(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】複数のウェハー検査システム(WIS)モジュールを較正するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230119BHJP
G01N 21/00 20060101ALI20230119BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/00 B
G01N21/27 A
H01L21/66 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525607
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020053305
(87)【国際公開番号】W WO2021091634
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】カーカシ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】岩城 浩之
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼田 豊久
(72)【発明者】
【氏名】田所 真任
【テーマコード(参考)】
2G059
4M106
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB16
2G059EE02
2G059EE13
2G059FF01
2G059HH01
2G059HH02
2G059KK04
2G059MM14
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA21
4M106CA39
4M106CA48
4M106CA55
4M106DB04
4M106DB20
4M106DJ18
4M106DJ19
(57)【要約】
ウェハー検査システムモジュールを較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態が本明細書に開示される。より具体的には、本開示は、WISモジュール内に含まれるカメラシステムによって基板から取得されたマルチスペクトルバンド値を較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態を提供する。一実施形態では、マルチスペクトルバンド値は、赤色、緑色及び青色(RGB)値である。以下でより詳細に説明するように、本明細書に開示される較正方法は、所定のパターンの厚さ変化又は色変化を有するテストウェハーを使用して、マルチスペクトルバンドオフセット値を生成し得る。マルチスペクトルバンドオフセット値は、基板から取得されたマルチスペクトルバンド値に適用されて、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたRGB値を生成し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の1つ以上の特性を監視するための複数のウェハー検査システム(WIS)モジュールを含むシステムであって、各WISモジュールは、
前記基板が前記WISモジュール内に配置されるとき、前記基板からマルチスペクトルバンド値を取得するように構成されたカメラシステムと、
前記カメラシステムから前記マルチスペクトルバンド値を受信するように結合されたコントローラであって、前記カメラシステムから受信された前記マルチスペクトルバンド値にマルチスペクトルバンドオフセット値を適用して、前記複数のWISモジュール内に含まれる前記カメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたマルチスペクトルバンド値を生成するように構成される、コントローラと
を含む、システム。
【請求項2】
前記コントローラは、プログラム命令及びデータを記憶するように構成されたコンピュータ可読媒体と、前記記憶されたプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサとを含み、前記プログラム命令及びデータは、
前記マルチスペクトルバンドオフセット値が記憶される少なくとも1つのマルチスペクトルバンドオフセットテーブルと、
少なくとも1つの共通モデルであって、前記コントローラは、前記較正されたマルチスペクトルバンド値に前記少なくとも1つの共通モデルを適用して、前記基板上で検出された色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に変換するように構成される、少なくとも1つの共通モデルと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プログラム命令及びデータは、複数の共通モデルと、複数のマルチスペクトルバンドオフセットテーブルとを含み、各共通モデル及び各マルチスペクトルバンドオフセットテーブルは、前記基板の表面に塗布され得る異なる材料に対応する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板の前記1つ以上の特性を監視する前に、前記コントローラ又は追加のコントローラのいずれかは、
前記複数のWISモジュールのそれぞれを通されたテストウェハーからマルチスペクトルバンド値を取得することであって、前記テストウェハーは、前記テストウェハーにわたる所定のパターンの厚さ変化又は色変化を含む、取得することと、
前記テストウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値を、サンプルウェハーから取得されたマルチスペクトルバンド値と比較して、複数の前記マルチスペクトルバンドオフセット値を決定することと
により、少なくとも1つのマルチスペクトルバンドオフセットテーブル内に記憶される前記複数のマルチスペクトルバンドオフセット値を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラ又は追加のコントローラのいずれかは、前記テストウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値を、サンプルウェハーから取得されたマルチスペクトルバンド値と、
前記テストウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値及び前記サンプルウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値の3D散布図を生成することと、
前記3D散布図の各カラーセルに含まれる、前記テストウェハーに関する前記マルチスペクトルバンド値を平均化することと、
前記3D散布図の各カラーセルに含まれる、前記サンプルウェハーに関する前記マルチスペクトルバンド値を平均化することと、
前記3D散布図の各カラーセルにおける、前記テストウェハーに関する平均マルチスペクトルバンド値と、前記サンプルウェハーに関する前記平均マルチスペクトルバンド値との間の差又は比率を決定して、前記少なくとも1つのマルチスペクトルバンドオフセットテーブル内に記憶される前記複数のマルチスペクトルバンドオフセット値を生成することと
によって比較するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記テストウェハー上の前記所定のパターンの厚さ変化は、所定のパターンのウェッジ、ラジアル、ステップ、凹状構造又は凸状構造を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記テストウェハーは、所定のパターンの色変化を含み、前記テストウェハー上の前記所定のパターンの色変化は、前記テストウェハー上に転写又は印刷されるいくつかの異なる色サンプルを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記マルチスペクトルバンド値は、赤色、緑色及び青色(RGB)値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つ以上のウェハー検査システム(WIS)モジュールによって生成されたマルチスペクトルバンド値を較正する方法であって、前記少なくとも1つ以上のWISモジュールの各々は、前記WISモジュール内に配置されたテストウェハー、サンプルウェハー又は基板からマルチスペクトルバンド値を取得するように構成されたカメラシステムと、前記マルチスペクトルバンド値を受信及び較正するように結合されたコントローラとを含み、前記方法は、
前記基板を前記WISモジュールの少なくとも1つの中に提供して、前記基板に関するマルチスペクトルバンド値を取得することと、
