(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】高分子樹脂化合物、その製造方法およびこれを含む感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 59/22 20060101AFI20221202BHJP
C08G 59/42 20060101ALI20221202BHJP
G03F 7/027 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
C08G59/22
C08G59/42
G03F7/027 502
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520295
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2020014509
(87)【国際公開番号】W WO2021132865
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173199
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン、ミスン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、スン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ミニョン
【テーマコード(参考)】
2H225
4J036
【Fターム(参考)】
2H225AC52
2H225AC73
2H225AC74
2H225AM61P
2H225AM92P
2H225AM93P
2H225AM94P
2H225AN39P
2H225CA24
2H225CB02
2H225CC01
2H225CC13
4J036AD11
4J036AD12
4J036AJ01
4J036AJ14
4J036BA02
4J036CA15
4J036CA28
4J036CB20
4J036DB17
4J036DB18
4J036DB22
4J036HA02
4J036HA12
4J036JA09
(57)【要約】
本明細書は、高分子樹脂化合物、その製造方法、前記高分子樹脂化合物を含む感光性樹脂組成物および前記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光材を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される第1化合物;および下記化学式2で表される第2化合物を含む重合組成物を混合するステップを含み、
前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%を超える高分子樹脂化合物の製造方法:
[化学式1]
【化1】
[化学式2]
【化2】
前記化学式1および2において、
R1~R4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
Xは、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a1~a4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a1~a4が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なる。
【請求項2】
前記重合組成物は、下記化学式3で表される第3化合物をさらに含む、請求項1に記載の高分子樹脂化合物の製造方法:
[化学式3]
【化3】
前記化学式3において、
L3は、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
E3は、水素;ヒドロキシ基;チオール基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;またはエポキシド基である。
【請求項3】
前記重合組成物は、下記化学式4-1で表される化合物および下記化学式4-2で表される化合物の中から選択された1つ以上の第4化合物をさらに含む、請求項1または2に記載の高分子樹脂化合物の製造方法:
[化学式4-1]
【化4】
[化学式4-2]
【化5】
前記化学式4-1および4-2において、
R5~R7は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアクリレート基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
R5およびR6は、互いに結合して環を形成してもよく、
L4は、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基である。
【請求項4】
前記第3化合物の含有量は、前記第1化合物および第2化合物の間の含有量差100mol%を基準として、1mol%~200mol%である、請求項2に記載の高分子樹脂化合物の製造方法。
【請求項5】
前記第4化合物の含有量は、前記第1化合物および第2化合物の間の含有量差100mol%を基準として、1mol%~200mol%である、請求項3に記載の高分子樹脂化合物の製造方法。
【請求項6】
前記重合組成物は、塩基触媒(base catalyst)および溶媒をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の高分子樹脂化合物の製造方法。
【請求項7】
下記化学式1で表される第1化合物に由来する第1単位;および下記化学式2で表される第2化合物に由来する第2単位を含み、
前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%を超える高分子樹脂化合物:
[化学式1]
【化6】
[化学式2]
【化7】
前記化学式1および2において、
R1~R4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
Xは、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a1~a4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a1~a4が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なる。
【請求項8】
下記化学式5で表される、請求項7に記載の高分子樹脂化合物:
[化学式5]
【化8】
前記化学式5において、
R1~R4、X、L1、L2およびa1~a4は、前記化学式1および2で定義したものと同じであり、
E1およびE2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、エポキシド基;または下記化学式6で表される基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;または下記化学式7-1または7-2で表される基であり、
nは、繰り返し数であって、1~40の整数であり、
[化学式6]
【化9】
[化学式7-1]
【化10】
[化学式7-2]
【化11】
前記化学式6、7-1および7-2において、
L3およびL4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
E3は、水素;ヒドロキシ基;チオール基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;またはエポキシド基であり、
