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特表2022-549436アミノシリコーンおよび着色化合物を含むケラチン物質を染色するためのキットおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(54)【発明の名称】アミノシリコーンおよび着色化合物を含むケラチン物質を染色するためのキットおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20221117BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20221117BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20221117BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20221117BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20221117BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/34
A61K8/02
A61K8/25
A61K8/39
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518386
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2020074358
(87)【国際公開番号】W WO2021058241
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】102019214467.5
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100162710
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】クルック,コンスタンツェ
(72)【発明者】
【氏名】モッホ,メラニー
(72)【発明者】
【氏名】ヒルビヒ,ザンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー-ベッカー,ダニエラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB04
4C083BB21
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD27
4C083DD28
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、(1)(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含む剤(a)を提供する工程、(2)(b1)水と、(b2)少なくとも1つの脂肪成分と、(b3)少なくとも1つの着色化合物と、を含む剤(b)を提供する工程、(3)剤(a)および剤(b)を混合して適用混合物を調製する工程、(4)工程(3)で調製した適用混合物をケラチン物質に塗布する工程、(5)ケラチン物質を工程(4)で塗布した適用混合物に曝露する工程、および、(6)適用混合物を水ですすぎ流す工程、を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法に関する。また、本発明は、2つの容器に別々に調製された2つの剤(a)および剤(b)を含む多成分包装ユニットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含む剤(a)を提供する工程、
(2)(b1)水と、
(b2)少なくとも1つの脂肪成分と、
(b3)少なくとも1つの着色化合物と、
を含む剤(b)を提供する工程、
(3)剤(a)および剤(b)を混合して適用混合物を調製する工程、
(4)工程(3)で調製した適用混合物をケラチン物質に塗布する工程、
(5)ケラチン物質を工程(4)で塗布した適用混合物に曝露する工程、および、
(6)適用混合物を水ですすぎ流す工程、を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
【請求項2】
剤(a)が、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
剤(a)が、式(Si-アミノ):
[式中、ALK1およびALK2は、独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
剤(a)は、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、5~100重量%、好ましくは25~100重量%、より好ましくは50~100重量%、特に好ましくは75~100重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、10.0重量%未満、好ましくは5.0重量%未満、より好ましくは2.5重量%未満、特に好ましくは1.0重量%未満の水を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、より好ましくは70.0~90.0重量%、特に好ましくは75.0~90.0重量%の水(b1)を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
剤(b)が、C12-C30脂肪アルコール、C12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素からなる群からの1以上の脂肪成分(b2)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
剤(a)が、ドデカン-1-オール、テトラデカン-1-オール、ヘキサデカン-1-オール、オクタデカン-1-オール、エイコサン-1-オール、ヘネイコサン-1-オール、ドコサン-1-オール、(9Z)-オクタデク-9-エン-1-オール、(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール、(9Z)-エイコス-9-エン-1-オール、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5、8,11,14-テトラエン-1-オール、(13Z)-ドコス-13-エン-1-オール)、(13E)-ドコセン-1-オール)、2-オクチルドデカノール、2-ヘキシル-ドデカノールおよび/または2-ブチル-ドデカノールからなる群から選択される1以上のC12-C30脂肪アルコール(b2)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
剤(b)が、顔料、直接染料、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料からなる群から選択される少なくとも1の着色化合物(b3)を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
剤(b)が、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された有色の雲母または雲母ベース顔料から好ましくは選択される、無機顔料の群からの少なくとも1の着色化合物(b3)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
剤(b)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料からなる群から好ましくは選択される、有機顔料の群からの少なくとも1の着色化合物(b3)を含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、0.05~10.0重量%、好ましくは0.1~7.0重量%、より好ましくは0.2~5.0重量%、非常に特に好ましくは0.3~3.0重量%の総量で1以上の顔料(b3)を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
剤(b)が少なくとも1つの非イオン性界面活性剤(b4)を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
剤(b)が、式(T-I):
[式中、
Rbは、飽和または不飽和、非分岐鎖または分岐鎖のC-C24アルキル基、好ましくは飽和、非分岐鎖のC16-C18アルキル基を表し、
mは、10~40の整数、好ましくは20~35の整数、特に好ましくは30の数を表す]
で示される少なくとも1の非イオン性界面活性剤(b4)を含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
(3)剤(a)および剤(b)を1:5~1:200、好ましくは1:10~1:150、より好ましくは1:20~1:140、最も好ましくは1:40~1:110の量比(a)/(b)で混合することにより適用混合物を調製すること
を特徴とする、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
剤(a)および剤(b)により調製された適用混合物が、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~10.5のpHを有すること
を特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
(4)工程(3)で調製した後、1~120分、好ましくは1~60分、より好ましくは1~30分、最も好ましくは1~15分以内に、適用混合物をケラチン物質に塗布すること
を特徴とする、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
(5)30秒~15分、好ましくは30秒~10分、より好ましくは1~5分の間、ケラチン物質を工程(4)で塗布した適用混合物に曝露すること
を特徴とする、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
ケラチン物質を染色するためのキットであって、個別にパッケージングされた
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含んでなる剤(a’)を含む第1の容器、および、
・(b1)水と、
(b2)少なくとも1つの脂肪成分と、
(b3)少なくとも1つの着色化合物と、
(b4)任意に少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、
を含んでなる剤(b)を含む第2の容器
を含み、前記成分(a1)、(b1)、(b2)、(b3)および(b4)は請求項1~15のいずれかに記載される、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の対象は、少なくとも2つの異なる剤(a)および(b)の適用を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法である。剤(a)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含む濃縮物である。剤(b)は、水(b1)と、少なくとも1つの脂肪成分(b2)と、少なくとも1つの着色化合物(b3)とを含む担体調製物である。適用前に、ケラチン材料に塗布される適用混合物は、剤(a)および剤(b)を混合することにより調製され、ケラチン物質に塗布され、作用し、再び洗い流される。
【0002】
本発明の第2の対象は、2つの異なる容器に別々に包装された剤(a)および(b)を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を着色するための多成分包装ユニット(キット)である。
【背景技術】
【0003】
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野である。毛髪の色を変えるため、専門家には、着色の要求に応じた様々なカラーリング系が知られている。良好な堅牢性および良好な白髪カバー性を伴った長期的な強い染色のためには、通常、酸化染料が使用される。このような染料は通常、酸化染料前駆物質(いわゆる顕色成分)および発色成分を含み、これらは、過酸化水素などの酸化剤の影響を受けて、互いに実際の染料を生成する。酸化染料は、非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
【0004】
直接染料を使う場合、既に調製された染料が着色剤から毛髪繊維に拡散する。酸化染毛と比べて、直接染料を用いて得られた染色物は、色の保持時間が短く、より迅速な洗浄性を有する。直接染料による染色は通常、5~20回の洗浄の間、毛髪に残留する。
【0005】
毛髪および/または皮膚の色を短期間変えるため、着色顔料の使用が知られている。着色顔料は、一般的には、不溶性の着色物質と理解されている。着色顔料は、小粒子として染料組成物中に溶解せずに存在し、外部から毛髪繊維および/または皮膚の表面にもっぱら付着する。従って、着色顔料は通常、界面活性剤を含む洗剤で数回洗えば、残留することなく除去され得る。このタイプの製品は、「ヘアマスカラ」の名称で様々なものが市販されている。
【0006】
ヘアマスカラ製品の利点は、顔料などの着色化合物がケラチン繊維の表面にフィルム形状でのみ沈着することである。したがって、ケラチン繊維自体の性質は、製品の適用中に変化しないので、ヘアマスカラ製品の使用は、特に毛髪を損傷し難い。ユーザーが元の髪色に戻したい場合は、繊維を損傷したり元の髪色を変えたりすることなく、染料をケラチン繊維からすばやく完全に残留物なしで取り除くことができる。したがって、顔料ベースのケラチン着色剤の開発は、この傾向に完全に沿っている。
【0007】
しかしながら、以前と同様にこの染色方法の最適化が依然として必要であり、特に耐久性とレベリング能力を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、可能であれば、酸化染色に匹敵する堅牢性を有する染色方法を提供することである。洗浄堅牢性は顕著でなければならないが、この目的のために通常使用される酸化染料前駆体の使用は回避しなければならない。従来技術から知られている着色化合物(特に顔料)を、非常に耐久性のあるように毛髪に固定することを可能にする技術が求められている。染色工程で剤を使用した場合に、優れた堅牢性を備えた強い染色結果が得られなければならない。課題の特定の焦点は、均一な染色結果を達成すること、すなわち、ケラチン繊維を、その構造、長さ、性質に関係なく、とりわけ均一に染色することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、ケラチン物質、特に毛髪を、少なくとも2つの剤(a)および剤(b)をケラチン物質(毛髪)に適用する手順を使用して染色すると、上記課題を見事に解決し得ることがわかった。ここで、剤(a)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含む。剤(a)は、好ましくは、低水または無水の形態で調製され得る、主成分としてアミノシリコーン(a1)を含む濃縮物の形態である。使用前に、剤(a)は、水(b1)に加えて、少なくとも1つの脂肪成分(b2)および少なくとも1つの着色化合物(b3)を含む第2の剤(b)と混合される。次いで、剤(a)および剤(b)を混合することにより調製された適用混合物をケラチン物質に塗布し、作用させた後、水で再度すすぐ。
【0010】
本発明の第1の対象は、以下の工程:
(1)(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含む剤(a)を提供する工程、
(2)(b1)水と、
(b2)少なくとも1つの脂肪成分と、
(b3)少なくとも1つの着色化合物と、
を含む剤(b)を提供する工程、
(3)剤(a)および剤(b)を混合して適用混合物を調製する工程、
(4)工程(3)で調製した適用混合物をケラチン物質に塗布する工程、
(5)ケラチン物質を工程(4)で塗布した適用混合物に曝露する工程、および、
(6)適用混合物を水ですすぎ流す工程、
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法である。
【0011】
本発明に至る研究において、剤(a)が上記の濃縮物の形態で提供される(この濃縮物(a)は、使用直前にのみ実際の着色剤(b)と混合される)場合に、ケラチン物質に、特に強く、均質で長続きする染色結果が得られることが示された。驚くべきことに、塗布直前に2つの剤(a)および剤(b)を混合することによって得られる適用混合物では、最初から2つの剤(a)および剤(b)のすべての成分を含む以外は同一である調製物と比較して、より強く、均質で、より長持ちする染色結果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<ケラチン物質>
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手指の爪および/または足指の爪)を包含する。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に含まれる。
【0013】
好ましくは、ケラチン物質は、ヒトの毛髪、ヒトの皮膚およびヒトの爪(特に、手指の爪および足指の爪)であると理解される。ケラチン物質は、ヒトの毛髪であると理解される。
【0014】
<剤(a)>
本発明による方法の工程(1)において、剤(a)が提供される。例えば、剤(a)は、包装ユニットまたは容器中に存在することができ、これによりユーザーの利用を可能にする。容器は、例えば、サッシェ、瓶、缶、ジャーまたは化粧品調製物に適する他の容器であってもよい。剤(a)は、好ましくはアミノシリコーン(a1)の濃縮物であるため、該濃縮物に適する容器を、特に好ましくは剤(a)を包装するための容器を選択できる。
【0015】
剤(a)は、本発明の必須成分(a1)の含有量により特徴付けられる。
【0016】
<剤(a)中のアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)
