(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-20
(54)【発明の名称】熱検出システムおよび揮発性有機化合物検出システム
(51)【国際特許分類】
G01J 5/00 20220101AFI20221213BHJP
G01J 5/53 20220101ALI20221213BHJP
G01K 7/02 20210101ALI20221213BHJP
【FI】
G01J5/00 101Z
G01J5/53 101
G01K7/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523113
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 US2020056526
(87)【国際公開番号】W WO2021081000
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カマルゴ・フランシスコ・ホセ
(72)【発明者】
【氏名】アンジェル・ジョナサン・ロス
【テーマコード(参考)】
2G066
【Fターム(参考)】
2G066AA13
2G066AC07
2G066BA08
2G066CA04
2G066CA15
2G066CA16
(57)【要約】
【解決手段】
様々な実施形態は、熱検出システムおよび揮発性有機化合物検出システムを含む。一例では、熱検出システムは、ローカル電源ボックス(LPB)など、デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサを含む。熱センサは、LPBの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する。また、熱検出システムは、LPB内の構成要素によって発生した過剰な熱を収集するためにLPB内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)を含む。過剰な熱は、あらかじめ定められた温度基準に相関しており、収集された過剰な熱の温度は、熱センサによって測定される。熱センサおよびHAICの各々は、制御モジュールに結合されている。その他の装置、設計、および方法が開示されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱検出システムであって、
ローカル電源ボックス(LPB)に外付けされ、前記LPBの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する少なくとも1つの熱センサと、
前記LPB内の構成要素によって発生した過剰な熱を収集するように構成された前記LPB内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)と、を備え、
前記過剰な熱は、あらかじめ定められた温度基準に相関しており、
前記収集された過剰な熱の温度は、前記少なくとも1つの熱センサによって測定され、
前記少なくとも1つの熱センサおよび前記HAICの各々は、制御モジュールに結合されている、
熱検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の熱検出システムであって、
前記HAICは、放射エネルギーを収集するための高吸収率の材料を含む、熱検出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の熱検出システムであって、
前記HAICは、前記LPBの外壁の内側部分に形成される、熱検出システム。
【請求項4】
請求項1に記載の熱検出システムであって、
前記少なくとも1つの熱センサは、赤外線(IR)センサを備える、熱検出システム。
【請求項5】
熱検出システムであって、
デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、前記デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサを備え、
前記少なくとも1つのVOCセンサは、制御モジュールに結合されている、
熱検出システム。
【請求項6】
請求項5に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内に対流電流を形成するために前記デバイス上に取り付けられた1つまたは複数のファンをさらに備え、前記対流電流は、前記還元性ガスを前記少なくとも1つのVOCセンサに供給するためのものである、熱検出システム。
【請求項7】
請求項5に記載の熱検出システムであって、
前記デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサをさらに備え、前記熱センサは、前記デバイスの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する、熱検出システム。
【請求項8】
請求項7に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内の構成要素によって発生した過剰な熱を収集するように構成された前記デバイス内に形成される高吸収率の赤外線コレクタをさらに備え、前記過剰な熱は、あらかじめ定められた温度基準に相関しており、前記収集された過剰な熱の温度は、前記少なくとも1つの熱センサによって測定される、熱検出システム。
【請求項9】
請求項5に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内に取り付けられたいくつかの熱センサをさらに備える、熱検出システム。
【請求項10】
デバイスの熱検出システムであって、前記システムは、
前記デバイス内に取り付けられ、前記デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するための検出領域をそれぞれ有するいくつかの熱センサと、
前記いくつかの熱センサと電気的に通信する制御モジュールと、を備え、
前記制御モジュールは、前記複数の構成要素からの電気信号を収集するように構成されており、
前記電気信号の基準は、温度の基準に対応し、
前記制御モジュールは、前記複数の構成要素から受信した前記電気信号のうちの少なくとも1つが対応するあらかじめ定められた温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている、
熱検出システム。
【請求項11】
請求項10に記載の熱検出システムであって、
前記制御モジュールは、前記対応するあらかじめ定められた温度基準を超過したという判定に基づいて、前記デバイスを遮断するようにさらに構成される、熱検出システム。
【請求項12】
請求項10に記載の熱検出システムであって、
前記制御モジュールは、前記対応するあらかじめ定められた温度を超過したという判定に基づいて、前記デバイスのオペレータに警告を送信するようにさらに構成される、熱検出システム。
【請求項13】
請求項10に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、前記デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサをさらに備え、前記少なくとも1つのVOCセンサは、前記制御モジュールに結合されている、熱検出システム。
【請求項14】
請求項10に記載の熱検出システムであって、
前記デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサをさらに備え、前記熱センサは、前記デバイスの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する、熱検出システム。
【請求項15】
請求項14に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内の前記複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した過剰な熱を収集するように構成された前記デバイス内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)をさらに備え、前記過剰な熱は、あらかじめ定められた温度基準に相関しており、前記収集された過剰な熱の温度は、前記少なくとも1つの熱センサによって測定される、熱検出システム。
【請求項16】
デバイスによって発生した熱を検出するための熱検出システムであって、前記システムは、
前記デバイス内の領域を通る複数の熱電対で構成され、前記デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱をそれぞれ検出する少なくとも1本のロープと、
前記少なくとも1本のロープと電気的に通信する制御モジュールと、を備え、
前記制御モジュールは、前記少なくとも1本のロープ内の前記複数の熱電対から電気信号を収集するように構成されており、
前記電気信号の基準は、温度の基準に対応し、
