(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】3次元的にパターン化可能なサーマルインターフェース
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20221220BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20221220BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221220BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H01L23/36 D
B29C64/106
B33Y10/00
H05K7/20 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524051
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 US2020057279
(87)【国際公開番号】W WO2021081474
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】ゴリ、 プラディユムナ
(72)【発明者】
【氏名】チェスターフィールド、 レイド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブレン、 マシュー
(72)【発明者】
【氏名】オルソン、 ケヴィン
【テーマコード(参考)】
4F213
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
4F213AA33
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4F213AR17
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5F136FA84
5F136GA26
(57)【要約】
【解決手段】
サーマルインターフェース本体の3次元形状は、電子パッケージ内の放熱経路に沿った不規則なギャップを実質的に充填するようにカスタマイズされてよい。サーマルインターフェース本体は、付加堆積工程によって製造され、サーマルインターフェース材料の連続パターンは、サーマルインターフェース材料の他の堆積パターンにコヒーレントに接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1硬化性樹脂前駆体を含む第1材料を、複数の個別の体積の第1パターンで表面に適用すること、前記第1硬化性樹脂前駆体はシリコーンを含み、第1初期粘度及び少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す;並びに
前記第1硬化性樹脂前駆体及び第2材料の少なくとも1つを、前記第1材料と接触する個別の体積の第2パターンで適用すること、前記第2材料は、前記第1粘度とは異なる第2粘度及び少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す:
を含む、サーマルインターフェース本体を形成するための方法。
【請求項2】
前記適用が、付加的にパターン化可能なディスペンサーにより実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1硬化性樹脂前駆体が、第1負荷濃度の熱伝導性粒子を含み、前記第2材料が、第2負荷濃度の熱伝導性粒子を含み、前記第1負荷濃度が前記第2負荷濃度とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1硬化性樹脂前駆体が、異なる粒子径の範囲を有する熱伝導性粒子を含み、最大粒子径が最小粒子径より少なくとも1.3倍大きい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
間隔を空けて配置された個別の体積で少なくとも第1パターン又は第2パターンを適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
適用後に個別の体積の少なくとも一部が統合される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2材料がシリコーンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1硬化性樹脂前駆体を、前記第1初期粘度よりも実質的に高い硬化粘度に硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1初期粘度が200,000cP未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2材料を、第2初期粘度よりも実質的に大きい第2硬化粘度係数に硬化させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2初期粘度が200,000cP未満である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1硬化性樹脂前駆体が、溶媒、反応触媒、及び前記反応触媒を化学的に妨害するのに有効な反応抑制剤を含み、前記反応抑制剤が前記溶媒よりも低い