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特表2022-549565水中顆粒化システム、及び水中でポリマー溶融物を顆粒化する方法
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  • 特表-水中顆粒化システム、及び水中でポリマー溶融物を顆粒化する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】水中顆粒化システム、及び水中でポリマー溶融物を顆粒化する方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/10 20060101AFI20221118BHJP
   B01J 2/20 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
B29B9/10
B01J2/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022511253
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2020073339
(87)【国際公開番号】W WO2021032840
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】19192481.0
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】フレーゼ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】カミンスキー,トルベン
【テーマコード(参考)】
4F201
4G004
【Fターム(参考)】
4F201AJ08
4F201BA02
4F201BC02
4F201BD05
4F201BL11
4F201BL37
4F201BL39
4G004LA08
4G004LA09
(57)【要約】
発明は水中顆粒化システムに関し、水中顆粒化システムは、水ボックス(3)と、 水ボックス内へポリマー溶融物を供給するために多数の貫通開口部を備える穴あき板と、水ボックス(3)内に回転軸(X)のまわりに切断方向に回転駆動されるように配置された切断板支持体(5)と、を有し、切断板支持体(5)は、穴あき板に対向しかつ穴あき板を通って流入するポリマー溶融物から粒子をせん断することによって顆粒を形成するように適合された多数の切断板(31)を有し、水ボックス(3)は、水ボックス(3)から熱を排出するため及び分離された粒子を排出するために水供給源に接続されている。水ボックス(3)は、回転軸(X)に関して中空の円筒状部分を有し、中空の円筒状部分に、円周にわたって分配された多数の水入口(11)及び円周にわたって分配された多数の水出口(13)が配置することが提案されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中顆粒化システムであって、
水ボックス(3)と、
前記水ボックス内へポリマー溶融物を供給するために多数の貫通開口部を備える穴あき板と、
前記水ボックス(3)内に回転軸(X)のまわりに切断方向に回転駆動されるように配置された切断板支持体(5)と、を有し、
前記切断板支持体(5)は、前記穴あき板に対向しかつ前記穴あき板を通って流入する前記ポリマー溶融物から粒子を分離するように適合された多数の切断板(31)を有し、
前記水ボックス(3)は、前記水ボックス(3)から熱を排出するため及び前記分離された粒子を排出するために水供給源に接続され、
前記水ボックス(3)は、前記回転軸(X)に関して中空の円筒状部分を有し、前記中空の円筒状部分には、円周にわたって分配された多数の水入口(11)及び前記円周にわたって分配された多数の水出口(13)が配置されていることを特徴とする水中顆粒化システム。
【請求項2】
前記水入口(11)は、前記回転軸と垂直な共通平面(E1)に配置され、好ましくは前記水ボックス(3)の前記円周にわたって均一に分配され、及び/又は
前記水出口(13)は、前記回転軸と垂直な共通平面(E2)に配置され、好ましくは前記水ボックス(3)の前記円周にわたって均一に分配されている、請求項1に記載された水中顆粒化システム。
【請求項3】
前記水入口の前記平面(E1)と前記水出口の平面(E2)とは、互いに平行に配置されかつ互いから離間している、請求項2に記載された水中顆粒化システム。
【請求項4】
前記水入口及び/又は前記水出口は、前記水ボックス内に、好ましくは各場合に同じ量(u、v)だけ偏心して開口し、さらに好ましくは接線方向に又は接線方向と平行に配置され、
前記水入口は、前記切断方向に渦巻きプールを生成するように、好ましくは前記回転軸に対して偏心して配置される、請求項1から3の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項5】
前記水入口は、前記水出口の前記平面の方向に傾けられ、好ましくは結果として各場合に水入口は、実質的に水出口と整列するように配置され、さらに好ましくは、互いに関係する前記水入口及び前記水出口は、前記回転軸のまわりに互いに約4分の1だけ回転している、請求項1から4の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項6】
前記水出口は、前記水入口よりも前記切断板支持体に近接して配置されている、請求項1から5の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項7】
