(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】放射のパルスのバーストを制御するための放射システム
(51)【国際特許分類】
H01S 3/08 20230101AFI20221227BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20221227BHJP
H01S 3/034 20060101ALI20221227BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20221227BHJP
H01S 3/10 20060101ALN20221227BHJP
【FI】
H01S3/08
G03F7/20 521
G03F7/20 501
H01S3/034
H01S3/00 Z
H01S3/10 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523484
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 US2020057570
(87)【国際公開番号】W WO2021091730
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,インボー
【テーマコード(参考)】
2H197
5F071
5F172
【Fターム(参考)】
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA07
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2H197CA12
2H197CC05
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(57)【要約】
放射のパルスのバーストを制御するための放射システムは、光学素子、コントローラ、アクチュエータ、及びセンサを備える。光学素子は、放射のパルスと相互作用して放射のパルスの特徴を制御するように構成され、放射のパルスの特徴は、光学素子の構成に依存する。コントローラは、制御信号を生成するように動作可能である。アクチュエータは、コントローラから制御信号を受け取り、制御信号に依存して光学素子の構成を制御するように構成される。センサは、光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定するように動作可能である。所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、
放射の前記パルスと相互作用して放射の前記パルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射の前記パルスの前記特徴は、前記光学素子の構成に依存する、光学素子と、
制御信号を生成するように動作可能であるコントローラと、
前記コントローラから前記制御信号を受け取り、前記制御信号に依存して前記光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、
前記光学素子と相互作用したパルスの前記特徴を決定するように動作可能であるセンサと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、放射システム。
【請求項2】
前記所与のバースト中の前記所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項1に記載の放射システム。
【請求項3】
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバースト中の対応するパルスに対する前記制御信号に補正項を加えたものによって与えられ、前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項1に記載の放射システム。
【請求項4】
前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴と、前記特徴の公称値との差に比例する、請求項3に記載の放射システム。
【請求項5】
前記補正項は利得に比例し、前記利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しく、且つ前記利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しい、請求項4に記載の放射システム。
【請求項6】
前記特徴とは、放射の前記パルスの波長である、請求項1に記載の放射システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記制御信号が振動するように構成される、請求項1に記載の放射システム。
【請求項8】
前記制御信号は振動して、前記パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、請求項7に記載の放射システム。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記光学素子上の放射の前記パルスの入射角を制御するように、前記光学素子を回転させるように構成された、圧電素子を含む、請求項1に記載の放射システム。
【請求項10】
前記光学素子は、波長依存の態様で放射の前記パルスを反射させるように構成された回折格子を含み、それにより、選択された帯域の波長の放射が、前記放射システムの出力に伝達されることになる、請求項1に記載の放射システム。
【請求項11】
前記光学素子は、波長依存の態様で放射の前記パルスを屈折させるように構成されたプリズムを含み、それにより、選択された帯域の波長の放射が、前記放射システムの前記出力に伝達されることになる、請求項1に記載の放射システム。
【請求項12】
最初のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、前記光学素子及び前記アクチュエータの動力学のモデルに基づいて決定される、請求項1に記載の放射システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記制御信号が、前記パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供するように構成される、請求項1に記載の放射システム。
【請求項14】
リソグラフィシステムであって、
放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、
放射の前記パルスと相互作用して放射の前記パルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射の前記パルスの前記特徴は、前記光学素子の構成に依存する、光学素子と、
制御信号を生成するように動作可能であるコントローラと、
前記コントローラから前記制御信号を受け取り、前記制御信号に依存して前記光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、
前記光学素子と相互作用したパルスの前記特徴を決定するように動作可能であるセンサと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、放射システム、及び
前記放射システムから放射のパルスを受け取り、放射の前記パルスにパターン付与し、前記パターン付与された放射のパルスをターゲット上に投射する、ように構成されたリソグラフィ装置、を含むリソグラフィシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記制御信号が振動して、前記パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、ように構成される、請求項14に記載のリソグラフィシステム。
【請求項16】
前記リソグラフィ装置は、2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有する前記パルスを受け取るように構成される、請求項15に記載のリソグラフィシステム。
【請求項17】
放射のパルスのバーストを制御する方法であって、
光学素子を使用して放射の前記パルスと相互作用し、放射の前記パルスの特徴を制御することと、
前記光学素子と相互作用したパルスの前記特徴を決定することと、
制御信号を生成することと、
前記制御信号に依存して前記光学素子の構成を制御することと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの少なくとも1つの対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、方法。
【請求項18】
前記所与のバースト中の前記所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、以前のバースト中の対応するパルスに対する前記制御信号に補正項を加えたものによって与えられ、前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴と、前記特徴の公称値との差に比例する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記補正項は利得に比例し、前記利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しく、且つ前記利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しい、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記特徴とは、放射の前記少なくとも1つのパルスの波長である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記生成された制御信号は振動する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
最初のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、前記光学素子及び前記アクチュエータの動力学のモデルに基づいて決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記生成された制御信号は振動して、2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年11月8日に出願された、「RADIATION SYSTEM FOR CONTROLLING BURSTS OF PULSES OF RADIATION」と題された米国特許出願第62/933,140号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、例えば、リソグラフィ装置で使用するための放射のパルスのバーストを生成するためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、例えば、バースト内で異なる波長の放射が切り替わる放射のパルスのバーストを生成するシステム及び方法に関することがある。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを施すようにこしらえられた機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、基板(例えば、ウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層にパターニングデバイス(例えば、マスク)のパターン(しばしば「設計レイアウト」又は「デザイン」とも呼ばれる)を投影することがある。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、「ムーアの法則」と一般的に呼ばれる傾向に従って、回路素子の寸法が継続的に縮小される一方で、デバイス当たりのトランジスタなどの機能素子の量は数十年間に渡って着実に増えている。ムーアの法則についていくために、半導体業界は、益々小型化するフィーチャの生成を可能にする技術を追及している。基板にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することがある。この放射の波長により、基板上のレジストにパターン形成されるフィーチャの最小寸法が決まる。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm、及び13.5nmである。4nm~20nmの範囲内の波長、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置を使用して、例えば、193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも基板上により小さなフィーチャを形成することができる。
