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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】液滴発生器ノズル
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20221208BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G03F7/20 521
H05G2/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519287
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2020078518
(87)【国際公開番号】W WO2021074043
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/916,723
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツリーズ,ディートマー,ウーベ,ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】ブイス,エドウィン,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ドリエッセン,テオドルス,ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】サムズ,ベンジャミン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ブランドン,マイケル
【テーマコード(参考)】
2H197
4C092
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197GA01
2H197GA05
2H197GA24
4C092AA06
4C092AA15
4C092AB10
4C092AB12
4C092AC09
(57)【要約】
レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルを製造する方法が開示される。この方法は、ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することと、金属取付具を加熱することと、ガラス毛細管が貫通孔の形状に一致し貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するようにガラス毛細管に圧力を印加することと、を含む。また、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルであって、燃料を液滴として放出するためのガラス毛細管と、ガラス毛細管を液滴発生器の本体に結合するための金属取付具と、を備え、ガラス毛細管が金属取付具の貫通孔の形状に一致し、ガラス毛細管が貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成する、ノズルも開示され、放射源自体も開示される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴発生器用ノズルを製造する方法であって、
ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することと、
前記金属取付具を加熱することと、
前記ガラス毛細管が前記貫通孔の形状に一致し、前記貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するように、前記ガラス毛細管に圧力を印加することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記貫通孔の少なくとも一部分が、錐台状である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することが、一定の直径を有するチューブの形をした前記ガラス毛細管を配設することを含み、
前記加熱すること及び圧力を印加することが、前記毛細管の形状を変化させる、請求項2の方法。
【請求項4】
前記圧力を印加することが、前記ガラス毛細管に内圧を印加することを含み、且つ、
前記ガラス毛細管の第1の開口を封止することと、
前記ガラス毛細管の第2の開口にガスを注入することと、を少なくとも含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記圧力を印加することが、前記ガラス毛細管に内圧を印加することを含み、且つ、
前記ガラス毛細管の第1の開口を封止することと、
前記ガラス毛細管の第2の開口にガスを注入することと、を少なくとも含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記圧力を印加するステップが、
前記ガラス毛細管の前記貫通孔から伸びる部分と、前記ガラス毛細管の一方又は両方の端部と、のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることによって、前記ガラス毛細管に外圧を印加することを含む、請求項3の方法。
【請求項7】
前記圧力を印加するステップが、
前記ガラス毛細管の前記貫通孔から伸びる部分と、前記ガラス毛細管の一方又は両方の端部と、のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることによって、前記ガラス毛細管に外圧を印加することを含む、請求項1の方法。
【請求項8】
前記対抗する圧縮力が、前記ガラス毛細管の縦方向に沿って加えられる、請求項7の方法。
【請求項9】
前記外圧を印加する前に前記ガラス毛細管に剛性要素を挿入するステップを更に含む、請求項7の方法。
【請求項10】
前記圧力が、前記金属取付具を加熱している間及び/又は加熱した後に前記ガラス毛細管に印加される、請求項1の方法。
【請求項11】
前記ガラス毛細管の熱膨張係数が、前記ノズルの動作温度範囲及び前記ノズルの製造温度範囲を含む温度範囲にわたって、前記金属取付具の熱膨張係数以下である、請求項1の方法。
【請求項12】
前記金属取付具が、モリブデン、タンタル、タングステン、又は金属合金を含み、
前記ガラス毛細管が、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩又はクォーツを含む、請求項1の方法。
【請求項13】
前記貫通孔の少なくとも一部分が、錐台状であり、
前記ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することが、一定の直径を有するチューブの形をした前記ガラス毛細管を配設することを含み、
前記加熱すること及び圧力を印加することが、前記毛細管の形状を変化させる、請求項12の方法。
【請求項14】
前記金属取付具の少なくとも一部分が、金属酸化物層を含む、請求項1の方法。
【請求項15】
前記金属取付具を冷却した後に前記ガラス毛細管及び/又は前記金属取付具をアニールすることを更に含む、請求項1の方法。
【請求項16】
前記金属取付具を加熱することが、前記金属取付具を誘導加熱することを含む、請求項1の方法。
【請求項17】
前記誘導加熱中に、前記ガラス毛細管に向けられた不活性ガス流を提供することを更に含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記貫通孔の形状が、円筒形である、請求項1の方法。
【請求項19】
前記金属取付具を加熱するステップが、不活性雰囲気又は相対的真空中で前記金属取付具を加熱することを含む、請求項1の方法。
【請求項20】
前記ガラス毛細管を前記金属取付具の前記貫通孔内に配設するステップが、前記ガラス毛細管が前記貫通孔の両端部から突出するように前記ガラス毛細管を前記貫通孔内に配設することを含む、請求項1の方法。
【請求項21】
前記ガラス毛細管の前記金属取付具から突出する少なくとも一部分が、サンディング、研削、ポリッシング、及び/又は、切断、のうちの少なくとも1つによって除去される、請求項20の方法。
【請求項22】
レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルであって、
燃料を液滴として放出するためのガラス毛細管と、
