(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(54)【発明の名称】三工程でのマルチトーン毛髪染色方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20230130BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20230130BHJP
A61K 8/38 20060101ALI20230130BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20230130BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20230130BHJP
【FI】
A61K8/35
A61Q5/10
A61K8/38
A61K8/49
A61K8/41
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533196
(86)(22)【出願日】2020-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2020078717
(87)【国際公開番号】W WO2021110306
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】102019218788.9
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】クルック,コンスタンツェ
(72)【発明者】
【氏名】モッホ,メラニー
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー-ベッカー,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ヒルビヒ,ザンドラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AB031
4C083AB032
4C083AB051
4C083AB081
4C083AB082
4C083AB172
4C083AB242
4C083AB281
4C083AB282
4C083AB352
4C083AB371
4C083AB372
4C083AB411
4C083AB412
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC211
4C083AC242
4C083AC252
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC312
4C083AC422
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC581
4C083AC681
4C083AC692
4C083AC782
4C083AC811
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC892
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD642
4C083BB21
4C083BB43
4C083BB53
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE07
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、まず長期的酸化毛髪染料を毛髪に適用し(方法の第一工程)、第二の色のCH酸性化合物および反応性カルボニル化合物に基づくCH酸性染料を毛髪に適用し(方法の第二工程)、次いで、方法の第一工程による色相に達するまでアルカリ性過酸化水素含有組成物でCH酸性染料を除去する(方法の第三工程)ことによる、毛髪のマルチトーン染色方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の染色方法であって、
-方法の第一工程において、酸化着色剤(A)で毛髪を処理し、
-続く、方法の第二工程において、7~10の範囲、好ましくは8~9.5の範囲、特に好ましくは8.5~9の範囲に22℃で測定されたpHを有しており、かつ、使用直前に下記3つの剤(B1)、(B2)および(B3)を互いに混合して得られる、CH酸性毛髪染色剤(B)で毛髪を処理し、
-更に続く、方法の第三工程において、水、それぞれの場合に脱色剤(Ox)の重量に基づいて0.5~12重量%、好ましくは1~6重量%、より好ましくは1~4重量%、非常に特に好ましくは1.5~3重量%の過酸化水素、それぞれの場合に脱色剤(Ox)の重量に基づいて4~11の範囲、好ましくは5~10.5の範囲、特に好ましくは5~10.5%の範囲のpH値を含み、過酸化水素を含み、それぞれの場合に22℃で測定された、4~11の範囲、好ましくは5~10.5の範囲、特に好ましくは7~10の範囲のpHを有する、化粧品脱色剤(Ox)で毛髪を処理し、
方法の各工程の間に1分間~1.5か月間の時間的間隔があり、
・剤(B1)は、化粧品キャリア中に少なくとも1つの反応性カルボニル化合物を含み、CH酸性化合物を含まず、
・剤(B2)は、化粧品キャリア中に、式(CH-1)で示される化合物および/または式(CH-2)で示される化合物:
[式中、
-R
6は、直鎖状または環状(C
1~C
6)アルキル基、(C
2~C
6)アルケニル基、任意に置換されていてよいアリール基、任意に置換されていてよいヘテロアリール基、アリール(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基、(C
2~C
6)ポリヒドロキシアルキル基、(C
1~C
6)アルコキシ(C
1~C
6)アルキル基、基R
IR
IIN-(CH
2)
m-を表し、ここで、R
IおよびR
IIは、互いに独立して、水素原子、(C
1~C
4)アルキル基、(C
1~C
4)ヒドロキシアルキル基またはアリール(C
1~C
6)アルキル基を表し、R
IおよびR
IIは、窒素原子とともに5、6または7員環を形成していてもよく、mは2、3、4、5または6の数を表し、
-R
7は、(C
1~C
6)アルキル基、特にメチル基を表し、
-X
-は、生理学的に適合性のあるアニオンを表し、
-式(CH-1)の環は、窒素、酸素または硫黄などのヘテロ原子を更に含み得、縮合環構造を更に有し得る環構造の全てを表し、環構造の全ては更なる置換基を有し得、
-Hetは、任意に置換されていてよい複素環式芳香族化合物を表し、
-X
1は、直接結合またはカルボニル基を表す]
から選択される少なくとも1つのCH酸性化合物を含み、反応性カルボニル化合物を含まず、
・剤(B3)は、少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
剤(A)は、使用直前に、少なくとも1つの酸化染料前駆体を含む剤(A1)と、少なくとも1つの酸化剤を含む剤(A2)とから調製されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
剤(B1)の少なくとも1つの反応性カルボニル化合物は、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、4-ヒドロキシ-2-メトキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、3,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-ニトロベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒド、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-ブロモ-4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノ-2-メトキシベンズアルデヒド、2-メトキシベンズアルデヒド、3-メトキシベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、2-エトキシベンズアルデヒド、3-エトキシベンズアルデヒド、4-エトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,3-ジメトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,5-ジメトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,6-ジメトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2-メチル-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,3-ジメチル-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ベンズアルデヒド、3,5-ジエトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、2,6-ジエトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド、2-エトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、4-エトキシ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、4-エトキシ-3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、2,3-ジメトキシベンズアルデヒド、2,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2,5-ジメトキシベンズアルデヒド、2,6-ジメトキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、3,5-ジメトキシベンズアルデヒド、2,3,4-トリメトキシベンズアルデヒド、2,3,5-トリメトキシベンズアルデヒド、2,3,6-トリメトキシベンズアルデヒド、2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリメトキシベンズアルデヒド、2,5,6-トリメトキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-3-メチル-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-6-メチル-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-5-メトキシ-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-6-メトキシ-ベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,6-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-2-メチルベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-6-メチル-ベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-2-メトキシ-ベンズアルデヒド、3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,5,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-ジエチルアミノベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ピロリジノベンズアルデヒド、4-モルホリノベンズアルデヒド、2-モルホリノベンズアルデヒド、4-ピペリジノベンズアルデヒド、3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,5-ジヨード-ベンズアルデヒド、3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、5-ブロモ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-ヨード-5-メトキシベンズアルデヒド、2-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、4-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、2-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、2,4-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒド、3,4-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒド、4-ジメチルアミノ-1-ナフトアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-ニトロベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアルデヒド、5-ニトロバニリン、2,5-ジニトロサリチルアルデヒド、5-ブロモ-3-ニトロサリチルアルデヒド、2-ジメチルアミノベンズアルデヒド、2-クロロ-4-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノ-2-メチルベンズアルデヒド、4-ジエチルアミノ-シンナムアルデヒド、4-ジブチルアミノ-ベンズアルデヒド、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、5-カルボキシバニリン、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-カルボキシ-5-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-カルボキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-カルボキシバニリン、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-カルボキシ-5-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-アリル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-アリル-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、3-アリル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-アリル-5-ブロモ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3,5-ジアリル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-アリル-5-カルボキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3-アリル-5-ホルミル-2-ヒドロキシ安息香酸)、3-アリル-4-ヒドロキシ-5-ホルミルベンズアルデヒド、5-アリル-4-ヒドロキシイソフタルアルデヒド、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒド、4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネート、および前記化合物の任意の混合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