蒸気圧を有し、前記第2材料が第2硬化性樹脂前駆体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体がそれぞれ、ビニル含有シリコーンポリマー及び水素化物含有シリコーンポリマーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1硬化性樹脂前駆体が、ビニル含有シリコーンポリマー及び水素化物含有シリコーンポリマーの一方を過剰に含み、前記第2硬化性樹脂前駆体が、ビニル含有シリコーンポリマー及び水素化物含有シリコーンポリマーの他方を過剰に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2パターンを印刷する前に、前記第1パターンの前記第1硬化性樹脂前駆体中の溶媒の少なくとも80%を除去することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記表面が電子部品の放熱面である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記電子部品がプラグ可能な光モジュールである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
複数の個別の体積の第1パターンで第1硬化性樹脂前駆体を表面上に分配すること;
前記第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体のうちの少なくとも1つを、複数の個別の体積の第2パターンで、前記表面及び前記個別の体積の第1パターンの少なくとも1つに分配すること;
分配後、前記第1硬化性樹脂前駆体を硬化させて粘度を調整すること;
を含む、サーマルインターフェース本体を形成するための方法であって、
前記サーマルインターフェース本体が、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す、方法。
【請求項19】
架橋による硬化前に、前記第1硬化性樹脂前駆体を乾燥させて、その粘度を少なくとも10
6cPに増加させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
プロセッサに伝達可能にリンクされたディスペンサーを提供すること;
ギャップの第1幅、第2幅、及び厚さの寸法のうちの1つ又は複数を含む入力パラメータを規定すること;
前記入力パラメータを前記プロセッサに提供すること;並びに
前記入力パラメータに基づいて、
(i)前記電子部品及び前記放熱器の少なくとも1つに関連する表面上の第1硬化性樹脂前駆体の第1層であって、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を有する第1層、及び
(ii)前記第1層と接触する、前記第1硬化性樹脂前駆体又は第2組成物の第2層を、
前記ディスペンサーで付加的に適用すること;
を含む、電子部品と放熱器との間のギャップを充填するための方法。
【請求項21】
前記第1層が、前記第1硬化性樹脂前駆体の複数の個別の体積の第1パターンを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2層が、複数の個別の体積の第2パターンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2組成物が、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を有する第2硬化性樹脂前駆体を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ディスペンサーが、付加的にパターン化可能なディスペンサーである、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも前記第1パターン及び第2パターンから、前記第1幅、前記第2幅、及び前記厚さの寸法を有するようにサーマルインターフェース本体を付加的に構築することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記厚さ寸法が不均一である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記厚さ寸法が、ギャップ全体で100マイクロメートル未満である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
サーマルインターフェース本体の熱伝導率が少なくとも0.2W/m・Kである、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第1層及び第2層のそれぞれが、熱伝導性粒子を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記第1層及び第2層のそれぞれが、初期予備硬化粘度及び前記予備硬化粘度よりも大きい硬化粘度を示す、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2層が、熱伝導性粒子の負荷濃度、硬化粘度、初期予備硬化粘度、平均熱伝導性粒子径、熱伝導性粒子径の分布、硬化速度、及び厚さ寸法のうちの少なくとも1つによって前記第1層と異なる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
