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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】間隙充填堆積プロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20221207BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20221207BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20221207BHJP
   C23C 16/14 20060101ALI20221207BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
H01L21/88 R
H01L21/90 C
C23C16/455
C23C16/14
H01L21/28 B
H01L21/28 301R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521661
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020046396
(87)【国際公開番号】W WO2021076212
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】16/653,601
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ベキアリス, ニコラオス
(72)【発明者】
【氏名】チェン, エリカ
(72)【発明者】
【氏名】ナイク, メフル ビー.
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
5F033
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA12
4K030AA13
4K030AA16
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA02
4K030BA05
4K030BA14
4K030BA17
4K030BA18
4K030BA20
4K030BA38
4K030BB12
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA03
4K030DA09
4K030EA03
4K030FA10
4K030GA02
4K030HA01
4K030JA01
4K030JA09
4K030KA41
4K030KA49
4K030LA15
4M104AA01
4M104AA03
4M104AA04
4M104AA05
4M104AA08
4M104BB04
4M104BB14
4M104BB17
4M104BB30
4M104BB32
4M104BB36
4M104BB37
4M104DD23
4M104DD33
4M104DD43
4M104DD44
4M104DD45
4M104DD77
4M104DD79
4M104FF16
4M104HH13
5F033JJ07
5F033JJ08
5F033JJ15
5F033JJ18
5F033JJ19
5F033JJ21
5F033JJ31
5F033JJ32
5F033JJ33
5F033KK01
5F033NN06
5F033NN07
5F033PP06
5F033PP11
5F033PP14
5F033QQ09
5F033QQ37
5F033QQ53
5F033QQ73
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5F033QQ92
5F033QQ94
5F033QQ98
5F033RR01
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR08
5F033WW01
5F033WW02
5F033WW04
5F033WW05
5F033XX04
(57)【要約】
クラスタ処理システムにおいて基板に相互接続構造を形成する方法、及び上記相互接続構造を熱処理する方法が提供される。一実施形態では、半導体デバイスのデバイス構造のための方法は、基板に配置された材料層に形成された開口部にバリア層を形成することと、バリア層に界面層を形成することと、界面層に間隙充填層を形成することと、基板に5バールより高い圧力範囲で実行されるアニールプロセスを実行することとを含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスのデバイス構造を形成する方法であって、
基板に配置された材料層に形成された開口部にバリア層を形成することと、
前記バリア層に約0.3nmから約3nmの厚さの界面層を形成することと、
前記界面層に間隙充填層を形成することと、
前記基板に5バールより高い圧力範囲で実行されるアニールプロセスを実行することと
を含む方法。
【請求項2】
前記界面層は金属含有層である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記界面層は、タングステン含有材料、ニッケル含有材料、アルミニウム含有材料、ルテニウム含有材料、又はマンガン含有材料のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記間隙充填層はCo層又はCo合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記間隙充填層を形成することは、
(a)前記間隙充填層の一部を形成するための堆積プロセスを実行することと、
(b)前記間隙充填層の一部にプラズマ処理プロセスを実行することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(a)及び(b)を繰り返すこと
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プラズマ処理プロセスは、
水素含有ガスを含む処理混合ガスを供給すること
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記堆積プロセスはCVDプロセスである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記アニールプロセスを実行することは、
基板温度を250℃より高く維持すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アニールプロセスを実行することは、
前記アニールプロセス中に、水素含有ガスを含むアニール混合ガスを供給すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記バリア層はTa含有層又はTi含有層である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記バリア層、前記界面層及び前記間隙充填層は、真空を損なわずにクラスタシステムで形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記バリア層を形成する前に、前洗浄プロセスを実行すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記前洗浄プロセスを実行することは、
基板温度を250℃より高く維持すること
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アニールプロセスを実行することは、
前記間隙充填層の粒径を大きくすること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
相互接続構造であって、
基板に配置された材料層に画定された開口部に形成されたバリア層と、
前記バリア層に配置された、約0.3nmから約3nmの厚さの界面層と、
前記界面層に配置された、10nmより大きい平均粒径を有する間隙充填層と
を備える、相互接続構造。
【請求項17】
前記間隙充填層はCo層又はCo合金である、請求項16に記載の相互接続構造。
【請求項18】
前記界面層はRu含有層であり、前記バリア層はTa含有層又はTi含有層である、請求項16に記載の相互接続構造。
【請求項19】
前記開口部は20nm未満の寸法を有する、請求項16に記載の相互接続構造。
【請求項20】
相互接続構造を形成する方法であって、
所定の厚さの間隙充填層が得られるまで、堆積プロセスとプラズマ処理プロセスとを繰り返し実行することによって、間隙充填層形成プロセスを実行することと、
前記間隙充填層形成プロセスが完了した後に、水素又は水素同位体含有ガスを供給しながら、5バールより高い圧力で前記間隙充填層にアニールプロセスを実行することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、金属含有材料の形成方法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、概して、半導体デバイスのデバイス構造における小寸法の開口部に金属含有材料を形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]サブハーフミクロン以下の特徴を確実に製造することは、次世代半導体デバイスの超大規模集積(VLSI)及び極超大規模集積(ULSI)における重要な技術課題の1つである。しかし、回路技術の限界が高められる一方で、VLSI及びULSIの相互接続技術の寸法微細化により、処理能力に対する要求が更に高まっている。基板上のゲート構造を確実に形成することは、VLSI及びULSIの成功にとって、また個々の基板及びダイの回路密度と品質を高める努力を続ける上で重要である。
【0003】
