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特表2022-552845半導体を製造するためのレシピの決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】半導体を製造するためのレシピの決定
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20221213BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221213BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523110
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020056876
(87)【国際公開番号】W WO2021081213
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】62/925,157
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サウラニ・カピル・ウメシュ
(72)【発明者】
【氏名】バス・アタシ
(72)【発明者】
【氏名】フリード・デヴィッド・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ダネク・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アルデン・エミリー・アン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB28
5F004BD04
5F004CA08
5F004DA01
5F004DB03
5F045AA08
5F045AB06
5F045AB32
5F045AB33
5F045AC02
5F045DP03
5F045EF05
5F045EF14
5F045EH14
5F045EM05
5F045GB17
(57)【要約】
【解決手段】レシピの定義を促進するために、機械学習(ML)を用いて半導体を製造するためのレシピを決定するための方法、システム、およびコンピュータプログラムが示される。概略的な一態様は、構成要素を処理するための実験を行うための工程と、各実験は、製造装置のパラメータを特定するレシピのセットからの1つのレシピによって制御されることを含む方法を含む。この方法はさらに、構成要素を処理するための仮想シミュレーションを実施するための工程と、各シミュレーションは、レシピのセットからの1つのレシピによって制御されることを含む。MLモデルは、実験結果および仮想シミュレーションからの仮想結果を用いてMLアルゴリズムを訓練することにより得られる。この方法はさらに、構成要素の所望の処理の仕様を受け取る工程と、仕様に基づいて、MLモデルによって構成要素を処理するための新しいレシピを作成する工程とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
構成要素を処理するための複数の実験を実施し、各実験は、製造装置のためのパラメータを特定する複数のレシピからの1つのレシピによって制御され、
前記構成要素を処理するための複数の仮想シミュレーションを実施し、各シミュレーションは、前記複数のレシピからの1つのレシピによって制御され、
実験結果および前記仮想シミュレーションの仮想結果を用いて機械学習(ML)アルゴリズムを訓練することにより、MLモデルを取得し、
前記構成要素の所望の処理のための仕様を受け取り、
前記仕様に基づいて、前記MLモデルによって前記構成要素を処理するための新しいレシピを作成すること、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記MLモデルは、レシピ特徴、実験結果特徴、仮想結果特徴、および計測特徴を含む複数の特徴に基づく、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記計測特徴は、撮像方法、透過電子顕微鏡、厚み測定、シート抵抗、表面抵抗率、応力測定、および、層の厚さ、組成、粒子、または配向を決定するために用いられる分析方法のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記レシピ特徴は、ワークフロー、ガス流、チャンバ温度、チャンバ圧、工程継続期間、および高周波(RF)値を含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、
前記MLモデルは、制御目標を満たすためにプロセスパラメータを決定するための能動プロセス制御を含み、前記MLモデルへの前記入力は、前記レシピおよび所望の能動プロセス制御のための前記制御目標を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記仮想シミュレーションは、挙動モデリングに基づきシミュレーションツールによって実施される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記実験結果は、前記構成要素の前記処理から測定された値を含み、前記値は、側方比率、等方性比率、堆積深さ、大域付着係数、表面依存付着係数、遅延厚さ、中性粒子-イオン比率、およびイオン角度分布関数のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
各実験は、前記実験のための前記レシピに基づいて半導体製造装置において実施され、1つの実験は、以前の実験で用いられた以前のレシピから1つのパラメータの値を変更する効果を測定するために実施される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記構成要素を処理することは、抑制プロファイルを用いる堆積プロセスのためである、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記構成要素を処理することは、3D NANDワード線(WL)充填における堆積のためである、方法。
【請求項11】
システムであって、
命令を備えるメモリと、
1つ以上のコンピュータプロセッサと、を備える、前記命令は、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されることにより、
構成要素を処理するための複数の実験を実施する工程と、各実験は、製造装置のためのパラメータを特定する複数のレシピからの1つのレシピによって制御され、
前記構成要素を処理するための複数の仮想シミュレーションを実施するための工程と、各シミュレーションは、前記複数のレシピからの1つのレシピによって制御され、
実験結果および前記仮想シミュレーションの仮想結果を用いて機械学習(ML)アルゴリズムを訓練することにより、MLモデルを取得する工程と、
前記構成要素の所望の処理のための仕様を受け取る工程と、
前記仕様に基づいて、前記MLモデルによって前記構成要素を処理するための新しいレシピを作成する工程と、を前記システムに実行させる、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記MLモデルは、レシピ特徴、実験結果特徴、仮想結果特徴、および計測特徴を含む複数の特徴に基づく、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記計測特徴は、撮像方法、透過電子顕微鏡、厚み測定、シート抵抗、表面抵抗率、応力測定、および、層の厚さ、組成、粒子、または配向を決定するために用いられる分析方法のうちの1つ以上を含む、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、
