(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】安全性モジュール、自動化運転システム、及びその方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20221121BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20221121BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W30/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507431
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 US2020044915
(87)【国際公開番号】W WO2021061279
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガスマン、ベルント
(72)【発明者】
【氏名】バークル、コーネリウス
(72)【発明者】
【氏名】オボリル、ファビアン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA31
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5H181AA01
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5H181LL01
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5H181LL15
(57)【要約】
様々な態様によれば、デカルト座標系における1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報を受信することと、受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、車線座標系は、車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が複数の車線セグメントの各々に割り当てられる、車線座標系を決定することと、車線座標系に基づいて潜在的衝突イベントを決定することとを行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、安全性モジュールが説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報と、前記1つ以上の道路上の障害物の位置に関連付けられた障害物位置情報とを受信することと、
前記受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が前記複数の車線セグメントのそれぞれに割り当てられ、前記長さ情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、車線座標系を決定することと、
前記障害物位置情報に基づいて、前記車線座標系における自車両に対する前記障害物の位置を決定することと、
前記障害物の前記決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定することと、
前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令することと
を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、安全性モジュール。
【請求項2】
前記道路情報は、デカルト座標系における前記1つ以上の道路の前記ジオメトリを表す、請求項1に記載の安全性モジュール。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系における関心道路エリアを決定するように更に構成され、前記関心道路エリアは、前記関心道路エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物は、前記関心道路エリア内に位置する、請求項1又は2に記載の安全性モジュール。
【請求項4】
前記関心道路エリアの前記決定は、前記長手方向及び前記横方向における前記自車両と前記障害物との間の各車線セグメントを決定することを有する、請求項3に記載の安全性モジュール。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて自車両パラメトリックバウンディングボックスを決定するように構成され、前記自車両パラメトリックバウンディングボックスは、前記自車両によって占有される空間を表し、及び/又は、
前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて障害物パラメトリックバウンディングボックスを決定するように構成され、前記障害物パラメトリックバウンディングボックスは、前記障害物によって占有される空間を表す、請求項3又は4に記載の安全性モジュール。
【請求項6】
前記関心道路エリアに割り当てられた前記複数の車線セグメントのセットは、起点道路セグメントを含み、前記起点道路セグメントは、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含み、前記自車両は、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置し、
前記関心道路エリアは、最大道路セグメントであって、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含む、最大道路セグメントを含み、前記障害物は、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置する、請求項3~5のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項7】
前記関心道路エリアは、起点車線であって、前記起点車線に割り当てられた前記長手方向に沿った1つ以上の車線セグメントを有する、起点車線を含み、前記自車両は、前記起点車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置し、
前記関心道路エリアは、最大車線であって、前記最大車線に割り当てられた前記長手方向に沿った1つ以上の車線セグメントを有する、最大車線を含み、前記障害物は、前記最大車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置する、請求項3~6のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの最小長さ及び最大長さを決定するように更に構成され、及び/又は、前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの最小幅及び最大幅を決定するように更に構成される、請求項3~7のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項9】
前記障害物は、以下、すなわち、交通インフラストラクチャ若しくは交通インフラストラクチャの一部、歩行者、又は車両のうちの少なくとも1つである、請求項1~8のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは、モデルベース手法を介して前記潜在的衝突イベントを決定するように更に構成され、
前記潜在的衝突イベントは、前記自車両と前記障害物との間の最小距離が最小安全距離以下である場合に決定される、請求項1~9のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項11】
前記障害物は車両であり、前記1つ以上のプロセッサは、以下の状況、すなわち、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、又は、
前記自車両及び前記車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況、
のうちの少なくとも1つの存在を決定するように更に構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項12】
前記障害物は車両であり、前記1つ以上のプロセッサは、前記自車両及び前記車両が横断経路で同じ交差点を通過するように走行していることを表す横断経路交差点状況の存在を決定するように更に構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
【請求項13】
横断経路交差点状況が決定される場合、前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系において第1の関心エリア及び第2の関心エリアを決定するように更に構成され、前記第1の関心エリアは前記第1の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第1のセットを含み、前記自車両及び前記交差点は前記第1の関心エリア内に位置し、前記第2の関心エリアは前記第2の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第2のセットを含み、前記車両及び前記交差点は前記第2の関心エリア内に位置する、請求項12に記載の安全性モジュール。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1の関心エリアに基づいて第1の交差点距離を決定することと、
前記第2の関心エリアに基づいて第2の交差点距離を決定することと、
前記決定された第1の交差点距離及び前記決定された第2の交差点距離に基づいて前記自車両と前記車両との間の長手方向距離を決定することと
を行うように更に構成される、請求項13に記載の安全性モジュール。
【請求項15】
世界モデルデータを作成するように構成された検知モジュールと、
前記世界モデルデータに基づいて制御情報を作成するように構成された計画モジュールと、
前記制御情報を制御コマンドに変換するように構成された作用モジュールと、
前記世界モデルデータを受信するように構成された請求項1に記載の安全性モジュールであって、前記世界モデルデータは、前記道路情報及び前記障害物位置情報を表す、安全性モジュールと
を備え、前記安全性モジュールは、前記安全性動作を実行するように前記作用モジュールに命令するように構成される、自動化運転システム。
【請求項16】
前記検知モジュールは、前記世界モデルデータから最小安全距離を決定するように構成され、前記安全性モジュールは、前記決定された最小安全距離に基づいて前記潜在的衝突イベントを決定するように構成される、請求項15に記載の自動化運転システム。
【請求項17】
デカルト座標系における1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報を受信することと、
前記受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が前記複数の車線セグメントのそれぞれに割り当てられ、前記長さ情報は、前記デカルト座標系における前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記デカルト座標系における前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、車線座標系を決定することと、
前記車線座標系に基づいて潜在的衝突イベントを決定することと
を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、安全性モジュール。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系における関心エリアを決定するように更に構成され、前記関心エリアは、前記関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、自車両及び障害物は、前記関心エリア内に位置する、請求項17に記載の安全性モジュール。
【請求項19】
道路情報に基づいて車線座標系を決定する段階であって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含む、段階と、
前記道路情報から前記複数の車線セグメントのそれぞれについて長さ情報及び幅情報を決定する段階と、
前記決定された長さ情報及び幅情報を前記それぞれの車線セグメントの各々に割り当てる段階であって、前記長さ情報は、1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、段階と、
障害物位置情報に基づいて、前記決定された車線座標系における自車両に対する障害物の位置を決定する段階と、
前記障害物の前記決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定する段階と、
前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令する段階と
を備える、安全性方法。
【請求項20】
前記道路情報は、デカルト座標系における前記1つ以上の道路のジオメトリを表す、請求項19に記載の安全性方法。
【請求項21】
