(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】極紫外線マスクブランク欠陥低減方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/24 20120101AFI20221214BHJP
C23C 14/06 20060101ALI20221214BHJP
C23C 14/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G03F1/24
C23C14/06 N
C23C14/06 P
C23C14/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523095
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020057000
(87)【国際公開番号】W WO2021081291
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, ウェン
(72)【発明者】
【氏名】バート, サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ, シーユイ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルゲス, ビンニ
(72)【発明者】
【氏名】ジンダル, ビブー
(72)【発明者】
【氏名】ゼラード, アゼディン
【テーマコード(参考)】
2H195
4K029
【Fターム(参考)】
2H195BA02
2H195BA10
2H195CA16
2H195CA23
4K029AA24
4K029BA03
4K029BA11
4K029BA35
4K029BA41
4K029BA58
4K029BB02
4K029BC07
4K029BD01
4K029CA05
4K029CA06
4K029DA01
4K029DA10
4K029DC02
4K029DC03
4K029DC16
4K029DC39
4K029EA00
4K029FA09
4K029JA02
(57)【要約】
極紫外線(EUV)マスクブランクの製造方法及びその製造システムが開示される。EUVマスクブランクを形成する方法は、マルチカソードPVDチャンバ内部の一部に二重層を形成し、次にマルチカソードPVDチャンバ内の基板上にSi/Moの多層スタックを形成することを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法であって:
マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバのチャンバ内部の一部上に第1の層を堆積すること;
前記第1の層上に、SiN
x/SiO
xN
y二重層、SiN
x/Mo二重層、SiN
x/Al二重層、SiN
x/MoSi
x二重層、SiN
x/AlSi
x二重層、SiN
x/Mo
xAl
y二重層、SiO
xN
y/Mo二重層、SiO
xN
y/Al二重層、SiO
xN
y/MoSi
x二重層、SiO
xN
y/AlSi
x二重層、及びSiO
xN
y/Mo
xAl
y二重層からなる群から選択される二重層を形成するために第2の層を堆積すること;
前記マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバに基板を配置すること;並びに
前記基板上にモリブデンとシリコンの交互層の多層スタックを形成すること
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の層がSiN
x層であり、前記第2の層がSiO
xN
y層であり、前記マルチカソードPVDチャンバが、第1のシリコンターゲット、第2のシリコンターゲット、第3のシリコンターゲット、及び第4のモリブデンターゲットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PVDチャンバに、Ar/N
2ガスの混合物を流すこと、及び前記第1のシリコンターゲットからスパッタリングして、前記チャンバ内部の前記一部上にSiN
x層を形成することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記PVDチャンバにAr/N
2/O
2ガスの混合物を流すこと、及び前記第2のシリコンターゲットを前記SiN
x層上のSiO
xN
y層にスパッタリングして、SiN
x/SiO
xN
y二重層を形成することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチカソードPVDチャンバに前記基板を配置することの前に、3~10個の範囲のSiN
x/SiO
xN
y二重層を形成することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記チャンバ内部の前記一部がライナーを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ライナーがシールドを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記SiN
x層及び前記SiO
xN
y層の各々を形成する間、前記ライナーを回転させることを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記基板上でのモリブデンとシリコンの交互層の前記多層スタックの形成の間、前記ライナーを回転させない、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
極紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法であって:
マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバのライナーを回転させること;
前記ライナーを回転させている間、前記ライナー上に第1の層を堆積すること;
前記ライナーを回転させている間、前記第1の層上に、SiN
x/SiO
xN
y二重層、SiN
x/Mo二重層、SiN
x/Al二重層、SiN
x/MoSi
x二重層、SiN
x/AlSi
x二重層、SiN
x/Mo
xAl
y二重層、SiO
xN
y/Mo二重層、SiO
xN
y/Al二重層、SiO
xN
y/MoSi
x二重層、SiO
xN
y/AlSi
x二重層、及びSiO
xN
y/Mo
xAl
y二重層からなる群から選択される二重層を形成するために第2の層を堆積すること;
前記ライナーの回転を停止させること;
チャンバ内部を含む前記マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバに基板を配置すること;並びに
前記基板上にモリブデンとシリコンの交互層の多層スタックを形成すること
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の層がSiN
x層であり、前記第2の層がSiO
xN
y層であり、前記マルチカソードPVDチャンバが、第1のシリコンターゲット、第2のシリコンターゲット、第3のシリコンターゲット、及び第4のモリブデンターゲットを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記PVDチャンバにAr/N
2ガスの混合物を流すこと、及び前記第1のシリコンターゲットからスパッタリングして、前記ライナー上にSiN
x層を形成することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記PVDチャンバにAr/N
2/O
2ガスの混合物を流すこと、及び前記第2のシリコンターゲットを前記SiN
x層上のSiO
xN
y層にスパッタリングして、SiN
x/SOX
xN
y二重層を形成することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記マルチカソードPVDチャンバに前記基板を配置することの前に、3~10個の範囲のSiN
