(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニスト、その製造方法、およびそれを活性成分として含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 407/12 20060101AFI20230201BHJP
C07D 407/14 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20230201BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230201BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
C07D407/12 CSP
C07D407/14
A61K31/55
A61K31/454
A61P37/06
A61P25/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530984
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 KR2020016468
(87)【国際公開番号】W WO2021112461
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0159309
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヨプ・ペク
(72)【発明者】
【氏名】ドク・ソン・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン・ヨン・ホン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB03
4C063BB08
4C063CC79
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD19
4C063DD22
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZB08
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、自己免疫障害の治療に有用なスフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニストの役割をする化学式1に係る新規化合物、その製造方法、それを活性成分として含有する医薬組成物、および用途に関し、本発明に係る化合物は、再発寛解型多発性硬化症を含む広範囲な自己免疫および慢性炎症性疾患に効果があり、免疫調節異常の治療または予防にも使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
[化学式1]
【化1】
(前記化学式1中、
R
1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
R
2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、CN、CF
3、またはCOCF
3であり、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、またはハロゲンであり、
R
5AおよびR
5Bは、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、または-R
6(COOH)であり、ここで、R
6は、単一結合、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであって、前記R
5AおよびR
5Bのうち何れか1つは-R
6(COOH)であり、
前記R
5AおよびR
5Bは互いに結合して環を形成してもよく、前記環は-R
6(COOH)が置換された環である。)
【請求項2】
前記化学式1中、
R
1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキルであり、
R
2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、またはCF3であり、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、置換されていないアルキル、またはハロゲンであり、
R
5AおよびR
5Bは、それぞれ独立して、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、または-R
6(COOH)であり、R
6は、単一結合、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレンであって、前記R
5AおよびR
5Bのうち何れか1つは-R
6(COOH)であり、
前記R
5AおよびR
5Bは互いに結合して環を形成してもよく、前記環は-R
6(COOH)が置換された環である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項3】
前記化学式1中、
前記R
5AおよびR
5Bが互いに結合して環を形成する時に、前記環は、ハロゲン、アルキル、およびハロゲノ-アルキルからなる群から選択される1種以上の置換基がさらに置換されたものである、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項4】
前記化学式1中、
前記R
5AおよびR
5Bが互いに結合して環を形成する時に、前記環は、下記化学式1-1で表される環である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
[化学式1-1]
【化2】
(前記化学式1-1中、
Nは、前記化学式1においてR
5AおよびR
5Bと結合しているNと同一のNであり、
R
7~R
11は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、またはハロゲノ-アルキルであり、
mおよびnは、それぞれ独立して、0~6の整数であり、m+n≧1である。)
【請求項5】
前記化学式1-1で表される環が、下記化学式1-2で表される環である、請求項4に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
[化学式1-2]
【化3】
(前記化学式1-2中、
R
7は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、またはハロゲノ-アルキルであり、
N、n、およびmは、請求項4における定義のとおりである。)
【請求項6】
前記化学式1中、
前記R
3およびR
4のうち何れか1つ以上が水素である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項7】
前記化学式1で表される化合物が、下記群から選択される化合物である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
{[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-メチル-アミノ}-酢酸({[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethoxy]-methyl-amino}-acetic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidin-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-2-propyl-2H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidin-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸((R)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-3-carboxylic acid);
(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸((S)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-3-carboxylic acid);
(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸((S)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-pyrrolidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-3-クロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-3-chloromethyl-azetidine-3-carboxylic acid);
(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸((R)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-pyrrolidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-4-methyl-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[4-chloro-7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(1-isopropyl-3-trifluoromethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(1-isopropyl-3-ethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azepane-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-propyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-propyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-cyclopropylmethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-cyclopentyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isobutyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isobutyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-azepane-4-carboxylic acid);および
2-{1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-yl}酢酸(2-{1-[7-(1-isopropyl-3-trifluoromethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-yl}acetic acid)。
【請求項8】
前記化学式1で表される化合物が、多発性硬化症を含む自己免疫障害の治療に用いるためのものである、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項9】
前記化学式1で表される化合物が、スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニスト(agonist)である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を含む、自己免疫障害の治療用医薬組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を有効成分として含む、全身性エリテマトーデス、慢性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、強皮症、および自己免疫性肝炎からなる群から選択される自己免疫または慢性炎症疾患の治療または予防用医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2019年12月3日付の韓国特許出願第10-2019-0159309号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、多発性硬化症などの自己免疫障害の治療に有用なスフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニストの役割をする新規化合物、その製造方法、およびそれを活性成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
S1P(sphingosine-1-phosphate)は、細胞内セラミド経路(intracellular ceramide pathway)を介して生成され、かかる合成経路の出発物質であるセラミドは、2つの生成経路、すなわち、de novo生合成経路と、細胞膜構成物質であるスフィンゴミエリン(sphingomyelin)の分解(degradation)により細胞内で生成される。各組織におけるS1P levelは、2つの生合成スフィンゴシンキナーゼ(sphingosine kinases;SphKs)と2つの生分解S1Pホスファターゼ(S1P lyaseとlysophospholipid phosphatases)により調節されるが、スフィンゴシンがスフィンゴシンキナーゼによりリン酸化(phosphorylation)されながら生成される物質であるS1Pは、細胞の増殖(proliferation)、細胞骨格組織および移動(cytoskeletal organization and migration)、付着-(adherence-)、およびタイトジャンクションアセンブリ(tight junction assembly)、並びに形態発生(morphogenesis)のような多様な細胞反応を媒介することが知られている。これらは、血漿で、アルブミンを始めとする他の血漿タンパク質に結合された形態で高い濃度(100~1000nM)で存在するのに対し、組織では低い濃度で存在している。
【0004】
S1Pは、G-タンパク質カップリングされた受容体であるS1P受容体に結合して種々の生物学的機能を示すが、現在知られているS1P受容体のサブ-タイプはS1P1~S1P5の5種であって、これらは、それぞれ内皮分化遺伝子受容体(endothelial differentiation gene(EDG) receptor)1、5、3、6、および8と命名される。かかるS1P受容体は、白血球再循環(leukocyte recirculation)、神経細胞増殖(neural cell proliferation)、形態変化(morphological changes)、移動(migration)、内皮機能(endothelial function)、血管機能調節(vasoregulation)、および心臓血管系発生(cardiovascular development)などのような種々の生物学的機能に関与すると知られている。
【0005】
最近の多くの研究では、これらの受容体を介したS1Pシグナル伝達過程が、炎症反応と修復(repair)過程を含む多発性硬化症に関する一連の反応において重要な役割を果たすことが明らかになっており、実際に、近年、非選択的なS1P1アゴニストが多発性硬化症治療剤として承認された。S1P受容体は、多発性硬化症の誘発に関連する多くの細胞で同様に広く発現されるが、特に、S1P1受容体は、免疫系において非常に重要な役割を果たしている。S1P1受容体は、T細胞およびB細胞のようなリンパ球(lymphocyte)の表面で主に発現され、S1Pと反応して、リンパ球の再循環に関与するようになる。正常状態でS1P濃度は、リンパ様組織(lymphoid tissue)よりも体液で高いため、リンパ球は、S1P濃度差によって、リンパ様組織から離れて遠心性リンパ(efferent lymph)に沿って循環することになる。しかし、S1P1アゴニストによりリンパ球のS1P1受容体が下向き調節(down-regulation)されると、リンパ様組織からのリンパ球の離脱(egress)が起こらなくなり、結果として、CNSで炎症と組織損傷を引き起こす自己攻撃性(autoaggressive)リンパ球の浸潤が減少し、多発性硬化症の治療効果が現れることになる。経口用多発性硬化症治療剤として許可された、非選択的なS1P1アゴニストであるフィンゴリモド(fingolimod)は、S1P1受容体に結合して活性化されると、受容体がリンパ球の表面から内在化(internalization)または分解(degradation)され、逆説的に、機能的なS1P1拮抗(antagonism)として作用することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許公開第2010-064707号公報(2010.06.10.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
具体的に、本発明は、スフィンゴシン-1-リン酸(以下、S1Pと略記することがある)受容体に対する作用効能に優れた新規化合物、その薬学的に許容される塩、異性体またはその溶媒和物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、また、前記新規化合物を製造する方法を提供することにある。
【0009】