【0005】
[0005] 一般に、エキシマレーザは、特定の混合気体で動作するように設計されており、従って、波長を変えるのは複雑になることがある。特に、ある放電から次の放電まで(「パルス間」)で中心波長を変えることは困難である。しかしながら、波長を変更する能力を持っていることが望ましい場合があり得る。例えば、メモリの3D NAND層(即ち、構造が、互いの上部に積層されたNAND(「NOT-AND」)ゲートに似ているメモリ)がそうである。2Dから3D NANDアーキテクチャへの移行には、製造プロセスにおける大幅な変更が必要である。3D NAND製造では、主に、極端なアスペクト比(即ち、穴の直径と穴の深さの比)でのエッチング及び堆積のプロセスによって困難が引き起こされる。非常に高いアスペクト比(HAR)のフィーチャで複雑な3D構造を生成することは複雑であり、非常に高い精度が必要になり、最終的には、スケールを達成するために処理の均一性及び繰り返し精度が必要になる。更に、多層積層体の高さが高くなるにつれて、積層体(例えば、メモリアレイ)の上部及び底部で均一なエッチング及び堆積結果を実現することが困難になる。
【0006】
[0006] これらの考慮事項は、より大きな焦点深度の必要性をもたらす。単一波長光のリソグラフィ焦点深度DOFは、関係式DOF=±m2λ(NA)2によって求められ、ここで、λは照射光の波長であり、NAは開口数であり、m2はレジスト処理に依存する実施上の係数である。3D NANDリソグラフィではより大きな焦点深度の要件があるので、ときとして、露光パス毎に異なるレーザ波長を使用して、ウェーハ上で1つより多くの露光パスが設定される。
【0007】
[0007] 更に、レーザ放射を集束させるレンズを構成する材料は分散性であるので、異なる波長が、レジスト内の異なる深さで集束することになる。このことは、波長を変更する能力を持つことが望ましい場合がある別の理由である。
【0008】
[0008] 深紫外線(DUV)放射システムなどの放射システムは、生成された放射の波長を制御するためのシステムを含む。これらの波長制御システムは、フィードバック及びフィードフォワードの補償器を含んで波長安定性を促進することがある。特徴として、ターゲット波長又は基準波長、即ち、波長制御システムによって指揮される波長は、レーザ動作中に急速には変化しないことが予期される。従って、補償器は、主に過渡的な擾乱を退けることに関与することがある。2つの異なる波長でDUV光を生成する用途では、基準波長は、露光中に2つの設定値、即ち、第1の波長での第1の設定値、及び第2の波長での第2の設定値、を有することがある。基準波長は、これら2つの設定値の間で調節されることがある。
【0009】
[0009] 本明細書で特定されようとされまいと、既知のシステム及び方法に関連した1つ又は複数の問題点に少なくとも部分的に対処する、波長などの制御された特徴を有する放射のパルスを生成するためのシステム及び方法を提供することが望ましいことがある。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 第1の態様によれば、放射のパルスのバーストを制御するための放射システムが提供され、この放射システムは、放射のパルスと相互作用してその放射のパルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射のパルスの特徴は光学素子の構成に依存している光学素子と、制御信号を生成するように動作可能なコントローラと、コントローラから制御信号を受け取り、制御信号に依存して光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定するように動作可能なセンサと、を含み、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する。
【0011】
[0011] 今から考察するように、第1の態様による放射システムは有利である。この放射システムは、少なくとも1つの以前のバーストからの、光学素子と相互作用したパルスの決定された特徴(例えば波長)を使用するフィードバックループを含む。特に、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、以前のバーストからの1つ又は複数の対応するパルスに対する制御信号にフィードバック補正を加えたものに依存する制御符号によって、与えられることがある。フィードバック補正は、以前の1つ又は複数のバーストからの対応する1つ又は複数のパルスの決定された特徴と、以前のバーストからの対応するパルスの公称特徴又は目標特徴との差に依存する(例えば、比例する)ことがある。有利にも、これにより、放射システムが、パルスの各バースト中に、及びパルスのバーストの連続する対の合間に、異なる制御信号が使用されることにより引き起こされる過渡的効果を考慮に入れ、少なくとも部分的にこれを補正することが可能になる。そのような過渡的効果は、特に、アクチュエータ及び光学素子の動的応答がアンダーダンプされている場合に、著しくなる場合がある。
【0012】
[0012] 所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの決定された特徴に依存することがある。
【0013】
[0013] 一組のパルスは、複数のパルスを含むことがある。少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスは、例えば、少なくとも1つの以前のバーストからの一組の対応するパルスであり得る。バースト中のパルス毎に、そのパルスに丁度対応する以前の各バースト中の1つのパルスが存在することがあることが、理解されるであろう。例えば、所与のバースト中の10番目のパルスは、他の各バースト中の10番目のパルスにまさしく対応することがある。所与のバースト中の所与のパルスについて、以前のバーストからの対応するパルスの組には、その所与のパルスにまさしく対応する以前のバーストからのパルスに加えて更に、以前のバーストからの1つ又は複数の周辺のパルスが含まれることがある。例えば、所与のバースト中の10番目のパルスについて、以前のバーストからの対応するパルスの組は、以前のバーストからの9番目、10番目、及び11番目のパルスを含むことがある。
【0014】
[0014] 所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバースト中の対応するパルスに対する制御信号に補正項を加えたものによって、与えられることがある。補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存することがある。このようにして、所与のバーストに対するフィードフォワード制御信号には、以前の1つ又は複数のバーストに基づくフィードバック補正項が含まれることがある。
【0015】
[0015] 補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴と、その特徴の公称値との差に比例することがある。
【0016】
[0016] 例えば、決定された特徴とは、放射の波長であり得る。所与のバースト中の所与のパルスに対する補正項は、以前のバースト中の対応するパルスの測定された波長と公称波長又は目標波長との差に比例することがある。所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号が、2つ以上の以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する実施形態の場合、そのパルスに対する補正項は、例えば、以前の各バースト中の対応するパルスに対する測定された波長と公称波長又は目標波長との差の加重和であり得る。
【0017】
[0017] 補正項は、利得に比例することがある。利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しいことがあり、且つ利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しいことがある。
【0018】
[0018] 有利にも、このようにして、各バースト中に発生する過渡状態及び連続するバースト間のギャップに起因して発生する過渡状態に対して、異なる利得が当てはまることがある。
【0019】
[0019] 特徴とは、放射のパルスの波長であり得る。
【0020】
[0020] コントローラは、制御信号が振動するように構成されることがある。
【0021】
[0021] そのような構成にすると、放射システムは、それによってパルスの特徴(例えば、波長)が振動する放射のパルスのバーストを生成することがある。有利にも、複数の(例えば、2つの)異なる波長を使用することは、リソグラフィシステムで使用して焦点深度を増加させるのに、有益であり得る。
【0022】
[0022] アクチュエータは、光学素子上の放射のパルスの入射角を制御するように、光学素子を回転させるように構成された、圧電素子を含むことがある。
【0023】
[0023] 光学素子は、波長依存の態様で放射のパルスを反射させるように構成された回折格子を含むことがあり、それにより、選択された帯域の波長の放射が、放射システムの出力に伝達されることになる。
【0024】
[0024] 光学素子は、波長依存の態様で放射のパルスを屈折させるように構成されたプリズムを含むことがあり、それにより、選択された帯域の波長の放射が、放射システムの出力に伝達されることになる。
【0025】
[0025] 最初のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、光学素子及びアクチュエータの動力学のモデルに基づいて決定されることがある。
【0026】
[0026] 第2の態様によれば、リソグラフィシステムが提供され、このリソグラフィシステムは、放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、放射のパルスと相互作用してその放射のパルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射のパルスの特徴は光学素子の構成に依存している光学素子と、制御信号を生成するように動作可能なコントローラと、コントローラから制御信号を受け取り、制御信号に依存して光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定するように動作可能なセンサと、を含み、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する、放射システム、及び、リソグラフィ装置であって、放射システムから放射のパルスを受け取り、放射のパルスにパターン付与し、パターン付与された放射のパルスをターゲット上に投射するリソグラフィ装置、を含む。
【0027】
[0027] 第3の態様によれば、放射のパルスのバーストを制御する方法が提供され、この方法は、光学素子を使用して放射のパルスと相互作用してその放射のパルスの特徴を制御することと、光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定することと、制御信号を生成することと、制御信号に依存して光学素子の構成を制御することと、を含み、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する。