光学表面プロファイリングを使用して、前記第1幅、前記第2幅、及び前記厚さの寸法を規定することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
電子部品、
放熱器、及び
前記電子部品と前記放熱器の間に挿入され、熱的に接触するサーマルインターフェース本体、
を含む、電子パッケージであって、
前記サーマルインターフェース本体は、複数の分配された層から形成され、各層は、硬化性樹脂前駆体の複数の個別の体積の配列として分配され、続いて硬化され、
前記サーマルインターフェース本体は、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す、電子パッケージ。
【請求項34】
前記層の少なくとも1つが、シリコーンマトリックス及びその中に分散された熱伝導性粒子を含む、請求項33に記載の電子パッケージ。
【請求項35】
第1印刷層の第1組成物が、第2層の第2組成物とは異なる、請求項34に記載の電子パッケージ。
【請求項36】
前記第1組成物が、前記第2組成物よりも高いヤング率を示す、請求項35に記載の電子パッケージ。
【請求項37】
前記電子部品が電池を含む、請求項33に記載の電子パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にサーマルインターフェースに関するものであり、より具体的には、電子部品と放熱器との間のギャップを実質的に充填するためのカスタマイズ可能なサーマルインターフェース本体に関する。サーマルインターフェース本体は、付加堆積によって形成されカスタマイズ可能な形状を実現する。
【背景技術】
【0002】
熱透過性材料は、例えば、熱を発生する電子部品と放熱器との間のインターフェースとして広く使用され、電子部品から熱的に結合された放熱器への過剰な熱エネルギーの移動を可能にする。このようなサーマルインターフェースのために数多くの設計と材料が実行されており、サーマルインターフェースと各伝熱面との間のギャップが実質的に回避されたときに最高の性能が達成される。したがって、サーマルインターフェース材料は、各構成要素のやや不均一な伝熱面に適合していることが好ましい。
【0003】
適合性のあるサーマルインターフェース材料の例としては、酸化アルミニウムや窒化ホウ素のような熱伝導性粒子で充填されたマトリックスを形成するシリコーンポリマーが挙げられる。この材料は典型的に、室温であろうと高温であろうと、インターフェース表面の不規則性に適合するのに十分な柔軟性を備えている。シリコーングリース又はワックスは、特に高い動作温度では形状安定性がない傾向があるため、時間の経過とともにインターフェース位置からブリードアウトすることがある。この課題に対処するために、いくつのインターフェース材料は、特殊な取り付け技術及び工具を必要とするフィルム、シート、テープ、又はパッドとしてパッケージ化されている。多くの場合、このようなサーマルインターフェース材料の形態は、包括的な適合性を妨げる比較的高い体積弾性率の値を示す。
【0004】
いくつかのサーマルインターフェース材料は、低粘度状態で分配された後、高粘度状態に硬化される。これらのフォームインプレース材料は、他のサーマルインターフェース材料の形態の課題のいくつかを克服できるが、それでもなお独自の制限がある。たとえば、従来のサーマルインターフェース材料では、100マイクロメートル未満のような比較的薄いボンドラインを実現するのが難しいことが証明されている。アセンブリ内のボンドラインとは、熱表面間のギャップを指し、表面間の熱障壁を緩和するためにサーマルインターフェースが設置されることが望ましい。テープ、パッド、及びフィルムのような3次元の予備硬化サーマルインターフェース構造は、典型的に、100マイクロメートル未満の厚さでは十分な堅牢性と取り扱い性に欠ける。従来、粘性ギャップフィラーは、薄いボンドラインへの取り付けに必要な高い組立力によって制限されていた。従来のグリース様材料には長期的信頼性の問題があり、薄いボンドラインへの適用で誘電体コーティングとして使用するための許容可能な機械的弾性率及び絶縁耐力を示さない。
【0005】
薄いボンドラインで提示されるもう1つの課題は、熱表面の起伏が、サーマルインターフェース材料の有効性に比較的大きな影響を与えることである。大きなボンドラインシステムの熱表面間の熱経路全体のごく一部を表す可能性のある、表面の不規則性及び起伏は、薄いボンドラインへの適用において期待される熱性能に劇的な影響を与え得る。したがって、放熱経路に沿って各熱表面とより密接にかみ合う不規則な形状にサーマルインターフェース材料をカスタマイズすることが望ましいであろう。分配粘度が低いフォームインプレースサーマルインターフェース材料により、硬化前に配合物を薄いギャップに浸透させることができる。フォームインプレース組成を有するサーマルインターフェース材料の3次元形状をカスタマイズすると、熱伝達性能を最適化できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって、パターン化可能なサーマルインターフェース本体は、電子部品と放熱器との間のような熱表面間のギャップ形状に、より厳密に一致するように構築されてよい。パターン化可能なサーマルインターフェース本体は、付加工程で流動性のサーマルインターフェース材料を適用するようにプログラムされた様々な分配装置で構築されてよい。
