(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】基板処理中のスピンプロセスビデオ解析のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230119BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230119BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
H01L21/66 J
H01L21/66 P
G01N21/17 A
H01L21/30 569C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525613
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020053373
(87)【国際公開番号】W WO2021091636
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】カーカシ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フーゲ,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】サマヴェル,マーク
(72)【発明者】
【氏名】岩城 浩之
(72)【発明者】
【氏名】田所 真任
(72)【発明者】
【氏名】榎本 正志
(72)【発明者】
【氏名】エストレラ,ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】桾本 裕一朗
【テーマコード(参考)】
2G059
4M106
5F146
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB16
2G059EE02
2G059FF01
2G059KK04
4M106AA01
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4M106DJ02
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4M106DJ20
5F146JA02
5F146JA05
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5F146JA27
5F146LA04
5F146LA05
5F146LA06
5F146LA11
5F146LA19
(57)【要約】
カメラ画像は、基板エッジを検出し、且つ流体分注システム内の基板のセンタリングに関する情報を提供するために利用され得る。カメラ画像は、流体分注システム内のカップの場所を監視するためにも利用され得る。利用される信号処理技法は、データ平滑化、反射エネルギーの特定の波長のみの解析、データの変換(一実施形態ではフーリエ変換を利用する)及び/又は収集されたデータのピクセルのサブセットの解析を含み得る。本明細書において収集されるカメラ画像データは、多様な他のデータと組み合わされて、基板処理プロセスフローをよりよく監視し、特徴付け且つ/又は制御し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法であって、
基板を前記流体分注システム内に提供することと、
前記流体分注システム内の前記基板のカメラ画像を取得することと、
前記カメラ画像から前記基板の少なくとも1つのエッジの場所を決定することと、
前記基板の少なくとも1つのエッジの前記場所に関する情報を利用して、前記流体分注システム内の前記基板の配置を解析することと
を含む方法。
【請求項2】
前記流体分注システム内の前記基板の前記配置を解析することは、前記流体分注システム内の前記基板のセンタリングに関する情報を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
センタリング情報は、前記流体分注システムのカップに対する関係と共に提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体分注システム内の前記基板の前記配置は、カップの場所に関係して解析される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カメラ画像からカップの少なくとも1つのエッジの場所を決定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記流体分注システム内の前記基板の前記配置を解析することは、前記流体分注システム内の前記基板のセンタリングに関する情報を提供する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
センタリング情報は、前記流体分注システムの前記カップに対する関係と共に提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基板の前記少なくとも1つのエッジと前記カップとの間の関係を決定することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記基板の前記少なくとも1つのエッジの前記場所に関する情報を利用して、前記流体分注システム内の前記基板の前記配置を解析することは、前記基板の前記少なくとも1つのエッジと、前記流体分注システムの固定された物体との間の関係を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記固定された物体は、前記カメラ画像を取得するカメラである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記固定された物体は、カップである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記基板の前記少なくとも1つのエッジと、前記流体分注システムの前記固定された物体との間の関係を決定することは、前記基板からカップの少なくとも2つのエッジまでの距離を決定することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法であって、
カップを前記流体分注システム内に提供することと、
前記流体分注システム内の前記カップのカメラ画像を取得することと、
前記カメラ画像から前記カップの少なくとも1つのエッジの場所を決定することと、
前記カップの少なくとも1つのエッジの前記場所に関する情報を利用して、前記流体分注システム内の前記カップの配置を解析することと
を含む方法。
【請求項14】
前記流体分注システム内の前記カップの前記配置の解析は、前記カップの交換後に実行されて、前記カップが適切に交換されているかどうかを決定する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記カップの前記少なくとも1つのエッジの前記場所に関する前記情報に基づいて、前記カップの場所の逸脱を決定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記カメラ画像から基板の少なくとも1つのエッジの場所を決定することと、
前記基板の少なくとも1つのエッジの前記場所に関する情報を利用して、前記流体分注システム内の前記基板の配置を解析することと
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記カメラ画像から前記カップの前記少なくとも1つのエッジの前記場所を決定することは、カメラによって検出されたX及び/又はY切断面画像を解析することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記カメラ画像から前記カップの前記少なくとも1つのエッジの前記場所を決定することは、前記カメラ画像の強度、色及び/又はグレースケールの差を識別することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
想定されるカップ場所からの逸脱が検出される場合、アラートを提供することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記カップの前記少なくとも1つのエッジの前記場所に関する情報を利用して、前記流体分注システム内の前記カップの前記配置を解析することは、前記カップの前記少なくとも1つのエッジと、前記流体分注システムの固定された物体との間の関係を決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記固定された物体は、前記カメラ画像を取得するカメラである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法であって、
基板を前記流体分注システム内に提供することと、
前記基板上に液体パドルを形成することと、
前記基板上に形成された前記パドルのカメラ画像を取得することと、
前記パドルの前記カメラ画像から前記パドルのエッジを識別することと
を含む方法。
【請求項23】
前記パドルの前記エッジの識別は、前記パドルによって覆われる前記基板の割合を決定するために利用される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記パドルの前記エッジの識別は、前記パドルの形状の非理想性を識別するために利用される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記パドルの前記カメラ画像は、前記基板がスピンする前に取得される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記基板上に形成された前記パドルの複数のカメラ画像を取得することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記パドルの前記複数のカメラ画像の少なくとも1つは、前記基板がスピンしている間に取得される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記パドルの前記エッジは、前記カメラ画像の強度解析に基づいて決定される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記強度解析は、前記カメラ画像のピクセルのサブセットに対して実行される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
液体被覆に対応するピクセルの数が決定される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記強度解析は、複数のカメラ画像に対して実行される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
光源を提供することと、
カメラを提供することであって、前記カメラは、前記基板から反射される、前記光源からの光を受け取る、提供することと、
コントローラを前記カメラに結合することであって、前記コントローラは、1つ又は複数の流体が前記基板上に分注されるとき、前記基板から反射された光に関するデータを前記カメラから受信するように構成され、前記コントローラは、前記データを処理して、前記カメラからの前記データのピクセルのサブセットのみを選択的に考慮して、前記基板上に分注された流体の状態を監視する、結合することと
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記基板上に分注された前記流体の前記状態は、前記液体パドルの状態である、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記データのピクセルのサブセットのみの使用は、全ての利用可能なピクセルが使用される場合よりも少ないノイズを有する出力を提供する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
選択される前記ピクセルのサブセットは、前記基板から反射された光の0次反射を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法であって、