前記車線座標系における関心道路エリアを決定する段階を更に備え、前記関心道路エリアは、前記関心道路エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物は、前記関心道路エリア内に位置する、請求項19又は20に記載の安全性方法。
【請求項22】
前記関心道路エリアの前記決定は、長手方向及び横方向における前記自車両と前記障害物との間の各車線セグメントを決定する段階を有する、請求項21に記載の安全性方法。
【請求項23】
前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて自車両パラメトリックバウンディングボックスを決定する段階を更に備え、前記自車両パラメトリックバウンディングボックスは、前記自車両によって占有される空間を表す、請求項21又は22に記載の安全性方法。
【請求項24】
前記障害物は車両であり、前記安全性方法は、
以下の状況、すなわち、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、又は、
前記自車両及び前記車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況、
のうちの少なくとも1つの存在を決定する段階を更に備える、請求項19~23のいずれか1項に記載の安全性方法。
【請求項25】
1つ以上のプロセッサに、請求項19~24のいずれか1項に記載の安全性方法を実行させる、プログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムを記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本PCT出願は、2019年9月26日に提出された米国非仮出願第16/583,280号に対する優先権を主張し、本米国非仮出願の内容全体は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
様々な態様は、包括的には、安全性モジュール、自動化運転システム、及びその方法、例えば、衝突回避方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、最新の車両は、車両の運転中に支援を行うために様々なアクティブ及びパッシブ支援システムを備え得る。一例として、自動化運転システム(ADS)が車両内に実装され得る。自動化運転システムは、自律運転システム、オートパイロット(autopilot)、又は自動運転システム(self-driving system)等とも称され得る。多くの応用において、自動化運転システムを備える車両は、事前に規定された軌道上に車両の移動を制御するように構成され得る1つ以上のセンサ及び1つ以上のプロセッサも備え得る。1つ以上のセンサ及び1つ以上のプロセッサは、車両の、障害物、例えば、別の車両、壁、歩行者等との衝突を予測するように構成され得る。さらに、例えば、例として、車両を駐車位置に運転するため、先行して走行している別の車両に追従するため、自律度を上げて又は下げて車両を運転するための1つ以上の自律車両操作機能が、自動化運転システムを備える車両内で実装され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面を通して、同様の参照符号は、同じ又は類似の要素、特徴、及び構造を示すために使用されることに留意されたい。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、その代わりに、概して本開示の態様を例示することに強調が置かれる。以下の説明において、本開示の幾つかの態様が、以下の図面を参照して説明される。
【
図1】幾つかの態様に係る安全性モジュールを概略図において示す図である。
【
図2A】1つ以上の道路のデカルト記述の、それらの1つ以上の道路の車線ベース記述への変換の様々な態様を示す図である。
【
図2B】1つ以上の道路のデカルト記述の、それらの1つ以上の道路の車線ベース記述への変換の様々な態様を示す図である。
【
図2C】1つ以上の道路のデカルト記述の、それらの1つ以上の道路の車線ベース記述への変換の様々な態様を示す図である。
【
図3】幾つかの態様に係る、車線座標系における関心道路エリアの決定を概略図において示す図である。
【
図4】幾つかの態様に係る、車線座標系における関心道路エリアの決定のフロー図である。
【
図5】幾つかの態様に係る、車線座標系における車両に関連付けられたバウンディングボックスの決定を概略図において示す図である。
【
図6】幾つかの態様に係る、車線座標系における交差点状況における2つの車両に関連付けられた関心道路エリアの決定を概略図において示す図である。
【
図7】幾つかの態様に係る、状況ベース車線座標系に関連付けられた1つ以上の状況の決定のフロー図である。
【
図8】幾つかの態様に係る自動化運転システムを概略図において示す図である。
【
図9】幾つかの態様に係る安全性方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、例示として、本開示が実践され得る具体的な詳細及び態様を示す添付図面を参照する。これらの態様は、当業者が本開示を実践することが可能であるように十分詳細に説明される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の態様が利用されてよいとともに、構造的、論理的、及び電気的変更が加えられてよい。幾つかの態様を他の1つ以上の態様と組み合わせて新たな態様を形成することができるので、様々な態様は、必ずしも相互排他的であるというわけではない。様々な態様が方法に関連して説明されるとともに、様々な態様がデバイスに関連して説明される。しかしながら、方法に関連して説明される態様が、デバイスに同様に適用されてよく、逆もまた然りであることが理解されてよい。
【0006】
「例示的」という単語は、本明細書において、「一例、一事例、又は一例証として機能すること」を意味するように使用される。本明細書において「例示的」であると説明される態様又は設計はいずれも、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるわけではない。
【0007】
「少なくとも1つ」及び「1つ以上」という用語は、1以上の数量(例えば、1、2、3、4[...]等)を含むものと理解されてよい。「複数」という用語は、2以上の数量(例えば、2、3、4、5[...]等)を含むものと理解されてよい。
【0008】
要素のグループに関する「~のうちの少なくとも1つ」という言い回しは、本明細書において、それらの要素からなるグループからの少なくとも1つの要素を意味するように使用され得る。例えば、要素のグループに関する「~のうちの少なくとも1つ」という言い回しは、本明細書において、列挙された要素のうちの1つ、列挙された要素のうちの1つのものの複数、複数の個々の列挙された要素、又は複数の多数の列挙された要素、の選択を意味するように使用され得る。
【0009】
明細書及び特許請求の範囲における「複数」及び「多数」という単語は、1よりも大きい量を明確に指す。したがって、物体の量に言及する上述の単語(例えば、「複数の(物体)」、「多数の(物体)」)を明示的に援用する任意の言い回しは、当該物体のうちの1つよりも多くを明確に指す。明細書及び特許請求の範囲における「(の)グループ(group)」、「(の)セット(set)」、「(の)集合体(collection)」、「(の)系列(series)」、「(の)シーケンス(sequence)」、「(の)群(grouping)」等の用語、及び同様の用語は、存在する場合、1に等しいか又は1よりも大きい、すなわち、1以上の量を指す。
【0010】
本明細書において使用される場合、「データ」という用語は、例えばファイル、ファイルの一部分、ファイルのセット、信号又はストリーム、信号又はストリームの一部分、信号又はストリームのセット、及び同様のものとして提供される、任意の適したアナログ又はデジタル形式の情報を含むものと理解されてよい。さらに、「データ」という用語は、例えばポインタ形式の、情報への参照を意味するようにも使用され得る。しかしながら、「データ」という用語は、上述の例に限定されず、様々な形式を取るとともに、当該技術分野において理解されているような任意の情報を表してよい。
【0011】
例えば本明細書において使用される場合、「プロセッサ」という用語は、データのハンドリングを可能にする任意の種類のエンティティとして理解されてよい。データは、プロセッサによって実行される1つ以上の特定の機能に従ってハンドリングされてよい。さらに、本明細書において使用される場合、プロセッサは、任意の種類の回路、例えば、任意の種類のアナログ又はデジタル回路として理解されてよい。例えば本明細書において使用される場合、データハンドリング、ファイルハンドリング又は要求ハンドリングに言及する「ハンドリング("handle" or "handling")」という用語は、任意の種類の動作、例えば、I/O動作、及び/又は任意の種類の論理演算として理解されてよい。それゆえ、プロセッサは、アナログ回路、デジタル回路、混合信号回路、論理回路、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等、又はこれらの任意の組み合わせであってもよいし、又はこれらを含んでもよい。以下で更に詳細に説明されるそれぞれの機能の他の任意の種類の実装も、プロセッサ、コントローラ、又は論理回路として理解されてよい。本明細書において詳述されるプロセッサ、コントローラ、又は論理回路のうちの任意の2つ(又はそれ以上)が同等の機能を有する単一のエンティティ又は同様のものとして実現されてよいこと、また逆に、本明細書において詳述される任意の単一のプロセッサ、コントローラ、又は論理回路が同等の機能を有する2つ(又はそれ以上)の別個のエンティティ又は同様のものとして実現されてよいことが理解される。
【0012】
ソフトウェアにおいて実装されるデータハンドリングと、ハードウェアにおいて実装されるデータハンドリングとの間の差は、曖昧であり得る。本明細書において詳述されるプロセッサ、コントローラ、及び/又は回路は、ソフトウェアにおいて、ハードウェアにおいて、及び/又はソフトウェア及びハードウェアを含むハイブリッド実装として実装されてよい。
【0013】
本明細書において詳述される「システム」(例えば、コンピューティングシステム、自動化運転システム、安全性システム等)という用語は、相互作用する要素のセットとして理解されてよく、要素は、限定ではなく例示として、1つ以上の機械的コンポーネント、1つ以上の電気的コンポーネント、1つ以上の命令(例えば、記憶媒体に符号化された命令)、及び/又は1つ以上のプロセッサ、並びに同様のものとすることができる。
【0014】
本明細書において使用される場合、「メモリ」という用語及び同様の用語は、データ又は情報を索出に備えて内部に記憶することができる非一時的コンピュータ可読媒体として理解されてよい。それゆえ、本明細書に含まれる「メモリ」に対する言及は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ、磁気テープ、ハードディスクドライブ、光学式ドライブ等を含む揮発性若しくは不揮発性メモリ、又はこれらの任意の組み合わせを指すものとして理解されてよい。さらに、メモリという用語によって、レジスタ、シフトレジスタ、プロセッサレジスタ、データバッファ等も本明細書に包含されることが理解される。「メモリ(memory)」又は「一メモリ(a memory)」と称される単一のコンポーネントは、1つよりも多い異なるタイプのメモリから構成されてよく、それゆえ、1つ以上のタイプのメモリを含む集合的コンポーネントを指してよいことが理解される。任意の単一のメモリコンポーネントは、複数の集合的に等価なメモリコンポーネントに分離されてよく、逆もまた然りであることが容易に理解される。
【0015】
本明細書において使用される場合、「車両」という用語は、任意の適したタイプの車両、例えば、任意のタイプの地上車両、船舶、航空機、又は他の任意のタイプの車両として理解されてよい。幾つかの態様では、車両は、動力車両(motor vehicle)(自動車(automotive vehicle)とも称される)であってよい。一例として、車両は、動力車(motor car)、乗用車(passenger car)等とも称される車(car)であってよい。別の例として、車両は、トラック(モータトラックとも称される)、バン等であってよい。別の例として、車両は、自転車又はモーターバイクであってよい。他の態様では、車両は、例えばパイロット及び/又は1人以上の乗員が搭乗した、部分的又は完全自律飛行ドローン(例えば、航空タクシー)であってよい。
【0016】
本明細書において使用される場合、「走行車線(driving lane)」の意味での「車線(lane)」という用語は、車両が走行し得る任意のタイプの堅固なインフラストラクチャ(又はそのセクション)として理解されてよい。同様に、車線は、航空交通、海上交通等にも関連付けられてよい。本明細書において使用される場合、「交通道路(traffic road)」の意味での「道路(road)」という用語は、車両が走行し得る任意のタイプの堅固なインフラストラクチャ(又はそのセクション)として理解されてよい。同様に、道路は、航空交通、海上交通等にも関連付けられてよい。
【0017】