前記制御モジュールは、前記複数の構成要素から受信した前記電気信号のうちの少なくとも1つが対応するあらかじめ定められた温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている、
熱検出システム。
【請求項17】
請求項16に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、前記デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサをさらに備え、前記少なくとも1つのVOCセンサは、前記制御モジュールに結合されている、熱検出システム。
【請求項18】
請求項16に記載の熱検出システムであって、
前記デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサをさらに備え、前記熱センサは、前記デバイスの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する、熱検出システム。
【請求項19】
請求項18に記載の熱検出システムであって、
前記デバイス内の前記複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した過剰な熱を収集するように構成された前記デバイス内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)をさらに備え、前記過剰な熱は、あらかじめ定められた温度基準に相関しており、前記収集された過剰な熱の温度は、前記少なくとも1つの熱センサによって測定される、熱検出システム。
【請求項20】
デバイスによって発生した熱を検出するための熱検出システムであって、前記システムは、
前記デバイス内で発生した熱を検出するために前記デバイス内に配置され、前記デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した熱を検出するために前記複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するためのポリマーベースの熱反応性シースを有する少なくとも1つの線形熱検出ケーブルと、
前記少なくとも1つの線形熱検出ケーブルと電気的に通信する制御モジュールと、を備え、
前記制御モジュールは、前記少なくとも1つの線形熱検出ケーブルからの電気信号を収集するように構成されており、
前記電気信号の基準は、温度の基準に対応し、
前記制御モジュールは、前記複数の構成要素から受信した前記電気信号のうちの少なくとも1つが対応するあらかじめ定められた温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている、
熱検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2019年10月25日に出願され、「熱検出システムおよび揮発性有機化合物検出システム」と題する米国特許出願番号第62/926,289号の優先権の利益を主張し、上記の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の主題は一般に、部分的に密閉されたか、または完全に密閉された容器内など、局在化された体積内またはその付近で上昇した温度を検出する分野に関する。
【0002】
具体的な一例では、本開示の主題は、機械加工ツール、加熱および冷凍機器、半導体ツール(例えば、計測ツールおよび処理ツール)など、様々な機器およびツールの部品、ならびにその他の様々な種類の機器およびツールに高電圧電力を供給するために用いられるローカル電源ボックス(LPBs )などの環境内およびその付近で上昇した温度を検出することに関する。より具体的には、様々な実施形態では、本開示の主題は、様々なセンサの使用による上昇した温度の検出、ならびに、容器および電源ボックス内で放出される、熱によって発生した揮発性有機化合物(VOCs )の検出のうちの少なくとも1つの自動検出に関する。
【背景技術】
【0003】
数多くの種類のツールおよび機器は、不適切な構成要素の選択、不適切な構成要素の接続、不適切なツールまたは機器の使用、あるいは経年による構成要素の故障または劣化を含む様々な問題に起因して過熱する可能性のある構成要素を有する。構成要素の過熱により、ツールまたは機器、ならびに機器内で形成または製造されているワークピースまたは製品に重大な損傷が生じる可能性がある。
【0004】
例えば、機器の多くの部品は、機器内の構成要素に様々な電圧の供給を提供するために、ローカル電源ボックス(LPB)およびその他のデバイスに依拠する。半導体産業では、例えば、様々な半導体プロセスツールは、幅広い電圧を供給するために、ツールに近接した1つまたは複数の電源ボックスを有する。電源ボックス内には、400もの接続部があることが多い。様々な半導体プロセスツール製造業者には、年間数千から数万個もの電源ボックスが出荷され、その結果、LPBまたはデバイス内の接続部のうちの1つが、年間最大数百万回故障する可能性がある。故障した接続部とは、これらのツールが位置する施設において、発煙した構成要素、焼けた構成要素、および/または溶解した構成要素を意味し得る。故障した構成要素は、ツールを購入した顧客の信頼ならびに各顧客の生産性の両方に影響を与える可能性がある。全体として、故障した構成要素は一般に、1事故あたり数万ドルから数十万ドル(米ドルで測定すると)の損失になる可能性がある。毎年1つまたは複数のLPBs と結合して出荷される新しいツールに加えて、LPBの組み込みまたはアップグレードの間に、毎年数百もの新しい接続が行われ、あるいは再加工され、その結果、さらなるリスクが追加されることになる。
【0005】
LPBs およびその他のデバイス内で上昇した温度は、配線コネクタ上の不適切なトルク、配線コネクタ上の不適切な圧着技術(過圧着と過小圧着の両方)、LPBまたはデバイスの元の構造に使用された1つまたは複数の不適切なワイヤのゲージ、および当業者が理解するその他の要因などのいくつかの問題によって引き起こされる可能性がある。LPBs およびその他のデバイスの一般的な初期テストとしては、赤外線(IR)検査技術が挙げられる。この赤外線(IR)検査技術は、いくつかの問題を捉えることができるが、例えば、(1)いくつかの問題が、経時的かつ可変の負荷条件で生じ、(2)LPBおよびその他のデバイス検査が、必ずしも全負荷条件で行われず、かつ(3)LPBおよびデバイス検査が、ツールの動作中に連続して行われないことから、上記のすべての問題を捉えることはできない。したがって、同時期の検査技術では、約67%しか有効ではないと推定される。それでも、現在の検査技術では、例えば、6ヶ月間隔で、現場でツールの検査を繰り返すことに依存している。したがって、実質的にリアルタイムで、LPBおよびその他のデバイス内で上昇した温度を検出する、より効果的な手段が必要である。
【0006】
本明細書にて提供される背景の説明は、本開示の主題の内容を概ね提示することを目的とする。ここに名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術の欄で説明される範囲内において、出願時に先行技術としてみなされ得ない説明の態様と同様に、明示的にも黙示的にも本開示に対抗する先行技術として認められない。したがって、この欄に記載された情報は、当業者に以下の本開示の主題のための内容を提供するために提示されており、自認した先行技術として見なされるべきではない。したがって、この欄に記載された情報は、当業者に以下の本開示の主題のための内容を提供するために提示されており、自認した先行技術として見なされるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
本開示の主題の一実施形態は、ローカル電源ボックス(LPB)に外付けされた少なくとも1つの熱センサを有する熱検出システムを説明する。熱センサは、LPBの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する。LPB内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)は、LPB内の構成要素によって発生した過剰な熱を収集するように構成されている。この過剰な熱は、所定の温度基準に相関している。収集された過剰な熱の温度は、少なくとも1つの熱センサによって測定される。熱センサおよびHAICは、制御モジュールに結合されている。
【0008】
本開示の主題の一実施形態は、デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサを含む熱検出システムを説明する。少なくとも1つのVOCセンサは、制御モジュールに結合されている。
【0009】
