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特表2022-552237背面パージが設けられ斜面パージが組み込まれたウエハヒータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】背面パージが設けられ斜面パージが組み込まれたウエハヒータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521104
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020054995
(87)【国際公開番号】W WO2021072200
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/914,474
(32)【優先日】2019-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウラヴィ, テジャス
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャ, ナビーン クマール
(72)【発明者】
【氏名】バルジャ, サンジーヴ
(72)【発明者】
【氏名】クマール, スラジット
(72)【発明者】
【氏名】カシャプ, ドリティマン スバ
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル, アシュトシュ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131CA03
5F131EA03
5F131EA04
5F131EA05
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB13
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
単一部品の支持本本体を形成する複数の接合された板を含む基板支持体、及び基板支持体を形成する方法が記載される。単一部品の支持本体が、外周縁、上面、及び底面を有する。ポケットが上面に形成され、底面、深さ、及び外周縁を有する。パージリングが、外周縁から或る一定の距離が置いて配置されており、本体厚さの範囲内のパージガス線と流体連結した、上面の少なくとも1つの開口を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体であって、
外周縁と、本体厚さを画定する上面及び底面と、を有する単一部品の支持本体を形成する複数の接合された板と、
前記支持本体の前記上面に形成されたポケットであって、底面と、深さと、外周縁とを有するポケットと、
前記外周縁から或る一定の距離を置いて配置されたパージリングであって、前記上面に少なくとも1つの開口を含み、前記少なくとも1つの開口が、前記本体厚さの範囲内でパージガス線と流体連結している、パージリングと、
を備えた、基板支持体。
【請求項2】
前記支持本体の前記底面に接続された中空シャフトをさらに備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
静電チャックを形成するよう構成された、前記本体厚さの範囲内の前記上面から電極深さにある1つ以上の電極をさらに含む、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記本体厚さの範囲内の、前記上面より下方の第1の深さにある主加熱要素をさらに含む、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記本体厚さの範囲内の、前記第1の深さとは異なった前記上面から第2の深さにある内側ゾーン加熱要素と、
前記本体厚さの範囲内の、前記第1の深さとは異なった前記上面から第3の深さにある外側ゾーン加熱要素と、
をさらに含む、請求項4に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記中空シャフトを通って前記天板へと通された主加熱要素電力線、内側ゾーン加熱要素電力線、及び外側ゾーン加熱要素電力線をさらに含む、請求項5に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記パージリングより内側の前記上面に形成された複数のメサをさらに含む、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記メサが、約10μmから約40μmまでの範囲内の高さを有する、請求項7に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記本体厚さの範囲内に1つ以上の温度センサをさらに含む、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項10】
基板支持体であって、
上面、及び底面を有する天板であって、パージリングが、前記上面に形成されており、前記天板を貫通して前記底面へと延びる複数の開口を含む、天板と、