【0028】
[0028] 第3の態様による方法は、第1の態様による放射システムを使用して実施されることがある。この方法は、以前のバーストからの、光学素子と相互作用したパルスの決定された特徴(例えば波長)を使用するフィードバックループを使用する。特に、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、以前のバーストからの対応するパルスに対する制御信号にフィードバック補正を加えたものによって、与えられることがある。フィードバック補正は、以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴と、以前のバーストからの対応するパルスの公称特徴又は目標特徴との差に依存する(例えば、比例する)ことがある。有利にも、これにより、この方法が、パルスの各バースト中に、及びパルスのバーストの連続する対の合間に、異なる制御信号が使用されることにより引き起こされる過渡的効果を考慮に入れ、少なくとも部分的にこれを補正することが可能になる。そのような過渡的効果は、特に、アクチュエータ及び光学素子の動的応答がアンダーダンプされている場合に、著しくなる場合がある。
【0029】
[0029] 所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの決定された特徴に依存することがある。
【0030】
[0030] 所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、以前のバースト中の対応するパルスに対する制御信号に補正項を加えたものによって与えられることがあり、補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する。
【0031】
[0031] このようにして、所与のバーストに対するフィードフォワード制御信号には、以前のバーストに基づくフィードバック補正項が含まれることがある。
【0032】
[0032] 補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴と、その特徴の公称値との差に比例することがある。
【0033】
[0033] 例えば、決定された特徴とは、放射の波長であり得る。所与のバースト中の所与のパルスに対する補正項は、以前のバースト中の対応するパルスの測定された波長と公称波長又は目標波長との差に比例することがある。
【0034】
[0034] 補正項は、利得に比例することがある。利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しいことがあり、且つ利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しいことがある。
【0035】
[0035] 有利にも、このようにして、各バースト中に発生する過渡状態及び連続するバースト間のギャップに起因して発生する過渡状態に対して、異なる利得が当てはまることがある。
【0036】
[0036] 特徴とは、放射の少なくとも1つのパルスの波長であり得る。
【0037】
[0037] 生成される制御信号は、振動することがある。
【0038】
[0038] そのような構成にすると、放射システムは、それによってパルスの特徴(例えば、波長)が振動する放射のパルスのバーストを生成することがある。有利にも、複数の(例えば、2つの)異なる波長を使用することは、リソグラフィシステムで使用して焦点深度を増加させるのに、有益であり得る。
【0039】
[0039] 最初のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、光学素子及びアクチュエータの動力学のモデルに基づいて決定されることがある。
【0040】
[0040] ここで、添付の概略的図面を参照して、システム及び方法の様々なバージョンについて、単なる例として、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】[0041]リソグラフィ装置の概要を概略的に示す。
【
図2】[0042]開示される主題の一態様による、フォトリソグラフィシステムの全体的な広い概念の図を概略的に示す。
【
図3】[0043]開示される主題の一態様による、照明システムの全体的な広い概念の図を概略的に示す。
【
図4】[0044]放射のパルスのバーストを制御するための放射システムの概略図である。
【
図5】[0045]
図4に示す放射システム内のパルスの波長に対する制御の概略図である。
【
図6】[0046]
図4に示した放射システム内の放射のパルスのバーストを制御するための方法のフローチャートを示す。
【
図7A】[0047]各パルスの波長開ループ制御レジーム(四角形)及び適応制御レジーム(円形)を示しており、適応制御レジームは、波長がパルス毎に変化する動作に、より適している(多焦点イメージングレジームとも呼ばれる)。
【
図7B】[0048]開ループ制御レジーム及び適応制御レジームでパルス毎にアクチュエータに印加される制御電圧を示しており、適応制御レジームは、波長がパルス毎に変化する動作に、より適している(多焦点イメージングレジームとも呼ばれる)。
【
図8】[0049]
図6に示す制御スキームについて、パルス数の関数としてアクチュエータに印加される制御電圧(上のプロット)と、パルス毎の波長(下のプロット)とを示しており、これら2つのプロットが、放射のパルスの15個のバーストに渡る様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0050] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を伴う)及びEUV(極端紫外線、例えば約5~100nmの範囲内の波長を有する)を含む、全てのタイプの電磁放射を包含するように使用される。
【0043】
[0051] この本文で使用される「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」などの用語は、基板のターゲット部分に生成されることになるパターンに対応する、パターン付けされた断面を到来する放射ビームに与えるために使用することができる、一般的なパターニングデバイスを指すものとして、広く解釈することができる。「ライトバルブ」という用語も、この文脈で使用されることがある。従来のマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッド等)に加えて、そのようなパターニングデバイスの他の例としては、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイが挙げられる。
【0044】
[0052]
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され且つ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に配置するように構成された第1のポジショナPMに接続された、マスクサポート(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構築され且つ特定のパラメータに従って基板サポートを正確に配置するように構成された第2のポジショナPWに接続された基板サポート(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0045】
[0053] 動作時に、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して、放射源SOから放射ビームを受け取る。照明システムILは、放射の方向決め、成形、及び/又は制御のための、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電気型、及び/又は他の種類の光学コンポーネントなどの様々な種類の光学コンポーネント、或いはそれらの任意の組み合わせを含むことがある。イルミネータILを使用して、パターニングデバイスMAの平面での放射ビームBの断面において所望の空間的及び角度的強度分布になるように放射ビームBを調節することがある。
【0046】
[0054] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、使用される露光放射に適した、及び/又は液浸液の使用若しくは真空の使用などの他の要因に適した、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁気型、及び/又は静電気型の光学系、若しくはそれらの任意の組み合わせを含む、様々な種類の投影システムを包含するものとして、広く解釈されるべきである。本明細書での「投影レンズ」という用語の任意の使用は、「投影システム」PSというより一般的な用語と同義であるものとみなされることがある。
【0047】
[0055] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間のスペースを充満するように基板の少なくとも一部分が比較的に高い屈折率を有する液体、例えば水によって覆われることがある種類のもの(液浸リソグラフィとも呼ばれる)である場合がある。液浸技術に関する更なる情報が、米国特許第6952253号に記載されており、該特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
[0056] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWTを有する種類のもの(「デュアルステージ」とも呼ばれる)でもあり得る。そのような「マルチステージ」機械では、基板サポートWTは、並行して使用されるか、及び/又は、ある基板サポートWT上のある基板Wがその基板W上でパターンを露光するために使用されている間に、別の基板Wの後続の露光を準備するステップが、別の基板サポートWT上に配置されているその別の基板Wに対して実行されることがある。
【0049】
[0057] 基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは、測定ステージを含むことがある。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニングデバイスを保持するように構成される。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するように構成されることがある。測定ステージは、複数のセンサを保持することがある。クリーニングデバイスは、リソグラフィ装置の一部分、例えば、投影システムPSの一部分又は液浸液を提供するシステムの一部分などをクリーニングするように構成されることがある。測定ステージは、基板サポートWTが投影システムPSから離れているときに、投影システムPSの下に移動することがある。
【0050】
[0058] 動作時に、放射ビームBは、パターニングデバイス、例えばマスクサポートMT上に保持されたマスクMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターン付けされる。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFの助けを借りて、基板サポートWTは、例えば、異なるターゲット部分Cを、焦点の合った整列された位置で放射ビームBの経路に配置するように、正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び場合によっては別の位置センサ(
図1には明示していない)を使用して、放射ビームBの経路に対して正確にパターニングデバイスMAを位置決めすることがある。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされることがある。図示するように基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占めるが、これらのマークはターゲット部分同士の間のスペースに配置することもできる。基板アライメントマークP1、P2は、ターゲット部分Cの間に配置される場合には、スクライブレーンアライメントマークとして知られる。