前記レシピ特徴は、ワークフロー、ガス流、チャンバ温度、チャンバ圧、工程継続期間、および高周波(RF)値を含む、システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、
前記実験結果は、前記構成要素の前記処理から測定された値を含み、前記値は、側方比率、等方性比率、堆積深さ、大域付着係数、表面依存付着係数、遅延厚さ、中性粒子-イオン比率、およびイオン角度分布関数のうちの1つ以上を含む、システム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムであって、
各実験は、前記実験のための前記レシピに基づいて半導体製造装置において実行され、1つの実験は、以前の実験で用いられた以前のレシピから1つのパラメータの値を変更する効果を測定するために実行される、システム。
【請求項17】
有形の機械可読記憶媒体あって、
機械によって実行されるとき、
構成要素を処理するための複数の実験を実施する工程と、各実験は、製造装置のためのパラメータを特定する複数のレシピからの1つのレシピによって制御され、
前記構成要素を処理するための複数の仮想シミュレーションを実施する工程と、各シミュレーションは、前記複数のレシピからの1つのレシピによって制御され、
実験結果および前記仮想シミュレーションの仮想結果を用いて機械学習(ML)アルゴリズムを訓練することにより、MLモデルを取得する工程と、
前記構成要素の所望の処理のための仕様を受け取る工程と、
前記仕様に基づいて、前記MLモデルによって前記構成要素を処理するための新しいレシピを作成する工程と、
を前記機械に実施させる命令を含む、有形の機械可読記憶媒体。
【請求項18】
請求項17に記載の有形の機械可読記憶媒体であって、
前記MLモデルは、レシピ特徴、実験結果特徴、仮想結果特徴、および計測特徴を含む複数の特徴に基づく、有形の機械可読記憶媒体。
【請求項19】
請求項18に記載の有形の機械可読記憶媒体であって、
前記計測特徴は、撮像方法、透過電子顕微鏡、厚み測定、シート抵抗、表面抵抗率、応力測定、および、層の厚さ、組成、粒子、または配向を決定するために用いられる分析方法のうちの1つ以上を含む、有形の機械可読記憶媒体。
【請求項20】
請求項18に記載の有形の機械可読記憶媒体であって、
前記レシピ特徴は、ワークフロー、ガス流、チャンバ温度、チャンバ圧、工程継続期間、および高周波(RF)値を含む、有形の機械可読記憶媒体。
【請求項21】
請求項17に記載の有形の機械可読記憶媒体であって、
前記実験結果は、前記構成要素の前記処理から測定された値を含み、前記値は、側方比率、等方性比率、堆積深さ、大域付着係数、表面依存付着係数、遅延厚さ、中性粒子-イオン比率、およびイオン角度分布関数のうちの1つ以上を含む、有形の機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本願は、「Determination of Recipe for Manufacturing Semiconductor」と題する2019年10月23日出願の米国仮特許出願第62/925,157号に基づく優先権を主張する。この仮出願は、その全てが参照により本明細書に援用される。
【0002】
[関連出願]
本願は、「Fill Process Optimization Using Feature Scale Modeling」と題する2019年1月29日出願の米国特許出願第16/260,870号に関連し、その全てが参照により本明細書に援用される。
【0003】
本明細書に開示の主題は、一般に、半導体を製造するための方法、システム、および機械可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0004】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の業務は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0005】
半導体チップの堆積プロセス開発で用いられる化学反応装置は、多くの相互依存するサブシステム(例えば、センサ、アクチュエータ、ガス供給、電源、整合ネットワーク)を有する傾向がある。これらのサブシステムは、制御システムのレシピに含まれる命令のセットに従うプロセスパラメータによって、独立して制御される。これらのサブシステムの動作は、集合的に製品ウエハにおける出力性能を決定する。
【0006】
現在のプロセス装置の複雑さが増すことは、この複雑さに対処するためにシステムの部品数が増加し、それによりシステムにおけるプロセス「ノブ」(例えば、調節可能な処理パラメータ)の数が増加することを意味する。様々なシステム状態(圧力、温度、流量設定点など)は、膜のステップカバレッジ、膜の不均一性、エッチング深さなど、ウエハへの所望の出力において役割を果たす要素である。
【0007】
プロセスパラメータ値の適切な設定は、半導体装置業界において重要な課題であり、所望の条件基準を満たす部品を得るためにこれら全てのプロセスパラメータを設定できるレシピを得るのに、何週または何ヶ月ものプロセス開発期間におよぶことが多い。
【発明の概要】
【0008】
レシピの定義を促進するために、機械学習(ML)を用いて半導体を製造するためのレシピを決定するための方法、システム、およびコンピュータプログラムが提示される。一般的な一態様は、構成要素を処理するための実験を行うための工程を含む方法を含み、各実験は、製造装置のパラメータを特定するレシピのセットからの1つのレシピによって制御される。この方法はさらに、構成要素を処理するための仮想シミュレーションを行うための工程を含み、各シミュレーションは、レシピのセットからの1つのレシピによって制御される。MLモデルは、実験結果および仮想シミュレーションからの仮想結果を用いてMLアルゴリズムを訓練することにより得られる。この方法はさらに、構成要素の所望の処理の仕様を受け取る工程と、その仕様に基づいて、MLモデルによって構成要素を処理するための新しいレシピを作成するための工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
様々な添付の図面は、単に本開示の例示的な実施形態を表し、その範囲を限定するとはみなされない。
【0010】
図1】いくつかの例示的実施形態による、半導体製造レシピを見つけるためのプロセス。
【0011】
図2】いくつかの例示的実施形態による、レシピを用いて仮想実験を行うためのシミュレーションツールの使用図。
【0012】
図3】いくつかの例示的実施形態による、レシピの定義を促進するための機械学習の使用図。
【0013】
図4】いくつかの例示的実施形態による、機械学習プログラムによって用いられる特徴の一部。
【0014】
図5A】いくつかの例示的実施形態による、機械学習プログラムの訓練および使用の図。
【0015】
図5B】いくつかの例示的実施形態による、能動的プロセス制御による機械学習プログラムの使用図。
【0016】
図6】動作モデルを用いて最適化されうる、抑制制御強化(ICE)充填を用いる堆積-抑制-堆積(DID)堆積プロセスの例。
【0017】
図7】いくつかの例示的実施形態によるエッチングチャンバ。
【0018】
図8】いくつかの例示的実施形態による、半導体を製造するためのレシピを決定する方法のフローチャート。
【0019】
図9】本明細書に記載の1つ以上の例示的プロセスの実施形態が実施されうる、または制御されうる機械の例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
例示的な方法、システム、およびコンピュータプログラムは、半導体を製造するためのレシピを決定することを対象とする。例は、単に可能な変更を象徴している。明記されない限り、構成要素および機能は任意であり、組み合わせたり細分化したりされてよく、工程はシーケンスで異なってよい、または組み合わせたり細分化したりされてよい。以下の記載では、説明の目的で、例示的な実施形態の十分な理解を提供するためにいくつかの特定の詳細が記載される。しかし、当業者には、本主題がこれらの特定の詳細なしで実施されてよいことが明らかである。