様々な態様によれば、情報(例えば、道路情報、障害物位置情報等)は、任意の適した形式でハンドリング(例えば、処理、解析、記憶等)されてよく、例えば、データは、その情報を表してよいとともに、コンピューティングシステムを介してハンドリングされてよい。
【0018】
或る障害物に由来し得るリスク、例えば、潜在的な衝突のリスクは、(本明細書において説明されるような)解析において、その障害物及び参照車両に割り当てられた潜在的衝突イベントとして扱われてよい。参照車両は、自車両とも称され得る。自車両は、安全性モジュールを備えるか、又は安全性モジュールを有する自動化運転システムを備える車両であってよい。一般に、自車両は、車線座標系における参照として機能する車両であってよい。自車両、又は自車両に関連付けられた視点は、例えば、参照走行方向等を定義してよい。
【0019】
幾つかの態様では、1つ以上のセンサが、当該1つ以上のセンサの近傍にある1つ以上の障害物である可能性がある1つ以上の物体を検知して、例えば障害物位置情報及び/又は他の実世界データを提供するのに使用されてよい。レンジ画像センサ(range imaging sensor)が、例えば、レンジ情報(range information)(又は換言すれば、距離情報(distance information)又は奥行き情報(depth information))を画像に関連付けることを可能にして、例えば、レンジデータ(range data)をその画像のピクセルデータに関連付けたレンジ画像を提供してよい。これにより、例えば、画像内で示された1つ以上の物体に関するレンジ情報を含む、車両の近傍のレンジ画像を提供することが可能になる。様々な態様によれば、物体の絶対位置又は車両に対する物体の位置に関連付けられた位置データが、センサ情報から決定されてよい。
【0020】
1つ以上の態様では、運転動作(例えば、任意のタイプの安全性動作、例えば衝突回避機能、安全距離維持機能等)が、車両の1つ以上のオンボードコンポーネントを介して、例えば自動化運転システムを介して実装されてよい。車両の1つ以上のオンボードコンポーネントは、例えば、障害物(例えば、少なくとも車両の正面の障害物)を検出するとともに、障害物回避機能(例えば、制動、操舵等)をトリガして、検出された障害物との衝突を回避するために、1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のカメラ、1つ以上のレーダセンサ、1つ以上の光検出及び測距(LIDAR)センサ等)、コンピュータシステム等を含んでよい。
【0021】
様々な態様によれば、コンピューティングシステムは、本明細書において説明される1つ以上の機能を実装するのに使用されてよい。コンピューティングシステムは、例えば、例として、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを備えてよい。コンピューティングシステムは、1つ以上のセンサ(例えば、車両のセンサ)によって生成されたセンサデータを取得及び解析するためにそれらの1つ以上のセンサに通信可能に結合されてよく、又はコンピューティングシステムは、1つ以上のセンサによって生成されたセンサデータを取得及び解析するセンサモジュールに結合されてよいか、若しくはこれを備えてよい。
【0022】
例示的に或る動力車両を参照して本明細書において幾つかの態様が説明され、ここで、別の動力車両は、当該動力車両の近傍にある障害物を表す。しかしながら、当該動力車両について例示的に説明されるものと同じ又は類似の構造及び機能を含む他のタイプの車両が提供されてよい。さらに、当該別の車両を参照して本明細書において説明される方法と類似の方法で他の障害物が検討されてよい。
【0023】
様々な態様によれば、自動化運転システム又は他の任意の適した自律若しくは部分的自律システムの動作中に安全性を高める安全性モジュールが提供されてよい。これにより、自動化運転システムに対する社会からの信頼も高まり得る。一般に、自動化運転における安全性の保証の必要性は、自動化車両群の加速的で広範にわたる展開とともにますます重大になり得る。機能安全性を超えて、これらの車両の動作安全性を保証することが望まれ得る。その目的に向けて、安全性へのモデルベース手法を含むいわゆる責任感知型安全論(Responsibility Sensitive Safety)(RSS)が導入され得る。本開示の様々な態様は、RSS Open Library、すなわち、RSSのオープンソース実行可能実装に関連してよい。幾つかの態様では、RSS Open Libraryは、運転ポリシーの意思決定を監督する安全性モジュールとして、自動化運転ソフトウェアパイプラインと統合されてよい。一例として、RSSは、安全性の妥当性確認を提供するためにソフトウェアプラットフォームと統合されてよい。
【0024】
一般に、例えばレベル3を超える(L3+)能力を有する先進自動化運転システムは、動作安全性において、特にシナリオ開発並びに形式的検証、試験及び妥当性確認ツールの領域において、大規模な投資を必要とし得る。レベル3は、運転者が自身の注意を安全に運転タスクから逸らすことができる、例えば、運転者が通信システムを介してメッセージを送信する、映画を鑑賞する、又は同様のことを行うことができ、かつ車両が緊急制動のような即座の反応を必要とする状況をハンドリングし得る、運転自動化のレベルとして参照され得る。しかしながら、レベル3運転自動化において、運転者は、通知があると幾分かの限られた時間内で介入する準備ができていなければならない。RSSは、自動化車両が安全に走行しているか否かを定義及び測定するのに使用することができる安全性のためのテクノロジーニュートラル(technology neutral)なモデルを含んでよい。RSSは、幾つかの態様では、安全に運転するとは何を意味するのかについての一般的な意味での定義の解釈を形式化し得るとともに、自動化車両が自分自身で安全に運転するとは何を意味するのか、及び他者の安全ではない運転挙動から保護するために自身が合理的な警告をどのように実行するべきであるかを規定し得る。
【0025】
図1は、様々な態様に係る安全性モジュール100を概略図において示している。安全性モジュール100は、1つ以上のプロセッサ102を備えてよい。1つ以上のプロセッサ102は、車両のコンピューティングシステムの一部であってよい。安全性モジュール100、及び/又は安全性モジュール100の1つ以上のプロセッサ102は、自車両111に関連付けられてよい。安全性モジュール100、及び/又は安全性モジュール100の1つ以上のプロセッサ102は、一例として、自車両111の自動化運転システムに統合されるか、又はこれに通信可能に結合されてよい。
【0026】
様々な態様によれば、1つ以上のプロセッサ102は、道路情報112を受信するように構成されてよい。幾つかの態様では、道路情報112は、(例えば
図8において説明されるように)自動化運転システムの検知モジュールから1つ以上のプロセッサ102に提供されてよい。しかしながら、道路情報112は、任意の適した技法を用いて1つ以上のプロセッサ102に提供されてよく、例えば、道路情報112は、1つ以上のプロセッサ102に通信可能に結合され得る受信機に、無線で送信されてよい。道路情報112は、1つ以上の道路114のジオメトリ及び/又は他の特性を表してよい。一例として、道路情報112は、それぞれの道路の進路に沿った1つ以上の道路114の幅、それぞれの道路の進路に沿った1つ以上の道路114の曲率、又はそれぞれの道路に沿った位置に応じた他の任意のジオメトリ特性を含んでよい。様々な態様によれば、道路情報112は、デカルト座標系114cにおける1つ以上の道路114のジオメトリを表してよい。一例として、道路情報112は、デカルト座標114cにおける道路マップを表してよく、又は道路情報112は、デカルト座標114cにおける道路マップから取得されてよい。
【0027】
様々な態様によれば、1つ以上のプロセッサ102は、1つ以上の道路114上の障害物121の位置に関連付けられた障害物位置情報122を受信するように構成されてよい。障害物121の位置は、2次元座標(Px,Py)において、又は適切な場合、3次元座標(Px,Py,Pz)において規定されてよい。障害物121は、様々な態様によれば、道路上を走行する別の車両であってよい。しかしながら、障害物121は、歩行者、自転車乗用者、建築現場、又は交通における安全面に関連する他の任意の静止した又は移動可能な障害物であってよい。
【0028】
様々な態様によれば、1つ以上のプロセッサ102は、受信された道路情報112に基づいて車線座標系132を決定するように構成されてよい。車線座標系132は、複数の車線セグメント134を含んでよい。車線座標系132において、車線セグメントの1つ以上の第1のセットは、それぞれの道路の1つ以上の車線L(0)、L(1)、L(2)を表してよい。1つ以上の車線L(0)、L(1)、L(2)の各々は、第1の(例えば、長手)方向131に沿って配置された車線セグメント134を含んでよい。さらに、車線座標系132において、車線セグメント134の第2のセットは、それぞれの道路の道路セグメントRS(0)、RS(1)、RS(2)、RS(3)、RS(4)、RS(5)を表してよい。道路セグメントRS(0)、RS(1)、RS(2)、RS(3)、RS(4)、RS(5)の各々は、第2の(例えば、横)方向133に沿って配置された車線セグメント134を含んでよい。3つの車線L及び6つの道路セグメントRSを有する道路が例示的に
図1に示されているが、道路は、3つよりも多い又は少ない車線L及び6つよりも多い又は少ない道路セグメントRSを含んでよいことに留意されたい。
【0029】
一例として、
図1における車線座標系132に示される道路は、3×6個の車線セグメント134を含んでよい。各車線セグメント134は、対応する道路セグメントRSの番号及び対応する車線Lの番号によってタプル(RS,L)として識別されてよい。例として、第1の車線セグメント(0,0)は、道路セグメント0かつ車線0に対応してよく、第2の車線セグメント(1,0)は、道路セグメント1かつ車線0に対応してよく、[...]、第7の車線セグメント(0,1)は、道路セグメント0かつ車線1に対応してよく、第8の車線セグメント(1,1)は、道路セグメント1かつ車線1に対応してよく、[...]、以下同様である。様々な態様によれば、長さ情報141及び幅情報143が、車線セグメント134の各々に割り当てられてよい。長さ情報141は、それぞれの車線セグメント134の少なくとも最小長さ及び最大長さを表してよい。この最小長さ及び最大長さは、
図2Aにおいてより詳細に例示的に示されるように、それぞれの道路の対応する部分の曲率の関数であってよい。幅情報143は、それぞれの車線セグメント134の少なくとも最小幅及び最大幅を表してよい。この最小幅及び最大幅は、
図2B及び
図2Cにおいてより詳細に例示的に示されるように、それぞれの道路の対応する部分の可変幅の関数であってよい。
【0030】
同様に、高さ情報(図示せず)が、車線セグメント134の各々に割り当てられてよい。高さ情報は、それぞれの車線セグメント134の少なくとも最小高さ及び最大高さを表してよい。この最小高さ及び最大高さは、例えば3次元座標が道路のために検討される場合、それぞれの道路の対応する部分の3次元ジオメトリの関数であってよい。
【0031】
様々な態様によれば、安全性モジュール100の1つ以上のプロセッサ102は、障害物位置情報122に基づいて、車線座標系132における自車両111に対する障害物121の位置を決定するように更に構成されてよい。
図1に例示的に示されるように、自車両111は車線セグメント(0,0)内に位置を有してよいとともに、障害物121(例えば、交通に参加している別の車両)は車線セグメント(3,2)内に位置を有してよい。
【0032】
様々な態様によれば、1つ以上のプロセッサ102は、障害物121の決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベント(例えば、自車両111の障害物122との衝突の尤度)を決定するように構成されてよい。潜在的衝突イベントが決定された場合(例えば、決定された衝突の尤度が事前定義された閾値以上である場合)、1つ以上のプロセッサ102は、潜在的な衝突を回避するように1つ以上の安全性動作を命令するように構成されてよい。
【0033】
以下では、デカルト座標における記述から車線座標への道路情報の変換中に検討され得る1つ以上の態様を示す
図2A~
図2Cに対して参照がなされる。しかしながら、類似の態様が、極座標又は他の少なくとも部分的にメトリック(metric)の座標における記述から車線座標への道路情報の変換に当てはまり得る。
【0034】
幾つかの態様では、自動化運転車両は、走行ルート(driving corridor)(車線とも称される)を識別するために道路及び車線標示を使用してよい。これらの車線境界の、並びに環境内の動的障害物及び静止障害物の知覚及び位置特定は、運転状況座標系の基礎を構成してよい。自動化運転車両は、道路又は車線ベース座標系を使用して、自身の経路を計画するための横方向及び長手方向の安全距離計算を導出するとともに、運転中の違反及び衝突を回避してよい。自動化運転における道路/車線ベース座標系に対する一般的な手法は、走行ルートが特定の規則(例えば、車線標示は、平行である、一定の曲率に従う又は一定幅を維持する)に従うものとみなすという仮定を含んでよい。しかしながら、実世界の条件は、より複雑であり得るとともに、多くの場合そのような理想的な仮定を崩し得る。道路は、例えば、不規則な地形に適合するために変化する曲率を有してよく、車線は、例えば、(例えば、建築現場内で又は合流車線エリアにおいて)変化する幅を有してよい。場合によっては、道路標示の劣化により、知覚システムが混乱する可能性がある。