本開示の主題の一実施形態は、デバイスの熱検出システムを説明する。本システムは、デバイス内に取り付けられたいくつかの熱センサを含み、熱センサはそれぞれ、デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するための検出領域を有する。制御モジュールは、いくつかの熱センサと電気的に通信し、制御モジュールは、複数の構成要素からの電気信号を収集するように構成されており、電気信号の基準は、温度の基準に対応する。制御モジュールは、複数の構成要素から受信した電気信号のうちの少なくとも1つが対応する所定の温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている。
【0010】
本開示の主題の一実施形態は、デバイスによって発生した熱を検出するための熱検出システムを説明する。本システムは、デバイス内の領域を通る複数の熱電対で構成された少なくとも1本のロープを含み、ロープはそれぞれ、デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するように構成されている。制御モジュールは、少なくとも1本のロープと電気的に通信する。制御モジュールは、少なくとも1本のロープ内の複数の熱電対から電気信号を収集するように構成されており、電気信号の基準は、温度の基準に対応する。制御モジュールは、複数の構成要素から受信した電気信号のうちの少なくとも1つが、対応する所定の温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている。
【0011】
本開示の主題の一実施形態は、デバイスによって発生した熱を検出するための熱検出システムを説明する。本システムは、デバイス内で発生した熱を検出するためにデバイス内に配置された少なくとも1つの線形熱検出ケーブルを含む。少なくとも1つの線形熱検出ケーブルは、複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した熱を検出するためにデバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するためのポリマーベースの熱反応性シースを有する。制御モジュールは、少なくとも1つの線形熱検出ケーブルと電気的に通信し、制御モジュールは、少なくとも1つの線形熱検出ケーブルからの電気信号を収集するように構成されている。電気信号の基準は、温度の基準に対応する。制御モジュールは、複数の構成要素から受信した電気信号のうちの少なくとも1つが、対応する所定の温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】
図1Aは、ローカル電源ボックス(LPB、本開示の主題の詳細を不明瞭にしないように前面カバーは図示せず)内で発生した過剰な熱を感知するために、LPBの外側に位置する単一の熱センサを有するLPBの正面図の例示的な一実施形態を示す。
【0013】
【
図1B】
図1Bは、
図1AのLPBの側面図の例示的な一実施形態を示し、故障した構成要素の位置、ならびにLPBの前面カバー上またはその上方に配置されたHAICを示す。
【0014】
【
図2】
図2は、揮発性有機化合物(VOC)センサを有するLPBの内部図を示す。
【0015】
【
図3A】
図3Aは、LPB内に配置されたいくつかの熱センサを有するLPBの内部図の例示的な一実施形態を示す。
【0016】
【
図3B】
図3Bは、LPB内に配置されたいくつかの熱センサを有するLPBの内部図の別の例示的な実施形態を示す。
【0017】
【
図4A】
図4Aは、本開示の主題の様々な例に従ってLPB内で使用する一連のデジタル熱電対(D-TC)の一例を示す。
【0018】
【
図4B】
図4Bは、LPB内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB内で使用される、
図4Aの一連のD-TC、ならびにいくつかの熱センサの例示的な一実施形態を示す。
【0019】
【
図4C】
図4Cは、LPB内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB内で使用される、
図4Aの一連のD-TC、ならびにいくつかの熱センサの別の例示的な実施形態を示す。
【0020】
【
図5A】
図5Aは、LPB内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB内で使用される、線形熱検出(LHD)ケーブル、ならびにいくつかの熱センサの例示的な一実施形態を示す。
【0021】
【
図5B】
図5Bは、LPB内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB内で使用される、
図5Aの線形熱検出(LHD)ケーブル、ならびにいくつかの熱センサの例示的な一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明は、本開示の主題の様々な態様を具現化する実例、デバイス、および装置を含む。以下の説明では、説明の目的で、発明の主題の様々な実施形態の理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、当業者には、本開示の主題の様々な実施形態が、これらの具体的な詳細がなくても実施されてよいことが明らかであろう。さらに、周知の構造、材料、および技術は、示された様々な実施形態を不明瞭にしないために、詳細には示されていない。
【0023】
後述される様々な例示的な実施形態は、過剰な熱を発生させる可能性がある構成要素を含む様々なデバイス内で上昇した温度を検出することに焦点を当てている。「過剰な熱」に関する温度は、使用中のデバイスの種類に基づいて、当業者によって容易に判定されてもよい。具体的な例示的一実施形態では、デバイスは、機器に高電圧電力を供給するために使用される1つまたは複数のローカル電源ボックス(LPBs)であってもよいが、LPBs のみに限定することを意図していない。当業者であれば本明細書にて提供された本開示を読んで理解すると、様々な技術、設計、および例のすべてが単独で、または様々な組み合わせで適用されてもよいことを容易に理解するであろう。主題の導入部分として、いくつかの実施形態が以下の段落で簡潔かつ大まかに説明され、その後、図を参照してより詳細な説明が続くであろう。
【0024】
本明細書に記載の例示的な実施形態のうちの様々なものは、デバイスまたはLPB内で上昇した温度を実質的にリアルタイムで検出するように構成されている。実施形態は、例えば、ランプアップおよびパワーオンサイクル中、ならびにツールの定常動作中に温度スパイクと温度上昇とを感知するために、デバイスもしくはLPBの連続的または周期的な温度監視のいずれかを可能にする。様々な実施形態の各々は、デバイスまたはLPBを自動的に停止するか、かつ/あるいは、壊滅的な故障が発生する恐れがある前にツールのエンドユーザに警告するかのいずれかを行うように構成されている。さらに、様々な実施形態の各々は、デバイスまたはLPB内で温度傾向の連続的なデータロギングを可能にするように構成できる。さらに、本開示の主題を読んで理解すれば、当業者によって理解されるように、本開示の1つまたは複数の様々な実施形態は、互いに組み合わせて使用されてもよい。
【0025】
ここで
図1Aを参照すると、ローカル電源ボックス110(LPB、本開示の主題の詳細を不明瞭にしないようにLPBの前面カバーは図示せず)の外側に位置する単一の熱センサ101を有するLPB110の正面
図100の例示的な一実施形態が示されている。本開示の主題を読んで理解すると、当業者によって認識されるように、様々な図がLPBを参照する場合があるが、このような構造は、簡潔性のみを目的に提供されており、本開示の主題が熱を発生させる可能性がある構成要素を有する任意のデバイスと共に使用されてもよく、必ずしもLPBのみではない。
【0026】
熱センサ101は、LPB110内で発生した外部領域105上の過剰な熱を感知するために使用される。図示のように、熱センサ101は、LPB110の1つまたは複数の面の全域をカバーするのに十分な検出領域103を有してもよく、あるいはより詳細に後述されるように、外部領域105をカバーするのに十分な領域など、限られた領域を有してもよい。さらに、明確性のために単一の熱センサ101のみが示されているが、当業者であれば、複数の熱センサ(1つまたは複数の種類の熱センサ)が使用されてもよいことを理解するであろう。熱センサ101は、例えば、赤外線(IR)ベースの熱センサなど、関連する技術分野において周知の任意の種類の熱センサを備えてもよい。
【0027】
図1Bは、
図1AのLPB110の側面
図130の例示的な一実施形態を示し、故障した構成要素135、ならびにLPB110の前面カバーもしくはその他の外側表面上に、またはそれらに近接して配置された高吸収率のIRコレクタ(HAIC)131の一例を示す。この例では、構成要素内またはその付近で発生している過剰な熱に起因して故障したか、あるいは間もなく故障する可能性がある、故障した構成要素135から発生した熱133は、HAIC131によって収集される。HAIC131によって収集された熱は、次に、外部領域105に放射され、それによって外部領域105の局所温度を上昇させる。その後、熱センサ101は、外部領域105の上昇した温度を検出する。