前記基板から取得された前記マルチスペクトルバンド値にマルチスペクトルバンドオフセット値を適用して、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたマルチスペクトルバンド値を生成することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記較正されたマルチスペクトルバンド値に共通モデルを適用して、前記基板上で検出された色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に変換することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板を前記WISモジュールの少なくとも1つの中に提供する前に、
前記テストウェハーを複数のWISモジュールに通して、前記WISモジュールの各々から前記テストウェハーに関するマルチスペクトルバンド値を取得することであって、前記テストウェハーは、前記テストウェハーにわたる所定のパターンの厚さ変化又は色変化を含む、取得することと、
前記テストウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値を、前記サンプルウェハーから取得されたマルチスペクトルバンド値と比較して、マルチスペクトルバンドオフセット値を決定することと、
前記マルチスペクトルバンドオフセット値を前記WISモジュールのそれぞれの中に記憶することと
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記マルチスペクトルバンド値を前記比較することは、
前記テストウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値及び前記サンプルウェハーから取得された前記マルチスペクトルバンド値の3D散布図を生成することと、
前記3D散布図の各カラーセルに含まれる、前記テストウェハーに関する前記マルチスペクトルバンド値を平均化することと、
前記3D散布図の各カラーセルに含まれる、前記サンプルウェハーに関する前記マルチスペクトルバンド値を平均化することと、
前記3D散布図の各カラーセルにおける、前記テストウェハーに関する平均マルチスペクトルバンド値と、前記サンプルウェハーに関する前記平均マルチスペクトルバンド値との間の差又は比率を決定して、前記マルチスペクトルバンドオフセット値を生成することと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記テストウェハーを通す前に、前記テストウェハーにわたる前記所定のパターンの厚さ変化又は色変化を有する前記テストウェハーを作製することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記テストウェハーを前記作製することは、
コーティングされたテストウェハーを、リフト装置のプログラム可能なアレイを有するホットプレート上に提供することと、
前記コーティングされたテストウェハーと前記ホットプレートとの間にウェッジエアギャップを作製して、前記コーティングされたテストウェハーにわたる温度差をもたらすことであって、前記テストウェハーにわたる所定のパターンのウェッジを生じさせる、もたらすことと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記テストウェハーを前記作製することは、可変ノズル位置と組み合わされたマルチコート方法を使用して、前記テストウェハーにわたる所定のパターンの半径方向に依存する厚さ変化を作製することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記テストウェハーを前記作製することは、現像剤又は溶媒との可変現像接触時間と組み合わされた線形スキャン低インパクトパドル方法を使用して、前記テストウェハー上に所定のパターンのウェッジを作製することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記テストウェハーを前記作製することは、可変エッジ露光、それに続く露光後ベーク(PEB)プロセス及び現像(DEV)プロセスを使用して、前記テストウェハー上に所定のパターンの厚さ変化を作製することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記テストウェハーを前記作製することは、線形スキャンステージ露光システムを有する単一のランプ又はマルチランプ露光システムを使用して、架橋、酸化、結合破壊又は脱保護を介して前記テストウェハー上に所定のパターンの厚さ変化を作製することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記テストウェハーを前記作製することは、ステッパ/スキャナを使用して、オープンフレームドーズステッピングを露光し、前記テストウェハーをレジストでコーティングし、その後、露光後ベーク(PEB)プロセス及び現像(DEV)プロセスを行って、前記テストウェハー上に所定のパターンの段階状の厚さ変化を作製することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記テストウェハーを前記作製することは、カラープリンタを使用して、前記テストウェハー上にいくつかの異なる色サンプルを転写又は印刷することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記テストウェハーは、基板が処理されている間、オンザフライで作製される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記マルチスペクトルバンド値は、赤色、緑色及び青色(RGB)値である、請求項9に記載の方法。
【請求項23】
カメラは、可視光カメラ、マルチスペクトルイメージングカメラ又はハイパースペクトルイメージングカメラである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月4日に出願された「SYSTEM AND METHOD TO CALIBRATE A PLURALITY OF WAFER INSPECTION SYSTEM(WIS)MODULES」という名称の米国仮特許出願第62/930,089号明細書に対する優先権を主張し、その開示は、全体として参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板の検査に関する。具体的には、本開示は、ウェハー検査システム(WIS)モジュールを較正するための新規なシステム及び方法を提供する。一実施形態では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、基板処理システム内での半導体ウェハーなどの基板の処理前、処理中又は処理後に利用され得る。
【背景技術】
【0003】
従来の基板処理システムは、フォトレジストコーティング、露光及びフォトレジスト現像ステップを含むフォトリソグラフィプロセスを利用する。これらのステップで利用される材料及びプロセスは、全て基板上での膜厚、限界寸法のターゲティング、ラインラフネス及び均一性に影響を与え得る。基板処理における形状が縮小し続けるにつれて、基板上に構造を形成することに対する技術的課題が増大する。
【0004】
従来の基板処理システムでは、多くの場合、ウェハー検査システム(WIS)を使用して、1つ以上の処理ステップの実施中又は実施後に基板(例えば、半導体ウェハー)を検査する。例えば、従来のWISは、ウェハーの表面に塗布された層の膜厚(FT)を、ウェハーが塗布後ベーク(PAB)作業を受けて、層が硬化するか又は固まった後に決定するために使用され得る。別の例では、従来のWISは、ウェハーが現像されて構造が形成された後、ウェハー上に形成された構造の限界寸法(CD)を決定するために使用され得る。場合により、ウェハー検査システムによって取得されたデータは、プロセス制御のための高度なプロセス制御(APC)システム及び/又はウェハー上の欠陥を検出するための故障検出システムに提供され得る。
【0005】
一部のウェハー検査システム(WIS)モジュールは、ウェハー上の色差を監視し、色差をFT値又はCD値に関連付ける。しかしながら、2つの類似しているが、別個のWISモジュール同士の間のハードウェアの差により、各WISモジュールが色を異なって解釈する場合がある。これにより、同じ層又は同じウェハーを検査している場合でも、各WISモジュールは、異なる検査結果を生成することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ウェハー検査システムモジュールを較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態が本明細書に開示される。より具体的には、本開示は、WISモジュール内に含まれるカメラシステムによって基板から取得されたマルチスペクトルバンド値を較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態を提供する。一実施形態では、マルチスペクトルバンド値は、赤色、緑色及び青色(RGB)値である。以下でより詳細に説明するように、本明細書に開示される較正方法は、所定のパターンの厚さ変化又は色変化を有するテストウェハーを使用して、マルチスペクトルバンドオフセット値を生成し得る。マルチスペクトルバンドオフセット値は、基板から取得されたマルチスペクトルバンド値に適用されて、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたマルチスペクトルバンド値を生成し得る。