【0051】
[0059] 明確にするために、直交座標系が使用される。直交座標系は、3つの軸、即ち、x軸、y軸、及びz軸を有する。3つの軸のそれぞれは、他の2つの軸に対して垂直である。x軸の周りの回転は、Rx回転と呼ばれる。y軸の周りの回転は、Ry回転と呼ばれる。z軸の周りの回転は、Rz回転と呼ばれる。z軸は、一般に、リソグラフィ装置の光軸(例えば、
図1の鉛直方向)と一致することがあり、一方、x軸及びy軸は、光軸に垂直な平面(例えば、
図1の水平面)を規定することがある。この直交座標系は、本発明を限定するものではなく、明確にするためだけに使用される。代わりに、円筒座標系などの別の座標系を、明確にするために使用してもよい。直交座標系の向きは異なっていてもよく、例えば、z軸が水平面に沿った成分を有してもよい。
【0052】
[0060]
図2は、照明システム105を含むフォトリソグラフィシステム100を概略的に示す。以下でより完全に説明するように、照明システム105は、光源を含み、この光源は、パルス光ビーム110を生成し、そのビームを、ウェーハ120上に超微小電子フィーチャをパターン形成するフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナ115に向ける。ウェーハ120は、ウェーハ120を保持するように構築され、且つ、特定のパラメータに従ってウェーハ120を正確に位置決めするように構成されたポジショナに接続された、ウェーハテーブル125上に置かれる。
【0053】
[0061] フォトリソグラフィシステム100は、例えば248ナノメートル(nm)又は193nmの波長を伴う深紫外線(DUV)範囲の波長を有する光ビーム110を使用する。ウェーハ120上にパターン形成することができる超微小電子フィーチャの最小寸法は、光ビーム110の波長に依存し、波長をより短くすると最小のフィーチャサイズをより小さくできる。光ビーム110の波長が248nm又は193nmである場合、超微小電子フィーチャの最小寸法は、例えば、50nm以下とすることができる。光ビーム110の帯域幅は、光ビーム110の光エネルギーが、異なる波長に渡ってどのように分布しているかという情報を含む光スペクトル(又は放射スペクトル)の、実際の瞬間的な帯域幅とすることができる。スキャナ115は、例えば、1つ又は複数の集光レンズ、マスク、及び対物系構成を有する光学的構成を含む。マスクは、1つ又は複数の方向に沿って、例えば、光ビーム110の光軸に沿って、又は光軸に垂直な面内で、移動可能である。対物系構成は、投影レンズを含み、マスクからウェーハ120上のフォトレジストへの画像転写を可能にする。照明システム105は、マスクに当たる光ビーム110の角度の範囲を調節する。照明システム105はまた、マスク全体に渡る光ビーム110の強度分布を均質化(均一化)する。
【0054】
[0062] スキャナ115は、とりわけ、リソグラフィコントローラ130、空調装置、及び様々な電気部品用の電源を含むことができる。リソグラフィコントローラ130は、ウェーハ120上にどのように層がプリントされるのかを制御する。リソグラフィコントローラ130は、プロセスレシピなどの情報を記憶するメモリを含む。プロセスプログラム又はレシピは、例えば使用するマスク、並びに露光に影響を与える他の要因に基づいて、ウェーハ120上での露光の長さを決定する。リソグラフィ中に、光ビーム110の複数のパルスがウェーハ120の同じ領域を照射して、照射ドーズを構成する。
【0055】
[0063] フォトリソグラフィシステム100はまた、制御システム135を含むことが好ましい。一般的に、制御システム135は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちの1つ又は複数を含む。制御システム135は、読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリであり得るメモリも含む。コンピュータプログラム命令及びデータを具体的に取り込むのに適したストレージデバイスとしては、例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含む全ての形態の不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD-ROMディスクが挙げられる。
【0056】
[0064] 制御システム135は、1つ又は複数の入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、マイクロホン、マウス、手持ち式入力デバイス、等)及び1つ又は複数の出力デバイス(例えば、スピーカー又はモニターなど)を含むこともできる。制御システム135は、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサ、及び、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサによって実行されるように機械可読ストレージデバイス内に具体的に取り込まれた1つ又は複数のコンピュータプログラムも含む。1つ又は複数のプログラム可能プロセッサはそれぞれ、命令のプログラムを実行して、入力データを操作し適切な出力を生成することによって、所望の機能を実施することができる。一般的に、プロセッサは、メモリから命令及びデータを受け取る。前述のいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されるか、又は組み込まれることがある。制御システム135は、中央集中型とするか、又はフォトリソグラフィシステム100全体に渡って部分的に又は全面的に分散させることができる。
【0057】
[0065]
図3を参照すると、例示的な照明システム105は、光ビーム110としてパルスレーザビームを生成するパルスレーザ源である。
図3は、開示される主題の特定の態様の一実施形態による、ガス放電レーザシステムを、例示的にブロック図で示す。ガス放電レーザシステムは、例えば、固体又はガス放電シードレーザシステム140、増幅ステージ、例えば、パワーリング増幅器(「PRA」)ステージ145、リレー光学部品150、及びレーザシステム出力サブシステム160を含むことがある。シードシステム140は、例えば、主発振器(「MO」)チャンバ165を含むことがある。
【0058】
[0066] シードレーザシステム140はまた、主発振器出力カプラ(「MO OC」)175を含むことがあり、このMO OC175は、ライン狭隘化モジュール(「LNM」)170内の反射格子(図示せず)を用いて形成された、部分反射ミラーと、内部でシードレーザ140が発振してシードレーザ出力パルスを形成する、即ち、主発振器(「MO」)を形成する、発振器キャビティと、を含むことがある。このシステムは、ライン中心分析モジュール(「LAM」)180を含むこともある。LAM180は、微細な波長測定用のエタロンスペクトロメータ及び粗い解像度の回折格子スペクトロメータを含むことがある。MO波面エンジニアリングボックス(「WEB」)185は、MOシードレーザシステム140の出力を増幅ステージ145に向け直すように作用することがあり、また、例えば、マルチプリズムビーム拡大器(図示せず)を用いたビーム拡大、及び、例えば、光遅延経路(図示せず)の形態でのコヒーレンス破壊を含むことがある。
【0059】
[0067] 増幅ステージ145は、例えばPRAレージングチャンバ200を含むことがあり、PRAレージングチャンバ200もまた、例えば、シードビーム注入及び出力結合光学系(図示せず)によって形成される発振器であることがあり、この出力結合光学系は、PRA WEB210に組み込まれることがあり、また、ビーム反転器220によってチャンバ200内の利得媒体を通過して戻るように向け直されることがある。PRA WEB210は、部分反射型入力/出力カプラ(図示せず)と、公称動作波長(例えば、ArFシステムの場合には約193nm)に対する最大限の反射ミラーと、1つ又は複数のプリズムと、を組み込むことがある。
【0060】
[0068] 増幅ステージ145の出力部にある帯域幅分析モジュール(「BAM」)230は、増幅ステージからのパルスの出力レーザ光ビームを受け取り、その光ビームの一部を計測目的のために取り出して、例えば、出力帯域幅及びパルスエネルギーを測定することがある。次いで、パルスのレーザ出力光ビームは、光パルスストレッチャー(「OPuS」)240及び出力結合自動シャッター計測モジュール(「CASMM」)250を通過し、CASMM250は、パルスエネルギーメーターが置かれる位置でもあり得る。OPuS240の目的の1つは、例えば、単一の出力レーザパルスをパルス列に変換することであり得る。元の単一の出力パルスから生成される二次パルスは、互いに対して遅延することがある。元のレーザパルスのエネルギーを二次パルス列に分配することにより、レーザの有効パルス長を拡大することができ、同時に、ピークパルス強度を低下させることができる。従って、OPuS240は、BAM230を介してPRA WEB210からレーザビームを受け取り、OPuS240の出力をCASMM250に向けることができる。他の実施形態では、他の適切な構成を用いることがある。
【0061】
[0069] PRAレージングチャンバ200及びMO165はチャンバとして構成され、このチャンバでは、電極間の放電がレージングガス中でレージングガス放電を引き起こして、例えばAr、Kr、及び/又はXeを含む高エネルギー分子の反転分布を生み出して比較的に広帯域の放射を生成し、この放射は、当分野で知られるように、ライン狭隘化モジュール(「LNM」)170において選択された比較的に非常に狭い帯域幅及び中心波長にライン狭隘化されることがある。
【0062】
[0070] 典型的には、LNMでチューニングが行われる。レーザのライン狭隘化及びチューニングに使用される典型的な手法は、レーザの放電キャビティの背面にウィンドウを設けることであり、このウィンドウを通って、レーザビームの一部分がLNMへと進む。そこで、ビームのその一部分は、プリズムビーム拡大器を用いて広げられ、回折格子などの光学素子に向けられ、回折格子は、レーザのより広いスペクトルのうちの選択された狭い部分を、放電チャンバへと反射して戻し、そこで、レーザのその部分は増幅される。レーザは、通常、例えば圧電アクチュエータなどのアクチュエータを使用して、ビームが回折格子を照射する角度を変えることにより、チューニングされる。或いは、プリズムなどの透過型光学素子を使用して、レーザのより広いスペクトルのうちの選択された狭い部分を、放電チャンバへと透過させて戻し、そこで、レーザのその部分が増幅されることがある。レーザは、例えば圧電アクチュエータなどのアクチュエータを使用して、ビームがプリズムを照射する角度を変えることにより、チューニングされることがある。
【0063】
[0071] 上述したように、用途によっては、ある1つの波長を有する1つ又は複数のパルスのバーストを生成することができ、次いで、異なる波長を有する1つ又は複数のパルスのバーストを生成するように切り替えることができることが、有益である。しかしながら、パルス間で波長を切り替えることは、困難である。1つの理由は、整定時間、即ち、波長を変えた後にシステムが安定化するのにかかる時間は、通常、パルス間隔よりも長いからである。一態様によれば、基準波長を変更することにより引き起こされる過渡的な整定期間は、バースト間でアクチュエータを事前に位置決めすることによりアクチュエータを準備させて、バースト間の次に来る新しい目標波長を実現することにより、短縮される。
【0064】
[0072] 別の態様によれば、アクチュエータの動的モデルを使用して、アクチュエータを作動させるための最適な制御波形を計算し、実際の波長と波長目標との差を最小化する。
【0065】
