(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(54)【発明の名称】熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を評価するためのシステム
(51)【国際特許分類】
F25D 3/00 20060101AFI20221121BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20221121BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20221121BHJP
G01N 25/18 20060101ALN20221121BHJP
【FI】
F25D3/00 A
F25D23/00 301G
F25D23/06 V
G01N25/18 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520074
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2020077086
(87)【国際公開番号】W WO2021063877
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルニー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ベーアム,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイッケルト,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】シュペリ,カール
【テーマコード(参考)】
2G040
3L044
3L102
3L345
【Fターム(参考)】
2G040AA09
2G040CA02
2G040DA02
2G040DA14
2G040FA05
2G040GA01
2G040HA01
2G040HA08
2G040HA16
2G040ZA05
3L044AA01
3L044BA02
3L044CA11
3L044DC04
3L044DD07
3L044HA06
3L044KA04
3L102JA06
3L102JA08
3L102MB22
3L345AA02
3L345AA05
3L345AA26
3L345BB01
3L345DD44
3L345DD63
3L345EE04
3L345EE05
3L345EE32
3L345EE33
3L345EE34
3L345EE48
3L345EE53
3L345HH10
3L345HH12
3L345HH25
3L345HH32
3L345HH34
3L345HH36
3L345HH38
3L345HH42
3L345JJ09
3L345JJ17
3L345JJ25
3L345JJ27
3L345JJ28
3L345KK04
(57)【要約】
熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の絶縁特性を評価するためのシステム(10)であって、物品を輸送及び/又は貯蔵するために少なくとも1つの熱的に絶縁された輸送ユニット(20)を備え、熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、熱的に絶縁された輸送ユニット内の温度の実際の温度データを提供するように構成された少なくとも1つの温度検知手段(30)を備え、少なくとも実際の温度データと熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の熱モデルに基づき計算された温度データとの比較に基づいて、絶縁特性を評価するための少なくとも1つの評価手段を特徴とするシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の絶縁特性を評価するためのシステム(10)であって、
物品を輸送及び/又は貯蔵するために少なくとも1つの熱的に絶縁された輸送ユニット(20)を備え、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、前記熱的に絶縁された輸送ユニット内の温度の実際の温度データを提供するように構成された少なくとも1つの温度検知手段(30)を備え、
少なくとも実際の温度データと前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の熱モデルに基づき計算された温度データとの比較に基づいて、前記絶縁特性を評価するための少なくとも1つの評価手段を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、さらに前記実際の温度データを格納するためのメモリ手段を備える、請求項1に記載されたシステム(10)。
【請求項3】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、さらに別個のコンピューターユニットとの通信を形成するように構成された少なくとも1つの通信手段(50)を備え、前記評価手段は、前記別個のコンピューターユニット内に配置されている、請求項1又は請求項2に記載されたシステム(10)。
