IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特表2022-550336基板支持物の温度分布プロファイルに影響を及ぼす調節できる熱遮蔽物および調節できない熱遮蔽物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】基板支持物の温度分布プロファイルに影響を及ぼす調節できる熱遮蔽物および調節できない熱遮蔽物
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20221124BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221124BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519114
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 US2020052387
(87)【国際公開番号】W WO2021061907
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】62/907,082
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/951,395
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サウラブ・アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】リーサー・カール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】チェン・シンイー
(72)【発明者】
【氏名】シン・ムケシュ・ダミ
(72)【発明者】
【氏名】ゴム・トロイ
(72)【発明者】
【氏名】トマス・ティモシー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー・カーティス・ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD04
5F004BD05
5F004CA04
5F004CB12
5F045AA08
5F045AD10
5F045AD11
5F045AD12
5F045AD13
5F045AD14
5F045BB02
5F045DP03
5F045EF05
5F045EH14
5F045EK07
5F045EK22
5F045EK24
5F045EM02
5F045EM04
5F045EM05
5F045EM09
5F045GB05
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131CA03
5F131EA03
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB87
(57)【要約】
【解決手段】基板支持物のプラテン用熱遮蔽物は、本体および吸収-反射-透過領域を含む。吸収-反射-透過領域は、本体と接触しており、遠位基準表面とプラテンの間で熱流束パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼす、またはその一部分を変調するうちの少なくとも一方を行うように構成される。吸収-反射-透過領域は、熱流束パターンの少なくとも一部分を調整する、調整できる様態を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持物のプラテン用の熱遮蔽物であって、
本体と、
前記本体と接触しており、遠位基準表面と前記プラテンの間で熱流束パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼすように構成され、前記熱流束パターンの前記少なくとも一部分を調整する、調整できる様態を備える複数の吸収-反射-透過領域と
を備える熱遮蔽物。
【請求項2】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域は、前記遠位基準表面と前記プラテンの間で前記熱流束パターンの少なくとも一部分を変調するように構成される熱遮蔽物。
【請求項3】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記本体は、前記複数の吸収-反射-透過領域を含むモジュール構造を有する熱遮蔽物。
【請求項4】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、1つまたは複数の孔を含む熱遮蔽物。
【請求項5】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、(i)1つまたは複数の隆起部または(ii)1つまたは複数のトレンチのうち少なくとも一方を含む熱遮蔽物。
【請求項6】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、(i)多数の異なる厚さまたは(ii)異なる材料を伴う層のうち少なくとも一方を備える熱遮蔽物。
【請求項7】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、重畳層または半径方向に近接する層のうち異なる少なくとも一方として実装される熱遮蔽物。
【請求項8】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記本体は、前記プラテンと、処理チャンバ壁の表面または放射境界条件に影響を及ぼす他の表面である前記遠位基準表面との間のある場所で軸に付着するように構成される熱遮蔽物。
【請求項9】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、前記プラテンまたは基板のうち少なくとも一方の方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性を制御するように調整できる熱遮蔽物。
【請求項10】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域は、前記本体上の異なる方位角または半径方向の場所に配置される熱遮蔽物。
【請求項11】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、前記複数の吸収-反射-透過領域の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの形状、サイズ、材料、輪郭、またはパターンを有する熱遮蔽物。
【請求項12】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過領域は、前記熱流束パターンを調整するために調節、移動、交換、または置換のうち少なくとも1つが可能である複数のセグメントとして実装される熱遮蔽物。
【請求項13】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、フレームを備え、
前記複数の吸収-反射-透過領域は、複数の吸収-反射-透過セグメントとして実装され、
前記フレームは、
前記基板支持物の軸を受け入れるように構成された中央開口部と、
指定された場所で前記複数の吸収-反射-透過セグメントにより少なくとも部分的に覆われるように構成された複数の窓と
を備え、
前記本体は、前記フレームとして実装され、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記複数の窓の中に配置される、または前記複数の窓の全面にわたり配置されるうちの少なくとも一方であり、前記フレームにより保持されるように構成される熱遮蔽物。
【請求項14】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記フレームは、ハードウェア構成要素と係合する複数のタブを備える熱遮蔽物。
【請求項15】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の窓は、前記指定された場所で前記複数の吸収-反射-透過セグメントと接触または係合するように構成された対応する縁部を備える熱遮蔽物。
【請求項16】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の窓は、前記指定された場所で前記複数の吸収-反射-透過セグメントを保持するように構成された対応する棚状突起を備え、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記複数の窓の中に、かつ前記棚状突起上に配置されるように構成される熱遮蔽物。
【請求項17】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、反射セグメントであり、前記プラテンから受け取る熱エネルギーを反射して前記プラテンに戻す熱遮蔽物。
【請求項18】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、吸収セグメントであり、前記プラテンにより放出される前記熱エネルギーを吸収する熱遮蔽物。
【請求項19】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、透過セグメントであり、前記プラテンから放出される前記熱エネルギーの一部分が前記吸収-反射-透過セグメントの前記1つまたは複数を通して前記遠位基準表面まで通過できるようにする熱遮蔽物。
【請求項20】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、前記吸収-反射-透過セグメントの前記1つまたは複数が前記プラテンの全面にわたり方位角温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる熱遮蔽物。
【請求項21】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、前記吸収-反射-透過セグメントの前記1つまたは複数が前記プラテンの全面にわたり半径方向温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる熱遮蔽物。
【請求項22】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記フレームは、リング形状または多角形状である熱遮蔽物。
【請求項23】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントの各々は、モジュール式であり、前記複数の窓の内部で多数の場所に配置できる熱遮蔽物。
【請求項24】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントのうち少なくとも2つのサイズは異なる熱遮蔽物。
【請求項25】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは楔形状である熱遮蔽物。
【請求項26】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは円形状である熱遮蔽物。
【請求項27】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記フレームは、第1の部分および第2の部分を備え、
前記第1の部分は、前記複数の窓を含み、
前記第2の部分は、複数の溝および複数の隆起部を含み、
前記複数の溝は、前記プラテンにより放出される前記熱エネルギーを反射して前記プラテンに戻す熱遮蔽物。
【請求項28】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントのうち少なくとも1つは、少なくとも部分的に透過である熱遮蔽物。
【請求項29】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントのうち少なくとも1つは、複数の層を備える熱遮蔽物。
【請求項30】
請求項29に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の層は、1対の層および中間層を備え、
前記1対の層の各々は、サファイアを備え、
前記中間層は、前記1対の層の間に配置され、
前記中間層は、セラミック、耐火材料、または金属のうち少なくとも1つを備える熱遮蔽物。
【請求項31】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、楔止め側面を含み、
前記フレームは、前記複数の吸収-反射-透過セグメントの前記楔止め側面と係合するための楔止めタブを含む熱遮蔽物。
【請求項32】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記フレームの前記中央開口部は、熱障壁の少なくとも第1の部分を受け入れるように構成され、
前記フレームは、前記熱障壁の第2の部分上に配列されるように構成される熱遮蔽物。
【請求項33】
請求項13に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の窓の各々は、前記複数の吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数用の、所定の数の指定された場所を有する熱遮蔽物。
【請求項34】
熱遮蔽物組立体であって、
請求項13に記載の熱遮蔽物と、
第1の熱障壁と
を備える熱遮蔽物組立体。
【請求項35】
請求項34に記載の熱遮蔽物組立体であって、第2の熱障壁をさらに備え、
前記熱遮蔽物は、前記第1の熱障壁上に配列され、前記第1の熱障壁と係合するように構成され、
前記第1の熱障壁は、前記第2の熱障壁上に配置され、前記第2の熱障壁と係合するように構成される熱遮蔽物組立体。
【請求項36】
基板支持物であって、
請求項34に記載の熱遮蔽物と、
前記第1の熱障壁と、
前記中央軸と、
前記プラテンと
を備え、
前記第1の熱障壁は、前記中央軸に接続され、