前記水ボックスは、前記水入口が設けられた第1のフランジ付きスリーブ(17)と、前記水出口が設けられた第2のフランジ付きスリーブ(19)とを有し、前記2つのフランジ付きスリーブは、好ましくは互いに液密にしかも逆方向に解除可能な態様で接続されている、請求項1から6の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項8】
前記切断板(31)は、前記粒子をせん断によって形成するように適合され、前記切断板支持体(5)はハブ部分(23)及び多数の運搬アーム(27)を有し、前記運搬アーム(27)は、前記ハブ部分(23)に第1の端部(25)を有しかつ前記ハブ部分(23)から第2の端部(29)まで外方に弓形の態様で延び、前記切断板(31)は、前記運搬アーム(27の前記第2の端部(29)に固定されている、請求項1から7の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項9】
前記ハブ部分は外径(D)を有し、前記回転軸に関して前記半径方向における前記運搬アームの長さは、各場合に前記ハブ部分の前記直径よりも大きい、請求項8に記載された水中顆粒化システム。
【請求項10】
前記運搬アームは、前記ハブ部分から前記回転軸に関して軸方向に前記穴あき板の方向に突出し、その結果前記切断板を有する前記運搬アームの前記第2の端部は、前記第1の端部よりも前記穴あき板に近接して配置され、前記運搬アームは、さらに好ましくは、少なくともいくつかの部分で弓形に湾曲している、請求項8又は9に記載された水中顆粒化システム。
【請求項11】
前記運搬アームは、少なくともいくつかの部分で前記切断方向と反対方向に湾曲し、結果として前記切断板は、前記切断板支持体が前記切断方向に回転する際に前記運搬アームの背後にある、請求項8から10の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項12】
前記運搬アームは、各々前記第1の端部から前記第2の端部の方向において少なくともいくつかの部分で好ましくは連続的に減少するアーム厚さとされている、請求項8から11の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項13】
前記切断板は、各々前記運搬アームへ固定ねじによって逆方向に解除可能に取り付けられ、前記固定ねじは、取付け状態で完全に引っ込むように配置されている、請求項8から12の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項14】
前記運搬アームは、各々それらの第2の端部に切断板を収容するための凹所(39)を有し、前記回転方向に駆動されたとき、前記凹所は、前記切断板が前記凹所内でそれぞれの前記運搬アームに向かって支持されるように配置され、
前記凹所は、好ましくは前記切断板が運搬アームの表面(41、43)と同一平面にあるように、前記収容した切断板の厚さに適合する輪郭及び深さとされている、請求項8から13の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項15】
前記切断板は、切断縁(39)と、前記切断縁から始まって、前記穴あき板に対向する第1の表面(35)と、前記穴あき板から離れて対向する第2の表面(37)とを有し、前記切断縁は前記回転方向に突出するように配置され、前記第2の表面は、前記回転軸に対して好ましくは5°から25°の角度範囲で、特に好ましくは12°から18°の範囲で傾いている、請求項1から14の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項16】
請求項1から15の何れか1つに記載された顆粒化システムによって水中でポリマー溶融物を顆粒化する方法であって、
穴あき板に設けられた貫通開口部を通ってポリマー溶融物を搬送することによってポリマー溶融物を水ボックス(3)へ供給するステップと、
前記粒子が前記ポリマー溶融物から分離されかつ顆粒が形成されるように、前記水ボックス(3)内で切断板支持体(5)を回転軸(X)のまわりに切断方向(S)に回転させるステップと、
前記水ボックスから熱エネルギー及び分離された粒子が排出されるように、前記水ボックス(3)内に水の流れを生成するステップと、を備える方法。
【請求項17】
請求項1から15の何れか1つに記載したように構成されている顆粒化システムの、水中でポリマー溶融物を顆粒化するための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中顆粒化システム、特に水中微小顆粒化システムに関し、水中微小顆粒化システムは、水ボックスと、水ボックス内へポリマー溶融物を供給するために多数の貫通開口部を備える穴あき板と、回転軸のまわりに切断方向に回転駆動されるように水ボックス内に配置された切断板支持体とを有し、切断板支持体は、穴あき板に対向しかつ穴あき板を通って流入するポリマー溶融物から粒子を分離するように適合された多数の切断板を有し、水ボックスは、これから熱を排出するため及び分離された粒子を排出するために水供給源に接続されている。
【背景技術】
【0002】
上述した形式の顆粒化システムは一般に公知である。それらの顆粒化システムは、プラスチックを、特に例えば熱可塑性ポリウレタン又はそのような物質を生産するための中間物のようなポリマーを、対応する顆粒へ処理するために使用される。顆粒は、次に工業プロセスのために使用される。顆粒は、それらが直接特定目的のために使用されなければ、この場合もさらなる処理において溶融されることが多い。
【0003】