本発明は、さらに、薬学的に許容される担体とともに、有効成分として、前記新規化合物、その薬学的に許容される塩、異性体またはその溶媒和物を含有することを特徴とする、スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニスト組成物を提供することを目的とする。
【0010】
特に、本発明に係る組成物は、多発性硬化症のような自己免疫障害に対する予防および治療に優れた効果を奏する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を提供する。
【0012】
【0013】
前記化学式1中、
R1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
R2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、CN、CF3、またはCOCF3であり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、またはハロゲンであり、
R5AおよびR5Bは、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、または-R6(COOH)であり、ここで、R6は、単一結合、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであって、前記R5AおよびR5Bのうち何れか1つは-R6(COOH)であり、
前記R5AおよびR5Bは、互いに結合して環を形成することができ、前記環は-R6(COOH)が置換された環である。
【0014】
また、本発明の一実現例によると、多発性硬化症を含む自己免疫障害の治療に使用するためのものである化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を提供する。
【0015】
また、本発明の他の実現例によると、スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニスト(agonist)である化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を提供する。
【0016】
また、本発明の他の側面によると、化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を含む、自己免疫障害の治療用医薬組成物を提供する。
【0017】
さらに、本発明の他の側面によると、化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を有効成分として含む、全身性エリテマトーデス、慢性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、強皮症、および自己免疫性肝炎からなる群から選択される自己免疫または慢性炎症疾患の治療または予防用医薬組成物を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る化学式1の化合物は、スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニストの役割を果たし、再発寛解型多発性硬化症を含む広範囲な自己免疫および慢性炎症性疾患に効果があり、免疫調節異常の治療または予防にも使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。本明細書および特許請求の範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【0020】
以下では、便宜上、別に指示されない限り、化学式1の化合物は、化学式1の化合物と、その薬学的に許容される塩、またはその異性体および溶媒和物を何れも指称する。
【0021】
本明細書において化学式1の化合物を定義するにあたり、次のように定義された概念が用いられる。下記の定義は、特別に指示されない限り、本明細書の全体にわたって、個別的にまたはより大きい群の一部として用いられる用語にも適用される。
【0022】
化学式において、縦の波線表示は、化合物の母核に結合される位置を意味する。
【0023】
用語「アルキル」は、単独で、または「ヘテロアルキル」とともに組み合わせて用いられる場合に、それぞれ直鎖、側鎖、または環(シクロアルキル)状の炭化水素ラジカルを意味し、好ましくは、1~10個の炭素原子を有する直鎖または側鎖飽和炭化水素ラジカル;または3~10個の炭素原子を有する環状飽和炭化水素ラジカル;または1~10個の炭素原子を有する直鎖および/または側鎖飽和炭化水素ラジカルに結合されている、3~10個の炭素原子を有する環状飽和炭化水素ラジカルである。
【0024】
用語「アルケニル」は、二重結合を1以上含む不飽和炭化水素ラジカルを意味し、単独で、または「ヘテロアルケニル」とともに組み合わせて用いられる場合に、それぞれ直鎖、側鎖、または環(シクロアルケニル)状の炭化水素ラジカルを意味する。好ましくは、1~10個の炭素原子を有し、二重結合を1以上含む直鎖または側鎖不飽和炭化水素ラジカル;または3~10個の炭素原子を有し、二重結合を1以上含む環状不飽和炭化水素ラジカル;または1~10個の炭素原子を有し、二重結合を1以上含む直鎖および/または側鎖不飽和炭化水素ラジカルに結合されている、3~10個の炭素原子を有し、二重結合を1以上含む環状不飽和炭化水素ラジカルである。
【0025】
用語「ハロゲノ-アルキル」は、アルキルの水素原子のうち1個以上がハロゲンで置換されたものを意味する。
【0026】
用語「アルキニル」は、三重結合を1以上含む不飽和炭化水素ラジカルを意味し、単独で、または「ヘテロアルキニル」とともに組み合わせて用いられる場合に、それぞれ直鎖、側鎖、または環(シクロアルカニル)状の炭化水素ラジカルを意味する。
【0027】
用語「アルコキシ」は-O-アルキルを意味し、ここで、アルキルは、上記の定義のとおりである。
【0028】
用語「ハロ(ゲン)」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード基から選択される置換基を意味する。その他に、本明細書で用いられた用語と略語は、別に定義されない限り、その本来の意味を有する。
【0029】
用語「置換基」は、母体鎖における1個以上の水素原子を代替する原子または原子団を意味し、一例として、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、炭素数1~10のアルキルオキシ、オキソ(=O)、およびアルキルで置換されているかまたは置換されていないスルホニルからなる群から選択される1種以上が挙げられる。また、本発明において、置換基で置換される場合、1個以上の水素原子が置換されることができる。
【0030】
また、前記1~10個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシは、好ましくは、1~6個の炭素原子を有してもよい。
【0031】
また、前記3~10個の炭素原子を有するシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、シクロアルキルオキシは、好ましくは3~6個の炭素原子を有してもよい。
【0032】
本発明に係る化合物は、また、薬学的に許容される塩を形成することができる。このような薬学的に許容される塩には、薬学的に許容されるアニオンを含有する無毒性酸付加塩を形成する酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などのような無機酸、酒石酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸などのような有機カルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、またはナフタレンスルホン酸などのようなスルホン酸などにより形成された酸付加塩、特に好ましくは、硫酸、メタンスルホン酸、またはハロゲン化水素酸などにより形成された酸付加塩が含まれる。本発明に係る化学式1の化合物は、通常の方法により、その塩に転換させることができる。
【0033】
一方、本発明に係る化合物は、不斉炭素中心を有することができるため、RまたはS異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体混合物、およびそれぞれのジアステレオ異性体として存在することができ、これらの異性体および混合物は、何れも本発明の範囲に含まれる。すなわち、化学式1の構造に不斉炭素が含まれる場合には、方向が別に記載されていない限り、立体異性体(stereoisomers)が何れも含まれると理解される。
【0034】
本発明の一側面によると、本発明は、下記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を提供する。
【0035】
【0036】
前記化学式1中、
R1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、またはアルキニルであってもよく、R2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、CN、CF3、またはCOCF3であってもよく、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、またはハロゲンであってもよく、R5AおよびR5Bは、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、または-R6(COOH)であってもよく、ここで、R6は、単一結合、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであってもよく、前記R5AおよびR5Bのうち何れか1つは-R6(COOH)であってもよく、前記R5AおよびR5Bは互いに結合して環を形成してもよく、前記環は、-R6(COOH)が置換された環であってもよい。
【0037】
具体的に、前記化学式1中、R1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキルであってもよく、R2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、またはCF3であってもよく、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、置換されていないアルキル、またはハロゲンであってもよく、R5AおよびR5Bは、それぞれ独立して、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキルまたは-R6(COOH)であってもよく、この際、R6は、単一結合、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレン基であってもよく、前記R5AおよびR5Bのうち何れか1つは-R6(COOH)であってもよく、前記R5AおよびR5Bは互いに結合して環を形成してもよく、前記環は、-R6(COOH)が置換された環であってもよい。
【0038】
また、前記化学式1中、前記R5AおよびR5Bが互いに結合して環を形成する際に、前記環は、置換された-R6(COOH)の他に、追加的に、ハロゲン、アルキル、およびハロゲノ-アルキルからなる群から選択される1種以上の置換基がさらに置換されたものであってもよい。
【0039】
また、前記化学式1中、前記R5AおよびR5Bが互いに結合して環を形成する際に、前記環は、下記化学式1-1で表される環であってもよい。
【0040】
【0041】
前記化学式1-1中、Nは、前記化学式1においてR5AおよびR5Bと結合しているNと同一のNであり、R7~R11は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、またはハロゲノ-アルキルであってもよく、mおよびnは、それぞれ独立して、0~6の整数であってもよく、m+n≧1であってもよい。
【0042】
具体的に、前記化学式1-1で表される環は、下記化学式1-2で表される環であってもよい。
【0043】
【0044】
前記化学式1-2中、R7は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、またはハロゲノ-アルキルであってもよく、N、nおよびmは、請求項4における定義のとおりである。
【0045】
また、前記化学式1においてR5AおよびR5Bが環を形成する場合、前記環は、具体的に、-R6(COOH)が置換されたアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、またはアゼパンのうち何れか1つであってもよく、前記環は、-R6(COOH)の他に、追加的に、置換基がさらに置換されているかまたは置換されていないものであってもよい。
【0046】
また、本発明の一実施形態によると、前記化学式1中、前記R3およびR4のうち何れか1つ以上は水素であってもよく、一例として、R3およびR4の両方が水素であってもよい。
【0047】
より具体的に、前記化学式1で表される化合物は、下記群から選択される化合物を含むものであってもよい。
【0048】
{[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-メチル-アミノ}-酢酸({[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethoxy]-methyl-amino}-acetic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidin-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-2-propyl-2H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidin-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸((R)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-3-carboxylic acid);
(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸((S)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-3-carboxylic acid);
(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸((S)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-pyrrolidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-3-クロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-3-chloromethyl-azetidine-3-carboxylic acid);
(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸((R)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-pyrrolidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-4-methyl-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[4-chloro-7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(1-isopropyl-3-trifluoromethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(1-isopropyl-3-ethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azepane-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-propyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-propyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-cyclopropylmethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-cyclopentyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isobutyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isobutyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-azepane-4-carboxylic acid);および
2-{1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-イル}酢酸(2-{1-[7-(1-isopropyl-3-trifluoromethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-yl}acetic acid)。
【0049】
本発明に係る化学式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩、異性体またはその溶媒和物は、スフィンゴシン-1-リン酸受容体に関連する疾患の治療または予防に好適である。
【0050】