本発明に必須の第一成分(a1)として、剤(a)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含有する。アミノ官能化シリコーンポリマーは、略してアミノシリコーンまたはアモジメチコンと称されることもある。
【0017】
シリコーンポリマーは一般的に、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1000g/mol、より好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、反復有機単位を含む巨大分子である。
【0018】
シリコーンポリマーの最大分子量は、重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、一部では重合方法によっても決まる。本発明の目的のためには、シリコーンポリマーの最大分子量が10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下であることが好ましい。
【0019】
シリコーンポリマーは多くのSi-O反復単位を含み、Si原子は、有機基、例えばアルキル基または置換アルキル基を有していてもよい。従って、シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンとも称される。
【0020】
シリコーンポリマーは、その高い分子量に応じて、10個より多くのSi-O反復単位、好ましくは50個より多くのSi-O反復単位、より好ましくは100個より多くのSi-O反復単位、最も好ましくは500個より多くのSi-O反復単位に基づく。
【0021】
アミノ官能化シリコーンポリマーは、アミノ基を有する構造単位を少なくとも1含む官能化シリコーンであると理解される。好ましくは、アミノ官能化シリコーンポリマーは、それぞれが少なくとも1つのアミノ基を有する複数の構造単位を有する。アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を意味すると理解される。これらのアミノ基は全て、酸性環境でプロトン化されてカチオン形態で存在し得る。
【0022】
基本的に、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)が少なくとも1つの第一級アミノ基、少なくとも1つの第二級アミノ基および/または少なくとも1つの第三級アミノ基を有する場合、良好な効果がアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)により得られた。しかし、剤(a)において、少なくとも1つの第二級アミノ基を有するアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を用いた場合に、最も洗浄堅牢性のある強力な染色が得られた。
【0023】
非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(a)が、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0024】
1以上の第二級アミノ基は、アミノ官能化シリコーンポリマーにおいて、様々な位置に存在し得る。式(Si-アミノ):
で示される構造単位を少なくとも1つ、好ましくは複数有するアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を用いた場合に、特に良好な結果が見られた。
【0025】
式(Si-アミノ)で示される構造単位において、略語ALK1およびALK2は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す。
【0026】
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(a)が、式(Si-アミノ):
[式中、ALK1およびALK2は、独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含むアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を少なくとも1つ含んでなることを特徴とする。
【0027】
アスタリスク(*)で示した位置は、シリコーンポリマーの別の構造単位への結合を示す。例えば、アスタリスクに隣接するケイ素原子は、別の酸素原子に結合し得、アスタリスクに隣接する酸素原子は、別のケイ素原子またはC-Cアルキル基にさえ結合し得る。
【0028】
或いは、二価C-C20アルキレン基は、二価のC-C20アルキレン基と称されることもあり、これは、各ALK1およびALK2基が2つの結合を形成できることを意味する。
【0029】
ALK1の場合、ケイ素原子からALK1基へ1つの結合が生じ、ALK1と第二級アミノ基との間に第二の結合が存在する。
【0030】
ALK2の場合、第二級アミノ基からALK2へ1つの結合が存在し、ALK2と第一級アミノ基との間に第二の結合が存在する。
【0031】
直鎖二価C-C20アルキレン基の例には、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が包含される。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。3個の炭素原子の鎖長から、二価アルキレン基が分岐していてもよい。分岐鎖二価C20アルキレン基の例は、(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
【0032】
別の特に好ましい実施態様では、式(Si-アミノ)で示される構造単位は、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)における反復単位を表すので、シリコーンポリマーは、式(Si-アミノ)で示される構造単位を複数含む。
【0033】
少なくとも1つの第二級アミノ基を有する特に適しているアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を、以下に挙げる。
【0034】
本発明の方法において、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有する少なくとも1つの剤(a)をケラチン物質に適用した場合、非常に良好な洗浄堅牢性を有する染色が得られた。
【0035】
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(a)が、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有することを特徴とする。
【0036】
式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位を有する相応のアミノ官能化シリコーンポリマーは、例えば、市販品のDC 2-8566またはDowsil 2-8566 Amino Fluidであり、これは、Dow Chemical社により市販され、“シロキサンおよびシリコーン、3-[(2-アミノエチル)アミノ]-2-メチルプロピルMe、Di-Me-シロキサン”の名称および106842-44-8のCAS番号を有する。別の特に好ましい市販品は、Dow Chemical社により市販されているDowsil AP-8658 Amino Fluidである。
【0037】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-III):
[式中、
・mおよびnは、和(n+m)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
・nは0~999の範囲の数であり、mは1~1000の範囲の数であり、
・R、RおよびRは、同じかまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、
・ここで、R~Rのうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含んでなる剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とする。
【0038】
本発明の別の好ましい方法は、式(Si-IV):
[式中
・pおよびqは、和(p+q)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
・pは0~999の範囲の数であり、qは1~1000の範囲の数であり、
・RおよびRは、異なるものであり、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、R~Rのうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示されるアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を少なくとも含んでなる剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とする。
【0039】
式(Si-III)で示されるシリコーンと式(Si-IV)で示されるシリコーンとは、窒素含有基を有するSi原子における基が異なる。式(Si-III)では、Rはヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、一方、式(Si-IV)における基はメチル基である。添え字mおよびnまたはpおよびqが示された個々のSi基はブロックとして存在していなくてもよく、むしろ、個々の単位は統計的に分布して存在していてもよい。即ち、式(Si-III)および式(Si-IV)では、必ずしも全てのR-Si(CH基が-[O-Si(CH]基に結合していない。
【0040】
また、式(Si-V):
[式中、
Aは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
b、nおよびcは0~1000の整数を表し、
より詳しくは
・n>0およびb+c>0
・条件A=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含む剤(a)をケラチン繊維に適用する本発明の方法が、所望の効果に関して特に有効であることも分かった。
【0041】
上記の式(Si-V)において、添え字b、cおよびnを有する個々のシロキサン単位は統計的に分布している、即ち、それらは、必ずしもブロックコポリマーでなくてもよい。
【0042】
剤(a)は、式(Si-VI):
[式中、Rは、炭化水素、または1~約6個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Qは、一般式-RHZ〔ここで、Rは、炭素および水素原子、炭素、水素および酸素原子、または炭素、水素および窒素原子で構成されている基Zおよび水素が結合している二価連結基であり、Zは、少なくとも1のアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である〕で示される極性基であり;aは、約0~約2の範囲の数であり、bは、約1~約3の範囲の数であり、a+bは、3以下であり、cは、約1~約3の範囲の数であり、xは、1~約2,000、好ましくは約3~約50、最も好ましくは約3~約25の数であり、yは、約20~約10,000、好ましくは約125~約10,000、最も好ましくは約150~約1,000の範囲の数であり、Mは、当技術分野で知られている適当なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである]
で示される1以上の様々なアミノ官能化シリコーンポリマーを更に含んでよい。
【0043】
Rで示される基の非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルなどのアルキル基;ビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリルなどのアルケニル基;シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニル基、ベンジル基;3-クロロプロピル、4-ブロモブチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルなどのハロ炭化水素基;およびメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルなどの硫黄含有基を包含する。好ましくは、Rは、1~約6個の炭素原子を有するアルキル基であり、最も好ましくは、Rはメチルである。Rの例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CHCH(CH)CH-、フェニレン、ナフチレン、-CHCHSCHCH-、-CHCHOCH-、-OCHCH-、-OCHCHCH-、-CHCH(CH)C(O)OCH-、-(CHCC(O)OCHCH-、-C-、-CCH-;および-(CHC(O)SCHCH-を包含する。
【0044】
Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である。Zの1つの可能な式は、NH(CHNH[式中、zは1以上である]である。Zの別の可能な式は、-NH(CH(CHzzNH[式中、zおよびzzは共に、独立して1以上である]であり、この構造は、ピペラジニルのようなジアミノ環構造を含む。Zは最も好ましくは-NHCHCHNH基である。Zの別の可能な式は、-N(CH(CHzzNXまたは-NX[式中、Xの各Xは、独立して、水素およびC1-12アルキル基からなる群から選択され、zzは0である]である。
【0045】
Qは、最も好ましくは、式-CHCHCHNHCHCHNHで示される極性アミノ官能性基である。式中、aは、約0から約2の範囲の値を取り、bは、約2から約3の範囲の値を取り、a+bは、3以下であり、cは、約1から約3の範囲の値を取る。RSiO(4-a-b)/2単位とRSiO(4-c)/2単位とのモル比は、約1:2~1:65の範囲であり、好ましくは約1:5~約1:65の範囲であり、最も好ましくは約1:15~約1:20の範囲である。上記式で示される1以上のシリコーンを使用する場合、上記式における様々な可変置換基は、シリコーン混合物中に存在する様々なシリコーン成分について異なっていてよい。
【0046】
特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-VII):
[式中、
・Gは、-H、フェニル基、-OH、-O-CH、-CH、-O-CHCH、-CHCH、-O-CHCHCH、-CHCHCH、-O-CH(CH、-CH(CH、-O-CHCHCHCH、-CHCHCHCH、-O-CHCH(CH、-CHCH(CH、-O-CH(CH)CHCH、-CH(CH)CHCH、-O-C(CH、-C(CHであり;
・aは、0~3の間の数、特に0を表し、
・bは、0~1の間の数、特に1を表し、
・mおよびnは、和(m+n)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、nは好ましくは、0~1999および49~149の値を取り、mは好ましくは、1~2000、1~10の値を取り、
・R'は、
・Q-N(R'')-CH-CH-N(R'')
・Q-N(R'')
・Q-N(R'')
・Q-NH(R'')
・Q-N(R'')A
・Q-N(R'')-CH-CH-NR''H
〔ここで、
各Qは、化学結合、-CH-、-CH-CH-、-CHCHCH-、C(CH-、-CHCHCHCH-、-CHC(CH-、-CH(CH)CHCH-であり、
R''は、-H、-フェニル、-ベンジル、CH-CH(CH)Ph、C1-20アルキル基、好ましくは-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-C(CHからなる群から選択される同じまたは異なる基を表し、
Aは、塩化物、臭化物、ヨウ化物またはメトスルフェートから好ましくは選択されるアニオンを表す〕
から選択される一価基である]
で示されるアミノ官能性シリコーンポリマーを含む剤(a)を、ケラチン物質に適用することを特徴とする。
【0047】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-VIIa):
[式中、mおよびnは、和(m+n)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、nは好ましくは、0~1999および49~149の値をとり、mは好ましくは、1~2000、1~10の値をとる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含んでなる剤(a)を、ケラチン物質に適用することを特徴とする。
【0048】
INCI名では、これらのシリコーンは、トリメチルシリルアモジメチコンと称される。
【0049】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-VIIb):
[式中、Rは、-OH、-O-CHまたは-CH基を表し、
m、n1およびn2は、和(m+n1+n2)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、和(n1+n2)は好ましくは、0~1999および49~149の値をとり、mは好ましくは、1~2000、1~10の値をとる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含んでなる剤(a)を、ケラチン物質に適用することを特徴とする。
【0050】
INCI名では、これらのアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコンと称される。
【0051】
どのアミノ官能性シリコーンを使用するかにかかわらず、アミン価が0.25meq/g超、好ましくは0.3meq/g超、0.4meq/g超のアミノ官能性シリコーンポリマーを含む本発明による剤(a)が好ましい。アミン価は、アミノ官能性シリコーン1gあたりのアミンのミリ当量を表す。アミン価は、滴定により測定でき、単位mgKOH/gで表される。
