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特表2022-549271マルチウエハ空間の単一移送チャンバのファセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】マルチウエハ空間の単一移送チャンバのファセット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518254
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 US2020051969
(87)【国際公開番号】W WO2021055991
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/903,913
(32)【優先日】2019-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/022,583
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウィーバー, ウィリアム ティー.
(72)【発明者】
【氏名】コンスタント, アンドリュー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】アッサーフ, シェイ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン, ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BB04
5F131BB23
5F131CA39
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB76
5F131DB82
5F131DD42
5F131DD82
5F131DD86
5F131EA03
5F131EA04
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA22
5F131HA23
5F131HA24
5F131HA29
5F131HA35
(57)【要約】
本開示の実施形態は、ロードロックチャンバ及びロードロックチャンバを使用する方法を対象とする。ロードロックチャンバは、中間セクション、中間セクションに連結される上側セクション、及び中間セクションに連結される下側セクションを含む。中間セクションの外面上のファセット内のスリットバルブが、ロードロックの外側から中間空間にアクセスするための開口部を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードロックチャンバであって、
中間空間を包含する内面と、クラスタツールに連結するように構成された第1の中間ファセットを備えた外面と、を有する中間セクションであって、前記第1の中間ファセットは、前記外面を通して前記中間空間へのアクセスを提供するスリットバルブ開口部を有する、中間セクション、
前記チャンバの軸に沿って配置され、前記中間セクションの上部に連結され、上側空間を包含する内面を有する上側セクションであって、上側可動仕切りによって前記中間セクションから隔離可能な上側セクション、及び
前記チャンバの前記軸に沿って配置され、前記中間セクションの下部に連結され、下側空間を包含する内面を有する下側セクションであって、下側可動仕切りによって前記中間セクションから隔離可能な下側セクションを備える、ロードロックチャンバ。
【請求項2】
前記上側可動仕切りが、上側仕切りセクション内にあり、前記下側可動仕切りが、下側仕切りセクション内にあり、前記上側仕切りセクション及び前記下側仕切りセクションが、チャンバの軸に対して水平に延在する、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項3】
前記上側仕切りセクションが、前記中間セクションと前記上側セクションとの間の密封位置から開いた位置へ、前記上側仕切りを移動させるように構成された上側仕切りアクチュエータを備える、請求項2に記載のロードロックチャンバ。
【請求項4】
前記上側仕切りアクチュエータが、前記チャンバの軸に対して80度から110度の範囲内の角度で、前記上側仕切りを移動させる、請求項3に記載のロードロックチャンバ。
【請求項5】
前記下側仕切りセクションが、前記中間セクションと前記下側セクションとの間の密封位置から開いた位置へ、前記下側仕切りを移動させるように構成された下側仕切りアクチュエータを備える、請求項2に記載のロードロックチャンバ。
【請求項6】
前記下側仕切りアクチュエータが、前記チャンバの軸に対して80度から110度の範囲内の角度で、前記下側仕切りを移動させる、請求項5に記載のロードロックチャンバ。
【請求項7】
前記上側セクションに連結された上側モータを更に備え、前記上側モータは、前記チャンバの軸に沿って前記上側セクションと前記中間セクションとの間で、上側基板支持体を移動させるように構成されている、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項8】
前記上側基板支持体が、前記チャンバの軸の周りで距離を空けて配置された複数の支持ビームを備え、基板が前記支持ビームの各々からの支持フィンガ上に支持され得るように、前記支持ビームの各々は、前記前記支持ビームから内向きに延在し且つ前記チャンバの軸に沿って間隔を空けられた複数の支持フィンガを有する、請求項7に記載のロードロックチャンバ。
【請求項9】
前記上側基板支持体が、前記チャンバの軸に沿って間隔を空けられた複数の加熱及び/又は冷却プレートを備え、前記加熱及び/又は冷却プレートの各々は、基板を支持するように構成されている、請求項7に記載のロードロックチャンバ。
【請求項10】
前記下側セクションに連結された下側モータを更に備え、前記下側モータは、前記チャンバの軸に沿って前記下側セクションと前記中間セクションとの間で、下側基板支持体を移動させるように構成されている、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項11】
前記下側基板支持体が、前記チャンバの軸の周りで距離を空けて配置された複数の支持ビームを備え、基板が前記支持ビームの各々からの支持フィンガ上に支持され得るように、前記支持ビームの各々は、前記前記支持ビームから内向きに延在し且つ前記チャンバの軸に沿って間隔を空けられた複数の支持フィンガを有する、請求項10に記載のロードロックチャンバ。
【請求項12】
前記下側基板支持体が、前記チャンバの軸に沿って間隔を空けられた複数の加熱及び/又は冷却プレートを備え、前記加熱及び/又は冷却プレートの各々は、基板を支持するように構成されている、請求項10に記載のロードロックチャンバ。
【請求項13】