【0028】
HAIC131は、LPB110の少なくとも一部にわたって形成される。熱センサ101は、いくつかの実施形態では、HAIC131が形成される1つまたは複数の位置に近接して配置されてもよい。また、熱センサ101の検出領域103は、1つまたは複数のHAIC131の各々が位置する領域のみを実質的にカバーするように制限されてもよい。例えば、HAIC131は、LPB110の前面カバー(図示せず)の内側面、LPB110の外壁、または熱センサ101によって容易に監視可能な別の領域上に形成されてもよい。
【0029】
HAIC131は、LPB110内で疑わしい、または予想される熱の発生元から発生した熱133(または余熱)を収集する。発生した熱133が収集されると、HAIC131の温度が上昇し、熱センサ101によって容易に検出できる。熱センサ101は、LPB110に恒久的に近接して取り付けられるように構成されるため、LPB110内の温度は、連続して監視される。他の実施形態では、LPB110内の温度は、所定の間隔(例えば、LPB110に結合されたツールのランプアップの間のみ、ツールにおいて予想されるピーク負荷需要の間など)で監視されてもよい。
【0030】
ここで
図1Aと
図1Bの両方を続けて参照すると、HAIC131は、低水準の反射率と相まって、高水準の熱吸収率を有するコーティング材料を含んでもよい。このような材料は、当技術分野で周知であり、例えば、太陽熱集熱器を製造する際に使用される。具体的な例示的一実施形態では、HAIC131は、MaxiBlack
TM黒色膜コーティング(Acktar Ltd., 19 Topaz St., POB 8643;Kiryat-Gat, 8213513 Israel製)である。MaxiBlack
TMは、グラフェンベースの黒色膜ポリマー膜であり、様々な表面に塗布可能である(例えば、利用可能な塗布された粘着層と共に)。グラフェンは、放射エネルギー(例えば、加熱された構成要素からのIRエネルギー)を吸収して、グラフェンベースの膜を、例えば、数秒で160℃に加熱する。したがって、熱センサ101は、HAIC131から吸収した熱を迅速に感知することになる。他の例示的な実施形態では、HAIC131は、例えば、対象の波長(例えば、IR)に対して高吸収率の塗料または他の材料のような、放射エネルギー(例えば、IRエネルギー)を吸収できる別の種類の高吸収率のコーティングを含んでもよい。当業者であれば、
図1Aおよび
図1Bに示されるような外部領域105およびHAIC131が例示のみを目的としていることを認識するであろう。実際の領域は、LPB110を基準にして、図示されたものよりも大きくても小さくてもよい。また、HAIC131は、LPB110内またはLPB110上のいくつかの位置に配置されてもよい。
【0031】
熱センサ101が、LPB110の温度(例えば、外部領域105で測定された)が所定の温度(例えば、所定の温度は、LPBとオペレータの両方に対する安全基準に関連している)を超えたと判断する場合、熱センサ101は、ツール上にLPB110と共に配置された、または遠隔地に位置する制御ユニット(CU、図示せず)に警告信号を送信するように構成され得る。CUは、LPB110に供給されている電力を遮断するか、またはLPB110の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB110を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0032】
図2は、揮発性有機化合物(VOC)センサ203を有するLPBの内部図を示す。VOCセンサ203は、当技術分野では周知であり、LPB110内に形成される広範な還元性ガスの大気濃度を感知および測定するように構成される。このような還元性ガスは、LPB110内の部品または構成要素がそれぞれの融点にあるか、あるいは融点に近づいているときにアウトガス中に発生する。還元性ガスは、例えば、アミン、有機クロラミン、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびにLPBs を製造する際に誘電材料として用いられる構成要素(例えば、ナイロン、プラスチックなど)が加熱または溶融されることによって発生する他のガスを含んでもよい。単一のVOCセンサ203のみが示されているが、このような限定を意図していない。当業者であれば、LPB110内に1を超えるVOCセンサ203が含まれてもよいことを認識するであろう。例えば、2つ以上のVOCセンサ203は、誤報を低減または最小限に抑えるために使用されてもよい。別の例では、2つ以上のVOCセンサ203が使用されてもよく、第1のVOCセンサ203が、LPB110への新鮮な空気入口で使用され、第2のVOCセンサ203が、図示のようにLPB110内に配置されてもよい。入口に配置されたVOCセンサ203は、VOCのベースラインセンサとして機能できる。この例では、入口VOCセンサは、技術者がLPB110の外側で構成要素を洗浄するためにアルコールを使用しているときなどに、ベースラインを提供できる。入口VOCは、各VOCセンサによって測定されたVOCの相対量が所定の基準内で同一または同一に近い場合、第2のVOCセンサがアラームを発動させないように構成され得る。
【0033】
また、
図2は、LPB110上またはLPB110内に取り付けられたファンによって生成される対流電流201を示す。さらに、様々な実施形態では、LPB110内に1つまたは複数の小型ファン(図示せず)を追加して、LPB110内に空気(例えば、故障した構成要素135からVOCセンサ203まで)をさらに循環させてもよい。したがって、LPB110内の対流電流201によって循環された空気は、VOCセンサ203によってより容易に検出される。
【0034】
したがって、一実施形態では、VOCセンサ203は、それぞれの融点にあるか、または融点に近づいている部品のアウトガスを連続して監視するように構成され得る。別の実施形態では、VOCセンサ203は、(例えば、
図1Aの熱センサ101を参照して述べたように)それぞれの融点にあるか、またはそれらに近づいている部品のアウトガスを周期的に監視するように構成され得る。VOCセンサ203が、揮発性化合物の濃度が所定の基準(例えば、所定の安全基準)を超えたと判定する場合、VOCセンサ203は、ツール上にLPB110と共に配置された、または遠隔地に位置する、制御ユニット(CU)もしくは制御モジュール(CM)に警告信号を送信するように構成され得る。CUまたはCMは、LPB110に供給されている電力を遮断するか、あるいはLPB110の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB110を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0035】
当業者であれば本開示の主題を読んで理解すると、
図1A、
図1B、および
図2に記載された実施形態を組み合わせてもよいことを認識するであろう。このような組み合わせでは、熱センサ101およびHAIC131は、一次熱検知システムを形成し、VOCセンサ203は、二次熱検知システムを形成し、それによって両システムは、それぞれの信号をCUまたはCMに送信する。この組み合わせの他の実施形態では、VOCセンサ203からCMのCUによって受信された信号は、熱センサ101およびHAIC131よりも優先されてもよい。この組み合わせのさらに他の実施形態では、熱センサ101およびHAIC131、またはVOCセンサ203のいずれか一方からCUまたはCMによって受信された信号は、等しい優先度が与えられてもよく、CUまたはCMがシステムのうちのいずれか一方から信号を受信した場合、上述のように、1つまたは複数の予防動作が実行されてもよい。
【0036】
図3Aは、LPB310内に配置されたいくつかの熱センサ303を有するLPB310(例えば、上部LPB)の内部
図300の例示的な一実施形態を示す。また、
図3Aは、LPB310内に位置する制御モジュール(CM)301を含むように示されている。ハードウェアベース、ファームウェアベース、またはソフトウェアベースの構成といった、CM301の様々な種類および構成は、以下でより詳細に説明される。
【0037】
個々の熱センサ303が制限された視野角(市販の利用可能なユニットでは一般に、約90度~100度)を有する場合があるため、より多数の熱センサ303を使用することにより、LPB310内の構成要素のすべてまたは大部分をカバーできる。すなわち、LPB310内の容積は限られている。したがって、単体または限られた数のみの熱センサ303では、熱センサ303を十分に離間して取り付けできず、構成要素のすべて、もしくは大部分でさえカバーできない場合があるため、熱センサ303の数を増やすことにより、LPB310内の構成要素のすべてもしくは実質的にすべてをカバーできる。
【0038】