基板を前記流体分注システム内に提供することと、
前記基板上に材料をスピンコートすることと、
前記材料が前記基板上にスピンコートされている間、カメラを利用して、経時的な前記基板の画像データを取得することと、
前記画像データから経時的な反射強度データを取得することと、
経時的な前記反射強度データを利用して、前記基板上の前記材料の前記スピンコートを監視し且つ/又は特徴付けることと
を含む方法。
【請求項37】
経時的な反射強度データは、複数の基板について取得され、及び前記監視し且つ/又は特徴付けることは、2つ以上の基板の反射強度データの比較を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記反射強度データのピーク及び/又はトラフは、前記基板上の前記材料の前記スピンコートを監視し且つ/又は特徴付けるために利用される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法であって、
基板を前記流体分注システム内に提供することと、
前記基板上に材料をスピンコートすることと、
前記材料を前記基板上にスピンコートしている間、カメラを利用して、経時的な前記基板の画像データを取得することと、
前記画像データから経時的な反射強度データを取得することと、
前記反射強度データに対して信号処理技法を利用して、前記流体分注システム内の移動を考慮に入れることと
を含む方法。
【請求項40】
前記流体分注システム内の前記移動は、前記基板がスピンすることから生じる前記基板上のパターンの移動である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記信号処理技法は、経時的な前記反射強度データの平滑化を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記信号処理技法は、前記反射強度データの1つ又は複数の選択された波長のみを解析することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記信号処理技法は、前記反射強度データを変換することを含む、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その開示が参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれる、2019年11月4日に出願された「Systems and Methods for Spin Process Video Analysis During Substrate Processing」という名称の米国仮特許出願第62/930,087号明細書に対する優先権を主張するものである。本出願は、その開示が参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれる、2019年11月14日に出願された「Systems and Methods for Automated Video Analysis Detection Techniques for Substrate Process」という名称の米国仮特許出願第62/935,162号明細書に対する優先権を主張するものでもある。本出願は、その開示が参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれる、2020年1月6日に出願された「Hardware Improvements and Methods for the Analysis of Spinning Reflective Substrates」という名称の米国仮特許出願第62/957,481号明細書に対する優先権を主張するものでもある。
【0002】
本開示は、基板の処理に関する。特に、本開示は、基板処理ステップの1つ又は複数の特性を監視するための新規のシステム及び方法を提供する。一実施形態では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、半導体基板を処理するときに利用され得る。
【背景技術】
【0003】
従来の基板処理システムは、フォトリソグラフィプロセスを利用し、このプロセスは、フォトレジスト被膜、露光、フォトレジスト現像及び種々のベークステップを含む。これらのステップで利用される材料及びプロセスは、全て基板の膜厚、クリティカルディメンションターゲティング、ラインラフネス、均一性等に影響し得る。基板処理における形状が縮小し続けるにつれて、基板上に構造を形成するための技術的課題が増大する。
【0004】
従来の基板処理システムでは、ウェーハ検査システム(WIS)は、多くの場合、1つ又は複数の処理システムが実行される前又は後に基板(例えば、半導体ウェーハ)を検査するために使用される。例えば、従来のWISは、ウェーハが塗布後ベーク(PAB)手順を受けて層又は膜を硬化するか又は硬くした後、ウェーハの表面に塗布された層又は膜の膜厚(FT)を決定し得る。別の例では、従来のWISは、ウェーハが現像されて構造を形成した後、ウェーハ上に形成された構造のクリティカルディメンション(CD)を決定し得る。そのようなデータは、高度プロセス制御(APC)システムに提供され得る。APCシステムは、統計学的技法及び/又は解析技法を使用して、ウェーハ検査システムから受信したFT又はCD値を処理し、出力品質を改善するために、プロセスツールへのプロセス制御パラメータ及び/又は入力をどのように操作するかを決定し得る。例えば、APCは、WISから決定された平均FT値を使用して、基板処理システムの液体処理システム(例えば、被膜ユニット又は現像ユニット)内に配置されたスピンチャックの速度を制御し得る。別の例では、APCは、WISから決定された平均CD値を使用して、基板処理システムのベークユニット(例えば、露光後ベーク(PEB)ユニット)内の温度を制御し得る。加えて、大半のウェーハ検査システムは、現在、基板処理システム内の又は基板処理システムに結合された別個のモジュールとして提供される。これは、基板処理システムに複雑性を追加し、APCシステムを強制的にフィードバックシステムにする。
【0005】
機器破損、材料の滴り、不適切なアーム移動等のグロス処理機器のずれ又は故障も監視されることが知られている。被膜モジュールにおいてグロス処理問題を監視する一手法は、カメラを処理システムの被膜モジュール内に包含することであった。例えば、被膜モジュールは、被膜中の材料の滴り、不適切な分注アームの移動等の識別に使用することができるスピンモジュールモニタ(SMM)カメラを包含してきた。処理後、SMMカメラからの画像を解析して、基板がそのようなプロセス逸脱又は故障を受けたかどうかを決定し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
基板の1つ又は複数の特性を監視するためのシステム及び方法の種々の実施形態が本明細書で開示される。より具体的には、本開示は、カメラ画像を利用して、流体分注システムの特性に関する情報を提供する種々の実施形態を提供する。
【0007】
一実施形態では、流体分注システムにカメラを使用することを通して、流体分注システム内の基板の場所を決定し得る。より具体的には、基板の1つ又は複数のエッジを位置決定し得る。一実施形態では、エッジ情報を他の情報と組み合わせて、基板が流体分注システム内に適切に配置されているかどうかを決定し得る。例えば、基板のエッジと、システム内に固定された物体との間の関係を決定することにより、システム内の基板センタリングに関するデータを取得し得る。一実施形態では、基板センタリング情報は、基板エッジを流体分注システムのカップと比較することを通して抽出され得る。
【0008】
別の実施形態では、カメラ画像の解析を通して、流体分注システム内に形成されるパドルの特性を取得し得る。一実施形態では、基板上に形成された液体パドルのエッジをカメラ画像から決定し得る。パドルエッジ情報は、多様な解析技法で利用され得る。一技法では、基板のパドル被覆の割合を取得し得る。一実施形態では、低レジスト消費(RRC)溶媒の被覆割合を取得し得る。別の技法では、パドルエッジを解析して、パドル形状の非理想性を識別し得る。
【0009】
別の実施形態では、カメラ画像を利用して、流体分注システム内のカップの場所を解析し得る。カメラは、流体分注システム内で固定されるため、カップの場所の変動をカメラ画像から取得し得る。カップの場所の識別を実行して、カップ場所の逸脱を検出し得る。例えば、カップが交換された後、そのような逸脱が生じ得る。
【0010】
流体分注システム内のカメラの使用の一実施形態では、カメラを利用して、スピンコートステップ中、基板から反射された光の強度を監視する。基板がスピンコートされる際の時間の関数としての反射強度を使用して、スピンコートプロセスを監視し且つ特徴付け得る。時間の関数としての反射強度を他の基板と比較して、基板間の膜厚の変動を識別し得る。一実施形態では、解析は、時間の関数としての反射強度のピーク及び/又はトラフに基づく。
【0011】
流体分注システム内のカメラの使用の別の実施形態では、反射光強度は、基板がスピンコートされる際の時間の関数として取得され、信号処理技法を実行して、システム内の移動を考慮に入れる。一実施形態では、信号処理は、スピンコートされた材料の下にある基板上のパターンの移動によって生じる光反射への影響を最小化するのに役立つ。利用される信号処理技法は、データ平滑化、反射エネルギーの特定の波長のみの解析、データの変換(一実施形態ではフーリエ変換を利用する)及び/又は収集されたデータのピクセルのサブセットの解析を含み得る。
【0012】
本明細書で収集されるカメラ画像データは、多様な他のデータと組み合わされて、基板処理プロセスフローをよりよく監視し、特徴付け且つ/又は制御し得る。一例では、カメラ画像データは、WISから収集されるデータと組み合わされ得る。別の実施形態では、カメラ画像データは、流体分注システムから収集される他のデータと組み合わされ得る。更に、画像データは、分注されている液体のソースに関連するデータ等の他のデータと組み合わされ得る(いずれの液体ソースボトルであるか、液体ソースボトルの経年等)。
【0013】
一実施形態によれば、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法が提供される。本方法は、基板を流体分注システム内に提供することと、流体分注システム内の基板のカメラ画像を取得することとを含む。本方法は、カメラ画像から基板の少なくとも1つのエッジの場所を決定することを更に含む。本方法は、基板の少なくとも1つのエッジの場所に関する情報を利用して、流体分注システム内の基板の配置を解析することも含む。
【0014】
別の実施形態では、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法が提供される。本方法は、流体分注システム内に基板を提供することと、基板上に液体パドルを形成することとを含む。本方法は、基板上に形成されたパドルのカメラ画像を取得することを更に含む。本方法は、パドルのカメラ画像からパドルのエッジを識別することも含む。
【0015】
別の実施形態では、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法が提供される。本方法は、カップを流体分注システム内に提供することと、流体分注システム内のカップのカメラ画像を取得することとを含む。本方法は、カメラ画像からカップの少なくとも1つのエッジの場所を決定することを更に含む。本方法は、カップの少なくとも1つのエッジの場所に関する情報を利用して、流体分注システム内のカップの配置を解析することも含む。
【0016】
別の実施形態では、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法が提供される。本方法は、基板を流体分注システム内に提供することと、基板上に材料をスピンコートすることとを含む。本方法は、材料が基板上にスピンコートされている間、カメラを利用して、経時的な基板の画像データを取得することを更に含む。本方法は、画像データから経時的な反射強度データを取得することも含む。本方法は、経時的な反射強度データを利用して、基板上の材料のスピンコートを監視し且つ/又は特徴付けることも含む。
【0017】
