(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】窓付きレチクルポッド
(51)【国際特許分類】
G03F 1/66 20120101AFI20221202BHJP
【FI】
G03F1/66
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521531
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 US2020054853
(87)【国際公開番号】W WO2021072126
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エグム, ショーン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ティーベン, アンソニー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ワイズマン, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ラシュク, ラス ヴィ.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ホアピン
【テーマコード(参考)】
2H195
【Fターム(参考)】
2H195BA10
2H195BE12
(57)【要約】
レチクルポッドの扉は、レンズと、側壁と、レッジと、を有する窓を含む。窓は、ハウジングとカバーとの間の扉内部に位置決めされるか、又は取り付けられてもよい。圧縮性シールを、窓と併せて使用してもよい。側壁、レッジ、及び圧縮性シールは協働して、外部汚染物質からの所望のレベルの保護を維持しながら、扉の圧縮嵌めを可能にする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッド扉であって、
扉ハウジングと、
前記扉ハウジングに固定された扉カバーと、
前記扉ハウジング中に画定された開口部と、
レンズ、側壁、及びレッジを含む窓と、を備え、前記窓が、前記レンズが前記扉ハウジング中に画定された前記開口部を通して見えるように、前記レチクルポッド扉内の前記扉ハウジングと前記扉カバーとの間に収容されている、レチクルポッド扉。
【請求項2】
前記扉カバーが、前記レンズが前記レチクルポッド扉の底部から見えるように追加の開口部を含む、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項3】
前記側壁が、前記レンズから下方に遠ざかるように延在し、前記窓の外周を画定する前記レンズの周りを囲む、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項4】
前記側壁が、前記側壁の下縁が前記扉カバーの上面に接触するように、前記レンズから下方に遠ざかるように延在する、請求項3に記載のレチクルポッド。
【請求項5】
前記側壁が、前記側壁の下縁が前記扉ハウジングの下面と前記扉カバーの上面との間にあるように、前記レンズから下方に遠ざかるように延在する、請求項3に記載のレチクルポッド。
【請求項6】
前記レッジが、前記窓の外周の周りで前記側壁から外側に遠ざかるように終端する、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項7】
前記レッジが、前記側壁中に形成された凹部によって画定されている、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項8】
前記レッジが、前記窓の外周の周りで前記側壁から外側に遠ざかるように終端し、かつ第2の外周よりも大きい第1の外周を有する、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項9】
前記レンズの下面と前記レッジの上面との間に凹部が画定されている、請求項8に記載のレチクルポッド扉。
【請求項10】
前記窓、前記レンズ、及び前記レッジが、前記扉カバーが前記扉ハウジングに固定されたときに前記レンズが前記扉ハウジングの前記開口部内に受容されるように、前記扉カバー中に一体的に形成されている、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項11】
圧縮性シールをさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のレチクルポッド。