上面、及び底面を有する底板であって、前記底板は、当該上面にチャネルが形成されており、前記チャネルが、前記天板を貫通して前記パージリングへと延びる前記複数の開口と位置合わせされており、前記底板の前記上面が前記天板の前記底面に接合されて、単一部品の支持本体を形成する、底板と、
を備えた、基板支持体。
【請求項11】
前記天板は、
第1の天板であって、当該第1の天板を貫通する前記パージリングを有する第1の天板と、
第2の天板であって、当該第2の天板を貫通する複数の開口を有する第2の天板と、を含み、
前記複数の開口が、前記第1の天板の前記パージリングと位置合わせされており、前記第1の天板と前記第2の天板とが接合されて、単一部品の天板を形成する、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記第2の天板は、当該第2の天板の上面に少なくとも1つの電極が形成されており、前記少なくとも1つの電極が、前記第1の天板と前記第2の天板との間に挟まれている、請求項11に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記底板は、前記上面に前記チャネルが形成された第1の底板と、第2の底板の上面に主加熱要素が形成された前記第2の底板と、を含み、
前記主加熱要素が、前記第1の底板と前記第2の底板との間に挟まれて、単一部品の底板を形成する、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項14】
前記底板が、第3の底板をさらに含み、前記第3の底板の上面には外側ゾーン加熱要素が形成されており、
前記第3の底板は、前記外側ゾーン加熱要素が前記第3の底板と前記第2の底板との間に挟まれて単一部品の底板が形成されるように、前記第2の底板の底面に接合される、請求項13に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記天板と前記底板とは、当該板同士を溶着させるために高温によって接合される、請求項14に記載の基板支持体。
【請求項16】
基板支持体を製造する方法であって、
上面、及び底面を有する天板を形成することであって、パージリングが、前記上面に形成されており、前記天板を貫通して前記底面へと延びる複数の開口を含む、天板を形成することと、
上面、及び底面を有する底板を形成することであって、前記底板は、当該底板の外周縁から或る一定の距離を置いて当該上面にチャネルが形成されており、前記チャネルが、前記天板を貫通して前記パージリングへと延びる前記複数の開口と位置合わせされている、底板を形成することと、
前記底板の前記上面を前記天板の前記底面に接合して、単一部品の支持本体を形成することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記天板を形成することが、第1の天板と第2の天板とを接合して単一部品を形成することを含み、
前記第1の天板が、当該第1の天板を貫通する前記パージリングを有し、
前記第2の天板が、当該第2の天板を貫通する複数の開口を有し、
前記複数の開口が、前記第1の天板の前記パージリング、前記第1の天板、及び前記第2の天板と位置合わせされている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の天板は、当該第2の天板の上面に少なくとも1つの電極が形成されており、前記少なくとも1つの電極が、前記第1の天板と前記第2の天板との間に挟まれている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記底板を形成することが、第1の底板と第2の底板とを接合して単一部品を形成することを含み、
前記第1の底板は、前記上面に前記チャネルが形成されており、
前記第2の底板は、当該第2の底板の上面に主加熱要素が形成されており、
前記主加熱要素が、前記第1の底板と前記第2の底板との間に挟まれている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記底板を形成することが、第3の底板を前記第2の底板に接合して、単一部品を形成することをさらに含み、
前記第3の底板は、当該第3の底板の上面に外側ゾーン加熱要素が形成されており、
前記第3の底板は、前記外側ゾーン加熱要素が前記第3の底板と前記第2の底板との間に挟まれるように、前記第2の底板の底面に接合される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して、空間的に離れた複数のウエハ処理ツールのための装置に関する。特に、本開示の実施形態は、裏面からのパージが改良されたウエハペデスタルヒータを対象とする。
【背景技術】
【0002】
原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)チャンバといった半導体ウエハ処理チャンバでは、ウエハ背面への圧力の制御及びエッジパージが、処理のための利点をもたらす。ウエハ背面への圧力の制御は、ウエハの改善された温度均一性をもたらしうる。エッジパージによって、ウエハの背面及び湾曲した端面への堆積を防止することが可能である。