R5~R7は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアクリレート基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
R5およびR6は、互いに結合して環を形成してもよいし、
【化12】
は、前記化学式5に連結される部位を意味する。
【請求項9】
前記化学式5は、下記化学式5-1または5-2で表される、請求項8に記載の高分子樹脂化合物:
[化学式5-1]
【化13】
[化学式5-2]
【化14】
前記化学式5-1および5-2において、
R18、R19、R28およびR29は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;または前記化学式7-1または7-2で表される基であり、
R11~R14およびR21~R24は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L11、L12、L21およびL22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a11~a14およびa21~a24は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a11~a14およびa21~a24が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なり、
n1およびn2は、繰り返し数であって、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、1~40の整数であり、
E13およびE23は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;ヒドロキシ基;チオール基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;またはエポキシド基であり、
L13およびL23は、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基である。
【請求項10】
1H-NMRにおいて、2.6ppm~2.9ppmの間にエポキシドのピーク(peak)を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の高分子樹脂化合物。
【請求項11】
重量平均分子量が2,000g/mol~20,000g/molである、請求項7~10のいずれか1項に記載の高分子樹脂化合物。
【請求項12】
請求項7~11のいずれか1項に記載の高分子樹脂化合物、官能性モノマー、光開始剤、着色剤、および溶媒を含む感光性樹脂組成物。
【請求項13】
前記高分子樹脂化合物の含有量は、前記感光性樹脂組成物100wt%を基準として、5wt%~80wt%である、請求項12に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
請求項12または13に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2019年12月23日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2019-0173199号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、高分子樹脂化合物、その製造方法、前記高分子樹脂化合物を含む感光性樹脂組成物および前記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光材に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光素子(OLED)内において、バンクは、有機発光物質が蒸着されて画素として作用する領域を除いたすべての領域にポリイミド絶縁層を形成して画素の形状を規定する役割を果たし、各画素が電気的に独立した駆動を可能にする。
【0004】
一般的に使用されるポリイミド系透明バンクの場合、ディスプレイを介して入射した外光の反射を防ぐのに限界がある。また、金属材料からなる電極による反射によって光漏れが発生するなどの画像品質の面で不良が発生しうる。さらに、このような問題点を解決すべく、OLEDの前面に偏光板を用いる場合、透過率が格段に低くなるので、より高い透過率を得るためには高い電圧駆動を必要とし、これによって有機発光素子の寿命が短縮するというさらに他の問題が発生する。
【0005】
これを解決するために開発されたブラックバンクは、既存のポリイミド系透明バンク絶縁層にはなかった遮光特性を有し得て、入射した外光を吸収して反射を低減することができる。結果として、外光反射のために追加的に使用していた偏光板を用いなくてもよいことから、偏光板の導入による問題点を解消することができる。
【0006】
したがって、当技術分野では、ブラックバンクの性能を向上させるための研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、高分子樹脂化合物の製造方法、前記製造方法により製造された高分子樹脂化合物、前記高分子樹脂化合物を含む感光性樹脂組成物および前記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光材を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1で表される第1化合物;および下記化学式2で表される第2化合物を含む重合組成物を混合するステップを含み、前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%を超える高分子樹脂化合物の製造方法を提供する。
[化学式1]
【化1】
[化学式2]
【化2】
前記化学式1および2において、
R1~R4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
Xは、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a1~a4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a1~a4が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なる。
【0009】
本明細書のもう一つの実施態様は、前記化学式1で表される第1化合物に由来する第1単位;および前記化学式2で表される第2化合物に由来する第2単位を含み、
前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%を超える高分子樹脂化合物を提供する。
【0010】
本明細書のもう一つの実施態様は、前記高分子樹脂化合物、多官能性モノマー、光開始剤、着色剤、および溶媒を含む感光性樹脂組成物を提供する。
【0011】
本明細書のもう一つの実施態様は、前記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光材を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本明細書の一実施態様に係る高分子樹脂化合物は、熱架橋が可能であり、相溶性および溶解度に優れ、構造の変形が容易であるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の合成例1で合成された重合体P1のNMR分析結果を示す図である。
【
図2】本願の比較合成例1で合成された重合体P0のNMR分析結果を示す図である。
【
図3】重合体P1および重合体P0のNMRグラフ中の10.5ppm付近のピークを拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0015】
