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特表2022-551047非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末
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  • 特表-非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/00 20220101AFI20221130BHJP
   B22F 1/06 20220101ALI20221130BHJP
   B22F 1/052 20220101ALI20221130BHJP
   B22F 9/08 20060101ALI20221130BHJP
   B22F 10/34 20210101ALI20221130BHJP
   B22F 12/41 20210101ALI20221130BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20221130BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20221130BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221130BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20221130BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20221130BHJP
   C22C 33/02 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
B22F1/00 T
B22F1/06
B22F1/052
B22F9/08 A
B22F10/34
B22F12/41
B22F10/28
C22C38/00 302Z
B33Y10/00
B33Y70/00
B33Y80/00
C22C33/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022515537
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2020074676
(87)【国際公開番号】W WO2021043940
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】19195913.9
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】522089321
【氏名又は名称】フォーメトリクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ザイラー,ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー-ヴァイツェル,セシレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァグナー,マッティアス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】アルプター,レネ
(72)【発明者】
【氏名】シュタウト,トルシュテン マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,マリー-クレール
(72)【発明者】
【氏名】レムケ,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】トレンクル,ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
【Fターム(参考)】
4K017AA04
4K017BA06
4K017BB04
4K017BB05
4K017BB06
4K017BB08
4K017BB13
4K017BB16
4K017CA09
4K017EB00
4K017FA11
4K017FA16
4K017FA17
4K018AA24
4K018BA16
4K018BB01
4K018BB04
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末に関するものであり、合金は元素Fe(鉄)、Cr(クロム)及びMo(モリブデン)を含み、そして粒子全量の少なくとも40%が非球状の形状を有する。前記鉄ベースの合金粉末において、Crは10.0質量%~18.3質量%存在し、Moは0.5質量%~2.5質量%存在し、Cは0~0.30質量%存在し、Niは0~4.0質量%存在し、Cuは0~4.0質量%存在し、Nbは0~0.7質量%存在し、Siは0~0.7質量%存在し、そしてNは0~0.20質量%存在し、100質量%までの残りはFeである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末であって、その合金がFe、Cr及びMoを含み、そして粒子全量の少なくとも40%が非球状形状を有し、Crが10.0質量%~18.3質量%存在し、Moが0.5質量%~2.5質量%存在し、Cが0~0.30質量%存在し、Niが0~4.0質量%存在し、Cuが0~4.0質量%存在し、Nbが0~0.7質量%存在し、Siが0~0.7質量%存在し、そしてNが0~0.20質量%存在し、100質量%までの残りはFeである、鉄ベースの合金粉末。