【請求項4】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、さらにコンピューターユニット(40)を備え、前記評価手段は、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)のコンピューターユニット(40)内に配置されている、請求項1から3の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項5】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の絶縁部は、少なくとも1つの真空絶縁パネル(VIP)を備え、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、好ましくはさらに冷却用の要素を備え、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、好ましくはさらにさらなる冷却能力として相変化材料(PCM)を備える、請求項1から4の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項6】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、いかなる能動型冷却要素も備えない、請求項1から5の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項7】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、さらに位置決定ユニット、好ましくは全地球測位システム(GPS)、又は低出力広域ネットワーク(LPWAN)内の信号に基づく位置決定アルゴリズムを使用することを備え、前記位置決定ユニットは、好ましくは前記温度データを位置情報データに割り当てるように構成されている、請求項1から6の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項8】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)はさらなる検知手段を備え、前記検知手段は、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の外側の実際の温度データ、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)がさらされる湿度データ、前記絶縁された輸送ユニット(20)がさらされる加速の加速データ及び/又は前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)がさらされる太陽放射の持続時間及び強度に関する太陽データを提供するように構成されている、請求項1から7の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項9】
前記評価手段は評価アルゴリズムを実行するように構成され、前記評価アルゴリズムは、好ましくは計算流体力学(CFD)方法及び/又は半経験的相関及び/又は熱伝達の計算を介して、機械学習アルゴリズム及び/又はオンラインシミュレーションの結果に基づいており、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の前記絶縁特性を決定するために、相変化材料、技術者規則(例えばVDI Warmeatlas)及び熱伝導のような材料特性を考慮する、請求項1から8の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項10】
前記評価手段は、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の前記絶縁特性を示す評価メッセージを出すように構成されており、前記メッセージは、以下のメッセージの少なくとも1つ、即ち前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)のさらなる使用に関する推薦を提供する推薦メッセージ、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の絶縁容量の重大な損失を示す警告メッセージ、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)が保守技術員によって検査される必要があることを示す検査メッセージ及び/又は前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、故障が生じるまでまだどのくらいの時間使用できるかを好ましくは分で表すサスペンションメッセージである、請求項1から9の何れか1つに記載されたシステム(10)。
【請求項11】