【0007】
サーマルインターフェース本体を形成するための方法は、複数の個別の体積の第1パターンで表面に第1硬化性樹脂前駆体を適用することを含み、第1硬化性樹脂前駆体はシリコーンを含み、第1初期粘度及び少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す。この方法は、第1硬化性樹脂前駆体及び第2材料のうちの少なくとも1つを、第1パターンと接触する個別の体積の第2パターンで適用することをさらに含む。第2材料は、第1初期粘度とは異なる第2初期粘度及び少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す第2硬化性樹脂前駆体を含んでよい。
【0008】
所望の熱伝導率を達成するために、少なくとも第1硬化性樹脂前駆体は、第1負荷濃度で熱伝導性粒子を含んでよい。いくつかの実施形態では、第2硬化性樹脂前駆体もまた、第2負荷濃度で熱伝導性粒子を含んでよい。熱伝導性粒子の第1負荷濃度は、第2負荷濃度とは異なってよい。第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体のそれぞれは、異なる粒子径の範囲を有する熱伝導性粒子を含んでよい。最大粒子径は、最小粒子径の少なくとも1.3倍であってよい。
【0009】
サーマルインターフェース本体を形成するための方法は、第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体のうちの1つ又は複数を、それぞれの初期粘度とは異なる硬化粘度に硬化させることをさらに含んでよい。硬化粘度は、それぞれの初期粘度よりも実質的に大きくてよい。少なくとも第1硬化性樹脂前駆体は、溶媒、反応触媒、及び反応触媒を化学的に妨害するのに有効な反応阻害剤を含んでよく、反応阻害剤は、溶媒よりも低い蒸気圧を示す。一例では、第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体はそれぞれ、ビニル含有シリコーンポリマー及び水素化物含有シリコーンポリマーを含む。第1硬化性樹脂前駆体は、ビニル含有シリコーンポリマー及び水素化物含有シリコーンポリマーの一方を過剰に含んでよく、第2硬化性樹脂前駆体は、ビニル含有シリコーンポリマー及び水素化物含有シリコーンポリマーの他方を過剰に含む。
【0010】
サーマルインターフェース本体を形成するための方法は、表面上に複数の個別の体積の第1パターンで第1硬化性樹脂前駆体を分配すること、並びに第1硬化性樹脂前駆体及び第2材料の少なくとも1つを、複数の個別の体積の第2パターンで、表面及び個別の体積の第1パターンの少なくとも1つに分配することを含んでよい。分配に続いて、この方法は、第1硬化性樹脂前駆体を硬化させてその粘度を調整することを含む。サーマルインターフェース本体は、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示してよい。
【0011】
電子部品と放熱器との間のギャップを充填するための方法は、プロセッサに伝達可能にリンクされたディスペンサーを提供し、ギャップの第1幅、第2幅、及び厚さの寸法を入力パラメータとして規定することを含む。入力パラメータがプロセッサに供給され、ディスペンサーが、入力パラメータに基づいて、第1硬化性樹脂前駆体の第1層を、電子部品及び放熱器の少なくとも1つに関連する表面に付加的に適用する。第1層は、好ましくは、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す。次に、ディスペンサーは、第1硬化性樹脂前駆体又は第2組成物の第2層を第1層と接触するように付加的に適用する。第1層は、第1硬化性樹脂前駆体の複数の個別の体積の第1パターンを含んでよく、第2層は、複数の個別の体積の第2パターンを含んでよい。
【0012】
この方法は、少なくとも第1パターン及び第2パターンから、第1幅、第2幅、及び厚さの寸法を有するようにサーマルインターフェース本体を付加的に構築することを含み、厚さ寸法は不均一であってよい。いくつかの実施形態では、厚さ寸法は、ギャップ全体で100マイクロメートル未満であってよい。
【0013】
この方法によって適用される第2層は、熱伝導性粒子負荷濃度、硬化粘度、初期予備硬化粘度、平均熱伝導性粒子径、熱伝導性粒子径の分布、硬化速度、及び厚さの寸法のうちの少なくとも1つによって第1層とは異なってよい。
【0014】
本発明の電子パッケージは、電子部品、放熱器、及び電子部品と放熱器との間に挿入されてそれらと熱接触するサーマルインターフェース本体を含む。サーマルインターフェース本体は、複数の堆積された層から形成され、各層は、複数の個別の体積の硬化性樹脂前駆体の配列として堆積され、続いて硬化される。サーマルインターフェース本体は、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す。いくつかの実施形態では、第1層の第1組成物は、サーマルインターフェース本体の第2層の第2組成物とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明によるサーマルインターフェース本体を形成するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、電子部品又は放熱器の熱表面の拡大断面図である。
【
図3】