【請求項12】
前記レンズ、前記側壁、及び前記レッジが、単一の一体部品として設けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載のレチクルポッド扉。
【請求項13】
レチクル容器であって、
ポッドカバーと、
ポッド扉と、を備え、前記ポッド扉が、扉ハウジングと、前記扉ハウジングに固定された扉カバーと、前記扉ハウジング中に画定された開口部と、レンズ、側壁、及びレッジを含む窓と、を含み、前記窓が、前記レンズが前記扉ハウジング中に画定された前記開口部を通して見えるように前記ポッド扉内に保持されている、レチクル容器。
【請求項14】
前記内側ポッドカバー及び内側ポッド扉が、外側ポッドを画定し、前記レチクルポッド容器が、前記外側ポッド内に収容された内側ポッドをさらに備え、前記内側ポッドが、内側ポッドハウジングと、内側ポッド窓を含む内側ポッド扉と、を含み、前記内側ポッドが前記外側ポッド内に収容されたとき、前記内側ポッド窓が、前記外側ポッドの前記ポッド扉内の前記窓と位置合わせされる、請求項13に記載のレチクル容器。
【請求項15】
前記窓の前記側壁が、前記側壁の下縁が前記ポッド扉の前記扉カバーの上面に接触するように、前記レンズから下方に遠ざかるように延在する、請求項13に記載のレチクル容器。
【請求項16】
前記窓の前記側壁が、前記側壁の下縁が前記扉ハウジングの下面と前記扉カバーの上面との間にあるように、前記レンズから下方に遠ざかるように延在する、請求項13に記載のレチクル容器。
【請求項17】
圧縮性シールをさらに備える、請求項13から16のいずれか一項に記載のレチクル容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月10日に出願された米国仮特許出願第62/913,518号の利益及び優先権を主張し、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、半導体製造のためのフォトリソグラフィプロセスで使用されるレチクル及びペリクルの保管、搬送、輸送、及び処理のための容器に関する。より詳細には、本開示は、容器の扉に窓を含むレチクル容器に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路及び他の半導体デバイスの製造において一般的に遭遇するプロセスステップのうちの1つは、フォトリソグラフィである。概して、フォトリソグラフィは、エッチングされた表面層を形成するために、パターン化されたテンプレートを使用して、特別に準備されたウエハ表面を放射源に選択的に露光することを含む。典型的には、パターン化されたテンプレートはレチクルであり、レチクルは、ウエハ上に転写されるパターンを含む極めて平坦なガラス板である。例えば、ウエハ表面は、最初にウエハ上に窒化ケイ素を堆積させ、続いて感光性液体ポリマー又はフォトレジストをコーティングすることによって準備してもよい。次に、紫外(UV)光又は極端紫外光(EUV)が、マスク又はレチクルの表面を通して照射されるか、又は表面で反射して、所望のパターンがフォトレジストで覆われたウエハ上に投影される。光に露光したフォトレジストの部分は化学的に改質され、未露光のフォトレジストを除去する化学媒体にウエハが続けてさらされたときに影響を受けないままであり、改質されたフォトレジストを、マスク上のパターンの正確な形状でウエハ上に残す。次いで、ウエハは、窒化物層の露出部分を除去するエッチングプロセスを受け、窒化物パターンを、マスクの正確なデザインでウエハ上に残す。このエッチングされた層は、単独で、又は他の同様に生成された層と組み合わせて、デバイス及びデバイス間の相互接続を表し、集積回路又は半導体チップの「回路」を特徴付ける。
【0004】
特定の実施において、レチクル及びペリクルの保管及び輸送は、工学的に設計された容器を必要とする。保管、搬送、又は輸送中にレチクル又はペリクルの完全性を維持することが主な関心事である。容器は、容器を開くことなく、かつデバイスを粒子又は他の形態の汚染にさらすことなく、レチクル又はペリクルを検査するための手段を有していない。センサがポッド内部のレチクル又はペリクル上の境界又はインジケータを読み取ることができ、ポッド内部のレチクル又はペリクルを調べることを可能にすることができるように、又はその両方ができるように、扉内に窓を挿入すること。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に、半導体製造のためのフォトリソグラフィプロセスで使用されるレチクル及びペリクルの保管、搬送、輸送、及び処理のための容器に関する。より詳細には、本開示は、容器の扉に窓を含むレチクル容器に関する。