前記中間セクションの前記外面が、前記外面を通して前記中間空間へのアクセスを提供する第2のスリットバルブ開口部を有する第2の中間ファセットを更に備える、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項14】
前記第2の中間ファセットが、前記クラスタツールの第2のファセットに連結されるように構成されている、請求項13に記載のロードロックチャンバ。
【請求項15】
前記第2の中間ファセットが、中間セクションファクトリインターフェースとして作用するために、大気圧動作向けに構成されている、請求項13に記載のロードロックチャンバ。
【請求項16】
前記上側セクションの前記外面が、前記外面を通して前記上側空間へのアクセスを提供する上側スリットバルブ開口部を有する上側ファセットを備える、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項17】
前記下側セクションの前記外面が、前記外面を通して前記下側空間へのアクセスを提供する下側スリットバルブ開口部を有する下側ファセットを備える、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項18】
前記仕切りを開閉することと、モータを作動させて基板支持体を移動することと、1以上のスリットバルブを開閉することと、1以上の大気インターフェースを開閉することと、のうちの1以上を実行するように構成されたコントローラを更に備える、請求項1に記載のロードロックチャンバ。
【請求項19】
ロードロックチャンバの軸に沿って配置された中間セクション、上側セクション、及び下側セクションを有する前記ロードロックチャンバの中間セクションの中間空間内でプロセス環境を生成することであって、前記上側セクションは前記中間セクションの上部に連結され、前記下側セクションは前記中間セクションの下部に連結され、前記上側セクションは上側可動仕切りによって前記中間セクションから隔離可能であり、前記下側セクションは下側可動仕切りによって前記中間セクションから隔離可能である、プロセス環境を生成すること、
前記上側セクションの上側空間内でプロセス環境を生成することであって、前記上側空間は上側モータに連結された上側基板支持体を有し、前記上側モータは、前記上側基板支持体を前記上側空間と前記中間空間との間で移動させるように構成される、プロセス環境を生成すること、
前記上側基板支持体が前記上側空間と前記中間空間との間で移動することを可能にするために前記上側仕切りを開くこと、
前記上側基板支持体を前記上側空間から前記中間空間へ又は前記中間空間から前記上側空間へ移動させること、
前記上側空間を前記中間空間から隔離するために前記上側仕切りを閉じること、
前記下側セクションの下側空間内でプロセス環境を生成することであって、前記下側空間は下側モータに連結された下側基板支持体を有し、前記下側モータは、前記下側基板支持体を前記下側空間と前記中間空間との間で移動させるように構成される、プロセス環境を生成すること、
前記下側基板支持体が前記下側空間と前記中間空間との間で移動することを可能にするために前記下側仕切りを開くこと、
前記下側基板支持体を前記下側空間から前記中間空間へ又は前記中間空間から前記下側空間へ移動させること、
前記下側空間を前記中間空間から隔離するために前記下側仕切りを閉じること、
外面を通して前記中間空間へのアクセスを可能にするために、前記中間セクションの前記外面のファセット内のスリットバルブを開くこと、
基板を前記中間空間と前記ロードロックチャンバの外側との間で移動させるために、前記外面内の前記スリットバルブを通して前記中間空間にアクセスすること、並びに
前記中間空間を前記外面から隔離するために、前記中間セクションの前記外面の前記ファセット内の前記スリットバルブを閉じることを含む、処理方法。
【請求項20】
指示命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令は、ロードロックチャンバのコントローラによって実行されたときに、前記ロードロックチャンバに、
前記ロードロックチャンバの中間空間、上側空間、又は下側空間のうちの1以上内でプロセス環境を生成する動作、
前記上側空間及び/又は前記下側空間と前記中間空間との間の移動を可能にする及び/又は防止するために、上側仕切り或いは下側仕切りのうちの1以上を開閉する動作、
上側基板支持体又は下側基板支持体のうちの1以上を、前記上側空間と前記中間空間との間或いは前記下側空間と前記中間空間との間で移動させる動作、
中間セクション、上側セクション、又は下側セクションのうちの1以上のファセット内の1以上のスリットバルブを開閉する動作、並びに
前記スリットバルブを通して前記中間空間、前記上側空間、又は前記下側空間のうちの1以上にアクセスする動作を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、半導体製造装置に関する。特に、本開示の実施形態は、半導体製造向けの移送チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] クラスタツールとも呼ばれる大型のマルチチャンバ処理ツールは、半導体製造において一般的に使用されている。一般に、複数のプロセスチャンバが、中央移送ステーションの周囲に配置される。基板に対する所定の処理を実行するために、中央移送ステーション内のロボットが、様々な処理チャンバ間で基板を調整された順序で移動させる。クラスタツール内で一般的に使用されるプロセスチャンバには、例えば、原子層堆積(ALD)チャンバ、化学化学気相堆積(CVD)チャンバ、物理的気相堆積(PVD)チャンバ、エッチングチャンバ、調整チャンバ、処理チャンバ、加熱チャンバなどが含まれる。
【0003】
[0003] しばしば、プロセス用のウエハハンドリング要件は、スループット又はプロセス要件を満たすために、更なるウエハチャンバ空間(例えば、ロードロック、加熱ステーション、冷却ステーション、又は組み合わせ機能ステーション用の)を必要とする。そこで、クラスタツールの全体的な設置面積を増加させることなく、利用可能な基板処理ステーションの数を増加させるための装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の1以上の実施形態は、中間セクション、上側セクション、及び下側セクションを備える、ロードロックチャンバを対象とする。中間セクションは、中間空間を包含する内面、及びクラスタツールに連結されるように構成された第1の中間ファセットを備えた外面を有する。第1の中間ファセットは、外面を通して中間空間へのアクセスを提供するスリットバルブ開口部を有する。上側セクションは、チャンバの軸に沿って配置され、中間セクションの上部に連結される。上側セクションは、上側空間を包含する内面を有する。上側セクションは、上側可動仕切りによって中間セクションから隔離可能である。下側セクションは、チャンバの軸に沿って配置され、中間セクションの下部に連結される。下側セクションは、下側空間を包含する内面を有し、下側可動仕切りによって中間セクションから隔離可能である。