x/SiO
xN
y二重層を形成することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ライナーを、前記SiO
xN
y層及び前記SiN
x層の各々の堆積が、3~5回のライナーの回転の完全なサイクルの間に起こるように回転させる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ライナーの回転速度を最大20rpmに制御することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバであって:
第1のシリコンターゲット、第2のシリコンターゲット、第3のシリコンターゲット及びモリブデンターゲットと;
前記PVDチャンバの内部を裏打ちし、回転するように構成されているライナーと;
前記第1のシリコンターゲットがスパッタリングされるときの前記ライナー上への第1の層の堆積の間、及び前記第2のシリコンターゲットがスパッタリングされるときの、前記第1の層上に、SiN
x/SiO
xN
y二重層、SiN
x/Mo二重層、SiN
x/Al二重層、SiN
x/MoSi
x二重層、SiN
x/AlSi
x二重層、SiN
x/Mo
xAl
y二重層、SiO
xN
y/Mo二重層、SiO
xN
y/Al二重層、SiO
xN
y/MoSi
x二重層、SiO
xN
y/AlSi
x二重層、及びSiO
xN
y/Mo
xAl
y二重層からなる群から選択される二重層を形成するための第2の層の堆積の間に、前記ライナーの回転を制御するように構成されているコントローラと
を含むマルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバ。
【請求項18】
前記コントローラが、3~8個の二重層を形成するように構成されている、請求項17に記載のマルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバ。
【請求項19】
前記コントローラが、前記チャンバ中に基板を装填する前に、前記ライナーの回転を停止させるように構成されている、請求項17に記載のマルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバ。
【請求項20】
前記コントローラが、第3のシリコンターゲット及び第4のモリブデンターゲットを交互にスパッタリングすることによって、前記基板上にモリブデンとシリコンの交互層の多層スタックを形成するように構成されている、請求項19に記載のマルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、極紫外線リソグラフィ、より具体的には、極紫外線マスクブランク製造欠陥低減方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]極紫外線(EUV)リソグラフィは、縮小投影露光X線リソグラフィ(soft x-ray projection lithography)としても知られており、0.0135ミクロン以下の最小フィーチャサイズの半導体デバイスの製造に使用される。一般に、5~100ナノメートルの波長範囲にある極紫外線は、事実上すべての材料に強く吸収される。そのため、極紫外線システムは、光の透過ではなく反射によって機能する。無反射吸収体マスクパターンでコーティングされた一連のミラー又はレンズ要素、及び反射要素又はマスクブランクを使用することにより、パターン化された化学線は、レジストでコーティングされた半導体基板に反射される。
【0003】
[0003]極紫外線リソグラフィシステムのレンズ要素とマスクブランクは、モリブデン及びシリコンなどの材料の反射多層コーティングでコーティングされる。非常に狭い紫外線バンドパス内、例えば、13.5ナノメートルの紫外線に対して12.5~14.5ナノメートルのバンドパス内の光を強く反射する多層コーティングでコーティングされた基板を使用することにより、レンズ要素又はマスクブランクあたり約65%の反射値が得られた。
【0004】
[0004]EUVブランクは、ブランクの作業領域の欠陥に対して低い耐性を有する。シリコンとモリブデンの堆積は、チャンバに不均衡な応力をもたらし、最終的には応力に関連する欠陥の原因となる。目標は、ブランクの作業領域にキラータイプの欠陥(大きな欠陥)をゼロにすることであり、というのも、欠陥は修復が難しく、機能しているEUVマスクを有するためである。したがって、欠陥の少ないEUVブランクが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の1つ又は複数の実施形態は、極紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法に関し、該方法は、マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバのチャンバ内部の一部に第1の層を堆積すること;第1の層上に、SiNx/SiOxNy二重層、SiNx/Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、及びSiOxNy/MoxAly二重層からなる群から選択される二重層を形成するために、第2の層を堆積すること;マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバに基板を配置すること;及び基板上にモリブデンとシリコンの交互層の多層スタックを形成することを含む。
【0006】
[0006]本開示の追加の実施形態は、極紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法に関し、該方法は、マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバのライナーを回転させること;ライナーが回転している間にライナー上に第1の層を堆積すること;ライナーが回転している間に第1の層上に、SiNx/SiOxNy二重層、SiNx/Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、及びSiOxNy/MoxAly二重層からなる群から選択される二重層を形成するために、第2の層を堆積することこと;ライナーの回転を停止させこと;チャンバ内部を含むマルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバに基板を配置すること;及び基板上にモリブデンとシリコンの交互層の多層スタックを形成することを含む。
【0007】
[0007]本開示のさらなる実施形態は、第1のシリコンターゲット、第2のシリコンターゲット、第3のシリコンターゲット及びモリブデンターゲット;PVDチャンバの内部を裏打ちし、回転するように構成されているライナー;及び第1のシリコンターゲットがスパッタリングされるときのライナー上の第1の層の堆積中、及び第2のシリコンターゲットがスパッタリングされるときの、第1の層上に、SiNx/SiOxNy二重層、SiNx/Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、及びSiOxNy/MoxAly二重層からなる群から選択される二重層を形成するための、第2の層の堆積中に、ライナーの回転を制御するように構成されているコントローラを含むマルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバに関する。
【0008】
[0008]本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]極紫外線リソグラフィシステムの実施形態を概略的に示している。
【
図2】[0010]極紫外線反射要素生成システムの実施形態を示している。
【
図3】[0011]1つ又は複数の実施形態によるマルチカソードPVDチャンバの側面図である。
【
図4】[0012]EUVマスクブランクなどの驚嘆紫外線反射要素の実施形態を示している。