また、本発明は、化学式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩、異性体またはその溶媒和物の有効量および薬学的に許容される担体を含む、スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニストの役割をする医薬組成物を提供する。
【0051】
本発明に係る医薬組成物は、スフィンゴシン-1-リン酸が関与する、好ましくないリンパ球の浸潤により引き起こされる疾患の治療または予防にも使用することができる。
【0052】
本発明に係る医薬組成物による治療効能を示す疾患には、再発寛解型多発性硬化症を含む広範囲な自己免疫および慢性炎症性疾患が含まれる。
【0053】
また、本発明に係る医薬組成物は、免疫調節異常の治療または予防にも使用でき、ここで、免疫調節異常には、全身性エリテマトーデス、慢性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、強皮症、および自己免疫性肝炎が含まれる。
【0054】
さらに、本発明は、活性成分として化学式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩、異性体またはその溶媒和物を、薬学的に許容される担体と混合するステップを含む、再発寛解型多発性硬化症を含む広範囲な自己免疫および慢性炎症性疾患の予防または治療用組成物を製造する方法を提供する。
【0055】
前記「医薬組成物(pharmaceutical composition)」は、本発明の化合物と希釈剤、担体などのような他の化学成分を含んでもよい。したがって、前記医薬組成物には、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤、またはこれらの組み合わせが必要に応じて含まれてもよい。医薬組成物は、生物体内への化合物の投与を容易にする。化合物を投与する種々の技術が存在し、これには経口、注射、エアロゾル、非経口、および局所投与などが含まれるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0056】
前記「担体(carrier)」とは、細胞または組織内への化合物の付加を容易にする化合物を意味する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、生物体の細胞または組織内に多くの有機化合物を容易に投入するように通常用いられる担体である。
【0057】
前記「希釈剤(diluent)」とは、対象化合物の生物学的活性形態を安定化させるだけでなく、化合物を溶解させる水で希釈される化合物と定義される。バッファー溶液に溶解されている塩は、当該分野で希釈剤として用いられる。通常用いられるバッファー溶液は、ヒト溶液の塩の形態を模倣しているホスフェートバッファー食塩水である。バッファー塩は低い濃度で溶液のpHを制御することができるため、バッファー希釈剤が化合物の生物学的活性を変形することは殆どない。
【0058】
前記「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」とは、化合物の生物学的活性と物性を損なわない担体、希釈剤などと定義される。
【0059】
本発明の化合物は、目的に応じて、種々の医薬投与の形態で剤型化されてもよい。本発明に係る医薬組成物を製造するにあたり、活性成分、具体的に、化学式(1)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、異性体またはその溶媒和物を、製造しようとする剤型に応じて選択され得る種々の薬学的に許容される担体とともに混合する。例えば、本発明に係る医薬組成物は、目的に応じて、注射用製剤、経口用製剤などに剤型化されてもよい。
【0060】
本発明の化合物は、公知の製薬用担体と賦形剤を利用する公知の方法により製剤化され、単位用量の形態または多用量容器に内入されてもよい。製剤の形態は、オイルまたは水性媒質中の溶液、懸濁液、または乳化液の形態であってもよく、通常の分散剤、懸濁剤、または安定化剤を含有してもよい。また、例えば、使用の前に、無菌の、発熱物質が除去された水に溶かして使用する乾燥粉末の形態であってもよい。本発明の化合物は、また、カカオバターまたはその他のグリセリドのような通常の坐薬基剤を用いて坐薬型に製剤されてもよい。経口投与用の固体投与の形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および粒剤が可能であり、特に、カプセル剤と錠剤が有用である。錠剤および丸剤は腸溶被剤として製造することが好ましい。固体投与の形態は、本発明の化合物を、スクロース、ラクトース、澱粉などのような1つ以上の不活性希釈剤、およびステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、崩壊剤、結合剤などのような担体と混合することで製造することができる。
【0061】
必要な場合、本発明に係る化合物またはそれを含有する医薬組成物は、その他の薬剤、例えば、他の免疫治療剤と組み合わせて投与してもよい。
【0062】
本発明に係る化学式(1)化合物の投与量は、患者の性別、体重、年齢、および疾病の特殊な性質と深刻度のような要因を考慮し、医者の処方によって決定される。しかし、成人の治療に必要な投与量は、投与の頻度と強度によって、通常、一日に約0.1~500mgの範囲である。成人に筋肉内または静脈内投与する際には、一回投与量に分けて通常一日約0.1~300mgの全投与量を投与すれば十分であるが、一部の患者には、より高い一日投与量が好ましいことがある。
【0063】
前記「治療」とは、発病の症状が現れる客体に使用した際に、疾病の進行を中断または遅延させることを意味し、前記「予防」とは、発病の症状が現れないが、その危険性の高い客体に使用した際に、発病の徴候を中断または遅延させることを意味する。
【0064】
以下では、製造例および実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。本発明の化合物を製造する時に、反応順序は適宜変更可能である。すなわち、任意の工程を先に行うか、任意の置換基変化工程を挿入してもよく、必要に応じて、例示した試薬以外の任意の他の試薬を用いてもよい。各工程で得られる化合物は、再結晶化、蒸留、シリカゲルカラムなどの通常の方法により分離または精製されてもよい。また、各工程で得られた化合物を分離または精製せずに次の工程を行ってもよい。
【0065】
下記の構造式において、別に示さない限り、全ての置換基は上述の定義のとおりである。試薬と出発物質は容易に商業的に入手可能である。他のものは、公知された構造的に類似の化合物の合成法を始めとする下記製造例および実施例に記載の合成法により製造することができる。その製法が特に説明されない限り、出発物質として用いられた化合物は、公知された化合物であるか、もしくは、公知された化合物から公知の合成法またはそれに類似の方法により合成される化合物である。
【0066】
下記式において、Mはモル濃度を意味し、Nは規定濃度を意味し、「室温」は1~40℃の温度を意味する。
【0067】
製造例1-1:7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
国際公開特許第2010-064707号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 9.51 (s, 1H), 7.40(m, 5H), 7.19(s, 1H), 7.11(d, 1H), 6.60(dd, 1H), 6.49(d, 1H), 5.10(s, 2H), 5.00(s, 2H)
【0068】
製造例1-2:(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
韓国登録特許第10-1939657号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3);δ 7.64 (s, 1H), 7.43(m, 2H), 4.79(m, 3H), 1.83(br s, 1H), 1.56(d, 6H)
【0069】
製造例1-3:7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-2で得た(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(383mg、1.70mmol)と、製造例1-1で得た7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(300mg、1.70mmol)をトルエン(10ml)に溶かした後、トリブチルホスフィン(BuP3、291mg、1.44mmol)と1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADD、363mg、1.44mmol)を滴下した。室温で18時間撹拌した後、過量のヘキサンを入れた。濾過後、減圧蒸留し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物(320mg、49%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 9.52 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.47 (dd, J = 1.6 Hz, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.14 (d, 1H), 6.62 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.52 (d, 1H), 5.16 (s, 2H), 5.03 (s, 2H), 4.83-4.76 (m, 1H), 1.57 (d, 6H)
【0070】
製造例1-4:{[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-メチル-アミノ}-酢酸エチルエステルの合成
製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(160mg、0.42mmol)とサルコシンエチルエステル塩酸塩(129mg、0.84mmol)をジクロロエタン(10ml)に溶かし、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(46mg、0.22mmol)を入れて室温で5時間撹拌した。反応完了後、反応物に水を添加してエチルアセテートで抽出し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離して表題化合物(90mg、45%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.74 (s, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.46 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.56 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.53 (d, 1H), 6.32 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 4.87-4.80 (m, 3H), 4.21 (q, 2H), 3.29 (s, 2H), 3.24 (s, 2H), 2.42 (s, 3H), 1.62 (d, 6H), 1.30 (t, 3H)
【0071】
実施例1:{[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-メチル-アミノ}-酢酸の合成
【化5】
製造例1-4で得た{[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-メチル-アミノ}-酢酸エチルエステル(90mg、0.19mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合液(2/1、20ml)に溶かし、6Nの水酸化ナトリウム水溶液(1ml、6.32mmol)をゆっくりと滴下した。室温で3時間撹拌した後、1Nの塩酸溶液を入れてエチルアセテートで抽出した。ブラインで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留して表題化合物(40mg、46%)を得た。
NMR:
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.68 (s, 1H), 7.43 (q, 2H), 6.93 (d, 1H), 6.53 (d, 1H), 6.48 (d, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.82 (s, 2H), 4.80-4.76 (m, 1H), 3.56 (s, 2H), 3.49 (s, 2H), 2.67 (s, 3H), 1.56 (d, 6H)
【0072】
製造例2:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(160mg、0.42mmol)とアゼチジン-3-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(127mg、0.84mmol)を用いて表題化合物(120mg、60%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.69 (s, 1H), 7.47(dd, 1H), 7.41(d, 1H), 6.87(d, 1H), 6.51(dd, 1H), 6.46(d, 1H), 6.25(s, 1H), 5.11(s, 2H), 4.76(m, 1H), 4.68(s, 2H), 3.71(s, 3H), 3.55(m, 2H), 3.32(m, 3H), 3.11(s, 2H), 1.57(d, 6H)
【0073】
実施例2:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸の合成
【化6】
実施例1に記載の方法により、製造例2で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸メチルエステル(120mg、0.25mmol)を用いて表題化合物(70mg、60%)を得た。
NMR:
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.71 (s, 1H), 7.44 (q, 2H), 6.98 (d, 1H), 6.63 (s, 1H), 6.578 (d, 1H), 6.50 (s, 1H), 5.12 (s, 2H), 4.87 (s, 2H), 4.84-4.80 (m, 1H), 4.27 (br, s, 2H), 4.18 (br, s, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.67 (br, s, 1H), 1.60 (d, 6H)
【0074】
製造例3-1:1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
4-アミノ-3-メチル-安息香酸メチルエステル(2.0g、12.03mmol)をクロロホルム(25ml)に溶かした後、0℃で無水酢酸(2.12g、30.07mmol)をゆっくりと滴下した。室温で1時間撹拌した後、酢酸カリウム(250mg、3.61mmol)と亜硝酸イソアミル(2.23ml、24.06mmol)を入れた。70℃で18時間還流撹拌した後、過量のジクロロメタンを入れた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離して中間体であるアセチルインダゾール(1.2g、5.50mmol)を得た。
【0075】
アセチルインダゾール(1.2g、5.50mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合液(1/1、20ml)に溶かした後、6Nの水酸化ナトリウム水溶液(1.8ml)を滴下した。室温で10分間撹拌した後、6Nの塩酸水溶液で酸性化させた。ジクロロメタンで抽出し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、減圧蒸留して表題化合物(1.0g、47%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 9.72 (br, s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.14 (dd, J = 1.2 Hz, 1H), 7.60 (d, 1H), 3.97 (s, 3H)
【0076】
製造例3-2:1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルと2-プロピル-2H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-1で得た1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(1.0g、5.68mmol)とジメチルホルムアミド(20ml)に溶かし、0℃でプロピルブロミド(0.6ml、6.23mmol)と水素化ナトリウム(205mg、8.56mmol)をゆっくりと滴下した後、50℃で8時間撹拌した。その後、1Nの塩酸溶液を入れ、エチルアセテートで抽出した。ブラインで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離して、1次にカラムクロマトグラフィーを通過する1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(680mg、55%)と2-プロピル-2H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(330mg、26%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 8.31 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 4.20 (t, 2H), 3.86 (s, 3H), 1.87 (q, 2H), 0.84 (t, 3H)(1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルのNMRデータ)