前記システム(10)は、前記評価手段の前記メッセージを出力するディスプレイ及び/又は音声出力手段を備える、請求項10に記載されたシステム(10)。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1つに記載されたシステム(10)における評価手段の使用であって、前記評価システム(10)は、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の前記絶縁特性を評価し、好ましくは前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の前記絶縁特性を示す評価メッセージ、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)のさらなる使用に関する推薦を提供する推薦メッセージ、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の絶縁容量の重大な損失を示す警告メッセージ、前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)が保守技術員によって検査される必要があることを示す検査メッセージ及び/又は前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は故障が生じるまでまだどのくらいの時間使用できるかを好ましくは分で示すサスペンションメッセージ、を出すように構成されている評価手段の使用。
【請求項13】
少なくとも1つの温度検知手段を備えて物品を輸送及び貯蔵するために熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の使用であって、前記温度検知手段は、請求項1から11の何れか1つに記載されたシステム(10)において前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)内の温度の実際の温度データを提供するように構成されている熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の使用。
【請求項14】
前記熱的に絶縁された輸送ユニット(20)は、医療製品及び医薬品製品を輸送するように構成されている、請求項13に記載された使用。
【請求項15】
請求項1から11の何れか1つに記載されたシステム(10)において熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の前記絶縁特性を評価するための、熱的に絶縁された輸送ユニット(20)の熱モデルに基づき計算された温度データの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を評価するのためのシステム、そのようなシステムにおける評価手段の使用、そのようなシステムにおける熱的に絶縁された輸送ユニットの使用、及びそのようなシステムにおける計算された温度データの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
熱的に絶縁された輸送ユニット、例えば輸送ボックスが、従来技術において周知であり、種々様々のデザイン及びサイズで使用されている。例えば、そのような熱的に絶縁された輸送ユニットは、例えば製薬又は医療部門において温度に敏感な物品を輸送するために使用され、出荷物、例えばワクチンは、輸送中に所定温度帯、例えば2℃と8℃との間にとどまることを保証される必要がある。この目的のために、いわゆる受動絶縁型ボックス又は能動型絶縁ボックスの両方が使用されている。受動型ボックスとは対照的に、能動型ボックスは、電気的な冷却ユニットを含み、これに対して受動型ボックスは、冷却能力として相変化材料(PCM)を含む。現在、受動型ボックスは、電気的な冷却ユニット、例えば圧縮機を備えて電力を要求する能動型ボックスと比較して、動作時の融通性が高いおかげで相対的な市場占有率を獲得している。
【0003】
しかしながら、受動型ボックスを温度が制御される出荷のために多数回使用することは問題であり、その理由は、これらボックスの作動(trip)後の品質を外観のみから高い信頼性で決定することができないからである。高品質の輸送ボックスの最も敏感な部品は、真空絶縁パネルいわゆるVIPであり、VIPは、通常数個の絶縁層の1つとして使用されている。そのような真空絶縁パネルは真空下にあって小さいが、多くの場合目に見えない損傷が絶縁性能の大幅な損失につながることがある。
【0004】
従って、たとえ受動型ボックスの性能がより多くの作動にまだ十分であっても、これらの受動型ボックスは、ただ1回使用した後に廃棄することが多い。現在の業務には、その問題に対処する2つの方法がある。ある会社は、条件の正確な知識がないので故障の危険に講じることなく、既に受動型ボックスを複数回使用している。他の会社は、金属素材が真空絶縁パネルに統合された受動型ボックスを使用するが、何が激しい労働であり、時間を消費するかの性能を手動で検査する必要がある。
【0005】
これを考慮すると、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を評価するためにより信頼性が高く、高速であり、あまり高価でないシステムを提供するさらなる必要性が存在することが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上を考慮して、本発明の目的は、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を、より高い信頼性で、高速で、しかもあまり高価でない態様で評価するためのシステムを提供することである。