【請求項2】
i) 粒子全量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%が、非球状形状を有し、又は
ii) 非球状形状を有する粒子の全量が、少なくとも40~70%の範囲、より好ましくは45超~60%の範囲、最も好ましくは少なくとも50~55%の範囲である、
請求項1に記載の鉄ベースの合金粉末。
【請求項3】
i) 粒子が、1~200ミクロンの範囲、より好ましくは3~70ミクロン、及び最も好ましくは15~53ミクロンの直径を有し、及び/又は
ii) 粒子が、好ましくは体積ベースのQ分布に関連して、d10値が少なくとも15ミクロン、及びd90値が65ミクロン以下の粒度分布を有する、
請求項1又は2に記載の鉄ベースの合金粉末。
【請求項4】
前記鉄ベースの合金粉末が溶融状態で提供され、そして溶融した鉄ベースの合金粉末の流れを用いて噴霧化工程を実施する、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄ベースの合金粉末の製造方法。
【請求項5】
少なくとも1種の液体を少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力で、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れ上に噴射することにより、前記噴霧化工程を超高圧液体噴霧化として実施する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記液体が水を含有し、好ましくは前記液体が水であり、及び/又は超高圧液体噴霧化が、少なくとも2つの段階を含む噴霧化プロセスによって実施され、
好ましくは、この噴霧化プロセスの第1の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、ノズルを介して、前記ノズルとチョークとの間に位置する第1領域に供給され、そして、好ましくは窒素含有ガス流及び/又は不活性ガス流であるガス流が、溶融した鉄ベースの合金粉末の周りをこの第1領域内で循環し、そして、この噴霧化プロセスの第2の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れが、前記チョークを越えて位置する第2領域に供給され、ここで、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れが、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力下で含水噴射流と接触し、これによって、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れが分解及び固化してそれぞれの粒子となり、ここで粒子の全量の少なくとも50%が非球状形状を有する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
3次元(3D)印刷プロセスにおける及び/又は3次元(3D)物体の製造方法における、請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の使用方法。
【請求項8】
前記3D物体を層ごとに形成し、そして各層内に請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を用いる、3次元(3D)物体の製造方法。
【請求項9】
各層において、用いられる少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を、鉄ベースの合金粉末の表面にエネルギーを適用することによって溶融し、
好ましくは、前記エネルギーをレーザビーム又は電子ビーム、より好ましくはレーザビームによって適用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記3D物体を、選択的レーザー溶融(SLM)プロセスによって製造し、
好ましくは、前記選択的レーザー溶融(SLM)プロセスが、工程(i)~(iv):
(i) 少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の第1の層を表面に施与する工程、
(ii) 前記少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の前記第1の層を、集束レーザビームを用いて走査する工程であって、その温度が、前記少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の前記第1の層の少なくとも一部を、その層厚にわたって溶融させて第1の溶融層を得るのに十分な温度である、走査する工程、
(iii) 工程(ii)で得られた前記第1の溶融層を固化する工程、
(iv) それぞれの3D物体又はその少なくとも一部を形成するのに有効な走査パターンで、工程(i)、(ii)及び(iii)を繰り返す工程