前記熱遮蔽物は、前記第1の熱障壁上に配置された第1の熱遮蔽物である基板支持物。
【請求項37】
請求項36に記載の基板支持物であって、
前記中央軸に接続され前記第2の熱障壁と、
前記第2の熱障壁上に配置された第2の熱遮蔽物と
をさらに備える基板支持物。
【請求項38】
請求項36に記載の基板支持物であって、
前記熱遮蔽物の半径方向最内縁部は、前記中央軸と接触していない基板支持物。
【請求項39】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、フレームを備え、
前記複数の吸収-反射-透過領域は、複数の吸収-反射-透過セグメントとして実装され、
前記フレームは、
第1の熱障壁の少なくとも一部分を受け入れるように構成された、中央軸用の中央開口部と、
指定された場所で前記複数の吸収-反射-透過セグメントを保持するように構成された複数の窓と
を備え、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記複数の窓の中に配置される、または前記複数の窓の全面にわたり配置されるうちの少なくとも一方であるように構成され、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントおよび前記フレームは、処理チャンバ壁の一部分を前記プラテンから熱的に分離する熱遮蔽物。
【請求項40】
請求項39に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、前記吸収-反射-透過セグメントが前記プラテンの全面にわたり方位角温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる熱遮蔽物。
【請求項41】
請求項39に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、前記吸収-反射-透過セグメントが前記プラテンの全面にわたり半径方向温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる熱遮蔽物。
【請求項42】
請求項39に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過セグメントは、第1の吸収-反射-透過セグメントおよび第2の吸収-反射-透過セグメントを含み、
前記第2の吸収-反射-透過セグメントのサイズは、前記第1の吸収-反射-透過セグメントのサイズと異なる熱遮蔽物。
【請求項43】
請求項39に記載の熱遮蔽物であって、
前記第1の熱障壁は、六角形状である熱遮蔽物。
【請求項44】
熱遮蔽物組立体であって、
請求項39に記載の熱遮蔽物と、
前記第1の熱障壁と
を備える熱遮蔽物組立体。
【請求項45】
請求項44に記載の熱遮蔽物組立体であって、前記中央軸に接続されるように構成された第2の熱障壁をさらに備え、
前記第1の熱障壁は、前記第2の熱障壁上に配置されるように構成される熱遮蔽物組立体。
【請求項46】
請求項45に記載の熱遮蔽物組立体であって、
前記中央開口部は六角形状であり、
前記第1の熱障壁の少なくとも一部分は、六角形状であり、前記中央開口部と係合し、
前記第2の熱障壁は12の側面を含み、
前記第2の熱障壁の前記12の側面のうち6つは、第前記1の熱障壁の6つの側面と係合するように構成される熱遮蔽物組立体。
【請求項47】
請求項1に記載の熱遮蔽物であって、複数のスロットを備える側壁を備える保持締め具を備え、
前記本体は、基板処理チャンバの中央軸に接続されるように構成され、
前記複数のスロットの各々は、前記複数の吸収-反射-透過セグメントの中の1つの対応する部分を受け入れるように構成され、
前記複数の吸収-反射-透過領域は、前記複数の吸収-反射-透過セグメントとして実装され、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、片持ち支持され、その結果、前記複数の吸収-反射-透過セグメントの下方に位置する前記側壁の第1の部分および前記複数の吸収-反射-透過セグメントの上方に位置する前記側壁の第2の部分により支持される熱遮蔽物。
【請求項48】
請求項47に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数のスロットおよび前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記吸収-反射-透過セグメントの各々が前記複数のスロットの任意の1つにより保持できるように構成される熱遮蔽物。
【請求項49】
請求項47に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、楔形状である熱遮蔽物。
【請求項50】
請求項47に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記保持締め具との間で前記複数の吸収-反射-透過セグメントを据え付ける、および除去するための点検口を含む熱遮蔽物。
【請求項51】
請求項47に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記中央軸の周囲360°の前記熱流束パターンに影響を及ぼすように、前記保持締め具の周囲に配列される熱遮蔽物。
【請求項52】
請求項47に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントの各々は、前記複数の吸収-反射-透過セグメントの近接する対から垂直に片寄っている熱遮蔽物。
【請求項53】
請求項47に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過セグメントは、前記保持締め具の周囲で垂直位置に交互に並び、その結果、前記複数の吸収-反射-透過セグメントの一つ置きは、第1の垂直位置にあり、その他の前記吸収-反射-透過セグメントは、第2の垂直位置にあり、
前記第2の垂直位置は、前記第1の垂直位置よりも高い熱遮蔽物。
【請求項54】
基板処理システムの基板支持物のプラテン用の熱遮蔽物であって、本体を備え、
前記本体は、
第1の熱障壁の少なくとも一部分を受け入れるように構成された、中央軸用の中央開口部と、
前記プラテンにより放出される熱エネルギーを反射して前記プラテンに戻す第1の溝、および第1の隆起部を備える第1の部分と、
前記プラテンから受け取る熱エネルギーを処理チャンバ壁に伝送する第2の溝、および第2の隆起部を備える第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された重なり合う部分と
を備え、
前記本体は、前記処理チャンバ壁の一部分を前記プラテンから熱的に遮蔽するように構成される熱遮蔽物。
【請求項55】
請求項54に記載の熱遮蔽物であって、
前記重なり合う部分は、溝を含まない熱遮蔽物。
【請求項56】
基板支持物のプラテン用の熱遮蔽物であって、
本体と、
前記本体と接触しており、または前記本体の一部として配置される、遠位基準表面と前記プラテンの間で熱流束パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼすように構成された複数の吸収-反射-透過部分であって、前記複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、前記複数の吸収-反射-透過部分の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの熱流束改変特性を備える複数の吸収-反射-透過部分と
を備える熱遮蔽物。
【請求項57】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過部分は、前記遠位基準表面と前記プラテンの間で前記熱流束パターンの少なくとも一部分を変調するように構成される熱遮蔽物。
【請求項58】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過部分は、別個の一部分、層、または重畳層のうち少なくとも1つである熱遮蔽物。
【請求項59】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記吸収-反射-透過部分は、互いに対して半径方向または方位角に配置された少なくとも1つである熱遮蔽物。
【請求項60】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過部分は、前記本体上の異なる方位角または半径方向の場所に配置される熱遮蔽物。
【請求項61】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、前
記複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、(i)1つまたは複数の孔または(ii)1つまたは複数のポケットのうち少なくとも一方を含む熱遮蔽物。
【請求項62】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、(i)1つまたは複数の隆起部または(ii)1つまたは複数のトレンチのうち少なくとも一方を含む熱遮蔽物。
【請求項63】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、多数の厚さまたは異なる材料のうち少なくとも一方を備える熱遮蔽物。
【請求項64】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、重畳層または半径方向に近接する層のうち異なる少なくとも一方として実装される熱遮蔽物。
【請求項65】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記本体は、前記プラテンと、処理チャンバ壁の表面である前記遠位基準表面との間のある場所で軸に付着するように構成される熱遮蔽物。
【請求項66】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過部分は、前記プラテンの方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性を最小にするように設定される熱遮蔽物。
【請求項67】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、
前記複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、前記複数の吸収-反射-透過部分の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの形状、サイズ、材料、輪郭、またはパターンを有する熱遮蔽物。
【請求項68】
請求項56に記載の熱遮蔽物であって、前記本体を備える保持締め具をさらに備え、
前記複数の吸収-反射-透過部分は、前記本体の側壁から半径方向外側に伸展するセグメントとして実装される熱遮蔽物。
【請求項69】
基板支持物のプラテン用熱遮蔽物を製造する方法であって、
第1の熱遮蔽物を設計して、前記第1の熱遮蔽物の設定パラメータを含む、第1の基板の1つまたは複数の臨界寸法を提供して、前記第1の熱遮蔽物の使用中に所定の熱流束パターン改変特性を提供することと、
前記パラメータに従って前記第1の熱遮蔽物を製作することと、
前記第1の熱遮蔽物を使用している間、堆積またはエッチングの動作を遂行して、第1の基板の上に層を堆積させる、または前記第1の基板の層をエッチングすることと、
度量衡動作を遂行して、前記1つまたは複数の臨界寸法を測定することと、
前記度量衡動作を遂行した結果として発生したデータを分析することと、
前記1つまたは複数の臨界寸法に関する第1の所定の基準を満たすように前記第1の熱遮蔽物を再設計すべきかどうかを判断することと
を備える方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法であって、前記第1の熱遮蔽物を再設計することを決定したことに応答して、
前記パラメータを調節して、前記所定の熱流束パターン改変特性を提供することと、
調節された前記パラメータに従って第2の熱遮蔽物を製作することと、
前記第2の熱遮蔽物を使用している間、堆積またはエッチングの動作を遂行して、第2の基板の上に層を堆積させる、または前記第2の基板の層をエッチングすることと、
度量衡動作を遂行して、前記1つまたは複数の臨界寸法を測定することと、
前記度量衡動作を遂行した結果として発生したデータを分析することと、
前記1つまたは複数の臨界寸法に関する前記第1の所定の基準を満たすように前記第2の熱遮蔽物を再設計すべきかどうかを判断することと
をさらに備える方法。
【請求項71】
請求項69に記載の方法であって、
前記第1の熱遮蔽物を再構成して、前記パラメータの1つまたは複数を微調整して、前記1つまたは複数の基準寸法を設定または改善することと、
前記第1の熱遮蔽物を使用している間、堆積またはエッチングの動作を遂行して、前記第2の基板の上に層を堆積させる、または前記第2の基板の層をエッチングすることと、
度量衡動作を遂行して、前記1つまたは複数の臨界寸法を測定することと、
前記度量衡動作を遂行した結果として発生したデータを分析することと、
前記1つまたは複数の臨界寸法に関する前記第1の所定の基準を満たすように前記第1の熱遮蔽物を再設計すべきかどうかを判断することと
をさらに備える方法。
【請求項72】
請求項71に記載の方法であって、前記熱遮蔽物の前記1つまたは複数のパラメータを微調整することは、含むべき吸収-反射-透過セグメントの数を決定すること、前記熱遮蔽物の本体上で前記吸収-反射-透過セグメントの場所を決定すること、または前記吸収-反射-透過セグメントのタイプを決定することのうち少なくとも1つを含む方法。
【請求項73】
請求項71に記載の方法であって、前記微調整された1つまたは複数のパラメータに基づき一体構造の熱遮蔽物を製作することをさらに備える方法。
【請求項74】