【0035】
様々な態様によれば、本明細書において説明される安全性モジュール100は、車線座標系132を使用して、車両コンステレーションの計算における変化する道路ジオメトリから、安全距離と、危険が迫っている状況に対する適切な反応とを抽出してよい。様々な態様によれば、全ての状況についての全体道路ジオメトリを記述するのに車線座標系の全単射埋め込み(bijective embedding)が使用されてよい。本明細書において説明される様々な態様は、2つの車両間(例えば、自車両と別の車両との間)の観測される実世界の状況の、例えばRSSによって規定される1つ以上の安全性計算を適用することが可能である具体的な車線ベース座標系への実際の変換に関連してよい。例えば、理想モデル記述からの実世界の状況の逸脱を無視することにより、実世界の条件において矛盾及び誤った安全性推定がもたらされる可能性がある。
【0036】
様々な態様によれば、デカルト道路定義から、例えば高精細マップから、2つの車両間の1つ以上のペア毎の状況のコンステレーションを記述し得る状況固有車線座標系への変換を含み得る状況ベース座標系が構築されてよい(例えば、
図3、
図6、及び
図7を参照)。この状況ベース車線座標系は、実世界の道路ジオメトリを、例えば正確な安全性保証計算を実行するためにRSSによって必要とされるような条件枠に変換するのに使用されてよく、それゆえ、RSSのクリーンで形式的に証明された安全性計算から実世界の複雑性が抽出され、RSSの有用性がより多くの実世界の条件に拡張される。
【0037】
操作計画のためのマッピング情報に一般的に使用される手法のうちの1つは、レーンレット(lanelet)の使用を通じたものであってよく、このレーンレットは、左側境界及び右側境界によって特徴付けられた、小さい、又は縮小不可能である程に小さい車線セグメントを記述する。レーンレットは、複雑な道路状況を構成するとともに、規制に遵守した交差点等の操作生成のための方策情報を組み込むことを可能にし得る。別のマッピング手法は、例えば、OpenStreetMap Foundationによって公表されているクラウドソースデータベースであるOpen Street Mapを介したものであってよく、これは、無償の地理ストリートマップを提供する。Open Street Mapは、ノード(node)、ウェイ(way)、及びリレーション(relation)を用いて世界をモデル化し、トポロジ情報を表すのに有用である。別のマップ表現は、OpenDrive(OpenDRIVEとも表記される)であってよく、これは、VIRES Simulationstechnologie GmbH社及びOpenDRIVEコミュニティによって管理されている。OpenDriveは、道路網のロジックを記述するためのオープンフォーマット仕様であり、それゆえ、標準化された道路網ファイルフォーマットを提供し得る。巨視的な(例えば、道路トポロジ)レベルにおいて運転シミュレータ間で共通のインターフェースを提供することは有用であり得る。現行の技法は、特定のマッピング問題を解くことに成功し得るとともに、高精細マップのための基礎を提供し得る。しかしながら、それらの現行の技法は、静止した道路要素に焦点を当て得るとともに、動的物体を記述しないことがある。静止した道路要素及び動的物体の双方が、RSSにおける状況ベース座標系に有用であり得る。様々な態様によれば、本明細書において説明される安全性モジュール100は、現行の技法をサポートし得るとともに、マッピングツールと安全性ツール(例えば、RSS)との間の橋渡しを提供し得る。
【0038】
様々な態様によれば、任意の所与の道路形状が、安全性モジュール100によって、例えば車線が直線であるとともに同じ幅を有する(例えば、簡略化された)状況ベース座標系に変換されてよく、その一方で、車両間の距離のワーストケース仮定が維持される。そのような座標系は、道路上の車両及び障害物までの横方向及び長手方向の安全距離を決定するのにRSSによって使用されてよい。幅間隔及び長さ間隔(又は少なくとも幅及び長さについての最小値及び最大値)を車線セグメントに割り当てることによって、実世界の道路ジオメトリから簡略化された座標環境への実効的なマッピングが可能になってよく、この簡略化された座標環境の上で、安全な挙動を導出するための形式的方法を適用することができる。そのような変換は、例えば、実世界の道路ジオメトリ下でRSS実装を実行するのに使用されてよいが、所与の道路上の物体同士の間の安全距離を計算する必要がある他の全ての応用にとって価値がある可能性がある。
【0039】
様々な態様によれば、車両同士の間の(例えば、安全)距離を計算するために、デカルト空間から道路/車線ベース座標系に切り替えることは有利であり得る。様々な態様によれば、状況ベース座標系が使用されてよく、この状況ベース座標系は、それぞれの交通状況について生成された特定の車線ベース座標系として理解されてよい。しかしながら、デカルト空間をそのような車線ベース座標系に変換する場合、以下でより詳細に説明されるように、幾つかの課題が考慮に入れられなければならない。
【0040】
図2Aは、それぞれの車線(車線A及び車線Bを参照)に割り当てられた幅203a、203bについて固定値を有する車線座標系232において生じ得る不連続問題を示している。不連続問題は、
図2Aのダイアグラム200aにおいて例示的に示されているように、そのような車線ベース座標系232において移動が比較される場合に起こり得る。ダイアグラム200aは、(車線座標系232に関連付けられた長手方向231に平行な水平軸上に示される)車両211の長手方向位置の関数としての(車線座標系232に関連付けられた横方向233に平行な垂直軸上に示される)横方向加速度を示している。
【0041】
デカルト座標系から車線ベース座標系への変換中、車両の位置のみではなく速度及び加速度も変換されてよい。したがって、結果として得られる値は、実際の車線ジオメトリに依存してよく、それゆえ、異なる車線ベース座標系の速度及び加速度は、場合によってはもはや互いに比較可能ではないことがある。一例として、
図2Aは、互いに平行であるが、互いに異なる幅203a、203bを有する2つの車線(車線A及び車線B)を示しており、例えば、第1の車線(車線A)は、第2の車線(車線B)よりも幅広であってよい。車両が自身の位置を道路セクションRS(0)内の第1の車線から次の道路セクションRS(1)内の第2の車線に変更する場合、車線の異なる幅203a、203bに起因して、横方向加速度における不連続性が決定されてよい。
【0042】
単に数値例として、第1の車線(車線A)は4mの一定幅を有してよく、第2の車線(車線B)は2mの一定幅を有してよい。双方の車線がそれら自身の車線座標系LCS
A及びLCS
Bを規定する場合、1m/s
2のデカルト横方向加速度値は、LCS
Aにおいて0.25lat/s
2、及びLCS
Bにおいて0.5lat/s
2になる。この状況は、車両が車線を第1の車線(車線A)から第2の車線(車線B)に変更する場合、一層悪化し得る。この場合、
図2Aにおいて示されているように、不連続性に直接起因して、経時的に横方向距離を計算するために定加速移動の閉じた式をもはや適用することができない。
【0043】
図2Bは、少なくとも1つの車線234に割り当てられた可変幅を有する車線座標系232において生じ得る横方向加速度の変化を示している。
図2Bにおけるダイアグラム200bは、(車線座標系232に関連付けられた長手方向231に平行な水平軸上に示される)車両211の長手方向位置の関数としての(車線座標系232に関連付けられた横方向233に平行な垂直軸上に示される)横方向加速度を示している。例示的に、変化する車線幅(例えば、車線拡大及び/又は車線狭窄)は、車両211に関連付けられた横方向加速度に対して影響を有し得る。数値例として、車線234の幅は、例えば、4m(例えば、第1の幅234aを有する第1の道路セグメントRS(0)内)であってよいとともに、100m離れると、車線234は、例えば、2m(例えば、第2の幅234bを有する第2の道路セグメントRS(2)内)にまで狭くなり得ることが仮定されてよい。そのような場合、1m/s
2のデカルト横方向加速度値は、車線234内を進む間、(第1の道路セグメントRS(0)における)0.25lat/s
2から(第2の道路セグメントRS(2)における)0.5lat/s
2に向かって変化し得る。
【0044】
図2Cは、カーブ240と、このカーブに関連付けられた運転距離に対するその影響とを示している。
図2Cにおけるダイアグラム200cは、車両211が、例えば左側境界240aにおいて、中心線240bにおいて、又は右側境界240cにおいて移動している軌道240a、240b、240cの関数としてのカーブ240を通した車両211の移動に関連付けられた(平行な垂直軸上に示された)走行距離を示している。
【0045】
例示的には、これは、車線拡大/狭窄の例と類似の長手方向の状況であってよい。単に一例として、車線は、4mの一定幅を有してよく、50mの内半径を有するカーブを記述してよく、180度をカバーしてよい。車線の内側境界は、この例では、約157.1mの長さ、163.4mの中心線、及び外側境界169.7mを有してよい。この状況では、長手方向加速度値は、中心線240bについて1.0lon/s2、外側境界240aについて0.96lon/s2、及び内側境界240cについて1.04lon/s2と求められる。したがって、対応する車線座標系において、長手方向加速度は、車両が車線内で自身の横方向位置を変更する場合にこの問題がそれに応じて対処されないとき、経時的に変化し得る。
【0046】
図2A~
図2Cを参照して上記で説明されたように、車線座標系232内の長手方向加速度値及び横方向加速度値並びに長手方向速度及び横方向速度の双方は、それらが一定とみなされるか又は単一の値のみを用いて記述される場合、問題となり得る。様々な態様によれば、これらの値は、1つの座標系内で変化するのみではなく、1つの車線ベース系から別の1つの車線ベース系に変更するときにも変化することが発見された。この問題を克服するために、以下でより詳細に説明される状況ベース車線座標系が提供される。そのような車線座標系は、2つの車両間の1つ以上のコンステレーション(状況とも称される)について生成されてよいとともに、それぞれの状況を適切に記述するのに必要とされるか又は有用である全ての車線セグメント(ただし、そのような車線セグメントのみ)を含んでよい。
【0047】
様々な態様によれば、車両の長手方向位置は、道路のカーブがデカルト系から車線座標系に変換されるときに、もはや一義的に規定されないことがあることが発見された。示されているように、例えば、
図2Cにおいて、長手方向位置は、車両211の横方向位置の関数であり得る。この曖昧性を克服するために、長手方向位置は、最小及び最大可能長手方向位置によって与えられる[min,max]区間によって(又は少なくとも最小値及び最大値によって)状況ベース車線座標系において記述されてよい。車線幅が変化する場合、同じことが横方向位置に当てはまる。したがって、横方向位置は、様々な態様によれば、デカルト空間における位置から、状況ベース車線座標系における[min,max]区間(又は少なくとも最小値及び最大値)に変換される。
【0048】
結果として、様々な態様によれば、デカルト空間における(例えば、例として高精細(HD)マップにおいて使用される等の2次元デカルト空間における)各点(x,y)は、2つの区間[xmin,xmax]及び[ymin,ymax]によって、又は少なくとも4つの値(xmin,xmax,ymin,ymax)によって記述されてよい。様々な態様によれば、これは、例えば、車線ベース座標系の上述の問題(例えば、不連続性等)の全てを解決する。同様に、デカルト空間における(例えば、例として航空機及び飛行ドローン用のマップにおいて使用される等の3次元デカルト空間における)各点(x,y,z)は、3つの区間[xmin,xmax]、[ymin,ymax]、及び[zmin,zmax]によって、又は少なくとも6つの値(xmin,xmax,ymin,ymax,zmin,zmax)によって記述されてよい。様々な態様によれば、これは、例えば、車線座標系への変換の上述の問題(例えば、不連続性等)の全てを解決する。
【0049】
結果として、以下の態様のうちの1つ以上が実現され得る:
・長手方向及び横方向の車線方向における速度及び加速度値は、状況ベース座標系に変換するときに変化しない。
・定加速移動に使用される式は、それに応じて状況ベース座標空間において適用され得る。
・状況ベース座標系における距離計算は、単純な加算又は減算を含んでよいか、又はこれらからなってよい。
【0050】
車両の位置の状況ベース車線座標系への変換は、単純であってよく、したがって、例えば、自車両内に含まれる1つ以上の安全性コントローラ又は他の1つ以上のプロセッサの限られた計算リソースで容易に実装されてよい。
【0051】
以下では、例えば
図3、
図4、
図6、及び