[0003]集積回路部品の寸法が(例えば、ディープサブミクロン寸法まで)小さくなると、満足できるレベルの電気性能を得るために、上記部品の製造に使用される材料は慎重に選択されなければならない。次世代デバイス及び構造の製造を実現するため、半導体チップを3次元(3D)に積層して、トランジスタの性能を向上させることがよく行われている。トランジスタを従来の2次元の代わりに3次元に配置することで、集積回路(IC)で複数のトランジスタを互いに密接に配置することができる。半導体チップを3次元(3D)に積層することで、配線の長さが短くなり、配線の遅延が低く抑えられる。トレンチの幅が縮小するにつれ、半導体チップを積層する際のアスペクト比(深さを幅で割った値)が増大し続ける。高アスペクト比のトレンチの製造に関する1つの課題は、トレンチでの所望の材料の堆積中のボイドの形成を避けることである。
【0004】
[0004]トレンチを充填するために、誘電体材料又は金属層等の材料層の層が堆積される。材料層は通常、フィールドだけでなく、トレンチの壁及び底部も覆う。もし、トレンチが広く浅ければ、トレンチを完全に充填することは比較的簡単である。しかし、トレンチのアスペクト比が大きくなると、トレンチの開口部が「ピンチオフ」して、トレンチ内にボイド(例えば、欠陥)が形成される可能性がより高くなる。
【0005】
[0005]トレンチ内にボイドが形成される、又はトレンチ内にシームが形成される可能性を低減するために、欠陥を最小限に抑えて所望の材料層でトレンチを充填するための多くの異なるプロセス技法が開発されてきた。堆積プロセス中のプロセス制御が悪いと、不規則な構造プロファイルになる、又はトレンチが早期に閉じてしまい、トレンチを誘電体材料で充填している間にトレンチにボイド、シーム又は空隙ができる。
【0006】
[0006]したがって、最小限の欠陥で所望のプロファイルを有するトレンチ内の材料層を形成するための堆積プロセスの改善の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
[0007]クラスタ処理システムにおいて基板に相互接続構造を形成する方法、及び上記相互接続構造を熱処理する方法が提供される。一実施形態では、半導体デバイスのデバイス構造を形成する方法は、基板に配置された材料層に形成された開口部にバリア層を形成することと、バリア層に界面層を形成することと、界面層に間隙充填層を形成することと、基板に5バールより高い圧力範囲で実行されるアニールプロセスを実行することとを含む。
【0008】
[0008]別の実施形態では、相互接続構造は、基板に配置された材料層に画定された開口部に形成されたバリア層と、バリア層に配置された界面層と、界面層に配置された10nmより大きい平均粒径を有する間隙充填層とを含む。
【0009】
[0009]更に別の実施形態では、相互接続構造を形成する方法は、所定の厚さの間隙充填層が得られるまで、堆積プロセスとプラズマ処理プロセスとを繰り返し実行することによって、間隙充填層形成プロセスを実行することと、間隙充填層形成プロセスが完了した後に、水素又は水素同位体含有ガスを供給しながら、5バールより高い圧力で間隙充填層にアニールプロセスを実行することとを含む。
【0010】
[0010]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】基板に前洗浄プロセスを実行するために用いられ得る前洗浄処理チャンバを示す図である。
図2】本開示の一実施形態に係る原子層堆積(ALD)処理プロセスを実行するために用いられ得る装置を示す図である。
図3】本開示の一実施形態に係る化学気相堆積(CVD)処理プロセスを実行するために用いられ得る装置を示す図である。
図4】本開示の一実施形態に係る高圧熱アニール処理プロセスを実行するために用いられ得る装置を示す図である。
図5】本開示の一実施形態を実施するために、図1図4の処理チャンバをそこに組み込むことができるクラスタ処理システムの一実施形態を示す図である。
図6】基板に金属含有材料を形成する方法の一例を示すフロー図である。
図7】A~Dは、図6に示すプロセスによる製造プロセス中に、基板に金属含有材料を形成するためのシーケンスの一実施形態を示す図である。
図8】本開示の一実施形態を実施するための図の方法によって製造された相互接続構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる詳述なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0013】
[0020]ただし、添付の図面は本開示の例示的な実施形態を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【0014】
[0021]半導体デバイスにおいて良好な間隙充填性能を有する金属含有相互接続構造を基板に形成する方法が提供される。一実施例では、前洗浄プロセス、バリア層堆積プロセス、界面層堆積プロセス、間隙充填層堆積プロセス及び高圧アニールプロセスを実行して、基板に配置された材料層の開口部を良好な間隙充填性能で充填させる。更に、前洗浄プロセス、バリア層堆積プロセス、界面層堆積プロセス及び間隙充填層堆積プロセスは、真空を損なわずに(例えば、クラスタ処理システム内にある基板を大気に曝露せずに)クラスタ処理システム内で形成することができるため、大気又は環境からの汚濁や汚染の可能性が実質的に排除され得る。バリア層、界面層及び間隙充填層が形成された後に実行される高圧アニールプロセスは、間隙充填層の結晶粒構造の強化を支援し、したがって、間隙充填層の膜質及び純度を向上させることができる。
【0015】
[0022]図1は、以下に更に説明する基板前洗浄プロセスを実行するのに適した例示的な処理チャンバ100の断面図である。処理チャンバ100は、自然酸化物、又は表面汚染を基板表面から除去するように構成され得る。処理チャンバ100は、遠隔プラズマ表面洗浄プロセスを実行するのに特に有用である。処理チャンバ100は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能なFrontier(商標)、PCxT Reactive Preclean(商標)(RPC)、AKTIV Pre-Clean(商標)、Siconi(商標)又はCapa(商標)チャンバであってよい。他の製造業者から入手可能な他の真空処理チャンバもまた、本開示を実施するために適合され得ることに留意されたい。
【0016】
[0023]処理チャンバ100は、チャンバ本体112と、リッドアセンブリ123と、支持アセンブリ180とを含む。リッドアセンブリ123は、チャンバ本体112の上端に配置され、支持アセンブリ180は、少なくとも部分的にチャンバ本体112内に配置される。
【0017】
[0024]チャンバ本体112は、処理チャンバ100の内部へのアクセスを提供するために、その側壁に形成されたスリットバルブ開口部114を含む。スリットバルブ開口部114は、ウエハハンドリングロボット(図示せず)によってチャンバ本体112の内部へのアクセスを可能にするために、選択的に開閉される。
【0018】
[0025]1又は複数の実装態様では、チャンバ本体112は、熱伝達流体をそれを通して流すためにその中に形成されたチャネル115を含む。チャンバ本体112は、支持アセンブリ180を取り囲むライナ120を更に含み得る。ライナ120は、整備及び洗浄のために取り外し可能である。1又は複数の実施形態では、ライナ120は、1又は複数の開孔125と、真空システムと流体連結している、その中に形成されたポンピングチャネル129とを含む。開孔125は、処理チャンバ100内のガスの出口を提供するポンピングチャネル129へのガスのための流路を提供する。
【0019】
[0026]真空システムは、処理チャンバ100を通るガスの流れを調節するための真空ポンプ130及びスロットルバルブ132を含み得る。真空ポンプ130は、チャンバ本体112に配置された真空ポート131に結合され、したがって、ライナ120内に形成されたポンピングチャネル129と流体連結している。
【0020】
[0027]遠隔プラズマシステム110は、ハロゲン含有前駆体、例えばフッ素含有前駆体を処理することができ、これは次にガス入口アセンブリ111を通って移動する。ガス入口アセンブリ111内に、2つの別個のガス供給チャネル(第1のチャネル109及び第2のチャネル113)が見える。第1のチャネル109は、遠隔プラズマシステム110(RPS)を通過するガスを運び、第2のチャネル113は、遠隔プラズマシステム110を迂回する。どちらのチャネル109、113も、ハロゲン含有前駆体に使用可能である。一方、第1のチャネル109をプロセスガスに使用し、第2のチャネル113を処理ガスに使用することができる。リッドアセンブリ(又は導電性上部)123と有孔仕切り153(又はシャワーヘッド)が、間に絶縁リング124を挟んで図示されており、これにより、有孔仕切り153に対してリッドアセンブリ123にAC電位を印加することができる。AC電位は、チャンバプラズマ領域121のプラズマに衝突する。プロセスガスは、第1のチャネル109を通ってチャンバプラズマ領域121に移動することができ、チャンバプラズマ領域121のプラズマのみによって又は遠隔プラズマシステム110との組み合わせで励起され得る。プロセスガスが第2のチャネル113を通って流れる場合、チャンバプラズマ領域121のみが励起のために使用される。チャンバプラズマ領域121及び/又は遠隔プラズマシステム110の組み合わせは、本明細書において遠隔プラズマシステムと称され得る。有孔仕切り(シャワーヘッドとも呼ばれる)153は、チャンバプラズマ領域121を有孔仕切り153の下にある基板処理領域141から分離する。有孔仕切り153により、チャンバプラズマ領域121に存在するプラズマが基板処理領域141のガスを直接励起することが回避されつつ、励起種がチャンバプラズマ領域121から基板処理領域141へと移動することが可能になる。