剤(B1)の少なくとも1つの反応性カルボニル化合物は、4-ヒドロキシ-2-メトキシベンズアルデヒド、2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2-ブロモ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒド、2,4-ジメトキシベンズアルデヒド、4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネート、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
剤(B1)は、反応性カルボニル化合物として、4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネートを、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2-ブロモ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒド、および2,4-ジメトキシ-ベンズアルデヒドから選択される少なくとも1つの更なる反応性カルボニル化合物と組み合わせて含んでなることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
剤(B2)のCH酸性化合物は、1H-ベンズイミダゾール-2-イルアセトニトリル(2-(シアノメチル)-ベンズイミダゾールとしても知られている)、1-アリル-1,2-ジヒドロ-3,4,6-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウムの生理学的に許容される塩、1,2-ジヒドロ-1,3,4,6-テトラメチル-2-オキソ-ピリミジニウムの生理学的に許容される塩、およびこれら化合物の混合物の生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
(B2)は、1-アリル-1,2-ジヒドロ-3,4,6-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウムの塩および任意に更に1H-ベンズイミダゾール-2-イルアセトニトリル(2-(シアノメチル)ベンズイミダゾール)を含んでなることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
剤(B1)は、それぞれの場合に22℃で測定された、2~5の範囲、好ましくは3~4の範囲のpHを有することを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
剤(B2)は、それぞれの場合に22℃で測定された、0.5~3の範囲、好ましくは1~2.5の範囲、特に好ましくは1.1~1.9の範囲のpHを有することを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
方法の第一工程における酸化的毛髪染色と方法の第二工程におけるCH酸性的毛髪染色との間に、30分間~1か月間、好ましくは6時間~14日間、特に好ましくは2~10日間の期間があることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
方法の第二工程におけるCH酸性的毛髪染色と方法の第三工程における脱色との間に、30分間~14日間、好ましくは6時間~3日間、特に好ましくは1~2日間の期間があることを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
化粧品キャリア中の剤(B3)に含まれるアルカリ化剤は、アンモニア、塩基性アミノ酸、アルカリ水酸化物、アルカノールアミン、アルカリ金属メタケイ酸塩、尿素、モルホリン、N-メチルグルカミン、イミダゾール、アルカリリン酸塩およびアルカリ水素リン酸塩から選択され、好ましくは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L-アルギニンおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択されることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
剤(A1)に含まれる少なくとも1つの酸化染料前駆体は、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(4-アミノ-3-メチルフェニル)-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミン、N,N’-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス-(4-アミノフェニル)-1,3-ジアミノ-プロパン-2-オール、ビス-(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)-メタン、1,3-ビス-(2,5-ジアミノフェノキシ)-プロパン-2-オール、N,N’-ビス-(4-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、1,10-ビス-(2,5-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-フェノールおよび4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)-フェノール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-ピラゾール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、これらの化合物の生理学的に許容される塩、およびこれらの化合物とそれらの塩との混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される顕色剤成分から選択されることを特徴とする、請求項2~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
剤(A1)は、少なくとも1つの顕色剤成分に加えて、m-アミノフェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシエタノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチルフェノール、5-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、o-アミノフェノール、m-フェニレンジアミン、2-(2,4-ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェニル)プロパン、2,6-ビス(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メチルベンゼン、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4,5-ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2-[3-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]エタノール、3-アミノ-4-(2-メトキシエトキシ)-5-メチルフェニルアミン、1-アミノ-3-ビス-(2’-ヒドロキシエチル)-アミノベンゼン、レゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、4-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドリン、6-ヒドロキシインドリン、7-ヒドロキシインドリン、これらの化合物の混合物、または上記化合物の生理学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの発色剤成分を含有することを特徴とする、請求項2~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
剤(A2)は、酸化剤として過酸化水素を含有することを特徴とする、請求項2~14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まず長期的毛髪染料で毛髪を酸化的に処理し(方法の第一工程)、次いで第二の色で反応性カルボニル化合物およびCH酸性化合物に基づくCH酸性染色剤で重ね染めし(方法の第二工程)、その後、方法の第一工程による色相に達するまでアルカリ性過酸化水素含有組成物でCH酸性染料を脱色する(方法の第三工程)、毛髪のマルチトーン染色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ヒトの毛髪は、様々な方法で毛髪化粧品組成物により処理されている。これには、例えば、シャンプーによる毛髪の洗浄、コンディショナーおよびトリートメントによる毛髪の手入れおよび再生、並びに染料、着色剤、ウェーブ剤およびスタイリング製品による毛髪の漂白、着色および成形が含まれる。従って、毛髪の色を変えたり毛髪にニュアンスを与えたりする剤は重要な役割を果たしている。
【0003】
毛髪の色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野を示している。これにより、毛髪の外観を、現在のファッショントレンドおよび個人の希望に合わせることが可能になる。また、老齢になっても毛髪の自然な色を保ちたい、即ち白髪を隠したいという要望は、消費者の間でますます高まっている。
【0004】
酸化毛髪染料は、酸化基剤としても知られている顕色剤成分の少なくとも1つ、および色変更活性成分としての発色剤成分の通常は少なくとも1つを含有する。発色剤成分および顕色剤成分は、酸化染料前駆体(OFV)とも称されている。必要に応じて、1つまたは複数の直接染料も陰影付与剤として含まれている。
【0005】
ヒトの毛髪への適用前に、通常は、固形またはペースト状の毛髪染料を希薄な過酸化水素水溶液と混合する。次いで、得られた混合物を毛髪に適用し、ある暴露時間の後に濯ぐ。完全な着色を達成するための毛髪に対する曝露時間は、通常、約30~40分間である。
【0006】
十分な着色効果を達成するため、即用性の酸化染料は通常、強アルカリ性であり、8~10.5のpH値を有する。このような高いpH値は、外側のキューティクル層を確実に開き、活性物質(過酸化水素、OFV)を毛髪に浸透させるために必要である。過酸化水素の影響下で、OFVはオリゴマー化し、最終的な染料を形成する。その寸法に起因して、これらの染料分子は毛髪繊維内に固定されたままになる。このような酸化毛髪染料は、通常、4~6週間持続する着色を毛髪に与える。従って、これは「長期的」とも称されている。通常、酸化により達成される毛髪染色は、良好な耐洗浄性、耐摩擦性および耐光性を備えている。
【0007】
また、Basic Orange 31、Basic Red 51またはBasic Yellow 87などの特定のカチオン性アゾ染料を用いた非酸化剤によって、ほぼ永続的な特性を備えた着色を実現することもできる。これらの染料の迅速な色校正はできない。
【0008】
他の直接染料、特にアニオン性直接染料、また、非イオン性直接染料も、頭皮の強い着色または追加の発色といった欠点を示すため、暗い色合いの酸化的に染色された毛髪では、明るい色合いの一時的な効果は不可能である。
【0009】
もちろん、更なる酸化的着色、または過酸基塩などの酸化促進剤を用いた酸化的漂白により、その後、酸化的に既に着色された毛髪に効果を適用することはできる。ただし、これらは一時的なものではなく、最初の酸化着色と同様に長期的なものである。また、2回目の酸化的ヘアトリートメントは毛髪に深刻なダメージを与える。
【0010】
また一方、通常は利点となることが、毛髪の色をすばやく簡単に変えたいという要求に反している。多くの消費者はまた、例えばパーティーまたは同様の機会のために、この特定の機会の期間中、少なくとも降雨に対して、信頼できる摩擦堅牢度および可能であれば色堅牢度を備えている、一時的な色の変化を望む。特定の機会のために選択される毛髪の色は、非常に目立って日常生活には適さない、従って望ましくない可能性があるため、酸化的に着色された毛髪への追加の魅力的な色効果を達成する一方で、既存の酸化的に達成された毛髪の色に悪影響を与えることなく、機会の終了後に簡単かつ完全に除去できる一時的な着色が望まれている。
【0011】