【0007】
一実施形態によれば、本明細書で提供されるシステムは、一般に、基板の1つ以上の特性を監視するための複数のウェハー検査システム(WIS)モジュールを含み得る。そのような実施形態では、各WISモジュールは、(1)基板がWISモジュール内に配置されるとき、基板からマルチスペクトルバンド値を取得するように構成されたカメラシステムと、(2)カメラシステムからマルチスペクトルバンド値を受信するように結合されたコントローラであって、カメラシステムから受信されたマルチスペクトルバンド値に複数のマルチスペクトルバンドオフセット値を適用して、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたマルチスペクトルバンド値を生成するように構成される、コントローラとを含み得る。
【0008】
別の実施形態によれば、方法は、少なくとも1つ以上のウェハー検査システム(WIS)モジュールによって生成されたマルチスペクトルバンド値を較正するものであり、少なくとも1つ以上のWISモジュールの各々は、WISモジュール内に配置されたテストウェハー、サンプルウェハー又は基板からマルチスペクトルバンド値を取得するように構成されたカメラシステムと、マルチスペクトルバンド値を受信及び較正するように結合されたコントローラとを含む。本方法は、(1)WISモジュールの少なくとも1つの中に基板を提供して、基板に関するマルチスペクトルバンド値を取得することと、(2)基板から取得されたマルチスペクトルバンド値にマルチスペクトルバンドオフセット値を適用して、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたマルチスペクトルバンド値を生成することとを含み得る。
【0009】
本発明及びその利点のより詳細な理解は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって得ることができ、図面では、同様の参照番号が同様の特徴を示す。しかしながら、添付の図面は、開示される概念の例示的な実施形態のみを示し、したがって範囲を限定するものと見なすべきではなく、開示される概念を他の同等に効果的な実施形態にも適用できることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ウェハーにわたる色差を監視するためのカメラシステム及びコントローラを含むウェハー検査システム(WIS)モジュールのブロック図である。
【
図2A】所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2C】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2D】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2E】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2F】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2G】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2H】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2I】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2J】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2K】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2L】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2M】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図2N】厚さ変化を有するテストウェハーを形成するための例示的な方法を示す。
【
図3】所定のパターンの色変化を有するテストウェハーの一実施形態を示す上面図である。
【
図4】複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステムによって基板から取得されたRGB値を較正するための方法の一実施形態を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ウェハー検査システム(WIS)モジュールを較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態が本明細書に開示される。より具体的には、本開示は、WISモジュール内に含まれるカメラシステムによって基板から取得されたマルチスペクトルバンド値を較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態を提供する。マルチスペクトルバンド値は、それぞれ対応するスペクトルバンド(すなわち波長のバンド)にわたって取得される積分強度であり得る。したがって、例えば、赤色、緑色及び青色のスペクトルバンドは、それぞれ関連付けられたスペクトルバンド値を有することができ、その値は、その波長のバンドについて検出された強度である。以下でより詳細に説明するように、本明細書に開示される較正方法は、所定のパターンの厚さ変化又は色変化を有するテストウェハーを使用して、マルチスペクトルバンドオフセット値を生成し得る。基板から取得されたマルチスペクトルバンド値にマルチスペクトルバンドオフセット値を適用して、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたマルチスペクトルバンド値を生成することができる。一実施形態では、マルチスペクトルバンド値は、赤色、緑色及び青色(RGB)値である。
【0012】
本明細書に記載されるように、基板からスペクトル値を取得するためにカメラシステムが提供される。本明細書で利用されるカメラ及び技術は、マルチスペクトルイメージングカメラ及び技術であり得るか、又は更にハイパースペクトルイメージングカメラ及び技術であり得る。そのようなカメラ及び技術は、マルチスペクトルバンドからスペクトル情報を取得することができ、スペクトルバンドは、1つ以上の波長であり得る。1つの例示的な実施形態では、カメラ及び技術は、従来の可視の赤色、緑色、青色(RGB)スペクトル情報をキャプチャし得る。以下で論じるように、RGB技術は、単に例示的なスペクトルバンドとして利用される。しかしながら、これは、単なる例示であり、技術及び装置は、他の可視及び非可視バンドにおけるスペクトル情報に同様に適用可能であることが認識されるであろう。したがって、いくつかの例では、特定のRGB帯域が与えられるが、全ての例は、他のスペクトルバンドの情報を用いて利用され得る。更に、RGBの例は、3つの帯域のスペクトル情報を提供するが、本明細書で説明する手法は、4つ以上又は3つ未満の帯域の情報に適用できることが認識されるであろう。更に、帯域は、狭帯域(1つの波長でさえある)又は広帯域であり得、例えば広RGB帯域などであるが、これらに限定されない。更に、本明細書で使用される用語「カメラ」は、可視スペクトル情報を収集する光学センサに限定されない。むしろ、用語「カメラ」は、スペクトルイメージング情報を収集する任意の光学検出器を指す。利用されるカメラは、多様な光学検出器、例えばマルチスペクトルカメラ(ハイパースペクトルカメラのサブセットを含む)、従来の可視光カメラ及び複数の波長に関するスペクトル情報を提供する他のカメラのいずれかであり得る。使用され得る例示的なカメラには、2020年5月21日に出願されたChenらによる「Optical Diagnostics of a Semiconductor Process Using Hyperspectral Imaging」という名称の米国特許出願公開第16/880034号明細書及び2020年5月21日に出願されたChenらによる「Optical Diagnostics of a Semiconductor Process Using Hyperspectral Imaging」という名称の米国特許出願公開第16/880042号明細書に開示されている光学検出器が含まれ、これらの両方の開示は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0013】