【0021】
[0028]有孔仕切り153は、チャンバプラズマ領域121と基板処理領域141との間に位置づけされ、遠隔プラズマシステム110及び/又はチャンバプラズマ領域121内で生じたプラズマ放出物(前駆体の励起誘導体又は他のガス)が複数の貫通孔156を通過することを可能にしている。有孔仕切り153はまた、蒸気又はガスの形態の前駆体で充填され、貫通孔156を通って基板処理領域141に入るが、直接チャンバプラズマ領域121には入らない1又は複数の中空容積151を有する。チャンバプラズマ領域121から基板処理領域141に浸透する励起種の著しい濃度を維持するために、貫通孔156の長さ126は、必要に応じて制限され、異なる構成に構成され得る。
【0022】
[0029]有孔仕切り153は、図1に示すように、イオンサプレッサとして働くように構成され得る。あるいは、基板処理領域141に移動するイオン濃度を抑制する別個の処理チャンバ要素を含み得る(図示せず)。リッドアセンブリ123及び有孔仕切り153は、リッドアセンブリ123及び有孔仕切り153が異なる電圧を受けるように、それぞれ第1の電極及び第2の電極として機能し得る。これらの構成では、電力(例えば、RF電力)が、リッドアセンブリ123、有孔仕切り153、又はその両方に印加され得る。例えば、(イオンサプレッサとして機能する)有孔仕切り153が接地されている間に、リッドアセンブリ123に電力が印加され得る。基板処理チャンバ100は、必要に応じて、リッドアセンブリ123及び/又は有孔仕切り153に電力を供給するRFジェネレータを含み得る。リッドアセンブリ123に印加される電圧は、チャンバプラズマ領域121内のプラズマの均一な分布を促進し得る(すなわち、局所的なプラズマを低減する)。チャンバプラズマ領域121におけるプラズマの形成を可能にするために、絶縁リング124により、リッドアセンブリ123を有孔仕切り153から電気的に絶縁することができる。絶縁リング124は、セラミックからできていてよく、スパークを回避するために高耐圧を有し得る。先程説明した基板処理チャンバ100の容量結合プラズマ成分に近い部分は、循環する冷却剤(例えば、水)でプラズマに曝露される表面を冷却するための1又は複数の冷却流体チャンネルを含む冷却ユニット(図示せず)を更に含み得る。
【0023】
[0030]図示した実施形態では、有孔仕切り153は、チャンバプラズマ領域121におけるプラズマによる励起時に、水素、フッ素を含むプロセスガス及び/又は上記プロセスガスのプラズマ放出物を(貫通孔156を介して)分配し得る。実施形態では、遠隔プラズマシステム110及び/又はチャンバプラズマ領域121に導入されるプロセスガスは、フッ素(F又はHF等)を含み得る。プロセスガスはまた、ヘリウム、アルゴン、水素(H)等のキャリアガスを含み得る。プラズマ放出物は、プロセスガスのイオン化又は中性誘導体を含む場合があり、本明細書では、導入されるプロセスガスの原子成分を参照してラジカル-フッ素とも称され得る。
【0024】
[0031]貫通孔156は、イオン帯電種のチャンバプラズマ領域121からの流出を抑制する一方で、非帯電中性又はラジカル種が有孔仕切り153を通過して基板処理領域141に入ることを可能にするように構成される。これらの非帯電種は、貫通孔156によって低反応性キャリアガスと共に輸送される高反応性種を含み得る。上述したように、貫通孔156によるイオン種の流出が低減し、場合によっては完全に抑制され得る。有孔仕切り153を通過するイオン種の量を制御することで、下にあるウエハ基板と接触する混合ガスの制御が強まり、その結果、混合ガスの堆積及び/又はエッチング特性の制御が強まる。例えば、混合ガスのイオン濃度の調整により、エッチング選択性(例えば、窒化ケイ素/酸化ケイ素:ケイ素のエッチング比)を著しく変化させることができる。
【0025】
[0032]実施形態では、貫通孔156の数は、約60から約2000であってよい。貫通孔156は様々な形状を有し得るが、最も容易に円形にすることができる。また、貫通孔の断面形状の選択には自由範囲があり、円錐形、円筒形、又は2つの形状の組み合わせにすることができる。貫通孔156は、有孔仕切り153を通るプラズマ活性化ガス(すなわち、イオン種、ラジカル種、及び/又は中性種)の通過を制御するように構成され得る。例えば、孔のアスペクト比(すなわち、長さに対する孔の直径)及び/又は孔の形状寸法は、有孔仕切り153を通過する活性化ガス中のイオン帯電種の流れが減少するように制御され得る。有孔仕切り153の貫通孔156は、チャンバプラズマ領域121に面するテーパ部分と、基板処理領域141に面する円筒部分とを含み得る。円筒部分は、基板処理領域141の中へ通過するイオン種の流れを制御するような割合及び寸法にすることができる。有孔仕切り153を通るイオン種の流れを制御するための追加の手段として、調整可能な電気バイアスを有孔仕切り153に印加することもできる。
【0026】
[0033]あるいは、貫通孔156は、有孔仕切り153の上面に向かってより小さい内径(ID)を有し、底面に向かってより大きいIDを有し得る。更に、貫通孔156の底部エッジは、プラズマ放出物がシャワーヘッドを出るときに基板処理領域141にプラズマ放出物を均一に分配するのを助け、プラズマ放出物及び前駆体ガスの均一な分配を促進するように面取りされ得る。より小さいIDは、貫通孔156に沿った様々な場所に配置されていてよく、それでも有孔仕切り153が基板処理領域141内のイオン密度を低下させることを可能にする。イオン密度の低下は、基板処理領域141に入る前に壁と衝突する回数が増加することに起因する。各衝突は、壁からの電子の獲得又は喪失によってイオンが中和される確率を増加させる。一般に、貫通孔156のより小さいIDは、約0.2mmから約20mmであってよい。他の実施形態では、より小さいIDは、約1mmから6mm、又は約0.2mmから約5mmであってよい。更に、貫通孔156のアスペクト比(すなわち、孔の長さに対するより小さいID)は、約1から20であってよい。貫通孔156のより小さいIDは、貫通孔の長さに沿って見られる最小のIDであり得る。貫通孔156の断面形状は、概ね円筒形、円錐形、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0027】
[0034]支持アセンブリ180は、チャンバ本体112内で処理するための基板(図1には図示せず)を支持するための支持部材185を含み得る。支持部材185は、チャンバ本体112の底面に形成された中心に位置する開口部116を通って延びるシャフト187を介してリフト機構183に結合され得る。リフト機構183は、シャフト187の周囲からの真空漏れを防止するベローズ188によって、チャンバ本体112に柔軟に密閉され得る。
【0028】
[0035]支持部材185は、図1にそのうちの1つが示されるリフトピン193を収容するために、支持部材185を貫通して形成されたボア192を含み得る。各リフトピン193は、セラミック又はセラミック含有材料で作製され、基板ハンドリング及び輸送のために使用される。リフトピン193は、チャンバ本体112内に配置された環状リフトリング195と係合するとき、そのそれぞれのボア192内で移動可能である。支持アセンブリ180は、支持部材185の周りに配置されたエッジリング196を更に含み得る。
【0029】
[0036]支持アセンブリ180の温度は、支持部材185の本体に埋め込まれた流体チャネル198を通して循環する流体によって制御され得る。1又は複数の実装態様では、流体チャネル198は、支持アセンブリ180のシャフト187を貫通して配置された熱伝達導管199と流体連結している。流体チャネル198は、支持部材185の基板受入面に均一な熱伝達を提供するように、支持部材185に対して位置づけされる。流体チャネル198及び熱伝達導管199は、支持部材185の加熱又は冷却のいずれかのために熱伝達流体を流し得る。水、窒素、エチレングリコール、又はそれらの混合物等、任意の適切な熱伝達流体が使用可能である。支持アセンブリ180は、支持部材185の支持面の温度を監視するための埋め込み熱電対(図示せず)を更に含み得る。例えば、熱電対からの信号は、流体チャネル198を通って循環する流体の温度又は流量を制御するためのフィードバックループにおいて使用され得る。
【0030】
[0037]支持部材185は、支持部材185とリッドアセンブリ140との間の距離を制御できるように、チャンバ本体112内で垂直に移動し得る。センサ(図示せず)は、処理チャンバ100内の支持部材185の位置に関する情報を提供し得る。
【0031】
[0038]システムコントローラ(図示せず)を使用して、処理チャンバ100の動作を調節することができる。システムコントローラは、コントローラのメモリ又は他のメモリソースに記憶されたコンピュータプログラムの制御下で動作し得る。コンピュータプログラムは、後述する前洗浄プロセスを処理チャンバ100で実行できるようにする命令を含み得る。例えば、コンピュータプログラムは、プロセスのシーケンス及びタイミング、ガスの混合、チャンバ圧力、RF電力レベル、サセプタの位置づけ、スリットバルブの開閉、ウエハの冷却、及び特定のプロセスの他のパラメータを指示することが可能である。
【0032】
[0039]図2は、原子層堆積(ALD)処理チャンバ200の一実施形態の概略断面図である。ALD処理チャンバ200は、ALD又は化学気相堆積(CVD)等の周期的堆積に適合されたガス供給装置230を含む。本明細書で使用する用語ALD及びCVDは、基板構造上に薄層を堆積させるための反応物の連続導入を指す。反応物の連続導入は、複数の薄層を堆積させて所望の厚さに共形層を形成するために繰り返され得る。また、チャンバ200を、リソグラフィプロセスと共に他の堆積技法に適合させることも可能である。
【0033】