を含む、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる3次元(3D)物体。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄ベースの合金粉末から得られた、3D印刷した物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末に関するものであり、合金は元素Fe(鉄)、Cr(クロム)及びMo(モリブデン)を含み、そして粒子全量の少なくとも40%が非球状の形状を有する。前記鉄ベースの合金粉末において、Crは10.0質量%~18.3質量%存在し、Moは0.5質量%~2.5質量%存在し、Cは0~0.30質量%存在し、Niは0~4.0質量%存在し、Cuは0~4.0質量%存在し、Nbは0~0.7質量%存在し、Siは0~0.7質量%存在し、そしてNは0~0.20質量%存在し、100質量%までの残りはFeである。
【0002】
本発明はさらに、このような鉄ベースの合金粉末の製造方法、及び3次元(3D)印刷プロセスにおける前記鉄ベースの合金粉末の使用方法にも関するものである。本発明の鉄ベースの合金粉末を用いて得られた3D物体の製造方法、及びその3D物体そのものは、本発明のさらなる主題である。
【背景技術】
【0003】
3D印刷プロセスそのものは、最新技術において非常によく知られている。3D印刷の分野では、個々の3D印刷プロセスの様々な異なる方法/技術、例えば、選択的レーザー溶融(SLM)、電子ビーム溶融(EBM)、選択的レーザー焼結(SLS)、立体リソグラフィー又は溶解積層(FDM)が知られており、後者は溶解フィラメント製造法(FFF)としても知られている。個々の3D印刷技術に共通しているのは、それぞれの3次元(3D)物体そのもの、又はその少なくとも一部を形成するために、適した出発材料が層ごとに構築されることである。しかしながら、個々の3D印刷技術は、用いられる個々の出発材料、及び/又はそれぞれの出発材料から所望の3D物体を構築するために用いられるそれぞれの個々のプロセス条件(例えば特定のレーザー、電子ビーム又は特定の溶融/押出技術の使用)に関して異なっている。
【0004】
近年、しばしば直面する課題は、金属又はセラミック本体のプロトタイプ及び模型、特に複雑な形状を呈するプロトタイプ及び模型の製造である。特に、プロトタイプの製造には、迅速な製造方法が必要である。このいわゆる「ラピッドプロトタイピング」のために、様々な方法が知られている。最も経済的なものの一つは、「溶解積層法」(FDM)としても知られている溶解フィラメント製造法(FFF)である。
【0005】
溶解フィラメント製造法(FFF)は、積層造形技術である。熱可塑性材料をノズルから押出し、押出後に熱可塑性材料が硬化するにつれて層が形成されることにより、3次元の物体が製造される。ノズルを加熱して熱可塑性材料をその溶融温度及び/又はガラス転移温度を超えて加熱し、それから押出ヘッドにより土台上に堆積させると、3次元の物体が層状の様式で形成される。熱可塑性材料は、通常、選択され、その温度は制御されるので、土台上に押出され、又は施されると実質的に直ちに固化し、複数の層が構築されて所望の3次元の物体が形成される。
【0006】
各層を形成するために、土台及び/又は押出ノズル(分注ヘッド(dispending head))をX軸、Y軸及びZ軸に沿って所定のパターンで互いに対して動かす駆動モータが提供される。FFF法は、US5,121,329に最初に記載された。
【0007】
WO2019/025471には、少なくとも1つの静的混合要素を含有するノズルが開示されており、ノズル及び少なくとも1つの静的混合要素が、選択的レーザー溶融(SLM)プロセスによって単一成分の物体として製造される。この文献では、SLM技術をどのように実施できるかが詳細に記載されている。同文献ではさらに、SLM3Dプロセスによって得られたノズルそれぞれを、FFF/FDM3D印刷技術によって3次元の素地(green body)を製造するために使用できることが開示されている。
【0008】
WO2018/085332は、高い硬度、引張強さ、降伏強さ及び伸びを有する金属部品を提供する、3D金属印刷手順用の合金組成物に関する。この合金は、必須元素としてFe、Cr、Moと、C、Ni、Cu、Nb、Si及びNから選択される少なくとも3種以上の元素とを含む。WO2018/085332による3D印刷プロセスは、同文献では粉末床溶解(PBF)として記載されており、これは選択的レーザー溶融(SLM)として、又は電子ビーム溶融(EBM)法として、実施することが可能である。しかしながら、WO2018/085332には、合金粒子の具体的な形状に関する如何なる具体的な開示も、前記合金粒子を製造するために用いられる方法に関する如何なる具体的な開示も、含有されていない。
【0009】