図7において説明されるように、特定の状況に関連した1つ以上の道路エリアの構築がより詳細に説明される。或る状況に関連し得る道路エリアは、本明細書において、関心エリア又は関心道路エリアとも称され得る。本明細書において説明される本発明の実施形態は、異なる実装によって実現され得ることに留意されたい。以下では、利用可能な基本道路ジオメトリデータを有するときにどのようにこれが実現され得るのかの1つの例示的な方法が説明される。様々な態様によれば、道路ジオメトリデータは、必ずしもHD(高精細)マップを介して提供される必要はないことがあり、一例として、道路ジオメトリデータは、その場で計算されてよい。以下では、道路情報(例えば、道路ジオメトリデータ)を道路網入力として検討する。
【0052】
様々な態様によれば、本明細書において例示的に説明されるような、道路ジオメトリの変化の、位置及び距離のワーストケース検討事例への組み込みにより、不必要に大きい道路セクションが考慮に入れられる場合に車両の挙動が過度に慎重になる。一例として、使用される車線セグメントの最小/最大幅又は最小/最大長さの差が大きくなるほど、車両の挙動は保守的になる。したがって、幾つかの態様では、状況の作成のための道路エリアを、検討される2つの車両の直近の周囲に制限することが役に立ち得る。例示的には、これは、道路上の実際の車線標示を無視しながらの、RSS関連車両位置をカバーするのに十分に大きい2つの車両の周囲のバウンディングボックスの作成に類似であってよい(
図3を参照)。
【0053】
図3は、様々な態様に係る、車線座標系332において2つの車両311、322を含む状況を示している。例えばRSS関連車両位置をカバーする全ての車線セグメントを含めるようにバウンディングボックス342が作成されてよい。一例として、バウンディングボックス342は、2つの車両311、322が位置する全ての車線セグメント、及び加えて長手方向331及び横方向333の双方における2つの車両311、322間の全ての車線セグメントを含む関心道路エリアであってよい。状況ベース車線座標系332は実際の車線ジオメトリから抽出し得るので、車線セグメントを、それらの極値、すなわち、最小/最大長さ及び最小/最大幅によって記述することで十分であり得る。それにもかかわらず、道路エリアの方向に対する車線セグメントの公称走行方向は、例えば、車両が誤った方向に走行しているか否かをRSSが判断することを可能にするために保持されてよい。道路エリア342の方向は、2つの車両311、322の走行方向によって規定されてよい。双方の車両311、322が互いに接近している反対方向使用事例では、道路エリア342の方向は、自車両の走行方向によって規定されてよい。
【0054】
図4は、道路情報(例えば、入力経路データ)412からの、状況ベース車線座標系の基礎としての状況固有道路エリア342(本明細書において、道路エリア、関心エリア、又はバウンディングボックスとも称される)の構築の方法400の例示的なフロー図を示している。状況固有道路エリアは、車線座標系において決定されてよいとともに、この状況固有道路エリアに割り当てられた車線セグメントのセットを含んでよく、自車両(例えば、
図3において示された車両311及び障害物322)がその状況固有道路エリアの中に位置する。状況固有道路エリアの決定は、長手方向及び横方向における自車両と障害物との間の各車線セグメントを決定する段階を含んでよい。
【0055】
様々な態様によれば、バウンディングボックス(例えば、パラメトリックバウンディングボックス)は、状況固有道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちの各々について決定されてよく、バウンディングボックスは、自車両、障害物等によって占有される空間を表してよい。
【0056】
図3において例示的に示されたように、状況固有道路エリア342は、起点道路セグメント(例えば、道路セグメント0)を含んでよい。起点道路セグメントは、横方向333に沿って配置された1つ以上の車線セグメント(例えば、車線セグメント(0,0)、(0,1)、(0,2))を含んでよく、車両311(例えば、自車両)は、起点道路セグメントに割り当てられた1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置してよい。さらに、状況固有道路エリア342は、横方向333に沿って配置された1つ以上の車線セグメント(例えば、車線セグメント(3,0)、(3,1)、(3,2))を含み得る最大道路セグメントRS(max)(例えば、
図3において示された例では道路セグメント3)を含んでよく、障害物(例えば、車両322)は、最大道路セグメントに割り当てられた1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置してよい。
【0057】
図3において例示的に示されたように、状況固有道路エリア342は、長手方向331に沿って配置された1つ以上の車線セグメント(例えば、4つの道路セグメント0~3のうちの各々内に1つずつの、4つの車線セグメント)を含む起点車線(例えば、車線0)を含んでよく、車両(例えば、自車両311)は、起点車線に割り当てられた1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置してよい。さらに、状況固有道路エリア342は、長手方向331に沿って配置された1つ以上の車線セグメントを含む最大車線L(max)(例えば、
図3において示された例では車線2)を含んでよく、障害物(例えば、車両322)は、最大車線に割り当てられた1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置してよい。
【0058】
様々な態様によれば、自車両311は車線セグメント(0,0)内に少なくとも部分的に位置してよく、障害物(例えば、車両322)は車線セグメント(RS(max),L(max))内、例えば、
図3において示された例では車線セグメント(3,2)内に少なくとも部分的に位置してよい。
【0059】
様々な態様によれば、1つ以上のプロセッサは、少なくとも、状況固有道路エリアの最小長さ及び最大長さ、及び/又は最小幅及び最大幅を決定するように構成されてよい。
【0060】
以下では、様々な態様に係る、道路エリア内の状況ベースバウンディングボックスの構築が例示的により詳細に説明される。状況固有道路エリアに基づいて、様々な態様によれば、車両/障害物の個々のバウンディングボックスが決定されてよい。例えばRSSはワーストケース評価を実行し得るので、状況ベース車線座標系に至る着想は、車両バウンディングボックスを状況ベース車線座標系に変換する間、極値を考慮することによって状況固有道路エリア内の車線セグメントの幅及び長さの変動を組み込むことであってよい。状況内の車両のコンステレーションに従って、車両同士の間の距離を計算するために、それぞれのワーストケースの横方向及び長手方向の境界値が選択されてよく、これらは、例として、最終的にはRSS式によって処理されてよい。実行される演算は、例えばワーストケースがカバーされ得ることを保証するために状況ベース座標系内の車両バウンディングボックスを拡大すること(例えば、
図5を参照)として解釈されてよい。
【0061】
図5は、様々な態様に係る、車両511に関連付けられたバウンディングボックス511bのワーストケース変換を示している。メトリック道路514は、(車線狭窄及び/又は曲率等のジオメトリに起因して)車両自身のバウンディングボックス511bによって表される変換済み車両をもたらし得る。
【0062】
潜在的な実装の一例として、車両511のバウンディングボックス511bは、道路エリアの全ての車線セグメント内のパラメトリックバウンディングボックス(PBB)のリスト(パラメトリック値∈[0.0;1.0])として記述されてよい。状況内の速度の計算のために、例えば、このバウンディングボックスの中心及び車両配向が、車両の速さを、車線セグメント534に対するその横方向成分及び長手方向成分に分割するための基礎として考慮されてよい。インデックスrにおける道路セグメント534の全体最小値/最大値
【数1】
は、例えば、以下の等式に基づいて含まれる車線セグメントの最小値/最大値(LS
min,LS
max)の組み合わせによって計算されてよい。
【数2】
【0063】
道路エリアの全体最小値/最大値寸法(RA
min,RA
max)は、例えば、以下の等式に基づいて道路セグメントの最小値/最大値の組み合わせによって計算されてよい。
【数3】
【0064】
同様に、パラメトリックバウンディングボックス定義は、道路エリア全体内の車両の長手方向における最小及び最大メトリック位置を計算するのに使用されてよく、すなわち、車両の最小長手方向位置
【数4】
は、例えば、全ての以前の道路セグメントの全ての最小メトリック長さの総和を取り、これに、車両が接触する最初の道路セグメントのパラメトリックスケーリング最小長さを加算することによって計算される。
【0065】
この計算は、以下の等式に基づいてよく、ここで、iは、車両が接触する最初の道路セグメントであってよい。
【数5】
【0066】
この計算は、以下の等式に基づいてよく、ここで、iは、車両が接触する最後の道路セグメントであってよい。
【数6】
【0067】
この計算は、以下の等式に基づいてよく、ここで、iは、車両が接触する道路セグメントr内の最初の車線セグメントであってよい。
【数7】
【0068】
この計算は、以下の等式に基づいてよく、ここで、iは、車両が接触する道路セグメントr内の最後の車線セグメントであってよい。
【数8】
【0069】
道路エリア内の車両メトリックバウンディングボックスが決定された後、互いに向かう車両同士の現在の長手方向及び横方向の距離が計算されてよい。一例として、「A」は
図3における車両311を指示してよいとともに、「B」は
図3における車両322を指示してよく、2つの車両311、322間の距離は、以下のように定義されてよい。
【数9】
【0070】
様々な態様によれば、以下でより詳細に説明されるように、2つの車両間、又は車両と障害物との間の状況において、交差点が考慮に入れられてよい。交差点を考慮に入れることにより、状況の記述は、各車両から、交差点に入るまでの(例えば、最小)距離、及び交差点を出るまでの(例えば、最大)距離を要求し得る。この場合では双方の車両が異なる道路から接近し得るので、2つの道路エリアが考慮に入れられてよく、これらの2つの道路エリアは、交差点における重複エリアにおいて終端する。
【0071】
図6は、異なる道路614a、614bから接近している第1の車両611及び第2の車両622を有する交差点状況を示しており、道路614a、614bは、互いに重複している。この場合、作成される2つの道路エリア642a、642bは、交差点の重複エリア600iにおいて終端してよい。それを除くと、これらの2つの道路エリア642a、642bの構築は、上記で説明されたものと同じ又は類似の規則に従ってよい。第1の道路エリア642a(道路エリアA)は、第1の車両611に関連した第1の道路614aに沿った全ての車線セグメントを含んでよいか、又はこれらからなってよい。第2の道路エリア642b(道路エリアB)は、第2の車両622に関連した第2の道路614bに沿った全ての車線セグメントを含んでよいか、又はこれらからなってよい。重複エリア600iは、車両の視点からの交差点の拡張部を画定する交差点車線セグメントを含んでよい。
【0072】
車両の交差点距離の計算は、以下の等式に基づいて実行されてよく、ここで、iは、交差点内の最初の道路セグメントであってよい。
【数10】
【0073】
車両の交差点距離の計算は、以下の等式に基づいて実行されてよく、ここで、iは、交差点内の最後の道路セグメントであってよい。
【数11】
【0074】
車両メトリックバウンディングボックスと、交差点までの距離とが決定された後、交差点に対する互いに向かう車両611、622の現在の長手方向距離d
lonが計算されてよい。一例として、「A」は
図6における車両611を指示してよいとともに、「B」は
図6における車両622を指示してよく、2つの車両611、622間の距離(ただし、
【数12】
)は、以下の等式に基づいて計算されてよい。
【数13】
【0075】
様々な態様によれば、安全性モジュールを介して、例えば
図1を参照して説明されたような安全性モジュール100を介して、潜在的衝突イベント又は衝突リスクを決定するために、1つ以上の個々の状況が構築されてよい。道路網が単に1つの直線道路よりも複雑になる場合、2つの車両間の状況は、特にこれらの車両が交差点を通過する異なる経路を取る可能性があるので、必ずしも一義的になるとは限らないことがある。安全性を保証するために、ワーストケースが検討されてよく、したがって、状況解析を実行するとともに、それぞれの状況ベース座標系を作成するときに全ての潜在的な構成が検討されなければならない。したがって、様々な態様によれば、2つの車両間で複数の状況が同時に検討されてよい。本明細書において説明されるように、道路エリアが決定され得る前に、例えば以下でより詳細に説明されるように、状況のタイプが決定されてよい。
【0076】
図7は、様々な態様に係る、安全性計算のために使用され得る1つ以上の状況を作成する方法700のフロー図を示している。様々な態様によれば、道路情報712(道路網データとも称される)及び障害物位置情報722(物体データとも称される)が入力として利用可能であってよい。
【0077】