別の実施形態では、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する方法が提供される。本方法は、基板を流体分注システム内に提供することと、基板上に材料をスピンコートすることとを含む。本方法は、材料が基板上にスピンコートされている間、カメラを利用して、経時的な基板の画像データを取得することを更に含む。本方法は、画像データから経時的な反射強度データを取得することも含む。本方法は、反射強度データに対して信号処理技法を利用して、流体分注システム内の移動を考慮に入れることも含む。
【0018】
別の実施形態では、基板プロセスフローを監視するか、特徴付けるか又は制御する方法が提供される。本方法は、基板を流体分注システム内に提供することを含む。本方法は、流体分注システム内の基板のカメラ画像を取得することも含み、カメラ画像は、静止画像又はビデオ画像である。本方法は、カメラ画像から画像データを収集することを更に含む。本方法は、画像データを、基板プロセスフローに関連する他のデータと組み合わせて、基板プロセスフローを監視するか、特徴付けるか又は制御することも含む。
【0019】
本発明及びその利点のより詳細な理解は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって得ることができ、図面では、同様の参照番号が同様の特徴を示す。しかしながら、添付の図面は、開示される概念の例示的な実施形態のみを示し、したがって範囲を限定するものと見なすべきではなく、開示される概念を他の同等に効果的な実施形態にも適用できることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図1の流体分注システムの例示的なカメラ場所を示す。
【
図3A】
図1の流体分注システムの例示的な光の場所を示す。
【
図3B】波長仮定のための反射率とレジスト厚との関係のプロットを示す。
【
図3C】光源、カメラ及び基板の物理的配置関係を示す。
【
図3E】ピクセルの異なる選択の場合の反射強度とフレームとの関係のプロットを示す。
【
図4A】基板エッジとカップエッジとの間の関係を示す。
【
図4B】基板エッジとカップエッジとの間の関係を示す。
【
図6】基板上に分注された流体の被覆割合と時間との関係を示す。
【
図7】基板が被膜される際の反射光の例示的な信号と時間との関係のプロットを示す。
【
図8】7つの異なる基板での基板が被膜される際の反射光の例示的な信号と時間との関係のプロットを示す。
【
図10】流体分注システムにおけるカメラを使用するための例示的な制御ループを示す。
【
図11】基板が被膜される際の反射光の信号の例示的な平滑化と時間との関係を示す。
【
図12A】基板が被膜される際の反射光の例示的な信号から波長を除去する例示的な効果と時間との関係を示す。
【
図12B】基板が被膜される際の反射光の例示的な信号から波長を除去する例示的な効果と時間との関係を示す。
【
図13】基板が被膜される際の反射光の信号のフーリエ変換の効果と時間との関係を示す。
【
図15】他のプロセスデータとのカメラ画像データの例示的な組み合わせを示す。
【
図16】本明細書に記載の技法を利用する例示的な方法を示す。
【
図17】本明細書に記載の技法を利用する例示的な方法を示す。
【
図18】本明細書に記載の技法を利用する例示的な方法を示す。
【
図19】本明細書に記載の技法を利用する例示的な方法を示す。
【
図20】本明細書に記載の技法を利用する例示的な方法を示す。
【
図21】本明細書に記載の技法を利用する例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で説明される技法は、多様な流体分注システムで利用され得る。例えば、例示的な流体分注システムは、処理目的で流体が基板に塗布される種々の流体分注目的(例えば、レジスト被膜ユニット、レジスト現像ユニット又は他のスピンコートユニット等)に利用され得る。本明細書に示される流体分注システムは、本明細書に記載の監視技法を適用し得る処理システムの単なる例示的な実施形態であることが認識される。したがって、本明細書に開示される技法は、他の流体分注システム及び/又は他の処理ユニットにも適用され得る。更に、これらの流体分注システムは、独立型ユニットであり得るか、又はより大きいシステムに統合され得る。例えば、本明細書に記載の流体分注システムは、被膜、現像、ベーク、検査、露光等のモジュールを含むより大きいシステム内に統合され得る。
【0022】
本明細書に記載の流体分注システムは、基板を、例えばレジスト被膜ユニット、現像ユニット又は他の流体分注システム(例えば、スピンオンハードマスクユニット、スピンオン反射防止被膜ユニット等)の一部であり得る多様な処理液の対象とするために利用され得る。
図1に示すように、流体分注システム60は、チャンバ壁62によって区切られる処理チャンバを含む。チャンバ壁62内部に配置されたスピンチャック64は、幾つかの実施形態では半導体ウェーハ(W)であり得る基板の支持を提供する。より具体的には、スピンチャック64は、処理中、基板が支持される水平正面を有する。吸引ポート(図示せず)は、吸引を用いてスピンチャックに基板を固定するためにスピンチャック64の水平上面に提供され得る。スピンチャック64及びスピンチャック64によって支持される基板は、駆動機構66によって可変角速度で回転し得、駆動機構66は、ステッパモータ等であり得る。駆動機構66は、液体材料を塗布し、液体材料を基板上に流すために、可変角速度で動作し得る。
【0023】
ノズル68は、指定された率で1つ又は複数の溶液を基板上に分注して、1つ又は複数の層又は膜を基板の上面に塗布するように構成される。基板表面に塗布され得る典型的な層又は膜には、限定されないが、イメージング層(例えば、フォトレジスト)、現像液、トップコート(TC)バリア層、トップコート反射防止(TARC)層、下部反射防止(BARC)層、エッチング停止のための犠牲バリア層(ハードマスク)が含まれる。ノズル68は、液体供給線70を通して液体供給ユニット(図示せず)に結合される。幾つかの実施形態では、ノズル68は、ノズルホルダ74を通してノズルスキャンアーム72の先端部に取り付けられ得る。ノズルスキャンアーム72は、ガイドレール78上を一方向(例えば、Y方向)に水平に移動可能な垂直支持部材76の上端部に搭載される。
図5Aには示されていないが、駆動機構(図示せず)をノズルスキャンアーム72、垂直支持部材76又はガイドレール78に結合して、ノズル68をY方向に移動し得る。他の機構(これも図示せず)を使用して、ノズル68をZ方向及び/又はX方向に移動させることができる。本明細書に記載される特定の分注及びアーム機構並びに移動が単なる例示にすぎず、多様な分注技法が同様に当技術分野で周知であることが認識されるであろう。
【0024】
カップ71が提供されて、スピンチャック64により回転中に生成される遠心力により、基板から排出された液体材料の大半を捕捉し、収集する。スピンチャック64は、基板を支持し、静止したカップ71に対して基板をその中心法線軸の周りで回転(即ちスピン)させる。基板59から排出され、カップ71によって収集された液体材料は、ドレーン線65及びドレーンユニット(図示せず)を介して排水される。幾つかの実施形態では、カップ71内部の処理空間からガス種(限定されないが、処理中に基板層から解放される蒸気を含む)を除去するために、真空ポンプ又は他の負圧生成装置等の排気線67及び排気ユニット(図示せず)を使用し得る。
【0025】
スピンチャック64及び駆動機構66は、カップ71内の開口部内に配置される。幾つかの実施形態では、エアシリンダ及び上下ガイドユニット等の昇降機構を駆動機構66内に提供し得、それによりスピンチャック64をチャンバ壁62に対して垂直に移動させ得る。基板は、
図1に示すように、方向51において流体分注システム60の装填/装填解除開口部63を通して処理アーム61によってスピンチャック64に送ることができる。処理アーム61は、流体分注システム60の一部を形成し得るか、又は他のプロセス機器と相互作用するために別個の基板移送機構(図示せず)の一部であり得る。幾つかの実施形態では、処理アーム61は、基板をより大きいシステムの種々のプロセスモジュール間に移送するために、より大きいシステムの主アーム機構内に含まれ得る。他の実施形態では、処理アーム61は、他の基板処理システム内に含まれ得る。幾つかの実施形態では、昇降機構は、駆動機構66及び/又はスピンチャック64を上に持ち上げて、基板を受け取ることができる。代替的に、カップ71は、上下に移動するか又は分離して広げられて、基板をスピンチャック64に配置できるようにするように構成され得る。
【0026】
図1に示す流体分注システム60は、本明細書に記載の監視技法を使用し得る単なる一例の処理システムであることに留意されたい。したがって、流体分注システム60は、限定を意図せず、むしろ本明細書に記載の監視技法を利用し得る処理システムの一例の表現にすぎない。更に、流体分注システム60は、幾つかの実施形態では半導体ウェーハであり得る処理基板のためのシステムを参照して説明されるが、本明細書に記載の技法は、他のタイプの基板を処理する場合にも利用され得ることが認識されるであろう。したがって、本明細書に記載の監視技法は、溶液を基板に塗布する多様な基板処理システム内で利用可能であることが認識されるであろう。
【0027】
流体分注システム60は、
図1に示すように、光源92及びカメラ90も含む。本明細書で使用する場合、「カメラ」は、単にカメラを指し得るか、又はカメラ及び他の電子回路を含むより複雑なシステムであり得る。カメラ90は、より詳細に後述する流体分注及び被膜プロセスを監視するために利用され得る。
図1に示す光源92及びカメラ90の場所は、単なる例示であり、カメラ90が基板表面の状態を監視できるようにするように多様な他の位置も等しく利用し得る。
図2及び
図3は、流体分注システム60の簡易上面図(
図1の細部の多くを含まず)を提供して、カメラ90及び光源92の例示的な場所をよりよく示す。しかしながら、これらの場所が単なる例示であり、他の場所を利用し得ることが認識されるであろう。
図2及び
図3に示すように、基板59は、装填/装填解除開口部63を有する処理チャンバのチャンバ壁62内に提供される。
図2は、基板上方のプロセスチャンバの上部領域にカメラ90を配置する例示的な場所を示す。より具体的には、
図2は、カメラ90を配置する例示的なカメラ場所201、202、203、204、205、206及び207を示す。
図3Aは、基板上方のプロセスチャンバの上部領域に光源92を配置する例示的な場所を示す。より具体的には、
図3Aは、光源92を配置する例示的な光源場所301、302、303、304、305、306及び307を示す。ここでも、カメラ及び光源のそのような場所が単なる例示であり、他の場所を利用し得ることが認識されるであろう。
【0028】
カメラを有する流体分注プロセスの解析は、流体分注プロセスの取得された画像を解析し、処理する多様な技法を含み得る。そのような技法は、カメラから取得された静止画像の解析及び/又はビデオ画像の解析を含み得る。流体分注プロセス及び取得された画像の監視は、リアルタイム解析/制御及び/又はプロセス後解析に利用され得る。この画像解析は、本明細書を用いない場合に利用可能ではなく、改善及び最適化に繋がり得るハードウェア及びプロセスフィードバックを提供し得る。画像記録は、あらゆる基板に対して行うことができるデータ収集の効率的な方法である。画像解析を使用して、膜厚、クリティカルディメンション、膜均一性等を含む多様な変数を決定及び/又は制御することができる。収集された画像を効率的且つ正確に解析するために、自動技法が望ましいことがある。
【0029】
スピンコートプロセスの監視に利用されるハードウェアは、多様な様式で最適化されて、基板上に形成される膜に関するより正確な情報を提供し得る。より具体的には、後述するように、多様なハードウェア関連技法を組み合わせて又は単独で利用して、カメラシステムを使用したデータ収集を改善し得る。これらのハードウェア技法は、光源92への改良、カメラ90のセンサへの改良、カメラ90に対する光源92の物理的な向きの関係、解析する画像の特定のピクセルの選択及び基板の回転速度とのカメラフレームレートの関係を含み得る。
【0030】