【0005】
[0005] 本開示の更なる実施形態は、処理方法を対象とする。該方法は、ロードロックチャンバの軸に沿って配置された中間セクション、上側セクション、及び下側セクションを有するロードロックチャンバの中間セクションの中間空間内でプロセス環境を生成することであって、上側セクションは中間セクションの上部に連結され、下側セクションは中間セクションの下部に連結され、上側セクションは上側可動仕切りによって中間セクションから隔離可能であり、下側セクションは下側可動仕切りによって中間セクションから隔離可能である、プロセス環境を生成すること、上側セクションの上側空間内でプロセス環境を生成することであって、上側空間は上側モータに連結された上側基板支持体を有し、上側モータは、上側基板支持体を上側空間と中間空間との間で移動させるように構成される、プロセス環境を生成すること、上側基板支持体が上側空間と中間空間との間で移動することを可能にするために上側仕切りを開くこと、上側基板支持体を上側空間から中間空間へ又は中間空間から上側空間へ移動させること、上側空間を中間空間から隔離するために上側仕切りを閉じること、下側セクションの下側空間内でプロセス環境を生成することであって、下側空間は下側モータに連結された下側基板支持体を有し、下側モータは、下側基板支持体を下側空間と中間空間との間で移動させるように構成される、プロセス環境を生成すること、下側基板支持体が下側空間と中間空間との間で移動することを可能にするために下側仕切りを開くこと、下側基板支持体を下側空間から中間空間へ又は中間空間から下側空間へ移動させること、下側空間を中間空間から隔離するために下側仕切りを閉じること、外面を通して中間空間へのアクセスを可能にするために、中間セクションの外面のファセット内のスリットバルブを開くこと、基板を中間空間とロードロックチャンバの外側との間で移動させるために、外面内のスリットバルブを通して中間空間にアクセスすること、並びに、中間空間を外面から隔離するために、中間セクションの外面のファセット内のスリットバルブを閉じることを含む。
【0006】
[0006] 本開示の更なる実施形態は、指示命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体を対象とする。該指示命令は、ロードロックチャンバのコントローラによって実行されたときに、ロードロックチャンバに、ロードロックチャンバの中間空間、上側空間、又は下側空間のうちの1以上内でプロセス環境を生成する動作、上側空間及び/又は下側空間と中間空間との間の移動を可能にする及び/又は防止するために、上側仕切り或いは下側仕切りのうちの1以上を開閉する動作、上側基板支持体又は下側基板支持体のうちの1以上を、上側空間と中間空間との間或いは下側空間と中間空間との間で移動させる動作、中間セクション、上側セクション、又は下側セクションのうちの1以上のファセット内の1以上のスリットバルブを開閉する動作、並びに、スリットバルブを通して中間空間、上側空間、又は下側空間のうちの1以上にアクセスする動作を実行させる。
【0007】
[0007] 上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に短く要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認めることができるので、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008] 本開示の1以上の実施形態によるクラスタツールを示す。
図2】[0009] 本開示の1以上の実施形態によるロードロックチャンバの概略断面図を示す。
図3】[0010] 本開示の1以上の実施形態によるロードロックチャンバの平行投影図を示す。
図4】[0011] 本開示の1以上の実施形態によるロードロックチャンバの平行投影図を示す。
図5】[0012] 本開示の1以上の実施形態によるロードロックチャンバの平行投影図を示す。
図5A】[0013] 本開示の1以上の実施形態によるロードロックチャンバと共に使用するための基板支持体の平行投影図を示す。
図6A】[0014] 図6Aから図6Cは、本開示の1以上の実施形態による使用中のロードロックチャンバの断面概略図を示す。
図6B図6Aから図6Cは、本開示の1以上の実施形態による使用中のロードロックチャンバの断面概略図を示す。
図6C図6Aから図6Cは、本開示の1以上の実施形態による使用中のロードロックチャンバの断面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015] 本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明で提示される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0010】
[0016] 本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、処理が作用する表面又は表面の一部分を表している。これも当業者には当然のことであるが、基板に対して言及がなされるとき、文脈上他のことが明示されない限り、基板の一部分のみを指す場合がある。更に、基板上への堆積に対して言及がなされるとき、それは、ベア基板と、1以上の膜又は特徴が堆積又は形成された基板と、の両方を意味し得る。
【0011】
[0017] 本明細書で使用される際に、「基板」とは、その上で製造プロセス中に膜処理が実行されるところの、任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電材料などの任意の他の材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されるわけではない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、且つ/又はベークするために、基板を前処理プロセスに曝すことができる。基板の表面自体に直接膜処理を行うことに加えて、本開示では、開示されている膜処理ステップのうちの任意のものが、より詳細に後述されるように、基板上に形成された下層に対して実行されることもあり、「基板表面(substrate surface)」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことを意図している。したがって、例えば基板表面上に膜/層又は部分的な膜/層が堆積している場合には、新たに堆積した膜/層の露出面が基板表面になる。
【0012】