様々な態様によれば、例えば、安全性モジュール100の1つ以上のプロセッサ102によって、以下の状況、すなわち、自車両及び車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、自車両及び車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ自車両と車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、及び/又は、自車両及び車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ自車両と車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況、のうちの少なくとも1つの存在が決定されてよい。
【0078】
様々な態様によれば、2つの車両を接続する、及び2つの車両間の接続経路を形成する1つ以上又は全ての車線セグメントが、例えば道路網データ及び車両位置情報に基づいて計算されてよい。反対方向及び交差点の使用事例もカバーするために、車線上の公称走行方向は無視されてよい。
【0079】
様々な態様によれば、以下の状況のセット、すなわち、同一方向状況、反対方向状況、又は交差点状況から1つの状況が決定されてよい。双方の車両が接続経路に対して同じ方向において走行している場合、非交差点状況が決定されてよい。これは、存在している2つの車両間に交差点があるか否かに関わらずに行われてよい。なぜならば一方の車両が他方の車両に、潜在的には交差点を通過して、追従するのみであるためである。双方の車両が反対方向において走行し、かつそれらの間に交差点がない場合、非交差点状況が決定されてよい。
【0080】
そうでない場合、車両の潜在的な将来の経路が計算され、互いに組み合わされてよい。これらの組み合わせの双方の経路において存在し得る全ての交差点は、結果として、新たな状況の作成をもたらす可能性がある。様々な態様によれば、双方が同じ交差点アームから到来して交差点を通過するように走行する場合、非交差点同一方向状況が作成されてよい。車両の経路が交差点内で互いに横断している場合、交差点状況が作成されてよい。それ以外の場合、経路が横断しておらず、かつ車両同士がすれ違うので、非交差点反対方向状況が作成されてよい。
【0081】
様々な態様によれば、交差点の考慮により、安全性モジュール100の過程において検討され得る可能な状況の数の増加がもたらされ得る。任意選択で、安全性解析の計算労力を削減するために、同じシーンを表す状況は、それらが一見して同じ状況を記述している(すなわち、双方の車両が交差点を通る同じ経路を取る)場合にはマージされてよい。これを達成し、かつ依然としてワーストケース評価を保持することを可能にするために、車両の速度は、最小及び最大の計算される速さ成分を提供するための区間として記述されてよく、これはなぜならば、交差点前の経路は異なる可能性があるためである。
【0082】
図8は、様々な態様に係る、安全性モジュール(例えば、安全性モジュール100又は適したRSSモジュール)の、自動化運転システム800への統合を示している。自動化運転システムは、幾つかの態様によれば、車両内に実装されてよいか、又は車両に通信可能に結合されてよい。
【0083】
幾つかの態様では、自動化運転システム800は、検知モジュール810を備えてよい。検知モジュール810は、世界モデルデータ810dを作成するように構成されてよい。世界モデルデータ810dは、モデルに基づいて車両の移動を計画するのに使用されてよい。自動化運転システム800は、計画モジュール820を更に備えてよい。計画モジュール820は、世界モデルデータ810dに基づいて制御情報820dを作成するように構成されてよい。制御情報820dは、例えば、車両が追従するべき軌道を表してよい。様々な態様によれば、自動化運転システム800は、作用モジュール830を更に備えてよい。作用モジュール830は、計画モジュール820から受信された制御情報820dを、制御コマンド830dに変換するように構成されてよい。制御コマンド830dは、例えば、車両を操舵、スロットル制御、及び/又は制動する任意の適した信号を含んでよい。制御コマンド830dは、それに応じて車両を制御するように構成される車両の任意の適したコンポーネントによって受信されてよい。
【0084】
様々な態様によれば、自動化運転システム800は、安全性モジュール100を備えてよい。安全性モジュール100は、世界モデルデータ810d(例えば、道路情報及び障害物位置情報を含む)を受信するように構成されてよい。様々な態様によれば、作用モジュール830は、安全性モジュール100によって、必要である場合に1つ以上の安全性動作を実行するように命令されてよい。一例として、安全性モジュール100が潜在的な衝突の尤度を決定していた場合、安全性モジュール100は、衝突を防止する命令信号100dを作用モジュール830に送信するように構成されてよい。
【0085】
様々な態様によれば、検知モジュール810は、世界モデルデータからの最小安全距離を決定するように構成されてよい。最小安全距離は車両と障害物との間の実際の距離との比較のために使用されてよいとともに、1つ以上の安全性動作は、実際の距離が最小安全距離以下である場合に命令されてよい。
【0086】
図9は、様々な態様に係る安全性方法900の概略フロー図を示している。方法900は、910において、道路情報に基づいて車線座標系を決定する段階を備えてよく、車線座標系は、車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含む。方法900は、920において、道路情報から車線セグメントの各々について長さ情報及び幅情報を決定する段階を備えてよい。方法900は、930において、決定された長さ情報及び幅情報をそれぞれの車線セグメントの各々に割り当てる段階を備えてよく、長さ情報は、1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としてのそれぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、幅情報は、1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としてのそれぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す。方法900は、940において、障害物位置情報に基づいて、決定された車線座標系における自車両に対する障害物の位置を決定する段階を備えてよい。方法900は、950において、障害物の決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定する段階を備えてよい。方法900は、960において、潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令する段階を備えてよい。
【0087】
以下では、上記で説明されたとともに図面において示された態様に関連する様々な例が提供される。
【0088】
例1は、1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報と、前記1つ以上の道路上の障害物の位置に関連付けられた障害物位置情報とを受信することと、前記受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が前記複数の車線セグメントのそれぞれに割り当てられ、前記長さ情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、車線座標系を決定することと、前記受信された障害物位置情報に基づいて、前記車線座標系における自車両に対する前記障害物の位置を決定することと、前記障害物の前記決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定することと、前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令することとを行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、安全性モジュールである。
【0089】
他の態様では、安全性モジュールは、デカルト座標系における1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報を受信することと、前記受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が前記複数の車線セグメントのそれぞれに割り当てられ、前記長さ情報は、前記デカルト座標系における前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記デカルト座標系における前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、車線座標系を決定することと、前記車線座標系に基づいて潜在的衝突イベントを決定することと、前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令することとを行うように構成された1つ以上のプロセッサを備えてよい。前記安全性モジュールの前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系における関心エリアを決定するように更に構成されてよく、前記関心エリアは、前記関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び障害物は、前記関心エリア内に位置する。
【0090】
例2では、例1に記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記道路情報がデカルト座標系における前記1つ以上の道路の前記ジオメトリを表すことを更に含んでよい。
【0091】
例3では、例1又は2に記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記車線座標系における関心道路エリアを決定するように更に構成され、前記関心道路エリアが、前記関心道路エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物が、前記関心道路エリア内に位置することを更に含んでよい。
【0092】
例4では、例3に記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記関心道路エリアの前記決定が、前記長手方向及び前記横方向における前記自車両と前記障害物との間の各車線セグメントを決定する段階を有することを更に含んでよい。
【0093】
例5では、例3又は4に記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて自車両パラメトリックバウンディングボックスを決定するように構成され、前記自車両パラメトリックバウンディングボックスが、前記自車両によって占有される空間を表すことを更に含んでよい。
【0094】
例6では、例3~5のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて障害物パラメトリックバウンディングボックスを決定するように構成され、前記障害物パラメトリックバウンディングボックスは、前記障害物によって占有される空間を表すことを更に含んでよい。
【0095】
例7では、例3~5のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記関心道路エリアに割り当てられた前記複数の車線セグメントのセットが、起点道路セグメントを含み、前記起点道路セグメントが、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿って配置された1つ以上の車線セグメントを有し、前記自車両が、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置すること、及び/又は、前記関心道路エリアが、最大道路セグメントであって、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿って配置された1つ以上の車線セグメントを有する、最大道路セグメントを含み、前記障害物が、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置することを更に含んでよい。
【0096】
例8では、例3~7のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記関心道路エリアが、起点車線であって、前記起点車線に割り当てられた前記長手方向に沿って配置された1つ以上の車線セグメントを有する、起点車線を含み、前記自車両は、前記起点車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置すること、及び/又は、前記関心道路エリアが、最大車線であって、前記最大車線に割り当てられた前記長手方向に沿って配置された1つ以上の車線セグメントを有する、最大車線を含み、前記障害物が、前記最大車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置することを更に含んでよい。
【0097】
例9では、例3~8のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記関心道路エリアの最小長さ及び最大長さを決定するように更に構成されることを更に含んでよい。