[0040]チャンバ200は、底部234を有するチャンバ本体229を含む。チャンバ本体229を貫通して形成されたスリットバルブトンネル233は、ロボット(図示せず)が200mm、300mm又は450mmの半導体基板又はガラス基板等の基板201をチャンバ200から受け渡し及び回収するためのアクセスを提供する。
【0034】
[0041]基板支持体292は、チャンバ200に配置され、処理中に基板201を支持する。基板支持体292は、基板支持体292及びその上に配置された基板201を昇降させるためにリフト214に取り付けられる。リフトプレート216は、リフトプレート216の上昇を制御するリフトプレートアクチュエータ218に接続される。リフトプレート216は、基板支持体292を貫通して移動可能に配置されたピン220を昇降させるように昇降し得る。ピン220は、基板201を基板支持体292の表面上で昇降させるために利用される。基板支持体292は、処理中に基板201を基板支持体292の表面に固定するための真空チャック、静電チャック、又はクランプリングを含み得る。
【0035】
[0042]基板支持体292は、その上に配置された基板201を加熱するために加熱され得る。例えば、基板支持体292は、抵抗ヒータ等の埋め込み加熱要素を用いて加熱され得る、又は基板支持体292の上方に配置された加熱ランプ等の輻射熱を用いて加熱され得る。基板201の周辺部にパージガスを供給してその上への堆積を防止するパージチャネル224を画定するために、パージリング222が基板支持体292に配置され得る。
【0036】
[0043]ガス供給装置230は、チャンバ本体229の上部に配置され、プロセスガス及び/又はパージガス等のガスをチャンバ200に供給する。ポンピングシステム278は、ポンピングチャネル279と連通し、チャンバ200から任意の所望のガスを排出し、チャンバ200のポンピングゾーン266内部の所望の圧力又は所望の圧力範囲を維持するのを助ける。
【0037】
[0044]一実施形態では、ガス供給装置230は、チャンバリッド232を含む。チャンバリッド232は、チャンバリッド232の中心部から延びる拡張チャネル237と、拡張チャネル237からチャンバリッド232の周辺部へ延びる底面260とを含む。底面260は、基板支持体292に配置された基板201を実質的に覆うようなサイズ及び形状である。チャンバリッド232は、基板201周囲に隣接するチャンバリッド232の周辺部にチョーク262を有し得る。キャップ部272は、拡張チャネル237の一部と、ガス入口236A、236Bとを含む。拡張チャネル237は、2つの同様のバルブ242A、242Bからのガス流を提供するためのガス入口236A、236Bを有する。バルブ242A、242Bからのガス流は、一緒に及び/又は別々に提供され得る。
【0038】
[0045]ある構成では、バルブ242A及びバルブ242Bは、別々の反応ガス源に結合されるが、同じパージガス源に結合される。例えば、バルブ242Aは反応ガス源238に結合され、バルブ242Bは反応ガス源239に結合され、バルブ242A、242Bは両方ともパージガス源240に結合される。各バルブ242A、242Bは、バルブシートアセンブリ244A、244Bを有する供給ライン243A、243Bを含み、バルブシートアセンブリ246A、246Bを有するパージライン245A、245Bを含む。供給ライン243A、243Bは、反応ガス源238、239と連通し、拡張チャネル290のガス入口237A、237Bと連通している。供給ライン243A、243Bのバルブシートアセンブリ244A、244Bは、反応ガス源238、239から拡張チャネル290への反応ガスの流れを制御する。パージライン245A、245Bは、パージガス源240と連通し、供給ライン243A、243Bのバルブシートアセンブリ244A、244Bの下流で供給ライン243A、243Bと交差する。パージライン245A、245Bのバルブシートアセンブリ246A、246Bは、パージガス源240から供給ライン243A、243Bへのパージガスの流れを制御する。反応ガス源238、239から反応ガスを供給するためにキャリアガスが使用される場合、同じガスがキャリアガス及びパージガスとして使用され得る(すなわち、アルゴンガスがキャリアガス及びパージガスの両方として使用され得る)。
【0039】
[0046]各バルブ242A、242Bは、バルブのバルブシートアセンブリ244A、244Bが閉じているときに、供給ライン243A、243Bからの反応ガスのフラッシングを可能にするゼロデッドボリュームバルブであってよい。例えば、パージライン245A、245Bは、供給ライン243A、243Bのバルブシートアセンブリ244A、244Bに隣接して位置づけされ得る。バルブシートアセンブリ244A、244Bが閉じているとき、パージライン245A、245Bは、供給ライン243A、243Bをフラッシュするためにパージガスを供給し得る。図示の実施形態では、パージライン245A、245Bは、開放時にパージガスがバルブシートアセンブリ244A、244Bに直接送られないように、供給ライン243A、243Bのバルブシートアセンブリ244A、244Bからわずかに間隔を置いて配置される。本明細書で使用するゼロデッドボリュームバルブは、ごくわずかなデッドボリュームを有する(すなわち、必ずしもゼロデッドボリュームではない)バルブとして定義される。各バルブ242A、242Bは、源238、239からの反応ガスと源240からのパージガスとの複合ガス流及び/又は分離ガス流を提供するように適合され得る。パージガスのパルスは、パージライン245Aのバルブシートアセンブリ246Aのダイヤフラムを開閉することによって提供され得る。反応ガス源238からの反応ガスのパルスは、供給ライン243Aのバルブシートアセンブリ244Aを開閉することによって提供され得る。
【0040】
[0047]制御ユニット280は、処理条件を制御するためにチャンバ200に結合され得る。制御ユニット280は、中央処理装置(CPU)282、支援回路284、及び関連する制御ソフトウェア283を含むメモリ286を備える。制御ユニット280は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つであってよい。CPU282は、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカルもしくはリモートのデジタルストレージ等、任意の適切なメモリ186を使用し得る。チャンバ200を支援するために、様々な支援回路がCPU282に結合され得る。制御ユニット280は、バルブ242A、242Bのプログラマブルロジックコントローラ248A、248B等、個々のチャンバ構成要素に隣接して位置する別のコントローラに結合され得る。制御ユニット280とチャンバ200の様々な他の構成要素との間の双方向通信は、信号バス288と総称される多数の信号ケーブルを通じて処理され、その幾つかは図2に図示されている。ガス源238、239、240から、及びバルブ242A、242Bのプログラマブルロジックコントローラ248A、248Bからのプロセスガス及びパージガスの制御に加えて、制御ユニット280は、基板輸送、温度制御、チャンバ排出等の基板処理で用いられる他の活動の自動制御を担うよう構成されていてよく、それらの幾つかは本書の他の箇所に記載されている。
【0041】
[0048]図3は、半導体デバイス製造のための半導体相互接続構造として利用され得るプラズマ堆積プロセス(例えば、プラズマCVD又は金属有機CVD)を実行するのに適した処理チャンバ300の断面図である。処理チャンバ300は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能な、適切に適合されたCENTURA(登録商標)、PRODUCER(登録商標)SE又はPRODUCER(登録商標)GT又はPRODUCER(登録商標)XP処理システムであってよい。他の製造業者によって製造されたものを含む他の処理システムが、本明細書に記載の実施形態から利益を得ることができると考えられる。
【0042】
[0049]処理チャンバ300は、チャンバ本体351を含む。チャンバ本体351は、内部容積326を画定するリッド325、側壁303及び底壁322を含む。
【0043】
[0050]チャンバ本体351の内部容積326には、基板支持ペデスタル350が設けられている。ペデスタル350は、アルミニウム、セラミック、窒化アルミニウム、及び他の適切な材料から作製され得る。一実施形態では、ペデスタル350は、ペデスタル350に熱損傷を与えることなく、プラズマプロセス環境等の高温環境での使用に適した材料である窒化アルミニウム等のセラミック材料により作製される。なお、ペデスタル350は、リフト機構(図示せず)を用いて、チャンバ本体351の内部で垂直方向に移動させることができる。
【0044】
[0051]ペデスタル350は、ペデスタル350上に支持された基板301の温度を制御するのに適した埋め込みヒータ要素370を含み得る。一実施形態では、ペデスタル350は、電源306からヒータ要素370に電流を印加することによって抵抗加熱され得る。一実施形態では、ヒータ要素370は、ニッケル-鉄-クロム合金(例えば、INCOLOY(登録商標))シース管に封入されたニッケル-クロムワイヤでできていてよい。電源306から供給される電流がコントローラ310によって調節され、ヒータ要素370によって発生する熱を制御し、これにより、基板301及びペデスタル350が膜堆積中に任意の適切な温度範囲における実質的に一定の温度に維持される。別の実施形態では、ペデスタルは、必要に応じて室温に維持され得る。更に別の実施形態では、ペデスタル350は、必要に応じて室温よりも低い範囲でペデスタル350を冷却するために、必要に応じてチラー(図示せず)も含み得る。供給される電流は、ペデスタル350の温度を約20℃から約700℃で選択的に制御するように調整され得る。
【0045】