ハードウェアの最適化は、スピンコートプロセス中、光学センサを使用する場合に生じる多様な問題に対処し得る。スピンコートプロセスでは、被膜された膜がその最終被膜厚まで下がるにつれて、ウェーハ上の色の変化を視覚的に観測することが可能である。これらの色変化は、薄い膜の干渉反射効果に起因する。例えば、レジスト層を基板上に被膜する場合、これらの薄い膜の干渉反射効果は、レジスト/基板反射光波とのレジスト/空気反射光波の効果である。異なる波長の干渉は、異なる膜厚で発生するため、干渉効果を有している波長(したがって色)の変化を使用して、膜厚変化を監視し得る。
【0031】
例えば、
図3Bは、スピン中、膜が薄くなるにつれての反射率への影響を示す。
図3Bでは、x軸は、レジスト厚を表し、y軸は、積層反射率を示すことに留意されたい。
図3Bに示すように、3つの異なる波長仮定を有する3つの異なる例示的なプロセスでの反射率変化を示す。より具体的には、プロット405、プロット408及びプロット415は、シミュレーションでのガウス分布光源仮定の場合の異なる中心波長仮定を示す。シミュレーションでは、所与の膜厚仮定での反射率が決定される。
【0032】
しかしながら、関わる膜厚並びに下にある基板の状態及び材料に応じて、反射信号の検出、弁別、解析及び相関付けは、困難であり得る。例えば、典型的なレジスト/基板屈折率関係では、光の波長の1/2倍を材料の屈折率で除したものであるレジスト膜を通る光路長は、空気/材料表面から反射された同じ波長の光に建設的に干渉し、光路長が光の波長の1/4倍を材料の屈折率で除したものである場合、同じ光に破壊的に干渉する。材料が厚さを減じるにつれて、建設的に干渉する光の波長が変化し、したがって観測カメラ(又はセンサ)によって見られる可視スペクトル色(又は強度)が変動することになる。しかしながら、大きいスペクトル範囲を有することができる幾つかのLED光源では、最大公倍数厚関係が、建設的干渉を有する2つの離れた別個の波長間で同時に生じる状況があることを意味し、これは、カメラによって見られる色応答を混合し、信号の損失を生じさせる。
【0033】
光源及びカメラの物理的場所は、一緒に最適化される。より具体的には、反射率信号が収集されているとき、基板からの光源の0次反射が光学センサ(例えば、カメラ)に収集されていることを保証することにより、反射率信号強度を最大化し得る。これを行うことは、下にある高反射率格子からの光回折効果等の他のセンサ/光源向き関係で経験される他の効果も軽減する。反射率信号を保証し最大化するために、光源及びカメラの物理的場所を調整し得る。具体的には、1)光源及び光学センサの基準面(基板面に平行する)に対して同様の角度を維持し、2)基板の中心への光源及び光学センサへの基板の中心の同様の距離関係を維持し、及び3)光源から対角線180度に位置する光学センサを有することが望ましいことがある。これらの概念を示す例示的な場所を
図5及び
図6に示す。
図3Cに示すように、光源92及びカメラ90は、基板59を基準にして配置される。光源92及びカメラ90の場所は、図の入射角505及び入射角510が同様であるように選択され得る。一実施形態では、入射角は、互いの20度以内にあり、より好ましい実施形態では10度以内にあり、更に好ましい実施形態では概ね同じである。更に、
図3Cに示すように、光源92から基板59の中心までの距離は、dであり得、カメラ90から基板59の中心への距離は、同じ距離dであり得る。一実施形態では、距離は、互いの10%以内であり得、別の実施形態では5%以内であり得、より好ましい実施形態では略同じであり得る。
【0034】
更に、
図3Dに示すように、光源92及びカメラ90を互いの真向かいに配置することが望ましいことがある。一実施形態では、光源92及びカメラ90は、互いから略180度対角線にあり、別の実施形態では互いから180度対角線の10度以内に配置され、別の実施形態では互いから180度対角線の20度以内に配置される。180度対角線に近いほど、一般に、改善された結果を提供することに留意されたい。
図3Dは、そのような対角線関係を提供する場所の2つの例示的なペアリングを示す。例えば、カメラ90は、場所605Aに配置され得、光源92は、場所605Bに配置され得る。場所のこのペアリングは、所望の180度関係を提供する。同様に、代替の場所610A及び610Bが光源92及びカメラ90に選択され得る。
【0035】
図3C及び
図3Dの配置は、上述した角度及び距離の利点を提供するための単なる例示の場所にすぎず、同じ角度及び距離の結果を達成するために他の場所を選択し得ることが認識されるであろう。
【0036】
一実施形態として、データが基板のフレームにおいて収集されるピクセルの特定の選択が実行される。例えば、カメラのピクセル吸収性の任意の小さい差及び画像ノイズ源(振動、移動アーム、光源強度のわずかな変化、カップ外部の光環境等)をピクセル平均化する利点のため、基板を表す全てのピクセルを使用し得る。しかしながら、画像ノイズ源の包含は、望ましくないことがある。また、全ピクセルの使用は、非0次反射を表すピクセルを含むであろう。しかしながら、ピクセルのサブセットのみの使用は、これらの問題に対処し得、より正確なデータを提供し得る。例えば、光源/光スペクトル範囲がカメラ吸収性と良好に位置合わせされない(例えば、光源のスペクトルテールのみが、カメラによって吸収されているものである)場合、基板からの全ピクセルの平均化は、信号の損失に繋がる。この問題に対処し、信号を再獲得する一方法は、選択されるピクセルをカメラフレーム内の光源の観測可能な一次反射内及び/又はその近傍のピクセルのみに制限することである。そのようなカメラフレーム内の光源の観測可能な一次反射内及び/又はその近傍のピクセルは、光源の0次反射を最も表すピクセルを表す。同様に、ピクセルのサブセットのみを選択することによっても、領域ベースのノイズ源を除くことができ得る。したがって、ピクセルの選択されたサブセットの使用は、基板上の状態に関するデータを抽出し得る改善された信号を提供し得る。ピクセルのサブセットを制限し得るエリアのサイズは、利用される光源とカメラとの組み合わせに高度に依存し得る。
【0037】
図3Eは、解析のためにピクセルのサブセットのみを選択することの例示的な効果を示す。
図3Eに示すように、カメラデータから経時的に取得された(したがって、x軸は、経時的に収集される)一連のフレームの平均グレースケール強度(分注開始の直後から処理の終了までの平均フレームを除去した後)のプロットである。プロット705は、カメラから収集された全体画像にわたって得られた強度を表す。プロット710は、基板に対応する領域にデータが制限された場合に得られる強度を表す。これらの両方のプロットについて、ノイズ源及び広範囲の反射は、信号が多くのフレームにわたって周期性を失う大きいノイズエリアを提供することが分かる。プロット715及びプロット720は、基板のピクセルのサブセットのみが解析されるプロットである。ピクセルのサブセットを制限し得るエリアのサイズは、利用される光源とカメラとの組み合わせに高度に依存し得る。例えば、850nmのIR LED光源及び一体型IRリフタを有する第1のカメラを使用する場合、光源上の反射場所を狭く選択するために極度のピクセルマスキングが望ましいことがあり、例えば基板エリアに対応するピクセルの10%又は更に5%にピクセルを制限することが望ましいことがある。しかしながら、IRバンドパスフィルタ及び850nmのIR LED源を有さない異なるカメラ(CMOSカメラ)を利用する別の実施形態では、反射信号の決定を提供するために、ピクセルマスキングは、先の例と同じレベルでなくてよい(しかし、それでもなお、マスキングは、検出される信号の振幅を増大させ得る)。例えば、基板エリアに対応するピクセルの概ね半分のみのピクセルマスキングを利用し得る。プロットから分かるように、ピクセルのサブセットの使用は、よりよいノイズ特性を有する信号を提供する。
【0038】
本明細書に記載される技法は、特定のカメラ及び光源タイプに限定されない。カメラは、画像からデータを捕捉及び/又は記録するように設計された任意の多様なタイプのカメラであり得る。カメラは、静止画像及び/又はビデオ画像を収集し得る。限定されないが、電荷結合素子(CCD)イメージセンサカメラ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサカメラ、N型金属酸化膜半導体(NMOS)イメージセンサカメラ、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)イメージセンサカメラ、アンチモン化インジウム(InSb)イメージセンサカメラ等を含めて、多様なカメラを使用し得る。光源は、典型的には、可視スペクトル以上の光源であり得る。例えば、可視スペクトル、近赤外線(NIR)、短波赤外線(SWIR)及び中赤外線(MIR)の光源が例示的な光源である。一実施形態では、可視スペクトルにおけるアンバー光源を利用し得る。別の実施形態では、赤外線(IR)光源が利用される。更に別の実施形態では、マルチスペクトル光源を利用し得る。多くのカメラは、IRスペクトルを遮断する一体型フィルタを含み得ることが認識されるであろう。IRスペクトルが解析に望まれる場合、そのようなフィルタの使用は、望ましくないことがある。
【0039】
先に言及したように、流体分注プロセスの多様な変数及び状態を監視することは、流体分注システム内のカメラの使用を通して達成され得る。種々の監視技法について以下で説明する。これらの技法は、一緒に利用される必要がなく、むしろ個々に利用され得ることが認識されるであろう。代替的に、より完全な監視のために技法の幾つか又は全てを組み合わせ得る。
【0040】
基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視
流体分注システム内のカメラの使用は、基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視に関連する使用を含み得る。
【0041】
一実施形態では、流体分注システム内の基板の場所は、流体分注システムにおけるカメラの使用を通して決定され得る。より具体的には、基板の1つ又は複数のエッジを位置決定し得る。一実施形態では、エッジ情報は、他の情報と組み合わされて、基板が流体分注システム内に適切に配置されているかどうかを決定し得る。例えば、システム内の基板センタリングに関するデータは、基板エッジと、システム内に固定された物体との間の関係を決定することによって取得され得る。一実施形態では、基板センタリング情報は、基板エッジを流体分注システムのカップと比較することを通して抽出され得る。
【0042】
別の実施形態では、カメラ画像の解析を通して、流体分注システム内に形成されたパドルの特性を取得し得る。一実施形態では、基板上に形成された液体パドルのエッジをカメラ画像から決定し得る。パドルエッジ情報は、多様な解析技法で利用され得る。一技法では、基板のパドル被覆の割合を取得し得る。一実施形態では、低レジスト消費(RRC)溶媒の被覆の割合を取得し得る。別の技法では、パドルエッジを解析して、パドル形状の非理想性を識別し得る。
【0043】
別の実施形態では、カメラ画像を利用して、流体分注システム内のカップの場所を解析し得る。カメラは、流体分注システム内で固定されるため、カップ場所の変動をカメラ画像から取得し得る。カップ場所の識別を実行して、カップ場所の逸脱を検出し得る。そのような逸脱は、例えば、カップ交換後に生じ得る。
【0044】
基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視技法の第1の実施形態では、カメラを介した監視を利用して、基板のエッジを決定し得る。そのような監視の一用途は、基板のセンタリングを決定することである。例えば、カメラ及び流体分注システム60の他の要素(カップ71等)は、固定された物体であり得るため、他の要素(例えば、カップエッジ)に対する基板の関係を使用して、流体分注システム60内の基板の適切な配置を示すセンタリング情報を抽出し得る。
【0045】
例えば、処理アーム61によって基板をスピンチャック64の上方に送る場合である。スピンチャック64内のピンシステムが上昇して基板を受け取り、スピンチャック64上に基板を下降させ得る。基板をスピンチャック64に下降させるプロセスにおいて、カメラを利用して、カップ71の前縁部等の流体分注システム60の固定点に対する基板59の関係を決定し得ると共に、カップ71の後縁部に対する基板の関係も決定して、各基板がリアルタイムで送られる際に基板センタリングの情報を取得し得る。この関係の逸脱を検出すると、システムは、潜在的な基板配置エラーに関するアラートを発行することができ、且つ/又は配置エラーのフィードバックを処理アーム61に提供して、修正を作動させ得る。