【0003】
従来の背面圧力制御は、ウエハエッジの付近のペデスタル表面上のシールバンドを用いて達成される。ガス流路が、ペデスタルを通ってウエハの下のポケットへと通って、シールバンド内に入る。流量を制御し、圧力を測定し、チャンバを迂回したポンプへの流路を有する構成要素によって、圧力制御が行われる。
【0004】
従来のエッジパージは、2つの異なる技術によって実現されうる。ガスは、ペデスタル内の線を通して伝達されて、巡回チャネル、ペデスタルの外周付近のプレナム、又はその双方の組み合わせのいずれかを通して、ウエハ端面の下側のエッジへと分配されうる。本技術では、ガスの流れを導くためにウエハの周りを周回するエッジリング設計が必要となる。エッジリングは、ペデスタル又は別体の部品に組み込むことが可能である。エッジパージ技術は、ウエハ端面の周りに上記流れをどの程度良好に分散しうるかに基づいて、有効性が制限される。
【0005】
背面圧力制御とエッジパージの双方について、ペデスタルに投入されたどのようなフィーチャも、他の設計コンポーネント及び目標に影響を与えることになる。例えば、ガス分配チャンネルをペデスタルに投入することは、そのペデスタルで実現しうる温度均一性に対して、要求される設計上の妥協に因りマイナスの影響を及ぼすことになる。従って、当該技術分野では、背面圧力制御及びエッジパージのための改良された装置が必要とされている。
【0006】
従って、裏面パージが改良されたウエハペデスタルヒータに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態は、単一部品の支持本体を形成する複数の接合された板を含む基板支持体を対象とする。単一部品の支持本体は、外周縁と、本体厚さを画定する上面及び底面と、を有する。支持本体の上面にはポケットが形成されている。ポケットは、底面、深さ、及び外周縁を有する。パージリングが、外周縁から或る一定の距離を置いて配置されている。パージリングが、上面に少なくとも1つの開口を含み、少なくとも1つの開口は、本体厚さの範囲内でパージガス線と流体連結している。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、単一部品の支持本体を形成するために接合された天板及び底板を含む基板支持体を対象とする。天板は、上面及び底面を有する。パージリングが、上面に形成されており、天板を貫通して底面へと延びる複数の開口を含む。底板は、上面及び底面を有する。底板は、上面にチャンネルが形成されており、上記チャネルが、天板を貫通してパージリングへと延びる複数の開口と位置合わせされている。底板の上面が天板の底面と接合されて、単一部品の支持本体を形成する。
【0009】
本開示の更なる実施形態は、基板支持体を製造する方法を対象とする。上面及び底面を有する天板が形成される。パージリングが、上面に形成されており、天板を貫通して底面へと延びる複数の開口を含む。上面及び底面を有する底板が形成される。底板は、当該底板の外周縁から或る一定の距離を置いた上面にチャンネルが形成されており、上記チャンネルが、天板を貫通してパージリングまで延びる複数の開口と位置合わせされている。底板の上面が天板の底面と接合されて、単一部品の支持本体を形成する。
【0010】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、従って、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の1つ以上の実施形態に係る基板支持体の断面図を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態に係る基板支持体の断面図を示す。
図3】本開示の1つ以上の実施形態に係る基板支持体の断面図を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態に係る基板支持体の部分的な分解断面図を示す。
図5】本開示の他の実施形態に係る、接合後の図4の基板支持体の部分的な断面図を示す。
図6】本開示の1つ以上の実施形態に係る複数の基板支持体を含む基板支持アセンブリの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が、以下の明細書の記載において記載される構成又は処理ステップの詳細に限定されないと了解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々なやり方で実践又は実行することが可能である。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、「基板(substrate)」という用語は、処理が行われる表面又は表面の部分を指す。これも当業者には当然のことであるが、基板に対して言及がなされるとき、文脈上別に明示されない限り、基板の一部のみを指すこともありうる。さらに、基板上への堆積に対して言及がなされるとき、それは、ベア基板と、1つ以上の膜又はフィーチャが堆積又は形成された基板と、の両方を意味しうる。
【0014】