US-A4,624,409は、溶融金属を噴霧化によって微細に分割するための方法及び装置に関する。この装置は、溶融金属を供給するためのノズルと、供給ノズルから流れる溶融金属の流れに対して高圧液体噴射を強制するための環状噴霧化ノズルとを含む。噴霧化ノズルは、高圧液体の圧力下で狭い開口部を形成するように適合された環状噴射ゾーン、環状噴射ゾーンに隣接する内側ジャケット及び外側ジャケットでできている。噴霧化によって微細に分割された溶融金属を得るためのそれぞれの方法は、およそ100~600バールの噴射圧力下で高圧液体を噴射する工程を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US5,121,329
【特許文献2】WO2019/025471
【特許文献3】WO2018/085332
【特許文献4】US-A4,624,409
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明における目的は、新規の合金粉末を提供することであり、好ましくは、それぞれの合金粉末はSLM技術などの3D印刷プロセス内で使用すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この目的は、非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末によって達成され、その合金は元素Fe、Cr及びMoを含み、そして粒子全量の少なくとも40%は非球状形状を有し、Crが10.0質量%~18.3質量%存在し、Moが0.5質量%~2.5質量%存在し、Cが0~0.30質量%存在し、Niが0~4.0質量%存在し、Cuが0~4.0質量%存在し、Nbが0~0.7質量%存在し、Siが0~0.7質量%存在し、そしてNが0~0.20質量%存在し、100質量%までの残りはFeである。
【0013】
驚くべきことに、本発明による非球状形状を有する鉄ベースの合金粉末は、球状形状を有する粒子に主として基づく対応する合金粉末と比較して、流動性に関して同等の、又は場合によってはさらに良好な性能を有することが分かった。本発明による鉄ベースの合金粉末は、任意の3D印刷プロセス技術、特にSLM印刷プロセスにおいて、首尾よく用いることができる。
【0014】
本発明による鉄ベースの合金粉末は、自由流動挙動を示す。それぞれの粉末は、良好な加工性及び/又は適切な構築速度(build rates)を示す。さらに、本発明によるそれぞれの鉄ベースの合金粉末で印刷した3D物体は、高密度を示し、及び/又は微細な顆粒ミクロ構造が高度に分散している及び/又は高い硬度を示すと特徴付けることができる。
【0015】
さらに、本発明による鉄ベースの合金粉末は、通常、やや少量の中空粒子を示す。本発明の好ましい実施形態では、本発明によるそれぞれの鉄ベースの合金粉末の粒度分布は、SLM技術における加工性に好適である。なぜなら粒子がおよそ15μmのd10値及びおよそ65μmのd90値(各場合とも体積に対して)を有するからである。
【0016】
別の利点は、本発明による鉄ベースの合金粉末を、それぞれの3D印刷プロセスにおいて、特にSLM技術において使用するときに、各層を形成するために非常に均質に分配できるという事実に見ることができる。やや広い粒度分布によって、各層のかさ密度は、従来技術による粒子と比較して改善される/より高い。その結果、3D印刷プロセス中のそれぞれの層の収縮挙動が低減されて、特に(さらなる熱処理工程を実施しない)「印刷したまま」の段階における改善された機械的特徴がもたらされる。改善された機械的特徴は、硬度及び/又は破断伸びに関しても見ることができる。
【0017】
上記の利点は、噴霧化工程がより高い水圧、好ましくは少なくとも300バール、より好ましくは少なくとも600バールの水圧で、超高圧液体噴霧化として実施される方法によって、鉄ベースの合金粉末が製造される場合、本発明のいくつかの実施形態において、さらにより改善することができる。さらなる利点は、特に後者の実施形態において、より高い空時収量及び/又はより低いプロセス費用においても見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、球形度とQ3分布のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の文脈において、用語「非球状形状」又は「非球状形状を有する粒子」とは、それぞれの粒子の球形度が0.9以下であることを意味する。粒子の球形度は、(所与の粒子と同じ体積を有する)球の表面積の、粒子の表面積に対する比率として定義される。一方で、粒子の球形度が0.9を超える場合、その粒子は球状形状を有するとみなされる。粒子の球形度は、当業者に既知の方法によって決定することができる。適した試験方法は、例えば、粒子特性化システム(例えばCamsizer(登録商標))による光学的試験法である。
【0020】
好ましい実施形態では、球形度(SPHT)は、ISO9276-6に準拠して決定され、ここで、球形度(SPHT)は式(I)
【数1】
によって定義され、
式中、
pは、測定された粒子投影の外周/円周であり、そしてAは、粒子投影によって網羅される測定面積である。非球状粒子の割合とは、球形度が体積に基づいて0.9以下である粒子の割合として定義される(Q3(SPHT))。
【0021】
本発明を、より詳細に以下に特定する。
【0022】