本明細書の一実施態様において、高分子樹脂化合物の製造方法は、下記化学式1で表される第1化合物;および下記化学式2で表される第2化合物を含む重合組成物を混合するステップを含み、前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%を超える。
[化学式1]
【化3】
[化学式2]
【化4】
前記化学式1および2において、
R1~R4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
Xは、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a1~a4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a1~a4が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なる。
【0016】
本明細書の一実施態様に係る製造方法により高分子樹脂化合物を製造する場合、末端にエポキシド基を有するポリエステル系高分子の製造が可能なため、熱によって架橋可能であり、感光性樹脂組成物に使用される顔料との相溶性に優れるというメリットがある。また、官能基であるアルコール基と末端のエポキシド基によって基本構造を変形することが容易なため、現像性および架橋密度などの物性を調節することができる。それだけでなく、感光性樹脂組成物に使用される溶媒に対する溶解度に優れているので、所望の溶媒を自由に使用できるというメリットがあり、OLED用フォトレジストへの適用時、後工程でのアウトガス(oug-gas)の発生量を低減する効果がある。
【0017】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0018】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0019】
本明細書において、「化合物に由来する単位」または「化合物に由来する構造」とは、当該化合物を当技術分野における通常の重合方法によって重合した時、合成された重合体において当該化合物によって形成された単位または構造を意味する。
【0020】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0021】
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は水素原子の置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一または異なる。
【0022】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;アルキル基;シクロアルキル基;アルキレン基;アルケニル基;アルキニル基;アルコキシ基;アルキルチオ基;シリル基;ホスフィンオキシド基;アミン基;アリール基;およびヘテロ環基からなる群より選択された1または2以上の置換基で置換されているか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味する。
【0023】
本明細書において、ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素である。
【0024】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、前記アルキル基の炭素数は1~30であってもよい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、およびn-オクチル基などがあるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において、アルキレン基は、アルカン(alkane)に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除けば、前述したアルキル基の説明が適用可能である。
【0026】
本明細書において、シクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば、炭素数3~30のものが好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などがあるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書において、シクロアルキレン基は、シクロアルカンに結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除けば、前述したシクロアルキル基の説明が適用可能である。
【0028】
本明細書において、アルケニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2~40のものが好ましい。具体例としては、ビニル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、アリル、1-フェニルビニル-1-イル、2-フェニルビニル-1-イル、2,2-ジフェニルビニル-1-イル、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル、スチルベニル基、およびスチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書において、前記アルキニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2~30のものが好ましい。具体例としては、エチニル、プロピニル、2-メチル-2プロピニル、2-ブチニル、2-ペンチニルなどのアルキニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書において、前記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~30のものが好ましい。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、3,3-ジメチルブチルオキシ、2-エチルブチルオキシ、n-オクチルオキシ、n-ノニルオキシ、およびn-デシルオキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本明細書において、前記アルキルチオ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~20のものが好ましい。具体的には、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、i-プロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、イソペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、n-オクチルチオ、n-ノニルチオ、n-デシルチオ、ベンジルチオ、およびp-メチルベンジルチオなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
本明細書において、アリール基の炭素数は特に限定されないが、6~30のものが好ましい。前記アリール基の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、インデニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、トリフェニル基、クリセニル基、およびフルオレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