【0052】
また、特定の4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマー(a1)を含有する剤(a)も、本発明の方法における使用に適している。このアミノ官能化シリコーンポリマーは、式(Si-VIII)で示される構造単位および式(Si-IX)で示される構造単位を含む。
【0053】
対応する4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマーを以下に示す。
非常に特に好ましいアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーの名称で知られており、Wackerから原料Belsil ADM 8301 Eの形態で市販されている。
【0054】
4-モルホリノメチル置換シリコーンとして、例えば、式(Si-VIII)、(Si-IX)および(Si-X):
[式中、
は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり、
は-CH、-OHまたは-OCHである]
で示される構造単位を有するシリコーンを使用できる。
【0055】
特に好ましい本発明における剤(a)は、式(Si-XI):
[式中、
は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり、
は-CH、-OHまたは-OCHであり、
Bは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
a、bおよびcは、a+b+c>0の条件で、独立して0~1000の整数を表し、
mおよびnは互いに独立して、整数1~1000を表す、
ただし、
・条件B=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方は満たされ、
・単位a、b、c、mおよびnは、分子において統計的に分布しているか、またはブロック状である]
で示される少なくとも1つの4-モルホリノメチル置換シリコーンを含有する。
【0056】
構造式(Si-XI)では、シロキサン基nおよびmが、必ずしもそれぞれ末端基BまたはDに直接結合していなくてもよいことを示すことが意図されている。むしろ、好ましい式(Si-VI)ではa>0またはb>0であり、特に好ましい式(Si-VI)ではa>0およびc>0、即ち、末端基BまたはDは好ましくはジメチルシロキシ基に結合している。また、式(Si-VI)において、シロキサン単位a、b、c、mおよびnは好ましくは統計的に分布している。
【0057】
本発明に従って使用される式(Si-VI)で示されるシリコーンは、トリメチルシリル末端型(DまたはB=-Si(CH)であってよいが、両端でジメチルシリルヒドロキシ末端型であっても、一端でジメチルシリルヒドロキシ末端型およびジメチルシリルメトキシ末端型であってもよい。本発明において特に好ましいシリコーンは、各関連に対して
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOCH
B=-O-Si(CHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOCHおよびD=-Si(CHOH
であるシリコーンから選択される。これらのシリコーンは、本発明の剤で処理された毛髪の毛髪特性の顕著な向上、および酸化処理における著しく改善された保護をもたらす。
【0058】
本発明による方法で使用される剤(a)は、非常に好ましくは、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)をそれ相応に大量に含有する濃縮物である。剤(a)が、剤(a)の総重量に基づき、5~100重量%、好ましくは25~100重量%、より好ましくは50~100重量%、とりわけ好ましくは75~100重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含む場合に、特に良好な染色結果が得られた。
【0059】
この実施形態において、アミノシリコーン(a1)は、実質的に使用されるか、または、アミノシリコーン(a1)に少量の可溶化剤、希釈剤若しくは担体が添加されるかのいずれかである。
【0060】
別の特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、5~100重量%、好ましくは25~100重量%、より好ましくは50~100重量%、とりわけ好ましくは75~100重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含むことを特徴とする。
【0061】
<剤(a)中の溶剤>
例えば、溶媒は、剤(a)における適切な可溶化剤または希釈剤として使用され得る。このため、本発明における剤(a)は、任意成分として少なくとも1種の溶媒をさらに含み得る。
【0062】
適切な溶媒には、例えば、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、エチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコールからなる群から選択される溶媒が含まれ得る。1,2-プロピレングリコールの使用が特に好ましい。
【0063】
別の非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(a)が、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、エチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒、非常に好ましくは1,2-プロピレングリコールを含むことを特徴とする。
【0064】
1,2-プロピレングリコールは、1,2-プロパンジオールとも称され、CAS番号57-55-6[(RS)-1,2-ジヒドロキシプロパン]、4254-14-2[(R)-1,2-ジヒドロキシプロパン]および4254-15-3[(S)-1,2-ジヒドロキシプロパン]を有する。エチレングリコールは、1,2-エタンジオールとしても知られ、CAS番号107-21-1を有する。グリセロールは、1,2,3-プロパントリオールとしても知られ、CAS番号56-81-5を有する。フェノキシエタノールのCAS番号122-99-6を有する。
【0065】
これら溶媒の全ては、AldrichまたはFlukaなどの様々な化学薬品サプライヤーから市販されている。
【0066】
さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、1.0~80.0重量%、好ましくは2.0~50.0重量%、より好ましくは3.0~30.0重量%、とりわけ好ましくは4.0~20.0重量%の総量で、1以上の溶媒を含むことを特徴とする。
【0067】
別の非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、1.0~95.0重量%、好ましくは2.0~15.0重量%、より好ましくは3.0~15.0重量%、とりわけ好ましくは4.0~10.0重量%の1,2-プロピレングリコールを含むことを特徴とする。
【0068】
<剤(a)のパッケージング>
上述した通り、剤(a)は、好ましくは、本発明に必須である成分(a1)を主成分として含む濃縮物である。
【0069】
本発明で実施された研究は、染色工程で使用される顔料と、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)とが互いに相互作用し得るという示唆をもたらした。この相互作用は、主に水性環境または水を含む環境で生じるようである。1つの仮定は、顔料の各表面とシリコーンポリマーのアミノ基との間で相互作用が生じ、それによって水がプロトン供与体またはプロトン受容体として作用する可能性があるということである。
【0070】
この仮定は、アミノシリコーン(a1)と顔料に加えて、担体調製物の成分、すなわち水(b1)と脂肪成分(b2)とをより高濃度で含む調製物において、樹脂性物質の沈着が数日後に観察され得ることを示した知見によって裏付けられる。この調製物を数日間保管した後に染色試験に使用した場合、非常に低い色強度の染色のみが得られた。この観察に基づき、低水または無水環境でのアミノシリコーン(a1)の製造が特に好ましいことが見出された。
【0071】
さらに明確に非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、10.0重量%未満、好ましくは5.0重量%未満、さらに好ましくは2.5重量%未満、とりわけ好ましくは1.0重量%未満の水を含むことを特徴とする。
【0072】
言い換えると、さらに明確に非常に特に好ましい実施形態においては、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づき、0~10.0重量%、好ましくは0~5.0重量%、より好ましくは0~2.5重量%、とりわけ好ましくは0~1.0重量%の水分含有量を有することを特徴とする。
【0073】
さらなる研究により、とりわけ、染色結果の均質性は、着色化合物(すなわち、顔料)が組み込まれる剤にも依存することが示されている。顔料をアミノシリコーン(a1)と一緒にプレミックスの形で保管し、これを塗布直前に化粧品担体調製物と混合した場合、色強度と洗浄堅牢度が大幅に向上した。しかしながら、このタイプのパッケージングにはいくつかの欠点も伴うことが示されている。アミノシリコーン(a1)と顔料の混合物を長時間保管すると、保管時間により2つの成分が互いに反応したようである。低水または無水環境では、この反応は遅くなったが、それでも数週間の保管時間からは顕著になった。したがって、適切に保管された剤の染色中、アミノシリコーン/顔料混合物と担体材料との非常に低い混和性が観察された。その結果、非常に不均一な染色結果が得られた。
【0074】
このため、剤(a)自体が顔料を含まない、または、剤(a)においてこれらがごく少量しか使用されない場合が、特に好ましいことがさらに見出された。例えば、非常に少量の顔料を剤(a)に組み込み、剤(a)を着色したり、より審美的な外観を与えたりすることができる。
【0075】
さらに明確に非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、0.1重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、とりわけ好ましくは0.01重量%未満の総量で、1以上の顔料を含むことを特徴とする。
【0076】
言い換えると、さらに明確に非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づき、0~0.1重量%、好ましくは0~0.05重量%、とりわけ好ましくは0~0.01重量%の顔料含有量を有することを特徴とする。
【0077】
剤(a)が顔料を含まない場合、それは明らかに非常に好ましい。
【0078】
<薬剤(b)>
本発明の方法の工程(2)において、剤(b)が提供される。例えば、剤(b)は、包装ユニットまたは容器中に存在することができ、これによりユーザーの利用を可能にする。容器は、例えば、サッシェ、瓶、缶、ジャーまたは化粧品調製物に適する他の容器であってよい。
【0079】
剤(b)は実際の着色剤であり、水(b1)と、脂肪成分(b2)と、少なくとも1つの着色化合物(b3)の含有量により特徴付けられる。
【0080】
剤(a)および(b)を混合する場合、好ましくは高濃度かつ低水濃縮物の剤(a)が、実際の着色剤(b)と混合される。この混合中に、アミノシリコーン(a1)はエマルジョンに組み込まれた顔料(b3)と接触するため、前述のアミノシリコーン(a1)と顔料(b3)の相互作用はこの混合の瞬間からのみ始まる。驚くべきことに、染色工程におけるこのタイプの仕上げは、強く、かつ、洗浄堅牢性の染色結果をもたらすが、さらに、特に良好な均質性によっても特徴付けられることが観察された。
【0081】
<剤(b)中の水分含有量>
剤(a)とは対照的に、剤(b)は、好ましくは高い水分含有量を含む。剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、より好ましくは70.0~90.0重量%、最も好ましくは75.0~90.0重量%の水(b1)を含むことが、本発明の方法における使用に特によく適していることが見出された。
【0082】
さらに明確に非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、さらに好ましくは70.0~90.0重量%、特に好ましくは75.0~90.0重量%の水(b1)を含むことを特徴とする。
【0083】
<剤(b)中の脂肪成分(b2)>
剤(b)のさらなる特徴は、少なくとも1つの脂肪成分(b2)の含有量である。少なくとも1つの脂肪成分を使用すると、剤(b)がエマルジョンの形態になり、これにより剤(a)との特に良好かつ迅速な混合が可能になることが見出された。
【0084】
脂肪成分は、水の存在下でエマルションを形成でき、ミセル系を形成する疎水性物質である。
【0085】
本発明の目的のために、「脂肪成分」は、室温(22℃)および大気圧(760mmHg)で1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の水への溶解度を有する有機化合物を意味する。脂肪成分の定義は、非荷電(すなわち非イオン性)化合物のみを明示的にカバーしている。脂肪成分は、少なくとも12個の炭素原子を有する少なくとも1つの飽和または不飽和アルキル基を有する。脂肪成分の分子量は、最大5000g/モル、好ましくは最大2500g/モル、特に好ましくは最大1000g/モルである。脂肪成分は、ポリオキシアルキル化化合物でもポリグリセリル化化合物でもない。
【0086】
非常に好ましくは、剤(b)に含まれる脂肪成分(b2)は、C12-C30脂肪アルコール、C12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素からなる群から選択される。
【0087】
さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(b)が、C12-C30脂肪アルコール、C12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素からなる群からの1以上の脂肪成分(b2)を含むことを特徴とする。
【0088】
本発明では、非常に特に好ましい脂肪成分は、C12-C30脂肪アルコール、C12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素からなる群からの成分であると理解される。本発明の目的のために、非イオン性物質のみが脂肪成分として明示的にみなされる。脂肪酸およびその塩などの帯電した化合物は脂肪成分とはみなされない。
【0089】
12-C30脂肪アルコールは、12~30個の炭素原子を有する飽和、モノまたはポリ不飽和、直鎖または分岐鎖の脂肪アルコールであり得る。
【0090】
好ましい直鎖飽和C12-C30脂肪アルコールの例には、ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、アラキルアルコール(エイコサン-1-オール)、ヘネイコシルアルコール(ヘネイコサン-1-オール)、および/またはベヘニルアルコール(ドコサン-1-オール)が包含される。
【0091】
好ましい直鎖不飽和脂肪アルコールは、(9Z)-オクタデク-9-エン-1-(オレイルアルコール)、(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、ガドレイルアルコール((9Z)-エイコス-9-エン-1-オール)、アラキドンアルコール((5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール)、エルシルアルコール((13Z)-ドコス-13-エン-1-オール)、および/またはブラシジルアルコール((13E)-ドコセン-1-オール)である。
【0092】
分岐鎖脂肪アルコールの好ましい例は、2-オクチル-ドデカノール、2-ヘキシル-ドデカノールおよび/または2-ブチル-ドデカノールである。
【0093】
特に適した脂肪成分を選択することにより、剤(b)の極性と粘度を最適に調整できるため、剤(a)と剤(b)とを混合する際に完全かつ迅速な混合が確保される。(a)および(b)から調製された適用混合物の高い均質性の結果として、特に均一な着色結果も確保し得る。
【0094】
これに関して、剤(b)に少なくとも1つのC12-C30脂肪アルコール(b2)を用いると、最適なエマルジョン系を生成できることがわかった。
【0095】
一実施形態において、剤(b)が、ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、テトラデカノール-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、アラキルアルコール(エイコサン-1-オール)、ヘネイコシルアルコール(ヘネイコサン-1-オール)、ベヘニルアルコール(ドコサン-1-オール)、(9Z)-オクタデク-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、ガドレイルアルコール((9Z)-エイコス-9-エン-1-オール)、アラキドンアルコール((5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール)、エルシルアルコール((13Z)-ドコス-13-エン-1-オール)、ブラシジルアルコール((13E)-ドコセン-1-オール)2-オクチル-ドデカノール、2-ヘキシル-ドデカノールおよび/または2-ブチル-ドデカノールからなる群から選択される1以上のC12-C30脂肪アルコールを含む場合、特に良好な結果が得られた。
【0096】
さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、第2の剤(b)が、以下からなる群から選択される1以上のC12-C30脂肪アルコール(b2)を含むことを特徴とする。
ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、
テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、
ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、
オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、
アラキルアルコール(エイコサン-1-オール)、
ヘネイコシルアルコール(ヘネイコサン-1-オール)、
ベヘニルアルコール(ドコサン-1-オール)、
(9Z)-オクタデク-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、
(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、
(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、
(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、
ガドレイルアルコール((9Z)-エイコス-9-エン-1-オール)、
アラキドンアルコール((5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール)、
エルシルアルコール((13Z)-ドコス-13-エン-1-オール)、
ブラシジルアルコール((13E)-ドコセン-1-オール)、
2-オクチル-ドデカノール、
2-ヘキシルドデカノールおよび/または
2-ブチル-ドデカノール
【0097】
1以上のC12-C30脂肪アルコール(b2)を極めて特定の量的範囲で用いることが特に好ましいことが見出された。
【0098】
剤(b)が、剤(b)の総重量に基づき、2.0~50.0重量%、好ましくは3.0~30.0重量%、より好ましくは4.0~20.0重量%、さらにより好ましくは5.0~15.0重量%、最も好ましくは5.0~10.0重量%の総量で、1以上のC12-C30脂肪アルコール(b2)を含む場合が特に好ましい。
【0099】
さらに、とりわけ好ましい脂肪成分(b2)として、剤(b)は、少なくとも1つのC12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸ジグリセリドを含み得る。本発明の目的のため、C12-C30脂肪酸トリグリセリドは、3価のアルコールグリセロールと3当量の脂肪酸とのトリエステルであると理解される。エステルの形成には、トリグリセリド分子内の構造的に同一の脂肪酸および構造的に異なる脂肪酸の両方が関与し得る。
【0100】
本発明では、脂肪酸は、飽和または不飽和、非分岐鎖または分岐鎖、非置換または置換のC12-C30カルボン酸であると理解される。不飽和脂肪酸は、モノ不飽和またはポリ不飽和であってよい。不飽和脂肪酸の場合、そのC-C二重結合は、シス構造またはトランス構造を有し得る。
【0101】
エステル基の少なくとも1個が、グリセロールと、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデク-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデク-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデク-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコス-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸]、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノン酸、エラオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエノン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]、および/またはネルボン酸[(15Z)-テトラコス-15-エノン酸]から選択される脂肪酸とから生成された脂肪酸トリグリセリドが特に適している。
【0102】
脂肪酸トリグリセリドは天然由来であってもよい。大豆油、ピーナッツ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、モリンガ油、アプリコットカーネル油、マルラ油および/または任意に水素添加されたひまし油の中に存在する脂肪酸トリグリセリドまたはそれらの混合物が、本発明の製剤において使用するのに特に適している。
【0103】
12-C30脂肪酸モノグリセリドは、3価アルコールグリセロールと1当量の脂肪酸とのモノエステルであると理解される。グリセロールの中央のヒドロキシ基またはグリセロールの末端のヒドロキシ基のいずれかが脂肪酸によりエステル化され得る。
【0104】
グリセロールのヒドロキシル基が、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデク-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデク-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデク-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコス-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸]、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノン酸、エラオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエノン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]、またはネルボン酸[(15Z)-テトラコス-15-エノン酸]から選択される脂肪酸によりエステル化されている、C12-C30脂肪酸モノグリセリドが特に適している。
【0105】
12-C30脂肪酸ジグリセリドは、3価アルコールグリセロールと2当量の脂肪酸とのジエステルである。ここでは、グリセロールの中央のヒドロキシ基および片末端のヒドロキシ基が2当量の脂肪酸でエステル化され得るか、またはグリセロールの両末端のヒドロキシ基がそれぞれ1つの脂肪酸でエステル化され得る。グリセロールは、構造的に同じ2つの脂肪酸または構造的に異なる2つの脂肪酸でエステル化され得る。
【0106】
エステル基の少なくとも1個が、グリセロールと、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデク-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデク-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデク-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコス-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸]、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノン酸、エラオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエノン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]、および/またはネルボン酸[(15Z)-テトラコス-15-エノン酸]から選択される脂肪酸とから生成される、脂肪酸ジグリセリドが特に適している。
【0107】
特に良好な結果が、組成物(B)が、グリセロールと、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、ペトロセリン酸[(Z)-6-オクタデセン酸]、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデク-9-エン酸]、オレイン酸[(9Z)-オクタデク-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデク-9-エン酸]、エルカ酸[(13Z)-ドコス-13-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸]、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノン酸、エラオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,3-トリエノン酸]、アラキドン酸[(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸]、および/またはネルボン酸[(15Z)-テトラコス-15-エノン酸]からなる群から選択される1当量の脂肪酸とのモノエステルから選択される少なくとも1つのC12-C30脂肪酸モノグリセリドを含有した場合に得られた。
【0108】
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、第2の剤(b)が、グリセロールと、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、テトラコサン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸および/またはドコサン酸からなる群から選択される脂肪酸とのモノエステルから選択される少なくとも1つのC12~C30脂肪酸モノグリセリド(b2)を含むことを特徴とする。
【0109】
適切な量のC12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸トリグリセリドの選択も、C-Cアルコキシシランに由来する膜形成の速度に特に強い影響を与える可能性がある。このため、剤(b)において、極めて特定の量的範囲で1以上のC12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸トリグリセリド(b2)を使用することが特に好ましいことが証明された。
【0110】
本発明による問題の解決に関して、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づき、0.1~20.0重量%、好ましくは0.3~15.0重量%、さらに好ましくは0.5~10.0重量%、とりわけ好ましくは0.8~5.0重量%の総量で、1つ以上のC12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸トリグリセリド(b2)を含む場合が、特に好ましいことが判明した。
【0111】
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、0.1~20.0重量%、好ましくは0.3~15.0重量%、より好ましくは0.5~10.0重量%、とりわけ好ましくは0.8~5.0重量%の総量で、1以上のC12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸トリグリセリドを含むことを特徴とする。
【0112】
12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸トリグリセリドは、剤(b)において唯一の脂肪成分(b2)として使用され得る。しかし、剤(b)に、少なくとも1つのC12-C30脂肪アルコールと組み合わせた、少なくとも1つのC12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/またはC12-C30脂肪酸トリグリセリドを配合することも本発明に特に好ましい。
【0113】
また、非常に特に好ましい脂肪成分(b2)として、剤(b)は、少なくとも1の炭化水素を含み得る。
【0114】
炭化水素は、8~80個の炭素原子と水素のみからなる化合物である。本発明では、鉱物油、液体パラフィン油(例えば、白色鉱油または軽質鉱油)、イソパラフィン油、半固形パラフィン油、パラフィンワックス、硬質パラフィン(固形パラフィン)、ワセリンおよびポリデセンなどの脂肪族炭化水素が特に好ましい。
【0115】
液体パラフィン油(白色鉱油および軽質鉱油)が本発明において特に適していることが判明している。ホワイトオイルとしても知られている白色鉱油が、好ましい炭化水素である。白色鉱油は、25~35個の炭素原子の炭素鎖分布を有する炭化水素鎖から主に構成される精製飽和脂肪族炭化水素の混合物である。
【0116】
剤(b)が、鉱物油、液体パラフィン油、イソパラフィン油、半固形パラフィン油、パラフィンワックス、硬質パラフィン(固形パラフィン)、ペトロラタムおよびポリデセンからなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素(b2)を含む場合に、極めて特に良好な結果が得られた。
【0117】
特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、炭化水素からなる群から選択される少なくとも1の脂肪成分(b2)を含むことを特徴とする。
【0118】
剤(b)において、極めて特定の量的範囲で1以上の炭化水素を用いることが特に好ましいことが見出された。
【0119】
本発明による問題の解決に関して、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づき、0.5~20.0重量%、好ましくは1.0~15.0重量%、より好ましくは1.5~10.0重量%、最も好ましくは2.0~8.0重量%の総量で、1以上の炭化水素(b2)を含む場合に、非常に特に好ましいことが判明した。
【0120】
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、0.5~20.0重量%、好ましくは1.0~15.0重量%、より好ましくは1.5~10.0重量%、特に好ましくは2.0~8.0重量%の総量で、1以上の炭化水素(b2)を含むことを特徴とする。
【0121】
炭化水素は、剤(b)において唯一の脂肪成分(b2)として使用され得る。しかしながら、少なくとも1つの他の成分と組み合わせて、少なくとも1つの炭化水素を剤(b)に組み込むことが特に好ましい。
【0122】
非常に好ましくは、剤は、C12~C30脂肪アルコールの群からの少なくとも1つの脂肪成分(b2)と、炭化水素の群からの少なくとも1つのさらなる脂肪成分とを含む。
【0123】
<剤(b)中の着色化合物>
本発明に必須の第3の構成要素として、本発明の方法で用いられる剤(b)は、少なくとも1つの着色化合物(b3)を含む。
【0124】
本発明の目的のために、着色化合物は、ケラチン物質に着色を付与することができる物質である。特によく適した着色剤化合物は、顔料、直接作用染料、フォトクロミック染料、およびサーモクロミック染料の群から選択することができる。
【0125】
さらに好ましい実施形態では、本発明の方法は、剤(b)が、顔料、直接染料、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(b3)を含むことを特徴とする。
【0126】
本発明の意味における顔料は、25℃での水への溶解度が0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、更に好ましくは0.05g/L未満の着色化合物である。水への溶解度は、例えば、下記方法により測定できる:0.5gの顔料をビーカーに秤取する。磁気撹拌棒を加える。次いで、1Lの蒸留水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃で1時間加熱する。この時間が経過しても顔料の未溶解成分が混合物中に見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。おそらく微細に分散した顔料の強度が高いために、顔料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解顔料がろ紙上に残留する場合は、その顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
【0127】
適当な着色顔料は、無機起源および/または有機起源であってよい。
【0128】
好ましい実施態様では、本発明における剤(b)は、無機顔料および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物(b3)を含むことを特徴とする。
【0129】
好ましい着色顔料は、合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、焼成テーラ・ディ・シエナまたはグラファイトから調製できる。また、黒色酸化鉄などの黒色顔料、ウルトラマリンまたは赤色酸化鉄などの有色顔料、および蛍光顔料または燐光顔料を、無機着色顔料として使用できる。
【0130】
有色の金属酸化物、金属水酸化物および金属酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩および/またはモリブデン酸塩が特に適している。好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、pigment blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)および/またはカルミン(コチニール)である。
【0131】
本発明では、着色真珠光沢顔料もまた、特に好ましい着色顔料である。これらは通常、雲母および/または雲母ベースであり、1以上の金属酸化物で被覆されている場合がある。雲母は層状ケイ酸塩に属する。これらのケイ酸塩の最も重要な代表例は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、鱗雲母およびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせた真珠光沢顔料を製造するためには、主に白雲母または金雲母などの雲母を金属酸化物で被覆する。