熱センサ303の各々は、例えば、熱電対、赤外線センサ、または当技術分野で周知の他のいくつかの種類の熱検出デバイス(例えば、抵抗温度検出器(RTDs))を含む様々な種類の熱検出機器を備えてもよい。様々な実施形態では、熱センサは、熱検出機器のうちの1つまたは複数を備えてもよい。熱センサ303の各々は、LPB310内のCM301に、またはLPBの外側にある遠隔CUもしくはCMに電気的に結合されてもよい。所定の温度基準を超過したことを示す1つまたは複数の熱センサ303からの信号を受信すると、CM301または遠隔CUもしくはCMは、LPB310に供給されている電力を遮断するか、あるいはLPB310の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB310を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0039】
図3Bは、LPB320内に配置されたいくつかの熱センサ333を有するLPB320(例えば、下部LPBボックス)の内部図の別の例示的な実施形態を示す。また、
図3Bは、LPB320内に位置する制御モジュール(CM)331を含むように示されている。熱センサ333の各々は、
図3Aの熱センサ303と同一または同様であってもよい。さらに、CM331は、
図3AのCM301と同一または同様であってもよい。CM301およびCM331の各々は、それぞれLPB310、330の外側にある遠隔CUまたはCMと通信するように結合されてもよい。
図3Aまたは
図3Bの実施形態のいずれかにおいて、熱センサ(例えば、
図1Aの熱センサ101と同一または同様の)も、それぞれLPB310、320に外付けされてもよい。具体的な例示的一実施形態では、上部および下部電源ボックス(LPB310およびLPB330)を十分均一にカバーすべく約30以上の熱センサ303、333を用いてもよい。
【0040】
様々な実施形態では、
図3AのCM301および
図3BのCM331は、互いに無線で(例えば、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、および関連技術分野において周知の他のプロトコルを含む無線操作によって)、または互いにハードワイヤードで(例えば、直接または様々なLANプロトコルを通して物理的に配線されて)電気的に結合されてもよい。熱センサ303および/または熱センサ333のうちの1つまたは複数から所定の温度基準を超過したことを示す信号を受信すると、CM301、CM331、および遠隔CUまたはCMのうちの1つまたは複数は、それぞれLPB310、330の一方または両方へ供給されている電力を遮断するか、あるいはツールのオペレータにLPB310、330の内部温度基準を超過したことを警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB310、330の一方または両方を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0041】
図4Aは、本開示の主題の様々な例に従ってLPB内で使用する一連のデジタル熱電対(D-TC)410、420の一例を示す。一連のD-TC410、420の各々は、例えば、Vcc接続401、データ接続403、および接地接続405を通して互いに電気的に結合されたいくつかの個別のD-TC407を含む。具体的な例示的一実施形態では、約1.22メートル(約48インチ)ある一連のD-TC410、420のうちの1つは、LPB内の構成要素のすべてまたは実質的にすべてをカバーするためにLPB内の様々な構成要素の近くで実行されてもよい。このような配置は、
図4Bおよび
図4Cを参照して以下でより詳細に説明される。
【0042】
図4Aにて図示されるように、一連のD-TC410、420は、並列接続で互いに電気的に結合されるように配置されている。しかしながら、一連のD-TC410、420の少なくとも一部は、一連の限られた領域において、直列接続で、またはハイブリッド直並列接続で電気的に結合されるように配置されてもよい。例えば、
図4Bおよび
図4Cを参照して以下に説明されるように、D-TC407のうちのいずれか1つが所定の温度基準を超過した温度を感知する場合にCMに信号が送信されるように、多数のD-TC407はLPB内の特定の構成要素の近くに直列で集められてもよい。さらに、当業者であれば本開示の主題を読んで理解すると、D-TC407のうちの1つまたは複数を、関連技術分野において周知のように、本明細書に記載の他の種類の熱検出デバイス(例えば、RTDs など)に代用あるいは追加して使用されてもよいことを認識するであろう。
【0043】
ここで
図4Bを参照すると、LPB410内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB410(例えば、上部LPB)内で使用される、
図4Aの一連のD-TC410、420、ならびにいくつかの熱センサ433の例示的な一実施形態430が示されている。また、
図4Bは、LPB410内に制御モジュール(CM)431を含むように示されている。熱センサ433の各々は、
図3Aの熱センサ303と同一または同様であってもよい。さらに、CM431は、
図3AのCM301と同一または同様であってもよい。また、CM431は、LPB410の外側にある遠隔CUまたはCMに結合されてもよい。
【0044】
図4Aの一連のD-TC410、420を備えるロープ420が、LPB410の様々な部分を通るように示されている。当業者であれば、当然、ロープ420を通す必要がある所与のLPB内の構成要素のうちの様々なもの(例えば、高電力回路遮断器)を認識するであろう。一例では、ロープ420を、LPB410内の様々な構成要素を取り付けるために使用される通路の下またはその中に通してもよい。さらに、3つの熱センサのみが示され、熱センサ433の3つがすべてCM431に極めて近接して配置されているが、このような限定を意図していない。この数より多いまたは少ない熱センサ433が、LPB410内の様々な位置で使用されてもよい。
【0045】
さらに、ロープ420は、可動性または固定のいくつかのプリント回路基板(PCBs )を備えてもよく、これらは、本明細書に記載の様々な無線または有線接続によって、すべてが少なくともCM431に結合されており、さらには互いに結合されている可能性がある。さらに、PCBs の一部またはすべてが、別の種類の熱センサ(例えば、本明細書に記載したようなRTDまたはIRセンサ)を含むことができる。
【0046】
1つまたは複数のロープ420、または1つまたは複数のロープ420に結合されたD-TC407、ならびに熱センサ433の各々は、LPB410内のCM431に、またはLPBの外側にある遠隔CUもしくはCMに電気的に結合されてもよい。1つまたは複数のロープ420、D-TC407、または熱センサ433のうちの少なくとも1つから、所定の温度基準を超過したことを示す信号を受信すると、CM431および/または遠隔CUもしくはCMは、LPB410に供給されている電力を遮断するか、あるいはLPB410の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB410を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0047】
図4Cは、LPB440内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB440(例えば、下部LPBボックス)内で使用される、
図4Aの一連のD-TC410、420、ならびにいくつかの熱センサ453の別の例示的な実施形態450を示す。熱センサ453の各々は、
図3Aの熱センサ303と同一または同様であってもよい。さらに、CM451は、
図3AのCM301と同一または同様であってもよい。CM431(
図4Bの)およびCM451の各々は、それぞれLPB410、440の外側にある遠隔CUまたはCMに結合されてもよい。
【0048】
図4Aの一連のD-TC410、420を備えるロープ420は、LPB440の様々な部分を通るように示されている。当業者であれば、当然、ロープ420を通す必要がある所与のLPB内の構成要素の様々なものを認識するであろう。
図4Bを参照して説明されるように、一例では、ロープ420を、LPB440内の様々な構成要素を取り付けるために使用される通路の下またはその中に通してもよい。さらに、3つの熱センサのみが示され、熱センサ453の3つがすべてCM451に極めて接近して配置されているが、このような限定を意図していない。この数より多いまたは少ない熱センサ453が、LPB440内の様々な位置に使用されてもよい。
【0049】
さらに、ロープ420は、可動性または固定のいくつかのプリント回路基板を備えてもよく、これらは、本明細書に記載の様々な無線または有線接続によって、すべてが少なくともCM451に結合されており、さらに互いに結合されている可能性がある。さらに、PCBs の一部またはすべてが、別の種類の熱センサ(例えば、本明細書に記載のRTDまたはIRセンサ)を含むことができる。1つまたは複数のロープ420、または1つまたは複数のロープ420に結合されたD-TC407、ならびに熱センサ453の各々は、LPB440内のCM451に、またはLPBの外側にある遠隔CUもしくはCMに電気的に結合されてもよい。
