Dow Chemical Companyによって市販されており、「シロキサンおよびシリコーン、3-[(2-アミノエチル)アミノ]-2-メチルプロピルMe、ジ-Me-シロキサン」という名称およびCAS番号106842-44-8が付けられる。
【0035】
別の好ましい実施形態において、本発明の剤は、式(Si-III):
【化5】
[式中、
・mおよびnは、和(n+m)が1~1000の範囲となるように選択される数値を意味し、
・nは0~999の範囲の数値であり、mは1~1000の範囲の数値であり、
・R1、R2およびR3は、同じかまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、
・ここで、R1~R3のうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
の式の少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0036】
本発明の好ましいさらなる剤は、式(Si-IV):
【化6】
[ここで、
・pおよびqは、和(p+q)が1~1000の範囲となるように選択される数値を意味し、
・pは0~999の範囲の数値であり、qは1~1000の範囲の数値であり、
・R1およびR2は、異なるものであり、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、R1~R2のうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
の式の少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0037】
式(Si-III)のシリコーンと式(Si-IV)のシリコーンは、窒素含有基を有しているSi原子における基が異なる:式(Si-III)では、R2はヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、一方、式(Si-IV)における基はメチル基である。添え字mおよびnまたはpおよびqが示された個々のSi基はブロックとして存在していなくてもよく;むしろ、個々の単位は統計的に分布した様式で存在していてもよい、すなわち、式(Si-III)および(Si-IV)において、必ずしもどのR1-Si(CH3)2基もが-[O-Si(CH3)2]基に結合しているわけではない。
【0038】
式(Si-V):
【化7】
[ここで、
Aは、基-OH、-O-Si(CH
3)
3、-O-Si(CH
3)
2OH、-O-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
Dは、基-H、-Si(CH
3)
3、-Si(CH
3)
2OH、-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
b、nおよびcは0~1000の整数を表す。
より詳しくは
・n>0およびb+c>0
・条件A=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる]
の式の少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含む本発明の剤は、所望される効果に関して特に有効であることもわかった。
【0039】
上記の式(Si-V)において、添え字b、cおよびnを有する個々のシロキサン単位は統計的に分布している、すなわち、必ずしもブロックコポリマーでなくてもよい。
【0040】
本発明の剤は、式(Si-VI):
【化8】
で表される1つまたはそれより多くの異なるアミノ官能化シリコーンポリマーをさらに含んでもよく、式中、Rは、1~約6個の炭素原子を有する炭化水素または炭化水素残基であり、Qは一般式-R
1HZの極性基であり、ここで、R
1は、水素とZ残基に結合されており、炭素原子と水素原子、炭素原子と水素原子と酸素原子、または炭素原子と水素原子と窒素原子で構成される二価の連結基であり、Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能残基であり;「a」は約0~約2の範囲の値をとり、「b」は約1~約3の範囲の値をとり、「a」+「b」は3以下であり、「c」は約1~約3の範囲の数値であり、xは1~約2,000、好ましくは約3~約50、最も好ましくは約3~約25の範囲の数値であり、yは約20~約10,000、好ましくは約125~約10,000、最も好ましくは約150~約1,000の範囲の数値であり、Mは、先行技術において知られた適当なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである。Rで表される基の非限定的な例としては、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルなど;アルケニル基、例えばビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリル;シクロアルキル基、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど;フェニル基、ベンジル基、ハロ炭化水素残基、例えば3-クロロプロピル、4-ブロモブチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルなど;および含硫基、例えばメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルなどが挙げられ;好ましくは、Rは1~約6個の炭素原子を含むアルキル基であり、最も好ましくはRはメチルである。R
1の例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CH
2CH(CH
3)CH
2-、フェニレン、ナフチレン、-CH
2CH
2SCH
2CH
2-、-CH
2CH
2OCH
2-、-OCH
2CH
2-、-OCH
2CH
2CH
2-、-CH
2CH(CH
3)C(O)OCH
2-、-(CH
2)
3CC(O)OCH
2CH
2-、-C
6H
4C
6H
4-、-C
6H
4CH
2C
6H
4-;および-(CH
2)
3C(O)SCH
2CH
2-が挙げられる。
【0041】
Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である。Zの式の一例はNH(CH2)zNH2であり、式中、zは1以上である。Zの別の式は-NH(CH2)z(CH2)zzNHであり、式中、zおよびzzはどちらも独立して、1以上であり、この構造は、ジアミノ環構造、例えばピペラジニルを含む。Zは最も好ましくは-NHCH2CH2NH2基である。Zの別の式は-N(CH2)z(CH2)zzNX2または-NX2であり、式中、X2の各Xは独立して、水素および1~12個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より選択され、zzは0である。
【0042】
Qは最も好ましくは式-CH2CH2CH2NHCH2CH2NH2の極性アミン官能性残基である。式において、「a」は約0~約2の範囲の値をとり、「b」は約2~約3の範囲の値をとり、「a」+「b」は3以下であり、「c」は約1~約3の範囲の数値である。RaQbSiO(4-a-b)/2単位:RcSiO(4-c)/2単位のモル比は約1:2~1:65、好ましくは約1:5~約1:65、最も好ましくは約1:15~約1:20までの範囲である。上記の式の1種以上のシリコーンが使用されるならば、上記の式中の種々の可変置換基は、シリコーン混合物中に存在する種々のシリコーン成分で異なる場合がある。
【0043】
特に好ましい一実施形態において、本発明による剤は、式(Si-VII)の少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含むことを特徴とする:
【化9】
ここで、以下:
・Gは-H、フェニル基、-OH、-O-CH
3、-CH
3、-O-CH
2CH
3、-CH
2CH
3、-O-CH
2CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-CH(CH
3)
2、-O-CH
2CH
2CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
2CH
3、-O-CH
2CH(CH
3)
2、-CH
2CH(CH
3)
2、-O-CH(CH
3)CH
2CH
3、-CH(CH
3)CH
2CH
3、-O-C(CH
3)
3、-C(CH
3)
3であり;
・aは0~3の数値、特に0を表し;
・bは0~1の数値、特に1を表し、
・mおよびnは、その和(m+n)が1~2000、好ましくは50~150となる数値であり、ここで、nは好ましくは0~1999および49~149の値が想定され、mは好ましくは1~2000、1~10の値が想定され、
・R’は、
-Q-N(R’’)-CH
2-CH
2-N(R’’)
2
-Q-N(R’’)
2
-Q-N
+(R’’)
3A
-
-Q-N
+H(R’’)
2A
-
-Q-N
+H
2(R’’)A
-
-Q-N(R’’)-CH
2-CH
2-N
+R’’H
2A
-、
から選択される一価の基であり、
ここで、各Qは化学結合、-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2CH
2CH
2-、-C(CH
3)
2-、-CH
2CH
2CH
2CH
2-、-CH
2C(CH
3)
2-、-CH(CH
3)CH
2CH
2-であり、
R’’は、-H、-フェニル、-ベンジル、-CH
2-CH(CH
3)Ph、C
1-20アルキル基、好ましくは-CH
3、-CH
2CH
3、-CH
2CH
2CH
3、-CH(CH
3)
2、-CH
2CH
2CH
2H
3、-CH
2CH(CH
3)
2、-CH(CH
3)CH
2CH
3、-C(CH
3)
3からなる群より選択される同一の基または異なる基を表し、Aは、好ましくはクロリド、ブロミド、イオダイドまたはメトスルフェートから選択されるアニオンを表す
を意味する。
【0044】
別の好ましい実施形態において、本発明による剤は、式(Si-VIIa):
【化10】
[式中、mおよびnは、その和(m+n)が1~2000、好ましくは50~150となる数値であり、nは好ましくは0~1999および49~149の値が想定され、mは好ましくは1~2000、1~10の値が想定される]
の少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0045】
INCI宣言によれば、このようなシリコーンはトリメチルシリルアモジメチコンと称される。
【0046】
さらなる好ましい実施形態との関連において、本発明の剤は、式(Si-VIIb):
【化11】
[式中、Rは、-OH、-O-CH
3または-CH
3基を表し、m、n1およびn2は、その和(m+n1+n2)が1~2000、好ましくは50~150となる数値であり、和(n1+n2)は好ましくは0~1999および49~149の値が想定され、mは好ましくは1~2000、1~10の値が想定される]
の少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0047】
INCI宣言によれば、このようなアミノ官能化シリコーンポリマーはアモジメチコンと称される。
【0048】
どのアミノ官能性シリコーンが使用されるかに関係なく、アミン価が0.25meq/gより上、好ましくは0.3meq/gより上および0.4meq/gより上であるアミノ官能性シリコーンポリマーを含む剤が好ましい。アミン価はアミノ官能性シリコーン1グラムあたりのアミンのミリグラム当量を表す。これは滴定によって決定することができ、mg KOH/gの単位で表される。
【0049】
さらに、特別な4-モルホリノメチル-置換シリコーンポリマー(a1)を含む剤も適当である。このアミノ官能化シリコーンポリマーは、式(SI-VIII)の構造単位および式(Si-IX)の構造単位を含む。
【化12】
【0050】
対応する4-モルホリノメチル置換型シリコーンポリマーを以下に記載する。
【0051】
非常に特に好ましいアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーの名称で知られており、原料物質Belsil ADM 8301 Eの形態でWackerから市販されている。
【0052】
4-モルホリノメチル置換型シリコーンとして、例えば、式(SI-VIII)、(Si-IX)および(Si-X)の構造単位を有するシリコーンが使用でき、
【化13】
式中、
R1は-CH
3、-OH、-OCH
3、-O-CH
2CH
3、-O-CH
2CH
2CH
3または-O-CH(CH
3)
2であり;
R2は-CH
3、-OHまたは-OCH
3である。
【0053】
特に好ましい本発明による組成物は、式(Si-XI)の少なくとも1つの4-モルホリノメチル置換型シリコーンを含み、
【化14】
ここで、
R1は-CH
3、-OH、-OCH
3、-O-CH
2CH
3、-O-CH
2CH
2CH
3または-O-CH(CH
3)
2であり;
R2は-CH
3、-OHまたは-OCH
3である。
Bは、基-OH、-O-Si(CH
3)
3、-O-Si(CH
3)
2OH、-O-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
Dは、基-H、-Si(CH
3)
3、-Si(CH
3)
2OH、-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
a、bおよびcは、a+b+c>0の条件で、独立して0~1000の整数を表し、
mおよびnは互いに独立して、整数1~1000を表す、
ただし、
・条件B=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる、
・単位a、b、c、mおよびnは分子において統計的に分布しているか、またはブロック状である。
【0054】
構造式(Si-XI)は、シロキサン基nおよびmが、必ずしもそれぞれ末端基BまたはDに直接結合していなくてもよいことを示すことを意図する。むしろ、好ましい式では(Si-VI)a>0またはb>0、特に好ましい式では(Si-VI)a>0およびc>0、すなわち、末端基BまたはDは好ましくはジメチルシロキシ基に結合している。また、式(Si-VI)において、シロキサン単位a、b、c、mおよびnは好ましくは統計的に分布している。
【0055】
本発明に従って使用される式(Si-VI)で表されるシリコーンはトリメチルシリル末端型(DまたはB=-Si(CH3)3)であってよいが、両端がジメチルシリルヒドロキシ末端型または一端がジメチルシリルヒドロキシ末端型およびジメチルシリルメトキシ末端型であってもよい。本発明との関連において特に好ましいシリコーンは、各関連に対して