前記ガラス毛細管を前記液滴発生器の本体に結合するための金属取付具と、を備え、
前記ガラス毛細管が、前記金属取付具の貫通孔の形状に一致し、
前記ガラス毛細管が、前記貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成する、ノズル。
【請求項23】
前記貫通孔の前記形状が、一様に円筒形のセクション及び/又は錐台状セクションを含む、請求項22のノズル。
【請求項24】
前記ノズルが、
前記ガラス毛細管を前記金属取付具の前記貫通孔内に配設し、
前記金属取付具を加熱し、
前記ガラス毛細管が、前記貫通孔の前記形状と一致し、前記貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するように、前記ガラス毛細管に圧力を印加する、
方法に従って製造される、請求項22のノズル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2019年10月17日に出願されたDROPLET GENERATOR NOZZLEと題する米国出願第62/916,723号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明はレーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルに係り、特にそのノズルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)からのパターンを、基板上に設けられた、フォトレジスト又は単にレジストなどの放射線感応性材料の層上に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば4~20nmを超える波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成するのに使用することができる。
【0005】
[0005] EUV放射はプラズマを用いて生成されることがある。EUV放射を生成するための放射システムは、燃料を励起してプラズマを提供するためのレーザと、プラズマを収容するためのソースコレクタモジュールと、を備えることがある。プラズマは例えば、適切な材料(例えばスズ(Sn))の粒子、又はXeガスやLi蒸気といった適切なガスもしくは蒸気の流れ等の燃料に、レーザビームを誘導することによって作成されることがある。これによって生じるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、この出力放射は放射コレクタを用いて収集される。放射コレクタは、ミラーで構成された法線入射放射コレクタである場合があり、放射を受け、この放射を集束してビームにする。ソースコレクタモジュールは、プラズマをサポートする真空環境を提供するように構成された閉鎖構造又はチャンバを備えることがある。このような放射システムは典型的にレーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる。
【0006】
[0006] 燃料は液滴発生器によってレーザビームの経路に向けられることがある。液滴発生器は燃料を液滴として放出するノズルアセンブリを備えることができる。このようなノズルアセンブリは加圧及び/又は高温環境で動作することがあるため、ノズルアセンブリのコンポーネント間に耐熱及び耐圧シール(例えばハーメチックシール)を形成することが必要である場合がある。既存のノズルアセンブリは、低い信頼性、安定性及び性能に苦しむコンポーネント間にシールを備えることがある。
【0007】
[0007] 図1には従来技術によるノズルアセンブリ100が描かれている。ノズルアセンブリ100は、燃料の液滴を燃料放出器から放出するためのガラス毛細管110を備える。燃料放出器は液滴発生器である場合がある。
【0008】
[0008] ガラス毛細管110は、燃料放出器のコンポーネントであり得る取付具120に結合されることがあるか、燃料放出器に結合されることがある。取付具120は金属を含むことがある。
【0009】
[0009] ガラス毛細管110と取付具120との間にシール、例えばハーメチックシールを形成することが必要である。ガラス毛細管110はフェルール130の貫通孔内に配設されることがある。フェルール130はガラス毛細管110に対して順応性のある材料を含むことがある。つまり、フェルール130は概ね弾性及び/又は圧縮性がある場合がある。
【0010】
[0010] 図1の従来技術の例では、フェルール130は取付具120の貫通孔内に配設されている。フェルール130を圧迫して取付具120とガラス毛細管110との間に実質的に気密なシールを形成するのにナット140が使用される。
【0011】
[0011] このようなガラス毛細管110を取付具120に結合するための手段の欠点は、以下の通りである。
【0012】
[0012] 使用中に順応性のあるフェルール130により維持され得る最大圧力が大幅に制限されることは示されている。したがって、フェルール130は、使用中にガラス毛細管110により放出された燃料を汚染し得るガス放出、例えばH2Oのガス放出にさらされることがある。
【0013】
[0013] 更に、フェルール130が使用中に変形することによって、ガラス毛細管110と取付具120との間に形成されたシールの信頼性、安定性及び性能に影響が及ぶことがある。更に、フェルール130のこのような変形は、ノズル100の音響挙動に影響を及ぼすことがある。
【0014】
[0014] また、順応性のあるフェルール130は、ガラス毛細管110の取付具120に対する全体的な剛性を低下させ、これによってノズル100の望ましくない及び/又は過剰な振動並びに全体的な不安定性が生じることがある。
【0015】
[0015] 液滴発生器の動作中に温度変化及び圧力変化にさらされるコンポーネント間に、信頼性、安定性がある高性能なシールを有するノズルアセンブリを提供することが望ましく、そのようなノズルアセンブリを製造する手段を提供することも望ましい。更に、使用中に実質的に変形しにくく、使用中に液体スズなどの流体にさらされたときに比較的不活性なシールを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0016】
[0016] 本発明のある態様によれば、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルを製造する方法であって、ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することと、金属取付具を加熱することと、ガラス毛細管が貫通孔の形状に一致し、貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するようにガラス毛細管に圧力を印加することと、を含む方法が提供される。
【0017】
[0017] 有利には、直接ガラス金属間シールが、ガラス毛細管と金属取付具との間に信頼性、安定性がある高性能なシールを形成するためにフェルールを実装する必要性を排除する。更に、そのようなガラス金属間シールは、ノズルの全体的な剛性及び音響挙動を改善することがある。
【0018】
[0018] 貫通孔の少なくとも一部分は錐台状である場合がある。
【0019】
[0019] 貫通孔は形状が円筒形である場合がある。
【0020】
[0020] 圧力を印加することは、ガラス毛細管に内圧を印加することを含むことがある。
【0021】
[0021] 圧力、例えば内圧を印加することは、ガラス毛細管の第1の開口を少なくとも封止すること、及びガラス毛細管の第2の開口にガスを注入することを含むことがある。
【0022】
[0022] 圧力を印加することは、ガラス毛細管に外圧を印加することを含むことがある。ガラス毛細管に外圧を印加することは、ガラス毛細管の貫通孔から伸びる部分、及び/又はガラス毛細管の一方もしくは両方の端部のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることを含むことがある。
【0023】
[0023] 対抗する圧縮力はガラス毛細管に対する縦方向に加えられることがある。つまり、対抗する圧縮力はガラス毛細管の縦方向に沿って加えられることがある。
【0024】
[0024] 外圧を印加する前にガラス毛細管に剛性要素、例えばマンドレルなどが挿入されることがある。