上述したように、ウェハー検査システムは、多くの場合、基板処理システム内での1つ以上の処理ステップの実施中又は実施後に基板(例えば、半導体ウェハー)を検査するために使用される。例えば、WISは、ウェハーの表面に塗布された層の膜厚(FT)を、ウェハーが塗布後ベーク(PAB)作業を受けて、層が硬化するか又は固まった後に決定することができる。別の例では、WISは、ウェハー上に形成された構造の限界寸法(CD)を、ウェハーが現像されて構造が形成された後に決定することができる。
【0014】
いくつかのウェハー検査システム(WIS)モジュールは、カメラを使用して基板上の色差を監視し、色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に関連付ける。残念ながら、カメラに依存する現在のWISモジュールは、同じ層又は同じウェハーを検査する場合でも、常に均一な検査結果を生成するとは限らない。例えば、2つの類似しているが、別個のWISモジュールは、WISモジュール同士の間のハードウェアの差(例えば、光源のスペクトル/強度の差、カラーセンサのスペクトル応答性の差、ウェハーの傾きの差、曲面鏡の差)に起因して、同じフィルム及び/又は同じ基板の色を異なって解釈する場合がある。これらの差に起因して、共通モデル(例えば、基板上で検出された色差を特定の材料に対するFT又はCDに関連付けるか又は変換する単一の数学モデル)を、その材料を検査する全てのWISモジュールに適用することは、困難である。
【0015】
所与の材料に対して色差をFT又はCDに変換するために使用される共通モデルに線形オフセット(例えば、単一の色オフセット)を適用することにより、複数のWISモジュールのスペクトル出力を較正する試みがなされてきた。残念ながら、共通モデルに単一のカラーオフセットを適用すると、依然として、モジュールにおいて使用されるカメラシステムのスペクトル応答性の差に起因して、複数のWISモジュールにわたって均一な検査結果を生成することができない。例えば、2つの別々のカメラシステムのRGBスペクトル出力を、ウェハー上に形成された二酸化ケイ素(SiO2)層の厚さの変化と比較すると、緑色(及び赤色)スペクトル波長に対するよりも青色スペクトル波長に対して、カメラシステムのスペクトル応答性の極めて大きい不一致が検出され得る。更に、カメラシステムのスペクトル応答性の不一致も材料によって変化する。これにより、共通モデルに単一のカラーオフセットを適用することによって複数のWISモジュール同士の間で均一な検査結果を実現することは、困難である。
【0016】
本開示は、複数のWISモジュールを較正するためのシステム及び方法の様々な実施形態を提供し、各WISモジュールは、WISモジュール内に配置された基板から赤色、緑色及び青色(RGB)値を取得するように構成されたカメラシステムを含む。更に、カメラシステムからRGB値を受信するためにコントローラが結合され、コントローラは、カメラシステムから受信されたRGB値に複数のRGBオフセット値を適用して、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する、較正されたRGB値を生成するように構成される。較正されたRGB値が生成されると、較正されたRGB値に共通モデルを適用して、基板上で検出された色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に変換することができる。
【0017】
図1は、(半導体ウェハーなどの)基板の1つ以上の特性を、基板を処理するために1つ以上の処理ステップ(例えば、コーティングプロセス、ベークプロセス、現像プロセスなど)が実施された後に監視するために使用され得るウェハー検査システム(WIS)モジュール100の一実施形態を示す。より具体的には、
図1は、基板上の色差を監視するためのカメラシステム108と、カメラシステムによって検出された色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に関連付けるコントローラ110とを使用する、WISモジュール100の一実施形態を示す。
【0018】
いくつかの実施形態では、WISモジュール100は、基板処理システム内で基板が処理されるときに基板を検査するために、基板処理システム内に一体化され得る。他の実施形態では、WISモジュール100は、基板処理システムの外側に配置されたスタンドアロンモジュールであり得る。しかしながら、
図1に示すWISモジュール100は、単なる例示であることと、本明細書に記載される方法を使用して、基板上の色差を監視するためのカメラシステムと、色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に関連付けるコントローラとを利用するWISモジュールの他の実施形態を較正できることとが認識されるであろう。
【0019】
図1に示すように、WISモジュール100は、外壁102によって境界が定められ、基板(例えば、ウェハー)106が検査のためにWISモジュール内に配置される間、基板を支持するための支持構造体104を含む。カメラシステム108は、WISモジュール100内に配置される。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、カメラシステム108は、カメラシステム108の視野(FOV)が基板106の上面全体をキャプチャするように、外壁102の内面に結合され、基板106の上方でセンタリングされ得る。しかしながら、
図1に示すカメラ位置は、単なる一例であることと、他の実施形態では、カメラシステム108は、代わりに、WISモジュール100内に配置され得ることとが認識されるであろう。更に、ミラー又は他の光学系を利用して、WISモジュールの他の場所に配置され得るカメラシステムに画像を導き得る。例えば、
図1のカメラの位置にミラーを配置して、
図1の基板106の平面に平行な平面に配置されたカメラに画像を導くことができる。
【0020】
カメラシステム108は、一般に、光源及び光受容センサを含み得る。しかしながら、電荷結合デバイス(CCD)画像センサカメラ、相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサカメラ、N型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサカメラ、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)画像センサカメラ、インジウムアンチモン(InSb)画像センサカメラなどを含むが、これらに限定されない多様なカメラシステムが利用され得ることに留意されたい。
【0021】
カメラシステム108内に含まれる光源は、典型的には、可視スペクトルを有する光源であり得るか、又は波長がより長い光源であり得る。例えば、可視スペクトル、近赤外(NIR)、短波赤外(SWIR)及び中波赤外(MIR)の光源は、基板106の表面を照射するためにカメラシステム108内で使用され得る例示的な光源を表す。
【0022】
カメラシステム108の光受容センサ(例えば、CCD、CMOS、NMOSなど)は、基板106の表面から反射された光を検出し、検出された光を生のRGB値のラインスキャン又はマトリックスに変換する。カメラシステム108から出力されたRGB値は、更なる処理のためにコントローラ110に提供される。
【0023】
コントローラ110は、一般に、記憶されたプログラム命令及び/又はデータを有するコンピュータ可読媒体112と、コンピュータ可読媒体112内に記憶されたプログラム命令を実行するためのプロセッサ114とを含み得る。
図1に示すように、コンピュータ可読媒体112内に記憶されたプログラム命令及び/又はデータは、共通モデル116及び少なくとも1つのRGBオフセットテーブル118の1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、別々の共通モデル116及び別々のRGBオフセットテーブル118は、様々な異なる材料及び/又は層に対してコンピュータ可読媒体112内に記憶され得る。例えば、分析は、様々な下層を伴う様々な上層を有する基板上で実施され得る。下層は、シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、他の酸化物、炭化ケイ素、他の炭化物、窒化ケイ素、他の窒化物などを含むが、これらに限定されない多様な層のいずれかであり得る。更に、下層に適用される上層の材料は、レジスト層、二酸化ケイ素層、反射防止コーティング(ARC)層(底部反射防止コーティング又は上面反射防止コーティング)、シリコン反射防止層、スピンオンカーボン層、スピンオンガラス層などを含むが、これらに限定されない多様な層のいずれかであり得る。したがって、プログラム命令及びデータは、複数の共通モデル及び複数のRGBオフセットテーブルを含み得、各共通モデル及び各RGBオフセットテーブルは、基板の異なる表面タイプに適用され得る異なる材料に対応する。