B=-O-Si(CH3)2OHおよびD=-Si(CH3)3
B=-O-Si(CH3)2OHおよびD=-Si(CH3)2OH
B=-O-Si(CH3)2OHおよびD=-Si(CH3)2OCH3
B=-O-Si(CH3)3およびD=-Si(CH3)2OH
B=-O-Si(CH3)2OCH3およびD=-Si(CH3)2OH
であるシリコーンから選択される。これらのシリコーンは、本発明の剤で処理された毛髪の毛髪特性のかなりの改善、および酸化処理における真剣に改善された保護をもたらす。
【0056】
本発明による剤が特定の量範囲でアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有する場合、特に有利であることが見出された。剤が、剤の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、最も好ましくは0.4~2.5重量%の総量で含有する場合に、特に満足のいく結果が得られた。
【0057】
別の特に好ましい実施形態において、本発明の剤は、剤の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、非常に特に好ましくは0.4~2.5重量%の総量の1つまたはそれより多くのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有することを特徴とする。
【0058】
〔着色化合物(a2)〕
第2の必須成分として、本発明による組成物は、少なくとも1つの着色化合物(a2)を含有する。
【0059】
本発明の目的のために、着色化合物は、ケラチン物質に着色を付与することができる物質である。特によく適した着色化合物は、顔料、直接作用染料、フォトクロミック染料、およびサーモクロミック染料の群から選択することができる。
【0060】
さらに好ましい実施形態では、本発明による剤は、顔料、直接染料、フォトクロミック染料、およびサーモクロミック染料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
【0061】
本発明の意味の範囲内の顔料は、25℃で0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、さらにより好ましくは0.05g/L未満の、水への溶解度を有する着色化合物である。水溶性は、例えば、下記の方法により求めることができる:顔料0.5gをビーカーに秤量する。撹拌子を加える。次いで、1リットルの蒸留水を加える。この混合物をマグネチックスターラーで攪拌しながら25℃まで1時間加熱する。この期間後に混合物中に顔料の未溶解成分が依然として見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。微細に分散した顔料の強度が高いために顔料-水混合物を視覚的に評価することができない場合、混合物を濾過する。未溶解顔料の部分が濾紙上に残っている場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
【0062】
適切な着色顔料は、無機および/または有機起源のものであり得る。
【0063】
好ましい実施形態では、本発明による剤は、無機および/または有機顔料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
【0064】
好ましい着色顔料は、合成または天然無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、オーカー、アンバー、グリーンアース、バーントテラディシエナ、またはグラファイトから製造することができる。さらに、無機着色顔料としては、黒色酸化鉄などの黒色顔料、群青または赤色酸化鉄などの着色顔料、蛍光またはりん光顔料を使用することができる。
【0065】
特に適当であるのは、着色金属酸化物、水酸化物および酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアニド、金属硫酸塩、クロム酸塩、および/またはモリブデン酸塩である。好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および茶色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、群青(ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、CI77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI77289)、アイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI77510)、ならびに/またはカーマイン(コチニール)である。
【0066】
本発明によれば、着色真珠光沢顔料も特に好ましい着色顔料である。これらは、通常、雲母および/または雲母系であり、1つ以上の金属酸化物でコーティングすることができる。雲母は層状ケイ酸塩に属する。これらのケイ酸塩の最も重要な代表物は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、リチア雲母、およびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせて真珠光沢顔料を製造するために、雲母、白雲母または金雲母を金属酸化物で被覆する。
【0067】
天然雲母の代替として、1つ以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用することもできる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成雲母(雲母)をベースとし、上記の金属酸化物のうちの1つ以上で被覆されている。それぞれの顔料の色は、1つまたは複数の金属酸化物の層厚を変えることによって変えることができる。
【0068】
さらに好ましい実施形態では、本発明による剤は、好ましくは、着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアニド、金属硫酸塩、ブロンズ顔料の群から、ならびに/または少なくとも1つの金属酸化物および/もしくは金属オキシ塩化物でコーティングされた着色雲母もしくは雲母系顔料から選択される、無機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含有することを特徴とする。
【0069】
さらに好ましい実施形態では、本発明による組成物は、二酸化チタン(CI77891)、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および/もしくは茶色酸化鉄(CI77491、CI77499)、マンガンバイオレット(CI77742)、群青(ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、CI77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI77289)、酸化クロム(CI77288)、ならびに/またはアイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI77510)からなる群からの1つまたは複数の金属酸化物と反応した、雲母または雲母系顔料から選択される顔料の群からの(a)少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
【0070】
特に好適な着色顔料の例は、MerckからのRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)、およびTimiron(登録商標)、SensientからのAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)、Eckart Cosmetic ColorsからのPrestige(登録商標)、ならびにSunstarからのSunshine(登録商標)という商品名で市販されている。
【0071】
商品名Colorona(登録商標)を有する特に好ましい着色顔料は、例えば、以下のとおりである:
Colorona Copper、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)、アルミナ
Colorona Patina Silver、Merck、雲母、CI77499(酸化鉄)、CI77891(二酸化チタン)
Colorona RY、Merck、CI77891(二酸化チタン)、雲母、CI75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige、Merck、雲母、CI77891(二酸化チタン)、CI77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue、Merck、雲母、二酸化チタン、フェロシアン化第二鉄
Colorona Chameleon、Merck、CI77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Aborigine Amber、Merck、雲母、CI77499(酸化鉄)、CI77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue、Merck、CI77499(酸化鉄)、雲母
Colorona Patagonian Purple、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)、CI77891(二酸化チタン)、CI77510(フェロシアン化第二鉄)
Colorona Red Brown、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)、CI77891(二酸化チタン)
Colorona Russet、Merck、CI77491(二酸化チタン)、雲母、CI77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red、Merck、雲母、二酸化チタン(CI77891)、D&C RED NO.30(CI73360)
Colorona Majestic Green、Merck、CI77891(二酸化チタン)、雲母、CI77288
(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue、Merck、雲母、二酸化チタン(CI77891)、フェロシアン化第二鉄(CI77510)
Colorona Red Gold、Merck、雲母、CI77891(二酸化チタン)、CI77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25、Merck、雲母、二酸化チタン(CI77891)、酸化鉄(CI77491)
Colorona Carmine Red、Merck、雲母、二酸化チタン、カーマイン
Colorona Blackstar Green、Merck、雲母、CI77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20、Merck、雲母、CI77891(二酸化チタン)、CI77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine、Merck、CI77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Sienna、Merck、雲母、CI77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold、Merck、雲母、CI77891(二酸化チタン)、シリカ、CI77491(酸化鉄)、酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29、Merck、雲母、二酸化チタン、酸化鉄、雲母、CI77891、CI77491(EU)
Colorona Mica Black、Merck、CI77499(酸化鉄)、雲母、CI77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold、Merck、雲母、CI77891(二酸化チタン)、CI77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold、Merck、雲母、CI77499(酸化鉄)。
【0072】
商品名Xirona(登録商標)を有する他の特に好ましい着色顔料は、例えば、以下のとおりである:
Xirona Golden Sky、Merck、シリカ、CI77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Caribbean Blue、Merck、雲母、CI77891(二酸化チタン)、シリカ、酸化スズ
Xirona Kiwi Rose、Merck、シリカ、CI77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Magic Mauve、Merck、シリカ、CI77891(二酸化チタン)、酸化スズ。
【0073】
加えて、商品名Unipure(登録商標)を有する特に好ましい着色顔料は、例えば、以下のとおりである:
Unipure Red LC 381 EM、Sensient CI77491(酸化鉄)、シリカ
Unipure Black LC 989 EM、Sensient、CI77499(酸化鉄)、シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM、Sensient、CI77492(酸化鉄)、シリカ。
【0074】
さらなる実施形態では、本発明による剤はまた、有機顔料からなる群から選択される1つ以上の着色化合物(a2)を含んでもよい。
【0075】
本発明による有機顔料は、対応して不溶性の有機染料またはカラーラッカーであり、これは、例えば、ニトロソ、ニトロ-アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリノン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジド、ジオキサジン、および/またはトリアリールメタン化合物の群から選択することができる。
【0076】
特に適当な有機顔料の例は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI61565、CI61570、CI74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI11725、CI15510、CI45370、CI71105を有するオレンジ顔料、カラーインデックス番号CI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915、および/またはCI75470を有する赤色顔料である。