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 8.49 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.89 (dd, J = 1.8 Hz, 1H), 7.70 (d, 1H), 4.39 (t, 2H), 3.93 (s, 3H), 2.06 (q, 2H), 0.96 (t, 3H)(2-プロピル-2H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルのNMRデータ)
【0077】
製造例3-3:3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-1で得た1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルと2-プロピル-2H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(330mg、1.51mmol)をジメチルホルムアミドに溶かし、N-クロロサクシニミド(NCS、253mg、1.90mmol)を滴下した後、室温で18時間撹拌した。その後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。ブラインで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離して表題化合物(180mg、47%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 8.45 (s, 1H), 7.96 (dd, J = 1.6 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 1.2 Hz, 1H), 4.47 (t, 2H), 3.99 (s, 3H), 2.08 (q, 2H), 1.03 (t, 3H)
【0078】
製造例3-4:(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-3で得た3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(180mg、0.71mmol)をテトラヒドロフランに溶かした後、リチウムアルミニウムボロヒドリド(8mg、0.20mmol)を滴下した。室温で1時間撹拌した後、水(1ml)、6Nの水酸化ナトリウム水溶液(1ml)、水(3ml)を順に入れた。セライトを滴下し、濾過した濾液を減圧蒸留した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離して表題化合物(159mg、100%)を得た。
【0079】
製造例3-5:7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-3に記載の方法により、製造例3-4で得た(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イル)-メタノール(159mg、0.71mmol)と、製造例1-1で得た7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(125mg、0.71mmol)を用いて、表題化合物(130mg、48%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 9.49 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.32 (dd, J = 1.85, 1.25, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.13 (d, 1H), 6.61 (dd, J = 2.45 Hz, 1H), 6.51 (d, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.02 (s, 2H), 4.41 (t, 2H), 2.01 (q, 2H), 0.96 (t, 3H)
【0080】
製造例3-6:1-[7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例3-5で得た7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(130mg、0.34mmol)とアゼチジン-3-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(103mg、0.68mmol)を用いて、表題化合物(100mg、62%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.65 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.33 (d, 1H), 6.87 (d, 1H), 6.52 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 5.07 (S, 2H), 4.69 (s, 2H), 4.41 (t, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.52 (t, 2H), 3.33-3.27 (m, 3H), 3.10 (s, 2H), 2.01 (q, 2H), 0.97 (t, 3H)
【0081】
実施例3:1-[7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸の合成
【化7】
実施例1に記載の方法により、製造例3-6で得た1-[7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸メチルエステル(100mg、0.33mmol)を用いて、表題化合物(30mg、19%)を得た。
NMR:
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.61 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.27 (br, s, 1H), 6.90 (d, 1H), 6.50 (br, s, 2H), 6.43 (s, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.74 (s, 2H), 4.38 (t, 2H), 4.19-4.02 (m, 4H), 3.64 (br, s, 2H), 3.47 (br, s, 1H). 1.97 (q, 2H), 0.93 (t, 3H)
【0082】
製造例4-1:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(178mg、0.46mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(110mg、0.69mmol)を用いて、表題化合物(100mg、41%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.66 (s, 1H), 7.43(d, 1H), 7.37(d, 1H), 6.82(d, 1H), 6.45(m, 2H), 6.20(s, 1H), 5.05(s, 2H), 4.73(m, 3H), 4.10(m, 1H), 2.95(s, 2H), 2.81(m, 2H), 2.23(m, 1H), 1.94(t, 2H), 1.84(m, 2H), 1.71(m, 2H), 1.52(d, 6H), 1.21(t, 3H)
【0083】
実施例4:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化8】
実施例1に記載の方法により、製造例製造例4-1で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(100mg、0.19mmol)を用いて、表題化合物(48mg、51%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, CDCl
3); δ 7.73(s, 1H), 7.48(m, 2H), 6.92(d, 1H), 6.54(m, 2H), 6.36(s, 1H), 5.14(s, 2H), 4.83(m, 3H), 3.27(s, 2H), 3.17(m, 2H), 2.32(m, 1H), 2.21(m, 2H), 2.03(m, 2H), 1.87(m, 2H), 1.61(d, 6H)
【0084】
製造例5-1:(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(143mg、0.37mmol)と(R)-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(88mg、0.56mmol)を用いて、表題化合物(105mg、53%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.70 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 6.87 (d, 1H), 6.50 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.47 (d, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.83-4.75 (m, 1H), 4.73 (s, 2H), 4.13 (q, 2H), 3.00 (q. 2H), 2.87 (d, 1H), 2.67 (d, 1H), 2.53 (br, s, 1H), 2.22 (br, s, 1H), 2.01 (br, s, 1H), 1.88 (br, s, 1H), 1.71 (br, s, 1H), 1.57 (d, 6H), 1.24 (t, 3H)
【0085】
実施例5:(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸の合成
【化9】
実施例1に記載の方法により、製造例5-1で得た(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル(105mg、0.20mmol)を用いて、表題化合物(66mg、66%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, DMSO
d6); δ 7.80 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 1.2 Hz, 1H), 7.08 (d, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.62 (dd, J = 2.4, 2.0 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.04-4.97 (m, 1H), 4.89 (s, 2H), 3.81 (br, s, 2H), 3.51 (br, s, 1H), 3.36 (br, s, 2H), 3.00-2.80 (m, 3H), 2.02 (br, s, 1H), 1.87 (br, s, 2H), 1.46 (d, 6H)
【0086】
製造例6-1:(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(126mg、0.33mmol)と(S)-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(77mg、0.49mmol)を用いて、表題化合物(92mg、54%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.70 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.50 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.81-4.73 (m, 1H), 4.69 (s, 2H), 4.14-4.08 (m, 2H), 3.00 (q, 2H), 2.86 (d, 1H), 2.67 (d, 1H), 2.53 (br, s, 1H), 2.23 (br, s, 1H), 2.03 (br, s, 1H), 1.88 (br, s, 1H), 1.71 (br, s, 1H), 1.56 (d, 6H), 1.24 (t, 3H)
【0087】
実施例6:(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸の合成
【化10】
実施例1に記載の方法により、製造例6-1で得た(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル(92mg、0.20mmol)を用いて、表題化合物(78mg、89%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, DMSO
d6); δ 7.80 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.08 (d, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.62 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.04-4.97 (m, 1H), 4.88 (s, 2H), 3.81 (br, s, 2H), 3.51 (br, s, 1H), 3.35 (br, s, 2H), 2.99-2.80 (m, 3H), 2.04 (br, s, 1H), 1.87 (br, s, 2H), 1.46 (d, 6H)
【0088】
製造例7-1:(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(137mg、0.36mmol)と(S)-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(90mg、0.54mmol)を用いて、表題化合物(127mg、71%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.69 (s, 1H), 7.46 (dd, J = 1.2 Hz, 1H), 7.41 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.52-6.47 (m, 2H), 6.26 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.83-4.76 (m, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.12 (q, 2H), 3.01 (q, 1H), 2.85 (t, 1H), 2.65-2.62 (m, 2H), 2.52 (q, 1H), 2.08-2.02 (m, 2H), 1.56 (d, 6H)
【0089】
実施例7:(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸の合成
【化11】
実施例1に記載の方法により、製造例7-1で得た(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステル(127mg、0.26mmol)を用いて、表題化合物(97mg、79%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, DMSO
d6); δ 7.80 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.61 (dd, J = 2.0 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.04-4.98 (m, 1H), 4.86 (s, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.32 (br, s. 5H), 2.22 (d, 2H), 1.46 (d, 6H)
【0090】
製造例8-1:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-3-クロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(93mg、0.24mmol)とクロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(78mg、0.36mmol)を用いて、表題化合物(53mg、41%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.70 (s, 1H), 7.47 (dd, J = 1.2 Hz, 1H), 7.42 (d, 1H), 6.87 (d, 1H), 6.51 (d, 1H), 6.51 (dd, J = 2.4 Hz, 1H), 6.46 (d, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.84-4.75 (m, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.23 (q, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.38 (d, 2H), 3.30 (d, 2H), 3.12 (s, 2H), 1.57 (d, 6H), 1.29 (t, 3H)