【0098】
例10では、例3~9のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記関心道路エリアの最小幅及び最大幅を決定するように更に構成されることを更に含んでよい。
【0099】
例11では、例3~10のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記関心道路エリアに割り当てられた1つ以上又は全ての車線セグメントについて走行方向を決定するように構成されることを更に含んでよい。
【0100】
例12では、例1~11のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記障害物が、以下、すなわち、交通インフラストラクチャ若しくは交通インフラストラクチャの一部、歩行者、又は車両のうちの少なくとも1つであることを更に含んでよい。
【0101】
例13では、例1~12のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、モデルベース手法を介して前記潜在的衝突イベントを決定するように更に構成されることを更に含んでよい。
【0102】
例14では、例1~13のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記潜在的衝突イベントが、前記自車両と前記障害物との間の最小距離が最小安全距離以下である場合に決定されることを更に含んでよい。
【0103】
例15では、例1~14のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記障害物が車両であること、及び、前記1つ以上のプロセッサが、以下の状況、すなわち、前記自車両及び前記車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、前記自車両及び前記車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、及び/又は、前記自車両及び前記車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況のうちの少なくとも1つの存在を決定するように更に構成されることを更に含んでよい。
【0104】
例16では、例1~15のいずれか1つに記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記障害物が車両であること、及び、前記1つ以上のプロセッサが、前記自車両及び前記車両が横断経路で同じ交差点を通過するように走行していることを表す横断経路交差点状況の存在を決定するように更に構成されることを更に含んでよい。
【0105】
例17では、例16に記載の安全性モジュールは、任意選択で、横断経路交差点状況が決定される場合、前記1つ以上のプロセッサが、前記車線座標系において第1の関心エリア及び第2の関心エリアを決定するように更に構成され、前記第1の関心エリアが前記第1の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第1のセットを含み、前記自車両及び前記交差点が前記第1の関心エリア内に位置し、前記第2の関心エリアが前記第2の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第2のセットを含み、前記車両及び前記交差点が前記第2の関心エリア内に位置することを更に含んでよい。
【0106】
例18では、例17に記載の安全性モジュールは、任意選択で、前記1つ以上のプロセッサが、前記第1の関心エリアに基づいて第1の交差点距離を決定することと、前記第2の関心エリアに基づいて第2の交差点距離を決定することと、前記決定された第1の交差点距離及び前記決定された第2の交差点距離に基づいて前記自車両と前記車両との間の長手方向距離を決定することとを行うように更に構成されることを更に含んでよい。
【0107】
例19は、世界モデルデータを作成するように構成された検知モジュールと、前記世界モデルデータに基づいて制御情報を作成するように構成された計画モジュールと、前記制御情報を制御コマンドに変換するように構成された作用モジュールと、前記世界モデルデータを受信するように構成された請求項1~9のいずれか1つに記載の安全性モジュールであって、前記世界モデルデータは、前記道路情報及び前記障害物位置情報を表す、安全性モジュールとを備え、前記作用モジュールは、前記安全性動作を実行するように命令される、自動化運転システムである。前記制御情報は、例えば、車両が追従するべき軌道を含んでよい。前記制御コマンドは、例えば、前記車両を操舵、スロットル制御、及び/又は制動するのに使用され得る任意のコマンドを含んでよい。
【0108】
例20では、例19に記載の自動化運転システムは、任意選択で、前記検知モジュールが、前記世界モデルデータから最小安全距離を決定するように構成されることを更に含んでよい。前記自動化運転システムの前記安全性モジュールは、前記最小安全距離に基づいて前記潜在的衝突イベントを決定するように構成されてよい。
【0109】
例21は、道路情報に基づいて車線座標系を決定する段階であって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含む、段階と、前記道路情報から前記車線セグメントのそれぞれについて長さ情報及び幅情報を決定する段階と、前記決定された長さ情報及び幅情報を前記それぞれの車線セグメントの各々に割り当てる段階であって、前記長さ情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、段階と、障害物位置情報に基づいて、前記決定された車線座標系における自車両に対する障害物の位置を決定する段階と、前記障害物の前記決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定する段階と、前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令する段階とを備える方法である。
【0110】
例22では、例21に記載の方法は、任意選択で、前記道路情報が、デカルト座標系における前記1つ以上の道路の前記ジオメトリを表すことを更に含んでよい。
【0111】
例23では、例21又は22に記載の方法は、任意選択で、前記車線座標系における関心道路エリアを決定する段階を更に備えてよく、前記関心道路エリアは、前記関心道路エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物は、前記関心道路エリア内に位置する。
【0112】
例24では、例23に記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアの前記決定が、長手方向及び横方向における前記自車両と前記障害物との間の各車線セグメントを決定する段階を有することを更に含んでよい。
【0113】
例25では、例23又は24に記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて自車両パラメトリックバウンディングボックスを決定する段階を更に備えてよく、前記自車両パラメトリックバウンディングボックスは、前記自車両によって占有される空間を表す。
【0114】
例26では、例23~25のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて障害物パラメトリックバウンディングボックスを決定する段階を更に備えてよく、前記障害物パラメトリックバウンディングボックスは、前記障害物によって占有される空間を表す。
【0115】
例27では、例23~26のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアに割り当てられた前記複数の車線セグメントのセットが、起点道路セグメントを含み、前記起点道路セグメントが、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含み、前記自車両が、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置すること、及び/又は、前記関心道路エリアが、最大道路セグメントであって、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含む、最大道路セグメントを含み、前記障害物が、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置することを更に含んでよい。
【0116】
例28では、例23~27のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアが、起点車線であって、前記起点車線に割り当てられた前記長手方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含む、起点車線を含み、前記自車両が、前記起点車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置すること、及び/又は、前記関心道路エリアが、最大車線であって、前記最大車線に割り当てられた前記長手方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含む、最大車線を含み、前記障害物が、前記最大車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置することを更に含んでよい。
【0117】
例29では、例23~28のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアの最小長さ及び最大長さを決定する段階、及び/又は、前記関心道路エリアの最小幅及び最大幅を決定する段階を更に備えてよい。
【0118】
例30では、例23~29のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記関心道路エリアに割り当てられた1つ以上又は全ての車線セグメントについて走行方向を決定する段階を更に備えてよい。
【0119】
例31では、例21~30のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記障害物が、以下、すなわち、交通インフラストラクチャ若しくは交通インフラストラクチャの一部、歩行者、又は車両のうちの少なくとも1つであることを更に含んでよい。
【0120】
例32では、例21~31のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、モデルベース手法を介して前記潜在的衝突イベントを決定する段階を更に備えてよい。
【0121】
例33では、例21~32のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記潜在的衝突イベントが、前記自車両と前記障害物との間の最小距離が最小安全距離以下である場合に決定されることを更に含んでよい。
【0122】
例34では、例21~33のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記障害物が車両であること、及び、以下の状況、すなわち、前記自車両及び前記車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、前記自車両及び前記車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、及び/又は、前記自車両及び前記車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況のうちの少なくとも1つの存在を決定する段階を更に備えてよい。
【0123】
例35では、例21~34のいずれか1つに記載の方法は、任意選択で、前記障害物が車両であること、及び、前記自車両及び前記車両が横断経路で同じ交差点を通過するように走行していることを表す横断経路交差点状況の存在を決定する段階を更に備えてよい。
【0124】
例36では、例35に記載の方法は、任意選択で、横断経路交差点状況が決定される場合、前記方法が、前記車線座標系において第1の関心エリア及び第2の関心エリアを決定する段階を更に備え、前記第1の関心エリアが前記第1の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第1のセットを含み、前記自車両及び前記交差点が前記第1の関心エリア内に位置し、前記第2の関心エリアが前記第2の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第2のセットを含み、前記車両及び前記交差点が前記第2の関心エリア内に位置することを更に含んでよい。
【0125】
例37では、例36に記載の方法は、任意選択で、前記第1の関心エリアに基づいて第1の交差点距離を決定する段階と、前記第2の関心エリアに基づいて第2の交差点距離を決定する段階と、前記決定された第1の交差点距離及び前記決定された第2の交差点距離に基づいて前記自車両と前記車両との間の長手方向距離を決定する段階とを更に備えてよい。
【0126】
幾つかの態様では、本明細書において説明された任意の方法は、実行されると、1つ以上のプロセッサに、その方法のうちの少なくとも一部分又は全てを実行させるプログラム命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体として部分的に又は完全に実装されてよい。