【0006】
一実施形態では、本開示の窓は、レンズ、側壁、レッジ、及び圧縮性シールを有する。窓は、ハウジングとカバーとの間の扉内部に位置決めされるか、又は取り付けられてもよい。側壁、レッジ、及び圧縮性シールは協働して、外部汚染物質からの所望のレベルの保護を維持しながら、扉の圧縮嵌めを可能にする。
【0007】
他の実施形態では、レチクルポッド扉は、扉ハウジングと、扉ハウジングに固定された扉カバーと、扉ハウジング中に画定された開口部と、レンズ、側壁、及びレッジを含む窓と、を備え、窓が、レンズが扉ハウジング中に画定された開口部を通して見えるように、レチクルポッド扉内の扉ハウジングと扉カバーとの間に収容されている。
【0008】
さらに他の実施形態では、レチクル容器は、ポッドカバーと、ポッド扉と、を備え、ポッド扉が、扉ハウジングと、扉ハウジングに固定された扉カバーと、扉ハウジング中に画定された開口部と、レンズ、側壁、及びレッジを含む窓と、を含み、窓が、レンズが扉ハウジング中に画定された開口部を通して見えるようにポッド扉内に保持されている。
【0009】
本開示は、添付の図面に関する様々な例示的な実施形態の以下の説明を考慮して、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の様々な実施形態による、レチクル容器の分解図である。
【
図2】本開示の実施形態に従って示された、レチクル容器の断面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、レチクル容器の扉内に位置決めされた窓を示す図である。
【
図4】レチクル容器の扉内に挿入するための窓の一実施形態を示す図である。
【
図5】レチクル容器の扉内に取り付けられた、
図4の窓を示す部分断面図である。
【
図6】レチクル容器の扉内に挿入するための窓の別の実施形態を示す図である。
【
図7】レチクル容器の扉内に取り付けられた、
図6の窓を示す部分断面図である。
【
図8】レチクル容器の扉内に挿入するための窓の別の実施形態を示す図である。
【
図9】レチクル容器の扉内に取り付けられた、
図8の窓を示す部分断面図である。
【
図10】本開示の別の実施形態による、窓を含む扉カバーの上面斜視図である。
【
図11】レチクル容器の扉内に取り付けられた、
図10の窓を示す部分断面図である。
【
図12A】本開示の一実施形態に従って設けられた窓アセンブリの斜視図である。
【
図12B】
図12Aに示す窓アセンブリの、線12B-12Bに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態に適しているが、その詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、本開示の態様を、記載された特定の例示的な実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本開示の精神及び範囲内に入るすべての修正例、均等物、及び代替例を網羅することである。
【0012】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「又は」という用語は、一般に、その内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で用いられる。
【0013】
「約」という用語は、一般に、列挙された値と等価である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えられる数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数字を含んでもよい。
【0014】
以下の詳細な説明は、異なる図面の同様の要素に同じ番号を付した図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明及び図面は、必ずしも縮尺通りではなく、例示的な実施形態を図示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。図示された例示的な実施形態は、例示としてのみ意図されている。反対のことが明確に述べられていない限り、任意の例示的な実施形態の選択された特徴は、追加の実施形態に組み込まれてもよい。
【0015】