[0073] 最適な制御波形は、幾つかある方法のうちのいずれかを使用して計算することができる。例えば、最適な制御波形は、動的計画法を使用して計算されることがある。この方法は、非線形ダイナミクスを含む複雑なモデルを扱えるように、十分に適合されている。強い非線形ダイナミクスを有するアクチュエータモデルが採用されている場合、動的計画法を使用して所与の波長目標に対する最適な制御信号を生成することがある。しかしながら、動的計画法には、リアルタイムに実施できない可能性がある相当な計算資源を必要とする、という課題がある。この課題を克服するために、放射源が動作することができる様々な繰り返し率のうちの少なくとも幾つかに対する最適な制御パラメータを含む、事前に入力されたルックアップテーブル又は事前にプログラムされたフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのデータストレージデバイスを使用することがある。
【0066】
[0074] 別の例として、最適な制御波形は、モデル反転フィードフォワード制御を使用して決定されることがある。この方法は、アクチュエータ動的モデルに依拠して、アクチュエータ動態を反転するデジタルフィルタを構築する。所望のアクチュエータ軌道に対する所望の波形をこのフィルタに通すことにより、最適な制御波形をリアルタイムに生成して、定常状態エラー追跡ゼロを実現することができる。
【0067】
[0075] 別の例として、安定した態様の2つの別々の波長を実現するための最適な解決策は、複数回の学習の反復を通して誤差収束を保証する学習アルゴリズムを使用して、達成される。
【0068】
[0076] 本明細書で開示されるシステム及び方法の実施形態は、20fm未満の分離誤差を伴う1000fmだけ分離した2つの別々の波長を潜在的に実現することができる。
【0069】
[0077] 別の態様によれば、FPGAを使用することにより、最適な制御波形を非常に高速でアクチュエータに供給することがある。
【0070】
[0078]
図4は、放射のパルスのバーストを制御するための放射システム300の概略図である。放射システム300は、
図3に示す上述した照明システム105の少なくとも一部分を形成することがある。放射システム300は、
図3に示す照明システム105のフィーチャのいずれかを組み込んでいることがある。放射システム300は、光学素子310、コントローラ320、アクチュエータ330、及びセンサ340を含む。
【0071】
[0079] 光学素子310は、放射のパルスと相互作用して(点線の矢印によって概略的に示されている)、放射のパルスの特徴(例えば、放射のパルスの波長)を制御するように構成される。放射のパルスの特徴は、光学素子310の構成に依存していることがある。光学素子310は、
図3を参照して上述したライン狭隘化モジュール(「LNM」)170の1つ又は複数の部分を含むことがある。光学素子310は、波長依存の態様で放射のパルスを反射させるように構成された反射型回折格子を含むことがあり、それにより、選択された帯域の波長の放射が、放射システム300の出力に伝達されることになる。それに加えて又はその代わりに、光学素子310は、波長依存の態様で放射のパルスを屈折させるように構成されたプリズムを含むことがあり、それにより、選択された帯域の波長の放射が、放射システム300の出力に伝達されることになる。
【0072】
[0080] センサ340は、光学素子310と相互作用したパルスの特徴(例えば、波長)を決定するように動作可能である。例えば、センサ340は、
図3に示した上述したタイプのライン中心分析モジュール(「LAM」)180を含むか、又はその一部を形成することがある。センサ340は、微細な波長測定用のエタロンスペクトロメータ及び粗い解像度の回折格子スペクトロメータを含むことがあるが、他のセンサを使用してもよいことが理解されよう。
【0073】
[0081] 光学素子310とセンサ340は両方とも、(点線の矢印によって概略的に示されるように)放射のパルスと物理的に相互作用するように動作可能な放射システム300の部分350を形成する。従って、放射システム300のこの部分350は、放射システム300の他の部分と放射のパルスとの間の物理的インターフェースを提供する。
【0074】
[0082] コントローラ320は、制御信号325を生成するように動作可能である。次いで、アクチュエータ330は、コントローラ320から制御信号325を受け取り、制御信号325に依存して光学素子310の構成を制御するように構成される。アクチュエータ330は、光学素子310上の放射のパルスの入射角を制御するように、光学素子310を回転させるように構成された、圧電素子を含むことがある。
【0075】
[0083] 使用時に、放射のパルスの複数のバーストが生成される。例えば、放射のパルスのバーストは、
図3に示した上述した形態の照明システム105を使用して、生成されることがある。放射の各パルスは、光学素子310と相互作用し、その際、光学素子310は各パルスの特徴(例えば波長)に影響を与える。その後、各パルスの特徴(光学素子310によって決定された)は、センサ340によって測定され、センサ340も、放射の各パルスと相互作用する。
【0076】
[0084] コントローラ320は、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号325が、少なくとも1つの以前のバーストからの少なくとも1つの対応するパルスの決定された特徴に依存するように、構成される。即ち、所与のバースト中の所与のパルスに対する、(アクチュエータ330を介して)光学素子310の位置に影響を与える制御信号325の一部分は、以下で更に考察するように、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する。制御信号325は、各バースト中の各パルスに対するフィードフォワード信号を含むことがある。
【0077】
[0085] 以下で更に説明するように、制御信号325は、パルスのバースト毎に更新される。しかしながら、任意の所与のパルスのバースト中で、それらのパルスの特徴(例えば波長)は、開ループ方式で制御されることがある。
【0078】
[0086] ここで、放射システム300内部のパルスの波長に対する制御について、
図5を参照して考察する。
【0079】
[0087] 放射システム300の制御への第1の入力は、複数の電圧V(k)を含むことがあり、V(k)は、k番目のパルスについてアクチュエータ330に印加されることになる電圧のフィードフォワード信号である。即ち、V(k)は、バースト中のk番目のパルスが光学素子310に入射したときに光学素子310の位置を制御するようにアクチュエータ330に印加されることになる電圧を表すことがある。任意選択的に、これらの電圧V(k)は、アナログ/デジタル変換器410を使用して時間依存波形V(t)に変換されることがある。この波形V(t)は、光学素子310を制御するようにアクチュエータ330によって適用されることがある。この波形V(t)は、パルスが光学素子310と相互作用することによってサンプリングされると、複数の電圧V(k)に低減することがあり、パルス間の任意の適切な補間を使用して、波形V(t)が生成されることがあることが、理解されよう。
【0080】
[0088] コントローラ320によって生成された制御信号325は、複数の電圧V(k)を含むものとみなされることがある。これに加えて又はその代わりに、コントローラ320によって生成された制御信号325は、波形V(t)を含むものとみなされることがある。
【0081】
[0089] 次いで、アクチュエータ330に時間依存の波形V(t)を印加すると、時間依存の出力波長λ(t)がもたらされ、この出力波長λ(t)は、放射システム300のサブシステム420によって出力されることがある。サブシステム420の応答は、時間依存波形V(t)に基づいて、時間依存の出力波長λ(t)を決定する。サブシステム420の応答は、アナログのローパスフィルタ、入力電圧V(t)に対するアクチュエータ330の応答(この応答は、例えば、概ね線形あることもそうでないこともある)、及び/又はパルスが光学素子310と相互作用することから生じる任意の光学系利得、に依存するものとみなされることがある。
【0082】
[0090] 次いで、時間依存の出力波長λ(t)は、離散出力波長λ(k)を生成するように、ある繰り返し率で光学素子310に入射することがある放射のパルス430によってサンプリングされ、ここで、出力波長λ(k)は、k番目のパルスの波長である。
【0083】
[0091] 照明システム300の実施形態によっては、照明システム300は、出力パルス光ビームがパルス列を含み、パルスの波長は2つの異なる設定値波長の間で交互になるように、構成されることがある。即ち、奇数のパルスは第1の設定値波長を有し、偶数のパルスは第2の設定値波長を有するようにされる。これを実現するために、コントローラ320は、制御信号325が、例えば、放射のパルスの繰り返し率の半分に等しい周波数で振動するように構成されることがある。例えば、光学素子310を制御するようにアクチュエータ330によって印加される時間依存の波形V(t)は、周期的であり、放射のパルスの繰り返し率の半分(又はその整数倍)に等しい周波数で振動することがある。そのような構成にすると、放射システムは、それによってパルスの波長が振動する放射のパルスのバーストを生成することがある。有利にも、上述したように、複数の(例えば、2つの)異なる波長を使用することは、リソグラフィシステムで使用して焦点深度を増加させるのに、有益であり得る。
【0084】
[0092] 放射システム300の異なる部分は、異なる周波数又は繰り返し率で動作することがある。
【0085】
[0093] 例えば、センサ340は、放射の各パルスの特徴を決定するように動作可能であることがある。従って、センサ340は、放射システム300の繰り返し率によって与えられる周波数で、データを取得し、それを出力信号345としてコントローラ320に出力するように動作可能であることがある。放射システム300の繰り返し率は、例えば、6kHz程度であり得る。
【0086】
[0094] パルスの波長をパルス毎に振動させるために、アクチュエータ330も、放射システム300の繰り返し率に依存する周波数で動作することがある。例えば、アクチュエータは、振動する出力波長を実現するために、連続的なパルスの各対の間に1回、動くことがある。そのような構成にすると、時間依存の波形V(t)(
図5を参照)は、概ね方形波又は正弦波の形状になることがある。或いは、アクチュエータ330は、放射システム300の繰り返し率よりも高い周波数で動作することがある。例えば、アクチュエータ330は、放射システム300の繰り返し率の10倍、又は15倍で動作することがある。そのような構成では、アクチュエータ330は、振動する出力波長を実現するために、連続的なパルスの各対の間に複数回(例えば10回又は15回)、動くことがある。そのような構成にすると、時間依存の波形V(t)(
図5を参照)は、概ね正弦曲線になることがある。放射システム300の繰り返し率よりも高い周波数でアクチュエータ330を動作させることにより、V(t)は、利得がより高い周波数でλ(t)を励起することができ、従ってλ(k)によって見られる(パルス間の)分離を増加させることができる。一般に、利得比λ(t)/V(t)は、波形V(t)の周波数範囲に依存する。更に、一般に、波形V(t)の所与の電力について、V(t)の周波数がより高い場合、λ(t)の電力はより高くなる。
【0087】
[0095] 実施形態によっては、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号325は、今から
図6を参照して説明するように、以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する。
図6は、放射のパルスのバーストを制御するための方法のフローチャートを示す。
【0088】
[0096] 第1のステップS10として、バーストカウンタiが1に設定される。次いで、パルスの最初のバーストの生成が開始する。第2のステップS20では、現在のバースト中のパルスのパルスカウンタkが1に設定される。次いで、パルスの現在のバースト中の最初のパルスの生成が開始する。
【0089】