既存の一時的な着色剤はしばしば、揮発性キャリアに分散された無機着色顔料に基づいており、通常は短鎖アルコールを多く含み、毛髪に、特にスプレーで適用される。しかし、カラー顔料は通常、毛髪への付着が不十分であり、しばしば、キャリア材料が乾いた後毛髪から直ちに少量ずつ落ちるか、または摩擦若しくは櫛通しにより迅速に除去される。これは、多くの消費者に不快感を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、酸化的に既に着色され、従って既にダメージを受けている毛髪を、堅牢性には優れているが、毛髪に大きなダメージを与えることなく短時間で確実かつ完全に除去できる第二の毛髪染料で、一時的に処理することに対する要求が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
色を変える別の可能性は、いわゆるCH酸性染料の使用である。これは、酸化着色剤と同様、反応性カルボニル基を有する少なくとも1つの化合物が、少なくとも1つのCH酸性化合物と、または第一級若しくは第二級芳香族アミン、窒素含有複素環式化合物および芳香族ヒドロキシ化合物から選択される第一級アミノ基、第二級アミノ基若しくはヒドロキシ基を有する少なくとも1つの化合物と反応する、反応性多成分系である。両方の成分を、使用直前に互いに接触させる。染料形成反応は、混合物のpHを高めることにより開始される。
【0014】
前記成分は、一般的には、それ自体染料ではないため、それ自体ではケラチン含有繊維の染色には適していない。それらは、組み合わせにより、「CH酸性染色」と称される非酸化工程で染料を形成する。ケラチン含有繊維では、得られた染色は主に、酸化染色に匹敵する堅牢性を示す。穏やかなCH酸性着色で達成できる色合いの範囲は非常に広く、得られる着色はしばしば高い輝度および色深度を示す。CH酸性染色では、過酸化水素などの酸化剤を使用せずに毛髪において耐久性のある明るい色を実現できるので、この染色方法は、毛髪へのダメージが大幅に少ないことに関連しており、こうした背景の下、消費者にとって特に興味深いものである。また、CH酸性染色中に毛髪上で生じた染料は、下にある酸化的に達成された毛髪の色に影響を与えることなく、短時間のアルカリ性酸化処理によって完全に除去できることも興味深い。
【0015】
この応用分野において、まず毛髪を酸化的に染色し(方法の第一工程)、次いで反応性カルボニル化合物およびCH酸性化合物に基づく着色剤で染色し(方法の第二工程)、その後、過酸化水素含有アルカリ性組成物でCH酸性染料を脱色する(方法の第三工程)方法により、上記課題が良好に解決されることが見出された。
【0016】
従って、本発明の対象は、毛髪の着色方法であって、
-方法の第一工程において、酸化着色剤(A)で毛髪を処理し、
-続く、方法の第二工程において、7~10の範囲に22℃で測定されたpHを有しており、かつ、使用直前に下記3つの剤(B1)、(B2)および(B3)を互いに混合して得られる、CH酸性毛髪染色剤(B)で毛髪を処理し、
-更に続く、方法の第三工程において、水、それぞれの場合に脱色剤(Ox)の重量に基づいて0.5~12重量%、好ましくは1~6重量%、より好ましくは1~4重量%、非常に特に好ましくは1.5~3重量%の過酸化水素、それぞれの場合に脱色剤(Ox)の重量に基づいて4~11の範囲、好ましくは5~10.5の範囲、特に好ましくは5~10.5%の範囲のpH値を含み、過酸化水素を含み、それぞれの場合に22℃で測定された、4~11の範囲、好ましくは5~10.5の範囲、特に好ましくは7~10の範囲のpHを有する、化粧品脱色剤(Ox)で毛髪を処理し、
方法の各工程の間に1分間~1.5か月間の時間的間隔があり、
・剤(B1)は、化粧品キャリア中に少なくとも1つの反応性カルボニル化合物を含み、CH酸性化合物を含まず、
・剤(B2)は、化粧品キャリア中に、式(CH-1)で示される化合物および/または式(CH-2)で示される化合物:
[式中、
-R
6は、直鎖状または環状(C
1~C
6)アルキル基、(C
2~C
6)アルケニル基、任意に置換されていてよいアリール基、任意に置換されていてよいヘテロアリール基、アリール(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基、(C
2~C
6)ポリヒドロキシアルキル基、(C
1~C
6)アルコキシ(C
1~C
6)アルキル基、基R
IR
IIN-(CH
2)
m-を表し、ここで、R
IおよびR
IIは、互いに独立して、水素原子、(C
1~C
4)アルキル基、(C
1~C
4)ヒドロキシアルキル基またはアリール(C
1~C
6)アルキル基を表し、R
IおよびR
IIは、窒素原子とともに5、6または7員環を形成していてもよく、mは2、3、4、5または6の数を表し、
-R
7は、(C
1~C
6)アルキル基、特にメチル基を表し、
-X
-は、生理学的に適合性のあるアニオンを表し、
-式(CH-1)の環は、窒素、酸素または硫黄などのヘテロ原子を更に含み得、縮合環構造を更に有し得る環構造の全てを表し、環構造の全ては更なる置換基を有し得、
-Hetは、任意に置換されていてよい複素環式芳香族化合物を表し、
-X
1は、直接結合またはカルボニル基を表す]
から選択される少なくとも1つのCH酸性化合物を含み、反応性カルボニル化合物を含まず、
・剤(B3)は、少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、
方法を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の方法は3つの工程を含む。方法の各工程で、毛髪の色の変更が達成される。方法の各工程は、下記を包含する複数の工程を含む:
-毛髪への適用直前での、即用性着色剤の調製、
-染料または脱色剤の毛髪への適用、
-曝露、
-毛髪からの剤の濯ぎ落とし、
-必要に応じた、シャンプーおよび/またはコンディショナーの適用、および
-最後の、自然乾燥またはヘアドライヤーを用いた乾燥。
【0018】
方法の第三工程で適用される脱色剤が約5以上のpHを有するようにする場合、酸性水性過酸化水素組成物とアルカリ化剤とを混合し、その直後にそれを毛髪に適用することにより、毛髪への適用直前に、脱色剤を所望のpHに調整することが有用である。これは、過酸化水素水性組成物が強酸性条件下で最大約pH5.5またはpH5までしか長期間保存できないため必要である。
【0019】
方法の各工程の間には、1分間~1.5か月間の時間的間隔が存在する。方法の第一工程における酸化的毛髪染色と方法の第二工程におけるCH酸性的毛髪染色との間には、好ましくは30分間~1か月間、特に好ましくは6時間~14日間、とりわけ好ましくは2~10日間の期間が存在する。
【0020】
方法の第二工程におけるCH酸性的毛髪染色と方法の第三工程における脱色との間には、好ましくは30分間~14日間、特に好ましくは6時間~3日間、とりわけ好ましくは1~2日間の期間が存在する。
【0021】
方法の第一工程:酸化的着色
本発明の方法では、方法の第一工程において、酸化着色剤(A)で毛髪を処理する。
酸化着色剤(A)は、好ましくは、少なくとも1つの酸化染料前駆体を含有する。
酸化染料前駆体として、本発明の方法において使用される剤(A)は、好ましくは、少なくとも1つの顕色剤成分を含有する。
本発明では、顕色剤成分として、p-フェニレンジアミン誘導体またはその生理学的に適合性のある塩の1つを使用することが好ましい場合がある。本発明において非常に特に好ましいp-フェニレンジアミン誘導体は、p-フェニレンジアミン、p-トルエンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、N-(4-アミノ-3-メチルフェニル)-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミンおよびこれらの化合物の生理学的に許容される塩からなる群の少なくとも1つの化合物から選択される。
【0022】
本発明では、顕色剤成分として、アミノ基および/またはヒドロキシル基で置換された少なくとも2つの芳香族原子核を有する化合物を使用することがより好ましいことがある。非常に特に好ましい二核の顕色剤成分は、N,N’-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス-(4-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、ビス-(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)-メタン、1,3-ビス-(2,5-ジアミノフェノキシ)-プロパン-2-オール、N,N’-ビス-(4-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、1,10-ビス-(2,5-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカンまたはこれらの化合物の生理学的に許容される塩の1つから選択される。
【0023】
また、本発明では、顕色剤成分として、p-アミノフェノール誘導体またはその生理学的に許容される塩の1つを使用することが好ましいことがある。非常に特に好ましい化合物は、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノールおよび4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノールである。
【0024】
また、顕色剤成分は、2-アミノ-4-メチルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノールまたは2-アミノ-4-クロロフェノールなどのo-アミノフェノールおよびその誘導体から選択されてもよい。
【0025】
また、顕色剤成分は、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾロピリミジン誘導体またはそれらの生理学的に許容される塩などの複素環式顕色剤成分から選択されてもよい。
【0026】
特に好ましいピリミジン誘導体は、特に、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2-ジメチルアミノ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンおよび2,5,6-トリアミノピリミジンの化合物である。
【0027】
特に好ましいピラゾール誘導体は、特に、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4’-クロロベンジル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4’-メトキシフェニル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(β-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、およびそれらの生理学的に許容される塩から選択される化合物である。
【0028】
非常に特に好ましい顕色剤成分は、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(4-アミノ-3-メチルフェニル)-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミン、N,N’-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス-(4-アミノフェニル)-1,3-ジアミノ-プロパン-2-オール、ビス-(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、1,3-ビス-(2,5-ジアミノフェノキシ)-プロパン-2-オール、N,N’-ビス-(4-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、1,10-ビス-(2,5-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-フェノール、4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)-フェノール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-ピラゾール、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、これらの化合物の生理学的に許容される塩、およびこれらの化合物とこれらの塩との混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0029】
少なくとも1つの顕色剤成分は、好ましくは、それぞれの場合に本発明の即用性着色剤(A)に基づいて、0.001~10重量%、特に好ましくは0.3~5重量%、とりわけ好ましくは0.7~3重量%の総量で存在する。
【0030】
本発明の方法で使用される剤(A)は、顕色剤成分に加えて少なくとも1つの発色剤成分を含んでよい。
【0031】
発色剤成分は、それ自体では酸化着色時に大きな着色を生じず、常に顕色剤成分の存在を必要とする。従って、本発明では、少なくとも1つの顕色剤成分を使用する場合、少なくとも1つの発色剤成分も使用することが好ましい。
【0032】
本発明の発色剤成分では、発色剤の化学基を顕色剤成分の酸化体で少なくとも1回置換することができる。この方法では、発色剤と顕色剤成分との間に共有結合が形成される。発色剤は、好ましくは、
(i)任意に置換されていてよいアミノ基および/または
(ii)ヒドロキシ基
から選択される少なくとも2つの基を環上に有する環状化合物である。
【0033】
環状化合物が6員環(好ましくは芳香族)である場合、前記基は、好ましくは互いにオルト位またはメタ位に存在する。
【0034】
本発明の発色剤成分は、好ましくは、少なくとも1つの化合物として、下記クラスの1つから選択される:
-m-アミノフェノールおよび/またはその誘導体、
-m-ジアミノベンゼンおよび/またはその誘導体、
-o-ジアミノベンゼンおよび/またはその誘導体、
-o-アミノフェノール誘導体、例えばo-アミノフェノール、
-少なくとも1つのヒドロキシ基を有するナフタレン誘導体、
-ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼンおよび/またはそれらの誘導体
-ピリジン誘導体、
-ピリミジン誘導体、
-モノヒドロキシインドール誘導体および/またはモノアミノインドール誘導体、