特定の実施形態では、窓は、本開示の様々な実施形態に従って本明細書に記載されるように、機械的手段による直接締結なしに扉ハウジングと扉カバーとの間の圧縮シールを可能にする側壁を有する一体構造を有する。これにより、少なくとも締結デバイスからの粒子の発生を防止し得る。さらに、様々な実施形態によれば、窓は、(i)光透過を向上させるために単一のレンズであってもよく、(ii)レチクルポッドに包装された壊れやすいデバイスの読み取り及び検出を向上させるために、印に近接して設置されてもよい。
【0016】
図1は、例示的なレチクル容器2の分解図である。1つの例示的な実施形態では、図示のように、レチクル容器2は、半導体の製造に使用される極端紫外線(EUV)フォトリソグラフィプロセスの様々な段階を通してレチクルを搬送するために使用される、EUVレチクルポッドである。
図1に見られるように、レチクル容器は、外側ポッドカバー6及び外側ポッド扉8を含む、外側ポッド4を含む。内側ポッド10は、外側ポッド4内に収容されており、内側ポッド扉14と嵌合するように構成された内側ポッドカバー12を含む。内側ポッド10の環境内にレチクル16が収容されている。本開示の様々な実施形態によれば、
図2に最もよく示されているように、外側ポッド扉8は、レチクル容器2が組み立てられるときに内側ポッド扉14に設けられた窓22と位置合わせされる、窓20を含む。外側ポッド扉8に設けられた窓20と内側ポッド扉14の窓22との位置合わせは、内側ポッド10内に収容されたレチクル16を見ることを容易にし、かつ/又は外側ポッド4及び/又は内側ポッド10の内部空間にアクセスするために開く必要なしに、センサが内側ポッド10内部のレチクル又はペリクル上の境界又はインジケータを読み取ることを可能にする。
【0017】
図3は、本開示の一実施形態による、窓20を含む外側ポッド扉8を示している。
図3に示すように、窓20は、外側ポッド扉8内に保持されている。外側ポッド扉8は、外側ポッド扉カバー24及び外側ポッド扉ハウジング26で構成されている。窓20は、扉カバー24と扉ハウジング26との間に保持されている。本開示の知識を有する当業者は、外側ポッド扉8が、レチクルポッド及び扉8の他の機能及び動作をサポートするための他の特徴又は補助デバイスを有し得ることを認識するであろう。他の特徴又は補助デバイスの非限定的な例は、シール、ラッチ、レチクル保持ポスト、又はそれ以外を含む場合がある。
【0018】
図4は、本開示の一実施形態による、例示的な窓20を示している。窓20は、レンズ28、側壁30、及びレッジ32を含む。
図4に示すように、レンズ28、側壁30、及びレッジ32は、単一の一体部品として設けられている。いくつかの実施形態では、レンズ28は、平坦な上面34を有し得る。側壁30は、レンズ28から下方に遠ざかる方向に延在し、レンズ28の周りを囲む。レッジ32は、側壁30から外側に遠ざかる方向に延在し、また、側壁30によって画定された窓20の外周36の周りに延在する。
【0019】
窓20は、読取デバイスによる印へのアクセスを可能にするために透明材料で構成されている。特定の実施形態では、窓20は、ポリカーボネートから構成されている。窓20の製造には、他の透明ポリマーが好適である場合がある。さらに、レンズ28は、好ましくは、印を読み取るために十分な光がレンズを透過することを可能にする滑らかな表面を有する。レンズ28を含む窓20は、射出成形などの従来の溶融加工技術によって形成することができる。
【0020】
窓20は、読取デバイスが、例えばレチクル容器の内側ポッド10などの内側ポッド内に収容されたレチクル(例えば、
図1及び
図2のレチクル16)上の任意の印を読み取ることを可能にするのに十分なサイズ及び形状としてもよい。例えば、読取デバイスは、窓20を通して、レチクル上の二次元バーコードを読み取ることができるか、又は内側ポッド内に収容されたレチクル上のペリクルフレームを検出することができる。
【0021】
図5に示すように、レンズ28及び側壁30を有する窓20は、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉の扉カバー24と扉ハウジング26との間に保持することができる。運用において、窓20は、扉ハウジング26の開口部37内に受容される。レンズ28の外周部42は、開口部37の内周部44のサイズ及び形状と適合する。さらに、扉カバー24は、側壁30の内周部46のサイズ及び形状に適合した開口部38を有する。
【0022】
いくつかの実施形態では、
図5に示すように、圧縮性シール50などの圧縮性シールを利用して、レチクル容器の外側ポッド扉8内の窓20の保持を容易にすることができる。