【0046】
図4A及び
図4Bは、基板59のエッジ400とカップ71との間で検出され得る関係を示す。例えば、
図4Aは、基板59の真上に配置されたカメラを有するシステムからの画像例を示す。
図4Aに示すように、カメラを利用して基板59のエッジ400を検出することにより、カップ71に対する基板59の場所を決定し得る。より具体的には、エッジ400とカップ71との間の1つ又は複数の距離、例えば図に示されている距離402、403及び404を検出し得る。エッジ及びカップ71の相対場所の検出を利用して、基板のセンタリングを決定し得る。
図4Bは、基板59の上方であるが、基板59の横にカメラを有するシステムから取得され得る画像例を示す。ここでも、画像を利用して、例としての1つ又は複数の距離410、411、412及び413によって示すように、カップ71に対する基板59のエッジ400の相対場所を検出し得る。したがって、ここでも基板のセンタリング情報を取得し得る。
【0047】
基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視技法の第2の実施形態では、基板上に形成された液体パドルに関する情報を検出し得る。より具体的には、スピンコートプロセスで利用される一般的な技法は、液体材料のパドルを基板上に形成することである(典型的にはスピン前又は低速スピンの開始時)。一実施形態では、パドルを形成するために分注される液体材料は、被膜材料(例えば、フォトレジスト)であり得る。別の実施形態では、パドルを介して形成される材料は、被膜材料に先立って基板に塗布されて、被膜する基板の表面エネルギーを変える溶媒プリウエット材料であり得る。一例では、プリウエット材料は、被膜材料の材料消費を低減するために、より容易な濡れ性を提供する目的で使用され得る。そのようなプリウエット材料の周知の一例は、低レジスト消費(RRC)溶媒である。
【0048】
カメラビデオ監視を利用することにより、到来する基板の表面エネルギー状態についての有用な情報を取得し得る。例えば、カメラ90を用いて基板のエッジを検出すると共に、パドル材料(例えば、RRC溶媒パドル)のパドルフローの広がりを検出することにより、材料による基板被覆割合を検出し得る。例えば、RRC溶媒パドルによって覆われたピクセルの数を、基板と関連付けられたピクセルの総数と比較し得、RRC溶媒スピンキャストステップの開始前に被覆割合を計算し得る。基板被覆割合を、他の基板に対する同じ基板処理ステップからの基板被覆割合での前の結果と比較する(又は所望のベースライン結果と比較する)ことにより、基板表面状態変化の検出を識別することができる。代替的に、RRCパドル形成中の被覆状態の動的測定についてのデータを経時的に収集し、ここでも前の結果又は想定されるベースライン結果と比較し得る。したがって、比較を使用してパドルのウェーハ被覆割合を解析することを利用して、基板表面状態が、想定される結果と同様であるか、又は想定されるものと異なるかを決定し得る。そのような情報を収集して、基板プロセスフローにおける処理の特徴付け、制御、評価及び/又は監視に使用し得る。
【0049】
基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視技法の第3の実施形態では、形成されたパドルの解析をより全般的に使用して、スピンコートプロセス及び/又は被膜する基板の状態を評価し得る。したがって、例えばパドル監視の結果を考慮することにより、基板の表面エネルギーの変化によって影響を受けるスピンコートプロセス内の任意の材料を解析し得る。したがって、例えば、考察したように、パドル解析は、濡れ性及び関連する材料消費を反映し得る。しかしながら、カメラ監視を利用してパドル形成を評価することにより、より一般的なプロセス故障検出を実行することもできる。したがって、パドルプロセス中に多様なスピンコート材料を監視し得る。そのような監視は、静的分注(分注中に回転しない)中であり得る。他の実施形態では、監視は、分注ステップの低回転数/分(RPM)状態中であり得る。形成されたパドルの広がりについての収集された情報は、到来する基板の表面エネルギー状態についての有用なプロセス情報を提供する。エッジ発見アルゴリズムを使用することにより、材料キャストステップ前に形成された静的分注パドルのウェーハ被覆割合(ウェーハと関連付けられた材料/ピクセル総数によって覆われたピクセルの数)を知ることができる。同じ基板プロセスフローからのウェーハ被覆割合についての前の結果(又はベースライン結果)との比較の使用を使用して、基板状態が同様であるか又は変わっているかを判定し得る。代替的に、分注及びキャスト(粘度に依存する)を通した被覆状態の動的測定を検出し、プロセス監視及び/又は処理中に種々の変数を制御するために使用し得る。更に、時間の関数としてのパドル情報被覆割合は、同じ基板プロセスフローからの前の結果と比較して、基板状態が、想定されるものと同様であるか又は変わっているかを決定するために使用することもできる。
【0050】
上記で考察した基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視技法の第2及び第3の実施形態は、故障検出についての有価値情報を潜在的に提供するために、高度プロセスコントローラ又はプロセス制御コンピュータシステムに入力パラメータを提供し得る。例えば、限定ではなく、例として、不良接着状態の識別、接着材料の劣化の識別、到来する基板の状態の変動の識別及び表面準備材料(例えば、自己組織化(DSA)リソグラフィ用途でのブラシ材料の程度/品質の識別を含めて、広範囲のプロセス故障をフラグ付けし得る。
【0051】
カメラ90を利用した解析の一実施形態では、基板上で検出される際、流体のエッジを検出し得る。一例では、検出されるエッジは、基板をスピンさせる前に分注によって形成された元のパドルであり得る。別の実施形態では、エッジは、スピン中に拡散する際のパドルを表し得る。
図5は、エッジ400を有する基板59上に形成されたパドル500の画像例を示す。
図5は、中央上部カメラ画像を示すが、画像は、多様なカメラ配置のいずれからも取得され得ることが認識されるであろう。パドル500は、パドルを形成するために基板上に堆積する多様な材料のいずれでも形成され得ることも理解されるであろう。取得された画像を解析して、強度、色及び/若しくはグレースケール差又は基板にわたる強度、色若しくはグレースケールの勾配差を検出して、基板上に体積した材料のパドル500のエッジを決定し得る。差は、露光された基板面積と、パドルによって覆われた基板の面積との間の差であり得る。この情報を利用して、基板上に体積した材料のパドル500のエッジを決定し得る。パドルの被覆割合は、そのような画像解析から計算され得る。画像解析は、1つの静的画像に対して実行され得る(例えば、分注後であるが、スピンの直前)。代替的に、パドルの画像解析は、例えば、動画又は複数の静止画像(基板スピン中に取得される画像を含む)を解析することにより、時間期間にわたって動的に行われ得る。したがって、例えば、
図6に示すように、曲線600で示すように被覆割合を時間に対してプロットし得る。一実施形態では、パドル解析データは、分注の直前から分注の完了を通してスピン前に収集され得る。別の実施形態では、パドルは、基板のスピン中であっても解析され得る。スピン中に行われる解析の場合、堆積した材料がスピンに起因して薄くなるにつれて、基板にわたる差は、よりかすかになり、検出がより難しくなるため、より高分解能のカメラが必要であり得る。
【0052】
分注エッジ検出は、分注レシピ及び時間を通した関連する流体被覆を解析する方法を提供する。流体が基板に塗布されるプロセス中、基板をスピンさせて、流体を外側に向けて移動させ、基板を覆い得る。基板のスピンは、流体分注の開始前、分注中又は分注後に行うことができ、レシピ全体を通してスピンする速度を変更し得る。基板がスピンするにつれて、分注エッジ検出技法は、任意の時点で基板がどの程度覆われたかを測定する方法を提供する。分注エッジの検出は、流体分注システムにフィードバックを提供し、分注プロセスがどの程度効率的であるかの決定を促進するために使用することもできる。
【0053】
分注エッジ検出技法は、分注開始フレームの検出に使用される幾つかの方法を含めて、多様な検出及びデータ処理方法を使用し得る。一実施形態では、まず分注レシピを識別し、解析の使用に適切なフレームを決定する。例えば、レシピの開始を見つけるために、視野へのアームの移動、基板に向かう下向きの移動及び下向き移動の終了を上記で考察したように検出し得る。下向き移動の終了が検出されると、所定のピクセルセットを使用して、最大強度変化に基づいて基板への初期分注を探し得る。
【0054】
基板への流体の分注開始から、基板にわたる経時的な強度変化を解析することにより、基板上の初期輪郭及び外縁部を見つけ得る。分注の外縁部が見つけられると、形状をフィッティングして、カメラ角度に基づいてレシピ全体を通した外向きの移動を追跡し得る(例えば、基板上の流体の円形パドルは、カメラが流体分注システムの隅に配置される場合、円形画像パターンを有さない)。半径が変わる一連の円と同様に、先に決定された形状の複数の反復を初期分注からウェーハのエッジに外向きに移動してフィッティングし得る。次いで、形状の所与の反復内に入るが、他の反復のいずれにも入らないピクセルを決定し得る。次いで、分注が検出された後、レシピにおける各フレームについて、各形状反復内の各ピクセルセットの強度を計算し得る。一実施形態では、各フレームの強度差を計算し、可能な閾値又はフィルタを使用して、特定の強度差を無視し得る。次いで、強度差から計算されたピクセルセットについて、これらのピクセルの各々がいずれの形状反復内に入るかを決定する。次いで、これを使用して、レシピにおける現フレームの分注のエッジを検出し得る。レシピにおける各フレームのエッジが検出されると、各フレームで検出された各パドル内のピクセルの数を計算し得る。加えて、基板内のピクセルの総数に対する各エッジ内のピクセルの数の比率を計算し得る。この計算は、レシピ全体を通した基板の被覆及び被覆変化率の洞察を与える。基板上の流体のエッジを特徴付けるために他の計算を利用し得ることが認識されるであろう。解析は、全体画像フレームの解析又は画像フレームのピクセルのサブセット(例えば、流体の実際の分注中、分注流体が存在することが想定されるピクセル)のみの解析を含み得る。
【0055】
したがって、パドルエッジを追跡するワークフローの例示的な一実施形態は、以下の通りであり得る。まず、カメラデータからの解析に適切なフレームが決定される。この決定は、上述したように、ハードウェア移動検出及び/又は分注開始の検出に基づき得る。したがって、解析は、パドルの形成に時間的に近い関連フレームにフォーカスし得る。第2に、初期分注エッジの外縁部が所与のピクセルセットの強度差に基づいて決定される。第3に、形状がカメラ角度に基づいて初期分注パドルエッジにフィッティングされる。次いで、この形状を使用して、レシピ全体にわたりパドルエッジを追跡する。第4に、レシピ全体を通して、形状の複数の反復は、前のフレームでの形状フィッティングから外側に基板のエッジに移動する現フレームにフィッティングされる。例えば、円が初期パドルにフィッティングされた場合、各々が前よりもわずかにより大きい半径を有する複数の円が現フレームにフィッティングされる。第5に、各フレームの差が計算され、エッジは、形状の複数の反復の所与のリング又はエリア内にある最大数の点から見つけられる。一実施形態では、強度差解析前にデータのフィルタリングを適用して、処理が必要なデータ量を制限し得る。フィルタリングなしでは、存在するデータ量によりデータのフィッティングがより困難になる。更に、一実施形態では、パドルの最外データ点のフィッティングのみが実行されて、計算の精度及び速度を更に改善する。加えて、データ点及び形状のフィルタリングは、前のフレームでの追跡フィッティング及びパドルの経時的な拡大率に更に基づき得る。
【0056】