【0024】
いくつかの実施形態では、RGBオフセットテーブル118を生成するためのプログラム命令は、コンピュータ可読媒体112内にも記憶され、プロセッサ114によって実行され得る。代わりに、そのような処理は、WISモジュール100とは別のコントローラによって実施され得る。
【0025】
以下でより詳細に説明するように、コントローラ110は、特定の材料に関するRGBオフセットテーブル118を、カメラシステム108から出力された生のRGB値に適用して、較正されたRGB値を生成し得る。較正されたRGB値が生成されると、コントローラ110は、較正されたRGB値に、対応する共通モデル116を適用して、基板106上で検出された色差を膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に変換し得る。カメラシステム108から出力されたRGB値に共通モデル116及びRGBオフセットテーブル118を適用することにより、コントローラ110は、別々のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償し、したがって基板106に適用された所与の材料に対して均一な検査結果(例えば、均一なFT値又はCD値)が生成される。
【0026】
以下でより詳細に説明するように、所定のパターンの厚さ変化及び/又は色変化を有する1つ以上のテストウェハーを使用して、RGBオフセットテーブル118の1つ以上が生成され得る。本開示は、所定のパターンの厚さ変化及び/又は色変化を有するテストウェハー並びにそのようなテストウェハーを作製するための方法の様々な実施形態を企図する。そのような実施形態では、特定の材料を使用して作製されたテストウェハーを使用して、その材料に関するRGBオフセットテーブル118を生成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、テストウェハーを使用して、基板処理システムの同じトラック内(又はトラック同士の間)に含まれる複数のWISモジュールが較正され得る。他の実施形態では、テストウェハーを使用して複数のスタンドアロンWISモジュールを較正し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、基板が処理を受けている間(すなわち使用中)、テストウェハーがオンザフライ(on-the-fly)で作製され得る。他の実施形態では、テストウェハーは、1つ以上のWISモジュールを較正する必要が生じる前のある時点で作製され得る。例えば、事前に作製されたテストウェハーは、通常の自動較正ルーチンのためにスタンバイステーションにおけるトラックに載置され得、トラック同士の間の手動較正ルーチンのためにウェハーキャリア内に載置され得る。
【0029】
本明細書に記載されるプロセッサは、多様な形態で実現され得ることに留意されたい。一例では、プロセッサ114は、コンピュータであり得る。別の例では、プロセッサ114は、本明細書に記載される機能を提供するようにプログラムされた1つ以上のプログラム可能な集積回路を含み得る。例えば、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)など)、プログラマブルロジックデバイス(例えば、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD))、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)及び/又は他のプログラム可能な集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)など)をソフトウェア又は他のプログラム命令でプログラムして、本明細書に記載されるプロセッサ114に関する機能性を実装することができる。
【0030】
ソフトウェア又は他のプログラム命令は、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体であるコンピュータ可読媒体112内に記憶させることができることと、ソフトウェア又は他のプログラム命令は、プロセッサ114によって実行されると、本明細書に記載されるプロセス、機能及び/又は性能をプロセッサに実行させることとに更に留意されたい。非一時的なコンピュータ可読媒体の例としては、コンピュータ可読メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなど)及びコンピュータ可読記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)、フロッピーディスク、DVD、CD-ROMなど)が挙げられるが、これらに限定されない。他の変形形態も実現され得る。
【0031】
上述したように、本明細書で説明される較正方法は、テストウェハーを使用してRGBオフセットテーブル118を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるテストウェハーは、ウェハーにわたる所定のパターンの厚さ変化を有し得る(例えば、
図2A~
図2Bを参照されたい)。他の実施形態では、テストウェハーは、ウェハーにわたる所定のパターンの色変化を有し得る(例えば、
図3を参照されたい)。これらのテストウェハーを一連のWISモジュールに通すことにより、コントローラ110(又は別のプロセッサ)が、複数のWISモジュール同士の間の出力差を補償するRGBオフセットテーブル118を構築することが可能になる。いくつかの実施形態では、コントローラ110(又は別のプロセッサ)は、テストウェハーを利用して、基板106に適用され得る複数の材料又は層のそれぞれに対して別々のRGBオフセットテーブル118を作成し得る。
【0032】
所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーを作製することができる多くの異なる方法が存在する。本開示は、所定のパターンの厚さ変化(例えば、ウェッジ、ラジアル、ステップ、凹状構造、凸状構造など)を有するテストウェハーを基板処理トラック内で作製するための少なくとも5つの異なる方法と、基板処理トラックを使用して、且つ基板処理トラックの外側にある追加のツール及び/又はプロセスを使用してテストウェハーを作製するための2つの異なる方法とを企図する。しかしながら、当業者は、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーを形成するために、本明細書に明示的に記述されない追加の方法がどのように使用され得るかを理解するであろうことが認識されるであろう。
【0033】
第1の実施形態では、リフト装置のプログラム可能なアレイを有するホットプレート(例えば、米国特許第9,978,618号明細書に記載されている)を使用して、テストウェハー上に所定のパターンのウェッジ(wedges)を作製することができる。第1の実施形態では、コーティングされたウェハーがホットプレート上に提供され、及びコーティングされたウェハーとホットプレートとの間にウェッジエアギャップが作製されて、ウェハーにわたる温度差をもたらす。ベーク(bake)エアギャップ条件の差に起因して、温度差は、ウェハーにわたる厚さ変化のパターン(例えば、ウェッジ)を生じさせる。第1の実施形態では、テストウェハーは、実質的にいかなる材料を使用しても作製され得る。そのような実施形態は、ベーク効果によるポリマーマトリックス中に残留している溶媒の差を直接包含する。更に、そのような実施形態は、温度に依存する架橋の量に基づいて厚さ変化が引き起こされ得る熱ベースの架橋材料の使用を包含し得る。
【0034】
第2の実施形態では、可変ノズル位置と組み合わされたマルチコート方法を使用して、テストウェハーにわたる所定のパターンの半径方向に依存する厚さ変化を作製することができる。
図2A及び
図2Bは、半径方向に依存する厚さ変化を有するテストウェハー200の一例を示す。例示を目的として図示するように、急激な厚さ変化が示されているが、厚さ変化は、急激でなくてもよいか、又は連続的で漸進的な変化であり得ることが認識されるであろう。可変ノズル位置の使用により、多様な方法を利用して、異なるコーティング厚さを有するテストウェハーを作製することができる。
図2C~
図2Hは、コーティングと溶媒の適用との両方に可変ノズル位置を使用する方法を示す。
図2I~
図2Lは、コーティングのためにのみ可変ノズル位置を使用する方法を示す。
図2M~
図2Nは、溶媒を適用するためにのみ可変ノズル位置を使用する方法を示す。
【0035】
図2C~
