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特表2022-549113ワックスディスパージョン用の安定化剤濃縮物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】ワックスディスパージョン用の安定化剤濃縮物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/92 20060101AFI20221116BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20221116BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20221116BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20221116BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/86
A61K8/37
A61K8/60
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K8/44
A61K8/06
A61K8/39
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517163
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2020075321
(87)【国際公開番号】W WO2021052856
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】19198065.5
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニーンディック,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】マウアー,ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,アンケ
(72)【発明者】
【氏名】ボイセン,ノルベルト
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC391
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC441
4C083AC642
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC792
4C083AD042
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD352
4C083AD662
4C083BB07
4C083CC05
4C083CC23
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD31
4C083EE01
4C083FF05
(57)【要約】
本発明は、パーソナルケア組成物中のワックスディスパージョンの形態である、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルのワックスの安定性を改善する安定化剤濃縮物であって、安定化剤濃縮物は、水添ヒマシ油及び選択された非イオン性乳化剤、特にアルキルポリグルコシドを含み、アニオン性界面活性剤を含まない、前記安定化剤濃縮物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールエステルのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスのための安定化剤濃縮物であって、それによって前記ワックスはパーソナルケア組成物に含まれるディスパージョンの形態であり、前記濃縮物が、以下:
(a) 水添ヒマシ油、
(b) 脂肪アルコールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、エトキシル化トリグリセリド、エトキシル化脂肪酸グリセロールエステル;混合エーテル又は混合ホルマール;ポリソルベート及び糖系炭水化物からなる群から選択される非イオン性乳化剤、
(c) 任意に両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤、
(d) 任意に他の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
(e) 水
を含み、但し前記濃縮物はアニオン性界面活性剤を含まず、水添ヒマシ油a)を7.0重量%超、20重量%以下の量で含み、(a)~(d)の量の合計が30重量%~80重量%の範囲内であり、水で合計100重量%となる、
前記濃縮物。
【請求項2】
前記濃縮物が、濃縮物に対して7.5~15重量%、好ましくは8.5~12重量%の範囲の量の(a)水添ヒマシ油を含むことを特徴とする、請求項1に記載の濃縮物。
【請求項3】
前記濃縮物が、糖系炭水化物、好ましくはアルク(エン)イルポリグリコシド、グルクロン酸誘導体及び脂肪酸N-アルキルグリカミドからなる群から選択される非イオン性乳化剤b)を含み、特にアルク(エン)イルポリグリコシドからなる群から選択される非イオン性乳化剤b)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の濃縮物。
【請求項4】
前記濃縮物が、濃縮物に対して10~60重量%の範囲の量の非イオン性乳化剤b)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項5】
非イオン性乳化剤b)と水添ヒマシ油(a)との量比が2:1~4:1の範囲内であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項6】
前記濃縮物が、濃縮物に対して0.1~15重量%の範囲の量の他の助剤又は添加剤(塩を含む)(d)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項7】
前記濃縮物が、ベタイン及び/又はアンホアセテートからなる群から選択される両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤(c)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項8】
前記濃縮物が、濃縮物に対して0~30重量%の範囲の量の両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤(c)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項9】
前記濃縮物が、
(a) 7重量%超、20重量%以下の水添ヒマシ油、
(b) 10.0~60.0重量%の非イオン性乳化剤、
(d) 0.1~15.0重量%の、他の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
(e) 合計100重量%となる量の水
からなることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項10】
前記濃縮物が、
(a) 7.5~20重量%の水添ヒマシ油、
(b) 20.0~50.0重量%の非イオン性乳化剤、
(d) 0.1~15.0重量%の、他の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
(e) 合計100重量%となる量の水
からなることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項11】
前記濃縮物が、2,500~8,000mPas、とりわけ3,000~7,000mPasの範囲の粘度(Brookfield、RVT;スピンドル4;10rpm;20℃)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項12】
前記濃縮物が、ワックスの重量%基準で、90~100重量%のジエチレングリコールジ脂肪酸エステル及び0~10重量%のジエチレングリコールモノ脂肪酸エステルを含むワックス、特に好ましくは、脂肪酸混合物の重量%基準で、90~98重量%のステアリン酸及び2~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物のエステルを含むワックスを安定化させることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項13】
前記濃縮物が、Mastersizer 2000(登録商標)によるレーザー回折を介して測定して、0.8~3.5μm、とりわけ1.0~3.0μmの平均粒径d50を有するワックスを安定化させることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項14】
成分(a)、(b)及び任意に(c)及び/又は任意に(d)を一緒に混合し、必要量の水を加え、混合物を約85~95℃に加熱し、その後撹拌しながら冷却することにより濃縮物を製造することを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の濃縮物を製造する方法。
【請求項15】
モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールエステルのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスのための安定化剤としての、請求項1~11及び/又は請求項14のいずれか1項に記載の濃縮物の使用であって、それによりワックスがパーソナルケア組成物に含まれるディスパージョンの形態である、前記使用。
【請求項16】
前記濃縮物が、請求項14に記載の方法により製造されることを特徴とする、請求項15に記載の濃縮物の使用。
【請求項17】
前記濃縮物が、パーソナルケア組成物、好ましくはカチオン性ポリマーを含むパーソナルケア組成物においてパール化剤及び/又は乳白剤としてワックスディスパーションの形態で使用されるワックスのための安定化剤であることを特徴とする、請求項15に記載の濃縮物の使用。
【請求項18】
A) 0.1重量%~5重量%の、とりわけ0.25重量%~3重量%の、請求項1~13のいずれか1項に記載の濃縮物、及び
B) モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスを含むワックスディスパージョン、及び
C) アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤から選択される群から選択される1種以上の洗浄界面活性剤、及び
D) 任意にカチオン性ポリマー、及び
E) 任意に、C)及び/又はD)とは異なる他の1種以上の成分
を含むパーソナルケア組成物。
【請求項19】
1種以上の界面活性剤C)及びワックスディスパージョンB)及び任意にカチオン性ポリマーD)を室温で混合し、請求項1~13のいずれか1項に記載の濃縮物A)を添加して一緒に撹拌し、ここで任意に他の成分E)を濃縮物A)の添加前又は添加後に添加し得ることを特徴とする、請求項18に記載のパーソナルケア組成物を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケアディスパージョン中のワックスディスパージョンの形態で使用される、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルのワックスの安定性を改善することができる安定化剤濃縮物(stabilizer concentrate)であって、水添ヒマシ油及び非イオン性乳化剤を含み、且つアニオン性界面活性剤を含まない上記安定化剤濃縮物に関し;さらに、本発明は、かかる濃縮物の使用及びそれらの製造方法、並びにそれらを含むパーソナルケア組成物及びパーソナルケア組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術
アルキレングリコール脂肪酸エステルをベースとするワックスディスパージョンの使用は、魅力的で、リッチな、興味深い外観を有するパーソナルケア製品を提供するための、長年にわたって確立されてた公知技術である。所望の外観特性に応じて、ワックスディスパージョンを、高い輝度を有するパール化(真珠光沢)特性及び/又は高い白度を有する乳白特性を生じさせるように改変することができる。パーソナルケア組成物における意図される使用のため、ワックスディスパージョンは、他の成分との高い適合性、優れた物理的安定性、とりわけ保存安定性及び外観特性における高い性能を有する必要がある。さらに、パーソナルケア組成物の製造者は、溶融のような時間とエネルギーを消費する製造ステップを伴うことなく工程中に添加することが容易なワックスディスパージョンを有することを欲している。