[0097] ステップS30では、現在のバースト(バーストi)が終了したかどうかが判断される。例えば、実施形態によっては、最後のパルスから一定の時間が経過したとき(これは、「バースト・タイムアウト」としても知られる)、新しいバーストが開始することがある。そのような実施形態の場合、ステップS30は、最後のパルスから上記の一定の時間が経過したかどうかを判断することを含むことがある。或いは、ステップS30は、現在のバースト中のパルスのパルスカウンタkが、各バースト中のパルスの総数Nburstよりも大きいかどうかを判断することにより、達成されることがある(例えば、各バーストが一定の数Nburst個のパルスを有する実施形態の場合)。ステップS30で、現在のバーストが終了したと決定された場合、ステップS40で、バーストカウンタiが1だけ増やされ、この方法はステップS20に戻り、次のバースト中のパルスの生成を開始する準備が整う。
【0090】
[0098] ステップS30で現在のバーストがまだ終了していないと決定された場合、パルスの現在のバーストの生成はまだ終了していないので、この方法はバースト中の次のパルスの生成に進む(今から考察するように、ステップS50~S120)。
【0091】
[0099] ステップS50では、以前のフィードフォワード信号FFが取得される。この以前のFF信号は、i番目のバースト中のk番目のパルスの生成に使用される。この以前のフィードフォワード信号FFは、例えば、ルックアップテーブル又はコントローラ320内部の何らかの他のメモリから引き出されることがある。最初のバースト中の最初のパルスの生成中、この以前のフィードフォワード信号FFは、デフォルト値に設定されることがある。その後、以前のフィードフォワード信号FFは、以下のように定義される。バースト中の最初のパルスの生成中(即ち、k=0の場合)、以前のフィードフォワード信号FFは、信号FF(Nburst、i-1)、即ち、(i-1)番目のバースト中のNburst番目のパルスのフィードフォワード信号、になる。バースト中の最初のパルスではないパルスの生成中(即ち、k≠0の場合)、以前のフィードフォワード信号FFは、信号FF(k-1、i)、即ち、i番目のバースト中の(k-1)番目のパルスのフィードフォワード信号、になる。
【0092】
[0100] ステップS60では、以前のフィードフォワード信号FFを使用して、i番目のバースト中のk番目のパルスの生成中に光学素子310を作動させる。例えば、このバースト中のk番目のパルスが光学素子310に入射するときにアクチュエータ330に印加されることになる電圧V(k)は、この以前のフィードフォワード信号FFに依存する。アクチュエータ330に印加されることになる電圧V(k)は、例えば、以前のフィードフォワード信号FFに比例する(例えば、等しい)ことがある。
図5を参照して上述したように、電圧V(k)は、まず、アクチュエータ330に印加される時間依存の電圧波形V(t)に変換されることがある。
【0093】
[0101] ステップS70では、i番目のバースト中のk番目のパルスの波長誤差Werr(k、i)(即ち、現在生成されているパルスの波長誤差)が決定される。この波長誤差Werr(k、i)は、センサ340によって決定される波長λ(k、i)及び目標波長又は公称波長から決定される。特に、波長誤差Werr(k、i)は、センサ340によって決定される波長λ(k、i)と、目標波長又は公称波長との差として決定される。
【0094】
[0102] 次に、この方法はステップS80に進む。
【0095】
[0103] ステップS80では、生成されている現在のパルスがバースト中の最初のパルスであり(即ち、k=1)、且つ現在のバーストは生成されることになる最初のバーストではない(即ち、i>1)場合、この方法はステップS90に進み、現在のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号は、次式に従って設定される:
FF(Nburst、i)=FF(Nburst、i-1)+g2・Werr(1、i) (1)
ここで、FF(Nburst、i)は、現在のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号であり、FF(Nburst、i-1)は、以前のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号であり、g2は利得パラメータであり、Werr(1、i)はパルスの現在のバーストの現在の(即ち、最初の)パルスの生成中に決定された波長誤差である。
【0096】
[0104] 式(1)に示されるように、現在のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号は、以前のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号に補正項を加えたものと等しくなるように設定されることが、理解されよう。現在のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号である、FF(Nburst、i)は、実際に、(i+1)番目のバースト中の最初のパルスの生成のために、続いて使用される(ステップS50及びS60を参照)ことが理解されよう。同様に、以前のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号である、FF(Nburst、i-1)は、現在の(i番目の)バースト中の最初のパルスの生成のために今しがた使用された(ステップS50及びS60を参照)。補正項は、パルスの現在のバーストの現在の(即ち、最初の)パルスの生成中に決定された波長誤差Werr(1、i)に依存する。
【0097】
[0105] なお、
図6のフローチャートに示すように、現在のバースト中の最後のパルスのフィードフォワード信号FF(N
burst、i)(これは、実際に、(i+1)番目のバースト中の最初のパルスの生成のために続いて使用される。ステップS50及びS60を参照)は、一旦W
err(k、i)が測定されると、ステップS90で設定される。しかしながら、一般に、現在のバースト中の最後のパルスのフィードフォワード信号FF(N
burst、i)は、W
err(k、i)が測定された後で次のバーストの生成が開始される前の任意の時点で、式(1)に従って設定されることがある。例えば、実施形態によっては、現在のバーストの生成が終了するまで、N
burstが未知であることがある(例えば、最後のパルスから一定の時間が経過したときに次のバーストが開始する場合)。そのような実施形態の場合、現在のバースト中の最後のパルスのフィードフォワード信号FF(N
burst、i)は、ステップS40の直前又は直後に設定されることがある。
【0098】
[0106] 一旦、ステップS90で、現在のバースト中の最後のパルス(Nburst番目のパルス)のフィードフォワード信号が設定されると、この方法はステップS120に進む。
【0099】
[0107] ステップS80で、生成されている現在のパルスが、バースト中の最初のパルスではない(即ち、k≠1)か、又は現在のバーストは生成されることになる最初のバーストである(即ち、i=1)場合、この方法はステップS100に進む。
【0100】
[0108] ステップS100では、生成されている現在のパルスが、バースト中の最初のパルスではない(即ち、k>1)場合、この方法はステップS110に進む。そうでなければ、この方法はステップS120に進む。なお、ステップS100からステップS120に直接向かうこの経路は、最初のバースト中の最初のパルスの生成中のみに使用される。
【0101】
[0109] ステップS110では、次のバースト、即ち(i+1)番目のバースト中の(k-1)番目のパルスのフィードフォワード信号は、次式に従って設定される:
FF(k-1、i+1)=FF(k-1、i)-g1・Werr(k、i) (2)
ここで、FF(k-1、i+1)は、次のバースト中の(k-1)番目のパルスのフィードフォワード信号であり、FF(k-1、i)は、現在のバースト中の(k-1)番目のパルスのフィードフォワード信号であり、g1は利得パラメータであり、Werr(k、i)はパルスの現在のバーストの現在の(即ち、k番目の)パルスの生成中に決定された波長誤差である。
【0102】
[0110] このようにして、次のバースト中の全てのパルスのフィードフォワード信号を、現在のバースト中の対応するパルスのフィードフォワード信号に補正項を加えたものに等しくなるように設定できることが理解されよう。補正項は、現在のバーストからの対応するパルスの決定された波長に依存する。ここで、式(2)によって与えられるように、(k-1)番目のパルスのフィードフォワード信号の補正項は、現在の(即ち、k番目の)パルスの生成中に決定された波長誤差に比例する((k-1)番目のパルスのフィードフォワード信号は実際にk番目のパルスの生成に使用されることを思い起こされたい)。
【0103】
[0111] ステップS120では、パルスカウンタkは1だけ増加され、この方法はステップS30に戻り、次のパルスの生成を開始する準備が整う。
【0104】
[0112] このようにして、最初のバーストを除く全てのバースト中の各パルスの全てのフィードフォワード信号(これは、コントローラ320によって出力される信号325に対応する)は、以前のバースト中の対応するパルスのフィードフォワード制御信号に補正項を加えたものに等しくなるように設定される。補正項は、以前のバーストからの対応するパルスの決定された波長と、その特徴の公称値との差に比例する。
【0105】
[0113] (
図8を参照して)以下で更に考察するように、概ね
図6を参照して上記で説明したタイプの放射のパルスのバーストを制御するための方法は、(フィードフォワード制御信号によって定義される)電圧波形が、パルスの一定数のバーストにわたり定常状態の波形に向けて収束することを可能にすることがある。従って、一旦この定常状態に達すると、後続のパルスの生成中に、この方法は、以前のパルスにおける波長誤差に基づいて補正項を計算するのではなく、単にこれらの定常状態の値を使用することがある。例えば、制御ステップS30(
図6を参照)において、この方法は、所与の数のパルスのバーストが既に生成されたかどうかを判断することがある(この数は、一般に、電圧波形が既に定常状態の波形に収束済みのはずであるように、十分に大きく、例えば、パルスのバーストの所与の数は20であり得る。例えば、ステップS30において又はその周辺で、この方法はi≦20であるかどうかを判断することがある。そうである(即ち、i≦20)場合、この方法は、ステップS40~S120を使用して上述したように進むことがある。しかしながら、そうではない(即ち、i>20)である場合、この方法は、より単純なステップの組を実施することがあり、それによって、例えば、ステップS40及びS50のみが実施される(パルスを生成するために、関連する記憶されたフィードフォワード信号を選択し使用する)。これに続いて、この方法は、ステップS120に直接進むことがある(次のパルスを生成する準備が整う)。任意選択的に、ステップS70における波長誤差の測定が実施されることがあり、その情報は、後の解析のために記憶されることがある。
【0106】
[0114] (
図6に概略的に示されるような)上述した例では、最初のバーストを除く全てのバースト中の各パルスに対するフィードフォワード信号は、以前のバースト中の対応するパルスに対するフィードフォワード制御信号に補正項を加えたものに等しくなるように設定される。説明した例では、補正項(式(1)及び式(2)を参照)は、以前のバーストからの対応するパルスの決定された波長と、公称波長との差に比例する。従って、この説明した例は、1つのバーストを振り返るシナリオであるとみなされることがあり、このシナリオでは、1つ前のバースト中の対応するパルスの波長誤差に基づいて補正が適用される。しかしながら、代替の実施形態では、制御信号325は、複数の又は全ての以前のバーストに依存することがある。これは、n個のバーストを振り返るシナリオと呼ばれることがある。
【0107】
[0115] 更に、(