【0091】
実施例8:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-クロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸の合成
【化12】
実施例1に記載の方法により、製造例8-1で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-3-クロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸エチルエステル(53mg、0.10mmol)を用いて、表題化合物(42mg、83%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, DMSO
d6); δ 7.80 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.60 (d, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.21 (s, 2H), 5.02-4.97 (m, 1H), 4.76 (s, 2H), 4.26 (br, s, 4H), 4.03 (d, 2H), 3.88 (s, 2H), 1.46 (d, 6H)
【0092】
製造例9-1:(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(120mg、0.32mmol)と(R)-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(177mg、1.07mmol)を用いて、表題化合物(121mg、78%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.69 (s, 1H), 7.46 (dd, J = 1.2 Hz, 1H), 7.41 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.52-6.47 (m, 2H), 6.26 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.83-4.76 (m, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.12 (q, 2H), 3.01 (q, 1H), 2.85 (t, 1H), 2.65-2.62 (m, 2H), 2.52 (q, 1H), 2.08-2.02 (m, 2H), 1.56 (d, 6H)
【0093】
実施例9:(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸の合成
【化13】
実施例1に記載の方法により、製造例9-1で得た(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステル(121mg、0.24mmol)を用いて、表題化合物(101mg、86%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, DMSO
d6); δ 7.80 (d, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.61 (dd, J = 2.0 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.04-4.97 (m, 1H), 4.87 (s, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.31 (br, s, 3H), 2.51 (t, 2H), 2.22 (br, s, 1H), 2.16 (br, s, 1H), 1.46 (d, 6H)
【0094】
製造例10-1:7-ヒドロキシ-4-メチル-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
国際特許公開第2010-064707号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 10.08 (s, 1H), 7.32 (d, 1H), 6.51 (dd, 1H), 6.38 (d, 1H), 4.88 (s, 2H), 2.45 (s, 3H)
【0095】
製造例10-2:7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-3に記載の方法により、製造例1-2で得た(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(193mg、0.86mmol)と、製造例10-1で得た7-ヒドロキシ-4-メチル-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(136mg、0.72mmol)を用いて、表題化合物(104mg、30%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 10.10 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.46-7.41 (m, 3H), 7.38 (d, 1H), 6.67 (dd, 1H), 6.54 (d, 1H), 5.16 (s, 2H), 4.90 (s, 2H), 4.81-4.72 (m, 1H), 2.44 (s, 3H), 1.57 (d, 6H)
【0096】
製造例10-3:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例10-2で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(104mg、0.26mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(62mg、0.39mmol)を用いて、表題化合物(101mg、72%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.70 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.57 (dd, J = 2.4, 2.8 Hz, 1H), 6.50 (d, 1H), 5.12 (s, 2H), 4.83-4.74 (m, 1H), 4.65 (s, 2H), .81-4.72 (m, 1H), 4.12 (q, 2H), 3.07 (s, 2H), 2.83 (d, 2H), 2.28-2.22 (m, 1H), 1.99 (s, 3H), 1.98 (t, 2H), 1.85 (d, 2H), 1.75-1.66 (m, 2H), 1.57 (d, 6H), 1.25 (t, 3H)
【0097】
実施例10:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化14】
実施例1に記載の方法により、製造例10-3で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(101mg、0.19mmol)を用いて、表題化合物(34mg、35%)を得た。
NMR:
1H-NMR(400HMz, DMSO
d6); δ 7.79 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.19 (br, s, 1H), 6.63 (d, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.21 (s, 2H), 5.02-4.98 (m, 1H), 4.60 (br, s, 2H), 3.33 (br, s, 4H), 3.17 (br, s, 2H), 2.80 (br, s, 2H), 2.22 (br, s, 1H), 1.98 (s, 3H), 1.83 (br, s, 2H), 1.46 (d, 6H)
【0098】
製造例11-1:4-クロロ-7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
国際特許公開第2010-064707号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 10.09 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 6.54 (dd, 1H), 6.38 (d, 1H), 4.99 (s, 2H), 1.46 (s, 9H)
【0099】
製造例11-2:4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-3に記載の方法により、製造例1-2で得た(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(87mg、0.39mmol)と、製造例11-1で得た4-クロロ-7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(60mg、0.29mmol)を用いて、表題化合物(18mg、15%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 10.11 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.46 (d, 1H), 6.71 (dd, 1H), 6.54 (d, 1H), 5.18 (s, 2H), 5.01 (s, 2H), 4.85-4.77 (m, 1H), 1.58 (d, 6H)
【0100】
製造例11-3:1-[4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例11-2で得た4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(18mg、0.04mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(10mg、0.07mmol)を用いて、表題化合物(12mg、50%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.70 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 6.59 (dd, J = 2.45 Hz, 1H), 6.49 (d, 1H), 5.12 (s, 2H), 4.91-4.76 (m, 3H), 4.12 (q, 2H), 3.25 (s, 2H), 2.82 (d, 2H), 2.27-2.24 (m, 1H), 2.06 (t, 1H), 1.86 (d, 2H), 1.73-1.67 (m, 2H), 1.57 (d, 6H), 1.24 (t, 3H)
【0101】
実施例11:1-[4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化15】
実施例1に記載の方法により、製造例11-3で得た1-[4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(12mg、0.02mmol)を用いて、表題化合物(10mg、86%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.77 (d, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 6.72 (d, 1H), 6.62 (s, 1H), 5.23 (s, 2H), 4.98-4.91 (m, 3H), 3.30 (br, s, 4H), 3.03 (br, s, 1H), 2.46 (br, s, 3H), 1.99 (br, s, 2H), 1.80 (br, s, 1H), 1.42 (d, 6H)
【0102】
製造例12-1:5-フルオロ-7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
国際特許公開第2010-064707号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 9.54 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 6.22 (dd, 1H), 6.18 (d, 1H), 5.59 (s, 1H), 5.01 (d, 2H)
【0103】
製造例12-2:3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-3に記載の方法により、製造例1-2で得た(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(80mg、0.35mmol)と、製造例12-1で得た5-フルオロ-7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(57mg、0.30mmol)を用いて、表題化合物(19mg、14%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 9.53 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.43 (d, 1H), 6.35 (d, 1H), 6.32 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 5.01 (s, 2H), 4.82-4.76 (m, 1H), 1.58 (d, 6H)
【0104】
製造例12-3:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例12-2で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(19mg、0.05mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(11mg、0.07mmol)を用いて、表題化合物(15mg、58%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.68 (s, 1H), 7.46-7.41 (m, 2H), 6.42 (s, 1H), 6.27-6.25 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 4.80-4.76 (m, 1H), 4.72 (s, 2H), 4.12 (q, 2H), 3.01 (s, 2H), 2.83 (d, 2H), 2.26-2.23 (m, 1H), 1.96 (t, 2H), 1.86 (d, 2H), 1.72 (t, 2H), 1.57 (d, 6H), 1.24 (t, 3H)
【0105】
実施例12:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化16】
実施例1に記載の方法により、製造例12-3で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(15mg、0.03mmol)を用いて、表題化合物(12mg、81%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.76 (d, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 6.78 (br, s, 1H), 6.53 (d, 1H), 6.39 (s, 1H), 5.18 (s, 2H), 4.98-4.94 (m, 1H), 4.81 (br, s, 2H), 3.31 (br, s, 4H), 2.86 (br, s, 1H), 2.46 (br, s, 3H), 1.95 (br, s, 2H), 1.79 (br, s, 1H), 1.42 (d, 6H)
【0106】
製造例13-1:5-ブロモ-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾールの合成
国際特許公開第2008-086404号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 10.9(s, 1H), 8.02(s, 1H), 7.58(dd, 1H), 7.46(d, 1H)
【0107】
製造例13-2:5-ブロモ-1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾールの合成
製造例3-2に記載の方法により、製造例13-1で得た5-ブロモ-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール(540mg、2.04mmol)とヨウ化イソプロピル(0.41ml、4.08mmol)を用いて、表題化合物(310mg、50%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.98(s, 1H), 7.52(dd, 1H), 7.39(d, 1H), 4.86(m, 1H), 1.62(d, 6H)
【0108】
製造例13-3:1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-カルボニトリルの合成