[0018] 図1は、半導体製造プロセスのためのクラスタツール100を示している。図示されているクラスタツール100は、複数の側面を有する少なくとも1つの中央移送ステーション121、131を含む。図示されている実施形態では、クラスタツール100が、第1の中央移送ステーション121及び第2の中央移送ステーション131を有する。このように使用する「中央」という用語は、特定の位置を意味するものではなく、むしろ、この用語は、2つ以上のチャンバが連結され、処理中に基板が通過する構成要素の一般的な説明を指す。各中央移送ステーション121、131は、その中に配置された少なくとも1つのロボット125、135を含む。ロボット125、135は、少なくとも1つのロボットブレード126、136及びウエハ101を中央移送ステーション121、131の各側に移動させるように構成されている。中央移送ステーション121、131の各側は、それに連結された少なくとも1つのチャンバを有する。
【0013】
[0019] 図示されているクラスタツール100は、中央移送ステーションに連結された、プロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ102、104、106、110、112、114、116、及び118を備える。様々な処理チャンバは、隣接する処理ステーションから隔離された別個の処理領域を提供する。処理チャンバは、予洗浄チャンバ、緩衝チャンバ(buffer chamber)、(1以上の)移送スペース、ウエハオリエンタ(wafer orienter)/ガス抜きチャンバ、低温冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニーリングチャンバ、エッチングチャンバ、及び結晶化剤除去チャンバ(crystallization agent removal chamber)を含むが、これらに限定されない任意のチャンバであり得る。プロセスチャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変更することができ、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
[0020] 幾つかの実施形態の堆積チャンバは、原子層堆積チャンバ、プラズマ強化原子層堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、プラズマ強化化学気相堆積チャンバ、又は物理堆積チャンバのうちの1以上を備える。幾つかの実施形態では、クラスタツール100が、中央移送ステーションに連結された予洗浄チャンバを含む。
【0015】
[0021] 図1で示されている実施形態では、ファクトリインターフェース150が、クラスタツール100の前面に連結されている。ファクトリインターフェース150は、ファクトリインターフェース150の前面151上にローディングチャンバ154及びアンローディングチャンバ156を含む。ローディングチャンバ154が左側に示され、アンローディングチャンバ156が右側に示されているが、当業者は、これが1つの可能な構成の単なる典型例にすぎないことを理解するだろう。
【0016】
[0022] ローディングチャンバ154及びアンローディングチャンバ156のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール100内で処理される基板に応じて変更され得る。図示されている実施形態では、ローディングチャンバ154及びアンローディングチャンバ156が、複数のウエハがカセット内に配置されたウエハカセットを保持するようにサイズ決定されている。
【0017】
[0023] ロボット152が、ファクトリインターフェース150内にあり、ローディングチャンバ154とアンローディングチャンバ156との間を移動するように構成されている。ロボット152は、ローディングチャンバ154内のカセットからファクトリインターフェース150を通してロードロックチャンバ160に、ウエハ101を移送するように構成されている。ロボット152はまた、ロードロックチャンバ162からファクトリインターフェース150を通してアンローディングチャンバ156内のカセットに、ウエハ101を移送するように構成されている。当業者に理解されるように、ファクトリインターフェース150は、複数のロボット152を有することができる。例えば、ファクトリインターフェース150は、ローディングチャンバ154とロードロックチャンバ160との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロックチャンバ162とアンローディングチャンバ156との間でウエハ101を移送する第2のロボットとを有してよい。
【0018】
[0024] 図示されているクラスタツール100は、第1のセクション120及び第2のセクション130を有する。第1のセクション120は、ロードロックチャンバ160、162を通してファクトリインターフェース150に連結される。第1のセクション120は、少なくとも1つのロボット125が内部に配置された第1の移送チャンバ121を含む。ロボット125は、ロボット式ウエハ移送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ121は、ロードロックチャンバ160、162、プロセスチャンバ102、104、116、118、及び緩衝チャンバ122、124に対して中央に位置付けられている。幾つかの実施形態のロボット125は、一度に複数のウエハを独立して移動させることができるマルチアームロボットである。幾つかの実施形態では、第1の移送チャンバ121が、複数のロボット式ウエハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ121内のロボット125は、第1の移送チャンバ121の周囲のチャンバ間でウエハを移動させるように構成されている。個々のウエハは、第1のロボット式機構の遠位端に位置付けられたウエハ搬送ブレード上に担持される。
【0019】
[0025] 第1のセクション120内のウエハを処理した後で、ウエハは、通過チャンバを通して第2のセクション130まで移動し得る。例えば、チャンバ122、124は、単方向又は双方向の通過チャンバであり得る。通過チャンバ122、124は、例えば、第2のセクション130における処理前に、ウエハを低温冷却するために使用することができ、又は第1のセクション120に戻る前に、ウエハ冷却若しくは後処理を可能にする。
【0020】
[0026] システムコントローラ190が、第1のロボット125、第2のロボット135、第1の複数の処理チャンバ102、104、116、118、及び第2の複数の処理チャンバ106、110、112、114と通信する。システムコントローラ190は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素であり得る。例えば、システムコントローラ190は、中央処理装置、メモリ、適切な回路、及びストレージを含む、コンピュータであり得る。
【0021】