本明細書では、「基板(substrate)」は、製造プロセスの間に表面上に膜処理が実施される任意の基板、又は基板上に形成された任意の材料面のことである。例えば、処理が実施されうる基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及び他の導電性材料といった任意の他の材料を含む。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、及び/又はベークするために、基板は前処理プロセスに曝露されうる。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示された任意の膜処理ステップが、以下でより詳細に開示される基板上に形成された下層上で実施されてよい。「基板表面」という用語は、文脈が示すように、こうした下層を含むことが意図されている。従って、例えば基板表面上に膜/層又は部分膜/部分層が堆積している場合には、新たに堆積した膜/層の露出面が、基板表面となる。
【0015】
本開示の実施形態は、複数の動作温度(例えば、150℃~550℃)でウエハ上に均一な温度分布をもたらすためのペデスタルヒータ設計に関する。
【0016】
いくつかの実施形態は、双極静電チャック(ESC:electrostatic chuck)を含むペデスタルヒータ構造を提供する。いくつかの実施形態は、有利には、組み込まれたウエハ裏面ガス供給能力及び斜面パージ能力を提供する。いくつかの実施形態によれば、双極ESCは、背面パージ流量を増加させる。幾つかの実施形態の双極ESCは、真空チャックを利用した他の設計と比べて、より大きな斜面パージ流量を可能とする。
【0017】
いくつかの実施形態は、複数の加熱ゾーン(例えば、3つのゾーン)を含むペデスタルヒータを提供する。いくつかの実施形態では、複数ゾーンヒータによって、ヒータの中央及び端部での局所的なプロファイルチューニングが可能となる。
【0018】
いくつかの実施形態は、拡散接合されたエッジリングを提供する。いくつかの実施例の拡散接合されたエッジリングは、向上した熱均一性及び向上したパージパージ効率をもたらす。いくつかの実施形態では、拡散接合されたエッジリング(ER:edge ring)は、斜面パージ効率を改善するためにギャップ制御を改善する。
【0019】
図1を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態は、単一部品の本体102へと形成された複数の接合された板110、120を含む基板支持体100を対象とする。部品本体102は、外周縁104と、当該本体102の厚さTを画定する上面106及び底面108と、を有する。
【0020】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、基板支持体100の単一部品の本体102の部分断面図を示す。支持本体102の上面106にはポケット112が形成されている。ポケット112は、底面114と、深さDと、外周縁116とを有する。図2に示す実施形態では、ポケット112の外側部分が、底面114から外周縁116へと移行する傾斜面118を有する。ポケット112の外周縁116は、本体102の外周縁104から距離DEを置いて位置している。
【0021】
パージリング140が、ポケット112の外周縁116から距離DPを置いて配置されている。距離DPは、パージリング140の最外縁まで測定される。いくつかの実施形態では、パージリング140は、本体102の外周縁104から或る一定の距離を置いて配置される。パージリングは、ポケット112の底面114に少なくとも1つの開口142を含む。図示の実施形態では、パージリング140は、本体102の中心軸103の周りに延在するポケット112の底面114に、単一の開口142を含む。いくつかの実施形態では、複数の開口(図示せず)が、開口142の底面144に形成される。
【0022】
ポケット112の底面114は、本体102の上面106の一部又は延長部である。いくつかの実施形態のパージリング140は、本体102の上面106に少なくとも1つの開口142を含む。パージリング140の開口142は、本体102の厚さTの範囲内で、パージガス線146と流体連通している。いくつかの実施形態では、図2に示すように、パージガス線146が、本体102内で巡回ガス線147と流体連結しており、巡回ガス線147は、開口142と流体連結したプレナム148と流体連結している。
【0023】
図1に戻って参照すると、いくつかの実施形態では、中空シャフト150が、支持本体102の底面108に接続されている。中空シャフト150は側壁152を有し、側壁152の厚さは、内側表面152aと外側表面152bとの間で画定される。いくつかの実施形態では、シャフト150は、本体102を支持し、中空領域151内に追加の構成要素(例えば、電力線、パージガス)を含むよう構成される。
【0024】