【0025】
[0025] 圧力は、金属取付具を加熱している間及び/又は加熱した後にガラス毛細管に印加されることがある。
【0026】
[0026] ノズルを製造する方法はガラス毛細管を加熱することを含むことがある。
【0027】
[0027] ガラス毛細管の熱膨張係数が、金属取付具の熱膨張係数と実質的に同じであるか、これよりも小さい場合がある。具体的には、ガラス毛細管の熱膨張係数は、ノズルの動作温度範囲及びノズルの製造温度範囲を含む温度範囲にわたって、金属取付具の熱膨張係数と実質的に同じであるか、これよりも小さい場合がある。
【0028】
[0028] 金属取付具は、モリブデン、タンタル、タングステン、又はニッケル-コバルト鉄合金などの金属合金のうちの少なくとも1つを含むことがある。
【0029】
[0029] ガラス毛細管は、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、及び/又はクォーツのうちの少なくとも1つを含むことがある。
【0030】
[0030] 金属取付具の少なくとも一部分は金属酸化物層を含むことがある。例えば、ガラス金属間シールを形成する、金属取付具の貫通孔の少なくとも一部分は金属酸化物層を含むことがある。
【0031】
[0031] この方法は、金属取付具を冷却した後にガラス毛細管及び/又は金属取付具をアニールすることを更に含むことがある。
【0032】
[0032] 金属取付具を加熱することは、金属取付具を誘導加熱することを含むことがある。
【0033】
[0033] 金属取付具を加熱することは、金属取付具及びガラス毛細管を温度制御された炉又はチャンバ内で加熱することを含むことがある。
【0034】
[0034] 金属取付具を加熱することは、不活性雰囲気又は相対的真空中で金属取付具を加熱することを含むことがある。
【0035】
[0035] ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することは、ガラス毛細管が貫通孔の両端部から突出するようにガラス毛細管を貫通孔内に配設することを含むことがある。金属取付具から突出し得るガラス毛細管の少なくとも一部分は、サンディング、研削、ポリッシング、及び/又は切断のうちの少なくとも1つによって除去されることがある。
【0036】
[0036] 別の態様によれば、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルであって、燃料を液滴として放出するためのガラス毛細管と、ガラス毛細管を液滴発生器の本体に結合するための金属取付具と、を備え、ガラス毛細管が金属取付具の貫通孔の形状に一致し、ガラス毛細管が貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成する、ノズルが提供される。
【0037】
[0037] 貫通孔の形状は、一様に円筒形のセクション及び/又は錐台状セクションを含むことがある。
【0038】
[0038] ノズルは、ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設し、金属取付具を加熱し、ガラス毛細管が貫通孔の形状に一致し、貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するようにガラス毛細管に圧力を印加する、方法に従って製造されることがある。
【0039】
[0039] 本発明の別の態様によれば、燃料の液滴のストリームを提供するように構成された液滴発生器を備えたレーザ生成プラズマ放射源であって、液滴発生器がノズルを備え、ノズルが、燃料を液滴として放出するためのガラス毛細管と、ガラス毛細管を液滴発生器の本体に結合するための金属取付具と、を備え、ガラス毛細管が金属取付具の貫通孔の形状に一致し、ガラス毛細管が貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成する、レーザ生成プラズマ放射源が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
[0040] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0041】
図1】[0041] レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用の従来のノズルの例を示す。
図2】[0042] 本発明を実施するリソグラフィ装置及び放射源を備えたリソグラフィシステムを示す。
図3a】[0043] 本発明のある実施形態に係る、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルを製造する方法におけるステップを示す。
図3b】[0043] 本発明のある実施形態に係る、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルを製造する方法におけるステップを示す。
図3c】[0043] 本発明のある実施形態に係る、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルを製造する方法におけるステップを示す。
図3d】[0044] 本発明のある実施形態に係る方法により製造されたノズルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0045] 図2は放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えたリソグラフィシステムを示している。放射源SOは、EUV放射ビームBを発生させ、EUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成されている。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えばマスク又はレチクル)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTと、を備える。
【0043】
[0046] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調節するように構成されている。加えて照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることがある。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共にEUV放射ビームBに所望の断面形状及び所望の強度分布を与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、又はこれらの代わりに他のミラーもしくはデバイスを備えることがある。
【0044】
[0047] このように調節された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果、パターン付きEUV放射ビームB’が発生する。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板W上に投影するように構成される。そのために、投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を、基板テーブルWTにより保持された基板W上に投影するように構成される複数のミラー13、14を備えることがある。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さなフィーチャを有する像を形成することがある。例えば、縮小係数4又は8が適用されることがある。投影システムPSは、図1では2つのミラー13、14のみを有するように示されているが、投影システムPSは異なる数のミラー(例えば、6つ又は8つのミラー)を備えることがある。
【0045】
[0048] 基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことがある。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に以前に形成されたパターンと位置合わせする。
【0046】
[0049] 相対的真空、すなわち大気圧をはるかに下回る圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO内、照明システムIL内、及び/又は投影システムPS内に提供されることがある。