請求項69に記載の方法であって、前記パラメータに基づき一体構造の熱遮蔽物を製作することをさらに備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月27日に提出された米国仮特許出願第62/907,082号明細書および2019年12月20日に提出された米国仮特許出願第62/951,395号明細書の利益を主張する。上記で参照する出願の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は、基板処理システムの熱遮蔽物に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供する背景の記述は、本開示の関連を一般に提示するためのものである。この背景技術の節で記述する範囲でここに名前を挙げる発明者の著作物だけではなく、提出時点で他の点では従来技術とみなされなくてよい記述の様態も、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術と認められない。
【0004】
基板処理システムを使用して、半導体ウエハなどの基板を処置してよい。基板処置の例はエッチング、堆積などを含む。処理中、基板は、静電チャック(electrostatic chuck、ESC)または真空チャックなどの基板支持物上に配列され、1つまたは複数の処理ガスは、処理チャンバの中に導入されてよい。
【0005】
1つまたは複数の処理ガスは、ガス配送システムにより処理チャンバに配送されてよい。いくつかのシステムでは、ガス配送システムは、処理チャンバ内に位置するシャワーヘッドに接続された多岐管を含む。例として、プラズマ化学蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition、PECVD)処理中に基板は、基板処理システム内のESCまたは真空チャック上に配列されてよく、薄膜は、基板上に堆積させられる。反応ガスからプラズマを生成し、無線周波数(radio frequency、RF)の交流(alternating current、AC)または直流(direct current、DC)を放電した後に行われる化学反応が処理に関与する。
【発明の概要】
【0006】
基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、本体および吸収-反射-透過領域を含む。吸収-反射-透過領域は、本体と接触しており、遠位基準表面とプラテンの間で熱流束パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼすように構成される。吸収-反射-透過領域は、熱流束パターンの少なくとも一部分を調整する、調整できる様態を含む。
【0007】
他の特徴では、吸収-反射-透過領域は、遠位基準表面とプラテンの間で熱流束パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼすように構成される。他の特徴では、本体は、吸収-反射-透過領域を含むモジュール構造を有する。他の特徴では、吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、1つまたは複数の孔を含む。他の特徴では、吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、(i)1つまたは複数の隆起部または(ii)1つまたは複数のトレンチのうち少なくとも一方を含む。
【0008】
他の特徴では、吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、(i)多数の異なる厚さまたは(ii)異なる材料を伴う層のうち少なくとも一方を含む。他の特徴では、吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、重畳層または半径方向近接層のうち異なる少なくとも一方として実装される。他の特徴では、吸収-反射-透過領域は、熱流束パターンを調整するために調節、移動、交換、または置換のうち少なくとも1つが可能であるセグメントとして実装される。
【0009】
他の特徴では、本体はプラテンと、処理チャンバ壁の表面、または放射境界条件に影響を及ぼす他の表面である遠位基準表面との間のある場所で軸に付着するように構成される。他の特徴では、吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、プラテンまたは基板のうち少なくとも一方の方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性を制御するように調整できる。
【0010】
他の特徴では、本体はプラテンと、処理チャンバ壁の表面である遠位基準表面との間のある場所で軸に付着するように構成される。他の特徴では、吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、プラテンの方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性を制御するように調整できる。
【0011】
他の特徴では、吸収-反射-透過領域は、本体上の異なる方位角または半径方向の場所に配置される。吸収-反射-透過領域の1つまたは複数は、吸収-反射-透過領域の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの形状、サイズ、材料、輪郭、またはパターンを有する。
【0012】
他の特徴では、基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、本体および吸収-反射-透過部分を含む。吸収-反射-透過部分は、本体と接触しており、または本体の一部として配置され、遠位基準表面とプラテンの間で熱流束パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼすように構成される。吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、吸収-反射-透過部分の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの熱流束改変特性を含む。
【0013】
他の特徴では、吸収-反射-透過部分は、別個の一部分、層、または重畳層のうち少なくとも1つである。他の特徴では、吸収-反射-透過部分は、互いに対して半径方向または方位角の少なくとも一方で配置される。他の特徴では、吸収-反射-透過部分は、本体上の異なる方位角または半径方向の場所にある。
【0014】
他の特徴では、吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、1つまたは複数の孔を含む。他の特徴では、吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、(i)1つまたは複数の隆起部または(ii)1つまたは複数のトレンチのうち少なくとも一方を含む。
【0015】
他の特徴では、吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、多数の厚さまたは異なる材料のうち少なくとも一方を含む。他の特徴では、吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、重畳層または半径方向近接層のうち異なる少なくとも一方として実装される。
【0016】
他の特徴では、本体はプラテンと、処理チャンバ壁の表面である遠位基準表面との間のある場所で軸に付着するように構成される。他の特徴では、吸収-反射-透過部分は、プラテンの方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性を最小にするように設定される。
【0017】
他の特徴では、吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、吸収-反射-透過部分の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの形状、サイズ、材料、輪郭、またはパターンを有する。他の特徴では、熱遮蔽物は、本体を含む保持締め具をさらに含む。吸収-反射-透過部分は、本体の側壁から半径方向外側に伸展するセグメントとして実装される。
【0018】
他の特徴では、基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、本体および吸収-反射-透過領域を含む。吸収-反射-透過領域は、本体と接触しており、遠位基準表面とプラテンの間で放射熱流束伝達パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼす、またはその一部分を変調するうちの少なくとも一方を行うように構成される。吸収-反射-透過領域は、放射熱流束伝達パターンの少なくとも一部分を調整する、調整できる様態を含む。他の特徴では、基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、本体および吸収-反射-透過部分を含む。吸収-反射-透過部分は、本体と接触しており、または本体の一部として配置され、遠位基準表面とプラテンの間で放射熱流束伝達パターンの少なくとも一部分に影響を及ぼす、またはその一部分を変調するうちの少なくとも一方を行うように構成される。吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、複数の吸収-反射-透過部分の別の1つまたは複数と異なる少なくとも1つの放射熱流束伝達特性を含む。
【0019】
基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、吸収-反射-透過セグメントおよびフレームを含む。フレームは、基板支持物の中央軸を受け入れるように構成された中央開口部、半径方向内側に突出して中央軸のスロットと係合するタブ、および指定された場所で吸収-反射-透過セグメントにより少なくとも部分的に覆われるように構成された窓を含む。吸収-反射-透過セグメントは、窓の中に配置される、または窓の全面にわたり配置されるうちの少なくとも一方であり、かつフレームにより保持されるように構成される。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントおよびフレームは、処理チャンバ壁の一部分をプラテンから熱的に遮蔽する。
【0020】
他の特徴では、熱遮蔽物はフレームを含む。吸収-反射-透過領域は、吸収-反射-透過セグメントとして実装される。フレームは、基板支持物の軸を受け入れるように構成された中央開口部、および指定された場所で吸収-反射-透過セグメントにより少なくとも部分的に覆われるように構成された窓を含む。本体は、フレームとして実装される。吸収-反射-透過セグメントは、窓の中に配置される、または窓の全面にわたり配置されるうちの少なくとも一方であり、かつフレームにより保持されるように構成される。他の特徴では、フレームは、リング形状または多角形状である。他の特徴では、フレームは、ハードウェア構成要素と係合するタブを含む。
【0021】
他の特徴では、窓は、対応する縁部を含む。縁部は、指定された場所で吸収-反射-透過セグメントと接触または係合するように構成される。
【0022】
他の特徴では、窓は、対応する棚状突起を含む。棚状突起は、指定された場所で吸収-反射-透過セグメントを保持するように構成される。吸収-反射-透過セグメントは、窓の中に、かつ棚状突起上に配置されるように構成される。
【0023】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、反射セグメントであり、プラテンから受け取る熱エネルギーを反射してプラテンに戻す。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、吸収セグメントであり、プラテンにより放出される熱エネルギーを吸収する。
【0024】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、透過セグメントであり、プラテンから放出される熱エネルギーの一部分が吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数を通して遠位基準表面まで通過できるようにする。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、自身がプラテン全面にわたり方位角温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、自身がプラテン全面にわたり半径方向温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる。他の特徴では、フレームはリング形状である。
【0025】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの各々はモジュール式であり、窓の内部で多数の場所に配置できる。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントのうち少なくとも2つのサイズは異なる。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは楔形状である。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは円形状である。
【0026】
他の特徴では、フレームは、第1の部分および第2の部分を含む。第1の部分は窓を含む。第2の部分は、溝および隆起部を含む。溝は、プラテンにより放出される熱エネルギーを反射してプラテンに戻す。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントのうち少なくとも1つは、少なくとも部分的に透過である。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントのうち少なくとも1つは、層を含む。
【0027】
他の特徴では、層は、1対の層および中間層を含む。1対の層の各々は、サファイアを含む。中間層は、1対の層の間に配置される。中間層は、セラミックを含む。
【0028】