[0052]熱電対等の温度センサ372を基板支持ペデスタル350に埋め込んで、従来の方法でペデスタル350の温度を監視することができる。測定された温度は、コントローラ310によって、基板を所望の温度に維持するためにヒータ要素370に供給される電力を制御するのに使用される。
【0046】
[0053]ペデスタル350は、一般に、ペデスタル350から基板301を持ち上げて、従来の方法でロボット(図示せず)を用いた基板301の交換を容易にするように構成される、その中を貫通して配置された複数のリフトピン(図示せず)を含む。
【0047】
[0054]ペデスタル350は、ペデスタル350上に基板301を保持するための少なくとも1つの電極392を含む。電極392は、従来から周知のように、基板301をペデスタル表面に保持する静電力を発生させるために、チャッキング電源308によって駆動される。あるいは、基板301は、クランプ、真空、又は重力によってペデスタル350に保持され得る。
【0048】
[0055]一実施形態では、ペデスタル350は、図3に2つのRFバイアス電源384、386として示す少なくとも1つのRFバイアス電源に結合された、それに埋め込まれた電極392を有するカソードとして構成される。図3に示す例では、2つのRFバイアス電源384、386を示したが、RFバイアス電源の数は、必要に応じて任意の数であってよいことに留意されたい。RFバイアス電源384、386は、ペデスタル350に配置された電極392と、処理チャンバ300のガス分配プレート342又はリッド325等の別の電極との間に結合される。RFバイアス電源384、386は、処理チャンバ300の処理領域に配置されたガスから形成されるプラズマ放電を励起し、持続させる。
【0049】
[0056]図3に示す実施形態では、デュアルRFバイアス電源384、386は、整合回路304を通じてペデスタル350に配置された電極392に結合される。RFバイアス電源384、386によって生成された信号は、処理チャンバ300に提供された混合ガスをイオン化するために、整合回路304を通してペデスタル350に単一供給で送られ、それによって、堆積又は他のプラズマプロセスを実行するために必要なイオンエネルギーが提供される。RFバイアス電源384、386は、一般に、約50kHzから約200MHzの周波数と、約0ワットから約5000ワットの電力とを有するRF信号を生成することができる。
【0050】
[0057]本明細書に示す一実施例では、プラズマは、必要に応じて処理チャンバ300で洗浄プロセスが実行されるときにのみオンにされることに留意されたい。
【0051】
[0058]真空ポンプ302は、チャンバ本体351の底部322に形成されたポートに結合される。真空ポンプ302は、チャンバ本体351の所望のガス圧を維持するために使用される。また、真空ポンプ302は、チャンバ本体351から処理後のガス及びプロセスの副生成物を排出する。
【0052】
[0059]処理チャンバ300は、処理チャンバ300のリッド325を通して結合された1又は複数のガス供給通路344を含む。ガス供給通路344及び真空ポンプ302は、微粒子汚染を最小化するために内部容積326内の層流を誘導するように処理チャンバ300の反対側の端部に位置づけされる。
【0053】
[0060]ガス供給通路344は、遠隔プラズマ源(RPS)348を通してガスパネル393に結合され、内部容積326に混合ガスを供給する。一実施形態では、ガス供給通路344を通って供給される混合ガスは、ガス供給通路344の下に配置されたガス分配プレート342を通って更に供給され得る。一実施例では、複数の開孔343を有するガス分配プレート342は、ペデスタル350の上方のチャンバ本体351のリッド325に結合される。ガス分配プレート342の開孔343は、ガスパネル393からのプロセスガスをチャンバ本体351に導入するために利用される。開孔343は、異なるプロセス要件のための様々なプロセスガスの流れを促進するために、異なるサイズ、数、分布、形状、設計、及び直径を有していてよい。ガス分配プレート342を出るプロセス混合ガスからプラズマが形成され、基板301の表面391への材料の堆積をもたらすプロセスガスの熱分解が促進される。
【0054】
[0061]ガス分配プレート342及び基板支持ペデスタル350は、内部容積326に間隔を置いて配置された一対の電極を形成し得る。1又は複数のRF源347は、整合ネットワーク345を通してバイアス電位をガス分配プレート342に供給し、ガス分配プレート342とペデスタル350との間のプラズマの生成を促進する。あるいは、RF源347及び整合ネットワーク345は、ガス分配プレート342、基板支持ペデスタル350に結合され得る、又はガス分配プレート342及び基板支持ペデスタル350の両方に結合され得る、又はチャンバ本体351の外部に配置されるアンテナ(図示せず)に結合され得る。一実施形態では、RF源347は、約30kHzから約13.6MHzの周波数で約10ワットから約3000ワットを供給し得る。あるいは、RF源347は、内部容積326におけるプラズマの生成を補助するガス分配プレート342にマイクロ波電力を供給するマイクロ波ジェネレータであってよい。
【0055】
[0062]一実施形態では、ガスパネル393から内部容積326内へ供給されるガスからのプラズマの形成を補助するために、遠隔プラズマ源(RPS)348が代わりにガス供給通路344に結合され得る。遠隔プラズマ源348は、ガスパネル393によって供給される混合ガスから形成されたプラズマを処理チャンバ300に供給する。
【0056】
[0063]コントローラ310は、プロセスシーケンスを制御し、ガスパネル393からのガス流を調節するために用いられる中央処理装置(CPU)312、メモリ316、及び支援回路314を含む。CPU312は、産業環境で使用され得る任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであってよい。ソフトウェアルーチンは、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フロッピー、又はハードディスクドライブ、又は他の形態のデジタルストレージ等のメモリ316に記憶され得る。支援回路314は、従来、CPU312に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力システム、電源等を含み得る。コントローラ310と処理チャンバ300の様々な構成要素との間の双方向通信は、信号バス318と総称される多数の信号ケーブルを通じて処理され、その幾つかは図3に図示されている。
【0057】
[0064]図4は、単一基板401の高圧アニールプロセス用の単一基板処理チャンバ400の簡略化された正面断面図である。単一基板処理チャンバ400は、内部容積425を囲む外面412及び内面413を有する本体410を有する。図4のような幾つかの実施形態では、本体410は環状の断面を有するが、他の実施形態では、本体410の断面は長方形又は任意の閉じた形状であってよい。本体410の外面412は、ステンレス鋼等の耐食鋼(CRS)からできていてよいが、これに限定されない。本体410の内面413には、単一基板処理チャンバ400から外部環境への熱損失を防止する1又は複数の熱シールド415が配置される。本体410の内面413及び熱シールド415は、HASTELLOY(登録商標)、ICONEL(登録商標)、及びMONEL(登録商標)等、高い耐食性を示すニッケルベースの鋼合金からできていてよいが、これらに限定されない。
【0058】
[0065]基板支持体430は、内部容積425内に配置される。基板支持体430は、ステム434と、ステム434によって保持される基板支持部材432とを有する。ステム434は、チャンバ本体410を貫通して形成された通路422を通過する。アクチュエータ438に接続されたロッド439は、チャンバ本体410を貫通して形成された第2の通路423を通過する。ロッド439は、基板支持体430のステム434を収容する開孔436を有するプレート435に結合される。リフトピン437は、基板支持部材432に接続される。アクチュエータ438は、プレート435を上下に移動させてリフトピン437と接続及び接続解除するようにロッド439を作動させる。リフトピン437が昇降すると、基板支持部材432が、チャンバ400の内部容積425内で昇降する。基板支持部材432は、中心内部に埋め込まれた抵抗加熱素子431を有する。電源433は、抵抗加熱素子431に電力供給するように構成される。電源433だけでなく、アクチュエータ438の動作も、コントローラ480によって制御される。
【0059】
[0066]単一基板処理チャンバ400は、本体410に開口部411を有し、それを通して、内部容積425に配置された基板支持体430に対して1又は複数の基板401をロード及びアンロードすることができる。開口部411は、本体410にトンネル421を形成する。スリットバルブ418は、スリットバルブ418が開いているときにのみ開口部411及び内部容積425にアクセスできるように、トンネル421を密閉可能に閉じるように構成される。高圧シール427は、処理のために内部容積425を密閉するために、スリットバルブ418を本体410に密閉するのに用いられる。高圧シール427は、ポリマー、例えば、パーフルオロエラストマー及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素ポリマーからできていてよいが、これらに限定されない。高圧シール427は、シール性能を向上させるためにシールをバイアスするためのバネ部材を更に含み得る。処理中に高圧シール427を高圧シール427の最大安全動作温度未満に維持するために、高圧シール427に隣接してトンネル421に冷却チャネル424が配置される。不活性、誘電性、及び高性能の熱伝達流体等の冷却流体源426からの冷却剤が、冷却チャネル424内で循環し得る。冷却流体源426からの冷却剤の流れは、温度センサ416又は流量センサ(図示せず)から受け取ったフィードバックを通してコントローラ480によって制御される。トンネル421の周囲には、環状のサーマルチョーク419が形成され、スリットバルブ418が開いているときの、開口部411を通じた内部容積425からの熱の流れを防止する。