【
図5】[0013]一実施形態による、PVDチャンバのAl/O表面上のSiN
x/SiO
xN
y二重層コーティングの実施形態を示す。
【
図6】[0014]1つ又は複数の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構築又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実施することができる。
【0011】
[0016]本明細書で使用される「水平」という用語は、その向きに関係なく、マスクブランクの平面又は表面に平行な平面として定義される。「垂直」という用語は、まさに定義された水平に垂直な方向を指す。「上」、「下」、「下」、「上」、「側」(「側壁」におけるなど)、「より高い」、「より低い」、「上部」、「上」、及び「下部」などの用語は、図に示すように、水平面に対して定義される。
【0012】
[0017]「上に」という用語は、要素間に直接接触があることを示す。「直接上に」という用語は、要素が介在せずに要素間に直接接触していることを示す。
【0013】
[0018]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「前駆体」、「反応物」、「反応性ガス」などの用語は、基板表面と反応する任意のガス種を指すために交換可能に使用される。
【0014】
[0019]当業者は、プロセス領域を説明するための「第1」及び「第2」などの序数の使用が、処理チャンバ内の特定の位置、又は処理チャンバ内の露出の順序を意味しないことは理解するであろう。
【0015】
[0020]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。文脈が明らかに他のことを示さない限り、基板への言及は基板の一部のみを指すことも当業者によって理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態では、基板上に堆積することへの言及は、露出した基板と、その上に堆積又は形成された1つ又は複数の膜若しくはフィーチャを備えた基板の両方を意味する。
【0016】
[0021]ここで
図1を参照すると、極紫外線リソグラフィシステム100の例示的な実施形態が示されている。極紫外線リソグラフィシステム100は、極紫外線光112を生成するための極紫外線光源102、一組の反射要素、及びターゲットウエハ110を含む。反射要素は、コンデンサ104、EUV反射マスク106、光学縮小アセンブリ108、マスクブランク、ミラー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0017】
[0022]極紫外線光源102は、極紫外線112を生成する。極紫外線112は、5~50ナノメートル(nm)の範囲の波長を有する電磁放射である。例えば、極紫外線光源102は、レーザ、レーザ生成プラズマ、放電生成プラズマ、自由電子レーザ、シンクロトロン放射、又はそれらの組み合わせを含む。
【0018】
[0023]極紫外線光源102は、様々な特性を有する極紫外線112を生成する。極紫外線光源102は、ある範囲の波長にわたって広帯域の極紫外線放射を生成する。例えば、極紫外線光源102は、5~50nmの範囲の波長を有する極紫外線光112を生成する。
【0019】
[0024]1つ又は複数の実施形態では、極紫外線光源102は、狭い帯域幅を有する極紫外線光112を生成する。例えば、極紫外線光源102は、13.5nmで極紫外線112を生成する。波長ピークの中心は13.5nmである。
【0020】
[0025]コンデンサ104は、極紫外線112を反射及び集束するための光学ユニットである。コンデンサ104は、極紫外線光源102からの極紫外線112を反射及び集光して、EUV反射マスク106を照明する。
【0021】
[0026]コンデンサ104は単一の要素として示されているが、いくつかの実施形態のコンデンサ104は、極紫外線112を反射及び集中するために、球面鏡、凸鏡、平面鏡、又はそれらの組み合わせなどの1つ又は複数の反射要素を含むことが理解される。例えば、いくつかの実施形態のコンデンサ104は、単一の凹面ミラー、又は凸面、凹面、及び平坦な光学要素を有する光学アセンブリである。
【0022】
[0027]EUV反射マスク106は、マスクパターン114を有する極紫外線反射要素である。EUV反射マスク106は、リソグラフィパターンを作成して、ターゲットウエハ110上に形成される回路レイアウトを形成する。EUV反射マスク106は、極紫外線112を反射する。マスクパターン114は、回路レイアウトの一部を画定する。
【0023】
[0028]光低減アセンブリ108は、マスクパターン114の画像を低減するための光学ユニットである。EUV反射マスク106からの極紫外線112の反射は、光学縮小アセンブリ108によって低減され、ターゲットウエハ110に反射される。いくつかの実施形態の光学的縮小アセンブリ108は、マスクパターン114の画像のサイズを縮小するためのミラー及び他の光学要素を含む。例えば、いくつかの実施形態の光学縮小アセンブリ108は、極紫外線112を反射及び集束するための球面鏡を含む。
【0024】
[0029]光学縮小アセンブリ108は、ターゲットウエハ110上のマスクパターン114の画像のサイズを縮小する。例えば、いくつかの実施形態のマスクパターン114は、ターゲットウエハ110上の光学縮小アセンブリ108によって4:1の比率で画像化され、ターゲットウエハ110上のマスクパターン114によって表される回路を形成する。いくつかの実施形態の極紫外線112は、反射マスク106をターゲットウエハ110と同期してスキャンして、ターゲットウエハ110上にマスクパターン114を形成する。
【0025】
[0030]ここで
図2を参照すると、極紫外線反射要素生成システム200の実施形態が示されている。極端極紫外線反射要素は、EUVマスクブランク204、極紫外線(EUV)ミラー205、又はEUV反射マスク106などの他の反射要素を含む。
【0026】
[0031]いくつかの実施形態の極紫外線反射要素生成システム200は、
図1の極紫外線光112を反射するマスクブランク、ミラー、又は他の要素を生成する。極紫外線反射素子製造システム200は、ソース基板203に薄いコーティングを適用することによって反射素子を製造する。
【0027】
[0032]EUVマスクブランク204は、
図1のEUV反射マスク106を形成するための多層構造である。いくつかの実施形態のEUVマスクブランク204は、半導体製造技術を使用して形成される。いくつかの実施形態のEUV反射マスク106は、エッチング及び他のプロセスによってマスクブランク204上に形成された
図1のマスクパターン114を有する。
【0028】
[0033]極紫外線ミラー205は、ある範囲の極紫外線を反射する多層構造である。いくつかの実施形態の極紫外線ミラー205は、半導体製造技術を使用して形成される。いくつかの実施形態のEUVマスクブランク204及び極紫外線ミラー205は、各要素上に形成された層に関して同様の構造であるが、極紫外線ミラー205は、マスクパターン114を有さない。
【0029】
[0034]反射要素は、極紫外線112の効率的な反射器である。一実施形態では、EUVマスクブランク204及び極紫外線ミラー205は、60%を超える極紫外線反射率を有する。反射要素は、それらが極紫外線112の60%を超えて反射する場合に効率的である。
【0030】
[0035]極紫外線反射要素生成システム200は、ソース基板203がロードされ、そこから反射要素がアンロードされるウエハローディング及びキャリアハンドリングシステム202を含む。大気ハンドリングシステム206は、ウエハハンドリング真空チャンバ208へのアクセスを提供する。いくつかの実施形態のウエハローディング及びキャリアハンドリングシステム202は、システム内で基板を大気から真空に移送するための基板輸送ボックス、ロードロック、及び他の構成要素を含む。EUVマスクブランク204は、非常に小規模でデバイスを形成するために使用されるので、ソース基板203及びEUVマスクブランク204は、汚染及び他の欠陥を防ぐために真空システムで処理される。