他の特徴では、層は、1対の層および中間層を含む。1対の層の各々は、サファイアを含む。中間層は、1対の層の間に配置される。中間層は、セラミック、耐火材料、または金属のうち少なくとも1つを含む。
【0029】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは、楔止め側面を含む。フレームは、吸収-反射-透過セグメントの楔止め側面と係合するための楔止めタブを含む。他の特徴では、フレームの中央開口部は、熱障壁の少なくとも第1の部分を受け入れるように構成される。フレームは、熱障壁の第2の部分上に配列されるように構成される。他の特徴では、窓の各々は、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数用の、所定の数の指定された場所を有する。
【0030】
他の特徴では、熱遮蔽物組立体が提供され、熱遮蔽物および第1の熱障壁を含む。他の特徴では、熱遮蔽物組立体は、第2の熱障壁を含む。熱遮蔽物は、第1の熱障壁上に配置され、かつ第1の熱障壁と係合するように構成される。第1の熱障壁は、第2の熱障壁上に配置され、かつ第2の熱障壁と係合するように構成される。
【0031】
他の特徴では、基板支持物が提供され、熱遮蔽物、第1の熱障壁、中央軸、およびプラテンを含む。第1の熱障壁は、中央軸に接続される。熱遮蔽物は、第1の熱障壁上に配置された第1の熱遮蔽物である。
【0032】
他の特徴では、基板支持物は、中央軸に接続された第2の熱障壁、および第2の熱障壁上に配置された第2の熱遮蔽物を含む。他の特徴では、熱遮蔽物の半径方向最内縁部は、中央軸と接触していない。
【0033】
他の特徴では、基板処理システムの基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、吸収-反射-透過セグメントおよびフレームを含む。フレームは、中央軸用中央開口部および多数の窓を含む。中央開口部は、第1の熱障壁の少なくとも一部分を受け入れるように構成される。窓は、指定された場所で吸収-反射-透過セグメントを保持するように構成される。吸収-反射-透過セグメントは、窓の中に配置される、または窓の全面にわたり配置されるうちの少なくとも一方であるように構成される。吸収-反射-透過セグメントおよびフレームは、処理チャンバ壁の一部分をプラテンから熱的に分離する。
【0034】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、吸収-反射-透過セグメントがプラテンの全面にわたり方位角温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの1つまたは複数は、吸収-反射-透過セグメントがプラテンの全面にわたり半径方向温度非一様性に及ぼす影響を変えるように形作られる。
【0035】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは、第1の吸収-反射-透過セグメントおよび第2の吸収-反射-透過セグメントを含む。第2の吸収-反射-透過セグメントのサイズは、第1の吸収-反射-透過セグメントのサイズと異なる。他の特徴では、第1の熱障壁は、六角形状である。
【0036】
他の特徴では、熱遮蔽物組立体が提供され、熱遮蔽物および第1の熱障壁を含む。他の特徴では、熱遮蔽物組立体は、中央軸に接続されるように構成された第2の熱障壁を含む。第1の熱障壁は、第2の熱障壁上に配置されるように構成される。
【0037】
他の特徴では、中央開口部は、六角形状である。第1の熱障壁の少なくとも一部分は、六角形状であり、中央開口部と係合する。第2の熱障壁は、12の側面を含む。第2の熱障壁の12の側面のうち6つは、第1の熱障壁の6つの側面と係合するように構成される。
【0038】
他の特徴では、基板処理システムの基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、本体を含む。本体は、中央開口部が第1の熱障壁の少なくとも一部分を受け入れるように構成された中央軸用中央開口部と、第1の溝および第1の隆起部を含む第1の部分であって、第1の溝が、プラテンにより放出される熱エネルギーを反射してプラテンに戻す第1の部分と、第2の溝および第2の隆起部を含む第2の部分であって、第2の溝が、プラテンから受け取った熱エネルギーを処理チャンバ壁に伝達する第2の部分と、第1の部分と第2の部分の間に配置された重なり合う部分とを含む。他の特徴では、本体は、処理チャンバ壁の一部分をプラテンから熱的に遮蔽するように構成される。他の特徴では、重なり合う部分は、溝を含まない。
【0039】
他の特徴では、基板支持物のプラテン用熱遮蔽物が提供される。熱遮蔽物は、吸収-反射-透過セグメントおよび保持締め具を含む。保持締め具は、基板処理チャンバの中央軸に接続されるように構成された本体、およびスロットを伴う側壁を含む。スロットの各々は、吸収-反射-透過セグメントの中の1つの対応する部分を受け入れるように構成される。吸収-反射-透過セグメントは、片持ち支持され、その結果、吸収-反射-透過セグメントの下方に位置する側壁の第1の部分、および吸収-反射-透過セグメントの上方に位置する側壁の第2の部分により支持される。
【0040】
他の特徴では、スロットおよび吸収-反射-透過セグメントが構成され、その結果、吸収-反射-透過セグメントの各々は、スロットの任意の1つの中に保持できる。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは楔形状である。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは、保持締め具との間で吸収-反射-透過セグメントを据え付ける、および除去するための点検口を含む。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは、中央軸の周囲360°の熱流束パターンに影響を及ぼすように、保持締め具の周囲に配列される。
【0041】
他の特徴では、複数の吸収-反射-透過部分の1つまたは複数は、(i)1つまたは複数の孔または(ii)1つまたは複数のポケットのうち少なくとも一方を含む。
【0042】
他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントの各々は、近接する1対の吸収-反射-透過セグメントから垂直に片寄っている。他の特徴では、吸収-反射-透過セグメントは、保持締め具の周囲で垂直位置に交互に並び、その結果、吸収-反射-透過セグメントの一つ置きは、第1の垂直位置にあり、その他の吸収-反射-透過セグメントは、第2の垂直位置にあり、第2の垂直位置は、第1の垂直位置よりも高い。
【0043】
他の特徴では、基板支持物のプラテン用熱遮蔽物を製造する方法が提供される。方法は、第1の熱遮蔽物のパラメータを設定して第1の熱遮蔽物の使用中に所定の熱流束パターン改変特性を提供することを含む、第1の基板の1つまたは複数の臨界寸法を提供する第1の熱遮蔽物を指定することと、パラメータに従って第1の熱遮蔽物を製作することと、第1の熱遮蔽物を使用している間、堆積またはエッチングの動作を遂行して第1の基板上に層を堆積させる、または第1の基板の層をエッチングすることと、度量衡動作を遂行して1つまたは複数の臨界寸法を測定することと、度量衡動作を遂行した結果として発生したデータを分析することと、1つまたは複数の臨界寸法に関する第1の所定の基準を満たすように第1の熱遮蔽物を再設計すべきかどうかを判断することとを含む。
【0044】
他の特徴では、方法は、第1の熱遮蔽物を再設計することを決定したことに応答して、パラメータを調節して所定の熱流束パターン改変特性を提供することと、調節されたパラメータに従って第2の熱遮蔽物を製作することと、第2の熱遮蔽物を使用している間、堆積またはエッチングの動作を遂行して第2の基板上に層を堆積させる、または第2の基板の層をエッチングすることと、度量衡動作を遂行して1つまたは複数の臨界寸法を測定することと、度量衡動作を遂行した結果として発生したデータを分析することと、1つまたは複数の臨界寸法に関する第1の所定の基準を満たすように第2の熱遮蔽物を再設計すべきかどうかを判断することとをさらに含む。
【0045】
他の特徴では、方法は、第1の熱遮蔽物を再構成して1つまたは複数のパラメータを微調整して1つまたは複数の臨界寸法を設定または改善することと、第1の熱遮蔽物を使用している間、堆積またはエッチングの動作を遂行して第2の基板上に層を堆積させる、または第2の基板の層をエッチングすることと、度量衡動作を遂行して1つまたは複数の臨界寸法を測定することと、度量衡動作を遂行した結果として発生したデータを分析することと、1つまたは複数の臨界寸法に関する第1の所定の基準を満たすように第1の熱遮蔽物を再設計すべきかどうかを判断することとをさらに含む。
【0046】
他の特徴では、熱遮蔽物の1つまたは複数のパラメータを微調整することは、含むべき吸収-反射-透過セグメントの数を決定すること、熱遮蔽物の本体上で吸収-反射-透過セグメントの場所を決定すること、または吸収-反射-透過セグメントのタイプを決定することのうち少なくとも1つを含む。
【0047】
他の特徴では、方法は、微調整された1つまたは複数のパラメータに基づき一体構造の熱遮蔽物を製作することをさらに含む。他の特徴では、方法は、パラメータに基づき一体構造の熱遮蔽物を製作することをさらに含む。
【0048】
本開示を適用できる領域は、詳細な記述、特許請求の範囲、および図面からさらに明らかになるであろう。詳細な記述および特有の例は、例示だけを目的とすることが意図され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0049】
本開示は、詳細な記述および添付図面からより完全に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、本開示の実施形態による熱遮蔽物を有する処理チャンバを含む基板処理システムの機能構成図である。
【0051】
図2図2は、本開示の実施形態によるプラテンおよび熱遮蔽物を含む基板支持物の横断面図である。
【0052】
図3図3は、本開示の実施形態による熱遮蔽物および対応する楔形状の吸収-反射-透過(absorption-reflection-transmission、ART)セグメントの透視図である。
【0053】
図4図4は、本開示の実施形態による、隆起した反射セグメントを含む別の熱遮蔽物の上面図である。
【0054】
図5図5は、本開示の実施形態による、ARTセグメントなしの固体部分および楔形状熱吸収セグメントを伴う別の部分を有する別の熱遮蔽物を含む処理チャンバの上面横断面図である。
【0055】
図6図6は、本開示の実施形態による、ARTセグメントなしの固体部分および円形ARTセグメントを伴う別の部分を有する別の熱遮蔽物を含む処理チャンバの上面横断面図である。
【0056】
図7図7は、本開示の実施形態による、反射器部分および円形ARTセグメントを含む別の部分を有する別の熱遮蔽物を含む処理チャンバの上面横断面図である。
【0057】
図8図8は、本開示の実施形態による、反射器部分および放射体部分を有する別の熱遮蔽物の上面横断面図である。
【0058】
図9図9は、図8の熱遮蔽物の底面透視図である。
【0059】
図10図10は、図8の熱遮蔽物の一部分の側面透視図である。
【0060】
図11図11は、本開示の実施形態による、同じサイズの楔形状ARTセグメントおよび熱障壁を含む別の熱遮蔽物の上面図である。
【0061】
図12図12は、本開示の実施形態による、異なるサイズの楔形状ARTセグメントおよび熱障壁を含む別の熱遮蔽物の上面図である。
【0062】
図13図13は、図11および図12の熱遮蔽物のフレームおよび熱障壁の上面透視図である。
【0063】
図14図14は、図11および図12の熱遮蔽物の熱障壁の中の第1の熱障壁の上面透視図である。
【0064】
図15図15は、図11および図12の熱遮蔽物の熱障壁の中の第2の熱障壁の上面透視図である。
【0065】
図16図16は、本開示の実施形態による、プレートの形の、窓を有する楔形状セグメントの上面透視図である。
【0066】
図17図17は、本開示の実施形態による、高さが変動する上面を有する楔形状セグメントの上面透視図である。
【0067】
図18図18は、本開示の実施形態による、二重ノッチ付き半径方向内側端部を有する楔形状セグメントの上面透視図である。
【0068】
図19図19は、本開示の実施形態による、厚い中空本体を有する楔形状セグメントの上面透視図である。
【0069】
図20図20は、本開示の実施形態による、異なる楔形状セグメントの透視図である。
【0070】
図21図21は、図17の楔形状セグメントのいくつかを含む別の熱遮蔽物の透視図である。
【0071】
図22図22は、ARTセグメント用楔止めタブを含む熱遮蔽物のフレームの透視図である。
【0072】
図23図23は、本開示の実施形態による、処理チャンバ、および片寄って片持ち支持されたARTセグメントを伴うセグメント化された熱遮蔽物、およびフレームの代わりの保持締め具の上面透視図である。
【0073】
図24図24は、本開示の実施形態による、プラテンおよび積層熱遮蔽物を含む基板支持物の側面図である。
【0074】
図25図25は、本開示の実施形態による、多数の層を含むARTセグメントの側面図である。
【0075】
図26図26は、本開示の別の実施形態による、調整できない熱遮蔽物の側面透視図である。
【0076】
図27図27は、本開示の別の実施形態による、調整できる熱遮蔽物を製造するための方法を例示する流れ図である。
【0077】
図28図28は、本開示の別の実施形態による、調整できる熱遮蔽物を調整するための方法を例示する流れ図である。
【0078】
図29図29は、本開示の別の実施形態による、調整できない熱遮蔽物を製造する方法を例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図面では、類似要素および/または同一要素を識別するために参照番号を再利用することがある。
【0080】