製造例13-2で得た5-ブロモ-1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール(310mg、1.01mmol)をN-メチルピロリドンに溶かした後、シアン化亜鉛(ZnCN2、1.9g、14.16mmol)とパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン([Pd(Ph3P)4]、1.0g、0.71mmol)を滴下した。100℃で4時間撹拌した後、水を入れてエチルアセテートで抽出した。ブラインで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離して表題化合物(100mg、39%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 8.23(s, 1H), 7.62(m, 2H), 4.89(m, 1H), 1.64(d, 6H)
【0109】
製造例13-4:1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸の合成
製造例13-3で得た1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-カルボニトリル(100mg、0.39mmol)をエタノール(100ml)に溶かした後、6Nの水酸化ナトリウム水溶液(6.7ml、40.20mmol)を滴下した。18時間還流撹拌した後、溶媒を減圧蒸留下で除去した。1Nの塩酸水溶液を入れてエチルアセテートで抽出した。ブラインで洗浄し、無水マグネシウムサルフェートで乾燥した後、濾過した濾液を減圧蒸留して表題化合物(69mg、65%)を得た。
【0110】
製造例13-5:1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例13-4で得た1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸(69mg、0.25mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かした後、0.25Mのジアゾメタンジエチルエーテル溶液(1.2ml、0.3mmol)をゆっくりと滴下した。室温で30分間撹拌した後、減圧蒸留して表題化合物(53mg、75%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 8.58(s, 1H), 8.11(dd, 1H), 7.52(d, 1H), 4.91(m, 1H), 3.96(s, 3H), 1.62(d, 6H)
【0111】
製造例13-6:(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-4に記載の方法により、製造例13-5で得た1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(53mg、0.19mmol)を用いて、表題化合物(30mg、61%)を得た。
【0112】
製造例13-7:7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-3に記載の方法により、製造例13-6で得た(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(30mg、0.12mmol)と、製造例1-1で得た7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(25mg、0.14mmol)を用いて、表題化合物(23mg、48%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); 9.53(s, 1H), 7.87(s, 1H), 7.52(m, 2H), 7.22(s, 1H), 7.14(d, 1H), 6.62(dd, 1H), 6.51(d, 1H), 5.17(s, 2H), 5.03(s, 2H), 4.90(m, 1H), 1.62(d, 6H)
【0113】
製造例13-8:1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例13-7で得た7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(23mg、0.06mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(12mg、0.08mmol)を用いて、表題化合物(21mg、68%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ7.85(s, 1H), 7.52(s, 2H), 6.86(d, 1H), 6.49(m, 2H), 6.24(s, 1H), 5.12(s, 2H), 4.90(m, 1H), 4.73(s, 2H), 4.13(q, 2H), 2.99(s, 2H), 2.84(m, 2H), 2.26(m, 1H), 1.85(m, 6H), 1.62(d, 6H), 1.25(t, 3H)
【0114】
実施例13:1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化17】
実施例1に記載の方法により、製造例13-8で得た1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(21mg、0.04mmol)を用いて、表題化合物(3mg、15%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.89(s, 1H), 7.55(s, 2H), 6.92(d, 1H), 6.54(m, 2H), 6.36(s, 1H), 5.16(s, 2H), 4.92(m, 1H), 4.80(s, 2H), 3.23(s,2H), 3.09(m, 4H), 2.37(m, 1H), 1.89(m, 4H), 1.65(d, 6H)
【0115】
製造例14-1:5-ブロモ-3-エチル-1H-インダゾールの合成
国際特許公開第2005-085227号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 10.20 (s, 1H), 7.83(d, 1H), 7.48(dd, 1H), 7.32(d, 1H), 2.57(s, 3H)
【0116】
製造例14-2:5-ブロモ-1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾールの合成
製造例3-2に記載の方法により、製造例14-1で得た5-ブロモ-3-エチル-1H-インダゾール(740mg、3.29mmol)とヨウ化イソプロピル(0.65ml、6.58mmol)を用いて、表題化合物(680mg、77%)を得た。
NMR: 1H-NMR(400HMz, CDCl3); δ 7.81(s, 1H), 7.40(dd, 1H), 7.26(d, 1H), 4.73(m, 1H), 2.96(q, 2H), 1.35(t, 3H)
【0117】
製造例14-3:1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-カルボニトリルの合成
製造例13-3に記載の方法により、製造例14-2で得た5-ブロモ-1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール(680mg、2.55mmol)を用いて、表題化合物(190mg、35%)を得た。
【0118】
製造例14-4:1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸の合成
製造例13-4に記載の方法により、製造例14-3で得た1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-カルボニトリル(190mg、0.89mmol)を用いて、表題化合物(85mg、41%)を得た。
【0119】
製造例14-5:1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例14-4で得た1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸(85mg、0.36mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かした後、0.25Mのジアゾメタンジエチルエーテル溶液(1.73ml、0.43mmol)をゆっくりと滴下した。室温で30分間撹拌した後、減圧蒸留して表題化合物(69mg、78%)を得た。
【0120】
製造例14-6:(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-4に記載の方法により、製造例14-5で得た1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(69mg、0.28mmol)を用いて、表題化合物(40mg、65%)を得た。
【0121】
製造例14-7:7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例1-3に記載の方法により、製造例14-6で得た(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(40mg、0.18mmol)と、製造例145-1で得た7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(38mg、0.22mmol)を用いて、表題化合物(29mg、43%)を得た。
【0122】
製造例14-8:1-[7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例14-7で得た7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(29mg、0.08mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(19mg、0.12mmol)を用いて、表題化合物(20mg、48%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.70(s, 1H), 7.38(s, 2H), 6.85(d, 1H), 6.48(m, 2H), 6.23(s, 1H), 5.08(s, 2H), 4.78(m, 1H), 4.72(s, 2H), 4.12(q, 2H), 2.99(m, 4H), 2.82(m, 2H), 2.25(m, 1H), 1.83(m, 6H), 1.55(d, 6H), 1.37(t, 3H), 1.25(t, 3H)
【0123】
実施例14:1-[7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化18】
実施例1に記載の方法により、製造例14-8で得た1-[7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(20mg、0.04mmol)を用いて、表題化合物(10mg、51%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.69(s, 1H), 7.37(s, 2H), 6.86(d, 1H), 6.49(m, 2H), 6.29(s, 1H), 5.06(s, 2H), 4.76(m, 3H), 3.16(s, 2H), 3.05(m, 3H), 2.27(m, 1H), 2.03(m, 6H), 1.54(d, 6H), 1.36(t, 3H)
【0124】
製造例15-1:アゼパン-4-カルボン酸エチルエステル、塩酸塩の合成
米国特許公開第2007-0225275号公報に記載の方法により、表題化合物を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 9.55(br, s, 2H), 4.09(m, 2H), 3.41-2.95(m, 4H), 2.68(br, s, 1H), 2.41-1.73(m, 6H), 1.22-1.10(m, 3H)
【0125】
製造例15-2:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例1-3で得た7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(204mg、0.53mmol)とアゼパン-4-カルボン酸エチルエステル、塩酸塩(166mg、0.80mmol)を用いて、表題化合物(229mg、79%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.69(s, 1H), 7.48-7.44(m, 1H), 7.41-7.39(m, 1H), 6.88-6.84(m, 1H), 6.51-6.45(m, 2H), 6.21(s, 1H), 5.10(s, 2H), 4.78-4.73(m, 1H), 4.73(s, 2H), 4.14-4.08(m, 2H), 3.10(s, 2H), 2.70-2.63(m, 1H), 2.62-2.50(m, 4H), 1.99-1.88(m, 2H), 1.87-1.71(m, 3H), 1.62-1.51(m, 7H), 1.27-1.20(m, 3H)
【0126】
実施例15:1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸の合成
【化19】
実施例1に記載の方法により、製造例15-2で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸エチルエステル(229mg、0.43mmol)を用いて、表題化合物(170mg、78%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.75(d, 1H), 7.68(s, 1H), 7.49(d, 1H), 7.01(d, 1H), 6.67(s, 1H), 6.56(d, 1H), 6.49(s, 1H), 5.18(s, 2H), 5.02-4.92(m, 1H), 4.82(s, 2H), 3.76(s, 2H), 3.33-2.88(m, 4H), 2.59(br, s, 1H), 2.19-1.73(m, 6H), 1.49-1.35(m, 7H)
【0127】
製造例16-1:3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-3に記載の方法により、製造例3-2で得た1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(598mg、2.74mmol)を用いて、表題化合物(643mg、93%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 8.31(s, 1H), 7.99-7.95(dd, 1H), 7.29(d, 1H), 4.20(t, 2H), 3.86(s, 3H), 1.89-1.83(m, 2H), 0.84(t, 3H)
【0128】
製造例16-2:(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-4に記載の方法により、製造例16-1で得た3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(256mg、1.01mmol)を用いて、表題化合物(212mg、93%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.58(s, 1H), 7.41-7.38(dd, 1H), 7.31(d, 1H), 4.74(s, 2H), 4.22(t, 2H), 2.61(br, s, 1H), 1.92-1.84(m, 2H), 0.87(t, 3H)
【0129】
製造例16-3:7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例3-5に記載の方法により、製造例16-2で得た(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(97mg、0.43mmol)と、製造例1-1で得た7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(76mg、0.43mmol)を用いて、表題化合物(63mg、38%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 9.52(s, 1H), 7.71(s, 1H), 7.48-7.36(m, 3H), 7.15-7.12(m, 1H), 6.62-6.60(m, 1H), 6.50(m, 1H), 5.15(s, 2H), 5.02(s, 2H), 4.30-4.24(m, 2H), 1.98-1.89(m, 2H), 0.94-0.86(m, 3H)
【0130】
製造例16-4:1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例16-3で得た7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(65mg、0.17mmol)とアゼチジン-3-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(51mg、0.34mmol)を用いて、表題化合物(50mg、62%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.69(s, 1H), 7.46(d, 1H), 7.37(d, 1H), 6.86(d, 1H), 6.50(d, 1H), 6.45(d, 1H), 6.23(s, 1H), 5.09(s, 2H), 4.68(s, 2H), 4.26(t, 2H), 3.70(s, 3H), 3.51(t, 2H), 3.28(m, 3H), 3.09(s, 2H), 1.92(m, 2H), 0.90(t, 3H)