【0077】
別の特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、好ましくは、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI61565、CI61570、CI74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI11725、CI15510、CI45370、CI71105を有するオレンジ顔料、カラーインデックス番号CI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915、および/またはCI75470を有する赤色顔料、からなる群から選択される、有機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
【0078】
有機顔料は、カラー塗料であってもよい。本発明の意味において、カラーラッカーという用語は、吸収された染料の層を含む粒子を意味し、粒子および染料の単位は、上述の条件下で不溶性である。粒子は、例えば、無機基材であり得る。これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム、またはさらにはアルミニウムであり得る。
【0079】
例えば、アリザリンカラーワニスを用いることができる。
【0080】
それらの優れた耐光性および耐熱性のために、本発明の剤における上記顔料の使用が特に好ましい。使用される顔料が特定の粒径を有することも好ましい。したがって、本発明によれば、少なくとも1つの顔料が、1.0から50μm、好ましくは5.0から45μm、好ましくは10から40μm、14から30μmの平均粒径D50を有することが有利である。平均粒径D50は、例えば、動的光散乱(DLS)を用いて求めることができる。
【0081】
着色化合物(a2)、顔料の群からの着色剤化合物は、本発明による剤の第2の必須成分を表し、好ましくは特定の範囲の量で剤に使用される。
【0082】
本発明の剤が、剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、さらに好ましくは0.2~2.5重量%、非常に好ましくは0.25~1.5重量%の総量の1つ以上の顔料(a2)を含有する場合に、特に満足のいく結果が得られた。
【0083】
別の非常に特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、該剤が、剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、非常に特に好ましくは0.25~1.5重量%の総量の1つ以上の顔料(a2)を含有することを特徴とする。
【0084】
着色化合物(a2)として、本発明による剤はまた、1つ以上の直接染料を含有し得る。直接作用染料は、毛髪に直接吸い込まれ、色を形成するための酸化プロセスを必要としない染料である。直接染料は、通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料、またはインドフェノールである。
【0085】
本発明の意味の範囲内の直接染料は、25℃で0.5g/Lを超える水への溶解度(760mmHg)を有し、したがって、顔料と見なされるべきではない。
【0086】
好ましくは、本発明の意味の範囲内の直接染料は、25℃で1.0g/Lを超える水への溶解度(760mmHg)を有する。
【0087】
直接染料は、アニオン性、カチオン性、および非イオン性直接染料に分けることができる。
【0088】
さらなる実施形態では、本発明による剤は、該剤が、アニオン性、非イオン性、およびカチオン性直接染料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
【0089】
好適なカチオン性直接染料としては、Basic Blue7、Basic Blue26、HC Blue16、Basic Violet2およびBasic Violet14、Basic Yellow57、Basic Red76、Basic Blue16、Basic Blue347(Cationic Blue347/Dystar)、HC Blue No.16、Basic Blue99、Basic Brown16、Basic Brown 17、Basic Yellow57、Basic Yellow87、Basic Orange31、Basic Red51 Basic Red76が挙げられる。
【0090】
非イオン性直接染料としては、非イオン性ニトロおよびキノン染料ならびに中性アゾ染料を使用することができる。好適な非イオン性直接染料は、以下の国際名称または商品名で記載されているものである:HC Yellow2、HC Yellow4、HC Yellow5、HC Yellow6、HC Yellow12、HC Orange1、Disperse Orange3、HC Red1、HC Red3、HC Red10、HC Red11、HC Red13、HC Red BN、HC Blue2、HC Blue11、HC Blue12、Disperse Blue3、HC Violet1、Disperse Violet 1、Disperse Violet4、Disperse Black9既知化合物、ならびに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール 2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラム酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸、および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
【0091】
アニオン性直接染料は、酸性染料とも呼ばれる。酸性染料は、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)および/または1つのスルホン酸基(-SO3H)を有する直接染料である。pH値に応じて、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SO3H)は、それらの脱プロトン化形態(-COO-、-SO3
-あり)と平衡状態にある。プロトン化形態の割合は、pHの低下とともに増加する。直接染料がそれらの塩の形態で使用される場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために対応する化学量論当量のカチオンで中和される。本発明の酸性染料は、それらのナトリウム塩および/またはそれらのカリウム塩の形態で使用することもできる。
【0092】
本発明の意味の範囲内の酸性染料は、25℃で0.5g/Lを超える水への溶解度(760mmHg)を有し、したがって、顔料と見なされるべきではない。好ましくは、本発明の意味の範囲内の酸性染料は、25℃で1.0g/Lを超える水への溶解度(760mmHg)を有する。
【0093】
酸性染料のアルカリ土類塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩など)またはアルミニウム塩は、対応するアルカリ塩よりも低い溶解度を有することが多い。これらの塩の溶解度が0.5g/L未満(25℃、760mmHg)である場合、それらは直接染料の定義に入らない。
【0094】
酸性染料の本質的な特徴は、アニオン電荷を形成する能力であり、それによって、これに関与するカルボン酸基またはスルホン酸基は、通常、異なる発色団系に結合している。好適な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料、および/またはインドフェノール染料の構造に見出すことができる。
【0095】
さらなる実施形態では、ケラチン性物質を染色するための剤は、該剤が、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群から選択される少なくとも1つのアニオン性直接染料を含み、上記の群からの染料は、各々、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SO3H)、スルホン酸ナトリウム基(-SO3Na)、および/またはスルホン酸カリウム基(-SO3K)を有することを特徴とする。
【0096】
適当な酸性染料は、例えば、以下の群から選択される1つまたは複数の化合物を含み得る:Acid Yellow1(D&C Yellow7、Citronin A、Ext.D&C Yellow No.7、Japan Yellow403、CI10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow3(COLIPA n°:C54、D&C Yellow N°10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow13)、Acid Yellow9(CI13015)、Acid Yellow17(CI18965)、Acid Yellow23(COLIPA n℃29、Covacap Jaune W1100(LCW)、Sicovit Tartrazine85E102(BASF)、タートラジン、Food Yellow4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No.5)、Acid Yellow36(CI13065)、Acid Yellow121(CI18690)、Acid Orange6(CI14270)、Acid Orange7(2-ナフトールオレンジ、Orange II、CI15510、D&C Orange4、COLIPA n℃015)、Acid Orange10(C.I.16230;Orange Gナトリウム塩)、Acid Orange11(CI45370)、Acid Orange15(CI50120)、Acid Orange20(CI14600)、Acid Orange24(BROWN 1;CI20170;KATSU201;nosodiumsalt;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE24;Japan Brown201;D&C Brown No.1)、Acid Red14(C.I.14720)、Acid Red18(E124、Red 18;CI16255)、Acid Red27(E123、CI16185、C-Rot46、Real red D、FD&C Red Nr.2、Food Red9、Naphthol red S)、Acid Red33(Red33、フクシャレッド、D&C Red33、CI17200)、Acid Red35(CIC.I.18065)、Acid Red51(CI45430、Pyrosin B、テトライオドフルオレセイン、Eosin J、イオデオシン)、Acid Red52(CI45100、Food Red106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacyl Brilliant Pink)、Acid Red73(CI27290)、Acid Red87(Eosin、CI45380)、Acid Red92(COLIPA n℃53、CI45410)、Acid Red95(CI45425、Erythtosine、Simacid Erythrosine Y)、Acid Red184(CI15685)、Acid Red195、Acid Violet43(Jarocol Violet43、Ext.D&C Violet n°2、C.I.60730、COLIPA n℃063)、Acid Violet49(CI42640)、Acid Violet50(CI50325)、Acid Blue1(Patent Blue、CI42045)、Acid Blue3(Patent Blue V、CI42051)、Acid Blue7(CI42080)、Acid Blue104(CI42735)、Acid Blue9(E133、Patent Blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI42090、C.I.Food Blue2)、Acid Blue62(CI62045)、Acid Blue74(E132、CI73015)、Acid Blue80(CI61585)、Acid Green3(CI42085、Foodgreen1)、Acid Green5(CI42095)、Acid Green9(C.I.42100)、Acid Green22(C.I.42170)、Acid Green25(CI61570、Japan Green201、D&C Green No.5)、Acid Green50(Brilliant Acid Green BS、C.I.44090、Acid Brilliant Green BS、E142)、Acid Black1(Black n°401、Naphthalene Black10B、Amido Black10B、CI20 470、COLIPA n°B15)、Acid Black52(CI15711)、Food Yellow8(CI14270)、Food Blue5、D&C Yellow8、D&C Green5、D&C Orange10、D&C Orange11、D&C Red21、D&C Red27、D&C Red33、D&C Violet2、および/またはD&C Brown1。
【0097】
例えば、アニオン性直接染料の水溶性は、以下のようにして決定することができる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに入れる。撹拌子を加える。次いで、水100mLを添加する。この混合物をマグネチックスターラーで攪拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間攪拌する。次いで、水性混合物を視覚的に評価する。まだ溶解していない残留物がある場合、水の量を、例えば10mL段階で増加させる。使用した染料の量が完全に溶解するまで水を添加する。染料の強度が高いために染料-水混合物を視覚的に評価することができない場合、混合物を濾過する。未溶解染料の部分が濾紙上に残っている場合、より多量の水で溶解度試験を繰り返す。アニオン性直接染料0.1gが25℃の水100mLに溶解する場合、染料の溶解度は1.0g/Lである。
【0098】
Acid Yellow1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と呼ばれ、少なくとも40g/L(25℃)の水への溶解度を有する。