【0031】
[0036]いくつかの実施形態のウエハハンドリング真空チャンバ208は、2つの真空チャンバ、第1の真空チャンバ210及び第2の真空チャンバ212を含む。第1の真空チャンバ210は、第1のウエハハンドリングシステム210を含み、第2の真空チャンバ212は、第2のウエハハンドリングシステム216を含む。ウエハハンドリング真空チャンバ208は2つの真空チャンバで説明されているが、いくつかの実施形態のシステムは、任意の数の真空チャンバを有することが理解される。
【0032】
[0037]いくつかの実施形態のウエハハンドリング真空チャンバ208は、様々な他のシステムを取り付けるために、その周囲の周りに複数のポートを有する。第1の真空チャンバ210は、ガス抜きシステム218、第1の物理的気相堆積システム220、第2の物理的気相堆積システム222、及び予洗浄システム224を有する。ガス抜きシステム218は、基板から水分を熱的に脱着するためのものである。予洗浄システム224は、ウエハ、マスクブランク、ミラー、又は他の光学部品の表面を洗浄するためのものである。
【0033】
[0038]いくつかの実施形態の第1の物理的気相堆積システム220及び第2の物理的気相堆積システム222などの物理的気相堆積システムは、ソース基板203上に導電性材料の薄膜を形成するために使用される。例えば、いくつかの実施形態の物理的気相堆積システムは、マグネトロンスパッタリングシステム、イオンスパッタリングシステム、パルスレーザ堆積、カソードアーク堆積、又はそれらの組み合わせなどの真空気相堆積システムを含む。マグネトロンスパッタリングシステムなどの物理的気相堆積システムは、シリコン、金属、合金、化合物、又はそれらの組み合わせの層を含むソース基板203上に薄層を形成する。
【0034】
[0039]物理的気相堆積システムは、反射層、キャッピング層、及び吸収体層を形成する。例えば、いくつかの実施形態の物理的蒸気堆積システムは、シリコン、モリブデン、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化ニオビウム、タングステンルテニウム、モリブデンルテニウム、ニオブルテニウム、クロム、タンタル、窒化物、化合物、又はそれらの組み合わせの層を形成する。いくつかの化合物は酸化物として記載されているが、いくつかの実施形態の化合物は、酸化物、二酸化物、酸素原子を有する原子混合物、又はそれらの組み合わせを含むことが理解される。
【0035】
[0040]第2の真空チャンバ212は、第1のマルチカソード源226、化学気相堆積システム228、硬化チャンバ230、及びそれに接続された超平滑堆積チャンバ232を有する。例えば、いくつかの実施形態の化学気相堆積システム228は、流動性化学気相堆積システム(FCVD)、プラズマ支援化学気相堆積システム(CVD)、エアロゾル支援CVD、ホットフィラメントCVDシステム、又は同様のシステムを含む。別の例では、いくつかの実施形態の化学気相堆積システム228、硬化チャンバ230、及び超平滑堆積チャンバ232は、極紫外線反射素子製造システム200とは別のシステムにある。
【0036】
[0041]いくつかの実施形態の化学気相堆積システム228は、ソース基板203上に材料の薄膜を形成する。例えば、いくつかの実施形態の化学気相堆積システム228は、単結晶層、多結晶層、アモルファス層、エピタキシャル層、又はそれらの組み合わせを含むソース基板203上に、材料の層を形成するために使用される。いくつかの実施形態の化学気相堆積システム228は、シリコン、酸化シリコン、オキシ炭化シリコン、炭素、タングステン、炭化シリコン、窒化シリコン、窒化チタン、金属、合金、及び化学気相堆積に適した他の材料の層を形成する。例えば、いくつかの実施形態の化学気相堆積システムは、平坦化層を形成する。
【0037】
[0042]第1のウエハハンドリングシステム214は、連続真空において、大気処理システム206と第1の真空チャンバ210の周囲の様々なシステムとの間でソース基板203を移動させることができる。第2のウエハハンドリングシステム216は、ソース基板203を連続真空に維持しながら、ソース基板203を第2の真空チャンバ212の周りで動かすことができる。いくつかの実施形態の極紫外線反射素子製造システム200は、連続真空中で第1のウエハハンドリングシステム214と、第2のウエハハンドリングシステム216との間で、ソース基板203とEUVマスクブランク204とを転送する。
【0038】
[0043]以下のセクションでは、簡単にするために、EUVマスクブランク204の用語は、極紫外線ミラー205の用語と交換可能に使用される。EUVマスクブランク204は、マスクパターン114を有する反射マスク106を形成するために使用される光学的に平坦な構造である。1つ又は複数の実施形態では、EUVマスクブランク204の反射面は、
図1の極紫外線112などの入射光を反射するための平坦な焦点面を形成する。
【0039】
[0044]ここで、複数のカソードアセンブリ302a及び302bを含むPVDチャンバ300の実施形態を示す
図3を参照する。
図3の側面図には2つのカソードアセンブリ302a及び302bのみが示されているが、マルチカソードチャンバは、2つを超えるカソードアセンブリ、例えば、5つ、6つ、又は6つを超えるカソードアセンブリを含むことができる。上部シールド306は、複数のカソードアセンブリ302a及び302bの下に設けられ、上部シールド306は、2つのシールド孔304a及び304bを有し、カソードアセンブリ302aの底部に配置されたターゲット305a、305bをPVDチャンバ300の内部空間321に露出させる。複数のカソードアセンブリを含むPVDチャンバ300は、マルチカソードPVDチャンバとも呼ばれる。
【0040】
[0045]
図3のPVDチャンバ300は、モジュラーチャンバ本体を含み、中間チャンバ本体325は、下部チャンバ本体327の上に隣接して配置されている。中間チャンバ本体325は、下部チャンバ本体327に固定されて、下部シールド318及び中間シールド316を取り囲むモジュラーチャンバ本体を形成する。上部アダプタリッド(図示せず)は、上部シールド306を取り囲むように中間チャンバ本体325の上に配置されている。
【0041】
[0046]PVDチャンバ300はまた、回転ペデスタル310を備えている。
図3のPVDチャンバ300の上部シールド306は実質的に平坦であることが理解されよう。しかしながら、いくつかの実施形態による上部シールド306は、ドーム型又は円錐形であってよい。
【0042】
[0047]上部シールド306は、第1のシールド孔と第2のシールド孔との間の領域307に隆起領域309を含む。PVDチャンバ300は、上部シールド306を回転させることなく、第1のターゲット305a及び第2のターゲット305bから材料を交互にスパッタリングするように構成される。
【0043】
[0048]1つ又は複数の実施形態では、隆起領域309は高さHを有し、隆起領域の高さHは、スパッタリングプロセス中に、第1のターゲット305aからスパッタリングされた材料が第2のターゲット305bに堆積するのを防ぎ、第2のターゲット305bからスパッタリングされた材料が第1のターゲット305aに堆積するのを防ぐのに十分である。
【0044】
[0049]本開示の1つ又は複数の実施形態によれば、第1のカソードアセンブリ302aは、第1のバッキングプレートから離隔された第1の磁石を含み、第2のカソードアセンブリ302bは、第2の磁石320bを含み、第1の磁石320a及び第2の磁石320bは、矢印311bによって示されるように、線形アクチュエータ313a及び線形アクチュエータ313bによって移動可能である。線形アクチュエータ313a及び線形アクチュエータ313bは、それぞれ、第1の磁石アセンブリ315a及び第2の磁石アセンブリ315bの線形運動をもたらすことができる任意の適切な装置を備えることができる。第1の磁石アセンブリ315aは、回転モータ317aを含み、これは、回転モータ317aに結合されたシャフト319aを介して第1の磁石320aを回転させるサーボモータを含むことができる。第2の磁石アセンブリ315bは、回転モータ317bを含み、これは、回転モータ317bに結合されたシャフト319bを介して第2の磁石320bを回転させるサーボモータを含むことができる。第1の磁石アセンブリ315aは、第1の磁石320aに加えて複数の磁石を含み得ることが理解されよう。同様に、第2の磁石アセンブリ315bは、第2の磁石320bに加えて、複数の磁石を含み得る。