【0050】
図4Bまたは
図4Cの実施形態430、450のいずれかにおいて、ロープ420も、それぞれLPB410、440内の1つまたは複数の構成要素(例えば、ブレーカ)の背後のパネルに、またはそれぞれLPB410、440を覆う前面パネルの内側部分に取り付けられるか、あるいは熱的に結合可能である。例えば、具体的な例示的一実施形態では、ロープ420は、それぞれLPB410、440の適切な部分に、化学的に(例えば、接着剤によって)、両面テープによって接着可能であり、あるいは別の方法としては、機械的に締結可能(例えば、タイマウントによって)である。
図4Bまたは
図4Cの実施形態のいずれかにおいて、熱センサ(例えば、
図1Aの熱センサ101と同一または同様)も、それぞれLPB410、440に外付けされてもよい。
【0051】
様々な実施形態では、
図4BのCM431および
図4CのCM451は、互いに無線で(例えば、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、および関連技術分野において周知の他のプロトコルを含む無線操作によって)、または互いにハードワイヤードで(例えば、直接または様々なLANプロトコルを通して物理的に配線されて)電気的に結合されてもよい。1つまたは複数のロープ420、D-TC407、または熱センサ433、453の少なくとも1つから所定の温度基準を超過したことを示す信号を受信すると、CM431、CM451、および遠隔CUもしくはCMのうちの1つまたは複数は、それぞれLPB410、440の一方または両方へ供給されている電力を遮断するか、あるいはLPB410、440の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB410、440の一方または両方を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0052】
ここで
図5Aを参照すると、
図5Aは、LPB510内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB510(例えば、上部LPB)内で使用される、線形熱検出(LHD)ケーブル505、ならびにいくつかの熱センサ503の例示的な一実施形態500を示す。また、
図5Aは、LPB510内に位置する制御モジュール(CM)501を含むように示されている。熱センサ503の各々は、
図3Aの熱センサ303と同一または同様であってもよい。さらに、CM501は、
図3AのCM301と同一または同様であってもよい。様々な実施形態では、CM501はまた、LPB510の外側にある遠隔CUまたはCMに結合されてもよい。
【0053】
具体的な例示的一実施形態では、LHDケーブル505は、Protectowire(登録商標)(Fike(登録商標) Coporation, 704 SW Tenth Street, Blue Springs, Missouri, USA 64015製)として周知の線形熱ケーブルを備える。Protectowire(登録商標)は、金属コアを取り囲む感熱性でポリマーベースの熱反応性シースを有する三金属コア(ケーブルに引張強度ならびに導電性を提供する)を含むスポットベースの熱検出器の連続運転を備える。ケーブルの外径は、約3.18mm(約1/8インチ)である。
【0054】
様々な実施形態では、熱センサ503およびLHDケーブル505は、CM501および/またはLPB510の外側にある遠隔CUもしくはCMに結合される。熱センサ503および/またはLHDケーブル505のうちの1つまたは複数から所定の温度基準を超過したことを示す信号を受信すると、CM501および遠隔CUもしくはCMのうちの1つまたは複数は、LPB510に供給されている電力を遮断するか、あるいはLPB510の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB510を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0055】
図5Bは、LPB530内で発生した過剰な熱を検出するためにLPB530(例えば、下部LPB)内で使用される、
図5Aの線形熱検出(LHD)ケーブル505、ならびにいくつかの熱センサ523の例示的な一実施形態520を示す。また、
図5Bは、LPB530内に位置する制御モジュール(CM)521を含むように示されている。熱センサ523の各々は、
図3Aの熱センサ303と同一または同様であってもよい。さらに、CM521は、
図3AのCM301と同一または同様であってもよい。明確に図示されていないが、様々な実施形態では、CM521も、LPB530の外側にある遠隔CUまたはCMに結合されてもよい。様々な実施形態では、熱センサ523およびLHDケーブル505は、CM521および/またはLPB530の外側にある遠隔CUもしくはCMに結合される。
【0056】
図5Aと
図5Bの両方を続けて参照すると、様々な実施形態では、
図5AのCM501および
図5BのCM521は、互いに無線で(例えば、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、および関連技術分野において周知の他のプロトコルを含む無線操作によって)、または互いにハードワイヤードで(例えば、直接または様々なLANプロトコルを通して物理的に配線されて)結合されてもよい。熱センサ503および/または熱センサ523のうちの1つまたは複数から所定の温度基準を超過したことを示す信号を受信すると、CM501、CM521、および遠隔CUもしくはCMのうちの1つまたは複数は、それぞれLPB510、530の一方または両方に供給されている電力を遮断するか、あるいはLPB510、530の内部温度基準を超過したことをツールのオペレータに警告するなど、特定の予防措置を取るように予めプログラムできる。その後、オペレータは、LPB510、530の一方または両方を安全に遮断するために適切な動作を実行してもよい。
【0057】
なお、上述したように、上記で詳細に説明された様々な実施形態のうちの1つまたは複数を他の実施形態と組み合わせてもよい。例えば、
図5Aおよび
図5Bの実施形態を
図1Aおよび
図1Bの熱センサ101と組み合わせてもよく、この
図1Aおよび
図1Bの熱センサ101は、LPB510、530に外付けされる。他の実施形態では、
図5Aおよび
図5Bの実施形態を
図1Aおよび
図1Bの熱センサ101と
図2のVOCセンサ203の両方と組み合わせてもよい。さらに他の実施形態では、
図5Aおよび
図5Bの実施形態を
図4Aの一連のD-TC410、420と組み合わせてもよい。したがって、図の各々の実施形態の様々な順列を組み合わせて、様々な種類の熱センサ、一連の熱電対、および熱検出ケーブルの一部またはすべてを含んでもよい。このような実施形態は、本開示の主題の範囲内であると見なされる。
【0058】
したがって、本明細書全体を通じて、複数の例が、単一の例として説明される構成要素、動作、または構造を実装してもよい。1つまたは複数の方法の個々の動作が別々の動作として図示され、説明されているが、個々の動作の1つまたは複数は、同時に実行されてもよく、動作が図示された順序で実行される必要はない。例示的な構成において、別々の構成要素として提示された構造および機能が、結合された構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造および機能が、別々の構成要素として実装されてもよい。これらおよびその他の変形、修正、追加、および改良は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0059】
上述のこのようなデバイス、装置、および方法は、以下でより詳細に説明されるように、様々な種類のデバイス上で実行されてもよい。デバイスは、例えば、コンピュータまたはマイクロプロセッサ、もしくは、ソフトウェアまたはファームウェアに、もしくはハードウェア実装として、上述の本開示の主題の1つまたは複数の態様と共に、プログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサを含む。これらのデバイスのうちの少なくとも1つは、ローカル制御モジュールのうちの1つに、または1つまたは複数の遠隔に位置するCMs もしくはCUs に含まれてもよい。
【0060】