顆粒のさらなる処理性及び直接使用のための使用分野に応じて、通常生産中に、予め定めた粒子サイズ及びできるだけ均質な形状で顆粒化した顆粒が生産されることが保証される。所定の用途について、例えばできるだけ均一な形状にされかつほぼ球形の粒子を使用することが望ましい。他の用途において、できるだけ細かい顆粒(いわゆる微小顆粒)を生産できることが望ましい。顆粒の形状が均質であるほど、さらなる処理におけるそれらの注入性が良くなる。
【0004】
ポリマー溶融物を水ボックス内へ供給するために、システムは、従来から流動するポリマー溶融物を供給するためにポリマー溶融物の接続部を有しており、穴あき板は、供給されたポリマー溶融物が穴あき板を通って水ボックス内へ流入するように、水ボックスとポリマー溶融物の接続部との間に搭載されている。
【0005】
粒子は、これらが切断板によってポリマー溶融物から分離された後、供給される水によって水ボックス内に捕らえられ、冷却されて水ボックスの外部へ輸送される。
【0006】
顆粒化すべきポリマーが一旦溶融状態にもたらされると、溶融物は、材料に応じて場合によって粘着性が高いことが観察されている。この粘着性の結果、水中顆粒化システムの水ボックス内で分離された粒子は、それらが十分に冷却されて凝固する前に、互いに付着し又はシステムの部品に付着したままになる。これは、生産される粒子の形状及び大きさに悪影響を及ぼし、潜在的にシステムの汚染を増加させ、これにより水中顆粒化システムの動作における保守管理周期が短くなり、ひいては費用が高くなる。最も極端な場合には、粒子があまりに大きな塊状になりすぎるので、システムを動作させることが全く不可能になる。
【発明の概要】
【0007】
従って、発明の目的は、上記欠点をできるだけ大幅に克服することである。特に、発明の目的は、上述した形式の水中顆粒化システムを、生産される顆粒粒子の均質性を向上させる態様で改善することである。特に発明の目的は、上記水中顆粒化システムを、粒子が互いに付着すること及び粒子が分離後に変形することを減らす態様で改善することである。
【0008】
発明は、上述した形式の水中顆粒化システムにおいて第1の観点で目的を達成し、第1の観点では、水ボックスが回転軸に関して中空の円筒状部分を有し、中空の円筒状部分には円周にわたって分配された多数の水入口、及び円周にわたって分配された多数の水出口が配置されている。
【0009】
第1の観点によれば、発明は以下の発見を利用し、発見では、水供給部を水ボックスの円周にわたる多数の水出口間に分割することによって、及び水を円周にわたって分配された多数の水出口を介して水ボックスから取り除くことによって、水ボックス内に著しく向上した水循環が達成される。分離された粒子の水ボックスにおける滞留時間はそれによって著しく短縮し、粒子は、従って互いに付着し又は衝突の結果変形する危険にさらされる時間が著しく短くなり、その結果粒子の均質性も向上する。
【0010】
好ましいさらなる展開において、水入口は、回転軸と垂直な共通平面に配置され、好ましくは水ボックスの円周にわたって均一に分配されている。これに代えて又は加えて、水出口は、好ましくは回転軸と垂直な共通平面に配置され、好ましくは水ボックスの円周にわたって均一に分配されている。
【0011】
さらに好ましい実施形態において、水入口の平面と水出口の平面とは、互いに平行に配置されかつ互いから離間している。
【0012】
さらなる好ましい実施形態において、水入口及び/又は水出口は、水ボックスの内部へ又は水ボックスから外部へ、好ましくは各場合に同じ量だけ偏心して開口し、さらに好ましくは接線方向に又は接線方向と平行に配置される。水入口を偏心して、好ましくは均一に偏心して配置したことにより、水ボックス内での渦の生成が促進され、分離された粒子は、それにより穴あき板から切断チャンバーの外部へより急速に輸送されることが可能になる。水出口が偏心して配置されている結果、この生成された渦は向上した態様で吸収され、水ボックスから外部への粒子の運搬が向上する。
【0013】
さらに好ましい実施形態において、水入口は、切断方向に渦巻きプール(whirl pool)を生成するように、回転軸に対して偏心して配置されている。水と切断板支持体との間、即ち切断方向における相対速度の結果、水入口と切断板との間に乱流が生じる傾向がある場合でも、水及び切断板支持体の回転方向が同じであることに起因する乱流の結果予想される悪影響は、それにもかかわらず制限内に維持される。その結果、水ボックス内で生じる粒子の衝突が少なくなる。
【0014】
さらに好ましい実施形態において、水入口は、水出口の平面の方向に傾けられ、好ましくは結果として各場合に水入口は、実質的に水出口と整列するように配置され、さらに好ましくは、互いに関係している水入口及び水出口は、回転軸のまわりに互いに4分の1回り(turn)だけ回っている。従って、水入口と水出口とを互いに整列させることによって、渦巻きプールは、水が水出口によって流れを増強する態様で吸収され得るように、目標とする態様で生成される。さらに好ましい実施形態において、水出口又は水出口の平面は、水入口又は水入口の平面よりも切断板支持体に近接して配置されている。その結果、乱流流れは実質的に切断板支持体の「後部に」形成され、その結果分離された粒子は、適度なせん断力のみを受け、分離後はそれにも関わらず、まず水入口を過ぎて流れる必要なしに、切断空間から直接水出口へ引き出される。これはまた、水ボックス内での粒子の滞留時間を短縮するように寄与する。
【0015】