-モノヒドロキシインドリン誘導体および/またはモノアミノインドリン誘導体、
-ピラゾロン誘導体、例えば1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、
-モルホリン誘導体、例えば6-ヒドロキシベンゾモルホリンまたは6-アミノ-ベンゾモルホリン、
-キノキサリン誘導体、例えば6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン。
これらのクラスの1以上からの2以上の化合物の混合物も、本実施形態において、本発明によるものである。
【0035】
特に好ましいm-アミノフェノールカップリング成分は、m-アミノフェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシエタノール、2,6-ジメチル-3-アミノフェノール、3-トリフルオロアセチルアミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチルフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、5-(2’-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-メチルフェノール、3-(ジエチルアミノ)-フェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシ-5-(メチルアミノ)-ベンゼン、3-エチルアミノ-4-メチルフェノール、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノールおよび前記化合物全ての生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0036】
特に好ましいm-ジアミノベンゼン発色剤成分は、m-フェニレンジアミン、2-(2,4-ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェニル)プロパン、2,6-ビス(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メチルベンゼン、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4,5-ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2-[3-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]エタノール、3-アミノ-4-(2-メトキシエトキシ)-5-メチルフェニルアミン、1-アミノ-3-ビス-(2’-ヒドロキシエチル)-アミノベンゼンおよび前記化合物全ての生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0037】
特に好ましいo-ジアミノベンゼンカップリング成分は、3,4-ジアミノ安息香酸、2,3-ジアミノ-1-メチルベンゼンおよび前記化合物全ての生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0038】
好ましいジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼンおよびそれらの誘導体は、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、ピロガロールおよび1,2,4-トリヒドロキシベンゼンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0039】
特に好ましいピリジン誘導体は、2,6-ジヒドロキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-5-クロロ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、3,4-ジアミノピリジン、2-(2-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、2-(4’-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、および前記化合物全ての生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0040】
少なくとも1つのヒドロキシ基を有する好ましいナフタレン誘導体は、1-ナルトール、2-メチル-1-ナルトール、2-ヒドロキシメチル-1-ナルトール、2-ヒドロキシエチル-1-ナルトール、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンおよび2,3-ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0041】
特に好ましいインドール誘導体は、4-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドールおよび前記化合物の生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0042】
特に好ましいインドリン誘導体は、4-ヒドロキシインドリン、6-ヒドロキシインドリン、7-ヒドロキシインドリンおよび前記化合物の生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0043】
好ましいピリミジン誘導体は、4,6-ジアミノピリミジン、4-アミノ-2,6-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2,4,6-トリヒドロキシピリミジン、2-アミノ-4-メチルピリミジン、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-メチルピリミジン、4,6-ジヒドロキシ-2-メチルピリミジンおよび前記化合物の生理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0044】
本発明における特に好ましい発色剤成分は、m-アミノフェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシエタノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチルフェノール、5-(2’-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、o-アミノフェノール、m-フェニレンジアミン、2-(2,4-ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、1-メトキシ-2-アミノ-4-(2’-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェニル)プロパン、2,6-ビス(2’-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メチルベンゼン、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-メトキシ-5-メチルフェニル}アミノ)エタノール、2-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4,5-ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2-[3-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]エタノール、3-アミノ-4-(2-メトキシエトキシ)-5-メチルフェニルアミン、1-アミノ-3-ビス-(2’-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、レゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、1-ナルトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、4-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドリン、6-ヒドロキシインドリン、7-ヒドロキシインドリン、これら化合物の混合物または前記化合物の生理学的に許容される塩から選択される。
【0045】
少なくとも1つの発色剤成分は、好ましくは、それぞれの場合に本発明における即用性着色剤(A)に基づいて、0.001~10重量%、特に好ましくは0.3~5重量%、とりわけ好ましくは0.7~3重量%の総量で存在する。
【0046】
顕色剤成分および発色剤成分は一般に、互いにほぼ等モル量で使用される。等モルでの使用が適当であることが分かっているが、個々の酸化染料前駆体が過剰であることは有害ではないので、顕色剤成分および発色剤成分は、1:0.5~1:3、特に1:1~1:2のモル比で使用できる。
【0047】
本発明では、本発明の方法の剤(A)に、更なる染料前駆体として天然の類似染料を加えることが好ましい場合がある。
【0048】
好ましい天然類似染料の染料前駆体は、好ましくは6員環上の置換基として、ヒドロキシ基および/またはアミノ基から選択される少なくとも2つの基を含むインドールおよびインドリンである。これらの群は、例えばヒドロキシ基のエーテル化若しくはエステル化またはアミノ基のアルキル化の形態で、更なる置換基を有していてもよい。別の実施形態では、着色剤は、少なくとも1つのインドールおよび/またはインドリン誘導体を含んでなる。天然類似染料の前駆体を含有する本発明における組成物は、好ましくは空気酸化性着色剤として使用される。従って、この実施形態では、前記組成物に追加の酸化剤を添加しない。
【0049】
5,6-ジヒドロキシインドリンの誘導体は、天然類似毛髪染料の前駆体として特に適している。この群の中で特に注目すべきものは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、特に5,6-ジヒドロキシインドリンである。
【0050】
また、5,6-ジヒドロキシインドールの誘導体は、天然類似毛髪染料の前駆体として特に適している。この群の中でも、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドール、特に5,6-ジヒドロキシインドールは注目すべきである。
【0051】
インドリンまたはインドール誘導体は、遊離塩基としても、無機または有機酸とのそれらの生理学的に適合性のある塩、例えば塩酸塩、硫酸塩および臭化水素酸塩としても使用できる。
【0052】
また、剤(A)は、少なくとも1つの直接染料を更に含有してよい。これらは、毛髪に直接吸収され、色を形成するための酸化的方法を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノンまたはインドフェノールである。
【0053】
直接染料はそれぞれ、好ましくは、適用組成物全体に基づいて0.001~20重量%の量で使用される。直接染料の総量は、好ましくは20重量%以下である。
【0054】
直接染料は、アニオン性、カチオン性および非イオン性の直接染料に分類され得る。
【0055】
好ましいアニオン性直接染料は、Acid Yellow 1、Yellow 10、Acid Yellow 23、Acid Yellow 36、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Red 52、Pigment Red 57:1、Acid Blue 7、Acid Green 50、Acid Violet 43、Acid Black 1およびAcid Black 52の国際名または商品名で知られている化合物である。
【0056】
本発明において好ましいカチオン性直接染料は、
(a)カチオン性トリフェニルメタン染料、例えば、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Violet 2およびBasic Violet 14、
(b)第四級窒素基で置換された芳香族系、例えば、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 99、Basic Brown 16またはBasic Brown 17、および
(c)少なくとも1つの第四級窒素原を有する複素環を含む直接ドローイング染料、例えば、EP-A2-998 908(請求項6~11に明示的に言及されている)に挙げられているもの
である。
【0057】
Basic Yellow 87、Basic Orange 31およびBasic Red 51の名称で知られている染料は、群(c)の特に好ましいカチオン性直接染料である。
【0058】
本発明では、Arianor(登録商標)の商品名で販売されているカチオン性直接染料もまた、非常に特に好ましいカチオン性直接染料である。
【0059】
好ましい非イオン性直接染料は、HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9、並びに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール、2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]-安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸、および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノールの国際名または商品名で知られているものである。
【0060】
また、ヘナレッド、ヘナニュートラル、ヘナブラック、カモミールフラワー、サンダルウッド、ブラックティー、スロスバーク(sloth bark)、セージ、ブルーウッド、マダー根、カテキュー、セドル、およびアルカンナ根に見られる染料などの天然由来の染料もまた、直接染料として使用できる。
【0061】
また、本発明における剤(A)は、ヘナレッド、ヘナニュートラル、ヘナブラック、カモミールフラワー、サンダルウッド、ブラックティー、スロスバーク(sloth bark)、セージ、ブルーウッド、マダー根、カテキュー、セドル、およびアルカンナ根に見られる染料などの天然由来の染料を含んでいてもよい。