PECVD処理中、基板支持物のプラテン(台座またはサセプタと呼ばれることがある)は、1つまたは複数の内部加熱要素を介して加熱される。基板支持物の温度は1000℃のオーダーになる可能性がある。基板支持物と処理チャンバ壁の間に大きな温度差が存在する。例として、チャンバ壁は75℃以下になることがある。その結果、基板支持物からチャンバ壁、および/または基板支持物よりも冷たい温度の、処理チャンバ内部の他の構成要素へ大量の熱(またはエネルギー)損失が存在する。
【0081】
PECVD処理のために、温度に、および絶えず監視および/または評価される基板(ウエハ)の対応する性能パラメータに影響されやすい膜の性質が多くある。ある種の用途ではウエハ内部の、およびウエハ間の、性能パラメータの一様性に、厳しい要件が提起される可能性がある。たとえば、プラテンの温度は、処理チャンバ壁温度、プラテン内の1つまたは複数の加熱要素によるプラテンの加熱量、および処理チャンバ内部で遂行されている基板処理に応じて変わる可能性がある。プラテンの全面にわたる温度分布プロファイルは、プラテンの材料の性質、プラテンにより取り込まれ吸収される熱量、および処理チャンバ壁を含む環境に失われる熱に基づく。
【0082】
基板支持物のプラテン内の加熱要素への電力を制御することにより、プラテンの温度分布プロファイルに対して有限量の制御が提供される。プラテンから周囲の構成要素および環境に失われる熱を制御することにより、この温度分布の温度変調は、よりよく制御可能である。温度変調は、プラテンからの熱の放出、および放出された熱がプラテンに戻る反射を指し、これによりプラテンの全面にわたり温度がもたらされる。
【0083】
本明細書で示す例は、プラテンと処理チャンバ壁の間に配置された、調整できる熱遮蔽物および調整できない熱遮蔽物を含む。熱遮蔽物は、「リング形状」であってよく、選択されたプラテン温度分布プロファイルを提供するように調整できてよい、および/または事前設定されてよい、異なる熱流束パターン改変特性を伴う多数の吸収-反射-透過(ART)領域、ARTセグメント、および/またはART部分を含んでよい。ART領域、ARTセグメント、およびART部分は、プラテンと、プラズマチャンバ壁の表面などの遠位基準表面との間の熱流束パターンを変える。
【0084】
本明細書で使用するとき、「ART領域」、「ARTセグメント」、および「ART部分」という用語は、対応する熱量の吸収、反射、および透過の特性を有する熱遮蔽物の領域、セグメント、または部分を指す。調整できる熱遮蔽物および調整できない熱遮蔽物のART領域およびART部分は、セグメント、別個のセクション、別個ではないセクション、半径方向に配置されたセクション、方位角に配置されたセクション、層、重畳層、重なり合う層などを指すことがある。熱遮蔽物の調整できる様態を使用してプラテンの温度を調節し、その結果、処理されている基板の温度に影響を及ぼすプラテンの屈折率を調整してよい。熱遮蔽物は、処理チャンバ内の構成要素および/または処理チャンバの壁への熱損失を含む、処理チャンバの環境への熱損失を制御するために事前設定される、および/または調整できるパラメータを提供する。調整できる熱遮蔽物のいくつかのARTセグメントは、さまざまな異なる温度分布プロファイルおよび対応する熱損失の程度に関してカスタマイズできるセグメント化モジュール設計を提供する。ART領域、ARTセグメント、およびART部分は、方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性を制御するように事前設定される、および/または調整できる。
【0085】
開示する例は、基板プラテンの全面にわたり方位角および半径方向に温度一様性を改善すること、温度分布プロファイルを調節する際の熱補正量に対する制御を増大させること、ハードウェア微調整を提供してハードウェアの熱の不正確さを補償すること、処理微調整を提供して処理の熱の不正確さを補償すること、潜在的汚染物質を覆い、熱くなって粒子を発生させる可能性がある金属部分を熱的に遮蔽することにより、処理中に発生する粒子の量を低減すること、ならびに基板支持物の費用を増大させることなく基板支持物の性能を改善することを手助けする。開示する例はまた、プラテンの加熱要素の熱応答を改善する手助けをして、その結果、生産性を改善する。失われる熱を低減することにより、同じレベルの加熱を提供するためにそれほど多くのエネルギーを必要としないので、加熱要素のデューティサイクルは、低減されてよい。熱損失を低減することによりさらにまた、より低レベルの加熱として等級づけされる、より費用のかからないハードウェアを使用できるようになる。
【0086】
図1は、熱遮蔽物102を有する処理チャンバ101を含む基板処理システム100を示す。熱遮蔽物102は、調整できても調整できなくてもよく、本明細書で開示する熱遮蔽物のいずれかと同じであるように、またはそれに類似するように構成されてよい。単一熱遮蔽物を示すが、図21に示すように2つ以上の熱遮蔽物が含まれてよい。図1は、容量結合プラズマ(capacitive coupled plasma、CCP)システムを示すが、本明細書で開示する実施形態は、他のプラズマ処理システムに適用できる。実施形態は、プラズマ化学蒸着(PECVD)処理に適用できる。
【0087】
基板処理システム100は、処理チャンバ101内に配置されたプラテン106を含む、静電チャックまたは真空チャックなどの基板支持物104を含む。基板支持物104および本明細書で開示する他の基板支持物は、台座またはサセプタと呼ばれることがある。処理チャンバ101は、熱遮蔽物102に対向する少なくとも1つの遠位基準表面(たとえば、遠位基準正面103)を有する。上部電極108などの他の構成要素は、処理チャンバ101内に配置されてよい。動作中、基板109は、基板支持物104のプラテン106上に配列され、そこに静電気的に、または真空で締め付けられ、RFプラズマは、処理チャンバ101内部で発生する。
【0088】
単なる例として、上部電極108は、ガスを導入および分配するシャワーヘッド110を含んでよい。シャワーヘッド110は、処理チャンバ101の上面に接続された一方の端部を含む茎状部分111を含んでよい。シャワーヘッド110は、概して円筒状であり、処理チャンバ101の上面から間隔を置いて配置された場所で茎状部分111の対向する端部から半径方向外側に伸展する。基板に対向する表面またはシャワーヘッド110は、処理ガスまたはパージガスが流れる孔を含む。あるいは、上部電極108は、導電性プレートを含んでよく、ガスは、別の手法で導入されてよい。プラテン106は、下部電極として作動してよい。
【0089】
プラテン106は、電源112から電力を受信してよい温度制御要素(temperature control element、TCE)を含んでよい。RF発生システム120は、RF電圧を発生させて上部電極108に出力する。RF発生システム120は、RF電圧を発生させて基板支持物104に出力してよい。上部電極108および基板支持104の一方は、直流接地されてよく、交流接地されてよい、または浮遊電位にあってよい。単なる例として、RF発生システム120は、1つまたは複数の整合ネットワーク127により上部電極108に供給されるRF電圧を発生させる1つまたは複数のRF発生器123(たとえば、容量結合プラズマRF電力発生器および/または他のRF電力発生器)を含んでよい。RF発生器123は、たとえば6キロワット(kW)~10キロワット以上の電力を作り出す大電力RF発生器であってよい。
【0090】
ガス配送システム130は、1つまたは複数のガス供給源132-1、132-2、…、および132-N(集合的にガス供給源132)を含み、ここでNは、1以上の整数である。ガス供給源132は、1つまたは複数の前駆物質、および1つまたは複数の前駆物質のガス混合物を供給する。ガス供給源132はまた、エッチングガス、キャリアガス、および/またはパージガスを供給してよい。気化した前駆物質もまた使用してよい。ガス供給源132は、弁134-1、134-2、…、および134-N(集合的に弁134)ならびに質量流コントローラ136-1、136-2、…、および136-N(集合的に質量流コントローラ136)により多岐管140に接続される。多岐管140の出力は、処理チャンバ101に供給される。単なる例として、多岐管140の出力は、シャワーヘッド110に供給される。
【0091】
基板処理システム100は、電源112を介してTCEに接続されてよい温度コントローラ142を含む加熱システム141をさらに含む。システムコントローラ160と別個に示すが、温度コントローラ142は、システムコントローラ160の一部として実装されてよい。プラテン106は、多数の温度制御ゾーン(たとえば、各々が4つの温度センサを含む4つのゾーン)を含んでよい。
【0092】
温度コントローラ142は、TCEの動作を、その結果TCEの温度を制御してプラテン106および基板(たとえば、基板109)の温度を制御してよい。温度コントローラ142および/またはシステムコントローラ160は、処理チャンバ205内部でセンサ143から得られる検出したパラメータに基づきTCEに供給される電流を制御してよい。温度センサ243は、抵抗温度素子、熱電対、デジタル温度センサ、および/または他の適切な温度センサを含んでよい。堆積処理中、プラテン106は、所定の温度(たとえば、650℃)まで加熱されてよい。
【0093】
弁156およびポンプ158を使用して、処理チャンバ101から反応物を排出してよい。システムコントローラ160は、供給されるRF電力レベル、供給されるガスの圧力および流量、RF整合などを制御することを含み、基板処理システム100の構成要素を制御してよい。システムコントローラ160は、弁156およびポンプ158の状態を制御する。ロボット170を使用して、基板支持物104の上に基板を配送し、基板支持物104から基板を除去してよい。たとえば、ロボット170は、基板支持物104とロードロック172の間で基板を移送してよい。ロボット170は、システムコントローラ160により制御されてよい。システムコントローラ160は、ロードロック172の動作を制御してよい。
【0094】
電源112は、高圧を含む電力を基板支持物104内の電極に提供して、プラテン106に基板109を静電気的に締め付けてよい。電源112は、システムコントローラ160により制御されてよい。弁、ポンプ、電源、RF発生器などは、アクチュエータと呼ばれることがある。TCEは、温度調節要素と呼ばれることがある。
【0095】
図2は、中央軸202およびプラテン204を含む基板支持物200を示す。熱遮蔽物206は調整でき、軸202で支持される。熱遮蔽物206は、本明細書で開示するその他の熱遮蔽物のいずれかと置換されてよい。中央軸202は、処理チャンバ壁208から上方に伸展してプラテン204内の1つまたは複数の加熱要素(1つの加熱要素207を示す)に電力を供給できるようにするために、中空であってよい。基板210は、プラテン204上に配置される。熱遮蔽物206は、リング形状であり、半径方向内側開口部216およびフレーム218を有し、フレーム218上に配置されたARTセグメント220を含んでよい。ARTセグメント220の例を図3図5図11、および図15図19に示す。他のARTセグメントおよび表面を図6図10図20、および図21に示す。
【0096】
熱遮蔽物206は、プラテン204とプラテン204の近くにある次の対象物との間の温度勾配を低減する。たとえば、熱遮蔽物206がない場合、プラテン204の温度が650℃であり、かつ処理チャンバ壁の温度が75℃であるとき、プラテン204と処理チャンバ208の間の温度勾配は、575℃であってよい。熱遮蔽物206があり定常状態である場合、プラテン204の温度が650℃であり、かつ熱遮蔽物の温度が500℃~640℃であるとき、温度勾配は、10℃~150℃(または別の例として10℃~20℃)に低減されることがある。したがって、プラテン204の冷たいゾーンと熱遮蔽物の間の第1の差、ならびにプラテン204の熱いゾーンと遮蔽物の間の第2の差は最小になってよく、第1の差と第2の差の間の差は最小になってよい、および/または重要ではなくなってよい。
【0097】
ARTセグメント220は、モジュール式であってよく、かつ置換できてよい。ARTセグメント220は、フレーム218上に設定され、重力によりフレーム218上で支持される。ARTセグメントだけではなく本明細書で開示する他のARTセグメントも、異なる形状、サイズ、角度をなす表面、材料、高さ、幅、長さ、輪郭、パターンなどを有してよい。ARTセグメントだけではなく本明細書で開示する他のARTセグメントも、それぞれ多数の層を有してよい。層は、異なる材料から形成されてよく、互いの最上部の上に重畳されてもされなくてもよい、および/または互いに部分的に重なり合っても重なり合わなくてもよい。ARTセグメント220の各々は、それぞれの吸収レベル、反射レベル、および透過レベルを有する。これらの特性および/またはパラメータは、プラテンおよび所与の用途に関する温度分布プロファイルおよび/または反射率プロファイルに基づき設定される。
【0098】
基板支持物200は、1つまたは複数の熱障壁をさらに含んでよい(1つの熱障壁230を示す)。熱遮蔽物206および熱障壁230は、集合的に熱遮蔽物組立体と呼ばれることがある。熱障壁230は、軸202に付着してよく、熱遮蔽物206を支持してよい。熱遮蔽物206は、熱障壁230に載ってよい。フレーム218およびARTセグメント220を含む熱遮蔽物206の重量および厚さは、最小であり均衡が取れてよく、その結果、熱遮蔽物206は、熱障壁230上で均衡が取れ、(i)熱遮蔽物206と処理チャンバ壁208の間の距離は同じままであり、熱遮蔽物206とプラテン204の間の距離は同じままである。均衡が取れたとき、熱遮蔽物206の上面240は、プラテン204の底面242に平行であってよい。同様に、熱遮蔽物206の底面244は、処理チャンバ壁208の上(または遠位基準)面246に平行であってよい。ある実施形態では、熱遮蔽物206の重量および厚さは最小になる。
【0099】