【0131】
実施例16:1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸の合成
【化20】
実施例1に記載の方法により、製造例16-4で得た1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸メチルエステル(50mg、0.16mmol)を用いて、表題化合物(15mg、19%)を得た。
NMR:
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3); δ 7.69(s, 1H), 7.46(d, 1H), 7.37(d, 1H), 6.86(d, 1H), 6.50(d, 1H), 6.45(d, 1H), 6.23(s, 1H), 5.09(s, 2H), 4.68(s, 2H), 4.26(t, 2H), 3.70(s, 3H), 3.51(t, 2H), 3.27(m, 1H), 3.09(s, 2H), 1.92(m, 2H)
【0132】
製造例17-1:1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例16-3で得た7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(63mg、0.17mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(39mg、0.25mmol)を用いて、表題化合物(22mg、25%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.69(s, 1H), 7.46(d, 1H), 7.37(m, 1H), 6.85(d, 1H), 6.53-6.45(m, 2H), 6.23(s, 1H), 5.10(s, 2H), 4.72(s, 2H), 4.27(t, 2H), 4.14-4.09(m, 2H), 2.98(s, 2H), 2.83(d, 2H), 2.25(m, 1H), 2.01-1.87(m, 6H), 1.71-1.68(m, 2H), 1.24(t, 3H), 0.91(t, 3H)
【0133】
実施例17:1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化21】
実施例1に記載の方法により、製造例17-1で得た1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(22mg、0.04mmol)を用いて、表題化合物(16mg、80%)を得た。
NMR:
1H-NMR (500 MHz, DMSO
d6); δ 7.75(d, 1H), 7.69(s, 1H), 7.50(dd, 1H), 7.04(m, 1H), 6.68-6.54(m, 2H), 6.50(s, 1H), 5.20(s, 2H), 4.72(s, 2H), 4.33-4.22(m, 4H), 2.15-1.91(m, 2H), 1.87-1.65(m, 6H), 1.46-1.04(m, 4H), 0.80-0.71(m, 3H)
【0134】
製造例18-1:1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-2に記載の方法により、製造例3-1で得た1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(200mg、1.13mmol)とシクロプロピルメチルブロミド(0.12ml、1.25mmol)を用いて、1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(116mg、55%)を得た。
【0135】
製造例18-2:3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-3に記載の方法により、製造例18-1で得た1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(116mg、0.55mmol)を用いて、表題化合物(128mg、93%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 8.42(s, 1H), 8.06(dd, 1H), 7.38(d, 1H), 4.19(d, 2H), 3.94(s, 3H), 1.32(m, 1H), 0.59(m, 2H), 0.40(m, 2H)
【0136】
製造例18-3:(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-4に記載の方法により、製造例18-2で得た3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(128mg、0.51mmol)を用いて、表題化合物(106mg、93%)を得た。
【0137】
製造例18-4:7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例3-5に記載の方法により、製造例18-3で得た(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(48mg、0.22mmol)と、製造例1-1で得た7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(38mg、0.22mmol)を用いて、表題化合物(31mg、38%)を得た。
【0138】
製造例18-5:1-[7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例18-4で得た7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(31mg、0.08mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(20mg、0.13mmol)を用いて、表題化合物(11mg、25%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.70(s, 1H), 7.46(d, 1H), 7.40(d, 1H), 6.85(d, 1H), 6.48(m, 2H), 6.23(s, 1H), 5.10(s, 2H), 4.72(s, 2H), 4.20(d, 2H), 4.14(q, 2H), 2.98(s, 2H), 2.83(m, 2H), 2.26(m, 1H), 1.95(m, 2H), 1.86(m, 2H), 1.72(m, 2H), 1.25(m, 1H), 1.23(t, 3H), 0.57(m, 2H), 0.40(m, 2H)
【0139】
実施例18:1-[7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化22】
実施例1に記載の方法により、製造例18-5で得た1-[7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(11mg、0.02mmol)を用いて、表題化合物(8mg、80%)を得た。
NMR:
1H-NMR (500 MHz, DMSO
d6); δ 7.67(s, 1H), 7.43(d, 1H), 7.37(d, 1H), 6.88(d, 1H), 6.50(d, 1H), 6.44(s, 1H), 6.39(s, 1H), 5.07(s, 2H), 4.79(s, 2H), 4.16(d, 2H), 3.35(s, 2H), 3.19(m, 2H), 2.34(m, 3H), 2.03(m, 2H), 1.91(m, 2H), 1.25(m, 1H), 0.56(m, 2H), 0.38(m, 2H)
【0140】
製造例19-1:1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-2に記載の方法により、製造例3-1で得た1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(600mg、3.41mmol)とシクロペンチルブロミド(1.1ml、10.23mmol)を用いて、1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(450mg、53%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 8.49(s, 1H), 8.08(s, 1H), 8.02(d, 1H), 7.44(d, 1H), 4.99(m, 1H), 3.93(s, 3H), 2.18(m, 4H), 1.97(m, 2H), 1.75(m, 2H)
【0141】
製造例19-2:3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-3に記載の方法により、製造例19-1で得た1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(134mg、0.55mmol)を用いて、表題化合物(135mg、93%)を得た。
【0142】
製造例19-3:(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-4に記載の方法により、製造例19-2で得た3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(135mg、0.51mmol)を用いて、表題化合物(112mg、93%)を得た。
【0143】
製造例19-4:7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例3-5に記載の方法により、製造例19-3で得た(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(88mg、0.35mmol)と、製造例12-1で得た5-フルオロ-7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(57mg、0.30mmol)を用いて、表題化合物(52mg、35%)を得た。
【0144】
製造例19-5:1-[7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例19-4で得た7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(52mg、0.12mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(38mg、0.24mmol)を用いて、表題化合物(40mg、58%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.66(s, 1H), 7.42(m, 2H), 6.41(s, 1H), 6.25(m, 2H), 5.06(s, 2H), 4.90(m, 1H), 4.72(s, 2H), 4.11(q, 2H), 3.00(s, 2H), 2.82(m, 2H), 2.15(m, 1H), 2.13(m, 4H), 1.97(m, 4H), 1.86(m, 2H), 1.72(m, 4H), 1.24(t, 3H)
【0145】
実施例19:1-[7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化23】
実施例1に記載の方法により、製造例19-5で得た1-[7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(40mg、0.07mmol)を用いて、表題化合物(31mg、81%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.66(s, 1H), 7.42(m, 2H), 6.52(s, 1H), 6.26(m, 2H), 5.06(s, 2H), 4.91(m, 1H), 4.78(s, 2H), 3.25(s, 2H), 3.09(m, 2H), 2.30(m, 2H), 2.15(m, 5H), 1.96(m, 4H), 1.86(m, 2H), 1.71(m, 2H)
【0146】
製造例20-1:1-イソブチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-2に記載の方法により、製造例3-1で得た1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(1.9g、11.24mmol)とヨウ化イソブチル(2.6ml、22.48mmol)を用いて、1-イソブチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(1.2g、45%)を得た。
【0147】
製造例20-2:3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステルの合成
製造例3-3に記載の方法により、製造例20-1で得た1-イソブチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(1.2g、5.1mmol)を用いて、表題化合物(1.02g、75%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 8.36(br, s, 1H), 8.02-8.00(m, 1H), 7.32(d, 1H), 4.06(d, 2H), 3.89(s, 3H), 2.31-2.24(m, 1H), 0.87(d, 6H)
【0148】
製造例20-3:(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノールの合成
製造例3-4に記載の方法により、製造例20-2で得た3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(691mg、2.59mmol)を用いて、表題化合物(560mg、91%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.55(br, s, 1H), 7.37-7.34(m, 1H), 7.27(d, 1H), 4.71(s, 2H), 4.02(d, 2H), 3.15(s, 1H), 2.27-2.21(m, 1H), 0.85(d, 6H)
【0149】
製造例20-4:7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒドの合成
製造例3-5に記載の方法により、製造例20-3で得た(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イル)-メタノール(152mg、0.64mmol)と、製造例12-1で得た5-フルオロ-7-ヒドロキシ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(124mg、0.64mmol)を用いて、表題化合物(84mg、32%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 9.52(m, 1H), 7.69(br, s, 1H), 7.45-7.35(m, 3H), 6.36-6.31(m, 2H), 5.12(s, 2H), 5.00(m, 2H), 4.10(m, 2H), 2.34-2.29(m, 1H), 0.90(d, 6H)
【0150】
製造例20-5:1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例20-4で得た7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(53mg、0.13mmol)とピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(30mg、0.19mmol)を用いて、表題化合物(23mg、33%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.68(s, 1H), 7.46-7.43(m, 1H), 7.37(d, 1H), 6.43(s, 1H), 6.28-6.25(m, 2H), 5.07(s, 2H), 4.73(s, 2H), 4.15-4.05(m, 4H), 3.01(s, 2H), 2.82(d, 2H), 2.36-2.22(m, 2H), 1.96(t, 2H), 1.86(d, 2H), 1.75-1.68(m, 2H), 1.28-1.19(m, 3H), 0.91(d, 6H)
【0151】
実施例20:1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸の合成
【化24】
実施例1に記載の方法により、製造例20-5で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(23mg、0.04mmol)を用いて、表題化合物(21mg、93%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.76(d, 1H), 7.71(s, 1H), 7.50(d, 1H), 6.80(s, 1H), 6.58-6.46(m, 1H), 6.41(s, 1H), 5.21-5.09(m, 2H), 4.81(s, 2H), 4.19-4.08(m, 2H), 3.88-3.71(m, 2H), 3.48-3.30(m, 2H), 2.87(m, 1H), 2.19-1.71(m, 6H), 1.20-1.15(m, 2H), 0.83-0.71(m, 6H)