【0062】
毛髪の実際の酸化的着色は、基本的には大気中の酸素を用いて行うことができ、大気中の酸素は、本明細書での意味において化学的酸化剤ではない。しかし、特に着色だけでなくヒトの毛髪を明るくしたい場合には、化学的酸化剤を使用することが好ましい。従って、本発明の対象の好ましい実施形態では、酸化染料前駆体を含有する剤(A1)および酸化剤を含有する剤(A2)から、使用直前に剤(A)を調製する
【0063】
適当な酸化剤は、過硫酸塩、亜塩素酸塩、特に、過酸化水素、または尿素、メラミンおよびホウ酸ナトリウムへのその付加物である。しかし、本発明では、酸化性着色剤はまた、(例えば、大気中の酸素によって)染料前駆体の酸化を活性化する触媒とともに毛髪に適用することもできる。そのような触媒には、金属イオン、ヨウ化物、キノンまたは特定の酵素が包含される。本発明では、剤(A2)が酸化剤として過酸化水素を含有することが好ましい。
【0064】
実際の酸化性毛髪着色剤は通常、酸化剤(A2)の組成物と染料前駆体を含有する組成物(A1)との混合により使用直前に調製される。得られる即用性酸化性毛髪着色剤(A)は、好ましくは、6~12の範囲、特に好ましくは8~10.5の範囲、とりわけ好ましくは9~10の範囲に、それぞれの場合に22で測定されたpHを有する。適用温度は、15~40℃の範囲であり得る。5~45分間の曝露時間の後、染色する毛髪から毛髪染料を濯いで除去する。界面活性剤の含量が多いキャリア、例えば染色用シャンプーを使用した場合、シャンプーで再洗浄する必要はない。
【0065】
しかし、特に染色されにくい毛髪の場合、酸化成分との事前混合なしに、染料前駆体を含む組成物を毛髪に適用してもよい。20~30分間の曝露時間の後、必要に応じて中間の濯ぎの後、酸化成分を適用する。10~20分間の更なる曝露時間の後、濯ぎ、所望により再度シャンプーする。この実施形態における、染料前駆体の事前適用が毛髪への浸透を改善することが意図されている第一の変形実施形態において、対応する剤は、約4~7のpHに調整される。第二の変形実施形態では、空気による酸化がまず求められ、適用される剤は、好ましくは7~10のpHを有する。続く促進後酸化では、酸化剤として、酸で調整されたペルオキソ二硫酸塩溶液を使用することが好ましい場合がある。
【0066】
方法の第二工程:CH酸性着色
本発明の方法の第二工程では、7~10の範囲に22℃で測定されたpHを有し、少なくとも1つの反応性カルボニル化合物を含んでなる剤(B1)、式(CH-1)で示される化合物および/または式(CH-2)で示される化合物から選択される少なくとも1つのCH酸性化合物を含有する剤(B2)および少なくとも1つのアルカリ化剤を含有する剤(B3)からなり、使用直前に剤(B1)、(B2)および(B3)を一緒に混合して得られる、剤(B)で、毛髪を処理する。
【0067】
化合物(B)は、それぞれの場合に22℃で測定されたpHを、好ましくは8~9.5の範囲、特に好ましくは8.5~9の範囲に有する。
【0068】
剤(B1)は、少なくとも1つの反応性カルボニル化合物を含み、CH酸性化合物を含まない。
【0069】
本発明における反応性カルボニル化合物は、反応性基として少なくとも1つのカルボニル基を有しており、これは、CH酸性成分と反応して共有結合を形成する。好ましい反応性カルボニル化合物は、少なくとも1つのホルミル基および/または少なくとも1つのケト基、特に少なくとも1つのホルミル基を有する化合物から選択される。また、本発明では、剤(B1)における反応性カルボニル化合物として、誘導体化されたカルボニル基の炭素原子のCH酸性成分に対する反応性が常に存在するように反応性カルボニル基が誘導体化またはマスクされている化合物を使用することもできる。これらの誘導体は、好ましくは、反応性カルボニル化合物のカルボニル基の炭素原子に対する、
a)付加化合物としてイミンまたはオキシムを形成するアミンおよびそれらの誘導体の、
b)付加化合物としてアセタールまたはケタールを形成するアルコールの、
c)付加化合物として水和物を形成する水の〔このケースc)では、反応性カルボニル化合物はアルデヒドから誘導される〕、
付加化合物である。
【0070】
反応性カルボニル化合物の中でも、下記化合物が好ましい:ベンズアルデヒドおよびその誘導体、ナフトアルデヒドおよびその誘導体、シンナムアルデヒドおよびその誘導体、2-ホルミルメチレン-1,3,3-トリメチルインドリン(FischerのアルデヒドまたはTribaseアルデヒド)、2-インドールアルデヒド、3-インドールアルデヒド、1-メチルインドール-3-アルデヒド、2-メチルインドール-3-アルデヒド、2-(1’,3’,3’-トリメチル-2-インドリニリジン)-アセトアルデヒド、1-メチルピロール-2-アルデヒド、ピリドキサール、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒド、フルフラール、5-ニトロフルフラール、クロモン-3-アルデヒド、3-(5’-ニトロ-2’-フリル)-アクロレイン、3-(2’-フリル)-アクロレインおよびイミダゾール-2-アルデヒド、5-(4-ジメチルアミノフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(4-ジエチルアミノフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(4-メトキシフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(3,4-ジメトキシフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(2,4-ジメトキシフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(4-ピペリジノフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(4-モルホリノフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(4-ピロリジノフェニル)ペンタ-2,4-ジエナール、5-(4-ジメチルアミノ-1-ナフチル)ペンタ-3,5-ジエナール、ピペロナール、6-ニトロピペロナール、2-ニトロピペロナール、5-ニトロバニリン、2,5-ジニトロサリチルアルデヒド、5-ブロモ-3-ニトロサリチルアルデヒド、3-ニトロ-4-ホルミルベンゼンスルホン酸、4-ホルミル-1-メチルピリジニウム-、2-ホルミル-1-メチルピリジニウム-、4-ホルミル-1-エチルピリジニウム-、2-ホルミル-1-エチルピリジニウム-、4-ホルミル-1-ベンジルピリジニウム-、2-ホルミル-1-ベンジルピリジニウム-、4-ホルミル-1,2-ジメチルピリジニウム-、4-ホルミル-1,3-ジメチルピリジニウム-、4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-、2-ホルミル-1-メチルキノリニウム-、5-ホルミル-1-メチルキノリニウム-、6-ホルミル-1-メチルキノリニウム-、7-ホルミル-1-メチルキノリニウム-、8-ホルミル-1-メチルキノリニウム、5-ホルミル-1-エチルキノリニウム-、6-ホルミル-1-エチルキノリニウム-、7-ホルミル-1-エチルキノリニウム-、8-ホルミル-1-エチルキノリニウム、5-ホルミル-1-ベンジルキノリニウム-、6-ホルミル-1-ベンジルキノリニウム-、7-ホルミル-1-ベンジルキノリニウム-、8-ホルミル-1-ベンジルキノリニウム、5-ホルミル-1-アリルキノリニウム-、6-ホルミル-1-アリルキノリニウム-、7-ホルミル-1-アリルキノリニウム-および8-ホルミル-1-アリルキノリニウム-ベンゼンスルホネート、-p-トルエンスルホネート、-メタンスルホネート、-ペルクロレート、-スルフェート、-クロリド、-ブロミド、-ヨージド、-テトラクロロジンケート、-メチルスルフェート-、-トリフルオロメタンスルホネート、-テトラフルオロボレート、イサチン、1-メチル-イサチン、1-アリル-イサチン、1-ヒドロキシメチル-イサチン、5-クロロ-イサチン、5-メトキシ-イサチン、5-ニトロ-イサチン、6-ニトロ-イサチン、5-スルホ-イサチン、5-カルボキシ-イサチン、クイニサチン、1-メチルクイニサチン、および前記化合物の混合物。
【0071】
特に、下記から選択される少なくとも1つの化合物が好ましい:4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、4-ヒドロキシ-2-メトキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、3,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-ニトロベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒド、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-ブロモ-4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノ-2-メトキシベンズアルデヒド、2-メトキシベンズアルデヒド、3-メトキシベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、2-エトキシベンズアルデヒド、3-エトキシベンズアルデヒド、4-エトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,3-ジメトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,5-ジメトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,6-ジメトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2-メチル-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,3-ジメチル-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ベンズアルデヒド、3,5-ジエトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、2,6-ジエトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド、2-エトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、4-エトキシ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、4-エトキシ-3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、2,3-ジメトキシベンズアルデヒド、2,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2,5-ジメトキシベンズアルデヒド、2,6-ジメトキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、3,5-ジメトキシベンズアルデヒド、2,3,4-トリメトキシベンズアルデヒド、2,3,5-トリメトキシベンズアルデヒド、2,3,6-トリメトキシベンズアルデヒド、2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-3-メチル-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-6-メチル-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-5-メトキシ-ベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-6-メトキシ-ベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,6-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-2-メチル-ベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-6-メチル-ベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-2-メトキシ-ベンズアルデヒド、3,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,5,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-ジエチルアミノベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ピロリジノベンズアルデヒド、4-モルホリノベンズアルデヒド、2-モルホリノベンズアルデヒド、4-ピペリジノベンズアルデヒド、3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,5-ジヨード-ベンズアルデヒド、3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、5-ブロモ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-ヨード-5-メトキシベンズアルデヒド、2-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、4-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、2-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-ナフトアルデヒド、2,4-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒド、3,4-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒド、4-ジメチルアミノ-1-ナフトアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-ニトロベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアルデヒド、5-ニトロバニリン、2,5-ジニトロサリチルアルデヒド、5-ブロモ-3-ニトロサリチルアルデヒド、2-ジメチルアミノベンズアルデヒド、2-クロロ-4-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノ-2-メチルベンズアルデヒド、4-ジエチルアミノ-シンナムアルデヒド、4-ジブチルアミノ-ベンズアルデヒド、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド、5-カルボキシバニリン、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-カルボキシ-5-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-カルボキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-カルボキシバニリン、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-カルボキシ-5-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-アリル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-アリル-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、3-アリル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-アリル-5-ブロモ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3,5-ジアリル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-アリル-5-カルボキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3-アリル-5-ホルミル-2-ヒドロキシ安息香酸)、3-アリル-4-ヒドロキシ-5-ホルミルベンズアルデヒド、5-アリル-4-ヒドロキシイソナフタールアルデヒド、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒドおよび4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネートおよび前記化合物の混合物。
【0072】
本発明の方法の好ましい実施形態では、剤(B1)は、4-ヒドロキシ-2-メトキシベンズアルデヒド、2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2-ブロモ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒド、2,4-ジメトキシ-ベンズアルデヒドおよび4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネートおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの反応性カルボニル化合物を含んでなる。
【0073】
3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2-ブロモ-3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロ-1,5-ジメチル-3-オキソ-2-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアルデヒドおよび2,4-ジメトキシ-ベンズアルデヒドから選択される少なくとも1つの更なる反応性カルボニル化合物と組み合わせて4-ホルミル-1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネートを含有する剤(B1)。
【0074】
剤(B1)の反応性カルボニル化合物は、剤(B1)の100gに基づいて、好ましくは0.03~65.00mmolの量で存在する。剤(B1)の100gに基づいて1.00~30.00mmolの含量が特に好ましい。
【0075】
反応性カルボニル化合物の貯蔵安定性のために、剤(B1)が、それぞれの場合に22℃で測定されたpHを2~5、好ましくは3~4の範囲に有することが好ましい。
【0076】
剤(B2)は、一般式(CH-1)で示される少なくとも1つのCH酸性化合物および/または一般式(CH-2)で示される少なくとも1つのCH酸性化合物(前述)を含有し、反応性カルボニル化合物を含まない。
【0077】
CH酸性化合物は一般に、電子吸引性置換基に起因して対応する炭素-水素結合が活性化される、脂肪族炭素原子に結合した水素原子を持つ化合物であると考えられる。式(CH-1)で示される化合物および(CH-2)で示される化合物は、CH酸性化合物である。プロトンの脱離を引き起こす塩基の添加により、式(CH-1)で示されるカチオン性化合物から、対応する非電荷のエナミン形態を特に調製することができる。式(CH-1)で示される化合物の例として、エナミン形態の代表例を下記式(CH-1-A)および(CH-1-B)[ここで、R
7はCH
3である]を用いて説明する。式(CH-1)で示されるCH酸性化合物の対応するエナミン形態もまた、本発明に従う。
【0078】
本発明では、式(CH-3):
[式中、
・R
8およびR
9は、独立して、直鎖状または環状(C
1~C
6)アルキル基、(C
2~C
6)アルケニル基、任意に置換されていてよいアリール基、任意に置換されていてよいヘテロアリール基、アリール(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基、(C
2~C
6)ポリヒドロキシアルキル基、(C
1~C
6)アルコキシ(C
1~C
6)アルキル基、基R
IR
IIN-(CH
2)
m-を表し、R
IおよびR
IIは、独立して、水素原子、(C
1~C
4)アルキル基、(C
1~C
4)ヒドロキシアルキル基またはアリール(C
1~C
4)アルキル基を表し、R
IおよびR
IIは、窒素原子と一緒に5、6または7員環を形成していてもよく、mは、2、3、4、5または6の数を表し、
・R
10およびR
12は独立して、水素原子またはC
1~C
6アルキル基を表し、R
10およびR
12の少なくとも1つは(C
1~C
6)アルキル基であり、
・R
11は、水素原子、(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基、(C
2~C
6)ポリヒドロキシアルキル基、(C
1~C
6)アルコキシ基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルコキシ基、基R
IIIR
IVN-(CH
2)
q-を表し、R
IIIおよびR
IVは、独立して、水素原子、(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基またはアリール(C
1~C
6)アルキル基を表し、qは、1、2、3、4、5または6の数を表し、基R
11は、基R
10またはR
12と一緒に、任意にハロゲン原子、(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基、(C
2~C
6)ポリヒドロキシアルキル基、(C
1~C
6)アルコキシ基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、基R
VR
VIN-(CH
2)
s-を有してよい5員または6員芳香族環を形成していてもよく、R
VおよびR
VIは、互いに独立して、水素原子、(C
1~C
6)アルキル基、(C
1~C
6)ヒドロキシアルキル基またはアリール(C
1~C
6)アルキル基を表し、sは、0、1、2、3、4、5または6の数を表し、
・Yは、酸素原子、硫黄原子または基NR
VIIを表し、R
VIIは、水素原子、アリール基、ヘテロアリール基、(C
1~C
6)アルキル基またはアリール(C
1~C
6)アルキル基を表し、
・X
-は、生理学的に適合性のあるアニオンを表す]
で示される少なくとも1つの化合物から式(CH-1)で示される化合物を選択することが特に好ましい。
【0079】
式(CH-3)における基R10またはR12の少なくとも1つは、必ず(C1~C6)アルキル基を表す。このアルキル基は、好ましくは、そのα炭素原子に少なくとも2つの水素原子を有する。特に好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシルである。最も好ましくは、R10およびR12は、独立して、水素またはメチル基を表し、R10またはR12基の少なくとも1つはメチル基を表す。
【0080】
好ましい実施形態では、式(CH-3)におけるYは、酸素原子または硫黄原子を表し、特に好ましくは酸素原子を表す。
【0081】
式(CH-3)における基R8は、好ましくは、(C1~C6)アルキル基、特に好ましくはメチル基、(C2~C6)アルケニル基、特にアリル基、(C2~C6)ヒドロキシアルキル基、特に2-ヒドロキシエチル基、または任意に置換されていてよいベンジル基から選択される。
【0082】
式(CH-3)におけるR11は、好ましくは水素原子を表す。
【0083】
特に好ましくは、式(CH-3)において、基R9、R10およびR12はメチル基を表し、基R11は水素原子を表し、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、基R8は、(C1~C6)アルキル基、特に好ましくはメチル基、(C2~C6)アルケニル基、特にアリル基、(C2~C6)ヒドロキシアルキル基、特に2-ヒドロキシエチル基、または任意に置換されていてよいベンジル基から選択される。
【0084】
好ましくは、式(CH-1)および/または式(CH-2)で示される少なくとも1つのCH酸性化合物は、下記群の少なくとも1つの化合物から選択される:2-(2-フロイル)-アセトニトリル、2-(5-ブロモ-2-フロイル)-アセトニトリル、3-(2,5-ジメチル-3-フリル)-3-オキソプロパニトリル、2-(2-セノイル)-アセトニトリル、2-(3-セノイル)-アセトニトリル、2-(5-フルオロ-2-セノイル)-アセトニトリル、2-(5-クロロ-2-セノイル)-アセトニトリル、2-(5-ブロモ-2-セノイル)-アセトニトリル、2-(5-メチル-2-セノイル)-アセトニトリル、2-(2,5-ジメチルピロール-3-オイル)-アセトニトリル、2-(1,2,5-トリメチルピロール-3-オイル)-アセトニトリル、1H-ベンズイミダゾール-2-イルアセトニトリル(2-(シアンメチル)-ベンズイミダゾールとしても知られている)、1H-ベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、2-(ピリド-2-イル)-アセトニトリル、2,6-ビス(シアンメチル)-ピリジン、2-(インドール-3-オイル)-アセトニトリル、2-(2-メチル-インドール-3-オイル)-アセトニトリル、2-(6-ヒドロキシ-4,7-ジメトキシ-1-ベンゾフラン-5-オイル)-アセトニトリル、および1,2-ジヒドロ-1,3,4,6-テトラメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジエチル-4,6-ジメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジプロピル-4,6-ジメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジ(2-ヒドロキシエチル)-4,6-ジメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジフェニル-4,6-ジメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3,4-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジエチル-4-メチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジプロピル-4-メチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジ(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジフェニル-4-メチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1-アリル-1,2-ジヒドロ-3,4,6-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1-(2-ヒドロキシエチル)-3,4,6-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3,4,6-テトラメチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジエチル-4,6-ジメチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジプロピル-4,6-ジメチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジ(2-ヒドロキシエチル)-4,6-ジメチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジフェニル-4,6-ジメチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3,4-トリメチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジエチル-4-メチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジプロピル-4-メチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジ(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-1,3-ジフェニル-4-メチル-2-チオキソ-ピリミジニウム、1,2-ジヒドロ-3,4-ジメチル-2-オキソ-キナゾリニウムおよび1,2-ジヒドロ-3,4-ジメチル-2-チオキソ-キナゾリニウムの生理学的に許容性のある対イオンX-を有する塩。前記群の化合物は、特に鮮やかな毛髪の着色を達成するために、使用できる。