図3に示されるように、いくつかの実施形態では、基板支持体100が静電チャックとして構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極160が、本体102の厚さの範囲内にあり、静電チャックを形成するよう構成されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極160が、本体102の上面106から電極深さDESCにおいて配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極160が、単極静電チャックとして構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極160が、双極静電チャックとして構成される。1つ以上の電極160は、当該電極に極性を与えて静電チャックとして作用させるために1つ以上の電源(図示せず)に接続することが可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、基板支持体100は、1つ以上の加熱要素を含む。いくつかの実施形態の本体102は、基板161をより均一に加熱するための複数の加熱要素を含む。図3には、上面162及び外周縁163を有する基板161が示されている。図3に示される実施形態は、3つの加熱要素、すなわち、主加熱要素164、内側ゾーン加熱要素166、及び外側ゾーン加熱要素168を有する。当業者は、任意の適切な数の加熱要素が存在しうること、及び本開示の範囲が、記載されるこの3つの加熱要素に限定されないことが分かるであろう。
【0026】
いくつかの実施形態の主加熱要素164は、上面106より下方の第1の深さD1(主加熱要素深さとも称される)に配置されている。一貫性のために、本明細書で列挙される深さの測定値は、本体の上面106に対するものである。しかしながら、当業者は、上記列挙される深さを、ポケット112の底面114から測定することができ、測定値間の差分が上面106と底面114との間の距離に等しいことが分かるであろう。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の深さD1は、本体102の厚さTの約50%以上である。いくつかの実施形態では、第1の深さD1は、本体102の厚さTの約55%、60%、65%、70%、75%又は80%以上である。いくつかの実施形態では、本体102は、約10mm~約30mmの範囲内、又は約15mm~約25mm又は約20mmの範囲内の厚さTを有する。
【0028】
図3に示される実施形態は、本体102内の、上面106から第2の深さD2に位置する内部ゾーン加熱要素166を含む。いくつかの実施形態では、第2の深さD2は、第1の深さD1とは異なり、即ち、D1より大きく又は小さい。いくつかの実施形態の第2の深さD2は、第1の深さD1よりも大きく、これにより、内部ゾーン加熱要素166は本体102の底面108により近くなる。いくつかの実施形態では、第2の深さD2は、第1の深さD1よりも小さく、これにより、内側ゾーン加熱要素166は上面106により近くなる。
【0029】
いくつかの実施形態では、内側ゾーン加熱要素166が、本体102内の、シャフト150の側壁152の上方に配置される。いくつかの実施形態では、内側ゾーン加熱要素166が、シャフト150の側壁152の上方の中心に配置される。当業者は、内側ゾーン加熱要素166が、図示された位置には限定されないことが分かるであろう。いくつかの実施形態では、内側ゾーン加熱要素166が、天板の中心と位置合わせされるように配置されている。このように使用される場合、天板の中心とは、中心軸、及び/又は、中心軸103から測定された上面106の半径の約50%まで延在する中心軸の周りの領域を指している。いくつかの実施形態では、内側ゾーン加熱要素166は、中心軸103における又は中心軸103付近の1つ以上の高熱損失領域と位置合わせされて配置されている。いくつかの実施形態において、高熱損失領域とは、(例えば、5~25mmの範囲内の量だけ内径より大きい外径を有する)領域であって、プロセス要件に基づいて、熱流束が、周囲の領域(例えば、注目する領域の外径がその内径となる領域)の熱流束を所定のパーセンテージだけ超える上記領域である。いくつかの実施形態では、所定のパーセンテージは、110%~300%の範囲内にある。
【0030】
いくつかの実施形態の本体102は、上面106から第3の深さD3に、外側ゾーン加熱要素168を有する。いくつかの実施形態の第3の深さD3は、第1の深さD1よりも大きい。いくつかの実施形態では、第3の深さD3は、第1の深さD1及び/又は第2の深さD2とは異なっている。いくつかの実施形態では、第3の深さD3は、第2の深さD2とほぼ同じである。このように使用される場合、「ほぼ同じ深さ」という用語は、それぞれのゾーンの深さが、平均深さに対して±10%、±5%、±2%、又は±1%の範囲内にあることを意味する。本明細書では、深さD1、D2、及び/又はD3を記述するときの「異なる(different)」という用語は、最大で±10%、±5%、±2%、又は±1%であることを意味する。いくつかの実施形態では、外側ゾーン加熱要素168は、主加熱要素164よりも、基板支持体100の中心軸103からより遠くに延在している。いくつかの実施形態では、外側ゾーン加熱要素168の外端が、主加熱要素164の外端よりも中心軸103から遠い。いくつかの実施形態では、外側ゾーン加熱要素168の内端が、処理される基板161の外周縁163よりも中心軸103により近い。