【0003】
好ましいオプションは、プレミックスされたワックスディスパージョンの形態のワックスを使用することである。欧州特許第EP 0581193 B1号及び第EP 0568848 B1号は、大量の脂肪酸グリコールエステル、双性イオン性界面活性剤としてのベタイン、及び非イオン性界面活性剤としての脂肪アルコールアルコキシレートを含む流動性濃縮パール化製剤について開示している。国際特許出願WO 96/21711は、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含むパール化濃縮物についても記載している。
【0004】
WO 2003/033634 A1は、流動性且つ高濃度の、脂肪酸グリコールエステル、両性界面活性剤及び脂肪酸部分グリセリドをベースとする乳白剤調製物について記載している。
【0005】
残念なことに、パーソナルケア製品におけるワックスディスパージョンの使用は、少なくとも消費者にとっては極めて美的に魅力的ではない、製品の分離をもたらす場合がある。ワックスディスパージョンを含むパーソナルケア組成物の安定性を改善するため、EP 2037877 B1は、水添ヒマシ油を使用することについて開示している。しかしながら、水添ヒマシ油は、さらなる製造ステップにおいて温める必要性があり、このステップは遅く、費用がかかる。
【0006】
EP 3324927は、水添ヒマシ油の水性ディスパージョンについて記載しており、これは、シャンプー又はシャワージェルのような化粧品組成物を安定化させるために、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる界面活性剤混合物と一緒に使用されている。ディスパージョンは室温で添加することが可能であり、すなわち、さらなる製造ステップは必要ではない。それにも関わらず、これらの水添ヒマシ油のディスパージョンは高い粘度を有し、流動性ではなく、したがってこのため、均質化するために長時間の撹拌及び高撹拌速度が必要である。
【0007】
WO 2016/064847は、水添ヒマシ油に由来する結晶を含むプレミックス組成物を含むパーソナルケア組成物について記載している。前記プレミックスは、水添ヒマシ油を界面活性剤及び水と合わせ、全体を高せん断下で65~84℃に加熱することにより形成される。しかしながら、全ての実施例によれば、このプレミックス組成物はアニオン性界面活性剤の存在を必要とし、高い粘度を示す。さらに、このようなディスパージョンの製造は、84℃超の温度は所望の結果をもたらさないので、極めて温度感受性であるように見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP 0581193 B1
【特許文献2】EP 0568848 B1
【特許文献3】WO 96/21711
【特許文献4】WO 2003/033634 A1
【特許文献5】EP 2037877 B1
【特許文献6】EP 3324927
【特許文献7】WO 2016/064847
【発明の概要】
【0009】
従って、高い活性成分含有量(濃縮物)及び極めて低い粘性を有するパーソナルケア組成物においてワックスディスパージョンの形態で使用されるワックスのためのさらなる安定化剤が必要である。さらに、安定化剤は、パーソナルケア組成物、特にパーソナルケア組成物において、とりわけデポジション剤(deposition agent)を含むパーソナルケア組成物において、例えば、カチオン性ポリマーを含むコンディショナーにおいて、ワックスの安定性を改善すべきである。さらに、容易且つ費用対効果の高い様式で、とりわけ室温で(「低温加工(cold processing)を介して」)ブレンドし得る安定化剤が必要である。
【0010】
発明の説明
本発明は、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールエステルのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスのための安定化剤濃縮物であって、それによって上記ワックスはパーソナルケア組成物に含まれるディスパージョンの形態であり、上記濃縮物が、以下:
(a) 水添ヒマシ油、
(b) 脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエーテル、エトキシル化脂肪酸グリセロールエステル;混合エーテル又は混合ホルマール;ポリソルベート及び糖系炭水化物からなる群から選択される非イオン性乳化剤、
(c) 任意に両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤、
(d) 任意に他の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
(e) 水
を含み、但し濃縮物がアニオン性界面活性剤を含まず、水添ヒマシ油a)を7.0重量%超、20重量%以下の量で含み、(a)~(d)の量の合計が30重量%~80重量%の範囲内であり、水で合計100重量%となる、
上記濃縮物に関する。
【0011】
驚くべきことに、水添ヒマシ油を特定の量で、特定の非イオン性乳化剤と組み合わせて含む安定化剤濃縮物は、活性成分の含有量が多く、アニオン性界面活性剤を含まない場合は粘度が非常に低い濃縮物を生じさせることが見いだされた。さらに、本発明による安定化剤濃縮物は、それ自体極めて安定であり、パーソナルケア組成物、特にデポジション剤を含むパーソナルケア組成物におけるワックスの安定性を極めて良好に改善する。
【0012】
とりわけ、パーソナルケア組成物中でパール化剤及び/又は乳白剤としてディスパージョンの形態で使用されるワックスは、例えば、その保存安定性が改善され得る。したがって、パール化/乳白化された白色が維持され、保存中にパーソナルケア製品の分離は観察されなかった。驚くべきことに、上記の効果は、カチオン性ポリマーを含むパーソナルケア組成物でも観察された。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明によれば、「安定化剤濃縮物」又は「濃縮物」は、一般的なディスパージョンと比較して成分(a)~(d)の含有量が高く、水の含有量が低下した組成物である。本発明によれば、(a)~(d)の量の合計は、30重量%~80重量%の範囲であり、水で合計100重量%となる。
【0014】
略語「重量%(wt%)」は、「重量パーセント」を意味し、「重量%(% by weight)」と同義である。本発明によれば、すべての重量%は、他に指定されない限り、活性物質重量%を意味する。
【0015】
本発明によれば、「ワックス」は、25℃超、好ましくは50℃超、またとりわけ80℃超の融点を有する化合物である。融点は、ISO 6321に従って決定された。
【0016】
本発明によれば、用語「アニオン性界面活性剤を含まない」は、アニオン性界面活性剤が、濃縮物を調製するための成分として意図的には添加されないことを意味し、従って、理論上濃縮物のアニオン性界面活性剤は、0重量%であり、実際、濃縮物の成分は副生成物を含み得、この副生成物はアニオン性界面活性剤であり得る。しかし、これらの潜在的な副生成物は意図的には添加されず、従って、本発明による濃縮物は、アニオン性界面活性剤を含まない。
【0017】
本発明によれば、用語「安定化剤」は、濃縮物が、パーソナルケア組成物に含まれるディスパージョンの形態にあるワックスに対して安定化効果を有することを意味する。濃縮物の安定化効果は、保存安定性(40℃にて少なくとも4週間)として、保存後のパーソナルケア組成物の視覚的外観の観点で測定された。安定化効果は、本発明の濃縮物が添加された場合に、視覚的外観が変化しないこと、例えば、分離又は結晶が観察されないことを意味する。
【0018】
濃縮物
本発明による濃縮物は、
a) 水添ヒマシ油(HCO)
を含む。
【0019】
ヒマシ油(CAS-No. 8001-79-4)は植物性油であり、ヒドロキシル基を含むC10~C22アルキル部分又はアルケニル部分を有する脂肪酸のグリセリド、とりわけトリグリセリドを含む。ヒマシ油の水素化は、出発油中にリシノレイル部分として存在する二重結合を変換することにより、水添ヒマシ油を生成する。これらの部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分であるリシノレイル部分、例えばヒドロキシステアリルに変換される。
【0020】
上記の水添ヒマシ油(HCO)は、任意の好適な出発形態で、例えば、限定するものではないが、固体、融液(molten)及びそれらの混合物から選択される形態で加工処理され得る。有用な水添ヒマシ油(HCO)は、以下の特徴:80重量%超、とりわけ80~90重量%の、リシノール酸のトリグリセリドを有し得る。その残り(residue)は、遊離脂肪酸、水及び他の不純物であり得る。
【0021】
好ましいのは、約40℃~約100℃、あるいは約65℃~約95℃の融点、及び特に約0~約5、あるいは約0~約4、及びあるいは約0~約2.6のヨウ素価範囲を有する水添ヒマシ油(HCO)である。水添ヒマシ油(HCO)の融点は、DSC:示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry)を用いて測定することができる。
【0022】
好適な水添ヒマシ油(HCO)としては、市販の水添ヒマシ油が挙げられる。使用に適した市販の水添ヒマシ油(HCO)の非限定的な例としては:THIXCIN-R(Elementisにより供給される)及びCutina(登録商標)HR(BASF Personal Care and Nutrition GmbHにより供給される)などが挙げられ、いずれも粉末として供給される。
【0023】
本発明によれば、濃縮物は、(a)水添ヒマシ油を、濃縮物に基づいて7.0重量%超、20重量%以下、好ましくは7.5~15重量%、特に8.5~12重量%の範囲の量で含む。
【0024】
b) 非イオン性乳化剤
【0025】
本発明によれば、濃縮物は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、エトキシル化脂肪酸グリセロールエステル;混合エーテル又は混合ホルマール;ポリソルベート及び糖系炭水化物からなる群から選択される非イオン性乳化剤を含む。
【0026】
本発明に関連して、用語「非イオン性界面活性剤」又は「非イオン性乳化剤」は同義で使用され、1種以上の混合物を意味することも理解される。
【0027】
非イオン性乳化剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来のホモログ分布を有し得るが、好ましくは狭いホモログ分布を有する。
【0028】
脂肪アルコールポリグリコールエーテルの例としては、脂肪アルコール、特に6~22個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールのアルコキシル化生成物、特にエトキシル化及び/又はプロポキシル化生成物が挙げられる。好ましいのは、12個及び/又は14個の炭素原子を有する直鎖状飽和脂肪アルコールの付加物である。特に好ましいのは、1~7molのエチレンオキシド及びopt.2~8molのプロピレンオキシドの脂肪アルコール付加物である。BASF Personal Care Nutrition GmbHから入手可能なArlypon(登録商標)F-Tのような市販品が適している。
【0029】
エトキシル化脂肪酸グリセロールエステルについての例は、以下のとおりである。但し、(b)は(a)とは異なる:
- グリセロールと、不飽和直鎖又は飽和直鎖若しくは分岐鎖の6~22個の炭素原子を含む脂肪酸及び/又は3~18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸との部分エステル、並びに1~30molのエチレンオキシドとのその付加物;
- グリセロールと、6~22個の炭素原子を含む不飽和直鎖又は飽和直鎖若しくは分岐鎖の脂肪酸及び/又は3~18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸とのトリグリセリド、すなわちトリエステル、並びに1~30molのエチレンオキシドとのその付加物。
【0030】
好適なエトキシル化部分グリセリドの典型例は、1~30mol、好ましくは5~10omlのエチレンオキシドと、上記脂肪酸で部分エステル化されたグリセロールとの付加物である。好ましい例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド及びそれらの工業用混合物(technical mixtures)であり、これらは、製造工程に由来する少量のトリグリセリドを依然として含み得る。
【0031】