【0045】
[0050]いくつかの実施形態では、第1のターゲット305aはモリブデンターゲットを含み、第2のターゲット305bはシリコンターゲットを含み、PVDチャンバ300は、第3のターゲット305を支持するための第3のバッキングプレートを含む(図示せず)第3のカソードアセンブリ(図示せず)、及び第4のターゲット(図示せず)を支持するように構成された第4のバッキングプレートを含む第4のカソードアセンブリ(図示せず)を更に備える。1つ又は複数の実施形態による第3のカソードアセンブリ及び第4のカソードアセンブリは、ここに記載される第1及び第2のカソードアセンブリ302a、3202bと同じ方法で構成される。特定の実施形態では、ターゲットはシリコンを含み、第2のターゲットはシリコンを含み、第3のターゲットはシリコンを含み、第4のターゲットはモリブデンを含む。いくつかの実施形態における第1のターゲットは、スパッタリングされてSiNxを形成し、第2のターゲットは、スパッタリングされてSiOxNy、金属層、又は合金層を形成する。いくつかの実施形態では、第1のターゲットはスパッタリングされてSiOxNyを形成し、第2のターゲットはスパッタリングされて金属層又は合金層を形成する。1つ又は複数の実施形態では、例示的な金属には、Mo、及びAlが含まれ、例示的な合金には、MoSix、AlSix、MoxAlyが含まれる。したがって、いくつかの実施形態では、第1のターゲット及び第2のターゲットはスパッタリングされて、SiNx/Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、及びSiOxNy/MoxAly二重層を形成する。1つ又は複数の実施形態では、第3のターゲット及び第4のターゲットは、Mo/Siの多層スタックを形成するためにスパッタリングされる。
【0046】
[0051]プラズマスパッタリングは、PVDチャンバ300においてDCスパッタリング又はRFスパッタリングのいずれかを使用して達成することができる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、RF及びDCエネルギーを各カソードアセンブリに関連するターゲットに結合するための供給構造を含む。カソードアセンブリ302aの場合、供給構造の第1の端部は、RF電源348a及びDC電源350aに結合することができ、これは、それぞれ、RF及びDCエネルギーをターゲット305aに提供するのに利用できる。RF電源348aは349aでRF電力に結合され、DC電源350aは351aでDC電力に結合されている。例えば、DC電源350aを利用して、ターゲット305aに負の電圧又はバイアスを印加することができる。いくつかの実施形態では、RF電源348aによって供給されるRFエネルギーは、周波数が約2MHz~約60MHzの範囲であり得るか、又は、例えば、2MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、若しくは60MHzなどの非制限周波数を使用できる。いくつかの実施形態では、複数のRF電源を提供して(すなわち、2つ以上)、上記の複数の周波数でRFエネルギーを提供することができる。
【0047】
[0052]同様に、カソードアセンブリ302bの場合、供給構造の第1の端部は、RF電源348b及びDC電源350bに結合することができ、これは、それぞれ、RF及びDCエネルギーをターゲット305bに提供するのに利用できる。RF電源348bは349aでRF電力に結合され、DC電源350bは351bでDC電力に結合されている。例えば、DC電源350bを利用して、ターゲット305bに負の電圧又はバイアスを印加することができる。いくつかの実施形態では、RF電源348bによって供給されるRFエネルギーは、周波数が約2MHz~約60MHzの範囲であり得るか、又は、例えば、2MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、若しくは60MHzなどの非制限周波数を使用できる。いくつかの実施形態では、複数のRF電源を提供して(すなわち、2つ以上)、上記の複数の周波数でRFエネルギーを提供することができる。
【0048】
[0053]示される実施形態は、カソードアセンブリ302a及び302bのための個別のRF電源348a及び348b、並びにカソードアセンブリ302a及び302bのための個別のDC電源350a及び350bを含む一方で、PVDチャンバは、単一のRF電源と、各カソードアセンブリへの供給を備えた単一のDC電源とを含むことができる。
【0049】
[0054]
図3に示されるPVDチャンバ300は、PVDプロセス中に汚染に曝される取り外し可能なPVDチャンバ内部部品を含む。これらの取り外し可能なPVDチャンバ内部部品は、まとめて「プロセスキット」と呼ばれ得る。
図3では、プロセスキットは、上部シールド306、中間シールド316、及び下部シールド318を含む。いくつかの実施形態では、上部シールド306、中間シールド316、及び下部シールド318などの単一のシールド又は複数のシールドは、PVDチャンバ300の内部を裏打ちするライナーを備える。いくつかの実施形態におけるライナーは、Al/O表面を含む。いくつかの実施形態によるプロセスキットは、リストされた構成要素、並びに底部ライナー、堆積リング、カバーリング、及びターゲットバッキング板シールドなどの他の構成要素を更に含み得る。
【0050】
[0055]いくつかの実施形態では、PVDチャンバ300は、コントローラ390を備えている。単一のコントローラ又は複数のコントローラが存在して良い。複数のコントローラが存在する場合、各コントローラは、他の各コントローラと通信して、PVDチャンバ300の全体的な機能を制御する。例えば、複数のコントローラが使用されている場合、プライマリ制御プロセッサが他の各コントローラに結合されて通信し、システムを制御する。コントローラは、様々なチャンバやサブプロセッサを制御するための産業環境で使用できる、あらゆる形式の汎用コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどの1つである。ここで使用される場合、「通信中」とは、コントローラが有線通信回線を介して又は無線で信号を送受信できることを意味する。
【0051】
[0056]各コントローラは、プロセッサ392、プロセッサに結合されたメモリ394、プロセッサ392に結合された入力/出力デバイス、異なる電子部品間の通信を提供するサポート回路396及び398を備える。メモリは、1つ又は複数の一時メモリ(ランダムアクセスメモリなど)及び非一時メモリ(ストレージなど)を含み、プロセッサのメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はローカル若しくはリモートの他の形式のデジタルストレージなどのすぐに利用できるメモリの1つ又は複数であって良い。メモリは、システムのパラメータと構成要素を制御するためにプロセッサによって操作可能な命令セットを保持できる。サポート回路は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにプロセッサに結合される。回路は、例えば、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステムなどを含み得る。
【0052】