図5に図示された実施形態に示すように、圧縮性シール50は、レッジ32の上の窓20の外周36の周りに保持されている。圧縮性シール50は、エラストマー配合物から形成することができる。特定の実施形態では、圧縮性シールは、フルオロエラストマーから形成されている。フルオロエラストマーは、一般に、より純粋なポリマーと考えられており、圧縮シールなどの用途において多量の粒子を発生しない。いくつかの実施形態では、圧縮性シール50は、Oリングとすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、窓20はハウジング26の開口部37内に挿入されており、このような、開口部38を取り囲む扉カバー24の上面52は、扉ハウジング26の内面56とレッジ32の上面58との間の圧縮性シール50を圧縮するように側壁30の底縁54に接触している。扉カバー24は、従来の機械的締結具によって扉ハウジング26に固定されて、圧縮性シール50の圧縮を維持して窓20を扉8内に保持する。圧縮は、圧縮性シール50を通過するレチクルポッドの筐体内への空気又は粒子状物質の両方の移動を最小限に抑えるのに十分な力である。
【0024】
図6~
図13は、レチクル容器の扉内に保持される窓の追加の実施形態を示している。
【0025】
図6は、本開示の別の実施形態による、例示的な窓120を示している。窓120は、レンズ128及び側壁130を含む。側壁130は、レンズ128から下方に遠ざかる方向に延在し、レンズ128の周りを囲む。側壁130の凹部131は、レッジ132を画定する。レンズ128及び側壁130は、単一の一体部品として設けることができる。レッジ132は、側壁130の外周136に形成された凹部131によって画定されている。いくつかの実施形態では、レンズ128は、平坦な上面134を有し得る。
【0026】
窓120は、読取デバイスによる印へのアクセスを可能にするために透明材料で構成されている。特定の実施形態では、窓120は、ポリカーボネートから構成されている。窓120の製造には、他の透明ポリマーが好適である場合がある。さらに、レンズ128は、好ましくは、印を読み取るために十分な光がレンズを透過することを可能にする滑らかな表面を有する。レンズ128を含む窓120は、射出成形などの従来の溶融加工技術によって形成することができる。
【0027】
窓120は、読取デバイスが、例えばレチクル容器の内側ポッド10などの内側ポッド内に収容されたレチクル(例えば、
図1及び
図2のレチクル16)上の任意の印を読み取ることを可能にするのに十分なサイズ及び形状としてもよい。例えば、読取デバイスは、窓120を通して、レチクル上の二次元バーコードを読み取ることができるか、又は内側ポッド内に収容されたレチクル上のペリクルフレームを検出することができる。
【0028】
図7に示すように、レンズ128及び側壁130を有する窓120は、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉の扉カバー124と扉ハウジング126との間に保持することができる。運用において、窓120は、扉ハウジング126の開口部137内に受容される。いくつかの実施形態では、レンズ128の外周部142は、開口部137の内周部144のサイズ及び形状と適合する。他の実施形態では、レンズ128の外周部142は、レンズ128の下面146が扉ハウジング126の上面148に接触して支持され得るように、開口部137の内周部144よりもわずかに大きくてもよい。さらに、扉カバー124は、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉の底部から窓120のレンズ128を通して見ることを容易にする、開口部138を有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、
図7に示すように、圧縮性シール150などの圧縮性シールを利用して、レチクル容器の外側ポッド扉8内の窓120の保持を容易にすることができる。
図5に図示された実施形態に示すように、圧縮性シール150は、少なくとも部分的に凹部131内で、窓120の外周136の周りに保持されている。圧縮性シール150によって加えられる圧縮は、圧縮性シール150を通過するレチクルポッドの筐体内への空気又は粒子状物質の両方の移動を最小限に抑えるのに十分な力である。
【0030】