【0007】
これらの目的及び他の目的は、以下の説明を読むことによって明白になり、独立請求項の主題によって解決される。従属請求項は、発明の好ましい実施形態について言及する。
【0008】
発明によれば、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を評価するためのシステムが提供され、システムは、物品を輸送及び/又は貯蔵するための少なくとも1つの熱的に絶縁された輸送ユニットを備え、熱的に絶縁された輸送ユニットは、熱的に絶縁された輸送ユニット内の温度の実際の温度データを提供するように構成された少なくとも1つの温度検知手段を備え、システムは、さらに少なくとも実際の温度データと熱的に絶縁された輸送ユニットの熱モデルに基づき計算された温度データとの比較に基づいて、絶縁特性を評価するための少なくとも1つの評価手段を備える。
【0009】
言いかえれば、本発明は、測定された実際の温度を、使用された輸送ユニットの温度モデルに基づいて計算され/予期される温度と比較することによって、特定の輸送ユニットの絶縁特性を評価することを提案する。温度モデルは、好ましくは温度値及び/又は温度値の範囲を提供し、それらの範囲は、特定の輸送ユニットのため、例えば特定の輸送ユニットの特定の輸送ルートのためにも予期されている。この比較により実際の温度が計算された温度から著しくそれることが示される場合、輸送ユニットは、その絶縁が損傷してもはやさらに使用するには適さないと、又はそうでなければ、輸送ユニットはさらなる輸送のために再使用可能であると、仮定することができる。従って、輸送ユニットの品質は、理論的な温度曲線(将来)と、出荷中における実際の温度曲線の測定値(現状)との比較によって査定することができる。ボックスの品質は、現状と将来との間の差分に基づいて評価することができ、絶縁された輸送ユニットをそれが再使用される前に検査することはもはや必要とされず、即ちそれによって検査努力を回避し、又は少なくとも最小に軽減することができる。さらに、輸送ユニットの査定された品質に基づいて、例えば輸送ルート、輸送持続時間、さらなる輸送の間に予期される条件(温度、湿度など)のようなさらなる輸送の輸送条件を考慮して、輸送ユニットは、とにかく再使用可能であることを決定し得るのみならず、どの特定の輸送のために輸送ユニットが再使用可能であるかを決定し得る。最後に、輸送ユニットの査定された品質に基づいて、絶縁された輸送ユニットの耐久性及び貯蔵寿命を評価すること及び/又は絶縁された輸送ユニットの特定種類を分類することができる。
【0010】
熱的に絶縁された輸送ユニットは、物品を輸送するのに適するあらゆるボックス、パッケージ、カートンなどにすることができる。この文脈において、本発明は、特定の熱的に絶縁された輸送ユニット、例えばいかなる能動型(active)又は受動型(passive)の熱的に絶縁された輸送ユニットにも限定されないことに注目されたい。しかしながら、熱的に絶縁された輸送ユニットは、出荷容器ではなく、ボックス、パッケージ、カートンなどにすることが好ましい。温度検知手段は、輸送ボックス内の温度を測定するように構成されたあらゆる手段によって提供することができる。さらに、温度の比較は、連続的に又は所定の時点で規則的又はランダムの何れでも行うことができる。
【0011】
好ましくは、熱的に絶縁された輸送ユニットは、さらに実際の温度データを格納するためのメモリ手段を備える。これにより、輸送中で輸送の終わりに測定された温度を評価すること又は輸送中の温度は所定の温度範囲内にあったことが証明可能である。ここでは特にいわゆる温度測定機が使用され、温度測定機は、一方では実際の温度を測定し、同時にこれらの値をメモリユニット内に格納するように構成されている。
【0012】
さらに、熱的に絶縁された輸送ユニットは、別個のコンピューターユニットとの通信を形成する少なくとも1つの通信手段を備え、評価手段は、別個のコンピューターユニット内に配置されるように構成されていることが好ましい。別個のコンピューターユニットは、好ましくは可動式コンピューターデバイス、例えばスマートフォン、タブレット、ノート型コンピューター、ダッシュボードなどである。この場合、通信手段は、短距離通信用に構成されたBluetooth、NFC又はWLANインタフェースとして提供することができる。しかしながら、別個のコンピューターを遠方に配置することも可能であり、その場合には、可動式無線インタフェースのような、適切な長距離通信用インタフェースが使用できる。これに代えて又は加えて、さらに熱的に絶縁された輸送ユニットはコンピューターユニットを備えることもでき、この場合、評価手段は、熱的に絶縁された輸送ユニットのコンピューターユニット内に配置することが好ましい。さらに、通信手段により、輸送ユニットの絶縁特性の実時間監視を提供することができる。
【0013】