[0057]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてメモリに格納され得る。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されているハードウェアから離れて配置されている第2のプロセッサによって格納及び/又は実行され得る。1つ又は複数の実施形態では、本開示の方法のいくつか又はすべては、制御されたハードウェアである。したがって、いくつかの実施形態では、プロセスは、ソフトウェアによって実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装としてのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実行される。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する特定の目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0053】
[0058]いくつかの実施形態では、マルチカソード物理的気相堆積(PVD)チャンバ300は、第1のシリコンターゲット、第2のシリコンターゲット、第3のシリコンターゲット及びモリブデンターゲット、並びにPVDチャンバの内部を裏打ちし、回転するように構成されたライナーを備える。ライナーは、上記のように1つ又は複数のシールドで構成できる。PVDチャンバ300は、第1のシリコンターゲットがスパッタリングされるときにライナー上へのSiNx層の堆積中、及び第2のシリコンターゲットがスパッタリングされるときにSiNx/SiOxNy二重層を形成するためのSiNx層上へのSiOxNy層の堆積中に、ライナーの回転を制御するように構成されたコントローラを更に含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、3~8個のSiNx/SiOxNy二重層を形成するように構成される。
【0054】
[0059]いくつかの実施形態では、コントローラは、第1のターゲットがスパッタリングされてSiNxを形成するときに、堆積中にライナーの回転を制御するように構成されており、そして第2のターゲットはスパッタリングされて、SiOxNy、金属ターゲットからの金属層、又は合金層を形成する。いくつかの実施形態では、第1のターゲットはスパッタリングされてSiOxNyを形成し、第2のターゲットはスパッタリングされて金属ターゲット又は合金層から金属層を形成する。1つ又は複数の実施形態では、例示的な金属には、Mo、及びAlが含まれ、例示的な合金には、MoSix、AlSix、MoxAlyが含まれる。したがって、いくつかの実施形態では、第1のターゲットと第2のターゲットがスパッタリングされて、SiNx/Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、及びSiOxNy/MoxAly二重層を形成するときの堆積中、コントローラは、ライナーの回転を制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、コントローラは、基板をチャンバにロードする前にライナーの回転を停止するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、第3のシリコンターゲット及び第4のモリブデンターゲットを交互にスパッタリングすることによって、基板上にモリブデンとシリコンの交互層の多層スタックを形成するようにチャンバを制御するように構成される。
【0055】
[0060]ここで
図4を参照すると、極紫外線反射要素502の実施形態が示されている。1つ又は複数の実施形態では、極紫外線反射要素502は、
図2のEUVマスクブランク204又は
図2の極紫外線ミラー205である。EUVマスクブランク204及び極紫外線ミラー205は、
図1の極紫外線光112を反射するための構造である。EUVマスクブランク204は、
図1に示されるEUV反射マスク106を形成するために使用される。
【0056】
[0061]極紫外線反射素子502は、基板504、反射層の反射多層スタック506、及びキャッピング層508を含む。反射多層スタック506は、例えば13.5nmの波長でEUV放射を反射する。1つ又は複数の実施形態では、極紫外線ミラー205を使用して、
図1のコンデンサ104又は
図1の光学還元アセンブリ108で使用するための反射構造を形成する。
【0057】
[0062]いくつかの実施形態ではEUVマスクブランク204である極紫外線反射素子502は、基板504、シリコンとモリブデンの交互層を含む反射層の反射多層スタック506、及び任意選択のキャッピング層508を含む。いくつかの実施形態における極紫外線反射要素502は、パターン化によって
図1の反射マスク106を形成するために使用されるEUVマスクブランク204である。以下のセクションでは、簡単にするために、EUVマスクブランク204についての用語は、極紫外線ミラー205の用語と交換可能に使用される。
【0058】
[0063]EUVマスクブランク204は、マスクパターン114を有する反射マスク106を形成するために使用される光学的に平坦な構造である。1つ又は複数の実施形態では、EUVマスクブランク204の反射面は、
図1の極紫外線112などの入射光を反射するための平坦な焦点面を形成する。
【0059】
[0064]基板504は、極紫外線反射要素502に構造的支持を提供するための要素である。1つ又は複数の実施形態では、基板504は、温度変化中の安定性を提供するために、低い熱膨張係数(CTE)を有する材料から作られている。1つ又は複数の実施形態では、基板504は、機械的サイクリング、熱サイクリング、結晶形成、又はそれらの組み合わせに対する安定性などの特性を有する。1つ又は複数の実施形態による基板504は、シリコン、ガラス、酸化物、セラミック、ガラスセラミック、又はそれらの組み合わせなどの材料から形成される。
【0060】
[0065]反射多層スタック506は、極紫外線112に対して反射する構造である。反射多層スタック506は、第1の反射層512及び第2の反射層514の交互する反射層を含む。第1の反射層512及び第2の反射層514は、
図4の反射対516を形成する。非限定的な実施形態では、多層スタック506は、合計で最大120個の反射層のために、20~60の範囲の反射対516を含む。
【0061】
[0066]1つ又は複数の実施形態による第1の反射層512及び第2の反射層514は、様々な材料から形成される。一実施形態では、第1の反射層512及び第2の反射層514は、それぞれ、シリコン及びモリブデンから形成される。いくつかの実施形態の第1の反射層512及び第2の反射層514は、様々な構造を有する。一実施形態では、第1の反射層512及び第2の反射層514の両方が、単一層、複数層、分割層構造、不均一構造、又はそれらの組み合わせで形成される。ほとんどの材料は極紫外線波長の光を吸収するため、他のリソグラフィシステムで使用されているように、使用される光学素子は透過性ではなく反射性である。反射多層スタック506は、ブラッグ反射器又はミラーを作製するために、異なる光学特性を有する材料の薄い層を交互に有することによって反射構造を形成する。
【0062】
[0067]一実施形態では、交互層のそれぞれは、極紫外線112に対して異なる光学定数を有する。交互層の厚さの周期が極紫外線112の波長の半分である場合、交互層は共鳴反射率を提供する。一実施形態では、13.5nmの波長における極紫外線112の場合、交互層は約6.5nm厚である。提供されるサイズと寸法形状は、一般的な要素の通常の工学公差の範囲内であることが理解される。
【0063】
[0068]1つ又は複数の実施形態による反射多層スタック506は、様々な方法で形成される。一実施形態では、第1の反射層512及び第2の反射層514は、マグネトロンスパッタリング、イオンスパッタリングシステム、パルスレーザ堆積、カソードアーク堆積、又はそれらの組み合わせで形成される。
【0064】