図3は、熱表面に適合する形状を有する本発明のサーマルインターフェース本体の拡大断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の電子パッケージの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上に列挙された目的及び利点は、本発明によって表される他の目的、特徴、及び進歩とともに、添付の図面を参照して説明される詳細な実施形態に関してここに提示される。本発明の他の実施形態及び態様は、当業者の把握の範囲内にあると認識される。
【0017】
図1に付加堆積システム10の概略図が提供されており、表面14に堆積される材料がリザーバ16から供給されるディスペンサーヘッド12を備えている。材料20は、ディスペンサーヘッド12の開口部18から分配される。コントローラ22は、プロセッサ24及び信号発生器26を含んでよく、表面14上に所定のパターンで1つ又は複数の材料20を分配する際にディスペンサーヘッド12を制御するようにプログラムされてよい。コントローラ22は、付加堆積工程を通じて3次元サーマルインターフェース本体を作成するようにプログラムされてよく、1つ又は複数のディスペンサーヘッド12は、1つ又は複数の材料20を協調的にそれぞれ分配し、3次元サーマルインターフェース本体を付加的に構築するように制御されてよい。したがって、ディスペンサーヘッド12は、付加堆積システム10の一部を形成する個別のディスペンサーヘッドの配列の1つ又は複数を表してもよく、ディスペンサーヘッド12及び表面14のうちの1つ又は複数は、表面14によって支持された所定のパターンで材料20の堆積を達成するために、互いに対して移動可能であってよいことを理解されたい。
【0018】
付加堆積システム10は、付加堆積工程が可能な様々な堆積装置のうちの1つ又は複数を含んでよい。有用なディスペンサーの例としては、ノズルプリンター、ドロップディスペンサー、ラインディスペンサー、計量スプレーヘッド、ベンチュリプリンター等が挙げられる。
【0019】
付加堆積システム10は、硬化性材料20を硬化させるための入力を提供するための硬化システム30を更に含んでよい。硬化システムの例としては、オーブン若しくは赤外線ランプのような加熱手段、紫外線ランプのような紫外線放射源、材料20に適用するための化学硬化剤源、及び/又は硬化性材料20を硬化するための他の既知の手段が挙げられる。本明細書の目的では、「硬化」という用語は、圧力の有無にかかわらず、凝縮又は付加を含む化学反応による樹脂の特性の変化を意味する。
【0020】
付加堆積システム10は、1つ又は複数のディスペンサーヘッド12を介して1つ又は複数の材料20を分配するように適合されてよい。いくつかの実施形態では、単一のディスペンサーヘッド12を、複数の個別の材料20を同時に又は連続して分配するように適合されてよい。他の実施形態では、付加堆積システム10は、複数のディスペンサーヘッド12を含んでよく、これは、単一の材料20を同時に又は連続して、あるいは複数の材料20を同時に又は連続して分配するように適合されてよい。
【0021】
付加堆積システム10は、サーマルインターフェース本体を形成するために、付加堆積工程において1つ又は複数の材料20を使用してよい。材料20は、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーであってよく、シリコーン、フルオロシリコーン、アクリル、熱可塑性エラストマー、エポキシ、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ナイロン、ポリイミド、ポリウレタン、及びそれらの組み合わせのような様々なポリマーから選択されてよい。ポリシロキサン/ポリオルガノシロキサンのようなシリコーン樹脂は、本発明のサーマルインターフェース本体において有用な適合性及び他の特徴の特性を有する。いくつかの実施形態では、材料20は、硬化可能な状態でディスペンサーヘッド12から分配されてよく、ベースポリマー樹脂は架橋又は更なる架橋をされてよい。架橋活性は、自発的に開始されてよく、又は硬化剤への効果的な曝露時に開始されてよい。本明細書の目的のために、「硬化性樹脂前駆体」は、分配前の状態から更なる重合、架橋、加硫、硬化、乾燥、又は他の化学的若しくは物理的変化を受ける可能性のある分配可能な材料を含む。このような材料は、フォームインプレースと呼ばれてもよく、熱経路表面に配置された後、分配された材料が硬化する。フォームインプレース材料と予備硬化された材料との組み合わせが、本発明で使用されてよいことが企図される。いくつかの実施形態では、材料20のそれぞれは、フォームインプレース組成及び構造に寄与する。本明細書で使用される「樹脂」という用語は、樹脂、オリゴマー、プレポリマー、エラストマー、及び他のポリマーを含むことを意図していることが理解されるべきである。
【0022】