【0031】
図示の実施形態は、3つの加熱要素164、166、168を有する。当業者は、より多くの又はより少ない加熱要素を本体102に組み込めることが分かるであろう。いくつかの実施形態では、2つの加熱要素、即ち、主加熱要素164及び内側ゾーン加熱要素166が存在する。いくつかの実施形態では、2つの加熱要素、即ち、主加熱要素164及び外側ゾーン加熱要素168が存在する。いくつかの実施形態では、4つ以上の加熱要素、即ち、主加熱要素164、内側ゾーン加熱要素166、外側ゾーン加熱要素168、及び1つ以上の中間ゾーン加熱要素(図示せず)が存在する。いくつかの実施形態の中間ゾーン加熱要素は、深さが、内側ゾーン加熱要素又は外側ゾーン加熱要素とは異なっている。いくつかの実施形態では、中間ゾーン加熱要素は、深さが、内側ゾーン加熱要素166及び外側ゾーン加熱要素168とほぼ同じである。
【0032】
いくつかの実施形態では、基板支持体100のシャフト150が、中空シャフト151を通って本体102まで通された主加熱要素電力線165、内側ゾーン加熱要素電力線167、及び外側ゾーン加熱要素電力線169をさらに含む。いくつかの実施形態では、内側ゾーン加熱要素電力線167が、内側ゾーン加熱要素166と外側ゾーン加熱要素168の両方に電力を供給する。いくつかの実施形態では、内側ゾーン加熱要素166と外側ゾーン加熱要素168とが、ジャンパーワイヤ(図示せず)によって接続されている。図示の実施形態では、電源171、172、173が、それぞれ、主加熱要素電力線165、内側ゾーン加熱要素電力線167、及び外側ゾーン加熱要素電力線169に接続されている。電源171、172、173は、当業者に知られている任意の適切な電源とすることができる。いくつかの実施形態では、1つの電源が、1より多い加熱要素に電力を供給する。
【0033】
図2に戻って参照すると、基板支持体100のいくつかの実施形態が、上面106又はポケット112の底面114に形成された複数のメサ175を有する。いくつかの実施形態では、メサ175が、パージリング140より内側に形成される。いくつかの実施形態のメサ高さは、ウエハとヒータとの間の熱的結合の向上がもたらされるよう調整される。メサ175の上面は、基板161のための局所的支持面として機能する。いくつかの実施形態では、メサ126が、約10μm~約40μmの範囲内、又は約12.5μm~約35μmの範囲内、又は約15μm~約30μmの範囲内の高さ(h)を有する。
【0034】
1つ以上の実施形態では、基板支持体100の本体102は、図3に示すように、本体102内に1つ以上の温度センサ136からさらに構成される。幾つかの実施形態の温度センサ136は、主加熱要素164、内側ゾーン加熱要素166若しくは外側ゾーン加熱要素168、又は追加の加熱要素(図示せず)への個別電力設定を制御するフィードバック回路と共に使用される。
【0035】
図2に戻って参照すると、基板支持体100の1つ以上の実施形態は、主加熱要素114に電力を供給する構成、内側ゾーン加熱要素116に電力を供給する構成、外側ゾーン加熱要素118に電力を供給する構成、本体102の温度を測定する構成、基板120を支持面104に静電チャックするために本体102内の1つ以上の電極128に電力を供給する構成、及び/又は、パージリング140に接続されかつパージリング140と流体連結した真空源又はパージガス源を制御する構成、から選択される1つ以上の構成を備えたコントローラ138を含む。
【0036】
図4及び図5を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態は、単一部品の支持本体102を形成するために接合された天板120と底板110とを含む基板支持体100を対象とする。本開示のいくつかの実施形態は、複数の板で作製される基板支持体100を形成する方法を対象とする。図4は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、基板支持体100を形成するための複数の板のアセンブリを示す。図4で使用される陰影付けは、例示のためで、天板120の構成要素及び底板110の構成要素を示している。陰影付けは、いかなる特定の材料も暗示していない。
【0037】
いくつかの実施形態では、天板120が、第1の天板121及び第2の天板122を含む。第1の天板121は、基板支持体100の本体102の上面106となる上面121aを有する。第1の天板121は、底面121bと、上面121aに形成されたポケット112とを有する。パージリング140aが、第1の天板121を貫通している。
【0038】