【0047】
[0050] 図2に示された放射源SOは、例えばレーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれることがあるタイプである。例えばCO2レーザを含み得るレーザシステム1は、例えば燃料放出器3から提供されるスズ(Sn)などの燃料内に、レーザビーム2を介してエネルギーを蓄積するように配置される。以下の記述ではスズに言及しているが、任意の適切な燃料が使用されることがある。燃料は、例えば液体の形である場合があり、例えば金属又は合金である場合がある。燃料放出器3は、プラズマ形成領域4に向けた軌道に沿って、例えば液滴の形でスズを誘導するように構成されたノズル200を備えることがある。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4においてスズに入射する。レーザエネルギーのスズ内への蓄積は、プラズマ形成領域4においてスズプラズマ7を作成する。EUV放射を含む放射が、電子の脱励起及びプラズマイオンとの再結合の間にプラズマ7から放出される。
【0048】
[0051] プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって収集及び集束される。コレクタ5は、例えば近法線入射放射コレクタ5(より一般的には法線入射放射コレクタと呼ばれることがある)を含む。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置される多層ミラー構造を有することがある。コレクタ5は、2つの焦点を有する楕円構成を有することがある。以下で考察するように、焦点のうちの第1のものはプラズマ形成領域4にある場合があり、焦点のうちの第2のものは中間焦点6にある場合がある。
【0049】
[0052] レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離されることがある。このような場合、レーザビーム2は、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ、及び/又は他の光学系を備えるビームデリバリシステム(図示せず)の助けを借りて、レーザシステム1から放射源SOへ渡されることがある。レーザシステム1、放射源SO、及びビームデリバリシステムは、全体で放射システムと見なされることがある。
【0050】
[0053] コレクタ5で反射される放射はEUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6において像を形成するために、中間焦点6に集束される。中間焦点6における像は、照明システムILのための仮想放射源の役割を果たす。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの閉鎖構造9内の開口8に、又は開口8の近くに位置するように配置される。
【0051】
[0054] 図2は放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)源として示しているが、放電生成プラズマ(DPP)源又は自由電子レーザ(FEL)などの任意の適切な放射源を使用してEUV放射を発生させることがある。
【0052】
[0055] 以上で説明したように、燃料放出器3は、燃料、例えば液滴の形態のスズを、プラズマ形成領域4に向かう軌道に沿って導くように構成されたノズル200を備えることがある。
【0053】
[0056] 図3aはガラス毛細管210を示している。ガラス毛細管210は、第1の端部225及び第2の端部230が開口した中空のガラス管である。ガラス毛細管210は、例えばホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩又はクォーツを含むことがある。ガラス毛細管210は、例えばソーダ石灰ガラス、又はアルカリバリウムガラスを含むことがある。ガラス毛細管210はアルカリバリウムアルミノホウケイ酸ガラスを含むことがある。ガラス毛細管210は、所要の物理化学的特性を得るために、例えばアルカリ(Na及びK)及び/又はアルカリ土類(Ca及びMg)などの混合によって最適化又は改変されることがある。ガラス毛細管210は、図2に示されたノズル200などのノズルの一部を形成する金属取付具220内に配設される場合に、一定の内径及び外径を有する直管である場合がある。
【0054】
[0057] 図3aには金属取付具220も示されている。金属取付具220は貫通孔235を備える。金属取付具220は、例えばモリブデン、タンタル及び/又はタングステンで形成されることがある。一部の実施形態では、金属取付具220は、例えばアルミニウム及び/又はプラチナを含むことがある。一部の実施形態では、金属取付具220はステンレス鋼などの金属合金を含むことがある。
【0055】
[0058] 図3aの例示的な実施形態では、貫通孔235の一部分240が実質的に錐台状である。つまり、部分240は実質的に円錐状の表面を有する。このような錐台/円錐形状は、例えば金属取付具220を円錐リーマを用いて機械加工することによって形成されることがある。他の実施形態では、貫通孔全体が実質的に錐台状である場合がある。更に他の実施形態では、貫通孔全体が円筒形である場合がある。本発明の範囲内にある代替的な実施形態では、貫通孔は真っすぐ、又は実質的に真っすぐであり得ることも理解されるであろう。つまり、代替的な実施形態では、全て又は実質的に全ての貫通孔が真っすぐ、例えば一様に円筒形である場合がある。貫通孔の形状は一様に円筒形のセクション及び錐台状のセクションを含むことがある。
【0056】
[0059] 1つの有利な実施形態では、貫通孔の実質的に錐台状の部分240の側壁の角度が、貫通孔235、240の中心により規定された縦軸Xに対しておよそ2~5度である場合がある。なお、例示のみを目的として、この角度は図3aから図3dにおいて誇張されており、縮尺通りに描かれていない。本発明の範囲内にある他の実施形態では、貫通孔の実質的に錐台状の部分240の側壁の角度は、貫通孔235、240の中心により規定された縦軸Xに対して5度超又は2度未満である場合がある。
【0057】
[0060] 金属取付具220の少なくとも一部分が、有利には貫通孔235を形成する表面に酸化物層を含むことがあり、具体的には貫通孔235の実質的に錐台状の部分240が酸化物層を含む。このような酸化物層は、より堅牢な及び/又は信頼できる及び/又は効果的なガラス金属間シールを提供することがある。有益には、酸化物層、例えば金属酸化物層を設けることで、効果的なガラス金属間結合層を形成するのに使用され得る酸素原子が提供される。
【0058】
[0061] 金属酸化物層を設けることが、ガラス金属間シールを形成するのに使用される任意の金属に適用可能であることは理解されるであろう。例えば、モリブデン、タングステン、タンタル、及び/又はニッケルコバルト鉄合金などの金属合金のいずれかを含む金属取付具220が金属酸化物層を含むことがある。一部の例示的な実施形態では、金属取付具220の少なくとも一部分、例えば金属取付具の貫通孔の少なくとも一部分は、適切な及び/又は十分な酸化物層がガラス金属間シールを形成する前に存在することを確実にするために酸化されることがある。
【0059】
[0062] そのような酸化物層が望ましいが、最初に存在しないか十分でない場合、金属取付具220は酸化物層を形成するために処理されることがある。例えば、金属取付具220は、そのような酸化物層の形成を促進するために酸素の存在下で加熱されることがある。
【0060】
[0063] 液滴発生器用ノズル200を製造する方法における第1のステップは、ガラス毛細管210を金属取付具220の貫通孔235、240内に配設することを含むことがある。
【0061】
[0064] 図3aでは、ガラス毛細管210の第1の端部225は金属取付具220から伸びるように示されている。他の実施形態では、ガラス毛細管210の第1の端部225は、金属取付具220の端部245すなわち面と実質的に同一平面になる場合がある。以下で説明される加熱ステップの前に、ガラス毛細管210が部分240を含む貫通孔235と同じ形状を有しないことに留意することができる。むしろガラス毛細管210は図3aに示すように一定の外径を有して真っすぐであり、加熱前に部分240又は貫通孔235の形状に一致しない。