本発明の第一の主題は、非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末であり、その合金はFe、Cr及びMoを含み、そして粒子全量の少なくとも40%は非球状形状を有し、Crが10.0質量%~18.3質量%存在し、Moが0.5質量%~2.5質量%存在し、Cが0~0.30質量%存在し、Niが0~4.0質量%存在し、Cuが0~4.0質量%存在し、Nbが0~0.7質量%存在し、Siが0~0.7質量%存在し、そしてNが0~0.20質量%存在し、100質量%までの残りはFeである。
【0023】
鉄ベースの合金粉末を含む金属ベースの合金粉末そのものは、当業者に知られている。これは、そのような鉄ベースの合金粉末の製造方法、及びそのような合金粉末の特定の形状(例えば粒子の形態)にも適用される。本発明による鉄ベースの合金粉末は、必須(金属)元素として、Fe(鉄)、Cr(クロム)及びMo(モリブデン)を含む。これら3つの必須元素の他に、本発明による鉄ベースの合金粉末は、さらなる元素、例えばC(炭素)、Ni(ニッケル)、S(硫黄)、O(酸素)、Nb(ニオブ)、Si(ケイ素)、Cu(銅)又はN(窒素)を含んでもよい。
【0024】
本発明の鉄ベースの合金粉末は、元素を以下のように含む。
【0025】
Crは10.0質量%~18.3質量%存在し、Moは0.5質量%~2.5質量%存在し、Cは0~0.30質量%存在し、Niは0~4.0質量%存在し、Cuは0~4.0質量%存在し、Nbは0~0.7質量%存在し、Siは0~0.7質量%存在し、そしてNは0~0.25質量%存在し、100質量%までの残りはFeである。
【0026】
本発明による鉄ベースの合金粉末は、少なくとも1000MPaの引張強さ、少なくとも1.0%の伸び、及び少なくとも450の硬度(HV)を示す合金であることも好ましい。
【0027】
別の実施形態では、本発明による鉄ベースの合金粉末が、少なくとも1000MPaの引張強さ、少なくとも0.5%の伸び、及び少なくとも450の硬度(HV)を示す合金であることが好ましい。
【0028】
本発明による鉄ベースの合金粉末は、非球状粒子を含有する。粒子全量の少なくとも40%は、非球状形状を有する。鉄ベースの合金粉末は非球状粒子の他に、球状形状を有する粒子を含有してもよい。しかしながら、本発明による鉄ベースの合金粉末は、球状形状を有する粒子よりも非球状形状を有する粒子をより多く含有することが好ましい。
【0029】
本発明の第1の実施形態では、鉄ベースの粉末は、粒子を含有する粉末であることが好ましく、粒子全量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%が、非球状形状を有する。
【0030】
本発明の別の好ましい実施形態では、鉄ベースの合金粉末は粒子を含有し、非球状形状を有する粒子の全量は、少なくとも40~70%の範囲、より好ましくは45超~60%の範囲、最も好ましくは少なくとも50~55%の範囲である。
【0031】
本発明の別の好ましい実施形態では、鉄ベースの合金粉末は粒子を含有し、非球状形状を有する粒子の全量は、少なくとも40~70%の範囲、より好ましくは45超~65%の範囲、最も好ましくは少なくとも50~60%の範囲である。
【0032】
本発明による鉄ベースの合金粉末の粒子は、特定の直径に限定されない。しかしながら、粒子が、1~200ミクロンの範囲、より好ましくは3~70ミクロン、及び最も好ましくは15~53ミクロンの直径を有することが好ましい。
【0033】
本発明による鉄ベースの合金粉末の粒子が、好ましくは体積ベースのQ分布に関連して、d10値が少なくとも15ミクロン、及びd90値が65ミクロン以下の粒度分布を有することも好ましい。
【0034】
本発明の一実施形態において、鉄ベースの合金粉末が溶融状態で提供され、そして溶融した鉄ベースの合金粉末の流れを用いて噴霧化工程を実施する方法によって、鉄ベースの合金粉末そのものを得ることができるのが好ましい。
【0035】
本発明のこの実施形態では、少なくとも1種の液体を少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力で、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れ上に噴射することにより、噴霧化工程を超高圧液体噴霧化として実施することも好ましい。
【0036】
さらにより好ましくは、液体は水を含有し、好ましくは液体は水であり、及び/又は超高圧液体噴霧化は、少なくとも2つの段階を含む噴霧化プロセスによって実施される。
【0037】
好ましくは、この噴霧化プロセスの第1の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、ノズルを介して、ノズルとチョークとの間に位置する第1領域に供給され、そして、好ましくは窒素含有ガス流及び/又は不活性ガス流であるガス流が、溶融した鉄ベースの合金粉末の周りをこの第1領域内で循環し、そして、この噴霧化プロセスの第2の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、チョークを越えて位置する第2領域に供給され、ここで、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力下で含水噴射流と接触し、これによって、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが分解及び固化してそれぞれの粒子となり、ここで粒子の全量の少なくとも40%が非球状形状を有する。