【0152】
製造例21-1:1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸エチルエステルの合成
製造例1-4に記載の方法により、製造例20-4で得た7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-カルバルデヒド(47mg、0.11mmol)とアゼパン-4-カルボン酸エチルエステル塩酸塩(35mg、0.17mmol)を用いて、表題化合物(40mg、62%)を得た。
NMR: 1H-NMR(500HMz, CDCl3); δ 7.68(s, 1H), 7.46-7.43(m, 1H), 7.37(d, 1H), 6.42(s, 1H), 6.28-6.24(m, 2H), 5.07(s, 2H), 4.74(s, 2H), 4.13-4.05(m, 5H), 3.14(s, 2H), 2.75-2.48(m, 4H), 2.35-2.28(m, 1H), 2.03-1.71(m, 5H), 1.58(br, s, 1H), 1.24(t, 3H), 0.91(d, 6H)
【0153】
実施例21:1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸の合成
【化25】
実施例1に記載の方法により、製造例21-1で得た1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸エチルエステル(40mg、0.07mmol)を用いて、表題化合物(31mg、82%)を得た。
NMR:
1H-NMR(500HMz, DMSO
d6); δ 7.76(d, 1H), 7.71(s, 1H), 7.50(d, 1H), 6.83(s, 1H), 6.58-6.52(m, 1H), 6.40(s, 1H), 5.18(s, 2H), 4.84(s, 2H), 4.18-4.12(m, 2H), 3.83(s, 2H), 3.33-2.82(m, 4H), 2.59(br, s, 1H), 2.16-1.65(m, 6H), 1.31-1.05(m, 2H), 0.81(d, 6H)
【0154】
実験例:ヒトスフィンゴシン-1-リン酸発現細胞株を使用した試験化合物のCa2+誘導能の評価
(1)試験方法:EC50
Sphingosine-1 phosphate(S1P)と反応するヒトS1P1 receptor(S1P1受容体)を過発現させたCHO(Chinese hamster ovary)細胞で、効能物質の処置効能をカルシウムの増加から確認する機能的実験方法である。S1Pは、S1P1受容体と反応し、細胞内のカルシウム濃度を上げるGiタンパク質と連結されたGPCR(G-protein coupled receptor)である。安定発現細胞株(Stable cell line)を作るCHO-K1細胞は、S1Pによるカルシウム濃度変化がない細胞であって、各サブタイプ毎にヒトS1P受容体を形質感染させ、これらの受容体によるシグナルを確認しやすい細胞である。
【0155】
ヒトS1P1~S1P5過発現CHO細胞を作る方法としては、Missouri S&T cDNA Resource Centerから、N末端残基にHAが付いている各サブタイプ毎のヒトクローンを購入(S1P1:EDG010TN00、S1P2:EDG020TN00、S1P3:EDG030TN00、S1P4:EDG060TN00、S1P5:EDG080TN00)し、G-protein alpha subunit(G-alpha-16)とCHO-K1細胞にco-tansfectionさせる。次に、HA-抗体(MACS、Anti-HA-PE)を用いてFACS(Fluorescence-activated cell sorting、LK BioScience、JSAN)により分離した細胞を、10%FBS(Gibco、USA)、0.5mg/mlのGeneticin(Gibco)、0.2mg/mlのHygromycin B F12(Gibco)培養液で選択培養して細胞を得る。
【0156】
効能物質の選別には、カルシウム測定キット(Calcium 5 assay kit、Molecular devices)を利用した。カルシウム測定の原理は、dyeを加えた後、インキュベーション中にcalcium sensitive dyeが細胞の細胞質に入り込み、リガンドが特定の受容体に結合してカルシウムが細胞質内に遊離される場合、これと結合して蛍光を誘発することになるが、これを測定する原理である。一方、細胞の外に存在する変化はマスキング染料によりマスキングされ、細胞内におけるカルシウムの変化のみを敏感に測定可能な試験方法である。
【0157】
実験方法としては、カルシウム測定の一日前にhS1P1~hS1P5過発現CHO細胞を、96ウェルプレート(bottom clear black well)にウェル当たり3X104個添加し、37℃、5%二酸化炭素の条件で一日間培養した。その後、Assay Buffer(1XHBSS、20mMのHEPES、2.5mMのプロベネシド、pH7.4)と混合したカルシウムdyeを培養液ウェルに100ulずつ入れ、37℃で1時間培養した。テスト物質は、100%DMSOに溶かして濃度別に1ulずつ製造し、199ulのAssay Bufferと混合して、濃度が50、5、0.5、0.05、0.005、0.0005μMになるようにした。カルシウムdyeで培養されたプレートをFlaxstationII(Molecular Devices)に入れ、準備されたテスト物質50uLずつ(最終テスト物質の濃度:10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001μM)自動分注するようにプログラムし、総90秒間RFU(relative fluorescence unit)値を測定した。測定値は、ブランク値を除いたReference(S1P物質1μM)値を100%に設定し、テスト物質のEC50値をprismで算出した。
【0158】
(2)結果
結果を下記表1にEC50(nM)で示す。
【0159】
【0160】
上記の表1に示すように、本発明に係るS1P受容体アゴニスト化合物は優れた活性を示した。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
[化学式1]
【化1】
(前記化学式1中、
R
1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
R
2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、CN、CF
3、またはCOCF
3であり、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、またはハロゲンであり、
R
5AおよびR
5Bは、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、または-R
6(COOH)であり、ここで、R
6は、単一結合、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンであって、前記R
5AおよびR
5Bのうち何れか1つは-R
6(COOH)であり、
前記R
5AおよびR
5Bは互いに結合して環を形成してもよく、前記環は-R
6(COOH)が置換された環である。)
【請求項2】
前記化学式1中、
R
1は、水素、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキルであり、
R
2は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、またはCF3であり、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、置換されていないアルキル、またはハロゲンであり、
R
5AおよびR
5Bは、それぞれ独立して、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、または-R
6(COOH)であり、R
6は、単一結合、または置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキレンであって、前記R
5AおよびR
5Bのうち何れか1つは-R
6(COOH)であり、
前記R
5AおよびR
5Bは互いに結合して環を形成してもよく、前記環は-R
6(COOH)が置換された環である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項3】
前記化学式1中、
前記R
5AおよびR
5Bが互いに結合して環を形成する時に、前記環は、ハロゲン、アルキル、およびハロゲノ-アルキルからなる群から選択される1種以上の置換基がさらに置換されたものである、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項4】
前記化学式1中、
前記R
5AおよびR
5Bが互いに結合して環を形成する時に、前記環は、下記化学式1-1で表される環である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
[化学式1-1]
【化2】
(前記化学式1-1中、
Nは、前記化学式1においてR
5AおよびR
5Bと結合しているNと同一のNであり、
R
7~R
11は、それぞれ独立して、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、ハロゲン、またはハロゲノ-アルキルであり、
mおよびnは、それぞれ独立して、0~6の整数であり、m+n≧1である。)
【請求項5】
前記化学式1-1で表される環が、下記化学式1-2で表される環である、請求項4に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
[化学式1-2]
【化3】
(前記化学式1-2中、
R
7は、水素、置換基で置換されているかまたは置換されていないアルキル、またはハロゲノ-アルキルであり、
N、n、およびmは、請求項4における定義のとおりである。)
【請求項6】
前記化学式1中、
前記R
3およびR
4のうち何れか1つ以上が水素である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項7】
前記化学式1で表される化合物が、下記群から選択される化合物である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
{[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-メチル-アミノ}-酢酸({[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethoxy]-methyl-amino}-acetic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidin-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-2-プロピル-2H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-2-propyl-2H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidin-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸((R)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-3-carboxylic acid);
(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-3-カルボン酸((S)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-3-carboxylic acid);
(S)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸((S)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-pyrrolidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-3-クロロメチル-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-3-chloromethyl-azetidine-3-carboxylic acid);
(R)-1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピロリジン-3-カルボン酸((R)-1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-pyrrolidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-4-メチル-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-4-methyl-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[4-クロロ-7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[4-chloro-7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(1-isopropyl-3-trifluoromethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(1-イソプロピル-3-エチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(1-isopropyl-3-ethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isopropyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azepane-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼチジン-3-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-propyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-azetidine-3-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-propyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-シクロプロピルメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-cyclopropylmethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-シクロペンチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-cyclopentyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isobutyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-carboxylic acid);
1-[7-(3-クロロ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-5-フルオロ-2H-クロメン-3-イルメチル]-アゼパン-4-カルボン酸(1-[7-(3-chloro-1-isobutyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-5-fluoro-2H-chromene-3-ylmethyl]-azepane-4-carboxylic acid);および
2-{1-[7-(1-イソプロピル-3-トリフルオロメチル-1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2H-クロメン-3-イルメチル]-ピペリジン-4-yl}酢酸(2-{1-[7-(1-isopropyl-3-trifluoromethyl-1H-indazol-5-yl methoxy)-2H-chromene-3-ylmethyl]-piperidine-4-yl}acetic acid)。
【請求項8】
前記化学式1で表される化合物が、多発性硬化症を含む自己免疫障害の治療に用いるためのものである、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項9】
前記化学式1で表される化合物が、スフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニスト(agonist)である、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を含む、
免疫調節異常の治療
または予防用医薬組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその立体異性体を有効成分として含む、全身性エリテマトーデス、慢性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、強皮症、および自己免疫性肝炎からなる群から選択される自己免疫または慢性炎症疾患の治療または予防用医薬組成物。
【国際調査報告】