[0027] プロセスは、概して、プロセッサによって実行されたときに、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ190のメモリ内に記憶され得る。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置付けられた第2のプロセッサ(図示せず)によって、記憶及び/又は実行することもできる。本開示の方法の一部又は全部をハードウェア内で実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェア内に実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路若しくは他の種類のハードウェア実施態様としての、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとしてのハードウェア内で実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、処理が実行されるようにチャンバの動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0022】
[0028] 本開示の1以上の実施形態は、クラスタツールの単一移送チャンバのファセットが、複数のウエハ空間を受け入れることを可能にする装置及び方法を対象とする。幾つかの実施形態では、複数のウエハ空間は、ロードロック、加熱空間、冷却空間、これらの機能の組み合わせなどとして使用される。これは、減圧ロボットに追加のZ軸運動を要求することなく実現することができる(ウエハチャンバスペースがこれを提供するため)。
【0023】
[0029] 本開示の実施形態は、減圧ロボットZ軸や移送チャンバ空間などを変更する必要なしに、既存のシステムの修正を可能にする。幾つかの実施形態は、既存の数の移送チャンバのファセット、既存の減圧ロボットZ軸、及び既存の移送チャンバに対して、ウエアチャンバスペースの数を倍にする能力を提供し、典型的には、2つのロードロックファセット(減圧ロボットに対してそれぞれ単一のウエア移送面を有する)のみを提供するが、このアプローチにより、単一ウエア移送面やZ軸ロボットなどを変更することなく、ロードロックファセットの数を倍にすることができる。
【0024】
[0030] 本開示の幾つかの実施形態は、各ロードロックファセット(上側、中間、及び下側空間)において3つの空間を生成する装置を提供する。幾つかの実施形態では、装置がロードロックチャンバと呼ばれる。当業者であれば、この用語は、特許請求される装置を説明するために使用されることを理解するであろう。というのも、中間空間が、ロードロックチャンバと同様に作用することができるからである。中間空間は、移送チャンバ並びに上側及び下側空間と相互作用する。幾つかの実施形態では、上側空間及び下側空間が、中間空間と相互作用し、中間空間が、ファクトリインターフェース(FI)と相互作用する。
【0025】
[0031] 「下」、「下方」、「下側」、「上」、「上方」、「上側」などの、空間的な相対語は、図面中で示されているように、1つの要素又は特徴の、別の(1以上の)要素又は(1以上の)特徴に対する関係を説明することを容易にするために、本明細書で使用されてよい。空間的な相対語は、図面中で描かれている配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの種々の配向を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、図面内のデバイスがひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」として説明された要素は、他の要素又は特徴の「上」に配向されることになる。したがって、例示的な用語「下」は、上と下の両方の配向を含んでよい。デバイスは、他の方法で配向され(10度又は他の配向に回転され)てよく、本明細書で使用される空間的な相対記述語がそれに応じて解釈され得る。
【0026】
[0032] 例示的な一実施形態では、ウエハが、FIから上側又は下側空間を通ってメインフレームの中に移動する。上側又は下側空間は、所望の減圧レベルまでポンプダウンされる。一旦、その減圧レベルが実現されると、中間空間と上側又は下側空間との間の大きなドアが開く。それによって、ウエハを中間空間の中に移動させることができる。移送チャンバ内の減圧ロボットは、一旦、この中間空間の中に移動されると、ウエアと相互作用することができる。上側空間が移送チャンバと(中間空間を通して)相互作用している間、下側空間は、FIと相互作用し、ポンピング又は通気、加熱又は冷却などすることができる。これは、上側空間及び中間空間(これらは、上側空間と中間空間との間のドアが開いているため、その時点では単一の空間である)とは異なる圧力で行うことができる。空間は、どのような数のウエハが選択されても適応するように調整することができる。
【0027】
[0033] 幾つかの実施形態では、加熱及び/又は冷却ステーションが、空間の中に一体化される。幾つかの実施形態では、加熱及び/又は冷却が、上側及び下側空間内の基板支持体の中に組み込まれる。幾つかの実施形態は、多数のウエハを収容するために、可変ピッチロードロックを有する。
【0028】
[0034] 図2から図5は、ロードロックチャンバ200の1以上の実施形態を示している。図2は、ロードロックチャンバ200の概略断面図を示している。図面で使用する陰影は、構成要素を区別するのを助けることを意図しており、構造の特定の材料を限定するものと解釈されるべきではない。
【0029】
[0035] 次に、図2及び図3を参照すると、ロードロックチャンバ200の1以上の実施形態が示されている。ロードロックチャンバ200の中間セクション220は、中間セクションの壁厚を規定する内面222と外面224とを有する。内面222は、中間空間226を包含する。
【0030】
[0036] 外面224は、第1の中間ファセット228を有する。このやり方で使用されるときに、用語「ファセット」は、別の構成要素の表面と相互作用するように構成された成形表面を有する対象装置の一部分を指す。例えば、図3で示されているファセットは、平坦であり、図1で示されているように、第2の中央移送ステーション131の外側上の平坦な表面に連結する。第1の中間ファセット228は、クラスタツール100と連結するように構成され、スリットバルブ開口部229を有する。スリットバルブ開口部229は、中間セクション220の外面224及び壁を通して中間空間226へのアクセスを提供する。
【0031】
[0037] ロードロックチャンバ200は、説明目的のみのために、垂直方向に向けられた軸205を有する。垂直方向記述子(例えば、上方、上側、下方、下側)を使用して説明される構成要素は、軸205に沿って間隔を空けて配置される。幾つかの実施形態では、軸205はZ軸と呼ばれる。幾つかの実施形態では、軸205が、第1の方向に沿って延びると言われる。当業者は、空間方向言語の使用が、スペース内の固定された配向を意味しないことを認識するであろう。
【0032】