【0038】
しかしながら、別の実施形態では、この噴霧化プロセスの第1の段階において、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れの代わりに、溶融した鉄ベースの合金のコイン、バー及び/又はディスクそれぞれの流れが、ノズルを介して、ノズルとチョークとの間に位置する第1領域に供給され、そしてガス流が、溶融した鉄ベースの合金のコイン、バー及び/又はディスクの周りをこの第1領域内で循環することも、可能である。
【0039】
本発明の別の主題は、上記の鉄ベースの合金粉末の製造方法である。鉄ベースの合金粉末又はそのようなものの製造方法は、当業者に知られている。
【0040】
さらに、当業者は、非球状形状を有する粒子と球状形状を有する粒子とを分離するための適した手段を知っている。これは、例えば、ふるい掛けによって行うことができる。
【0041】
好ましくは、前記鉄ベースの合金粉末の製造方法は、鉄ベースの合金粉末が溶融状態で提供され、そして溶融した鉄ベースの合金粉末の流れを用いて噴霧化工程を実施する方法によって、実施することができる。
【0042】
噴霧化工程が、少なくとも1種の液体を少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力で、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れ上に噴射することにより、超高圧液体噴霧化として実施されることが好ましい。
【0043】
さらにより好ましくは、液体は水を含有し、好ましくは液体は水であり、及び/又は超高圧液体噴霧化は、少なくとも2つの段階を含む噴霧化プロセスによって実施される。
【0044】
好ましくは、この噴霧化プロセスの第1の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、ノズルを介して、ノズルとチョークとの間に位置する第1領域に供給され、そして、好ましくは窒素含有ガス流及び/又は不活性ガス流であるガス流が、溶融した鉄ベースの合金粉末の周りをこの第1領域内で循環し、そして、この噴霧化プロセスの第2の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、チョークを越えて位置する第2領域に供給され、ここで、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力下で含水噴射流と接触し、これによって、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが分解及び固化してそれぞれの粒子となり、ここで粒子の全量の少なくとも40%が非球状形状を有する。
【0045】
本発明による別の主題は、3次元(3D)印刷プロセスにおける及び/又は3次元(3D)物体の製造方法における、上記のような少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の使用方法である。
【0046】
3次元(3D)印刷プロセスは、3次元(3D)物体と同様に当業者に知られているようなものである。好ましくは、本発明による少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末は、レーザビーム又は電子ビーム技術に関連して3D印刷プロセス内で使用される。本発明による鉄ベースの合金粉末は、選択的レーザー溶融(SLM)プロセスにおいて用いられることが特に好ましい。SLMプロセスと同様に、他のレーザビーム又は電子ビームに基づく3D印刷技術は、当業者に知られている。
【0047】
本発明による別の主題は、3次元(3D)物体の製造方法であり、ここで3D物体を層ごとに形成し、そして各層内に上記の少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を用いる。
【0048】
この方法では、各層において、使用される少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を、鉄ベースの合金粉末の表面にエネルギーを適用することによって溶融することが好ましい。
【0049】
好ましくは、エネルギーはレーザビーム又は電子ビーム、より好ましくはレーザビームによって適用される。
【0050】
本発明の方法は、例えばWO2019/025471に記載されているSLM法として実施されることがさらにより好ましい。
【0051】
従って、3D物体が選択的レーザー溶融(SLM)プロセスによって製造される方法が好ましい。
【0052】
好ましくは、選択的レーザー溶融(SLM)プロセスは、工程(i)~(iv)、
(i) 少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の第1の層を表面に施与する工程、
(ii) 少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の第1の層を、集束レーザビームを用いて走査する工程であって、その温度が、少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の第1の層の少なくとも一部を、その層厚にわたって溶融させて第1の溶融層を得るのに十分な温度である、走査する工程、