圧縮性シール150は、エラストマー配合物から形成することができる。特定の実施形態では、圧縮性シールは、フルオロエラストマーから形成されている。フルオロエラストマーは、一般に、より純粋なポリマーと考えられており、圧縮シールなどの用途において多量の粒子を発生しない。いくつかの実施形態では、圧縮性シール150は、Oリングとすることができる。
【0031】
図8は、本開示の別の実施形態による、例示的な窓220を示している。窓220は、レンズ228及び側壁230を含む。側壁230は、レンズ228から下方に遠ざかる方向に延在し、レンズ228の周りを囲む。いくつかの実施形態では、レンズ228は、平坦な上面234を有し得る。フレア状レッジ232は、側壁130の外周236の周りに延在する。フレア状レッジ232は、フレア状レッジ232の第2の外周237よりも大きい第1の外周235を画定する、上縁233を有する。フレア状レッジ232の上縁233は、レンズ228の下面239とレッジ232の上面241との間に凹部231が画定されるように、側壁230から外側に遠ざかるように延在する。レンズ228、側壁230、及びレッジ232は、単一の一体部品として設けることができる。
【0032】
窓220は、読取デバイスによる印へのアクセスを可能にするために透明材料で構成されている。特定の実施形態では、窓220は、ポリカーボネートから構成されている。窓220の製造には、他の透明ポリマーが好適である場合がある。さらに、レンズ228は、好ましくは、印を読み取るために十分な光がレンズを透過することを可能にする滑らかな表面を有する。レンズ228を含む窓220は、射出成形などの従来の溶融加工技術によって形成することができる。
【0033】
窓220は、読取デバイスが、例えばレチクル容器の内側ポッド10などの内側ポッド内に収容されたレチクル(例えば、
図1及び
図2のレチクル16)上の任意の印を読み取ることを可能にするのに十分なサイズ及び形状としてもよい。例えば、読取デバイスは、窓220を通して、レチクル上の二次元バーコードを読み取ることができるか、又は内側ポッド内に収容されたレチクル上のペリクルフレームを検出することができる。
【0034】
図9に示すように、窓220は、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉の扉カバー224と扉ハウジング226との間に保持することができる。運用において、窓220は、扉ハウジング26の開口部237内に受容される。レンズ228の外周部242は、開口部237の内周部244のサイズ及び形状と適合する。さらに、扉カバー224は、外側ポッド扉の底部から窓220のレンズ228を通して見ることを容易にする開口部238を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、
図9に示すように、扉ハウジング226は、開口部237を画定する側壁256から内側に延在するレッジ254を含み得る。窓220は、フレア状レッジ232の上面241が、開口部237内の定位置に窓220を機械的にロックするレッジ254の下面258と接触して当接するように、開口部237内に受容され得る。さらに、圧縮性シール250などの圧縮性シールを利用して、レチクル容器の外側ポッド扉8内の窓220の保持を容易にすることができる。
【0036】
図9に図示された実施形態に示すように、圧縮性シール250は、レンズ228の底面236とレッジ256の上面260との間に画定された空間内に保持されている。圧縮性シール250によって加えられる圧縮は、圧縮性シール150を通過するレチクルポッドの筐体内への空気又は粒子状物質の両方の移動を最小限に抑えるのに十分な力である。
【0037】
圧縮性シール250は、エラストマー配合物から形成することができる。特定の実施形態では、圧縮性シールは、フルオロエラストマーから形成されている。フルオロエラストマーは、一般に、より純粋なポリマーと考えられており、圧縮シールなどの用途において多量の粒子を発生しない。いくつかの実施形態では、圧縮性シール250は、Oリングとすることができる。
【0038】
圧縮性シール250の圧縮を維持して窓220を、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉内に保持する、扉ハウジング226に固定された扉カバー224従来の機械的締結具。
【0039】
図10~