基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視技法の第4の実施形態では、カメラ90を使用して、大きいマクロ欠陥に繋がるレジスト上の現像溶液の濡れ性問題を査定し得る。例えば、現像溶液の後退を検出し得る。この解析では、カメラ監視を利用して、現像溶液のパドルエッジを検出し得る。例えば、エッジ発見アルゴリズムは、現像パドルにおける任意の非理想性を探し得る。そのような非理想性は、限定されないが、例えば基板上の後退のランダムゾーン、現像パドルが拡大するにつれてのエッジにおけるパドルフィンガリング等であり得る。パドル形成での非理想性を決定すると、システムは、アラートを生じさせ得る。一実施形態では、アラートを使用して、潜在的な基板配置エラーを示し得る。幾つかの実施形態では、潜在的な基板配置エラーのアラートを使用して、配置修正のために、配置エラーのフィードバックをロボットアームに提供し得る。
【0057】
基板エッジ検出、パドル監視及びカップ監視技法の第5の実施形態では、カメラ90が、チャンバ壁62によって区切られたプロセスチャンバ内のビデオシーン内で固定された物体であることを利用する。カメラ90が固定されているという理解の下で、X及びY切断面におけるカップ71のエッジの関係を使用して、カップ場所情報を抽出し得る。したがって、カメラによって検出された画像のX(及び/又はY)における切断面をとることにより、強度、色及び/若しくはグレースケール差又は強度、色若しくはグレースケールの勾配差からカップ場所を識別し得る(即ちカップ71が画像フレーム内のいずれの箇所に配置されているかを識別する)。そのようなカップ場所の検出は、基板が存在するか又は存在しないカメラ画像から実行され得る。好ましくは、プロセスシーケンスの、アーム移動がカップ配置信号に影響していない時点で画像を捕捉し得る。検出されたカップ場所は、監視に使用することができ、システムは、カップ場所の逸脱を探し得る。次いで、想定されるカップ場所からの逸脱が検出されたときについて、アラートをシステム内で提供し得る。例えば、カップ交換後、誤ったカップの使用又は想定されるベースラインからずれたカップ配置(例えば、交換中にカップが適切に配置されていない)から生じた逸脱を検出し得る。そのような場合、アラートを生成し得る。また、システムの使用中、時間に伴ってカップがシフトする場合にもアラートを生成し得る。
【0058】
図1に示す流体分注システム60には、システムの種々のプロセス動作パラメータの設定及びコントローラのために、コントローラ94が結合され得る(又はその一部であり得る)。コントローラ94は、示されるように、カメラ90及び光源92に結合され得る。コントローラ94は、信号線96によって示されるように、流体分注システム60の幾つかの構成要素のいずれか又は全てに結合されて、構成要素から情報を受信し、且つ/又は構成要素を制御することもできる。例えば、コントローラ94は、処理アーム61、スピンチャック64、駆動機構66、ノズル68、ノズルスキャンアーム72等から情報を受信し、それに制御情報を提供し得る。コントローラ94は、一般に、流体分注システムによって収集された種々のデータを解析し、幾つかの場合、種々のプロセス動作パラメータにフィードバック制御を提供するように構成することもできる。したがって、本明細書に記載されるデータ処理及びシステム制御技法は、コントローラ94によって実施され得る。本明細書に記載のコントローラ94は、多様な様式で実施できることに留意されたい。一例では、コントローラは、コンピュータであり得る。別の例において、コントローラ94は、本明細書に記述する機能を提供するようにプログラムされた1つ又は複数のプログラム可能な集積回路を含み得る。例えば、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置等)、プログラム可能論理素子(例えば、複合のプログラム可能論理素子(CPLD))、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)等)及び/又は他のプログラム可能な集積回路は、コントローラ94について本明細書に記載された機能を実装するようにソフトウェア又は他のプログラム命令によりプログラム可能である。ソフトウェア又は他のプログラミング命令は、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリストレージデバイス、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、再プログラム可能なストレージデバイス、ハードドライブ、フロッピーディスク、DVD、CD-ROM等)に格納することができ、ソフトウェア又は他のプログラミング命令は、プログラム可能な集積回路によって実行されると、プログラム可能な集積回路に、本明細書で説明するプロセス、機能及び/又は能力を実行させることに更に留意されたい。他の変形形態も実現され得る。
【0059】
上述したように、流体分注システムの知的制御は、流体分注システム内に配置されたカメラによって収集されるデータの使用を通して提供され得る。収集されたデータは、限定されないが、基板センタリングの逸脱、到来する基板の表面エネルギーの逸脱及びパドリングの非理想性/ずれのフラグ付けに使用され得る。カメラ画像から収集されたデータは、特定の形態に限定されない。例えば、一実施形態では、色データを収集し得、検出された色の差を利用して、上述した種々の特徴、例えば基板エッジ、カップエッジ、パドル等を識別し得る。別の実施形態では、グレースケール情報を取得し得、画像にわたる変化を利用して特徴を識別し得る。更に、情報のサブセットのみを利用し得る。例えば、赤緑青(RGB)チャネル色データを取得し得るが、基板エッジ、カップエッジ、パドル等の種々の特徴を検出するために1つのみのチャネルを解析し得る。例えば、Rチャネルのみの変化を利用して、基板エッジ、カップエッジ、パドル等を識別し得る。更に、画像データに適用されるデータ解析及びデータ処理技法が多様な様式で達成されて、本明細書で考察される結果を達成し得、記載される技法が特定の手法に限定されないことが認識されるであろう。
【0060】
光反射を使用したスピンコート膜の膜厚測定
流体分注システム内のカメラの使用の一実施形態では、カメラを利用して、スピンコートステップ中、基板から反射された波長の強度を監視する。基板がスピンコートされる際の時間の関数としての反射強度を使用して、スピンコートプロセスを監視し且つ特徴付け得る。時間の関数としての反射強度を他の基板と比較して、基板ごとの膜厚の変動を識別し得る。一実施形態では、解析は、時間の関数としての反射強度のピーク及び/又はトラフに基づく。
【0061】
したがって、
図1~
図3の流体分注システム60は、スピンコート中、膜厚監視技法を提供するように制御することもできる。一例の膜スピンコート技法は、溶媒に溶解したポリマーを含む。被膜材料が乾燥して溶媒が蒸発すると、高い均一性の膜が残る。典型的には、スピンコートされた膜の膜厚は、独立型分光ツールを使用して、コート後及び/又は塗布後ベーク(PAB)後に測定される。流体分注システム60及び本明細書に開示される技法では、膜が被膜されるにつれての膜厚のリアルタイム監視が可能である。加えて、そのような技法は、種々のプロセス制御方式をより促進する。
【0062】
スピンコートされた材料が乾燥するにつれて、結果として生成される膜厚が動的に変わり、最終的に安定化するにつれて可視色変化を観測し得る。流体分注システム60及び関連するカメラ90を使用して、スピンコートプロセス中、色の変化を検出することによって膜厚均一性を監視し得る。より具体的には、コートプロセス中にカメラ90によって取得されたビデオ画像を使用して、基板ごとの膜厚均一性を監視し得る。具体的には、基板からの反射光は、スピンコートプロセス中、被膜された膜の乾燥に起因して変化する。この変化を使用して、膜厚が他の基板(又はベースライン基板)と一貫していたかどうかを決定し得る。したがって、乾燥する膜が示す動的色変化は、最終的な膜厚の識別フィンガープリントであり得、したがって被膜された膜厚をリアルタイムで監視するこの能力を中心としてプロセス制御方式を構築し得る。
【0063】
図7に示すのは、基板が経時的にスピンコートされる際にカメラ90によって検出された全ての反射光の信号700の例示的なプロットである。信号700によって分かるように、時間が進むにつれて膜が乾燥し、反射率が変わるにつれて反射光の強度値のピーク及びトラフが生じる。限定されないが、種々の最高最低間読み取り値の振幅、ピーク及びトラフの配置並びにプロセス全体を通して正弦周期が変化する様式を含めて、反射信号の広範囲の特性を利用して、コートプロセスを特徴付け且つ監視し得る。更に、限定されないが、信号への種々の変換(フーリエ、ラプラス等)、所与の膜厚及び/又はコートプロセスへの特徴的な性質のより明確な解析が可能であり得るデータセットにおける特性の探索を含めて、信号データのより詳細なデータ処理を実行し得る。更に、
図7の例としての信号700では、収集されたデータは、可視光の全波長についてのものであることに留意されたい。しかしながら、データは、RGB成分に分解され得るか、又は単一波長若しくは波長の幾つかのサブセットで解析され得る。
【0064】
一実施形態では、時間軸に沿ったピーク及び/又はトラフの配置を追跡することにより、スピンコートプロセスを特徴付け且つ監視して、基板ごとの膜厚の変動を確立し得る。
図8は、スピンコートプロセス中の7つの異なる基板の反射データを示す。
図8の例では、5つの基板が同じ標準プロセスを用いて処理される。典型的な標準プロセスは、1200~1800RPMのキャストRPMを利用する。経時的な反射光強度をプロット802、804、806、808及び810にそれぞれ示す。2つの基板は、異なるスピン速度でスピンコートされる。1つの基板は、+50RPM(標準プロセスと比較して)の増大したRPMで被膜され、プロット814によって示される。別の基板は、-50RPMの低減したRPMで被膜され、プロット812によって示される。
【0065】
図8の例では、画像カメラからの信号は、RGBからグレースケール強度に変換される。グレースケール強度は、次いで、基板面積にわたって平均されて、時間を通してプロットされ得る。強度(縦軸)は、同じプロセスが利用される場合でも基板実行間で大きく異なり得ることに留意されたい。これは、要因の中でも特に、異なる流体分注システムの使用及びカップ内部の光レベルが一貫していないことから生じ得る。しかしながら、ピーク及びトラフの水平配置は、プロット802、804、806、808及び810における5つの全ての事例でかなり類似していることに留意されたい。各ピーク又は谷が生じる時間でのノイズは、フレームレートほどである。乾燥中の回転速度が50rpmだけ変更された事例(プロット812及びプロット814)では、ピーク及び谷は、シフトし、最終的な厚さ変化が存在することを示す。この信号対ノイズ比を使用して、検出可能な最小厚変化を判定する。
【0066】
RPM低減及び増大プロセスは、概ね±1.5%の膜厚差を提供することに留意されたい。示される例では、RPMを50RPMだけ変えることによって0.5nm平均厚変化が生じ得る。時間的感度は、概ね1nm膜厚変化に等しいおよそ0.15秒の時間シフトに対応する。信号におけるノイズに応じて、時間シフトを監視することによって異なる厚さ変化量が検出され得る。一実施形態では、信号の時間シフトを監視することにより、0.3nmよりも大きい厚さ変化を検出し得る。
【0067】
プロット802、804、806、808及び810によって示されるように、同じプロセスに従って被膜された基板からの結果は、基板ごとに再現可能な信号を取得し得ることを示す。
図8に示すように、異なるRPMで処理された基板から取得された信号は、時間軸上において標準プロセスからの変位を提供する。より具体的には、プロット812とプロット814との間のピーク及びトラフの変位は、
図8において矢印820、822、824、826、828及び830によって示されている。この変位を使用して、膜厚差を検出することができる。
図9は、変位828を示す、
図10のグラフ上の30.6~31.5秒の時間の拡大図を示す。また、