[0038] ロードロックチャンバ200は、中間セクション220の上方の軸205に沿って配置された上側セクション240を含む。上側セクション240は、中間セクション220の上部221に連結されている。図示されている一実施形態では、以下で更に説明されるように、上側セクション240が、上側仕切りセクションを介して中間セクション220の上部221に連結する。幾つかの実施形態では、上側セクション240が、介在するセクションなしに中間セクション220の上部221と直接的に連結する。
【0033】
[0039] 上側セクション240は、上側セクション240の壁の厚さを規定する内面242と外面244とを有する。内面242は、上側空間246を包含する。中間空間226に対する上側空間246の境界は、間に物理的な障壁がない場合には特に限定されない。物理的障壁、例えば、仕切り235が、上側空間246と中間空間226との間に配置されると、物理的な障壁が、上側空間246と中間空間226との境界を画定する。
【0034】
[0040] 上側セクション240は、上側可動仕切り235によって中間セクション220から隔離可能である。別の言い方をすれば、幾つかの実施形態では、上側空間246が、上側可動仕切り235によって中間空間226から隔離可能である。
【0035】
[0041] 幾つかの実施形態では、上側可動仕切り235が、ロードロックチャンバ200の上側仕切りセクション230内にある。上側仕切りセクション230は、内面232及び外面234を有する。内面232は、上側仕切り空間236を包含する。可動上側仕切り235は、上側仕切り空間236内にある。
【0036】
[0042] 幾つかの実施形態では、上側仕切りセクション230が、上側仕切りアクチュエータ238を含む。上側仕切りアクチュエータ238は、仕切り235を移動させるように構成された、減圧処理チャンバ内で使用するための当業者に知られている任意の適切なアクチュエータ/モータであり得る。幾つかの実施形態では、上側仕切りアクチュエータ238が、中間セクション220と上側セクション240との間の密封位置(図2で示されているような)から、仕切り235が上側空間246又は中間空間226に対する境界を形成しない開いた位置(図6Aで示されているような)へ、上側仕切り235を移動させるように構成されている。
【0037】
[0043] 幾つかの実施形態では、上側仕切りセクション230が、軸205に対して水平に延びる延在部分237を有する。例えば、幾つかの実施形態の上側仕切りセクション230の延在部分237は、軸205に垂直なX‐Y平面内にある。幾つかの実施形態では、上側仕切りアクチュエータが、チャンバ軸205に対して80度から110度の範囲内の角度で上側仕切り235を移動させる。ロードロックチャンバ200の向きに応じて、上側仕切りをチャンバ軸205に対していずれの方向にも移動させることができることを、当業者は認識するであろう。例えば、示されている図面における上側仕切りの移動方向は、鏡像構成要素に対して反対であってもよい。
【0038】
[0044] 幾つかの実施形態では、上側仕切りアクチュエータ238が、上側仕切り235を延在部分237の中に移動させるように構成されている。延在部分237内にあるとき、上側仕切り235は開いた位置にある。
【0039】
[0045] ロードロックチャンバ200は、中間セクション220の下方で軸205に沿って配置された下側セクション260を含む。別の言い方をすれば、幾つかの実施形態では、下側セクション260が、チャンバ軸205に沿って上側セクション240とは反対側の中間セクション220の側面上にある。下側部分260は、中間セクション220の下部223に連結されている。図示されている一実施形態では、以下で更に説明されるように、下側セクション260が、下側仕切りセクション250を介して中間セクション220の下部223に連結する。幾つかの実施形態では、下側セクション260が、介在セクションなしに中間セクション220の下部223と直接的に連結する。
【0040】
[0046] 下側セクション260は、下側セクション260の壁の厚さを規定する内面262と外面264とを有する。内面262は、下側空間266を包含する。中間空間226に対する下側空間266の境界は、間に物理的な障壁がない場合には特に限定されない。物理的障壁、例えば、仕切り255が、下側空間266と中間空間226との間に配置されると、物理的な障壁が、下側空間266と中間空間226との境界を画定する。
【0041】
[0047] 下側セクション260は、下側可動仕切り255よって中間セクション220から隔離可能である。別の言い方をすれば、幾つかの実施形態では、下側空間266が、下側可動仕切り255によって中間空間226から隔離可能である。
【0042】
[0048] 幾つかの実施形態では、下側可動仕切り255が、ロードロックチャンバ200の下側仕切りセクション250内にある。下側仕切りセクション250は、内面252及び外面254を有する。内面252は、下側仕切り空間256を包含する。可動下側仕切り255は、下側仕切り空間256内にある。
【0043】
[0049] 幾つかの実施形態では、下側仕切りセクション250が、下側仕切りアクチュエータ258を含む。下側仕切りアクチュエータ258は、仕切り255を移動させるように構成された、減圧処理チャンバ内で使用するための当業者に知られている任意の適切なアクチュエータ/モータであり得る。幾つかの実施形態では、下側仕切りアクチュエータ258が、中間セクション220と下側セクション260との間の密封位置(図2で示されているような)から、仕切り255が下側空間266又は中間空間226に対する境界を形成しない開いた位置(図6Cで示されているような)へ、下側仕切り255を移動させるように構成されている。
【0044】
[0050] 幾つかの実施形態では、下側仕切り部分250が、軸205に対して水平に延びる延在部分257を有する。例えば、幾つかの実施形態の下側仕切り部分250の延在部分257は、軸205に垂直なX‐Y平面内にある。幾つかの実施形態では、下側仕切りアクチュエータ258が、チャンバ軸205に対して80度から110度の範囲内の角度で、下側仕切り255を移動させる。
【0045】
[0051] 幾つかの実施形態では、下側仕切りアクチュエータ258が、下側仕切り255を延在部分257内に移動させるように構成されている。延在部分257内にあるときに、下側仕切り255は開いた位置にある。
【0046】
[0052] 上側基板支持体270は、上側セクション240内に位置付けられ、上側仕切り235が開いた位置にあるときに、中間セクション220に移動可能である。幾つかの実施形態では、上側モータ272(図3で示されている)が、上側セクション240に連結される。上側モータ272は、上側基板支持体270を、チャンバ軸205に沿って上側セクション240と中間セクション220との間で移動させるように構成されている。図3の上側モータ272は、上側ピストン274を介して上側セクション240に連結されている。上側モータ272は、上側基板支持体270をチャンバ軸205に沿って移動させることができる、モータ、ガス圧、液圧、又は他の構成要素を含む。