【0099】
Acid Yellow3は、2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノ-およびシスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/L(25℃)の水溶性を有する。
【0100】
Acid Yellow9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩と呼ばれ、40g/L(25℃)超の水への溶解度である。
【0101】
Acid Yellow23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃の水に非常に可溶性である。
【0102】
Acid Orange7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水溶性は、7g/L(25℃)を超える。
【0103】
Acid Red18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホネートのトリナリウム塩であり、20重量%超の顕著に高い水溶性を有する。
【0104】
Acid Red33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートのジアントリウム塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
【0105】
Acid Red92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)を超えると示される。
【0106】
Acid Blue9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル)アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートの二ナトリウム塩であり、20重量%(25℃)を超える水への溶解度を有する。
【0107】
さらなる実施形態では、したがって、本発明による剤は、acid yellow1、acid yellow3、acid yellow9、Acid Yellow17、Acid Yellow23、Acid Yellow36、Acid Yellow121、Acid Orange6、Acid Orange7、Acid Orange10、Acid Orange11、Acid Orange15、Acid Orange20、Acid Orange24、Acid Red14、Acid Red27、Acid Red33、Acid Red35、Acid Red51、Acid Red52、Acid Red73、Acid Red87、Acid Red92、Acid Red95、Acid Red184、Acid Red195、Acid Violet43、Acid Violet49、Acid Violet50、Acid Blue1、Acid Blue3、Acid Blue7、Acid Blue104、Acid Blue9、Acid Blue62、Acid Blue74、Acid Blue80、Acid Green3、Acid Green5、Acid Green9、Acid Green22、Acid Green25、Acid Green50、Acid Black1、Acid Black52、Food Yellow8、Food Blue5、D&C Yellow8、D&C Green5、D&C Orange10、D&C Orange11、D&C Red21、D&C Red27、D&C Red33、D&C Violet2、および/またはD&C Brown1からなる群から選択される少なくとも1つの直接染料(a2)を含むことを特徴とする。
【0108】
1つまたは複数の直接作用染料は、所望の色強度に応じて、本発明の剤中で様々な量で使用することができる。剤が、剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量の1つ以上の直接染料(a2)を含有する場合に、満足のいく結果が得られた。
【0109】
さらに、本発明の剤は、着色化合物(a2)として、少なくとも1つのフォトクロミックまたはサーモクロミック染料を含有してもよい。
【0110】
フォトクロミック染料は、UV光(太陽光またはブラックライト)の照射に反応して色相の可逆的変化を伴う染料である。このプロセスにおいて、UV光は、染料の化学構造を変化させ、したがって、それらの吸収挙動(フォトクロミズム)を変化させる。
【0111】
サーモクロミック染料は、温度変化に反応して色相の可逆的変化を伴う染料である。このプロセスにおいて、温度の変化は、染料の化学構造を変化させ、したがって、それらの吸収挙動(サーモクロミズム)を変化させる。
【0112】
本発明の剤は、組成物の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量の1つ以上のフォトクロミック染料(a2)を含有し得る。
【0113】
〔有機炭酸エステル(a3)〕
第3必須成分(a3)として、本発明による剤は、少なくとも1つの有機炭酸エステルを含有する。
【0114】
有機炭酸エステルは、物質的に不安定な炭酸のエステルである。その一般構造式は、R'-O-C(=O)-O-R''であり、ここで、R’およびR''は、水素または有機基のいずれかであり、R’およびR''の少なくとも1つは有機基である。
【0115】
基R’およびR''が同じである場合、炭酸エステル(a3)は対称であり、R’がR''と同じでない場合、炭酸エステル(a3)は非対称である。R’およびR''が同じ有機構造単位に属する場合、環形状の炭酸エステルが存在する。
【0116】
炭酸官能基が1方において未官能化である場合、すなわち、R’またはR''が水素を表す場合、炭酸ハーフエステルが存在する。
【0117】
R’およびR''の両方が有機基を表す場合、炭酸ジエステルが存在する。
【0118】
一般式(KSE-I)の有機炭酸エステルは、本発明の課題を解決するに特に良好な適性を示した:
【化15】
[ここで、
R1、R2は、それらが結合している2個の酸素原子と、カルボニル基と共に、C
1-C
12アルキル基、ヒドロキシ-C
1-C
6アルキル基、ヒドロキシ基、またはC
1-C
6アルコキシ基で場合により置換されていてよい、5員環、6員環、または7員環を形成するか、または、R1およびR2は、独立に、C
1-C
12アルキル基、ヒドロキシ-C
1-C
12アルキル基、または場合により置換されたアリール基を表す。]
【0119】
C1-C12アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基が挙げられる。ヒドロキシ-C1-C6アルキル基の例としては、ヒドロキシメチル基および2-(ヒドロキシエチル基)および3-(ヒドロキシルプロピル基)が挙げられ得る。
【0120】
C1-C6アルコキシ基の例としては、メトキシ基およびエトキシ基が挙げられる。適当なアリール基としては、フェニル基およびナフチル基が挙げられる。
【0121】
さらなる非常に特に好ましい実施形態に関連して、本発明による剤は以下を含有することを特徴とする:
(a3)一般式(KSE-I)の少なくとも1つの有機炭酸エステル
【化16】
[ここで、
R1、R2は、それらが結合している2個の酸素原子と、カルボニル基と共に、C
1-C
12アルキル基、ヒドロキシ-C
1-C
6アルキル基、ヒドロキシ基、またはC
1-C
6アルコキシ基で場合により置換されていてよい、5員環、6員環、または7員環を形成するか、または、R1およびR2は、独立に、C
1-C
12アルキル基、ヒドロキシ-C
1-C
12アルキル基、または場合により置換されたアリール基を表す。]
【0122】
本発明によれば、環状炭酸エステルを使用することが特に適当である。非常に特に好ましい炭酸の環状エステルは、1,3-ジオキソラン-2-オンと称され、以下の構造により記載することができる:
【化17】
【0123】
1,3-ジオキソラン-2-オンの基本体において、2つのH原子が4位および5位のそれぞれに結合する。本発明に関連して、該基本構造の誘導体、すなわち、4位、または、4位および5位において置換された1,3-ジオキソラン-2-オンを使用することも可能であり、好ましい。ここで、構造の多様性に制限はないため、モノ-、ジ-、トリ-およびテトラ-置換型1,3-ジオキソラン-2-オンが、本発明に関して使用するに適している。
【0124】
少なくとも1つの環状有機炭酸エステル(a3)を含有する本発明による剤がケラチン性物質において染色された際、色強度の特に強い増加が見られた。非常に好ましくは、この環状有機炭酸エステルは、置換または非置換の1,3-ジオキソラン-2-オンの群から選ばれる物質であった。
【0125】
さらなる非常に特に好ましい実施形態に関連して、本発明の剤は、
(a3)置換または非置換の1,3-ジオキソラン-2-オンの群から好ましくは選択される、少なくとも1つの環状有機炭酸エステル
を含有することを特徴とする。
【0126】
非置換1,3-ジオキソラン-2-オンに加えて、次の式の4-位においてモノ置換された誘導体が特に好ましい:
【化18】
[式中、Rは置換または非置換のアルキル、アルケニルまたはアルキルアリール基である。]
好ましい基Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、およびヒドロキシメチル基ならびにヒドロキシエチル基である。
【0127】
最も好ましくは、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、ヒドロキシメチル基、またはヒドロキシエチル基を表す。
【0128】
さらなる非常に特に好ましい実施形態に関連して、本発明による剤は以下を含有することを特徴とする:
(a3)一般式(KSE-II)の少なくとも1つの有機炭酸エステル:
【化19】
[ここで、
R3は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、ヒドロキシメチル基、またはヒドロキシエチル基を表す。]
【0129】
特に好ましい1,3-ジオキソラン-2-オンは、エチレンカーボネート(R=H)、プロピレンカーボネート(R=CH3)およびグリセロールカーボネート(R=CH2OH)の群から選ばれる。
【0130】
エチレンカーボネートは、39℃で溶融し、238℃で沸騰する、無色の結晶性化合物である。水、アルコールおよび有機溶媒に容易に溶解可能なエチレンカーボネートは、エチレンオキシドおよび液状CO2から、ラージスケールの合成により製造することができる。
【0131】
プロピレンカーボネートは、1.2057gcm-3の密度を有する、水のように軽く(water-light)、移動しやすい液体であり、融点は-49℃であり、沸点は242℃である。プロピレンカーボネートも、プロピレンオキサイドとCO2を200℃、80barで反応させることにより、ラージスケールで得られる。グリセロールカーボネートは、エチレンカーボネートまたはジメチルカーボネートとグリセロールとのエステル交換によって得ることができ、エチレングリコールまたはメタノールを副生成物として生成する。別の合成ルートは、グリシドール(2,3-エポキシ-1-プロパノール)から始まり、これは、触媒の存在下、加圧下でCO2と反応し、グリセロールカーボネートを形成する。
【0132】
グリセロールカーボネートは、1.398gcm-3の密度を有する、透明の移動しやすい液体であり、125-130℃(0.15mbar)で沸騰する。
【0133】
本発明による剤において非環状炭酸エステル(a3)を使用した際にも、有益な効果が得られた。
【0134】
炭酸モノエステルと炭酸ジエステルの両方が、本発明による剤において使用するに適している。本発明による適当な剤は、式(KSE-III):
【化20】
[式中、
R4は、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の、場合により置換されたC
1-C
8アルキル基、または置換または非置換のアリール基、または、置換または非置換のヘテロ環を表す]
の少なくとも1つの炭酸モノエステルを含有する。
【0135】
式(KE-III)において、R4は、好ましくは置換または非置換、直鎖状または分枝状のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルホン酸基またはハロゲンが好ましい置換基である。他の好ましい基Rは、フェニルおよびベンジル基ならびにさらなる置換された典型例のものである。特に好ましくは、RはC1-6アルキル基を表す。本発明によるC1-C6アルキル基の例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソ-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソ-ペンチル基およびヘキシル基である。
【0136】
本発明による適当な剤は、式(I)中の基R1が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、tert-ブチル基、およびヒドロキシメチル基および、ヒドロキシエチル基から選択されることを特徴とする。
【0137】
炭酸モノエステルの酸性H原子は、中和された形態で存在してもよく、すなわち、本発明によれば、炭酸モノエステルの塩を使用することもできる。ここで、完全にまたは部分的に中和された形態の、好ましくはそのアルカリ金属、アンモニウム、アルカリ土類金属またはアルミニウム塩の形態、または、そのナトリウム塩の形態の、炭酸モノエステル 炭酸モノアミドを含有する、本発明による剤は好ましい。
【0138】
炭酸ジエステル(a3)は、本発明の剤において、さらによく適した炭酸のエステルとして使用することができる。したがって、本発明による好ましい剤は、式(KSE-IV):
【化21】
[式中、R5およびR6は、それぞれ互いに独立して、飽和または不飽和、直鎖状、分枝状または環状、置換または非置換のC1-C8炭化水素基、または置換または非置換のアリール基、または置換または非置換のヘテロ環である]
の少なくとも1つの炭酸ジエステルを含有する。
【0139】
式(KE-IV)において、R5およびR6はそれぞれ独立に、好ましくは、置換または非置換、直鎖状または分枝状のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を表し、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルホン酸基またはハロゲンが好ましくは適当な置換基である。さらなる好ましい基RまたはR’は、フェニル基およびベンジル基、ならびに、さらなる置換された典型例のものである。特に好ましくは、RまたはR’は、C1-6アルキル基を表す。本発明によるC1-C6アルキル基の例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソ-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソ-ペンチル基、およびヘキシル基である。