図2Hに示すように、最初に、テストウェハーの中心に配置されたコーティングノズル205を使用して、テストウェハー200に層212がスピンコーティングされ得る。スピンコーティングの毎分回転数(RPM)は、標準RPM値であり得る。次いで、
図2Dに示すように、層212の一部を除去するために、溶媒ノズル210を用いて溶媒が適用され得る。
図2Dに示すように、テストウェハー上に層212の一部分212Aを残すように、溶媒ノズルは、中心からオフセットされ得る。この時点において、テストウェハーは、ベークプロセスを受け得る。次に、
図2Eに示すように、テストウェハーの中心からオフセットされたコーティングノズル205を使用し、層212を形成するために使用されたものよりも高いRPMを使用して、層212と異なる厚さの層214がテストウェハーに塗布され得る。次いで、
図2Fに示すように、テストウェハー上の層214の一部分214Aを残すように、
図2Dに示すよりも溶媒ノズル210がなお更にオフセットされた状態で溶媒がテストウェハーに塗布され得る。次いで、更なるベークプロセスが実施され得る。次いで、
図2Gに示すように、層212又は層214と異なる更に別の厚さの層216は、
図2Eのオフセットよりも更に大きくテストウェハーの中心からオフセットされたコーティングノズル205を使用して、層214を形成するために使用されたものよりも更に高いRPMにおいてテストウェハーに塗布され得る。テストウェハーは、再びベークプロセスを受け得る。異なる厚さの層212A、214A及び216の層並びに/又は層の一部分を有する、結果として得られたテストウェハー200を
図2Hに示す。
図2C~
図2Hの実施形態は、3回のコーティングステップに限定されず、むしろ、プロセスは、より多くの別々のコーティングステップを利用して、テストウェハーにわたるより多くの厚さ変化を提供し得ることが認識されるであろう。
【0036】
図2I~
図2Lは、連続層を形成するための、コーティングノズル205を移動させることによってテストウェハー上に厚さ変化を形成する例示的な方法を示す。そのような実施形態では、コーティングは、加算的(additive)であり、その結果、テストウェハーにわたって中心からエッジまで凹状プロファイルが得られる。図に示すように、コーティングノズル205は、層220を形成するためにセンタリングされ得る。次いで、ベークプロセスが実施され得る。次いで、図示するように、コーティングノズルを漸進的に移動させて、各層222、224及び226が形成され得る(各層が形成された後にベークが続く)。
【0037】
図2M~
図2Nは、溶媒ノズル210の移動に基づく技術を示す。
図2M~
図2Nの実施形態では、プロセスは、減算的(subtractive)であり、その結果、テストウェハーにわたって中心からエッジまで凸状プロファイルが得られる。
図2Mに示すように、テストウェハーは、層230でコーティングされる。次いで、
図2Nに示すように、溶媒ノズルが、移動矢印240によって示すように中心位置からエッジ位置に移動する間、溶媒ノズル210から溶媒が適用される。溶媒をそのように適用する結果、図示するような厚さプロファイルの漸進的な変化を有する層230Aがもたらされ得る。
【0038】
第3の実施形態では、現像液又はエッチャント(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)又は溶媒)及び線形スキャン低インパクトパドル方法を使用して、テストウェハー上に所定のパターンの厚さ変化(例えば、ウェッジ)を作製することができる。例示的な実現形態では、TMAHがリンスで除去される前に、標準(例えば、2.36%)又はより高い濃度のTMAHを材料との可変現像接触時間(例えば、ノズルスキャン速度によって定義される)と組み合わせることができる。別の例示的な実現形態では、溶媒を同様の線形スキャン低インパクトパドル方法で使用して、テストウェハー上に所定のパターンの厚さ変化を作製することができる。第3の実施形態では、様々な異なる材料を使用することができるが、各材料に若干のレシピ最適化(例えば、ノズルスキャン速度)を利用し得る。
【0039】
第4の実施形態では、テストウェハーは、ステッパ/スキャナ上で露光され得、テストウェハー上で露光されるドーズ量(doses)は、レジストに対して0~Eo(クリアするためのエネルギー)で変化する。この実施形態では、部分的なサブEo(クリアするためのエネルギー)露光を使用して、所定のパターンの厚さ変化を作製することができる。例えば、コーティングされる材料及び使用される露光技術に応じて、元のコーティング厚さの0~100%の異なる厚さ変化が得られ得る。例示的な実現形態では、ウェハーエッジ露光(WEE)システムを使用して、変化するレジスト厚さを有するテストウェハーを作製することができる。WEEシステムでは、例えば、ハードウェア(例えば、低速回転中にアパーチャサイズを変化させることにより)又はプログラムされたステップ反射防止コーティング(ARC)露光プロセスにより、可変エッジ露光を実施することができる。WEEシステムで処理されると、テストウェハーは、露光後ベーク(PEB)プロセス、その後の現像(DEV)プロセスを受けることができる。可変露光と共にDEVプロセスを使用する場合、0~100%の全範囲にわたる厚さ変化が得ることができる。現像プロセスがない場合、露光の脱保護事象からの副生成物のガス放出に起因して、厚さ変化は、依然として膜厚の最大20%の損失を引き起こし得る。かなりの数の厚さステップ/バリエーションがテストウェハー上に作製されることを確実にするために、DEVプロセスにおいて希釈現像液を使用して、露光領域の溶媒和プロセスを遅ら得る。このような方法は、レジスト材料に特に適している。露光に基づく架橋を有するARCプロセスでは、厚さへの架橋の影響は、架橋副生成物のガス放出の有無に関する性質に依存し得る。典型的には、副生成物がガス放出しない場合、最大15%の膜厚損失が生じ得、架橋の割合に応じて副生成物がガス放出し得る場合、50%以上の膜厚損失が生じ得る。
【0040】
第5の実施形態では、他のトラックベースの露光システムを使用して、例えばレジスト層において所定のパターンの厚さ変化を作製することができる。様々な露光波長の使用を含む様々な機構を利用することができる。例えば、そのようなシステムを使用して、大部分ではないにしてもいくつかの材料に対して、架橋、酸化、結合破壊又は脱保護を介して、パターン化された厚さ変化をテストウェハー上に作製することができる。いくつかの実施形態では、172nm(ナノメートル)及び365nmなどの2つの露光波長を使用し得るが、中紫外線範囲までの他の波長も知られている。一実施形態では、酸化及び/又は結合破壊機構が利用され得る。この実施形態では、短波長UV光(例えば、ピーク値172nm)を使用して、有機物質における結合を破壊することができる。空気中では、オゾンの更なる生成により、これらの汚染物質が酸化されて二酸化炭素及び水になる。別の機構では、架橋が利用される。例えば、一部の架橋触媒は、172nmで反応し得る。他の架橋触媒は、深紫外線及び中紫外線の波長に合うように調整され得る。更に、脱保護機構は、典型的には、光酸発生剤(PAG)吸収に基づいて誘起され得る。PAGは、193nm、248nm、365nmの波長に合うように調整される。トラックベースシステムの一例では、露光バーの下をスキャンするステージを有するラインバー露光を利用することができる。このシステムでは、(とりわけ)スキャン速度を使用して、プログラムに基づいて、スキャンにわたって露光線量を制御/誘導し、スキャン方向に勾配を形成することができる。線形スキャンステージ露光システムを有する単一のランプ(lamp)及び/又はマルチランプ露光システムを使用して、テストウェハーを172nm付近で露光することができる。例示的な実現形態では、これらのシステムの1つ以上を使用して、例えばスキャン速度(線形スキャンステージ露光システムを有する単一のランプの場合)又はランプ電力構成(マルチランプ露光システムの場合)を介して可変酸化を実現することができる。これらの実施形態では、膜厚変化は、露光時間に応じて元の膜厚の0~100%であり得る。架橋に基づく膜厚損失は、架橋副生成物のガス放出の有無に関する性質に依存する。典型的には、副生成物がガス放出しない場合、最大15%の膜厚損失が見られ得、誘起された架橋の割合に応じて副生成物がガス放出し得る場合、50%以上の膜厚損失が生じ得る。現像プロセスなしの脱保護の場合、脱保護レベルの変化により、脱保護事象からの副生成物のガス放出に関連して0~20%の膜厚損失が生じ得るが、現像ありでは、同じ脱保護レベルにおいて0~100%の膜厚損失を生じさせ得る。
【0041】
最初の5つの実施形態では、基板処理トラック内の(インサイチュの(in-situ to))システム/処理モジュールを使用して、テストウェハー上に所定のパターンの厚さ変化を作製するための方法を説明してきた。次の一連の実施形態では、基板処理トラック並びに基板処理トラックの外部にある追加のツール及びプロセスを使用して、テストウェハー上において、所定のパターンのプログラムされた厚さ変化を作製するための方法が説明される。