熱遮蔽物206は、プラテン204と遠位基準表面246の間のある場所で軸に付着するが、代わりにまたはさらにまた、プラテン204と1つまたは複数の他の表面の間に配置されてよく、それにより放射境界条件は、さらにまた影響を受ける。任意の2つの本体間での放射を介した熱エネルギー交換は、本体と、2つの本体間の形態係数(view factor)の両方の温度、放射率、吸収、反射、および透過に依存する。これらのパラメータのいずれかの変化は、熱エネルギー交換の変化を生じさせる。これらのパラメータは、グループ化されて放射境界条件と呼ばれることがある。
【0100】
プラテン204の熱いゾーンの下で熱遮蔽物206の赤外線透過が増大することにより、プラテン204からの熱損失は増大する。プラテン204の冷たいゾーンの下で熱遮蔽物206の方向放射率を改善することにより、熱損失は低減し、したがって、熱遮蔽物206が焦点合わせリングとして作動するように構成される場合、赤外線は、反射されてプラテン204に戻ってよい。ARTセグメント220は、プラテン204により放出される赤外線を反射するように構成されてよい。矢印250は、焦点を合わせた赤外線反射を例示する。矢印252は、プラテン204からの赤外線を例示する。矢印254は、熱遮蔽物206を通る赤外線透過を例示する。
【0101】
熱障壁230は、熱遮蔽物206と処理チャンバ壁208の間の高い温度勾配に起因する、熱遮蔽物206の時期尚早の破損を防止する。大きな温度勾配が存在する場合、熱遮蔽物206内に亀裂が発生する可能性がある。熱障壁230は、熱遮蔽物と次の近接する対象物の間の温度勾配を低減する。熱障壁230は、次の近接する対象物である。この温度勾配低減は、熱遮蔽物206内の亀裂を防止し、それにより、熱遮蔽物206の信頼性は高まる。したがって、熱障壁230および本明細書で開示するその他の熱障壁は、酸化アルミニウム(Al23)、および/または窒化アルミニウム(AIN)、および/または任意の他の適切な耐火材料、および/または適切な金属から形成されてよい。いくつかの実施形態では、熱障壁230および本明細書で開示するその他の熱障壁は、絶縁材料から形成され、断熱材として作動する。
【0102】
ARTセグメント220は、プラテン204の全面にわたる温度分布プロファイルを調節する(または設定する)ように構成されてよい。ARTセグメント220の例を図3図5図11図12、および図16図20に示す。図3は、ARTセグメント用開口部(または窓)304と、中央軸と係合するためのタブ305とを伴うフレーム302を含む熱遮蔽物300を示す。フレーム302は、中央軸と係合するためのタブ305を有するように示されているが、1つまたは複数の他のハードウェア構成要素と係合するためのタブを有してよい。タブは、内側または外側に伸展してよく、図示するようにフレーム302の内部に配置されてよい、またはフレーム302の他の部分に配置されてよい。図示するように、ARTセグメントは、楔形状であり、透過(または排出)セグメント306、固体の最小透過セグメント308、および反射(非透過)セグメント310を含む。ARTセグメントは、開口部304の1つまたは複数を部分的または完全に覆う、異なる幅を有してよい。開口部304の1つまたは複数は、ARTセグメントを含まなくてよい。
【0103】
フレーム302は、任意の数のARTセグメント用開口部を有してよい。基板処理中、開口部304の1つまたは複数は、ARTセグメントを含まなくてよい、またはARTセグメントで部分的にふさがれても、完全にふさがれてもよい。図示する例では、フレーム302は、ARTセグメントを受け入れるように構成された3つの開口部を有し、開口部304の1つは、セグメント306で完全にふさがれ、第2の開口部は、セグメント310で完全にふさがれ、第3の開口部は、セグメント308で部分的にふさがれる。
【0104】
熱遮蔽物300の所与の部位では、プラテンから処理チャンバ壁への熱透過最大量は、プラテンと処理チャンバ壁の間でフレーム上にART遮蔽物がまったく位置しないときに提供される。次に低減された熱透過量は、プラテンと処理チャンバ壁の間でセグメント306の中の1つが配置されたときに提供されてよい。熱吸収最大量は、プラテンと処理チャンバ壁の間でセグメント308の中の1つが配置されたときに提供されてよい。熱エネルギー反射最大量は、プラテンと処理チャンバ壁の間でセグメント310の中の1つが配置されたときに提供されてよい。矢印326は、ARTセグメントがまったくないプラテン、透過セグメント306、固体の最小透過セグメント308、および反射(非透過)セグメント310がプラテンに及ぼす熱の影響量を例示するために示される。例として、透過セグメント306は、サファイアおよび/または他の適切な熱透過材料から形成されてよい。固体の最小透過セグメント308は、セラミック、ジルコニウム、および/または他の適切な最小透過材料および熱吸収材料から形成されてよい。反射(非透過)セグメント310は、酸化アルミニウム(Al23)、窒化アルミニウム(AIN)、および/または他の適切な反射材料から形成されてよい。
【0105】
ARTセグメント306、308、310の各々は、ARTセグメント306、308、310を指でつかむ、または除去するための除去孔(1つの孔を320で指定する)を含んでよい。フレーム302は、リフトピンが通過し、リフトピンを使用して基板をプラテンから離して持ち上げるリフトピン孔322を有してよい。フレーム302はまた、開口部304の各々の中にセグメント306、308、310が置かれる周辺棚状突起330を含む。セグメント306、308、310は、開口部304の中の特定の1つの中に示されているが、開口部304の中の他の開口部に移動されてよい。開口部304の各々は、異なるタイプのセグメント306、308、310を含む異なるタイプのARTセグメントを含んでよい。
【0106】
反射セグメント310は、凹状表面を有する溝352により分離された隆起部350を含む。隆起部350の側面は、溝352に垂直であってよい、または所定のピッチを有するように角度をなして所定の角度で反射熱を向ける、および/またはプラテンの特定のゾーンに熱を集中させてよい。
【0107】
図4は、隆起した反射セグメント408が配置された棚状突起(406で1つを指定する)を伴う開口部404を有するフレーム402を含む別の熱遮蔽物400を示す。隆起した反射セグメント408は、図示するように楔形状であってよい。隆起した反射セグメント408の利用可能な位置を数字1~9により指定する。9つの位置を示すが、隆起した反射セグメント408のサイズおよび開口部のサイズは、任意の数の隆起した反射セグメントを適合させるために異なってよい。
【0108】
図5は、熱遮蔽物502を含む処理チャンバ500を示す。熱遮蔽物502は、ARTセグメントなしの固体(または孔の開いていない)部分504と、熱吸収楔形状セグメント508を伴う別の(または孔の開いた)部分506とを有するフレーム503を含む。熱遮蔽物502は、部分506内に2つの開口部510、512を含む。開口部510は、単一ARTセグメントを含む。開口部512は、4つのARTセグメントを含む。ARTセグメント508は、部分的に透過であるので、リング514は、熱遮蔽物502の最上部側から見ることができる。ある実施形態では、ARTセグメント508は、サファイアから形成される。別の実施形態では、ARTセグメント508は、2つのサファイア層の間にケイ素(Si)層が配置される多数の層を含む。層は、互いに平行に半径方向および方位角に伸展する。サファイア材料は、ケイ素層の縁部を覆って縁部保護を提供してよい。サファイア層は、ケイ素層が処理チャンバ500内部で環境に曝されないように保護し、その結果、ケイ素層の劣化を防止する。1つまたは複数の層がケイ素から形成される多数の層を含むことにより、ARTセグメントは、赤外線に対してより透過になる。多層ARTセグメントの例を図25に示す。
【0109】
熱遮蔽物502は、半径方向内側に突出し、かつ締め具524のスロット522に沿って滑る3つのタブ520を含む。締め具524は、軸526上にある。据え付けられたとき、熱遮蔽物502のタブ520は、スロット522と整列する。次いで熱遮蔽物502は、締め具524の上へ滑る。タブ520は、熱遮蔽物502が回転するのを防止する。
【0110】
図6は、熱遮蔽物602を含む処理チャンバ600を示す。熱遮蔽物602は、ARTセグメントなしの固体(または孔の開いていない)部分604、および円形ARTセグメントを伴う別の(孔の開いた)部分606を含む。1組の異なるタイプのARTセグメントを図示し、そのうちいくつかを608、610で指定する。ARTセグメントは、本明細書で開示する楔形状セグメントに類似してよく、所与の用途のために選択された吸収、反射、および透過の性質に基づき選択される、異なるART材料から形成される。ARTセグメントは、等しいサイズの円形であり、半径方向に伸展する行に配置されるとして示されているが、異なる形状およびサイズを有してよく、異なる配列(またはパターン)で配置されてよい。ARTセグメントは、対応する開口部(または窓)612内に配置され、楔形状セグメントに類似する手法で棚状突起上にあってよい。
【0111】
熱遮蔽物602は、半径方向内側に突出し、かつ締め具624のスロット622に沿って滑る3つのタブ620を含む。締め具624は、軸626上にある。据え付けられたとき、熱遮蔽物602のタブ620は、スロット622と整列する。熱遮蔽物602は、次いで締め具624の上へ滑る。タブ620は、熱遮蔽物602が回転するのを防止する。
【0112】
図7は、反射器部分704と、円形ARTセグメントを含む別の部分706とを有する熱遮蔽物702を含む処理チャンバ700を示す。反射部分704は、本明細書で開示する反射ARTセグメントとして同様に構成されてよく、溝703および隆起部705を含んでよい。溝703および/または反射部分704は、アルミナまたは他の反射材料などの反射材料から形成されてよい。溝703は、基板プラテンの最下部側に対向してよい。
【0113】
1組の異なるタイプのARTセグメントを図示し、そのうちいくつかを708、710で指定する。ARTセグメントは、図6のARTセグメントに類似してよい。ARTセグメントは、反射開口部(または窓)712内に配置され、本明細書で開示する楔形状セグメントに類似する手法で棚状突起上にあってよい。
【0114】
熱遮蔽物702は、半径方向内側に突出し、かつ締め具724のスロット722に沿って滑る3つのタブ720を含む。締め具724は、軸726上にある。据え付けられたとき、熱遮蔽物702のタブ720は、スロット722と整列する。熱遮蔽物702は、次いで締め具724の上へ滑る。タブ720は、熱遮蔽物702が回転するのを防止する。
【0115】
一実施形態では、反射溝と、基板プラテンの底面に向けて上方に向く隆起部とを含む熱遮蔽物702の代わりに、熱遮蔽物702は、透過溝と、処理チャンバ壁に向けて下方に向く隆起部とを含む。別の実施形態では、遮蔽物702は、反射溝および隆起部と、透過溝および隆起部の両方を含む。上下逆さまに示す図9に、透過溝および隆起部の例を示す。
【0116】
図8図10は、熱遮蔽物800が反射器部分(または第1の半分)802および放出体部分(または第2の半分)804を有する本体(またはフレーム)801を含むこと示す。反射器部分802は、第1の側に反射表面および隆起部808を伴う溝806を、反対側に固体の平坦な表面809を含む。放出体部分804は、第1の側に放射凹状表面および隆起部812を伴う溝810を、反対側に固体の平坦な表面814を含む。反射部分802と放出体部分804の間に重複領域816が存在してよい。溝806、810は、隆起部808、812を形成する側壁を有する。側壁820の例を図10に示す。熱遮蔽物800は、半径方向内側に突出し、かつ締め具(たとえば、本明細書で開示する締め具の1つ)のスロットに沿って滑る3つのタブ822を含む。熱遮蔽物800はまた、半径方向縁部830および最外半径方向縁部832を含む。
【0117】
図11は、楔形状ARTセグメント1106用開口部1104を有するフレーム1102を含む別の熱遮蔽物1100を示す。ARTセグメント1106のサイズは等しい。熱遮蔽物1100は、熱障壁1110、1112上に配置される。熱遮蔽物1100は、熱障壁1110上に、熱障壁1110に接触して配置される。熱障壁1110は、熱障壁1112上に、熱障壁1112に接触して配置される。据付中、熱障壁1112は、中央軸(図示せず)に付着してよく、続いて熱障壁1110は、中央軸上で滑り、回転して熱障壁1112でロックがかかる。熱遮蔽物1100は、次いで熱障壁1110上で滑り、回転して熱障壁1110でロックがかかる。熱障壁の例を図14および図15に関してさらに示し、記述する。熱障壁は、本明細書で記述するその他の熱障壁に類似する手法で機能する。
【0118】
熱障壁1112は、六角形状であってよく、熱障壁1110用の6つの接触点(図15に示す)を含む、または任意の他の適した形状であってよい。熱障壁1110は、十二角形状であってよく、12の外部側面1114を含む、または任意の他の適した形状であってよい。熱障壁1110の側面のうち6つは、熱障壁1112の6つの半径方向内部側面1116と接触していてよい。
【0119】
図12は、楔形状ARTセグメント1206用開口部1104を有するフレーム1102を含む別の熱遮蔽物1200を示す。ARTセグメント1206のサイズは異なる。ARTセグメント1206は、開口部1104の各々で異なる数のセグメントを提供する、異なる角度幅を有してよい。異なる角度幅により、調整のレベル、および/または温度制御のきめ細かさを調節できるようになる。図示する例には、2つの異なるサイズのARTセグメントを示す。大きい方のARTセグメントは、ARTセグメントを容易につかむ、除去する、および置くための孔1208またはポケットを有してよい。熱障壁1110上に熱遮蔽物1200を示す。
【0120】
図13は、図11および図12の熱遮蔽物1100、1200のフレーム1102および熱障壁1110、1112を示す。フレーム1102は、ARTセグメント用棚状突起1300を有する開口部1104を含む。棚状突起1300は、窓1104の外縁部の周囲に伸展する。
【0121】