さらに好ましい実施形態において、水ボックスは、水入口が設けられた第1のフランジ付きスリーブと、水出口が設けられた第2のフランジ付きスリーブとを有し、2つのフランジ付きスリーブは、好ましくは互いに液密にしかも逆方向に解除可能な態様で接続されている。水ボックスのこのようなモジュール構造の結果、入口及び出口の幾何学形状を迅速に置換し及び迅速に修正することが可能であり、こうして特定の用途に応じて、使用する特定の穴あき板及び使用する特定の切断板支持体に適合させて、水ボックス内に理想の流体流れ挙動を生成することができる。このモジュール構造はまた、保守管理目的のために好ましくすることもできる。
【0016】
発明は、以上で第1の観点について説明された。第2の観点において、発明は、以上に示した形式の水中顆粒化システムを改善する上記目的を達成し、改善では、切断板支持体はハブ部分及び多数の運搬アームを有し、運搬アームは、ハブ部分にありかつハブ部分から第2の端部まで外方に弓形に湾曲した態様で延びる第1の端部を有し、切断板は、運搬アームの第2の端部に固定されている。弓形の湾曲部は、この文脈では運搬アームの完全に弓形の輪郭、及びいくつかの部分でのみ弓形の輪郭の両方が含まれることを意味すると理解される。運搬アームは、結果的に少なくともいくつかの部分で湾曲するが、湾曲せず真っ直ぐな部分を有することもできる。
【0017】
本明細書に第2の観点によって説明した発明及びその好ましい実施形態は、同時に発明の第1の観点及び独立した観点の好ましい実施形態である。
【0018】
発明の独立した観点において、発明は従って水中顆粒化システム(underwater granulation system)を提案し、水中顆粒化システムは、水ボックス(water box)と、水ボックス内へポリマー溶融物を供給するために多数の貫通開口部を備える穴あき板(perforated plate)と、水ボックス内に回転軸のまわりに切断方向に回転駆動されるように配置された切断板支持体(cutting plate support)とを有し、切断板支持体は、穴あき板に対向しかつ穴あき板を通って流入するポリマー溶融物からせん断する粒子によって顆粒を形成するように適合された多数の切断板を有し、水ボックスは、水ボックスから熱を排出するため及び分離された粒子を排出するために水供給源に接続され、切断板支持体はハブ部分及び多数の運搬アームを有し、運搬アームは、ハブ部分にありかつハブ部分から第2の端部まで外方に弓形に湾曲した態様で延びる第1の端部を有し、切断板は、運搬アームの第2の端部に固定されている。
【0019】
第1の観点による利点及び好ましい実施形態は同時に第2の観点の好ましい実施形態及び利点であり、この理由から反復を回避するために上記解説を参照する。
【0020】
発明は、第2の観点において発見を使用し、発見では、ハブ部分から外方に弓形の態様で延びる運搬アームを備える切断板支持体は乱流を生成し、この乱流は、従来例では中実の円板又は円板状の切断本体から成る従来公知の切断板支持物に比べて著しく少ない。切断板は、別個の運搬アームに形成されているので、水ボックスに流入する水は、運搬アーム間から穴あき板に流れることができる。その結果、分離された粒子の排出が向上する。粒子が分離後に穴あき板からうまく排出されるほど、粒子が互いに付着し又はシステムの部品に付着する危険が小さくなり、その結果として次に粒子の均質性が向上し、その結果発明の2つの観点は、互いに別々に及び互いに一緒にの両方で上記目的を達成する。
【0021】
発明は、ハブ部分が外径を有し、回転軸に関して半径方向における運搬アームの長さは、各場合にハブ部分の直径よりも大きい点でさらに有利に展開される。好ましくは、外径は、運搬アームに隣接して配置される箇所、又は2本の隣接する運搬アーム間に配置される箇所で決定される。ハブ部分の最大外径は、各場合に適合させることが可能である。
【0022】
好ましい実施形態において、運搬アームは、ハブ部分から回転軸に関して軸方向で穴あき板の方向に突出し、その結果切断板を有する運搬アームの第2の端部は、第1の端部よりも穴あき板に近接して配置されている。さらに好ましくは、運搬アームは、端部がハブ部分に配置されている。これらの2つの方策によって及び好ましくはその組み合わせによって、切断板支持体と穴あき板との間又は切断板間に空き容積が画定され、空き容積においても従来公知のシステムと比べて良好な水の流れが同様に可能である。切断空間とも呼ばれる、切断板支持体と穴あき板との間の領域を通る流れは、従って良好であり、その結果として次に分離した粒子の排出が促進される。
【0023】
さらに好ましい実施形態において、運搬アームは、少なくとも所定の間隔で回転軸に関して軸方向に弓形に湾曲している。運搬アームの弓形の湾曲部により、水ボックスの内部における水流れの分裂が比較的小さいことが保証され、その理由は、弓形の形態によって鋭い屈曲部が大幅に回避できるためである。
【0024】
軸方向の湾曲部に代えて又は加えて、運搬アームは、好ましい実施形態において、少なくともいくつかの部分で切断方向と反対方向に湾曲し、結果として切断板は、切断板支持体が切断方向に回転する際に運搬アームの背後にある。これは以下のこと、即ち運搬アームは、回転軸と直角な平面で見たとき、それらが少なくともいくつかの部分で湾曲しているので、まず第1の端部から半径方向に始まるが、その後運搬アームの第2の端部に近づくにつれて、切断方向と反対方向に半径方向線から遠くへそれることを意味すると理解される。
【0025】
特に好ましくは、以上で説明したように、運搬アームは、軸方向及び円周方向の両方で切断方向と反対方向に湾曲している。特に好ましくは、この場合も乱流をできるだけ減らすために、湾曲部分と非湾曲部分との間に、一定の滑らかな移行部又は全体にわたって連続的な湾曲部が選ばれている。
【0026】