【0042】
第6の実施形態では、細かい段階状のオープンフレームドーズステッピングでレジストがコーティングされたテストウェハーは、ステッパ/スキャナで露光され得、この場合、テストウェハー上に露光されるドーズは、レジストに対して0~Eo(クリアするためのエネルギー)で変化し、その後、PEB及びDEV処理を行って、テストウェハーにわたる所定のパターンの段階状の厚さ変化が作製される。最も単純な形態では、第6の実施形態で作製されたテストウェハーは、ミアンダ状(meander)のドーズでの露光プロセスとして露光され得る。しかしながら、WISの光学的な系統的効果が複数のWISモジュールについてのRGBオフセット決定に影響を及ぼすことを防止するために、ランダムで細かいオープンフレームドーズステッピングプロセスが場合により好ましい。この方法は、追加の処理なしでレジスト材料に適用することができる。
【0043】
第7の実施形態では、第6の実施形態に従って作製されたテストウェハーは、その後の処理を受けることができる。例えば、第6の実施形態で作製されたレジストは、同様の段階状の厚さ変化を他の関心のある材料に転写するためのマスキング層として機能し得る。
【0044】
本開示は、所定のパターンの色変化を有するテストウェハーを作製することができる方法も企図する。例えば、カラープリンタ技術及び低粗さ基板(例えば、ポリエチレン)を使用して、
図3に示すようなカラー印刷されたテストウェハー300を作製することができる。この実施形態では、カラープリンタを使用して、カラー印刷されたテストウェハー300上に異なる色サンプルが転写され得る。色サンプルは、広範囲の色をカバーし得る。一例では、色の範囲は、可視スペクトルの色をカバーし得、なぜなら、一般的なカメラシステムは、そのような範囲に応答するからである。広範囲のカラーパレットを使用すると、広範囲のスペクトル反射率の結果に対応する色がもたらされ得、この色は、様々な厚さを有する様々な材料(及び様々な下層)が形成し得るものである。そのようなカラーパレットにより、カメラを較正して戻すことができるグラウンドトゥルースカラー(カラーパレットの作成における変動が殆どないと想定して)を確立することができる。較正後、WISモジュールにわたってグラウンドトゥルースカラーが同じように観察される場合、その材料に関するスペクトル反射率の結果は、異なるWISモジュールにわたって同様に見え得る。
図3のカラーパレットは、全て異なる色であり得る。代替的な実施形態では、基板の位置に依存し得るシステム変動に起因するスペクトル変動を検出することができるように、同じカラーパレットが基板にわたって異なる位置で繰り返され得る。
【0045】
特定の材料(例えば、SiO2)に対するテストウェハーが作製された後、このテストウェハーは、例えば、WISモジュール100などの一連のWISモジュールを通されて、RGBオフセットテーブル118が作成され、その材料を含む基板106を検査するとき、このRGBオフセットテーブルを使用して、各WISモジュールによって生成された生のRGB値を較正することができる。テストウェハーが所与のWISモジュール100内に配置される間、テストウェハーから反射された光がカメラシステム108によって検出され、生のRGB値のラインスキャン又はマトリックスに変換され、これがコントローラ110に提供される。コントローラ110は、各WISモジュールから、テストウェハーに関して取得されたRGB値を受信し、テストウェハーに関して取得されたRGB値を、サンプルウェハー(例えば、半導体処理システムによって処理された又は半導体処理システム内で処理されているウェハー)に関して取得されたRGB値と比較して、各カラーチャネル(赤色、緑色、青色)に関するオフセット値を決定する。
【0046】
いくつかの実施形態では、コントローラ110は、テストウェハー及びサンプルウェハーから取得されたRGB値の3D散布図を生成し、3D散布図の各カラーセルに含まれる、テストウェハーに関するRGB値を平均化し、且つサンプルウェハーに関するRGB値を平均化することにより、RGB値を比較することができる。平均RGB値が決定されると、各カラーチャネル(赤色、緑色及び青色)に関するオフセット値(例えば、デルタ又は比率など)は、以下の式に従って計算される。
【数1】
【0047】
上記の式では、各色チャネルに関するオフセット値(例えば、Rdelta又はRratio)は、3D散布図の各カラーセル内における、テストウェハー(Rtest)に関するRGB値と、サンプルウェハー(Rsample)に関するRGB値との間の差(delta)又は比率を決定することによって計算することができる。Rチャネルに関してのみ示されているが、同様の式を使用して、Gチャネル及びBチャネルに関するオフセット値(例えば、Gdelta又はGratio及びBdelta又はBratioなど)を計算できることに留意されたい。いくつかの実施形態では、補間法(例えば、線形、スプライン、シェパード、クリギングなど)をデータに適用することができる。補間法を使用すると、設定された数の個別のカラーパレットカラーから連続的なカラー応答を作成することが可能になる。したがって、テストウェハーにおける色の数は、モデルがサポートする基板上で検出される色の数より少なくてもよい。
【0048】
特定の材料に関するRGBオフセット値が決定されると、それらは、各WISモジュール内にRGBオフセットテーブル118として記憶され、テストウェハー上に設けられたものと同じ材料を含む基板106を検査するとき、その後、WISモジュールによって取得されたRGB値を較正するために使用され得る。しかしながら、RGBオフセット値の記憶は、WISモジュールの外部、例えば別々の接続されたコンピューティングユニット又は処理ユニットでも行われ得る。その後、特定の材料を含む基板106がWISモジュール100内に提供される場合、その材料のRGBオフセットテーブル118を使用して、カメラシステム108によって基板106から取得された生のRGB値を較正することができる。少なくとも1つの共通モデル116を、カメラシステム108から受信された生のRGB値ではなく、較正されたRGB値に適用することにより、コントローラ110は、別々のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償し、したがって基板106に適用された所与の材料に対して均一な検査結果(例えば、均一なFT値又はCD値)が生成される。
【0049】
いくつかの実施形態では、RGBオフセットテーブル118内に記憶されたRGBオフセット値を、基板106から取得された生のRGB値に適用して、RGBパラメータ空間内の任意の位置に対して較正されたRGB値を生成することができる。例えば、較正された赤色値は、以下の式に従って計算することができる。
Rcalibrated=Rsample+Rdelta(Rsample,Gsample,Bsample)
Rcalibrated=Rsample×Rratio(Rsample,Gsample,Bsample)
【0050】
ここでも、R値について示されているが、同様の式を使用して、RGBパラメータ空間内の任意の位置においてG値及びB値を較正できることに留意されたい。
【0051】
図4は、本明細書に記載される較正技術を実装する方法の一実施形態を示す。より具体的には、
図4は、所定のパターンの厚さ変化又は色変化を有するテストウェハーを使用して、ウェハー検査システム(WIS)モジュールによって生成されたRGB値を較正する方法400の一実施形態を示す。厳密に限定するわけではないが、
図4に示す方法を使用して、基板処理システム内に一体化され得る複数のWISモジュール及び/又は基板処理システムに結合されたスタンドアロンWISモジュールを較正し得る。上述したように、各WISモジュールは、一般に、WISモジュール内に配置されたテストウェハー、サンプルウェハー又は基板から赤色、緑色及び青色(RGB)値を取得するためのカメラシステム108と、RGB値を受信及び較正するように結合されたコントローラ110とを含み得る。
【0052】
図4に示す方法は、単なる例示に過ぎず、追加の方法は、本明細書に記載される技術を利用できることが認識されるであろう。記載されたステップは、排他的であることを意図しないため、
図4に示す方法に追加のステップを追加できることを更に留意されたい。その上、ステップの順序は、異なる順序が生じ得、且つ/又は様々なステップが組み合わされて若しくは同時に実施され得るため、
図4に示す順序に限定されない。更に、本明細書で提供される技術は、
図4のステップのいくつかを省略し得る。
【0053】