(iii) 工程(ii)で得られた第1の溶融層を固化する工程、
(iv) それぞれの3D物体又はその少なくとも一部を形成するのに有効な走査パターンで、工程(i)、(ii)及び(iii)を繰り返す工程
を含む。
【0053】
本発明の別の主題は、上記の本発明による方法によって、上記の本発明による少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を用いることにより、得ることができる3次元(3D)物体そのものである。
【0054】
本発明のさらなる主題は、本発明による鉄ベースの合金粉末から得られた、3次元(3D)印刷した物体である。
【0055】
本発明を実施例によって、以下により詳細に説明するが、これに限定するものではない。
【実施例
【0056】
発明例E1
非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末の製造
表1に示す組成の鉄ベースの合金粉末を溶融状態で提供し、この溶融した鉄ベースの合金粉末の流れを用いて噴霧化工程を実施することによって、非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末を製造した。
【0057】
【表1】
【0058】
噴霧化工程は、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れに600バールの圧力で水を噴射することにより、超高圧液体噴霧化として実施した。
【0059】
得られた鉄ベースの合金粉末は、丸みを帯びた粒子から不規則な形状の粒子を含有し、15~53ミクロンの範囲の直径を有する粒子を含む切断が、以下の方法によって特徴付けられた。
【0060】
粒度分布
d10、d50及びd90値として報告された粒度分布を決定するために、得られた鉄ベースの合金粉末を乾燥形態で分析した。d10、d50及びd90値を、Malvern Master Sizer2000を用いたレーザー回折によって決定した。
【0061】
球形度の測定
非球状粒子の割合を、粒子特性化システム(Camsizer(登録商標))により、光学的に決定した。これは、球形度が、体積に基づいて0.9以下である粒子の割合(Q3(SPHT))と定義される。球形度(SPHT)は、ISO9276-6に準拠して決定され、球形度(SPHT)は、式(I)によって定義される。
【0062】
バルク密度、タップ密度、ハウスナー係数
さらに、DIN EN ISO60に準拠したかさ密度、及びDIN EN ISO787-11に準拠したタップ密度を決定した。ハウスナー係数は、タップ密度のバルク密度に対する比率である。
【0063】
上記の特性化の結果は、表2から得ることができる。
【0064】
【表2】
【0065】
表2から分かるように、やや広い粒度分布によって、鉄ベースの合金粉末のかさ密度は、従来技術による粒子と比較して改善され/より高く、結果としてハウスナー係数が低減される。表2及び図1からさらに分かるように、粒子全量の少なくとも50~60%は非球状形状を有し、これは、それらが0.9以下の球形度を有することを意味する。
【0066】
非球状粒子を含有する本発明の鉄ベースの合金粉末の3D印刷プロセス技術における加工性を証明するために、本発明の粉末を粉末床溶解プリンタで試験した。
【0067】
粉末床溶解プリンタ実験
本発明の鉄ベースの合金粉末を、30μmの層厚で、表3に記載の温度で空隙(cavity)に導入した。次に、この鉄ベースの合金粉末を、表3に記載のレーザ出力と記載のハッチ距離とでレーザに露光し、露光中のサンプル上のレーザの速度は500~550mm/sであった。粉体床溶解印刷は、典型的には縞状の走査を伴う。ハッチ距離から、縞の中心間の距離、すなわち、2つの縞に対するレーザビームの2つの中心間の距離がわかる。
【0068】
【表3】
【0069】
その後、得られた3D印刷した物体の特性を決定した。得られた3D印刷した物体を乾燥状態で試験した。さらに、シャルピー棒を作製し、同様に乾燥形態で試験した。
【0070】
引張強さ、降伏強さ及び破断伸びをDIN EN ISO6892-1に準拠して測定した。
【0071】
硬度(HV)は、DIN EN ISO6507-4に準拠して試験した。
【0072】
3D印刷した物体の機械的性質を、熱処理前(E1a)と後(E1b)に決定した。熱処理のために、3D印刷した物体を、窒素雰囲気下で4℃/分の加熱速度で550℃まで加熱し、550℃で1時間保持した。
【0073】
結果を表4に示す。誤差は標準偏差に基づく。
【0074】
【表4】
【0075】
表2から分かるように、本発明の鉄ベースの合金を含む3D印刷した物体は、高強度、高硬度、高延性を同時に有することを特徴とする。
図1
【手続補正書】