さらに、特定の実施形態は、ロジックもしくはいくつかの構成要素、モジュール、または機構を含むものとして本明細書にて説明される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上もしくは伝送信号内で具現化されたコード)またはハードウェアモジュールのいずれかを構成してもよい。「ハードウェアモジュール」(例えば、制御モジュール)は、特定の動作を実行可能な有形のユニットであり、特定の物理的方法で構成または配置されてもよい。様々な実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、またはサーバコンピュータシステム)またはコンピュータシステムの1つまたは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサまたは一群のプロセッサ)は、本明細書に記載の特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとしてソフトウェア(例えば、アプリケーションまたはアプリケーション部分)によって構成されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的、電子的、またはそれらの任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように恒久的に構成された専用の回路またはロジックを含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはASICなど、専用プロセッサであってもよい。
【0062】
また、ハードウェアモジュールは、ソフトウェアによって一時的に構成されて、特定の動作を実行するプログラマブルロジックまたは回路を含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるソフトウェアを含んでもよい。専用にかつ恒久的に構成された回路、または一時的に構成された回路(例えば、ソフトウェアによって構成された)にハードウェアモジュールを機械的に実装する判断は、コストおよび時間を考慮して行われてもよいことを理解されたい。
【0063】
したがって、「ハードウェアモジュール」という語句は、本明細書に記載の特定の方法で動作するように、または特定の動作を実行するように、物理的に構築される実体、恒久的に構成される(例えば、ハードワイヤード)実体、または一時的に構成される(例えば、プログラムされた)実体である、有形実体を包含することを理解されたい。本明細書で使用するとき、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされた)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、時間内に任意の1つのインスタンスにおいて構成またはインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、専用プロセッサになるようにソフトウェアによって構成された汎用プロセッサを備える場合、汎用プロセッサは、異なる時間にそれぞれ異なる専用プロセッサ(例えば、異なるハードウェアモジュールを備える)として構成されてもよい。ソフトウェアは、それに応じて、例えば、あるインスタンスの時間において特定のハードウェアモジュールを構成し、異なるインスタンスの時間において異なるハードウェアモジュールを構成するようにプロセッサを構成してもよい。
【0064】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信できる。したがって、説明されたハードウェアモジュールは、通信可能に結合されると考えられてもよい。複数のハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信は、2つ以上のハードウェアモジュール間で、またはそれらの中で信号伝送(例えば、適切な回路およびバスを通して)によって達成されてもよい。複数のハードウェアモジュールが異なる時間で構成またはインスタンス化される実施形態では、このようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセス可能な記憶構造内の情報の記憶および検索によって達成されてもよい。例えば、1つのハードウェアモジュールは、動作を実行し、その動作の出力を、通信可能に結合されている記憶装置内に保存してもよい。その後、さらなるハードウェアモジュールが、後の時点で、記憶装置にアクセスして、保存された出力を取り出し、処理してもよい。また、ハードウェアモジュールは、入力または出力デバイスとの通信を開始してもよく、リソース(例えば、情報の集約)上で動作可能である。
【0065】
本明細書に記載の例示的な方法の様々な動作は、関連する動作を実行するように一時的に構成されるか(例えば、ソフトウェアによって)、あるいは恒久的に構成される1つまたは複数のプロセッサによって、少なくとも部分的に、実行されてもよい。一時的に構成されるか、または恒久的に構成されるかにかかわらず、このようなプロセッサは、本明細書に記載の1つまたは複数の動作または機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成してもよい。本明細書で使用するとき、「プロセッサ実装モジュール」は、1つまたは複数のプロセッサを使用して実装されるハードウェアモジュールを指す。
【0066】
同様に、本明細書に記載の動作の方法は、少なくとも部分的にプロセッサが実装されてもよく、プロセッサは、ハードウェアの一例である。例えば、方法の動作の少なくとも一部は、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールによって実行されてもよい。さらに、1つまたは複数のプロセッサはまた、「クラウドコンピューティング」環境において、または「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として、関連する動作の実行を支持するように動作してもよい。例えば、動作の少なくとも一部は、一群のコンピュータ(プロセッサを含む機械の例として)によって実行されてもよく、これらの動作は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、かつ1つまたは複数の適切なインターフェース(例えば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0067】
動作の特定の性能は、1つまたは複数のプロセッサの中で分散され、単一の機械内に存するだけでなく、いくつかの機械にわたって展開されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、単一の地理的位置(例えば、家庭環境、オフィス環境、またはサーバファーム内)に位置してもよい。他の実施形態では、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールは、いくつかの地理的位置にわたって分散されてもよい。
【0068】
本明細書で使用するとき、「または」という用語は、包括的意味または排他的意味で解釈されてもよい。さらに、当業者であれば提供された本開示を読んで理解すると、他の実施形態を理解するであろう。さらに、当業者であれば本明細書にて提供された本開示を読んで理解すると、本明細書にて提供された技術および例の様々な組み合わせのすべてを様々な組み合わせに適用してもよいことを容易に理解するであろう。
【0069】
様々な実施形態が別々に述べられているが、これらの別々の実施形態は、独立した技術または設計として見なされることを意図していない。上に示したように、様々な部分の各々は、相互に関係していてもよく、各々が本明細書にて述べられた熱検出システムの他の実施形態と別々に使用されてもよいし、組み合わせて使用されてもよい。例えば、方法、動作、およびプロセスの様々な実施形態を説明してきたが、これらの方法、動作、およびプロセスは、別々に使用されてもよいし、様々な組み合わせで使用されてもよい。
【0070】
したがって、当業者であれば本明細書にて提供された本開示を読んで理解すると明らかであるように、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙されるものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等な方法およびデバイスは、上記の説明から当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態の部分および特徴は、他の実施形態の部分および特徴に含まれてもよいし、置き換えられてもよい。このような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図している。したがって、本開示は、このような特許請求の範囲に権利を与える均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の文言によってのみ限定されるべきである。また、本明細書にて使用される専門用語は、具体的な実施形態を説明する目的に過ぎず、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0071】