【0021】
図1は、いくつかの例示的実施形態による、半導体製造レシピを見つけるためのプロセスを示す。レシピ開発の現在の手法は、プロセスエンジニアチームの対象の熟練者からの歴史的な学習に基づく。
【0022】
製品要件102は、過去の経験に基づいて実験を計画する(工程106)熟練者104に与えられる。製品要件102の一例は、フィーチャに求められる堆積量である。
【0023】
実験は、製品要件102に基づいて熟練者104が作成したレシピを含む。しかし、正しいレシピを見つけるのは、特に製品要件が約1nmの正確さであるときは大変なプロセスとなり得る。
【0024】
実験は実験室で行われ108、その結果は測定されて、当初の製品要件102と比較される110。いくつかの例示的な結果基準は、均一な膜厚およびコンダクタの抵抗率を含む。
【0025】
結果が製品要件102と一致するのに適しているかを決定するために、照合112が行われる。結果が適切である場合は、レシピが見つかり114、結果が適切でない場合は、この方法は工程106に戻り、そこで製品要件102に近付くようにレシピを改良するために、結果に基づいて熟練者がレシピを微調整する。
【0026】
システムにおける処理パラメータの数が増えるにつれて、個々の要因の影響および所望の結果へのそれらの影響を真に取り出し学習することが徐々に難しくなる。製造ツールは複雑であり、ガス流、プラズマ特性、熱特性などの多くの設定可能なパラメータを有する。例えば、一般的な原子層堆積(ALD)プロセスは、100~200の調節可能なパラメータを有する。
【0027】
単一変数試験(SVT)および実験計画法(DOE)(例えば、完全実施要因、スクリーニング計画、応答曲面モデル、混合モデル、タグチ直交)などの一般的な実験技術は、結果についての実験要因の影響を決定するだけでなく、異なる要因間の相関を学習することを可能にする。しかし、これらの方法は、様々な処理パラメータの影響を決定するために多くの実験を必要とする。完璧に近いレシピを得るために、プロセスエンジニアまたはそのチームは通常、数週(または、数ヶ月)をかけ、ウエハ開発のコストを上げる多くのテストの実施が必要となる。
【0028】
さらに、1つのパラメータについて試験をするときは、他のパラメータについて最適化はなく、実験は極小値に陥るため、複数のパラメータが同時に指定された場合に熟練者がレシピを正しい方向に開発できなくなり得る。
【0029】
この方法の限界は、これが極めて手動的であり、試験を行って方法を実施するためのツール時間の延長、および、続いて次の一連の試験のための変更を行う分析で追加時間を必要とすることである。これにより、複数周期の学習が生じ、複雑な場合には数ヶ月になることもありうる。通常、実験の対象になる要因は全ての可能な変数を含まず、モデルの相関係数はモデルの予測可能性の程度を示唆する。実験設定においてより多くの要因を試験するためのブロッキング計画およびスクリーニング計画があるが、実験設定の計画には専門知識が必要である。結局、結果は同じで、多くのテストが必要であり、費用および時間がかかる。
【0030】
図2は、いくつかの例示的実施形態により、レシピを用いて仮想実験を行うためのシミュレーションツールの使用を表す。ここに提示される実施形態は、機械学習(ML)およびシミュレーションツール206を用いてプロセスレシピを見つけるための方法を説明する。
【0031】
物理的試験および関連方法について発生するコストを最小限にすると共に、プロセス開発時間を短縮する(実験および学習のサイクルを低減する)ために、プロセスシミュレーションが用いられて例示的レシピ202が試験される。シミュレーションツールの一例は、挙動モデル210によってシミュレーションされた予測挙動に基づいて半導体プロセスのボクセルモデルを提供する、ラム・リサーチ・コーポレーションによるSEMulator3Dである。しかし、同様の原理は、他のシミュレーションツールにも当てはまってよい。
【0032】
挙動モデル210は、分析公式に基づいてプロセスの出力を説明する。挙動モデル210は、プロセスを質的にとらえるが、プロセスパラメータを定義する数量の点ではプロセス開発に指示を提供しない。
【0033】
例えば、堆積プロセスについて、2つの表面のうちの1面に選択的に堆積され、もう1面は堆積されていない2つの表面Bがあるとする。モデルは、表面全体の堆積厚さを測定する。例えば、一部の領域には0.72の堆積厚さがあり、別の領域には0.71の堆積厚さがある。挙動モデルは、チャンバ内の粒子の挙動を調査するが、どちらかといえば挙動の結果(例えば、堆積厚さ)を測定する。
【0034】
例として、ALDシステムは、レシピ202を定義する何百ものパラメータ204を有してよい。これらパラメータ204の非包括的リストは、一般的なツールパラメータ(例えば、ALDサイクル数、浸漬の有無、ツールの工程モードなど)、流体パラメータ(例えば、様々なガスの流量、流体濃度、希釈ガス、ステーション隔離のための非反応性ガスなど)、チャンバ調整またはプレコートのパラメータ(例えば、プレコート温度、プレコート時間など)、圧力パラメータ(例えば、チャンバ圧、リザーバ圧、スロットル弁角度、前駆体アンプル圧、真空クランプ圧など)、核形成化学物質パラメータ(例えば、ドーズ時間、ドーズ流、化学物質濃度、サイクルなど)、温度パラメータ(例えば、台座温度、アンプル温度、チャンバ温度、シャワーヘッド温度など)、ALD時間調節パラメータ(例えば、前駆体Aのドーズ時間、パージ時間、前駆体Bのドーズ時間、予熱時間など)、および、他の様々なパラメータを含む。これらのパラメータは、図4に関して以下に説明されるように、MLモデルの特徴として用いられてよい。
【0035】
いくつかの例では、予測出力に関するパラメータの線的依存関係があるが、特定の場合では非線的依存関係がある。これらの依存関係を予測し、適切なモデルを構築することは簡単ではない。さらに、今日用いられている手法は、配置依存(すなわち、上工程集約ステップ)を構成しない。
【0036】
シミュレーションツール206は、レシピ202がプロセスを通して実行される場合に、基板上で何が起こるかの3次元モデルを構築し、計測法214によって測定されたシミュレーション結果を生成する。計測法214は、シミュレーション結果212を提供し、層の厚さ、抵抗率などの項目を含む。シミュレーション結果212を検討するために画像分析が用いられてよいが、他の種類の計測法214が用いられてもよい。
【0037】
物理的モデル208は、基板上の物理的動作の説明であり、通常、第1の原理に基づくが、物理学および化学に基づく根拠を伴うMLおよび統計法を用いて経験的に用いられてもよい。
【0038】
物理的モデル208は、圧力、温度、種の流束(1秒あたりの単位面積を交差する粒子数)などのチャンバパラメータを取り入れる。物理的モデル208は、これらのパラメータを分析して、プロセスに影響する物理的粒子(例えば、種の流束)の挙動を予測する。例えば、流束値は堆積厚さに影響し、流束値が高くなるほど低流速値よりも堆積厚さが厚くなることを意味する。これらのパラメータは、図4に関して以下に説明されるように、MLモデルの特徴として用いられてよい。
【0039】
いくつかの例示的実施形態では、いくつかの相関法によって、物理的モデル208を介して挙動モデル210と実在のプロセスレシピとをリンクするブリッジが生成される。これらの相関法は、多変量回帰法、ニューラルネットワーク、決定木、サポートベクタマシン(SVM)などを含む。いくつかの例示的実施形態では、物理的モデル208は、物理的モデルの異なるアスペクトを示す複数のモデルの組み合わせであってよい。さらに、いくつかの例示的実施形態では、挙動モデル210は、各モデルが異なる挙動アスペクトを含む複数のモデルの組み合わせであってよい。
【0040】