【0127】
本開示は特に特定の態様を参照して図示及び説明されているものの、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その中で形式及び詳細の様々な変更が行われ得ることを、当業者は理解すべきである。それゆえ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、したがって、特許請求の範囲の均等性の意味及び範囲内にある変更は全て包含されることを意図している。
[他の考えられる項目]
(項目1)
1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報と、前記1つ以上の道路上の障害物の位置に関連付けられた障害物位置情報とを受信することと、
前記受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が前記複数の車線セグメントのそれぞれに割り当てられ、前記長さ情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、車線座標系を決定することと、
前記障害物位置情報に基づいて、前記車線座標系における自車両に対する前記障害物の位置を決定することと、
前記障害物の前記決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定することと、
前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令することと
を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、安全性モジュール。
(項目2)
前記道路情報は、デカルト座標系における前記1つ以上の道路の前記ジオメトリを表す、項目1に記載の安全性モジュール。
(項目3)
前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系における関心道路エリアを決定するように更に構成され、前記関心道路エリアは、前記関心道路エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物は、前記関心道路エリア内に位置する、項目1に記載の安全性モジュール。
(項目4)
前記関心道路エリアの前記決定は、前記長手方向及び前記横方向における前記自車両と前記障害物との間の各車線セグメントを決定する段階を有する、項目3に記載の安全性モジュール。
(項目5)
前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて自車両パラメトリックバウンディングボックスを決定するように構成され、前記自車両パラメトリックバウンディングボックスは、前記自車両によって占有される空間を表し、及び/又は、前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて障害物パラメトリックバウンディングボックスを決定するように構成され、前記障害物パラメトリックバウンディングボックスは、前記障害物によって占有される空間を表す、項目3に記載の安全性モジュール。
(項目6)
前記関心道路エリアに割り当てられた前記複数の車線セグメントのセットは、起点道路セグメントを含み、前記起点道路セグメントは、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含み、前記自車両は、前記起点道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置し、
前記関心道路エリアは、最大道路セグメントであって、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記横方向に沿った1つ以上の車線セグメントを含む、最大道路セグメントを含み、前記障害物は、前記最大道路セグメントに割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置する、項目3に記載の安全性モジュール。
(項目7)
前記関心道路エリアは、起点車線であって、前記起点車線に割り当てられた前記長手方向に沿った1つ以上の車線セグメントを有する、起点車線を含み、前記自車両は、前記起点車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置し、
前記関心道路エリアは、最大車線であって、前記最大車線に割り当てられた前記長手方向に沿った1つ以上の車線セグメントを有する、最大車線を含み、前記障害物は、前記最大車線に割り当てられた前記1つ以上の車線セグメントのうちの少なくとも1つの内部に位置する、項目3に記載の安全性モジュール。
(項目8)
前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの最小長さ及び最大長さを決定するように更に構成され、及び/又は、前記1つ以上のプロセッサは、前記関心道路エリアの最小幅及び最大幅を決定するように更に構成される、項目3に記載の安全性モジュール。
(項目9)
前記障害物は、以下、すなわち、交通インフラストラクチャ若しくは交通インフラストラクチャの一部、歩行者、又は車両のうちの少なくとも1つである、項目1~8のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
(項目10)
前記1つ以上のプロセッサは、モデルベース手法を介して前記潜在的衝突イベントを決定するように更に構成され、
前記潜在的衝突イベントは、前記自車両と前記障害物との間の最小距離が最小安全距離以下である場合に決定される、項目1~8のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
(項目11)
前記障害物は車両であり、前記1つ以上のプロセッサは、以下の状況、すなわち、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、又は、
前記自車両及び前記車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況、
のうちの少なくとも1つの存在を決定するように更に構成される、項目1~8のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
(項目12)
前記障害物は車両であり、前記1つ以上のプロセッサは、前記自車両及び前記車両が横断経路で同じ交差点を通過するように走行していることを表す横断経路交差点状況の存在を決定するように更に構成され、横断経路交差点状況が決定される場合、
前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系において第1の関心エリア及び第2の関心エリアを決定するように更に構成され、前記第1の関心エリアは前記第1の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第1のセットを含み、前記自車両及び前記交差点は前記第1の関心エリア内に位置し、前記第2の関心エリアは前記第2の関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントの第2のセットを含み、前記車両及び前記交差点は前記第2の関心エリア内に位置する、項目1~8のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
(項目13)
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1の関心エリアに基づいて第1の交差点距離を決定することと、
前記第2の関心エリアに基づいて第2の交差点距離を決定することと、
前記決定された第1の交差点距離及び前記決定された第2の交差点距離に基づいて前記自車両と前記車両との間の長手方向距離を決定することと
を行うように更に構成される、項目1~8のいずれか1項に記載の安全性モジュール。
(項目14)
世界モデルデータを作成するように構成された検知モジュールと、
前記世界モデルデータに基づいて制御情報を作成するように構成された計画モジュールと、
前記制御情報を制御コマンドに変換するように構成された作用モジュールと、
前記世界モデルデータを受信するように構成された項目1に記載の安全性モジュールであって、前記世界モデルデータは、前記道路情報及び前記障害物位置情報を表す、安全性モジュールと
を備え、前記安全性モジュールは、前記安全性動作を実行するように前記作用モジュールに命令するように構成される、自動化運転システム。
(項目15)
検知モジュールは、前記世界モデルデータから最小安全距離を決定するように構成され、前記安全性モジュールは、前記決定された最小安全距離に基づいて前記潜在的衝突イベントを決定するように構成される、項目14に記載の自動化運転システム。
(項目16)
デカルト座標系における1つ以上の道路のジオメトリを表す道路情報を受信することと、
前記受信された道路情報に基づいて車線座標系を決定することであって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含み、長さ情報及び幅情報が前記複数の車線セグメントのそれぞれに割り当てられ、前記長さ情報は、前記デカルト座標系における前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記デカルト座標系における前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、車線座標系を決定することと、
前記車線座標系に基づいて潜在的衝突イベントを決定することと
を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える、安全性モジュール。
(項目17)
前記1つ以上のプロセッサは、前記車線座標系における関心エリアを決定するように更に構成され、前記関心エリアは、前記関心エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物は、前記関心エリア内に位置する、項目16に記載の安全性モジュール。
(項目18)
道路情報に基づいて車線座標系を決定する段階であって、前記車線座標系は、前記車線座標系の長手方向及び横方向に沿って配置された複数の車線セグメントを含む、段階と、
前記道路情報から前記複数の車線セグメントのそれぞれについて長さ情報及び幅情報を決定する段階と、
前記決定された長さ情報及び幅情報を前記それぞれの車線セグメントの各々に割り当てる段階であって、前記長さ情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の曲率の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小長さ及び最大長さを表し、前記幅情報は、前記1つ以上の道路の対応する部分の可変幅の関数としての前記それぞれの車線セグメントの最小幅及び最大幅を表す、段階と、
障害物位置情報に基づいて、前記決定された車線座標系における自車両に対する障害物の位置を決定する段階と、
前記障害物の前記決定された相対位置に基づいて潜在的衝突イベントを決定する段階と、
前記潜在的衝突イベントが決定された場合、潜在的な衝突を回避する安全性動作を命令する段階と
を備える、安全性方法。
(項目19)
前記道路情報は、デカルト座標系における前記1つ以上の道路の前記ジオメトリを表す、項目18に記載の安全性方法。
(項目20)
前記車線座標系における関心道路エリアを決定する段階を更に備え、前記関心道路エリアは、前記関心道路エリアに割り当てられた複数の車線セグメントのセットを含み、前記自車両及び前記障害物は、前記関心道路エリア内に位置する、項目18に記載の安全性方法。
(項目21)
前記関心道路エリアの前記決定は、長手方向及び横方向における前記自車両と前記障害物との間の各車線セグメントを決定する段階を有する、項目20に記載の安全性方法。
(項目22)
前記関心道路エリアの1つ以上の車線セグメントのうちのそれぞれについて自車両パラメトリックバウンディングボックスを決定する段階を更に備え、前記自車両パラメトリックバウンディングボックスは、前記自車両によって占有される空間を表す、項目18に記載の安全性方法。
(項目23)
前記障害物は車両であり、前記方法は、
以下の状況、すなわち、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して同じ方向において走行していることを表す同一方向状況、
前記自車両及び前記車両が接続経路に対して反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に交差点がないことを表す反対方向状況、又は、
前記自車両及び前記車両が1つ以上の接続経路に対して同じ方向又は反対方向において走行しており、かつ前記自車両と前記車両との間に1つ以上の交差点があることを表す交差点状況、
のうちの少なくとも1つの存在を決定する段階を更に備える、項目18~20のいずれか1項に記載の安全性方法。
(項目24)
実行されると、1つ以上のプロセッサに、項目18~20のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】