【0060】
[0067]単一基板処理チャンバ400は、本体410を貫通するポート417を有し、このポート417は、ガスパネル450、凝縮器460及びポート417を接続する流体回路490に流体接続されている。流体回路490は、ガス導管492、供給源導管457、入口分離バルブ455、排気導管463、及び出口分離バルブ465を有する。多数のヒータ496、458、452、454、464、466が流体回路490の異なる部分と接合している。多数の温度センサ451、453、459、467、469も、温度測定を行い、その情報をコントローラ480に送信するために、流体回路490の異なる部分に配置されている。コントローラ480は、温度測定情報を使用して、流体回路490の温度が、流体回路490及び内部容積425に配置された処理流体の凝縮点を超える温度に維持されるように、ヒータ452、454、458、496、464、及び466の動作を制御する。
【0061】
[0068]ガスパネル450は、内部容積425に加圧下の処理流体を供給するように構成される。内部容積425に導入される処理流体の圧力は、本体410に結合された圧力センサ414によって監視される。凝縮器460は、冷却流体源(図示せず)に流体結合され、ガス導管492を通って内部容積425を出る気相の処理流体を凝縮するように構成される。凝縮された処理流体は、次に、ポンプ476によって除去される。1又は複数のヒータ440は、本体410に配置され、単一基板処理チャンバ400内の内部容積425を加熱するように構成される。ヒータ440、452、454、458、496、464、及び466は、凝縮器460への出口分離バルブ465が流体回路内の凝縮を防ぐために開いている間、流体回路490内の処理流体を気相に維持する。
【0062】
[0069]コントローラ480は、単一基板処理チャンバ400の動作を制御する。コントローラ480は、ガスパネル450、凝縮器460、ポンプ470、入口分離バルブ455、出口分離バルブ465、及び、電源433、445の動作を制御する。また、コントローラ480は、温度センサ416、圧力センサ414、アクチュエータ438、冷却流体源426、及び温度読み取り装置456、462に通信可能に接続されている。
【0063】
[0070]処理流体は、酸素含有ガス及び/又は窒素含有ガス、及び/又はカルコゲンもしくはテルル(S、Se、Te等)のガス又は蒸気、例えば酸素、乾燥蒸気、水、過酸化水素、水素、重水素、トリチウム、アンモニア、S蒸気、Se蒸気、H2S、H2Se等を含み得る。処理流体は、基板上の金属材料と反応して、金属を精製し得る、又は金属酸窒化物、金属酸化物、金属オキシカルコゲナイド、金属カルコゲナイドを形成し得る。
【0064】
[0071]基板401の処理中、内部容積425の環境は、高圧領域内の処理流体を気相に維持する温度及び圧力に維持される。かかる圧力及び温度は、処理流体の組成に基づいて選択される。蒸気の場合、温度及び圧力は、蒸気を乾燥蒸気状態に維持する条件に保持される。一実施例では、内部容積425は、大気圧より高い圧力、例えば約5バールより高い圧力に加圧される。別の実施例では、内部容積425は、約10バールから約100バール、例えば約20バールから約80バールの圧力に加圧される。別の実施例では、内部容積425は、最大約100バールの圧力に加圧される。処理中、内部容積425はまた、高温、例えば、約300℃から約500℃等の約425℃を超える温度(基板支持部材432に配置された基板401のサーマルバジェットによって制限される)に維持される。
【0065】
[0072]図5は、そこに組み込まれ統合される処理チャンバ100、200、300、400の1又は複数を含む、例示的なクラスタ処理システム500の概略上面図である。一実施形態では、クラスタ処理システム500は、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライドマテリアルズ社から市販されているCENTURA(登録商標)又はENDURA(登録商標)統合処理システムであってよい。他の処理システム(他の製造業者からのものを含む)が、本開示から利益を得るように適合可能であると考えられる。
【0066】
[0073]クラスタ処理システム500は、真空気密処理プラットフォーム504、ファクトリインターフェース502、及びシステムコントローラ544を含む。プラットフォーム504は、複数の処理チャンバ100、200、300、400と、真空基板移送チャンバ536に結合される少なくとも1つのロードロックチャンバ522とを含む。図5には、2つのロードロックチャンバ522が示されている。ファクトリインターフェース502は、ロードロックチャンバ522によって移送チャンバ536に結合される。
【0067】
[0074]一実施形態では、ファクトリインターフェース502は、基板の移送を容易にする、少なくとも1つのドッキングステーション508と、少なくとも1つのファクトリインターフェースロボット514とを含む。ドッキングステーション508は、1又は複数の前方開口型統一ポッド(FOUP)を受け入れるように構成される。図5の実施形態では、2つのFOUP506A~Bが図示されている。ロボット514の一端に配置されたブレード516を有するファクトリインターフェースロボット514は、処理のために、ロードロックチャンバ522を通してファクトリインターフェース502から処理プラットフォーム504に基板を移送するように構成される。オプションとして、FOUPS506A~Bからの基板の計測を容易にするために、1又は複数の計測ステーション518がファクトリインターフェース502の端子526に接続され得る。
【0068】
[0075]各ロードロックチャンバ522は、ファクトリインターフェース502に結合された第1のポートと、移送チャンバ536に結合された第2のポートとを有する。ロードロックチャンバ522は、移送チャンバ536の真空環境とファクトリインターフェース502の実質的な周囲(例えば、大気)環境との間で基板の通過が容易になるように、ロードロックチャンバ522をポンプダウン及び通気する圧力制御システム(図示せず)に結合される。
【0069】
[0076]移送チャンバ536は、その中に配置された真空ロボット530を有する。真空ロボット530は、ロードロックチャンバ522、計測システム510、及び処理チャンバ100、200、300、400の間で基板524を移送することができるブレード534を有する。
【0070】
[0077]クラスタ処理システム500の一実施形態では、クラスタ処理システム500は、堆積チャンバ(例えば、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積、原子層堆積又は他の堆積チャンバ)、アニールチャンバ(例えば、高圧アニールチャンバ、RTPチャンバ、レーザアニールチャンバ)、エッチングチャンバ、洗浄チャンバ、前洗浄チャンバ、硬化チャンバ、リソグラフィ露光チャンバ、又は他の同様の種類の半導体処理チャンバであってよい、1又は複数の処理チャンバ100、200、300、400を含み得る。クラスタ処理システム500の幾つかの実施形態では、処理チャンバ100、200、300、400のうちの1又は複数、移送チャンバ536、ファクトリインターフェース502及び/又はロードロックチャンバ522の少なくとも1つがある。
【0071】
[0078]システムコントローラ544は、クラスタ処理システム500に結合される。計算装置501を含み得る、又は計算装置501内に含まれ得るシステムコントローラ544は、クラスタ処理システム500の処理チャンバ100、200、300、400の直接制御を使用して、クラスタ処理システム500の動作を制御する。あるいは、システムコントローラ544は、処理チャンバ100、200、300、400及びクラスタ処理システム500に関連するコンピュータ(又はコントローラ)を制御し得る。工程において、システムコントローラ544は、クラスタ処理システム500の性能を最適化するために、それぞれのチャンバからのデータ収集及びフィードバックも可能にする。
【0072】
[0079]システムコントローラ544は、上述した計算装置501と同様に、概して、中央処理装置(CPU)538、メモリ540、及び支援回路542を含む。CPU538は、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つであってよい。支援回路542は、従来、CPU538に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源等を含み得る。ソフトウェアルーチンは、CPU538を特定目的のコンピュータ(コントローラ)544に変換する。また、ソフトウェアルーチンは、クラスタ処理システム500から遠隔に位置する第2のコントローラ(図示せず)により記憶及び/又は実行され得る。
【0073】
[0080]図6は、半導体構造用材料層に形成された開口部に形成されたバリア層(又はライナ層)、界面層及び間隙充填材料等の相互接続構造を形成する一実施例のフロー図である。本明細書で言及するバリア層は、必要に応じてライナ層に交換可能であることに留意されたい。構造は、半導体基板に形成される任意の適切な構造、例えば、導電性領域及び非導電性領域を有するデバイス又はチャネル構造、フィン構造、ゲート構造、コンタクト構造、フロントエンド構造、バックエンド構造又は半導体デバイス等を製造するために利用される他の任意の適切な構造であってよい。図7A図7Dは、プロセス600の様々な段階に対応する基板702の一部の概略断面図である。プロセス600は、20nm未満の小さい寸法(例えば、特徴の幅)を有する開口部に形成された間隙充填層を必要とするコンタクト又はバックエンド相互接続構造を形成するために用いられ得る。