エトキシル化脂肪酸グリセリンエステルの中では、エトキシル化グリセロールとココナツ由来の脂肪酸混合物との部分エステル、特にエトキシル化グリセロールとココナツ由来の脂肪酸混合物との部分エステルの混合物であって、モノ、ジ及びトリエステルの混合物中のモノエステル含有量が40重量%超であるものが好ましい。BASF Personal Care Nutrition GmbHから入手可能な市販品Cetiol(登録商標)HEが適している。
【0032】
エトキシル化トリグリセリドの典型的な例は、1~15又は15~60モルの酸化エチレンとヒマシ油及び/又は水添ヒマシ油との付加生成物である。BASF Personal Care Nutrition GmbHから入手可能な市販品Eumulgin(登録商標)HRE 40が適している。
【0033】
ポリソルベートの典型例は、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタートレート、ソルビタンセスキタートレート、ソルビタンジタートレート、ソルビタントリタートレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエート及びそれらの工業用混合物である。1~30mol、好ましくは5~10molのエチレンオキシドの、上記のソルビタンエステルとの付加生成物もまた好適である。
【0034】
混合エーテル又はホルマールの例としては、エチレンオキシドのモノ又はポリマーとプロピレンオキシドのポリマーを3ブロックで含むトリブロックコポリマー、例えばPluracare(登録商標)L44 (Poloxamer124)、Pluracare(登録商標)F 127 (Poloxamer 407)が挙げられる。
【0035】
糖系炭水化物の例としては、アルク(エン)イルポリグリコシド(alk(en)yl polyglycosides)又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸N-アルキルグルカミドが挙げられる。
【0036】
グルクロン酸誘導体及び脂肪酸N-アルキルグルカミドの例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモレイン酸(palmoleic acid)、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸及びそれらの工業用混合物(technical mixtures)から誘導されたN-アルキルグルカミドが挙げられる。特に、N-メチルグルカミドの使用が好ましく、特にC12-C14-ヤシ脂肪酸の工業用の(technical)フラクションをベースとしたものが好ましい。好適な製品は、Clariant社から入手可能なGlucopure(登録商標)Foam又はGlucopure(登録商標)Senseである。
【0037】
糖系炭水化物の例としては、アルキルポリグリコシドが挙げられる。
【0038】
アルキルポリグリコシドは、特に式(I):
RO-[G]p (I)
(式中、
- Rは、6~22個の炭素原子を有するアルキル基であり、
- Gは、5個又は6個の炭素原子を有する糖基であり、
- pは、1~10の数である)
を有する公知の非イオン性界面活性剤である。
【0039】
これらは、調合有機化学(preparative organic chemistry)の関連の方法により得ることができる。アルキルポリグリコシドは、5個又は6個の炭素原子を有するアルドース又はケトースから、好ましくはグルコースから誘導することができる。好ましいアルキルポリグリコシドは、従って、アルキルポリグルコシドである。一般式(I)における指数pは重合度(DP)、すなわち、モノグリコシド及びポリグリコシドの分布を特定し、1~10の数である。所与の化合物におけるpは常に整数でなければならず、ここでは特に値p=1~6と想定し得るが、特定のアルキルポリグリコシドについての値pは分析的に決定される計算されたパラメータであり、ほとんどの場合分数(fraction)である。好ましくは、1.1~3.0の平均重合度pを有するアルキルポリグリコシドが用いられる。技術的応用の観点から、好ましいのは、重合度が1.7未満であり、特に1.2~1.7であるアルキルポリグリコシドである。
【0040】
アルキル基Rは、6~22個、好ましくは6~18個の炭素原子を有する第一級アルコールから誘導され得る。典型例は、カプロンアルコール(caproic alcohol)、カプリルアルコール(caprylic alcohol)、カプリンアルコール(capric alcohol)、デシルアルコール及びウンデシルアルコール、及びまた、例えばテクニカルグレード(technical grade)の脂肪酸メチルエステルの水素化において、又はローレンのオキソ合成に由来するアルデヒドの水素化中に得られる、それらのテクニカルグレードの混合物である。アルキル基R7は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール(palmoleyl alcohol)、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール、さらにまたそれらのテクニカルグレードの混合物から誘導することもできる。
【0041】
本発明に関連して、好ましいのは、特に、式(I)の異なるアルキルポリグリコシドの混合物であり、式中、Rは、第一級アルコール混合物から誘導される。一つの好ましい例によれば、Rは、10~50重量%の8~10個の炭素原子と50~90重量%の12~16個の炭素原子を含む第一級アルコール混合物から誘導される。
【0042】
別の好ましい例によれば、Rは、75~95重量%の10~22個の炭素原子を有する第一級高級アルコールを含む第一級アルコール混合物から誘導され、とりわけ、好ましくは12~16個の炭素原子の、ココナツから得られる脂肪酸混合物から誘導される。
【0043】
好適な製品は、Plantacare(登録商標)2000及びPlantacare(登録商標)818であり、両方とも、BASF Personal Care Nutrition GmbHにより入手可能である。
【0044】
濃縮物は、好ましくは、非イオン性乳化剤(b)として糖系炭水化物を含み、より好ましくはアルク(エン)イルポリグリコシド、グルクロン酸誘導体及び脂肪酸N-アルキルグリカミド、特にアルク(エン)イルポリグリコシドを含む。
【0045】
好ましくは、濃縮物は、非イオン性乳化剤(b)を、濃縮物に対して10~60重量%、好ましくは20~40重量%、特に好ましくは25~35重量%の範囲の量で含む。
【0046】
濃縮物は、非イオン性乳化剤b):水添ヒマシ油a)の量比が2:1~4:1の範囲内、特に約3:1であることが好ましい。
【0047】
c) 両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤
本発明による濃縮物は、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、特にアンホアセテート及び/又はベタインを含んでもよい。
【0048】
ベタインは、主に、アミン系化合物のカルボキシアルキル化、好ましくはカルボキシメチル化により製造される公知の界面活性剤である。出発物質は、好ましくはハロカルボン酸又はその塩と縮合し、より具体的にはクロロ酢酸ナトリウムと縮合する。好適なベタインの例は、式(II):
【0049】
【化1】
に対応する、第二級アミン、特に第三級アミンのカルボキシアルキル化生成物であり、式中、R1は、6~22個の炭素原子を含むアルキル基及び/又はアルケニル基を表し、R2は、水素又は1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、R3は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、nは、1~6の数であり、Xは、アルカリ金属及び/若しくはアルカリ土類金属又はアンモニウムである。典型例は、ヘキシルメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ドデシルエチルメチルアミン、C12/14ココアルキルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、C16/18獣脂アルキルジメチルアミン及びそれらの工業用混合物(technical mixture)のカルボキシメチル化生成物、である。
【0050】
他の好適なベタインは、式(III):
【0051】
【化2】
に対応する、アミドアミンのカルボキシアルキル化生成物であり、式中、R6COは、6~22個の炭素原子及び0又は1~3個の二重結合を含む脂肪アシル基であり、mは、1~3の数であり、R4 は、水素又はC1-4アルキル基を表し、R5は、C1-4アルキル基を表し、nは、1~6の数であり、Xは、アルカリ金属及び/若しくはアルカリ土類金属又はアンモニウムである。典型例は、6~22個の炭素原子を含む脂肪酸、すなわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにそれらの工業用混合物と、N,N-ジメチルアミノエチルアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、N,N-ジエチルアミノエチルアミン及びN,N-ジエチルアミノプロピルアミンとの反応生成物を、クロロ酢酸ナトリウムと縮合させたものである。コカミドプロピルベタインのCTFA名の下で知られる、C8/18ココ脂肪酸-N,N-ジメチルアミノプロピルアミドとクロロ酢酸ナトリウムとの縮合生成物を使用することが好ましい。高い純度により区別されるベタインが特に好ましい;言い換えれば、活性物質に対して13重量%、好ましくは11重量%、またより具体的には7重量%の最大塩含有量を有する低塩ベタインが使用される。対応する塩は、両性界面活性剤の生成によって決まり;最も一般的な例において、これは塩化ナトリウムである。特に好ましい実施形態において、これらのベタインは、活性物質に対して最大4重量%、好ましくは最大3重量%の低含有量の遊離脂肪酸も有する。
【0052】
さらに、イミダゾリニウムベタイン類も含まれる。これらの物質はまた、例えば1又は2molの脂肪酸と、例えばアミノエチルエタノールアミン(AEEA)又はジエチレントリアミンなどの多官能性アミンとの環化縮合によって得ることができる既知の物質である。対応するカルボキシアルキル化生成物は、種々の開鎖ベタインの混合物である。典型的な例は、上記の脂肪酸とAEEAとの縮合生成物であり、好ましくはラウリン酸又は再びC12/14-ヤシ脂肪酸に基づくイミダゾリン(これはその後クロロ酢酸ナトリウムでベタイン化される)である。
【0053】
適切なコカミドプロピルベタインは、Dehyton(登録商標)PK 45(BASF Personal Care and Nutrition GmbHから供給)のように市販されている。
【0054】
濃縮物が界面活性剤(c)を含む場合、それらは両性及び/又は双性イオン性界面活性剤、特にベタイン及び/又はアンホアセテートを含む群から選択されることが好ましい。
【0055】
濃縮物は、前記界面活性剤c)を、濃縮物を基準として0~30重量%の範囲の量で含むことができる。
【0056】
濃縮物が界面活性剤(c)を含む場合、非イオン性乳化剤(b)と両性及び/又は双性イオン性界面活性剤(c)の量的比率は10:1~20:1の範囲であることが好ましい。
【0057】
任意に含まれる助剤又は添加剤(塩を含む) d)
本発明によれば、濃縮物は、d) 他の助剤又は添加剤(塩を含む)を含んでもよい。
【0058】
ベタイン界面活性剤(c)の製造に応じて、塩が副生成物として含まれ得る;最も一般的な例において、その塩は塩化ナトリウムである。さらに、低含有量の遊離脂肪酸も可能性のある副生成物であり得る。
【0059】
他の助剤の例は、増粘剤(thickner)、錯化剤、非水溶媒、保存剤及び/又はpH調整剤である。助剤を添加しないことが好ましいが、その添加は依然として可能である。
【0060】
好ましい濃縮物は、濃縮物質に対して0.1~15重量%の量範囲内の他の助剤又は添加剤(塩を含む)(d)を含む。
【0061】
本発明の一つの好ましい実施形態によれば、濃縮物は、
(a) 7重量%超、20重量%以下の水添ヒマシ油、
(b) 10.0~60.0重量%の非イオン性乳化剤、
(d) 0.1~15重量%の、他の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
(e) 合計100重量%となる量の水
からなる。
【0062】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、濃縮物は、
(a) 7.5~15.0重量%の水添ヒマシ油、
(b) 20.0~50.0重量%の非イオン性乳化剤、