本開示の要約書は、読者が技術的な開示の性質を迅速に把握できるように提供される。要約書は、特許請求の範囲を解釈または限定するために使用されないという理解の上で提出される。さらに、前記の発明を実施するための形態において、様々な特徴が、開示を合理化する目的で、単一の実施形態に集約される場合があることが分かる。この開示の方法は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、以下の特許請求の範囲は、各請求項がそれ自体別個の実施形態として成り立つことにより、発明を実施するための形態に組み込まれる。
以下の番号付けされた例は、本開示の主題の具体的な実施形態である。
【0072】
例1:本開示の主題の一実施形態は、ローカル電源ボックス(LPB)に外付けされた少なくとも1つの熱センサを有する熱検出システムを説明する。熱センサは、LPBの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する。LPB内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)が、LPB内の構成要素によって発生した過剰な熱を収集するように構成されている。この過剰な熱は、所定の温度基準に相関している。収集された過剰な熱の温度は、少なくとも1つの熱センサによって測定される。熱センサおよびHAICは、制御モジュールに結合されている。
【0073】
例2:例1に記載の熱検出システムであって、HAICは、放射エネルギーを収集するための高吸収率の材料を含む、熱検出システム。
【0074】
例3:例1または例2のいずれかに記載の熱検出システムであって、HAICは、LPBの外壁の内側部分に形成される、熱検出システム。
【0075】
例4:例1~例3のいずれか一例に記載の熱検出システムであって、少なくとも1つの熱センサは、赤外線(IR)センサを備える、熱検出システム。
【0076】
例5:本開示の主題の一実施形態は、デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサを含む熱検出システムを説明する。少なくとも1つのVOCセンサは、制御モジュールに結合されている。
【0077】
例6:例5に記載の熱検出システムであって、デバイス内に対流電流を形成するためにデバイス上に取り付けられた1つまたは複数のファンをさらに備え、対流電流は、還元性ガスを少なくとも1つのVOCセンサに供給するためのものである、熱検出システム。
【0078】
例7:例5または例6のいずれかに記載の熱検出システムであって、デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサをさらに備え、熱センサは、デバイスの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する、熱検出システム。
【0079】
例8:例5~例7のいずれか一例に記載の熱検出システムであって、デバイス内の構成要素によって発生した過剰な熱を収集するように構成されたデバイス内に形成される高吸収率の赤外線コレクタをさらに備え、過剰な熱は、所定の温度基準に相関しており、収集された過剰な熱の温度は、少なくとも1つの熱センサによって測定される、熱検出システム。
【0080】
例9:例5~例8のいずれか1例に記載の熱検出システムであって、デバイス内に取り付けられたいくつかの熱センサをさらに備える、熱検出システム。
【0081】
例10:本開示の主題の一実施形態は、デバイスの熱検出システムを説明する。本システムは、デバイス内に取り付けられたいくつかの熱センサを含み、熱センサはそれぞれ、デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するための検出領域を有する。制御モジュールは、いくつかの熱センサと電気的に通信し、制御モジュールは、複数の構成要素からの電気信号を収集するように構成されており、電気信号の基準は、温度の基準に対応する。制御モジュールは、複数の構成要素から受信した電気信号のうちの少なくとも1つが対応する所定の温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている。
【0082】
例11:例10に記載の熱検出システムであって、制御モジュールは、対応する所定の温度基準を超過したという判定に基づいて、デバイスを遮断するようにさらに構成される、熱検出システム。
【0083】
例12:例10または例11のいずれかに記載の熱検出システムであって、制御モジュールは、対応する所定の温度を超過したという判定に基づいて、デバイスのオペレータに警告を送信するようにさらに構成される、熱検出システム。
【0084】
例13:例10~例12のいずれか一例に記載の熱検出システムであって、デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサをさらに備え、少なくとも1つのVOCセンサは、制御モジュールに結合されている、熱検出システム。
【0085】
例14:例10~例13のいずれか一例に記載の熱検出システムであって、デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサをさらに備え、熱センサは、デバイスの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する、熱検出システム。
【0086】
例15:例10~例14のいずれか一例に記載の熱検出システムであって、デバイス内の複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した過剰な熱を収集するように構成されたデバイス内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)をさらに備え、過剰な熱は、所定の温度基準に相関しており、収集された過剰な熱の温度は、少なくとも1つの熱センサによって測定される、熱検出システム。
【0087】
例16:本開示の主題の一実施形態は、デバイスによって発生した熱を検出するための熱検出システムを説明する。本システムは、デバイス内の領域を通る複数の熱電対で構成された少なくとも1本のロープを含み、ロープはそれぞれ、デバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するように構成されている。制御モジュールは、少なくとも1本のロープと電気的に通信する。制御モジュールは、少なくとも1本のロープ内の複数の熱電対から電気信号を収集するように構成されており、電気信号の基準は、温度の基準に対応する。制御モジュールは、複数の構成要素から受信した電気信号のうちの少なくとも1つが、対応する所定の温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている。
【0088】
例17:例16に記載の熱検出システムであって、デバイス内の1つまたは複数の構成要素がそれぞれの融点に近づくときにアウトガスによって発生する還元性ガスを検出するために、デバイス内に取り付けられた少なくとも1つの揮発性有機化合物(VOC)センサをさらに備え、少なくとも1つのVOCセンサは、制御モジュールに結合されている、熱検出システム。
【0089】
例18:例16または例17のいずれかに記載の熱検出システムであって、デバイスに外付けされた少なくとも1つの熱センサをさらに備え、熱センサは、デバイスの少なくとも1面から放出される熱を1つまたは複数の位置で検出するための検出領域を有する、熱検出システム。
【0090】
例19:例16~例18のいずれか一例に記載の熱検出システムであって、デバイス内の複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した過剰な熱を収集するように構成されたデバイス内に形成される高吸収率の赤外線コレクタ(HAIC)をさらに備え、過剰な熱は、所定の温度基準に相関しており、収集された過剰な熱の温度は、少なくとも1つの熱センサによって測定される、熱検出システム。
【0091】
例20:本開示の主題の一実施形態は、デバイスによって発生した熱を検出するための熱検出システムを説明する。本システムは、デバイス内で発生した熱を検出するようにデバイス内に配置された少なくとも1つの線形熱検出ケーブルを含む。少なくとも1つの線形熱検出ケーブルは、複数の構成要素のうちの少なくとも1つによって発生した熱を検出するためにデバイス内に取り付けられた複数の構成要素のうちの少なくとも1つから放出される熱を検出するためのポリマーベースの熱反応性シースを有する。制御モジュールは、少なくとも1つの線形熱検出ケーブルと電気的に通信し、制御モジュールは、少なくとも1つの線形熱検出ケーブルからの電気信号を収集するように構成されている。電気信号の基準は、温度の基準に対応する。制御モジュールは、複数の構成要素から受信した電気信号のうちの少なくとも1つが対応する所定の温度基準を超過するとき、判定を行うようにさらに構成されている。
【国際調査報告】