【0140】
本発明による特に好ましい剤は、式(KE-IV)中の基R5およびR6が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、tert-ブチル基、ならびにヒドロキシメチル基およびヒドロキシエチル基から選択されることを特徴とする。
【0141】
特に好ましい有機炭酸エステル(a3)は、4-メチル-1,3-ジオキソラン、4-ヒドロキシメチル-1-3-ジオキソラン、ジ(n-オクチルカーボネート)、ジ(n-ヘキシルカーボネート)、ジ(n-プロピルカーボネート)、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびジフェニルカーボネートからなる群から選択してよい。
【0142】
さらなる非常に特に好ましい実施形態に関連して、本発明による剤は、以下を特徴とする:
(a3)4-メチル-1,3-ジオキソラン、4-ヒドロキシメチル-1-3-ジオキソラン、ジ(n-オクチルカーボネート)、ジ(n-ヘキシルカーボネート)、ジ(n-プロピルカーボネート)、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびジフェニルカーボネートからなる群から選択される、少なくとも1つの有機炭酸エステル。
【0143】
4-メチル-1,3-ジオキソラン(a3)は最も好ましい。
【0144】
有機炭酸エステルは、例えば、AldrichまたはFlukaなどのファインケミカルの一般的な供給者から市販され購入することもできる。
【0145】
有機炭酸エステル(a3)は、本発明による剤において、特定の範囲の量であることが特に好ましい。
【0146】
本発明の剤が、剤の総重量に基づいて、0.1~20.0重量%、好ましくは0.5~15.0重量%、より好ましくは1.0~10.0重量%、最も好ましくは4.0~8.0重量%の総量で1つまたはそれより多くの有機炭酸エステル(a3)を含有する場合、特に満足のいく結果が得られた。
【0147】
さらなる好ましい実施形態において、本発明による剤は、剤の総重量に基づいて、0.1~20.0重量%、好ましくは0.5~15.0重量%、より好ましくは1.0~10.0重量%、非常に好ましくは4.0~8.0重量%の総量で、1つまたはそれより多くの有機炭酸エステル(a3)を含有することを特徴とする。
【0148】
〔剤中の脂肪成分〕
さらなる任意成分として、本発明による剤は、少なくとも1つの脂肪成分を追加的に含んでもよい。
【0149】
少なくとも1つの脂肪成分を使用することで、剤が最適な粘性を有するエマルションの形態であり、色強度の改善に関する有益性ももたらされることが分かった。
【0150】
脂肪成分は、水の存在下でエマルションを形成することができ、ミセル系を形成する、疎水性物質である。
【0151】
本発明の目的に対して、「脂肪成分」は、室温(22℃)および大気圧(760mmHg)で、1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の水への溶解性を有する有機化合物を意味する。脂肪成分の定義は、非電荷の(すなわち非イオン性の)化合物のみを明示的にカバーする。脂肪成分は、少なくとも12個のC原子を有する少なくとも1つの飽和または不飽和アルキル基を有する。脂肪成分の分子量は、最大で5000g/mol、好ましくは最大で2500g/mol、特に好ましくは最大で1000g/molである。脂肪成分は、エトキシル化化合物でもポリオキシアルキル化化合物でも、ポリグリセリル化化合物でもない。
【0152】
非常に好ましくは、本発明の組成物に含まれる脂肪成分(a4)は、C12-C24脂肪アルコール、C12-C24脂肪酸トリグリセリド、C12-C24脂肪酸モノグリセリド、C12-C24脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素からなる群から選択される。
【0153】
さらなる好ましい実施形態に関連して、本発明の剤は、C12-C24脂肪アルコール、C12-C24脂肪酸トリグリセリド、C12-C24脂肪酸モノグリセリド、C12-C24脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素からなる群から選択される、1つまたはそれより多くの脂肪成分を含有することを特徴とする。
【0154】
これに関連して、非常に特に好ましい脂肪成分は、C12-C24脂肪アルコール、C12-C24脂肪酸トリグリセリド、C12-C24脂肪酸モノグリセリド、C12-C24脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素の群から選ばれる成分であると理解される。本発明の目的に対して、非イオン性物質のみが脂肪成分として明示的にみなされる。脂肪酸およびその塩などの荷電化合物は、脂肪成分であるとはみなされない。
【0155】
C12-C24脂肪アルコールは、12~24個のC原子を有する、飽和、モノまたはポリ不飽和、直鎖状または分枝状の脂肪アルコールであり得る。
【0156】
好ましい直鎖状、飽和C12-C24脂肪アルコールの例は、ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、アラキルアルコール(エイコサン-1-オール)、ヘンイコシルアルコール(ヘンイコサン-1-オール)および/またはベへニルアルコール(ドコサン-1-オール)である。
【0157】
好ましい直鎖状、不飽和脂肪アルコールは、(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、(9E)-オクタデカ-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、ガドレイルアルコール((9Z)-エイコサ-9-エン-1-オール)、アラキドンアルコール((5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール)、エルシルアルコール((13Z)-ドコサ-13-エン-1-オール)および/またはブラシジルアルコール((13E)-ドコセン-1-オール)である。
【0158】
分枝状脂肪アルコールの好ましい例は、2-オクチル-ドデカノール、2-ヘキシル-ドデカノールおよび/または2-ブチル-ドデカノールである。
【0159】
さらなる好ましい実施形態に関連して、本発明による剤は、好ましくは以下からなる群から選択される、少なくとも1つのC12-C24脂肪アルコールを含むことを特徴とする:
ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、
テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、
ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、
オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、
アラキルアルコール(エイコサン-1-オール)、
ヘンイコシルアルコール(ヘンイコサン-1-オール)、
ベへニルアルコール(ドコサン-1-オール)、
(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、
(9E)-オクタデカ-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、
(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、
(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、
ガドレイルアルコール((9Z)-エイコサ-9-エン-1-オール)、
アラキドンアルコール((5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール)、
エルシルアルコール((13Z)-ドコサ-13-エン-1-オール)、
ブラシジルアルコール((13E)-ドコセン-1-オール)、
2-オクチル-ドデカノール、
2-ヘキシルドデカノールおよび/または
2-ブチル-ドデカノール。
【0160】
1つまたはそれより多くのC12-C24脂肪アルコールをかなり特定の範囲の量で使用することが非常に好ましいことがわかった。
【0161】
剤が、1つまたはそれより多くのC12-C24脂肪アルコールを、組成物の総重量に基づいて、2.0~50.0重量%、好ましくは3.0~30.0重量%、より好ましくは4.0~20.0重量%、さらにより好ましくは5.0~15.0重量%、最も好ましくは5.0~10.0重量%の総量で含有する場合、特に好ましい。
【0162】
さらに、適当な脂肪成分として、剤は、C12-C24脂肪酸モノグリセリドおよび/またはC12-C24脂肪酸ジグリセリドである、少なくとも1つのC12-C24脂肪酸トリグリセリドを含有してもよい。本発明の目的のために、C12-C24脂肪酸トリグリセリドは、三価アルコールグリセロールと3当量の脂肪酸とのトリエステルであると理解される。トリグリセリド分子内には構造的に同一の脂肪酸および異なる脂肪酸の両方がエステルの形成に含まれていてよい。
【0163】
本発明によれば、脂肪酸は、飽和または不飽和、非分枝状または分枝状、非置換または置換のC12-C24カルボン酸として理解されるべきである。不飽和脂肪酸はモノまたはポリ不飽和であり得る。不飽和脂肪酸について、そのC-C二重結合はシス配置またはトランス配置を有していてよい。
【0164】
少なくとも1つのエステル基がグリセロールと以下から選択される脂肪酸とから形成される脂肪酸トリグリセリドは特に適当である:
ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸(9Z)-ヘキサデカ-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデカ-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデカ-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコサ-13-エン酸]、リノール酸[(9Z、12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、エレオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]、および/またはネルボン酸[(15Z)-テトラコサ-15-エン酸]。
【0165】
脂肪酸トリグリセリドは天然由来であってもよい。ダイズ油、ラッカセイ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカダミアナッツ油、モリンガ油、アンズ穀粒油、マルラ油および/または場合により硬化されたヒマシ油に由来する、脂肪酸トリグリセリドまたはそれらの混合物は、本発明による製品における使用に特に適当である。
【0166】
C12-C24脂肪酸モノグリセリドは、三価アルコールグリセロールと1当量の脂肪酸とのモノエステルであると理解される。グリセロールの中央ヒドロキシ基またはグリセロールの末端ヒドロキシ基のいずれかが脂肪酸でエステル化されていてよい。
【0167】
グリセロールのヒドロキシル基が脂肪酸でエステル化されたC12-C24脂肪酸モノグリセリドが特に適当であり、該脂肪酸は、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデカ-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデカ-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコサ-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、エレオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]またはネルボン酸[(15Z)-テトラコサ-15-エン酸]から選択される。
【0168】
C12-C24脂肪酸ジグリセリドは、三価アルコールグリセロールと2当量の脂肪酸とのジエステルである。グリセロールの中央および一方の末端のヒドロキシ基が、2当量の脂肪酸でエステル化され得るか、またはグリセロールの両方の末端ヒドロキシ基が、それぞれ1つの脂肪酸でエステル化される。グリセロールは、2つの構造的に同一の脂肪酸または2つの異なる脂肪酸でエステル化することができる。
【0169】
少なくとも1つのエステル基が、グリセロールと、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデカ-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデカ-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコサ-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、エレオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]および/またはネルボン酸[(15Z)-テトラコサ-15-エン酸]から選択される脂肪酸とから形成される、脂肪酸トリグリセリドが特に適当である。
【0170】
剤が、グリセロールと、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデカ-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデカ-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコサ-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、エレオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]および/またはネルボン酸[(15Z)-テトラコサ-15-エン酸からなる群から選択される、1当量の脂肪酸とのモノエステルから選択される、少なくとも1つのC12-C24-脂肪酸モノグリセリドを含有した場合に、特に良好な結果が得られた。
【0171】