【0074】
[0081]プロセス600は、図7Aに示す基板702等の基板を処理のために提供することによって、工程602で開始する。一実施形態では、基板702は、基板702に形成される相互接続構造750を有し得る。基板702は、ほぼ平面、凹凸面、又はその上に形成された構造を有するほぼ平面を有し得る。図7A図7Dに示す実施形態は、図8に更に示すように、材料層802に形成された開口部850によって露出した、基板702の底面822等の表面の一部であってよい。プロセス600は、20nm未満等の小さい寸法を有する開口部850に複数の層(例えば、2つ以上の層)を形成することを支援し得る。したがって、複数の層は、最小のボイド、シーム、又は間隙等の最小の欠陥で開口部850を充填するのに利用され得る高い間隙充填能力を提供する。
【0075】
[0082]図8に示す基板702は、基板702に形成された構造又は材料層802を含む。材料層802には、開口部850が形成されている。一実施形態では、基板702は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ及びパターニングされた又はパターニングされていないウエハシリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイヤ等の材料であってよい。基板702は、200mm、300mm、又は450mm直径のウエハ、並びに、長方形又は正方形のパネル等、様々な寸法を有し得る。特に断らない限り、本明細書に記載の実施形態及び実施例は、300mm直径又は450mm直径の基板上で実施される。
【0076】
[0083]一実施形態では、材料層802は、誘電体層であってよい。材料層802は、基板702の部分(例えば、底面)822を露出させる開口部850を有する。本明細書に記載の開口部850は、トレンチ、ビア、穴、開孔等を含み得る。一実施形態では、材料層802は、シリコン含有材料、炭素含有材料、又は他の適切な材料等の誘電体材料であってよい。適切なシリコン含有材料には、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びそれらの組み合わせが含まれる。適切な炭素含有材料には、炭化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、アモルファスカーボン等が含まれる。本明細書に図示した例示的な実施形態では、材料層802は、SiOC層である。
【0077】
[0084]工程604において、基板702は、次に、基板702に前洗浄プロセスを実行する、図5に示すクラスタ処理システム500に組み込まれ得る図1に示す前洗浄チャンバ100等の処理チャンバに移送される。工程604における前洗浄プロセスは、基板の表面条件に基づくオプションであることに留意されたい。幾つかの実施形態では、工程604で実行される前洗浄プロセスは、基板表面から表面汚染又は表面自然酸化物を除去することを支援するものであり得る。幾つかの実施形態では、前洗浄工程は必要でない場合がある。
【0078】
[0085]一実施例では、前洗浄プロセスは、Ar又はHeガス等の不活性ガスを有する又は有さない水素含有ガスを含む前洗浄混合ガスを供給することによって実行され得る。一実施例では、前洗浄混合ガス中に水素含有ガスが供給されてよく、不活性ガスも、前洗浄プロセス中にオプションで供給され得る。水素含有ガスの適切な例としては、H、HO、H、NH等が挙げられる。また、不活性ガスの適切な例は、必要に応じて前洗浄混合ガス中に供給され得る。混合ガス中に供給される不活性ガスの例としては、Ar、He、Ne、Kr、Xe等が挙げられる。ある特定の例では、前洗浄混合ガスはHを含む。
【0079】
[0086]前洗浄混合ガスを供給している間、基板支持体温度は、基板を300℃より高い等の250℃より高い温度、例えば300℃から約600℃、例えば400℃の温度に維持するように制御され得る。前洗浄工程中の比較的高い基板温度制御は、基板表面からの表面汚染及び/又は基板表面自然酸化物の除去を支援し得ると考えられている。表面汚染物質及び自然酸化物を除去するために、前洗浄混合ガスからチャンバプラズマ領域121に遠隔プラズマ源を形成するため、前洗浄混合ガスがチャンバプラズマ領域121を通して基板処理領域141に供給される。前洗浄混合ガスから処理チャンバ100に導入されるガスの量は、例えば、自然酸化物の厚さ又は除去される表面汚染物質の量に対応して変化させ、調整することができる。
【0080】
[0087]工程604で供給される前洗浄混合ガスからチャンバプラズマ領域121にプラズマを形成するために、電源から遠隔プラズマ電力が供給される。工程604における前洗浄プロセス中にチャンバプラズマ領域121で遠隔生成されたプラズマは、表面汚染物質及び自然酸化物をゆっくりと、穏やかに、徐々にエッチングする(例えば等方的エッチングプロセス)ように、エッチング液を解離させて比較的緩やかで穏やかなエッチング液を形成し得る。遠隔プラズマプロセスは、界面洗浄のための良好な制御を提供し、高いエッチング選択性を促進する。
【0081】
[0088]工程606において、図7Aに示すように、基板702にバリア層704(例えば、ライナ層)を形成するために、第1の堆積プロセスが実行される。堆積プロセスは、図2に示すALD処理チャンバ200で実行される原子層堆積(ALD)プロセス、又は図3に示すCVD処理チャンバ300、又はPVD Endura(登録商標)システム等のクラスタ処理システム500に組み込まれた他の適切な処理チャンバで実行される化学気相堆積(CVD)プロセスであってよい。一実施形態では、バリア層704は、その上に後に形成される導電層から材料層802等の近傍の周囲の誘電体層への金属拡散を防止するために形成される。したがって、バリア層704は、その後の熱サイクル及びプロセス中にそれを通してイオン拡散を阻止するために良好なバリア特性を有するように選択される。別の実施形態では、バリア層704は、材料層802に続いて形成される金属元素の核形成を促進するように形成される。したがって、バリア層704は、ライナと考えることができる。一実施形態では、バリア層(及び/又はライナ層)704は、Ta含有層、Ti含有層、Co含有材料、Ru含有材料、Mn含有材料等の金属含有層により作製される。本明細書に図示した実施形態では、バリア層704は、TaN、TiN、TaON、TiON、Ti合金、又はTa合金である。
【0082】
[0089]一実施形態では、第1の堆積プロセスは、金属含有前駆体を含む堆積混合ガスを処理チャンバ200内に供給することによって実行され得る。金属含有前駆体の適切な例としては、Ta含有ガス又はTi含有ガス等が挙げられる。また、一部の反応性ガスが堆積混合ガス中に供給され得る。反応性ガスの適切な例は、N、NH、O、NO、NO等を含む。また、必要に応じて、Ar、He、N、NO、NO、NH等の他のパージガス、及び/又は希釈ガスも、堆積混合ガスと共に供給され得る。
【0083】
[0090]一実施形態では、バリア層704は、TaN、TiN、TaO、TiO、TaON、又はTiON層である。
【0084】
[0091]オプションの工程607において、バリア層704(又はライナ層)を処理するためにプラズマ処理プロセスが実行され得る。プラズマ処理プロセスは、不純物を低減し、バリア層704を高密度化することによって、堆積されたバリア層704の表面粗さを低減すると考えられている。工程607のプラズマ処理プロセスのための例示的なプラズマ形成ガスは、水素(H)、窒素(N)、アンモニア(NH)、及びそれらの組み合わせを含む。プラズマ処理プロセスの間、幾つかのプロセスパラメータも調節される。一実装態様では、プロセス圧力は、約0.1トルから約100トル(例えば、約0.1トルから約80トル;約1トルから約20トル又は約7トルから約30トル)に制御される。一実装態様では、処理温度は、約100℃から約900℃(例えば、約125℃から約350℃、例えば、約200℃から約300℃、例えば、約250℃から約340℃)である。RF電力は、約100ワットから約800ワット、例えば、約400ワットに制御され得る。Hガス等のプラズマ形成ガスは、約3000sccmから約5000sccm、例えば約4000sccmで供給され得る。基板エッジ/基板底部から供給されるHガスは、約200sccmから約1000sccmに制御され得る。また、アルゴンガスは、基板エッジ/基板底部から約200sccmから約1000sccmで供給され得る。
【0085】
[0092]工程608において、図7Bに示すように、バリア層704に界面層706を形成するために、第2の堆積プロセスが実行される。界面層706はまた、CVDプロセス、ALDプロセス、又はPVDプロセスによって形成された金属含有層であってもよい。界面層706は、(図7Cに示すように)間隙充填層708をバリア層704に橋渡しする良好な界面密着性を提供し、これにより界面密着性が高まり促進され得る。
【0086】
[0093]一実施形態では、界面層706は、タングステン含有材料、ニッケル含有材料、アルミニウム含有材料、ルテニウム含有材料、又はマンガン含有材料であってよい。一実施形態では、界面層706は、ルテニウム含有層である。
【0087】
[0094]一実施例では、界面層706は、約0.3nmから約3nmの厚さを有し、図3に示すCVD処理チャンバ300におけるような有機金属気相堆積(MOCVD)プロセスによって堆積される。
【0088】
[0095]工程610において、図7Cに示すように、間隙充填層708を形成するために、間隙充填堆積プロセスが実行される。図8に示す実施例で更に示すように、間隙充填層708は、最小限のシーム又はボイド等の最小限の欠陥で開口部850に画定された空間を充填して、開口部850に形成される。一実施例では、間隙充填層708は、Co層又はCo合金である。一実施例では、間隙充填層708は、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)等で形成される。本書に示す実施例では、間隙充填層708はCVDプロセスによって形成される。