本明細書において、アリーレン基は、芳香族炭化水素に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除けば、前述したアリール基の説明が適用可能である。
【0034】
本明細書において、ヘテロ環基は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。炭素数は特に限定されないが、炭素数2~30のものが好ましい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ピリジン基、ビピリジン基、ピリミジン基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジン基、ピリダジン基、ピラジン基、キノリン基、キナゾリン基、キノキサリン基、フタラジン基、ピリドピリミジン基、ピリドピラジン基、ピラジノピラジン基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、フェナントリジン基(phenanthridine)、フェナントロリン基(phenanthroline)、イソオキサゾール基、チアジアゾール基、フェノチアジン基、およびジベンゾフラン基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
本明細書において、シリル基は、Siを含み、前記Si原子がラジカルとして直接連結される置換基であり、-SiR104R105R106で表され、R104~R106は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;シクロアルキル基;アリール基;およびヘテロ環基の少なくとも1つからなる置換基であってもよい。シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、およびフェニルシリル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本明細書において、ホスフィンオキシド基は、具体的には、ジフェニルホスフィンオキシド基およびジナフチルホスフィンオキシドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
本明細書において、アミン基は、炭素数は特に限定されないが、1~30のものが好ましい。アミン基は、前述したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはこれらの組み合わせなどが置換されていてもよいし、アミン基の具体例としては、メチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9-メチル-アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、およびトリフェニルアミン基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
本明細書において、チオール(thiol)基は、-SHで表される置換基を意味する。
【0039】
本明細書において、エポキシド(epoxide)基は、
【化5】
で表される置換基を意味する。
【0040】
本明細書において、アクリレート(acrylate)基は、
【化6】
で表される置換基を意味する。
【0041】
本明細書において、環は、置換もしくは非置換の炭化水素環;または置換もしくは非置換のヘテロ環を意味する。
【0042】
本明細書の一実施態様において、前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%超過200mol%以下であり、好ましくは130mol%~200mol%、さらに好ましくは150mol%~200mol%である。第1化合物の含有量が第2化合物に比べて高い時、末端基がエポキシドである化合物の合成が可能であり、これによって熱架橋が可能であり、構造の変更が容易で、所望の物性を得ることができる。ただし、200mol%を超える場合、高分子にならずにオリゴマーの形態で重合されるというデメリットがある。
【0043】
本明細書の一実施態様において、前記重合組成物は、下記化学式3で表される第3化合物をさらに含む。この場合、前記第1化合物および第2化合物の反応で形成されたエポキシド末端基が前記第3化合物と再び反応して、高分子樹脂化合物の末端基が下記化学式3の構造に変形できる。
[化学式3]
【化7】
前記化学式3において、
L3は、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
E3は、水素;ヒドロキシ基;チオール基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;またはエポキシド基である。
【0044】
本明細書の一実施態様において、前記第3化合物の含有量は、前記第1化合物および第2化合物の間の含有量差100mol%を基準として、1mol%~200mol%、好ましくは10mol%~200mol%、さらに好ましくは50mol%~200mol%である。
【0045】
本明細書の一実施態様において、前記重合組成物は、下記化学式4-1で表される化合物および下記化学式4-2で表される化合物の中から選択された1つ以上の第4化合物をさらに含む。この場合、前記第1化合物および第2化合物の反応で形成された-OH官能基が前記第4化合物と再び反応して、高分子樹脂化合物の側鎖構造が変形できる。
[化学式4-1]
【化8】
[化学式4-2]
【化9】
前記化学式4-1および4-2において、
R5~R7は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアクリレート基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
R5およびR6は、互いに結合して環を形成してもよく、
L4は、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基である。
【0046】
本明細書の一実施態様において、前記第4化合物の含有量は、前記第1化合物および第2化合物の間の含有量差100mol%を基準として、1mol%~200mol%、好ましくは10mol%~200mol%、さらに好ましくは50mol%~200mol%である。
【0047】
本明細書の一実施態様において、前記重合組成物は、塩基触媒(base catalyst)および溶媒をさらに含む。
【0048】
本明細書の一実施態様において、前記塩基触媒は、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、およびフェニルホスフィンなどのホスフィン(Phosphine)系触媒;1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ-5-エン、2,6-ジメチルピペリジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N,N,N'-テトラメチルエチレンジアミン、およびN,N-ジメチルベンジルアミンなどのアミン(amine)系触媒;およびピリジンおよび4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジンなどのピリジン(pyridine)系触媒の中から選択された1種以上であり、好ましくは、トリフェニルホスフィンである。
【0049】