【0132】
天然の雲母の代替品として、1以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用できる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成の雲母(マイカ)をベースとし、上記した金属酸化物の1以上で被覆されたものである。金属酸化物の層の厚さを変えることで、それぞれの顔料の色を変えることができる。
【0133】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(b)が、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された有色の雲母または雲母ベース顔料から好ましくは選択される無機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(b3)を含むことを特徴とする。
【0134】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法に用いられる剤(b)は、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、Pigment Blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、酸化クロム(CI 77288)および/または紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)からなる群から選択される1以上の金属酸化物と反応した雲母または雲母ベース顔料から選択される顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(b3)を含んでなることを特徴とする。
【0135】
特に適当な着色顔料の例は、Merck社からRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)の商品名で、Sensient社からAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)の商品名で、Eckart Cosmetic Colors社からPrestige(登録商標)の商品名で、Sunstar社からSunshine(登録商標)の商品名で市販されている。
【0136】
商品名がColorona(登録商標)の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Colorona Copper,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange,Merck,Mica,CI77491(酸化鉄),アルミナ
Colorona Patina Silver,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona RY,Merck,CI 77891(二酸化チタン),雲母,CI75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue,Merck,雲母,二酸化チタン,フェロシアン化鉄
Colorona Chameleon,Merck,CI77491(酸化鉄),雲母
Colorona Aborigine Amber,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue,Merck,CI77499(酸化鉄),雲母
Colorona Patagonian Purple,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン),CI77510(フェロシアン化鉄)
Colorona Red Brown,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona Russet,Merck,CI77491(二酸化チタン),雲母,CI77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),D&C RED NO.30(CI73360)
Colorona Majestic Green,Merck,CI77891(二酸化チタン),雲母,CI77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),フェロシアン化鉄(CI77510)
Colorona Red Gold,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),酸化鉄(CI77491)
Colorona Carmine Red,Merck,雲母,二酸化チタン,カーマイン
Colorona Blackstar Green,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine,Merck,CI77491(酸化鉄),雲母
Colorona Sienna,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),シリカ,CI77491(酸化鉄),酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29,Merck,雲母,二酸化チタン,酸化鉄,雲母,CI77891,CI77491(EU)
Colorona Mica Black,Merck,CI77499(酸化鉄),Mica,CI77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄)
【0137】
商品名がXirona(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Xirona Golden Sky,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Caribbean Blue,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),シリカ,酸化スズ
Xirona Kiwi Rose,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Magic Mauve,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
【0138】
また、商品名がUnipure(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Unipure Red LC 381 EM,Sensient CI77491(酸化鉄),シリカ
Unipure Black LC 989 EM,Sensient,CI77499(酸化鉄),シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM,Sensient,CI77492(酸化鉄),シリカ
【0139】
別の実施態様では、本発明における剤(b)はまた、有機顔料からなる群からの1以上の着色化合物(b3)を含み得る。
【0140】
本発明における有機顔料は、例えばニトロソ、ニトロ-アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリノン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケト-ピロロピロール、インディゴ、チオインディゴ、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物からなる群から選択されてよい、相応に不溶性の有機染料またはカラーラッカーである。
【0141】
特に適当な有機顔料の例は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料である。
【0142】
別の特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(b)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料からなる群から好ましくは選択される有機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(b3)を含むことを特徴とする。
【0143】
有機顔料はカラーペイントであってもよい。本発明の意味において、用語「カラーラッカー」は、吸収された染料の層を含んでなる粒子を意味し、粒子および染料のユニットは、上記条件下で不溶性である。粒子は例えば無機物質であり得、これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムまたはアルミニウムであり得る。
【0144】
例えば、アリザリンカラーワニスを使用できる。
【0145】
光および温度に対する優れた安定性のために、本発明の方法の剤(b)においては顔料を使用することが特に好ましい。また、使用する顔料が特定の粒度を有することが好ましい。従って、本発明では、少なくとも1種の顔料が1.0~50μm、好ましくは5.0~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒度D50を有することが有利である。平均粒度D50は、例えば、動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
【0146】
顔料の群からの着色化合物である着色化合物(b3)は、本発明に必須の剤(b)の第三の成分を表す。非常に好ましくは、剤(b)において顔料は特定の範囲の量で使用される。剤(b)が、剤(b)の総重量に基づき、0.05~10.0重量%、好ましくは0.1~7.0重量%、より好ましくは0.2~5.0重量%、最も好ましくは0.3~3.0重量%の総量で、1以上の顔料(b3)を含む場合に、特に良好な結果が得られた。
【0147】
別の非常に特に好ましい実施形態において、本発明における剤は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、0.05~10.0重量%、好ましくは0.1~7.0重量%、より好ましくは0.2~5.0重量%、特に好ましくは0.3~3.0重量%の総量で、1以上の顔料(b3)を含むことを特徴とする。
【0148】
着色化合物(b3)として、本発明の方法において使用する剤(b)は、1以上の直接染料を含有してもよい。直接作用染料は、毛髪に直接作用し、色を形成するために酸化工程を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料、またはインドフェノールである。
【0149】
本発明の意味における直接染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
【0150】
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分類できる。
【0151】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(b)が、アニオン性直接染料、非イオン性直接染料およびカチオン性直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物(b3)を含むことを特徴とする。
【0152】
適当なカチオン性直接染料は、Basic Blue 7、Basic Blue 26、HC Blue 16、Basic Violet 2、Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 16、Basic Blue 347(Cationic Blue 347 / Dystar)、HC Blue No. 16、Basic Blue 99、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87、Basic Orange 31、Basic Red 51、Basic Red 76を包含する。
【0153】
非イオン性直接染料として、非イオン性ニトロおよびキノン染料並びに天然アゾ染料を使用できる。適当な非イオン性直接染料は、以下の国際名称または商品名で記載されているものである:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9の既知の化合物、および1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
【0154】
アニオン性直接染料は、酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)および/または少なくとも1個のスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に依存して、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、それらの脱プロトン化形態(-COO、-SO 存在)と平衡関係を示す。プロトン化形態の割合は、pHの低下とともに増える。直接染料をその塩として使用する場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために、対応する化学量論的に同等のカチオンで中和される。本発明の酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはそのカリウム塩の形態でも使用できる。
【0155】
本発明の意味における酸性染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における酸性染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
【0156】
酸性染料のアルカリ土類塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、対応するアルカリ塩よりも低い溶解度をしばしば有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L未満(25℃、760mmHg)の場合、それらは直接染料の定義に含まれない。
【0157】
酸性染料の本質的な特徴は、アニオン性電荷を形成する能力であり、その原因となるカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、様々な発色団系に結合している。適当な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンタン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見られる。
【0158】
別の実施態様では、ケラチン物質の染色方法は、剤(b)が、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群から選択される少なくとも1つのアニオン性直接染料(b3)を含んでなり、上記群からの染料はそれぞれ、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SONa)および/またはスルホン酸カリウム基(-SOK)を有することを特徴とする。
【0159】
例えば、下記群から選択される1以上の化合物が適当な酸性染料として包含される:Acid Yellow 1(D&C Yellow 7、Citronin A、Ext.D&C Yellow No.7、Japan Yellow 403、CI10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow 3(COLIPA n°54、D&C Yellow N°10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow 13)、Acid Yellow 9(CI13015)、Acid Yellow 17(CI18965)、Acid Yellow 23(COLIPA n°29、Covacap Jaune W1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E102(BASF)、Tartrazine、Food Yellow 4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No.5)、Acid Yellow 36(CI13065)、Acid Yellow 121(CI18690)、Acid Orange 6(CI14270)、Acid Orange 7(2-Naphthol orange、Orange II、CI15510、D&C Orange 4、COLIPA n°015)、Acid Orange 10(C.I.16230;Orange G ナトリウム塩)、Acid Orange 11(CI45370)、Acid Orange 15(CI50120)、Acid Orange 20(CI14600)、Acid Orange 24(BROWN 1;CI20170;KATSU201;ナトリウム塩不含有;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE 24;Japan Brown 201;D&C Brown No.1)、Acid Red 14(C.I.14720)、Acid Red 18(E124、Red18;CI16255)、Acid Red 27(E123、CI16185、C-Rot46、Real red D、FD&C Red Nr.2、Food Red 9、Naphthol red S)、Acid Red 33(Red33、Fuchsia Red、D&C Red33、CI17200)、Acid Red 35(CI C.I.18065)、Acid Red 51(CI45430、Pyrosin B、Tetraiodfluorescein、Eosin J、Iodeosin)、Acid Red 52(CI45100、Food Red106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacyl Brilliant Pink)、Acid Red 73(CI27290)、Acid Red 87(Eosin、CI45380)、Acid Red 92(COLIPA n°53、CI 45410)、Acid Red 95(CI45425、Erythtosine,Simacid Erythrosine Y)、Acid Red 184(CI15685)、Acid Red 195、Acid Violet 43(Jarocol Violet 43、Ext.D&C Violet n°2、C.I.60730、COLIPA n°063)、Acid Violet 49(CI42640)、Acid Violet 50(CI50325)、Acid Blue 1(Patent Blue、CI42045)、Acid Blue 3(Patent Blue V、CI42051)、Acid Blue 7(CI42080)、Acid Blue 104(CI42735)、Acid Blue 9(E133、Patent blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI42090、C.I.Food Blue 2)、Acid Blue 62(CI62045)、Acid Blue 74(E132、CI73015)、Acid Blue 80(CI61585)、Acid Green 3(CI42085、Foodgreen1)、Acid Green 5(CI42095)、Acid Green 9(C.I.42100)、Acid Green 22(C.I.42170)、Acid Green 25(CI61570、Japan Green 201、D&C Green No.5)、Acid Green 50(Brilliant Acid Green BS、C.I.44090、Acid Brilliant Green BS、E142)、Acid Black 1(Black n°401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI20470、COLIPA n°B15)、Acid Black 52(CI15711)、Food Yellow 8(CI14270)、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1。