図9から分かるように、プロット802、804、806、808及び810のピークの値は、可変であるが、ピークの発生時間は、同じ標準ベースライン状態で非常に再現可能である。更に、異なるスピン速度の膜キャストでの明確な分解能のピーク(したがって関連する膜厚の変動)を取得し得る。したがって、基板ごとの強度のピーク値が大きい変動及びノイズを示し得るにも関わらず、ピークの時間配置を利用して、特定のスピンコートプロセスを特徴付け且つ監視し得る。このようにして、経時的な複数の基板の反射強度データが取得され、監視及び/又は特徴付けは、複数の基板の反射強度データの比較を含む。
【0068】
このようにして、スピンコートチャンバ内のカメラによって取得された検出反射データを利用して、スピンコートプロセスをリアルタイムで監視し且つ特徴付け得る。更に、収集、記録、解析、プロセス制御等のために、そのようなデータは、コントローラ94等のコントローラに提供され得る。更に、データ解析は、広範囲の様式で実行され得、
図7~
図9に関連して考察したものに限定されない。例えば、上記の考察では、単一のピークの時間分解能が記載された。しかしながら、より詳細な解析は、信号における複数(又は全て)のピーク及びトラフを識別し、同様にそれらの幾つか(又は全て)を使用して、メトリックにより多くのデータを提供することができる。このようにして、ピーク及びトラフの一連の時間ステップ並びにこれらのピークとトラフとの間の時間増分を利用して、所与の基板での所与の被膜のフィンガープリントを作成し得る。更に、データ解析は、RGBチャネルの1つを解析から除去することによって達成することができるか、又は特定の波長を利用して解析を達成することさえ可能である。したがって、光源92は、特定の所望の波長で構成され得、所与の膜/基板構成に最良のものを使用することができる。代替的に、収集された反射波長データのフィルタリングをカメラにおいて達成し得るか、又はコントローラ内のソフトウェアによって実行し得る。したがって、システムは、解析される波長のスペクトルを露光し捕捉するように構成することができる。コントローラにより、記録された信号に対する複雑な信号処理を実行して、特定のノイズ源を除去し、信号対ノイズ比を改善することもできる。
【0069】
上述した技法に従って収集されたデータを利用して、プロセスを監視し且つ/又は特徴付けて、特に基板ごとの変動を識別するか、又はコートプロセスにおける故障若しくは逸脱の発生を検出し得る。しかしながら、データは、スピンコートプロセス中にリアルタイムで収集され得るため、データを更に利用して、スピンコートプロセスのリアルタイム制御を提供することもできる。より具体的には、膜厚に対するスピン速度の周知の関係は、厚さがスピン速度の平方根分の1に比例するというものである。したがって、リアルタイム膜厚差データを取得し得るため、制御ループを提供し得、それによりスピン処理中にスピン速度を修正して、正しい膜厚を取得し得る。
図10は、例示的な制御ループを示す。
図10に示すように、フィードバック制御プロセス1000が提供され得る。
図10に示すように、スピンモータ制御ブロック1002は、カメラ制御ブロック1006によって監視されるコートカップ制御ブロック1004において取得される被膜に影響する。カメラ制御ブロック1006からのデータは、コントローラブロック1008にフィードバックされ、コントローラブロック1008は、フィードバック制御をスピンモータ制御ブロック1002に提供して、最終的な膜厚を調整するようにスピン速度をリアルタイムで調整し得る。このようにして、カメラ90によって取得される反射率データのリアルタイム監視を利用して、
図1に示す流体分注システム60における膜の塗布中にリアルタイム膜厚制御を提供し得る。
【0070】
スピンパターニングされた反射性基板のデータ解析技法
流体分注システム内のカメラ使用の別の実施形態では、基板がスピンコートされる際、反射光強度が時間の関数として取得され、信号処理技法が実行されて、システム内の移動を考慮に入れる。一実施形態では、信号処理は、スピンコート材料の下にある基板上のパターンの移動によって生じる光反射への影響を最小化するのに役立つ。利用される信号処理技法は、データ平滑化、反射エネルギーの特定の波長のみの解析、データの変換(一実施形態ではフーリエ変換を利用する)及び/又は収集されたピクセルデータのサブセットの解析を含み得る。
【0071】
より具体的には、上述したように、反射率データは、カメラ90を利用して流体分注システム60内で収集され得る。しかしながら、収集されたデータの解析は、流体分注システム内の種々の構成要素の移動及び被膜中の基板上のパターンの存在によって複雑になり得る。一実施形態では、データ解析技法を利用して、基板の上方の移動する部分の影響及び/又は基板がスピンするにつれて向きを変える、被膜中の基板上に存在する下のパターンによって生じる反射変化を除去又は最小化し得る。一実施形態では、被膜材料が最初に分注ノズルから出る際に取得される画像フレームが識別される。そのポイントから開始して、基板を含むビデオ画像の任意のピクセルについて、時間を通した反射強度のプロットを生成し得る。次いで、データを平滑化及び/又は変換して、基板上の回路パターンの変化する向きからの反射に起因する高周波数ノイズを最小化し得る。解析を使用して、最良の信号対ノイズ比を達成するために光のいずれの波長及びいずれのピクセルを含むべきかを決定し得る。次いで、反射曲線のピーク及び谷を記録し、前の基板と比較して、上述したように厚さの任意のシフトを決定し得、且つ/又は反射曲線のピーク及び谷を使用して、これも上述したように流体分注システムをリアルタイムで制御し得る。
【0072】
上述したピーク及びトラフのタイミングを比較するために、強度対時間チャートにおけるデータは、あらゆる基板で同じ瞬間に開始して収集されることを保証することが望ましい。これは、広範囲の様式で行われ得る。一手法では、エッジ検出閾値は、分注前の画像フレームと分注後の画像フレームとの間の差を観測するように設定される。まず、特定のターゲットエリアにおいて決定数のピクセルがアームを検出することにより、ターゲット位置への分注アームの移動を指示し得る。次いで、フレーム間の差を見て、分注材料が配置されるターゲットエリアにおいて指定された数のピクセルをカウントすることにより、分注が検出される。
【0073】
基板上に反射パターンを有する基板の場合、信号の区別は、はるかに難しいことがある。基板の向き変化からの強度の変動は、厚さ変化からの色変化を超え得る。この問題を解決するために、複数の技法を利用し得る。一実施形態では、各ピーク及び谷の分離が、想定される範囲内になるまで、データをフィルタリングしてデータを平滑化し得る。例えば、
図11に示すように、元の信号1102は、データ平滑化アルゴリズムを受け得る。同じ時間軸に示される(しかし、例示を容易にするためにのみ強度軸上でシフトされる)信号1104及び1106によって示されるような平滑化された信号の2つの例である。結果として生成される平滑化された信号は、示されるように、フィルタリングされたデータからシステムのノイズの大部分が除去されているため、ピーク及びトラフの検査によりよく適し得る。
【0074】
別の実施形態では、厚さ変化を確立するためにピーク及びトラフをより正確に比較し得るように、データ処理の一環として特定の波長を信号から除去し得る。例えば、一実施形態では、信号をグレースケールに変換する前に、カメラ画像からの赤、青又は緑波長信号を個々にオフにすることができる。除去することが望ましい信号は、下にあるパターンの回折に応じて様々であり得る。一実施形態では、潜在的なRGB信号の7つ全ての並べ替えを評価して、いずれの並べ替えが、下にある特定のパターンに最高の信号対ノイズ比を提供するかを確立し得る。
【0075】
図12A及び
図12Bは、波長除去の例示的な効果を示す。
図12Aは、全ての波長を使用したデータを示す。
図12Bは、緑波長帯域(波長534~545nm)を除去したデータを示す。
図12Aに示すように、3つの信号、即ち1202A、1204A及び1206Aが共通のプロセスから取得される。スピン速度を50RPMだけ増大させることにより、共通のプロセスを調整することで1つの信号が取得される。
図12Bは、緑色が除去された、共通のプロセスからの3つの信号、即ち信号1202B、1204B及び1206Bのデータを示す。スピン速度を50RPMだけ増大させたプロセスからのデータは、信号1208Bとして示される。
図12A及び
図12Bに示すように、緑色帯域の除去は、ピーク及び/又はトラフの識別を改善する。例では、概ね0.2秒から0.1秒までの1nm厚変化でノイズが低減する。
【0076】
更に別の実施形態では、カメラのフレームレートと基板の回転速度との間の変動性によって導入されるノイズに対処し得る。より具体的には、回転速度及びフレームレートに応じて、パターニングされた基板の異なる向きについて各フレームを取得し得る。そのような差は、検出信号にノイズをもたらす。この不一致は、比較的一定の周波数で強度に周期的変動を生成する。したがって、不一致から生じるこの追加の色変化を識別し、除去することが望ましい。比較的一定の周波数を有する強度の周期的変動は、フーリエ変換においてピークとして観測することができるため、フーリエ変換を利用して、基板の向きの影響を除去することにより、このノイズに対処し得る。望ましくない周波数をゼロに設定し、逆フーリエ変換を実行することにより、フレームレート不一致の影響を除去することができる。例えば、フレームレート30フレーム/秒(fps)及び基板回転速度1200RPM又は1800RPMの場合、不一致は、生じない。しかしながら、回転速度1750RPM及び1775RPMの場合、不一致が生じ得る。
図13は、8つの基板からのデータを示し、6つは、1200RPM又は1800RPMで収集され、1つは、1750RPMで収集され、1つは、1775RPMで収集された。強度対時間曲線のフーリエ変換を
図13に示す。
図13に示すように、曲線フーリエ変換は、1750RPM信号では点1302及び1775RPM信号では点1304において望ましくない反射の周波数を容易に示す。
【0077】
別のノイズ低減方法は、時間画像データを通してピクセルごとに強度を調べる。具体的には、パターニングされた基板上の特定の場所は、他の場所よりも高いノイズを提供し得る。解析を実行して、ノイズがより少ない基板上の場所を識別し得、それらの場所を本明細書に記載の膜厚技法に利用し得る。したがって、画像データは、複数のピクセルを含み得るが、観測されるノイズがより少ない場所に対応する画像のピクセルを膜厚技法に利用し得る。特定のパターニングされた基板にいずれのピクセルを利用すべきかを確立する一方法は、堆積した膜が乾燥する際に基板を解析することを含む。そのような基板では、強度は、比較的安定していると予想される。スピン乾燥基板からの画像データを監視することにより、画像のピクセル間の変動を決定し得る。したがって、高変動を有するピクセルは、下にあるパターンからの望ましくない反射による影響をより大きく受けるピクセルに対応する。時間を通した標準偏差又は系統的反射に対応するフーリエ変換における望ましくない周波数の存在によって決定されるように、変動閾値を超える任意のピクセルは、平均強度の計算から除去され得る。このようにして、特定のピクセル又はピクセルグループを解析から除去して、画像データにおけるノイズを低減し得、カメラの複数のピクセルのサブセットからの画像データのみを解析することによってプロセスを進める。
【0078】
上述したように、基板上に膜を形成している間、スピンパターニングされた反射性基板を解析する多様なデータ解析技法が提供されてきた。これらの技能の各々を個々に利用して、改善された解析手法を提供し得る。代替的に、技法の種々の組み合わせを利用し得る。したがって、本明細書に記載のように、技法は、単独で又は組み合わせて利用され得る。一実施形態では、スピンコートプロセスと併用するための画像解析プロセスは、
図14に記載のように、これらの技法のグループと一緒に利用し得る。