本明細書の一実施態様において、前記重合組成物100wt%を基準として、前記塩基触媒の含有量は0.2wt%~10wt%、好ましくは0.5wt%~5wt%である。塩基触媒が前記範囲の含有量で含まれる時、適切な分子量の共重合体を得ることができ、過度に添加された残留開始剤がOut-gas成分として検出されるのを防止する効果がある。
【0050】
本明細書の一実施態様において、前記重合組成物の溶媒は、下記の構造の中から選択された1種以上であってもよいし、好ましくは、1-methoxypropane-2-yl acetate(PGMEA)である。
【化10】
【化11】
【0051】
本明細書の一実施態様において、前記重合組成物のうち前記第1~第4化合物、および塩基触媒を除いた残部は、すべて溶媒であってもよい。
【0052】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物の製造方法は、前記重合組成物を60℃~150℃、好ましくは90℃~120℃の温度に加熱するステップをさらに含む。加熱温度が60℃未満の場合、モノマーの高分子転換率が低く、150℃超過の場合、高分子樹脂化合物の安定性が低下することがある。
【0053】
本明細書の一実施態様において、高分子樹脂化合物は、前述した高分子樹脂化合物の製造方法により製造されたものである。
【0054】
本明細書の一実施態様において、高分子樹脂化合物は、前記化学式1で表される第1化合物に由来する第1単位;および前記化学式2で表される第2化合物に由来する第2単位を含み、前記第1化合物の含有量は、前記第2化合物100mol%を基準として、100mol%を超える。
【0055】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物は、前記化学式3で表される第3化合物に由来する構造をさらに含む。
【0056】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物は、前記化学式4-1で表される化合物および前記化学式4-2で表される化合物の中から選択された1つ以上の第4化合物に由来する構造をさらに含む。
【0057】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物の各構成は、前述した高分子樹脂化合物の製造方法の各構成に関する説明を引用することができる。
【0058】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物は、下記化学式5で表される。
[化学式5]
【化12】
前記化学式5において、
E1およびE2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、エポキシド基;または下記化学式6で表される基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;または下記化学式7-1または7-2で表される基であり、
R1~R4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
Xは、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a1~a4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a1~a4が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なり、
nは、繰り返し数であって、1~40の整数であり、
[化学式6]
【化13】
[化学式7-1]
【化14】
[化学式7-2]
【化15】
前記化学式6、7-1および7-2において、
L3およびL4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
E3は、水素;ヒドロキシ基;チオール基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;またはエポキシド基であり、
R5~R7は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアクリレート基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
R5およびR6は、互いに結合して環を形成してもよいし、
【化16】
は、前記化学式5に連結される部位を意味する。
【0059】
本明細書の一実施態様において、前記E1およびE2は、それぞれエポキシド基である。
【0060】
本明細書の一実施態様において、前記化学式5は、下記化学式5-1または5-2で表される。
[化学式5-1]
【化17】
[化学式5-2]
【化18】
前記化学式5-1および5-2において、
R18、R19、R28およびR29は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;または前記化学式7-1または7-2で表される基であり、
R11~R14およびR21~R24は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
L11、L12、L21およびL22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
a11~a14およびa21~a24は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
a11~a14およびa21~a24が2以上の場合、括弧内の置換基は、互いに同一または異なり、
n1およびn2は、繰り返し数であって、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、1~40の整数であり、
E13およびE23は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;ヒドロキシ基;チオール基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;またはエポキシド基であり、
L13およびL23は、直接結合;置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のアリーレン基である。
【0061】
本明細書の一実施態様において、前記R1~R4は、それぞれ水素である。
【0062】
本明細書の一実施態様において、前記R11~R14は、それぞれ水素である。
【0063】
本明細書の一実施態様において、前記R21~R24は、それぞれ水素である。
【0064】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、それぞれ炭素数1~10のアルキレン基である。
【0065】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、それぞれ炭素数1~10の直鎖のアルキレン基である。
【0066】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、それぞれ炭素数1~5の直鎖のアルキレン基である。
【0067】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、それぞれ炭素数1~3の直鎖のアルキレン基である。
【0068】
本明細書の一実施態様において、前記L1およびL2は、それぞれメチレン基である。
【0069】
本明細書の一実施態様において、前記L11およびL12は、それぞれ炭素数1~10のアルキレン基である。
【0070】
本明細書の一実施態様において、前記L11およびL12は、それぞれ炭素数1~10の直鎖のアルキレン基である。
【0071】