シミュレーションツール206は、挙動モデル210および物理的モデル208を用いて、シミュレーション結果212を生成する。シミュレーション結果212は、実際には実験が実施されていないため、仮想結果とも呼ばれる。
【0041】
シミュレーション結果212は、レシピ202が製品要件102を満たすかどうかを決定するために、製品要件102と比較される。シミュレーション結果212が満たしている場合は、作業レシピが見つけられる。そうでない場合は、正しいレシピ202を探し続けるために、異なるレシピ202によって新しいシミュレーションが実施されうる。
【0042】
成功したシミュレーションとは、試験が少ないことを意味し、時間およびコストの削減につながる。不成功なシミュレーションについては、今後の予測における正確さを改善するために、結果がモデルにフィードバックされる。
【0043】
図3は、いくつかの例示的実施形態による、レシピの定義を促進するための機械学習の使用を表す。MLは、データ分析で見つかったパターンに基づいて推論することにより、明確にプログラムされることなくタスクを実行する能力をコンピュータシステムに提供するアプリケーションである。MLは、推論するためにデータから学習できるデータに依存する。
【0044】
いくつかの例示的実施形態では、ML向けのデータは、半導体製造ツールで実施された実際の実験302による実験結果306、および、シミュレーション304による仮想結果308を含む。実験302およびシミュレーション304は、同じまたは異なるレシピ202を用いてよい。この方法は、堆積、エッチング、および洗浄などの複数の半導体製造工程に適用できる。
【0045】
実際の実験302を行うことは、費用および時間がかかる。しかし、シミュレーション304を行うことは、はるかに速く安価である。そのため、機械学習アルゴリズムを訓練するために用いられうる多くの仮想結果308を得るために、多くのシミュレーション304が行われてよい(例えば、10~1000以上)。例えば、シミュレーション304は、新しいレシピ316を作成するために関心のパラメータがどのように調節できるかの予測を可能にするために、これらの関心のパラメータの値を変更することにより行われてよい。
【0046】
工程310において、MLアルゴリズムは、実験結果306および仮想結果308からのデータを用いて訓練される。工程310における訓練の結果は、所望の構成要素312(例えば、製品要件)を受け入れ、新しいレシピ316を作成するように構成されたMLモデル314である。いくつかの例示的実施形態では、実験回数は10~100回であるが、他の数も可能である。さらに、シミュレーション304の回数は100~100,000回であるが、他の数も可能である。
【0047】
いくつかの例示的実施形態では、実験結果306が少なく、実際の実験結果306は、シミュレーション304から得た仮想結果308よりも正確であるため、実験結果306は、訓練について(工程310)仮想結果308よりも大きい比重が与えられる。さらに、実験のライブラリから得たデータなどの他のデータが訓練に用いられてよい。MLについてのより詳細は、図5Aに関連して以下に提供される。
【0048】
製品要件102を満たす最良のレシピの探索では、何度か繰り返してMLモデル314が用いられてよい。MLモデル314の正確さを改善するために、実験(現実または仮想)およびMLアルゴリズムの訓練に用いられたデータに新しいレシピ316が用いられうる。
【0049】
本明細書に記載の実施形態は、現実の計測データ(画像データ、膜特性データなど)に基づいて較正されたシミュレータ挙動モデルのために、チャンバ設定点およびセンサデータを関連付ける。いくつかの例示的実施形態では、新しい設計空間を決定するために事前知識を用いることは、ベイズ推定などの方法によって可能である。さらに、物理学に基づくモデリングによるガイダンスは、プロセスパラメータおよびモデル出力の相関プロセスにおける正確さをさらに向上させるために、挙動モデルと併せて用いられうる。
【0050】
プロセス性能におけるプロセスパラメータの影響は、仮想モデル結果に基づいて推測される。これにより、モデルに基づくプロセスの理解が早まるだけでなく、プロセスがツールパラメータと関連付けられることで、プロセスエンジニアおよび技術者が理解しやすくなり、ツール上のプロセス最適化に変わることができる。その結果、提示の解決策は、実験コストおよび時間を低減する。繰り返しが少ないと、工程効率がより高くなる。
【0051】
いくつかの例示的実施形態では、異なる半導体製造工程には異なるMLモデル314が用いられる。例えば、1つのMLモデルは堆積工程のために作成され(例えば、堆積の実験およびシミュレーションを用いて)、別のモデルはエッチング工程のために作成され、別のモデルは基板洗浄のために作成される。
【0052】
MLモデル314の利点の1つは、新しいレシピ316の探索において工程パラメータだけでなく物理的パラメータも探索できることである。
【0053】
アプリケーションの一例は、抑制プロファイルを用いる堆積についてである。堆積-抑制-堆積モデルまたは堆積-エッチング-堆積モデルの挙動調節により較正された挙動モデルは、「Fill Process Optimization Using Feature Scale Modeling」と題する2019年1月29日出願の米国特許出願第16/260,870号に記載されており、この出願は参照により本明細書に援用される。較正された挙動モデルは、ドーズ時間、パージ時間、様々な抑制化学物質の流量、システム圧、ウエハ温度、凹入フィーチャ形状ごとの分子移動などの実験変数に関連付けられる。試験セット(実験が行われる少量の試料)からのこれらの変数は、勾配降下法などの最適化方法を用いて較正された1つ以上のMLモデルに基づいて、プロセス結果とシミュレーション挙動との間のギャップを埋めるMLモデルを訓練するために用いられる。プロセスに大きな影響を与えるキーパラメータは、モデルが較正される試料空間に基づいて理想のレシピを得るために、抽出されて実験で検証される。このモデルは、他の分析方法では見落とされることが多い、構造の形状を取り入れる。このプロセスの詳細は、図6に関連して以下に提供される。
【0054】
別の堆積例は、3D NAND WL(ワード線)の充填および粗さ制御についてである。そこでは、ALDシステムの反応種は、高アスペクト比(HAR)構造の全長を進む必要があるだけでなく、WL内部まで横向きにも流れる必要がある。分子移動に関する課題に加えて、これらのプロセスは通常、顧客が期待したスループットと合致するために非常に高速で行われる(前駆体ドーズ-パージ-還元剤ドーズ-パージの工程について、サイクルあたり1秒未満)。
【0055】
粒子成長による粗さは、ピンチオフおよびボイド形成をもたらす可能性があり、特定の領域における成長を抑制することにより調整できる。モデルは、垂直方向および横方向の構造における反応拡散モデルに基づいて、プロファイルの挙動を予測する。実験データは、モデルを較正し、それを前駆体ドーズ時間、化学物質パージ時間、還元剤ドーズ時間、抑制分子ドーズ時間、システム圧、ウエハ温度、および、シミュレータでモデリングされた構造の形状などのツールパラメータに関連付けることを可能にする。データ訓練のために用いられたサンプルセットに基づいて、MLモデルは、プロセスパラメータに基づいて最適解の結果(例えば、ボイドフリー膜、低粗度膜、堆積後エッチバックの可能性など)を関連付けるために用いられる。
【0056】
図4は、いくつかの例示的実施形態による、機械学習プログラムに用いられる特徴402のいくつかを示す。特徴は、データを表すようにMLアルゴリズムによって用いられる。1つの特徴は、観察される事象の個々の測定可能な特性である。特徴の概念は、線形回帰などの統計的手法で用いられる説明変数の概念に関連付けられる。パターン認識、分類、および回帰におけるMLの効果的な工程において、情報価値のある、識別力のある、独立した特徴を選択することが重要である。特徴は、数値的特徴、ストリング、およびグラフなどの異なる種類であってよい。