図4に示すように、いくつかの実施形態では、方法400は、テストウェハーを複数のWISモジュールに通して、WISモジュールの各々を通されたテストウェハーに関するRGB値を取得することによって開始し得る(ステップ410において)。テストウェハーは、テストウェハーにわたる所定のパターンの厚さ変化又は色変化を含むウェハーである。ステップ420において、方法400は、テストウェハーから取得されたRGB値を、サンプルウェハーから取得されたRGB値と比較して、赤色、緑色及び青色(RGF)オフセット値を決定する。ステップ430において、RGBオフセット値は、少なくとも一時的に各WISモジュール内に記憶される。
【0054】
ステップ440において、基板は、WISモジュールの少なくとも1つの中に提供されて、基板に関するRGB値が取得される。ステップ450において、ステップ420において決定されたRGBオフセット値は、ステップ440において基板から取得されたRGB値に適用されて、較正されたRGB値が生成され、これが、複数のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償する。ステップ460において、較正されたRGB値に共通モデルが適用されて、基板上で検出された色差が膜厚(FT)又は限界寸法(CD)値に変換される。共通モデルを、ステップ410において取得した生のRGB値ではなく、ステップ450において生成された較正されたRGB値に適用することにより、方法400は、別々のWISモジュール内に含まれるカメラシステム同士の間のスペクトル応答性の差を補償し、したがって基板に適用された所与の材料に対して均一な検査結果(例えば、均一なFT値又はCD値)が生成される。
【0055】
上述したように、いくつかの実施形態では、
図4の全てのステップよりも少ないステップを利用し得る。例えば、ウェハー検査システム(WIS)モジュールによって生成されたRGB値を較正するために、1つの例示的な方法を使用し得、WISモジュールは、WISモジュール内に配置されたテストウェハー、サンプルウェハー又は基板から赤色、緑色及び青色(RGB)値を取得するように構成されたカメラシステムと、RGB値を受信及び較正するように結合されたコントローラとを含む。この方法は、
図4のステップ440及びステップ450のみを含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法400は、(ステップ410において)テストウェハーを通す前に、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーを作製し得る。所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、上述した方法のいずれかを使用して作製され得る。
【0057】
例えば、第1の実施形態では、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、コーティングされたテストウェハーを、リフト装置のプログラム可能なアレイを有するホットプレート上に提供することと、コーティングされたテストウェハーとホットプレートとの間にウェッジエアギャップを作製して、コーティングされたテストウェハーにわたる温度差をもたらすことであって、テストウェハーにわたる所定のパターンのウェッジを生じさせる、もたらすこととによって作製され得る。第2の実施形態では、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、可変ノズル位置と組み合わされたマルチコート方法を使用して、テストウェハーにわたる所定のパターンの半径方向に依存する厚さ変化を作製することによって作製され得る。第3の実施形態では、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、現像剤又は溶媒との可変現像接触時間と組み合わされた線形スキャン低インパクトパドル方法を使用して、テストウェハー上に所定のパターンのウェッジを作製することによって作製され得る。第4の実施形態では、上述したように、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、可変エッジ露光、それに続く露光後ベーク(PEB)プロセス及び現像(DEV)プロセスを使用して、テストウェハーで使用される特定の方法及び材料に応じて元の膜厚の0~100%の所定のパターンを作製することによって作製され得る。第5の実施形態では、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、架橋、酸化、結合破壊又は脱保護機構に関して上述したように、線形スキャンステージ露光システムを有する単一のランプ又はマルチランプ露光システムを使用して、テストウェハーで使用される特定の方法及び材料に応じて元の膜厚の0~100%の所定のパターンの所定のパターンを作製することによって作製され得る。第6の実施形態では、所定のパターンの厚さ変化を有するテストウェハーは、ステッパ/スキャナを使用して、オープンフレームドーズステッピングでレジストがコーティングされたテストウェハーを露光し、その後、露光後ベーク(PEB)プロセス及び現像(DEV)プロセスを行って、テストウェハー上に所定のパターンの段階状の厚さ変化を作製することによって作製され得る。
【0058】
他の実施形態では、方法400は、(ステップ410において)テストウェハーを通す前に、所定のパターンの色変化を有するテストウェハーを作製し得る。例えば、所定のパターンの色変化を有するテストウェハーは、
図3に示すように、カラープリンタを使用していくつかの異なる色サンプルをテストウェハー上に転写又は印刷することによって作製され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法400は、基板が処理を受けている間、テストウェハーをオンザフライで作製し得る。他の実施形態では、テストウェハーは、事前に作製され、通常の自動較正ルーチンのためにスタンバイステーションに格納され得るか、又は手動較正ルーチンのためにウェハーキャリアに格納され得る。
【0060】
上述したように、本明細書で利用されるカメラ及び技術は、マルチスペクトルイメージングカメラ及び技術であり得るか、又は更にハイパースペクトルイメージングカメラ及び技術であり得る。そのようなカメラ及び技術は、マルチスペクトルバンドからスペクトル情報を取得することができ、スペクトルバンドは、1つ以上の波長であり得る。上述したいくつかの例示的な実施形態では、カメラ及び技術は、従来の可視の赤色、緑色、青色(RGB)スペクトル情報をキャプチャし得る。RGB技術は、単に例示的なスペクトルバンドとして利用される。しかしながら、これは、単なる例示であり、技術及び装置は、他の可視及び非可視バンドにおけるスペクトル情報に同様に適用可能であることが認識されるであろう。したがって、いくつかの例では、特定のRGB帯域が与えられるが、全ての例は、他のスペクトルバンドの情報を用いて利用され得る。更に、RGBの例は、3つの帯域のスペクトル情報を提供するが、本明細書で説明する手法は、4つ以上又は3つ未満の帯域の情報に適用できることが認識されるであろう。更に、帯域は、狭帯域(1つの波長でさえある)又は広帯域であり得、例えば広RGB帯域などであるが、これらに限定されない。利用されるカメラは、多様な光学センサ、例えばマルチスペクトルカメラ(ハイパースペクトルカメラのサブセットを含む)、従来の可視光カメラ及び複数の波長に関するスペクトル情報を提供する他のカメラのいずれかであり得る。
【0061】
本明細書に開示される方法の実施形態は、液体分配ユニット、ベーキングユニット又は複合ベークモジュールなどの処理ユニット内で広範囲の基板が処理される前、その間又はその後に利用され得ることが認識されるであろう。基板は、基板のパターニングが望ましい任意の基板であり得る。例えば、一実施形態では、基板は、その上に1つ以上の半導体処理層(それらの全てが一緒に基板を構成し得る)が形成された半導体基板であり得る。したがって、一実施形態では、基板は、多様な構造及び層をもたらす複数の半導体処理工程が施された半導体基板であり得、それらの全てが基板処理技術において知られており、それらは、基板の一部と考えることができる。例えば、一実施形態では、基板は、その上に1つ以上の半導体処理層が形成された半導体ウェハーであり得る。
【0062】
本発明の更なる修正形態及び代替実施形態は、本明細書の記載を考慮して当業者に明らかになるであろう。したがって、本明細書の記載は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され、且つ記載された本発明の形態及び方法は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書で例示及び記載されたものの代わりに均等な技術を使用することができ、本発明の特定の特徴は、他の特徴の使用とは無関係に利用することができ、これらは、全て本発明の本明細書の記載の利益を享受した後に当業者に明らかになるであろう。
【国際調査報告】