さらなる実施形態に関連して、本発明による剤は、グリセロールと、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、テトラコサン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸および/またはドコサン酸からなる群から選ばれる1当量の脂肪酸とのモノエステルから選択される、少なくとも1つのC12-C24脂肪酸モノグリセリドを含むことを特徴とする。
【0172】
1つまたはそれより多くのC12-C24脂肪酸モノグリセリド、C12-C24-脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C24脂肪酸トリグリセリドを、剤において特定の範囲の量で使用することが好ましいことがわかった。
【0173】
本発明による課題の解決に関して、剤が、1つまたはそれより多くのC12-C24脂肪酸モノグリセリド、C12-C24脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C24脂肪酸トリグリセリドを、剤の総重量に基づいて、0.1~20.0重量%、好ましくは0.3~15.0重量%、より好ましくは0.5~10.0重量%、最も好ましくは0.8~5.0重量%の総量で含有する場合、有利であることがわかった。
【0174】
さらに、非常に特に好ましい脂肪成分として、本発明の剤は、少なくとも1つの炭化水素も含み得る。
【0175】
炭化水素は、8~80個のC原子を有する、炭素原子および水素原子のみからなる化合物である。これに関連して、脂肪族炭化水素、例えば鉱油、流動パラフィン油(例えばParaffinium LiquidumまたはParaffinum Perliquidum)、イソパラフィン油、半固体パラフィン油、パラフィンワックス、硬質パラフィン(パラフィン蝋)、ワセリンおよびポリデセンが特に好ましい。
【0176】
これに関して、流動パラフィン油(Paraffinium LiquidumおよびParaffinum Perliquidum)が特に適当であることがわかった。白色油としても知られるParaffinium Liquidumは、好ましい炭化水素である。Paraffinium Liquidumは、25~35個のC原子のC鎖分布を有する炭化水素鎖からなる、精製された飽和脂肪族炭化水素の混合物である。
【0177】
剤が、鉱油、流動ケロシン油、イソパラフィン油、半固体ケロシン油、ケロシンワックス、硬質ケロシン(パラフィン蝋)、ワセリンおよびポリデセンからなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素を含有する場合、特に満足のいく結果が得られた。
【0178】
非常に特に好ましい一実施形態において、本発明による剤は、炭化水素の群から選ばれる少なくとも1つの脂肪成分を含有することを特徴とする。
【0179】
本発明による課題の解決に関して、剤が、剤の総重量に基づいて、0.5~20.0重量%、好ましくは0.7~10.0重量%、より好ましくは0.9~5.0重量%、非常に特に好ましくは1.0~4.0重量%の総量で、1つまたはそれより多くの炭化水素を含有する場合、極めて特に好ましいことがわかった。
【0180】
非常に特に好ましい一実施形態において、本発明による剤は、剤の総重量に基づいて、0.5~20.0重量%、好ましくは0.7~10.0重量%、より好ましくは0.9~5.0重量%、非常に特に好ましくは1.0~4.0重量%の総量で、1つまたはそれより多くの炭化水素を含有することを特徴とする。
【0181】
〔剤中の界面活性剤〕
さらなる任意の成分として、本発明による剤は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含んでもよい。エマルションの形成をさらに最適化するために、剤において、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を使用し続けることが特に好ましいことがわかった。
【0182】
したがって、非常に好ましくは、本発明の剤は少なくとも1つの界面活性剤をさらに含有する。
【0183】
界面活性剤(T)という用語は、表面および界面に吸着層を形成し、またはバルク相で凝集してミセルコロイドもしくはリオトロピック中間相を形成することができる、表面活性物質を示す。疎水性基と負荷電の親水性頭部基からなるアニオン界面活性剤、負電荷と相殺性の正電荷の両方を担持している両性界面活性剤、疎水性残基に加えて正荷電の親水性基を有するカチオン界面活性剤、および電荷をもたないが強い双極子モーメントを有し、水溶液中で強く水和される非イオン界面活性剤に区別される。
【0184】
非イオン性界面活性剤は、親水性基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基またはポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含有する。そのようなリンクとしては、以下が挙げられる:
・2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの、6~30個のC原子を有する直鎖および分枝鎖脂肪アルコール、脂肪アルコールポリグリコールエーテルもしくは脂肪アルコールポリプロピレングリコールエーテルまたは混合脂肪アルコールポリエーテルへの付加生成物、
・2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの、6~30個のC原子を有する直鎖および分枝鎖脂肪酸、脂肪酸ポリグリコールエーテルもしくは脂肪酸ポリプロピレングリコールエーテルまたは混合脂肪酸ポリエーテルへの付加生成物、
・2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの、アルキル基中に8~15個のC原子を有する直鎖および分枝アルキルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテルもしくはアルキルポリプロピレングリコールエーテルまたは混合アルキルフェノールポリエーテルへの付加生成物、
・販売名Dehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis)で入手可能なグレードなどの、8~30個のC原子を含有する直鎖状および分枝状脂肪アルコールへの、8~30個のC原子を含有する脂肪酸への、アルキル基において8~15個のC原子を含有するアルキルフェノールへの、メチル基またはC
2-C
6アルキル基によって終端された、2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物
・1~30モルのエチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC
12-C
30脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
・5~60モルのエチレンオキシドのヒマシ油および硬化ヒマシ油への付加生成物、
・ポリオール脂肪酸エステル、たとえば市販品Hydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol(登録商標)グレード(Cognis)、
・アルコキシル化トリグリセリド、
・式(Tnio-1):
【化22】
[式中、R
1COは、6~22個の炭素原子を有する、直鎖または分枝、飽和および/または不飽和アシル基であり、R
2は水素またはメチルであり、R
3は、1~4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基であり、ならびにwは1~20の数である]
のアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
・アミンオキシド、
・DE-OS 19738866の実施例に記載したような、ヒドロキシ混合エーテル、
・ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリソルベートなどのエチレンオキシドのソルビタン脂肪酸エステルへの付加生成物、
・糖脂肪酸エステルおよびエチレンオキシドの糖脂肪酸エステルへの付加生成物、
・エチレンオキシドの脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへの付加生成物、
・式(E4-II):
【化23】
[式中、R
4は4~22個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルケニル基であり、Gは5または6個の炭素原子を含有する糖基であり、pは1~10の数を表す]
によるアルキルおよびアルケニルオリゴグルコシド型の糖テンシド。それらは、調製有機化学の関連する方法によって得ることができる。アルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドは、5または6個の炭素原子を有するアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースから誘導することができる。したがって、好ましいアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(Tnio-2)におけるインデックス番号pは、オリゴマー化度(DP)、すなわちモノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を示し、1から10の間の数を表す。pは常に個々の分子内の整数でなければならず、値p=1~6をとることができるが、あるアルキルオリゴグリコシドの値pは、分析により求められた算術量であり、これは通常分数を表す。好ましくは、1.1~3.0の平均オリゴマー化度pを有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが使用される。利用技術の観点から、オリゴマー化度が1.7未満、1.2~1.4の間にあるアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが好ましい。アルキルまたはアルケニルラジカルR
4は、4~11個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する第1級アルコールから誘導することができる。典型的な例としては、ブタノール、カプロン酸アルコール、カプリル酸アルコール、カプリンアルコールおよびウンデシル酸アルコール、ならびにその工業用混合物、例えば工業用脂肪酸メチルエステルの水素化において、またはローレンのオキソ合成からのアルデヒドの水素化の過程において得られる混合物が挙げられる。好ましいのは、工業用C
8-C
18ヤシ脂肪アルコールの蒸留分離における初期ステップとして得られ、6重量%未満のC
12アルコールで汚染され得る、鎖長C
8-C
10(DP=1~3)のアルキルオリゴグルコシド、および工業用C
9/
11オキソアルコール(DP=1~3)をベースとするアルキルオリゴグルコシドである。アルキル基またはアルケニル基R15は、12~22個、好ましくは12~14個の炭素原子を有する第1級アルコールから誘導することもできる。典型的な例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドリルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールおよび上記のように得られるその工業用混合物が挙げられる。DPが1~3の硬化C
12/
14ヤシアルコールをベースとするアルキルオリゴグルコシドが好ましい。
・脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミド型の糖界面活性剤、式(Tnio-3)の非イオン性界面活性剤、
【化24】
式中、R
5COは6~22個の炭素原子を含む脂肪族アシル基であり、R
6は水素、1~4個の炭素原子を含むアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、[Z]は、3~12個の炭素原子および3~10個のヒドロキシル基を含む直鎖または分枝鎖のポリヒドロキシアルキル基である。脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、通常、還元糖をアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元的アミノ化し、続いて脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物でアシル化することによって得られる既知の物質である。脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、好ましくは、5または6個の炭素原子を有する還元糖から、とりわけグルコースから誘導される。したがって、好ましい脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、式(Tnio-4):
【化25】
によって表されるような脂肪酸N-アルキルグルカミドである。
好ましくは、式(Tnio-4)のグルカミドは、脂肪酸-N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドとして使用され、式中、R8は水素またはアルキル基を表し、R
7COはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸またはエルカ酸のアシル残基またはその技術的混合物を表す。グルコースのメチルアミンによる還元的アミノ化およびその後のラウリン酸またはC12/14ヤシ脂肪酸または対応する誘導体によるアシル化によって得られる、式(Tnio-4)の脂肪酸N-アルキルグルカミドが特に好ましい。さらに、ポリヒドロキシアルキルアミドは、マルトースおよびパラチノースから誘導することもできる。
【0185】
糖界面活性剤は、好ましくは、本発明による剤中に、剤全体に基づいて0.1~20重量%の量で存在し得る。0.5~15重量%の量が好ましく、0.5~7.5重量%の量が特に好ましい。
【0186】
非イオン性界面活性剤の他の典型的な例としては、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、混合エーテルまたは混合ホルマール、タンパク質加水分解物(とりわけ小麦系植物製品)およびポリソルベートである。
【0187】
脂肪アルコールまたは脂肪酸1モル当たり2~30モルのエチレンオキシドをそれぞれ有する、飽和直鎖脂肪アルコールおよび脂肪酸へのアルキレンオキシド付加生成物、ならびに糖界面活性剤は、好ましい非イオン性界面活性剤であることが判明している。非イオン性界面活性剤としてエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含有する場合、優れた特性を有する調製物も得られる。
【0188】