次にさらにまた図14および図15を参照する。図14は、図11および図12の熱遮蔽物1100、1200の熱障壁1110を示す。熱障壁1110は、障壁から熱遮蔽物への接続を提供する。図15は、図11および図12の熱遮蔽物1100、1112の熱障壁1112を示す。熱障壁1110は、軸から障壁への接続を提供する。熱障壁1110は、熱障壁1112が設定される半径方向外側に突出する6つのタブ1400を含む。タブ1400は、側面1114に近接する。熱障壁1110は、軸または軸の締結部材に熱障壁1110を付着させるための6つの付着点1402を含む。
【0122】
熱障壁1112は、熱遮蔽物1100、1200の一方が配置される6つの接触点(または外側に突出するパッド)1500を含む。熱障壁1112は、基部1502、および基部1502から上方に伸展する六角形状リング1504を含む。基部1502およびリング1504は、単一部分として形成されてよい。リング1504は、熱遮蔽物の中央開口部の中に滑り込み、熱遮蔽物が回転するのを防止する。リング1504の側面は、熱遮蔽物の半径方向最内縁部に接触する。
【0123】
六角形状構成の熱遮蔽物1110、1112、および対応する熱遮蔽物フレームは、よりよく熱分離するための堅牢な設計を提供する。また、対応する熱遮蔽物のARTセグメントが、指定された別個の場所を有することにより、性能信頼度は改善される。
【0124】
図16図20は、図2図5および図11図13のフレーム218、302、402、503、1102内で使用されてよい、および/または使用されるようにサイズ設定されてよい、異なる楔形状ARTセグメントを示す。楔形状ARTセグメントは、方位角温度非一様性および半径方向温度非一様性に別様に影響を及ぼす、異なる幾何形状を有する。楔形状ARTセグメントの幾何形状、ならびに対応する孔およびノッチのパターンは、楔形状ARTセグメントが方位角非一様性および/または半径方向非一様性に及ぼす影響を最小にする、および/または変えるように修正および調整されてよい。また、楔形状ARTセグメントが特定の形状および属性(たとえば、孔、ノッチ、ポケット、ピーク、こぶ状部、くぼみなど)を有することを示すが、形状および属性は、修正されてよい、および/または属性の数は、変えられてよい。図16は、プレートの形をとる、同じく楔形状の窓1602を有する楔形状セグメント1600を示す。
【0125】
本明細書で開示するARTセグメントは、ARTセグメントが熱遮蔽物のフレーム上に配置された場所にとどまる手助けをするように楔止めされてよい。たとえば、セグメント1600は、ノッチ1605を伴う楔止め側面1604を含む。セグメント1600の1つの側面が楔止めされているとして示されているが、2つ以上の側面が楔止めされてよい。熱遮蔽物のフレームは、半径方向内側に伸展する楔止めタブを有してよく、ARTセグメントの楔止め側面と連結してよい。フレームの例2200は、図22に示され、ARTセグメントごとに1つ、楔止めタブ2202を含む。楔止めタブは、フレーム2200の窓2204の半径方向最外側面に沿って示されるが、窓2204の他の側面上に位置してよい。
【0126】
図17は、角度をなす側面1704および中央に位置するピーク1706を伴い高さが変わる上面1702を有する楔形状セグメント1700を示す。例として、ピーク1706の場所を半径方向内側または半径方向外側に動かして、楔形状セグメント1700が半径方向温度非一様性に及ぼす影響の変動を調節してよい。別の例として、楔形状セグメント1700の底部に対するピーク1706の高さもまた調節されてよい。楔形状セグメント1700のいくつかを含む熱遮蔽物の例を図21に示す。図18は、二重ノッチ付き半径方向内側端部1802を有する楔形状セグメント1800を示す。端部1802は、2つのノッチ1804を含む。図19は、重量を低減するために中空であってよい本体1902を有する楔形状セグメント1900を示す。図示する例では、本体1902の高さは、本体1902の全面にわたり横方向に一様である。高さが変動するARTセグメントの例を図20に示す。図16図18の例だけではなく、図20の例の中の少なくともいくつかは、方位角温度非一様性に影響を及ぼすことに加えて、半径方向温度非一様性にも影響を及ぼすように実装されてよい。
【0127】
図20は、固体の楔形状セグメント2000、実装されたときにプラテンの近くに位置決めされてよい上面2003を有する厚い楔形状セグメント2002、プラテンに対して一定角度で熱を誘導する、角度をなす上面2005を伴う楔形状セグメント2004、角度をなす上面2007と、対応する熱遮蔽物の半径方向最外縁部を越えて伸展してその上に張り出す拡張部分2009とを伴う楔形状セグメント2006、半径方向最内縁部2013から半径方向最外縁部2015まで半径方向に凸状の上面2011を有する楔形状セグメント2008、半径方向最内縁部2019から半径方向最外縁部2021まで半径方向に凹状の上面2017を有する楔形状セグメント2010、半径方向に同じ厚さを伴う隣接するセグメントとの相互作用を最小にする凹形状上面2023を方位角方向に有する楔形状セグメント2012、方位角方向に凹形状の、方位角方向に角度をなす上面2025を有し、その結果、セグメントの厚さは、半径方向最内縁部で最も厚い楔形状セグメント2014を示す。セグメント2002、2004、2006、2008、2010、2012、および2014は、重量を低減するために中空であってよい。
【0128】
本明細書で開示するARTセグメントは、孔が開いていてよく、その結果、ARTセグメントは、1つまたは複数の孔を含む。孔は、異なるサイズおよび形状を有してよい。単一の孔を有するARTセグメントの例を図16および図17に示す。
【0129】
図21は、窓2104を有するフレーム2102を含む熱遮蔽物2100を示す。窓2104の各々の中に多数のARTセグメント2106が配置される。ARTセグメントは、図17のARTセグメント1700に類似し、異なるサイズを有する。ARTセグメント2106の中には開口部2108を含むものがあれば、含まないものもある。
【0130】
図23は、処理チャンバ2300、ならびに片寄って片持ち支持されたARTセグメント2302と、フレームの代わりの保持締め具2304とを伴うセグメント化熱遮蔽物2301を示す。ARTセグメント2302は、楔形状であり、保持締め具2304のスロット2306の中に挿入される半径方向最内端部2305を有する。保持締め具2304は、スロット2306を伴う円筒形状側壁2309を有する本体2307を含む。半径方向最内端部2305は、スロット2306の中に挿入され、一方、ARTセグメント2302は、保持締め具2304に向けて下方に角度をなし、その結果、ARTセグメント2302の半径方向最外端部2308は、半径方向最内端部2305よりも高くなる。スロット2306に挿入されると、ARTセグメントの半径方向最外端部2308は、下方に枢動し、その結果、ARTセグメント2302の上面は、水平に伸展する。一実施形態では、半径方向最外端部2308は、下方に枢動し、その結果、ARTセグメント2302は、下方に角度をなし、そこでは、半径方向最外端部2308は、半径方向最内端部2305よりも0°から0.2°低くなる。保持締め具2304は、中央軸に自身を付着させるための付着点2322を伴う下部2320を有する。
【0131】
熱遮蔽物2301は、モジュール設計を提供し、ARTセグメント2302を容易に、かつ迅速に交換できるようにし、基板支持物を設備から取り除くことなく熱遮蔽物2301を挿入および除去できるようにする。ARTセグメント2302の各々は、チャンバ2300内部への進入口が提供されるとき、スロット2306の中の1つから外に簡単に引っ張り出されてよい、またはスロット2306の中の1つの中に挿入されてよい。ARTセグメント2302は、締め具2304の周囲360°に配置され、図示するように互いに垂直に片寄っていてよい。これにより、ARTセグメント2302を容易に挿入および除去できるようになる。それに加えてさらにまた、片寄らせることにより、基板プラテンとARTセグメント2302の上面の間の距離に基づき吸収、反射、透過の量を調節する別の設定が提供される。方位角に水平であるとして示すが、ARTセグメントの各々は、方位角に角度をなし、その結果、ARTセグメントの半径方向に伸展する一方の縁部は、反対の半径方向に伸展する他方の縁部よりも低くなる。
【0132】
一実施形態では、ARTセグメント2302はセラミックから形成され、締め具2304は、アルミニウムから形成される。別の実施形態では、ARTセグメント2302および締め具2304は、アルミニウムから形成される。ARTセグメント2302は、アルミニウム以外の、またはアルミニウムに加えて金属系材料から形成されてよい。
【0133】
図24は、プラテン2402と、入れ子配列で積層された熱遮蔽物2404、2406とを含む基板支持物2400を示す。基板支持物2400は、プラテン2402が配置される中央軸2408を含む。プラテン2402は、基板2409を支持する。熱遮蔽物2404、2406の各々は、中央軸2408に付着し、かつ熱遮蔽物2404、2406を支持する、対応する熱障壁2410、2412を有する。熱遮蔽物2404、2406および熱障壁2410、2412は、集合的に熱遮蔽物組立体と呼ばれることがある。2つの熱遮蔽物および2つの熱障壁を示すが、それぞれ任意の数を含んでよい。各追加熱遮蔽物は、プラテン2402と遠位基準表面2421を有する処理チャンバ壁2420の間で別の熱エネルギー分離層を提供する。熱遮蔽物2404、2406の各々は、本明細書で記述するいずれかに類似して構成されてよい。また、図示するように熱遮蔽物2406と熱障壁2410の間にギャップが存在してよい、または熱障壁2410は、熱遮蔽物2406上に配置されてよい。熱遮蔽物2404、2406は、本明細書で開示するARTセグメントのいずれかなど、ARTセグメント2422、2424、2426、2428を含んでよい。
【0134】
例として、プラテンは650℃であってよく、熱遮蔽物2404の温度は、400℃~500℃の間であってよく、熱遮蔽物2406の温度は、250℃~350℃の間であってよく、処理チャンバ壁2420の温度は70℃であってよい。この入れ子配列はまた、プラテン2402の温度が650℃を越える用途に適用できる。
【0135】
図25は、第1の層2502、第2の層2504、および第3の層2506を含む多層ARTセグメント2500を示す。ARTセグメント2500は、点検口2508、およびノッチ2512を有する楔止め側面2510を含んでよい。層2502および2506は、第1の1つまたは複数の材料から形成されてよく、異なる1つまたは複数の材料から形成されてよい第2の層2504を保護してよい。層2502または2506の一方は、縁部2514および2516に示すように、第2の層の周辺縁部を覆ってよい。例として、層2502、2506は、サファイアを含んでよく、中間層2504は、セラミック、耐火材料、または1つまたは複数の金属のうち少なくとも1つを含む。
【0136】
上記でいくつかの調整できる熱遮蔽物について記述するが、調整できない熱遮蔽物もまた、特定の構成で、調整できる熱遮蔽物の任意の1つに調和するART特性を有するように製作されてよい。たとえば、図3図11図13、および図21図23の調整できる熱遮蔽物は、対応するART領域および/またはART部分を有する一体構造として形成されてよい。例として、図3図11図13、および図21図23の調整できる熱遮蔽物のいずれかの特定の構成を選択し、次いで選択した熱遮蔽物と同じサイズ、形状、および寸法を有する単一の一体構造を製作してよい。一体構造の熱遮蔽物の別の例を図26に示す。
【0137】
図26は、円形状の調節できない熱遮蔽物2600を示す。熱遮蔽物2600は、中央に位置する六角形状開口部2602、円形孔2604、および弧状の4面孔2608を有するプレート2601を含む固定構造を有する。湾曲した隆起部2606は、プレート2601から離れて伸展する。開口部は、熱障壁(たとえば、図13の熱障壁1110)を連結するように構成される。孔2604および隆起部2606は、半径方向外側に位置し、開口部2602を取り囲む。孔2608は、開口部2602、孔2604、および湾曲した隆起部2606の半径方向外側に、それらの周囲に配置される。図示する例では、孔2604のうち3つ、隆起部2606のうち3つ、および孔2608のうち10が存在するが、それぞれ任意の数が含まれてよい。隆起部2606は、(i)長手方向端部2612の間で伸展するピーク2610、および(ii)傾斜し、アーチ状の半径方向に対向する側面2614を含む。孔2608は、互いに等しい距離だけ離して配置される。
【0138】
図27は、本明細書で開示する熱遮蔽物のいずれかなど、調整できる熱遮蔽物または調整できない熱遮蔽物を製作するために反復して遂行される方法2700を示す。方法2700は、2702で、最初に基板の1つまたは複数の臨界寸法を設定および/または改善することにより熱流束パターン改変特性を調節して、1つまたは複数の臨界寸法に関する第1の所定の基準を満たす熱遮蔽物を設計するステップを含む。このステップは、フレームおよび/または本体のサイズ、形状、寸法、および/または構成、フレームおよび/または本体のART領域、ARTセグメント、および/またはART部分の数、サイズ、形状、寸法、および/または構成、含むべきART領域、ARTセグメント、および/またはART部分の数、ART領域、ARTセグメント、および/またはART部分の各々のサイズ、形状、寸法、場所、および/または構成、孔および/または熱遮蔽物の他の特徴の数、場所、サイズ、形状、および寸法などを決定および/または選択するステップを含む。このステップはまた、試験すべき熱遮蔽物を製作するステップを含む。動作2702は、経常費用が大きく、リードタイムが長いことがある。2703で、最新の設定パラメータに従って熱遮蔽物を製造する。
【0139】
2704で、堆積またはエッチングの動作を遂行するためにステーションに基板を供給する。2706で、熱遮蔽物を使用している間、たとえば基板の膜層に対して堆積またはエッチングの動作を遂行して、基板の1つまたは複数の臨界寸法を変える。
【0140】