さらに好ましい実施形態において、運搬アームは、各々第1の端部から第2の端部の方向において少なくともいくつかの部分で好ましくは連続的に減少するアーム厚さとされている。これによっても、切断板支持体によって占められない水ボックス内の空き空間が同様に増大する。
【0027】
さらに好ましい実施形態において、切断板は、各々運搬アームへ固定ねじによって逆方向に解除可能に取り付けられ、固定ねじは、取付け状態で完全に引っ込むように配置されている。この目的のために、好ましくは切断板及び運搬アームに対応する凹所が採用され、凹所内には、一方では切断板が、他方では固定ねじが引っ込む態様で配置されている。従来技術において観察される粒子の望ましくない変形の大部分は、粒子が水ボックス内で突出する人工物と衝突して生成されたことが分かっている。人工物には固定ねじも含まれ、固定ねじは、従来公知のシステムでは、通常それらのねじ頭とともに切断板から又は運搬アームから突出する。ねじ頭を切断アーム又は切断板の材料内へ沈めることによって、粒子の変形は驚くほど大幅な程度まで減少する。
【0028】
好ましい実施形態において、切断板を運搬アームへ直接ねじ留めすること、及び切断板を間接的なねじ接続部によってグラブねじ及び締めレバーを介してねじ留めすることができる。ねじ頭を引っ込めれば、ねじ留め作業を穴あき板に対向する側面から実施するか又は他の側面の1つから実施するかどうかは、厳密に言えば重要ではない。しかしながら、乱流を回避するためには、固定ねじを収容するための凹所を穴あき板に対向する側面に配置することが特に有利であると考えられる。
【0029】
さらに好ましい実施形態において、運搬アームは、各々それらの第2の端部に切断板を収容するための凹所を有し、回転方向に駆動されたとき、凹所は、切断板が凹所内でそれぞれの運搬アームに向かって支持されるように配置されている。それによって、切断板から運搬アームへの力移送が向上する。
【0030】
さらに好ましくは、凹所は、切断板が運搬アームの表面と同一平面にあるように、収容した切断板の厚さに適合する輪郭及び深さとされている。切断板と運搬アームとの間における少なくとも表面の移行も、同様に流れを増強する態様で構成され、分離された粒子が水ボックス内部のとがった縁部と衝突する対応する危険は、同様にさらに減少する。
【0031】
さらに好ましい実施形態において、切断板は、切断縁と、切断縁から始まって、穴あき板に対向する第1の表面と、穴あき板から離れて対向する第2の表面とを有し、切断縁は回転方向に突出するように配置され、第2の表面は、回転軸に対して好ましくは5°から25°の角度範囲、特に好ましくは12°から18°の範囲で傾いている。言いかえれば、第1の表面及び第2の表面は、好ましくは互いに鋭角で広がっている。さらに好ましくは、第1の表面は、穴あき板の平面と平行に配置される。この角度の結果、第2の表面は、鋭角であること及び切断縁が回転方向に突出することと併せて、後部に向かう即ち回転方向と反対方向の斜面を構成し、分離された粒子は、第2の表面に沿って直接後部へ有利に排出されて、切断空間から迅速に取り除くことができる。
【0032】
好ましい代わりの実施形態において、切断板支持体は、4つ、6つ、8つ又はそれよりも多い運搬アームを有する。運搬アームの数は、好ましくは水ボックス内における利用可能な空間及び水中顆粒化システムの要求される生産能力に応じて選ばれる。
【0033】
発明は、以上で水中顆粒化システムに関連して第1の観点及び第2の観点に基づき説明された。第3の観点において、発明は、さらに水中でポリマー溶融物を顆粒化する方法に関し、この方法は、
穴あき板に設けられた貫通開口部を通ってポリマー溶融物を搬送することによってポリマー溶融物を水ボックスへ供給するステップと、
粒子がポリマー溶融物から分離されかつ顆粒が形成されるように、水ボックス内で切断板支持体を回転軸のまわりに切断方向に回転させるステップと、
熱エネルギー及び分離された粒子が水ボックス外へ排出されるように、水ボックス内に水の流れを生成するステップと、を備え、
第1の及び/又は第2の観点のうち上述した実施形態の1つによる顆粒化システムが使用される。
【0034】
発明は、従って同様に水中でポリマー溶融物を顆粒化するための上記水中顆粒化システムの使用にも関する。
【0035】
第1の及び第2の観点による水中顆粒化システムの利点及び好ましい実施形態は、同時に第3の観点による方法の好ましい実施形態及び利点であり、逆の場合も同じであり、この理由から繰返しを避けるために上記解説を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
発明は、以下で添付図を参照して好ましい実施例に基づきより詳しく説明される。
図1】先行技術による水中顆粒化システムの概略図である。
図2a】好ましい実施例による顆粒化システムの概略図である。
図2b】好ましい実施例による顆粒化システムの概略図である。
図2c】好ましい実施例による顆粒化システムの概略図である。
図2d】好ましい実施例による顆粒化システムの概略図である。
図3a図2bに関する概略断面図である。
図3b図2bに関する概略断面図である。
図4図2a~図2dによる顆粒化システムの詳しい概略空間図である。
図5図2bによる配置における切断板支持体の詳細図である。
図6図5による切断板支持体の異なる向きにおける概略平面図である。
図7a図5及び図6による切断板支持体、並びに図2a~図2dによる水中顆粒化システムの概略詳細図である。
図7b図5及び図6による切断板支持体、並びに図2a~図2dによる水中顆粒化システムの概略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