これらの結合は、以下のパラメータによって識別される。アルキル基Rは、6~22個の炭素原子を含み、直鎖または分枝鎖のどちらかであることができる。1級直鎖および2位メチル分枝脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチル、1-シチルおよび1-ステアリルである。1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチルがとりわけ好ましい。いわゆる「オキソアルコール」が出発材料として使用される場合、アルキル鎖中に奇数の炭素原子を有する化合物が優勢である。
【0189】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物は、それぞれ均一な物質であることができる。しかし、これらの物質の製造において、それぞれの原料に応じて異なるアルキル鎖長を有する物質混合物が得られるように、天然の植物または動物原料から出発することが通常好ましい。
【0190】
脂肪アルコールへのエチレンおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物またはこれらの付加生成物の誘導体である界面活性剤については、「通常の」同族体分布を有する生成物および狭い同族体分布を有する生成物のどちらも使用することができる。「通常の」同族体分布とは、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用した、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応で得られた同族体の混合物が意味される。一方、例えば、触媒として、ハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートを使用する場合、狭くなった同族体分布が得られる。同族体分布の狭い生成物の使用が好ましい場合がある。
【0191】
本発明による剤が、10~40のエトキシル化度を有する少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコールを含有する場合、特に満足のいく結果が得られた。
【0192】
さらなる非常に特に好ましい実施形態において、本発明による剤は、式(T-I):
【化26】
[式中、
Rbは、飽和または不飽和、非分枝状または分枝状C
8-C
24アルキル基、好ましくは飽和、非分枝状C
16-C
18アルキル基を表し、
mは、10~40の整数、好ましくは20~35の整数、特に好ましくは数30である]
の非イオン性界面活性剤から好ましくは選ばれる、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0193】
このタイプの特によく適した非イオン性界面活性剤は、セテアレス-30である。セテアレス-30は、それぞれ30ユニットのエチレンオキシドでエトキシル化された、セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物である。セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物は、セテアリルアルコールとも称される。セテアレス-30は、CAS番号68439-49-6を有し、例えばEumulgin B3の商品名でBASFから購入することができる。
【0194】
非イオン性界面活性剤、特に式(T-I)の非イオン性界面活性剤は、剤(b)において適当な量範囲で好ましくは使用される。したがって、剤(b)の総重量に基づいて、剤(b)は、0.1~20重量%、好ましくは0.2~10重量%、より好ましくは0.3~5重量%、最も好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1つまたはそれより多くの非イオン性界面活性剤を含有してよい。
【0195】
〔剤における水分含量〕
上記に述べた剤は、ケラチン性物質に適用することが可能な即時使用可能な剤である。この即時使用可能な剤は、好ましくは高い水分含量を有する。剤の総重量に基づいて、50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、より好ましくは70.0~90.0重量%、最も好ましくは75.0~90.0重量%の水を含有するものが、特に適当な剤であることがわかった。
【0196】
さらに明確に非常に特に好ましい実施形態において、本発明による剤は、剤の総重量に基づいて、50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、さらに好ましくは70.0~90.0重量%、非常に特に好ましくは75.0~90.0重量%の水を含有することを特徴とする。
【0197】
〔剤中の他の任意成分〕
既に上述した本発明に必須の成分(a1)~(a3)に加えて、本発明の剤はさらなる任意の成分も含有してよい。
【0198】
例えば、剤は、フィルム形成ポリマーを含有してもよい。フィルム形成ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー、ビニルピロリドン/エチレンコポリマー、ビニルピロリドン/プロピレンコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルホルムアミドコポリマー、および/またはビニルピロリドン/ビニルアルコールコポリマーからなる群から選択されてもよく、明示的に非常に特に好ましいのはポリビニルピロリドン(PVP)である。
【0199】
さらに適当なフィルム形成ポリマーは、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーもしくはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーもしくはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーもしくはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーもしくはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、プロピレンのホモポリマーもしくはコポリマー、スチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、および/またはポリアミドの群から選択することができる。
【0200】
合成ポリマー、フリーラジカル重合によって得られるポリマー、または天然ポリマーの群から選択されるフィルム形成ポリマーがよく適していることが判明している。
【0201】
他の特によく適したフィルム形成ポリマーは、シクロオレフィン、ブタジエン、イソプレン、またはスチレンなどのオレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルエーテル、ビニルアミド、少なくとも1つのC1-C20アルキル基、アリール基、またはC2-C10ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドから選択され得る。
【0202】
他のフィルム形成ポリマーは、イソオクチル(メタ)アクリレート;イソノニル(メタ)アクリレート;2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート;ラウリル(メタ)アクリレート);イソペンチル(メタ)アクリレート;n-ブチル(メタ)アクリレート);イソブチル(メタ)アクリレート;エチル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート;tert-ブチル(メタ)アクリレート;ステアリル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのホモまたはコポリマー;および/またはそれらの混合物から選択され得る。
【0203】
さらなるフィルム形成ポリマーは、(メタ)アクリルアミド;N-アルキル-(メタ)アクリルアミド、それらのC2-C18アルキル基を有するもの、例えば、N-エチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、le N-オクチル-アクリルアミド;N-ジ(C1-C4)アルキル-(メタ)アクリルアミドのホモまたはコポリマーから選択され得る。
【0204】
他の適当なアニオン性コポリマーとしては、INCI宣言アクリレートコポリマーで販売されているような、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらのC1-C6アルキルエステルのコポリマーが挙げられる。好適な市販品は、例えば、Rohm&Haas製のAculyn(登録商標)33である。アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらのC1-C6アルキルエステルのコポリマー、ならびにエチレン性不飽和酸およびアルコキシル化脂肪アルコールのエステルも好ましい。好適なエチレン性不飽和酸は、特にアクリル酸、メタクリル酸、およびイタコン酸であり、好適なアルコキシル化脂肪アルコールは、特にステアレス-20またはセテス-20である。
【0205】
市販されているポリマーには、Rohme und Haasによって販売されているAculyn(登録商標)22(アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)、Structure2001(登録商標)(アクリレーツ/ステアレス-20イタコネート酸コポリマー)、Structure3001(登録商標)(アクリレート/セテス-20イタコネートコポリマー)、Structure Plus(登録商標)(アクリレート/アミノアクリレートC10-30アルキルPEG-20イタコネートコポリマー)、Carbopol(登録商標)1342、1382、Ultrez20、Ultrez21(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)、Synthalen W2000(登録商標)(アクリレート/パルメス-25アクリレートコポリマー)、またはSoltex OPT(アクリレート/C12-22アルキルメタクリレートコポリマー)が含まれる。
【0206】
N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニル-(C1-C6)アルキル-ピロール、ビニル-オキサゾール、ビニル-チアゾール、ビニルピリミジン、ビニルイミダゾールのホモおよびコポリマーは、ビニルモノマーに基づく適当なポリマーとして挙げることができる。
【0207】
また、NATIONAL STARCHから商品名AMPHOMER(登録商標)またはLOVOCRYL(登録商標)47で市販されているものなどのコポリマーオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、またはNATIONAL STARCHから商品名DERMACRYL(登録商標)LTおよびDERMACRYL(登録商標)79で市販されているアクリレート/オクチルアクリルアミドのコポリマーも適当である。
【0208】
適当なオレフィン系ポリマーには、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン、およびブタジエンのホモポリマーおよびコポリマーが含まれる。
【0209】
別のバージョンでは、ブロックコポリマーを、少なくとも1ブロックのスチレンまたはスチレンの誘導体を含むフィルム形成疎水性ポリマーとして使用することができる。これらのブロックコポリマーは、スチレン/エチレン、スチレン/エチレン/ブチレン、スチレン/ブチレン、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエンなどのスチレンブロックに加えて、1つ以上の他のブロックを含有するコポリマーであり得る。このようなポリマーは、BASFによって商品名「Luvitol HSB」で市販されている。
【0210】
原則として、アニオン性およびカチオン性ならびに/または非イオン性ポリマーの両方を本発明による剤に使用することができる場合、さらなるイオン性化合物を使用しないこと、またはわずか少量のみ使用することが特に好ましいことが判明した。換言すれば、剤が非イオン性であり、したがってカチオン性およびアニオン性ポリマーを全く含まないか、またはごく少量しか含まない場合に、着色強度の特に強力な改善を達成することができた。このため、剤に含有される全アニオン性ポリマーの総含有量が0.1重量%未満であることが特に好ましいことが分かった。さらに、剤に含有される全カチオン性ポリマーの総含有量が0.1重量%未満であることが特に好ましいことが分かった。カチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーの量は、剤の総重量に関連する。
【0211】
別の非常に特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、該剤の総重量に基づいて、
・剤中に含有される全てのアニオン性ポリマーの総含有量が0.1重量%未満であること、および
・剤中に含有される全てのカチオン性ポリマーの総含有量が0.1重量%未満であること
を特徴とする。
【0212】
上記の非イオン性界面活性剤に加えて、剤は原則として、1つ以上の帯電した界面活性剤も含有することができる。界面活性剤という用語は、界面活性物質を指す。疎水性基および負に帯電した親水性頭部基からなるアニオン性界面活性剤と、負電荷および補償正電荷の両方を有する両性界面活性剤と、疎水性基に加えて正に帯電した親水性基を有するカチオン性界面活性剤と、電荷を有さないが強い双極子モーメントを有し、水溶液中で強く水和される非イオン性界面活性剤と、を区別する。
【0213】
双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つの-COO(-)-または-SO3
(-)基を有する表面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-グリシネート、例えば、ココアルキル-ジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、およびそれぞれアルキル基またはアシル基に8~18個のC原子を有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートなどのいわゆるベタインである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名コカミドプロピルベタインとして既知の脂肪酸アミド誘導体である。
【0214】