図14に示すように、カメラ画像解析プロセス1400が提供される。まず、ステップ1402において、分注状態を決定し得るフレームである。次いで、ステップ1412において所望の状態が発見されるまで、ステップ1404、ステップ1406、ステップ1408及びステップ1410で構成される最適化ループを実行し得る(1回又はより多く)。より具体的には、ステップ1412において、システムにおける移動からのノイズが、基板上の厚さシフトに対応するピーク又はトラフシフトを識別し得るように十分に除去されるような状態が発見される。より具体的には、ステップ1404は、膜厚に対応する強度のピーク及び谷を決定することを含む。次いで、ステップ1406は、関心のある周波数のみを含み、ピークをより容易に識別するようにデータを平滑化することを含む。次いで、ステップ1408は、画像で調べられる波長の組み合わせを変更することを含む。次いで、ステップ1410は、変動が閾値を超えるピクセルを除去することを含む。ステップ1412の判断ブロックによって示されるように所望の状態が発見されるまで、ステップ1401、1406、1408及び1410が繰り返され得る。所望の状態が発見される場合、較正基板を実行して、ピークシフトを厚さシフトに結びつけることを含むステップ1414を実行し得る。先に言及したように、幾つかの実施形態では、ステップ1404、ステップ1406、ステップ1408及びステップ1410の最適化ステップのサブセットのみを利用し得ることが認識されるであろう。更に、ステップ1404、ステップ1406、ステップ1408及びステップ1410に示される順序は、単なる例であり、ステップの順序は、並び替え可能である。このようにして、基板に膜が被膜されている間、スピンしている基板の画像解析を改善する1つ又は複数の技法を利用し得る。
【0079】
流体分注システムカメラを利用した膜厚制御及び粘度変化を含むプロセス変動を検出するための他のプロセス変数のプロセス制御技法
本明細書で収集されるカメラ画像データは、多様な他のデータと組み合わされて、基板処理プロセスフローをよりよく監視し、特徴付け且つ/又は制御し得る。一例では、カメラ画像データは、WISから収集されたデータと組み合わされ得る。別の実施形態では、カメラ画像データは、他の流体分注システム構成要素から収集された他のデータと組み合わされ得る。更に、画像データは、分注されている液体のソース(いずれの液体ソースボトルであるか、液体ソースボトル経年等)に関連するデータ等の他のデータと組み合わされ得る。
【0080】
例えば、上述した技法を利用して、流体分注システムにおいて膜厚を決定し得る。更に、述べたように、本技法を利用して、流体分注システムで処理された異なる基板間の変動を識別し得る。加えて、記載された技法を利用して、流体分注システムのリアルタイム制御を提供して、所望の膜厚を取得し得る。プロセス変数の広範囲の変動は、膜厚に見られる変化を生じさせ得る。これらの変動は、処理される到来する基板の変動、プロセス機器の性能の変動(スピン速度、温度、分注量の不正確性/変化等)及び分注されている材料の変動を含み得る。分注されている材料に関連する1つの変数は、粘度である。材料粘度は、幾つかの理由で変化し得る。例えば、供給タンク又はボトルは、流体分注システムに供給される液体材料のソースであり得る。新しいボトルがソースとして利用される場合、粘度が前のボトルと異なり得る。更に、ソースからの粘度は、経時的に変化し得る。
【0081】
考察したプロセス変動を考慮に入れて全体基板プロセスフローによりよいプロセス制御を提供するために、流体分注システムから取得されるカメラ画像データは、プロセスフロー中、基板及び/又はプロセス機器から取得される他のデータと組み合わされ得る。例えば、先に言及したように、流体分注システムにおいて材料で被膜した後、基板をWISに移動させ得る。多くの場合、WISは、典型的には、基板が被膜され、PABユニットの処理を受けた後、基板プロセスフローで利用される。流体分注システム60に関して説明したものと同様のカメラ構成を利用して、WISにおける基板の色解析に画像を提供し得る。色解析は、被膜厚についての情報を提供し得る。そのような情報は、上述したスピン乾燥プロセスの時間変動を含まないことがあり、下にある基板の変動性の影響をより受けやすいことがある。しかしながら、WISにおいて取得される色画像データは、コート及びベークプロセス全体を考慮に入れる。
【0082】
流体分注システムから取得される画像データをWISにおいて続けて取得されるデータと組み合わせることにより、膜厚の決定、プロセス制御の提供及び/又はフラグ付けされるべき問題がプロセスフローで発生したかどうかの決定により詳細な情報を提供し得る。
【0083】
更に、プロセスフローから収集された他のデータをWIS画像データ及び流体分注システムの画像データと組み合わせることもできる。例えば、種々のパラメータを流体分注システムにおけるセンサから取得し得る(スピンモータデータ、温度、分注時間等)。加えて、分注されている材料のステータスについてのデータを取得し得る(ボトル変更、ボトル経年等)。そのような全ての情報は、次いで、組み合わされて(又は情報のサブセット)、膜形成プロセスフローのよりよいプロセス制御、特徴付け及び監視を提供し得る。1つの例示的なプロセス制御構成を
図15に示す。
図15に示すように、データは、ブロック1502によって示されるように、流体分注システムの非カメラセンサから収集され得る。ブロック1504によって示されるように、カメラからの流体分注システム画像データを収集し得る。ブロック1506によって示されるように、WIS画像データを収集し得る。ブロック1508によって示されるように、材料ステータスデータを収集し得る。図に示すように、収集された全てのデータは、コントローラ94(
図1に示されるコントローラ94等)に提供され得る。コントローラ94は、次いで、提供された全てのデータの解析に基づいて出力1510を提供し得る。出力1510を利用して、プロセスフローの幾つかの態様(例えば、種々のプロセス変数への調整)に制御信号を提供し得、出力1510を利用して、何らかのプロセス逸脱又は故障の存在をフラグ付けすることができ、プロセスの将来の解析/特徴付けのために出力1510を単に収集することなどができる。このようにして、解析されている1つのデータとして流体分注システムの画像データを利用して、膜形成プロセスのより複雑な解析を行い得る。
図15に示されている全てのデータが利用される必要があるわけではなく、データのサブセットを利用し得ることが認識されるであろう。例えば、別の実施形態では、流体分注システムのセンサからのデータ、流体分注システムの画像データ及び材料ステータスデータのみを利用し得る。示されていないデータソースとの組み合わせを含めて、流体分注システム画像データとのデータの他の組み合わせを利用し得ることが認識されるであろう。
【0084】
本明細書に記載の基板は、基板処理が望ましい任意の基板であり得ることが認識されるであろう。例えば、一実施形態では、基板は、その上に1つ以上の半導体処理層(それらの全てが一緒に基板を構成し得る)が形成された半導体基板であり得る。したがって、一実施形態では、基板は、多様な構造及び層をもたらす複数の半導体処理ステップが施された半導体基板であり得、それらの全てが基板処理技術において知られており、それらは、基板の一部と考えることができる。例えば、一実施形態では、基板は、上に1つ以上の半導体処理層が形成された半導体ウェーハであり得る。本明細書に開示された概念は、基板プロセスフローの任意の段階で利用され得るが、本明細書に記載の監視技法は、一般に、基板が流体分注動作を受ける前、受けている間又は受けた後に実行され得る。
【0085】
図16~
図21は、本明細書に記載の処理技法を使用するための例示的な方法を示す。
図16~
図21の実施形態は、単なる例示にすぎず、追加の方法は、本明細書に記載する技法を利用できることが認識されるであろう。更に、説明されたステップは、排他的であることを意図していないため、
図16~
図21に示す方法に追加の処理工程を追加することができる。更に、ステップの順序は、異なる順序が生じ得、且つ/又は種々のステップが組み合わされるか若しくは同時に実行され得るため、図に示される順序に限定されない。
【0086】
図16は、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する例示的な方法を示す。方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1605を含む。方法は、流体分注システム内の基板のカメラ画像を取得するステップ1610も含む。方法は、カメラ画像から基板の少なくとも1つのエッジの場所を決定するステップ1615も含む。方法は、基板の少なくとも1つのエッジの場所に関する情報を利用して、流体分注システム内の基板の配置を決定するステップ1620も含む。
【0087】
図17は、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する例示的な方法を示す。方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1705を含む。方法は、液体パドルを基板上に形成するステップ1710も含む。方法は、基板上に形成されたパドルのカメラ画像を取得するステップ1715も含む。方法は、パドルのカメラ画像からパドルのエッジを識別するステップ1720も含む。
【0088】
図18は、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する例示的な方法を示す。方法は、カップを流体分注システム内に提供するステップ1805を含む。方法は、流体分注システム内のカップのカメラ画像を取得するステップ1810も含む。方法は、カメラ画像からカップの少なくとも1つのエッジの場所を決定するステップ1815を更に含む。方法は、カップの少なくとも1つのエッジの場所に関する情報を利用して、流体分注システム内のカップの配置を解析するステップ1820も含む。
【0089】
図19は、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する例示的な方法を示す。方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1905を含む。方法は、基板上に材料をスピンコートするステップ1910も含む。方法は、材料が基板上にスピンコートされている間、カメラを利用して、経時的な基板の画像データを取得するステップ1915を更に含む。方法は、画像データから経時的な反射強度データを取得するステップ1920も含む。方法は、経時的な反射強度データを利用して、基板上の材料のスピンコートを監視し且つ/又は特徴付けるステップ1925を更に含む。
【0090】
図20は、流体分注システムの1つ又は複数の特性を監視する例示的な方法を示す。方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ2005を含む。方法は、基板上に材料をスピンコートするステップ2010も含む。方法は、材料が基板上にスピンコートされている間、カメラを利用して、経時的な基板の画像データを取得するステップ2015を更に含む。方法は、画像データから経時的な反射強度データを取得するステップ2020も含む。方法は、信号処理技法を反射強度データに対して利用して、流体分注システム内の移動を考慮に入れるステップ2025を更に含む。
【0091】
図21は、基板プロセスフローを監視するか、特徴付けるか又は制御する例示的な方法を示す。方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ2105を含む。方法は、流体分注システム内の基板のカメラ画像を取得するステップ2110も含み、カメラ画像は、静止画像又はビデオ画像である。方法は、カメラ画像から画像データを収集するステップ2115を更に含む。方法は、画像データを、基板プロセスフローに関連する他のデータと組み合わせて、基板プロセスフローを監視するか、特徴付けるか又は制御するステップ2120も含む。
【0092】
本発明の更なる修正形態及び代替実施形態は、本明細書の記載を考慮して当業者に明らかになるであろう。したがって、本明細書の記載は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され且つ記載された本発明の形態及び方法は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書で例示及び記載されたものの代わりに均等な技術を使用することができ、また、本発明の特定の特徴は、他の特徴の使用とは無関係に利用することができ、これらは、全て本発明の本明細書の記載の利益を享受した後に当業者に明らかになるであろう。
【国際調査報告】