本明細書の一実施態様において、前記L11およびL12は、それぞれ炭素数1~5の直鎖のアルキレン基である。
【0072】
本明細書の一実施態様において、前記L11およびL12は、それぞれ炭素数1~3の直鎖のアルキレン基である。
【0073】
本明細書の一実施態様において、前記L11およびL12は、それぞれメチレン基である。
【0074】
本明細書の一実施態様において、前記L21およびL22は、それぞれ炭素数1~10のアルキレン基である。
【0075】
本明細書の一実施態様において、前記L21およびL22は、それぞれ炭素数1~10の直鎖のアルキレン基である。
【0076】
本明細書の一実施態様において、前記L21およびL22は、それぞれ炭素数1~5の直鎖のアルキレン基である。
【0077】
本明細書の一実施態様において、前記L21およびL22は、それぞれ炭素数1~3の直鎖のアルキレン基である。
【0078】
本明細書の一実施態様において、前記L21およびL22は、それぞれメチレン基である。
【0079】
本明細書の一実施態様において、前記Xは、炭素数3~10のシクロアルキレン基である。
【0080】
本明細書の一実施態様において、前記Xは、炭素数4~8のシクロアルキレン基である。
【0081】
本明細書の一実施態様において、前記Xは、シクロヘキシレン基である。
【0082】
本明細書の一実施態様において、前記X1は、炭素数3~10のシクロアルキレン基である。
【0083】
本明細書の一実施態様において、前記X1は、炭素数4~8のシクロアルキレン基である。
【0084】
本明細書の一実施態様において、前記X1は、シクロヘキシレン基である。
【0085】
本明細書の一実施態様において、前記X2は、炭素数3~10のシクロアルキレン基である。
【0086】
本明細書の一実施態様において、前記X2は、炭素数4~8のシクロアルキレン基である。
【0087】
本明細書の一実施態様において、前記X2は、シクロヘキシレン基である。
【0088】
本明細書の一実施態様において、前記L3は、置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリーレン基である。
【0089】
本明細書の一実施態様において、前記L3は、置換もしくは非置換の単環のアリーレン基である。
【0090】
本明細書の一実施態様において、前記L3は、置換もしくは非置換のフェニレン基である。
【0091】
本明細書の一実施態様において、前記L3は、フェニレン基である。
【0092】
本明細書の一実施態様において、前記L13およびL23は、それぞれ置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリーレン基である。
【0093】
本明細書の一実施態様において、前記L13およびL23は、それぞれ置換もしくは非置換の単環のアリーレン基である。
【0094】
本明細書の一実施態様において、前記L13およびL23は、それぞれ置換もしくは非置換のフェニレン基である。
【0095】
本明細書の一実施態様において、前記L13およびL23は、それぞれフェニレン基である。
【0096】
本明細書の一実施態様において、前記E3は、ヒドロキシ基である。
【0097】
本明細書の一実施態様において、前記E13およびE23は、それぞれヒドロキシ基である。
【0098】
本明細書の一実施態様において、前記R5およびR6は、互いに結合して置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環を形成する。
【0099】
本明細書の一実施態様において、前記R5およびR6は、互いに結合して置換もしくは非置換のベンゼン環を形成する。
【0100】
本明細書の一実施態様において、前記R5およびR6は、互いに結合してカルボキシル基で置換もしくは非置換のベンゼン環を形成する。
【0101】
本明細書の一実施態様において、前記R5およびR6は、互いに結合してカルボキシル基で置換されたベンゼン環を形成する。
【0102】
本明細書の一実施態様において、前記L4は、炭素数1~10のアルキレン基である。
【0103】
本明細書の一実施態様において、前記L4は、炭素数1~10の直鎖のアルキレン基である。
【0104】
本明細書の一実施態様において、前記L4は、炭素数1~5の直鎖のアルキレン基である。
【0105】
本明細書の一実施態様において、前記L4は、炭素数1~3の直鎖のアルキレン基である。
【0106】
本明細書の一実施態様において、前記L4は、エチレン基である。
【0107】
本明細書の一実施態様において、前記R7は、アクリレート基である。
【0108】
本明細書の一実施態様において、前記nは、2~40の整数、具体的には5~40の整数である。
【0109】
本明細書の一実施態様において、前記n1およびn2は、それぞれ2~40の整数、具体的には5~40の整数である。
【0110】
本明細書の一実施態様において、前記化学式4-1は、下記化学式4-1-1で表されるものである。
[化学式4-1-1]
【化19】
【0111】
本明細書の一実施態様において、前記化学式4-2は、下記化学式4-2-1で表されるものである。
[化学式4-2-1]
【化20】
【0112】
本明細書の一実施態様において、前記R8およびR9は、それぞれ水素;下記化学式7-1-1で表される基;または下記化学式7-2-1で表される基である。
[化学式7-1-1]
【化21】
[化学式7-2-1]
【化22】
【0113】
本明細書の一実施態様において、前記R18およびR19は、それぞれ水素;前記化学式7-1-1で表される基;または前記化学式7-2-1で表される基である。
【0114】
本明細書の一実施態様において、前記R28およびR29は、それぞれ水素;前記化学式7-1-1で表される基;または前記化学式7-2-1で表される基である。
【0115】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物は、1H-NMRにおいて、2.6ppm~2.9ppmの間にエポキシドのピーク(peak)を含むことができる。具体的には、2.65ppm~2.85ppmの間に2個のエポキシドのピークを含むことができる。
【0116】
本明細書において、1H-NMR分析は、三重共鳴5mm探針(probe)を有するVarian Unity Inova(500MHz)分光計を含むNMR分光計を用いて、常温で行った。NMR測定用溶媒(Acetone_d6)に分析対象物質を約10mg/ml程度の濃度に希釈させて使用した。
【0117】
本明細書の一実施態様において、前記高分子樹脂化合物の重量平均分子量は、2,000g/mol~20,000g/mol、好ましくは2,000g/mol~10,000g/molである。
【0118】
分子量が2,000g/mol未満の場合、耐化学性などの高分子の物性が低下するというデメリットがあり、20,000g/mol超過の場合、本発明の高分子樹脂化合物を適用したフォトレジストのパターン解像度が低下する問題点がある。
【0119】
前記重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)方法で測定したものである。具体的には、カラムはWATERS STYRAGEL HR3/HR4(THF)を用い、溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)(0.45mでフィルタして使用)を用いて、1.0mL/minの流速と1mg/mLの試料濃度で測定した。試料は100μL注入し、カラム温度は40℃に設定した。検出器(Detector)としてはWaters RI detectorを用い、PS(ポリスチレン)に基準を設定した。Empower3プログラムによりデータプロセッシング(Data processing)を行った。