【0062】
[0065] 種々の実施形態において、ガラス毛細管210の外径は貫通孔235の内径よりもわずかに小さい。したがって、ガラス毛細管210は貫通孔235に挿入することができる。例えば、ガラス毛細管210の外径と貫通孔235の内径との差はほぼ1mm、0.1mm、あるいはそれ以下である場合があるが、他の実施形態では、それぞれの径について他の差が使用されることがある。
【0063】
[0066] 液滴発生器用ノズル200を製造する別のステップが、金属取付具220を加熱すること、又は金属取付具220及びガラス毛細管210を加熱することを含むことがある。金属取付具220及びガラス毛細管210を加熱することは、金属取付具220及びガラス毛細管210を温度制御されたオーブン又はチャンバ内に配設することを含むことがある。金属取付具220を加熱することは、金属取付具220を誘導加熱することを含むことがある。金属取付具220を誘導によって加熱することによって、ガラス毛細管は金属取付具220によって加熱されることがある。
【0064】
[0067] 以下で説明される圧力の印加を伴う加熱プロセスは、ガラス毛細管210を部分240を含む貫通孔235の形状に一致させる。
【0065】
[0068] 1つの特定の実施形態では、金属取付具220は比較的不活性な雰囲気中で加熱されることがある。例えば、金属取付具220は、シュラウド、容器、チャンバ、エンクロージャなどの内部に配設され、窒素やアルゴンなどの比較的不活性なガスにさらされることがある。有益には、そのような比較的不活性なガスは、ガラス毛細管210又は金属取付具220の1つ以上の表面の酸化を防ぐことがある。例えばモリブデンを含む金属取付具220は、特に酸素の存在下で加熱されるときに酸化を受けることがある。したがって、金属取付具220を比較的不活性なガスの存在下で加熱することは、酸化物層が望ましくない場合に金属取付具220及び/又はガラス毛細管210の表面上のそのような酸化を防ぐ、又は少なくとも最小限に抑えることがある。例えば、金属取付具220のガラス金属間シールを形成する表面の一部分にのみ存在する酸化物層を有することが望ましい場合がある。
【0066】
[0069] 不活性雰囲気はガス流として提供されることがある。したがって、雰囲気の温度が制御されることがある。雰囲気の温度は比較的一定のレベルに制御又は維持されることがある。有益には、不活性雰囲気をガス流として提供することによって、不活性雰囲気の加熱が最小限に抑えられることがある。有益にはガス流は、ガラス毛細管210のガス流にさらされた部分に対する冷却効果がある場合がある。したがって、ガラス毛細管210の金属取付具220から伸びる又は突出する1つ以上の部分の望ましくない変形が制限されることがある。
【0067】
[0070] 更に別の実施形態において、金属取付具220は、相対的真空環境、例えば低圧環境において加熱されることがある。例えば、金属取付具220は、シュラウド、容器、チャンバ、エンクロージャなどの内部に配設されることがあり、空気などの環境ガスが、相対的真空、例えば部分的真空又は低圧環境を得るために、シュラウド、容器、チャンバ又はエンクロージャから排出、あるいは送出もしくは駆動されることがある。有益には、相対的真空、例えば部分的真空又は低圧環境が、ガラス毛細管210又は金属取付具220の1つ以上の表面の酸化を防ぐことがある。例えばモリブデンを含む金属取付具220は、特に酸素の存在下で加熱されるときに酸化を受けることがある。したがって、金属取付具220を相対的真空又は低圧環境において加熱することは、そのような酸化を防ぐ、又は少なくとも最小限に抑えることがある。
【0068】
[0071] 加熱及び下記の加圧は、ガラス毛細管210を金属取付具220内で膨張させて金属取付具の貫通孔235の形状と一致させる。ガラス毛細管210の金属取付具220内で膨張する部分がガラス毛細管210のガス流にさらされ得る部分よりも薄い側壁を備えることは留意されるであろう。有益には、そのようなガス流は、ガラス毛細管210のガス流にさらされ得る部分の側壁の厚さが所望のレベルに維持され、ガラス毛細管210の側壁を薄くし得る、膨張などの望ましくない変形を受けないことを保証することがある。
【0069】
[0072] 一実施形態では、4~8毎分標準リットルのアルゴンのガス流が提供されるが、他の実施形態では、他のガス流が使用される。
【0070】
[0073] ガラス毛細管210は、温度制御オーブン又はチャンバなどによって、例えば金属取付具を加熱するのと同時に、直接加熱されることもある。代替的(又は付加的)に、ガラス毛細管210は以上で説明したように金属取付具220によって加熱されることがある。
【0071】
[0074] 金属取付具220を加熱することによって、ガラス毛細管210は、ガラス毛細管210が柔らかくなるレベルに加熱されることがある。つまり、ガラス毛細管210は、ガラス毛細管210が硬質状態から軟化状態、例えば比較的曲げやすい状態又は一部が融解した状態に遷移するレベルまで熱くなることがある。つまり、ガラス毛細管210は、ガラス毛細管210を形成するガラスの粘度が、ガラスが比較的曲げやすくなる程度に低下するまで、直接又は金属取付具220によって加熱されることがある。
【0072】
[0075] 金属取付具220は800K~2000Kの範囲の温度に加熱されることがある。金属取付具220が加熱され得る温度は、ガラス毛細管210に使用される材料に依存することがある。例えば、クォーツを含むガラス毛細管210には約1800Kの温度が必要である場合があり、ホウケイ酸塩を含むガラス毛細管210には約800Kの温度が必要である場合がある。
【0073】
[0076] 金属取付具220は、少なくともガラス毛細管210の作動温度、例えばガラス毛細管210が曲げやすくなる温度に加熱されることがある。好ましくは、金属取付具220は、ガラス毛細管210又は金属取付具220を自重で過剰に変形させることになる温度に加熱されることはない。
【0074】
[0077] 液滴発生器用ノズル200を製造する別のステップが、図3b及び図3cを参照して説明されるように、ガラス毛細管210が貫通孔235の形状に一致し、貫通孔235と直接ガラス金属間シールを形成するように、ガラス毛細管210に内圧又は外圧を印加することを含むことがある。
【0075】
[0078] 図3bは、ガラス毛細管210に内圧が印加されることを示している。ガラス毛細管210に内圧を印加するステップは、ガラス毛細管210の第1の開口225又は第2の開口230を封止するステップを含むことがある。図3bの図示された実施形態では、第2の開口230はキャップ250で封止される。
【0076】
[0079] 第1又は第2の開口225、230を封止するステップは、金属取付具220を加熱するステップの前又は後に実行されることがある。例えば、ガラス毛細管210が軟化するように金属取付具220が加熱された後に、第1又は第2の開口225、230は、第1又は第2の開口225、230においてガラス毛細管210の一部分を圧迫する、例えばピンチ又は圧着することによって封止されることがある。更に、第1又は第2の開口225、230を封止するステップは、ガラス毛細管210を金属取付具220の貫通孔235、240内に配設するステップの前又は後に実行されることがある。
【0077】
[0080] 第1又は第2の開口225、230は、例えばストッパ、蓋又はキャップによって封止されることがある。付加的又は代替的に、第1又は第2の開口225、230は、例えば糊や硬化性樹脂といった樹脂などによって封止されることがある。
【0078】
[0081] 第1又は第2の開口225、230は、例えばガラス毛細管210を加熱し、少なくとも部分的に融解することによって封止されることがある。例えばガラス毛細管210は、シールを形成するために加熱された後に圧着されることがある。シールは有利には気密シール、例えばハーメチックシールである場合がある。
【0079】
[0082] 内圧をガラス毛細管210に印加するステップは、ガラス毛細管210の第1又は第2の開口225、230の一方にガスを注入することを含むこともある。つまり、第1の開口225が封止される場合、ガスは第2の開口230に注入されることがある。逆に、第2の開口230が封止される場合、ガスは第1の開口225に注入されることがある。好ましくはガスは、窒素及び/又はアルゴンなどの(金属取付具220及びガラス毛細管210に対して)比較的不活性なガスである。