【0047】
[0053] 下側基板支持体280は、下側セクション260内に位置付けられ、下側仕切り255が開いた位置にあるときに、中間セクション220に移動可能である。幾つかの実施形態では、下側モータ282(図3で示されている)が、下側セクション260に連結される。下側モータ282は、下側基板支持体280を、チャンバ軸205に沿って下側セクション260と中間セクション220との間で移動させるように構成されている。図3の下側モータ282は、下側ピストン284を介して下側セクション260に連結されている。下側モータ282は、下側基板支持体280をチャンバ軸205に沿って移動させることができる、モータ、ガス圧、液圧、又は他の構成要素を含む。
【0048】
[0054] 図4を参照すると、ロードロックチャンバ200の幾つかの実施形態は、中間セクション220の外面224上に第2の中間ファセット328を含む。第2の中間ファセット328は、第2のスリットバルブ開口部329を有し、中間セクション220の外面224及び壁を通して、中間空間226へのアクセスを提供する。
【0049】
[0055] 図示されている一実施形態では、第2の中間ファセット328が、第1の中間ファセット228からチャンバ軸205の周りに略90度である。幾つかの実施形態では、第2の中間ファセット328によって形成される平面が、第1の中間ファセット228からチャンバ軸205の周りに15度から180度の範囲内の角度にある。
【0050】
[0056] 幾つかの実施形態では、第2の中間ファセット328が、クラスタツールの第2のファセットと連結されるように構成されている。例えば、図1を参照すると、ロードロックチャンバ200の第2の中間ファセット328が、処理チャンバ110の側面に対向し、処理チャンバ110への連結部を形成する。幾つかの実施形態では、ロードロックチャンバ200が、クラスタツール100の第1のセクション120と第2のセクション130との間の緩衝チャンバ122及び/又は緩衝チャンバ124の代わりにある。この種の幾つかの実施形態では、ロードロックチャンバ200が、第1の中央移送ステーション121に連結された第1の中間ファセット228と、第2の中央移送ステーション131に連結された第2の中間ファセット328とを有する。
【0051】
[0057] 幾つかの実施形態では、第2の中間ファセット328が、大気圧動作向けに構成されている。例えば、幾つかの実施形態の第2の中間ファセット328は、クラスタツール100に出入りするウエハの移動を可能にするための中間セクション220のファクトリインターフェースとして構成される。
【0052】
[0058] 幾つかの実施形態では、図4で示されているように、上側セクション240又は下側セクション260のうちの1以上が、別の構成要素と相互作用するためのファセット348、368を含む。幾つかの実施形態では、上側セクション240の外面244が、上側ファセット348を有し、上側スリットバルブ開口部349が、上側セクション240の外面244及び壁を通して、上側空間246へのアクセスを提供する。
【0053】
[0059] 幾つかの実施形態では、上側ファセット348が、大気圧動作向けに構成される。幾つかの実施形態では、上側ファセット348が、クラスタツール100の内外へのウエアの移動を可能にするための上側セクション240のファクトリインターフェースとして構成される。
【0054】
[0060] 幾つかの実施形態では、下側セクション260の外面264が、下側ファセット368を有し、下側スリットバルブ開口部369が、下側セクション260の外面264及び壁を通して、下側空間266へのアクセスを提供する。幾つかの実施形態において、である。
【0055】
[0061] 幾つかの実施形態では、下側ファセット368が、大気圧動作向けに構成される。幾つかの実施形態では、下側ファセット368が、クラスタツール100の内外へのウエハの移動を可能にするための下側セクション260のファクトリインターフェースとして構成される。
【0056】
[0062] 図5は、第1の中間ファセット228と第2の中間ファセット328とを有する中間セクション220を備えるロードロックチャンバ200の一実施形態を示している。上側セクション240及び下側セクション260の壁は、ピストン274、284に連結された基板支持体270、280を図示するために省略されている。
【0057】
[0063] 上側基板支持体270と下側基板支持体280は、同じタイプの支持システムであってもよく、又は異なるものであってもよい。図5Aは、本開示の1以上の実施形態による上側基板支持体270を示している。基板が支持されるであろう配向を示すために、ウエハ101が仮想線で図示されている。下側基板支持体280が、図5Aで示されているものと同じ構成であってもよく、上側基板支持体270に関して本明細書で説明される実施形態が、下側基板支持体280に適用可能であることを、当業者は理解するであろう。
【0058】
[0064] 幾つかの実施形態では、上側基板支持体270が、チャンバ軸205の周囲に距離を空けて配置された複数の支持ビーム311を備える。支持ビーム311の各々は、支持ビーム311から内向きに延びる複数の支持フィンガ314を有する。複数の支持フィンガは、基板101が各支持ビーム311の支持フィンガ314の支持面316上に支持され得るように、チャンバ軸205に沿って離隔されている。
【0059】
[0065] 幾つかの実施形態では、基板支持体が、複数の加熱及び/又は冷却プレート318を備える。図5Aで示されている実施形態では、説明目的で、示されている加熱及び/又は冷却プレート318が1つだけである。しかし、当業者であれば、複数の加熱及び/又は冷却プレート318を、支持フィンガ314と同様に、チャンバ軸205に沿って離隔させることができることを理解するであろう。
【0060】
[0066] クラスタツール100の幾つかの実施形態は、図1で示されているように、ロードロックチャンバ200を操作するための1以上の動作を実行するように構成されたコントローラ190を含む。幾つかの実施形態では、コントローラ190が、仕切り235、255を開閉すること、モータ272、282を作動して基板支持体270、280を移動させること、1以上のスリットバルブ229、329、349、369を開閉すること、1以上の大気インターフェースを開閉すること、基板支持体を加熱すること、基板支持体を冷却すること、ロードロックチャンバ200、中間セクション220、上側セクション240、及び/又は下側セクション260の内外へのガスの流れを個別に可能にすること、のうちの1以上を実行するように構成されている。
【0061】