【0120】
本明細書の一実施態様において、感光性樹脂組成物は、前述した高分子樹脂化合物、官能性モノマー、光開始剤、着色剤、および溶媒を含む。
【0121】
本明細書の一実施態様において、前記官能性モノマーは、単官能性モノマーまたは多官能性モノマーである。
【0122】
本明細書の一実施態様において、前記単官能性モノマーは、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびフェノキシエチル(メタ)アクリレートの中から選択された1種以上であってもよい。
【0123】
本明細書の一実施態様において、前記多官能性モノマーは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの中から選択された1種以上であってもよい。
【0124】
本明細書の一実施態様において、前記光開始剤は、光によってラジカルを発生させて架橋を引き起こす開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、およびオキシム系化合物の中から選択された1種以上であってもよい。
【0125】
前記アセトフェノン系化合物は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メチル-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルホリノ-1-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(4-ブロモ-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、および2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オンの中から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0126】
前記ビイミダゾール系化合物は、2,2-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾール、2,2'-ビス(o-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラキス(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1,2'-ビイミダゾール、2,2'-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾール、および2,2'-ビス(o-クロロフェニル)-4,4,5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾールの中から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0127】
前記トリアジン系化合物は、3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオン酸、1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロイソプロピル-3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオネート、エチル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、2-エポキシエチル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、シクロヘキシル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、ベンジル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、3-{クロロ-4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオン酸、3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオンアミド、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(1-p-ジメチルアミノフェニル)-1,3,-ブタジエニル-s-トリアジン、および2-トリクロロメチル-4-アミノ-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジンの中から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0128】
前記オキシム系化合物は、1,2-オクタジオン-1-(4-フェニルチオ)フェニル-2-(o-ベンゾイルオキシム)(チバガイギー社、CGI124)、エタノン-1-(9-エチル)-6-(2-メチルベンゾイル-3-イル)-1-(O-アセチルオキシム)(CGI242)、およびN-1919(アデカ社)の中から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0129】
本明細書の一実施態様において、前記着色剤は、ブラック有機顔料を含む。明細書において、ブラック有機顔料とは、有機物からなり、単一種として可視光線波長帯の光を吸収して黒色系の色相を示す顔料を意味する。例えば、前記ブラック有機顔料としてラクタム系顔料またはペリレン系顔料が使用できる。
【0130】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物の溶媒は、溶解性、顔料分散性、塗布性などを考慮する時、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、2-ヒドロキシエチルプロピオネート、3-メチル-3-メトキシブチルプロピオネート、エチル-3-メトキシプロピオネート、メチル-3-エトキシプロピオネート、エチル-3-エトキシプロピオネート、ブチルアセテート、アミルホルメート、イソアミルアセテート、イソブチルアセテート、ブチルプロピオネート、イソプロピルブチレート、エチルブチレート、ブチルブチレート、エチルピルベート、およびγ-ブチロールアセテートの中から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0131】
本明細書の一実施態様において、感光性樹脂組成物は、本発明の目的に悪影響を及ぼさない限り、追加的に添加剤を含むことができる。例えば、分散剤、密着促進剤、硬化促進剤、酸化防止剤、光架橋増感剤、紫外線吸収剤、熱重合防止剤、およびレベリング剤などの添加剤を追加的に含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0132】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物100wt%を基準として、前記高分子樹脂化合物の含有量は5wt%~80wt%である。高分子樹脂化合物の含有量が前記範囲にある時、適切な現像性を得ることができる。
【0133】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物100wt%を基準として、前記官能性モノマーの含有量は1wt%~50wt%であるが、これに限定されるものではなく、感光性樹脂組成物の用途に応じて調節可能である。
【0134】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物100wt%を基準として、前記光開始剤の含有量は0.1wt%~10wt%であるが、これに限定されるものではなく、感光性樹脂組成物の用途に応じて調節可能である。