【0080】
[0083] 内圧は、金属取付具220及びガラス毛細管210を加熱している間及び/又は加熱した後に印加されることがある。
【0081】
[0084] 例示のみを目的として、図3bは、ガラス毛細管210の第2の端部230を封止するキャップ250を示す。図3bの例において、ガスは矢印255が示す方向にガラス毛細管の第1の端部225に注入される。
【0082】
[0085] ガラス毛細管の第1の端部225にガスを注入するために、ガラス毛細管210にポンプ又は圧縮器が通信可能に結合されることがある。例えば、図3bに示されるように、ガラス毛細管の一部分が、金属取付具220の端部245すなわち面から突出する、例えばそこから外側に伸びる。したがって、任意の適切な手段を使用してガラス毛細管210の突出部分にホース又はパイプ(図示せず)が取り付けられて、ホース又はパイプとガラス毛細管210との間にシールが形成されることがある。ポンプ又は圧縮器は、ホース又はパイプに通信可能に結合されることで、ガラス毛細管210に内圧を印加するように構成されることがある。
【0083】
[0086] ガラス毛細管210にガスが注入されるとき、ガラス毛細管210内の圧力が上昇する。一実施形態では、ガラス毛細管210内の圧力がおよそ0.5バールに設定されることがあるが、他の実施形態では、ガラス毛細管210内の圧力は、0.1バール~10バールに設定されるか、それ以上に上昇されることがある。
【0084】
[0087] 金属取付具220及び/又はガラス毛細管210の加熱による、内圧の印加及びガラス毛細管210の相対的柔軟性によって、ガラス毛細管210は、金属取付具220の貫通孔に接触するまで、金属取付具220の貫通孔235、240内で膨張及び/又は変形する。特に図3bに示すように、ガラス毛細管210は、金属取付具220の貫通孔の錐台状部分240に接触するまで、貫通孔の錐台状部分240内で膨張及び/又は変形する。したがって、ガラス毛細管210は、ガラス毛細管が貫通孔235、特に貫通孔の錐台状部分240の形状に一致するように膨張及び/又は変形する。
【0085】
[0088] 既に説明したように、貫通孔は真っすぐ、又は実質的に真っすぐである場合があり、例えば貫通孔は錐台状部分を有しない場合がある。つまり、代替的な実施形態では、貫通孔の全て又は実質的に全てが真っすぐ、例えば一様に円筒形である場合がある。そのような実施形態では、金属取付具220及び/又はガラス毛細管210の加熱による、内圧の印加及びガラス毛細管210の相対的柔軟性によって、真っすぐなガラス毛細管210は、金属取付具220の貫通孔に接触するまで、金属取付具220の貫通孔235、240内で膨張及び/又は変形することがある。
【0086】
[0089] 更に、ガスにより印加された圧力、金属取付具220の温度、及びガラス毛細管210の温度によって、ガラス毛細管210と金属取付具220との間にガラス金属間シールが形成される。
【0087】
[0090] ガラス金属間シールが形成された後、キャップ250又はシールは除去されることがある。キャップ250又はシールの除去は、ガラス毛細管210の一部分の除去、例えば切除を含むことがある。
【0088】
[0091] 図3cは、ガラス毛細管210に外圧が印加されることを示している。ガラス毛細管210に外圧を印加するステップは、ガラス毛細管210の貫通孔から伸びる部分、及び/又はガラス毛細管の端部225、230のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることを含むことがある。
【0089】
[0092] 外圧は、金属取付具220及びガラス毛細管210を加熱している間及び/又は加熱した後に印加されることがある。
【0090】
[0093] 図3cの例において、圧力は矢印260、265が示す方向にガラス毛細管210の端部225、230に印加される。つまり、矢印260、265が示す方向は概ね反対である。したがって、これらの力はガラス毛細管210を圧縮する役割を果たす圧縮力である。
【0091】
[0094] 金属取付具220及び/又はガラス毛細管210の加熱による、外圧の印加及びガラス毛細管210の相対的柔軟性によって、ガラス毛細管210は、金属取付具220の貫通孔に接触するまで、金属取付具220の貫通孔235、240内で膨張及び/又は変形する。特に図3cに示すように、ガラス毛細管210は、金属取付具220の貫通孔の錐台状部分240に接触するまで、貫通孔の錐台状部分240内で膨張及び/又は変形する。したがって、ガラス毛細管210は、ガラス毛細管が貫通孔235、特に貫通孔の錐台状部分240の形状に一致するように膨張及び/又は変形する。
【0092】
[0095] 既に説明したように、貫通孔は真っすぐ、又は実質的に真っすぐである場合があり、例えば貫通孔は錐台状部分を有しない場合がある。つまり、代替的な実施形態では、貫通孔の全て又は実質的に全てが真っすぐ、例えば一様に円筒形である場合がある。そのような実施形態では、金属取付具220及び/又はガラス毛細管210の加熱による、外圧の印加及びガラス毛細管210の相対的柔軟性によって、真っすぐなガラス毛細管210は、金属取付具220の貫通孔に接触するまで、金属取付具220の貫通孔235、240内で膨張及び/又は変形することがある。
【0093】
[0096] 更に、印加された外圧、金属取付具220の温度、及びガラス毛細管210の温度によって、ガラス毛細管210と金属取付具220との間にガラス金属間シールが形成される。
【0094】
[0097] 図3cに示すように、矢印260、265により示された対抗する圧縮力は、ガラス毛細管210に対して縦方向に加えられる。そのような外力は、任意の適切な手段、例えばガラス毛細管210を機械加工プレス機に配設することによって加えられることがある。そのような機械加工プレス機は機械式、油圧式又は空気圧式のものである場合がある。そのような外力は、ガラス毛細管210をプレートなどの中間部材間に配設した後、外圧を中間部材に印加することによって加えられることがある。そのような外力は、例えば1つ以上のクランプなどによりガラス毛細管の1つ以上の部分を把持し、1つ以上のクランプを金属取付具220に対して移動することによって加えられることがある。
【0095】
[0098] 外圧をガラス毛細管210に印加するステップは、外圧を印加する前にガラス毛細管210に剛性要素290、例えばマンドレルを挿入することを含むこともある。そのような剛性要素は、ガラス毛細管210の貫通孔が、加えられた外力によって崩壊する又は望ましくない方向に過剰に変形することを防ぐことがある。
【0096】
[0099] 図3dは、本発明のある実施形態に係る方法により製造されたノズルを示している。図3b及び3cとは対照的に、金属取付具220の端部245すなわち面から突出する、例えばそれよりも盛り上がっているガラス毛細管210の部分は除去されている。この部分の除去は、サンディング、研削、ポリッシング、及び/又は切断のうちの少なくとも1つを含むことがある。他の実施形態では、金属取付具220の端部245すなわち面から突出するガラス毛細管210の部分は元の位置に残される、及び/又はリム状に形成されることがある。
【0097】
[0100] 液滴発生器用ノズル200を製造する方法における別のステップは、金属取付具220を冷却することを含むことがある。このような冷却は、例えば冷蔵もしくは冷却されたガス流による能動冷却、又は例えば周囲温度に冷めるように金属取付具220を放置する自然冷却である場合がある。このような冷却はあらかじめ規定された温度プロファイルに従う又は準拠することがある。有益には、このような冷却はガラス毛細管を少なくとも部分的にアニールすることによって、ガラス毛細管内の内部応力を低下させることがある。
【0098】
[0101] 更に、(例えば上述の突出部を除去した後の)ガラス毛細管の端部及び/又は金属取付具220の端部245もしくは面は、研削及び/又はポリッシングされることがある。そのような研削及び/又はポリッシングは滑らかな表面を提供することがあり、その結果、ガラス毛細管210の端部は金属取付具220の端部245すなわち面と同一平面となる。更に、そのような研削又はポリッシングは、望ましくないデブリ又は酸化物層を除去することがある。特にモリブデンを含む金属取付具220の場合、モリブデン酸化物層が金属取付具220の端部245すなわち面上に生じることがある。そのようなポリッシング及び/又は研削は、そのような酸化物層を除去することがある。