【0089】
[0096]工程610で実行されるCVDプロセスは、複数の副工程(例えば、CVDプロセスに沿った異なるプロセス)を含む。例えば、工程610において間隙充填層708を形成するためのCVDプロセスは、堆積プロセス及びプラズマ処理の少なくとも1つのサイクルを含み得る。サイクルの回数は、間隙充填層708の所望の厚さが達成されるまで、何度でも繰り返され得る。およそ、堆積プロセス及びプラズマ処理プロセスの各サイクルは、界面層706上に間隙充填層708の約20Åから約200Åの厚さ、例えば、部分を形成し得る。各サイクルにおいて、堆積プロセスが約60秒から約600秒実行され、その後、プラズマ処理プロセスが約10秒から約120秒の期間実行され得る。
【0090】
[0097]一実施例では、堆積プロセスは、コバルト前駆体を含む堆積前駆体混合ガスを供給することによって実行され得る。堆積前駆体混合ガスは、必要に応じて、反応性混合ガスと共に供給され得る。反応性混合ガスは、必要に応じて、水素ガス(H)又はNHガスであってよい。適切なコバルト前駆体は、コバルトカルボニル錯体、コバルトアミジナート化合物、コバルトセン化合物、コバルトジエニル錯体、コバルトニトロシル錯体、それらの誘導体、それらの錯体、それらのプラズマ、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。一実施形態では、本明細書で使用され得るコバルト前駆体の例として、ジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA、(CO)Co(HC≡CBu))、ジコバルトヘキサカルボニルメチルブチルアセチレン((CO)Co(MeC≡CBu))、ジコバルトヘキサカルボニルフェニルアセチレン((CO)Co(HC≡CPh))が挙げられる。ヘキサカルボニルメチルフェニルアセチレン((CO)Co(MeC≡CPh))、ジコバルトヘキサカルボニルメチルアセチレン((CO)Co(HC≡CMe))、ジコバルトヘキサカルボニルジメチルアセチレン((CO)Co(MeC≡CMe))、それらの誘導体、それらの錯体、それらのプラズマ、又はそれらの組合せが含まれる。他の例示的なコバルトカルボニル錯体には、シクロペンタジエニルコバルトビス(カルボニル)(CpCo(CO))、トリカルボニルアリルコバルト((CO)Co(CHCH=CH))、それらの誘導体、それらの錯体、それらのプラズマ、又はそれらの組合せが含まれる。本明細書で使用するコバルト前駆体の1つの特定の例は、ジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA、(CO)Co(HC≡CBu))である。
【0091】
[0098]堆積プロセスの後に、同じチャンバでプラズマ処理プロセスが実行される。プラズマ処理プロセスは、間隙充填層708からボイド、空気、不純物等の欠陥を排除するように、基板702に形成された間隙充填層708の部分の高密度化を支援し得る。プラズマ処理プロセスは、図3に示すプラズマ処理チャンバ300等の、間隙充填層の堆積が実行される処理チャンバと同じ処理チャンバで実行される。同様に、プラズマ処理プロセスは、プラズマ処理チャンバ300も組み込まれた図5に示すクラスタ処理システム500に組み込まれた他の適切なプラズマ処理チャンバにおいて実行され得る。あるいは、プラズマ処理プロセスは、プラズマ処理チャンバ300が組み込まれたクラスタ処理システム500に組み込まれていない他の独立した処理チャンバで実行され得る。一実施例では、プラズマ処理プロセスは、基板702全体に形成された間隙充填層708から緩い結合構造、ボイド又は空気を除去するために全体的かつ普遍的に実行される。
【0092】
[0099]一実施形態では、プラズマ処理プロセスは、間隙充填層708が形成される処理チャンバ300で実行される。プラズマ処理プロセスは、プラズマを生成するために、シャワーヘッドアセンブリ又は基板支持アセンブリのいずれか又は両方に印加されるRF源又はバイアス電力を用いる。RF源電力、バイアス電力、又は遠隔プラズマ源が、処理混合ガスの存在下でプラズマを生成するために適用される。
【0093】
[0100]一実施例では、処理混合ガスは、H、NH等の水素含有ガスを少なくとも含み得る。幾つかの実施例では、Ar又はHe等の不活性ガスも、処理混合ガス中に供給され得る。一実施形態では、水素含有ガスは、約1000sccmから約6000sccmの体積流量のHである。一実施形態では、不活性ガス又はキャリアガスは、約3000sccmから約5000sccmの体積流量のAr又はHeである。
【0094】
[0101]プラズマ処理プロセス中、プラズマ処理プロセスを制御するために、幾つかのプロセスパラメータが調節され得る。ある例示的な実施形態では、処理チャンバ100のプロセス圧力は、約10mトルから約5000mトル、例えば、約300mトルから約3000mトルに調節される。基板温度は、約80℃から約400℃、例えば、約150℃から約250℃の範囲に維持され得る。プラズマ処理プロセスは、約5秒から約600秒、例えば約20秒から約120秒の間実行され得る。
【0095】
[0102]プラズマ処理プロセスの後に、堆積プロセスとプラズマ処理プロセスの1サイクルが完了する。堆積プロセスとプラズマ処理プロセスの各サイクルは、約20Åから約200Åの厚さを有する間隙充填層708の一部を形成し得る。
【0096】
[0103]間隙充填層708を形成するために用いられるサイクル(例えば、堆積プロセスとプラズマ処理プロセスの交互の工程)の回数は、必要なだけの回数であってよい。図7Cに示す実施例では、約10nmから約40nmの範囲の間隙充填層708の総厚を得るために、堆積プロセスとプラズマ処理プロセスのサイクルを約2回から約15回実行し得る。
【0097】
[0104]工程612において、ポストアニールプロセスが実行される。ポストアニールプロセスは、5バールより高い、例えば5バールより高いが70バールより低い等の、高いプロセス圧力で実行されるアニールプロセスである。高圧アニールプロセスは、図7Dに示すように、空孔及び堆積副生成物及び/又は残留物を修復し、間隙充填層708の表面粗さを滑らかにし、アニールされた間隙充填層712を形成することを補助し得る。幾つかの実施例では、高いプロセス圧力は最大70バールであり得る。高圧アニールプロセスは、図4に示す処理チャンバ400等の処理チャンバ、又は基板を一度に1つずつ処理するものを含む他の適切な処理チャンバで実行され得る。
【0098】
[0105]工程612で実行される高圧アニールプロセスは、高圧領域での処理圧力を蒸気相で、例えば、実質的に液滴が存在しない乾燥蒸気相で維持する。例えば、過熱状態である。処理圧力と温度は、膜の欠陥を修復し、不純物を排除し、表面粗さを滑らかにするために、膜構造を高密度化するように制御される。一実施例では、内部容積425(図4に示す)は、大気より高い圧力、例えば約2バールより高い圧力に加圧される。別の実施例では、内部容積425は、約5から約70バール、例えば約5から約50バール、例えば約25バールから約55バールの圧力に加圧される。
【0099】
[0106]処理中、内部容積425は、ヒータ440によって比較的低い温度、例えば250℃を超える温度、例えば約300℃から約500℃の温度に維持される。
【0100】
[0107]高圧プロセスにより、不純物を排除し、間隙充填層708のダングリングボンドをつなぐ駆動力が得られるため、ボイド等の欠陥が形成される可能性が低下し、膜質が向上し、表面粗さが滑らかになり得ると考えられる。一実施例では、アニールプロセス中に、水素含有ガス、水素ガス、及び/又は水素同位体含有ガス、例えばH、D、T、HO、H、NH、及び乾燥蒸気が供給され得る。また、HeやAr等の不活性ガスがアニールプロセス中に供給され得る。一実施例では、アニールプロセス中に、水素ガス(H)が供給される。別の実施例では、アニールプロセス中に、水素ガス(H)又は水素同位体含有ガスが供給される。
【0101】
[0108]ある例示的な実装態様では、プロセス圧力は、5バールより高い等の2バールより高い圧力、例えば20バールから約50バール等の5バールから70バールの圧力に調節される。プロセス温度は、約250℃から約700℃等の250℃より高い温度、例えば約300℃から約500℃に制御され得る。
【0102】
[0109]高圧でのアニールプロセスの後、間隙充填層708は、高純度、大きい粒構造、滑らかな表面粗さで粒界の少ない強化された膜構造を有し、高い膜密度と低い膜抵抗率が得られる比較的堅牢な膜構造を提供し得る。間隙充填層708がCo含有材料である実施例では、高圧アニールプロセス後にCo含有材料の膜抵抗率が約10%から約50%低下し得る。開口部850に形成された間隙充填層708は、間隙充填能力が高く、実質的にボイドフリーであり得る。間隙充填層708は、約80Åから約400Åの平均粒径を有する。
【0103】
[0110]従って、チャネル構造、相互接続構造又はコンタクト構造等のデバイス構造のための、金属含有材料等の間隙充填層を形成する方法及び装置が提供される。相互接続構造は、真空を損なうことなく1つのクラスタ処理システムにおけるバリア層、界面層及び間隙充填層を含むため、表面汚染の可能性が排除され、良好な界面制御を得ることができる。アニールプロセスは、相互接続構造を含むデバイス構造が所望の電気性能を達成し得るように、相互接続構造の膜質を改善し、アニールプロセスは、水素又は水素同位体含有環境において5バールより高い圧力範囲で実行される。
【0104】
[0111]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】