2708で、堆積/エッチングステーションから度量衡ステーションに基板を移送する。2710で、度量衡を遂行して1つまたは複数の臨界寸法を測定し、測定データを分析して第1の所定の基準に基づき1つまたは複数の熱流束パターン改変特性および/または熱遮蔽物のART様態を修正すべきかどうかを判断する。熱遮蔽物の設計を修正すべき場合、動作2702を遂行して、別の熱遮蔽物を再設計し、製作する。分析に基づき熱遮蔽物のパラメータを修正して動作2702で使用してよい。
【0141】
調整できる熱遮蔽物を形成するステップに関して方法2700について記述するが、類似の方法を使用して、調整できない熱遮蔽物を形成してよい。
【0142】
図28は、調整できる熱遮蔽物を調整するために反復して遂行される方法2800を示す。図28の方法は、図27の方法完了後に遂行されてよい。方法2800は、熱遮蔽物を微調整して、基板の1つまたは複数の臨界寸法を設定および/または改善して第2の所定の基準を満たすステップを2802に含む。第2の所定の基準は、第1の所定の基準よりも厳密な要件を有してよい。第2の所定の基準はたとえば、含むべきARTセグメントの数、ARTセグメントのタイプ、ARTセグメントの場所、および熱遮蔽物のフレームまたは本体上のARTセグメントの場所を決定することを含んでよい。第2の所定の基準は、フレームおよび/または本体上のどこにARTセグメントを含むべきではないかを決定することを含んでよい。動作2802は、どんな経常費用もかけなくてよく、短いリードタイムも、たとえば図27の動作2702のリードタイムよりもはるかに短いリードタイムもかけなくてよい。
【0143】
2804で、堆積またはエッチングの動作を遂行するためにステーションに基板を供給する。2806で、熱遮蔽物を使用している間、たとえば基板の膜層に対して堆積またはエッチングの動作を遂行して、基板の1つまたは複数の臨界寸法を変える。
【0144】
2808で、堆積/エッチングステーションステーションから度量衡ステーションに基板を移送する。2810で、度量衡を遂行して1つまたは複数の臨界寸法を測定し、測定データを分析して熱遮蔽物の1つまたは複数のART様態を修正すべきかどうかを判断する。熱遮蔽物の設計を修正すべき場合、動作2802を遂行して、熱遮蔽物をさらに微調整する。分析に基づき熱遮蔽物のパラメータを修正し、動作2802で使用してよい。
【0145】
図29は、調整できない熱遮蔽物を製造する、反復して遂行される方法2900を示す。この方法は単独で、または図28の方法遂行後に遂行されてよい。たとえば、図28の方法を遂行して、調整できる熱遮蔽物を調整して、時間および費用を節約してよく、次いで図29の方法を遂行して、図28の方法を遂行した結果として提供される最終決定された調整できる熱遮蔽物に基づき、および/または最終決定された調整できる熱遮蔽物に調和する、一体構造の熱遮蔽物を製作してよい。
【0146】
方法2900は、一体構造の(調整できない)熱遮蔽物を製作するステップを2902に含む。このステップは、先行する試験結果に基づいてよい。動作2902は、図27および図28の方法の1つまたは複数を遂行後に遂行されてよい。動作2902は、どんな経常費用もかけなくてよく、たとえば図27の動作2702のリードタイムよりもはるかに短く、図28の動作2802のリードタイムよりも長いリードタイムをかけなくてよい。
【0147】
2904で、堆積またはエッチングの動作を遂行するためにステーションに基板を供給する。2906で、熱遮蔽物を使用している間、たとえば基板の膜層に対して堆積またはエッチングの動作を遂行して、基板の1つまたは複数の臨界寸法を変える。
【0148】
2908で、堆積/エッチングステーションから度量衡ステーションに基板を移送する。2910で、度量衡を遂行して1つまたは複数の臨界寸法を測定する。2912で、測定データを分析して熱遮蔽物の1つまたは複数のART様態を修正すべきかどうかを判断し、その結果、熱遮蔽物を再設計および/または修正する。これは、第3の所定の基準に基づいてよい。第3の所定の基準は、第1の所定の基準よりも厳密な要件を有してよい。第3の所定の基準は、第2の所定の基準に類似する要件に調和しても、その要件を有してもよい。熱遮蔽物の設計を修正すべき場合、動作2902を遂行する。分析に基づき熱遮蔽物のパラメータを修正し、動作2902で使用してよい。
【0149】
開示する熱遮蔽物は、高温のプラテンからの熱損失を変調するために事前に決定され、設定されたパラメータを有する。開示する熱遮蔽物は、処理チャンバの設計を改善するためのツールとして使用されてよい、および/またはツールの性能を改善する、ツール内の特徴として使用されてよい。
【0150】
本明細書で開示するARTセグメント、ART領域、およびART部分は、熱遮蔽物の別個のセクションではなくてよい。性能を継続的に(空間的に)目的に合わせるために、互いの上に多数の調整技法を重畳してよい。
【0151】
前記の記述は事実上、単に例示的であり、本開示、本開示の適用分野、または本開示の使用法を限定することを意図するものでは決してない。本開示の広範な教示をさまざまな形態で実装できる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を研究すると他の修正形態が明らかになるので、本開示の真の範囲を特定の例に限定すべきではない。本開示の原理を変えることなく方法の枠内で1つまたは複数のステップを異なる順序で(または同時に)実行してよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々についてある種の特徴を有するとして上記で記述するが、本開示の任意の実施形態に関して記述するそれらの特徴の任意の1つまたは複数は、その組合せについて明示的に記述していない場合でさえ、その他の実施形態のいずれかの特徴の中に実装できる、および/またはその他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すれば、記述する実施形態は、相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態と別の1つの実施形態との置換は、相変わらず本開示の範囲に入る。
【0152】
要素間の(たとえば、モジュール、回路素子、半導体層などの間の)空間的関係および機能的関係について、「接続した」、「係合した」、「連結した」、「近接する」、「の隣に」、「の最上部に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」を含むさまざまな用語を使用して記述する。「直接」として明示的に記述しない限り、上記の開示で第1の要素と第2の要素の間の関係について記述するとき、その関係は、第1の要素と第2の要素の間に他の介在する要素がまったく存在しない直接的関係である可能性があるが、さらにまた第1の要素と第2の要素の間に1つまたは複数の介在する要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係である可能性がある。本明細書で使用するとき、A、B、およびCのうち少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用する論理(A OR B OR C、AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうち少なくとも1つ、Bのうち少なくとも1つ、およびCのうち少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0153】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上述の例の一部であってよいシステムの一部である。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理するための1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特有の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理設備を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは半導体基板を処理する前、処理する間、および処理後に自身の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、1つまたは複数のシステムのさまざまな構成要素または下位区分を制御してよい「コントローラ」と呼ばれることがある。処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、コントローラをプログラムして処理ガスの配送、温度設定(たとえば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体配送設定、位置および動作の設定、ツールおよび他の移送ツールの中へ、およびそれらから外へのウエハ移送、ならびに/または特有のシステムに接続された、またはそれとインタフェースをとるロードロックを含む、本明細書で開示する処理のいずれも制御してよい。
【0154】
大まかに言って、コントローラは、さまざまな集積回路、論理回路、メモリ、および/または命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどを行うソフトウェアを有する電子回路として規定されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形をとるチップ、デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)として規定されるチップ、および/またはプログラム命令(たとえば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、半導体ウエハ上での、または半導体ウエハのための、またはシステムに対する特定の処理を行うための動作パラメータを規定するさまざまな個々の設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイを製作する間、1つまたは複数の処理ステップを達成するために処理技術者が規定するレシピの一部であってよい。
【0155】
コントローラは、いくつかの実装形態では、システムと一体化された、システムに連結した、システムに他の方法でネットワーク化された、またはそれらを組み合わせたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに連結してよい。たとえば、コントローラは、「クラウド」の中にあってよい、または半導体工場のホスト・コンピュータ・システムのすべてまたは一部であってよく、これにより、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能にできる。コンピュータは、製作動作の現在の進展を監視し、過去の製作動作の履歴を調べ、多数の製作動作から傾向または性能指標を調べるためにシステムへの遠隔アクセスを可能にして、現在の処理のパラメータを変更して、現在の処理に続く処理ステップを設定してよい、または新しい処理を開始してよい。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(たとえば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでよいネットワークを介してシステムに処理レシピを提供できる。遠隔コンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよく、パラメータおよび/または設定は、次いで遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の動作の間に遂行すべき処理ステップごとにパラメータを指定する、データの形をとる命令を受け取る。パラメータは、遂行すべき処理のタイプ、およびコントローラがインタフェースをとる、または制御するように構成されたツールのタイプに特有であってよいことを理解されたい。したがって、上記で記述したように、コントローラは、本明細書で記述する処理および制御などの共通の目的に向かって作動する、一緒にネットワーク化された1つまたは複数の別個のコントローラを含むことによるなど、分散させられてよい。そのような目的のための分散コントローラのある例は、チャンバ上の処理を制御するために組み合わせる(プラットフォームレベルで、または遠隔コンピュータの一部としてなど)遠隔に位置する1つまたは複数の集積回路と通信状態にある、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路である。
【0156】
限定することなく、例示のシステムは、プラズマ・エッチング・チャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピン・リンス・チャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベル縁部エッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着法(physical vapor deposition、PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(atomic layer etch、ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連づけられてよい、またはそれで使用されてよい、任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0157】
上記で指摘するように、ツールが遂行すべき1つまたは複数の処理ステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、近接するツール、隣接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツールの場所および/またはロードポートとの間でウエハの容器を運ぶ材料搬送で使用するツールのうち1つまたは複数と通信してよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【国際調査報告】