【0099】
[0102] この方法は、ガラス毛細管210及び/又は金属取付具220をアニールするステップを含むことがある。ガラス毛細管210のアニーリングに必要な特定の温度並びに/又は加熱速度及び/又は冷却速度は、特定のガラスタイプ及び/又はガラスの組成に依存することがある。例えばガラス毛細管210は、周囲温度に冷める前におよそ600K~800Kに加熱されることがあるが、他の実施形態では他の温度を使用することもできる。このようなアニーリングステップは1回以上繰り返されることがある。
【0100】
[0103] ガラス毛細管210をアニールするステップは、金属取付具220の端部245すなわち面から突出する、例えばそれよりも盛り上がっているガラス毛細管210の部分を除去するステップの前及び/又は後に実行されることがある。
【0101】
[0104] 有益には、図3aから図3dに示した例示的な実施形態の錐台状の貫通孔は、使用時にガラス毛細管210と金属取付具220との間に改善された封止をもたらす。つまり、使用時に加圧燃料が第1の開口275においてガラス毛細管210に入り、第2の開口280においてガラス毛細管210から排出又は放出されるために、ガラス毛細管210の内面、例えば内側壁に圧力が印加されることがある。燃料により印加されたこのような圧力は、ガラス毛細管210をある程度更に膨張させることによって、ガラス毛細管210を金属取付具220に押し付けることがある。したがって、ガラス毛細管210と金属取付具220との間のガラス金属間シールは、少なくともある程度、自励式シール、例えば使用時にガラス毛細管210の内面に印加された圧力により改良されたシールを形成することがある。
【0102】
[0105] 金属取付具220の熱膨張係数(CTE)が、ノズル200の動作温度範囲にわたってガラス毛細管210のCTEと実質的に同一である、又はガラス毛細管210のCTEに対して予め定められた範囲内にあることは有利である。更に、金属取付具220のCTEが、ガラス金属間シールを形成するのに必要な温度を含む温度範囲、例えばノズルの製造温度範囲にわたって、ガラス毛細管210のCTEと実質的に同一である、又はガラス毛細管210のCTEに対して予め定められた範囲内にあることも有利である。つまり、ガラス金属間シールは、ガラスが柔らかくなる温度で形成され、その後室温に冷却される。したがって、金属取付具220のCTEが、ガラスが柔らかくなる温度及び室温を含む全温度範囲、及び好ましくは室温未満の温度を含み得るノズル200の動作温度範囲にもわたって、ガラス毛細管210のCTEと実質的に同一である、又はガラス毛細管210のCTEに対して予め定められた範囲内にあることは有利である。
【0103】
[0106] 例えば、モリブデンを含む金属取付具は、およそ5.5ppm/KのCTEを有することがある。したがって、ガラス毛細管のCTEの予め定められた範囲は、例えば+/-0.5ppm/Kである場合がある。種々のホウケイ酸ガラス又はアルミノケイ酸ガラスが、モリブデンに対して+/-0.5ppm/K以内に適合したCTEを含む。金属取付具とガラス毛細管との間に締まりばめを作成するために、金属取付具のCTEよりも低いCTEを有するガラス毛細管が選択されることがある。例えば一実施形態は、モリブデンを含む金属取付具と、およそ3.3ppm/KのCTEを有するホウケイ酸塩を含むガラス毛細管とを備えることがある。そのような圧力によって、有益にはガラス金属間シールが付加的に及び/又は少なくとも部分的に、金属取付具とガラス毛細管との間に締まりばめを形成することがある。つまり、使用時にガラス毛細管210の内面に、ガラス毛細管210をある程度更に膨張させることによってガラス毛細管210を金属取付具220に押し付け得る圧力が印加されることがある。
【0104】
[0107] 動作温度範囲は、ノズル200により放出又は排出された燃料に依存することがある。例えば燃料である液体スズの動作温度範囲は、およそ300K~530Kである場合がある。
【0105】
[0108] 更に、例えば使用時に液滴発生器により提供される燃料は、スズ化合物、例えばSnBr4、SnBr2、SnH4、又はスズ合金、例えばスズガリウム合金、スズインジウム合金、スズインジウムガリウム合金、又はこれらの組み合わせである場合がある。使用される材料によって、ターゲット材料は、室温もしくは室温に近い温度(例えばスズ合金SnBr4)を含む様々な温度で、高温(例えば純スズ)で、又は室温を下回る温度(例えばSnH4)で液滴発生器によって提供されることがある。したがって、全動作温度範囲にわたってその性能が比較的温度によって変化しない、ガラス毛細管210と金属取付具220との間のガラス金属間シールを形成することは特に有益である。
【0106】
[0109] ガラス毛細管210のCTEを金属取付具220のCTEに厳密に一致させることによって、ノズルを溶融スズの作動温度、例えば500~500Kに加熱した後のガラス毛細管の亀裂が避けられることがある。
【0107】
[0110] ガラス毛細管210のCTEは、金属取付具220のCTEと厳密に一致する、又は金属取付具220のCTEよりわずかに低いがわずかに高くない場合がある。例えば、ノズルの製造中、及び/又は使用時に、ガラス毛細管210のCTEが金属取付具220よりも高い場合、ノズル200の冷却中、ガラス毛細管210は金属取付具220が収縮するよりも速く収縮することになる。ガラス毛細管210と金属取付具220とのこのような収縮速度の差は、ガラス金属間シールの完全性に悪影響を及ぼすことがある。つまり、ガラス毛細管210と金属取付具220とのこのような収縮速度の差によって、ガラス毛細管が金属取付具220から分離することがある。したがって、ガラス毛細管210の収縮速度を金属取付具220の収縮速度以下にすることが有益である。
【0108】
[0111] この明細書全体を通じて使用される「不活性の」という用語は、ガラス毛細管201及び金属取付具220に対して化学的に不活性であることを意味するものと解釈すべきである。
【0109】
[0112] 「ガラス金属間」シールという用語は、シール、例えばガラスと金属との間のハーメチックシールを指し、金属は、金属、金属合金、及び/又は金属酸化物を含むものと解釈される。つまり、「ガラス金属間シール」という用語は、ガラスと、酸化物層を含み得る金属との間のシールを含むものと理解すべきである。例えば、本発明の特定の実施形態では、金属取付具はモリブデンを含み、「ガラス金属間シール」という用語は、ガラス毛細管210と金属取付具の表面との間のシールを含み、シールが形成されるのに先立って、金属取付具220のガラス毛細管210に封止すべき表面が酸化物層を備えていた可能性がある。
【0110】
[0113] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0111】
[0114] 以上において、レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器との関連において本発明の実施形態の使用について具体的な言及がなされてきたが、特許請求され説明された方法に従って製造されたノズルが、様々な他の用途に有用性を見い出す及び/又は様々な他の用途での使用に適している場合があることが理解されるであろう。例えばそのようなノズルは、一般に任意の流体輸送用途、特に輸送すべき流体が圧力を受けている任意の流体輸送用途に適用可能である場合がある。
【0112】
[0115] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0113】
[0116] 本発明の他の態様を以下の番号付けされた条項に記載する。
1.液滴発生器用ノズルを製造する方法であって、
ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することと、
金属取付具を加熱することと、
ガラス毛細管が貫通孔の形状に一致し、貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するように、ガラス毛細管に圧力を印加することと、を含む、方法。
2.貫通孔の少なくとも一部分が錐台状である、条項1の方法。