(d) 0.1~15重量%の他の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
(e) 合計100重量%となる量の水
からなる。
【0063】
両方の実施形態は、少なくとも請求項1によってカバーされる好ましい濃縮物、すなわち、濃縮物がアニオン性界面活性剤を含まず、(a)~(d)の量の合計が30重量%~80重量%の範囲内であり、水で合計100重量%となるという条件の濃縮物である。特に好ましいのは、(a)~(d)の量の合計が40重量%~80重量%の範囲であり、水で合計100重量%となる濃縮物である。
【0064】
本発明によれば、濃縮物は流動性であり、好ましくは2,500~8,000mPas、とりわけ3,000~7,000mPas、より好ましくは3,000~5,500mPasの範囲内の粘度(Brookfield、RVT;スピンドル4;10rpm;20℃)を有する。
【0065】
本発明のさらなる主題によれば、濃縮物は、成分(a)、(b)並びに任意に(c)及び/又は任意に(d)を一緒に混合し、必要量の水を加え、その混合物を約85℃~90℃に加熱し、その後かき混ぜながら冷却することにより調製される。混合物を約88~93℃に加熱することが好ましい。
【0066】
反応混合物を、かき混ぜながら、例えば撹拌しながら、とりわけ少なくとも5~150分間、好ましくは50~150rpmで冷却することが好ましい。本発明の意味において、工程中の水添ヒマシ油(a)の結晶化又は再結晶化を回避することが望ましい。冷却については、工程中1時間当たり15~30℃の冷却速度が好ましい。
【0067】
ワックスディスパージョン
本発明によれば、安定化剤濃縮物は、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスのために使用され、それによって前記ワックスは、パーソナルケア組成物に含まれるディスパージョンの形態である。
【0068】
本発明によれば、用語「モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステル」は、モノエチレングリコールのモノエステル、ジエチレングリコールのモノエステル及びジエチレングリコールのジエステル、並びにそれらの混合物を意味する。
【0069】
以下の式は、エチレングリコールの好適なエステルについて記載する:
R8CO(OA)qOR7 (IV)
式中、R8COは、6~22個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖の飽和又は不飽和アシル基であり、R7は、水素であるか、又はR8COと同じ意味を有し、Aは、2個の炭素原子を含む直鎖アルキレン基であり、qは、2の数であり、但しこれらは室温においてワックスである。典型例は、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸などの16~22個、好ましくは16~18個の炭素原子を含む脂肪酸及びそれらの工業用混合物との、モノエチレングリコールのモノエステル、並びにジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステル(q=2)である。
【0070】
好ましいのは、とりわけ6~22個の炭素原子を有する脂肪酸との、ジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルである。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、ワックスは、脂肪酸の総量に対して85~100重量%のステアリン酸及び0~15重量%の12~22個の炭素原子を有する異なるさらなる脂肪酸を含む脂肪酸混合物との、ジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルを含む。上記の脂肪酸混合物は、好ましくは脂肪酸の総量に対して90~98重量%のステアリン酸及び2~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸を含み、特に上記脂肪酸混合物は、90~96重量%のステアリン酸と、4~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸からなる。16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸は、パルミチン酸、アラキジン酸及びベヘン酸である。
【0072】
好ましくは、ワックスは、ジエチレングリコール脂肪酸エステル、とりわけ、技術的理由により、90~100重量%のジエチレングリコールジ脂肪酸エステル及び0~10重量%のジエチレングリコールモノ脂肪酸エステルを含むジエチレングリコールジ脂肪酸エステルを含む。
【0073】
極めて特に好ましい実施形態において、本発明による濃縮物はワックスディスパージョンを安定化させ、ここでワックスは、ワックスの重量%基準で、90~100重量%のジエチレングリコールジ脂肪酸エステル及び0~10重量%のジエチレングリコールモノ脂肪酸エステルを含み、特に好ましくは、脂肪酸混合物の重量%基準で、90~98重量%のステアリン酸及び2~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物のエステルを含む。
【0074】
好ましい実施形態において、ディスパージョン中のワックスは、0.8~3.5μmの範囲内、とりわけ1.0~3.0μmの範囲内の平均粒径d50を有し、ここで粒径の分布は、好ましくは50%超が3μm未満であり、全粒子の90%が7μm未満であることを示す。特に、ワックス粒子は主に球状粒子形を有し、とりわけ全粒子の70%は、特に1:1:1の高さ:幅:長さの比により特徴づけられる三次元構造を有する。このような粒子形及び粒子量は、Mastersizer(登録商標)2000デバイス及び対応するMALVERN INSTRUMENTS GmbH(Marie-Curie-Strasse 4/1、71083 ヘレンバーグ、ドイツ)の製造説明(production description)を用いたレーザー回折により決定され得る。
【0075】
好ましくは、ワックスディスパージョンは、ワックスを、ワックスディスパージョンに対して15~35重量%の量で含む。
【0076】
さらなる実施形態において、ワックスディスパージョンは、追加の界面活性剤及び任意選択の助剤又は添加剤を含む。追加の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び/又はベタインであり得る。
【0077】
好適な非イオン性界面活性剤は、非イオン性乳化剤b)として記載したものと同じであっても異なっていてもよい。非イオン界面活性剤の典型例としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、脂肪酸部分グリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、アルク(エン)イルオリゴグリコシド、部分酸化アルク(エン)イルオリゴグリコシド及びグルクロン酸誘導体、脂肪酸N-アルキルグルカミド、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート及びアミンオキシドが挙げられる。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来のホモログ分布を有していてもよいが、好ましくは狭いホモログ分布を有している。
【0078】
ワックスディスパージョンにおける好ましい非イオン性界面活性剤は、アルク(エン)イルオリゴグリコシド及び/又は脂肪酸部分グリセリドである。この文脈において、脂肪酸部分グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド及びそれらの工業用混合物を意味し、これは、製造工程に起因する少量のグリセロール及びトリグリセリドを依然として含み得る。好ましい脂肪酸部分グリセリドは、50~95重量%、好ましくは60~90重量%の範囲内のモノグリセリド含有量を有する脂肪酸部分グリセリドの工業用混合物であり、本明細書中以降、グリセロールモノ脂肪酸エステルとも呼ばれる。好ましい脂肪酸部分グリセリドは、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸(myristinic acid)、パルミチン酸、パームオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸(arachinic acid)、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにそれらの工業用混合物とのグリセロールモノ脂肪酸エステルにより形成される群から選択される。特に好ましいのは、(工業)グリセロールと、12~18個のC原子を有する脂肪酸、好ましくは脂肪酸混合物に対して90~100重量%のオレイン酸を含む脂肪酸混合物とのモノ脂肪酸エステルである。
【0079】
好適な市販の工業製品は、例えば、BASF Personal Care & Nutrition GmbHの小売製品である、Monomuls(登録商標)90-O 18である。
【0080】
脂肪酸部分グリセリドは、好ましくは、ワックスディスパージョンに対して0.5~3.0重量%、好ましくは1.0~2重量%の量で含まれる。
【0081】
ワックスディスパージョンは、さらに、非イオン性界面活性剤としてアルク(エン)イルオリゴグリコシドを、特に脂肪酸部分グリセリドと組み合わせて含有してもよい。好適なアルク(エン)イルオリゴグリコシドは、既に上記非イオン性乳化剤b)として説明している。BASF Personal Care & Nutrition GmbHから入手可能な製品、Plantacare(登録商標)818が好ましい。
【0082】
ワックスディスパージョンはさらに、脂肪アルコール(エーテル)スルフェートからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0083】
特に、一般式(V):
R'O(CH2CH2O)0-10SO3Y (V)
の脂肪アルコール(エーテル)スルフェートであり、式中、R'は、6~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基及び/又はアルケニル基であり、Yは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム又はグルカンモニウムである。上記の数字がゼロ(=0)である場合、これは脂肪アルコールスルフェートである。脂肪アルコールエーテルスルフェート(1~10の数)が好ましい。典型例は、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリアルコール(capri alcohol)、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パームオレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール並びにそれらのナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩の形態のそれらの工業用混合物の、平均で1~10mol、特に2~5molのエチレンオキシドの投資商品(investment product)のスルフェートである。脂肪アルコール(エーテル)スルフェートは、従来のホモログ分布及び狭められたホモログ分布の両方を有し得る。平均で1~6mol、好ましくは1~3molのエチレンオキシドと、ラウリルエーテルスルフェートとの、好ましくはナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩の形態の工業用C12/14、又はC12/18ココナツ脂肪アルコール画分との付加物をベースとする脂肪アルコールエーテルスルフェートを使用することが特に好ましい。
【0084】
好適な市販の工業製品は、例えば、BASF Personal Care & Nutrition GmbHの小売製品であるTexapon(登録商標)N70である。
【0085】
好ましいワックスディスパージョンは、好ましくはワックスディスパージョンに対して8~15重量%、好ましくは9~12重量%の量のアニオン性界面活性剤、とりわけ1又は2の平均エトキシル化度を有するラウリルエーテルスルフェートを含む。
【0086】
さらに、ワックスディスパージョンは、本発明の濃縮物の成分c)として既に記載されたベタイン界面活性剤、好ましくは式(I)及び/又は(II)による、特に式(II)によるベタイン界面活性剤を含み得、この群の中では、コカミドプロピルベタインのCTFA名の下で公知のC8/18ココ脂肪酸-N,N-ジメチルアミノプロピルアミドとクロロ酢酸ナトリウムとの縮合生成物を使用することが好ましい。