図6に概略的に示されるような)上述した例では、以前のバースト中の対応する1つのパルスのフィードフォワード信号及び波長誤差のみを使用して、所与のバースト中の所与のパルスに対するフィードフォワード信号が定義される。しかしながら、代替の実施形態では、1つ又は複数の以前のバースト中の対応する複数のパルスが使用されることがある。例えば、現在のパルスに正確に対応する1つ又は複数の以前のバーストからのパルスに加えて、1つ又は複数の周囲のパルスも使用されることがある。一般に、補正項は、1つ又は複数の以前のバースト中の対応するパルスの組の波長誤差に依存することがあり、対応するパルスの組は、複数の対応するパルスを含むことがある。
【0108】
[0116] 一般に、フィードフォワード信号は、波長誤差Werr(k、i)の全ての測定履歴を使用して決定されることがある。例えば、一般に、式(1)及び式(2)は、以下で置き換えられることがある:
FF(k、i)=f(FF(1、2、…、Nburst;1、2、…、i-1)、Werr(1、2、…、Nburst;1、2、…、i-1), (3)
ここで、fは、以前のバーストのフィードフォワード信号FF(1、2、…、Nburst;1、2、…、i-1)、及び以前のバースト中のパルスの波長誤差Werr(1、2、…、Nburst;1、2、…、i-1)の任意の関数である。
【0109】
[0117] 本発明の発明者らは、波長目標がバースト内で(例えば、パルス毎に)変化する放射生成レジームでは、新しいバースト過渡状態がシステムに現れることに気付いた。これの理由は、上記で説明したように、アクチュエータ330及び光学素子310は、パルス毎に波長を変えるためには振動状態におかれなくてはならないが、アクチュエータ330及び光学素子310のこの物理システムは、連続する放射のバースト間のバースト間間隔中に、静止状態に戻るから、である。要するに、(a)素早く振動を開始し、(b)その振動を維持する、ために使用されるべきであるアクチュエータ330の電圧波形は、異なる。
【0110】
[0118] これは、
図7A及び7Bに示されており、これらの図は、開ループ制御レジーム(四角形で表されている)及び適応制御レジーム(円形で表されている)を比較しており、適応制御レジームは、波長がパルス毎に変化する動作に、より適している(多焦点イメージングレジームとも呼ばれる)。
図7A及び
図7Bは、それぞれ、各パルスの波長、及びパルス毎にアクチュエータ330に印加される制御電圧を示している。
【0111】
[0119]
図7Bに示すように、開ループ制御は、同じ2つの設定値電圧V1、V2の間で交互になる制御電圧を印加する。
図7Aに見られるように、少なくとも放射の各バーストの開始時点(ここで、現在のバーストはパルス番号2400で開始している)において、この制御レジームの下では、波長はオーバーシュートし、公称設定値又は目標設定値λ1、λ2の周辺で過渡的に振動する傾向がある。
【0112】
[0120]
図7Bに示すように、適応制御レジームは、交互になるもののその振動の大きさは初期期間中に増加する、制御電圧を印加する。
図7Aに見られるように、この制御レジームの下では、波長は、開ループ制御レジームよりも大幅に速く公称設定値又は目標設定値λ1、λ2に収束する傾向がある。
【0113】
[0121] 最初のバーストを除く全てのバースト中の各パルスの全てのフィードフォワード信号(これは、コントローラ320によって出力される信号325に対応する)は、以前のバースト中の対応するパルスのフィードフォワード制御信号に補正項を加えたものに等しくなるように設定される。なお、補正項は、以前のバーストからの対応するパルスの決定された波長と、その特徴の公称値との差に比例するものの、バースト中の最初のパルスと全ての他のパルス(g1)には、異なる利得(g2)が使用される。有利にも、このようにして、各バースト中に発生する過渡状態及び連続するバースト間のギャップに起因して発生する過渡状態に対して、異なる利得が当てはまることがある。
【0114】
[0122] この放射システム300は有利である、というのも、以前のバーストからの、光学素子310と相互作用したパルスの決定された特徴(例えば波長)を使用するフィードバックループを含むからである。特に、所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号325は、以前のバーストからの対応するパルスに対する制御信号325にフィードバック補正を加えたものによって、与えられることがある。フィードバック補正は、以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴と、以前のバーストからの対応するパルスの公称特徴又は目標特徴との差に依存する(例えば、比例する)ことがある。有利にも、これにより、放射システム300が、パルスの各バースト中に、及びパルスのバーストの連続する対の合間に、異なる制御信号が使用されることにより引き起こされる過渡的効果を考慮に入れ、少なくとも部分的にこれを補正することが可能になる。そのような過渡的効果は、特に、アクチュエータ及び光学素子の動的応答がアンダーダンプされている場合に、著しくなる場合がある。
【0115】
[0123] ただ、過渡的挙動の一般的な形状は既知であることがあり、例えば、モデル化されていることがある。実際には、波長誤差を許容限度内に維持するようにこの挙動を十分に正確にモデル化することは困難である。
【0116】
[0124]
図8は、パルス数の関数としてアクチュエータ330に印加される制御電圧(上側プロット)及び各パルスの波長(下側プロット)を示している。これらの結果は、
図6を参照して上述した制御方式について示されており、2つのプロットが、放射のパルスの15個のバーストに渡っている様子を示す。
【0117】
[0125] 放射のパルスの最初のバーストの初期制御方式が、概ね、
図7A及び
図7Bを参照して上述した適応制御レジームの形態のものであることが分かる。パルスの初期バーストの電圧波形は、例えば、適切なモデルによって決定されていることがある。概ね正確な「適応」形態をしているものの、
図8より、依然として著しい波長誤差が存在することが理解されよう。
【0118】
[0126] しかしながら、
図6を参照して上述した制御方式を使用すると、パルスの数個のバーストを通じて、電圧波形が定常状態の波形に向けて収束すること、及び、そうなることにより、波長の精度が過渡状態と定常状態の両方で改善されること、が分かる。
【0119】
[0127] パルスの最初のバーストに対するフィードフォワード信号は、光学素子310及びアクチュエータ330の動力学のモデルに基づいて決定されることがある。例えば、アクチュエータ330の電圧変化に対する制約を考慮するために、制約を伴う二次計画法を使用して、実現可能な動作領域内での最適なフィードフォワード信号を見つけるのを支援することがある。二次計画法(QP)とは、数学的に制約付きの所与の二次費用関数に対する最適解を見つける手法である。ここで説明されている手法では、目的は、アクチュエータの位置と所望の制御波形との間の誤差を最小化しながら、アクチュエータ330の制約を満足するフィードフォワード制御を見つけることである。
【0120】
[0128] 或いは、初期条件は、パルスの最初のバーストに対するフィードフォワード信号をゼロに設定することであり得る(但し、そのような実施形態は、定常状態に収束するのにより長い時間がかかることがある)。
【0121】
[0129] この明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及していることがあるが、本明細書で説明されるリソグラフィ装置には、他の用途があり得ることが理解されるべきである。他の可能な用途としては、集積光学システムの製造、磁気ドメインメモリーのためのガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等が挙げられる。
【0122】
[0130] 本明細書では、リソグラフィ装置の文脈で本発明の実施形態について特に言及していることがあるが、本発明の実施形態は他の装置で使用されることがある。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、又はウェーハ(若しくは他の基板)若しくはマスク(若しくは他のパターニングデバイス)などの物体を測定若しくは処理する任意の装置、の一部分を形成することがある。これらの装置は、一般に、リソグラフィツールと呼ばれることがある。そのようなリソグラフィツールは、真空状態又は周囲(非真空)状態を使用することがある。
【0123】
[0131] 文脈上可能な場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されることがある。本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサによって読み出され実行されることがある、機械可読媒体に保存された命令として、実装されることもある。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み取ることができる形式で情報を保存又は送信するための任意の機構を含むことがある。例えば、機械可読媒体としては、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的、又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外信号、デジタル信号、等)などが挙げられる。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、本明細書では、特定のアクションを実施するものとして説明されることがある。しかしながら、そのような説明は、単に便宜上のものであること、及び、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、その際、そのようなアクションにより、アクチュエータ又は他のデバイスが物理的な世界と相互作用するようになることがあることが、理解されるべきである。
【0124】
[0132] 本開示の実施態様については、以下の条項を使用して更に説明することができる。
1.放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、
放射のパルスと相互作用して放射のパルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射のパルスの特徴は、光学素子の構成に依存する、光学素子と、
制御信号を生成するように動作可能であるコントローラと、
コントローラから制御信号を受け取り、制御信号に依存して光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、
光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定するように動作可能であるセンサと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する、放射システム。
2.所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの決定された特徴に依存する、条項1に記載の放射システム。
3.所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバースト中の対応するパルスに対する制御信号に補正項を加えたものによって与えられ、補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する、条項1に記載の放射システム。
4.補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴と、その特徴の公称値との差に比例する、条項3に記載の放射システム。
5.補正項は利得に比例し、利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しく、且つ利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しい、条項4に記載の放射システム。
6.特徴とは、放射のパルスの波長である、条項1に記載の放射システム。
7.コントローラは、制御信号が振動するように構成される、条項1に記載の放射システム。