3.ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することが、一定の直径を有するチューブの形をしたガラス毛細管を配設することを含み、加熱すること及び圧力を印加することが毛細管の形状を変化させる、条項1の方法。
4.圧力を印加することが、ガラス毛細管に内圧を印加することを含み、且つ
ガラス毛細管の第1の開口を封止することと、
ガラス毛細管の第2の開口にガスを注入することと、を少なくとも含む、条項1から3のいずれかの方法。
5.圧力を印加するステップが、
ガラス毛細管の貫通孔から伸びる部分と、
ガラス毛細管の一方又は両方の端部と、
のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることによって、ガラス毛細管に外圧を印加することを含む、条項1から3のいずれかの方法。
6.対抗する圧縮力がガラス毛細管の縦方向に沿って加えられる、条項5の方法。
7.外圧を印加する前にガラス毛細管に剛性要素を挿入するステップを更に含む、条項5の方法。
8.圧力が、金属取付具を加熱している間及び/又は加熱した後にガラス毛細管に印加される、条項1から7のいずれかの方法。
9.ガラス毛細管の熱膨張係数が、ノズルの動作温度範囲及びノズルの製造温度範囲を含む温度範囲にわたって、金属取付具の熱膨張係数以下である、条項1から8のいずれかの方法。
10.金属取付具がモリブデン、タンタル、タングステン、又は金属合金を含み、及び/又はガラス毛細管がホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩又はクォーツを含む、条項1から9のいずれかの方法。
11.金属取付具の少なくとも一部分が金属酸化物層を含む、条項1から10のいずれかの方法。
12.金属取付具を冷却した後にガラス毛細管及び/又は金属取付具をアニールすることを更に含む、条項1から11のいずれかの方法。
13.金属取付具を加熱することが、金属取付具を誘導加熱することを含む、条項1から12のいずれかの方法。
14.誘導加熱中に、ガラス毛細管に向けられた不活性ガス流を提供することを更に含む、条項13の方法。
15.貫通孔の形状が円筒形である、条項1の方法。
16.金属取付具を加熱するステップが、不活性雰囲気又は相対的真空中で金属取付具を加熱することを含む、条項1から15のいずれかの方法。
17.ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設するステップが、ガラス毛細管が貫通孔の両端部から突出するように、ガラス毛細管を貫通孔内に配設することを含む、条項1から16のいずれかの方法。
18.ガラス毛細管の金属取付具から突出する少なくとも一部分が、サンディング、研削、ポリッシング、及び/又は切断のうちの少なくとも1つによって除去される、条項17の方法。
19.レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルであって、
燃料を液滴として放出するためのガラス毛細管と、
ガラス毛細管を液滴発生器の本体に結合するための金属取付具と、を備え、
ガラス毛細管が金属取付具の貫通孔の形状に一致し、ガラス毛細管が貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成する、ノズル。
20.貫通孔の形状が一様に円筒形のセクション及び/又は錐台状セクションを含む、条項19のノズル。
21.ノズルが、
ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設し、
金属取付具を加熱し、
ガラス毛細管が、貫通孔の形状と一致し、貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するように、ガラス毛細管に圧力を印加する、
方法に従って製造される、条項19のノズル。
【0114】
[0117] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
【手続補正書】
【提出日】2022-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴発生器用ノズルを製造する方法であって、
ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することと、
前記金属取付具を加熱することと、
前記ガラス毛細管が前記貫通孔の形状に一致し、前記貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するように、前記ガラス毛細管に圧力を印加することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記貫通孔の少なくとも一部分が、錐台状である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することが、一定の直径を有するチューブの形をした前記ガラス毛細管を配設することを含み、
前記加熱すること及び圧力を印加することが、前記毛細管の形状を変化させる、請求項2の方法。
【請求項4】
前記圧力を印加することが、前記ガラス毛細管に内圧を印加することを含み、且つ、
前記ガラス毛細管の第1の開口を封止することと、
前記ガラス毛細管の第2の開口にガスを注入することと、を少なくとも含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記圧力を印加することが、前記ガラス毛細管に内圧を印加することを含み、且つ、
前記ガラス毛細管の第1の開口を封止することと、
前記ガラス毛細管の第2の開口にガスを注入することと、を少なくとも含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記圧力を印加するステップが、
前記ガラス毛細管の前記貫通孔から伸びる部分と、前記ガラス毛細管の一方又は両方の端部と、のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることによって、前記ガラス毛細管に外圧を印加することを含む、請求項3の方法。
【請求項7】
前記圧力を印加するステップが、
前記ガラス毛細管の前記貫通孔から伸びる部分と、前記ガラス毛細管の一方又は両方の端部と、のうちの少なくとも1つに対抗する圧縮力を加えることによって、前記ガラス毛細管に外圧を印加することを含む、請求項1の方法。
【請求項8】
前記外圧を印加する前に前記ガラス毛細管に剛性要素を挿入するステップを更に含む、請求項7の方法。
【請求項9】
前記金属取付具が、モリブデン、タンタル、タングステン、又は金属合金を含み、
前記ガラス毛細管が、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩又はクォーツを含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記貫通孔の少なくとも一部分が、錐台状であり、
前記ガラス毛細管を金属取付具の貫通孔内に配設することが、一定の直径を有するチューブの形をした前記ガラス毛細管を配設することを含み、
前記加熱すること及び圧力を印加することが、前記毛細管の形状を変化させる、請求項の方法。
【請求項11】
前記金属取付具の少なくとも一部分が、金属酸化物層を含む、請求項1の方法。
【請求項12】
前記金属取付具を加熱することが、前記金属取付具を誘導加熱することを含む、請求項1の方法。
【請求項13】
レーザ生成プラズマ放射源の液滴発生器用ノズルであって、
燃料を液滴として放出するためのガラス毛細管と、
前記ガラス毛細管を前記液滴発生器の本体に結合するための金属取付具と、を備え、
前記ガラス毛細管が、前記金属取付具の貫通孔の形状に一致し、
前記ガラス毛細管が、前記貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成する、ノズル。
【請求項14】
前記貫通孔の前記形状が、一様に円筒形のセクション及び/又は錐台状セクションを含む、請求項13のノズル。
【請求項15】
前記ノズルが、
前記ガラス毛細管を前記金属取付具の前記貫通孔内に配設し、
前記金属取付具を加熱し、
前記ガラス毛細管が、前記貫通孔の前記形状と一致し、前記貫通孔と直接ガラス金属間シールを形成するように、前記ガラス毛細管に圧力を印加する、
方法に従って製造される、請求項13のノズル。
【国際調査報告】