両性界面活性剤は、C8-C24アルキルまたはアシル基とは別に、分子中に少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOH-または-SO3H基を含有し、内部塩を形成することができる表面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、アルキル基中にそれぞれ約8~24個のC原子を有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、およびアルキルアミノ酢酸である。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン、およびスルホベタインである。
【0215】
両性界面活性剤の例は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココサシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12-C18-アシルサルコシンである。
【0216】
さらに、剤は、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤を含有してもよい。カチオン性界面活性剤は、それぞれが1つまたは複数の正電荷を有する界面活性剤、すなわち界面活性化合物である。カチオン性界面活性剤は、正電荷のみを含有する。通常、これらの界面活性剤は、疎水性部分および親水性頭部基から構成され、疎水性部分は、通常、炭化水素骨格からなり(例えば、1つまたは2つの直鎖状または分枝状アルキル鎖からなる)、1つまたは複数の正電荷は親水性頭部基にある。カチオン性界面活性剤の例は、
・疎水性基として、8~28個のC原子の鎖長を有する1つまたは2つのアルキル鎖を有し得る第四級アンモニウム化合物、
・8から28個のC原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換された第四級ホスホニウム塩、または
・第三級スルホニウム塩
である。
【0217】
さらに、カチオン電荷は、オニウム構造の形態の複素環(例えば、イミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であってもよい。カチオン性電荷を有する官能単位に加えて、カチオン性界面活性剤は、例えば、エステルクォートの場合のように、他の非荷電官能基も含有し得る。カチオン性界面活性剤は、それぞれの剤の総重量に基づいて、0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0218】
さらに、本発明による剤は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤も含有し得る。アニオン性界面活性剤は、(対応する対カチオンによって中和された)アニオン電荷のみを有する界面活性薬剤である。アニオン性界面活性剤の例は、アルキル基中に12~20個のC原子および分子中に最大16個のグリコールエーテル基を有する脂肪酸、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、およびエーテルカルボン酸である。
【0219】
原則として、アニオン性およびカチオン性および/または非イオン性界面活性剤の両方を本発明による剤に使用することができる場合、さらなるイオン性化合物を使用しないこと、またはそれらを少量のみ使用することが特に好ましいことが判明した。換言すれば、剤が非イオン性であり、したがってカチオン性およびアニオン性界面活性剤を全く含まないか、またはごく少量しか含まない場合に、着色強度の特に強力な改善を達成することができた。このため、剤に含有される全アニオン性界面活性剤の総含有量が0.1重量%未満であることが特に好ましいことが分かった。さらに、剤に含有される全カチオン性界面活性剤の総含有量が0.1重量%未満であることが特に好ましいことが分かった。カチオン性ポリマーまたはアニオン性界面活性剤の量は、剤の総重量に関連する。
【0220】
別の非常に特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、剤の総重量に基づいて、
・剤中に含有される全てのアニオン性界面活性剤の総含有量が0.1重量%未満であること、および
・剤中に含有される全てのカチオン性界面活性剤の総含有量が0.1重量%未満であること
を特徴とする。
【0221】
剤はまた、他の有効成分、助剤および添加剤(例えば溶媒)、構造化剤(例えば、グルコース、マレイン酸、および乳酸など)、ヘアコンディショニング化合物(例えば、リン脂質など、例えばレシチンおよびセファリン);香油、ジメチルイソソルビド、およびシクロデキストリン;繊維構造改善有効成分、特に、グルコース、ガラクトース、フルクトース(Fructose)、果糖(Fruchtzucker)、およびラクトースなどの単糖、二糖、およびオリゴ糖;製品を着色するための染料;ピロクトンオラミン、亜鉛オマジン、およびクライマゾールなどのフケ防止有効成分;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物および/または植物ベースのタンパク質加水分解物、およびそれらの脂肪酸縮合生成物または任意にアニオン性またはカチオン性修飾誘導体の形態;植物油;光安定剤およびUV遮断剤;パンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびそれらの塩、およびビサボロールなどの有効成分;ポリフェノール、特に、ヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボン、およびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン、プロビタミン、およびビタミン前駆体;植物抽出物;脂肪アルコール、蜜蝋、モンタンワックス、およびケロシンなどの脂肪およびワックス;グリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、および第一、第二、および第三リン酸塩などの膨潤剤および浸透剤;ラテックス、スチレン/PVP、およびスチレン/アクリルアミドコポリマーなどの乳白剤;エチレングリコールモノおよびジステアレート、およびPEG-3-ジステアレートなどの真珠光沢剤;ならびにプロパン-ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、および空気などの発泡剤を含有し得る。
【0222】
これらの他の物質の選択は、剤に所望される特性に従って専門家によって行われる。他の任意の構成要素および使用されるこれらの構成要素の量に関しては、専門家に既知の関連マニュアルが明示的に参照される。追加の活性成分および補助物質は、好ましくは、それぞれの剤の総重量に基づいて、それぞれ0.0001~25重量%、特に0.0005~15重量%の量で本発明による剤に使用される。
【0223】
〔剤pH値〕
本発明による剤のpH値は、好ましくは中性からアルカリ性のpHに調整される。最も好ましくは、剤は、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、最も好ましくは8.5~10.5の範囲のアルカリ性pH値を有する。塩基性条件下で、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)は、プロトン化なしで特に良好に溶解または分散させることができる。
【0224】
さらに好ましい実施形態の範囲内で、本発明による剤は、
7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~10.5のpHを有することを特徴とする。
【0225】
所望のpH値を調整するために、剤は、少なくとも1つのアルカリ化剤を含有し得る。本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されたpH値である。
【0226】
アルカリ化剤として、剤は、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、および/または塩基性アミノ酸を含有し得る。
【0227】
本発明の剤に使用することができるアルカノールアミンは、好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するC2-C6アルキル塩基を有する第一級アミンから選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールによって形成される群から選択される。
【0228】
本発明による特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択される。したがって、特に好ましい実施形態は、本発明による剤が、アルカリ化剤として2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンを含有することを特徴とする。
【0229】
本発明の目的のために、アミノ酸は、その構造中に少なくとも1つのプロトン化可能なアミノ基および少なくとも1つの-COOHまたは-SO3H基を含有する有機化合物である。好ましいアミノ酸は、アミノカルボン酸、特にα-(アルファ)-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
【0230】
本発明によれば、塩基性アミノ酸は、7.0を超える等電点pIを有するアミノ酸である。
【0231】
塩基性α-アミノカルボン酸は、少なくとも1個の不斉炭素原子を含有する。本発明の文脈において、両方のエナンチオマーは、特定の化合物またはそれらの混合物として、特にラセミ体として等しく使用することができる。しかしながら、通常はL配置の天然に好ましい異性体形態を使用することが特に有利である。
【0232】
塩基性アミノ酸は、好ましくは、アルギニン、リジン、オルニチン、およびヒスチジンによって形成される群から選択され、特に好ましくはアルギニンおよびリジンである。したがって、別の特に好ましい実施形態では、本発明による剤は、アルカリ化剤がアルギニン、リジン、オルニチン、および/またはヒスチジンの群からの塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
【0233】
さらに、剤は、他のアルカリ化剤、特に無機アルカリ化剤を含有してもよい。本発明により使用可能な無機アルカリ化剤は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムによって形成される群から選択される。
【0234】
特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムである。
【0235】
別の非常に特に好ましい実施形態では、本発明による方法は、剤がアンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパンe-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1つのアルカリ化剤を含むことを特徴とする。
【0236】
[ケラチン物質の染色方法]
上記の剤は、ケラチン性物質、特に人毛を染色するための方法において好適に使用することができる。
【0237】
したがって、本発明の第2の主題は、以下のステップを含む、ケラチン性物質、特に人毛を着色するための方法である:
(1)ケラチン性物質へ着色剤を適用するステップ、ここで、該着色剤は本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている剤である、
(2)ケラチン性物質へ着色剤を曝露するステップ、および
(3)水で染料を洗い流すステップ。
【0238】
本発明による方法のステップ(1)において、第1の発明の剤が、最も好ましくは人毛であるケラチン性物質に適用される。
【0239】
次いで、本発明による方法のステップ(2)において、該剤を、その適用後にケラチン性物質に作用させる。これに関連して、例えば、30秒~60分の異なる曝露時間が考えられる。
【0240】
しかしながら、本発明による染色システムの主な利点は、短い曝露時間の後の短い期間でさえ、強烈な色の結果を達成することができることである。このため、適用混合物が、その適用後、30秒~15分、好ましくは30秒~10分、特に好ましくは1~5分の比較的短期間だけケラチン性物質上に残存する場合に有利である。
【0241】
さらに好ましい実施形態では、本発明による方法は、
(2)30秒~15分、好ましくは30秒~10分、最も好ましくは1~5分の範囲の期間で、ケラチン性物質へ着色剤を曝露すること
によって特徴付けられる。
【0242】
最後に、ケラチン物質に対する適用混合物の作用に続いて、これは、本方法のステップ(3)において水で洗い流される。
【0243】
ここで、一実施形態では、適用混合物を水のみで、すなわち後処理剤またはシャンプーを用いずに洗い流すことができる。ステップ(6)における後処理剤またはコンディショナーの使用も原理的に考えられる。
【0244】
しかしながら、本発明による課題を解決し、使用の利便性を高めるためには、さらなる後処理剤、シャンプー、またはコンディショナーの助けを借りずに、ステップ(3)において剤を水のみで洗い流すことが特に好ましいことが判明した。
【0245】
さらに好ましい実施形態では、本発明による方法は、
(3)水のみを用いて染料を洗い流すこと
を特徴とする。
【0246】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態に関して、必要な変更を加えて、本発明による剤について述べたことが適用される。
【実施例】
【0247】
[1.製剤]
以下の製剤を調製した(特記しない限り、全てのデータの単位は重量%):
【表1】
【0248】
[2.適用]
調製後、それぞれの剤(V1およびE1)を毛髪に適用した(Kerling、Euronatural hair white、リカー比:毛髪1g当たり1gの剤)。剤を3分間作用させた。その後、毛髪を水で十分に洗浄し(1分間)、乾燥させ、次いでDatacolor製の比色計Spectraflash 450型で比色測定した。
【0249】
色強度の評価に使用されるdE値は、以下のように、各毛髪部で測定されたL*a*b*比色値から導出される:
dE=[(Li-L0)2+(ai-a0)2+(bi-b0)]1/2
L0、a0、およびb0=比較染色(V1)の測定値
Li、ai、およびbi=本発明の(E)による染色の測定値
【0250】
着色の色度は、次の式に従って計算される。
【数1】
C値が大きいほど、色の色度が高くなる。
【0251】
L値は色の明るさを示す。L値が低い程、色が濃くなり、より強くなる。
【表2】
【0252】
より暗く、より強い色度(より低いL値)、および、より高い色度(より高いC値)が、本発明(E1)の剤について測定された。
【国際調査報告】