好ましくは、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁部は、少なくとも1つの真空絶縁パネル(VIP)を備え、熱的に絶縁された輸送ユニットは、好ましくはさらに絶縁用及び冷却用の要素又は層を備え、熱的に絶縁された輸送ユニットは、好ましくはさらにさらなる冷却能力として相変化材料(PCM)を備える。VIPは様々な材料から作ることができ、材料は、コアの材料及びフォイル(又はフィルム)の材料に区別される。コアの材料は、ポリウレタン(PU)又はEPSのような材料にすることができる。高機能の絶縁材料は、例えばドイツ、ルードウィッヒスハーフェン、バスフSEから、SLENTITEとして市場で入手可能である。フォイルは、単層フォイル又は多層フォイル(同じ又は異なる材料)にすることができる。例えば、フォイルは、金属化された重合体のフォイルにすることができ、又は金属化されていない重合体のフォイルにすることができる。通気性又は水蒸気拡散率のような特性には差異がある。コア材料とフォイル材料とはあらゆる組み合わせにすることができる。とりわけ、本発明は、絶縁された輸送ユニットの絶縁材料/層に関して限定されない。VIPの使用に加えて又は代えて、プラスチック、カード紙又は紙、金属、合成材料、発泡ポリプロピレン(EPP)、発泡ポリスチレン(EPS)などの様々な他の材料又はそれらの組み合わせを使用することができる。
【0014】
熱的に絶縁された輸送ユニットが能動型冷却要素を備えないこと、即ち熱的に絶縁された輸送ユニットはいわゆる受動型輸送ユニット/ボックスにすることが好ましい。特に、受動型輸送ボックスでは、それらを一度の使用の後に処分することが一般的である。本発明により、いまやこれらの受動型ボックスを多数回使用できるかどうかが決定可能になり、その結果、本発明を受動型ボックスのために使用するのに伴い、相当な廃棄物回避及び費用便益を達成することができる。ある会社は、真空絶縁パネルに統合された金属素材を備える受動型ボックスを使用し、それによりパネルの品質検査が可能になる。手による取り扱いであるので、この手続きは、労働的に激しくしかも時間を消費する。従って、もう1つの利益は、手による取り扱いを必要としない動作で生成されたデータ比較(現状対将来)に基づいて品質を査定することである。特に、熱的に絶縁された輸送ユニットは、能動的な冷却を提供する冷却回路、能動的に制御された熱交換器要素、圧縮機、膨脹弁などを備えないことが好ましい。その結果、熱的に絶縁された輸送ユニットはまた、熱的に絶縁された輸送ユニット内の温度を制御する及び/又は規制するための手段を備えないことが好ましい。
【0015】
好ましくは、熱的に絶縁された輸送ユニットは、さらに位置決定ユニット、好ましくは全地球測位システム(GPS)、又は低出力広域ネットワーク(LPWAN)内の信号に基づき位置決定アルゴリズムを使用することを備え、位置決定ユニットは、温度データを好ましくは位置情報データに基づいて割り当てるように構成されている。それによって、輸送ユニットの絶縁特性の実時間監視はさらに向上することができ、その理由は、温度データ及び位置情報は、通信手段を介して、例えば中央のコンピューターデバイス、クラウドコンピューターなどに送信できるからである。
【0016】
さらに好ましいのは、熱的に絶縁された輸送ユニットはさらなる検知手段を備え、検知手段は、熱的に絶縁された輸送ユニットの外側の実際の温度データ、熱的に絶縁された輸送ユニットがさらされる湿度データ、絶縁された輸送ユニットがさらされる加速の加速データ及び/又は太陽放射の持続時間及び強度に関する太陽データを提供するように構成されていることである。この文脈において、そのようなデータはまた、計算された温度値の精度が向上し得るように温度モデルに組み入れることが好ましい。
【0017】
好ましくは、評価手段は評価アルゴリズムを実行するように構成され、評価アルゴリズムは、好ましくは計算流体力学(CFD)方法及び/又は半経験的相関及び/又は熱伝達の計算を介して、機械学習アルゴリズム及び/又はオンラインシミュレーションの結果に基づいており、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を決定するために、相変化材料、技術者規則(例えばVDI Warmeatlas)及び熱伝導のような材料特性を考慮する。
【0018】
輸送ユニットの温度モデルに基づいて評価アルゴリズムを提供するために、本発明が限定されない以下のステップ、即ち
- 輸送ユニットの幾何学的寸法に関するデータを、例えばCADファイルを使用することによって提供するステップと、
- 熱伝導関数、絶縁特性、熱容量関数、バッテリーデータ(相転移エンタルピー)又は空気データのような材料データを、計算プログラムのソースコードの数適合関数又は多項式を介して、温度/圧力の関数として記述するステップと、
- エネルギー方程式、パルス方程式、連続方程式などの解くべき方程式を起動して連結する/組み合わせるステップと、
- 風速又は太陽光発電入力を位置依存的に印加して、環境及びボックス自体内の温度のための境界条件を定義するステップと、
- 計算流体力学のための値計算法の規則に従って数の収束及び安定性を計算し及び観察するステップと、を講じることができる。
【0019】