第2の天板122が、上面122aと底面122bとを有する。いくつかの実施形態の第2の天板122の上面122aが、第1の天板121の底面121bに接合されて、天板120を形成する。いくつかの実施形態の第2の天板122は、第1の天板121のパージリング140aと位置合わせされた複数の開口140bを有する。図4に示される実施形態は、開口140bが示されている第2の天板122の一部分を示している。当業者は、本実施形態の第2の天板122が、環状に配置された複数の開口140bを有しており、開口140bが存在しない断面図では、中実の構成要素として見えることが分かるであろう。
【0039】
いくつかの実施形態の第2の天板122は、上面122aに形成された1つ以上の電極160を含む。第2の天板122が第1の天板121に接合されて、単一部品の天板120が形成されると、電極160は、本体内に封入されるか又は第1の天板121と第2の天板122との間に挟まれるようになる。いくつかの実施形態の第2の天板122は、電極のための電気接続部を含む。
【0040】
いくつかの実施形態の底板110は、図4に示すように、上面110aと底面110bとを有する。底面110bは、本体102の底面108となる。図示の底板110は、3つの板、即ち、第1の底板111、第2の底板112、及び第3の底板113を含む。
【0041】
第1の底板111は、上面110aと底面111bとを有する。第1の天板111の上面110aにはチャネル148aが形成されている。第1の底板111が第2の天板122に接合されて、単一部品の支持本体が形成されたときにはチャネル148aがプレナム148となるように、チャネル148は、図2に示すように、第2の天板122の複数の開口140bと位置合わせされている。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2の底板112が、上面112aと底面112bとを有する。主加熱要素164が、第2の底板112の上面112aに形成されており、主加熱要素164が第1の底板111の底面111bと第2の底板112との間に挟まれて、単一部品の底板が形成される。
【0043】
図4に示す実施形態では、底板110は、第3の底板113をさらに含み、第3の底板113は、上面113aと底面113bとを含む。第3の底板113の底面113bは、接合されて単一部品の板が形成されたときには、本体102の底面108となる。いくつかの実施形態の第3の底板113は、上面113aに形成された内側ゾーン加熱要素(図4には図示せず)又は外側ゾーン加熱要素168のうちの1つ以上を含み、単一部品の底板110が形成されたときには、上記加熱要素が、第2の底板112の底面112bと第3の底板113との間に挟まれている。
【0044】
いくつかの実施形態では、天板120が、第1の天板121と第2の天板122とを接合することによって形成され、底板110が、第1の底板111と、第2の底板112と、任意選択的に第3の底板113と、を接合することによって形成される。天板と底板のそれぞれが一旦形成されると、天板が底板に接合されて、単一部品の基板支持本体102が形成されうる。いくつかの実施形態では、板のうちのいずれかを隣の板に接合することが、当該板同士を融着させて単一部品とするために、高温で行われる。
【0045】
図6を参照すると、本開示のいくつかの実施形態は、基板支持アセンブリ200を対象とする。基板支持アセンブリ200は、中央ハブ202に接続された複数の基板支持体100を含む。図6に示す実施形態は、中央ハブ202に接続された2つの基板支持体100を示している。いくつかの実施形態では、中央ハブ202に接続された3つ、4つ、5つ、又は6つの基板支持体100が存在する。いくつかの実施形態の基板支持体100は、中心ハブ202の周囲に等間隔に配置されており、回転対称なアセンブリ200を創出する。
【0046】
本明細書全体を通じての、「一実施形態(one embodiment)」、「或る特定の実施形態(certain embodiments)」、「1つ以上の実施形態(one or more embodiments)」、又は、「或る実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、本明細書全体の様々な箇所での「1つ以上の実施形態で」、「或る特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態において」などの表現の表出は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、1つ以上の実施形態において、任意の最適なやり方で組み合わされうる。
【0047】
本明細書の開示が、具体的な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者には、記載される実施形態が本開示の原則及び用途を例示したにすぎないことが分かるであろう。本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改良及び変更を行いうることが、当業者には明らかであろう。ゆえに、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に含まれる改良例及び変形例を含むことが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】