図11は、レンズ328を含む窓である窓320が扉カバー324の一部として形成されている、一実施形態の異なる図を示している。本実施形態では、扉カバー324は、読取デバイスによる印へのアクセスを可能にするために透明材料で構成されている。特定の実施形態では、窓320を含む扉カバー324は、ポリカーボネートから構成されている。扉カバー324及び窓320の製造には、他の透明ポリマーが好適である場合がある。さらに、レンズ328は、好ましくは、印を読み取るために十分な光がレンズを透過することを可能にする滑らかな表面を有する。射出成形などの従来の溶融加工技術によって形成される、窓320を含む扉324。
【0040】
図10~
図11に示すように、窓320は、レンズ328及び側壁330を含む。いくつかの実施形態では、図示のように、側壁330は傾斜し得る。側壁330は、レンズ328から下方に遠ざかるように、扉カバー324の上面327まで延在する。レッジ332は、側壁330から外側に遠ざかるように延在し、側壁330の外周の周りに延在する。扉カバー324が扉ハウジング326に固定されると、レンズ328は、扉ハウジング326中に画定された開口部337内に受容される。開口部337の内周部は、レンズ328の外周部339のサイズ及び形状と適合する。圧縮性シール350を利用して、レチクル容器の外側ポッド扉内の窓320の保持を容易にすることができる。圧縮性シール350は、扉ハウジング326中に画定されたアンダーカット357とレッジ332の上面355との間に保持することができる。圧縮性シール350によって加えられる圧縮は、圧縮性シール350を通過するレチクルポッドの筐体内への空気又は粒子状物質の両方の移動を最小限に抑えるのに十分な力である。扉カバー324は、従来の機械的締結具を使用して扉ハウジング326に固定されて、圧縮性シール350の圧縮を維持して窓320を、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉内に保持する。
【0041】
本明細書に開示された他の圧縮性シールと同様に、圧縮性シール350は、エラストマー配合物から形成することができる。特定の実施形態では、圧縮性シールは、フルオロエラストマーから形成されている。フルオロエラストマーは、一般に、より純粋なポリマーと考えられており、圧縮シールなどの用途において多量の粒子を発生しない。いくつかの実施形態では、圧縮性シール350は、Oリングとすることができる。
【0042】
図12A及び
図12Bは、レチクル容器の外側ポッド扉8などの扉内に収容することができる窓アセンブリ400の異なる図を示している。窓アセンブリ400は、グロメット404及びグロメット404内に保持されたレンズ408を含む。グロメット404は、そこを通してレンズ408を見ることができる開口部を画定する、上側レッジ410を含む。グロメットはまた、上側レッジ410から離間した下側レッジ412を含み、それにより、凹部414が上側レッジ410と下側レッジ412との間に画定されている。側壁416は、上側レッジ410から下方に遠ざかる方向に延在する。下側レッジ412は、側壁416と一体であり、側壁416から外側に遠ざかるように延在する。
図12Bに見られるように、グロメット404は、上側レッジ410、下側レッジ412、及び側壁416によって画定されるようなH字形断面を有する。さらに、
図12Bに見られるように、レンズ408の縁418は、レンズ408がグロメット404内に保持されるように、側壁416の内面422中に画定されたノッチ又は溝420内に捕捉されている。
【0043】
グロメット404は、エラストマー配合物から形成することができる。特定の実施形態では、グロメット404は、フルオロエラストマーから形成される。フルオロエラストマーは、一般に、より純粋なポリマーと考えられており、圧縮シールなどの用途において多量の粒子を発生しない。グロメット404を製造することができるエラストマー又はフルオロエラストマーの柔軟性は、窓、そしてまた扉ハウジングの内面に対するシールの生成を容易にする。
【0044】
レンズ408は、透明材料で構成されている。特定の実施形態では、レンズ408は、ポリカーボネートから構成されている。レンズ408の製造には、他の透明ポリマーが好適である場合がある。他の実施形態では、レンズ408は、ガラスから構成されている。さらに、レンズ408は、好ましくは、内側ポッド内の印を読み取り、かつ/又は内側ポッド内に収容されたレチクル若しくはペリクルを見るために十分な光がレンズを透過することを可能にする滑らかな表面を有する。
【0045】
レンズ408は、読取デバイスが、例えばレチクル容器の内側ポッド10などの内側ポッド内に収容されたレチクル(例えば、
図1及び