【0057】
いくつかの例示的実施形態では、プロセスレシピを見つるのに用いられるMLアルゴリズムの特徴402は、レシピ特徴404、実験結果特徴406、仮想結果特徴408、および計測特徴410を含む。他のモデルは、さらなる特徴を用いてよい、またはこれらの特徴の一部を用いてよい。
【0058】
レシピ特徴402は、レシピに関連付けられたパラメータ(ワークフロー、ガス流、チャンバ温度、チャンバ圧、工程継続期間、高周波(RF)値(例えば、周波数、電圧)など)を含む。
【0059】
実験結果特徴406および仮想結果特徴408は、結果として生じた半導体から測定された値(共形性、側方比率、等方比率、堆積深さ、大域付着係数、表面依存付着係数、遅延厚さ、中性粒子-イオン比率、イオン角度分布関数など)を含む。
【0060】
計測特徴410は、撮像方法(例えば、操作電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM))、厚み測定(例えば、蛍光X線分析(XRF)、偏光解析法)、シート抵抗、表面抵抗率、応力測定、および、層厚さを決定するのに用いられる他の分析方法などの計測法によって用いられる基準を含む。これらの他の分析方法は、X線回折法(XRD)、X線反射率法(XRR)、先行電子回折法(PED)、電子エネルギ損失分光法(EELS)、エネルギ分散型X線分光法(EDS)、二次イオン質量分析法(SIMS)などのうちの1つ以上を含む。
【0061】
いくつかの例示的実施形態では、計測法は時系列データを含み、時系列データは、製造プロセス中にチャンバ圧が時間と共にどのように展開するかなどの特定のパラメータについて、経時的に取られたセンサ測定値を含む。
【0062】
図5Aは、いくつかの例示的実施形態による、機械学習プログラムの訓練および使用を表す。いくつかの例示的実施形態では、機械学習アルゴリズムまたは機械学習ツールとも呼ばれる機械学習プログラム(MLP)は、半導体を製造するためのレシピの決定に関連する工程を実施するために用いられる。
【0063】
機械学習は、本明細書においてツールとも呼ばれるアルゴリズムであって、既存のデータから学習し、新しいデータについて予測できるアルゴリズムの検討および構築を探索する。かかる機械学習アルゴリズムは、出力またはアセスメント(例えば、新しいレシピ316の発見)として表されたデータによる予測または決定をするために、例示的訓練データ512からMLモデル314を構築することにより動作する。例示的実施形態は、いくつかの機械学習ツールに関して提示されるが、本明細書で提示される原理は、他の機械学習ツールにも適用されてよい。
【0064】
MLには、教師付きMLおよび教師なしMLの2つの共通モードがある。教師付きMLは、事前知識(例えば、入力を出力または結果に関連付ける例)を用いて、入力と出力との関係を学習する。教師付きMLの目標は、対応する出力を生成するために入力が与えられたときにMLモデルが同じ関係を提供できるように、いくつかの訓練データが与えられたら訓練入力と出力との関係を最も近付ける機能を学習することである。教師なしMLは、分類もラベリングもされていない情報を用いるMLアルゴリズムの訓練であり、アルゴリズムがガイダンスなしでその情報に作用できるようにする。教師なしMLは、自動的にデータの構造を識別できるため、探索的分析において有効である。
【0065】
教師付きMLの共通タスクは、分類問題および回帰問題である。カテゴリ化問題とも呼ばれる分類問題は、1つにアイテムをいくつかのカテゴリ値の分類することを目指す(例えば、この物体はリンゴかオレンジか?)。回帰アルゴリズムは、いくつかのアイテムを(例えば、いくつかの入力値に得点を提供することにより)数値化することを目指す。一般的に用いられる教師付きMLアルゴリズムのいくつかの例は、ロジスティック回帰(LR)、ナイーブベイズ、ランダムフォレスト(RF)、ニューラルネットワーク(NN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、行列分解、および、サポートベクトルマシン(SVM)である。
【0066】
教師なしMLのいくつかの共通タスクは、クラスタリング、表現学習、および密度推定を含む。一般的に用いられる教師なしMLアルゴリズムのいくつかの例は、k平均法、主成分分析、およびオートエンコーダである。
【0067】
いくつかの実施形態では、例示的な機械学習アルゴリズムは、半導体を製造するための新しいレシピ316を決定する。機械学習アルゴリズムは、訓練データ512を用いて、結果に影響する識別された特徴402の間の相関を見つける。1つの例示的実施形態では、特徴は異なる種類であってよく、図4に関して上記された特徴402を備えてよい。
【0068】
訓練工程310の間に、MLアルゴリズムは、識別された特徴402、および訓練のために定義された構成パラメータ511に基づいて訓練データ512を分析する。訓練工程310の結果は、アセスメントを作成するために入力することができるMLモデル314である。
【0069】
通常、MLアルゴリズムの訓練は、データ相関を見つけるために大量のデータ(例えば、ギガバイトからテラバイト以上)を分析することを含む。MLアルゴリズムは、訓練データ512を用いて、結果またはアセスメント(例えば、新しいレシピ316)に影響する識別された特徴402の間の相関を見つける。いくつかの例示的実施形態では、訓練データ512は、1つ以上の識別された特徴402および1つ以上の結果(計測測定値など)について既知データである、ラベリングされたデータを含む。
【0070】
MLアルゴリズムは通常、データにおける最良の相関として識別するものを見つる前に、多くの可能な機能およびパラメータを探索する。そのため訓練は、大量のコンピューティング資源および時間を必要とするかもしれない。
【0071】
多くのMLアルゴリズムは、構成パラメータ511を有し、MLアルゴリズムが複雑になるほどユーザが利用可能なパラメータ511が多くなる。構成パラメータ511は、最良のMLモデルの探索においてMLアルゴリズムの変数を定義する。構成パラメータは、モデルパラメータおよびハイパパラメータを含む。モデルパラメータは訓練データから学習されるが、ハイパパラメータは訓練データから学習されず、代わりにMLアルゴリズムに提供される。
【0072】
モデルパラメータのいくつかの例は、最大モデルサイズ、訓練データの最大パス回数、データ入れ替え種類、回帰係数、決定木分割位置などを含む。
【0073】
いくつかの例示的実施形態では、代表的なモデルパラメータは、スカラ属性またはコンテキスト属性である。スカラ属性の例は、堆積速度または抑制深さなど、決定された物理的モデルパラメータまたは挙動モデルパラメータである。さらに、コンテキスト属性は、他の属性(例えば、コンテキスト)に依存する属性であり、物理的関係、統計的関係、および機械学習による関係を有してよい。特に、物理的コンテキストは、アスペクト比に対する堆積速度であってよい。
【0074】
統計的コンテキストの例は、主成分分析(PCA)または線形判別分析(LDA)を用いるパラメータの削減を含む。PCAは、変数の大セットを、大セットの情報のほとんどを含む小セットに変換することにより、大セットのデータの次元を削減するために用いられる次元削減法である。小セットのデータは、プロセスとは無関係な変数なしで機械学習アルゴリズムのためにはるかに容易に速くデータを探索し、可視化し、分析データを作成することが容易である。
【0075】
線形判別分析(LDA)は、対象または事象の2つ以上のクラスを特徴付けるまたは分離する特徴の線形結合を見つけるために用いられる方法である。結果として生じた結合は、線形分類子として、または分類前の次元削減のために用いられてよい。
【0076】