[0069]例示的な実施形態では、反射多層スタック506は、マグネトロンスパッタリングなどの物理的気相堆積技術を使用して形成される。一実施形態では、反射多層スタック506の第1の反射層512及び第2の反射層514は、正確な厚さ、低粗さ、及び層間のきれいな界面を含み、マグネトロンスパッタリング技術によって形成されるという特徴を有する。一実施形態では、反射多層スタック506の第1の反射層512及び第2の反射層514は、正確な厚さ、低粗さ、及び層間のきれいな界面を含み、物理的気相堆積によって形成されるという特徴を有する。
【0065】
[0070]物理的気相堆積技術を使用して形成された反射多層スタック506の層の物理的寸法形状は、反射率を高めるために正確に制御される。一実施形態では、シリコンの層などの第1の反射層512は、4.1nmの厚さを有する。モリブデンの層などの第2の反射層514は、2.8nmの厚さを有する。層の厚さは、極紫外線反射素子のピーク反射波長を決定する。層の厚さが正しくない場合、いくつかの実施形態の所望の波長13.5nmでの反射率が低下した。
【0066】
[0071]1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層508は、極紫外線112の透過を可能にする保護層である。一実施形態では、キャッピング層508は、反射多層スタック506上に直接形成される。1つ又は複数の実施形態では、キャッピング層508は、反射性多層スタック506を汚染物質及び機械的損傷から保護する。一実施形態では、反射多層スタック506は、酸素、炭素、炭化水素、又はそれらの組み合わせによる汚染に敏感である。一実施形態によるキャッピング層508は、汚染物質と相互作用してそれらを中和する。
【0067】
[0072]通常、マルチカソード(MC)チャンバでは、ターゲットは回転シールドを介してMCチャンバに曝される。シールドは最初に堆積のためにシリコンターゲットに移動し、次にモリブデンターゲットに回転する。これは、回転シールドが回転シールドの同じ開口部(又は孔)からのモリブデン又はシリコンターゲットの堆積に曝されることになることを意味し、したがって、プロセスキットの他の部分と比較して回転シールド上に比較的均一な堆積を提供する。しかしながら、下部のプロセスキット(つまり、エクステンションシールド、コニカルシールド、カバーリング、堆積リング、パック)では、非対称の堆積が見られる。したがって、純粋なシリコンの堆積が見られる下部プロセスキットの領域(シリコンが豊富な領域)と、純粋なモリブデンの堆積が見られる部分がある。
【0068】
[0073]EUVマスクブランクの形成中の堆積プロセス中に発生する欠陥の主な原因の1つは、チャンバ内部の表面への接着性が低いためにPVDチャンバ内のプロセスキットから剥がれ落ちたSiリッチフレークであることが発見され、これはAl/Oで構成されている。「ペースト化(pasting)」と呼ばれるプロセスでは、モリブデンの堆積を利用して、堆積したシリコンをペースト化し(つまり、モリブデンがシリコンの上に堆積し、シリコンを所定の位置に保持する。)、これにより、シリコンの剥離が防止される。しかしながら、各Si堆積後にプロセスキットをMoをペースト化する一方で、プロセスキットへの厚いSi層の蓄積を減らすことができると判断され、モリブデンのペースト化は、Siのプラズマプリュームプロファイルと比較してMoのプラズマプリュームプロファイルがはるかに小さいため、MoがプロセスキットのすべてのSi堆積領域をペースト化するのを防ぐ。
【0069】
[0074]本開示の1つ又は複数の実施形態では、接着性緩衝材料をPVDチャンバ内部450に施用することを含む方法が提供され、例えば、EUVマスクブランクなどのEUV反射要素502の製造中、プロセスキットは、Mo/Si多層スタック506を堆積する前のAl/O表面を含む。いくつかの実施形態における接着性緩衝剤材料の特徴は、接着性緩衝剤材料が、粒子の剥離及び欠陥の発生を防ぐために、Al/O及びMo/Siの両方に対して十分な接着性を示すことである。
【0070】
[0075]本開示の実施形態は、窒化シリコン(SiO
xN
y)、例えば、Si
2N
2O、及び窒化シリコン(SiN
x)、例えば、Si
3N
4、PVDチャンバの内部構成要素の少なくとも一部上の多層、例えば、プロセスキット構成要素、ライナーを含む層状接着剤コーティングを形成することに関する。いくつかの実施形態では、ライナーは、
図3に示されるように、上部シールド306、中間シールド316、及び下部シールド318のうちの少なくとも1つ、並びに下部ライナー、堆積リング、カバーリング及びターゲットバッキングプレートシールドなどの他の構成要素を含む。いくつかの実施形態では、窒化シリコン(SiO
xN
y)と窒化シリコン(SiN
x)の交互層が、1つ又は複数のプロセスキット構成要素などのPVDチャンバの内部構成要素上に形成される。
【0071】
[0076]本開示の特定の実施形態によれば、
図5を参照して、ライナーなどのPVDチャンバの内部構成要素602は、Al/O表面を含むものとして示されている。一実施形態によるPVDチャンバの内部構成要素602は、
図3に示されるように、上部シールド306、中間シールド316、及び下部シールド318などの1つ又は複数のプロセスキット構成要素、並びに下部ライナー、堆積リング、カバーリング及びターゲットバッキングプレートシールドなどの他の構成要素を含む。SiN
x層603は、PVDチャンバの内部構成要素602上に堆積される。いくつかの実施形態によれば、SiN
xは、Al/Oとの間の良好な接着のために、Al/Oを含む内部構成要素602上に堆積される第1の層である。1つ又は複数の実施形態によれば、第1のSiNx層603は、20~50nmの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、1~5mTorrの範囲の圧力及び300~1,500Wの範囲の電力で5~30sccmの範囲で流れるAr/N
2ガス混合物を用いた物理的気相堆積により、パルスDC又はRF(13.56MHz)ソースを使用して、第1のシリコンターゲットから材料を反応的にスパッタリングして、SiN
x層603が形成される。次に、SiO
xN
y層605がSiN
x層603上に形成される。SiO
xN
y層605は、反射多層スタック606の構成要素であるMoとSiの両方の間の接着を提供する。SiO
xN
y層605は、PVDによって、1~5mTorrの範囲の圧力で5~30sccmの範囲を流れるAr/N
2/O
2ガス混合物を使用して、パルスDC又はRF(13.56MHz)源で300~1500Wの範囲の電力を使用して第2のシリコンターゲットから反応的に材料をスパッタリングすることで、5~30nmの範囲の厚さに形成される。
図5に示されるように、SiN
x層603及びSiO
xN
y層605から構成される複数の追加の二重層607は、SiN
x層613及びSiO
xN
y層615で終端するように形成することができる。SiN
x/SiO
xN
yの二重層の数は、コーティングされるPVDチャンバの内部構成要素602の粗さに応じて、3~10個の二重層の範囲で変えることができる。プロセスキットなどの内部構成要素602の平均粗さは、250Ra~1,200Raの範囲で変化し得る。3~10個の二重層は、3、4、5、6、7、8、9又は10個のSiN
x/SiO
xN
y二重層からなる二重層スタック610を形成することができる。3~10個のSiN
x/SiO
xN
y二重層を形成した後、Mo/Siリフレクタスタック606を上記のPVDプロセスを使用して堆積する。
【0072】
[0077]いくつかの実施形態では、以下の二重層のうちの1つの3~10個が形成される:SiNx/二重層、Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、及びSiOxNy/MoxAly二重層。層の厚さは、二重層の第1及び第2の層について上記で提供された範囲内であり得る。3~10個の二重層を形成した後、Mo/Siリフレクタスタック606を、上記のようにPVDプロセスを使用して堆積する。
【0073】
[0078]
図6を参照すると、1つ又は複数の実施形態では、極紫外線(EUV)マスクブランク650を製造する方法は、660でPVDチャンバの内部構成要素にSiN