【0087】
好ましいワックスディスパージョンは、好ましくはワックスディスパージョンに対して0~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%の量のベタイン界面活性剤、とりわけコカミドプロピルベタインを含む。
【0088】
ディスパージョンが、例えば濃縮物中の成分d)として記載されているさらなる助剤又は添加剤(塩を含む)を、0~20重量%の量で、好ましくは0~10重量%の量で含むことが可能であり得る。
【0089】
最終的に、ワックスディスパージョンは、100重量%までの水を含む。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、濃縮物は、パーソナルケア組成物においてワックスを安定化し、それによってワックスはワックスディスパージョンの形態で使用され、ワックスディスパージョンは、ワックスディスパージョンベースの重量%で
20~35重量%、好ましくは25~30重量%の、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックス、及び
0.5~3.0重量%、好ましくは1.0~2重量%の非イオン性界面活性剤、及び
8.0~15.0重量%、好ましくは9.0~12.0重量%のアニオン性界面活性剤、及び
0~5.0重量%、好ましくは0.5~2.5重量%のベタイン界面活性剤、及び
0~10重量%の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
100重量%までの水
を含むことが好ましい。
【0091】
特に、以下のもの:
20~35重量%の、好ましくは25~30重量%のジエチレングリコール脂肪酸エステルのジエステルから選択されるワックスであって、90~100重量%のジエチレングリコールジ脂肪酸含有量を有し、及び脂肪酸混合物中90~98重量%のステアリン酸と2~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸含有量を有するもの、及び
0.5~3.0重量%の、好ましくは1.0~2重量%の脂肪酸部分グリセリド、及び
8.0~15.0重量%の、好ましくは 9.0~12.0重量%の、1又は2の平均エトキシル化度を有するラウリルエーテルスルフェート、及び
0~5.0重量%の、好ましくは0.5~2.5重量%のコカミドプロピルベタイン、及び
0~10重量%の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
100重量%までの水
からなる。
【0092】
本発明の第2の実施形態によれば、ワックスディスパージョンは、スルフェート及び/又はエーテルスルフェートからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含まず、特にアニオン性界面活性剤を含まない。本発明のこの実施形態において、ワックスディスパージョンは、ワックスディスパージョンベースの重量%で
15~25重量%の、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックス、及び
0.5~5.0重量%、好ましくは1.0~3重量%の脂肪酸部分グリセリド、及び
10~20重量%の、アルク(エン)イルオリゴグリコシドの群から選択される非イオン性界面活性剤、及び
0~10重量%の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
100重量%までの水
を含む。
【0093】
特に、以下のもの:
15~25重量%のジエチレングリコール脂肪酸エステルのジエステルから選択されるワックスであって、90~100重量%のジエチレングリコールジ脂肪酸含有量を有し、及び脂肪酸混合物中、90~98重量%のステアリン酸及び2~10重量%の16~22個の炭素原子を有する他の飽和脂肪酸含有量を有するもの、及び
0.5~5.0重量%、好ましくは1.0~3重量%の脂肪酸部分グリセリド、及び
10~20.0重量%の、非イオン性界面活性剤、特にアルク(エン)イルオリゴグリコシド、及び
0~10重量%の助剤又は添加剤(塩を含む)、及び
100重量%までの水
からなる。
【0094】
本発明によれば、濃縮物は、パーソナルケア組成物においてワックスを安定化し、それによってワックスは非常に良好に上記のワックスディスパージョンの形態であり、特に、カチオン性ポリマーをさらに含むパーソナルケア組成物は、デポジション剤がワックスの分離を促進しないので、良好な結果を示す。
【0095】
したがって、本発明のさらなる主題は、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスのための安定剤としての請求項に記載の濃縮物の使用であり、それによってワックスはパーソナルケア組成物中に含まれるディスパージョンの形態にある。
【0096】
請求項記載の濃縮物を、パーソナルケア組成物、好ましくはカチオン性ポリマーを含むパーソナルケア組成物においてパール化剤及び/又は乳白剤として使用されるワックスディスパーションの形態のワックスの安定化剤として使用することが好ましい。
【0097】
そして、本発明のさらなる主題は、請求項記載の濃縮物の使用であり、濃縮物は、成分(a)、(b)及び任意選択で(c)及び/又は任意選択で(d)を一緒に混合し、必要量の水を加え、混合物を約85~95℃に加熱し、その後撹拌しながら冷却することにより製造される。
【0098】
濃縮物は、活性物質として計算して、パーソナルケア組成物に関して、0.1~5重量%、好ましくは0.5~1.5重量%の量の範囲で使用することが好ましい。
【0099】
濃縮物の使用は、著しく高い保存安定性をもたらす。すなわち、数週間後、パーソナル組成物の光学的変化は観察できず、すなわち、筋(streaks)、結晶又はワックスの分離は生じなかった。
【0100】
パーソナルケア組成物
ここでパーソナルケア組成物とは、ヒトの身体又は毛髪に対して、清浄にし、ケアし、保護し、良好な状態を維持し、香りを付与し、外観を変化させるため、又は影響を与えるために、外用されることが専ら又は主に意図される、当業者に公知の全ての組成物として理解されたい。好ましくは、濃縮物は、液体パーソナルケア組成物、特に、例えばフォームバス、シャワージェル、シャワーバス、シャワーミルク、シャワークリーム、シャンプー、ヘアマスク、ヘアミルク及びヘアコンディショナーなどの表面活性パーソナルケア組成物において使用される。
【0101】
本発明の別の主題は、
A) 0.1重量%~5重量%の、とりわけ0.25重量%~3重量%の、請求項1~13の少なくとも1項に記載の濃縮物、及び
B) 既に記載された、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスを含むワックスディスパージョン、
C) アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤から選択される群から選択される1種以上の洗浄界面活性剤(detersive surfactant)、
D) 任意にカチオン性ポリマー、及び
E) 任意に、C)及び/又はD)とは異なる他の成分(1種又は複数種)
を含むパーソナルケアである。
【0102】
好ましくは、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物中の重量%基準で:
A) 0.1重量%~5.0重量%の、とりわけ0.25重量%~3重量%の、請求項1~13の少なくとも1項に記載の濃縮物、
B) 0.1重量%~5重量%の、とりわけ0.5重量%~2.5重量%の、既に記載された、モノエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルからなる群から選択されるワックスを含むワックスディスパージョン、
C) 1.0~30重量%の、とりわけ5.0~25.0重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤から選択される群から選択される1種以上の洗浄界面活性剤、
D) 0~5重量%の、とりわけ0.01~1重量%のカチオン性ポリマー、
E) 100重量%までの、C)及び/又はD)とは異なる他の成分
を含む。
【0103】
C) アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤の例は、せっけん、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ-及びジアルキルスルホスクシネート、モノ-及びジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミドせっけん、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸、例えば、アシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメート及びアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦ベースの植物産物(plant products))及びアルキル(エーテル)ホスフェートなどである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、ポリグリコールエーテル鎖は、好ましくは狭いホモログ分布を有するが、従来のホモログ分布を有していてもよい。本発明による調製物中の特に好適なアニオン性界面活性剤は、既に式(V)において開示されているアルキルエーテルスルフェートである。
【0104】
アルキルエーテルスルフェート(「エーテルスルフェート」)は、工業用スケールで、脂肪アルコール又はオキソアルコールポリグリコールエーテルのSO3又はクロロスルホン酸(CSA)硫酸化、及びその後の中和によって製造される公知のアニオン性界面活性剤である。エーテルスルフェートは、従来のホモログ分布及び狭いホモログ分布の両方を有し得る。ナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩の形態の工業的な(technical)C12/14又はC12/18ココナツ脂肪アルコール画分と平均で1~6mol及び好ましくは1~3molのエチレンオキシドとの付加物をベースとするエーテルスルフェートを使用することが特に好ましい。
【0105】
本発明の文脈内で有用なさらなるアニオン性界面活性剤は、上記で規定した式(VI)に従うα-スルホ脂肪酸二塩である。
R9CH(SO3M1)COOM2 (VI)
式中、基R9は、6~18個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキル又はアルケニル基であり、基M1及びM2は、互いに独立して、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0106】
好ましい実施形態では、式(VI)中の基R9は、10~16個の炭素原子を有する飽和の直鎖アルキル基である。式(VI)中の基M1及びM2は、好ましくは、H(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される。
【0107】
本化合物は、当業者に適切に知られているあらゆる方法によって調製することができる。ここで特に好ましい調製方法は、対応するカルボン酸の硫酸化である。ここで、対応するカルボン酸、特に対応する脂肪酸を気体の三酸化硫黄と反応させ、三酸化硫黄は、好ましくは、SO3と脂肪酸のモル比が1.0:1~1.1:1の範囲にあるような量で使用される。このようにして得られた、酸性の硫酸化生成物である粗生成物を、次に部分的又は完全に中和させるが、NaOH水溶液による完全中和が優先される。所望により、精製工程及び/又は漂白(生成物の所望の淡色を調整するため)を実施することも可能である。
【0108】
好ましいα-スルホ脂肪酸二塩は、α-スルホ脂肪酸二塩のテクニカルグレードの混合物であり、BASF Personal Care Nutrition GmbHからTexapon SFA(登録商標)として市販されている。
【0109】
さらに、アニオン性界面活性剤に加えて又はアニオン性界面活性剤の代わりに、両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤を使用し得る。好適な界面活性剤は、本発明の濃縮物の成分c)として既に記載されており、好ましくは式(II)及び/又は(III)によるベタイン界面活性剤が有用であり、特に、コカミドプロピルベタインのCTFA名の下で公知のC8/18ココ脂肪酸-N,N-ジメチルアミノプロピルアミドとクロロ酢酸ナトリウムとの縮合生成物が好ましい。
【0110】