本発明のサーマルインターフェース本体は、好ましくは熱伝導性であり、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す。適合性のあるポリマーの熱伝導率は比較的低いため、ポリマーマトリックスに熱伝導性フィラーを添加してよい。充填されたサーマルインターフェース材料の熱伝導率は、フィラーの熱伝導率やポリマーマトリックス中のフィラーの負荷濃度を包む様々な要因に依存し、これらの要因は、フィラーの粒子径及び分布の影響を受ける可能性がある。熱伝導性フィラーは、均一な粒子径の粒子、又は粒子径の分布範囲を有する粒子を含んでよい。熱伝導性粒子は、サーマルインターフェース本体に対する電気抵抗特性を維持するために電気絶縁性であってよい。本発明での使用に適した電気絶縁性の熱伝導性粒子の例としては、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミニウム三水和物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、サーマルインターフェース本体は、好ましくは電磁干渉(EMI)を遮蔽してよく、したがって、導電性及び熱伝導性の粒子状フィラーを使用してよい。導電性粒子状フィラーの例としては、アルミニウム銅、金、ニッケル、銀、及びそれらの組み合わせのような金属が挙げられる。熱伝導性フィラー粒子の形状は、特に制限されず、単一の熱伝導性フィラー、あるいは粒子形状、平均粒子径、粒子径分布、及びフィラーの種類のような少なくとも1つの特性が異なる2つ以上の熱伝導性フィラーの組み合わせを含んでよい。粒子の種類、粒子径、粒子径分布、負荷濃度、及びブレンドは、熱転写、EMIシールド、及び粘度特性に影響を与える可能性がある。
【0023】
特定の化学的及び/又は物理的特性の利益のために、可塑剤、顔料、界面活性剤、安定剤、酸化剤、難燃剤、及びスペーサーを含む追加のフィラー及び添加剤を材料20に包含させてよい。
【0024】
出願人は、サーマルインターフェース本体が適用される構成要素の表面は、典型的にはやや非平面であってよく、ベース平面から100マイクロメートル以上外れてよい山及び谷を示してよいことを決定した。表面の標準的な材料の粗さは、約5~25マイクロメートルの範囲でさらに偏差を示してよい。
図2は、例えば、電子部品又は放熱器の表面14の仮想的な拡大図を示している。第1偏差寸法「a」は、表面14のベース平面15と一次山40との間に規定され、第2偏差寸法「b」は、ベース平面15と表面14の一次谷42との間に規定される。第1偏差寸法a及び第2偏差寸法bのそれぞれは、いくつかの実施形態では、最大100マイクロメートルであり得、場合によってはさらに大きくなってよい。さらに、表面14における粗さ44は、二次山46及び二次谷48を含んでよい。表面粗さ44は、最大25マイクロメートル以上の偏差を表してよい。表面14からサーマルインターフェース本体への熱伝達を最適化するために、その偏差に適合することを含めて、表面14に可能な限り密接に適合するサーマルインターフェース本体を適用することが望ましい。
図3は、表面14に密接に一致する望ましいサーマルインターフェース本体50を概略的に示している。付加構築されたサーマルインターフェース本体50は、不均一な表面14への適合性を高めることを可能にする3次元形状に形成されてよい。
【0025】
図4は、第1熱表面14aを有する熱を発生する電子部品60、及び第2熱表面14bを有する放熱器70を備えている例示的な電子パッケージ80を示している。サーマルインターフェース本体50は、第1熱表面14a及び第2熱表面14bの間に挿入され、熱接触している。サーマルインターフェース本体50は、起伏があり粗い第1熱表面14a及び第2熱表面14bに最もよく適合するために不規則な形状を有してよい。サーマルインターフェース本体50は、電子部品60の動作温度、並びに室温を含むこうした動作温度より低い温度で不規則な形状を示してよい。いくつかの実施形態では、サーマルインターフェース本体50は、電子部品60と放熱器70との間のギャップを実質的に充填する不規則な形状で所定の位置に形成されてよい。こうした不規則な形状は、本発明の付加堆積工程によって特別に製造されてよい。
【0026】
電子部品60と放熱器70との間のギャップ「G」は、3次元光学表面プロファイリングを包む様々な方法によって規定されてよい。幅及び厚さの寸法等のそのような測定からの情報を、入力パラメータとしてコントローラ22に提供してよい。コントローラ22は、ギャップ「G」の3次元形状でサーマルインターフェース本体50を付加的に構築する方法で、付加堆積システム10を駆動するための制御出力指示を生成するための入力パラメータを読み取るようにプログラムされてよい。
【0027】
サーマルインターフェース本体の3次元形状は、複数の適用パスにサーマルインターフェース材料を付加的に適用することによってカスタマイズされてよい。1つ又は複数のディスペンサーヘッド12の任意の所与のパスに適用されるサーマルインターフェース材料は、物理的及び/又は化学的特性において同一、類似、又は非類似であってよい。各パスで分配されるサーマルインターフェース材料は、好ましくは、別のパスで分配されるサーマルインターフェース材料に結合することができ、その結果、コヒーレントサーマルインターフェース本体50は、最終的に、付加堆積工程によって構築されてよい。付加堆積工程の異なるパスで適用されるサーマルインターフェース材料間の相違点としては、平均熱伝導性粒子径、熱伝導性粒子径の分布、熱伝導性粒子負荷濃度、硬化粘度、予備硬化粘度、硬化速度、厚さ、並びに過剰及び制限的な反応物の組成が挙げられる。所与のサーマルインターフェース本体50のサーマルインターフェース材料堆積物間の他の化学的及び物理的相違もまた、本発明によって企図される。
【0028】