【0085】
本発明によると、剤(B2)で示されるCH酸性化合物が、1H-ベンズイミダゾール-2-イルアセトニトリル(2-(シアノメチル)-ベンズイミダゾールとしても知られている)、1-アリル-1,2-ジヒドロ-3,4,6-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウムの生理学的に許容される塩、1,2-ジヒドロ-1,3,4,6-テトラメチル-2-オキソ-ピリミジニウムの生理学的に許容される塩、およびこれら化合物の混合物から選択される場合に好ましいことが分かった。1-アリル-1,2-ジヒドロ-3,4,6-トリメチル-2-オキソ-ピリミジニウムの塩、および任意に2-(シアノメチル)ベンズイミダゾールを必ず含有する剤(B2)が、本発明において特に好ましい。
【0086】
剤(B2)において、式(CH-1)および/または式(CH-2)で示されるCH酸性化合物は、好ましくは、剤(B2)100gに基づいて0.03~65.00mmolの量で使用される。剤(B2)100gに基づいて1.00~30.00mmolの使用が特に好ましい。
【0087】
剤(B2)における式(CH-1)および/または式(CH-2)で示されるCH酸性化合物と反応性カルボニル化合物との好ましい組み合わせについては、DE 102008061863 A1の段落[0156]が明示的に参照される。
【0088】
本発明の検討の過程で、様々な関連する色合いが、下記表に記載の混合比(重量%単位)での下記表に記載の物質の混合物から好ましくは得られることが、更に見出された。
【0089】
【0090】
剤(B2)が、それぞれの場合に22℃で測定されたpHを、0.5~3の範囲、好ましくは1~2.5の範囲、特に好ましくは1.1~1.9の範囲に有する場合に、本発明に従って使用されるCH酸性化合物の安定性が高められ得ることも見出された。この措置により、組成物の安定性は向上し、数ヶ月間貯蔵しても、CH酸性化合物の含量が著しく低下することはない。
【0091】
剤(B1)および剤(B2)におけるpHは、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸またはグリコール酸などの有機酸または無機酸を用いて調整できる。本発明では、本発明におけるpH値の調整に、硫酸、塩酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸または乳酸を使用することが特に好ましい。
【0092】
本発明の方法では、剤(B1)および剤(B2)を、毛髪繊維への適用直前によく混合する。
【0093】
着色結果を更に向上するため、本発明では、方法の第二工程のCH酸性着色自体を、7~10、好ましくは8~9.5、特に好ましくは8.5~9の、それぞれの場合に22℃で測定されたpH範囲で実施する。
【0094】
従って、化粧品キャリア中に少なくとも1つのアルカリ化剤を含む第三の剤(B3)を、剤(B1)および剤(B2)の混合物に添加する。本発明では、剤(B3)が、それぞれの場合に22℃で測定されたpHを9~10、特に好ましくは10~12の範囲に有することが好ましい。
【0095】
化粧品キャリアにおける剤(B3)に含まれるアルカリ化剤は、好ましくは、アンモニア、塩基性アミノ酸、アルカリ水酸化物、アルカノールアミン、アルカリ金属メタケイ酸塩、尿素、モルホリン、N-メチルグルカミン、イミダゾール、アルカリリン酸塩およびアルカリ水素リン酸塩から選択される。好ましいアルカリ金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウムであり、特にナトリウムまたはカリウムである。
【0096】
本発明においてアルカリ化剤として使用できる塩基性アミノ酸は、好ましくは、L-アルギニン、D-アルギニン、D,L-アルギニン、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、D,L-ヒスチジン、L-リジン、D-リジン、D,L-リジンおよびこれらアミノ酸の塩からなる群から選択され、特にリジンヒドロクロリドから選択される。本発明において特に好ましいアルカリ化剤は、L-アルギニンである。
【0097】
本発明においてアルカリ化剤として使用できるアルカリ水酸化物は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびそれらの混合物から選択される。
【0098】
本発明においてアルカリ化剤として使用できるアルカノールアミン、好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するC2~C6アルキル親基を有する第一級アミンから選択される。特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(AMP)、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン(1,1’,1”-ニトリロトリス-2-プロパノール)、トロメタミン(2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール)、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、およびこれら化合物の混合物から選択される。本発明において非常に特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(AMP)、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、およびこれら化合物の混合物からなる群から選択される。
【0099】
特に好ましくは、アルカリ化剤は、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L-アルギニンおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物から選択される。
【0100】
また、剤(B3)において、7より高いpH値に調整した緩衝系を使用することもできる。
【0101】
本発明では、pH緩衝系は、溶液中において、化粧品キャリアに少量の酸またはアルカリを加えても、溶液のpHを僅かしか変化させない、化合物または化合物の組み合わせである。この変化は、pH緩衝系を含まない等量の化粧品キャリアに同量の酸またはアルカリを添加した場合より顕著ではない。
【0102】
そのようなpH緩衝系は、好ましくは、炭酸水素塩/炭酸塩、食用酸(特にクエン酸)/リン酸一水素、食用酸(特にクエン酸)/リン酸二水素、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/マレイン酸/NaOH、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/マレイン酸/KOH、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HCl、リン酸一水素/リン酸二水素、リン酸二水素/NaOH、リン酸二水素/KOH、TheorellおよびStenhagenに従った緩衝系、McIlvineに従った緩衝系、グリシン/NaOHおよびグリシン/KOHからなる群の少なくとも1つから選択される。特に好ましいpH緩衝系は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/マレイン酸/NaOH、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/マレイン酸/KOH、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HClからなる群の少なくとも1つから選択される。
【0103】
上記リストのうちスラッシュが付与されているpH緩衝系は、スラッシュによって分離された化合物の混合物を表している。リストに記載のアニオン性化合物は、対応する一価または多価カチオンを伴った塩の形態で使用される。好ましいカチオンは、アルカリ金属カチオン(特にナトリウムまたはカリウム)およびアンモニウムイオンである。
【0104】
本発明における緩衝系として使用できる食用酸は、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸またはそれらの混合物である。
【0105】
pH緩衝系は、即用性着色剤において、好ましくは、それぞれの場合に剤(B1)、剤(B2)および剤(B3)の適用混合物の重量に基づいて、0.1~10.0重量%、特に好ましくは0.3~5.0重量%、最も好ましくは0.5~3.0重量%の量で存在する。
【0106】
本発明では、剤(B1)、剤(B2)および剤(B3)を互いに混合することにより調製された最終適用混合物の、それぞれ22℃で測定されたpHは、7~10の範囲、好ましくは8~9.5の範囲、特に好ましくは8.5~9の範囲である。
【0107】
本発明の方法で使用される組成物は、化粧品用に許容可能なキャリア中に、本発明に必須の成分を含有する。そのため、適当な水性、アルコール性または水性-アルコール性のキャリアが好ましくは使用される。本発明の目的のため、そのようなキャリアは、例えば、クリーム、エマルション、ゲル、界面活性剤含有発泡溶液、例えばシャンプー、フォームエアゾール、または毛髪への適用に適したその他の組成物である。しかし、本発明に必須の成分を粉状組成物またはタブレット状組成物に配合することも考えられる。
【0108】
本発明の目的のため、水性アルコール性溶液は、3~70重量%のC1~C4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含有する水性溶液と理解される。本発明に従った組成物は、メトキシブタノール、ベンジルアルコール、エチルジグリコールまたは1,2-プロピレングリコールなどの更なる有機溶媒を付加的に含有してもよい。好ましい溶媒は、水溶性有機溶媒の全てである。
【0109】
第一の好ましい実施形態では、本発明に従って使用される剤(B1)、剤(B2)および剤(B3)は、低い粘度に調整される。成分(B1)、(B2)および(B3)の混合後に10~2000mPasの粘度(スピンドル4および速度4rpmにてブルックフィールド粘度計を用い22℃で測定)を有する適用組成物が特に好ましいことが見出された。10~1000mPasの上記条件で測定された粘度が、本発明において特に好ましい。50~500mPasの20℃で測定された粘度(ブルックフィールド粘度計RV-T型、ピンドル4および回転速度20rpm)が、本発明において特に好ましい。
【0110】
また、組成物(B1)、(B2)および(B3)を混合することによって、実際の剤(B)を使用直前に調製することが本発明にとって必須である。組成物(B1)、(B2)および(B3)の混合の実施には、様々な可能性があり、それらは既にWO 2010/046256 A2に詳細に記載されており、同文献は本明細書において明示的に参照される。
【0111】
本発明の第二の好ましい実施形態では、方法において使用される剤(B1)、剤(B2)および剤(B3)は、中程度の粘度である。成分(B1)、(B2)および(B3)の混合後に150~15,000mPasの粘度(スピンドル4および速度4rpmにてブルックフィールド粘度計を用い22℃で測定)を有する適用組成物が特に好ましいことが見出された。500~5000mPasの上記条件で測定された粘度が、本発明において特に好ましい。
【0112】
本発明の第三の好ましい実施形態では、方法において使用される剤(B1)、剤(B2)および剤(B3)は、高い粘度に調整される。成分(B1)、(B2)および(B3)の混合後に500~20,000mPasの粘度(スピンドル4および速度4rpmにてブルックフィールド粘度計を用い22℃で測定)を有する適用組成物が特に好ましいことが見出された。1,000~5,000mPasの上記条件で測定された粘度が、本発明において特に好ましい。
【0113】
この実施形態では、チューブに剤(B1)、剤(B2)および剤(B3)を包装することが有利であることも見出された。
【0114】
方法の第三工程:酸化的色校正
染料の除去後、ケラチン含有繊維は、適用されたCH酸性染料から可能な限り完全に解放され、繊維構造に対する損傷を全くまたは可能な限り受けておらず、特に、柔らかさおよび良好な櫛通り性を有すべきである。
【0115】
意外なことに、過酸化水素含有脱色剤がCH酸性染料で染色されたケラチン含有繊維の着色を、ケラチン含有繊維を保護しながら良好に除去することが見出された。有機ペルオキソ化合物および無機過酸基塩は使用しなくてもよい。また、CH酸性染料の繊維保護脱色は、少量の過酸化水素の使用により既に、または3~45分間、好ましくは5~30分間、特に好ましくは10~20分間の反応時間の後、成功する。
【0116】
本発明の方法の脱色剤(Ox)は、化粧品キャリア中に過酸化水素を含む。
【0117】
本発明において好ましく使用される脱色剤(Ox)は、脱色剤(Ox)全体の重量にそれぞれ基づいて計算された、0.5~12重量%の量、好ましくは1~6重量%の量、特に好ましくは1~4重量%の量、最も好ましくは1.5~3重量%の量で過酸化水素を含有する。
【0118】
脱色剤(Ox)は、好ましくは4~11、より好ましくは5~10、最も好ましくは7~10のpHを有する。
【0119】
また、脱色剤(Ox)が、過酸化水素に加えて0.001重量%未満の更なるペルオキソ化合物を含有すること、即ち、本発明における更なるペルオキソ化合物を含まないことが、本発明では好ましい。ペルオキソ化合物は、分子内に、基-O-O-またはO22-を含む化合物である。
【0120】
脱色剤(Ox)のこの実施形態で特定される更なるペルオキソ化合物には、過酸化水素は含まれず、従って、過水和物は含まれない。
【0121】