図2のレチクル16)上の任意の印を調べるかつ/又は読み取ることを可能にするのに十分なサイズ及び形状としてもよい。例えば、読取デバイスは、窓408を通して、レチクル上の二次元バーコードを読み取ることができるか、又は内側ポッド内に収容されたレチクル上のペリクルフレームを検出することができる。
【0046】
図13に示すように、窓アセンブリ400は、例えば外側ポッド扉8などの外側ポッド扉の扉カバー24と扉ハウジング26との間に保持することができる。運用において、窓400は、開口部430を画定する扉ハウジング436の内縁432が上側レッジ410と下側レッジ412との間に画定された凹部414内に捕捉されるように、扉ハウジング26の開口部430内に受容される。上側レッジ410の下面434は、扉ハウジング26の上面436上に接触して載置することができる。さらに、扉カバー24は、外側ポッド扉の底部から窓400のレンズ408を通して見ることを容易にする開口部438を有する。いくつかの実施形態では、側壁416は、側壁の下縁442が扉カバー24の上面440に接触するように下方に延在してもよい。他の実施形態(図示せず)では、側壁416は、側壁416の下縁442が扉ハウジング26と扉カバー24との間にあるように下方に延在する。
【0047】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲内で、さらに他の実施形態が作成されかつ使用されてもよいことを容易に理解するであろう。本文書によって網羅される本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で例示にすぎないことが理解されよう。本開示の範囲を超えることなく、詳細、特に部品の形状、サイズ、及び配置に関する事項を変更してもよい。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッド扉であって、
扉ハウジングと、
前記扉ハウジングに固定された扉カバーと、
前記扉ハウジング中に画定された開口部と、
レンズ、側壁、及びレッジを含む窓と、を備え、前記窓が、前記レンズが前記扉ハウジング中に画定された前記開口部を通して見えるように、前記レチクルポッド扉内の前記扉ハウジングと前記扉カバーとの間に収容されている、レチクルポッド扉。
【請求項2】
前記扉カバーが、前記レンズが前記レチクルポッド扉の底部から見えるように追加の開口部を含む、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項3】
前記レッジが、前記窓の外周の周りで前記側壁から外側に遠ざかるように終端する、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項4】
前記レッジが、前記側壁中に形成された凹部によって画定されている、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項5】
前記レッジが、前記窓の外周の周りで前記側壁から外側に遠ざかるように終端し、かつ第2の外周よりも大きい第1の外周を有する、請求項1に記載のレチクルポッド扉。
【請求項6】
圧縮性シールをさらに備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載のレチクルポッド
扉。
【請求項7】
レチクル容器であって、
ポッドカバーと、
ポッド扉と、を備え、前記ポッド扉が、扉ハウジングと、前記扉ハウジングに固定された扉カバーと、前記扉ハウジング中に画定された開口部と、レンズ、側壁、及びレッジを含む窓と、を含み、前記窓が、前記レンズが前記扉ハウジング中に画定された前記開口部を通して見えるように前記ポッド扉内に保持されている、レチクル容器。
【請求項8】
内側ポッドカバー及び内側ポッド扉が、外側ポッドを画定し、前記レチク
ル容器が、前記外側ポッド内に収容された内側ポッドをさらに備え、前記内側ポッドが、内側ポッドハウジングと、内側ポッド窓を含む内側ポッド扉と、を含み、前記内側ポッドが前記外側ポッド内に収容されたとき、前記内側ポッド窓が、前記外側ポッドの前記ポッド扉内の前記窓と位置合わせされる、請求項
7に記載のレチクル容器。
【請求項9】
前記窓の前記側壁が、前記側壁の下縁が前記扉ハウジングの下面と前記扉カバーの上面との間にあるように、前記レンズから下方に遠ざかるように延在する、請求項
7に記載のレチクル容器。
【請求項10】
圧縮性シールをさらに備える、請求項
7から
9のいずれか一項に記載のレチクル容器。
【国際調査報告】