【0160】
例えば、アニオン性直接染料の水溶性は、下記方法で測定できる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに導入する。磁気撹拌棒を加える。次いで、100mLの水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃に加熱する。60分間撹拌する。次いで、水性混合物を視覚的に評価する。未溶解残留物がまだ存在する場合、例えば10mL刻みで、水の量を増やす。使用した染料の量が完全に溶解するまで水を加える。染料の強度が高いために、染料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解染料がろ紙上に残留する場合は、より多くの水を用いて溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン性直接染料が25℃で100mLの水に溶解した場合、その染料の溶解度は1.0g/Lである。
【0161】
Acid Yellow 1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、少なくとも40g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 3は、2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸およびジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より大きい。
Acid Yellow 23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃の水に高度に溶解できる。
Acid Orange 7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水への溶解度は、7g/L(25℃)より大きい。
Acid Red 18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホネートの三ナトリウム塩であり、20重量%より大きい非常に高い水溶性を有する。
Acid Red 33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートの二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
Acid Red 92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より大きい。
Acid Blue 9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートの二ナトリウム塩であり、20重量%(25℃)より大きい水への溶解度を有する。
【0162】
従って、別の実施態様では、本発明における方法は、剤(b)が、Acid Yellow 1、acid yellow 3、acid yellow 9、acid yellow 17、acid yellow 23、acid yellow 36、acid yellow 121、acid orange 6、acid orange 7、acid orange 10、acid orange 11、acid orange 15、acid orange 20、acid orange 24、acid red 14、acid red 27、acid red 33、acid red 35、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 73、Acid Red 87、Acid Red 92、Acid Red 95、Acid Red 184、Acid Red 195、Acid Violet 43、Acid Violet 49、Acid Violet 50、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 104、Acid Blue 9、Acid Blue 62、Acid Blue 74、Acid Blue 80、Acid Green 3、Acid Green 5、Acid Green 9、Acid Green 22、Acid Green 25、Acid Green 50、Acid Black 1、Acid Black 52、Food Yellow 8、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1からなる群から選択される少なくとも1つの直接染料(b3)を含んでなることを特徴とする。
【0163】
1以上の直接染料は、所望の色強度に応じて剤(b)において様々な量で使用され得る。良好な結果は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上の直接染料(b3)を含有する場合に得られた。
【0164】
また、剤(b)は、着色化合物(b3)として、少なくとも1つのフォトクロミック染料またはサーモクロミック染料を含有してもよい。
【0165】
フォトクロミック染料は、UV光(太陽光またはブラックライト)の照射に反応して、色相が可逆的に変化する染料である。この過程では、UV光によって染料の化学構造が変化し、その結果、染料の吸収挙動(フォトクロミズム)が変化する。
【0166】
サーモクロミック染料は、温度変化に反応して、色相が可逆的に変化する染料である。この過程では、温度の変化によって染料の化学構造が変化し、その結果、染料の吸収挙動(サーモクロミズム)が変化する。
【0167】
剤(b)は、剤(b)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上のフォトクロミック染料(b3)を含有してよい。
【0168】
剤(b)は、剤(b)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上のサーモクロミック染料(b3)を含有してよい。
【0169】
<剤(b)中の界面活性剤>
水(b1)と脂肪成分(b2)が含まれているため、剤(b)はエマルション形態である。エマルションの形成をさらに最適化するために、剤(b)に少なくとも1つの界面活性剤を使用し続けることが特に好ましいことが判明した。
【0170】
したがって、非常に好ましくは、剤(b)は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む。
【0171】
別の特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、剤(b)が少なくとも1つの界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0172】
界面活性剤(T)という用語は、表面および界面で吸着層を形成するか、またはバルク相で凝集してミセルコロイドまたはリオトロピック中間相を形成できる界面活性物質を意味する。疎水性基と負に帯電した親水性の頭部基からなるアニオン性界面活性剤、負と相殺する正の両方の電荷を持つ両性界面活性剤、疎水性基に加えて正の電荷を持つ親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷は有さないが、水溶液中で強く水和し、強い双極子モーメントを有する非イオン性界面活性剤に分類される。
【0173】
別の特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、剤(b)が少なくとも1つの非イオン性界面活性剤(b4)を含むことを特徴とする。
【0174】
非イオン性界面活性剤は、例えば、親水性基として、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。そのような群には、以下が包含される:
・6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、または脂肪アルコールポリプロピレングリコールエーテル、または混合脂肪アルコールポリエーテル、
・6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪酸への2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪酸ポリグリコールエーテル、または脂肪酸ポリプロピレングリコールエーテル、または混合脂肪酸ポリエーテル、
・アルキル基中に8~15個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキルフェノールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、またはアルキルポリプロピレングリコールエーテル、または混合アルキルフェノールポリエーテル、
・メチルまたはC-Cアルキル基で終端された、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、8~30個の炭素原子を有する脂肪酸への、および8~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの、2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、例えば、商品名Dehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis)で得られるグレードのもの、
・グリセロールへの1~30モルのエチレンオキシドの付加生成物のC12-C30脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
・ひまし油および硬化ひまし油への5~60モルのエチレンオキシドの付加生成物、
・ポリオール脂肪酸エステル、例えば、市販品であるHydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol(登録商標)グレード(Cognis)、
・アルコキシル化トリグリセリド、
・式(Tnio-1):
[式中、RCOは、直鎖または分岐鎖、飽和および/または不飽和のC6-22アシル基であり、Rは、水素またはメチルであり、Rは、直鎖または分岐鎖C1-4アルキル基であり、wは1~20の数である]
で示されるアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
・アミンオキシド、
・例えばDE-OS 19738866に記載されているヒドロキシ混合エーテル、
・ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルへのエチレンオキシド付加生成物、例えばポリソルベート、
・糖脂肪酸エステル、および糖脂肪酸エステルへのエチレンオキシドの付加生成物、
・脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへのエチレンオキシドの付加生成物、
-式(E4-II):
[式中、Rは4~22個の炭素原子を含むアルキルまたはアルケニル基であり、Gは5または6個の炭素原子を含む糖残基であり、pは複数の1~10である]
で示されるアルキルおよびアルケニルオリゴグリコシド型の糖界面活性剤(これらは、有機化学の関連する方法によって得ることができる。アルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドは、5または6個の炭素原子を有するアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースから誘導することができる。従って、好ましいアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(Tnio-2)の添え字pは、オリゴマー化(DP)度、即ちモノグリコシドとオリゴグリコシドの分布を示し、1~10の数を表す。pは個々の分子において常に整数でなければならず、p=1~6の値をとることができるが、特定のアルキルオリゴグリコシドの値pは分析的に決定された算術的な量であり、通常は小数を表す。好ましくは、1.1~3.0の平均オリゴマー化度pを有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが使用される。応用技術の観点から、それらのアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、オリゴマー化度が1.7未満、1.2~1.4の間であることが好ましい。アルキルまたはアルケニル基Rは、4~11個、好ましくは8~10個の炭素原子を含む第一級アルコールから誘導され得る。典型的な例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデクリルアルコール、およびそれらの工業的混合物、例えば、工業用脂肪酸メチルエステルの水素化またはローレンのオキソ合成からのアルデヒドの水素化の際に得られるものである。鎖長がC-C10(DP=1~3)のアルキルオリゴグルコシドが好ましい。これは、工業用C-C18ココナツ脂肪アルコールの蒸留分離の予備段階として得られ、6重量%未満のC12アルコール、および工業用C9/11オキソアルコール(DP=1~3)に基づくアルキルオリゴグルコシドで汚染されている場合がある。アルキルまたはアルケニル基R15はまた、12~22個、好ましくは12~14個の炭素原子を有する第一級アルコールから誘導することもできる。典型的な例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールおよびそれらの工業的混合物であり、これらは上記したようにして得ることができる。1~3のDPを有する硬化C12/14ココナツアルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい)、
【0175】
-脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミド型の糖界面活性剤、式(Tnio-3):
[式中、RCOは、6~22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、Rは、水素、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基またはアルキル基であり、[Z]は、3~12個の炭素原子および3~10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分岐鎖ポリヒドロキシアルキル基である]
で示される非イオン性界面活性剤(脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、還元糖のアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンによる還元的アミノ化、およびその後の、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物でのアシル化により通常得られる既知の物質である。好ましくは、脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、5または6個の炭素原子を有する還元糖、特にグルコースから誘導される。従って、好ましい脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、式(Tnio-4):
で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドである)、
【0176】