ボックスの個々の構成部品とそれらの環境との間の熱伝達は、熱伝導方程式を使用して計算されている。このために、材料の密度、熱伝導係数lambdaX及び熱容量CpXが必要である。空気の場合、粘性及びプラントル数も必要である。計算流体力学(CFD)シミュレーションによって、完全な幾何学形状及び環境が、三次元及び時間で詳細に計算することができる。この目的のために、流れ方程式及び熱の伝導方程式並びにエネルギー方程式も解かれる。空気用の流れ方程式は、ナビエ-ストークス方程式(インパルス方程式)及び連続方程式を表し、それらの方程式は、専門家の既知の解決法によって解決する必要がある。加えて、冷却能力、例えば冷却/低温パックとしての相変化材料(PCM)の現在状況は、チャージ(charge)の温度及び状態に関して既知である必要がある。チャージの状態は、相変化材料を固体から液体までもたらすために追加すべき熱(相転移におけるエンタルピー)を記述する。あるいは、相変化材料が既に液体である場合、相変化材料の熱容量がどうであるかを、ひいては加熱を熱伝導方程式及びエネルギー方程式によって計算することができる。
【0020】
縮小して単純化されたモデルにおいて、空間性はもはやマッピング不要にすることができる。相変化材料、内側絶縁、外側の外気、物品の内部、物品それ自体のために複数地点、以下の構成部品当たり少なくとも1つの地点が仮定され、それらの仮定事項は、校正すべき代用の熱伝達、代用の熱容量、対応するエンタルピーを有する可能な相転移及び代用の密度を含む。
【0021】
最初の温度に起因して、シミュレーションは、構成部品(又は地点)間の熱伝達で始まる。空気中の熱伝達は、上述した計算流体力学シミュレーション又は代用のモデル(空気量当たり少なくとも1つの地点)によって計算される。新しい温度(エネルギー方程式)は、計算された熱の流れに起因する。相変化材料、例えば冷却パックの熱損失はチャージの状態によって考慮される。相変化材料の温度は、チャージの状態に応じて熱流れとともに変化することになる。こうして時間にわたって統合することにより、物品の温度の全体時間コース、及びボックスの個々の構成部品の全体時間コースを決定することができる。
【0022】
評価アルゴリズムが機械学習アルゴリズムの結果に基づく場合、機械学習アルゴリズムは、決定木、単純なトライブベイ分類、最も近い隣りの機械学習アルゴリズム、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、生成的な敵対するネットワーク、サポートベクトルマシン、線形回帰、ロジスティックスな退行、ランダムなフォレスト及び/又は勾配上昇アルゴリズムを備えることが好ましい。好ましくは、機械学習アルゴリズムは、高次元を有する入力をはるかに低次元の出力へ処理するために組織化されている。そのような機械学習アルゴリズムは、それが「訓練することができる」ので、「自動制御ことができる」と呼ばれる。アルゴリズムは、訓練データの記録を使用して訓練することができる。訓練データの記録は、訓練入力データ及び対応する訓練出力データを備える。訓練データの記録の訓練出力データは、訓練データの同じ記録の訓練入力データを入力と仮定した場合、機械学習アルゴリズムによって生成すべきと予想される結果である。この予期された結果とアルゴリズムによって生成された実際の結果との間の偏差は、「損失関数」によって観察され及び見積もられる。この損失関数は、機械学習アルゴリズムの内部処理チェーンのパラメーターを調整するためにフィードバックとして使用される。例えば、パラメーターは、損失関数の値を最小化する最適化ゴールで調整することができ、その結果は、全ての訓練入力データが機械学習アルゴリズム及び成果に提供されるとき、対応する訓練出力データと比較される。この訓練の結果は、訓練データの比較的少数の記録を「地上検証測定データ」と仮定すれば、機械学習アルゴリズムが、より高い入力データの多くの記録について多くの桁分だけそのジョブをうまく実行できるということである。
【0023】
好ましくは、評価手段は、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を示す評価メッセージを出すように構成されており、メッセージは、以下のメッセージ、即ち熱的に絶縁された輸送ユニットのさらなる使用に関する推薦を提供する推薦メッセージ、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁容量の重大な損失を示す警告メッセージ、熱的に絶縁された輸送ユニットが保守技術員によって検査される必要があることを示す検査メッセージ及び/又は故障が生じるまでの予期時間を好ましくは分で表す寿命末期メッセージの少なくとも1つである。この点で、システムは、評価手段のメッセージを出力するディスプレイ及び/又は音声出力手段を備えることがさらに好ましい。ディスプレイ及び/又は音声出力手段は、可動式コンピューター、中央コンピューター、タブレット型コンピューター、スマートフォン、ダッシュボード、拡声器、ライトなどによって提供することができる。
【0024】
本発明は、さらに上述したようなシステムにおける評価手段の使用に言及し、評価システムは、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を評価し、好ましくは以下のメッセージ、即ち熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を示す評価メッセージ、熱的に絶縁された輸送ユニットのさらなる使用に関する推薦を提供する推薦メッセージ、熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁容量の重大な損失を示す警告メッセージ、熱的に絶縁された輸送ユニットが保守技術員によって検査される必要があることを示す検査メッセージ及び/又は故障が生じるまでの予期時間ひいてはボックスがまだ使用できる時間を好ましくは分で示すサスペンション(suspension)メッセージを、出すように構成されている。