機械学習によるコンテキストの例は、オートエンコーダ、ニューラルネットワーク、または訓練リグレッサである。これらのスカラ属性またはコンテキスト属性は、実験データの代表として検証されたときは代表的なモデルパラメータであり、次のモデリング作業への入力として用いられる。これらのパラメータは、シミュレーション作業の結果であるときは「仮想結果」または「シミュレーション結果」と呼ばれる。
【0077】
ハイパパラメータは、ニューラルネットワーク内の隠れ層の数、各層の隠れノードの数、学習速度(おそらく学習速度のための様々な適応法による)、正則化パラメータ、非線形活性化関数の種類などを含んでよい。正しい(または、最良の)ハイパパラメータのセットを見つけることは、大量のコンピュータ資源を必要とする非常に時間のかかる仕事になる可能性がある。
【0078】
MLモデル314がアセスメントを実施するために用いられるときは、MLモデル314への入力として仕様518が提供され、MLモデル314は新しいレシピ316を出力として作成する。
【0079】
図5Bは、いくつかの例示的実施形態による、能動プロセス制御を用いる機械学習プログラムの使用を表す。いくつかの例示的実施形態では、最終レシピの目的は能動プロセス制御である。能動プロセス制御は、入ってくる変化、下流の変化、または環境変化を補償するためのプロセス相関方法である。例えば、特定の構造で作業しているときの先の出力に応答して、より大きい構造で行われる作業を補償するために、堆積サイクル数を増加することができる。
【0080】
訓練されたMLモデル314は、どのプロセスパラメータが制御対象を満たすかを決定するために配置されうる。入力520は、レシピおよび所望の能動プロセス制御のための制御仕様を含む。結果として生じる、制御パラメータ522を有する新しいレシピは、プロセス実行時間における局所制御要件に依存する設定点を含み得る。
【0081】
図6は、挙動モデルを用いて最適化されうる、抑制制御強化(ICE)充填を用いる堆積-抑制-堆積(DID)堆積プロセスの例を示す。いくつかの例示的実施形態では、1つ以上の半導体デバイス製造工程によって製造された構成要素(部品、コンポーネント)の構造の詳細を予測するために、挙動モデルはプロセスの抽象化を用いる。挙動モデルの例は、米国特許第9,015,016号および米国特許第9,659,126号において記載されており、これら特許は本明細書に参照により援用される。
【0082】
予備充填段階606には、未充填部品602が示されている。構成要素602は、半導体基板上の1つ以上の層に形成されてよく、必要に応じて、構成要素602の側壁および/または底部に沿う1つ以上の層を有してよい。この目的は、構成要素602の充填内のボイドを防ぐことである。
【0083】
段階608には、構成要素602に充填される材料604の層を形成するための充填材料の初期堆積後の構成要素602が示されている。材料604の例は、タングステン、コバルト、モリブデン、およびルテニウムを含むが、本明細書に記載の技術は、酸化物(例えば、SiOx、Ab03)、窒化物(例えば、SiN、TiN)および炭化物(例えば、SiC)などの他のコンダクタおよび誘電体を含む、任意の適した材料604の充填を最適化するために用いられてよい。
【0084】
段階610には、抑制処理後の構成要素602が示されている。抑制処理は、処理表面614上への続く堆積を抑制する効果を有する処理である。抑制は、処理される表面、抑制化学物質、および、抑制が熱プロセスかプラズマプロセスかを含む様々な要因に依存する、様々な機構を含んでよい。一例では、タングステン核形成の結果生じるタングステン堆積は、窒素含有化学物質への曝露によって抑制される。これは、例えば、リモートプラズマ発生器または直接プラズマ発生器による、または、熱(非プラズマ)プロセスの例においてアンモニア蒸気への曝露による、活性化窒素含有種の生成を含みうる。
【0085】
抑制機構の例は、窒化タングステン(WN)または炭化タングステン(WC)などの複合材の薄層を形成するための、活性化種と構成要素表面との間の化学反応を含みうる。いくつかの実施形態では、抑制は、複合材の層を形成することなく表面をパッシベーションする吸着などの表面効果を含みうる。
【0086】
抑制は、抑制深さ616および抑制勾配を特徴としてよい。つまり、抑制は、構成要素602の開口部でその底部よりも大きく、構成要素602の途中までのみ延びるように、深さによって異なってよい。図の例では、抑制深さ616は、構成要素602の全深さの約半分である。加えて、抑制処理は、構成要素602の上部においてより強力である。堆積は、構成要素602の開口部付近で抑制されるため、第2の堆積段階Dep2 612の間に材料は、構成要素602の開口部に堆積せずに、または少程度で堆積しながら、構成要素602の底部で優先的に堆積する。これは、充填構成要素602内部のボイドおよび継ぎ目の形成を防ぐことができる。そのため、第2の堆積Dep2段階612の間に、材料604は、共形の第1の堆積Dep1充填ではなく、ボトムアップ充填を特徴とする手法で充填されてよい。
【0087】
堆積が続くにつれて、軽度に処理された表面上の堆積がこれ以上抑制されなくなるように、抑制効果は取り除かれてよい。これは段階612に表され、処理表面614がDep2段階前よりも狭い範囲である。図の例では、第2の堆積Dep2が進むため、抑制は最終的に表面全体で取り除かれ、段階614で示されたように、構成要素は材料604で完全に充填される。
【0088】
1つの抑制サイクルのみが示されているが、このプロセスは、いくつかの堆積-抑制サイクルを含んでよい。充填内のボイドが排除され、充填材料が要件を満たすように堆積および抑制のパラメータを制御するために、挙動モデリングが用いられてレシピが微調整される。計測法は、充填内のボイドの出現を含む、堆積および抑制の異なる基準を測定するために用いられる。
【0089】
図7は、一実施形態によるエッチングチャンバ700である。2つの電極間の電界を励起することは、エッチングチャンバ内の高周波(RF)ガス放電を得るための1つの方法である。電極間に振動電圧が印加されるときは、得られた放電は容量結合プラズマ(CCP)放電と呼ばれる。
【0090】
プラズマ702は、電子中立的な衝突によって引き起こされた様々な分子の電離によって生じた様々な化学反応性副生成物を得るために、安定した原料ガスを用いて生成されてよい。エッチングの化学的側面は、中性ガス分子およびその分離副生成物と、エッチングされるべき表面の分子との反応、ならびに、排出されうる揮発性分子の生成を含む。プラズマが生成されたときは、正イオンは、プラズマから、プラズマをチャンバ壁と分離する空間電荷シースを横切って加速して、ウエハ表面から材料を除去するのに十分なエネルギでウエハ表面に衝突する。これは、イオン衝突またはイオンスパッタリングとして知られる。しかし、いくつかの産業プラズマは、物理的手段のみで表面を効率的にエッチングするのに十分なエネルギを有するイオンを生成しない。
【0091】
コントローラ716は、チャンバ700の異なる要素(RF発生器718、ガス源722、およびガスポンプ720など)を制御することによってチャンバ700の工程を管理する。一実施形態では、フルオロカーボンガス(CF4およびC-C48など)は、その異方性エッチング能力および選択的エッチング能力により誘電体エッチングプロセスで用いられるが、本明細書に記載の原理は、他のプラズマ生成ガスにも適用できる。フルオロカーボンガスは、より小さな分子および原子ラジカルを含む化学反応性副生成物に容易に電離される。これらの化学反応性副生成物は、一実施形態では低誘電率デバイス用のSiO2またはSiOCHでありうる誘電材料をエッチングする。
【0092】
チャンバ700は、上部電極704および下部電極708を有する処理チャンバを表す。上部電極704は、接地されてよく、またはRF発生器(図示せず)に接続されてよく、下部電極708は、整合ネットワーク714を介してRF発生器718に接続されている。RF発生器718は、1つ、2つ、または3つの異なるRF周波数でRF電力を提供する。特定の工程についての所望のチャンバ700の構成により、3つのRF周波数のうちの少なくとも1つがオンまたはオフされてよい。図7に示された実施形態では、RF発生器718は、2MHz、27MHz、および60MHzの周波数を提供するが、他の周波数も可能である。