サーマルインターフェース本体50のカスタマイズ可能な構造はまた、指定された量を所定のパターンで分配することによって制御されてもよく、サーマルインターフェース材料の複数の個別の体積の第1パターンの少なくとも一部は、個別の体積の前記第1パターンで堆積されたサーマルインターフェース材料と同一、類似、又は非類似であってよい堆積されたサーマルインターフェース材料の第2パターンの少なくとも一部と接触してよい。いくつかの実施形態では、堆積されたサーマルインターフェース材料20は、サーマルインターフェース本体50を付加的に構築する際の流動性要件に最もよく対処するために、所定のレオロジーパラメータを示してよい。
【実施例】
【0029】
以下の実施例は、カスタマイズされた形状のサーマルインターフェース本体を構築するための特定の付加堆積の手法を表す。しかしながら、本発明の範囲内で、他の多くの付加堆積の手法を利用してよいと考えられる。
【0030】
(実施例1)
第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体は、硬化及び流動パターンを制御するために、異なる予備硬化粘度を有してよい。低粘度の樹脂前駆体は表面14を濡らすことができ、高粘度の樹脂は、硬化前に堆積したサーマルインターフェース材料を所定の位置に維持する助けとなる。
図5は、複数の個別の体積の第1パターンで表面に適用された第1硬化性樹脂前駆体を使用し、第2硬化性樹脂前駆体を前記第1パターンと接触するように適用する前に、表面を濡らして粘着層に統合する体積の堆積パターンを使用したマルチパス堆積の手法を示している。いくつかの実施形態では、第2パスは、第2ディスペンサーヘッドによって実施されてよく、別法としては、第1硬化性樹脂前駆体と接触するように硬化物を分配してよい。さらに別法としては、第1硬化性樹脂前駆体の少なくとも一部は、第2材料を適用する第2パスの前に硬化されてよい。
【0031】
(実施例2)
第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体を、1つ又は複数のディスペンサーヘッドの複数のパスで適用してよく、第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体は、少なくとも異なる硬化ヤング率の値を示す。
図6は、第1材料が複数の個別の体積の第1パターンで表面に分配され、続いて第1材料と接触して個別の体積の第2パターンで第2材料が適用される、付加堆積工程の例を示す。第1材料及び第2材料は、堆積の前又は後に硬化させてよい。図示の実施形態は、硬化可能な状態で分配され、堆積後に硬化される硬化性樹脂前駆体を示す。第1材料は、第2パスの前又は後に、第2材料を第1材料と接触するように付加堆積させて硬化されてよい。いくつかの実施形態では、第1材料は比較的低いヤング率を示し、第2材料は比較的高いヤング率を示し、第1材料は、伝熱面に容易に適合できる第1圧縮性層を形成し、第2層は、第1層の上に耐久性のあるシェルを形成する。
【0032】
(実施例3)
第1材料及び第2材料は、複数の個別の体積の各パターンで分配され、第1材料及び第2材料は、熱伝導性粒子径分布が異なる。比較的大きな粒子径分布材料を個別の体積の第1パターンで適用して、適用可能な表面の一次谷をより良く充填してよい。熱伝導率の要件を満たすために、フィラーパッキングの最適化を実行してよい。
【0033】
(実施例4)
図7は、熱伝導性フィラーの負荷濃度が異なる複数のサーマルインターフェース材料の適用を示している。いくつかの実施形態では、この手法は、付加堆積工程において第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体が個別のパターンで適用されてよい。
【0034】
(実施例5)
第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体は、接着性、ヤング率、及び分配粘度のような物理的特性が異なる様々な樹脂組成を有してよい。
図8は、複数の個別の体積の第1パターンで表面に堆積された第1硬化性樹脂材料、その後、第1材料と接触して個別の体積の第2パターンで適用された第2硬化性樹脂前駆体を示す。第1硬化性樹脂前駆体は、第2パターンを適用して第1材料と接触させる前又は後に硬化されてよい。同様に、第2硬化性樹脂前駆体は、硬化の前又は後に第1材料と接触するように適用されてよい。図示の実施形態は、第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体が、個別の体積の第2パターンを第1材料と接触するように適用した後に硬化される方法を示す。
【0035】
(実施例6)
サーマルインターフェース材料は、1つ又は複数のディスペンサーヘッドにて、複数の個別の体積の連続パターンで適用されてよく、各分配パスの及び/又は各分配パス中の分配パラメータは異なってよい。考えられる違いとしては、ディスペンサーヘッドの速度、ディスペンサーヘッドの分配開口部を介した体積分配速度、及び堆積流量に影響を与える材料粘度の違いが挙げられる。
図9は、付加堆積工程で使用される異なる速度の1つ又は複数のディスペンサーヘッドを使用した付加堆積工程の例を示している。
【0036】
(実施例7)
2つのディスペンサーヘッドを使用して、実質的に相互に垂直な平面に沿って熱伝導性材料を分配してよい。
図10は、実質的に相互に垂直な平面に沿った複数の個別の体積の第1パターン及び第2パターンの適用を示している。
【0037】