【0135】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物100wt%を基準として、前記着色剤の含有量は0.1wt%~15wt%であるが、これに限定されるものではなく、感光性樹脂組成物の用途に応じて調節可能である。
【0136】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物100wt%を基準として、前記添加剤の含有量は0.1wt%~10wt%であるが、これに限定されるものではなく、感光性樹脂組成物の用途に応じて調節可能である。
【0137】
本明細書の一実施態様において、前記感光性樹脂組成物のうち前記高分子樹脂化合物、官能性モノマー、光開始剤、着色剤、および添加剤を除いた残部は、すべて溶媒であってもよい。
【0138】
本明細書の一実施態様において、感光材は、前述した感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
【0139】
本明細書の一実施態様において、前記感光材は、TFT LCDカラーフィルタ製造用顔料分散型感光材、TFT LCD、または有機発光素子のブラックマトリックス形成用感光材、オーバーコート層形成用感光材、カラムスペーサ感光材、光硬化性塗料、光硬化性インク、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線盤用感光材、その他の透明感光材、およびPDPの製造などに使用することができ、その用途に特に制限を設けない。また、ポジ型およびネガ型現像工程をすべて適用することができる。
【0140】
本発明は、前述した高分子樹脂化合物を感光性樹脂組成物に添加することにより、前記感光性樹脂組成物の溶解度を高めて多様な材料および様々な工程での活用度を高めることができるのである。
【実施例】
【0141】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。
【0142】
[製造例.高分子樹脂化合物の合成]
<合成例1>
【化23】
【0143】
前記化合物M1(85g)および前記化合物M2(15g)(M1:M2のモル比=2:1)を、塩基触媒であるトリフェニルホスフィン1g、溶媒であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート200gとともに、窒素雰囲気下で30分間混合した。その後、窒素雰囲気下で反応器の温度を120℃に高めて16時間撹拌して、前記重合体P1を合成した。
【0144】
重合体P1の
1H-NMRグラフは
図1に示し、重合体P1の重量平均分子量は3,000g/molであった。
【0145】
図1により、末端のエポキシピーク(epoxy peak)が2.65ppmおよび2.80ppm付近で観察されることを確認することができる。
【0146】
【0147】
前記合成例1で合成した重合体P1に、5gのM3および触媒として0.1gのトリフェニルホスフィンを、溶媒であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート10gにともに入れて、反応器の温度を120℃に高めて16時間撹拌することにより、前記重合体P2を合成した。
【0148】
重合体P2の重量平均分子量は3,300g/molであった。
【0149】
【0150】
前記合成例2で合成した重合体P2に、5gのM4を入れて、反応器の温度を120℃に高めて16時間撹拌することにより、前記重合体P3を合成した。
【0151】
重合体P3の重量平均分子量は4,100g/molであった。
【0152】
【0153】
前記合成例3においてM4の代わりにM5を投入したことを除けば、前記合成例3と同様の過程で前記重合体P4を合成した。
【0154】
重合体P4の重量平均分子量は6,100g/molであった。
【0155】
【0156】
前記合成例3においてM4の代わりにM4およびM5(M4+M5の総含有量4g)をすべて投入することに変更したことを除けば、前記合成例3と同様の過程で前記重合体P5を合成した。
【0157】
重合体P5の重量平均分子量は8,000g/molであった。
【0158】
【0159】
前記合成例1において化合物M1および化合物M2のモル比を0.6:1に変更したことを除けば、前記合成例1と同様の過程で前記重合体P0を合成した。
【0160】
重合体P0の
1H-NMRグラフは
図2に示し、重合体P0の重量平均分子量は3,000g/molであった。
【0161】
図2では、
図1で観察されていたエポキシピークが観察されず、10.5ppm付近で広くて薄くカルボン酸ピーク(carboxylic acid peak)が観察されることを確認することができる。
【0162】
具体的には、
図1および
図2のグラフ中の10.5ppm付近のピークを拡大した
図3をみると、重合体P0の場合、微細に尖っているピークが確認可能である。
【0163】
[実験例1.溶解度評価]
前記合成例および比較合成例で製造した重合体P1~P5およびP0について、5種の溶媒プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、アセトン(Acetone)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、ガンマブチロラクトン(GBL)、およびエチルラクテート(EL)それぞれに対する溶解度を評価した。
【0164】
具体的には、常温で溶媒10gに重合体0.5gをそれぞれ入れて撹拌して、肉眼で透明度を確認した。これを前記5種の溶媒と重合体P1~P5およびP0それぞれに対して個別に実施した。
【0165】
透明度評価は、黒紙の前に試料溶液入りのバイアルを立てて白色粒子が存在するかを確認する方法で進行させた。
【0166】
PGME、GBL、およびELの場合、重合体P1~P5およびP0とも白色粒子なしに透明かつよく溶けていることを確認した。しかし、PGMEAおよびアセトン溶媒の場合、重合体P1~P5を溶かした試料は透明かつよく溶けたことを確認することができたが、重合体P0を溶かした試料は白色の微細粒子が浮遊するだけでなく、1時間程度放置すると白色沈殿物が生じることを確認した。
【0167】
これにより、比較合成例1で製造した重合体P0は、感光性樹脂組成物の溶媒として主に使用されるPGMEAおよび洗浄溶媒であるアセトンに対する溶解度が良くないことが分かる。
【0168】
[実験例2.パターンの製造]
前記合成例で製造した重合体P1(1.5g)とミルベース6.5g、架橋反応基を2個以上有する架橋剤1.2g、そして光開始剤0.2gを、PGMEA8.5gに溶かした後、50mm×50mmサイズのITO-Ag-ITOからなる三重膜基板上に430rpmでスピンコーティングし、100℃で120秒間ホットプレート上でプリベーク(pre-bake)を進行させた。以後、80mJ/cm2のエネルギーで露光をし、2.3wt%のTMAH現像液で現像した後、230℃で30分間ポストベーク(post-bake)を進行させてパターンを完成した。
【0169】
重合体P2~P5も同様の方法でパターンを形成することができたが、比較合成例で製造した重合体P0の場合、重合体がPGMEAに溶けておらず正常なコーティングが不可能で、パターンを形成することができなかった。
【0170】
具体的には、コーティングの進行時、基板上に肉眼で確認できる微細粒子が不均一に分布しており、パターンを現像したにもパターン上に残膜が残り、まともなパターンを現像することができなかった。
【国際調査報告】