xを堆積し、次いで670でSiO
xN
y層を堆積することを含む。次に、ステップ660及び670を繰り返して、3、4、5、6、7、8、9又は10回形成して、3、4、5、6、7、8、9又は10個のSiN
x/SiO
xN
y二重層を形成する。代替の実施形態では、この方法は、3、4、5、6、7、8、9又は10個のSiN
x/Al二重層、SiN
x/MoSi
x二重層、SiN
x/AlSi
x二重層、SiN
x/Mo
xAl
y二重層、SiO
xN
y/Mo二重層、SiO
xN
y/Al二重層、SiO
xN
y/MoSi
x二重層、SiO
xN
y/AlSi
x二重層及びSiO
xN
y/Mo
xAl
y二重層を形成することができる。次に、690で、基板は、690で、マルチカソード(MC)物理的気相堆積(PVD)チャンバに配置される。方法600はさらに、690に多層リフレクタスタック、例えば、第3のシリコンターゲット及び第4のモリブデンターゲットを交互にスパッタリングすることによるSi/Moスタックを堆積することを含む。その後、この方法を繰り返すことができる。
【0074】
[0079]1つ又は複数の実施形態によれば、PVDチャンバの内部構成要素、例えば、
図3に示されるような上部シールド306、中間シールド316、及び下部シールド318などのプロセスキット構成要素を回転させることが決定され、これは、いわゆるチャンバ「ライナー」を集合的に提供することができ、結果としてPVDチャンバの内部構成要素のカバレッジが向上する。回転シャフト319aに結合された回転ペデスタル310は、
図3に示されるように、軸322を中心に矢印314の方向に回転する。回転ペデスタルは、ライナー、例えば、中央シールド316に結合することができる下部シールド318に結合することができ、これは、上部シールド306に結合することができる。いくつかの実施形態では、ライナーは、単一の連続シールド又は2つのシールド構成要素を含むことができる。したがって、PVDチャンバ300のライナー又は少なくとも1つのシールド(例えば、下部シールド318、中間シールド316又は上部シールド306、あるいは下部シールド318の3つすべて、中間シールド316又は上部シールド306)を回転させることによって、SiN
x/SiO
xN
y二重層、SiN
x/Mo二重層、SiN
x/Al二重層、SiN
x/MoSi
x二重層、SiN
x/AlSi
x二重層、SiN
x/Mo
xAl
y二重層、SiO
xN
y/Mo二重層、SiOxN
y/Al二重層、SiOxN
y/MoSi
x二重層、SiO
xN
y/AlSi
x二重層又はSiO
xN
y/Mo
xAl
y二重層は、シールド/ライナー上のSiN
x/SiO
xN
y二重層の均一性を向上させる。いくつかの実施形態では、PVDチャンバ300は、少なくとも下部シールド318からなるチャンバライナーを回転させる回転アダプタ324を備え、いくつかの実施形態では、回転ペデスタル310から中間チャンバ本体325まで延びる単一のシールド又はライナーは、均一なSiN
x/SiO
xN
y二重層を提供する。回転アダプタ324は、1つ又は複数のシールドの形で、回転ペデスタル310の回転運動をチャンバライナーに伝達する。回転アダプタ324は、ねじ又はボルトなどの留め具によって固定するか、別の方法で回転ペデスタル310に固定することができ、ペデスタル310が軸314を中心に軸314を中心に矢印314の方向に回転すると、回転アダプタ324は次に回転し、これは、1つ又は複数のシールドの形でライナーを回転させることができる。1つ又は複数の実施形態では、チャンバライナーの回転速度は最大20rpmであり得る。
【0075】
[0080]1つ又は複数の実施形態では、方法は、2つのSiターゲットにマルチカソードPVDチャンバを提供して、内部構成要素、例えば、PVDチャンバのライナー又はシールド上にSiNx/SiOxNy二重層コーティングを形成することを含む。1つ又は複数の実施形態では、第1のSiターゲットがSiNx堆積に使用され、第2のSiターゲットがSiOxNy堆積に使用される。コーティングの均一性を確保するために、チャンバライナー(1つ又は複数のシールドなど)は、SiNx/SiOxNy二重層堆積プロセス中に回転している。いくつかの実施形態では、チャンバライナー又は1つ若しくは複数のシールドの回転速度は、各SiNx層及び各SiOxNy層の堆積に対して3~5回の完全な回転サイクルが存在するように制御される。
【0076】
[0081]1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、
図6の655に示されるように、チャンバライナーを回転させることを含む。次に、660でAr/N
2ガス混合物を流し、チャンバライナーの回転速度を設定して、チャンバライナーの回転の3~5サイクルの範囲にわたってSiN
xを堆積することにより、SiN
x層を堆積する。670でAr/N
2/O
2ガス混合物を流し、チャンバライナーの回転速度を設定して、チャンバライナーの回転の3~5サイクルの範囲にわたってSiO
xN
yを堆積することにより、SiO
xN
y層を堆積する。次に、670で、コーティングされているライナー又はシールドの粗さに応じて、ステップ660及び670を3~10回繰り返す。次に、チャンバライナーの回転を停止し、基板を690でチャンバ内に配置し、695で基板上にSi/Mo多層スタックを形成する。
【0077】
[0082]1つ又は複数の実施形態によれば、SiNx/SiOxNy二重層、SiNx/Mo二重層、SiNx/Al二重層、SiNx/MoSix二重層、SiNx/AlSix二重層、SiNx/MoxAly二重層、SiOxNy/Mo二重層、SiOxNy/Al二重層、SiOxNy/MoSix二重層、SiOxNy/AlSix二重層、又はSiOxNy/MoxAly二重層は、二重層の2つの構成要素を組み合わせることにより、Al/OとMo/Siの両方に対して良好な接着性を示す。いくつかの実施形態では、二重層の堆積中にチャンバライナー又はシールドを回転させることにより、プロセスキット構成要素などのPVDチャンバの内部構成要素上により均一なコーティングが提供される。1つ又は複数の実施形態では、二重層は、プロセスキットなどのPVDチャンバの内部構成要素上の緩んだAl/Oを覆い、したがって、Al/Oの欠陥をゼロに等しいかゼロ近くまで低減する。Mo/Siの堆積も二重層に接着するため、Mo/Siフレークの欠陥も大幅に減少する。いくつかの実施形態では、Si/Mo多層スタックを堆積する前に、PVDチャンバの内部構成要素に二重層を適用することにより、生産工程の50%を超えるまで二重層を使用せず、欠陥がゼロであった場合、EUVマスクブランク製造中のMo/Siの多層スタックの堆積中のゼロ欠陥の収率は、ゼロ欠陥のある製造実行の10%から増加した。
【0078】
[0083]この明細書全体を通じての、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「1つ又は複数の実施形態(one or more embodiments)」、又は、「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体の様々な場所での「1つ又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」又は「実施形態において」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ若しくは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0079】
[0084]ここでの開示は具体的な実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態が本開示の原理及び用途の単なる例示であることは理解されたい。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図されている。
【国際調査報告】