【0093】
チャンバ700は、上部電極704に、ガス源722から提供されたガスをチャンバ700に注入するためのガスシャワーヘッド、および、ガスポンプ720によってガスをチャンバ700から排出できる有孔閉じ込めリング712を備える。いくつかの例示的実施形態では、ガスポンプ720はターボ分子ポンプであるが、他の種類のポンプが用いられてもよい。
【0094】
チャンバ700の内部に基板706があるときは、基板706の表面の均一なエッチングのために、プラズマ702の底面に均一なRFフィールドが存在するように、シリコンフォーカスリング710が基板706の隣に設置される。図7の実施形態は、上部電極704が左右対称のRF接地電極724によって囲まれた三極リアクタ構成を示す。絶縁体726は、接地電極724を上部電極704から分離する誘電体である。
【0095】
各周波数は、ウエハ製造プロセスにおける特定の目的のために選択されてよい。図7の例では、2MHz、27MHz、および60MHzで提供されたRF電力について、2MHzのRF電力はイオンエネルギ制御を提供し、27MHzおよび60MHzの電力は、プラズマ密度の制御および化学物質の電離パターンを提供する。各RF電力がオンまたはオフされうるこの構成は、基板またはウエハ上での超低イオンエネルギを用いる特定のプロセス、および、イオンエネルギが低い(700eVまたは200eVよりも低い)必要がある特定のプロセス(例えば、低誘電率材料のソフトエッチング)を可能にする。
【0096】
別の実施形態では、60MHzのRF電力は上部電極704で用いられて、超低エネルギおよび超高密度が得られる。この構成により、静電チャック(ESC)表面におけるスパッタリングを最小限にしながら、基板706がチャンバ700にないときに高密度プラズマによるチャンバ洗浄が可能になる。ESC表面は、基板706が存在しないときは露出しており、表面上のあらゆるイオンエネルギは回避されなければならない。これが、洗浄中に底部の2MHzおよび27MHz電力供給がオフされる理由である。
【0097】
図8は、いくつかの例示的実施形態により半導体製造のためのレシピを決定するための方法800のフローチャートである。このフローチャートの様々な工程が提示され、順に説明されるが、当業者は、一部または全ての工程が異なる順序で実行されてよいこと、または組み合わされもしくは省略されてよいこと、または同時に実行されてよいことを認識できる。
【0098】
工程802では、構成要素を処理するための複数の実験が行われる。各実験は、製造装置のためのパラメータを特定する複数のレシピの1つによって制御される。
【0099】
方法800は、工程802から、構成要素を処理するための複数の仮想シミュレーションを行うための工程804に進む。各シミュレーションは、複数のレシピの1つによって制御される。
【0100】
方法800は、工程804から、実験結果および仮想シミュレーションからの仮想結果を用いてMLアルゴリズムを訓練することによりMLモデルが得られる工程806に進む。
【0101】
方法800は、工程806から、構成要素の所望の処理のための仕様を受け取るための工程808に進む。工程810で、MLモデルは、仕様に基づいて構成要素を処理するための新しいレシピを作成する。
【0102】
一例では、MLモデルは、レシピ特徴、実験結果特徴、仮想結果特徴、および計測特徴を含む複数の特徴に基づく。
【0103】
一例では、計測特徴は、撮像方法、透過電子顕微鏡、厚み測定、シート抵抗、表面抵抗率、応力測定、および、層の厚さ、組成、粒子、または配向を決定するために用いられる分析方法のうちの1つ以上を含む。
【0104】
一例では、レシピ特徴は、ワークフロー、ガス流、チャンバ温度、チャンバ圧、工程継続期間、および高周波(RF)値を含む。
【0105】
一例では、仮想シミュレーションは、挙動モデリングに基づきシミュレーションツールによって行われる。
【0106】
一例では、実験結果は、構成要素の処理から測定された値であって、側方比率、等方性比率、堆積深さ、大域付着係数、表面依存付着係数、遅延厚さ、中性粒子-イオン比率、およびイオン角度分布関数のうちの1つ以上を含む値を含む。
【0107】
一例では、各実験は実験のレシピに基づいて半導体製造装置で行われ、1つの実験は、1つのパラメータ値を以前の実験で用いられた以前のレシピから変更した効果を測定するために行われる。
【0108】
一例では、構成要素の処理は、抑制プロファイルを用いる堆積処理のためである。
【0109】
一例では、構成要素の処理は、3D NANDワード線(WL)充填における堆積のためである。
【0110】
別の一般的な態様は、命令を含むメモリおよび1つ以上のコンピュータプロセスを備えるシステムに関する。命令は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されるとき、構成要素を処理するための複数の実験を行う工程と、各実験は、製造装置のパラメータを特定する複数のレシピの1つによって制御され、構成要素を処理するための複数の仮想シミュレーションを行う工程と、各シミュレーションは、複数のレシピの1つによって制御され、実験結果および仮想シミュレーションの仮想結果を用いて機械学習(ML)アルゴリズムを訓練することによりMLモデルを取得し、構成要素の所望の処理のための仕様を受け取る工程と、仕様に基づきMLモデルによって構成要素を処理するための新しいレシピを作成する工程とを、1つ以上のコンピュータプロセッサに実行させる。
【0111】
さらに別の一般的な態様では、機械可読記憶媒体(例えば、非一時的記憶媒体)は、命令が機械によって実行されるとき、構成要素を処理するための複数の実験を行う工程と、各実験は、製造装置のパラメータを特定する複数のレシピの1つによって制御され、構成要素を処理するための複数の仮想シミュレーションを行う工程と、各シミュレーションは、複数のレシピの1つによって制御され、実験結果および仮想シミュレーションの仮想結果を用いて機械学習(ML)アルゴリズムを訓練することによりMLモデルを取得する工程と、構成要素の所望の処理のための仕様を受け取る工程と、仕様に基づきMLモデルによって構成要素を処理するための新しいレシピを作成する工程とを、機械に実行させる命令を含む。
【0112】
図9は、本明細書に記載の1つ以上の例示的プロセスの実施形態が行われる、または制御される機械900の例を表すブロック図である。他の実施形態では、機械900は、独立型デバイスとして動作してよい、または、他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)されてよい。ネットワーク接続された配置では、機械900は、サーバマシン、クライアントマシン、または、サーバ-クライアントネットワーク環境においてはその両方として動作してよい。例では、機械900は、ピア・ツー・ピア(P2P)(または、他の分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして機能してよい。さらに、単一の機械900のみが示されているが、「機械」という用語は、本明細書に記載の1つ以上の方法を(例えば、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、または他のコンピュータクラスタ構造によって)実施するための命令のセット(または、複数セット)を個々に、または協働で実行する機械群を含むとも解釈され得る。
【0113】