特定の用途に適合するために様々なパターンを使用してよいことを理解されたい。例えば、特定の表面14のトポグラフィーは、3次元光学走査のような既知の測定プロセスを通じて研究されてよく、その結果、適切なサーマルインターフェース本体形状がマッピングされてよい。サーマルインターフェース本体の形成は、1つ又は複数のパターンのサーマルインターフェース材料と接触するように付加堆積されたサーマルインターフェース材料の1つ又は複数の層を含む、ディスペンサーヘッドの1つ又は複数のパスを必要とする場合がある。個別のパターン又はパターンのセットが、同様の領域、体積、又は形状を占める必要はないことをさらに理解されたい。代わりに、特定のパターンのサーマルインターフェース材料を、サーマルインターフェース本体の選択された領域に適用してよい。サーマルインターフェース材料の別のパターンを適用する前又は後に、適用されたサーマルインターフェース材料のパターンの一部のみを硬化させることも可能である。
【0038】
本発明は、当業者に新規の原理を適用するために必要な情報を提供し、必要に応じて発明の実施形態を構築及び使用するために、かなり詳細に本明細書に記載されている。しかしながら、本発明自体の範囲から逸脱することなく、様々な修正を達成できることを理解されたい。
【符号の説明】
【0039】
10 付加堆積システム
12 ディスペンサーヘッド
14 表面
14a 第1熱表面
14b 第2熱表面
15 ベース平面
16 リザーバ
18 開口部
20 材料
22 コントローラ
24 プロセッサ
26 信号発生器
30 硬化システム
40 一次山
42 一次谷
44 表面粗さ
46 二次山
48 二次谷
50 サーマルインターフェース本体
60 電子部品
70 放熱器
80 電子パッケージ
G ギャップ
a 第1偏差寸法
b 第2偏差寸法
【手続補正書】
【提出日】2022-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明によるサーマルインターフェース本体を形成するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、電子部品又は放熱器の熱表面の拡大断面図である。
【
図3】
図3は、熱表面に適合する形状を有する本発明のサーマルインターフェース本体の拡大断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の電子パッケージの断面図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明のサーマルインターフェース本体は、好ましくは熱伝導性であり、少なくとも0.2W/m・Kの熱伝導率を示す。適合性のあるポリマーの熱伝導率は比較的低いため、ポリマーマトリックスに熱伝導性フィラーを添加してよい。充填されたサーマルインターフェース材料の熱伝導率は、フィラーの熱伝導率やポリマーマトリックス中のフィラーの負荷濃度を包含する様々な要因に依存し、これらの要因は、フィラーの粒子径及び分布の影響を受ける可能性がある。熱伝導性フィラーは、均一な粒子径の粒子、又は粒子径の分布範囲を有する粒子を包含してよい。熱伝導性粒子は、サーマルインターフェース本体に対する電気抵抗特性を維持するために電気絶縁性であってよい。本発明での使用に適した電気絶縁性の熱伝導性粒子の例としては、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミニウム三水和物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、サーマルインターフェース本体は、好ましくは電磁干渉(EMI)を遮蔽してよく、したがって、導電性及び熱伝導性の粒子状フィラーを使用してよい。導電性粒子状フィラーの例としては、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びそれらの組み合わせのような金属が挙げられる。熱伝導性フィラー粒子の形状は、特に制限されず、単一の熱伝導性フィラー、あるいは粒子形状、平均粒子径、粒子径分布、及びフィラーの種類のような少なくとも1つの特性が異なる2つ以上の熱伝導性フィラーの組み合わせを包含してよい。粒子の種類、粒子径、粒子径分布、負荷濃度、及びブレンドは、熱転写、EMIシールド、及び粘度特性に影響を与える可能性がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
(実施例1)
第1硬化性樹脂前駆体及び第2硬化性樹脂前駆体は、硬化及び流動パターンを制御するために、異なる予備硬化粘度を有してよい。低粘度の樹脂前駆体は表面14を濡らすことができ、高粘度の樹脂は、硬化前に堆積したサーマルインターフェース材料を所定の位置に維持するのを助ける。
図5は、複数の個別の体積の第1パターンで表面に適用された第1硬化性樹脂前駆体を使用し、第2硬化性樹脂前駆体を前記第1パターンと接触するように適用する前に、表面を濡らして粘着層に統合する
個別の体積の堆積パターンを使用したマルチパス堆積の手法を示している。いくつかの実施形態では、第2パスは、第2ディスペンサーヘッドによって実施されてよく、別法としては、第1硬化性樹脂前駆体と接触するように硬化物を分配してよい。さらに別法としては、第1硬化性樹脂前駆体の少なくとも一部は、第2材料を適用する第2パスの前に硬化されてよい。
【国際調査報告】