【0025】
本発明はまた、少なくとも1つの温度検知手段を備えて物品を輸送及び貯蔵するために熱的に絶縁された輸送ユニットの使用に関し、温度検知手段は、上述したシステムにおいて熱的に絶縁された輸送ユニット内の実際の温度データを提供するように構成されている。この点で、熱的に絶縁された輸送ユニットは、医療製品及び医薬品製品のような温度敏感物品を輸送するように構成されていることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明はまた、上述したシステムにおいて熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性を評価するために、熱的に絶縁された輸送ユニットの熱モデルに基づき計算された温度データの使用にも関する。
【0027】
最後に、本発明はまた、上述したシステムにおいて熱的に絶縁された輸送ユニットの絶縁特性に関する情報を提供する方法にも関し、方法は、
- 熱的に絶縁された輸送ユニットの実際の温度データ(現状)を得るステップと、
- 熱的に絶縁された輸送ユニットの熱モデルに基づき計算された温度データ(将来)を提供するステップと、
- 実際の温度データと計算された温度データとを比較するステップと、
- 実際の温度データと計算された温度データとの比較に基づいて情報を提供するステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下において、発明は、添付図を参照して例示的に説明される。
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるシステムの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の好ましい実施形態による、熱的に絶縁された輸送体10の絶縁特性を評価するためのシステムの概要図である。
【0030】
システム10は、物品を輸送及び/又は貯蔵するために熱的に絶縁された輸送ユニット20を備える。発明の好ましい実施形態において、熱的に絶縁された輸送ユニット/ボックス20は、外側材料と、絶縁層と、冷却能力としての相変化材料(PCM)とを備えるいわゆる受動型ボックスである。そのような熱的に絶縁された輸送ユニット20は、ボックス、パッケージ、カートンなどによって設けることができる。そのような熱的に絶縁された輸送ユニット20の高さは、好ましくは100mmと1200mmとの間、より好ましくは200mmと1000mmとの間、最も好ましくは500mmと800mmとの間である。そのような熱的に絶縁された輸送ユニット20の長さ及び/又は幅は、好ましくは100mmと1200mmとの間、より好ましくは200mmと1000mmとの間、最も好ましくは500mmと800mmとの間である。
【0031】
熱的に絶縁された輸送ユニット20を別にすれば、より大きな寸法も可能である。熱的に絶縁された輸送ユニット20は、コンテナ(単位荷重装置)にすることができる。例えば、航空貨物用のコンテナの体積は、特に1m3から50m3、好ましくは1m3から30m3、より好ましくは1m3から20m3、最も好ましくは1m3から15m3の範囲にある。
【0032】
さらに、熱的に絶縁された輸送ユニット20は、例えば、臨床試験補給用の冷却コンテナに使用される。
【0033】
例えば、そのようなコンテナの態様である熱的に絶縁された輸送ユニット20の高さ、長さ及び/又は幅は、50cmから500cm、好ましくは60cmから400cm、より好ましくは70cmから300cm、最も好ましくは80cmから200cmの範囲にある。しかしながら、本開示はこれらの好ましい寸法に限定されず、即ちこれらの寸法からずれることができる。
【0034】
熱的に絶縁された輸送ユニット20は、熱的に絶縁された輸送ユニット20内の実際の温度データを取り込むためにいわゆる温度測定機30の形態とされた、少なくとも1つの温度センサー30を備える。好ましい実施形態において、温度測定機30はまた、実際の温度データを格納するためのメモリ手段も含む。
【0035】
システム10、ここでは熱的に絶縁された輸送ユニット20はさらにコンピューターユニット40を含み、コンピューターユニット40は、温度測定機30によって提供される実際の温度データと、熱的に絶縁された輸送ユニット20の熱モデルに基づき計算された温度データとの比較によって、熱的に絶縁された輸送ユニット20の絶縁特性を評価するための少なくとも1つの評価手段のホストとして働き、この点で、コンピューターユニット40は、それぞれの評価アルゴリズムを実行するように構成されている。その結果、輸送ユニット20の品質は、理論的な/計算された温度曲線(将来)と出荷中における実際の温度曲線の測定値(現状)との比較によって査定することができる。輸送ユニット20の品質は、現状の曲線と将来の曲線との間の偏差に基づいて評価することができる。さらに、好ましい実施形態において、評価手段はまた、輸送ユニット20の絶縁特性を示す評価メッセージを出すように構成され、メッセージは、以下のメッセージの少なくとも1つ、即ち輸送ユニット20のさらなる使用に関する推薦を提供する推薦メッセージ、輸送ユニット20の絶縁容量の重大な損失を示す警告メッセージ、輸送ユニット20が保守技術員によって検査される必要があることを示す検査メッセージ及び/又は輸送ユニット20は、故障が生じる前にまだどれくらい使用できるかの時間を分で示すサスペンションメッセージである。これらのメッセージは、好ましくはコンピューターユニット40のディスプレイ上に出力され、ここで輸送ユニット20に拡声器、ライトなどのようなさらなる出力手段を設けることができる。