発明による顆粒化システムの基本構造も説明するために、まず従来の水中顆粒化システムを説明する。図1は、先行技術による水中顆粒化システムを示す。この水中顆粒化システムは第1の領域Iを有し、第1の領域Iにおいてポリマー溶融物は予め定めた温度まで加熱され、多数の配送通路によって穴あき板IIへ供給される。穴あき板IIは多数の貫通開口部を有し、ポリマー溶融物は、これらの貫通開口部を通って水ボックスV内へ入る。水ボックスV内には切断板支持体IIIが配置され、切断板支持体IIIは、その回転軸のまわりに切断方向VIに回転駆動される。切断方向VIの回転によって、複数の切断板IVが穴あき板IIに沿って移動され、それによって粒子VIIIがポリマー溶融物から分離される。粒子VIIIは、水ボックスV内へ導入される水のおかげで水ボックスVにおいて冷却される。水ボックスV内の水は、水入口IXを通って内部へ供給され、水ボックスを垂直方向に上昇する態様で流通し、水出口IXを通って排出される。粒子VIIIは、水の流れによって運搬されて水ボックスVを去る。
【0038】
発明による水中顆粒化システムの基礎的な構造は、穴あき板は別にして、実質的に先行技術の実施例に基づいており、この理由から繰返しを避けるために図1に関する上記説明を参照する。別の図に示す発明による水中顆粒化システム1は、穴あき板(図示しない)に隣接して、好ましくは中空な円筒状チャンバーの形態とされた水ボックス3を有する。水ボックス3内に切断板支持体5が配置され、切断板支持体5は、駆動軸7によって回転軸Xのまわりに切断方向Sに回転駆動される。駆動軸7は、水ボックス3の外部へ案内されており、切断板支持体5から遠いその端部に、モーター駆動部へ取り付けるように構成された結合界面9を有する。
【0039】
水ボックス3は、その円周にわって分配された多数の水入口11を有する。水ボックス3は、さらに円周にわって同様に、好ましくは均一に分配された多数の水出口13を有する。
【0040】
図2a~図2d及び図3a、図3bから明白なように、水入口11は一緒に第1の平面E1、断面C-Cに配置され、一方、水出口13は、第1の平面E1から離間しかつこれと平行な第2の平面E2、断面B-Bに配置されている。水出口の平面E2は、水出口11の平面E1よりも穴あき板の平面、断面A-Aに近接して配置されている。
【0041】
さらに図2a、図2c及び図3a、図3bから理解されるように、水入口11は、回転軸Xから始まる半径方向線に対して、各場合に同じ量uだけ偏心して配置されている。この偏心的な配置の結果、水入口11は、原則として接線方向の入口の形態とされ、又は接線方向と平行に配置されている。水入口11は、水ボックス3内に渦巻きプールが生成されるように位置決めされている。さらに特に図2bから分かるように、水入口11は、偏心して配置されるのみならず、さらに水出口13が位置する第2の平面E2の方向に傾けて、即ち角度αで配置されている。この傾きの結果、これらの水入口11は、4分の1回りだけ回った(回転軸Xのまわりに)水出口13と実質的に整列している。
【0042】
平面E2にある水出口13は、実質的に回転軸Xと垂直に配置され、水入口11と同様に、各場合に回転軸Xを通る半径から等しい量vだけ同様にずれている。従って、それらの水出口13も、接線方向と平行に配置されかつ偏心して水ボックス3に取り付けられている。この結果、分離された粒子と一緒の水ボックス3からの流出が向上する。平面E1内にある水入口11に対して、平面E2内にある水出口13は、回転軸Xのまわりに予め定めた角度βだけずれて配置されている。
【0043】
これまで、実質的に水中顆粒化システム1の水入口11及び水出口13の配置を説明した。図4は、原則として水入口11及び水出口13を取り付けるために実行できる方法、及び水ボックス3の実行できる詳しい構造を示す。
【0044】
従って、図4には、水入口11は外部配管を介して取り付け、外部配管は、水入口マニホルド13を構成しかつ流体が導通する態様で冷却水源へ接続されることが示される。
【0045】
水入口11は、第1のフランジ付きスリーブ17上に入口ポートの形態で配置されている。
【0046】
水出口13は、水出口マニホルド19を介して一緒にまとめている。水出口13は、システムの形式に応じて、この場合も冷却媒体を循環させて粒子をフィルタ処理した後、水出口を冷却水源の側へ案内するように設けられている。
【0047】
出口13は、第2のフランジ付きスリーブ21に出口ポートの形態で配置されている。第1の及び第2のフランジ付きスリーブ17及び21は、モジュール式の水ボックス3を設けるために、好ましくは流密にかつ逆方向に解除可能な態様で互いに直接接続されている。
【0048】
図5図7bは、主に切断板支持体5及び切断板31の幾何学形状に関連している。切断板支持体5は、搭載された状態で、事実上穴あき板から見た平面A-A(図2bを参照)における平面図として描かれている。切断板回し部5は、第1の端部25を備える多数の運搬アーム27が形成されたハブ部分23を有する。運搬アームは、第1の端部25から第2の端部29まで外方に弓形の態様で延び、各第2の端部に切断板31が固定されている。好ましい実施例において、合計4つの運搬アームを有しかつ運搬アームに配置された切断板31を備える、切断板支持体5が示される。しかしながら、発明によれば、各場合に生産能力の要求及び穴あき板に適合させる切断板支持体を使用することも可能であり、切断板支持体は、異なる数、例えば6つ、8つ又は8よりも多い運搬アームを有する。
【0049】