【提出日】2021-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非球状粒子を含有する鉄ベースの合金粉末であって、その合金がFe、Cr及びMoを含み、そして粒子全量の少なくとも40%が非球状形状を有し、Crが10.0質量%~18.3質量%存在し、Moが0.5質量%~2.5質量%存在し、Cが0~0.30質量%存在し、Niが0~4.0質量%存在し、Cuが0~4.0質量%存在し、Nbが0~0.7質量%存在し、Siが0~0.7質量%存在し、そしてNが0~0.20質量%存在し、100質量%までの残りはFeであり、非球状形状を有する前記粒子の球形度が0.9以下である、鉄ベースの合金粉末。
【請求項2】
i) 粒子全量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%が、非球状形状を有し、又は
ii) 非球状形状を有する粒子の全量が、少なくとも40~70%の範囲、より好ましくは45超~60%の範囲、最も好ましくは少なくとも50~55%の範囲である、
請求項1に記載の鉄ベースの合金粉末。
【請求項3】
子が、1~200ミクロンの範囲、より好ましくは3~70ミクロン、及び最も好ましくは15~53ミクロンの直径を有する、請求項1又は2に記載の鉄ベースの合金粉末。
【請求項4】
前記鉄ベースの合金粉末が溶融状態で提供され、そして溶融した鉄ベースの合金粉末の流れを用いて噴霧化工程を実施する、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄ベースの合金粉末の製造方法。
【請求項5】
少なくとも1種の液体を少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力で、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れ上に噴射することにより、前記噴霧化工程を超高圧液体噴霧化として実施する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記液体が水を含有し、好ましくは前記液体が水であり、及び/又は超高圧液体噴霧化が、少なくとも2つの段階を含む噴霧化プロセスによって実施され、
好ましくは、この噴霧化プロセスの第1の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の流れが、ノズルを介して、前記ノズルとチョークとの間に位置する第1領域に供給され、そして、好ましくは窒素含有ガス流及び/又は不活性ガス流であるガス流が、溶融した鉄ベースの合金粉末の周りをこの第1領域内で循環し、そして、この噴霧化プロセスの第2の段階では、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れが、前記チョークを越えて位置する第2領域に供給され、ここで、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れが、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも600バールの圧力下で含水噴射流と接触し、これによって、溶融した鉄ベースの合金粉末の前記流れが分解及び固化してそれぞれの粒子となり、ここで粒子の全量の少なくとも50%が非球状形状を有する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
3次元(3D)印刷プロセスにおける、請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の使用方法。
【請求項8】
前記3D物体を層ごとに形成し、そして各層内に請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を用いる、3次元(3D)物体の製造方法。
【請求項9】
各層において、用いられる少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末を、鉄ベースの合金粉末の表面にエネルギーを適用することによって溶融し、
好ましくは、前記エネルギーをレーザビーム又は電子ビーム、より好ましくはレーザビームによって適用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記3D物体を、選択的レーザー溶融(SLM)プロセスによって製造し、
好ましくは、前記選択的レーザー溶融(SLM)プロセスが、工程(i)~(iv):
(i) 少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の第1の層を表面に施与する工程、
(ii) 前記少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の前記第1の層を、集束レーザビームを用いて走査する工程であって、その温度が、前記少なくとも1種の鉄ベースの合金粉末の前記第1の層の少なくとも一部を、その層厚にわたって溶融させて第1の溶融層を得るのに十分な温度である、走査する工程、
(iii) 工程(ii)で得られた前記第1の溶融層を固化する工程、
(iv) それぞれの3D物体又はその少なくとも一部を形成するのに有効な走査パターンで、工程(i)、(ii)及び(iii)を繰り返す工程
を含む、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる3次元(3D)物体。
【国際調査報告】