8.制御信号は振動して、パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、条項7に記載の放射システム。
9.アクチュエータは、光学素子上の放射のパルスの入射角を制御するように、光学素子を回転させるように構成された、圧電素子を含む、条項1に記載の放射システム。
10.光学素子は、波長依存の態様で放射のパルスを反射させるように構成された回折格子を含み、それにより、選択された帯域の波長の放射が、放射システムの出力に伝達されることになる、条項1に記載の放射システム。
11.光学素子は、波長依存の態様で放射のパルスを屈折させるように構成されたプリズムを含み、それにより、選択された帯域の波長の放射が、放射システムの出力に伝達されることになる、条項1に記載の放射システム。
12.最初のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、光学素子及びアクチュエータの動力学のモデルに基づいて決定される、条項1に記載の放射システム。
13.コントローラは、制御信号が、パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供するように構成される、条項1に記載の放射システム。
14.リソグラフィシステムであって、
放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、
放射のパルスと相互作用して放射のパルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射のパルスの特徴は、光学素子の構成に依存する、光学素子と、
制御信号を生成するように動作可能であるコントローラと、
コントローラから制御信号を受け取り、制御信号に依存して光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、
光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定するように動作可能であるセンサと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する、放射システム、及び
放射システムから放射のパルスを受け取り、放射のパルスにパターン付与し、パターン付与された放射のパルスをターゲット上に投射する、ように構成されたリソグラフィ装置、を含むリソグラフィシステム。
15.コントローラは、制御信号が振動して、パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、ように構成される、条項14に記載のリソグラフィシステム。
16.リソグラフィ装置は、2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを受け取るように構成される、条項15に記載のリソグラフィシステム。
17.放射のパルスのバーストを制御する方法であって、
光学素子を使用して放射のパルスと相互作用し、放射のパルスの特徴を制御することと、
光学素子と相互作用したパルスの特徴を決定することと、
制御信号を生成することと、
制御信号に依存して光学素子の構成を制御することと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの少なくとも1つの対応するパルスの決定された特徴に依存する、方法。
18.所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの決定された特徴に依存する、条項17に記載の方法。
19.所与のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、以前のバースト中の対応するパルスに対する制御信号に補正項を加えたものによって与えられ、補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴に依存する、条項17に記載の方法。
20.補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの決定された特徴と、その特徴の公称値との差に比例する、条項19に記載の方法。
21.補正項は利得に比例し、利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しく、且つ利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しい、条項19に記載の方法。
22.特徴とは、放射の少なくとも1つのパルスの波長である、条項17に記載の方法。
23.生成された制御信号は振動する、条項17に記載の方法。
24.最初のバースト中の所与のパルスに対する制御信号は、光学素子及びアクチュエータの動力学のモデルに基づいて決定される、条項17に記載の方法。
25.生成された制御信号は振動して、2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、条項17に記載の方法。
【0125】
[0133] 本発明の具体的な実施形態について上記で説明したが、本発明は、説明したものとは別の態様で実施されることがあることを、理解されたい。上記の説明は、例示を意図しており、限定するものではない。従って、添付に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、
放射の前記パルスと相互作用して放射の前記パルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射の前記パルスの前記特徴は、前記光学素子の構成に依存する、光学素子と、
制御信号を生成するように動作可能であるコントローラと、
前記コントローラから前記制御信号を受け取り、前記制御信号に依存して前記光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、
前記光学素子と相互作用したパルスの前記特徴を決定するように動作可能であるセンサと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、放射システム。
【請求項2】
前記所与のバースト中の前記所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの一組のパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項1に記載の放射システム。
【請求項3】
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバースト中の対応するパルスに対する前記制御信号に補正項を加えたものによって与えられ、前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項1に記載の放射システム。
【請求項4】
前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴と、前記特徴の公称値との差に比例する、請求項3に記載の放射システム。
【請求項5】
前記補正項は利得に比例し、前記利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しく、且つ前記利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しい、請求項4に記載の放射システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記制御信号が振動するように構成される、請求項1に記載の放射システム。
【請求項7】
前記制御信号は振動して、前記パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、請求項
6に記載の放射システム。
【請求項8】
前記光学素子は、波長依存の態様で放射の前記パルスを反射させるように構成された回折格子を含み、それにより、選択された帯域の波長の放射が、前記放射システムの出力に伝達されることになる、請求項1に記載の放射システム。
【請求項9】
前記光学素子は、波長依存の態様で放射の前記パルスを屈折させるように構成されたプリズムを含み、それにより、選択された帯域の波長の放射が、前記放射システムの前記出力に伝達されることになる、請求項1に記載の放射システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記制御信号が、前記パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供するように構成される、請求項1に記載の放射システム。
【請求項11】
リソグラフィシステムであって、
放射のパルスのバーストを制御するための放射システムであって、
放射の前記パルスと相互作用して放射の前記パルスの特徴を制御するように構成された光学素子であって、放射の前記パルスの前記特徴は、前記光学素子の構成に依存する、光学素子と、
制御信号を生成するように動作可能であるコントローラと、
前記コントローラから前記制御信号を受け取り、前記制御信号に依存して前記光学素子の構成を制御するように構成されたアクチュエータと、
前記光学素子と相互作用したパルスの前記特徴を決定するように動作可能であるセンサと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、放射システム、及び
前記放射システムから放射のパルスを受け取り、放射の前記パルスにパターン付与し、前記パターン付与された放射のパルスをターゲット上に投射する、ように構成されたリソグラフィ装置、を含むリソグラフィシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記制御信号が振動して、前記パルスのバースト内で2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、ように構成される、請求項
11に記載のリソグラフィシステム。
【請求項13】
前記リソグラフィ装置は、2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有する前記パルスを受け取るように構成される、請求項
12に記載のリソグラフィシステム。
【請求項14】
放射のパルスのバーストを制御する方法であって、
光学素子を使用して放射の前記パルスと相互作用し、放射の前記パルスの特徴を制御することと、
前記光学素子と相互作用したパルスの前記特徴を決定することと、
制御信号を生成することと、
前記制御信号に依存して前記光学素子の構成を制御することと、を含み、
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、少なくとも1つの以前のバーストからの少なくとも1つの対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、方法。
【請求項15】
所与のバースト中の所与のパルスに対する前記制御信号は、以前のバースト中の対応するパルスに対する前記制御信号に補正項を加えたものによって与えられ、前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴に依存する、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記補正項は、少なくとも1つの以前のバーストからの前記対応するパルスの前記決定された特徴と、前記特徴の公称値との差に比例する、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記補正項は利得に比例し、前記利得は、バースト中の最初のパルスではない任意のパルスについては第1の利得に等しく、且つ前記利得は、バースト中の最初のパルスである任意のパルスについては第2の利得に等しい、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記生成された制御信号は振動する、請求項
14に記載の方法。
【請求項19】
前記生成された制御信号は振動して、2つの異なる設定値波長間で交互になる波長を有するパルスを提供する、請求項
14に記載の方法。
【国際調査報告】