図5には、運搬アーム27が切断板支持体5を全体として非常に容積を節約する構造形態で設けるのを助長し、その結果運搬アーム27の領域において水ボックス3の断面の大部分が空いたままであり、水が流通できることが記述されている。
【0050】
運搬アーム27は、少なくともいくつかの部分で切断方向Sと反対方向に弓形に湾曲している。その結果、切断板31は、切断板支持体5が駆動されるとき、少量だけ運搬アーム27の少なくとも一部の背後にある。これにより、一方では穴あき板を通過するポリマー溶融物から粒子をせん断する作用が、他方では水ボックス3内の流れ条件が増強される。
【0051】
図5に詳しく示した切断方向Sと反対方向の湾曲部に加えて、特に図2dを参照すると、運搬アーム27は、切断板支持体5のハブ部分23上にあるそれらの端部が、切断板支持体5から穴あき板の方向に突出するように配置されている。必要に応じて、運搬アーム27は、少なくともいくつかの部分で、回転軸Xの方向にも湾曲するように構成されている。運搬アーム27は、軸方向に突出することによって、切断板支持体5と穴あき板(平面A-A)との間に空き空間F(図2dを参照)を生成し、空き空間Fにより、分離した粒子を水出口13の方向に迅速にかつ殆ど妨害されることなく運び去ることが可能になる。
【0052】
切断板支持体5のハブ部分に対する運搬アームの寸法比が、図6を参照してより詳しく説明される。ハブ部分5は、運搬アーム27の第1の端部25の領域で外径Dを有する。運搬アーム27の厚さは、最も厚い箇所でも、依然としてハブ部分25の直径Dよりも小さい。同時に、運搬アーム27は、回転軸Xから出発して、直径Dよりもはるかに大きい半径方向の所定長さを有する。切断板31を含む運搬アーム27の寸法を基準値とみなす場合、運搬アーム27の長さはさらに大きい。好ましくは、運搬アームの長さは、ハブ部分23の直径Dの1.5倍、又はそれよりも大きい範囲にある。
【0053】
図7aには、運搬アーム27への切断板31の一体化が詳しく説明されている。切断板31は切断縁33を有し、切断縁33は、切断板から又は運搬アーム27の第2の端部29から、回転方向Sに突出している。これは、切断縁33が、穴あき板に対向する第1の表面35と穴あき板から離れて対向する第2の表面37との間で鋭角γに広がる特徴によって達成される。分離された粒子は、切断縁33の後部に沿って即ち事実上第2の表面37に沿って、水出口13の方向に直接後部へ摺動することができる。
【0054】
切断板31は、運搬アーム27の第2の端部29に形成された凹所39内に設置されている。凹所39の深さ及び幅は、第2の表面37が凹所39に隣接して対応する表面41と同一平面内にあるように画定されている。運搬アーム27の第2の端部29の半径方向外方端部に凸状の湾曲面43が形成され、凹所39は、切断板31の幾何学形状が切断板31の半径方向外面45で同一平面を持続する態様で凸状の湾曲面43を同様に通過する。切断板31を運搬アーム27へこのような態様で一体化することにより、この場合も切断板支持体5に沿った水の有利な流れ輪郭が促進される。
【0055】
図7bは、穴あき板から見た図7aの運搬アーム27の図である。これにより、特に固定ねじ47を明らかに示す図が得られ、固定ねじ47は、切断板31及び運搬アーム27内へ沈み、結果としてそのねじ頭は材料内へ完全に引っ込み、切断板31又は運搬アーム27から突出していない。分離された粒子と衝突する潜在的な領域は、それによって回避される。さらに、切断板31が凹所39内に支持されているため、運搬アーム27への切断板31の取付け部も、切断板31が高荷重に耐えしかも長期間安定する態様で配置されている。
【符号の説明】
【0056】
1 水中顆粒化システム
3 水ボックス
5 切断板支持体
7 駆動軸
9 結合界面
11 水入口
13 水出口
23 ハブ部分
27 運搬アーム
31 切断板
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
【手続補正書】
【提出日】2021-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中顆粒化システムであって、
水ボックス(3)と、
前記水ボックス(3)内へポリマー溶融物を供給するために多数の貫通開口部を備える穴あき板と、
前記水ボックス(3)内に回転軸(X)のまわりに切断方向に回転駆動されるように配置された切断板支持体(5)と、を有し、
前記切断板支持体(5)は、前記穴あき板に対向しかつ前記穴あき板を通って流入する前記ポリマー溶融物から粒子を分離するように適合された多数の切断板(31)を有し、
前記水ボックス(3)は、前記水ボックス(3)から熱を排出するため及び前記分離された粒子を排出するために水供給源に接続され、
前記水ボックス(3)は、前記回転軸(X)に関して中空の円筒状部分を有し、前記中空の円筒状部分には、円周にわたって分配された多数の水入口(11)及び前記円周にわたって分配された多数の水出口(13)が配置されていることを特徴とする水中顆粒化システム。
【請求項2】
前記水入口(11)は、前記回転軸と垂直な共通平面(E1)に配置され、好ましくは前記水ボックス(3)の前記円周にわたって均一に分配され、及び/又は
前記水出口(13)は、前記回転軸と垂直な共通平面(E2)に配置され、好ましくは前記水ボックス(3)の前記円周にわたって均一に分配されている、請求項1に記載された水中顆粒化システム。
【請求項3】
前記水入口の前記平面(E1)と前記水出口の平面(E2)とは、互いに平行に配置されかつ互いから離間している、請求項2に記載された水中顆粒化システム。
【請求項4】