回避すべき好ましいペルオキソ化合物は、有機過酸、ペルオキソ二硫酸塩、過硫酸塩、ペルオキソ二リン酸塩、(特に、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキソ二リン酸カリウム)および過酸化物(例えば過酸化バリウムおよび過酸化マグネシウム)である。従って、有機過酸およびペルオキソ二硫酸塩および過硫酸塩およびペルオキソ二リン酸塩および過酸化物を含まない脱色剤(Ox)が特に好ましい。
【0122】
本発明では、脱色剤(Ox)が、少なくとも1つの界面活性剤を更に含有することが好ましい。多くの場合、即用性脱色剤は、少なくとも1つの界面活性剤を含有し、基本的に、アニオン性界面活性剤と、双性イオン性、両性、非イオン性およびカチオン性界面活性剤の両方が適している。しかし、多くの場合、アニオン性、双性イオン性または非イオン性界面活性剤から界面活性剤を選択することが有利であることが分かった。
【0123】
本発明では、3~45分間、好ましくは5~30分間、特に好ましくは10~20分間、繊維上に脱色剤を放置することが好ましい。
【0124】
また、本発明の検討の過程で、本発明の組成物が少なくとも1つの任意にエトキシル化および/またはプロポキシル化されていてよい脂肪アルコールを更に含有する場合に、観察される効果が更に増強され得ることが実証された。
【0125】
本発明において、任意にエトキシル化および/またはプロポキシル化されていてよい脂肪アルコールとは、8~22個の炭素原子含む直鎖状脂肪アルコールへの、0~30molエチレンオキシド、好ましくは2~25molエチレンオキシド、特に10~20molエチレンオキシドおよび/または0~5molプロピレンオキシドの付加物を意味する。
【0126】
本発明において好ましい脂肪アルコールの典型的な例は、カプリルアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセレニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびブラシジルアルコール、並びに例えば高圧水素化において使用される、例えば、脂肪および油ベースの工業用メチルエステルまたはRoelenのオキソ合成由来のアルデヒドの高圧水素化からの、および不飽和脂肪アルコールの二量化由来のモノマー画分としての、それらの工業用混合物である。12~18個の炭素原子を有する工業用脂肪アルコール、例えば、ココナツ、パーム、パーム核または獣脂脂肪アルコールが特に好ましい。
【0127】
脂肪アルコールエトキシレート、例えば、セテアレス-12、セテアレス-20およびセテアレス-30の添加が特に好ましいことが分かった。
【0128】
また、本発明では、本発明の方法において使用される剤が可溶化剤を含有する場合に、最適な効果、特に均一かつ強い色形成を達成するのに特に有利であることが分かった。
【0129】
本発明において特に有利な可溶化剤は、
a)6~22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のソルビタンモノエステルおよびジエステル並びにグリセロールモノエステルおよびジエステル、並びにそれらのエチレンオキシド付加物;
b)ひまし油および/または硬化ひまし油への15~60molエチレンオキシド付加物、および
c)4~8個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコールへの、およびアルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、20~30molエチレンオキシドおよび/または20~20molプロピレンオキシドの付加物
である。
【0130】
群a)の好ましい可溶化剤は、例えば、例えばINCI名ポリソルベート-20およびポリソルベート-80として知られている、ラウリン酸またはオレイン酸のエトキシル化ソルビタンモノエステルである。
【0131】
群b)の好ましい可溶化剤は、例えば、水素化ひまし油への約40molエチレンオキシド付加物、例えば、INCI名PEG-40水素化ひまし油で市販されているものである。
【0132】
本発明では、使用される剤が、群a)~c)とは異なる少なくとも2つの可溶化剤を含有する場合が有利であることが分かった。
【0133】
また、可溶化剤が、少なくとも1つの反応性カルボニル化合物を含んでなる剤(B1)に含まれている場合が特に好ましいことが分かった。
【0134】
可溶化剤は、好ましくは、本発明で使用される組成物中に、各組成物に基づいて、0.1~10重量%、特に0.5~6重量%の量で存在する。
【0135】
また、本発明の方法において使用される剤は、そのような組成物において知られている多くの活性成分、添加剤および助剤を含有してよい。多くの場合、即用性着色剤は少なくとも1つの界面活性剤を含有し、基本的に、アニオン性界面活性剤並びに双性イオン性、両性、非イオン性およびカチオン性界面活性剤が適している。しかし、多くの場合、アニオン性、双性イオン性または非イオン性界面活性剤から界面活性剤を選択することが有利であることが分かった。
【0136】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基中10~18個の炭素原子を有し分子中に12個までのグリコールエーテル基を有する、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートおよびエーテルカルボキン酸、特に、飽和および特に不飽和のC8~C22カルボン酸(例えばオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびパルミチン酸)の塩である。
【0137】
用語「双性イオン性界面活性剤」は、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つの-COO(-)基または-SO3
(-)基を有する表面活性化合物を説明するために使用される。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインであり、例えば、それぞれアルキルまたはアシル基中に8~18個の炭素原子を有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、CTFA名コカミドプロピルベタインで知られている脂肪酸アミド誘導体である。
【0138】
両性界面活性剤は、分子内にC8~18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOHまたは-SO3H基を有し、内部塩を形成できる表面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(それぞれアルキル基に8~18個の炭素原子を有するもの)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココスアルキルアミノプロピオネート、ココスアシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12~18アシルサルコシンである。
【0139】
非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオールおよびポリグリコールエーテル基組み合わせを、親水性基として有する。そのような化合物の例を、次に挙げる:
・8~22個の炭素原子を含む直鎖状脂肪アルコールへの、12~22個の炭素原子を含む脂肪酸への、およびアルキル基中に8~15個の炭素原子を含むアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2~30molおよび/またはプロピレンオキシド0~5mol付加物、
・グリセロールへのエチレンオキシド1~30mol付加物の、C12~C22脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
・C8~22アルキルモノ-およびオリゴグリコシド並びにそれらのエトキシル化類似体、
・脂肪酸アルカノールアミドのエチレンオキシド付加物。
【0140】
本発明の方法において使用され得るカチオン性界面活性剤の例は、とりわけ、第四級アンモニウム化合物である。好ましいアンモニウムハライドは、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリドを包含する。本発明において使用され得る他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質加水分解物である。
【0141】
また、次に例示するカチオン性シリコーン油も、本発明において適している:市販品であるQ2-7224(製造者:Dow Corning;安定化したトリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning(登録商標)929 Emulsion(アモジメチコンとしても知られるヒドロキシルアミノ修飾シリコーンを含有)、SM-2059(製造者:General Electric)、SLM-55067(製造者:Wacker)、並びにAbil(登録商標)-Quat 3270および3272(製造者:Th. Goldschmidt;ジ第四級ポリジメチルシロキサン、Quaternium-80)。
【0142】
本発明の方法において使用され得る界面活性剤の例はまた、アルキルアミドアミン、とりわけ脂肪酸アミドアミン、例えばTego Amid(登録商標)S18として入手し得るステアリルアミドプロピルジメチルアミンであり、これは、良好なコンディショニング効果に加えて、とりわけ易生分解性であることを特徴とする。
【0143】
また、本発明の方法において使用され得るカチオン性界面活性剤の例は、いわゆる「エステルクォート(esterquat)」として知られている第四級エステル化合物、例えばメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート(Stepantex(登録商標)の商品名で市販されている)であり、これも易生分解性である。
【0144】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物は、それぞれの場合に、単一の化合物であってよい。しかし、通常、好ましくは、そのような物質は天然の植物性または動物性原料から製造するので、それぞれの原料に応じてアルキル鎖長の異なる物質の混合物として得られる。
【0145】
剤(A)、(B1)、(B2)、(B3)および(Ox)において、化粧品キャリアの成分は、この目的に一般的な量で使用される。各剤に基づいて、例えば、乳化剤は0.5~30重量%の濃度、増粘剤は0.1~25重量%の濃度で存在する。
【0146】
下記実施例は、本発明の対象をより詳細に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0147】
特に明記されていない限り、実施例で使用されている量は重量パーセント単位である。
【0148】
方法の第一工程:酸化着色剤(A)
下記着色クリーム(A1)を調製した。
【0149】
【0150】
酸化的毛髪着色
毛髪への適用直前に、60gの着色クリーム(A1)を60gの酸化剤組成物(A2)と混合し、着色する毛髪に適用した。32℃で30分間曝露した後、混合物をぬるま湯で毛髪束から完全に濯ぎ落とし、毛髪束を市販のシャンプーで再び洗い、その後、温風(30~40℃)で乾燥した。
染色した毛髪は、強くて暗い金赤色を有していた。
1週間後、この酸化的に染色した毛髪を、下記CH酸性染料(B)で染色した。
【0151】
方法の第二工程:CH酸性染料(B)
反応性カルボニル化合物を含む剤(B1)
【0152】
式(CH-1)で示されるCH酸性化合物および式(CH-2)で示されるCH酸性化合物を含んでなるゲル状剤(B2)
【0153】
【0154】
(B1):(B2):(B3)の混合質量比は10:10:1であった。
上記混合質量比(B1):(B2):(B3)が10:10:1となるよう考慮して、成分(B1)および(B2)を均一に混合し、次いで、アルカリ化剤成分(B3)を加え、均一に混合した。
得られた混合物は、9の、22℃で測定されたpHを有していた。
(B1)と(B2)の混合物にアルカリ化剤(B3)を加えると直ちに、反応性カルボニル化合物とCH酸性物質との反応が開始した。
上記のように1週間前に酸化的に染色した毛髪に、3つの成分の最終混合物を、混合工程直後に適用した。
32℃で30分間曝露した後、CH酸性染料を毛髪束から完全に濯ぎ落とし、毛髪束を市販のシャンプーで再び洗い、その後、温風(30~40℃)で乾燥した。
【0155】
今度は、毛髪は強いマホガニーブラウン色になった。
【0156】
方法の第三工程:CH酸性着色剤の酸化的脱色(Ox)
1:1の混合質量比でCH酸性染料をアルカリ化するため上記したように過酸化水素含有酸性ゲル(Ox-1)とアルカリ化剤(B3)とを混合することにより、毛髪への適用直前に、CH酸性染料を脱色するための酸化脱色剤(Ox)を調製した。
過酸化水素含有酸性ゲル(Ox-1)は下記で構成されていた。
【0157】
CH酸性着色剤を脱色するために使用される酸化脱色剤(Ox)は10のpH(22℃)を有し、下記で構成されていた。
【0158】
脱色
以下に説明するように、CH酸性染料(B)で染色してから2日後、この毛髪を再び酸化的に脱色した。
脱色のために、前記脱色剤(Ox)に毛髪を浸した。液比は3:1(毛髪1gあたりの脱色剤のg)であった。
32℃で10分間曝露した後、脱色剤を毛髪束から完全に濯ぎ落とし、毛髪を市販のシャンプーで再び洗い、その後、温風(30~40℃)で乾燥した。
【0159】
比色測定
Detacolor社製のTexaflash DC 3881装置を用いてCIE Lab値を測定することによって、本発明の方法の前記3つの工程のそれぞれの色の結果を、染色工程または脱色工程からそれぞれ1日後に測定した。
染色した毛髪束と脱色した毛髪束との間の色差ΔEは、下記色差式に従って、各CIE Lab値に由来する。
下記表に、測定されたCIE Lab値、および本発明の方法に従った着色除去試験の計算された色差をまとめる。
【0160】
CH酸性染色の酸化的除去の後、即ち、本発明の方法の第三工程の終了後、酸化的染色の元の色の結果とCH酸性染色剤による中間のオン/オフ着色後の酸化的染色の色の結果との間の色差は4.88であった。このΔE値は、元の色の結果までの色差が十分小さいことを示している。
【0161】
従って、本発明の方法は、長期的な酸化的毛髪着色の中間の重ね着色、および穏やかな酸化工程後の元の色の結果への回復に特に適している。
【0162】
【国際調査報告】