本明細書に記載の例は、ロジック、いくつかの構成要素、もしくは機構を含んでよい、または、それらによって動作してよい。回路網は、ハードウェア(例えば、単信回路、ゲート、ロジック)を含む有体物に実装される回路群である。回路網の構成要素は、時間に関して、また下にあるハードウェアの変化に関して柔軟であってよい。回路網は、単体または組み合わせて、動作時に特定の動作を実施できる要素を含む。例では、回路網のハードウェアは、特定の動作を実行するように不変に設計されて(ハードウェアに組み込まれて)よい。例では、回路網のハードウェアは、特定の動作の命令をエンコードするために、(例えば、磁気的に、電気的に、不変密集粒子によって)物理的に変更されたコンピュータ可読媒体を含む可変連結された物理的構成要素(例えば、実行装置、トランジスタ、単信回路)を含んでよい。物理的構成要素を接続するときには、ハードウェア要素の基本電気特性は変更される(例えば、絶縁体からコンダクタ、またはその逆)。命令は、動作時に特定の動作の一部を実行するために、可変接続により埋設ハードウェア(例えば、実行装置、またはローディング機構)がハードウェアの回路網の要素を形成できるようにする。それに応じて、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときは回路網の他の構成要素に通信可能に接続される。例では、1つ以上の回路網の1つ以上の要素で任意の物理的要素が用いられてよい。例えば、実行装置は動作時に、ある一時点において第1の回路網の第1の回路で用いられてよく、第1の回路網の第2の回路で再び用いられてよい、または、異なる時間に第2の回路網の第3の回路で再び用いられてよい。
【0114】
機械(例えば、コンピュータシステム)900は、ハードウェアプロセッサ902(例えば、中央処理装置(CPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの組み合わせ)、画像処理装置(GPU)903、メインメモリ904、およびスタティックメモリ906を備えてよく、これらの一部または全ては、インタリンク(例えば、バス)908を通じて互いに通信できる。機械900はさらに、表示装置910、英数字入力装置(例えば、キーボード)912、およびユーザインタフェース(UI)ナビゲーション装置(例えば、マウス)914を備えてよい。例では、表示装置910、英数字入力装置912、およびUIナビゲーション装置914は、タッチスクリーン画面であってよい。機械900はさらに、大容量記憶装置(例えば、ドライブユニット)916、信号生成装置(例えば、スピーカ)918、ネットワークインタフェース装置920、および1つ以上のセンサ921(全地球測位システム(GPS)センサ、方位磁石、加速度計、または別のセンサなど)を備えてよい。機械900は、出力制御装置928(1つ以上の周辺機器(例えば、プリンタ、カードリーダ)と通信する、またはそれらを制御する直列配線接続(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、並列配線接続、もしくは他の配線接続、または無線接続(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC))など)を備えてよい。
【0115】
大容量記憶装置916は、本明細書に記載の1つ以上の技術もしくは機能を具現化する、またはそれらによって用いられる、1セット以上のデータ構造または命令924(例えば、ソフトウェア)が記憶される機械可読媒体922を備えてよい。命令924は、機械900によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ904内、スタティックメモリ906内、ハードウェアプロセッサ902内、またはGPU903内に存在してもよい。例では、ハードウェアプロセッサ902、GPU903、メインメモリ904、スタティックメモリ906、および大容量記憶装置916の1つまたは任意の組み合わせは、機械可読媒体を構成してよい。
【0116】
機械可読媒体922は単一媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ以上の命令924を記憶するように構成された単一媒体または複数媒体(例えば、一元管理データベースもしくは分散データベース、および/または、関連キャッシュおよびサーバ)を含んでよい。
【0117】
「機械可読媒体」という用語は、機械900による実行のための命令924を記憶する、エンコードする、もしくは実行することができる任意の媒体、および、本開示の1つ以上の技術を機械900に実施させる任意の媒体、または、かかる命令924によって用いられるデータ構造、もしくはかかる命令924に関連付けられているデータ構造を記憶する、エンコードする、もしくは実行することができる任意の媒体を含んでよい。非限定的な機械可読媒体の例は、固体メモリならびに光学媒体および磁気媒体を含んでよい。例では、機械可読媒体群は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を備える機械可読媒体922を含む。従って、機械可読媒体群は、一時的伝播信号ではない。機械可読媒体群の特定の例は、不揮発性メモリ(半導体メモリデバイス(例えば、消去可能読み取り専用メモリ(EPROM)、書き換え可能読み取り専用メモリ(EEPROM))、およびフラッシュメモリデバイスなど)、磁気ディスク(内部ハードディスクおよびリモーバブルディスクなど)、光磁気ディスク、ならびに、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含んでよい。
【0118】
命令924はさらに、ネットワークインタフェース装置920を介して、伝送媒体を用いて通信ネットワーク926に伝送または受信されてよい。
【0119】
本明細書を通して、複数の例は、1つの例として説明された構成要素、工程、または構造を含んでよい。1つ以上の方法の個々の工程は別々の工程として説明されるが、1つ以上の個々の工程は同時に実施されてよく、工程が例示の順序で実施される必要はない。例示の構成において別々の構成要素として提示された構造および機能は、一体化した構造または構成要素として実装されてよい。同様に、単一構成要素として提示された構造および機能は、別々の構成要素として実装されてよい。これらおよび他の変更、修正、追加、および改良は、本明細書の主題の範囲に該当する。
【0120】
本明細書に記載の実施形態は、当業者が開示の教示を実行できるほど十分に詳細に説明されている。本開示の範囲を逸脱することなく構造的および論理的な置き換えおよび変更が行われるように、他の実施形態が用いられてよい、またはそこから導かれてよい。そのため、発明を実施するための形態は限定的にとらえられるべきでなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、および、かかるクレームの権利範囲と同等の全範囲によってのみ定義される。
【0121】
本明細書で用いられる「または」という用語は、包含的意味および排他的意味のいずれかに解釈されてよい。また、複数の例は、本明細書で1つの例として記載された、資源、工程、または構造に提供されてよい。加えて、様々な資源、工程、モジュール、エンジン、およびデータ記憶の間の境界は多少任意であり、特定の工程は、特定の例示的構成の点から説明される。他の機能の配分は想像であり、本開示の様々な実施形態の範囲に該当してよい。一般に、例示的構成において別々の資源として提示された構造および機能は、一体化した構造または資源として実装されてよい。同様に、単一資源として提示された構造および機能は、別々の資源として実装されてよい。これらおよび他の変更、修正、追加、および改良は、添付の特許請求の範囲で示されたように本開示の実施形態の範囲に該当する。従って、明細書および図面は制限的ではなく、例示的とみなされる。
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図5A
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【国際調査報告】