好ましくは、式(Tnio-4)で示されるグルカミドは、脂肪酸-N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドとして使用され、式中、Rは水素またはアルキル基を表し、RCOは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸またはエルカ酸のアシル基またそれらの工業的混合物を表す。特に好ましいものは、グルコースをメチルアミンで還元的にアミノ化し、続いてラウリン酸、C12/14ココナツ脂肪酸または対応する誘導体でアシル化することにより得られ、式(Tnio-4)で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドである。また、ポリヒドロキシアルキルアミドもマルトースおよびパラチノースから誘導され得る。
【0177】
糖界面活性剤は、好ましくは、本発明に従って使用される剤中に、剤全体に基づいて、0.1~20重量%の量で存在し得る。0.5~15重量%の量が好ましく、0.5~7.5重量%の量が特に好ましい。
【0178】
非イオン性界面活性剤の他の典型的な例は、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、混合エーテル若しくは混合ホルマール、タンパク質加水分解物(特に、小麦由来植物製品)およびポリソルベートである。
【0179】
それぞれ脂肪アルコールまたは脂肪酸1モルあたり2~30モルのエチレンオキシドを含む飽和直鎖脂肪アルコールおよび脂肪酸へのアルキレンオキシド付加生成物、並びに糖界面活性剤が、好ましい非イオン性界面活性剤であることが見出された。非イオン性界面活性剤としてエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含む場合にも、優れた特性を備えた製剤が得られる。
【0180】
これらの結合は、下記パラメータによって識別される。アルキル基Rは、6~22個の炭素原子を含み、直鎖または分岐鎖のいずれかであってよい。第一級直鎖および二位メチル分岐の脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチル、1-シチルおよび1-ステアリルである。特に好ましいのは、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチルである。いわゆる「オキソアルコール」を出発物質として使用する場合、アルキル鎖に奇数の炭素原子を有する化合物が有利である。
【0181】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物は、それぞれ均一な物質であり得る。しかし、これらの物質の製造では、通常、在来の植物または動物の原材料から開始することが好ましいため、それぞれの原材料に応じて異なるアルキル鎖長の物質混合物が得られる。
【0182】
脂肪アルコールへのエチレンおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物またはこれらの付加生成物の誘導体である界面活性剤については、「通常の」同族体分布を有する生成物および狭い同族体分布を有する生成物の両方を使用することができる。「通常の」同族体分布とは、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金属アルコラートを使用した、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応で得られる同族体の混合物を意味する。他方、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートが触媒として使用される場合、狭い同族体分布が得られる。同族体分布が狭い生成物の使用が好ましい場合がある。
【0183】
エトキシル化度が10~40である少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコールを含有する剤(b)を本発明における方法で使用した場合、特に良好な結果が得られた。
【0184】
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明における方法は、剤(b)が、式(T-I):
[式中、
Rbは、飽和または不飽和、非分岐鎖または分岐鎖のC-C24アルキル基、好ましくは飽和、非分岐鎖のC16-C18アルキル基を表し、
mは、10~40の整数、好ましくは20~35の整数、特に好ましくは30の数を表す]
で示される少なくとも1つの非イオン性界面活性剤(b4)を含むことを特徴とする。
【0185】
このタイプの特に適した非イオン性界面活性剤は、セテアレス-30である。Ceteareth-30は、それぞれが30単位のエチレンオキシドでエトキシル化された、セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物である。セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物は、セテアリルアルコールと称されている。Ceteareth-30は、68439-49-6のCAS番号を有し、例えば、BASFからEumulgin B3の商品名で購入できる。
【0186】
非イオン性界面活性剤、特に式(TーI)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、剤(b)において適切な量的範囲で使用される。したがって、剤(b)は、剤(b)の総重量に基づいて、0.1~20重量%、好ましくは0.2~10重量%、より好ましくは0.3~5重量%、最も好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1以上の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0187】
<剤(b)で使用されないアミノシリコーン>
本発明の方法の工程(3)において、剤(a)および剤(b)は混合され、これにより即用の着色剤が調製される。次いで、前記着色剤を毛髪に塗布し(工程(4))、作用させ(工程(5))、再度すすぎ流す(工程(6))ことができる。
【0188】
上述した通り、剤(a)は、好ましくは、塗布直前にのみ着色化合物(すなわち、顔料)(b3)と合わされるアミノシリコーン(a1)の濃縮物である。混合は、アミノシリコーン(a1)と顔料(b3)の反応または相互作用を開始し、使用条件下で最終的に(a1)および(b3)の凝集(conglomeration)、蓄積または凝集(aggregation)を引き起こし、おそらくこのようにして顔料をケラチン繊維の表面に固定化する。
【0189】
ケラチン繊維における均質な着色結果を可能にするために、本発明においては、(a1)と(b3)との相互作用が染色工程の直前または最中にのみ開始され、(a1)と(b3)との共同保管は回避される。このため、剤(b)自体がアミノシリコーンを含まない場合が、特に好ましいことがさらに判明した。
【0190】
さらに明確に非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(b)中のアミノ官能化シリコーンポリマーの総含有量が、剤(b)の総重量に基づいて、1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、特に好ましくは0.01重量%未満であることを特徴とする。
【0191】
言い換えると、さらに明確に非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、剤(b)が、剤(a)の総重量に基づいて、0~1.0重量%、好ましくは0~0.5重量%、より好ましくは0~0.1重量%、特に好ましくは0~0.01重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマーを含むことを特徴とする。
【0192】
剤(b)がアミノ官能化シリコーンポリマーを含まない場合が、明らかに極めて好ましい。
【0193】
<剤(a)および/剤(b)中の他の任意成分>
すでに説明した本発明に必須の成分に加えて、剤(a)および/または剤(b)は、他の任意の成分を含み得る。
【0194】
例えば、剤(a)および/または剤(b)は、フィルム形成ポリマーを含み得る。フィルム形成ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー、ビニルピロリドン/エチレンコポリマー、ビニルピロリドン/プロピレンコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルホルムアミドコポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ビニルアルコールコポリマーからなる群から選択されてよく、明らかに非常に特に好ましくはポリビニルピロリドン(PVP)である。
【0195】
別の適当なフィルム形成ポリマーは、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドからなる群から選択することができる。
【0196】
合成ポリマー、ラジカル重合により得られるポリマー、または天然ポリマーからなる群から選択されるフィルム形成ポリマーが非常に適していることが判明した。
【0197】
他の特に適当なフィルム形成ポリマーは、オレフィン、例えばシクロオレフィン、ブタジエン、イソプレンまたはスチレン、ビニルエーテル、ビニルアミド、少なくとも1個のC-C20アルキル基、アリール基またはC-C10ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択することができる。
【0198】
他のフィルム形成ポリマーは、イソオクチル(メタ)アクリレート;イソノニル(メタ)アクリレート;2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート;ラウリル(メタ)アクリレート);イソペンチル(メタ)アクリレート;n-ブチル(メタ)アクリレート;イソブチル(メタ)アクリレート;エチル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート;tert-ブチル(メタ)アクリレート;ステアリル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;および/またはそれらの混合物のホモポリマーまたはコポリマーから選択され得る。
【0199】
別のフィルム形成ポリマーは、(メタ)アクリルアミド;C-C18アルキル基を有するN-アルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN-エチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-オクチル-クリルアミド;N-ジ(C1-C4)アルキル-(メタ)アクリルアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択され得る。
【0200】
他の好適なアニオン性コポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのC~Cアルキルエステルのコポリマーであり、これらはINCI名アクリレートコポリマーで販売されている。好適な市販品は例えば、Rohm & Haas製のAculyn(登録商標)33である。アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのC-Cアルキルエステル、およびエチレン性不飽和酸とアルコキシル化脂肪アルコールとのエステルのコポリマーもまた好ましい。好適なエチレン性不飽和酸は特に、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸であり、好適なアルコキシル化脂肪アルコールは特に、ステアレス-20またはセテス-20である。
【0201】
とりわけ好ましい市販のポリマーは、例えば、Aculyn(登録商標)22(アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)、Structure 2001(登録商標)(アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー)、Structure 3001(登録商標)(アクリレート/セテス-20イタコネートコポリマー)、Structure Plus(登録商標)(アクリレート/アミノアクリレートC10-30アルキルPEG-20イタコネートコポリマー)、Carbopol(登録商標)1342、1382、Ultrez 20、Ultrez 21(アクリレート/C10-30アクリル酸アルキル架橋ポリマー)、Synthalen W 2000(登録商標)(アクリレート/パルメス-25アクリレートコポリマー)またはRohme und Haas製の流通品Soltex OPT(アクリレート/C12-22メタクリル酸アルキルコポリマー)である。
【0202】
ビニルモノマー系の好適なポリマーとして、N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニル-(C1-C6)アルキル-ピロール、ビニルオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルピリミジンまたはビニルイミダゾールのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0203】
また、コポリマーのオクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマー、例えばNATIONAL STARCHによって商品名AMPHOMER(登録商標)若しくはLOVOCRYL(登録商標)47で市販されているもの、またはNATIONAL STARCHによって商品名DERMACRYL(登録商標)LTおよびDERMACRYL(登録商標)79で販売されているアクリレート/オクチルアクリルアミドのコポリマーも特に適している。
【0204】
好適なオレフィン系ポリマーとして、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンおよびブタジエンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0205】
別の実施態様において、フィルム形成疎水性ポリマーとして、スチレンまたはスチレン誘導体の少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーを使用できる。これらのブロックコポリマーは、スチレンブロックに加えて1つ以上の他のブロック、例えばスチレン/エチレン、スチレン/エチレン/ブチレン、スチレン/ブチレン、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエンを含むコポリマーであってよい。そのようなポリマーはBASFによって商品名「Luvitol HSB」で市販されている。
【0206】
さらなる実施形態において、本発明の方法は、剤(a)および/または剤(b)が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー、ビニルピロリドン/エチレンコポリマー、ビニルピロリドン/プロピレンコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルホルムアミドコポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ビニルアルコールコポリマー、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つのフィルム形成ポリマーを含むことを特徴とする。
【0207】
1以上のフィルム形成ポリマーは、好ましくは、剤(a)および/または剤(b)において特定の量的範囲で使用される。これに関して、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づき、0.1~25.0重量%、好ましくは0.2~20.0重量%、より好ましくは0.5~15.0重量%、特に好ましくは1.0~7.0重量%の総量で、1以上のポリマーを含む場合が、本発明による課題の解決に特に好ましいことが判明した。
【0208】
剤は、1以上の界面活性剤を含み得る。用語「界面活性剤」は界面活性物質を意味する。疎水性基と負に帯電した親水性の頭部基からなるアニオン性界面活性剤、負と相殺する正の両方の電荷を持つ両性界面活性剤、疎水性基に加えて正の電荷を持つ親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷は有さないが、水溶液中で強く水和し、強い双極子モーメントを有する非イオン性界面活性剤に分類される。
【0209】
双性イオン性界面活性剤は、分子内に少なくとも1個の第四級アンモニウム基と少なくとも1つの-COO(-)-または-SO (-)基を有する表面活性化合物である。特に好適な双性イオン性界面活性剤はいわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-グリシネート、例えばココアルキル-ジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、各々、アルキル基またはアシル基内に8~18個のC原子を有するココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネートおよび2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名コカミドプロピルベタインで知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0210】
両性界面活性剤は、分子内に、C-C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは-SOH基を含み、分子内塩を形成することができる表面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、各々、アルキル基内に約8~24個のC原子を有するN-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例はアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