前記水入口及び/又は前記水出口は、前記水ボックス内に、好ましくは各場合に同じ量(u、v)だけ偏心して開口し、さらに好ましくは接線方向に又は接線方向と平行に配置され、
前記水入口は、前記切断方向に渦巻きプールを生成するように、好ましくは前記回転軸に対して偏心して配置される、請求項1から3の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項5】
前記水入口は、前記水出口の前記平面の方向に傾けられ、好ましくは結果として各場合に水入口は、実質的に水出口と整列するように配置され、さらに好ましくは、互いに関係する前記水入口及び前記水出口は、前記回転軸のまわりに互いに約4分の1だけ回転している、請求項1から4の何れか1つに記載された水中顆粒化
システム。
【請求項6】
前記水出口は、前記水入口よりも前記切断板支持体に近接して配置されている、請求項1から5の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項7】
前記水ボックスは、前記水入口が設けられた第1のフランジ付きスリーブ(17)と、前記水出口が設けられた第2のフランジ付きスリーブ(19)とを有し、前記2つのフランジ付きスリーブは、好ましくは互いに液密にしかも逆方向に解除可能な態様で接続されている、請求項1から6の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項8】
前記切断板(31)は、前記粒子をせん断によって形成するように適合され、前記切断板支持体(5)はハブ部分(23)及び多数の運搬アーム(27)を有し、前記運搬アーム(27)は、前記ハブ部分(23)に第1の端部(25)を有しかつ前記ハブ部分(23)から第2の端部(29)まで外方に弓形の態様で延出し、前記切断板(31)は、前記運搬アーム(27)の前記第2の端部(29)に固定されている、請求項1から7の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項9】
前記ハブ部分は外径(D)を有し、前記回転軸に対して前記半径方向における前記運搬アームの長さは、各場合に前記ハブ部分の前記直径よりも大きい、請求項8に記載された水中顆粒化システム。
【請求項10】
前記運搬アームは、前記ハブ部分から前記回転軸に対して軸方向に前記穴あき板の方向に突出し、その結果前記切断板を有する前記運搬アームの前記第2の端部は、前記第1の端部よりも前記穴あき板に近接して配置され、前記運搬アームは、さらに好ましくは、少なくともいくつかの部分で弓形に湾曲している、請求項8又は9に記載された水中顆粒化システム。
【請求項11】
前記運搬アームは、少なくともいくつかの部分で前記切断方向と反対方向に湾曲し、結果として前記切断板は、前記切断板支持体が前記切断方向に回転する際に前記運搬アームの背後にある、請求項8から10の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項12】
前記運搬アームは、各々前記第1の端部から前記第2の端部の方向において少なくともいくつかの部分で好ましくは連続的に減少するアーム厚さとされている、請求項8から11の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項13】
前記切断板は、各々前記運搬アームへ固定ねじによって逆方向に解除可能に取り付けられ、前記固定ねじは、取付け状態で完全に引っ込むように配置されている、請求項8から12の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項14】
前記運搬アームは、各々それらの第2の端部に切断板を収容するための凹所(39)を有し、前記凹所は、前記切断板が前記回転方向に駆動されたとき、前記凹所内でそれぞれの前記運搬アームに向かって支持されるように配置され、
前記凹所は、好ましくは前記切断板が運搬アームの表面(41、43)と同一平面にあるように、前記収容した切断板の厚さに適合する輪郭及び深さとされている、請求項8から13の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項15】
前記切断板は、切断縁(39)と、前記切断縁から始まって、前記穴あき板に対向する第1の表面(35)と、前記穴あき板から離れて対向する第2の表面(37)とを有し、前記切断縁は前記回転方向に突出するように配置され、前記第2の表面は、前記回転軸に対して好ましくは5°から25°の角度範囲で、特に好ましくは12°から18°の範囲で傾いている、請求項1から14の何れか1つに記載された水中顆粒化システム。
【請求項16】
請求項1から15の何れか1つに記載された顆粒化システムによって水中でポリマー溶融物を顆粒化する方法であって、
穴あき板に設けられた貫通開口部を通ってポリマー溶融物を搬送することによってポリマー溶融物を水ボックス(3)へ供給するステップと、
前記粒子が前記ポリマー溶融物から分離されかつ顆粒が形成されるように、前記水ボックス(3)内で切断板支持体(5)を回転軸(X)のまわりに切断方向(S)に回転させるステップと、
前記水ボックスから熱エネルギー及び分離された粒子が排出されるように、前記水ボックス(3)内に前記回転軸(X)に対して中空の円筒状部分において円周にわたって分配された多数の水入口(11)及び前記円周にわたって分配された多数の水出口(13)によって水の流れを生成するステップと、を備える方法。
【請求項17】
水中でポリマー溶融物を顆粒化するための顆粒化システムの使用であって、前記顆粒化システムは、請求項1から15の何れか1つに記載のように構成されている、顆粒化システムの使用。
【国際調査報告】