さらに、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤に加えて、又はそれらの代わりに、非イオン性界面活性剤を用いてもよい。適切な非イオン性界面活性剤は、本発明の濃縮物の成分b)として既に記載されており、好ましくは、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、エトキシル化脂肪酸グリセロールエステル;混合エーテル又は混合ホルマール;ポリソルベート及び糖系炭水化物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤である。
【0111】
非イオン性界面活性剤としては、特に式(I)に従って記載されるようなアルク(エン)イルポリグルコシド、特にBASF Personal Care Nutrition GmbHから入手可能な既に開示された製品Plantacare(登録商標)2000及びPlantacare(登録商標)818が好ましい。
【0112】
活性物質として計算した場合をベースに、パーソナルケア組成物に関して、アニオン性界面活性剤、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を、1.0~30重量%、特に5.0~25.0重量%の量で使用することが好ましい。
【0113】
D) カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは公知のデポジション剤であり、すなわち、パーソナルケア組成物中で使用することにより、カチオン性ポリマーは、皮膚及び/又は毛髪上にデポジションし、これらに心地よく且つ柔らかな感触を与える。しかし、カチオン性グアーポリマーのようなカチオン性ポリマーを含むパーソナルケア組成物は、ワックスディスパージョンが存在する場合、おそらくカチオン性ポリマーのデポジション特性の結果としてワックスがより容易に沈降する傾向があるため、それらの安定性に関する問題を有する。この問題は、パーソナルケア組成物中のワックスを安定化させるための本発明による濃縮物を添加することによって克服することができる。
【0114】
好ましいパーソナルケア組成物はまた、カチオン性ポリマーも含む。これらのカチオン性デポジションポリマーとしては、カチオン性グアーポリマー、カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー、カチオン性タピオカポリマー、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、及び/又は合成非架橋型カチオン性ポリマーの少なくとも1つを挙げることができる。好適なカチオン性ポリマーは、例えば、AmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称下で得られる四級化ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)など、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L、Gruenau)など、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコンなど、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリル塩化アンモニウムとのコポリマー(Merquat(登録商標)550、Chemviron)、ポリアミノポリアミド及びその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、任意選択で微結晶分布の四級化キトサンなど、ジハロアルキル、例えば、ジブロモブタンとビス-ジアルキルアミンとの縮合生成物、例えば、ビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン、カチオン性グアーガム、例えば、CelaneseのJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16など、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、MiranolのMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1などである。
【0115】
とりわけ、パーソナルケア組成物は、カチオン的に修飾されたセルロース誘導体、PQ10、PQ67、カチオン的に修飾されたグアー誘導体、例えば、Dehyquart(登録商標)グアーN、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなど、アクリルアミドをベースとするカチオン性ホモポリマー又はコポリマー、ビニルピロリドンをベースとするカチオン性ホモポリマー又はコポリマー、四級化ビニルイミダゾールをベースとするカチオン性ホモポリマー又はコポリマー、及びメタアクリレートをベースとするカチオン性ホモポリマー又はコポリマーからなる群から選択されるカチオン性ポリマーを含み得る。
【0116】
特に、カチオン的に修飾されたグアー誘導体、好ましくはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが存在する。
【0117】
パーソナルケア組成物を基準として、カチオン性ポリマーを、0~5重量%、特に0.01~1.0重量%の量で使用することが好ましい。
【0118】
E) 他の成分
エンドユーザー用途に応じて、化粧品製剤は、例えば、水、増ちょう剤(bodying agent)、粘度低減剤、増粘剤(thickner)、塩、過脂剤、安定化剤、ポリマー、脂肪、ワックス、シリコーン、レシチン、タンパク質加水分解物、リン脂質、生体活性成分、UV日焼け止め因子、酸化防止剤、デオドラント、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、昆虫忌避剤、セルフタンニング剤、チロシナーゼ阻害剤(脱色剤)、ハイドロトロープ、可溶化剤、保存剤、香油、色素など(水を含む)、などの一連のさらなる助剤及び添加剤を含み得る。
【0119】
粘度を低減するため、パーソナルケア組成物は、任意選択の成分としてのポリオールをさらに含み得る。好適なポリオールは、好ましくは、2~15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基を含む。ポリオールは、他の官能基、さらに特にアミノ基を含んでいてもよく、又は窒素で修飾されていてもよい。典型例は、以下のものである:
・ グリセロール;
・ アルキレングリコール、例えば、100~1,000ダルトンの平均分子量を有するエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びポリエチレングリコールなど;
・ 1.5~10の自己縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、40~50重量%のジグリセロール含有量を有する工業用ジグリセロール混合物など;
・ メチロール化合物、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールなど;
・ 低級アルキルグルコシド、特にアルキル基中に1~8個の炭素原子を含む低級アルキルグルコシド、例えば、メチルグルコシド及びブチルグルコシド;
・ 5~12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトール又はマンニトール;
・ 5~12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコース又はスクロース;
・ アミノ糖、例えばグルカミン;
・ ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミン又は2-アミノプロパン-1,3-ジオール。
【0120】
ポリオールは、典型的には、パーソナルケア組成物に対して0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%、さらに特に0.7~3重量%の量で使用される。大量のポリオール、好ましくはグリセロール又はエチレングリコールが使用される場合、濃縮物は、微生物侵襲に対して同時に安定化される。
【0121】
好適な油性成分は、例えば、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含む脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6-13カルボン酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート及びエルシルエルケートなどである。同様に、直鎖C6-22脂肪酸と分岐鎖アルコールとのエステル、さらに特に2-エチルヘキサノール、ヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分岐鎖のC6-22脂肪アルコールとのエステル、さらに特にジオクチルマレエート、直鎖及び/又は分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール又はトリマートリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6-18脂肪酸をベースとする液体モノグリセリド/ジグリセリド/トリグリセリド混合物、C6-22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、さらに特に安息香酸とのエステル、C2-12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖のアルコール又は2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を含むポリオールとのエステル、植物性油、分岐鎖第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖及び分岐鎖C6-22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカボネート、安息香酸と直鎖及び/又は分岐鎖C6-22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標) TN)、1アルキル基当たり6~22個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖の対称又は非対称ジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーン油及び/又は脂肪族炭化水素若しくはナフテン炭化水素、例えば、スクアラン、スクアレン又はジアルキルシクロヘキサンも好適である。
【0122】
過脂剤は、例えば、ラノリン及びレシチン、さらにまた、ポリエトキシル化又はアシル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドのような物質から選択することが可能であり、この脂肪酸アルカノールアミドは、泡安定剤としての役割も果たす。
【0123】
主に使用される稠度因子(consistency factor)は、12~22個、好ましくは16~18個の炭素原子を含む脂肪アルコール又はヒドロキシ脂肪アルコール、さらにまた、部分グリセリド、脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸である。好ましくは、これらの物質と、同じ鎖長のアルキルオリゴグルコシド及び/若しくは脂肪酸N-メチルグルカミド、並びに/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組み合わせが使用される。
【0124】
好適な増粘剤(thickener)は、例えば、Aerosilタイプ(親水性シリカ)、多糖、さらに特にキサンタンガム、グアー-グアー(guar-guar)、寒天(agar-agar)、アルギネート及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、さらにまた脂肪酸の比較的高分子量のポリエチレングリコールモノエステル及びジエステル、ポリアクリレート(例えば、Carbopols(登録商標)[Goodrich]又はSynthalens(登録商標)[Sigma])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリドなど、脂肪酸とポリオールとのエステル、例えば、ペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパン、狭い範囲の脂肪アルコールエトキシレート又はアルキルオリゴグルコシド、及び電解質、例えば塩化ナトリウム及び塩化アンモニウムなどである。
【0125】