【0211】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12-C18アシルサルコシンである。
【0212】
また、剤は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含有してもよい。カチオン性界面活性剤は、各々、1個以上の正電荷を有する界面活性剤、すなわち表面活性化合物である。カチオン性界面活性剤は正電荷のみを含む。通常、このような界面活性剤は疎水性部および親水性頭部基で構成されており、疎水性部は通常、(例えば、1つまたは2つの直鎖または分枝鎖のアルキル鎖からなる)炭化水素主鎖からなり、正電荷は親水性頭部基に存在する。カチオン性界面活性剤の例は、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ若しくは2つのアルキル鎖を疎水性基として有し得る第四級アンモニウム化合物、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換されている第四級ホスホニウム塩、または
・第三級スルホニウム塩
である。
【0213】
さらに、カチオン電荷もまた、オニウム構造の形態の複素環(例えば、イミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であり得る。カチオン性界面活性剤は、カチオン電荷を有する官能性単位に加えて、例えばエステルクアットの場合のように他の無電荷官能基を含んでもよい。カチオン性界面活性剤は、各剤の総重量に対して0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0214】
さらに、本発明における剤はまた、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有してもよい。アニオン性界面活性剤は、(対応する対カチオンによって中和される)アニオン電荷を排他的に有する表面活性剤である。アニオン性界面活性剤の例は、脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸であり、アルキル基内のC原子は12~20個であり、分子内のグリコールエーテル基は最大16個までである。
【0215】
陰イオン性界面活性剤は、それぞれの剤の総重量に基づいて、0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で用いられる。
【0216】
剤はまた、他の活性成分、助剤および添加剤、例えば溶媒、C-C30脂肪アルコール、C-C30脂肪酸トリグリセリド、C-C30脂肪酸モノグリセリド、C-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素などの脂肪成分;ポリマー、ストラクチュラント(structurant)、例えばグルコース、マレイン酸および乳酸、ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えばレシチンおよびケファリン;香油、ジメチルイソソルバイドおよびシクロデキストリン;繊維構造改善活性成分、特に単糖類、二糖類およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトース;製剤を着色するための染料;フケ防止活性成分、例えばピロクトン・オラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物系および/または植物系並びに脂肪酸縮合物または任意にアニオン変性型若しくはカチオン変性型誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩、ビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン類、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物抽出物;脂肪およびワックス、例えば脂肪アルコール、ミツロウ、モンタンワックスおよびケロシン;膨潤剤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、第一級、第二級および第三級ホスフェート;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;真珠光沢剤、例えばエチレングリコールモノ-およびジステアレート並びにPEG-3-ジステアレート;並びに発泡剤、例えばプロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有してもよい。
【0217】
これらの他の物質の選択は、剤の所望の特性に応じて当業者によって行われる。他の任意成分およびこのような成分の使用量は、当業者に知られている関連マニュアルに明示されている。付加的な活性成分および助剤は、好ましくは、本発明における調製物中に、各剤の総重量に対して0.0001~25重量%ずつ、0.0005~15重量%ずつの量で使用される。
【0218】
しかしながら、上述したように、剤(a)は、特に好ましくは、成分(a1)に加えて、適切な場合には溶媒から本質的になる。剤(a)が上記の他の任意成分のいずれかも含むべき場合、これらは、剤(a)において非常に少量でのみ使用されることが特に好ましい。
【0219】
<剤(a)と(b)との混合による適用混合物の調製>
本発明の方法の工程(3)において、即用の混合物は、剤(a)および剤(b)を混合することにより調製される。言い換えると、この工程段階では、濃縮物(a)、すなわち、好ましくは低水で高濃度のアミノシリコーン(a1)を、成分(b1)と(b2)と(b3)とを含むエマルジョンと混合する。
【0220】
原則として、異なる量の剤(a)を剤(b)と混合できるため、1:400~400:1の混合比(a)/(b)が考えられる。
【0221】
しかしながら、剤(a)は好ましくは濃縮物であるため、剤(a)を少量使用し、これらを比較的大量の着色剤(b)で希釈することが特に好ましいことが判明した。
【0222】
適用混合物が、剤(a)および剤(b)を1:5~1:200、好ましくは1:10~1:150、さらに好ましくは1:20~1:140、最も好ましくは1:40~1:110の量比(a)/(b)で混合することによって調製される場合が特に好ましい。
【0223】
例えば、量比(a)/(b)が1:120の場合、1gの剤(a)を120gの剤(b)と混合できる。
【0224】
例えば、量比(a)/(b)が1:100の場合、1gの剤(a)を100gの剤(b)と混合できる。
【0225】
例えば、量比(a)/(b)が1:15の場合、15gの剤(a)を75gの剤(b)と混合できる。
【0226】
例えば、量比(a)/(b)が1:25の場合、4gの剤(a)を100gの剤(b)と混合できる。
【0227】
さらに好ましい実施形態の範囲内で、本発明の方法は、
(3)剤(a)および剤(b)を、1:5~1:200、好ましくは1:10~1:150、より好ましくは1:20~1:140、最も好ましくは1:40~1:110の量比(a)/(b)で混合することによる適用混合物の調製、
によって特徴付けられる。
【0228】
剤(a)および剤(b)のpH値は、好ましくは、(a)および(b)から調製された適用混合物が中性からアルカリ性のpH値を有するように調整される。最も好ましくは、適用混合物は、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、最も好ましくは8.5~10.5の範囲のアルカリ性pH値を有する。塩基性条件下で、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)は、プロトン化せずに、特によく溶解または分散され得る。
【0229】
さらに好ましい実施形態の範囲内で、本発明の方法は、剤(a)と剤(b)とを混合することにより調製される適用混合物が、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~11.5のpHを有することを特徴とする。
【0230】
所望のpH値に調整するため、剤(a)および/または(b)は少なくとも1種のアルカリ化剤を含有してよい。本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されるpH値である。
【0231】
アルカリ化剤として、剤は、例えばアンモニア、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸を含有してよい。
【0232】
本発明の剤において使用できるアルカノールアミンは好ましくは、少なくとも1個のヒドロキシル基を有するC-Cアルキルベースを有する第一級アミンから選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールからなる群から選択される。
【0233】
本発明において特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択される。従って、特に好ましい実施態様では、本発明における剤が、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンをアルカリ化剤として含むことを特徴とする。
【0234】
本発明の目的のため、アミノ酸は、その構造に、少なくとも1つのプロトン性アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは少なくとも1つの-SOH基とを含む有機化合物である。好ましいアミノ酸は、アミノカルボン酸、特にα-(アルファ)-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、このとき、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
【0235】
本発明において、塩基性アミノ酸は、7.0より大きい等電点pIを有するアミノ酸である。
【0236】
塩基性α-アミノカルボン酸は、少なくとも1個の不斉炭素原子を含む。本発明において、両方の可能なエナンチオマーを、具体的な化合物またはそれらの混合物として、特にラセミ体として等しく使用できる。しかし、通常L立体配置の、必然的に好ましい異性体形態を使用することが特に好ましい。
【0237】
塩基性アミノ酸は好ましくは、アルギニン、リジン、オルニチンおよびヒスチジン、特に好ましくはアルギニンおよびリジンからなる群から選択される。従って、別の特に好ましい実施態様では、本発明の剤は、アルカリ化剤がアルギニン、リジン、オルニチンおよび/またはヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
【0238】
また、製剤は、他のアルカリ化剤、特に無機アルカリ化剤を含有してもよい。本発明に従って使用される無機アルカリ化剤は好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される。
【0239】
特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。
【0240】
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明における方法は、剤(a)が、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1つのアルカリ化剤を含んでなることを特徴とする。
【0241】
<適用混合物の塗布>
本発明の方法の工程(4)において、工程(3)で調製された適用混合物は、非常に好ましくはヒトの毛髪であるケラチン物質に塗布される。
【0242】
好ましくは、適用混合物は、ケラチン物質(または毛髪)に、工程(3)におけるその調製後1~120分、好ましくは1~60分、さらに好ましくは1~30分、最も好ましくは1~15分以内に塗布される。
【0243】
さらに好ましい実施形態では、本発明の方法は、
(4)工程(3)での調製後、1~120分、好ましくは1~60分、より好ましくは1~30分、最も好ましくは1~15分以内にケラチン物質に適用混合物を塗布すること、によって特徴づけられる。
【0244】
<ケラチン物質への適用混合物の曝露>
本発明の方法の工程(5)において、適用混合物は、その塗布後にケラチン物質に作用できる。本発明においては、例えば、30秒~60分の様々な曝露時間が考えられる。
【0245】
しかしながら、本発明による染色方法の主な利点は、短い曝露時間の後の非常に短い時間でさえ、強い着色結果を達成できることである。このため、適用混合物が塗布後比較的短い時間、30秒~15分、好ましくは30秒~10分、特に好ましくは1~5分だけケラチン物質上に留まる場合が有利である。
【0246】
さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、
(5)工程(4)で塗布された適用混合物を、30秒~15分、好ましくは30秒~10分、より好ましくは1~5分の範囲の時間、ケラチン物質に曝露すること、
により特徴づけられる。
【0247】
<適用混合物のすすぎ流し>
最後に、適用混合物はケラチン物質に作用した後、工程(6)において水ですすぎ流される。
【0248】
ここで、一実施形態において適用混合物は、水のみで、すなわち、後処理剤またはシャンプーの助けを借りずに洗い流すことができる。原則として、工程(6)における後処理剤またはコンディショナーの使用も考えられる。
【0249】
しかしながら、本発明による課題を解決し、使いやすさを向上させるために、工程(6)において適用混合物は、さらなる後処理剤の助けなしに、シャンプーもコンディショナーもなしに、水のみですすぎ流されるのが特に好ましいことが判明した。
【0250】
さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、
(6)適用混合物を水のみで洗い流すこと、
によって特徴付けられる。
【0251】
<その後の方法工程>
本発明による方法は、工程(1)~(6)を含む。
【0252】
工程(1)では、剤(a)が提供され、工程(2)では、剤(b)を提供することを含む。これらの2つの工程は、必ずしも順々に行う必要はなく、同時に行ってもよい。
【0253】
したがって、工程(1)が工程(2)の前に行われる可能性があり、工程(1)と工程(2)とが同時に行われる可能性があり、工程(2)が工程(1)の前に行われる可能性がある。
【0254】
例えば、剤(a)と剤(b)とが多成分包装ユニットでユーザーに提供される場合、両方の剤が同時に提供され、パッケージングからどちらの剤を最初に取り除くかはユーザーが決定する。
【0255】
工程(3)における剤(a)と剤(b)とを混合することによる適用混合物の調製は、剤(a)および剤(b)の両方が提供された後にのみ実施できる。
【0256】
工程(4)での適用混合物の塗布は、工程(3)における調製後にのみ行うことができる。
【0257】
同様に、工程(5)における適用混合物の曝露は適用混合物をケラチン物質に塗布した後に適用でき、工程(6)における適用混合物のすすぎ流しは、工程(5)に適用した後に行うことができる。
【0258】
<多成分包装ユニット>
ユーザーの利便性を高めるために、ユーザーには、多成分包装ユニット(キット)の形態で必要なすべての剤が提供されることが好ましい。
【0259】
したがって、本発明の第2の対象は、
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含んでなる剤(a’)を含む第1の容器、および、
・(b1)水と、
(b2)少なくとも1つの脂肪成分と、
(b3)少なくとも1つの着色化合物と、
(b4)任意に少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、を含んでなる剤(b)を含む第2の容器
が、互いに別々に包括的に包装された、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(キット)である。ここで、前記成分(a1)、(b1)、(b2)、(b3)および(b4)は、本発明の第1の主題の詳細な説明において開示されている。
【0260】
キットの剤(a)に含まれるアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)は、前述の方法の剤(a)で使用されるアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)に対応する。
【0261】
キットの剤(b)に含まれる脂肪成分(b2)は、前述の方法の剤(a)で使用される脂肪成分(b2)に対応する。
【0262】
キットの剤(b)に含まれる着色化合物(b3)は、前述の方法の剤(b)で使用される着色化合物(b3)に対応する。
【0263】
キットの剤(b)に任意に含まれる非イオン性界面活性剤(b4)は、前述の方法の剤(4)で使用される非イオン性界面活性剤(b4)に対応する。
【0264】
本発明による多成分包装ユニットの他の好ましい実施形態に関して、必要な変更を加えて、本発明の方法におけるものと同様のことが適用される。
【実施例
【0265】
1.調製物
以下の調製物を製造した。
【0266】
【表1】
【0267】
【表2】
【0268】
【表3】
【0269】
すべての調製物をガラス容器に入れ、密封して25℃で8週間保存した。
【0270】
2.塗布
以下の適用混合物(AWM)を、保存した調製物から調製した。
【0271】
【表4】
【0272】
適用混合物AWM1は、2gの剤(aV1)を98gの剤(bV1)と振とうすることによって調製した(比較)。
【0273】
適用混合物AWM2は、貯蔵後にそれ自体をさらに混合することなく使用した比較調製物(V)である(比較)。
【0274】
適用混合物AWM3は、1gの剤(aE1)を99gの剤(bE1)と振とうすることによって調製した(本発明)。
【0275】
各適用混合物を毛髪でテストした(カーリング、ユーロナチュラルヘアホワイト、液比:毛髪束1gあたり1gの適用混合物)。適用混合物を3分間作用させた。続いて、毛髪を水で(1分間)完全に洗浄し、乾燥させた後、昼光ランプの下で視覚的に評価した。
【0276】
【表5】
【国際調査報告】