[0067] 図6Aから図6Cは、ロードロックチャンバ200を使用する方法を示している。図6Aでは、上側仕切り235が、上側仕切り延在部237の中に移動されている。それによって、中間空間226と上側空間246とが結合している。上側基板支持体270が、中間セクション220の中に移動される。それによって、基板がスリットバルブ229を通してアクセスされ得る。
【0062】
[0068] 上側仕切り235を開く前に、中間セクション220(中間空間226)及び上側セクション(上側空間246)内でプロセス環境が生成される。中間空間226及び上側空間246内のプロセス環境は、仕切り235を空けることによって意図しない気相反応が生じないよう十分に類似したものである。
【0063】
[0069] 上側基板支持体270からの基板の使用、除去、又は基板支持体への追加が終了した後で、上側基板支持体270は、上側セクション240の上側空間246に移動される。図6Bで示されているように、可動上側仕切り235は、閉じた位置に移動されて、上側空間246を中間空間226から隔離する。
【0064】
[0070] 図6Bの構成では、中間セクション220、上側セクション240、及び下側セクション260の各々が、同じ又は異なるプロセス環境を有し得る。幾つかの実施形態では、上側セクション240又は下側セクション260のうちの1以上が、基板を処理し、基板を加熱し、基板を冷却し、基板上の膜と反応させ、基板上に膜を堆積させ、及び/又は基板上の膜をエッチングするためのプロセス条件を有する。上側セクション240及び/又は下側セクション260は、任意の適切なプロセス向けのプロセスチャンバとして使用され得る。幾つかの実施形態では、基板支持体270、280が、中間空間226内にあるときに、中間セクション220が、上述のようにプロセスチャンバとして使用される。
【0065】
[0071] 幾つかの実施形態では、隔離された中間空間226が、下側セクション260内で生成されるプロセス状態が近似されるように修正される。次いで、図6Cで示されているように、可動下側仕切り255が開いた位置に移動され得る。そして、下側基板支持体280が、中間セクション220に移動され得る。
【0066】
[0072] 動作方法の幾つかの実施形態は、上側セクションの上側空間内でプロセス環境を生成することであって、上側空間は上側モータに連結された上側基板支持体を有し、上側モータは、上側基板支持体を上側空間と中間空間との間で移動させるように構成される、プロセス環境を生成すること、上側基板支持体が上側空間と中間空間との間で移動することを可能にするために上側仕切りを開くこと、上側基板支持体を上側空間から中間空間へ又は中間空間から上側空間へ移動させること、上側空間を中間空間から隔離するために上側仕切りを閉じること、下側セクションの下側空間内でプロセス環境を生成することであって、下側空間は下側モータに連結された下側基板支持体を有し、下側モータは、下側基板支持体を下側空間と中間空間との間で移動させるように構成される、プロセス環境を生成すること、下側基板支持体が下側空間と中間空間との間で移動することを可能にするために下側仕切りを開くこと、下側基板支持体を下側空間から中間空間へ又は中間空間から下側空間へ移動させること、下側空間を中間空間から隔離するために下側仕切りを閉じること、外面を通して中間空間へのアクセスを可能にするために、中間セクションの外面のファセット内のスリットバルブを開くこと、基板を中間空間とロードロックチャンバの外側との間で移動させるために、外面内のスリットバルブを通して中間空間にアクセスすること、並びに/或いは、中間空間を外面から隔離するために、中間セクションの外面のファセット内のスリットバルブを閉じること、のうちの1以上を含む。
【0067】
[0073] 本開示の1以上の実施形態は、非一時的なコンピュータ可読媒体を対象とする。該コンピュータ可読媒体は、指示命令を含む。該指示命令は、ロードロックチャンバのコントローラによって実行されたときに、ロードロックチャンバに、ロードロックチャンバの中間空間、上側空間、又は下側空間のうちの1以上内でプロセス環境を生成する動作、上側空間及び/又は下側空間と中間空間との間の移動を可能にする及び/又は防止するために、上側仕切り或いは下側仕切りのうちの1以上を開閉する動作、上側基板支持体又は下側基板支持体のうちの1以上を、上側空間と中間空間との間或いは下側空間と中間空間との間で移動させる動作、中間セクション、上側セクション、又は下側セクションのうちの1以上のファセット内の1以上のスリットバルブを開閉する動作、並びに、スリットバルブを通して中間空間、上側空間、又は下側空間のうちの1以上にアクセスする動作を実行させる。
【0068】
[0074] 本明細書で説明される材料及び方法を説明する文脈において(殊に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「その(the)」と、類似の指示物の使用は、本明細書でその逆が示されているか又は明らかに文脈から矛盾する場合を除いて、単数と複数の両方をカバーすると解釈される。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で特に明記しない限り、範囲内に入る各個別の値を個別に参照する略記法として機能することを単に意図しており、各個別の値は、本明細書で個別に引用されているかのように明細書に組み込まれる。本明細書で説明される全ての方法は、本明細書でその逆が示されているか又はさもなければ文脈から明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行されてよい。本明細書で提供されている任意の及び全ての実施例又は例示的な言葉(例えば、「などの」)の使用は、単に材料及び方法をより良く説明することを意図したものであり、特に請求されない限り、範囲を限定しない。明細書中の言葉は、開示された材料及び方法の実施に不可欠であると主張されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0069】
[0075] この明細書全体を通じて、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「1以上の実施形態(one or more embodiments)」、又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、この明細書全体の様々な箇所での「1以上の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特質は、1以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わされ得る。
【0070】
[0076] 本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。ゆえに、本発明は、付随する特許請求の範囲及びその均等物に含まれる改変例及び変形例を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】