好適なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン及びアミノ修飾、脂肪酸修飾、アルコール修飾、ポリエーテル修飾、エポキシ修飾、フッ素修飾、グリコシド修飾及び/又はアルキル修飾シリコーン化合物であり、これは室温で液体様及び樹脂様の両方であり得る。他の好適なシリコーン化合物は、200~300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。脂肪の典型例はグリセリドであり、好適なワックスは、とりわけ、天然ワックス、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ジャパンワックス、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、米油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリーワックス(ouricury wax)、モンタンワックス、ビーズワックス、シェラックワックス、スペルマセティ(spermaceti)、ラノリン(ウールワックス)、尾脂脂肪(uropygial fat)、セレシン、オゾセライト(アースワックス)、ワセリン、パラフィンワックス、ミクロワックスなど;化学修飾ワックス(ハードワックス)、例えば、モンタンエステルワックス、サソールワックス、水素化ホホバワックスなど、並びに合成ワックス、例えば、ポリアルキレンワックス及びポリエチレングリコールワックスなどである。
【0126】
脂肪酸の金属塩、例えば、マグネシウム、アルミニウム及び/若しくは亜鉛のステアリン酸塩又はリシノール酸塩などは、安定化剤として使用することができる。
【0127】
塩化ナトリウムなどの塩は、副生成物として含まれ得る。
【0128】
本発明に関連して、生物起源剤(biogenic agent)は、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、シュードセラミド、エッセンシャルオイル、植物抽出物及びビタミン複合体である。
【0129】
さらに、フィルム形成剤が存在していてもよい。慣用のフィルム形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸系のポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸及びそれらの塩、並びに類似の化合物である。
【0130】
所望の場合、先行文献から公知の、例えばケラチンをベースとするさらなるタンパク質加水分解物、例えば、市販のNutrilan(登録商標) Keratin W PP、又はコムギをベースとするンパク質加水分解物Gluadin(登録商標) WLM Benz、Gluadin(登録商標) WK又はGluadin(登録商標) WPなどを使用し得る。少量の、リジン又はアルギニンなどの遊離アミノ酸を添加することも可能である。
【0131】
化粧品デオドラントは、体臭を弱め、マスクし又は除去する。体臭は、アポクリン発汗(apocrine perspiration)上の皮膚細菌の作用を通じて形成され、これが不快な臭気分解生成物の形成をもたらす。従って、デオドラントは、細菌阻害剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤又は臭気マスキング剤として作用する活性成分を含む。
【0132】
基本的には、好適な細菌阻害剤は、グラム陽性細菌に対して作用する任意の物質、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステルなど、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌香料、チモール、タイム油、オイゲノール、イラクサ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド、例えば、サリチル酸-n-オクチルアミド又はサリチル酸-n-デシルアミドなどである。
【0133】
好適な酵素阻害剤は、例えば、エステラーゼ阻害剤である。エステラーゼ阻害剤は、好ましくはトリアルキルシトレート、例えば、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート及び、特に、トリエチルシトレート(Hydagen(登録商標)CAT、Henkel KGaA、デュッセルドルフ、ドイツ)である。エステラーゼ阻害剤は酵素活性を阻害し、このようにして臭気形成を低減させる。他のエステラーゼ阻害剤は、ステロールのスルフェート又はホスフェート、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スティグマステロール及びシトステロールのスルフェート又はホスフェートなど、ジカルボン酸及びそれらのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステル、及び亜鉛グリシネートである。
【0134】
好適な臭気吸収剤は、臭気形成化合物を吸収し、且つ大部分保持することができる物質である。これらは、個々の成分の分圧を低下させ、このようにして個々の成分が広がる速度も低下させる。これに関する重要な必要条件は、香料が損なわれないままでなければならないということである。臭気吸収剤は、細菌に対して有効ではない。これらは、その主成分として、例えば、リシノール酸の錯体亜鉛塩、又は「固定剤(fixateur)」として専門家に知られるほぼ中性の匂いの特殊な香料、例えば、ラブダナム若しくはエゴノキ(styrax)の抽出物、又は特定のアビエチン酸誘導体などを含む。臭気マスキング剤は、それらの臭気マスキング機能に加えてそれらの特定の香気ノート(perfume note)をデオドラントに付与する香料又は香油である。好適な香油は、例えば、天然フレグランスと合成フレグランスの混合物である。天然フレグランスとしては、花、茎及び葉、果実、果皮、根、木、ハーブ及び草、針葉及び枝、樹脂及びバルサムの抽出物などが挙げられる。動物原料、例えば、ジャコウネコ及びビーバーも使用され得る。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素タイプの製品である。エステルタイプの香料化合物の例は、ベンジルアセテート、p-tert.ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。エーテルとしては、例えばベンジルエチルエーテルなどが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8~18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブーゲオナールなどが挙げられる。好適なケトンの例は、イオノン及びメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールである。炭化水素としては、主にテルペン及びバルサムが挙げられる。しかしながら、一緒になって好ましいフレグランスを生じさせる、異なる香料化合物の混合物を使用することが好ましい。他の好適な香油は、主にアロマ成分として使用される比較的低揮発性のエッセンシャルオイルである。例は、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、ラダナム油、及びラバンジン(lavandin)油である。以下のものが、個別に又は混合物の形態のいずれかで好ましく用いられる:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(Boisambrene Forte)、アムブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン、サンデライス(sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール、ラバンジン油(lavandin oil)、クラリ油、ゼラニウム油ブルボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックス・クール(Vertofix Coeur)、イソ-E-スーパー(Iso-E-Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、バラ酸化物(rose oxide)、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)及びフロラマート(floramat)。
【0135】
制汗剤は、発汗を低減し、これによりエクリン汗腺の活動に影響を与えることによって脇の下の湿気及び体臭を弱める。水性制汗剤又は無水制汗剤は、典型的には収斂活性剤、例えば、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩を含む。このタイプの好適な発汗抑制剤(antihydrotic agent)は、例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロ水和物、アルミニウムジクロロ水和物、アルミニウムセスキクロロ水和物、及びこれらの、例えば1,2-プロピレングリコール、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、塩化アルミニウムタートレートとの錯体化合物、アルミニウムジルコニウムトリクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムテトラクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムペンタクロロ水和物及びこれらの、例えば、グリシンなどのアミノ酸との錯体化合物である。制汗剤において典型的に遭遇する油溶性及び水溶性の助剤もまた、比較的少量で存在し得る。これらのような油溶性助剤としては、例えば、炎症を防止する、皮膚を保護する、又は-心地よい匂いのエッセンシャルオイル、合成の皮膚保護剤及び/又は油溶性香油などが挙げられる。
【0136】
典型的な水溶性添加剤は、例えば、保存剤、水溶性香料、pH調節剤、例えば、バッファー混合物、水溶性増粘剤、例えば、水溶性天然ポリマー又は合成ポリマー、例えば、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン又は高分子量ポリエチレンオキシドなどである。
【0137】
好適なフケ防止剤は、クリンバゾール、オクトピロックス及び亜鉛ピリチオンである。
【0138】
標準的なフィルム形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸系のポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩並びに類似の化合物である。
【0139】
さらに、流動挙動を改善するために、ハイドロトロープ、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールを使用し得る。
【0140】
好適な保存剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール又はソルビン酸及び、Kosmetikverordnung(化粧品規制「Cosmetics Directive」)の、付属書6、パートA及びBにおいて列挙される他のクラスの化合物である。好適な昆虫忌避剤は、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ペンタン-1,2-ジオール又はエチルブチルアセチルアミノプロピオネートである。好適なセルフタンニング剤は、ジヒドロキシアセトンである。
【0141】