【0036】
熱的に絶縁された輸送ユニット20の温度モデルに基づいて評価アルゴリズムを提供するために、以下のステップ、即ち
- 輸送ユニット20の幾何学的な寸法に関するデータを、例えばCADファイルを使用することによって提供するステップと、
- 熱伝導関数、材料定数、絶縁特性、熱容量関数、バッテリーデータ(相転移エンタルピー)又は空気データのような材料データを、数適合関数又は多項式を介して、温度/圧力の関数として計算プログラムのソースコードに書き込むステップと、
- エネルギー方程式、パルス方程式、連続方程式などの解くべき方程式を起動して連結する/組み合わせるステップと、
- 風速又はソーラーパワー入力を位置依存的に印加して、環境及び輸送ユニット20における温度のための境界条件を定義するステップと、
- 計算流体力学用数値の規則に従って数の収束及び安定を計算し及び観察するステップと、を講じることができる。
【0037】
輸送ユニット20の個々の構成部品とそれらの環境との間の熱伝達は、熱伝導方程式を使用して計算される。このために、材料の密度、熱伝導係数lambdaX及び熱容量CpXが必要である。空気の場合、粘性及びプラントル数も必要である。計算流体力学(CFD)シミュレーションによって、完全な幾何学形状及び環境を三次元及び時間で詳細に計算することができる。この目的のために、流れ方程式及び熱伝導方程式並びにエネルギー方程式も解かれる。空気用の流れ方程式は、ナビエ-ストークス方程式(インパルス方程式)及び連続方程式を表わし、それらは、専門家の既知の解決法で解決する必要がある。加えて、冷却能力、例えば冷却/冷凍パックとしての相変化材料(PCM)の現在の状況は、チャージの温度及び状態に関して既知である必要がある。チャージの状態は、相変化材料を固体から液体にもたらすために追加すべき熱(相転移におけるエンタルピー)を記述する。或いは、相変化材料が既に液体である場合、相変化材料の熱容量はどのようであるかひいては加熱を、熱伝導及びエネルギー方程式によって計算することができる。最初の温度に起因して、シミュレーションは、構成部品(又は地点)間の熱伝達につれて始まる。空気中の熱伝達は、上述した計算流体力学シミュレーション又は代用のモデル(空気量当たり少なくとも1つの地点)よって計算される。新しい温度(エネルギー方程式)は、計算された熱の流れに起因する。相変化材料、例えば冷却パックの熱損失は、チャージの状態によって考慮に入れる。相変化材料の温度は、チャージの状態に応じて熱流れにつれて変化することになる。時間にわたる統合により、こうして物品の温度の全体時間コース及び輸送ユニット20の個々の構成部品の全体時間コースを決定することができる。
【0038】
示された好ましい実施形態において、輸送ボックス20はさらにさらなる装置とデータ通信を形成するために通信インタフェース50を備え、通信インタフェース50は、例えばBluetooth、WLAN、可動式通信インタフェースのような短距離用又は長距離用の通信インタフェースを備え、それによって出された評価メッセージ及び/又は温度データもまた、例えば可動式コンピューターデバイスのようなスマートフォン、タブレット、ノート型コンピューター、ダッシュボードなど別個のコンピューターユニットに転送することができる。
【0039】
本発明は、好ましい実施形態並びに実施例と併せて説明された。しかしながら、当業者であれば、他の変形例を理解及び達成可能であり、図面、この明細書及び特許請求の範囲を検討して、特許請求の範囲に記載された発明を実行することができる。
【0040】
特に本発明は、評価手段の特定の場所に限定されず、例えば、評価手段は、断熱ユニット20又は他のいかなる場所でも設けることができる。後者の場合、それぞれのデータ交換について、それぞれの通信インタフェースのみを設ける必要がある。明細書並びに特許請求の範囲において、「備える」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、また不定冠詞「a」又は「an」は複数を排除しない。単一の要素又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載された数個の実体又は項目の機能を遂行することができる。所定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されたという事実のみでは、これらの方策の組み合わせが有利な実装で使用できないことを示さない。
【符号の説明】
【0041】
10 熱的に絶縁された輸送体の絶縁特性を評価するのためのシステム
20 熱的に絶縁された輸送ユニット
30 温度センサー/温度測定機
40 コンピューターユニット
50 通信インタフェース
【国際調査報告】