好適な香油は、天然フレグランスと合成フレグランスとの混合物である。天然のフレグランスとしては、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン-イラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ジュニパー)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アイリス、カルムス(calmus))、木(松材、サンダルウッド、グアヤクウッド、シダーウッド、シタン)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)の抽出物などが挙げられる。動物原料、例えば、ジャコウネコ及びビーバーも使用し得る。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素タイプの製品である。エステルタイプの香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert.ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。エーテルとしては、例えばベンジルエチルエーテルなどが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8~18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブーゲオナールなどが挙げられる。好適なケトンの例は、イオノン、イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールである。炭化水素としては、主にテルペン及びバルサムが挙げられる。しかしながら、一緒になって好ましいフレグランスを生じさせる、異なる香料化合物の混合物を使用することが好ましい。他の好適な香油は、主にアロマ成分として使用される比較的低揮発性のエッセンシャルオイルである。例は、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、ラダナム油及びラバンジン(lavandin)油である。以下のものが、個別に又は混合物の形態のいずれかで好ましく用いられる:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシナモンアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(Boisambrene Forte)、アムブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン、サンデライス(sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール、ラバンジン油(lavandin oil)、クラリ油、ダマスコン、ゼラニウム油ブルボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックス・クール(Vertofix Coeur)、イソ-E-スーパー(Iso-E-Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、バラ酸化物(rose oxide)、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)及びフロラマート(floramat)。
【0142】
使用し得る色素は、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft(ドイツ学術協会染料委員会(Dyes commission of the German research society))から発行された刊行物「Kosmetische Faerbemittel(化粧品用着色剤(Cosmetic Colorant))」, Verlag Chemie, Weinheim, 1984, pp. 81-106に列挙されているような、化粧品用に認可された、化粧品用に好適な物質である。例は、コチニールレッドA(C.I. 16255)、パテントブルーV(C.I. 42051)、インディゴチン(C.I. 73015)、クロロピリン(C.I. 75810)、キノリンイエロー(C.I. 47005)、チタニウムジオキシド(C.I. 77891)、インダントレンブルーRS(C.I. 69800)及びマダーレーキ(C.I. 58000)である。発光色素として、ルミノールが存在することも可能である。これらの色素は、通常、全混合物に対して0.001~0.1重量%の濃度で使用される。
【0143】
パーソナルケア組成物を基準として、これらの他の成分E)は、100重量%までの量で使用することが好ましい。
【0144】
最後に、本発明の別の主題は、1種以上の界面活性剤C)及びワックスディスパージョンB)及び任意にカチオン性ポリマーD)を室温で混合し、請求項1~13の少なくとも1項に記載の濃縮物A)を添加して一緒に撹拌し、ここで任意に他の成分E)を濃縮物A)の添加前又は後に添加できることを特徴とする、請求項に記載のパーソナルケア組成物を製造する方法である。
【実施例
【0145】
実施例1:安定化剤として水添ヒマシ油を有する濃縮物(=相A)
【0146】
濃縮物は、以下の表1に列挙される全ての化合物を、記載された量(活性物質としての重量%)で、90℃にて均質になるまで混合し、5~120分間かき混ぜながら(100rpm)(agitation)、室温(約25℃)に冷却することにより調製した。
【0147】
以下の成分を使用した(活性物質=AS):
【0148】
Dehyton(登録商標)PK 45:コカミドプロピルベタイン:37重量%の活性物質;7重量%の塩化ソーダ及び100重量%までの水を有する
Cutina(登録商標) HR粉末:水添ヒマシ油;100重量%の活性物質
Cetiol(登録商標) HE:非イオン性界面活性剤;7molのエチレンオキシドでエトキシル化された、ココナツ油ベースの脂肪酸混合物とグリセロールのモノエステル及びジエステル
Plantacare(登録商標)2000:C8~C16脂肪アルコールポリグリコシドの水溶液;INCI:デシルグルコシド;非イオン性界面活性剤、約51~55%の活性物質
Plantacare(登録商標) 818:C8~C18脂肪アルコールポリグリコシドの水溶液;INCIココ-グルコシド;非イオン性界面活性剤、約51~53%の活性物質
Texapon(登録商標) N70:C12~C14アルキルエーテルスルフェートNa塩の水溶液;INCI:ラウレス硫酸ナトリウム;アニオン性界面活性剤;約70%の活性物質。
【0149】
【表1-1】
【0150】
表1aは、7重量%を超える量の水添ヒマシ油(a)及び非イオン性乳化剤を有する本発明の濃縮物が、ベタイン及び追加のアニオン性界面活性剤を含む濃縮物(比較例C1a)に比べて非常に低い粘度を示すことを示している。
【0151】
【表1-2】
【0152】
表1bは、非イオン性乳化剤、水添ヒマシ油(a)及びアニオン性界面活性剤を含む比較濃縮物が、表1aによるアニオン性界面活性剤を含まない本発明の濃縮物と比較して、固体又はペースト状である、すなわち非常に高い粘度を示すことを示している。
【0153】
実施例2:シャワークリーム
【0154】
本発明の実施例1による濃縮物を、以下のワックスディスパージョンWD-1を含むシャワークリーム中で使用した(活性物質ベースの重量%; AS 40.8%):
27.0重量%の、エチレングリコールのモノエステル約6重量%とエチレングリコールのジエステル約94重量%との混合物、ここでエステル構成脂肪酸は、
約90~98.5重量のC18原子及び2~10重量のC16+C20+C22炭素原子を有していた(GCで測定)、
10重量%のラウレス硫酸ナトリウム(1EOを有する)、
1.5~2.0重量%のコカミドプロピルベタイン、
1.0~3.0重量%のモノオレイン酸グリセリル、
100重量%までの水、クエン酸及びベンゾエート。
【0155】
分散したワックスは、レーザー回折(Mastersizer 2000(登録商標))により測定したところ、1.5~2.5μmの平均粒径d50を有していた。
【0156】
又は、ワックスディスパージョンWD-2(活性物質ベースの重量%; AS 約39%):
22重量%の、エチレングリコールのモノエステル約6重量%とエチレングリコールのジエステル約94重量%との混合物、ここでエステル構成脂肪酸は、
約90~98.5重量のC18原子及び2~10重量のC16+C20+C22炭素原子を有していた(GCで測定)、
10~20重量%のヤシ油アルキルグルコシド、
1.55重量%のモノオレイン酸グリセリル、
100重量%までの水、クエン酸及びベンゾエート。
【0157】
分散したワックスは、レーザー回折(Mastersizer 2000(登録商標))により測定したところ、1.5~3.0μmの平均粒径d50を有していた。
【0158】
又は、ワックスディスパージョンWD-3(活性物質ベースの重量%; AS 約40.8%):
34.0重量%の、エチレングリコールのモノエステル約6重量%とエチレングリコールのジエステル約94重量%との混合物、ここでエステル構成脂肪酸は、
約90~98.5重量のC18原子及び2~10重量のC16+C20+C22炭素原子を有していた(GCで測定)、
10重量%のラウレス硫酸ナトリウム(1EOを有する)、
1.5~2.0重量%のコカミドプロピルベタイン、
100重量%までの水、クエン酸及びベンゾエート。
【0159】
ワックスディスパージョンを相B)として使用した。
【0160】
下記のさらなる成分を使用した:
Dehyquart(登録商標)Guar Nは、グアーガム、2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル、クロリド; IN-CI:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド; AS 約90%

Plantacare(登録商標)818: C8-C18脂肪アルコールポリグリコシドの水溶液; INCI ヤシ油アルキルグルコシド; 非イオン性界面活性剤; 約51~53%の活性物質

Texapon(登録商標)SB 3 KC: ラウリルポリグリコールエーテルスルホコハク酸のジ-ナトリウム塩; INCI: スルホコハク酸ラウレス2Na; アニオン性界面活性剤 31.5~34.5%
Jordapon(登録商標)SCI: ココイルイセチオン酸Na; AS: 少なくとも82%
Arlypon(登録商標)TT: テトキシル化及びプロポキシル化-トリメチロールプロパントリオレエートの混合物及びエトキシル化脂肪アルコール; INCI: トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチロールプロパン(及び)ラウレス-2
Plantasil(登録商標)4V: エトキシル化水添ヒマシ油、エトキシル化グリセリル脂肪酸エステル、エトキシル化ポリオールエステル及びグリセリンの混合物; INCI: PEG-40水添ヒマシ油(及び)PEG-7グリセリルココエート(及び)トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチロールプロパン(及び)グリセリン
Cetiol(登録商標)LDO: ジカプリリルエーテル及びラウリルアルコールのブレンド
Covi-ox(登録商標)T 90 C: トコフェロール
Lamesoft(登録商標)PO 65: ヤシ油アルキルグルコシド(及び)オレイン酸グリセリル
D-Panthenol(登録商標)75 W: パンテノール
Lamesoft(登録商標)TM Benz: ジステアリン酸グリコール、ヤシ油アルキルグルコシド、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル
【0161】
表2のシャワークリームを、以下の工程で調製した:相B)及びC)及びD)の全ての成分をこれらが完全に均質になるまで室温(23℃)で撹拌しながら一緒に混合した。実施例1にしたがって調製した濃縮物(=相A)、その後相E)を添加)を添加し、完全に均質なシャワークリーム製品が得られるまで撹拌した。成分は、上記の市販品の形態、示した重量%で使用した。活性成分の活性物質は%ASで示した。
【0162】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0163】
実施例3: クリーミーケアボディウォッシュ
相Aの成分を攪拌下で混合し、10分間膨潤させることにより、ボディウォッシュ組成物を調製した。相Bの成分を所定の順序で混合し、完全に均質になるまで撹拌した。相Aを相Bに添加し、相Cの成分を少しずつ添加した。D)に乳酸を添加することによりpHを調整した。
【0164】
【表3】
【0165】
ボディはクリーム状であり、白色であり、4週間以上安定であった。
【0166】
実施例4: 乳白化ボディウォッシュ
相Aの成分を完全に均質になるまで所定の順序で混合した。相Bを添加することによりpHを、相Cを添加することにより粘度を調整した。
【0167】
【表4】
【0168】
実施例5: 乳白化シャンプー
シャンプーを実施例4に記載したのと同様の方法で調製した。
【0169】
【表5】
【0170】
実施例6: 乳白化シャンプー
相Aの成分を攪拌下で混合し、約10分間膨潤させた。相Bの成分を所定の順序で加え、完全に均質になるまで撹拌した。相Cを加えることでpHを調整し、相Dを加えることで粘度を調整した。
【0171】
【表6】
【0172】
実施例7: コンディショニングシャンプー
相Aの成分を攪拌下で混合し、約10分間膨潤させた。相Bの成分を所定の順序で加え、各成分の添加後、完全に均質になるまで撹拌した。相Aを相Bに加えて、その後、相Cを少しずつ加えた。相Dを加えることでpHを調整し、相Eを加えることで粘度を調整した。
【0173】
【表7】
【国際調査報告】